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JP2005037749A - 液晶ドライブ装置 - Google Patents

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JP2005037749A
JP2005037749A JP2003275570A JP2003275570A JP2005037749A JP 2005037749 A JP2005037749 A JP 2005037749A JP 2003275570 A JP2003275570 A JP 2003275570A JP 2003275570 A JP2003275570 A JP 2003275570A JP 2005037749 A JP2005037749 A JP 2005037749A
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Nobunari Matsubara
伸成 松原
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Abstract

【課題】 オーバドライブを十分に行なえなかった場合にも液晶の応答速度を向上させることができる液晶ドライブ装置を提供する。
【解決手段】 前画素データに応じたオーバドライブを十分に行なえなかったときに次のフレームの現画素データに応じたオーバドライブ画素データを生成するにあたって、前画素のオーバフローを考慮したオーバドライブ画素データを生成して液晶表示装置に供給する。液晶表示装置では、前回のフレームでドライブ不足になった分を次のフレームで加算するなどして印加することで液晶の応答速度を向上させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、1フレーム分の画像データを所定のフレーム周期で順次に受け取り液晶表示装置に画像データを送り込む液晶ドライブ装置に関する。
液晶表示装置では、液晶の応答速度が遅いため、応答が完了した状態で目標電圧となる電圧よりも過電圧を印加するオーバドライブ技術を用いてオーバドライブを行なうことにより液晶表示装置の応答速度を向上させている。
近年では液晶表示装置内部に駆動装置を備えたものが多く、この液晶表示装置にドライブデータを供給すれば、液晶表示装置の液晶表示パネル上にその画像データに応じた画像が表示される。このような液晶表示装置にオーバドライブを行なわせる場合、画像データの供給源とその液晶表示装置との間に液晶ドライブ装置を間挿し、その液晶ドライブ装置で供給源からの画像データを一旦受け、オーバドライブデータを生成してから液晶表示装置にオーバドライブを行なわせている。このようにすることによって、動画像のフレームごとの画像表示の切り替えの応答速度を早めて画像の品質の向上を得ている。
しかしながら、画像データの供給源側から送られてくる所定の数値範囲内の画素データに応じてオーバドライブデータを生成すると、液晶表示装置の受け取り可能な範囲を越えてしまってオーバフローが発生することがあるため、オーバドライブを行なえない事態が発生することがある。具体的に説明すると、液晶表示装置の受け取り可能な数値範囲が8ビットからなる画素データであって0〜255の数値範囲であったとすると、液晶ドライブ装置内で生成したオーバドライブ画素データが256以上の値になったり、負の値になったりしてオーバドライブを行なえない事態が発生する。このような事態が発生した場合には、オーバドライブを行なうことができず、液晶の応答速度が遅くなって表示画面上の画像表示の切り替え時に、液晶の透過率が除々に変化する様がそのまま残像となって知覚され、表示品質の劣化が発生する。
ところで、液晶表示装置の中には、その過剰なオーバドライブによるオーバシュート、アンダシュートの発生を抑制するようにオーバドライブデータの補正を行なえるものがある(例えば特許文献1参照)。
しかし、この特許文献1のものは、オーバシュート、アンダシュートの発生を防止することが主な目的であって、液晶の応答速度を更に向上させようというものではない。
特開2002−229521号公報
