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JP2005151165A - 高周波共振回路及びそれを用いた発振器 - Google Patents

高周波共振回路及びそれを用いた発振器 Download PDF

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JP2005151165A
JP2005151165A JP2003385641A JP2003385641A JP2005151165A JP 2005151165 A JP2005151165 A JP 2005151165A JP 2003385641 A JP2003385641 A JP 2003385641A JP 2003385641 A JP2003385641 A JP 2003385641A JP 2005151165 A JP2005151165 A JP 2005151165A
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line
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JP2003385641A
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Keiichi Ichikawa
敬一 市川
Akihiro Sasahata
昭弘 笹畑
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

【課題】 多層基板を用いて信号線路と共振電極とを積層することにより、回路全体を小型化し、設計自由度や生産性を向上させる。
【解決手段】 多層基板2には、信号線路5と共振電極6とを厚さ方向の異なる位置に配設し、これらを誘電体層3を介して容量結合する。また、共振電極6の周囲には間隔8を介して中間接地電極7を設け、これを接地導体10と共に接地する。これにより、信号線路5と共振電極6とを積層して共振回路1を小型化することができる。また、信号線路5の容量結合部5Aには、インピーダンス整合用のオープンスタブ11を設ける。これにより、信号線路5の電極間線路部5BのインダクタンスLと、スタブ11の容量Cとを用いてLCL型の整合回路12を形成でき、簡単な構造で信号線路5と共振電極6とをインピーダンス整合することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばマイクロ波、ミリ波等の高周波信号を伝送する信号線路と共振器とを電磁界結合するのに好適に用いられる高周波共振回路及び該高周波共振回路を用いた発振器に関する。
一般に、高周波共振回路としては、例えばストリップ線路等からなる信号線路と、共振器とを磁界結合する構成とした発振器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−204747号公報
この種の従来技術による発振器は、例えば誘電体基板上にストリップ線路と近接して誘電体共振器を実装することにより、ストリップ線路と誘電体共振器とを磁界結合させる構成となっている。
ここで、発振器は、ストリップ線路と誘電体共振器との位置関係に応じて出力レベルが変化するため、発振器の製造時には、これらを正確に位置合わせした状態で誘電体共振器を基板上に実装する必要がある。このため、従来技術では、例えば高精度の実装設備等を用いて誘電体共振器を設計上の適切な位置に実装し、発振器の出力レベルが最大となるようにしている。
これに対し、他の従来技術として、例えばマイクロストリップ線路とマイクロストリップ型共振器とを基板の表面上に設け、これらを結合させる構成とした高周波共振回路も知られている(例えば、非特許文献1参照)。
Young-Taek Lee et al.,"A Compact-Size Microstrip Spiral Resonator and Its Application to Microwave Oscillator",IEEE MICROWAVE AND WIRELESS COMPONENTS LETTERS,Oct.2002,VOL.12,No.10,p.375-377
この場合、マイクロストリップ線路とマイクロストリップ型共振器とは、例えば金属膜等を所定のパターン形状に加工することにより形成され、基板上に互いに近接して配置されている。
ところで、上述した特許文献1の従来技術では、ストリップ線路を形成した基板と、例えば円柱状をなす誘電体共振器とを別個の部品として形成し、誘電体共振器を基板上に実装する構成としている。
このため、従来技術では、基板上に誘電体共振器が突出すると共に、基板上にストリップ線路を配置するスペースと、誘電体共振器を配置するスペースとを個別に確保する必要があり、基板の実装面積が増大し、発振器全体が大型化するという問題がある。
また、発振器の製造時には、基板、誘電体共振器等によって全体の部品点数が増大し、これらの管理や実装作業に手間がかかり、生産性が低下する。特に、共振器の実装時には、高精度の実装設備等を用いてストリップ線路に対する実装位置を正確に定める必要があり、製造工程が複雑化するという問題がある。
一方、非特許文献1の従来技術では、基板上にマイクロストリップ線路とマイクロストリップ型共振器とを一緒に形成できる。しかし、この従来技術においても、特許文献1の従来技術と同様に、マイクロストリップ線路と共振器の配置スペースを別個に確保する必要があり、発振器を小型化し難いという問題がある。
