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JP2005159069A - ダイシング用粘接着テープ - Google Patents

ダイシング用粘接着テープ Download PDF

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賢二 喜多
Yasumasa Morishima
泰正 盛島
Shinichi Ishiwatari
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Abstract

【課題】 ダイシング用粘接着テープは、粘接着剤中の接着成分にはエポキシ樹脂のような低分子量物質が多く含まれているため、ダイシング時に粘接着剤が軟化して、ヒゲ状の切削屑が多く発生しICなどの半導体装置組立工程での接着不良や不良品の発生する欠点を持つが、このような欠点のないダイシング用粘接着テープを提供する。
【解決手段】 基材フィルム上に粘着性を有する粘接着剤層が形成されたダイシング用粘接着テープであって、25℃での粘接着剤層の弾性率が1×10Pa以上で、且つ、80℃での粘接着剤層の弾性率が1×10Pa以上であるダイシング用粘接着テープ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、シリコンウエハ等の半導体装置を製造するにあたりウエハ等を固定し、ダイシングするために使用されるダイシング用粘接着テープ、特にダイシング後にリードフレームや半導体チップと重ね合わせるための接着工程にも使用される半導体ウエハダイシングダイボンド用粘接着テープに関するものである。
ICなどの半導体装置の組立工程において、ウエハ等を固定し、ダイシングするための粘着性、さらにリードフレームや半導体チップと重ね合わせるための接着性の機能を併せ持つ粘接着剤層と基材フィルムで構成される熱硬化性半導体ウエハダイシングダイボンド用粘接着テープが種々提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
上記公報に開示されている粘接着テープは、ダイシング後、チップ裏面に粘接着剤層を貼りつけた状態で基材フィルムから剥離され、リードフレーム等に接着した後加熱などによってさらに硬化接着させるものであるため、通常の粘着テープの粘着剤には用いられない熱硬化型接着成分を含んでいる。
特開平2−32181号公報 特開平8−53655号公報
ところが、熱硬化型接着成分にはエポキシ樹脂といった低分子量物質が多く含まれている。そのため、ダイシング時に粘接着剤が軟化してしまい、ヒゲ状の切削屑が多く発生しICなどの半導体装置組立工程での接着不良やIC等の不良品が発生してしまう問題がある。
ダイシング特性には、ダイシング時の温度における粘接着剤層の特性が当然影響してくる。そして、粘接着剤層に使用される樹脂組成物の特性は温度によって変化するし、また、ダイシング時の温度もダイシングの諸条件によって変動する。
そこで、発明者等は、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、粘接着剤層の弾性率に着目し、ダイシング時の温度領域において、それが良好な状態にあることが重要であることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
(1)基材フィルム上に粘着性を有する粘接着剤層が形成されたダイシング用粘接着テープであって、25℃での粘接着剤層の弾性率が1×10Pa以上で、且つ、80℃での粘接着剤層の弾性率が1×10Pa以上であることを特徴とするダイシング用粘接着テープ、
(2)前記粘接着剤層が熱硬化によって接着性を有するものであることを特徴とする(1)に記載のダイシング用粘接着テープ、及び
(3)前記粘接着剤層が放射線硬化性であることを特徴とする(1)または(2)に記載のダイシング用粘接着テープ
を提供するものである。
なお、「25℃または80℃での弾性率」は、粘弾性計(レオメトリックサイエンス社製、商品名ARES)を用いて、0℃から測定を開始し昇温速度5℃/分、周波数10Hzで、動的粘弾性を測定し、25℃または80℃に達した時点での貯蔵弾性率G´をそれぞれの弾性率としたものである。
本発明の粘接着テープは、ウエハ等を固定し、ダイシングする際にヒゲ状切削屑がほとんど発生せず、さらにリードフレームや半導体チップと重ね合わせるための接着性の機能を持つ熱硬化性の半導体ウエハ用ダイシングダイボンド用とすることができ、リードフレームと半導体チップとを強固に接着し、半導体組立工程でのトラブルの減少やIC等の製品の歩留まりを向上させることができる。
また、広い温度領域でほぼ一定の弾性率を有するので、ダイシング温度にばらつきが生じてもヒゲ状切削屑がほとんど発生せず、ダイシング工程の温度管理が容易である。
以下、本発明のダイシング用粘接着テープについて詳細に説明する。
粘接着テープは、基材フィルムの面に粘接着剤層を有するもので、その外面にはセパレータが設けられている。粘接着剤層は基材フィルムの片面のみならず、両面に塗布されていてもよい。
本発明の粘接着テープに用いられる基材フィルムは、粘接着テープの強度母体となるものであり、一般にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリ塩化ビニル、これらの混合物などからなるフィルムが挙げられる。このような基材フィルムは、これらの単層からなるものが好ましいが、同種又は異種の複層化されたものでもよい。
