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JP2005155399A - 自動車およびその制御方法 - Google Patents

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JP2005155399A JP2003393794A JP2003393794A JP2005155399A JP 2005155399 A JP2005155399 A JP 2005155399A JP 2003393794 A JP2003393794 A JP 2003393794A JP 2003393794 A JP2003393794 A JP 2003393794A JP 2005155399 A JP2005155399 A JP 2005155399A
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Nobuyuki Taki
伸幸 滝
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Abstract

【課題】 運転者の意思をより正確に推定して内燃機関を自動停止する。
【解決手段】 エンジンの自動停止条件が成立したときには、ブレーキ圧Pbが大きくなるほど小さくなる傾向に、且つ、車両の減速度ΔVが大きくなるほど小さくなる傾向に待機時間Tstopを設定し(ステップS150)、設定した待機時間Tstopが経過するのを待ってエンジンを自動停止する(ステップS170)。この結果、車両が坂路を走行していても平坦路を走行していても大きな変化なしに同様なタイミングでエンジン22を自動停止することができる。従って、走行路に拘わらず、運転者の意思をより正確に推定してエンジン22の自動停止を行なうことができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車およびその制御方法に関し、詳しくは、自動停止条件が成立したときに運転している内燃機関を自動停止すると共に自動始動条件が成立したときに自動停止された内燃機関を自動始動する自動車およびその制御方法に関する。
従来、この種の自動車としては、ブレーキ踏み込み状態に応じてエンジンの自動停止を制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車では、ブレーキの踏み込み量が第1の所定値より大きいときにエンジンの自動停止を実行するが、ブレーキの踏み込み速度が所定速度より大きいときにはエンジンの自動停止を禁止している。そして、これにより、急ブレーキ直後の再加速を迅速に行なうことができるようにしている。
特開2002−221059号公報
しかしながら、上述の自動車では、ブレーキの踏み込み状態に基づいて運転者の再加速の意思を予測しようとしているが、ブレーキの踏み込み状態だけでは運転者の再加速の意思を正確に予測できない場合がある。坂路を下っているときと上っているときに同じように停車する場合を考えれば、坂路を下っているときには平坦路に比してブレーキを強く踏み込まなければならないから、ブレーキの踏み込み速度は速くなり、運転者の意思として再加速が予測されることになり、坂路を上っているときには平坦路に比してブレーキを緩く踏み込む傾向にあるから、ブレーキの踏み込み速度は遅くなり、運転者の意思として再加速は予測されないことになってしまう。
本発明の自動車およびその制御方法は、運転者の意思をより正確に推定して内燃機関を自動停止することを目的とする。
本発明の発名称は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の自動車は、
自動停止条件が成立したときに運転している内燃機関を自動停止すると共に自動始動条件が成立したときに自動停止された内燃機関を自動始動する自動車であって、
運転者の減速要求操作に伴って減速する際の車両の実減速に関連する減速関連状態を検出する減速関連状態検出手段と、
該検出した減速関連状態に基づいて前記内燃機関を自動停止するしやすさの程度としての自動停止程度を設定する自動停止程度設定手段と、
前記自動停止条件が成立したとき、前記設定された自動停止程度に基づいて前記内燃機関を自動停止するよう該内燃機関を制御する自動停止制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の自動車では、運転者の減速要求操作に伴って減速する際の車両の実減速に関連する減速関連状態を検出し、この検出した減速関連状態に基づいて内燃機関を自動停止するしやすさの程度としての自動停止程度を設定し、自動停止条件が成立したときには設定した自動停止程度に基づいて内燃機関を自動停止するよう内燃機関を制御する。即ち、車両の実減速に関連する状態に応じた自動停止のしやすさにより内燃機関を自動停止するのである。この結果、運転者の意思をより正確に推定して内燃機関を自動停止することができる。
