JP2005028206A - 洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】洗浄対象の液体保持部に液体を吐出する吐出ノズル22と液体保持部内の液体を吸引する吸引ノズル17とを備えた洗浄装置において、吐出ノズル22を吸引ノズル17に対して鋭角の交叉角度αで交叉させるとともに、吐出ノズル22の下端の吐出口22aよりも吸引ノズル17の下端の吸引口17aを下方に設け、吐出口22aを吸引ノズル17の外側面近傍に位置させ、吐出口22aから滴下する液滴26aを吸引ノズル17の外側面に接触させて吸引口17aから吸引・排出する。これにより、吐出口22aから滴下する液滴を吸引ノズル17によって吸引して、液滴の落下を防止することができる。
【選択図】 図10
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロプレートのウェルなどの液体保持部の洗浄に使用される洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
創薬スクリーニングなどにおいて行われる物質の生化学的反応の試験には、マイクロプレートなど液体試料を保持するための容器が用いられる。これらの試験において抗原・抗体反応を利用した試験の場合には、試験結果を評価するための観察に先立って、未反応の余剰試料除去のための洗浄が必要とされる。この洗浄は、抗原・抗体反応が進行した状態の液体試料を保持したマイクロプレートのウェル内に、洗浄用の液体を吐出、吸引することにより行われる。
【0003】
この洗浄操作は、吐出、吸引の専用ヘッドを備えた専用の洗浄装置によって行われるが、この洗浄操作を効率よく行うことを目的として、マイクロプレートを移動させることなく同一位置にて液体の吐出・吸引を行う方式の洗浄装置が提案されている。このような洗浄装置には、液体吐出用の吐出ノズルと吸引用の吸引ノズルを同一ヘッドに近接して並設する構成のもの(例えば特許文献1参照)や、さらには吐出ノズルと吸引ノズルを同軸の2重管に組み込んだもの(例えば特許文献2参照)などがある。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−83939号公報
【特許文献2】
特開平7−113728号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述の洗浄においては、良好な試験精度を確保するためにウェル内の洗浄液の残留を極力少なくすることが求められる。しかしながら、吐出ノズルと吸引ノズルとを用いて行われる洗浄操作においては、洗浄液吐出が停止した後にも吐出ノズルから洗浄液が滴下する液垂れが発生しやすく、滴下した洗浄液がウェル内に落下すると、試験結果を評価するための観察精度を損なうおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、液滴の落下を防止して信頼性の高い試験結果を確保することができる洗浄装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の洗浄装置は、洗浄対象の液体保持部に液体を吐出する吐出ノズルと液体保持部内の液体を吸引する吸引ノズルとを備えた洗浄装置であって、前記吐出ノズルを前記吸引ノズルに対して鋭角の交叉角度で交叉させるとともに吐出ノズルの下端の吐出口よりも吸引ノズルの下端の吸引口を下方に設け、且つ前記吐出口を吸引ノズルの外側面近傍に位置させた。
【0008】
請求項2記載の洗浄装置は、請求項1記載の洗浄装置であって、前記吐出口の位置は、この吐出口から滴下する液滴が前記吸引ノズルの外側面に接触可能な位置である。
【0009】
請求項3記載の洗浄装置は、請求項1または2記載の洗浄装置であって、前記液体保持部がマイクロタイタープレートに形成されたウェルであり、前記吐出ノズルと吸引ノズルの交叉角度は、前記吐出口から吐出された液体を前記ウェルの内側面に衝突させ得るような角度に設定される。
【0010】
本発明によれば、吐出ノズルを吸引ノズルに対して鋭角の交叉角度で交叉させるとともに、吐出ノズルの下端の吐出口よりも吸引ノズルの下端の吸引口を下方に設け、且つ吐出口を吸引ノズルの外側面近傍に位置させることにより、吐出口から滴下する液滴を吸引ノズルによって吸引して、液滴の落下を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の斜視図、図2は本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の構成説明図、図3は本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の洗浄部の分解斜視図、図4は本