JP2005030439A - 電動弁および減圧システム - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクトな上、比較的大流量を扱える電動弁および減圧システムを提供することを目的とする。
【解決手段】ハウジング内部に弁体と弁軸とからなる弁を有し、該弁が軸方向へ進退することで、該ハウジング内部の流路から流出する流体を調整する電動弁であって、前記ハウジングの端面に回転アクチュエータを備え、同軸上にボールを介して螺合した第1の部材と第2の部材とを有し、該第1の部材と第2の部材とのどちらか一方を前記回転アクチュエータへ結合し、他方を前記弁軸へ結合して構成するボールネジ機構を備え、前記弁軸を軸方向へ直線的に進退可能に保持する案内を有し、前記ボールネジ機構と前記案内との協働により、前記回転アクチュエータの回転運動を前記弁の直線運動に変換して、前記流出する流体を調整する電動弁とする。
【選択図】 図2
【解決手段】ハウジング内部に弁体と弁軸とからなる弁を有し、該弁が軸方向へ進退することで、該ハウジング内部の流路から流出する流体を調整する電動弁であって、前記ハウジングの端面に回転アクチュエータを備え、同軸上にボールを介して螺合した第1の部材と第2の部材とを有し、該第1の部材と第2の部材とのどちらか一方を前記回転アクチュエータへ結合し、他方を前記弁軸へ結合して構成するボールネジ機構を備え、前記弁軸を軸方向へ直線的に進退可能に保持する案内を有し、前記ボールネジ機構と前記案内との協働により、前記回転アクチュエータの回転運動を前記弁の直線運動に変換して、前記流出する流体を調整する電動弁とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弁の軸方向への直進運動によって、流出する流体を調整する電動弁および減圧システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、水素ガスと酸素ガスとの反応で電力を出力して車両を運転する燃料電池システムでは、回路上を流れる水素ガスの圧力や流量を適正値に制御するため、種々のバルブを使用している。特に、高圧の水素タンクを有する燃料電池システムでは、水素タンクからの高圧の水素ガスを低圧に減圧して下流の機器に供給する減圧弁や水素タンクからの水素ガスの供給量を指令に応じて調整する電磁駆動のシャット弁などを用いている(例えば、特許文献1参照)。こうした燃料電池システムでは、水素タンク内の圧力は35MPa程度の高圧であるため、バルブ類の高圧に対応する部分を水素タンクの口金内に収納して、高圧部分を露出せずに、安全性を向上する試みがなされていた。
【特許文献1】
特開2002−370550号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両性能の要求により、50MPa、70MPa、100MPaといった更なる高圧領域まで対応しようとすると、タンクの口金内にバルブ類を収納できないという問題があった。高圧化に伴って、減圧弁は大きな減圧性能を得るために大型化し、また、他のバルブも耐圧を確保するために大型化してしまうからである。大型化した減圧弁などのバルブ類をタンク内に収納するためには、タンクの口金の口径を大きくすることも考えられるが、タンク内圧と口径断面積の増加に伴い口金のネジ部分には過大な力がかかることとなり、現実的ではない。つまり、口金のネジ部分の強度は、タンク内圧と口金のネジ部分断面積との積で算出され、過大な力に耐えうるネジ部長さが必要となる。このように各部分が大型化することで、車両に搭載するには許容できない重量や体積を有することとなってしまう。したがって、現状のバルブ類を高圧タンク内部に収納するのは困難であった。こうしたスペースの制約上の問題は、燃料電池システムに限らず、流体回路上で使用するバルブや減圧装置などに対して共通の問題であり、コンパクトなバルブ、減圧装置が要求されている。
【0004】
本発明は、こうした問題の少なくとも一部を解決し、特に径方向にコンパクトな上、比較的大流量を扱える電動弁および減圧システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の電動弁は、ハウジング内部に弁体と弁軸とからなる弁を有し、該弁が軸方向へ進退することで、該ハウジング内部の流路から流出する流体を調整する電動弁であって、前記ハウジングの端面に回転アクチュエータを備え、同軸上にボールを介して螺合した第1の部材と第2の部材とを有し、該第1の部材と第2の部材とのどちらか一方を前記回転アクチュエータへ結合し、他方を前記弁軸へ結合して構成するボールネジ機構を備え、前記弁軸を軸方向へ直線的に進退可能に保持する案内を有し、前記ボールネジ機構と前記案内との協働により、前記回転アクチュエータの回転運動を前記弁の直線運動に変換して、前記流出する流体の流量を調整することを要旨としている。
【0006】
本発明の第1の電動弁によれば、回転アクチュエータの出力軸が回転すると、回転アクチュエータと弁との間に介装されたボールネジ機構が作用し、弁は案内により弁軸方向に直線運動する。この弁の直進運動により、ハウジング内部から流出する流体の流れに変化を加えて、流量を調整する。弁の駆動に、回転アクチュエータ,ボールネジ機構,転がり案内を用いることで、電動弁全体をコンパクトな形状としつつ、弁の駆動に係る抵抗を低く抑え、弁の摩擦・摩耗に関する耐久性を向上することができる。また、回転運動を直線運動に変換して弁を駆動するため、弁のストロークを大きくすることができる。例えば、電磁力により弁を駆動する直動電磁弁に比べ、同じ大きさでもより大流量の流体を扱うことができる。
【0007】
上記の構成を有する電動弁の弁体は、開弁方向に前記流体の圧力を受ける第1の受圧面と、閉弁方向に前記流体の圧力を受け、かつ、前記第1の受圧面の面積と略同面積である第2の受圧面とを有し、前記2つの受圧面に、同圧である前記流体を導く連通路を備えるものとしても良い。
【0008】
かかる電動弁によれば、弁体は、相対する方向に圧力を受ける第1の受圧面と第2の受圧面とを有し、各面に連通路から同じ圧力の流体が供給される。つまり、開弁方向と閉弁方向とに同じ圧力を受けることとなる。したがって、流体の入力圧力または出力圧力が変化しても、弁の駆動力にはほとんど影響を及ぼすことはなく、弁の駆動力を小さくすることができる。
【0009】
上記の構成を有する電動弁の回転アクチュエータには、油圧モータや超音波モータなど様々なものが考えられるが、回転アクチュエータは、非通電時に出力軸が自由に回転する電動モータであり、前記電動モータへの通電停止時に、前記弁を軸方向に付勢して初期状態の位置に戻すリターンスプリングを設けることができる。
【0010】
かかる電動弁によれば、停電、断線等が発生しても、電動モータへの通電停止時には、弁はリターンスプリングによる付勢力を受ける。摺動抵抗の少ないボールネジ機構および転がり案内を使用するため、弁が受ける軸方向の力は容易に回転力へ変換され、弁は初期状態に戻る。例えば、初期状態が閉弁である場合には、駆動停止とともに確実に流路を遮断して安全性を確保することができる。
【0011】
上記の構成を有する電動弁としては、弁体としてニードルを備えたニードル弁を考えることができ、該ニードルが弁座に対して進退することで前記流路の開口面積を変更するものとしても良い。
【0012】
かかる電動弁によれば、ニードルの進退により流路の開口面積を調整して電動弁から出力する流量を調整する。転がり案内を使用するため、ニードルの直進精度が向上し、ニードルと弁座とのシール性能を向上することができる。また、バックラッシュの少ないボールネジ機構を使用するため、ニードルの位置制御の精度を向上することができる。
【0013】
上記の構成を有する電動弁のニードルは、該ニードルの軸方向の両端に、前記第1の受圧面と前記第2の受圧面とを有し、前記連通路として、前記ニードル内部に前記2つの受圧面を貫通する流路を設けるものとしても良い。
【0014】
かかる電動弁によれば、ニードルの両端には第1の受圧面側の空間と第2の受圧面側の空間とが形成され、両空間には、ニードル軸内部の連通路により、同じ圧力の流体が流入する。したがって、略同面積である第1の受圧面と第2の受圧面とに働く力は相殺され、ニードルの駆動力に及ぼす影響は少ない。また、連通路をニードル内部に設けたことで、ハウジングの構造を簡素化することができる。
【0015】
上記の構成を有する電動弁としては、弁体としてポペットを備えたポペット弁を考えることができ、該ポペットが弁座のシート面に対向する方向に進退することで前記流路を開閉するものとしても良い。
【0016】
かかる電動弁によれば、弁が弁座のシート面に対向する方向に進退することで、流路の開閉を行なう。弁の開閉にボールネジ機構および転がり案内を使用するため、弁の開閉を頻繁に行なう場合でも、弁の摩耗を抑えることができる。また、回転運動を直線運動に変換して弁を駆動するため、弁体のストロークを大きくでき、一度の開閉で大流量を取り扱うことができる。
【0017】
上記の構成を有する電動弁としては、弁体としてスプールを備えたスプール弁を考えることができ、該スプールが軸方向に進退することで前記流路を切替えるものとしても良い。かかる電動弁によれば、回転運動を直線運動に変換して弁を駆動することで、弁体のストロークを大きなものとする。したがって、一つの弁体の進退で複数の流路の切替えを行なうことができる。
【0018】
上記の構成を有する電動弁は、高圧の流体を貯留するタンクの内部に収納するものとしても良い。かかる構成によれば、電動弁は高圧タンクの内部に収納されるため、タンクや電動弁を含むシステム全体をコンパクトなものとすることができる。
【0019】
上記の構成を有する電動弁を収納する高圧のタンクとしては、液体用やガス用など様々なタンクが想定できるが、特に、車両に搭載された燃料電池システムの水素タンク、または、車両に搭載された内燃機関システムの圧縮天然ガスタンクとすることができる。かかる構成によれば、電動弁はタンクの内部に収納されるため、システム全体をコンパクトにできることに加え、タンクと電動弁とを接続する配管が不要となる。高圧配管が露出することが無いため、コンパクトな上、安全性を向上することができる。