また、上述した後者の従来技術では、共振器を構成する電極が基板の表面上に配置されているため、電磁界が基板の外部に形成され易い。このため、共振器を構成する共振線路の実効誘電率が低くなり、共振線路全体が大型化し易くなる。
また、マイクロストリップ型共振器は、基板上に一定の面積をもって広がる導体パターンとして形成されるため、共振器が邪魔になってマイクロストリップ線路のパターン形状や配置が制約され易くなる。さらに、マイクロストリップ線路や共振器の形成方法によっては、両者間の間隔寸法が制限されることもあり、例えば印刷等の厚膜プロセスを用いた場合には、線路と共振器とを十分に近付けることができず、両者間の結合量を自由に設定できないという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、回路全体を小型化しつつ、信号線路と共振電極の配置、結合状態等を高い精度で設定でき、設計自由度や生産性を向上できるようにした高周波共振回路及びそれを用いた発振器を提供することにある。
上述した課題を解決するために請求項1の発明は、複数の誘電体層が厚さ方向に面を重ねて積層された多層基板と、該多層基板の一の面に設けられ高周波信号を伝送する信号線路と、該信号線路と厚さ方向の異なる位置で前記多層基板内の他の面に設けられ前記誘電体層を介して該信号線路の一部分と容量結合する共振電極と、前記多層基板内に設けられ前記信号線路のうち前記一部分を除いた他の部位と前記誘電体層を介して対向する中間接地電極と、前記多層基板に設けられ前記信号線路と厚さ方向の反対側から前記共振電極に対向すると共に前記中間接地電極と一緒にグランドに接地される接地導体とからなる構成を採用している。
また、請求項2の発明によると、共振電極は、少なくとも一部が信号線路と厚さ方向で対向する構成としている。
また、請求項3の発明によると、信号線路には、共振電極と容量結合する部位から延びて形成された容量性のスタブを設ける構成としている。
また、請求項4の発明によると、スタブは共振電極から離れる方向に延ばす構成としている。
また、請求項5の発明によると、スタブは共振電極に沿った方向と共振電極から離れる方向とに延ばす構成としている。
また、請求項6の発明によると、信号線路は、多層基板の誘電体層を介して共振電極と容量結合する容量結合部と、該容量結合部の長さ方向両側に形成され共振電極と中間接地電極との間に対応する位置に配設される電極間線路部と、該各電極間線路部から延びて形成され誘電体層を介して中間接地電極と対向する導波路部とにより構成し、スタブは信号線路の容量結合部に配設する構成としている。
また、請求項7の発明によると、多層基板は、信号線路と共振電極との間に低い誘電率をもって配設された線路側の誘電体層と、共振電極と接地導体との間に高い誘電率をもって配設された接地側の誘電体層とにより構成している。
さらに、請求項8の発明に係る発振器は、請求項1ないし7の何れかに記載の高周波共振回路を備え、信号線路の長さ方向一側に能動回路を接続し長さ方向他側に終端抵抗を接続する構成としている。
請求項1の発明によれば、多層基板には、信号線路と共振電極とを厚さ方向の異なる位置に配設してこれらを容量結合し、この容量結合部位を除いて信号線路と対向する中間接地電極と、共振電極と対向する接地導体とを設ける構成としたので、信号線路と共振電極とを多層基板の厚さ方向に積層でき、これらを多層基板内で容量結合させることができる。
また、信号線路と共振電極との間の誘電体層を薄肉に形成することにより、これらの結合量を容易に高めることができる。しかも、誘電体層の厚みは高い精度で設定できるから、信号線路と共振電極との結合量を正確に定めることができ、結合量のばらつき等を抑えることができる。
さらに、共振電極を、信号線路と接地導体との間に位置して多層基板内に埋設できるから、共振電極による電磁界を多層基板内に閉込めて実効誘電率を高めることができ、これによって共振電極を小型化することができる。
従って、共振回路として高い性能を保持しつつ、信号線路と共振電極とを重なり合うように配置できるので、これらの実装面積を小さくして多層基板を小型化できると共に、回路全体をコンパクトに形成することができる。また、高周波共振回路の製造時には、信号線路と共振電極とを個々の誘電体層の適切な位置に実装し、これらの誘電体層を積層することにより、信号線路と共振電極との位置関係を正確に定めることができる。
これにより、信号線路と共振電極の配置、結合量等を高い精度で設定できると共に、これらを多層基板に沿った水平方向だけでなく、厚さ方向にも自由に配置することができ、設計自由度を高めることができる。また、信号線路と共振電極との位置関係は、例えば多層基板の各誘電体層を貼合わせる工程で容易に設定できるから、共振電極を位置決めする工程が複雑化したり、この工程で高精度の実装設備等を用いる必要がなくなり、生産性を向上することができる。
また、請求項2の発明によれば、共振電極は、少なくとも一部が信号線路と厚さ方向で対向する構成としたので、多層基板の誘電体層を挟んで信号線路と共振電極とを対向させることができ、この対向部位で両者を安定的に容量結合できると共に、その結合量を容易に高めることができる。また、例えば信号線路と共振電極との対向面積、間隔等に応じて両者の結合量を自由に設定でき、所望の結合量を容易に実現することができる。
