JP2005023987A - 多段変速遊星歯車列 - Google Patents
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Abstract
【課題】2組の遊星歯車組を用いて前進6段または8段の変速比を得ながら、歯車列の軸方向長さを短縮可能にして、エンジン横置きの前輪駆動車の変速機への適応性を向上させる。
【解決手段】入力軸10上の第1遊星歯車組14と、駆動軸16上の第2遊星歯車組18からなり、入力軸10と駆動軸16とを第1歯車対40で連結し、第1サンギヤ20と第2サンギヤ30とを第2歯車対58で連結し、両者を固定可能であるとともに、第2サンギヤ30と駆動軸16とが連結可能であり、第1リングギヤ22と第2キャリヤ38とを第3歯車対60で連結するとともに出力軸12と連結し、第1キャリヤ28を固定可能にするとともに入力軸10と連結可能とし、第2リングギヤ32を駆動軸16と連結可能にした。
【選択図】 図1
【解決手段】入力軸10上の第1遊星歯車組14と、駆動軸16上の第2遊星歯車組18からなり、入力軸10と駆動軸16とを第1歯車対40で連結し、第1サンギヤ20と第2サンギヤ30とを第2歯車対58で連結し、両者を固定可能であるとともに、第2サンギヤ30と駆動軸16とが連結可能であり、第1リングギヤ22と第2キャリヤ38とを第3歯車対60で連結するとともに出力軸12と連結し、第1キャリヤ28を固定可能にするとともに入力軸10と連結可能とし、第2リングギヤ32を駆動軸16と連結可能にした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用自動変速機に用いる、前進6段以上の変速比を有する多段変速遊星歯車列に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の前進6段以上の変速比を有する多段変速遊星歯車列としては、2組の遊星歯車組と2対の歯車対を組み合わせて前進6段および前進8段の変速比を得ている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−323098号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の多段変速遊星歯車列は、前進8段の変速比を得るために2組の遊星歯車組と同じ軸心上に6個の摩擦要素(前進6段の場合には5個の摩擦要素)を設ける必要があって、これらを配置すると軸方向の所要スペースが大きくなってしまうため、エンジンを横向きに配置した、いわゆるエンジン横置き式前輪駆動車に搭載する変速機への適用が難しいという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、2組の遊星歯車組を用いて前進6段または8段の変速比を得ながら、歯車列の軸方向長さを短縮可能にして、エンジン横置き式前輪駆動車の変速機への適用性を向上することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載した本発明の多段変速遊星歯車列は、入力軸と、入力軸と平行に配置された出力軸と、入力軸と平行に配置された駆動軸と、入力軸と出力軸との間に設けられ、入力軸の回転数を出力軸の回転数へ変換する第1遊星歯車組および第2遊星歯車組を有し、第1遊星歯車組が、入力軸と同軸上に配置されるとともに、第1サンギヤと、第1リングギヤと、該第1リングギヤおよび第1サンギヤに噛み合った第1ピニヨンと、該第1ピニヨンを軸支する第1キャリヤとを備えており、第2遊星歯車組が、駆動軸上に配置されるとともに、第2サンギヤと、第2リングギヤと、該第2リングギヤおよび第2サンギヤに噛み合った第2ピニヨンと、該第2ピニヨンを軸支する第2キャリヤとを備えており、入力軸と駆動軸との間を連結する第1歯車対と、第1サンギヤと第2サンギヤとの間を連結する第2歯車対と、第1リングギヤと第2キャリヤとの間を連結する第3歯車対とを備えており、第1サンギヤと第2サンギヤとがケースに固定可能であり、第2サンギヤと駆動軸とが連結可能であり、第1リングギヤと第2キャリヤのどちらか一方が出力軸と連結し、第1キャリヤがケースに固定可能であるとともに入力軸と連結可能であり、第2リングギヤが駆動軸と連結可能であることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、請求項2に記載した本発明の多段変速遊星歯車列は、入力軸と、入力軸と平行に配置された出力軸と、入力軸に平行に配置されたカウンタ軸と、入力軸およびカウンタ軸に平行に配置された駆動軸と、入力軸と出力軸との間に設けられ、入力軸の回転数を出力軸の回転数へ変換する第1遊星歯車組および第2遊星歯車組を有し、第1遊星歯車組が、カウンタ軸と同じ軸心上に配置されるとともに、第1サンギヤと、第1リングギヤと、該第1リングギヤおよび第1サンギヤに噛み合った第1ピニヨンと、該第1ピニヨンを軸支する第1キャリヤとを備えており、第2遊星歯車組が、駆動軸と同軸上に配置されるとともに、第2サンギヤと、第2リングギヤと、該第2リングギヤおよび第2サンギヤに噛み合った第2ピニヨンと、該第2ピニヨンを軸支する第2キャリヤとを備えており、入力軸と駆動軸との間を連結する第1歯車対と、入力軸とカウンタ軸との間を連結する第2歯車対と、第1サンギヤと第2サンギヤとの間を連結する第1チェーンと、第1リングギヤと第2キャリヤとの間を連結する第2チェーンとを備えており、第1サンギヤと第2サンギヤとがケースに固定可能であり、第2サンギヤとカウンタ軸とが連結可能であり、第1リングギヤと第2キャリヤのどちらか一方が出力軸と連結し、第1キャリヤがケースに固定可能であるとともにカウンタ軸と連結可能であり、第2リングギヤが駆動軸と連結可能であることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、請求項3に記載した本発明の多段変速遊星歯車列は、第1サンギヤと入力軸もしくは前記カウンタ軸とが連結可能であることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、請求項4に記載した本発明の多段変速遊星歯車列は、入力軸と、入力軸と平行に配置された出力軸と、入力軸と平行に配置されたカウンタ軸と、入力軸およびカウンタ軸に平行に配置された駆動軸と、入力軸と出力軸との間に設けられ、入力軸の回転数を出力軸の回転数へ変換する第1遊星歯車組および第2遊星歯車組を有し、第1遊星歯車組が、カウンタ軸と同軸上に配置されるとともに、第1サンギヤと、第1リングギヤと、該第1リングギヤおよび第1サンギヤに噛み合った第1ピニヨンと、該第1ピニヨンを軸支する第1キャリヤとを備えており、第2遊星歯車組が、駆動軸と同軸上に配置されるとともに、第2サンギヤと、第2リングギヤと、該第2リングギヤに噛み合った第2アウタピニヨンと、該第2アウタピニヨンおよび第2サンギヤに噛み合った第2インナピニヨンと、該第2インナピニヨンおよび第2アウタピニヨンを軸支する第2キャリヤとを備えており、入力軸と駆動軸との間を連結する第1歯車対と、入力軸とカウンタ軸との間を連結する第2歯車対と、第1サンギヤと第2キャリヤもしくは第2サンギヤとの間を連結する第1チェーンと、第1キャリヤと第2リングギヤとの間を連結する第2チェーンとを備えており、第1サンギヤと第2キャリヤもしくは第2サンギヤとがケースに固定可能であり、第2キャリヤと駆動軸とが連結可能であり、第1キャリヤと第2リングギヤとがケースに固定可能であり、第1キャリヤとカウンタ軸とが連結可能であり、第1リングギヤが出力軸と連結し、第2サンギヤが駆動軸と連結可能であることを特徴とする。
【0010】
【作用と効果】
請求項1に記載した本発明の多段変速遊星歯車列にあっては、第1遊星歯車組が入力軸と同軸上に配置され、第2遊星歯車組が駆動軸上に配置され、入力軸と駆動軸との間を連結する第1歯車対と、第1サンギヤと第2サンギヤとの間を連結する第2歯車対と、第1リングギヤと第2キャリヤとの間を連結する第3歯車対とを備えており、第1サンギヤと第2サンギヤとがケースに固定可能であり、第2サンギヤと駆動軸とが連結可能であり、第1リングギヤと第2キャリヤのどちらか一方が出力軸と連結し、第1キャリヤがケースに固定可能であるとともに入力軸と連結可能であり、第2リングギヤが駆動軸と連結可能としたため、駆動軸と第2リングギヤを連結した場合に他のメンバーの連結関係と組み合わせて少なくとも前進第1速から第4速までの駆動を行い、入力軸と第1キャリヤを連結した場合に他のメンバーの連結関係と組み合わせて少なくとも前進第5速から上の高速段の駆動を行う。
この結果、前進6段または8段の変速比を得ながら、遊星歯車組と歯車対および摩擦要素を、入力軸側と駆動軸側に略均等に分散して配置できるので、軸方向長さを短くしたレイアウトが可能になり、エンジン横置き式前輪駆動車の変速機への適用が容易になる。
【0011】
請求項2に記載した本発明の多段変速遊星歯車列にあっては、入力軸に平行に配置されたカウンタ軸および駆動軸とを有し、第1遊星歯車組がカウンタ軸と同じ軸心上に配置され、第2遊星歯車組が駆動軸と同軸上に配置され、入力軸と駆動軸との間を連結する第1歯車対と、入力軸とカウンタ軸との間を連結する第2歯車対と、第1サンギヤと第2サンギヤとの間を連結する第1チェーンと、第1リングギヤと第2キャリヤとの間を連結する第2チェーンとを備えており、第1サンギヤと第2サンギヤとがケースに固定可能であり、第2サンギヤとカウンタ軸とが連結可能であり、第1リングギヤと第2キャリヤのどちらか一方が出力軸と連結し、第1キャリヤがケースに固定可能であるとともにカウンタ軸と連結可能であり、第2リングギヤが駆動軸と連結可能にしたため、駆動軸と第2リングギヤを連結した場合に他のメンバーの連結関係と組み合わせて前進第1速から第4速もしくは第5速までの駆動を行い、カウンタ軸と第1キャリヤを連結した場合に他のメンバーの連結関係と組み合わせて前進第4速もしくは第5速から上の高速段の駆動を行う。
この結果、遊星歯車組と歯車対やチェーンおよび摩擦要素を、カウンタ軸側と駆動軸側に略均等に分散して配置できるので、軸方向長さを短くしたレイアウトが可能になり、エンジン横置き式前輪駆動車の変速機への適用が容易になる。
【0012】
請求項3に記載した本発明の多段変速遊星歯車列にあっては、第1サンギヤを入力軸もしくは前記カウンタ軸と連結可能としたため、第1サンギヤを入力軸と連結したうえで、駆動軸と第2リングギヤを連結すると前進第4速の駆動を行い、入力軸と第1キャリヤを連結すると前進第6速の駆動を行う。