こうした本発明の自動車において、前記自動停止程度設定手段は、前記自動停止程度として前記自動停止条件が成立してから前記内燃機関を自動停止するまでの時間を設定する手段であるものとすることもできる。自動停止条件が成立してから内燃機関を自動停止するまでの時間が短いほど内燃機関を自動停止しやすいものといえるから、この時間を設定することにより自動停止程度を設定することができる。
また、本発明の自動車において、前記減速関連状態検出手段は、運転者によるブレーキ操作程度と減速している車両の減速度とを前記減速関連状態として検出する手段であるものとすることもできる。こうすれば、ブレーキ操作程度と減速度とに基づいて内燃機関の自動停止の程度を調整することができる。この場合、前記自動停止程度設定手段は、前記検出された減速度が大きいほど前記内燃機関が自動停止しやすくなる傾向に前記自動停止程度を設定する手段であるものとすることもできるし、前記検出されたブレーキ操作程度が大きいほど前記内燃機関が自動停止しやすくなる傾向に前記自動停止程度を設定する手段であるものとすることもできる。車両の減速度やブレーキ操作程度は、大きいほど早く確実に止まろうとする運転者の意思を反映するから、この場合には再加速の意思が薄いと推測することができる。この結果、運転者の意思をより正確に推定して内燃機関を自動停止することができる。なお、ブレーキ操作程度としてはブレーキ踏力を考えることができる。また、これらの態様の本発明の自動車において、前記自動停止程度設定手段は、前記減速度が所定減速度未満のときには、前記自動停止程度として自動停止の禁止を設定する手段であるものとすることもできる。減速度が小さいときには再加速の意思があると判断することに基づく。
さらに、本発明の自動車において、前記減速関連状態検出手段は、運転者によるブレーキ操作程度と減速している車両が走行している路面勾配とを前記減速関連状態として検出する手段であるものとすることもできる。こうすれば、ブレーキ操作程度と路面勾配に基づいて内燃機関の自動停止の程度を調整することができる。この場合、前記自動停止程度設定手段は、前記検出された路面勾配が上り勾配のときには上り勾配が大きいほど前記内燃機関が自動停止しやすくなる傾向に前記自動停止程度を設定し、前記検出された路面勾配が下り勾配のときには下り勾配が大きいほど前記内燃機関が自動停止し難くなる傾向に前記自動停止程度を設定する手段であるものとすることもできるし、前記検出されたブレーキ操作程度が大きいほど前記内燃機関が自動停止しやすくなる傾向に前記自動停止程度を設定する手段であるものとすることもできる。上り勾配のときには勾配が大きいほど僅かなブレーキ操作でも大きな減速度となって停車できることや下り勾配のときには勾配が大きいほど大きなブレーキ操作でも小さな減速度となって停車し難いものとなる。また、ブレーキ操作程度は、大きいほど早く確実に止まろうとする運転者の意思を反映するから、この場合には再加速の意思が薄いと推測することができる。従って、路面勾配やブレーキ操作程度を考慮することにより、運転者の意思をより正確に推定して内燃機関を自動停止することができる。なお、ブレーキ操作程度としてはブレーキ踏力を考えることができる。また、これらの態様の本発明の自動車において、前記自動停止程度設定手段は、前記減速度が所定減速度未満のときには、前記自動停止程度として自動停止の禁止を設定する手段であるものとすることもできる。減速度が小さいときには再加速の意思があると判断することに基づく。
本発明の自動車の制御方法は、
自動停止条件が成立したときに運転している内燃機関を自動停止すると共に自動始動条件が成立したときに自動停止された内燃機関を自動始動する自動車の制御方法であって、
運転者の減速要求操作に伴って減速する際の車両の実減速に関連する減速関連状態を検出し、
該検出した減速関連状態に基づいて前記内燃機関を自動停止するしやすさの程度としての自動停止程度を設定し、
前記自動停止条件が成立したとき、前記設定した自動停止程度に基づいて前記内燃機関を自動停止するよう該内燃機関を制御する
ことを要旨とする。
この本発明の自動車の制御方法によれば、運転者の減速要求操作に伴って減速する際の車両の実減速に関連する減速関連状態を検出し、この検出した減速関連状態に基づいて内燃機関を自動停止するしやすさの程度としての自動停止程度を設定し、自動停止条件が成立したときには設定した自動停止程度に基づいて内燃機関を自動停止するよう内燃機関を制御するから、即ち、車両の実減速に関連する状態に応じた自動停止のしやすさにより内燃機関を自動停止するから、運転者の意思をより正確に推定して内燃機関を自動停止することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンにより駆動するエンジン22と、エンジン22をコントロールするエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22からクランクシャフト26に出力された動力を変速してデファレンシャルギヤ32を介して駆動輪34a,34bに伝達するオートマチックトランスミッション28と、このオートマチックトランスミッション28の変速を制御するオートマチックトランスミッション用電子制御ユニット(以下、ATECUという)30と、エンジン22のクランクシャフト26と動力のやり取りを行なうモータジェネレータ36と、このモータジェネレータ36とインバータ38を介して電力のやり取りを行なうバッテリ40と、エンジン22の始動や停止,モータジェネレータ36の駆動などを制御するハイブリッド用電子制御ユニット50とを備える。
