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JP2005022578A - 車両制動装置および車両制動方法 - Google Patents

車両制動装置および車両制動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】状況に合致した車両制動を的確に行う。
【解決手段】認識部5は、自車両前方の状況を検出するプレビューセンサ2からの情報に基づいて対象物を認識し、認識された対象物の位置情報をプレビュー情報として出力する。また、情報取得部6は、道路上に設けられたインフラ30からの情報に基づいて、道路上の対象物を特定し、特定された対象物の位置情報をインフラ情報として出力する。プレビュー情報における対象物の位置と、インフラ情報における対象物の位置とのマッチングが取れたことを条件として、指示部7から制御部8に対して車両の自動制動が許可されると、この制御部8によって車両の自動制動が行われる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制動装置および車両制動方法に係り、特に、車両に搭載されたプレビューセンサによる情報と道路側インフラからの情報とを併用した制動制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特許文献1に開示されているように、ドライバーがブレーキ操作を行わなくても、車両の制動を自動的に行う車両制動装置が従来より知られている。
この類の車両制動装置では、自車両前方に存在する対象物(先行車両や歩行者など)に衝突する危険度を判断し、危険度が高い場合に、衝突を回避するための車両制動が自動的に行われる。前方の状況に合致した車両制動を的確に実行するためには、自車両前方の対象物を精度よく把握する必要がある。そのため、従来より、プレビューセンサ(例えば、ミリ波やレーザ波を用いたセンサや、ステレオカメラおよび画像処理系で構成されたステレオ画像処理装置)を自車両に搭載し、これを用いて前方の景色をスキャンまたは撮像することにより、対象物の検出・認識が行われる。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−338111号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プレビューセンサからの情報のみに基づいた制動制御では、プレビューセンサによる対象物の誤認識が生じた場合、状況に合致しない制動制御が行われてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、状況に合致した車両制動を的確に行うことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の発明は、車両制動装置において、自車両前方の状況を検出するプレビューセンサからの情報に基づいて対象物を認識し、認識された対象物の位置情報をプレビュー情報として出力する認識部と、道路上に設けられたインフラからの情報に基づいて、道路上の対象物を特定し、特定された対象物の位置情報をインフラ情報として出力する情報取得部と、車両の自動制動を行う制御部と、プレビュー情報における対象物の位置と、インフラ情報における対象物の位置とのマッチングが取れたことを条件として、制御部に対して車両の自動制動を許可する指示部とを有する車両制動装置を提供する。
【0007】
ここで、第1の発明において、情報取得部は、インフラによって検出される、交差点における歩行者の位置に関する歩行者情報を取得することが好ましい。
【0008】
また、第1の発明において、指示部は、プレビュー情報における対象物の位置と、インフラ情報における対象物の位置とのマッチングが取れないことを条件として、制御部に対して車両の自動制動を許可しないことが望ましい。さらに、第1の発明において、制御部は、プレビューセンサによる対象物の検出精度の信頼度に応じて、インフラからの情報に応じた情報提供、または、対象物に対する注意喚起を意図した警報を行うことが好ましい。
【0009】
また、第2の発明は、車両制動方法において、自車両前方の状況を検出するプレビューセンサからの情報に基づいて対象物を認識し、認識された対象物の位置情報をプレビュー情報として出力する第1のステップと、道路上に設けられたインフラからの情報に基づいて、道路上の対象物を特定し、特定された対象物の位置情報をインフラ情報として出力する第2のステップと、車両の自動制動を行う第3のステップと、プレビュー情報における対象物の位置と、インフラ情報における対象物の位置とのマッチングが取れたことを条件として、車両の自動制動を許可する第4のステップとを有する車両制動方法を提供する。
