JP2005037096A - 減圧乾燥装置及び減圧乾燥方法並びに炭化処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 汚泥ケーキ等の原料を炭化する前工程として、この原料を乾燥させるため装置の小型化を図りながらも高効率な乾燥動作を実現する減圧乾燥装置及び減圧乾燥方法並びにこの減圧乾燥装置を備えた炭化処理装置を提供する。
【解決手段】 汚泥ケーキ等の原料を炭化処理する前段階として原料を減圧乾燥させる減圧乾燥装置として、スネークポンプ4により汚泥を圧送する、この圧送する汚泥によって乾燥容器7,8の一端の開口を封止しながら汚泥の連続搬送を行う。汚泥を乾燥容器7,8に導入する際、紐状ケーキ成形器によって汚泥を複数本の紐状にする。その後、この汚泥を、予め減圧された乾燥容器7,8内で搬送しながら加熱することで汚泥の含水率を40%程度まで低下させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 汚泥ケーキ等の原料を炭化処理する前段階として原料を減圧乾燥させる減圧乾燥装置として、スネークポンプ4により汚泥を圧送する、この圧送する汚泥によって乾燥容器7,8の一端の開口を封止しながら汚泥の連続搬送を行う。汚泥を乾燥容器7,8に導入する際、紐状ケーキ成形器によって汚泥を複数本の紐状にする。その後、この汚泥を、予め減圧された乾燥容器7,8内で搬送しながら加熱することで汚泥の含水率を40%程度まで低下させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば、水処理システムで発生する活性汚泥脱水ケーキ(以下、単に汚泥ケーキと呼ぶ)、コーヒー豆や茶葉の滓等の原料を炭化処理する際の前工程として適用され、これらを減圧乾燥させるための装置及び方法並びにこの減圧乾燥装置を備えた炭化処理装置に係る。特に、本発明は、小型な装置で高効率な減圧乾燥動作を実現するための対策に関する。
従来より、水処理システムにおいて濃縮汚泥を脱水することによって得られる汚泥ケーキは、70%以上の含水率があり、体積が大きく、運搬に多大な労力及び経費が必要であった。
そこで、一般に、この汚泥ケーキを加熱して炭化することが行われている。これにより、体積を1/10〜1/20程度に減容して、その後の処理(運搬等)を容易にしたり、この得られた炭化物を土壌改良材、脱臭剤、脱水助剤、燃料、資材等として有効利用することが行われている。
しかしながら、この炭化前の汚泥ケーキは、高い粘着性を有しているため、搬送路内に備えられたスクリューコンベアによって搬送しようとしても、スクリューや搬送路の管壁にその粘着力によって付着してしまい、良好な搬送を行うことができなかった。
このため、例えば下記の特許文献1に開示されているように、先ず、汚泥ケーキを乾燥装置に供給し、この乾燥装置内において汚泥ケーキを加熱乾燥させることが行われている。これにより、汚泥ケーキは含水率が40%程度になり搬送が容易になる。
そして、このようにして乾燥処理された汚泥ケーキを、乾燥装置から取り出して炭化装置(炭化乾留炉)に供給し、この炭化装置内において汚泥ケーキを無酸素状態で加熱し、これによって汚泥ケーキを炭化させる。このように、個別の装置による2段階の工程により汚泥ケーキを炭化させていた。
特開平11−60223号公報
しかしながら、上記乾燥装置及び炭化装置によって炭化処理を行う手法では、各装置を個別に設置する必要があるため、システム全体としての大型化を避けることができないといった不具合があった。また、乾燥装置の内部に所定量の汚泥ケーキを投入して、その乾燥処理を行った後に、この汚泥ケーキを乾燥装置から取り出すといった所謂バッチ処理を行っていたため、処理時間の短縮化を図るには限界があった。
この点に鑑み、単一の炉内部に乾燥処理部と炭化処理部とを設けた炭化装置を構成し、且つ汚泥ケーキを炭化装置に投入する前に、既に生成された炭の粉末を混合して汚泥ケーキの表面に炭の付着層を形成することにより、搬送路内での汚泥ケーキの詰まりを防止することが行われている。
しかし、この方法では、汚泥ケーキと粉末炭との混合過程が複雑になって装置の製造コストの高騰を招いたり、炭化処理過程で残留する微量酸素により炭の微粉末が燃焼してしまうために炭化生成物に灰が混ざってしまう等と言った欠点がある。また、この装置によって生成された炭化物は、粒状のものや微粉末状のものの混合となり、生成物の有効利用上不利な面がある。