この基材フィルムの厚さは50〜200μmが一般的であるが、特に限定されるものではなく適宜に設定してよい。このようにして得られる基材フィルムは、粘接着剤層を基材フィルムから容易に剥離するためにこの表面改質を行う必要がないのが特徴である。
本発明の粘接着テープの粘接着剤層を構成する粘接着剤は、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレートから1種類もしくは複数種と、アクリル酸又はメタクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレートを主成分とした共重合体と、エポキシ樹脂の混合物など公知の粘接着剤が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明で採用する80℃での粘接着剤層の弾性率が1×10Pa以上で、25℃での粘接着剤層の弾性率が1×10Pa以上である粘接着剤層を得るための方法としては、粘接着剤成分としてフィラーや可とう性成分を加える方法やエポキシ樹脂等の80℃以下で軟化する成分の配合量を少なくするという方法または、放射線硬化性粘接着剤を使用し放射線照射を行い粘接着剤を硬化させる方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
放射線硬化性粘接着剤としては公知の、エチルアクリレート、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレートからなるアクリル系共重合体に、2−イソシアネートエチルメタクリレートを付加反応させた紫外線硬化性アクリル系共重合体100質量部と、エチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートからなるアクリル系共重合体に、2−イソシアネートエチルメタクリレートを付加反応させた紫外線硬化性アクリル系共重合体100質量部を混合したアクリル系粘接着剤を、使用するのが好ましいが、これに限定されるものではない。
また、放射線硬化性粘接着剤を紫外線照射によって硬化させる場合には必要に応じて、光重合開始剤、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を使用することができる。これら光重合開始剤の配合量はアクリル系共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
本発明の粘接着剤層は、25℃での弾性率が1×10Pa以上で、且つ、80℃での弾性率が1×10Pa以上であることが必要である。放射線硬化性粘接着剤を用いた場合には、放射処理を行った後の弾性率がこの範囲にあってもよい。
これは、ダイシング工程でのウエハ等の処理温度は通常25℃乃至80℃であり、粘接着剤層の25℃での弾性率が1×10Pa未満で、80℃での弾性率が1×10Pa未満である場合においては、ダイシング時に粘接着剤層が適度の硬さ、粘性を保持せず、切断後にその切断面に多数のヒゲ状の切削屑が生ずる。
上記粘接着剤には、ダイボンド後の導電性、熱伝導性の付与を目的として金属製微粉末やその他導電性もしくは熱伝導性に優れる材料を添加することも可能である。また、上記粘接着剤には、熱安定性の向上を目的として金属酸化物やガラス等の微粉末を添加することもできる。
粘接着剤層の厚さとしては3〜50μmが一般的ではあるが、適宜に決定してよい。粘接着剤層の外面には、ポリエチレンテレフタレート系、ポリエチレン系、その他剥離処理フィルム等周知のセパレータを設ける。
本発明のダイシング用粘接着テープは、シリコンウエハ等に貼着し、ダイシングを行いICチップ等を作製する。次いで、これをダイボンダーを用いてリードフレーム上にマウントする。マウントを行った後、適宜の温度・時間、例えば120〜200℃、20分〜3時間、加熱を行いリードフレームとICチップとを強固に接着する。
したがって、本発明のダイシング用粘接着テープは、ダイシングダイボンド用粘接着テープでもある。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において、粘接着剤層の25℃または80℃での弾性率は、粘弾性計(レオメトリックサイエンス社製、商品名:ARES)を用いて、0℃から測定を開始し昇温速度5℃/分、周波数10Hzで、動的粘弾性を測定し、25℃または80℃に達した時点での貯蔵弾性率G´をそれぞれの弾性率とした。
ヒゲ状切削屑の数は、実施例および比較例によって得られる粘接着テープに厚み100μmのシリコンウエハを貼付した後、ダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DAD340)を使用し回転数40000rpm、カットスピード100mm/secで5mm×5mmにダイシングし、その後チップ裏面に粘接着剤層を貼りつけた状態で基材フィルムから剥離し、チップ裏面のヒゲ状切削屑の数をシリコンウエハ中央部のチップ100個について、顕微鏡観察によりカウントした。
それぞの実施例、比較例での25℃、80℃での弾性率とチップ裏面のヒゲ状切削屑の数を表1にまとめた。
粘接着剤の調整
(粘接着剤1)
アクリル系粘接着剤100質量部とポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)3質量部、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピコート1002)50質量部、ウレタン系アクリレート20質量部を混合して粘接着剤を得た。