モータジェネレータ36は、電動機として駆動すると共に発電機としても駆動する例えば同期電動発電機として構成されており、その回転軸に取り付けられたモータ用プーリ46は、エンジン22のクランクシャフト26にクラッチ42を介して接続されたエンジン側プーリ44にベルト48により接続されている。このため、モータジェネレータ36は、エンジン22からクランクシャフト26に出力された動力を用いて発電してバッテリ40を充電したり、バッテリ40からの電力を用いて動力をクランクシャフト26に出力できる。
ハイブリッド用電子制御ユニット50は、CPUを中心とするマイクロプロセッサにより構成されており、図示しないがCPUの他に処理プログラムやデータなどを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAMや入出力ポート、通信ポートを備えている。ハイブリッド用電子制御ユニット50には、モータジェネレータ36に取り付けられた図示しない回転数センサや温度センサからのモータ回転数やモータ温度、インバータ38内の取り付けられた図示しない電流センサからのモータジェネレータ36への相電流、バッテリ40に取り付けられた図示しない温度センサからのバッテリ温度、バッテリ40の出力端子近傍に取り付けられた図示しない電圧センサや電流センサからの端子間電圧や充放電電流、シフトレバー52の操作位置を検出するシフトポジションセンサ53からのシフトポジションSP,アクセルペダル54の踏み込み量に対応したアクセル開度Accを検出するアクセルペダルポジションセンサ55からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル56の踏み込みを検出するブレーキスイッチ57からのブレーキスイッチ信号SWB,ブレーキペダル56の踏み込みによりブレーキマスタシリンダ58に生じるブレーキ圧Pbを検出するブレーキ圧センサ59からのブレーキ圧Pb,車速センサ60からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されており、ハイブリッド用電子制御ユニット50からは、エンジン22のクランクシャフト26をクランキングするスタータモータ23への駆動信号やモータジェネレータ36を駆動制御するためのインバータ38へのスイッチング制御信号、クラッチ42への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット50は、通信ポートを介してエンジンECU24やATECU30と接続されており、必要に応じてエンジンECU24からエンジン22の状態に関するデータやATECU30からオートマチックトランスミッション28の状態に関するデータなどを受信すると共にエンジンECU24やATECU30に制御信号を送信する。ここで、エンジン22の状態に関するデータには、冷却水の水温やエンジン回転数などの他、エンジンECU24により実行されるアイドル回転時の制御値の学習の完了や学習履歴の有無に関するデータも含まれる。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、基本的には、アイドル停車時にアクセルペダル54が踏み込まれていないアクセルオフであると共にブレーキペダルが踏み込まれているブレーキオンの状態でエンジン回転数Neが所定回転数以下であるなどの所定の停止条件が成立したときにエンジン22を自動停止し、ブレーキオフとされたりアクセルオンされるなどの所定の始動条件が成立したときにモータジェネレータ36によりエンジン22が自動始動されるアイドルストップ制御が行なわれる。以下、こうしたアイドルストップ制御におけるエンジン22の自動停止の際の動作について説明する。
図2は、ハイブリッド用電子制御ユニット50により実行される自動停止処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22が運転されているときに実行される。自動停止処理ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット50は、ブレーキ圧センサ59からのブレーキ圧Pbや車速センサ60からの車速V,ブレーキスイッチ57からのブレーキスイッチ信号SWB,アクセルペダルポジションセンサ55からのアクセル開度Acc,シフトポジションセンサ53からのシフトポジションSPなど処理に必要なデータを入力し(ステップS100)、エンジン22を自動停止する自動停止条件が成立したか否かを判定する(ステップS110)。自動停止条件としては、車速Vが値0やアクセルオフ,ブレーキオン,エンジン回転数Neが所定回転数以下などがある点は前述した。自動停止条件が成立しないときには、自動停止条件が成立するまでデータを入力するステップS100の処理と自動停止条件の判定するステップS110の処理を繰り返す。