【0010】
また、第2の発明において、第4のステップは、プレビュー情報における対象物の位置と、インフラ情報における対象物の位置とのマッチングが取れないことを条件として、車両の自動制動を許可しないことが好ましい。さらに、第2の発明において、プレビューセンサによる対象物の検出精度の信頼度に応じて、インフラからの情報に応じた情報提供、または、対象物に対する注意喚起を意図した警報を行う第5のステップを有することが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本実施形態にかかる車両制動装置1の全体構成を示すブロック図である。プレビューセンサ2は、自車両前方の状況を検出するために用いられるセンサであり、自車両に搭載されている。本実施形態では、プレビューセンサ2として、ステレオカメラおよび画像処理系で構成された周知のステレオ画像処理装置を用いているが、これ以外にも、単眼カメラ、ミリ波やレーザ波を用いたセンサ、或いはそれらを併用したセンサ等を広く用いることができる。ステレオ画像処理装置を用いる場合には、自車両前方(進行方向)を撮像するステレオカメラから得られた一対の画像データを入力情報とし、これにステレオマッチング処理を施すことによって、距離データを算出する。この距離データは、画像データによって規定される二次元的な画像平面上の位置と、この位置に写し出された対象物までの距離(正確には視差)とが対応付けられており、車両前方における距離の二次元的な分布を示す。なお、距離データ算出の詳細については、特開平5−114099号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
【0012】
取得装置3は、道路側インフラ30から情報を取得する。道路側インフラ30からの情報伝達が無線通信によって行われる関係上、この取得装置3は周知のアンテナおよび無線機で構成されている。
【0013】
図2は、道路側インフラ30を説明する図である。この道路側インフラ30は、一般に、AHSと呼ばれる交通システムにおいて、路車間で通信を行うことにより、交通状況に関する情報を車両側に提供する。道路側インフラ30は、連続的に、或いは、離散的に配置されたDSRC(Dedicated Short Range Communication)で構成されている。DSRCは、これを機能的に捉えた場合、基点DSRC31と情報DSRC32とで構成される。基点DSRC31は、サービスの開始を示すとともに、サービスエリア(サービスが行われる道路上に設定されたエリア)において位置的な基準となるDSRCであり、基点情報を送信する。一方、情報DSRC32は、サービス情報を送信する。このサービス情報には、サービスの種類、このサービスの稼働・非稼働の状態、サービスエリアの終了地点、および個別サービス情報などが含まれている。個別サービス情報は、サービスエリアに応じて様々な種類が存在するが、本実施形態では、交差点における横断歩道の歩行者に関する情報(以下、単に「歩行者情報」という)がこれに該当する。
【0014】
歩行者情報は、図示しない基地局によって一元的に管理されている。同図に示すように、道路Aの上側に向かって進行する車両に対して情報提供を行う場合、基地局は、交差点の右左折方向にそれぞれ存在する横断歩道をカバーように情報対象区間▲1▼,▲2▼を設定する。この情報対象区間▲1▼,▲2▼では、所定時間毎に、可視カメラ、赤外線カメラ、赤外線センサなどによって、情報対象区間▲1▼,▲2▼内の状況がそれぞれ撮像またはスキャンされる。基地局は、カメラまたはセンサからの出力情報に基づいて、情報対象区間▲1▼,▲2▼内における歩行者(軽車両などを含む)の横断歩道上の位置をそれぞれ検出し、車両側に提供すべきサービス情報を随時、作成・更新する。
【0015】
マイクロコンピュータ4は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等で構成されているが、これを機能的に捉えた場合、認識部5、情報取得部6、指示部7および制御部8で構成される。認識部5は、プレビューセンサ2から得られた情報(本実施形態では、距離データ)に基づいて、自車両前方の対象物を認識する。そして、対象物までの距離Dを含む三次元的な位置が算出され、これが「プレビュー情報」(プレビューセンサ2からの情報をベースに生成された対象物に関する情報)として、後段の指示部7に対して出力される。