この結果、前進8段後進2段の変速比が得ながら、遊星歯車組と歯車対および摩擦要素を、入力軸側と駆動軸側にバランスよく配置できるので、軸方向長さを短くしたレイアウトが可能になり、エンジン横置き式前輪駆動車の変速機への適用が容易になる。
【0013】
請求項4に記載した本発明の多段変速遊星歯車列にあっては、入力軸と平行に配置されたカウンタ軸および駆動軸と、第1遊星歯車組がカウンタ軸と同軸上に配置され、第2遊星歯車組が駆動軸と同軸上に配置され、入力軸と駆動軸との間を連結する第1歯車対と、入力軸とカウンタ軸との間を連結する第2歯車対と、第1サンギヤと第2キャリヤもしくは第2サンギヤとの間を連結する第1チェーンと、第1キャリヤと第2リングギヤとの間を連結する第2チェーンとを備えており、第1サンギヤと第2キャリヤもしくは第2サンギヤとがケースに固定可能であり、第2キャリヤと駆動軸とが連結可能であり、第1キャリヤと第2リングギヤとがケースに固定可能であり、第1キャリヤとカウンタ軸とが連結可能であり、第1リングギヤが出力軸と連結し、第2サンギヤが駆動軸と連結可能に構成したため、駆動軸と第2サンギヤまたは第2キャリヤを連結した場合に他のメンバーの連結関係と組み合わせて前進第1速から少なくとも第4速までの駆動を行い、カウンタ軸と第1キャリヤを連結した場合に他のメンバーの連結関係と組み合わせて少なくとも前進第5速から上の高速段の駆動を行う。
この結果、前進6段または8段の変速比を得ながら、遊星歯車組と歯車対、チェーンおよび摩擦要素を、カウンタ軸側と駆動軸側に略均等に分散して配置できるので、軸方向長さを短くしたレイアウトが可能になり、エンジン横置き式前輪駆動車の変速機への適用が容易になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の多段変速遊星歯車列における実施の形態を、図に基づき説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る多段変速遊星歯車列を表すスケルトン図である。
なお、同図は互いに平行に配置した入力軸10と出力軸12のうち、入力軸10側は軸心より下側半分を、出力軸12側は軸心より上側半分を描いてある。
【0015】
この多段変速遊星歯車列は、図示しないエンジンを横向きに搭載した前輪駆動車の変速機に適用するべく、上述のように入力軸10と出力軸12とが互いに平行に配置されており、入力軸10と同軸上に第1遊星歯車組14が、出力軸12と同じ軸心の駆動軸16上に第2遊星歯車組18が配置されている。
【0016】
第1遊星歯車組14、第2遊星歯車組18は、一般的にシングルピニヨン型と呼ばれるもので、それぞれが同じ構成になっている。第1遊星歯車組14は第1サンギヤ20と、第1リングギヤ22と、該第1リングギヤ22および第1サンギヤ20に噛み合った第1ピニヨン24と、該第1ピニヨン24を回転自在に軸支する第1キャリヤ28とで構成されている。
同様に、第2遊星歯車組18は、第2サンギヤ30、第2リングギヤ32、第2ピニヨン34、第2キャリヤ38で構成されている。
【0017】
入力軸10、出力軸12、駆動軸16と、第1遊星歯車組14および第2遊星歯車組18の各回転メンバーは以下のように連結されているか、または連結可能である。
駆動軸16は入力軸10と第1歯車対40により連結され、減速駆動されている。
駆動軸16は、第1クラッチ42により第2リングギヤ32と、第2クラッチ44により第2サンギヤ30と、それぞれ選択的に連結可能である。
【0018】
入力軸10は、第3クラッチ46により第1サンギヤ20と、第4クラッチ48により第1キャリヤ28と、それぞれ選択的に連結可能である。
第2サンギヤ30は第1ブレーキ50によりケース(静止部)54に固定可能である。第1キャリヤ28は第2ブレーキ52によりケース54に固定可能であるとともに、ワンウエイクラッチ56により一方の回転方向において常にケース54に固定されている。
【0019】
第1サンギヤ20と第2サンギヤ30とは第2歯車対58で連結されている。
第1リングギヤ22と第2キャリヤ38とは第3歯車対60で連結されているとともに、第2キャリヤ38は出力軸12と連結している。
なお、12aは出力歯車である。
【0020】
次に、図1に示した多段変速遊星歯車列の作動を、図2に示した作動表と図3の(a)に示した共通速度線図を参考にしながら説明する。
以下の説明では、クラッチやブレーキを摩擦要素と呼び、ワンウエイクラッチを含めて回転メンバー同士の連結機能を有するものを総称して締結要素と呼ぶ。
【0021】
なお、図2の作動表において、横方向の欄にはクラッチやブレーキおよびワンウエイクラッチなどの締結要素が割り当ててあり、C−1は第1クラッチ42を、B−1は第1ブレーキ50を、OCはワンウエイクラッチ56をといった具合に、それぞれ表す。なお、これらの記号と各締結要素の符号との関係は、図1に記してある。
【0022】
縦方向の欄には、図示しない操作レバーの「Dレンジ」「Rレンジ」および「Lレンジ」に分け、Dレンジは前進第1速(1st)乃至第8速(8th)を割り当て、Rレンジは後進第1速(R−1)と第2速(R−2)の各変速段を割り当ててある。
なお、Lレンジでは、後述するエンジンブレーキ時のように出力軸12側から入力軸10側を駆動することが可能である。
図2の作動表中、○印は各締結要素の締結を、また空欄は各締結要素の解放を表す。
【0023】
図3に示すように、図1の多段変速遊星歯車列の共通速度線図は、縦方向が入力軸10の回転数を1とした場合の各回転メンバーの回転数を表し、横方向は第1、第2遊星歯車組14、18の歯数比に応じた間隔に各回転メンバーを割り振って回転メンバーごとに縦線を描いてある。
【0024】
共通速度線図の上方に書いた記号は、サンギヤはS、リングギヤはR、キャリヤはCで、またその後の数字1、2はそれぞれが属する第1、第2の遊星歯車組を表し、例えばS1、R1、C1は、それぞれ第1遊星歯車組14の第1サンギヤ20、第1リングギヤ22、第1キャリヤ28を表すようになっている。
【0025】
ここで、各遊星歯車組の歯数比は、リングギヤの歯数(Zr)に対するサンギヤの歯数(Zs)の比Zs/Zrであり、第1遊星歯車組14の歯数比をα1、第2遊星歯車組18の歯数比をα2とする。
共通速度線図の第2リングギヤ32(R2)の回転数は、第1歯車対40の減速比をi1として表してある。
【0026】
また、変速比の計算および説明を簡素化するため、第2歯車対58の変速比i2と第3歯車対60の変速比i3をともに1とする。
したがって、共通速度線図において、第1リングギヤ22(R1)と第2キャリヤ38(C2)、第1サンギヤ20(S1)と第2サンギヤ30(S2)は、それぞれ縦線が共通になる。
【0027】
なお、共通速度線図を含めて変速比の計算には、α1を0.50、α2を0.45、i1を2.00とした場合について説明する。
したがって、駆動軸16は入力軸10の1/2の回転数で回転することになる。
さらに、表示および計算式を簡略化するため、α2(1+α1)をAとする。
【0028】
共通速度線図は、各縦線と太線との交点の高さがそれぞれの回転メンバーの回転数を表す。
分かりやすくするため、出力軸12と連結された第2キャリヤ38(C2)の縦線における交点を○印で表示した。
図3の(b)にはα1、α2、i3を上記の値とした場合の各変速比およびそれら間の各段間比を示してある。
【0029】
はじめに、前進第1速(1st)の駆動は、図2に示した作動表に見るように、第1クラッチ42(C−1)の締結で第2リングギヤ32を駆動軸16と連結することで行われる。
このとき、第1キャリヤ28はワンウエイクラッチ56(OC)によりケース54に固定される。
【0030】
すなわち、ワンウエイクラッチ56は第1速で、車両を加速する方向において第1キャリヤ28をケース54に固定するようになっており、Dレンジの第1速では、いわゆるエンジンブレーキ時のように出力軸12から入力軸10への駆動はできない。
【0031】
第1速の変速比(入力軸10の回転数/出力軸12の回転数)は、i1(1+α2)+i1・α2/α1になり、上記の値に設定した歯数比においては4.700になる。
なお、この計算式は前述のようにi2およびi3を1とした場合であり、参考にi2およびi3を含む式に直すと、i1(1+α2)+i1・i3・α2/(α1・i2)になる。
ここでi2およびi3はそれぞれ、駆動軸16側の歯数をZd、入力軸10側の歯数をZiとした場合、Zd/Ziである。
【0032】
第1速を図3の共通速度線図で説明すると、入力軸10の回転数を1として、第2リングギヤ32(R2)が1/i1の回転数で、第1キャリヤ28(C1)がケース54に固定されているので回転数が0であり、両者を結んだ1stの斜線と第2キャリヤ38(C2)の縦線との交点の高さが出力軸12の回転数になる。
【0033】
次に、第2速(2nd)への変速は、前述の第1速での第1クラッチ42の締結に加えて、第1ブレーキ50(B−1)を締結することにより第2サンギヤ30をケース54に固定することで行われる。
このとき、第1キャリヤ28のケース54への固定は、ワンウエイクラッチ56の作用で自動的に解除される。
【0034】
第2サンギヤ30がケース54に固定されることにより、出力軸12は駆動軸16から第2遊星歯車組18によって減速駆動され、共通速度線図においては第2サンギヤ30(S2)の回転数を0とした2ndの斜線が示すようになって、第2速の変速比は、i1(1+α2)になる。
上記した歯数比においては2.900である。
【0035】
前述のように、前進第1速から第2速への変速は、ワンウエイクラッチ56の作用があるため、第1ブレーキ50の締結を追加するだけで済む。
したがって、変速時のいわゆる変速ショックは、第1ブレーキ50の締結を緩やかに行うように制御するだけで抑えられるので、円滑な変速制御を容易に行うことができる。
【0036】
次に、第3速(3rd)への変速は、第2速での第1ブレーキ50の締結を解除して第2クラッチ44を締結することで行われる。
これにより、第2遊星歯車組18は一体になり、共通速度線図においては3rdの水平線が示すようになって、第1歯車対40のみで減速駆動されることになり、変速比はi1になる。
上記した歯数比においては2.000である。
【0037】