本発明は上記問題点を解決し、液晶表示装置の受け取り可能な数値範囲を超えてオーバフローが発生してしまいオーバドライブを行なえない事態が起こったとしても液晶の応答速度を向上させることができる液晶ドライブ装置を提供することを目的とするものである。
本発明の画像表示装置は、1フレーム分の画像データを所定のフレーム周期で順次に受け取り液晶表示装置に画像データを送り込む液晶ドライブ装置において、
各フレームごとの画像データを順次入力し、各画素ごとに、前回のフレームの画素データである前画素データと今回のフレームの画素データである現画素データとに基づいて、画素データの値が前画素データから現画素データに変化する方向に現画素データよりも越えたオーバドライブ画素データを生成するオーバドライブ画素データ生成部と、
上記オーバドライブ画素データ生成部で、上記液晶表示装置で受け取り可能な数値範囲から外れたオーバドライブ画素データが生成されたオーバフローが発生したことを検出するオーバフロー検出部と、
上記オーバフロー検出部によりオーバフローが検出されたときにはそのオーバドライブ画素データをその数値範囲内境界の数値に制限した上で、上記液晶表示装置に送るリミッタ部とを備え、
上記オーバドライブ画像データ生成部は、上記オーバフロー検出部により上記オーバフローが発生したことの検出を受けて、次回のフレームにおける当該画素のオーバドライブ画素データの生成にあたり、今回のオーバフロー画素データのうちの上記リミッタ部で制限を受けた分を考慮したオーバドライブ画素データを生成するものであることを特徴とする。
上記液晶ドライブ装置によれば、前回のオーバドライブ画素データに上記オーバフローが発生した場合には、今回のフレームのオーバドライブデータの生成にあたり、上記リミッタ部で制限を受けた分が考慮されて生成される。
そうすると、上記リミッタ部で制限を受けた分つまりオーバドライブを行なえなかった分を考慮して次のフレームでオーバドライブを行なうことができ、次のフレームで前回のオーバドライブ不足を補うことができる。つまり、前回のフレームでリミッタ部の制限を受けた分を、次のフレームに回し、次のフレームでその制限を受けた分のオーバドライブを行なうことで液晶の応答速度を向上させることができる。その結果、オーバドライブを行なえない事態が発生したときにも液晶表示装置の表示画面上に表示される動画像の画質が向上する。
ここで、上記オーバドライブ画素データ生成部が、
前回のフレームの画素データを、前回オーバフローが検出された画素については、上記リミッタ部で前回制限を受けた分を補正した上で記憶するフレームメモリを備え、各画素ごとに、現画素データと前画素データとから今回のオーバドライブ画素データを生成するものであることが好ましく、そのフレームメモリは、1フレーム分の画素データのうちの、サンプリングにより間引かれた後の飛び飛びの値の複数の画素データについてのみ記憶するものであることが望ましい。
上記前画素データをフレームメモリに記憶しておくと、そのフレームメモリに記憶された前画素と現画素データとから今回のオーバドライブ画素データを生成することができる。また前画素データをすべて上記フレームメモリに記憶すると、そのフレームメモリの容量が膨大になってしまうので、サンプリングした飛び飛びの値の複数の画素データをそのフレームメモリに記憶するようにしてフレームメモリの容量の削減を図ることで、この液晶ドライブ装置の低コスト化を図ることが可能になる。
また、上記オーバドライブ画素データ生成部が、
前画素データと現画素データとの双方とオーバドライブ画素データとを対応付けたルックアップテーブルを有し、現画素データと前画素データからそのルックアップテーブルを参照してオーバドライブ画素データを求めるものであることが好ましい。
またルックアップテーブルは、前画素データ又は/及び現画素データに対してサンプリングした飛び飛びの値を参照するような構成とすることが好ましい。このようにすることによりルックアップテーブルの容量も削減される。もし、オーバドライブ画素データの生成にあたり、飛び飛びの値の間の値が必要な場合には直線補間などを行なってその値を求めればよく、その直線補間を行なうことは容易である。