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の洗浄部の断面図、図5は本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の吸引ヘッドの平面図、図6は本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の吐出ヘッドの平面図、図7(a)は本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の吸引ヘッドの断面図、図7(b)は本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の吐出ヘッドの断面図、図8は本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の吸引ノズルおよび吐出ノズルの部分拡大図、図9は本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置による洗浄動作の説明図、図10は本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置による液滴吸引動作の説明図である。
【0012】
まず図1を参照してマイクロプレートの洗浄処理に使用されるマルチノズル型洗浄装置の構造を説明する。このマルチノズル型洗浄装置はマイクロプレートに所定配列で配置された液体保持部であるウェルを洗浄対象とし、このウェルに吐出ノズルにより洗浄液を吐出し、またウェル内に吐出された洗浄液を吸引ノズルにより吸引することにより、これらの複数のウェルを同時に洗浄する機能を有している。本実施の形態では、抗原・抗体反応を利用した生化学試験において、試験結果の観察に先立って未反応の余剰試料を除去するための洗浄に使用する例を示している。
【0013】
図1においてマルチノズル型洗浄装置は、洗浄の対象となるマイクロプレート3を保持するプレート保持部1の上方に、洗浄ヘッド5を昇降機構4によって昇降自在に配設した構造となっている。洗浄ヘッド5は、吸引ヘッド8、吐出ヘッド9を上下に重ね合わせた構成となっている。プレート保持部1はマイクロプレート3を載置して保持するプレート載置テーブル2を備えており、プレート保持部1に内蔵された水平移動機構(図示省略)により、プレート載置テーブル2上に載置されたマイクロプレート3の水平方向の位置を調整できるようになっている。プレート保持部1の上部は、図2に示すように、洗浄時にマイクロプレート3からオーバフローした洗浄液を受けるための液溜め部1aとなっている。
【0014】
プレート保持部1の側方には昇降機構4が垂直姿勢で配設されている。昇降機構4は昇降駆動機構を内蔵しており、昇降プレート6A、6Bを介してクランプ部7A、7Bにそれぞれ装着された吸引ヘッド8,吐出ヘッド9を個別に昇降させる。昇降プレート6A、6Bには、洗浄ヘッド5を構成する吸引ヘッド8、吐出ヘッド9がそれぞれ装着されており、昇降機能4を駆動することにより、吸引ヘッド8、吐出ヘッド9を個別にまたは一体的に昇降させることが可能となっている。
【0015】
昇降駆動機構について説明する。図2に示すように、昇降機構4において、昇降プレート6A、6Bはそれぞれナット部材4c、4fに結合されており、ナット部材4c、4fに螺合する送りねじ4b、4eは、モータ4a、4dによって回転駆動される。制御部10によってモータ4a、4dの回転を制御することにより、昇降プレート6A、6Bに結合された吸引ヘッド8、吐出ヘッド9は、プレート保持部1に保持されたマイクロプレート3の上方で昇降する。
【0016】
吐出ヘッド9は洗浄液供給装置11に接続されており、制御部10によって洗浄液供給装置11を制御することにより、吐出ヘッド9に装着された複数の吐出ノズル22から洗浄液がマイクロプレート3に対して吐出される。吸引ヘッド8、吐出ヘッド9、液溜め部1aは吸引機構12に接続されており、制御部10によって吸引機構12を制御することにより、マイクロプレート3に吐出された洗浄液を吸引ヘッド8に装着された複数の吸引ノズル17から吸引することができるとともに、吐出ヘッド9の内部を吸引して残液を排出することができ、さらに液溜め部1a内にオーバフローした洗浄液を吸引機構12によって吸引除去することも可能となっている。
【0017】
次に図3〜図7を参照して洗浄ヘッド5の詳細構造を説明する。図3は、吸引ヘッド8、吐出ヘッド9をそれぞれクランプ部7A、7Bから取り外した状態を示している。吸引ヘッド8、吐出ヘッド9はいずれも矩形のプレート状部品であり、クランプ部7A、7Bに嵌合形状で設けられた装着枠に着脱自在となっている。吸引ヘッド8はクランプねじ15によってクランプ部7Aに固定される。
【0018】