続いて第4速(4th)への変速は、第3速における第2クラッチ44の締結を解除して、第3クラッチ46を締結することで行われる。
共通速度線図においては第2サンギヤ30(S2)の回転数を1とした4thの斜線が示すようになって、第4速の変速比は、i1(1+A+α1)/(1+α1+A・i1)になる。
上記した歯数比においては1.526である。
【0038】
次に、第5速(5th)への変速は、第4速における第3クラッチ46の締結を解除して第4クラッチ48を締結することで行われる。
以降の高速段において第4クラッチ48の締結は維持される。
これにより、第1キャリヤ28が入力軸10と連結され、共通速度線図における第1キャリヤ28(C1)の回転数を1とした5thの斜線になり、変速比はi1(A+α1)/(A・i1+α1)になる。
上記した歯数比においては1.270になる。
【0039】
次に、第6速(6th)への変速は、第5速までにおける第1クラッチ42の締結を解除して、再び第3クラッチ46を締結することで行われる。
この段階で共通速度線図の6thの水平線が示すように、第1遊星歯車組14が入力軸10と一体になって、第3歯車対60のみで出力軸12が駆動され、変速比はi3になり上記の歯数比では1.000である。
【0040】
次に、第7速(7th)への変速は、第6速における第3クラッチ46の締結を解除して、再び第2クラッチ44を締結することで第2サンギヤ30を駆動軸16と連結することで行われる。
これにより共通速度線図に示すように、第1キャリヤ28(C1)の回転数を1とし、第2サンギヤ30(S2)の回転数を1/i1とした7thの斜線になって、変速比はi1/{i1+α1(i1−1)}になり、上記した歯数比においては0.800の増速(オーバードライブ)になる。
【0041】
次に、第8速(8th)への変速は、第7速における第2クラッチ44の締結を解除して、再び第1ブレーキ50を締結することで第1サンギヤ20をケース54に固定することで行われる。
実際に第1ブレーキ50が固定するのは第2サンギヤ30であるが、第2サンギヤ30と第1サンギヤ20とは第2歯車対58で連結されているので、第1サンギヤ20も固定されることになる。
これにより共通速度線図に示すように、第1キャリヤ28(C1)の回転数を1とし、第1サンギヤ20(S1)の回転数を0とした8thの斜線になって、変速比はi1/(1+α1)になり、上記した歯数比においては0.667の増速になる。
【0042】
次に、Rレンジの後進第1速(R−1)の駆動は、第2クラッチ44と第2ブレーキ52を締結することで行われる。
これにより、第1サンギヤ20が駆動軸16から駆動され、第1キャリヤ28がケース54に固定されるため、逆転されて第3歯車対60を経て出力軸12を駆動する。
共通速度線図においては第1サンギヤ20(S1)の回転数が1/i1で、第1キャリヤ28(C1)の回転数が0の、R−1の斜線に示すようになり、変速比は−i1/α1になって、上記した歯数比においては−4.000になる。
【0043】
また、後進第2速(R−2)への変速は、後進第1速における第2クラッチ44の締結を解除して、第3クラッチ46を締結することで行われる。
これにより、第1サンギヤ20は入力軸10と直結されて回転数1で回転し、共通速度線図においては第1サンギヤ20(S1)の回転数を1としたR−2の斜線に示すようになり、変速比は−1/α1になって、上記した歯数比においては−2.000になる。
【0044】
前述のように、Dレンジの第1速においてワンウエイクラッチ56は車両を加速する方向にのみ自動的に締結されるので、エンジンブレーキ時のように出力軸12側から駆動する場合には、図2の作動表のLレンジにおける1stに示すように、Dレンジの前進第1速と同様に第1クラッチ42を締結するとともに、ワンウエイクラッチ56と併設されている第2ブレーキ52を締結する。
これにより、トルクが作用する方向を問わずに前進第1速の変速比を得ることができる。
【0045】
以上の変速比を図3の(b)にまとめる。
なお、隣り合った変速比同士の比が段間比である。
これに見るように、全般に高速段側にいくほど段間比が小さくなっており、内燃機関で駆動する車両用変速機の変速比として好ましい傾向になっている。
【0046】
以上が、図1に示した前進8段後進2段の多段遊星歯車列における作動と変速比である。
前述のように入力軸10側に配置されているのは、第1遊星歯車組14と第1乃至第3歯車対40、58、60と、第3クラッチ46、第4クラッチ48、第2ブレーキ52およびワンウエイクラッチ56であり、出力軸12側に配置されているのは、第2遊星歯車組16と前記3対の歯車対40、58、60と、第1クラッチ42、第2クラッチ44および第1ブレーキ50である。
【0047】
つまり、遊星歯車組と歯車対および摩擦要素は両軸上に略均等に分散して配置されることになり、入力軸と出力軸が平行に配置された一般的な変速機に比べて歯車対が2対多くなっているものの、歯車列全体の軸方向長さをできるだけ短くレイアウトするうえで大きな効果を発揮する。
その結果、従来例より軸方向長さを短縮した変速機が可能になるので、エンジン横置きの前輪駆動車に搭載する変速機への適用が容易になる。
なお、第2サンギヤ30をケース54に固定する第1ブレーキ50は、入力軸10側へ配置して第1サンギヤ20を固定するようにしても同じ作用をするので、具体的なレイアウトの都合で配置を自由に選択することができる。
【0048】
さらに、図1は第2キャリヤ38を出力軸12と連結しているが、出力軸12を入力軸10と同じ軸心側に移動して、第1リングギヤ22と連結させることも可能である。
なお、上記したうちの第3クラッチ46を省略すると、図2に示した作動表における第4速と第6速および後進第2速を削除した形で、前進6段後進1段の変速比を得ることができる。
【0049】
この場合、たとえばα1を0.48、α2を0.58、i1を1.5とすると、上記計算式の第4速と第6速および後進第2速を削除して繰り上げ、前進第1速から第6速まで並べ直すと各変速比は以下のようになる。
前進6段ではあるが、車両用変速機にふさわしい変速比が得られ、しかも従来例より軸方向長さを短くできることは言うまでもない。
【0050】
次に、本発明の多段変速遊星歯車列における第2の実施の形態のスケルトンを図4に示す。
ここでは、図1に示した実施の形態と異なる部分を中心に説明し、図1の実施の形態と実質的に同じ部分については同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0051】
図4の実施の形態における図1の実施の形態との違いは、入力軸10がこれと平行に設けたカウンタ軸62と第2歯車対58を介して連結されており、このカウンタ軸62上に第1遊星歯車組14と第3クラッチ46、第4クラッチ48、第2ブレーキ52およびワンウエイクラッチ56が配置されるとともに、第1サンギヤ20と第3サンギヤ30とは第1チェーン66で連結され、第1リングギヤ22と第2キャリヤ38とは第2チェーン68で連結されていることである。
【0052】
第2歯車対58の一方の歯車は、第1歯車対40の入力軸10側の歯車が兼ねるようになっている。
なお、66a、66b、68a、68bは第1チェーン66および第2チェーン68と噛み合うスプロケットを表す。
【0053】
第1遊星歯車組14がカウンタ軸62上に配置された関係で、第3クラッチ46は第1サンギヤとカウンタ軸62とを連結し、第4クラッチ48は第1キャリヤ28とカウンタ軸62とを連結するが、基本的に各締結要素の符号および作用は図1の実施の形態と同様であり、作動表は図2に示したものと共通である。
また、第2歯車対58と第1チェーン66および第2チェーン68の変速比をそれぞれ1とすると、変速比も図1の実施の形態と同じになるので、詳細の説明を省略する。
【0054】
図4に示した実施の形態も、前進8段後進2段の変速比が得られ、図1の実施の形態で説明したように、第3クラッチ46を設けないと前進6段後進1段の変速比を得る歯車列にすることができる。
カウンタ軸62側に配置されているのは、第1遊星歯車組14と第1歯車対40、第1チェーン66、第2チェーン68と第3クラッチ46、第4クラッチ48、第2ブレーキ52およびワンウエイクラッチ56であり、出力軸12側に配置されているのは、第2遊星歯車組16と第1歯車対40、第1チェーン66、第2チェーン68と、第1クラッチ42、第2クラッチ44および第1ブレーキ50である。
第2歯車対58は第1歯車対40と軸方向にオーバーラップしているので、歯車列の長さには影響しない。
【0055】
また、変速機に一般的に用いる「はす歯歯車」は、動力伝達によって噛み合い部で軸方向のスラストが生じて、歯車を傾けるモーメントが作用するので、歯車を支持するベアリングが大きくなり勝ちであるが、チェーンの場合は軸方向のスラストが生じないため各スプロケット66a、66b、68a、68bを支持するベアリングを簡素化できるので、軸方向の所要スペースを小さくてできるメリットがある。
【0056】
これらの結果、図1に示した実施の形態と同様に、遊星歯車組と歯車対やチェーンおよび摩擦要素がカウンタ軸62と駆動軸16の両軸にバランスよく配置され、歯車列全体の軸方向長さを短くレイアウトした変速機が可能になるので、エンジン横置きの前輪駆動車に搭載する変速機への適用が容易になる。
【0057】
次に、本発明の多段変速遊星歯車列における第3の実施の形態のスケルトンを図5に示す。
ここでは、図1および図4に示した実施の形態と異なる部分を中心に説明し、図1の実施の形態と実質的に同じ部分については同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0058】
図5の実施の形態は、図4に示した実施の形態と同様に、入力軸10と平行に設けたカウンタ軸62上に第1遊星歯車組14が配置され、これらと平行に設けた駆動軸16上に第2遊星歯車組18が配置されているが、第2遊星歯車組18がいわゆるダブルピニヨン型である。
【0059】
すなわち、第2サンギヤ30と、第2リングギヤ32と、第2リングギヤ32に噛み合った第2アウタピニヨン34と、これら第2アウタピニヨン34および第2サンギヤ30に噛み合った第2インナピニヨン36と、第2インナピニヨン36および第2アウタピニヨン34を回転自在に軸支する第2キャリヤ38とで構成されている。
【0060】
また、出力軸12がカウンタ軸62と同じ軸心上にあることも図4の実施の形態と異なる。