【0016】
一方、情報取得部6には、道路側インフラ30から伝達される情報、すなわち、基点情報とサービス情報とが取得装置3を介して入力される。この情報取得部6は、入力された情報に基づき、道路側インフラ30によって検出された道路上の対象物(正確には横断歩道上の歩行者)を認識する。この認識結果は、「インフラ情報」(道路側インフラ30からの情報をベースに生成された対象物に関する情報)として、後段の指示部7に対して出力される。
【0017】
指示部7は、認識部5からのプレビュー情報と、情報取得部6からのインフラ情報とに基づいて、車両の自動制動を行うか否かを判断し、この判断結果を制御部8に対して指示する。制御部8は、自動制動が許可されている場合には、認識部5からのプレビュー情報に基づいて、対象物までの距離を考慮した制動制御を実行する。車両の制動手段としては、ブレーキによる制動、エンジンの出力低下による制動、或いは、変速機のシフトダウンによる制動等があるが、本実施形態では、最も急制動が可能なブレーキによる制動を用いている。車両制動時において、制御部8は、ブレーキ装置9を制御し、各車輪のホイールシリンダにブレーキ圧を導入する。これにより、ドライバーのブレーキ操作の有無に関わりなく、ブレーキがかかり、所定の減速度で車両が制動することになる。一方、制御部8は、自動制動が許可されていない場合には、上記のブレーキ制御を行わない。したがって、この場合、車両の制動は、専らドライバーのブレーキ操作に委ねられることになる。また、制御部8は、表示装置10およびスピーカー11を制御することにより、必要に応じて、情報取得部6が取得したサービス情報を表示したり、ドライバーへの注意喚起を意図した警報処理を行う。
【0018】
図3は、本実施形態にかかるシステム処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示すルーチンは、自車両がサービスエリアを走行している間、所定間隔で呼び出され、マイクロコンピュータ4によって実行される。まず、車両が基点DSRC31によって形成される情報伝達区間を通過することにより、基点情報が入力される。マイクロコンピュータ4は、基点情報に基づいて、この情報が基点DSRC31からの送信情報であることを特定すると、車両のサービスエリアへの進入を認識する。
【0019】
つぎに、車両が情報DSRC32によって形成される情報伝達区間を通過することにより、サービス情報が入力される。マイクロコンピュータ4は、サービス情報に基づいて、現在通過した情報DSRC32と組合わせられる基点DSRC31のIDを特定する。この特定されたIDと、先に通過した基点DSRC31のIDとが比較される。そして、両者のIDの一致が認められた場合に限り、このサービス情報が自車両に対して提供されている情報であると判断され、本ルーチンの初回サイクルが実行される。まず、ステップ1において、認識部5は、プレビューセンサ2からの情報を読み込む。
【0020】
ステップ2において、読み込んだ情報に基づいて、自車両前方の対象物が認識され、プレビュー情報が生成される。本実施形態において、認識すべき対象物は、先行車、歩行者或いは障害物といった立体物である。立体物の認識処理では、距離データが、垂直方向に延在する短冊状の区分(所定の水平方向幅)に分割され、各区分を代表する距離(代表距離)と、その代表距離に対応する立体物の存在位置とが求められる。つぎに、隣接する区分同士で代表距離を比較することにより、この代表距離が接近している各区分が同一のグループにまとめられる。グループに含まれる各区分に関する存在位置の並び方向がチェックされ、この並び方向が大きく変化する部分でグループが分割される。そして、存在位置の並び方向が車幅方向に略平行に並ぶグループが立体物に分類される。そして、立体物と分類されたグループについて、左右の端部位置を含む三次元的な位置が算出される(プレビュー情報の生成)。なお、対象物の認識には、画像データ、図示していない車速センサや舵角センサからのセンサ情報、或いはナビゲーション情報等も必要に応じて参照される。
【0021】
なお、立体物の認識処理の詳細については、特開平5−265547号公報または特開平8−45000号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
【0022】