吸引ヘッド8は上部プレート13、下部プレート14を上下に結合した構造となっており、下部プレート14の下面からは複数の吸引ノズル17が下方に延出して設けられている。下部プレート14の右側面には、ジョイント部16が設けられており、ジョイント部16は図2に示す洗浄液供給装置11に接続されている。吸引ヘッド8における吸引ノズル17の配列は、マイクロプレート3におけるウェル3aの格子配列に対応したものとなっている。
【0019】
吐出ヘッド9はノズルプレート19の両側面を第1の側プレート18A、第2の側プレート18Bによって挟み込んだ構成となっており、ノズルプレート19の下面からは、複数の吐出ノズル22が下向き斜め方向に延出して設けられている。吐出ヘッド9における吐出ノズル22の配列も吸引ノズル17と同様に、マイクロプレート3におけるウェル3aの格子配列に対応している。
【0020】
すなわち、上部プレート13、下部プレート14は、複数の吸引ノズル17の下端部がウェル3aの所定配列に対応するように、これらの複数の吸引ノズル17を保持している。またノズルプレート19は、複数の吐出ノズル22の下端部がウェル3aの所定配列に対応するように、これらの複数の吐出ノズル22を保持している。
【0021】
ノズルプレート19には、吸引ヘッド8における吸引ノズル17の配列に対応した位置に、上下に貫通する開口部19aが設けられており、吸引ヘッド8と吐出ヘッド9とを組み合わせた状態では、吸引ノズル17は開口部19aを挿通してノズルプレート19の下面側まで突出する。
【0022】
吸引ノズル17を開口部19aに挿通させて洗浄ヘッド5を構成した状態において、昇降機構4を駆動することにより、吸引ノズル17、吐出ノズル22はいずれもマイクロプレート3に対して昇降する。このとき、制御部10によってモータ4a、モータ4dを個別に制御することによって、吸引ノズル17、吐出ノズル22の下端部を、マイクロプレート3のウェル3aに対して一体的にまたは選択的に、接近・離反させることができる。
【0023】
次に図4、図5を参照して、吸引ヘッド8の内部構造を説明する。上部プレート13には、複数のX溝部13aがX方向に等間隔で設けられており、X溝部13aの周囲にはシール部材13dが装着されている。シール部材13dは、上部プレート13と下部プレート14とを締結孔13bによって締結した状態で、X溝部13aを外部から気密に保つ。各列のX溝部13aの中央部には連通溝13cがY方向に設けられており、これにより複数のX溝部13aが相互に連通する。
【0024】
下部プレート14の中央位置には連通溝13cと連通する連結孔部14aが厚み方向に設けられており、連結孔部14aに連通してY方向に設けられた吸引孔14bは、下部プレート14の端部14cに開口してジョイント部16と接続されている。下部プレート14には、複数の吸引ノズル17が各X溝部13aの列に対応した位置に装着されており、吸引ノズル17の上端部はX溝部13a内に突出している。ここで、図7(a)に示すように、吸引ノズル17の上端部はX溝部13aの内面(天井面)との間の間隔d1が、X溝部13aの深さの1/2以下になるような突出状態に設定される。
【0025】
次に図4、図6を参照して、吐出ヘッド9の内部構造を説明する。図6において、ノズルプレート19にはY端面に開口する液供給孔19bが設けられており、液供給孔19bはノズルプレート19をX方向に貫通して設けられた液分配孔19cに連通している。さらにノズルプレート19には、複数のX流路孔19dが液分配孔19cと平行のX方向に貫通して設けられている。
【0026】
X流路孔19dには、左側(一端部側)および右側(他端部側)の所定範囲を除いて設定されたノズル範囲Nに、格子配列の一列を形成する複数の吐出ノズル22が長手方向(X方向)に沿って設けられている。そして相隣接する2つのX流路孔19dの中間には、吐出ノズル22のX方向の位置に対応して、吸引ノズル17を挿通させるための開口部19aが設けられている。ここで、図7(b)に示すように、吐出ノズル22の上端部はX流路孔19dの内周面との間の間隔d2が、X流路孔19dの直径の略1/2以下になるような突出状態に設定される。
【0027】
ノズルプレート19には、第1の側プレート18A、第2の側プレート18Bが、ノズルプレート19を両側から挟み込んで結合されている。第1の側プレート18A、第2の側プレート18Bには、それぞれY方向に連通した第1のY流路23A、第2のY流路23Bが設けられており、液分配孔19c、X流路孔19dに対応した位置にはそれぞれ連通口24a、供給口24bが開口されている。これにより、第1のY流路23A、第2のY流路23Bは液分配孔19c、X流路孔19dに連通する。
【0028】