【0020】
上記の構成を有する電動弁は、車両の燃料電池システムに供給される水素ガスの流路上、または、車両の内燃機関システムに供給される圧縮天然ガスの流路上に配置するものとしても良い。かかる構成によれば、電動弁は、比較的大流量を扱え、コンパクトであるため、スペースの制約が大きい車両にも容易に配置することができる。また、電動弁の回転アクチュエータへの指令により弁を開閉して、ガスの流量を制御するため、燃料電池システムあるいは内燃機関システムに供給されるガスの流量および圧力を容易に調整できる。
【0021】
本発明の減圧システムは、高圧の流体の圧力を低圧に減圧して下流の圧力を調整する減圧システムであって、請求項1に記載の電動弁と、前記電動弁の下流の回路圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサの検出結果に基づいて、前記電動弁の回転アクチュエータを制御して前記回路圧力を所定の圧力に調整する圧力制御手段とを備えたことを要旨としている。
【0022】
本発明の減圧システムによれば、電動弁の下流の回路圧力を圧力センサにより検出し、その検出結果に基づいて、回転アクチュエータへの通電による弁の進退を制御する。弁の進退によって、電動弁の流路を開閉することで下流の回路圧力を所定圧力に調整することができる。つまり、電動弁は減圧弁の機能を果たすことができる。
【0023】
上記の構成を有する減圧システムの電動弁は、回転アクチュエータとして、非通電時に出力軸が自由に回転する電動モータを有し、前記電動モータへの通電停止時に、前記電動弁の弁を軸方向に付勢して流路を遮断するスプリングを備えたものとすることができる。
【0024】
かかる減圧システムによれば、回転アクチュエータへの通電停止時には、スプリングの付勢力により流路は閉弁され、電動弁はシャット弁の機能を果たすことができる。したがって、一つの減圧システムによって、所定圧力に制御する減圧機能と流量の遮断機能とを有し、全体をコンパクトなものとすることができる。加えて、断線等の場合にも、常に流路は閉弁されて安全性を向上することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電動弁を燃料電池システムの水素タンクに装着した一実施例について説明する。図1は、本発明の電動弁である電動ニードル弁110を水素タンク100の口金部に装着した状態の断面模式図である。なお、この燃料電池システムは4本の水素タンク100を有し、各タンクから放出される水素ガスは合流して下流の機器へ供給される。
【0026】
図1に示すように、水素タンク100は略円筒外形をしており、円筒長さ方向の両端に雌ネジ部分105を有する口金部を設け、両口金部に雄ネジ部分を有する部材を螺設することで水素タンク100内部を気密状態とし、水素タンク100内部に高圧の水素ガスを貯留する構造である。この水素タンク100の外周は、CFRP部材で覆われ、水素タンク100を補強する役割を果たしている。
【0027】
この水素タンク100の一端の口金部にはネジ部材120を、他端には電動ニードル弁110を取り付けている。水素タンク100内部の水素ガスは、電動ニードル弁110を介して充填され、制御ユニット200からの電気信号により電動ニードル弁110の開弁量を調整することで放出される。なお、4本の水素タンク100各々に設けた電動ニードル弁110の入力・出力口は、それぞれ図示しない配管にて接続され、各水素タンク100から放出される水素ガスは合流して下流の機器へ流れる。
【0028】
こうした水素タンク100に装着される電動ニードル弁110の構造について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の一実施例としての電動ニードル弁110の断面模式図である。図示するように、この電動ニードル弁110は、主に、ハウジング300、弁310、電動モータ320、ボールネジ機構330、リニアガイド340等から構成されている。
【0029】
ハウジング300は、大きく、弁310の駆動部品を内蔵する円筒部分401と入力・出力流路を設けた六角柱外形部分501との2つの部分からなり、大外径を有する六角柱外形部分501端面に、それより小径である円筒部分401端面を取り付けた構造である。
【0030】
円筒部分401の外円筒は、水素タンク100の口金部の雌ネジ部分105に螺設するネジ部402を有し、円筒部分401の内円筒は、リニアガイド340を挿入可能な内径を有し、挿入したリニアガイド340の位置決め用に段付の小径部403を備えている。六角柱外形部分501の反対側に位置する円筒部分401端面には、弁310駆動用の電動モータ320を固定するタップ穴404を4箇所備えている。タップ穴404付近の円筒部分401側面には、円筒部分401の内部と外部とを連通する開口部405を設けている。したがって、水素タンク100内部と電動ニードル弁110のハウジング300内部とには、同じ圧力の水素ガスが充満する構造となっている。なお、円筒部分401の内円筒には、リニアガイド340の抜け止めである止め輪370を装着する溝が設けてある。
【0031】
六角柱外形部分501の中心軸方向には、弁310が進退する絞り流路502を備えている。この絞り流路502は、円柱形状の穴部503と、その端面から円筒部分401の小径部403の端面方向に径を広げた円錐状のテーパ穴部504とからなり、小径部403に連通している。六角柱外形部分501の側面には、絞り流路502の穴部503に連通する出力流路505と、その反対側に円筒部分401の小径部403に連通する入力流路506とを備えている。なお、入力流路506、出力流路505は、共に、配管接続用のテーパネジを備え、上述のように各水素タンク100と配管にて接続されている。
【0032】
弁310は、ニードル形状の弁体311と円筒形状の弁軸312とから構成されている。弁体311は、ニードル形状の先端部分に係合部313を備え、弁310軸方向に貫通孔314を有している。この係合部313には、後述する仕切り部材380が塑性加工によって取り付けられている。弁軸312は、その外円筒にリニアガイド340の鋼球が係合するレール溝315を弁310軸方向に備え、その内円筒に雌ネジ(ナット)部分316を備えている。なお、この弁体311と弁軸312は溶着され、一体で軸方向に進退する。
【0033】
電動モータ320は、ACサーボモータであり、モータへの通電により所望する回転角度に出力軸を制御可能である。なお、回転角度の制御は、電動モータ320内部に設けたロータリエンコーダにより、出力軸321の回転角度を検出することで行なわれている。この電動モータ320の出力軸321には雄ネジ部分を設けている。この出力軸321と、上述の弁軸312内部のナット部分316と、両者の間に介装するボールとからボールネジ機構330を構成している。
【0034】
リニアガイド340は、その内部の軌道上を循環する複数の鋼球が脱落しないように保持されており、鋼球の転がり運動によりレール溝315を設けた弁310を直動可能に保持している。こうして電動モータ320の出力軸321を回転することで、ボールネジ機構330を介して弁310が出力軸321と共回りすることなく進退する。なお、必要量の水素ガスを放出するための出力軸321回転角度は、制御ユニット200にて算出される。
【0035】
こうした部品からなる電動ニードル弁110は、ハウジング300にリニアガイド340を挿入して止め輪370を装着し、弁軸312内部にボールネジ機構330を組み込んだ弁310および電動モータ320を一体で挿入して組み立てられる。リニアガイド340の鋼球と弁軸312のレール溝315とが係合するように挿入された弁310は、ハウジング300の端面と電動モータ320のフランジ面とが当接する位置まで入り込む。この状態で、電動モータ320はハウジング300にボルト325で締結される。なお、弁軸312と電動モータ320との間には、弁310を閉弁方向に付勢するリターンスプリング360を挟んでいる。
【0036】
ハウジング300に挿入された弁体311は、ハウジング300のテーパ穴部504に係合し、穴部503から突出した状態となる。突出した弁体311先端の係合部313には、仕切り部材380を取り付ける。この仕切り部材380は、穴部503に挿入可能な外径を有し、係合部313に嵌合した後、塑性加工によって固定される。なお、仕切り部材380の外周にはOリング385が装着されている。この仕切り部材380により、穴部503が2つの空間に分割される。以下、ハウジング300の出力流路505と連通する空間を出力室510、他方の空間をバランス室520と呼ぶ。なお、バランス室520は、穴部503を閉口するカバー390をハウジング300にボルト395で締結することで形成される。
【0037】
ハウジング300の入力流路506には、圧縮バネ530、チェックボール540をこの順に挿入し、内部にテーパネジを備えたチェックボール540のシート部材550を螺設して、チェック機構を組み込む。このチェック機構は、電動ニードル弁110の外部からハウジング300の小径部403方向の流れを順方向とする逆方向の流れを遮断する。
【0038】
こうして組み立てられた電動ニードル弁110は、ハウジング300のネジ部402端にOリング350を取り付け、図1に示したように水素タンク100に螺設される。電動ニードル弁110の入力側のチェック機構とリターンスプリング360付勢力による閉弁とにより水素タンク100内部の水素ガスは外部から遮断され、気密に保持される。
【0039】
水素タンク100に水素ガスを充填する場合には、電動ニードル弁110の入力流路506端から水素ガスを圧送する。水素ガスは、チェック機構のクラッキング圧に打ち勝って、入力流路506、ハウジング300内の小径部403へと流入し、開口部405から水素タンク100の内部に充填される。充填完了後は、入力流路506のチェック機構が働き、水素タンク100内部の水素ガスは逆流しない。