ステップ3において、指示部7は、認識部5からのプレビュー情報に基づいて、自車両前方に、歩行者の候補となる立体物が存在するか否かを判断する。先行車と比べて歩行者はその大きさが小さいため、上述の並び方向の幅が所定値(例えば、1m)以下のグループは、歩行者である可能性が高い。そのため、指示部7は、立体物の認識処理において「立体物」と分類されたグループのうち、この条件を満たすグループを、歩行者の候補として特定する。このステップ3において、肯定判定された場合、すなわち、歩行者の候補が存在する場合には、ステップ4に進む。一方、ステップ3において、否定判定された場合、すなわち、歩行者の候補が存在しない場合には、ステップ4をスキップしてステップ5に進む。
【0023】
ステップ4では、歩行者検出フラグFsを「1」にセットし、ステップ5に進む。この歩行者検出フラグFsは、初期的には「0」にセットされており、プレビュー情報をベースとした前方認識において、歩行者の候補が存在していると判断された場合に、「1」にセットされる。
【0024】
ステップ5において、指示部7は、情報取得部6からのインフラ情報に基づいて、道路上(正確には、情報対象区間▲1▼,▲2▼がそれぞれカバーする横断歩道上)に歩行者が存在するか否かを判定する。このステップ5において肯定判定された場合、すなわち、右折方向の横断歩道または左折方向の横断歩道、或いは両方の横断歩道に歩行者が存在する場合には、ステップ6に進む。一方、ステップ5において否定判定された場合、すなわち、右折方向の横断歩道および左折方向の横断歩道において歩行者がそれぞれ存在しない場合には、ステップ12に進む。
【0025】
ステップ6において、プレビュー情報ベースにおける歩行者の候補の位置と、インフラ情報ベースにおける歩行者の位置とのマッチングが取れているか否かが判定される。なお、このマッチングでは、両者の位置が厳密に一致することまでは要求されず、例えば、図2に示す情報対象区間▲1▼,▲2▼としての領域的なマッチングがとれればよい。例えば、交差点を右折するケースにおいて、プレビュー情報ベースで右側の横断歩道上に歩行者の候補が検出された場合には、インフラ情報ベースにおいて情報対象区間▲2▼内に歩行者が存在すれば足りる。また、交差点を左折するケースにおいて、プレビュー情報ベースで左側の横断歩道上に歩行者の候補が検出された場合、インフラ情報ベースにおいて情報対象区間▲1▼内に歩行者が存在すれば足りる。なお、自車両の進行方向(右折・左折)は、図示しないターンシグナルの左右のオン状態を検出することによって判断できる。
【0026】
ステップ6において肯定判定された場合、すなわち、プレビュー情報ベースにおける歩行者の候補と、インフラ情報ベースにおける歩行者とのマッチングが取れていると判断された場合には、ステップ7に進む。このケースでは、両情報の一致により、プレビュー情報ベースにおける歩行者の候補は真の歩行者である(電柱などでない)可能性が高く、プレビュー情報としての信頼性が高い(高レベル)ものと見なされる。
【0027】
ステップ7において、制御部8は、歩行者までの距離Dと、制御介入距離Dthとを比較する。この制御介入距離Dthは、以下に示す数式1によって与えられる。
【数1】
Dth=V/(2×0.3×g)+Ts×V
【0028】
同数式において、Vは車両の速度であり、Tsはシステムの遅延時間である。図4は、制御介入距離Dthの説明図である。この制御介入距離Dthは、制御部8が、ブレーキ装置9の制御を開始すべき対象物と、この制御を開始する必要のない対象物とに切り分けるために設定される距離である。制御部8は、自車両を基準として制御介入距離Dthよりも内側(自車両側)に歩行者が割り込んだ場合には、自動ブレーキの制御を開始する必要があると判断する。一方、制御部8は、この制御介入距離Dthより外側に歩行者が存在する場合には、自動ブレーキの制御を開始する必要がないと判断する。
【0029】
プレビュー情報ベースにおける歩行者までの距離Dが制御介入距離Dth以下の場合(D≦Dth)には、ステップ7の肯定判定よりステップ8に進む。そして、ステップ8において、指示部7は制御部8に対して自動制動の許可を指示した上で、ブレーキ装置9による車両の自動制動が行われ(ステップ9)、本ルーチンを抜ける。
【0030】
これに対して、歩行者までの距離Dが制御介入距離Dthよりも大きな場合(Dth<D)、ステップ7の否定判定よりステップ10に進む。そして、ステップ10において、自動制動を禁止した上で、ステップ11に進む。したがって、この場合、車両の制動は、専らドライバーのブレーキ操作に委ねられる。ステップ10に続くステップ11において、自車両の進行方向に歩行者が存在する旨の注意喚起をドライバーに促すべく、表示装置10やスピーカー11が制御され(警報処理)、本ルーチンを抜ける。この警報処理としては、例えば、表示装置10を制御して、表示画面の点滅、「前方に歩行者が存在します」といったメッセージの表示、或いは交差点の状況を模した絵の表示を行うといった如くである。また、例えば、スピーカー11を制御して、警報音の出力、或いは、「前方に歩行者が存在します」といった音声アナウンスの出力を行うといった如くである。