自動停止条件が成立すると、入力したブレーキ圧Pbを閾値Prefと比較する(ステップS120)。ここで、閾値Prefは、渋滞等で一時的にゆっくりと停車する際に必要なブレーキ圧力より若干高い圧力、即ちクレープトルクを押さえることができる圧力より若干高い圧力として設定されており、エンジン22の性能やハイブリッド自動車20の車重などにより定めることができる。ブレーキ圧Pbが閾値Pref未満のときには、単に一時停止しただけですぐに発進すると判断し、エンジン22の自動停止を禁止して(ステップS180)、処理を終了する。
ブレーキ圧Pbが閾値Pref以上のときには、車速Vの時間変化に基づいて車両の減速度ΔVを計算する(ステップS130)。減速度ΔVの計算は、例えば所定時間前に入力した車速Vと再度に入力した車速V(値0)の差を所定時間で除することにより行なうことができる。そして、計算した減速度ΔVを閾値Vrefと比較する(ステップS140)。ここで、閾値Vrefは、渋滞等で一時的にゆっくりと停車する際の減速度より若干大きな減速度として設定されている。減速度ΔVが閾値Vref未満のときには、単に一時停止しただけですぐに発進すると判断し、エンジン22の自動停止を禁止して(ステップS180)、処理を終了する。
減速度ΔVが閾値Vref以上のときには、ブレーキ圧Pbと減速度ΔVとに基づいて待機時間Tstopを設定する(ステップS150)。ここで、待機時間Tstopは、自動停止条件が成立してから実際にエンジン22を自動停止するまでの時間である。実施例では、待機時間Tstopは、ブレーキ圧Pbと減速度ΔVと待機時間Tstopとの関係を予め設定して待機時間設定用マップとして記憶しておき、ブレーキ圧Pbと減速度ΔVとが与えられるとマップから対応する待機時間Tstopを導出して設定するものとした。ブレーキ圧Pbと待機時間Tstopとの関係は、実施例では、ブレーキ圧Pbが大きいほど運転者は停車しようとする意思が強く再発進の意思は弱い傾向にあるものと考え、ブレーキ圧Pbが大きいほど小さくなる傾向に待機時間Tstopを設定する関係とした。この関係の一例を図3に示す。また、減速度ΔVと待機時間Tstopとの関係は、実施例では、減速度ΔVが大きいほど運転者は停車しようとする意思が強く再発進の意思は弱い傾向にあるものと考え、減速度ΔVが大きいほど小さくなる傾向に待機時間Tstopを設定する関係とした。この関係の一例を図4に示す。従って、待機時間Tstopは、ブレーキ圧Pbが大きいほど小さくなる傾向に、減速度ΔVが大きいほど小さくなる傾向に設定されることになる。
こうして待機時間Tstopを設定すると、設定した待機時間Tstopを経過するのを待って(ステップS160)、エンジン22を自動停止する指示をエンジンECU24に出力して(ステップS170)、処理を終了する。
いま、上り勾配の坂路を車両が走行しているときに運転者がブレーキペダル56を踏み込んで平坦路を走行しているときに通常に停車するよう停車したときを考える。このとき、運転者によるブレーキペダル56の踏み込みは、上り勾配を走行しているため平坦路を走行しているときに比して小さくなる。ブレーキペダル56の踏み込みはブレーキ圧Pbとして現われるから、ブレーキ圧Pbは上り勾配の坂路を走行していて停車するときの方が平坦路の場合に比して小さな値となる。ブレーキ圧Pbだけに基づいて待機時間Tstopを設定するものとすれば、上り勾配の坂路を走行していて停車したときにはブレーキ圧Pbは小さな値となるから、待機時間Tstopは長く設定され、エンジン22の自動停止はされ難くなる。一方、車両の減速度ΔVは、平坦路を走行しているときと同様に停車するから、上り勾配の坂路を走行しているときも平坦路の場合と同じ値となる。このため、減速度ΔVだけに基づいて待機時間Tstopを設定するものとすれば、上り勾配の坂路を走行していて停車したときでも平坦路を走行していて停車したときでも同じ値が待機時間Tstopに設定されるから、エンジン22の自動停止は同じタイミングで行なわれる。従って、ブレーキ圧Pbと減速度ΔVとに基づいて待機時間Tstopを設定する実施例では、上り勾配の坂路を走行していて停車したときには、平坦路を走行していて停車したときに比してブレーキ圧Pbは小さな値となるが減速度ΔVは同じ値となるから、待機時間Tstopは平坦路の場合に比して若干長くなる程度に設定される。一方、下り勾配の坂路を車両が走行しているときに運転者がブレーキペダル56を踏み込んで平坦路を走行しているときに通常に停車するよう停車したときを考える。このとき、運転者によるブレーキペダル56の踏み込みは、上り勾配を走行しているときとは逆に、ブレーキ圧Pbは平坦路の場合に比して大きな値となる。