さらに、駆動軸16およびカウンタ軸62と第1、第2遊星歯車組14、18の回転メンバー間の連結関係が異なり、以下のようになっている。
駆動軸16は、第1クラッチ42により第2サンギヤ30と、第2クラッチ44により第2キャリヤ38と、それぞれ選択的に連結可能である。
【0061】
カウンタ軸62は、第3クラッチ46により第1サンギヤ20と、第4クラッチ48により第1キャリヤ28と、それぞれ選択的に連結可能である。
第1サンギヤ20は第1ブレーキ50によりケース54に固定可能である。
第2リングギヤ32は第2ブレーキ52によりケース54に固定可能であるとともに、ワンウエイクラッチ56により一方の回転方向において常にケース54に固定されている。
【0062】
第2キャリヤ38と第1サンギヤ20とは第1チェーン66により連結されており、第1キャリヤ28と第2リングギヤ32とは第2チェーン68により連結されている。
したがって、第1ブレーキ50は第2キャリヤ38を固定する機能も有し、第2ブレーキ52およびワンウエイクラッチ56は第1キャリヤ28を固定する機能も有する。
第1リングギヤ22は出力軸12と連結されている。
【0063】
上記のように各メンバー間の連結関係は異なるが、各締結要素の符号および作用は図1に示した実施の形態と同じであり、作動表も図2に示したものと共通である。
また、図3に示した共通速度線図においては、上記の連結関係を踏まえて各回転メンバーを置換すると同じように描くことができる。
【0064】
すなわち、左端のR2の縦線に第2サンギヤ30(S2)を、その右隣のC2、R1の縦線に第1リングギヤ22(R1)を、さらに右隣のC1の縦線に第1キャリヤ28(C1)および第2リングギヤ32(R2)を、そして右端のS1、S2の縦線に第1サンギヤ20(S1)および第2キャリヤ38(C2)を割り当てることで各メンバーを表す縦線が同様になる。
【0065】
したがって、第1遊星歯車組14および第2遊星歯車組18の歯数比α1、α2を適切に設定して共通速度線図の各縦線の間隔が図3に示したのと同じになるようにすると、変速比の値も図1に示した実施の形態と同じになる。
また、変速比の計算式自体は図1の実施の形態と異なるが、1/α2−1をAと置いて上記の共通速度線図から導き出すことができるので説明を省略する。
【0066】
図5に示した実施の形態も、前進8段後進2段の変速比が得られるとともに、
カウンタ軸62側に配置されているのは、第1遊星歯車組14と第1歯車対40、第1、第2チェーン66、68と第3クラッチ46、第4クラッチ48および第1ブレーキ50であり、駆動軸16側に配置されているのは、第2遊星歯車組16と第1歯車対40、第1、第2チェーン66、68と、第1クラッチ42、第2クラッチ44、第2ブレーキ52およびワンウエイクラッチ56である。
【0067】
したがって、カウンタ軸62と駆動軸16の両軸に略均等に分散して配置されることは図1に示した実施の形態と同様であり、歯車列全体の軸方向長さを短くレイアウトした変速機が可能になるので、エンジン横置きの前輪駆動車に搭載する変速機への適用が容易になる。
また、図1の実施の形態で説明したように、第3クラッチ46を設けないで前進6段後進1段の変速比を得る構成にすることもできる。
【0068】
次に、本発明の多段変速遊星歯車列における第4の実施の形態のスケルトンを図6に示す。
ここでは、図1および図5に示した実施の形態と異なる部分を中心に説明し、図1および図5に示した実施の形態と実質的に同じ部分については同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0069】
図6の実施の形態は、図5に示した実施の形態と基本的に同じである。
すなわち、違いは第1サンギヤ20と第1チェーン66を介して連結される相手が図5における第2キャリヤ38から第2サンギヤ30に替わったことである。
【0070】
また、それと関連して第2キャリヤと駆動軸16とを連結するクラッチが、図5の実施の形態における第2クラッチ44から図6においては第1クラッチ42に替わり、逆に第2サンギヤ30と駆動軸16とを連結するクラッチが図5における第1クラッチ42から図6においては第2クラッチ44に替わった。
つまり、図5に示した実施の形態とは第2サンギヤ30と第2キャリヤ38の役目が交替したことになる。
【0071】
一般にダブルピニヨン型の遊星歯車組においてはサンギヤとキャリヤとが機能的に一方と他方の関係にあり、両者を逆にしても同じ機能を果たす。
したがって、図6に示した実施の形態は、基本的に図5に示した実施の形態と同じ作用をする。
【0072】
各締結要素の符号および作用は図1および図5に示した実施の形態と同じであり、作動表も図2に示したものと共通である。
また、図3に示した共通速度線図においては、上記の連結関係を踏まえて各回転メンバーを置換すると同じように描くことができる。
【0073】
すなわち、左端のR2の縦線に第2キャリヤ38(C2)を、その右隣のC2、R1の縦線に第1リングギヤ22(R1)を、さらに右隣のC1の縦線に第1キャリヤ28(C1)および第2リングギヤ32(R2)を、そして右端のS1、S2の縦線に第1サンギヤ20(S1)および第2サンギヤ30(S2)を割り当てることで各メンバーを表す縦線が同様になる。
【0074】
したがって、第1遊星歯車組14および第2遊星歯車組18の歯数比α1、α2を適切に設定して共通速度線図の各縦線の間隔が図3に示したのと同じになるようにすると、変速比の値も図1に示した実施の形態と同じになる。
また、変速比の計算式自体は図1の実施の形態と異なるが、1/α2−1−α1をAと置いて上記の共通速度線図から導き出すことができるので、その説明を省略する。
【0075】
図6に示した実施の形態も、図5に示した実施の形態と同様に、前進8段後進2段の変速比が得られるとともに、カウンタ軸62側および駆動軸16側の両軸に略均等に分散して配置されることは図1に示した実施の形態と同様であり、歯車列全体の軸方向長さを短くレイアウトした変速機が可能になるので、エンジン横置きの前輪駆動車に搭載する変速機への適用が容易になる。
また、図1の実施の形態で説明したように、第3クラッチ46を設けないで前進6段後進1段の変速比を得る構成にすることもできる。
【0076】
以上、説明したように、本発明に係る多段変速遊星歯車列は、遊星歯車組や歯車対、チェーンおよび締結要素が、入力軸10側もしくはカウンタ軸62と駆動軸16側の両軸に略均等に分散して配置できるのが特徴であり、従来例に比べて変速機の軸方向長さを短くレイアウトすることができる。
したがって、エンジン横置きの前輪駆動車に搭載する変速機への適用が容易になる。
【0077】
車両の燃費や排気の浄化にとって、変速比が幅広くとれる多段変速機は必要不可欠であり、世界的に生産数量が多いエンジン横置きの前輪駆動車に適用可能な多段変速遊星歯車列は、省エネルギーおよび地球環境保全の観点からメリットが多い。
【0078】
本発明に係る多段変速遊星歯車列によれば、上記したような効果が得られるほかに、さらに当業者の一般的な知識に基づいて、各締結要素のレイアウトや、歯車を支持するベアリングのレイアウトを工夫することや、第1ブレーキと並列に第2のワンウエイクラッチおよびこれをケースに固定するブレーキを追加するなどの改良や変更を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る多段変速遊星歯車列のスケルトンを示す図である。
【図2】図1に示した多段変速遊星歯車列の作動表を示す図である。
【図3】図1に示した多段変速遊星歯車列の共通速度線図および変速比の例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る多段変速遊星歯車列のスケルトンを示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る多段変速遊星歯車列のスケルトンを示す図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る多段変速遊星歯車列のスケルトンを示す図である。
【符号の説明】
10:入力軸
12:出力軸
14:第1遊星歯車組
16:駆動軸
18:第2遊星歯車組
20:第1サンギヤ
22:第1リングギヤ
24:第1ピニヨン
28:第1キャリヤ
30:第2サンギヤ
32:第2リングギヤ
34:第2ピニヨン、第2アウタピニヨン
36:第2インナピニヨン
38:第2キャリヤ
40:第1歯車対
42:第1クラッチ
44:第2クラッチ
46:第3クラッチ
48:第4クラッチ
50:第1ブレーキ
52:第2ブレーキ
54:ケース
56:ワンウエイクラッチ
58:第2歯車対
60:第3歯車対
62: カウンタ軸
66: 第1チェーン
68: 第2チェーン
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用自動変速機に用いる、前進6段以上の変速比を有する多段変速遊星歯車列に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の前進6段以上の変速比を有する多段変速遊星歯車列としては、2組の遊星歯車組と2対の歯車対を組み合わせて前進6段および前進8段の変速比を得ている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−323098号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の多段変速遊星歯車列は、前進8段の変速比を得るために2組の遊星歯車組と同じ軸心上に6個の摩擦要素(前進6段の場合には5個の摩擦要素)を設ける必要があって、これらを配置すると軸方向の所要スペースが大きくなってしまうため、エンジンを横向きに配置した、いわゆるエンジン横置き式前輪駆動車に搭載する変速機への適用が難しいという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、2組の遊星歯車組を用いて前進6段または8段の変速比を得ながら、歯車列の軸方向長さを短縮可能にして、エンジン横置き式前輪駆動車の変速機への適用性を向上することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載した本発明の多段変速遊星歯車列は、入力軸と、入力軸と平行に配置された出力軸と、入力軸と平行に配置された駆動軸と、入力軸と出力軸との間に設けられ、入力軸の回転数を出力軸の