本発明によれば、液晶表示装置の受け取り可能な数値範囲を超えてオーバフローが発生してしまってオーバドライブを行なえない事態が起こったとしても液晶の応答速度を向上させることができる液晶ドライブ装置を提供することができる。さらに、本発明では、前画素データと現画素データとの双方と、オーバドライブ値が対応づけられたルックアップテーブルと、前画素データを記憶するフレームメモリとを付加するという簡単な構成で、さらにそのルックアップテーブルおよびフレームメモリの容量を削減することにより、その液晶表示装置の製作に係るコストの低廉化を図れるというメリットも引き出せる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施形態を示す液晶ドライブ装置10が液晶表示装置20に接続されたときの構成を示す図である。
図1に示すように、画像データ供給源1から所定の数値範囲内の画素データの集合からなる1フレーム分の画像データがこの液晶ドライブ装置10に送られてくると、その1フレーム分の画像データを所定のフレーム周期で順次に受け取って、動画像を表示する液晶表示装置20に画像データを送り込む。液晶表示装置20では、所定のフレーム周期で送り込まれた1フレーム分の画像データの中の各画素データをD/A部21でそれぞれアナログデータである電圧に変換し、各画素データに応じた電圧を液晶パネル22の各液晶セルの電極にフレーム周期ごとに印加することによって動画像を液晶パネル22上に表示させる。この実施例の液晶表示装置は8ビットの入力データを受け取り可能なものであり、この範囲(0から255まで)の画素データが入力されれば、その画素データに応じた電圧を液晶セルの電極に印加することが可能なものである。この8ビットの画像データの数値範囲0から255までの値が本発明にいう受け取り可能な範囲に当たる。
図2は液晶表示装置20にフレーム周期ごとに1フレーム分の画像データを送り込む液晶ドライブ装置10の内部構成を示す構成ブロック図である。この液晶ドライブ装置10内の各部は、ルックアップテーブル、フレームメモリを除き、プロセッサなどで構成されている。
図2に示す液晶ドライブ装置10には、各フレームごとの画像データを順次入力し、各画素ごとに、前回のフレームの画素データである前画素データと今回のフレームの画素データである現画素データとに基づいて、画素データの値が前画素データから現画素データに変化する方向に現画素データよりも越えたオーバドライブ画素データを生成するオーバドライブ画素データ生成部11と、そのオーバドライブ画素データ生成部11で生成された画素データが液晶表示装置20で受け取り可能な数値範囲から外れたオーバフローが発生したことを検出するオーバフロー検出部12と、オーバフロー検出部12によりオーバフローが検出されたときにはそのオーバドライブ画素データをその数値範囲内境界の数値に制限した上で、液晶表示装置20に送るリミッタ部13とが備えられている。
オーバドライブ画素データ生成部11は、前回のフレームの画素データを、前回オーバフローが検出された画素については、リミッタ部13で前回制限を受けた分を補正した上で記憶するフレームメモリ113を備え、各画素ごとに、現画素データと前画素データとから今回のオーバドライブ画素データを生成するものである。そのフレームメモリ113は、1フレーム分の画素データのうちの、間引かれた後の飛び飛びの値の複数の画素データについてのみ記憶するものであり、ここでは前画素データをフレームメモリ113に記憶するにあたり、下位2ビットを削除して上位6ビットで、0〜252まで4ステップごとに間引かれた画像データを得ている。このようにするとフレームメモリ113の容量が削減される。
さらに、オーバドライブ画素データ生成部11は、現画素データと前画素データとの双方とオーバドライブ値とを対応付けたルックアップテーブル110を有しており、現画素データと前画素データからそのルックアップテーブル110を参照してオーバドライブ画素データを求めるものであって、そのルックアップテーブル110は、現画素データおよび前画素データのうちの少なくとも一方について間引かれた後の飛び飛びの値の複数の画素データとオーバドライブ値とを対応付けたものである。ここではフレームメモリ113に記憶されている前画素データがその間引かれた後の飛び飛びの値の複数の画素データになっている。したがって、フレームメモリ113と同様、このルックアップテーブル110の容量も削減されている。