また、請求項3の発明によれば、信号線路には、共振電極と容量結合する部位から延びる容量性のスタブを設ける構成としたので、例えば共振電極から離れる方向にスタブを設けた場合には、信号線路のうちスタブの両側に位置する部位のインダクタンスと、スタブの容量とによってLCL型の整合回路を形成することができる。このため、例えばスタブの寸法、形状等を適切に設定することにより、前述した整合回路を用いて信号線路と共振電極とを容易にインピーダンス整合させることができる。また、例えば共振電極と対向する位置にスタブを設けることにより、信号線路と共振電極との間の結合量を増大させることができる。
これにより、例えば信号線路と共振電極との結合量や、これらの結合部位における信号の反射量等を正確に制御でき、所定の共振周波数で安定した共振状態を実現することができる。そして、例えば共振周波数の周波数帯で信号の反射特性(特性線)を急峻化できると共に、この周波数帯の外側で信号の反射量を抑制することができ、共振回路としての性能を高めることができる。
また、請求項4の発明によれば、スタブを共振電極から離れる方向に延ばす構成としたので、例えば信号線路と共振電極との結合状態(結合量)がスタブの寸法、形状等によって影響されるのを抑制することができる。従って、例えばスタブの長さ等を調整して信号線路と共振電極との間でインピーダンスを整合するときには、両者間の結合量の変化を抑えつつ、スタブの容量を増,減させることができ、共振回路の設計等を効率よく行うことができる。
また、請求項5の発明によれば、スタブを共振電極に沿った方向と共振電極から離れる方向とに延ばす構成としたので、共振電極から離れる方向に延びた一方のスタブによって信号線路と共振電極とをインピーダンス整合することができる。また、共振電極に沿って延びる他方のスタブは、両者間の容量を増大させることができる。従って、これらのスタブにより回路のインピーダンスや結合状態を適切に設定することができる。
また、請求項6の発明によれば、信号線路を、共振電極と容量結合すると共にスタブが配設される容量結合部と、共振電極と中間接地電極との間に対応する位置に配設される電極間線路部と、中間接地電極と対向する導波路部とにより構成したので、信号線路の容量結合部は、共振電極と容量結合することによって共振回路を形成することができる。
また、各電極間線路部は、共振電極と中間接地電極の何れにも対向しない位置でインダクタンスとして機能することができる。従って、これらのインダクタンスとスタブの容量とによってLCL型の整合回路を形成でき、簡単な構造で信号線路と共振電極とをインピーダンス整合することができる。
また、請求項7の発明によれば、多層基板を、低い誘電率を有する線路側の誘電体層と、高い誘電率を有する接地側の誘電体層とにより構成したので、線路側の誘電体層を低誘電率とすることにより、信号線路や共振電極の近傍で浮遊容量を低減でき、共振回路の動作を安定させることができる。
また、接地側の誘電体層を高誘電率とすることにより、この誘電体層内で高周波信号の波長を実質的に短くすることができるので、信号波長に応じた寸法をもつ共振電極を小型化でき、多層基板をコンパクトに形成することができる。また、高誘電率の誘電体層内に電磁界を集中させることができるから、例えばシールドケース等の外部導体を信号線路に被せる構成とした場合でも、外部導体によって高周波信号が影響され難い構造とすることができ、信頼性を高めることができる。
さらに、請求項8の発明によれば、発振器は、請求項1ないし7の何れかに記載の高周波共振回路を備え、信号線路の長さ方向一側に能動回路を接続し長さ方向他側に終端抵抗を接続する構成としたので、積層型の高周波共振回路によって発振器を小型化することができ、コンパクトで設計自由度の高い発振器を実現することができる。
また、例えば高周波共振回路にスタブを設ける構成とした場合には、共振周波数の周波数帯で信号の反射特性を急峻化でき、発振器の位相雑音特性を向上させることができる。そして、共振周波数帯の外側では、信号の反射量を抑制することができ、これによって想定外の周波数での異常発振を防止できると共に、発振器の安定性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態による高周波共振回路及びそれを用いた発振器を、添付図面を参照して詳細に説明する。
ここで、図1ないし図6は第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、マイクロストリップ線路を用いた高周波共振回路を例に挙げて述べる。
図中、1は高周波共振回路を示し、該高周波共振回路1は、後述の多層基板2、信号線路5、共振電極6、中間接地電極7、接地導体10、オープンスタブ11等により構成されている。この場合、信号線路5、電極6,7、接地導体10、オープンスタブ11等は、例えば金、白金、銀、銅等の金属膜からなり、エッチング、印刷等の手段によって所定のパターン形状に形成されている。
2は高周波共振回路1のベース部分を構成する多層基板で、該多層基板2は、例えばセラミックス、樹脂等の誘電体材料により形成された複数の誘電体層(例えば、後述する2層の誘電体層3,4)によって構成されている。そして、多層基板2は、これらの誘電体層3,4の面(即ち、後述の表面3A,4A及び裏面3B,4B)を厚さ方向に重ねて積層されている。
この場合、セラミックス材料の多層基板としては、信号線路5等の導体を伝播する信号の損失を低減するために、例えば銀、銅等の金属材料によって導体パターンを形成することが可能な低温同時焼成基板を用いることが好ましい。また、多層基板2は、互いに直交するX軸,Y軸,Z軸のうち、例えばX軸及びY軸方向に沿って水平に延びると共に、その厚さ方向はZ軸方向となっている。