従って、ブレーキ圧Pbだけに基づいて待機時間Tstopを設定するものとすれば、待機時間Tstopは短く設定され、エンジン22は自動停止されやすくなる。一方、車両の減速度ΔVは、上り勾配の坂路を走行しているときと同様に平坦路の場合と同じ値となる。このため、減速度ΔVだけに基づいて待機時間Tstopを設定するものとすれば、平坦路の場合と同じ値が待機時間Tstopに設定され、エンジン22の自動停止も同じタイミングで行なわれる。従って、ブレーキ圧Pbと減速度ΔVとに基づいて待機時間Tstopを設定する実施例では、下り勾配の坂路を走行していて停車したときには、平坦路を走行していて停車したときに比してブレーキ圧Pbは大きな値となるが減速度ΔVは同じ値となるから、待機時間Tstopは平坦路の場合に比して若干短くなる程度に設定される。このように、ブレーキ圧Pbだけでなく車両の減速度ΔVを考慮して待機時間Tstopを設定することにより、車両が上り勾配の坂路を走行していて停車しても逆に下り勾配の坂路を走行していて停車しても平坦路を走行していて停車したときに比してエンジン22を自動停止するタイミングを大きく変えることなく行なうことができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、ブレーキ圧Pbと車両の減速度ΔVとに基づいてエンジン22の自動停止条件が成立してからエンジン22を自動停止するまでの待機時間Tstopを設定することにより、車両が坂路を走行していても平坦路を走行していても大きな変化なしに同様なタイミングでエンジン22を自動停止することができる。従って、走行路に拘わらず、運転者の意思をより正確に推定してエンジン22の自動停止を行なうことができる。この結果、より適正にエンジン22の自動停止を行なうことができると共に不必要なエンジン22の自動停止を抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、ブレーキ圧Pbと待機時間Tstopとの関係や減速度ΔVと待機時間Tstopとの関係を図3や図4に示すように直線的なものとしたが、ブレーキ圧Pbが大きくなるほど待機時間Tstopが小さくなる傾向の関係であればよいから、曲線的な関係としてもよく、段階的な関係としてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ブレーキ圧Pbと減速度ΔVに基づいて待機時間Tstopを設定するものとしたが、ブレーキ圧Pbや減速度ΔV以外の他の要素、例えば、車両が市街地を走行しているか郊外を走行しているかなどのエリアの要素や気温などの環境に関する要素などに基づいて待機時間Tstopを設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ブレーキ圧Pbと減速度ΔVとに基づいて待機時間Tstopを設定するものとしたが、減速度ΔVだけに基づいて待機時間Tstopを設定するものとしてもよい。また、減速度ΔVに代えて路面勾配θを用いて待機時間Tstopを設定するものとしてもよい。この場合、図2の自動停止処理ルーチンに代えて図5の自動停止処理ルーチンを実行すればよい。この図5の自動停止処理ルーチンでは、図2のルーチンと同様にデータを入力して自動停止条件が成立しているかを判定し(ステップS200,S210)、ブレーキ圧Pbと閾値Prefとを比較する(ステップS220)。ブレーキ圧Pbが閾値Pref以上のときには、路面勾配θを入力し(ステップS230)、ブレーキ圧Pbと入力した路面勾配θとに基づいて待機時間Tstopを設定する(ステップS240)。ここで、路面勾配θは、図示しない車両の傾き(傾斜)を検出するセンサからの信号に基づいて計算したものを用いることができる。また、路面勾配θと待機時間Tstopとの関係は、路面勾配θが値0以上の上り勾配が大きいほどブレーキ圧Pbが小さくなり、これに伴って待機時間Tstopが大きく設定されるのを是正するよう、即ち、路面勾配θが値0以上の上り勾配が大きいほど小さくなる傾向に且つ路面勾配θが値0未満の下り勾配が大きくなるほど大きくなる傾向に待機時間Tstopを設定する関係とした。この関係の一例を図6に示す。こうした変形例でも、車両が坂路を走行していても平坦路を走行していても大きな変化なしにエンジン22を自動停止することができる。従って、走行路に拘わらず、運転者の意思をより正確に推定してエンジン22の自動停止を行なうことができる。この結果、より適正にエンジン22の自動停止を行なうことができると共に不必要なエンジン22の自動停止を抑制することができる。