尚、この不具合は汚泥ケーキを炭化する場合に限らず、コーヒー豆や茶葉の滓、牛舎や厩舎の敷き藁、鶏糞、籾殻、野菜屑などの厨芥、刈り芝等、種々の廃棄物を炭化する場合においても同様に生じるものである。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、汚泥ケーキ等の原料を炭化する前工程として、この原料を乾燥させるため装置の小型化を図りながらも高効率な乾燥動作を実現する減圧乾燥装置及び減圧乾燥方法並びにこの減圧乾燥装置を備えた炭化処理装置を提供することにある。
−発明の概要−
上記の目的を達成するために、本発明は、例えば汚泥ケーキ等の原料を炭化処理する前段階として使用する際に、減圧された空間内において原料を搬送しながら加熱することにより所定の乾燥状態が得られるようにしている。これにより、従来のバッチ処理によって原料を乾燥させるものに比べて、小型の装置であっても高い効率で乾燥処理を行うことができるようにしている。
上記の目的を達成するために、本発明は、例えば汚泥ケーキ等の原料を炭化処理する前段階として使用する際に、減圧された空間内において原料を搬送しながら加熱することにより所定の乾燥状態が得られるようにしている。これにより、従来のバッチ処理によって原料を乾燥させるものに比べて、小型の装置であっても高い効率で乾燥処理を行うことができるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、含水原料の乾燥処理を行う減圧乾燥装置を前提とする。この減圧乾燥装置に対し、減圧容器、減圧手段、原料投入手段、搬送手段、原料導出手段を備えさせている。減圧容器は、原料導入口及び原料排出口を有している。減圧手段は、減圧容器の内部空間を減圧状態にするものである。原料投入手段は、上記原料導入口から減圧容器内部に原料を投入するに際し、原料を連続投入することにより、この原料によって原料導入口を封止しながら原料投入を行うものである。搬送手段は、上記減圧容器の内部空間において原料導入口から原料排出口に向けて原料を搬送しながら含水原料を次第に乾燥させていくものである。原料導出手段は、上記減圧容器の内部空間が原料排出口から大気開放されることを阻止しながら原料を減圧容器の原料排出口から導出するものである。
具体的に、本発明は、含水原料の乾燥処理を行う減圧乾燥装置を前提とする。この減圧乾燥装置に対し、減圧容器、減圧手段、原料投入手段、搬送手段、原料導出手段を備えさせている。減圧容器は、原料導入口及び原料排出口を有している。減圧手段は、減圧容器の内部空間を減圧状態にするものである。原料投入手段は、上記原料導入口から減圧容器内部に原料を投入するに際し、原料を連続投入することにより、この原料によって原料導入口を封止しながら原料投入を行うものである。搬送手段は、上記減圧容器の内部空間において原料導入口から原料排出口に向けて原料を搬送しながら含水原料を次第に乾燥させていくものである。原料導出手段は、上記減圧容器の内部空間が原料排出口から大気開放されることを阻止しながら原料を減圧容器の原料排出口から導出するものである。
この特定事項により、先ず、減圧容器の内部空間を減圧手段によって減圧状態にしておく。この状態で、含水原料(例えば含水率70%程度の汚泥)を、原料投入手段によって減圧容器の原料導入口に向けて導入する。このとき、減圧容器内部には含水原料が連続投入されるため、この原料自身が原料導入口を封止する役目を果たし、減圧容器の内部空間が原料導入口から大気開放されてしまうことはない。連続投入された含水原料は、搬送手段によって原料排出口に向けて搬送されることになるが、この際、減圧状態にある減圧容器の内部空間を通過するため、原料に含まれている水分の沸点が低下し、この搬送中に大量の水分が原料から放出される。これにより、原料の含水率は大幅に低下して、例えば、含水率40%程度に達する。このようにして乾燥状態となった原料は原料導出手段によって減圧容器の原料排出口から導出され、例えば次工程である炭化工程に移される。以上の動作が減圧乾燥装置によって行われる。このようにして含水原料が搬送されながら乾燥処理されるため、従来のバッチ式の乾燥装置に比べて装置の小型化を図りながらも高効率な乾燥動作を実現することが可能である。つまり、従来のバッチ式の乾燥装置では、乾燥装置の内部に所定量の含水原料を投入して、その乾燥処理を行った後に、この原料を乾燥装置から取り出すといった作業が必要であったため、処理時間の短縮化を図るには限界があった。本発明によれば、減圧容器の内部空間を減圧状態に維持しながらも、原料の連続投入、連続導出を行うことが可能であり、単位時間当たりに処理可能な原料の量を大幅に拡大することができる。