3は例えば多層基板2の表面側(信号線路5側)の部位を構成する線路側誘電体層で、該線路側誘電体層3は、図2、図3に示す如く、例えば1〜10程度の低い比誘電率をもつ平板状の誘電体材料からなり、その表面3Aと裏面3Bとの間に位置して厚みt1を有している。
4は多層基板2の裏面側(接地導体10側)の部位を構成する接地側誘電体層で、該接地側誘電体層4は、例えば10〜100程度の高い比誘電率をもつ平板状の誘電体材料によって形成されている。また、接地側誘電体層4は、表面4Aと裏面4Bとの間に位置して厚みt2を有し、この厚みt2は線路側誘電体層3よりも厚肉に形成されている。
5は例えば多層基板2の表面側に設けられた信号線路で、該信号線路5は、例えばマイクロ波、ミリ波等の高周波信号を伝送するマイクロストリップ線路として形成されている。そして、信号線路5は多層基板2の一の面に設けられ、本実施の形態では、例えば多層基板2の表面(線路側誘電体層3の表面3A)を一の面として、この表面3Aに配置されている。
ここで、信号線路5は、図2、図3に示す如く、例えばX軸方向に直線状に延びる帯状の金属膜等からなり、Y軸方向に一定の幅Wを有している。この場合、信号線路5は、幅Wを含めた寸法、形状や誘電体層3の厚みt1等を適切に設定することにより、所定の特性インピーダンス(例えば、50Ω程度)をもって形成されている。
また、信号線路5は、その長さ方向途中部位に位置して後述する共振電極6の結合端6Aと容量結合する容量結合部5Aと、該容量結合部5Aの長さ方向両側に形成され共振電極6と中間接地電極7との間(間隔8)に対応する位置に配設される電極間線路部5Bと、該各電極間線路部5Bから延びて形成され中間接地電極7と対向する導波路部5Cとにより構成されている。
6は信号線路5と接地導体10との間に位置して多層基板2内に埋設された共振電極で、該共振電極6は、図2、図3に示す如く、例えば金属膜等により細長い四角形状に形成され、X軸及びY軸方向に対称形状をなしている。そして、共振電極6は、信号線路5と厚さ方向の異なる位置で多層基板2内の他の面(例えば、接地側誘電体層4の表面4A)に配置され、この表面4Aと線路側誘電体層3の裏面3Bとの間に積層されている。
ここで、共振電極6は、信号線路5と直交する方向(Y軸方向)に延びて形成され、Y軸方向の長さLと、X軸方向の幅Wと、Z軸方向の厚みtとを有している。そして、共振電極6は、その長さLが信号線路5を伝播する高周波信号の波長λの1/2とほぼ等しい寸法値に設定され、所謂λ/2型のストリップ導体として形成されている。
また、共振電極6は、長さ方向の一端側が線路側誘電体層3を介して信号線路5の容量結合部5Aと容量結合する開放端(以下、結合端6Aという)となり、該結合端6Aは、その表面側が線路側誘電体層3を挟んで信号線路5の容量結合部5Aと対向し、該容量結合部5AとZ軸方向に重なり合った状態で配置されている。一方、共振電極6の他端側は、信号線路5から離間して配置された開放端6Bとなっている。また、共振電極6の裏面側は、後述の接地導体10により接地側誘電体層4を介して覆われている。
7は多層基板2内に設けられた中間接地電極で、該中間接地電極7は、図5に示す如く、例えば共振電極6を取囲む枠状の金属膜等からなり、線路側誘電体層3の裏面3Bと接地側誘電体層4の表面4Aとの間に積層されている。また、中間接地電極7は、後述のビアホール9によって接地導体10と接続され、接地導体10を介してグランドに接地されるものである。
そして、中間接地電極7は、線路側誘電体層3を介して信号線路5の各導波路部5CとZ軸方向で対向し、これらの対向部位で信号線路5の接地導体を構成している。また、中間接地電極7は、共振電極6と同一平面上に配置され、これらの間には共振電極6を取囲む枠状の間隔8が設けられている。この場合、共振電極6と中間接地電極7とは、高周波共振回路1の製造時に同じ工程で一緒に形成され、間隔8によって互いに絶縁されている。
9は接地側誘電体層4にそれぞれ間隔をもって設けられた複数のビアホールで、該各ビアホール9は、接地側誘電体層4を厚さ方向に貫通する導体材料からなり、中間接地電極7と接地導体10とを接続している。
この場合、各ビアホール9の水平方向の間隔D(図2参照)は、高周波信号の波長λの1/2未満(λ/2>D)、好ましくは波長λの1/4程度(D≒λ/4)の寸法値として設定され、これによって接地側誘電体層4内で電磁波の不要な伝送モードが発生するのを抑える構成となっている。
このように、本実施の形態では、多層基板2を用いることにより、信号線路5と共振電極6とを厚さ方向の異なる位置に積層した状態で配置し、これらを容量結合する構成としている。このため、高周波共振回路1は、回路全体を水平方向に小型化できると共に、信号線路5と共振電極6の配置、結合状態等を高い精度で自由に設定できるものである。
10は例えば多層基板2の裏面に設けられた接地導体で、該接地導体10は、接地側誘電体層4の裏面4Bをほぼ全面にわたって覆う金属膜からなり、中間接地電極7と一緒にグランドに接続されるものである。そして、接地導体10は、共振電極6を挟んで信号線路5と厚さ方向の反対側に配置され、線路側誘電体層3を介して共振電極6の裏面側に対向している。このため、接地導体10によって共振電極6から電磁波が漏れるのを抑制することができる。
11は例えば多層基板2の表面に配設された容量性のスタブとしてのオープンスタブで、該オープンスタブ11は、信号線路5の容量結合部5Aに分岐した状態で接続され、信号線路5と共振電極6とをインピーダンス整合させるものである。この場合、オープンスタブ11は、高周波共振回路1の製造時に信号線路5と同じ工程で一緒に形成される。