図6に示すように、ノズルプレート19には吸引流路19eがノズル範囲Nの中間部に位置してY方向に設けられている。吸引流路19eの厚み方向の位置はX流路孔19dと部分的に相貫するように設定されており、この相貫部分は吸引流路19eとX流路孔19dとを相互に連通させる開口19fとなっている。吸引流路19eはノズルプレート19のY端面に開口しており、吸引流路19eと連通してジョイント部21が取り付けられている。ジョイント部21は吸引機構12と接続されている。ジョイント部21を介して吸引機構12から吸引することにより、開口19fを介して各X流路孔19dが吸引される。これにより、洗浄液吐出を反復する過程で流路内に侵入して停留した気泡を除去することができる。
【0029】
次に、吐出ヘッド9内における洗浄液の流動経路について説明する。図6において、ジョイント部20を経て洗浄液供給装置11から供給される洗浄液は、液供給孔19bから液分配孔19cに流入する際に左右方向に分かれ、両側の連通口24aを介して第1のY流路23A、第2のY流路23B内に流入する。そして流入した洗浄液は、第1のY流路23A、第2のY流路23B内をY方向に流動する途中で、各供給口24bからそれぞれのX流路孔19d内に両側から流入する。そして両側からX流路孔19dに流入した洗浄液は、列状に配列された各吐出ノズル22から吐出される。
【0030】
ノズルプレート19の下面側には摩擦係数が小さい樹脂材質より成るガイドプレート25が装着されており、ガイドプレート25には開口部19aの位置に対応して吸引ノズル17が挿通可能な摺動孔25aが設けられている。この摺動孔25aは吸引ノズル17が吐出ヘッド9を貫通して上下動する際のガイドとして機能する。
【0031】
ここで、図8を参照して、吸引ノズル17と吐出ノズル22の配置について説明する。図8は対応する1組の吸引ノズル17と吐出ノズル22を示しており、これらのノズルは、吸引ノズル17の下端部の吸引口17aと吐出ノズル22の下端部の吐出口22aとの間の間隔Aよりも、ノズルプレート19における吐出ノズル22の保持位置とノズルプレート19における吸引ノズル17の貫通位置との間の間隔Bの方が大きくなるように配置されている。このような配置を採用することにより、ノズルプレート19におけるX流路孔19dを、開口部19aから離れた位置に形成することが可能になり、X流路孔19dや開口部19aの加工を容易に行うことができる。
【0032】
そして吐出ノズル22は、吸引ノズル17に対して鋭角の交叉角度αで交叉し、その下端部の吐出口22aは、吸引ノズル17の下端部の吸引口17aよりも上方且つ吸引ノズル17の外側面の近傍に位置する配置となっている。吐出口22aの位置は、吐出口22aに形成される洗浄液の液滴が吸引ノズル17の外側面に接触可能な位置である。そして吐出ノズル22と吸引ノズル17の交叉角度αは、後述するように吐出口22aから吐出された洗浄液をウェル3aの内側面に衝突させ得るような角度に設定されている。
【0033】
ウェル3aの底面には、評価の対象となる細胞等の評価対象物が付着しているが、吐出ノズル22から吐出する洗浄液の勢いで評価対象物を剥離させてしまう危険がある。本実施の形態では吐出ノズル22から吐出する洗浄液をウェル3aの内側面に衝突させて洗浄液の勢いを弱めるので、評価対象物をウェル3a底面から剥離させることなく洗浄することができる。
【0034】
本実施の形態では、真直な吐出ノズル22を吸引ノズル17に対して傾斜させてノズルプレート19に装着しているので、曲げ加工による吐出ノズル22の内孔が変形する心配がなく、各吐出ノズル22間での吐出量のばらつきを少なくすることができる。
【0035】
次に図9を参照して、マルチノズル型洗浄装置によるウェル3aの洗浄動作について説明する。まずマイクロプレート3を位置合わせして洗浄対象のウェル3aを吸引ノズル17、吐出ノズル22の直下に位置させる。次いで吸引ヘッド8、吐出ヘッド9をともに下降させ、吸引ノズル17、吐出ノズル22の下端部をウェル3aの開口端近傍に位置させる。そして図9(a)に示すように、吸引ノズル17と所定の交叉角度α(図8参照)で交叉した姿勢の吐出ノズル22の吐出口22aから洗浄液26を吐出させる。そして吐出された洗浄液は、ウェル3aの内側面に衝突して洗浄しながら内側面に沿ってウェル3a内に注入される。
【0036】
所定量の洗浄液26を注入したならば、図9(b)に示すように、吸引ノズル17を下降させて下端部をウェル3aの底面近傍に位置させる。そしてこの状態で、吸引ノズル17から洗浄液26を吸引し、外部に排出する。図9(a)の吐出動作と図9(b)の吸引動作を複数回繰返すことによりウェル3a内に残る余剰試料等を除去する。この後、ウェル3a内における洗浄液26の残液量が減少したならば、図9(c)に示すように、マイクロプレート3を移動させてウェル3aの底面のコーナ部に吸引ノズル17の下端部を位置させる。これにより、残液が生じやすいウェル内のコーナ部から洗浄液26の残量を吸引して排出することができる。