尚、上記搬送手段を備えさせることなしに上記作用を得ることができる減圧乾燥装置の構成としては以下のものが掲げられる。つまり、含水原料の乾燥処理を行う減圧乾燥装置を前提とする。この減圧乾燥装置に対し、減圧容器、減圧手段、原料投入手段、原料導出手段を備えさせている。減圧容器は、原料導入口及び原料排出口を有している。減圧手段は、減圧容器の内部空間を減圧状態にするものである。原料投入手段は、上記原料導入口から減圧容器内部に原料を投入するに際し、原料を連続投入することにより、この原料によって原料導入口を封止しながら原料投入を行うものである。原料導出手段は、上記減圧容器の内部空間が原料排出口から大気開放されることを阻止しながら原料を減圧容器の原料排出口から導出するものである。
また、減圧容器の内部空間における乾燥動作を高い効率で行うための構成として、より具体的には、減圧容器内部空間の原料を加熱する加熱手段を備えさせている。上述した如く、減圧容器の内部空間にあっては原料に含まれている水分の沸点が低下しているため、比較的温度の低い熱源であっても原料の含水率を大幅に低下させることが可能であり、ランニングコストの低廉化を図ることができる。
また、含水原料の乾燥をより効果的に行うための構成としては以下のものが掲げられる。つまり、原料導入口から減圧容器内部に原料を投入するのに先立って、含水原料を加熱しておく予熱手段を備えさせた構成である。
これによれば、原料導入口から減圧容器内部に原料を投入すると同時に、原料からは大量の水分が放出されることになり、原料の早期乾燥を実現することができる。このため、搬送手段での搬送時間の短縮化を図ることができ、原料の乾燥を高効率で行うことが可能になる。
更に、減圧容器内部に投入される原料をある形状に成形しておく構成として以下のものが掲げられる。つまり、原料導入口から減圧容器内部に投入される原料を、その投入方向に沿って延びる紐状に成形する紐状原料成形手段を備えさせている。
このように紐状原料成形手段によって原料を紐状に成形しておけば、原料の表面積の拡大を図ることができて、原料をよりいっそう早期乾燥させることが可能である。また、紐状で乾燥した原料は、容易に切断されて粒子状の乾燥原料となるので、炭化処理後に得られる炭は粒状となる。この粒状の炭は運搬が容易であり且つ様々な用途への適用が可能である。つまり、本解決手段によれば、炭化処理によって得られた炭を粒状に成形するための特別な成形動作を必要とすることなく、含水原料を紐状にして減圧容器内部に投入するのみで、最適な形状の炭を成形することが可能である。
含水原料から放出された水分(水蒸気)を減圧容器から排出することによって含水原料の乾燥をより効果的に行うための構成としては以下のものが掲げられる。つまり、減圧容器の内部空間に空気を注入する空気注入手段を備えさせる。そして、空気注入手段を減圧容器における原料導入口の近傍位置に設ける一方、減圧手段を減圧容器における原料排出口の近傍位置に設けている。
これによれば、空気注入手段から減圧容器の内部空間に空気を注入すると、この空気が膨張しながら減圧手段に向けて高速度で流れることになる。この高速気流に沿って減圧容器内の水蒸気も減圧手段に向かって流れ、これによって、減圧容器内に残留している水蒸気は、迅速に減圧容器から排出されることになる。これにより、減圧容器内に滞留する水分の量が大幅に低下し、含水原料の乾燥を大幅に促進することができる。また、本解決手段において、注入する空気に乾燥空気を用いればよりいっそう効果を高めることができる。
また、上述した各解決手段に係る減圧乾燥装置を備えた炭化処理装置も本発明の技術的思想の範疇である。つまり、含水原料を加熱により炭化するための炭化処理装置であって、上記各解決手段のうち何れか一つに記載の減圧乾燥装置と、この減圧乾燥装置によって乾燥処理された原料が投入されて、この原料を加熱により炭化させる炭化炉とを備えたものである。
更に、上述した各解決手段に係る減圧乾燥装置によって実行される減圧乾燥方法も本発明の技術的思想の範疇である。つまり、予め内部空間が減圧状態に維持された減圧容器の原料導入口を原料によって封止しながらこの減圧容器の内部に原料を連続的に投入し、この連続的に投入された含水原料を減圧容器内で搬送手段によって搬送しながら次第に乾燥させていく減圧乾燥方法である。