【0040】
こうして充填された水素ガスは、弁軸310内部から弁体311の貫通孔314を通過してバランス室520に流入し、バランス室520の圧力と弁軸312内部の圧力とを同圧にする。弁軸312内部の受圧面積と仕切り部材380の受圧面積とは、ほぼ同等の面積を有するため、バランス室520の内圧により弁310が受ける開弁方向の力と弁軸312内部の圧力により弁310が受ける閉弁方向の力とは、ほぼ均衡した状態となる。
【0041】
水素タンク100内の水素ガスを放出する場合には、電動モータ320へ電気信号を入力することにより弁310の開弁を行なう。例えば、電動モータ320側から電動ニードル弁110を見て、出力軸321の時計回りの回転を右回転とし、反時計回りの回転を左回転とした場合、電気信号の入力により電動モータ320の出力軸321が所定の角度右に回転すると、外周をリニアガイド340で保持されている弁軸312は、ボールネジの作用により、回転することなくリターンスプリング360を圧縮する方向に直線運動する。
【0042】
弁310の直線運動により、ハウジング300のテーパ穴部504と弁体311との間に隙間が形成される。水素ガスは、この隙間(絞り流路502)を通過して出力室510、出力流路505を経て水素タンク100下流の機器へと放出される。水素ガスの放出量は弁310の移動量により調整され、放出量を増加する場合には、電動モータ320の出力軸321を更に右に回転し、放出量を減少する場合には、左に回転する。こうした弁310の進退動作による放出流量の調整で下流の回路圧力を調整することができる。例えば、回路圧力を増圧する場合には各水素タンク100からの放出流量を増加し、減圧する場合には放出流量を減少する制御を行なう。
【0043】
水素ガスの放出を停止する場合には、電動モータ320の出力軸321を左に回転し、弁310を初期状態の位置まで移動させた後、電動モータ320への電気信号を停止する。この場合、リターンスプリング360の復元力は、弁310の初期状態位置への移動を補助し、絞り流路502を閉口する。こうして水素タンク100内部の水素ガスは、再び気密に保持される。なお、停電、断線等により、電動モータ320へ弁310を閉弁する電気信号が入力されなくても、リターンスプリング360により、常に流路502は閉口する。また、弁310を初期状態の位置に戻す制御は、電動モータ320内部のロータリエンコーダによる出力軸321の回転角度検出で閉弁直前の位置まで制御を行ない、その後、通電を停止することで実現するものとしても良い。
【0044】
以上の構成を有する電動ニードル弁110では、電動モータ320の回転運動を、ボールネジ機構330、リニアガイド340を用いて直線運動に変換することで、弁310を進退させる。したがって、弁310のストロークを大きくすることができる。つまり、弁310の開度を大きくし、コンパクトな形状の上、大流量を扱うことができる。なお、ボールネジ機構330のネジのリードの調整により、電動モータ320出力軸321の回転角度に対するストロークを大きくし、応答性を向上することもできる。
【0045】
さらに、後述する減圧システムのように、電動ニードル弁110を下流の回路圧力に基づいてフィードバック制御する構成とすれば、従来からの減圧弁を廃止でき、直動駆動部分を水素タンク100内部に収納して、水素タンク100の口金部からは、配管と接続するハウジング300の六角柱外形部分501のみが突出した構造となるため、システム全体をコンパクトにすることができる。また、ハウジング300の出力流路505からは、弁310による絞りを受けた低圧の水素ガスが放出されるため、高圧配管が外部に露出することはない。加えて、停止時にはリターンスプリング360により閉弁され、水素ガスの放出を阻止することができる。また、弁310の直線運動は転がり方式により支持されるため、弁310の動作に伴う摩擦力を低減することができ、結果的に、弁の摩耗を低減し、耐久性を向上することができる。さらに、開閉弁双方向にかかる流体の圧力がほぼ等しいため、水素タンク100内の圧力変動が弁に及ぼす影響はほとんどない。すなわち、水素タンク100内の水素ガスが充満状態から空になる状態まで、内部の圧力が変化することで弁310にかかる圧力が変化しても、弁310の駆動力への影響は少ないこととなる。したがって、弁310の駆動力を低減することができる。
【0046】
こうした直動タイプの弁駆動機構は、ニードル弁に限らず、例えば、ポペット弁やスプール弁など種々の流量調整弁等に応用できる。この直動駆動機構を取り込んだ弁の構成について図3を用いて説明する。図3は電動ポペット弁の断面模式図である。
【0047】
図3に示すように、電動ポペット弁600は、主に、ハウジング610、弁620、電動モータ320、ボールネジ機構330、リニアガイド340から構成される。ハウジング610の一部および弁620の一部の構造以外は、先に説明した電動ニードル弁110の直動駆動機構と同一である。したがって、ハウジング610の一部および弁620の一部の構造のみ説明し、他の部分については、符号を同じとし説明を省略する。
【0048】
ハウジング610は、略円筒外形を有し、その一端面には電動モータ320を締結するタップ穴612を備えている。ハウジング610内部は、リニアガイド340を装着可能な内径を備え、挿入したリニアガイド340を固定する段付の小径部611を有している。電動モータ320と反対側に位置する小径部611端面には、その端面から所定の深さの穴部613を設け、端面からハウジング610小径部611方向に突出した凸部分614を設けている。この凸部分614は、円柱外形を有し、その中心に穴部613と同じ径の穴を備えている。穴部613とハウジング610側面に設けた入力流路616とは連通し、ハウジング610の小径部611と入力流路616の反対側に設けた出力流路615とは連通している。
【0049】
弁620は、弁体621と前述の弁軸312とからなり、弁体621は、略円柱外形を有し、ハウジング610の凸部分614の外径より大径で、かつ、穴部613より小径である環状溝622を備えている。この環状溝622にOリング630を装着し、Oリング630と凸部分614の端面とが密着することで流れを遮断する。こうした形状の弁体621に弁軸312を溶着して弁620を構成し、ハウジング610内部にリニアガイド340、ボールネジ機構330と共に弁620を組み込み、電動モータ320を締結することで、電動ポペット弁600は組み立てられる。
【0050】
この電動ポペット弁600の弁620には、リターンスプリング360により初期状態を閉弁状態とする付勢力が働いている。電動モータ320の駆動前(初期状態)は、ハウジング610の入力流路616に流入した流体は、弁体621によりその流路を閉口され、下流には流れない状態となっている。流体を下流に流す場合には、電動モータ320を駆動して弁620を開弁し、流体の流れを遮断する場合には、電動モータ320を駆動して弁620を閉弁し、電動モータ320への通電を停止する。
【0051】
こうした直動駆動機構を備えた電動弁では、弁620の進退運動に伴う摩擦、摩耗を低減でき、高頻度の開閉弁に対する耐久性を向上することができる。加えて、電動モータ320の回転運動を直線運動に変換するため、弁620の開度を大きくすることができ、弁駆動にソレノイドを利用したポペット弁と比べて、大流量を扱うことが可能となる。
【0052】
本実施例の電動ニードル弁110は、リターンスプリング360により初期状態が閉弁状態となるノーマルクローズタイプとしたが、用途に応じて初期状態が開弁状態となるノーマルオープンタイプとしても良い。図4には、直動駆動機構を備えたノーマルオープンタイプの弁の一例を示した。図4は、ノーマルオープンの電動スプール弁の断面模式図である。この電動スプール弁700は、電動ニードル弁110および電動ポペット弁600とは、ハウジング710の構造、弁体721の構造およびリターンスプリング760の構成が異なる。その他の部分は、図3に示した電動ポペット弁600と同様な構造であるため、説明は省略する。
【0053】
図4に示すように、ハウジング710は図3に示した電動ポペット弁600の構造とほぼ同様である。電動ポペット弁600のハウジング610との構造上の違いは、穴部713が電動ポペット弁の穴部613に比べて深く形成されていることと、その穴部713の一端と出力流路615とを連通する連通孔719を新たに設けていることである。
【0054】
弁体721は、前述した電動ポペット弁600の弁体621端面から軸方向へ突出した段付円柱形状のスプール部分725を備えた構造である。スプール部分725の軸方向両端近傍は、穴部713に挿入可能な外径の大径部分726を有し、スプール部分725の軸方向中央付近は、穴部より小径である小径部分727を有している。
【0055】
電動スプール弁700は、ハウジング710の穴部713の端面とスプール部分725端面とで挟まれる空間にリターンスプリング760を挿入後、弁体721を穴部713に挿入して組み立てられる。この電動スプール弁700は、スプール部分725の移動により入力流路616に流入した流体を下流へ流し、または遮断する2方弁である。なお、電動スプール弁700は、リターンスプリング760の付勢力により初期状態は開口状態となっている。
【0056】
この電動スプール弁700では、連通孔719を設けることで、出力側の流体圧力と同等の圧力がスプール部分725端面にかかり、スプール部分725の移動に伴う流体圧力の影響を小さくすることができる。また、上述までの電動弁と同様、スプールのストロークを大きく採ることができるため、2方弁に限らず、3方弁などの複数の方向切換を行なうことができる。また、図4に示したハウジング710の構成とし、リターンスプリング760の装着位置を変更することで、簡単に、他の弁もノーマルオープンタイプとすることができる。