そして、オープンスタブ11は、例えば金属膜等により細長い四角形状または帯状に形成され、Y軸方向の長さLと、X軸方向の幅Wとを有している。また、オープンスタブ11は、線路側誘電体層3の表面3Aに形成され、信号線路5の容量結合部5Aから直交方向に突出すると共に、Y軸方向の一側(共振電極6から離れる方向)に向けて延びている。そして、オープンスタブ11の先端側は開放端11Aとなり、この開放端11Aは、例えば中間接地電極7とZ軸方向で対向する位置に配設されている。
ここで、図4に示す高周波共振回路1の等価回路を参照しつつ、オープンスタブ11の機能について述べる。図中、Cは信号線路5の容量結合部5Aと共振電極6との間の容量を示し、Cはオープンスタブ11とグランドとの間の容量を示している。また、Z0は信号線路5の導波路部5C等の特性インピーダンスを示し、Lは信号線路5の各電極間線路部5Bのインダクタンスを示している。
この場合、電極間線路部5Bは、共振電極6と中間接地電極7との間に設けられた間隔8と対向する位置に配設され、電極6,7の何れにも対向しない状態となっているため、各電極間線路部5Bの位置では、信号線路5の特性インピーダンスが高くなっている。
また、高周波共振回路1の作動時には、信号線路5に沿って中間接地電極7を流れる接地電流が間隔8(電極間線路部5B)の位置を迂回して流れるようになる。このため、電極間線路部5Bは、インダクタンスLとして機能すると考えることができる。
これにより、信号線路5の容量結合部5Aには、左,右の電極間線路部5BのインダクタンスLと、オープンスタブ11の容量CとによってLCL型の整合回路12を形成することができる。従って、この整合回路12により信号線路5と共振電極6とを安定的にインピーダンス整合でき、例えば電極間線路部5B等の位置で生じる反射特性の低下を防止することができる。
また、オープンスタブ11は、共振電極6から離れる方向に延びているので、信号線路5と共振電極6との間の容量Cは、オープンスタブ11の長さLによって影響を受け難くなる。従って、例えばスタブ11の長さL等を調整して信号線路5と共振電極6との間でインピーダンスを整合するときには、両者間の容量Cの変化を抑えつつ、容量Cと独立してオープンスタブ11の容量Cを増,減させることができる。
次に、図6を参照しつつ、高周波共振回路1の反射特性について説明する。ここで、図6中に実線で示す特性線は、伝送特性をシミュレーション演算(有限要素法による3次元電磁界計算)した結果であり、この演算時の設定条件としては、図2、図3において、例えば信号線路5の幅W=0.12mm、共振電極6の長さL=1.07mm、幅W=0.3mm、厚みt=7μmとして設定すると共に、信号線路5の線路端をそれぞれ50Ωで終端するものとして設定している。また、オープンスタブ11の長さL=0.45mmとし、幅Wは信号線路5と等しく設定している。
また、多層基板2としては、図3中に仮想線で示すように、例えば接地側誘電体層4が高誘電率層4′と低誘電率層4″とにより形成された3層の積層基板を用いるものとした。そして、線路側誘電体層3、高誘電率層4′、低誘電率層4″の厚みは、それぞれ0.1mm、0.3mm、0.075mmとし、これらの比誘電率は、それぞれ7.7、30.8、7.7としてシミュレーション演算を行った。
一方、図6中に仮想線で示す特性線は、オープンスタブ11を設けていない高周波共振回路に対して同様のシミュレーション演算を行った結果を、比較例として記載したものである。
この比較例の特性線から判るように、オープンスタブ無しの高周波共振回路では、例えば信号線路と共振電極とのインピーダンス不整合によって信号の反射が生じ易いため、反射特性を表すSパラメータ(S11)は、極小値の近傍を除いて例えば0〜−10dB程度の大きなレベルとなっている。また、特性線の極大値となるピークP′は、比較的緩やかな頂点となっている。
これに対し、本実施の形態では、容量性のオープンスタブ11を設け、その長さL等を適切に設定することにより、反射特性を広い周波数帯にわたって小さなレベルに抑えることができる。また、特性線のピークPを急峻に尖った形状とすることができ、これらの点で反射特性を改善することができる。
かくして、本実施の形態によれば、高周波共振回路1を、多層基板2、信号線路5、共振電極6、中間接地電極7、接地導体10等により構成したので、信号線路5と共振電極6とを多層基板2の厚さ方向の異なる位置に積層でき、これらを多層基板2内で容量結合させることができる。
また、信号線路5と共振電極6との間の誘電体層3を薄肉に形成することにより、これらの結合量を容易に高めることができる。しかも、誘電体層3の厚みt1は高い精度で設定できるから、信号線路5と共振電極6との結合量を正確に定めることができ、結合量のばらつき等を抑えることができる。
さらに、共振電極6を、信号線路5と接地導体10との間に位置して多層基板2内に埋設できるから、共振電極6による電磁界を多層基板2内に閉込めて実効誘電率を高めることができ、共振電極6を小型化することができる。
従って、共振回路1として高い性能を保持しつつ、信号線路5と共振電極6とを重なり合うように配置でき、これらの実装に必要な面積を小さくして多層基板2を小型化できると共に、回路全体をコンパクトに形成することができる。
また、高周波共振回路1の製造時には、信号線路5と共振電極6とを個々の誘電体層3,4の適切な位置に実装し、これらの誘電体層3,4を積層することにより、信号線路5と共振電極6との位置関係を正確に定めることができる。このため、信号線路5と共振電極6の配置、結合状態等を高い精度で設定できると共に、これらを多層基板2に沿った水平方向だけでなく、厚さ方向にも自由に配置することができ、設計自由度を高めることができる。