また、他の方法として、予め内部空間が減圧状態に維持された減圧容器の原料導入口を原料によって封止しながらこの減圧容器の内部に原料を連続的に投入し、この連続的に投入された含水原料を減圧容器内で攪拌しながら次第に乾燥させていく減圧乾燥方法も掲げられる。
本発明では、減圧された空間内において汚泥ケーキ等の原料を加熱することにより所定の乾燥状態が得られるようにしている。特に、減圧容器内部に含水原料を連続投入し、この原料自身が原料導入口を封止する役目を果たすようにしていることで、減圧容器内部の減圧状態を維持しながら原料の連続投入を可能にしている。これにより、従来のバッチ処理によって原料を乾燥させるものに比べて、小型の装置であっても高い効率で乾燥処理を行うことができ、単位時間当たりに処理可能な原料の量を大幅に拡大することができる。
また、原料導入口から減圧容器内部に投入される原料を、その投入方向に沿って延びる紐状に成形しているので、原料の表面積の拡大を図ることができて、原料をよりいっそう早期乾燥させることが可能である。そればかりでなく、この紐状で乾燥した原料は、容易に切断されて粒子状の乾燥原料となるので、炭化処理後に得られる炭は粒状となる。この粒状の炭は運搬が容易であり且つ様々な用途への適用が可能であり、炭化処理によって得られた炭を粒状に成形するための特別な成形動作を必要とすることなしに最適な形状の炭を成形することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明は、水処理システムにおいて濃縮汚泥を脱水することによって得られる汚泥ケーキを炭化するための炭化処理装置に本発明を適用した場合について説明する。
図1は、本形態に係る炭化処理装置1の概略構成を示す図である。この図1に示すように、本形態に係る炭化処理装置1は、減圧乾燥装置2及び炭化炉としての熱風炉3を備えている。
減圧乾燥装置2は、汚泥ケーキの搬送方向の上流側から下流側に向かって、原料投入手段としてのスネークポンプ4、予熱手段としてのケーキ予熱器5、紐状原料成形手段としての紐状ケーキ成形器6、第1段乾燥容器7、第2段乾燥容器8、原料導出手段としてのゲート弁9が順に配置されている。以下、各機器について説明する。
スネークポンプ4は、金属製外筒の内側に弾性材で成形された雌ネジを有するステータと、このステータの内部に挿入された雄ネジ形状の金属製ロータとを備えて構成されており、このロータがステータに対して偏心公転運動しながら汚泥ケーキをケーキ予熱器5に向けて圧送するようになっている。このスネークポンプは従来より周知のものであるのでここでの詳細な説明は省略する。このスネークポンプ4による搬送圧力は、一般的には、スクリューコンベアの搬送圧力よりも高くなっているため、比較的高い搬送圧力により汚泥ケーキを強制的にケーキ予熱器5に向けて圧送することになる。その結果、第1段乾燥容器7に対して汚泥ケーキを連続投入することで、この汚泥ケーキ自身が第1段乾燥容器7の上流端開口を封止(汚泥が第1段乾燥容器7の上流端開口が開放しないように閉鎖)する役目を果たし、汚泥ケーキの投入が連続する限り、第1段乾燥容器7の内部空間が大気開放されてしまうことがない構成となっている。
ケーキ予熱器5は、内部に汚泥搬送路51を備え、この汚泥搬送路51の外周部に、温風が流通する温風ジャケット52を備えている。この温風ジャケット52には温風導入管53及び温風排出管54が接続されている。これにより、温風導入管53から導入された温風(100〜200℃程度)は、温風ジャケット52内を通過し、この際、その熱エネルギを汚泥搬送路51内の汚泥に与えて温風排出管54から排気される。これにより、ケーキ予熱器5では汚泥が予熱されて例えば60〜90℃程度まで温度上昇することになる。また、ケーキ予熱のために温風の代わりに蒸気を用いてもよい。
また、このケーキ予熱器5における汚泥搬送路51の断面形状としては、図3(a)〜(c)に示すように、搬送方向下流側に向かって円形から次第に偏平形状となるように変化している。この図3は、(a)が図2(ケーキ予熱器5周辺部の平面図)におけるA−A線断面図、(b)が図2におけるB−B線断面図、(c)が図2におけるC−C線断面図である。