【0057】
次に、本発明の減圧システムを搭載した燃料電池システムについて一例を説明する。図5は、電動ニードル弁110を装着した水素タンク100を搭載した車両の燃料電池システムの概略構成図である。この燃料電池システムは、水素と酸素との電気化学反応により発電するシステムであり、燃料電池による発電した電力を車両の動力源としている。図5に示すように、この燃料電池システムは、主に、燃料電池スタック10、エアライン20、燃料ライン30から構成されている。
【0058】
燃料電池スタック10は、水素極(以下、アノードと呼ぶ)と酸素極(以下、カソードと呼ぶ)とを備えた単一セルを複数重ね合わせた積層体として形成されている。この単一セルは、セパレータ、アノード、電解質膜、カソード、セパレータをこの順に重ね合わせた構造であり、セパレータに設けた溝を介して供給される水素ガスおよび空気に含まれる酸素の電気化学反応により発電する。なお、本実施例では、電解質膜に固体高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池を使用しているが、例えば、リン酸型、アルカリ型など種々の燃料電池を用いても良い。
【0059】
この電気化学反応に使用される酸素の流路であるエアライン20は、フィルタ40、コンプレッサ50、加湿器60等とこうした機器を接続する配管とから構成されている。外部からフィルタ40を通して取り込まれた空気は、コンプレッサ50にて圧縮され、加湿器60により水分を含んだ状態で燃料電池スタック10のカソードに供給される。燃料電池スタック10での反応に使用された後の排気は、スタック下流の排気管から外部へ排出される。この排気管路上に設けた調圧バルブ90は、バルブの絞りを調整することで、バルブ上流側に背圧を立て燃料電池スタック10に供給する空気の圧力を調整している。エアライン20上に配置した温度センサ35はフィルタ40を通して取り込まれた空気の温度Tを、圧力センサ85は燃料電池スタック10にかかる圧力PAを、それぞれ検出し、その検出値を後述する制御ユニット200に出力する。
【0060】
他方、燃料である水素ガスの流路である燃料ライン30は、4本を並列に接続した水素タンク100、各水素タンク100の口金部に設けた電動ニードル弁110等とこうした機器を接続する配管とから構成されている。高圧の水素タンク100に貯留された水素ガスは、電動ニードル弁110の弁開閉動作による放出流量の調整で低圧に減圧され、燃料電池スタック10のアノードに供給される。燃料電池スタック10での反応に使用された後の排気には、反応で消費しなかった水素ガスが含まれる。この水素ガスは、水素循環ポンプ140により再び燃料ライン30へ戻される。なお、燃料ライン30上に設けた圧力センサ86は、水素タンク100から放出された水素ガスの回路圧力Pを検出し、検出値を制御ユニット200に出力する。
【0061】
こうして供給された水素と酸素とを用いて燃料電池スタック10から発電した電力は、インバータ150等に出力され、車両の走行モータ160の駆動に使用される。また、車両の走行に必要な電力が発電量に対して少ない場合には、余剰分をDC/DCコンバータ170等を介して蓄電池180に蓄電し、急加速時など、必要な電力が大きい場合に、その不足分を蓄電池180から補う。
【0062】
こうした機器から構成される燃料電池システムは、各種バルブやモータ、ポンプなどのアクチュエータを制御する制御ユニット200を備えている。図6は、この制御ユニット200を中心とした入出力信号を示す模式図である。制御ユニット200は、図示するように、各種センサからの信号を受け、燃料電池システムの運転状態を判断し、上記アクチュエータを制御する信号を出力する。具体的には、圧力センサ86、85,温度センサ35,車両の運転を管理する運転制御ユニット210を介したアクセルポジションセンサ215,車速センサ(図示せず)等の各種センサからの圧力P,PA、温度T、アクセル開度θ、車速V等を入力し、要求される出力を算出し、調圧バルブ90、電動ニードル弁110、コンプレッサ50、水素循環ポンプ140等を制御して燃料電池システムを運転する。
【0063】
制御ユニット200は、燃料電池システムの始動指令を受けると、水素タンク100の口金部に設けた電動ニードル弁110を開弁し、エアライン20のコンプレッサ50を駆動することで、燃料電池スタック10に水素ガスおよび空気を供給する。例えば、出力の増加に伴って燃料電池スタック10の水素ガス消費が増加し、水素ガスの圧力が低下する。この圧力を燃料ライン30の圧力センサ86で検出し、検出結果を受けた制御ユニット200は、電動ニードル弁110を制御して、水素ガスの供給流量を増加する。また、制御ユニット200は、燃料電池システムの停止指令を受けると、電動ニードル弁110、コンプレッサ50への電気信号を停止して、燃料の供給を断つ。こうした供給流量の調整を行なうことで、制御ユニット200は運転に必要な電力の管理を行なっている。また、アクセル開度θと車速Vから出力電力の増加を予測し、空気供給流量や電動ニードル弁110を制御するものとしてもよい。
【0064】
こうした構成の燃料電池システムでは、回路上で要求される水素ガスの流量や圧力を制御ユニット200が算出し、それに対応する電気信号を電動ニードル弁110の電動モータ320に出力する。こうすることで流量や圧力を調整することができるため、システムの制御が容易となる。また、弁310の進退動作によって減圧弁としての機能を有すると共に、流路を遮断するシャット弁としての機能も有する減圧システムを構成することができる。従来の減圧弁を廃止し、電動ニードル弁110を水素タンク100の内部に収納することで、システム全体の構成をコンパクトなものとすることができる。
【0065】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施し得ることは勿論である。本実施例の電動ニードル弁110では、弁体であるニードルのテーパ部分で流体の流れを遮断しているが、例えば図7に示すように、ニードルのテーパ部分とは別個に流れを遮断するポペット弁の構造を加えた構造としても良い。また、本実施例では、電動モータの出力軸をボールネジ機構330のネジ軸として構成したが、電動モータの出力軸にボールネジ機構のナットを形成し、弁軸にネジ軸を設ける構成としても良い。また、本実施例の電動ポペット弁600や電動スプール弁700のハウジング形状を変更することで、電動ニードル弁110のようにタンク内部に収納することも可能である。さらに、こうした電動弁は、燃料電池システム回路上の他の部分にも使用可能であるし、油圧回路等に使用するものとして良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】タンクおよび電動ニードル弁の断面模式図である。
【図2】電動ニードル弁の断面模式図である。
【図3】電動ポペット弁の断面模式図である。
【図4】ノーマルオープンの電動スプール弁の断面模式図である。
【図5】本発明の減圧システムを搭載した車両の燃料電池システムの概略構成図である。
【図6】制御ユニットを中心とした入出力信号を示す模式図である。
【図7】ポペット弁の構造を備えたニードル弁の断面模式図である。
【符号の説明】
10…燃料電池スタック
20…エアライン
30…燃料ライン
35…温度センサ
40…フィルタ
50…コンプレッサ
60…加湿器
85,86…圧力センサ
90…調圧バルブ
100…水素タンク
105…雌ネジ部分
110…電動ニードル弁
120…ネジ部材
140…水素循環ポンプ
150…インバータ
160…走行モータ
170…DC/DCコンバータ
180…蓄電池
200…制御ユニット
210…運転制御ユニット
300,610,710…ハウジング
310,620…弁
311,621,721…弁体
312…弁軸
313…係合部
314…貫通孔
315…レール溝
316…ナット部分
320…電動モータ
321…出力軸
325,395…ボルト
330…ボールネジ機構
340…リニアガイド
350,385,630…Oリング
360,760…リターンスプリング
370…止め輪
380…仕切り部材
390…カバー
401…円筒部分
402…ネジ部
403,611…小径部
404,612…タップ穴
405…開口部
501…六角柱外形部分
502…絞り流路
503,613,713…穴部
504…テーパ穴部
505,615…出力流路
506,616…入力流路
510…出力室
520…バランス室
530…圧縮バネ
540…チェックボール
550…シート部材
600…電動ポペット弁
614…凸部分
622…環状溝
700…電動スプール弁
719…連通孔
725…スプール部分
726…大径部分
727…小径部分
【発明の属する技術分野】
本発明は、弁の軸方向への直進運動によって、流出する流体を調整する電動弁および減圧システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、水素ガスと酸素ガスとの反応で電力を出力して車両を運転する燃料電池システムでは、回路上を流れる水素ガスの圧力や流量を適正値に制御するため、種々のバルブを使用している。特に、高圧の水素タンクを有する燃料電池システムでは、水素タンクからの高圧の水素ガスを低圧に減圧して下流の機器に供給する減圧弁や水素タンクからの水素ガスの供給量を指令に応じて調整する電磁駆動のシャット弁などを用いている(例えば、特許文献1参照)。こうした燃料電池システムでは、水素タンク内の圧力は35MPa程度の高圧であるため、バルブ類の高圧に対応する部分を水素タンクの口金内に収納して、高圧部分を露出せずに、安全性を向上する試みがなされていた。
【特許文献1】