回転数へ変換する第1遊星歯車組および第2遊星歯車組を有し、第1遊星歯車組が、入力軸と同軸上に配置されるとともに、第1サンギヤと、第1リングギヤと、該第1リングギヤおよび第1サンギヤに噛み合った第1ピニヨンと、該第1ピニヨンを軸支する第1キャリヤとを備えており、第2遊星歯車組が、駆動軸上に配置されるとともに、第2サンギヤと、第2リングギヤと、該第2リングギヤおよび第2サンギヤに噛み合った第2ピニヨンと、該第2ピニヨンを軸支する第2キャリヤとを備えており、入力軸と駆動軸との間を連結する第1歯車対と、第1サンギヤと第2サンギヤとの間を連結する第2歯車対と、第1リングギヤと第2キャリヤとの間を連結する第3歯車対とを備えており、第1サンギヤと第2サンギヤとがケースに固定可能であり、第2サンギヤと駆動軸とが連結可能であり、第1リングギヤと第2キャリヤのどちらか一方が出力軸と連結し、第1キャリヤがケースに固定可能であるとともに入力軸と連結可能であり、第2リングギヤが駆動軸と連結可能であることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、請求項2に記載した本発明の多段変速遊星歯車列は、入力軸と、入力軸と平行に配置された出力軸と、入力軸に平行に配置されたカウンタ軸と、入力軸およびカウンタ軸に平行に配置された駆動軸と、入力軸と出力軸との間に設けられ、入力軸の回転数を出力軸の回転数へ変換する第1遊星歯車組および第2遊星歯車組を有し、第1遊星歯車組が、カウンタ軸と同じ軸心上に配置されるとともに、第1サンギヤと、第1リングギヤと、該第1リングギヤおよび第1サンギヤに噛み合った第1ピニヨンと、該第1ピニヨンを軸支する第1キャリヤとを備えており、第2遊星歯車組が、駆動軸と同軸上に配置されるとともに、第2サンギヤと、第2リングギヤと、該第2リングギヤおよび第2サンギヤに噛み合った第2ピニヨンと、該第2ピニヨンを軸支する第2キャリヤとを備えており、入力軸と駆動軸との間を連結する第1歯車対と、入力軸とカウンタ軸との間を連結する第2歯車対と、第1サンギヤと第2サンギヤとの間を連結する第1チェーンと、第1リングギヤと第2キャリヤとの間を連結する第2チェーンとを備えており、第1サンギヤと第2サンギヤとがケースに固定可能であり、第2サンギヤとカウンタ軸とが連結可能であり、第1リングギヤと第2キャリヤのどちらか一方が出力軸と連結し、第1キャリヤがケースに固定可能であるとともにカウンタ軸と連結可能であり、第2リングギヤが駆動軸と連結可能であることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、請求項3に記載した本発明の多段変速遊星歯車列は、第1サンギヤと入力軸もしくは前記カウンタ軸とが連結可能であることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、請求項4に記載した本発明の多段変速遊星歯車列は、入力軸と、入力軸と平行に配置された出力軸と、入力軸と平行に配置されたカウンタ軸と、入力軸およびカウンタ軸に平行に配置された駆動軸と、入力軸と出力軸との間に設けられ、入力軸の回転数を出力軸の回転数へ変換する第1遊星歯車組および第2遊星歯車組を有し、第1遊星歯車組が、カウンタ軸と同軸上に配置されるとともに、第1サンギヤと、第1リングギヤと、該第1リングギヤおよび第1サンギヤに噛み合った第1ピニヨンと、該第1ピニヨンを軸支する第1キャリヤとを備えており、第2遊星歯車組が、駆動軸と同軸上に配置されるとともに、第2サンギヤと、第2リングギヤと、該第2リングギヤに噛み合った第2アウタピニヨンと、該第2アウタピニヨンおよび第2サンギヤに噛み合った第2インナピニヨンと、該第2インナピニヨンおよび第2アウタピニヨンを軸支する第2キャリヤとを備えており、入力軸と駆動軸との間を連結する第1歯車対と、入力軸とカウンタ軸との間を連結する第2歯車対と、第1サンギヤと第2キャリヤもしくは第2サンギヤとの間を連結する第1チェーンと、第1キャリヤと第2リングギヤとの間を連結する第2チェーンとを備えており、第1サンギヤと第2キャリヤもしくは第2サンギヤとがケースに固定可能であり、第2キャリヤと駆動軸とが連結可能であり、第1キャリヤと第2リングギヤとがケースに固定可能であり、第1キャリヤとカウンタ軸とが連結可能であり、第1リングギヤが出力軸と連結し、第2サンギヤが駆動軸と連結可能であることを特徴とする。
【0010】
【作用と効果】
請求項1に記載した本発明の多段変速遊星歯車列にあっては、第1遊星歯車組が入力軸と同軸上に配置され、第2遊星歯車組が駆動軸上に配置され、入力軸と駆動軸との間を連結する第1歯車対と、第1サンギヤと第2サンギヤとの間を連結する第2歯車対と、第1リングギヤと第2キャリヤとの間を連結する第3歯車対とを備えており、第1サンギヤと第2サンギヤとがケースに固定可能であり、第2サンギヤと駆動軸とが連結可能であり、第1リングギヤと第2キャリヤのどちらか一方が出力軸と連結し、第1キャリヤがケースに固定可能であるとともに入力軸と連結可能であり、第2リングギヤが駆動軸と連結可能としたため、駆動軸と第2リングギヤを連結した場合に他のメンバーの連結関係と組み合わせて少なくとも前進第1速から第4速までの駆動を行い、入力軸と第1キャリヤを連結した場合に他のメンバーの連結関係と組み合わせて少なくとも前進第5速から上の高速段の駆動を行う。
この結果、前進6段または8段の変速比を得ながら、遊星歯車組と歯車対および摩擦要素を、入力軸側と駆動軸側に略均等に分散して配置できるので、軸方向長さを短くしたレイアウトが可能になり、エンジン横置き式前輪駆動車の変速機への適用が容易になる。
【0011】
請求項2に記載した本発明の多段変速遊星歯車列にあっては、入力軸に平行に配置されたカウンタ軸および駆動軸とを有し、第1遊星歯車組がカウンタ軸と同じ軸心上に配置され、第2遊星歯車組が駆動軸と同軸上に配置され、入力軸と駆動軸との間を連結する第1歯車対と、入力軸とカウンタ軸との間を連結する第2歯車対と、第1サンギヤと第2サンギヤとの間を連結する第1チェーンと、第1リングギヤと第2キャリヤとの間を連結する第2チェーンとを備えており、第1サンギヤと第2サンギヤとがケースに固定可能であり、第2サンギヤとカウンタ軸とが連結可能であり、第1リングギヤと第2キャリヤのどちらか一方が出力軸と連結し、第1キャリヤがケースに固定可能であるとともにカウンタ軸と連結可能であり、第2リングギヤが駆動軸と連結可能にしたため、駆動軸と第2リングギヤを連結した場合に他のメンバーの連結関係と組み合わせて前進第1速から第4速もしくは第5速までの駆動を行い、カウンタ軸と第1キャリヤを連結した場合に他のメンバーの連結関係と組み合わせて前進第4速もしくは第5速から上の高速段の駆動を行う。
この結果、遊星歯車組と歯車対やチェーンおよび摩擦要素を、カウンタ軸側と駆動軸側に略均等に分散して配置できるので、軸方向長さを短くしたレイアウトが可能になり、エンジン横置き式前輪駆動車の変速機への適用が容易になる。
【0012】
請求項3に記載した本発明の多段変速遊星歯車列にあっては、第1サンギヤを入力軸もしくは前記カウンタ軸と連結可能としたため、第1サンギヤを入力軸と連結したうえで、駆動軸と第2リングギヤを連結すると前進第4速の駆動を行い、入力軸と第1キャリヤを連結すると前進第6速の駆動を行う。
この結果、前進8段後進2段の変速比が得ながら、遊星歯車組と歯車対および摩擦要素を、入力軸側と駆動軸側にバランスよく配置できるので、軸方向長さを短くしたレイアウトが可能になり、エンジン横置き式前輪駆動車の変速機への適用が容易になる。
【0013】
請求項4に記載した本発明の多段変速遊星歯車列にあっては、入力軸と平行に配置されたカウンタ軸および駆動軸と、第1遊星歯車組がカウンタ軸と同軸上に配置され、第2遊星歯車組が駆動軸と同軸上に配置され、入力軸と駆動軸との間を連結する第1歯車対と、入力軸とカウンタ軸との間を連結する第2歯車対と、第1サンギヤと第2キャリヤもしくは第2サンギヤとの間を連結する第1チェーンと、第1キャリヤと第2リングギヤとの間を連結する第2チェーンとを備えており、第1サンギヤと第2キャリヤもしくは第2サンギヤとがケースに固定可能であり、第2キャリヤと駆動軸とが連結可能であり、第1キャリヤと第2リングギヤとがケースに固定可能であり、第1キャリヤとカウンタ軸とが連結可能であり、第1リングギヤが出力軸と連結し、第2サンギヤが駆動軸と連結可能に構成したため、駆動軸と第2サンギヤまたは第2キャリヤを連結した場合に他のメンバーの連結関係と組み合わせて前進第1速から少なくとも第4速までの駆動を行い、カウンタ軸と第1キャリヤを連結した場合に他のメンバーの連結関係と組み合わせて少なくとも前進第5速から上の高速段の駆動を行う。
この結果、前進6段または8段の変速比を得ながら、遊星歯車組と歯車対、チェーンおよび摩擦要素を、カウンタ軸側と駆動軸側に略均等に分散して配置できるので、軸方向長さを短くしたレイアウトが可能になり、エンジン横置き式前輪駆動車の変速機への適用が容易になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の多段変速遊星歯車列における実施の形態を、図に基づき説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る多段変速遊星歯車列を表すスケルトン図である。
なお、同図は互いに平行に配置した入力軸10と出力軸12のうち、入力軸10側は軸心より下側半分を、出力軸12側は軸心より上側半分を描いてある。
【0015】
この多段変速遊星歯車列は、図示しないエンジンを横向きに搭載した前輪駆動車の変速機に適用するべく、上述のように入力軸10と出力軸12とが互いに平行に配置されており、入力軸10と同軸上に第1遊星歯車組14が、出力軸12と同じ軸心の駆動軸16上に第2遊星歯車組18が配置されている。
【0016】
第1遊星歯車組14、第2遊星歯車組18は、一般的にシングルピニヨン型と呼ばれるもので、それぞれが同じ構成になっている。第1遊星歯車組14は第1サンギヤ20と、第1リングギヤ22と、該第1リングギヤ22および第1サンギヤ20に噛み合った第1ピニヨン24と、該第1ピニヨン24を回転自在に軸支する第1キャリヤ28とで構成されている。
同様に、第2遊星歯車組18は、第2サンギヤ30、第2リングギヤ32、第2ピニヨン34、第2キャリヤ38で構成されている。
【0017】