【0037】
次に図10を参照して、吐出ノズル22から液体を吐出する過程において実行される液滴吸引動作について説明する。吐出ノズル22からの液体吐出においては、洗浄液供給装置11を停止して洗浄液の供給を停止した後にも、吐出ノズル22の下端部22aから幾分かの液体が図10(a)に示すように滴下し、ウェル3a内に落下する現象が生じる。このような液滴26aの滴下は試験結果の誤差を招く場合があるため、極力排除することが望ましい。
【0038】
このため、本実施の形態では、以下に示すような方法で液滴吸引を行うようにしている。すなわち、吐出ノズル22と吸引ノズル17の相互配置においては、前述のように吐出口22aと吸引孔17aとを極力接近させて配置し、図8に示すような配置としていることから、図10(b)に示すように、吐出口22aから滴下する液滴26aは吸引ノズル17の外側面に接触する。
【0039】
そしてこの状態で吸引ノズル17からの吸引を行うことにより、吸引ノズル17の外側面を伝って下降する液滴26aを、図10(c)に示すように吸引ノズル17によって吸引することができ、液滴26aをウェル3a内に落下させることなく排出することができる。これにより、滴下した洗浄液がウェル内に落下することによる観察精度の低下を防止して、信頼性の高い試験結果を確保することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、吐出ノズルを吸引ノズルに対して鋭角の交叉角度で交叉させるとともに、吐出ノズルの下端の吐出口よりも吸引ノズルの下端の吸引口を下方に設け、且つ吐出口を吸引ノズルの外側面近傍に位置させたので、吐出口から滴下する液滴を吸引ノズルによって吸引して、液滴の落下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の構成説明図
【図3】本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の洗浄部の分解斜視図
【図4】本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の洗浄部の断面図
【図5】本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の吸引ヘッドの平面図
【図6】本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の吐出ヘッドの平面図
【図7】(a)本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の吸引ヘッドの断面図
(b)本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の吐出ヘッドの断面図
【図8】本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置の吸引ノズルおよび吐出ノズルの部分拡大図
【図9】本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置による洗浄動作の説明図
【図10】本発明の一実施の形態のマルチノズル型洗浄装置による液滴吸引動作の説明図
【符号の説明】
1 プレート保持部
2 プレート載置テーブル
3 マイクロプレート
3a ウェル
4 昇降機構
5 洗浄ヘッド
8 吸引ヘッド
9 吐出ヘッド
11 洗浄液供給装置
12 吸引機構
17 吸引ノズル
22 吐出ノズル
25 ガイドプレート
26 洗浄液
Claims (3)
- 洗浄対象の液体保持部に液体を吐出する吐出ノズルと液体保持部内の液体を吸引する吸引ノズルとを備えた洗浄装置であって、前記吐出ノズルを前記吸引ノズルに対して鋭角の交叉角度で交叉させるとともに吐出ノズルの下端の吐出口よりも吸引ノズルの下端の吸引口を下方に設け、且つ前記吐出口を吸引ノズルの外側面近傍に位置させたことを特徴とする洗浄装置。
- 前記吐出口の位置は、この吐出口から滴下する液滴が前記吸引ノズルの外側面に接触可能な位置であることを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
- 前記液体保持部がマイクロタイタープレートに形成されたウェルであり、前記吐出ノズルと吸引ノズルの交叉角度は、前記吐出口から吐出された液体を前記ウェルの内側面に衝突させ得るような角度に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の洗浄装置。
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