また、信号線路5と共振電極6との位置関係は、例えば多層基板2の各誘電体層3,4を貼合わせる工程で容易に設定できるから、共振電極6を位置決めする工程が複雑化したり、この工程で高精度の実装設備等を用いる必要がなくなり、生産性を向上することができる。
この場合、信号線路5の容量結合部5Aと共振電極6の結合端6Aとを厚さ方向で対向させたので、これらの部位は線路側誘電体層3を挟んで安定的に容量結合することができ、また結合量を容易に高めることができる。そして、例えば信号線路5と共振電極6との対向面積、間隔等に応じて両者の結合量を自由に設定でき、所望の結合量を容易に実現することができる。
また、信号線路5の容量結合部5Aには、共振電極6から離れる方向に延びる容量性のオープンスタブ11を設けたので、例えば信号線路5のうち各電極間線路部5BのインダクタンスLと、オープンスタブ11の容量CとによってLCL型の整合回路12を形成することができる。このため、例えばスタブ11の寸法、形状等を適切に設定することにより、この整合回路12を用いて信号線路5と共振電極6とを容易にインピーダンス整合することができる。
これにより、例えば信号線路5と共振電極6との結合量や、これらの結合部位における信号の反射量等を正確に制御でき、所定の共振周波数で安定した共振状態を実現することができる。そして、例えば共振周波数の周波数帯で信号の反射特性(特性線のピークP)を急峻化できると共に、この周波数帯の外側で信号の反射量を抑制することができ、共振回路としての性能を高めることができる。
また、オープンスタブ11を共振電極6から離れる方向に延ばしたので、例えば信号線路5と共振電極6との結合状態(結合量)がスタブ11の寸法、形状等によって影響されるのを抑制することができる。従って、例えばオープンスタブ11の長さL等を調整して信号線路5と共振電極6との間でインピーダンスを整合するときには、両者間の結合量(容量C)の変化を抑えつつ、スタブ11のもつ容量Cを増,減させることができ、共振回路の設計等を効率よく行うことができる。
この場合、信号線路5を、共振電極6の結合端6Aと容量結合すると共にオープンスタブ11が配設される容量結合部5Aと、共振電極6と中間接地電極7との間隔8に対応する位置に配設される電極間線路部5Bと、中間接地電極7と対向する導波路部5Cとにより構成したので、容量結合部5Aは、共振電極6と厚さ方向で容量結合することによって高周波共振回路1を形成することができる。
また、各電極間線路部5Bは、共振電極6と中間接地電極7の何れにも対向しない位置でインダクタンスLとして機能することができる。従って、これらのインダクタンスLとオープンスタブ11の容量Cとによって簡単な構造でLCL型の整合回路12を形成することができる。
また、多層基板2を、低い誘電率を有する線路側誘電体層3と、高い誘電率を有する接地側誘電体層4とにより構成したので、回路を構成する線路として所定の特性インピーダンスの伝達線路(例えば50Ω)を形成することができる。また、線路側誘電体層3によって信号線路5や共振電極6の近傍で浮遊容量を低減でき、共振回路1の動作を安定させることができる。
また、接地側誘電体層4を高い誘電率とすることにより、この誘電体層4内で高周波信号の波長λを実質的に短くすることができるので、信号波長に応じた寸法をもつ共振電極6を小型化でき、多層基板2をコンパクトに形成することができる。また、高誘電率の誘電体層4内に電磁界を集中させることができるから、例えばシールドケース等の外部導体を信号線路5に被せる構成とした場合でも、外部導体によって高周波信号が影響され難い構造とすることができ、信頼性を高めることができる。
さらに、共振電極6と中間接地電極7とを同一平面上に配置したので、高周波共振回路1の製造時には、これらを同じ工程で一緒に形成することができ、製造効率を高めることができる。
次に、図7は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、スタブを共振電極に沿った方向と共振電極から離れる方向とに延ばす構成としたことにある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
21は高周波共振回路を示し、該高周波共振回路21は、第1の実施の形態とほぼ同様に、多層基板2、信号線路5、共振電極6、中間接地電極7、接地導体10、オープンスタブ11等により構成されている。しかし、多層基板2(線路側誘電体層3)の表面3Aには、オープンスタブ11等と同一平面上に位置して容量性をもつ他のオープンスタブ22が設けられている。
ここで、オープンスタブ22は、オープンスタブ11とほぼ同様に、例えば金属膜等により細長い四角形状または帯状に形成され、信号線路5の容量結合部5Aから直交方向に突出すると共に、その先端側は開放端22Aとなっている。
また、オープンスタブ22は、Y軸方向の他側(共振電極6に沿った方向)に向けて延びると共に、オープンスタブ11と直線状に並んで形成され、これらのスタブ11,22は、信号線路5を挟んで互いに逆向きに配置されている。そして、オープンスタブ22は、例えば開放端22Aを含めてスタブ全体が共振電極6とZ軸方向で対向する位置に配設されている。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、共振電極6から離れる方向に延びた一方のオープンスタブ11と、共振電極6に沿って延びる他方のオープンスタブ22とを設ける構成としている。