特開2002−370550号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両性能の要求により、50MPa、70MPa、100MPaといった更なる高圧領域まで対応しようとすると、タンクの口金内にバルブ類を収納できないという問題があった。高圧化に伴って、減圧弁は大きな減圧性能を得るために大型化し、また、他のバルブも耐圧を確保するために大型化してしまうからである。大型化した減圧弁などのバルブ類をタンク内に収納するためには、タンクの口金の口径を大きくすることも考えられるが、タンク内圧と口径断面積の増加に伴い口金のネジ部分には過大な力がかかることとなり、現実的ではない。つまり、口金のネジ部分の強度は、タンク内圧と口金のネジ部分断面積との積で算出され、過大な力に耐えうるネジ部長さが必要となる。このように各部分が大型化することで、車両に搭載するには許容できない重量や体積を有することとなってしまう。したがって、現状のバルブ類を高圧タンク内部に収納するのは困難であった。こうしたスペースの制約上の問題は、燃料電池システムに限らず、流体回路上で使用するバルブや減圧装置などに対して共通の問題であり、コンパクトなバルブ、減圧装置が要求されている。
【0004】
本発明は、こうした問題の少なくとも一部を解決し、特に径方向にコンパクトな上、比較的大流量を扱える電動弁および減圧システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の電動弁は、ハウジング内部に弁体と弁軸とからなる弁を有し、該弁が軸方向へ進退することで、該ハウジング内部の流路から流出する流体を調整する電動弁であって、前記ハウジングの端面に回転アクチュエータを備え、同軸上にボールを介して螺合した第1の部材と第2の部材とを有し、該第1の部材と第2の部材とのどちらか一方を前記回転アクチュエータへ結合し、他方を前記弁軸へ結合して構成するボールネジ機構を備え、前記弁軸を軸方向へ直線的に進退可能に保持する案内を有し、前記ボールネジ機構と前記案内との協働により、前記回転アクチュエータの回転運動を前記弁の直線運動に変換して、前記流出する流体の流量を調整することを要旨としている。
【0006】
本発明の第1の電動弁によれば、回転アクチュエータの出力軸が回転すると、回転アクチュエータと弁との間に介装されたボールネジ機構が作用し、弁は案内により弁軸方向に直線運動する。この弁の直進運動により、ハウジング内部から流出する流体の流れに変化を加えて、流量を調整する。弁の駆動に、回転アクチュエータ,ボールネジ機構,転がり案内を用いることで、電動弁全体をコンパクトな形状としつつ、弁の駆動に係る抵抗を低く抑え、弁の摩擦・摩耗に関する耐久性を向上することができる。また、回転運動を直線運動に変換して弁を駆動するため、弁のストロークを大きくすることができる。例えば、電磁力により弁を駆動する直動電磁弁に比べ、同じ大きさでもより大流量の流体を扱うことができる。
【0007】
上記の構成を有する電動弁の弁体は、開弁方向に前記流体の圧力を受ける第1の受圧面と、閉弁方向に前記流体の圧力を受け、かつ、前記第1の受圧面の面積と略同面積である第2の受圧面とを有し、前記2つの受圧面に、同圧である前記流体を導く連通路を備えるものとしても良い。
【0008】
かかる電動弁によれば、弁体は、相対する方向に圧力を受ける第1の受圧面と第2の受圧面とを有し、各面に連通路から同じ圧力の流体が供給される。つまり、開弁方向と閉弁方向とに同じ圧力を受けることとなる。したがって、流体の入力圧力または出力圧力が変化しても、弁の駆動力にはほとんど影響を及ぼすことはなく、弁の駆動力を小さくすることができる。
【0009】
上記の構成を有する電動弁の回転アクチュエータには、油圧モータや超音波モータなど様々なものが考えられるが、回転アクチュエータは、非通電時に出力軸が自由に回転する電動モータであり、前記電動モータへの通電停止時に、前記弁を軸方向に付勢して初期状態の位置に戻すリターンスプリングを設けることができる。
【0010】
かかる電動弁によれば、停電、断線等が発生しても、電動モータへの通電停止時には、弁はリターンスプリングによる付勢力を受ける。摺動抵抗の少ないボールネジ機構および転がり案内を使用するため、弁が受ける軸方向の力は容易に回転力へ変換され、弁は初期状態に戻る。例えば、初期状態が閉弁である場合には、駆動停止とともに確実に流路を遮断して安全性を確保することができる。
【0011】
上記の構成を有する電動弁としては、弁体としてニードルを備えたニードル弁を考えることができ、該ニードルが弁座に対して進退することで前記流路の開口面積を変更するものとしても良い。
【0012】
かかる電動弁によれば、ニードルの進退により流路の開口面積を調整して電動弁から出力する流量を調整する。転がり案内を使用するため、ニードルの直進精度が向上し、ニードルと弁座とのシール性能を向上することができる。また、バックラッシュの少ないボールネジ機構を使用するため、ニードルの位置制御の精度を向上することができる。
【0013】
上記の構成を有する電動弁のニードルは、該ニードルの軸方向の両端に、前記第1の受圧面と前記第2の受圧面とを有し、前記連通路として、前記ニードル内部に前記2つの受圧面を貫通する流路を設けるものとしても良い。
【0014】
かかる電動弁によれば、ニードルの両端には第1の受圧面側の空間と第2の受圧面側の空間とが形成され、両空間には、ニードル軸内部の連通路により、同じ圧力の流体が流入する。したがって、略同面積である第1の受圧面と第2の受圧面とに働く力は相殺され、ニードルの駆動力に及ぼす影響は少ない。また、連通路をニードル内部に設けたことで、ハウジングの構造を簡素化することができる。
【0015】
上記の構成を有する電動弁としては、弁体としてポペットを備えたポペット弁を考えることができ、該ポペットが弁座のシート面に対向する方向に進退することで前記流路を開閉するものとしても良い。
【0016】
かかる電動弁によれば、弁が弁座のシート面に対向する方向に進退することで、流路の開閉を行なう。弁の開閉にボールネジ機構および転がり案内を使用するため、弁の開閉を頻繁に行なう場合でも、弁の摩耗を抑えることができる。また、回転運動を直線運動に変換して弁を駆動するため、弁体のストロークを大きくでき、一度の開閉で大流量を取り扱うことができる。
【0017】
上記の構成を有する電動弁としては、弁体としてスプールを備えたスプール弁を考えることができ、該スプールが軸方向に進退することで前記流路を切替えるものとしても良い。かかる電動弁によれば、回転運動を直線運動に変換して弁を駆動することで、弁体のストロークを大きなものとする。したがって、一つの弁体の進退で複数の流路の切替えを行なうことができる。
【0018】
上記の構成を有する電動弁は、高圧の流体を貯留するタンクの内部に収納するものとしても良い。かかる構成によれば、電動弁は高圧タンクの内部に収納されるため、タンクや電動弁を含むシステム全体をコンパクトなものとすることができる。
【0019】
上記の構成を有する電動弁を収納する高圧のタンクとしては、液体用やガス用など様々なタンクが想定できるが、特に、車両に搭載された燃料電池システムの水素タンク、または、車両に搭載された内燃機関システムの圧縮天然ガスタンクとすることができる。かかる構成によれば、電動弁はタンクの内部に収納されるため、システム全体をコンパクトにできることに加え、タンクと電動弁とを接続する配管が不要となる。高圧配管が露出することが無いため、コンパクトな上、安全性を向上することができる。
【0020】
上記の構成を有する電動弁は、車両の燃料電池システムに供給される水素ガスの流路上、または、車両の内燃機関システムに供給される圧縮天然ガスの流路上に配置するものとしても良い。かかる構成によれば、電動弁は、比較的大流量を扱え、コンパクトであるため、スペースの制約が大きい車両にも容易に配置することができる。また、電動弁の回転アクチュエータへの指令により弁を開閉して、ガスの流量を制御するため、燃料電池システムあるいは内燃機関システムに供給されるガスの流量および圧力を容易に調整できる。
【0021】
本発明の減圧システムは、高圧の流体の圧力を低圧に減圧して下流の圧力を調整する減圧システムであって、請求項1に記載の電動弁と、前記電動弁の下流の回路圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサの検出結果に基づいて、前記電動弁の回転アクチュエータを制御して前記回路圧力を所定の圧力に調整する圧力制御手段とを備えたことを要旨としている。
【0022】
本発明の減圧システムによれば、電動弁の下流の回路圧力を圧力センサにより検出し、その検出結果に基づいて、回転アクチュエータへの通電による弁の進退を制御する。弁の進退によって、電動弁の流路を開閉することで下流の回路圧力を所定圧力に調整することができる。つまり、電動弁は減圧弁の機能を果たすことができる。
【0023】
上記の構成を有する減圧システムの電動弁は、回転アクチュエータとして、非通電時に出力軸が自由に回転する電動モータを有し、前記電動モータへの通電停止時に、前記電動弁の弁を軸方向に付勢して流路を遮断するスプリングを備えたものとすることができる。
【0024】
かかる減圧システムによれば、回転アクチュエータへの通電停止時には、スプリングの付勢力により流路は閉弁され、電動弁はシャット弁の機能を果たすことができる。したがって、一つの減圧システムによって、所定圧力に制御する減圧機能と流量の遮断機能とを有し、全体をコンパクトなものとすることができる。加えて、断線等の場合にも、常に流路は閉弁されて安全性を向上することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電動弁を燃料電池システムの水素タンクに装着した一実施例について説明する。図1は、本発明の電動弁である電動ニードル弁110を水素タンク100の口金部に装着した状態の断面模式図である。なお、この燃料電池システムは4本の水素タンク100を有し、各タンクから放出される水素ガスは合流して下流の機器へ供給される。
【0026】