このような液晶ドライブ装置10においては、カラーの動画像を液晶表示装置20に表示させるものが多く、画像データ供給源1側からカラー画像データとして3原色R,G,Bの画素データがそれぞれ供給されてくるので、それら3原色に対応してR色用110R、G色用110G、B色用110Bと3つのルックアップテーブルが配備されている。これらのルックアップテーブル110R,110G,110Bにすべての画素データに対応づけたオーバドライブ値を記憶しておくと、メモリ容量が膨大になってしまうので、上記の如く飛び飛びの値の複数の画素データとオーバドライブ値とを対応づけてメモリ容量を削減し、低コスト化を図っている。このように容量が削減されると、他のパラメータに応じたルックアップテーブルを作成してもいままでに比べれば小容量になるため、このドライブ液晶装置10には他のパラメータとして温度に対応したルックアップテーブルも準備されている。この構成については後述する。
簡単のため、1つのルックアップテーブル、例えばR色用のルックアップテーブル110Rによりどのようにオーバドライブ画素データが生成されるかを説明する。
この液晶ドライブ装置10に入力された現画素データ(R色に対応する8ビット)がルックアップテーブル110に供給されている。この現画像データは、下位2ビット削除部111にも供給され下位2ビットが削除され、飛び飛びの値ここでは0の次が4というように4ステップごとの画素データに間引かれている。この間引かれた後の画素データが次段の減算回路112に供給され、この減算回路にOF用LUT115から供給されているオーバフローデータとの間で減算が行なわれ、0から255までの範囲をオーバフロー又はアンダーフローする値は切り捨てられて飛び飛びの値の複数の画像データが前画素データとして後段のフレームメモリ113に記憶される。このように、減算回路112で現画素データからオーバフローデータを減算することで、リミッタ部13で前回制限を受けた分が補正され、フレームメモリ113に前画素データとして記憶される。なお、4ステップごとの飛び飛びの値の複数の画像データに間引かれた後で減算回路により減算が行なわれるので、OF用LUT115の方からも4ステップごとのデータが供給されている。
このフレームメモリ113に記憶された前画素データと現画素データからルックアップテーブル110Rを参照することによってR色に対応したオーバドライブ値が読み出される。この図2には、説明を分かりやすくするため、現画素データ側をルックアップテーブルの縦軸側に、前画素データ側をルックアップテーブルの横軸側に入力するようにして2次元的なルックアップテーブル110が構成されているかの如く描かれているが、実際にはルックアップテーブルの参照アドレスの上位側を現画素データに割り当て、下位側を前画素データに割り当てるようなことが行なわれてルックアップテーブル内に記憶されているオーバドライブ値が読み出される。具体的に説明すると、例えば現画素データが8で、前画素データが8であれば88に対応する記憶領域にあるオーバドライブ値が参照され、そのオーバドライブ値が読み出される。
図2のルックアップテーブル110の右横にはルックアップテーブル110から読み出されたオーバドライブ値に基づいて液晶がドライブされたときの電圧波形を示す波形図が模式的に示されている。この波形図の縦軸は電圧であり、横軸は時間である。その波形図に示すように、画素データの値が前画素データV1から現画素データVに変化する方向に現画素データVよりも大きいオーバドライブ画素データV2がこのルックアップテーブルで参照されたオーバドライブ値に基づいて生成される。このルックアップテーブル110Rには、オーバドライブ用のオーバドライブ値(波形図の矢印で示す部分)が記憶されており、このオーバドライブ値と現画素データVとが後段の加算回路114で加算され、オーバドライブ画素データAが求められる。
このオーバドライブ画素データAを液晶表示装置20に供給するときにそのまま供給したのでは、液晶表示装置20が受入可能な数値を外れてしまう恐れがあるので、次段のオーバフロー検出部12とリミッタ部13を設けて、その恐れを解消している。