入力軸10、出力軸12、駆動軸16と、第1遊星歯車組14および第2遊星歯車組18の各回転メンバーは以下のように連結されているか、または連結可能である。
駆動軸16は入力軸10と第1歯車対40により連結され、減速駆動されている。
駆動軸16は、第1クラッチ42により第2リングギヤ32と、第2クラッチ44により第2サンギヤ30と、それぞれ選択的に連結可能である。
【0018】
入力軸10は、第3クラッチ46により第1サンギヤ20と、第4クラッチ48により第1キャリヤ28と、それぞれ選択的に連結可能である。
第2サンギヤ30は第1ブレーキ50によりケース(静止部)54に固定可能である。第1キャリヤ28は第2ブレーキ52によりケース54に固定可能であるとともに、ワンウエイクラッチ56により一方の回転方向において常にケース54に固定されている。
【0019】
第1サンギヤ20と第2サンギヤ30とは第2歯車対58で連結されている。
第1リングギヤ22と第2キャリヤ38とは第3歯車対60で連結されているとともに、第2キャリヤ38は出力軸12と連結している。
なお、12aは出力歯車である。
【0020】
次に、図1に示した多段変速遊星歯車列の作動を、図2に示した作動表と図3の(a)に示した共通速度線図を参考にしながら説明する。
以下の説明では、クラッチやブレーキを摩擦要素と呼び、ワンウエイクラッチを含めて回転メンバー同士の連結機能を有するものを総称して締結要素と呼ぶ。
【0021】
なお、図2の作動表において、横方向の欄にはクラッチやブレーキおよびワンウエイクラッチなどの締結要素が割り当ててあり、C−1は第1クラッチ42を、B−1は第1ブレーキ50を、OCはワンウエイクラッチ56をといった具合に、それぞれ表す。なお、これらの記号と各締結要素の符号との関係は、図1に記してある。
【0022】
縦方向の欄には、図示しない操作レバーの「Dレンジ」「Rレンジ」および「Lレンジ」に分け、Dレンジは前進第1速(1st)乃至第8速(8th)を割り当て、Rレンジは後進第1速(R−1)と第2速(R−2)の各変速段を割り当ててある。
なお、Lレンジでは、後述するエンジンブレーキ時のように出力軸12側から入力軸10側を駆動することが可能である。
図2の作動表中、○印は各締結要素の締結を、また空欄は各締結要素の解放を表す。
【0023】
図3に示すように、図1の多段変速遊星歯車列の共通速度線図は、縦方向が入力軸10の回転数を1とした場合の各回転メンバーの回転数を表し、横方向は第1、第2遊星歯車組14、18の歯数比に応じた間隔に各回転メンバーを割り振って回転メンバーごとに縦線を描いてある。
【0024】
共通速度線図の上方に書いた記号は、サンギヤはS、リングギヤはR、キャリヤはCで、またその後の数字1、2はそれぞれが属する第1、第2の遊星歯車組を表し、例えばS1、R1、C1は、それぞれ第1遊星歯車組14の第1サンギヤ20、第1リングギヤ22、第1キャリヤ28を表すようになっている。
【0025】
ここで、各遊星歯車組の歯数比は、リングギヤの歯数(Zr)に対するサンギヤの歯数(Zs)の比Zs/Zrであり、第1遊星歯車組14の歯数比をα1、第2遊星歯車組18の歯数比をα2とする。
共通速度線図の第2リングギヤ32(R2)の回転数は、第1歯車対40の減速比をi1として表してある。
【0026】
また、変速比の計算および説明を簡素化するため、第2歯車対58の変速比i2と第3歯車対60の変速比i3をともに1とする。
したがって、共通速度線図において、第1リングギヤ22(R1)と第2キャリヤ38(C2)、第1サンギヤ20(S1)と第2サンギヤ30(S2)は、それぞれ縦線が共通になる。
【0027】
なお、共通速度線図を含めて変速比の計算には、α1を0.50、α2を0.45、i1を2.00とした場合について説明する。
したがって、駆動軸16は入力軸10の1/2の回転数で回転することになる。
さらに、表示および計算式を簡略化するため、α2(1+α1)をAとする。
【0028】
共通速度線図は、各縦線と太線との交点の高さがそれぞれの回転メンバーの回転数を表す。
分かりやすくするため、出力軸12と連結された第2キャリヤ38(C2)の縦線における交点を○印で表示した。
図3の(b)にはα1、α2、i3を上記の値とした場合の各変速比およびそれら間の各段間比を示してある。
【0029】
はじめに、前進第1速(1st)の駆動は、図2に示した作動表に見るように、第1クラッチ42(C−1)の締結で第2リングギヤ32を駆動軸16と連結することで行われる。
このとき、第1キャリヤ28はワンウエイクラッチ56(OC)によりケース54に固定される。
【0030】
すなわち、ワンウエイクラッチ56は第1速で、車両を加速する方向において第1キャリヤ28をケース54に固定するようになっており、Dレンジの第1速では、いわゆるエンジンブレーキ時のように出力軸12から入力軸10への駆動はできない。
【0031】
第1速の変速比(入力軸10の回転数/出力軸12の回転数)は、i1(1+α2)+i1・α2/α1になり、上記の値に設定した歯数比においては4.700になる。
なお、この計算式は前述のようにi2およびi3を1とした場合であり、参考にi2およびi3を含む式に直すと、i1(1+α2)+i1・i3・α2/(α1・i2)になる。
ここでi2およびi3はそれぞれ、駆動軸16側の歯数をZd、入力軸10側の歯数をZiとした場合、Zd/Ziである。
【0032】
第1速を図3の共通速度線図で説明すると、入力軸10の回転数を1として、第2リングギヤ32(R2)が1/i1の回転数で、第1キャリヤ28(C1)がケース54に固定されているので回転数が0であり、両者を結んだ1stの斜線と第2キャリヤ38(C2)の縦線との交点の高さが出力軸12の回転数になる。
【0033】
次に、第2速(2nd)への変速は、前述の第1速での第1クラッチ42の締結に加えて、第1ブレーキ50(B−1)を締結することにより第2サンギヤ30をケース54に固定することで行われる。
このとき、第1キャリヤ28のケース54への固定は、ワンウエイクラッチ56の作用で自動的に解除される。
【0034】
第2サンギヤ30がケース54に固定されることにより、出力軸12は駆動軸16から第2遊星歯車組18によって減速駆動され、共通速度線図においては第2サンギヤ30(S2)の回転数を0とした2ndの斜線が示すようになって、第2速の変速比は、i1(1+α2)になる。
上記した歯数比においては2.900である。
【0035】
前述のように、前進第1速から第2速への変速は、ワンウエイクラッチ56の作用があるため、第1ブレーキ50の締結を追加するだけで済む。
したがって、変速時のいわゆる変速ショックは、第1ブレーキ50の締結を緩やかに行うように制御するだけで抑えられるので、円滑な変速制御を容易に行うことができる。
【0036】
次に、第3速(3rd)への変速は、第2速での第1ブレーキ50の締結を解除して第2クラッチ44を締結することで行われる。
これにより、第2遊星歯車組18は一体になり、共通速度線図においては3rdの水平線が示すようになって、第1歯車対40のみで減速駆動されることになり、変速比はi1になる。
上記した歯数比においては2.000である。
【0037】
続いて第4速(4th)への変速は、第3速における第2クラッチ44の締結を解除して、第3クラッチ46を締結することで行われる。
共通速度線図においては第2サンギヤ30(S2)の回転数を1とした4thの斜線が示すようになって、第4速の変速比は、i1(1+A+α1)/(1+α1+A・i1)になる。
上記した歯数比においては1.526である。
【0038】
次に、第5速(5th)への変速は、第4速における第3クラッチ46の締結を解除して第4クラッチ48を締結することで行われる。
以降の高速段において第4クラッチ48の締結は維持される。
これにより、第1キャリヤ28が入力軸10と連結され、共通速度線図における第1キャリヤ28(C1)の回転数を1とした5thの斜線になり、変速比はi1(A+α1)/(A・i1+α1)になる。
上記した歯数比においては1.270になる。
【0039】
次に、第6速(6th)への変速は、第5速までにおける第1クラッチ42の締結を解除して、再び第3クラッチ46を締結することで行われる。
この段階で共通速度線図の6thの水平線が示すように、第1遊星歯車組14が入力軸10と一体になって、第3歯車対60のみで出力軸12が駆動され、変速比はi3になり上記の歯数比では1.000である。
【0040】
次に、第7速(7th)への変速は、第6速における第3クラッチ46の締結を解除して、再び第2クラッチ44を締結することで第2サンギヤ30を駆動軸16と連結することで行われる。
これにより共通速度線図に示すように、第1キャリヤ28(C1)の回転数を1とし、第2サンギヤ30(S2)の回転数を1/i1とした7thの斜線になって、変速比はi1/{i1+α1(i1−1)}になり、上記した歯数比においては0.800の増速(オーバードライブ)になる。
【0041】
次に、第8速(8th)への変速は、第7速における第2クラッチ44の締結を解除して、再び第1ブレーキ50を締結することで第1サンギヤ20をケース54に固定することで行われる。
実際に第1ブレーキ50が固定するのは第2サンギヤ30であるが、第2サンギヤ30と第1サンギヤ20とは第2歯車対58で連結されているので、第1サンギヤ20も固定されることになる。
これにより共通速度線図に示すように、第1キャリヤ28(C1)の回転数を1とし、第1サンギヤ20(S1)の回転数を0とした8thの斜線になって、変速比はi1/(1+α1)になり、上記した歯数比においては0.667の増速になる。
【0042】
次に、Rレンジの後進第1速(R−1)の駆動は、第2クラッチ44と第2ブレーキ52を締結することで行われる。
これにより、第1サンギヤ20が駆動軸16から駆動され、第1キャリヤ28がケース54に固定されるため、逆転されて第3歯車対60を経て出力軸12を駆動する。
共通速度線図においては第1サンギヤ20(S1)の回転数が1/i1で、第1キャリヤ28(C1)の回転数が0の、R−1の斜線に示すようになり、変速比は−i1/α1になって、上記した歯数比においては−4.000になる。
【0043】
また、後進第2速(R−2)への変速は、後進第1速における第2クラッチ44の締結を解除して、第3クラッチ46を締結することで行われる。
これにより、第1サンギヤ20は入力軸10と直結されて回転数1で回転し、共通速度線図においては第1サンギヤ20(S1)の回転数を1としたR−2の斜線に示すようになり、変速比は−1/α1になって、上記した歯数比においては−2.000になる。