紐状ケーキ成形器6は、上記ケーキ予熱器5において予熱され且つ偏平形状に成形された汚泥を複数本の紐状に成形するものである。詳しくは、図2(平面図)に示すように、汚泥搬送路の内部の複数箇所にスプリッタ61,61,…が備えられており、このスプリッタ61,61,…同士の間を汚泥が通過する際に、汚泥をその搬送方向に沿って延びる複数本の紐状に成形するようになっている。本形態では、汚泥搬送路の内部の3箇所にスプリッタ61,61,…が配設されており、4本の紐状汚泥が成形されて第1段乾燥容器7に導入されるようになっている。このスプリッタ61の形状としては、図4及び図3(d)(図2におけるD−D線断面図)に示すように、汚泥の搬送方向に向かって断面積が次第に大きくなっていく三角錐形状であって、このスプリッタ61の外面に存在しているエッジ62によって、汚泥中の繊維や髪の毛が切断され、これらが原因で搬送路内で汚泥が詰まってしまうといったことを回避できるようになっている。
第1段乾燥容器7は、内部に搬送手段としてのベルトコンベア71を備えており、上記紐状ケーキ成形器6によって複数本の紐状に成形された汚泥を第2段乾燥容器8に向けて搬送するようになっている。一方、第2段乾燥容器8は、第1段乾燥容器7の下方に配置されていると共に、その内部に搬送手段としてのスクリューコンベア81を備えており、上記第1段乾燥容器7から供給された汚泥をゲート弁9に向けて搬送するようになっている。
また、第1段乾燥容器7と第2段乾燥容器8との接続部分の構成としては、第1段乾燥容器7の下面であって上記ベルトコンベア71の搬送方向下流端に対応した位置に汚泥排出孔72が形成されている一方、第2段乾燥容器8の上面であって上記スクリューコンベア81の搬送方向上流端に対応した位置に汚泥導入孔82が形成されている。そして、これら汚泥排出孔72と汚泥導入孔82とが連結管73によって連結されている。このような構成により、これら第1段乾燥容器7及び第2段乾燥容器8によって本発明でいう減圧容器が構成されている。このため、第1段乾燥容器7の上流側開口が本発明でいう原料導入口となり、第2段乾燥容器8の下流側開口が本発明でいう原料排出口となる。
上記第2段乾燥容器8の汚泥搬送方向下流側端の側壁には吸引管83が接続されており、この吸引管83には減圧手段としての真空ポンプ84が接続されている。つまり、この真空ポンプ84の駆動に伴って、第1段乾燥容器7及び第2段乾燥容器8の内部に存在する空気が引き抜かれ、これら容器7,8の内部空間が真空状態となるようになっている。本形態では、例えば1/10気圧程度の真空度が得られる。この容器7,8の内部空間の真空度はこれに限られるものではない。
このように、内部空間が真空状態となった状態で、第1段乾燥容器7から第2段乾燥容器8に亘って汚泥が搬送されることにより、汚泥に含まれている水分の沸点が低下し、この搬送中に大量の水分が汚泥から放出されるようになっている。また、第2段乾燥容器8の外周部には温風が流通する加熱手段としての温風ジャケット85が備えられており、この温風ジャケット85を通過する温風によって、汚泥は搬送されながら加熱され、これによっても大量の水分が汚泥から放出されることになる。また、この温風に代えて蒸気を使用してもよい。
また、上記第1段乾燥容器7の上面における汚泥搬送方向上流側端近傍には、この第1段乾燥容器7の内部空間に向けて空気を供給する空気注入手段としての空気供給管74が接続されている。この空気供給管74には開閉弁75が設けられており、この開閉弁75が開状態となった際に第1段乾燥容器7の内部空間に空気が供給されることになる。このようにして、第1段乾燥容器7の内部空間に空気が供給された場合、第1段乾燥容器7の内部空間は減圧されているために、この空気が膨張しながら真空ポンプ84に向けて高速度で流れることになる。この高速気流に沿って第1段乾燥容器7及び第2段乾燥容器8の内部空間の水蒸気も真空ポンプ84に向かって流れ、これによって、各乾燥容器7,8内に残留している水蒸気は、迅速に排出され、これにより、各乾燥容器7,8内に滞留する水分の量が大幅に低下し、汚泥の乾燥を促進することができる。この注入空気として乾燥空気を用いればより高い効果を得ることができる。
尚、ベルトコンベア71及びスクリューコンベア81における汚泥の搬送速度は、各乾燥容器7,8内の真空度及び温風ジャケット85から汚泥に与えられる熱量に応じて設定される。例えば汚泥の搬送速度としては、第1段乾燥容器7では汚泥の乾燥時間が30〜45分、第2段乾燥容器8では汚泥の乾燥時間が30分〜60分となるようにそれぞれの搬送速度が設定される。
このような動作により、汚泥の含水率は大幅に低下して、例えば、含水率40%程度に達した後に第2段乾燥容器8の下流端からゲート弁9に向けて落下されるようになっている。