前段のオーバドライブ画素データ生成部11で、液晶表示装置20で受け取り可能な数値範囲から外れたオーバドライブ画素データ(例えば300)が生成され、オーバーフローが発生したことが検出されたときには、リミッタ部13でオーバドライブ画素データを数値範囲内の境界値255に制限した上で、液晶表示装置20に画素データ255が送られる。
さらに、このオーバフロー検出部12では、オーバドライブ画素データAのオーバフローが検出されたときには、即ち本実施形態の場合、255よりも大きければ“A−255”をOF用LUT(オーバフロー用ルックアップテーブル)115に出力し、0よりも小さければ“A”を、受け取り可能な範囲であれば“0”をOF用LUT115に出力する。このOF用LUT115は、そのオーバフロー検出部12から出力された“A―255”、または“0”、または“A”を受けてフレームメモリ113側の減算回路112にオーバドライブ画素データAに応じたオーバフローデータを出力する。本実施形態の場合は、現画素データ側が下位2ビット削除部111で下位2ビットが削除された画素データになっているので、このOF用LUT115から出力されるオーバフローデータも、入力値を直線近似し最も近い4ステップごとのデータに変換されて出力されている。しかし、OF用LUT115は直線近似だけでなく、曲線近似等の液晶表示装置の特性に合わせた値を出力するものであっても良い。
このオーバフローデータが減算回路112に供給され、下位2ビット削除部111で間引かれた後の現画素データとの間で減算が行なわれた後、飛び飛びの値の画素データがフレームメモリ113に前画素データとして記憶される。このフレームメモリ113に記憶された前画素データと現画素データとの双方に応じたオーバドライブ値がルックアップテーブル110で参照される。
このルックアップテーブル110は、例えばオーバフロー検出部の出力が0であれば、オーバフローを考慮する必要がないので、現画素データに対応するオーバドライブ値がそのまま参照され、また液晶表示装置20が受け取り可能な範囲の上限(255)を超えたオーバフローが発生し、リミッタ部13で制限を受けた分(A―255)を考慮してオーバドライブ画素データを生成する場合には、現画素データからそのリミッタ部13で制限を受けた分(A―255)の値が減算され、その減算された前画素データに応じたオーバドライブ値が参照される。さらに液晶表示装置20が受け取り可能な範囲の下限(0)を下回りオーバフローが発生し、リミッタ部13で制限を受けた分(A)を考慮してオーバドライブ画素データを生成する場合には、現画素データからそのリミッタ部13で制限を受けた分(A)の値が減算(即ち加算)され、その減算された前画素データに応じたオーバドライブ値が参照される。
このようにリミッタ部13により制限を受けた分(オーバフロー分)を考慮したオーバドライブ値がルックアップテーブル110から読み出され、次の加算回路114で現画素データに加算され、今回のフレームの画素データに基づくオーバドライブ画素データAが求められる。
なお、ここではサンプリングした飛び飛びの値の画素データに対応するオーバドライブ値をルックアップテーブル110に記憶しているが、この飛び飛びの値の間の値が必要な場合には、直線補間などにより補間を行なえば、その飛び飛びの値の間の値を求めることは可能である。この補間を行なう場合には、例えば、現画素データと前画素データとの双方で定められるアドレスに対応するオーバドライブ値と、そのアドレスに+1したオーバドライブ値双方を読み出し、双方のオーバドライブ値に基づいて補間演算を行なう補間演算部をルックアップテーブル110の出力段に設ける構成が考えられる。この補間演算部はこの液晶ドライブ装置10を構成する例えばプロセッサ内に簡単に製作することができるので、さほどコストアップをきたさない。
図3、図4を用いて本発明の液晶ドライブ装置10の作用を説明する。
図3はこの液晶ドライブ装置10で液晶表示装置20の一画素分の液晶セルをドライブしたときの作用を模式的に示す模式図である。
図3には、液晶表示装置内の液晶用ドライバから出力されるドライブ波形と、そのドライブ波形が印加されたときの液晶セルの応答波形とがそれぞれ示されており、図3(a)にはオーバドライブを行なわない場合のドライブ波形および応答波形が、また図3(b)にはリミッタ部13で制限を加えられたドライブ波形でドライブしたときのドライブ波形と応答波形が、さらに図3(c)には本発明の液晶ドライブ装置により、図3(b)のときにオーバフローが検出され、前画素データと現画素データとの双方に基づいたオーバドライブ画素データでドライブしたときのドライブ波形と応答波形がそれぞれ示されている。なお、図3の縦軸は電圧を示し、横軸は時間を示している。