図1に示すように、水素タンク100は略円筒外形をしており、円筒長さ方向の両端に雌ネジ部分105を有する口金部を設け、両口金部に雄ネジ部分を有する部材を螺設することで水素タンク100内部を気密状態とし、水素タンク100内部に高圧の水素ガスを貯留する構造である。この水素タンク100の外周は、CFRP部材で覆われ、水素タンク100を補強する役割を果たしている。
【0027】
この水素タンク100の一端の口金部にはネジ部材120を、他端には電動ニードル弁110を取り付けている。水素タンク100内部の水素ガスは、電動ニードル弁110を介して充填され、制御ユニット200からの電気信号により電動ニードル弁110の開弁量を調整することで放出される。なお、4本の水素タンク100各々に設けた電動ニードル弁110の入力・出力口は、それぞれ図示しない配管にて接続され、各水素タンク100から放出される水素ガスは合流して下流の機器へ流れる。
【0028】
こうした水素タンク100に装着される電動ニードル弁110の構造について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の一実施例としての電動ニードル弁110の断面模式図である。図示するように、この電動ニードル弁110は、主に、ハウジング300、弁310、電動モータ320、ボールネジ機構330、リニアガイド340等から構成されている。
【0029】
ハウジング300は、大きく、弁310の駆動部品を内蔵する円筒部分401と入力・出力流路を設けた六角柱外形部分501との2つの部分からなり、大外径を有する六角柱外形部分501端面に、それより小径である円筒部分401端面を取り付けた構造である。
【0030】
円筒部分401の外円筒は、水素タンク100の口金部の雌ネジ部分105に螺設するネジ部402を有し、円筒部分401の内円筒は、リニアガイド340を挿入可能な内径を有し、挿入したリニアガイド340の位置決め用に段付の小径部403を備えている。六角柱外形部分501の反対側に位置する円筒部分401端面には、弁310駆動用の電動モータ320を固定するタップ穴404を4箇所備えている。タップ穴404付近の円筒部分401側面には、円筒部分401の内部と外部とを連通する開口部405を設けている。したがって、水素タンク100内部と電動ニードル弁110のハウジング300内部とには、同じ圧力の水素ガスが充満する構造となっている。なお、円筒部分401の内円筒には、リニアガイド340の抜け止めである止め輪370を装着する溝が設けてある。
【0031】
六角柱外形部分501の中心軸方向には、弁310が進退する絞り流路502を備えている。この絞り流路502は、円柱形状の穴部503と、その端面から円筒部分401の小径部403の端面方向に径を広げた円錐状のテーパ穴部504とからなり、小径部403に連通している。六角柱外形部分501の側面には、絞り流路502の穴部503に連通する出力流路505と、その反対側に円筒部分401の小径部403に連通する入力流路506とを備えている。なお、入力流路506、出力流路505は、共に、配管接続用のテーパネジを備え、上述のように各水素タンク100と配管にて接続されている。
【0032】
弁310は、ニードル形状の弁体311と円筒形状の弁軸312とから構成されている。弁体311は、ニードル形状の先端部分に係合部313を備え、弁310軸方向に貫通孔314を有している。この係合部313には、後述する仕切り部材380が塑性加工によって取り付けられている。弁軸312は、その外円筒にリニアガイド340の鋼球が係合するレール溝315を弁310軸方向に備え、その内円筒に雌ネジ(ナット)部分316を備えている。なお、この弁体311と弁軸312は溶着され、一体で軸方向に進退する。
【0033】
電動モータ320は、ACサーボモータであり、モータへの通電により所望する回転角度に出力軸を制御可能である。なお、回転角度の制御は、電動モータ320内部に設けたロータリエンコーダにより、出力軸321の回転角度を検出することで行なわれている。この電動モータ320の出力軸321には雄ネジ部分を設けている。この出力軸321と、上述の弁軸312内部のナット部分316と、両者の間に介装するボールとからボールネジ機構330を構成している。
【0034】
リニアガイド340は、その内部の軌道上を循環する複数の鋼球が脱落しないように保持されており、鋼球の転がり運動によりレール溝315を設けた弁310を直動可能に保持している。こうして電動モータ320の出力軸321を回転することで、ボールネジ機構330を介して弁310が出力軸321と共回りすることなく進退する。なお、必要量の水素ガスを放出するための出力軸321回転角度は、制御ユニット200にて算出される。
【0035】
こうした部品からなる電動ニードル弁110は、ハウジング300にリニアガイド340を挿入して止め輪370を装着し、弁軸312内部にボールネジ機構330を組み込んだ弁310および電動モータ320を一体で挿入して組み立てられる。リニアガイド340の鋼球と弁軸312のレール溝315とが係合するように挿入された弁310は、ハウジング300の端面と電動モータ320のフランジ面とが当接する位置まで入り込む。この状態で、電動モータ320はハウジング300にボルト325で締結される。なお、弁軸312と電動モータ320との間には、弁310を閉弁方向に付勢するリターンスプリング360を挟んでいる。
【0036】
ハウジング300に挿入された弁体311は、ハウジング300のテーパ穴部504に係合し、穴部503から突出した状態となる。突出した弁体311先端の係合部313には、仕切り部材380を取り付ける。この仕切り部材380は、穴部503に挿入可能な外径を有し、係合部313に嵌合した後、塑性加工によって固定される。なお、仕切り部材380の外周にはOリング385が装着されている。この仕切り部材380により、穴部503が2つの空間に分割される。以下、ハウジング300の出力流路505と連通する空間を出力室510、他方の空間をバランス室520と呼ぶ。なお、バランス室520は、穴部503を閉口するカバー390をハウジング300にボルト395で締結することで形成される。
【0037】
ハウジング300の入力流路506には、圧縮バネ530、チェックボール540をこの順に挿入し、内部にテーパネジを備えたチェックボール540のシート部材550を螺設して、チェック機構を組み込む。このチェック機構は、電動ニードル弁110の外部からハウジング300の小径部403方向の流れを順方向とする逆方向の流れを遮断する。
【0038】
こうして組み立てられた電動ニードル弁110は、ハウジング300のネジ部402端にOリング350を取り付け、図1に示したように水素タンク100に螺設される。電動ニードル弁110の入力側のチェック機構とリターンスプリング360付勢力による閉弁とにより水素タンク100内部の水素ガスは外部から遮断され、気密に保持される。
【0039】
水素タンク100に水素ガスを充填する場合には、電動ニードル弁110の入力流路506端から水素ガスを圧送する。水素ガスは、チェック機構のクラッキング圧に打ち勝って、入力流路506、ハウジング300内の小径部403へと流入し、開口部405から水素タンク100の内部に充填される。充填完了後は、入力流路506のチェック機構が働き、水素タンク100内部の水素ガスは逆流しない。
【0040】
こうして充填された水素ガスは、弁軸310内部から弁体311の貫通孔314を通過してバランス室520に流入し、バランス室520の圧力と弁軸312内部の圧力とを同圧にする。弁軸312内部の受圧面積と仕切り部材380の受圧面積とは、ほぼ同等の面積を有するため、バランス室520の内圧により弁310が受ける開弁方向の力と弁軸312内部の圧力により弁310が受ける閉弁方向の力とは、ほぼ均衡した状態となる。
【0041】
水素タンク100内の水素ガスを放出する場合には、電動モータ320へ電気信号を入力することにより弁310の開弁を行なう。例えば、電動モータ320側から電動ニードル弁110を見て、出力軸321の時計回りの回転を右回転とし、反時計回りの回転を左回転とした場合、電気信号の入力により電動モータ320の出力軸321が所定の角度右に回転すると、外周をリニアガイド340で保持されている弁軸312は、ボールネジの作用により、回転することなくリターンスプリング360を圧縮する方向に直線運動する。
【0042】
弁310の直線運動により、ハウジング300のテーパ穴部504と弁体311との間に隙間が形成される。水素ガスは、この隙間(絞り流路502)を通過して出力室510、出力流路505を経て水素タンク100下流の機器へと放出される。水素ガスの放出量は弁310の移動量により調整され、放出量を増加する場合には、電動モータ320の出力軸321を更に右に回転し、放出量を減少する場合には、左に回転する。こうした弁310の進退動作による放出流量の調整で下流の回路圧力を調整することができる。例えば、回路圧力を増圧する場合には各水素タンク100からの放出流量を増加し、減圧する場合には放出流量を減少する制御を行なう。
【0043】
水素ガスの放出を停止する場合には、電動モータ320の出力軸321を左に回転し、弁310を初期状態の位置まで移動させた後、電動モータ320への電気信号を停止する。この場合、リターンスプリング360の復元力は、弁310の初期状態位置への移動を補助し、絞り流路502を閉口する。こうして水素タンク100内部の水素ガスは、再び気密に保持される。なお、停電、断線等により、電動モータ320へ弁310を閉弁する電気信号が入力されなくても、リターンスプリング360により、常に流路502は閉口する。また、弁310を初期状態の位置に戻す制御は、電動モータ320内部のロータリエンコーダによる出力軸321の回転角度検出で閉弁直前の位置まで制御を行ない、その後、通電を停止することで実現するものとしても良い。
【0044】