実施例では、本発明のアイドルストップ制御におけるエンジンの自動停止処理をハイブリッド自動車に適用して説明したが、モータジェネレータ36を備えず、エンジンだけの動力により走行する自動車に適用するものとしてもよく、また、実施例のハイブリッド自動車20とは異なる構成のハイブリッド自動車に適用するものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車産業に利用可能である。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット50により実行される自動停止処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 ブレーキ圧Pbと待機時間Tstopとの関係の一例を示す説明図である。 減速度ΔVと待機時間Tstopとの関係の一例を示す説明図である。 変形例の自動停止処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 路面勾配θと待機時間Tstopとの関係の一例を示す説明図である。
符号の説明
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 スタータモータ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 オートマチックトランスミッション、30 オートマチックトランスミッション用電子制御ユニット(ATECU)、32 デファレンシャルギヤ、34a,34b 駆動輪、36 モータジェネレータ、38 インバータ、40 バッテリ、42 クラッチ、44 エンジン側プーリ、46 モータ用プーリ、48 ベルト、50 ハイブリッド用電子制御ユニット、52 シフトレバー、53 シフトポジションセンサ、54 アクセルペダル、55 アクセルペダルポジションセンサ、56 ブレーキペダル、57 ブレーキスイッチ、58 ブレーキマスタシリンダ、59 ブレーキ圧センサ、60 車速センサ。

Claims (11)

  1. 自動停止条件が成立したときに運転している内燃機関を自動停止すると共に自動始動条件が成立したときに自動停止された内燃機関を自動始動する自動車であって、
    運転者の減速要求操作に伴って減速する際の車両の実減速に関連する減速関連状態を検出する減速関連状態検出手段と、
    該検出した減速関連状態に基づいて前記内燃機関を自動停止するしやすさの程度としての自動停止程度を設定する自動停止程度設定手段と、
    前記自動停止条件が成立したとき、前記設定された自動停止程度に基づいて前記内燃機関を自動停止するよう該内燃機関を制御する自動停止制御手段と、
    を備える自動車。
  2. 前記自動停止程度設定手段は、前記自動停止程度として前記自動停止条件が成立してから前記内燃機関を自動停止するまでの時間を設定する手段である請求項1記載の自動車。
  3. 前記減速関連状態検出手段は、運転者によるブレーキ操作程度と減速している車両の減速度とを前記減速関連状態として検出する手段である請求項1または2記載の自動車。
  4. 前記自動停止程度設定手段は、前記検出された減速度が大きいほど前記内燃機関が自動停止しやすくなる傾向に前記自動停止程度を設定する手段である請求項3記載の自動車。
  5. 前記自動停止程度設定手段は、前記減速度が所定減速度未満のときには、前記自動停止程度として自動停止の禁止を設定する手段である請求項3または4記載の自動車。
  6. 前記減速関連状態検出手段は、運転者によるブレーキ操作程度と減速している車両が走行している路面勾配とを前記減速関連状態として検出する手段である請求項1または2記載の自動車。
  7. 前記自動停止程度設定手段は、前記検出された路面勾配が上り勾配のときには上り勾配が大きいほど前記内燃機関が自動停止しやすくなる傾向に前記自動停止程度を設定し、前記検出された路面勾配が下り勾配のときには下り勾配が大きいほど前記内燃機関が自動停止し難くなる傾向に前記自動停止程度を設定する手段である請求項6記載の自動車。
  8. 前記自動停止程度設定手段は、前記検出されたブレーキ操作程度が大きいほど前記内燃機関が自動停止しやすくなる傾向に前記自動停止程度を設定する手段である請求項3ないし7いずれか記載の自動車。
  9. 前記ブレーキ操作程度は、ブレーキ踏力である請求項3ないし8いずれか記載の自動車。
  10. 前記自動停止程度設定手段は、前記ブレーキ操作程度が所定の操作程度未満のときには、前記自動停止程度として自動停止の禁止を設定する手段である請求項3ないし9いずれか記載の自動車。
  11. 自動停止条件が成立したときに運転している内燃機関を自動停止すると共に自動始動条件が成立したときに自動停止された内燃機関を自動始動する自動車の制御方法であって、
    運転者の減速要求操作に伴って減速する際の車両の実減速に関連する減速関連状態を検出し、
    該検出した減速関連状態に基づいて前記内燃機関を自動停止するしやすさの程度としての自動停止程度を設定し、
    前記自動停止条件が成立したとき、前記設定した自動停止程度に基づいて前記内燃機関を自動停止するよう該内燃機関を制御する
    自動車の制御方法。
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