【0044】
前述のように、Dレンジの第1速においてワンウエイクラッチ56は車両を加速する方向にのみ自動的に締結されるので、エンジンブレーキ時のように出力軸12側から駆動する場合には、図2の作動表のLレンジにおける1stに示すように、Dレンジの前進第1速と同様に第1クラッチ42を締結するとともに、ワンウエイクラッチ56と併設されている第2ブレーキ52を締結する。
これにより、トルクが作用する方向を問わずに前進第1速の変速比を得ることができる。
【0045】
以上の変速比を図3の(b)にまとめる。
なお、隣り合った変速比同士の比が段間比である。
これに見るように、全般に高速段側にいくほど段間比が小さくなっており、内燃機関で駆動する車両用変速機の変速比として好ましい傾向になっている。
【0046】
以上が、図1に示した前進8段後進2段の多段遊星歯車列における作動と変速比である。
前述のように入力軸10側に配置されているのは、第1遊星歯車組14と第1乃至第3歯車対40、58、60と、第3クラッチ46、第4クラッチ48、第2ブレーキ52およびワンウエイクラッチ56であり、出力軸12側に配置されているのは、第2遊星歯車組16と前記3対の歯車対40、58、60と、第1クラッチ42、第2クラッチ44および第1ブレーキ50である。
【0047】
つまり、遊星歯車組と歯車対および摩擦要素は両軸上に略均等に分散して配置されることになり、入力軸と出力軸が平行に配置された一般的な変速機に比べて歯車対が2対多くなっているものの、歯車列全体の軸方向長さをできるだけ短くレイアウトするうえで大きな効果を発揮する。
その結果、従来例より軸方向長さを短縮した変速機が可能になるので、エンジン横置きの前輪駆動車に搭載する変速機への適用が容易になる。
なお、第2サンギヤ30をケース54に固定する第1ブレーキ50は、入力軸10側へ配置して第1サンギヤ20を固定するようにしても同じ作用をするので、具体的なレイアウトの都合で配置を自由に選択することができる。
【0048】
さらに、図1は第2キャリヤ38を出力軸12と連結しているが、出力軸12を入力軸10と同じ軸心側に移動して、第1リングギヤ22と連結させることも可能である。
なお、上記したうちの第3クラッチ46を省略すると、図2に示した作動表における第4速と第6速および後進第2速を削除した形で、前進6段後進1段の変速比を得ることができる。
【0049】
この場合、たとえばα1を0.48、α2を0.58、i1を1.5とすると、上記計算式の第4速と第6速および後進第2速を削除して繰り上げ、前進第1速から第6速まで並べ直すと各変速比は以下のようになる。
前進6段ではあるが、車両用変速機にふさわしい変速比が得られ、しかも従来例より軸方向長さを短くできることは言うまでもない。
【0050】
次に、本発明の多段変速遊星歯車列における第2の実施の形態のスケルトンを図4に示す。
ここでは、図1に示した実施の形態と異なる部分を中心に説明し、図1の実施の形態と実質的に同じ部分については同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0051】
図4の実施の形態における図1の実施の形態との違いは、入力軸10がこれと平行に設けたカウンタ軸62と第2歯車対58を介して連結されており、このカウンタ軸62上に第1遊星歯車組14と第3クラッチ46、第4クラッチ48、第2ブレーキ52およびワンウエイクラッチ56が配置されるとともに、第1サンギヤ20と第3サンギヤ30とは第1チェーン66で連結され、第1リングギヤ22と第2キャリヤ38とは第2チェーン68で連結されていることである。
【0052】
第2歯車対58の一方の歯車は、第1歯車対40の入力軸10側の歯車が兼ねるようになっている。
なお、66a、66b、68a、68bは第1チェーン66および第2チェーン68と噛み合うスプロケットを表す。
【0053】
第1遊星歯車組14がカウンタ軸62上に配置された関係で、第3クラッチ46は第1サンギヤとカウンタ軸62とを連結し、第4クラッチ48は第1キャリヤ28とカウンタ軸62とを連結するが、基本的に各締結要素の符号および作用は図1の実施の形態と同様であり、作動表は図2に示したものと共通である。
また、第2歯車対58と第1チェーン66および第2チェーン68の変速比をそれぞれ1とすると、変速比も図1の実施の形態と同じになるので、詳細の説明を省略する。
【0054】
図4に示した実施の形態も、前進8段後進2段の変速比が得られ、図1の実施の形態で説明したように、第3クラッチ46を設けないと前進6段後進1段の変速比を得る歯車列にすることができる。
カウンタ軸62側に配置されているのは、第1遊星歯車組14と第1歯車対40、第1チェーン66、第2チェーン68と第3クラッチ46、第4クラッチ48、第2ブレーキ52およびワンウエイクラッチ56であり、出力軸12側に配置されているのは、第2遊星歯車組16と第1歯車対40、第1チェーン66、第2チェーン68と、第1クラッチ42、第2クラッチ44および第1ブレーキ50である。
第2歯車対58は第1歯車対40と軸方向にオーバーラップしているので、歯車列の長さには影響しない。
【0055】
また、変速機に一般的に用いる「はす歯歯車」は、動力伝達によって噛み合い部で軸方向のスラストが生じて、歯車を傾けるモーメントが作用するので、歯車を支持するベアリングが大きくなり勝ちであるが、チェーンの場合は軸方向のスラストが生じないため各スプロケット66a、66b、68a、68bを支持するベアリングを簡素化できるので、軸方向の所要スペースを小さくてできるメリットがある。
【0056】
これらの結果、図1に示した実施の形態と同様に、遊星歯車組と歯車対やチェーンおよび摩擦要素がカウンタ軸62と駆動軸16の両軸にバランスよく配置され、歯車列全体の軸方向長さを短くレイアウトした変速機が可能になるので、エンジン横置きの前輪駆動車に搭載する変速機への適用が容易になる。
【0057】
次に、本発明の多段変速遊星歯車列における第3の実施の形態のスケルトンを図5に示す。
ここでは、図1および図4に示した実施の形態と異なる部分を中心に説明し、図1の実施の形態と実質的に同じ部分については同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0058】
図5の実施の形態は、図4に示した実施の形態と同様に、入力軸10と平行に設けたカウンタ軸62上に第1遊星歯車組14が配置され、これらと平行に設けた駆動軸16上に第2遊星歯車組18が配置されているが、第2遊星歯車組18がいわゆるダブルピニヨン型である。
【0059】
すなわち、第2サンギヤ30と、第2リングギヤ32と、第2リングギヤ32に噛み合った第2アウタピニヨン34と、これら第2アウタピニヨン34および第2サンギヤ30に噛み合った第2インナピニヨン36と、第2インナピニヨン36および第2アウタピニヨン34を回転自在に軸支する第2キャリヤ38とで構成されている。
【0060】
また、出力軸12がカウンタ軸62と同じ軸心上にあることも図4の実施の形態と異なる。
さらに、駆動軸16およびカウンタ軸62と第1、第2遊星歯車組14、18の回転メンバー間の連結関係が異なり、以下のようになっている。
駆動軸16は、第1クラッチ42により第2サンギヤ30と、第2クラッチ44により第2キャリヤ38と、それぞれ選択的に連結可能である。
【0061】
カウンタ軸62は、第3クラッチ46により第1サンギヤ20と、第4クラッチ48により第1キャリヤ28と、それぞれ選択的に連結可能である。
第1サンギヤ20は第1ブレーキ50によりケース54に固定可能である。
第2リングギヤ32は第2ブレーキ52によりケース54に固定可能であるとともに、ワンウエイクラッチ56により一方の回転方向において常にケース54に固定されている。
【0062】
第2キャリヤ38と第1サンギヤ20とは第1チェーン66により連結されており、第1キャリヤ28と第2リングギヤ32とは第2チェーン68により連結されている。
したがって、第1ブレーキ50は第2キャリヤ38を固定する機能も有し、第2ブレーキ52およびワンウエイクラッチ56は第1キャリヤ28を固定する機能も有する。
第1リングギヤ22は出力軸12と連結されている。
【0063】
上記のように各メンバー間の連結関係は異なるが、各締結要素の符号および作用は図1に示した実施の形態と同じであり、作動表も図2に示したものと共通である。
また、図3に示した共通速度線図においては、上記の連結関係を踏まえて各回転メンバーを置換すると同じように描くことができる。
【0064】
すなわち、左端のR2の縦線に第2サンギヤ30(S2)を、その右隣のC2、R1の縦線に第1リングギヤ22(R1)を、さらに右隣のC1の縦線に第1キャリヤ28(C1)および第2リングギヤ32(R2)を、そして右端のS1、S2の縦線に第1サンギヤ20(S1)および第2キャリヤ38(C2)を割り当てることで各メンバーを表す縦線が同様になる。
【0065】
したがって、第1遊星歯車組14および第2遊星歯車組18の歯数比α1、α2を適切に設定して共通速度線図の各縦線の間隔が図3に示したのと同じになるようにすると、変速比の値も図1に示した実施の形態と同じになる。
また、変速比の計算式自体は図1の実施の形態と異なるが、1/α2−1をAと置いて上記の共通速度線図から導き出すことができるので説明を省略する。
【0066】
図5に示した実施の形態も、前進8段後進2段の変速比が得られるとともに、
カウンタ軸62側に配置されているのは、第1遊星歯車組14と第1歯車対40、第1、第2チェーン66、68と第3クラッチ46、第4クラッチ48および第1ブレーキ50であり、駆動軸16側に配置されているのは、第2遊星歯車組16と第1歯車対40、第1、第2チェーン66、68と、第1クラッチ42、第2クラッチ44、第2ブレーキ52およびワンウエイクラッチ56である。
【0067】
したがって、カウンタ軸62と駆動軸16の両軸に略均等に分散して配置されることは図1に示した実施の形態と同様であり、歯車列全体の軸方向長さを短くレイアウトした変速機が可能になるので、エンジン横置きの前輪駆動車に搭載する変速機への適用が容易になる。
また、図1の実施の形態で説明したように、第3クラッチ46を設けないで前進6段後進1段の変速比を得る構成にすることもできる。
【0068】
次に、本発明の多段変速遊星歯車列における第4の実施の形態のスケルトンを図6に示す。