以上の構成を有する電動ニードル弁110では、電動モータ320の回転運動を、ボールネジ機構330、リニアガイド340を用いて直線運動に変換することで、弁310を進退させる。したがって、弁310のストロークを大きくすることができる。つまり、弁310の開度を大きくし、コンパクトな形状の上、大流量を扱うことができる。なお、ボールネジ機構330のネジのリードの調整により、電動モータ320出力軸321の回転角度に対するストロークを大きくし、応答性を向上することもできる。
【0045】
さらに、後述する減圧システムのように、電動ニードル弁110を下流の回路圧力に基づいてフィードバック制御する構成とすれば、従来からの減圧弁を廃止でき、直動駆動部分を水素タンク100内部に収納して、水素タンク100の口金部からは、配管と接続するハウジング300の六角柱外形部分501のみが突出した構造となるため、システム全体をコンパクトにすることができる。また、ハウジング300の出力流路505からは、弁310による絞りを受けた低圧の水素ガスが放出されるため、高圧配管が外部に露出することはない。加えて、停止時にはリターンスプリング360により閉弁され、水素ガスの放出を阻止することができる。また、弁310の直線運動は転がり方式により支持されるため、弁310の動作に伴う摩擦力を低減することができ、結果的に、弁の摩耗を低減し、耐久性を向上することができる。さらに、開閉弁双方向にかかる流体の圧力がほぼ等しいため、水素タンク100内の圧力変動が弁に及ぼす影響はほとんどない。すなわち、水素タンク100内の水素ガスが充満状態から空になる状態まで、内部の圧力が変化することで弁310にかかる圧力が変化しても、弁310の駆動力への影響は少ないこととなる。したがって、弁310の駆動力を低減することができる。
【0046】
こうした直動タイプの弁駆動機構は、ニードル弁に限らず、例えば、ポペット弁やスプール弁など種々の流量調整弁等に応用できる。この直動駆動機構を取り込んだ弁の構成について図3を用いて説明する。図3は電動ポペット弁の断面模式図である。
【0047】
図3に示すように、電動ポペット弁600は、主に、ハウジング610、弁620、電動モータ320、ボールネジ機構330、リニアガイド340から構成される。ハウジング610の一部および弁620の一部の構造以外は、先に説明した電動ニードル弁110の直動駆動機構と同一である。したがって、ハウジング610の一部および弁620の一部の構造のみ説明し、他の部分については、符号を同じとし説明を省略する。
【0048】
ハウジング610は、略円筒外形を有し、その一端面には電動モータ320を締結するタップ穴612を備えている。ハウジング610内部は、リニアガイド340を装着可能な内径を備え、挿入したリニアガイド340を固定する段付の小径部611を有している。電動モータ320と反対側に位置する小径部611端面には、その端面から所定の深さの穴部613を設け、端面からハウジング610小径部611方向に突出した凸部分614を設けている。この凸部分614は、円柱外形を有し、その中心に穴部613と同じ径の穴を備えている。穴部613とハウジング610側面に設けた入力流路616とは連通し、ハウジング610の小径部611と入力流路616の反対側に設けた出力流路615とは連通している。
【0049】
弁620は、弁体621と前述の弁軸312とからなり、弁体621は、略円柱外形を有し、ハウジング610の凸部分614の外径より大径で、かつ、穴部613より小径である環状溝622を備えている。この環状溝622にOリング630を装着し、Oリング630と凸部分614の端面とが密着することで流れを遮断する。こうした形状の弁体621に弁軸312を溶着して弁620を構成し、ハウジング610内部にリニアガイド340、ボールネジ機構330と共に弁620を組み込み、電動モータ320を締結することで、電動ポペット弁600は組み立てられる。
【0050】
この電動ポペット弁600の弁620には、リターンスプリング360により初期状態を閉弁状態とする付勢力が働いている。電動モータ320の駆動前(初期状態)は、ハウジング610の入力流路616に流入した流体は、弁体621によりその流路を閉口され、下流には流れない状態となっている。流体を下流に流す場合には、電動モータ320を駆動して弁620を開弁し、流体の流れを遮断する場合には、電動モータ320を駆動して弁620を閉弁し、電動モータ320への通電を停止する。
【0051】
こうした直動駆動機構を備えた電動弁では、弁620の進退運動に伴う摩擦、摩耗を低減でき、高頻度の開閉弁に対する耐久性を向上することができる。加えて、電動モータ320の回転運動を直線運動に変換するため、弁620の開度を大きくすることができ、弁駆動にソレノイドを利用したポペット弁と比べて、大流量を扱うことが可能となる。
【0052】
本実施例の電動ニードル弁110は、リターンスプリング360により初期状態が閉弁状態となるノーマルクローズタイプとしたが、用途に応じて初期状態が開弁状態となるノーマルオープンタイプとしても良い。図4には、直動駆動機構を備えたノーマルオープンタイプの弁の一例を示した。図4は、ノーマルオープンの電動スプール弁の断面模式図である。この電動スプール弁700は、電動ニードル弁110および電動ポペット弁600とは、ハウジング710の構造、弁体721の構造およびリターンスプリング760の構成が異なる。その他の部分は、図3に示した電動ポペット弁600と同様な構造であるため、説明は省略する。
【0053】
図4に示すように、ハウジング710は図3に示した電動ポペット弁600の構造とほぼ同様である。電動ポペット弁600のハウジング610との構造上の違いは、穴部713が電動ポペット弁の穴部613に比べて深く形成されていることと、その穴部713の一端と出力流路615とを連通する連通孔719を新たに設けていることである。
【0054】
弁体721は、前述した電動ポペット弁600の弁体621端面から軸方向へ突出した段付円柱形状のスプール部分725を備えた構造である。スプール部分725の軸方向両端近傍は、穴部713に挿入可能な外径の大径部分726を有し、スプール部分725の軸方向中央付近は、穴部より小径である小径部分727を有している。
【0055】
電動スプール弁700は、ハウジング710の穴部713の端面とスプール部分725端面とで挟まれる空間にリターンスプリング760を挿入後、弁体721を穴部713に挿入して組み立てられる。この電動スプール弁700は、スプール部分725の移動により入力流路616に流入した流体を下流へ流し、または遮断する2方弁である。なお、電動スプール弁700は、リターンスプリング760の付勢力により初期状態は開口状態となっている。
【0056】
この電動スプール弁700では、連通孔719を設けることで、出力側の流体圧力と同等の圧力がスプール部分725端面にかかり、スプール部分725の移動に伴う流体圧力の影響を小さくすることができる。また、上述までの電動弁と同様、スプールのストロークを大きく採ることができるため、2方弁に限らず、3方弁などの複数の方向切換を行なうことができる。また、図4に示したハウジング710の構成とし、リターンスプリング760の装着位置を変更することで、簡単に、他の弁もノーマルオープンタイプとすることができる。
【0057】
次に、本発明の減圧システムを搭載した燃料電池システムについて一例を説明する。図5は、電動ニードル弁110を装着した水素タンク100を搭載した車両の燃料電池システムの概略構成図である。この燃料電池システムは、水素と酸素との電気化学反応により発電するシステムであり、燃料電池による発電した電力を車両の動力源としている。図5に示すように、この燃料電池システムは、主に、燃料電池スタック10、エアライン20、燃料ライン30から構成されている。
【0058】
燃料電池スタック10は、水素極(以下、アノードと呼ぶ)と酸素極(以下、カソードと呼ぶ)とを備えた単一セルを複数重ね合わせた積層体として形成されている。この単一セルは、セパレータ、アノード、電解質膜、カソード、セパレータをこの順に重ね合わせた構造であり、セパレータに設けた溝を介して供給される水素ガスおよび空気に含まれる酸素の電気化学反応により発電する。なお、本実施例では、電解質膜に固体高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池を使用しているが、例えば、リン酸型、アルカリ型など種々の燃料電池を用いても良い。
【0059】
この電気化学反応に使用される酸素の流路であるエアライン20は、フィルタ40、コンプレッサ50、加湿器60等とこうした機器を接続する配管とから構成されている。外部からフィルタ40を通して取り込まれた空気は、コンプレッサ50にて圧縮され、加湿器60により水分を含んだ状態で燃料電池スタック10のカソードに供給される。燃料電池スタック10での反応に使用された後の排気は、スタック下流の排気管から外部へ排出される。この排気管路上に設けた調圧バルブ90は、バルブの絞りを調整することで、バルブ上流側に背圧を立て燃料電池スタック10に供給する空気の圧力を調整している。エアライン20上に配置した温度センサ35はフィルタ40を通して取り込まれた空気の温度Tを、圧力センサ85は燃料電池スタック10にかかる圧力PAを、それぞれ検出し、その検出値を後述する制御ユニット200に出力する。
【0060】
他方、燃料である水素ガスの流路である燃料ライン30は、4本を並列に接続した水素タンク100、各水素タンク100の口金部に設けた電動ニードル弁110等とこうした機器を接続する配管とから構成されている。高圧の水素タンク100に貯留された水素ガスは、電動ニードル弁110の弁開閉動作による放出流量の調整で低圧に減圧され、燃料電池スタック10のアノードに供給される。燃料電池スタック10での反応に使用された後の排気には、反応で消費しなかった水素ガスが含まれる。この水素ガスは、水素循環ポンプ140により再び燃料ライン30へ戻される。なお、燃料ライン30上に設けた圧力センサ86は、水素タンク100から放出された水素ガスの回路圧力Pを検出し、検出値を制御ユニット200に出力する。
【0061】