図5は、第1段乾燥容器7及び第2段乾燥容器8の各部における汚泥の状態を示している。図5(a)は、上記紐状ケーキ成形器6から排出された直後のベルトコンベア71上における汚泥の状態(紐状)を示している。図5(b)は、第1段乾燥容器7内においてベルトコンベア71上を搬送されていく過程で水分が放出し、表面が略乾燥した状態の汚泥を示している。図5(c)は、第1段乾燥容器7内のベルトコンベア71の搬送方向下流端から連結管73に向けて落下する際に重力の影響によって紐状汚泥が部分的に切断されて短尺の紐状汚泥となった状態を示している。つまり、紐状の汚泥はベルトコンベア71の搬送方向下流端から所定寸法だけ突出する度に折れて、その折れた汚泥が短尺の紐状汚泥となって連結管73を経て第2段乾燥容器8に落下することになる。そして、この第2段乾燥容器8に導入された汚泥は、スクリューコンベア81によって攪拌されながら搬送されることになる。図5(d)は、第2段乾燥容器8内においてスクリューコンベア81上を搬送されていく過程で水分が放出し、表面が滑らかな略球状に成形された汚泥を示している。このようにして、各乾燥器7,8内において、含水率40%程度まで乾燥され、且つ略球状に成形された汚泥が第2段乾燥容器8の下流端からゲート弁9に向けて落下されることになる。
次に、ゲート弁9について説明する。このゲート弁9は、図6に示すように、内部に2つのロータリバルブ(上流側の第1ロータリバルブ91と下流側の第2ロータリバルブ92)を備えている。これらロータリバルブ91,92は、互いに独立して回転駆動し、汚泥搬送経路の開放及び閉鎖を切り換えるようになっている。
また、第1ロータリバルブ91の上流側の経路I、第2ロータリバルブ92の下流側の経路III、各ロータリバルブ91,92同士の間の経路IIは、均圧路93,94によって互いに連通しており、第1ロータリバルブ91の上流側の経路Iと各ロータリバルブ91,92同士の間の経路IIとを繋ぐ上流側均圧路93には第1開閉弁95が、第2ロータリバルブ92の下流側の経路IIIと各ロータリバルブ91,92同士の間の経路IIとを繋ぐ下流側均圧路94には第2開閉弁96がそれぞれ配設されている。つまり、第1開閉弁95が開放されると、第1ロータリバルブ91の上流側の経路Iと各ロータリバルブ91,92同士の間の経路IIとが均圧される一方、第2開閉弁96が開放されると、第2ロータリバルブ92の下流側の経路IIIと各ロータリバルブ91,92同士の間の経路IIとが均圧されるようになっている。
以下、このゲート弁9の動作について説明する。先ず、図6(a)に示すように第1ロータリバルブ91が閉鎖され、第2ロータリバルブ92が開放されている状態で、且つ各開閉弁95,96が共に閉状態にある場合において、第2段乾燥容器8の下流端から汚泥が落下供給され、その供給量が所定量に達すると、図6(b)に示すように、先ず、第2ロータリバルブ92が閉鎖される。この状態で、第1開閉弁95が開放され、第1ロータリバルブ91の上流側の経路Iと各ロータリバルブ91,92同士の間の経路IIとが均圧される。その後、図6(c)に示すように、第1ロータリバルブ91が開放される。これにより、第1ロータリバルブ91の上流側の経路Iに存在していた汚泥は、各ロータリバルブ91,92同士の間の経路IIに落下する。このとき、これら空間I,IIは既に均圧状態とされているため、汚泥の落下は円滑に行われる。
次に、図6(b)に示すように、第1ロータリバルブ91が閉鎖される。この状態で、第1開閉弁95が閉鎖されると共に第2開閉弁96が開放され、第2ロータリバルブ92の下流側の経路IIIと各ロータリバルブ91,92同士の間の経路IIとが均圧される。その後、図6(a)に示すように、第2ロータリバルブ92が開放される。これにより、各ロータリバルブ91,92同士の間の経路IIに存在していた汚泥は、熱風炉3に向けて落下する。このとき、これら空間II,IIIは既に均圧状態とされているため、汚泥の落下は円滑に行われる。このような動作が繰り返されることにより、各乾燥容器7,8の内部空間が大気開放されてしまうことなしに、汚泥を熱風炉3に順次供給することが可能になる。
尚、上記各ロータリバルブ91,92の特徴として、図7(ロータリバルブ91,92の一部分の斜視図)に示すようにその外周面にはウレタンラバー9Aが設けられている。これにより、ロータリバルブ91,92が閉鎖状態にある場合には、このウレタンラバー9Aが供給路内面に押圧されることになり、高い気密性を持ってバルブの閉鎖状態が得られるようになっている。つまり、ロータリバルブ91,92の下側の空間が上側の空間よりも高圧である場合には、その圧力差によってウレタンラバー9Aが供給路内面に押圧されることになり、高い気密性を持ってバルブの閉鎖状態が得られる一方、上記開閉弁95,96の開放に伴う均圧動作が行われた場合には、ロータリバルブ91,92の下側の空間と上側の空間との圧力差がなくなるため、ウレタンラバー9Aが供給路内面に押圧されることがなくなり、ロータリバルブ91,92の回動が容易に行えるようになっている。