図3(a)には、オーバドライブを行なわないときのドライブ電圧が印加され、液晶の過渡応答が緩やかに立ち上がって除々に目標電圧に達していることが示されている。液晶は、2つの対向電極が配置されたものとほぼ等価であり、この2つの対向電極がコンデンサとして働くため過渡応答が緩やかな応答になっている。このような緩やかな応答ではなかなか目標電圧に到達しない。このように目標電圧に達するまでに時間がかかると、いくつかの画素ごとに表示画像が切り替えられる動画像を表示する場合に、多くの残像が観察されてしまう。これを改善するため、図4(b)に示すようなオーバドライブを行なって、過渡部の立ち上がりの特性を改善し、応答速度を向上させている。
しかし、オーバドライブ画素データが、液晶表示装置が受け取り可能な範囲を超えてしまうと、リミッタ部13によりその境界に制限されたオーバドライブ電圧でオーバドライブが行なわれてしまうため、応答速度がさほど向上しない。実際、図4(b)に点線で示すオーバドライブ電圧を液晶に印加することができれば、はやい時期に目標電圧に到達させることができるが、リミッタ部13で制限を受けた分、応答の立ち上がりが緩やかになってしまってなかなか目標電圧まで達しない。
そこで本実施形態では、リミッタ部13で制限を受けた分すなわち図3(b)の点線で示す部分の電圧(ハッチング部)を考慮して次のオーバドライブ画素データを生成し、次のフレームでその制限を受けた分を印加するようにして、液晶の応答速度を向上させている。そうすると、目標電圧に達するまでの時間が短縮され、速い切り替えを要求される動画像の表示品質が向上する。
図4は、従来の液晶ドライブ装置と本発明の液晶ドライブ装置で液晶表示装置をドライブしたときの実際の応答波形を示す図である。
図4(a)には、従来の液晶ドライブ装置で液晶表示装置をドライブしたときの実際の応答波形が示されており、図4(b)には本発明の液晶ドライブ装置でドライブしたときの実際の応答波形が示されている。
図4(a)では、オーバドライブを行なえない事態が発生したときにそのまま画像の表示を切り替えているため、目標電圧に達する時間が遅くなり、その目標電圧に達しない部分(点線で囲まれた部分)で、液晶表示装置の液晶パネル上に表示されている動画像から多くの残像が観察されてしまう。しかし本発明の液晶ドライブ装置を適用すると、画像の表示の切り替え時の目標電圧に到達する時間が短縮されて、液晶表示装置の液晶パネル上に表示されている動画像から観察される残像が少なくなる。このように本発明の液晶ドライブ装置10で液晶表示装置20をオーバドライブすれば、フレームごとに速い切り替え時間が要求される動画像の表示を鮮明に行なえる。
本実施形態の液晶ドライブ装置は、どのような液晶表示装置にも適用可能であり、この液晶ドライブ装置を画像データの供給源と液晶表示装置との間に間挿することによって、液晶表示装置に表示される動画像の画質が向上する。
最後に、前述した温度に応じたルックアップテーブルの構成を簡単に説明しておく。
図5は温度に応じたルックアップテーブルの構成を説明する図である。
この液晶ドライブ装置は、図5に示したR、G、Bそれぞれのルックアップテーブルに対応して3種類の温度データに応じたルックアップテーブルがそれぞれ配備されている。この図5では、R色について、0℃、25℃、45℃の3種類の温度に応じたルックアップテーブル1101R,1102R,1103Rが準備されている。前述したようにメモリ容量を削減しているので、このように温度3種類に応じてルックアップテーブルを配備しても以前よりも少ないメモリ容量で液晶表示装置を構成することが可能となる。