ここでは、図1および図5に示した実施の形態と異なる部分を中心に説明し、図1および図5に示した実施の形態と実質的に同じ部分については同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0069】
図6の実施の形態は、図5に示した実施の形態と基本的に同じである。
すなわち、違いは第1サンギヤ20と第1チェーン66を介して連結される相手が図5における第2キャリヤ38から第2サンギヤ30に替わったことである。
【0070】
また、それと関連して第2キャリヤと駆動軸16とを連結するクラッチが、図5の実施の形態における第2クラッチ44から図6においては第1クラッチ42に替わり、逆に第2サンギヤ30と駆動軸16とを連結するクラッチが図5における第1クラッチ42から図6においては第2クラッチ44に替わった。
つまり、図5に示した実施の形態とは第2サンギヤ30と第2キャリヤ38の役目が交替したことになる。
【0071】
一般にダブルピニヨン型の遊星歯車組においてはサンギヤとキャリヤとが機能的に一方と他方の関係にあり、両者を逆にしても同じ機能を果たす。
したがって、図6に示した実施の形態は、基本的に図5に示した実施の形態と同じ作用をする。
【0072】
各締結要素の符号および作用は図1および図5に示した実施の形態と同じであり、作動表も図2に示したものと共通である。
また、図3に示した共通速度線図においては、上記の連結関係を踏まえて各回転メンバーを置換すると同じように描くことができる。
【0073】
すなわち、左端のR2の縦線に第2キャリヤ38(C2)を、その右隣のC2、R1の縦線に第1リングギヤ22(R1)を、さらに右隣のC1の縦線に第1キャリヤ28(C1)および第2リングギヤ32(R2)を、そして右端のS1、S2の縦線に第1サンギヤ20(S1)および第2サンギヤ30(S2)を割り当てることで各メンバーを表す縦線が同様になる。
【0074】
したがって、第1遊星歯車組14および第2遊星歯車組18の歯数比α1、α2を適切に設定して共通速度線図の各縦線の間隔が図3に示したのと同じになるようにすると、変速比の値も図1に示した実施の形態と同じになる。
また、変速比の計算式自体は図1の実施の形態と異なるが、1/α2−1−α1をAと置いて上記の共通速度線図から導き出すことができるので、その説明を省略する。
【0075】
図6に示した実施の形態も、図5に示した実施の形態と同様に、前進8段後進2段の変速比が得られるとともに、カウンタ軸62側および駆動軸16側の両軸に略均等に分散して配置されることは図1に示した実施の形態と同様であり、歯車列全体の軸方向長さを短くレイアウトした変速機が可能になるので、エンジン横置きの前輪駆動車に搭載する変速機への適用が容易になる。
また、図1の実施の形態で説明したように、第3クラッチ46を設けないで前進6段後進1段の変速比を得る構成にすることもできる。
【0076】
以上、説明したように、本発明に係る多段変速遊星歯車列は、遊星歯車組や歯車対、チェーンおよび締結要素が、入力軸10側もしくはカウンタ軸62と駆動軸16側の両軸に略均等に分散して配置できるのが特徴であり、従来例に比べて変速機の軸方向長さを短くレイアウトすることができる。
したがって、エンジン横置きの前輪駆動車に搭載する変速機への適用が容易になる。
【0077】
車両の燃費や排気の浄化にとって、変速比が幅広くとれる多段変速機は必要不可欠であり、世界的に生産数量が多いエンジン横置きの前輪駆動車に適用可能な多段変速遊星歯車列は、省エネルギーおよび地球環境保全の観点からメリットが多い。
【0078】
本発明に係る多段変速遊星歯車列によれば、上記したような効果が得られるほかに、さらに当業者の一般的な知識に基づいて、各締結要素のレイアウトや、歯車を支持するベアリングのレイアウトを工夫することや、第1ブレーキと並列に第2のワンウエイクラッチおよびこれをケースに固定するブレーキを追加するなどの改良や変更を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る多段変速遊星歯車列のスケルトンを示す図である。
【図2】図1に示した多段変速遊星歯車列の作動表を示す図である。
【図3】図1に示した多段変速遊星歯車列の共通速度線図および変速比の例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る多段変速遊星歯車列のスケルトンを示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る多段変速遊星歯車列のスケルトンを示す図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る多段変速遊星歯車列のスケルトンを示す図である。
【符号の説明】
10:入力軸
12:出力軸
14:第1遊星歯車組
16:駆動軸
18:第2遊星歯車組
20:第1サンギヤ
22:第1リングギヤ
24:第1ピニヨン
28:第1キャリヤ
30:第2サンギヤ
32:第2リングギヤ
34:第2ピニヨン、第2アウタピニヨン
36:第2インナピニヨン
38:第2キャリヤ
40:第1歯車対
42:第1クラッチ
44:第2クラッチ
46:第3クラッチ
48:第4クラッチ
50:第1ブレーキ
52:第2ブレーキ
54:ケース
56:ワンウエイクラッチ
58:第2歯車対
60:第3歯車対
62: カウンタ軸
66: 第1チェーン
68: 第2チェーン
Claims (4)
- 入力軸と、
前記入力軸と平行に配置された出力軸と、
前記入力軸と平行に配置された駆動軸と、
前記入力軸と前記出力軸との間に設けられ、前記入力軸の回転数を前記出力軸の回転数へ変換する第1遊星歯車組および第2遊星歯車組を有し、
前記第1遊星歯車組が、前記入力軸と同軸上に配置されるとともに、第1サンギヤと、第1リングギヤと、該第1リングギヤおよび前記第1サンギヤに噛み合った第1ピニヨンと、該第1ピニヨンを軸支する第1キャリヤとを備えており、
前記第2遊星歯車組が、前記駆動軸上に配置されるとともに、第2サンギヤと、第2リングギヤと、該第2リングギヤおよび前記第2サンギヤに噛み合った第2ピニヨンと、該第2ピニヨンを軸支する第2キャリヤとを備えており、
前記入力軸と前記駆動軸との間を連結する第1歯車対と、
前記第1サンギヤと前記第2サンギヤとの間を連結する第2歯車対と、
前記第1リングギヤと前記第2キャリヤとの間を連結する第3歯車対とを備えており、
前記第1サンギヤと前記第2サンギヤとがケースに固定可能であり、
前記第2サンギヤと前記駆動軸とが連結可能であり、
前記第1リングギヤと前記第2キャリヤのどちらか一方が前記出力軸と連結し、前記第1キャリヤが前記ケースに固定可能であるとともに前記入力軸と連結可能であり、
前記第2リングギヤが前記駆動軸と連結可能であることを特徴とする多段変速遊星歯車列。 - 入力軸と、
前記入力軸と平行に配置された出力軸と、
前記入力軸に平行に配置されたカウンタ軸と、
前記入力軸および前記カウンタ軸に平行に配置された駆動軸と、
前記入力軸と前記出力軸との間に設けられ、前記入力軸の回転数を前記出力軸の回転数へ変換する第1遊星歯車組および第2遊星歯車組を有し、
前記第1遊星歯車組が、前記カウンタ軸と同じ軸心上に配置されるとともに、第1サンギヤと、第1リングギヤと、該第1リングギヤおよび前記第1サンギヤに噛み合った第1ピニヨンと、該第1ピニヨンを軸支する第1キャリヤとを備えており、
前記第2遊星歯車組が、前記駆動軸と同軸上に配置されるとともに、第2サンギヤと、第2リングギヤと、該第2リングギヤおよび前記第2サンギヤに噛み合った第2ピニヨンと、該第2ピニヨンを軸支する第2キャリヤとを備えており、
前記入力軸と前記駆動軸との間を連結する第1歯車対と、
前記入力軸と前記カウンタ軸との間を連結する第2歯車対と、
前記第1サンギヤと前記第2サンギヤとの間を連結する第1チェーンと、
前記第1リングギヤと前記第2キャリヤとの間を連結する第2チェーンとを備えており、
前記第1サンギヤと前記第2サンギヤとがケースに固定可能であり、
前記第2サンギヤと前記カウンタ軸とが連結可能であり、
前記第1リングギヤと前記第2キャリヤのどちらか一方が前記出力軸と連結し、前記第1キャリヤが前記ケースに固定可能であるとともに前記カウンタ軸と連結可能であり、
前記第2リングギヤが前記駆動軸と連結可能であることを特徴とする多段変速遊星歯車列。 - 前記第1サンギヤと前記入力軸もしくは前記カウンタ軸とが連結可能であることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の多段変速遊星歯車列。
- 入力軸と、
前記入力軸と平行に配置された出力軸と、
前記入力軸と平行に配置されたカウンタ軸と、
前記入力軸および前記カウンタ軸に平行に配置された駆動軸と、
前記入力軸と前記出力軸との間に設けられ、前記入力軸の回転数を前記出力軸の回転数へ変換する第1遊星歯車組および第2遊星歯車組を有し、
前記第1遊星歯車組が、前記カウンタ軸と同軸上に配置されるとともに、第1サンギヤと、第1リングギヤと、該第1リングギヤおよび前記第1サンギヤに噛み合った第1ピニヨンと、該第1ピニヨンを軸支する第1キャリヤとを備えており、
前記第2遊星歯車組が、前記駆動軸と同軸上に配置されるとともに、第2サンギヤと、第2リングギヤと、該第2リングギヤに噛み合った第2アウタピニヨンと、該第2アウタピニヨンおよび前記第2サンギヤに噛み合った第2インナピニヨンと、該第2インナピニヨンおよび前記第2アウタピニヨンを軸支する第2キャリヤとを備えており、
前記入力軸と前記駆動軸との間を連結する第1歯車対と、
前記入力軸と前記カウンタ軸との間を連結する第2歯車対と、
前記第1サンギヤと前記第2キャリヤもしくは前記第2サンギヤとの間を連結する第1チェーンと、
前記第1キャリヤと前記第2リングギヤとの間を連結する第2チェーンとを備えており、
前記第1サンギヤと前記第2キャリヤもしくは前記第2サンギヤとがケースに固定可能であり、
前記第2キャリヤと前記駆動軸とが連結可能であり、
前記第1キャリヤと前記第2リングギヤとが前記ケースに固定可能であり、
前記第1キャリヤと前記カウンタ軸とが連結可能であり、
前記第1リングギヤが前記出力軸と連結し、
前記第2サンギヤが前記駆動軸と連結可能であることを特徴とする多段変速遊星歯車列。
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