これにより、一方のオープンスタブ11によって信号線路5と共振電極6とをインピーダンス整合しつつ、他方のオープンスタブ22によって信号線路5と共振電極6との間の容量を増大させることができる。
この結果、信号線路5と共振電極6との間の結合量(第1の実施の形態における容量C)を、オープンスタブ22の容量分だけ増大させることができる。従って、これらのオープンスタブ11,22により共振回路1のインピーダンスや結合状態を適切に設定することができ、回路の設計をより効率よく行うことができる。
次に、図8は本発明による第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、スタブを用いることなく、信号線路と共振電極とを積層する構成としたことにある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
31は高周波共振回路を示し、該高周波共振回路31は、第1の実施の形態とほぼ同様に、多層基板2、信号線路5、共振電極6、中間接地電極7、接地導体10等により構成されている。しかし、本実施の形態では、第1の実施の形態のオープンスタブ11を省略した構成となっている。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、共振電極6を多層基板2内に埋設できるから、第1の実施の形態とほぼ同様に、共振電極6を含めて高周波共振回路31を小型化することができる。そして、信号線路5と共振電極6とを厚さ方向の異なる位置に配置でき、設計自由度や生産性の向上を図ることができる。
次に、図9ないし図11は本発明による第4の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、高周波共振回路を発振器に適用したことにある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
41は発振器で、該発振器41は、後述の多層基板42、高周波共振回路45、能動回路46、終端抵抗47等によって構成され、所定の周波数において能動回路46と高周波共振回路45との間で発振動作を行うものである。
42は高周波共振回路45と能動回路46とが実装される多層基板で、該多層基板42は、図10に示す如く、第1の実施の形態とほぼ同様に、例えば2層の積層基板として形成され、線路側誘電体層43と接地側誘電体層44とが厚さ方向に積層されている。
45は多層基板42に実装された高周波共振回路で、該高周波共振回路45は、前記各実施の形態による高周波共振回路1,21,31の何れかにより構成されている(例として高周波共振回路1を用いた場合を図示)。そして、高周波共振回路45は、多層基板42の一部と、信号線路5、共振電極6、中間接地電極7、接地導体10、オープンスタブ11等とにより構成されている。
46は多層基板42に実装された能動回路で、該能動回路46は、図10、図11に示す如く、例えば多層基板42にフリップチップ実装された電界効果トランジスタ(FET)46A等の能動素子と、コンデンサ46B、オープンスタブ46C等の受動素子とからなり、負性抵抗回路として構成されている。
そして、能動回路46は、高周波共振回路45の信号線路5の長さ方向一側に接続され、該高周波共振回路45から高周波信号が入射されるときには、この信号を増幅して高周波共振回路45に反射するものである。
47は多層基板42に実装された例えばチップ抵抗等の終端抵抗で、該終端抵抗47は、信号線路5の長さ方向他側とグランドとの間に接続されている。
そして、発振器41の作動時には、電源端子48から能動回路46に給電すると、能動回路46は、高周波共振回路45からの入射信号を増幅して反射し、高周波共振回路45は、能動回路46からの入射信号のうち所定の周波数(共振周波数)をもつ信号だけを能動回路46に反射する。これにより、発振器41は、2つの回路45,46の間で帰還ループが成長し、一定の位相条件が満たされることによって出力端子49から発振出力を行う帯域反射型発振回路を構成するものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1ないし第3の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、高周波共振回路45を発振器41に用いる構成としたので、積層型の高周波共振回路45によって発振器41を小型化することができ、コンパクトで設計自由度の高い発振器41を実現することができる。
この場合、高周波共振回路45のオープンスタブ11によって信号線路5と共振電極6とをインピーダンス整合することができるから、共振周波数の周波数帯で信号の反射特性を急峻化でき、発振器41の位相雑音特性を向上させることができる。そして、共振周波数帯の外側では、信号の反射量を抑制することができ、これによって想定外の周波数での異常発振を防止できると共に、発振器41の安定性を高めることができる。
なお、前記各実施の形態では、λ/2型のストリップ導体からなる共振電極6を用いる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば1波長λの1/4の長さをもつλ/4型のストリップ導体によって共振電極を構成してもよい。この場合、λ/4型のストリップ導体は、長さ方向両端のうち一方を接地した短絡端とし、他方を開放端とすると共に、開放端を信号線路に対向させればよい。
また、実施の形態では、四角形状の共振電極を例に挙げて述べたが、本発明はこれに限らず、共振電極は任意の形状としてよいものであり、例えば楕円形、菱形等の対称形状や他の非対称形状としてもよい。