ここでは温度データとして常温25℃を中心に低温側(0℃)と高温側(45℃)になるように3つのルックアップテーブルが準備され、いずれかの温度に応じてオーバドライブ画素データが生成される。ここでは、この液晶ドライブ装置の液晶側の温度を検出する温度検出部を液晶側に接続することによって液晶表示装置の温度に応じていずれかの温度に応じたルックアップテーブルのオーバドライブ値が参照されてドライブ画素データが生成される。この温度についてもメモリの容量の削減を図るため、0℃、25℃、45℃といったように飛び飛びの値でルックアップテーブルを配備しており、前述したように補間部を設けて温度が15℃の場合には0℃と25℃の温度データを用いて補間を行なうようなことを行なえば、より精度の高いオーバドライブ画素データの生成を行なえる。
以上説明したように、前回のフレームで、リミッタ部で制限を受けた分を考慮して今回のフレームでオーバドライブを行なうことにより、液晶の応答速度を向上させることができる液晶ドライブ装置を提供することができる。
本発明の実施形態を示す液晶ドライブ装置が液晶表示装置に接続されたときの構成を示す図である。 液晶表示装置にフレーム周期ごとに1フレーム分の画像データを送り込む液晶ドライブ装置10の内部構成を示す構成ブロック図である。 このドライブ装置で液晶表示装置の一画素分をドライブしたときの作用を模式的に示す模式図である。 従来の液晶ドライブ装置と本発明の液晶ドライブ装置で液晶表示装置をドライブしたときの実際の応答波形を示す図である。 温度に応じたルックアップテーブルの構成を説明する図である。
符号の説明
1 画像データ供給装置
10 液晶ドライブ装置
11 オーバドライブ画素データ生成部
110 ルックアップテーブル(LUT)
110R R用LUT
110G G用LUT
110B B用LUT
1101R 0℃用LUT
1102R 25℃用LUT
1103R 45℃用LUT
111 下位2ビット削除部
112 減算回路
113 フレームメモリ
114 加算回路
115 OF用LUT
12 オーバフロー検出部
13 リミッタ部
20 液晶表示装置
21 D/A部
22 液晶パネル

Claims (4)

  1. 1フレーム分の画像データを所定のフレーム周期で順次に受け取り液晶表示装置に画像データを送り込む液晶ドライブ装置において、
    各フレームごとの画像データを順次入力し、各画素ごとに、前回のフレームの画素データである前画素データと今回のフレームの画素データである現画素データとに基づいて、画素データの値が前画素データから現画素データに変化する方向に現画素データよりも越えたオーバドライブ画素データを生成するオーバドライブ画素データ生成部と、
    前記オーバドライブ画素データ生成部で、前記液晶表示装置で受け取り可能な数値範囲から外れたオーバドライブ画素データが生成されたオーバフローが発生したことを検出するオーバフロー検出部と、
    前記オーバフロー検出部によりオーバフローが検出されたときには該オーバドライブ画素データを該数値範囲内境界の数値に制限した上で、前記液晶表示装置に送るリミッタ部とを備え、
    前記オーバドライブ画像データ生成部は、前記オーバフロー検出部によるオーバフローが発生したことの検出を受けて、次回のフレームにおける当該画素のオーバドライブ画素データの生成にあたり、今回のオーバフロー画素データのうちの前記リミッタ部で制限を受けた分を考慮したオーバドライブ画素データを生成するものであることを特徴とする液晶ドライブ装置。
  2. 前記オーバドライブ画素データ生成部が、
    前回のフレームの画素データを、前回オーバフローが検出された画素については、前記リミッタ部で前回制限を受けた分を補正した上で記憶するフレームメモリを備え、各画素ごとに、現画素データと前画素データとから今回のオーバドライブ画素データを生成するものであることを特徴とする請求項1記載の液晶ドライブ装置。
  3. 前記フレームメモリは、
    1フレーム分の画素データのうちの、サンプリングにより間引かれた後の飛び飛びの値の複数の画素データについてのみ記憶するものであることを特徴とする請求項2記載の液晶ドライブ装置。
  4. 前記オーバドライブ画素データ生成部が、
    現画素データと前画素データとの双方とオーバドライブ画素データとを対応付けたルックアップテーブルを有し、現画素データと前画素データから該ルックアップテーブルを参照してオーバドライブ画素データを求めるものであることを特徴とする請求項1乃至3に記載の液晶ドライブ装置。
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