(粘接着剤2)
アクリル系粘接着剤100質量部とポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)3質量部、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピコート1002)200質量部、ウレタン系アクリレート50質量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン3質量部を混合して粘接着剤を得た。
(粘接着剤3)
アクリル系粘接着剤100質量部とポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)3質量部、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピコート1002)200質量部、ウレタン系アクリレート50質量部、導電性フィラー(ニッケル粉末、平均粒子径3μm)500質量部を混合して粘接着剤を得た。
(粘接着剤4)
アクリル系粘接着剤100質量部とポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)3質量部、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピコート1002)400質量部を混合して粘接着剤を得た。
実施例1
粘接着剤1を厚さ100μmの高密度ポリエチレン樹脂からなるフィルム状支持体上にコロナ処理を施さず、この表面に乾燥後の厚さが20μmとなるようにグラビアコーターで塗工し、熱風乾燥炉で乾燥して粘接着テープを得た。
この粘接着テープを使用し、紫外線照射を行わずに25℃及び80℃での弾性率の測定を行い、シリコンウエハ貼合後に紫外線照射を行なわずにダイシングを行い、その後ヒゲ状切削屑数の測定を行った。
実施例2
粘接着剤2を厚さ100μmの高密度ポリエチレン樹脂からなるフィルム状支持体上にコロナ処理を施さず、この表面に乾燥後の厚さが20μmとなるように実施例1と同様に塗工し、乾燥して粘接着テープを得た。
この粘接着テープを使用し、紫外線照射を行った後に実施例1と同様に弾性率の測定を行い、シリコンウエハ貼合後に紫外線照射を行なった後ダイシングを行い、その後ヒゲ状切削屑数の測定を行った。
実施例3
粘接着剤3を厚さ100μmの高密度ポリエチレン樹脂からなるフィルム状支持体上にコロナ処理を施さず、この表面に乾燥後の厚さが20μmとなるように実施例1と同様に塗工し、乾燥して粘接着テープを得た。
この粘接着テープを使用し、紫外線照射を行わずに弾性率の測定を行い、シリコンウエハ貼合後に紫外線照射を行なわずにダイシングを行い、その後ヒゲ状切削屑数の測定を行った。
比較例1
粘接着剤2を厚さ100μmの高密度ポリエチレン樹脂からなるフィルム状支持体上にコロナ処理を施さず、この表面に乾燥後の厚さが20μmとなるように実施例1と同様に塗工し、乾燥して粘接着テープを得た。
この粘接着テープを使用し、実施例2と違い紫外線照射を行わずに弾性率の測定を行い、シリコンウエハ貼合後に紫外線照射を行なわずにダイシングを行い、ヒゲ状切削屑数の測定を行った。
比較例2
粘接着剤4を厚さ100μmの高密度ポリエチレン樹脂からなるフィルム状支持体上にコロナ処理を施さず、この表面に乾燥後の厚さが20μmとなるように実施例1と同様に塗工し、乾燥して粘接着テープを得た。
この粘接着テープを使用し、紫外線照射を行わずに弾性率の測定を行い、シリコンウエハ貼合後に紫外線照射を行なわずにダイシングを行い、ヒゲ状切削屑数の測定を行った。
Figure 2005159069
実施例1、2及び3では、得られた粘接着テープをシリコンウエハに貼着し、5mm×5mmにダイシングしてICチップを得た。
次いで、上記のICチップをダイボンダーを用いてリードフレーム上にダイレクトマウントした。この際に観察したところ、ICチップ上に粘接着層が固着されていることが確認された。さらにチップ上に問題なくワイヤーボンドを打つことが確認された。
このようにしてダイレクトマウントを行った後、170℃、2時間の条件で加熱を行いリードフレームとICチップとを強固に接着することができた。
同様に、比較例1及び2では、得られた粘接着テープをシリコンウエハに貼着し、5mm×5mmにダイシングしてICチップを得、次いで、そのICチップをダイボンダーを用いてリードフレーム上にダイレクトマウントした。このようにしてダイレクトマウントを行った後、同様に170℃、2時間の条件で加熱を行って観察を行ったところ、リードフレームとICチップとの間には多数の切削屑が介在し、ワイヤーボンドが打てなかったり、接着強度が弱くなってしまい、マウントしたICチップのうち10%程度に不良が生じた。

Claims (3)

  1. 基材フィルム上に粘着性を有する粘接着剤層が形成されたダイシング用粘接着テープであって、25℃での粘接着剤層の弾性率が1×10Pa以上で、且つ、80℃での粘接着剤層の弾性率が1×10Pa以上であることを特徴とするダイシング用粘接着テープ。
  2. 前記粘接着剤層が熱硬化によって接着性を有するものであることを特徴とする請求項1に記載のダイシング用粘接着テープ。
  3. 前記粘接着剤層が放射線硬化性であることを特徴とする請求項1または2に記載のダイシング用粘接着テープ。
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