また、実施の形態では、共振電極と中間接地電極とを多層基板2内で厚さ方向の同じ位置(同一平面上)に配置する構成とした。しかし、例えば3層以上の多層基板を用いることにより、共振電極と中間接地電極とを別個の誘電体層の表面に形成し、これらを多層基板内で厚さ方向の異なる位置に配設する構成としてもよい。これにより、中間接地電極とは独立して信号線路と共振電極との距離を設定して信号線路と共振電極との結合量を調整することができ、設計自由度をより高めることができる。
また、実施の形態では、多層基板2,42を、低い誘電率の線路側誘電体層3,43と、高い誘電率の接地側誘電体層4,44とにより構成した。しかし、本発明はこれに限らず、多層基板を3層以上の誘電体層により構成してもよい。また、多層基板を構成する各誘電体層が互いに異なる誘電率をもつ必要はなく、各誘電体層のうち一部または全部の誘電体層が互いに等しい誘電率を有する構成としてもよい。
また、第4の実施の形態では、発振器41の終端抵抗47としてチップ抵抗等の素子を実装する構成とした。しかし、終端抵抗としては、例えば抵抗体材料を基板に塗布または印刷して形成した膜状の抵抗体等を用いる構成としてもよい。
また、実施の形態では、多層基板2の表面(線路側誘電体層3の表面3A)を一の面として、この表面3Aに信号線路5を設け、多層基板2の裏面に接地導体10を設ける構成とした。しかし、信号線路5を設ける一の面とは、多層基板2を構成する各誘電体層3,4の表面3A,4A及び裏面3B,4Bを含むものである。従って、信号線路や接地導体は、必ずしも多層基板の外面に露出した状態で配置する必要はなく、必要に応じて多層基板内に埋設する構成としてもよい。
さらに、実施の形態では、信号線路5として、マイクロストリップ線路を例に挙げて述べた。しかし、本発明はこれに限らず、例えばコプレーナ線路を含めて各種の信号線路に適用できるものである。
本発明の第1の実施の形態による高周波共振回路を示す斜視図である。 高周波共振回路を図1の上側からみた平面図である。 高周波共振回路を図2中の矢示III−III方向からみた縦断面図である。 高周波共振回路の信号線路、共振電極、スタブ等を示す等価的な回路図である。 多層基板の線路側誘電体層と接地側誘電体層とを積層する前の状態で示す高周波共振回路の分解斜視図である。 高周波共振回路の反射特性を比較例と一緒に示す特性線図である。 本発明の第2の実施の形態による高周波共振回路を示す平面図である。 本発明の第3の実施の形態による高周波共振回路を示す平面図である。 本発明の実施の形態による発振器を第4の実施の形態として示す平面図である。 発振器を図9中の矢示X−X方向からみた縦断面図である。 高周波共振回路を用いた発振器を示す等価的な回路図である。
符号の説明
1,21,31,45 高周波共振回路
2,42 多層基板
3,43 線路側誘電体層
3A,4A 表面
3B,4B 裏面
4,44 接地側誘電体層
5 信号線路
5A 容量結合部
5B 電極間線路部
5C 導波路部
6 共振電極
6A 結合端
6B,11A,22A 開放端
7 中間接地電極
8 間隔
9 ビアホール
10 接地導体
11,22 オープンスタブ(スタブ)
12 整合回路
41 発振器
46 能動回路
47 終端抵抗

Claims (8)

  1. 複数の誘電体層が厚さ方向に面を重ねて積層された多層基板と、
    該多層基板の一の面に設けられ高周波信号を伝送する信号線路と、
    該信号線路と厚さ方向の異なる位置で前記多層基板内の他の面に設けられ前記誘電体層を介して該信号線路の一部分と容量結合する共振電極と、
    前記多層基板内に設けられ前記信号線路のうち前記一部分を除いた他の部位と前記誘電体層を介して対向する中間接地電極と、
    前記多層基板に設けられ前記信号線路と厚さ方向の反対側から前記共振電極に対向すると共に前記中間接地電極と一緒にグランドに接地される接地導体とから構成してなる高周波共振回路。
  2. 前記共振電極は、少なくとも一部が前記信号線路と厚さ方向で対向する構成としてなる請求項1に記載の高周波共振回路。
  3. 前記信号線路には、前記共振電極と容量結合する部位から延びて形成された容量性のスタブを設けてなる請求項1または2に記載の高周波共振回路。
  4. 前記スタブは前記共振電極から離れる方向に延ばす構成としてなる請求項3に記載の高周波共振回路。
  5. 前記スタブは前記共振電極に沿った方向と前記共振電極から離れる方向とに延ばす構成としてなる請求項3に記載の高周波共振回路。
  6. 前記信号線路は、前記多層基板の誘電体層を介して前記共振電極と容量結合する容量結合部と、該容量結合部の長さ方向両側に形成され前記共振電極と中間接地電極との間に対応する位置に配設される電極間線路部と、該各電極間線路部から延びて形成され前記誘電体層を介して前記中間接地電極と対向する導波路部とにより構成し、前記スタブは前記信号線路の容量結合部に配設してなる請求項3,4または5に記載の高周波共振回路。
  7. 前記多層基板は、前記信号線路と共振電極との間に低い誘電率をもって配設された線路側の誘電体層と、前記共振電極と接地導体との間に高い誘電率をもって配設された接地側の誘電体層とにより構成してなる請求項1,2,3,4,5または6に記載の高周波共振回路。
  8. 請求項1ないし7の何れかに記載の高周波共振回路を備え、前記信号線路の長さ方向一側に能動回路を接続し長さ方向他側に終端抵抗を接続する構成とした発振器。
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