更に、ロータリバルブ91,92の外周面のエッジ部9Bは鋭角に加工されており、供給路内に異物が存在する場合であっても、それをエッジ部9Bによって切断して所定の閉鎖状態まで回動することが可能となるようになっている。また、開閉弁95の減圧容器7,8側の配管を図6(d)に破線で示すように配管して(配管93A)、上記注入空気入口側に接続すれば、減圧容器7,8内への空気流入量を減らしながら乾燥効果を高めることができる。
以上のように構成された減圧乾燥装置2によって乾燥処理された汚泥が導入される熱風炉3は、汚泥搬送のためのスクリューコンベア31を内装し且つ下部にガスバーナ32が取り付けられており、このガスバーナ32の火炎により熱風炉3内が500〜700℃程度まで加熱可能となっている。尚、このガスバーナ32の燃料としてはLPGが使用されているが、バーナ用の燃料はLNG、灯油、重油であってもよく、また、これに限るものではない。
以上の如く、本形態に係る炭化処理装置1によれば、汚泥が搬送されながら乾燥処理されるため、従来のバッチ式の乾燥装置に比べて装置の小型化を図りながらも高効率な乾燥動作を実現することが可能である。単位時間当たりに処理可能な原料の量を大幅に拡大することができる。
−その他の実施例−
以上説明した実施形態では、水処理システムにおいて濃縮汚泥を脱水することによって得られる汚泥ケーキを炭化するための炭化処理装置に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、コーヒー豆や茶葉の滓、牛舎や厩舎の敷き藁、鶏糞、籾殻、野菜屑などの厨芥、刈り芝等、種々の原料に対して適用することができる。特に、でんぷん質を多量に含んだ食品の乾燥処理には好適である。また、本発明に係る減圧乾燥装置は、炭化処理動作の前処理として使用する場合に限らず、その他の用途にも適用可能である。つまり、乾燥装置単体として使用してもよい。
以上説明した実施形態では、水処理システムにおいて濃縮汚泥を脱水することによって得られる汚泥ケーキを炭化するための炭化処理装置に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、コーヒー豆や茶葉の滓、牛舎や厩舎の敷き藁、鶏糞、籾殻、野菜屑などの厨芥、刈り芝等、種々の原料に対して適用することができる。特に、でんぷん質を多量に含んだ食品の乾燥処理には好適である。また、本発明に係る減圧乾燥装置は、炭化処理動作の前処理として使用する場合に限らず、その他の用途にも適用可能である。つまり、乾燥装置単体として使用してもよい。
また、上記実施形態のものでは、含水率70%の原料を1/10〜1/20程度に減容する場合について説明したが、本発明によれば、含水率90%程度の原料であっても十分に炭化させることができ、また、原料を1/30程度にまで減容することも可能である。
また、第2段乾燥容器8内を搬送される汚泥を加熱するための手段としては温風ジャケット85を採用したが、これに代えてバーナによる加熱を行うようにしてもよい。
更に、紐状ケーキ成形器6によって成形される紐状の汚泥は、それぞれが個別の(連結していない)紐形状であったが、図8に断面を示すように、それぞれが搬送方向に対して直交する方向に連結された形状であってもよい。この場合にも、汚泥の乾燥後には各連結部分D,D,…が切り離され、上記実施形態の場合と同様に、短尺の紐状汚泥となり、粒状の炭の生成に寄与することになる。
また、乾燥容器7,8内に、ベルトコンベア71やスクリューコンベア81に代えて攪拌機を備えさせ、連続的に投入された含水原料を乾燥容器内で攪拌しながら次第に乾燥させていくようにしてもよい。また、熱風炉内の炭化処理部においては、加熱搬送手段にスクリューコンベア81に代えてロータリーキルン方式を用いることもできる。
本発明に係る減圧乾燥装置は、水処理システムで発生する汚泥ケーキを炭化処理して土壌改良材を得る際の前工程として、汚泥ケーキを減圧乾燥させるための装置として使用する場合に利用可能である。
1 炭化処理装置
2 減圧乾燥装置
3 熱風炉
4 スネークポンプ(原料投入手段)
5 ケーキ予熱器(予熱手段)
6 紐状ケーキ成形器
7 第1段乾燥容器(減圧容器)