こうして供給された水素と酸素とを用いて燃料電池スタック10から発電した電力は、インバータ150等に出力され、車両の走行モータ160の駆動に使用される。また、車両の走行に必要な電力が発電量に対して少ない場合には、余剰分をDC/DCコンバータ170等を介して蓄電池180に蓄電し、急加速時など、必要な電力が大きい場合に、その不足分を蓄電池180から補う。
【0062】
こうした機器から構成される燃料電池システムは、各種バルブやモータ、ポンプなどのアクチュエータを制御する制御ユニット200を備えている。図6は、この制御ユニット200を中心とした入出力信号を示す模式図である。制御ユニット200は、図示するように、各種センサからの信号を受け、燃料電池システムの運転状態を判断し、上記アクチュエータを制御する信号を出力する。具体的には、圧力センサ86、85,温度センサ35,車両の運転を管理する運転制御ユニット210を介したアクセルポジションセンサ215,車速センサ(図示せず)等の各種センサからの圧力P,PA、温度T、アクセル開度θ、車速V等を入力し、要求される出力を算出し、調圧バルブ90、電動ニードル弁110、コンプレッサ50、水素循環ポンプ140等を制御して燃料電池システムを運転する。
【0063】
制御ユニット200は、燃料電池システムの始動指令を受けると、水素タンク100の口金部に設けた電動ニードル弁110を開弁し、エアライン20のコンプレッサ50を駆動することで、燃料電池スタック10に水素ガスおよび空気を供給する。例えば、出力の増加に伴って燃料電池スタック10の水素ガス消費が増加し、水素ガスの圧力が低下する。この圧力を燃料ライン30の圧力センサ86で検出し、検出結果を受けた制御ユニット200は、電動ニードル弁110を制御して、水素ガスの供給流量を増加する。また、制御ユニット200は、燃料電池システムの停止指令を受けると、電動ニードル弁110、コンプレッサ50への電気信号を停止して、燃料の供給を断つ。こうした供給流量の調整を行なうことで、制御ユニット200は運転に必要な電力の管理を行なっている。また、アクセル開度θと車速Vから出力電力の増加を予測し、空気供給流量や電動ニードル弁110を制御するものとしてもよい。
【0064】
こうした構成の燃料電池システムでは、回路上で要求される水素ガスの流量や圧力を制御ユニット200が算出し、それに対応する電気信号を電動ニードル弁110の電動モータ320に出力する。こうすることで流量や圧力を調整することができるため、システムの制御が容易となる。また、弁310の進退動作によって減圧弁としての機能を有すると共に、流路を遮断するシャット弁としての機能も有する減圧システムを構成することができる。従来の減圧弁を廃止し、電動ニードル弁110を水素タンク100の内部に収納することで、システム全体の構成をコンパクトなものとすることができる。
【0065】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施し得ることは勿論である。本実施例の電動ニードル弁110では、弁体であるニードルのテーパ部分で流体の流れを遮断しているが、例えば図7に示すように、ニードルのテーパ部分とは別個に流れを遮断するポペット弁の構造を加えた構造としても良い。また、本実施例では、電動モータの出力軸をボールネジ機構330のネジ軸として構成したが、電動モータの出力軸にボールネジ機構のナットを形成し、弁軸にネジ軸を設ける構成としても良い。また、本実施例の電動ポペット弁600や電動スプール弁700のハウジング形状を変更することで、電動ニードル弁110のようにタンク内部に収納することも可能である。さらに、こうした電動弁は、燃料電池システム回路上の他の部分にも使用可能であるし、油圧回路等に使用するものとして良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】タンクおよび電動ニードル弁の断面模式図である。
【図2】電動ニードル弁の断面模式図である。
【図3】電動ポペット弁の断面模式図である。
【図4】ノーマルオープンの電動スプール弁の断面模式図である。
【図5】本発明の減圧システムを搭載した車両の燃料電池システムの概略構成図である。
【図6】制御ユニットを中心とした入出力信号を示す模式図である。
【図7】ポペット弁の構造を備えたニードル弁の断面模式図である。
【符号の説明】
10…燃料電池スタック
20…エアライン
30…燃料ライン
35…温度センサ
40…フィルタ
50…コンプレッサ
60…加湿器
85,86…圧力センサ
90…調圧バルブ
100…水素タンク
105…雌ネジ部分
110…電動ニードル弁
120…ネジ部材
140…水素循環ポンプ
150…インバータ
160…走行モータ
170…DC/DCコンバータ
180…蓄電池
200…制御ユニット
210…運転制御ユニット
300,610,710…ハウジング
310,620…弁
311,621,721…弁体
312…弁軸
313…係合部
314…貫通孔
315…レール溝
316…ナット部分
320…電動モータ
321…出力軸
325,395…ボルト
330…ボールネジ機構
340…リニアガイド
350,385,630…Oリング
360,760…リターンスプリング
370…止め輪
380…仕切り部材
390…カバー
401…円筒部分
402…ネジ部
403,611…小径部
404,612…タップ穴
405…開口部
501…六角柱外形部分
502…絞り流路
503,613,713…穴部
504…テーパ穴部
505,615…出力流路
506,616…入力流路
510…出力室
520…バランス室
530…圧縮バネ
540…チェックボール
550…シート部材
600…電動ポペット弁
614…凸部分
622…環状溝
700…電動スプール弁
719…連通孔
725…スプール部分
726…大径部分
727…小径部分
Claims (14)
- ハウジング内部に弁体と弁軸とからなる弁を有し、該弁が軸方向へ進退することで、該ハウジング内部の流路から流出する流体を調整する電動弁であって、
前記ハウジングの端面に回転アクチュエータを備え、
同軸上にボールを介して螺合した第1の部材と第2の部材とを有し、該第1の部材と第2の部材とのどちらか一方を前記回転アクチュエータへ結合し、他方を前記弁軸へ結合して構成するボールネジ機構を備え、
前記弁軸を軸方向へ直線的に進退可能に保持する案内を有し、
前記ボールネジ機構と前記案内との協働により、前記回転アクチュエータの回転運動を前記弁の直線運動に変換して、前記流出する流体を調整する
電動弁。 - 請求項1に記載の電動弁であって、
前記弁体は、
開弁方向に前記流体の圧力を受ける第1の受圧面と、
閉弁方向に前記流体の圧力を受け、かつ、前記第1の受圧面の面積と略同面積である第2の受圧面とを有し、
前記第1の受圧面と第2の受圧面とに、同じ圧力の前記流体を導く連通路を備えた
電動弁。 - 請求項1または2に記載の電動弁であって、
前記回転アクチュエータは、非通電時に出力軸が自由に回転する電動モータであり、
前記電動モータへの通電停止時に、前記弁を軸方向に付勢して初期状態の位置に戻すリターンスプリングを設けた電動弁。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の電動弁であって、
前記電動弁は、前記弁体としてニードルを備えたニードル弁であり、該ニードルが弁座に対して進退することで前記流路の開口面積を変更する
電動弁。 - 請求項4に記載の電動弁であって、
前記ニードルは、該ニードル軸方向の両端に、前記第1の受圧面と前記第2の受圧面とを有し、
前記連通路として、前記ニードル内部に前記2つの受圧面を貫通する流路を設けた
電動弁。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の電動弁であって、
前記電動弁は、前記弁体としてポペットを備えたポペット弁であり、該ポペットが弁座のシート面に対向する方向に進退することで前記流路を開閉する電動弁。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の電動弁であって、
前記電動弁は、前記弁体としてスプールを備えたスプール弁であり、該スプールが軸方向に進退することで前記流路を切替える電動弁。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の電動弁であって、
高圧の流体を貯留するタンクの内部に収納されたことを特徴とする電動弁。 - 請求項8に記載の電動弁であって、
前記高圧のタンクは、車両に搭載された燃料電池システムの水素タンクである電動弁。 - 請求項8に記載の電動弁であって、
前記高圧のタンクは、車両に搭載された内燃機関システムの圧縮天然ガスタンクである電動弁。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の電動弁であって、
車両の燃料電池システムに供給される水素ガスの流路上に配置されたことを特徴とする電動弁。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の電動弁であって、
車両の内燃機関システムに供給される圧縮天然ガスの流路上に配置されたことを特徴とする電動弁。 - 高圧の流体の圧力を低圧に減圧して下流の圧力を調整する減圧システムであって、
請求項1に記載の電動弁と、
前記電動弁の下流の回路圧力を検出する圧力センサと、
前記圧力センサの検出結果に基づいて、前記電動弁の回転アクチュエータを制御して前記回路圧力を所定の圧力に調整する圧力制御手段とを備えた
減圧システム。 - 請求項13に記載の減圧システムであって、
前記電動弁は、
前記回転アクチュエータとして、非通電時に出力軸が自由に回転する電動モータを有し、
前記電動モータへの通電停止時に、前記電動弁の弁を軸方向に付勢して流路を遮断するスプリングを備えた電動弁である
減圧システム。
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