71 ベルトコンベア(搬送手段)
8 第2段乾燥容器(減圧容器)
81 スクリューコンベア(搬送手段)
84 真空ポンプ(減圧手段)
9 ゲート弁(原料導出手段)
2 減圧乾燥装置
3 熱風炉
4 スネークポンプ(原料投入手段)
5 ケーキ予熱器(予熱手段)
6 紐状ケーキ成形器
7 第1段乾燥容器(減圧容器)
71 ベルトコンベア(搬送手段)
8 第2段乾燥容器(減圧容器)
81 スクリューコンベア(搬送手段)
84 真空ポンプ(減圧手段)
9 ゲート弁(原料導出手段)
Claims (9)
- 含水原料の乾燥処理を行う減圧乾燥装置において、
原料導入口及び原料排出口を有する減圧容器と、
この減圧容器の内部空間を減圧状態にする減圧手段と、
上記原料導入口から減圧容器内部に原料を投入するに際し、原料を連続投入することにより、この原料によって原料導入口を封止しながら原料投入を行う原料投入手段と、
上記減圧容器の内部空間が原料排出口から大気開放されることを阻止しながら原料を減圧容器の原料排出口から導出する原料導出手段とを備えていることを特徴とする減圧乾燥装置。 - 含水原料の乾燥処理を行う減圧乾燥装置において、
原料導入口及び原料排出口を有する減圧容器と、
この減圧容器の内部空間を減圧状態にする減圧手段と、
上記原料導入口から減圧容器内部に原料を投入するに際し、原料を連続投入することにより、この原料によって原料導入口を封止しながら原料投入を行う原料投入手段と、
上記減圧容器の内部空間において原料導入口から原料排出口に向けて原料を搬送しながら含水原料を次第に乾燥させていく搬送手段と、
上記減圧容器の内部空間が原料排出口から大気開放されることを阻止しながら原料を減圧容器の原料排出口から導出する原料導出手段とを備えていることを特徴とする減圧乾燥装置。 - 請求項1または2記載の減圧乾燥装置において、
減圧容器内部空間の原料を加熱する加熱手段を備えていることを特徴とする減圧乾燥装置。 - 請求項1、2または3記載の減圧乾燥装置において、
原料導入口から減圧容器内部に原料を投入するのに先立って、含水原料を加熱しておく予熱手段を備えていることを特徴とする減圧乾燥装置。 - 請求項1〜4のうち何れか一つに記載の減圧乾燥装置において、
原料導入口から減圧容器内部に投入される原料を、その投入方向に沿って延びる紐状に成形する紐状原料成形手段を備えていることを特徴とする減圧乾燥装置。 - 請求項1〜5のうち何れか一つに記載の減圧乾燥装置において、
減圧容器の内部空間に空気を注入する空気注入手段を備え、
空気注入手段は減圧容器における原料導入口の近傍位置に設けられている一方、減圧手段は減圧容器における原料排出口の近傍位置に設けられていることを特徴とする減圧乾燥装置。 - 含水原料を加熱により炭化するための炭化処理装置であって、
上記請求項1〜6のうち何れか一つに記載の減圧乾燥装置と、
この減圧乾燥装置によって乾燥処理された原料が投入されて、この原料を加熱により炭化させる炭化炉とを備えていることを特徴とする炭化処理装置。 - 上記請求項1〜6のうち何れか一つに記載の減圧乾燥装置によって実行される減圧乾燥方法において、
予め内部空間が減圧状態に維持された減圧容器の原料導入口を原料によって封止しながらこの減圧容器の内部に原料を連続的に投入し、この連続的に投入された含水原料を減圧容器内で搬送手段によって搬送しながら次第に乾燥させていくことを特徴とする減圧乾燥方法。 - 上記請求項1〜6のうち何れか一つに記載の減圧乾燥装置によって実行される減圧乾燥方法において、
予め内部空間が減圧状態に維持された減圧容器の原料導入口を原料によって封止しながらこの減圧容器の内部に原料を連続的に投入し、この連続的に投入された含水原料を減圧容器内で攪拌しながら次第に乾燥させていくことを特徴とする減圧乾燥方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003276530A JP2005037096A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | 減圧乾燥装置及び減圧乾燥方法並びに炭化処理装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-07-18 JP JP2003276530A patent/JP2005037096A/ja active Pending
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