【0031】
一方、上記のステップ6において否定判定された場合、すなわち、プレビュー情報ベースにおける歩行者の候補の位置と、インフラ情報ベースにおける歩行者の位置とのマッチングが取れていないと判断された場合には、ステップ13に進む。このケースでは、両情報の不一致により、プレビュー情報ベースで検出された歩行者の候補は、歩行者とは異なる立体物である可能性が高く、プレビュー情報としての信頼性が低い(低レベル)ものと見なされる。そして、ステップ13において、自動制動を禁止した上で、ステップ14に進む。そのため、プレビュー情報ベースにおける歩行者の候補が制御介入距離Dthよりも内側に割り込んだとしても、ブレーキ装置9の制御は行われない。そして、ステップ14において、制御部8は、インフラ情報に基づいて、例えば、横断歩道の歩行者の状況を模した絵を表示したり、これらの状況を表した音声アナウンスが出力し(情報提供)、本ルーチンを抜ける。
【0032】
また、ステップ5に続くステップ12では、歩行者検出フラグFsが「1」であるか否かが判断される。ステップ12において肯定判定された場合、すなわち、プレビュー情報ベースでは歩行者の候補が認識されているものの、インフラ情報ベースでは歩行者が認識されていない場合には、ステップ13に進む。そして、ステップ13において自動制動を禁止した上で、ステップ14に進む。そして、ステップ14において、制御部8は、情報提供を行った後に、本ルーチンを抜ける。
【0033】
一方、このステップ12において否定判定された場合、すなわち、プレビュー情報およびインフラ情報の双方において歩行者が認識されなかった場合には、ステップ14で自動制動を禁止した上で、本ルーチンを抜ける。
【0034】
このように、本実施形態によれば、プレビューセンサ2に基づいて、自車両前方に存在する対象物がプレビュー情報として検出される。これとともに、道路側インフラ30に基づいて、横断歩道上の歩行者がインフラ情報として検出される。そして、プレビュー情報ベースで検出された対象物のうちの歩行者の候補を特定するとともに、この歩行者の候補がインフラ情報でも同様に検出されている場合のみ、換言すれば、双方の情報のマッチングが取れていることを条件として、車両の自動制動が許可される。これにより、プレビュー情報ベースでの誤認識に起因して、状況に合致しない自動制動が実行されてしまう事態を回避することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、道路側インフラ30によって検出された歩行者情報を用いた関係上、対象物を歩行者として説明した。しかしながら、インフラ情報とプレビュー情報とを併用するという点に鑑みれば、本発明の対象物とは歩行者のみならず、先行車や対向車などであってもよい。具体的には、プレビュー情報ベースで検出された対象物(先行車)がインフラ情報でも同様に検出されている場合のみ、換言すれば、双方の情報のマッチングが取れていることを条件として、車両の自動制動が許可されるといった如くである。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、自車両に搭載されたプレビューセンサからの情報と、インフラからの情報とを併用することにより、状況に合致した車両制動を的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかる車両制動装置の全体構成を示すブロック図
【図2】道路側インフラを説明する図
【図3】本実施形態にかかるシステム処理を示すフローチャート
【図4】制御介入距離Dthの説明図
【符号の説明】
1 車両制動装置
2 プレビューセンサ
3 取得装置
4 マイクロコンピュータ
5 認識部
6 情報取得部
7 指示部
8 制御部
9 ブレーキ装置
10 表示装置
11 スピーカー
30 道路側インフラ
31 基点DSRC
32 情報DSRC

Claims (7)

  1. 車両制動装置において、
    自車両前方の状況を検出するプレビューセンサからの情報に基づいて対象物を認識し、当該認識された対象物の位置情報をプレビュー情報として出力する認識部と、
    道路上に設けられたインフラからの情報に基づいて、前記道路上の対象物を特定し、当該特定された対象物の位置情報をインフラ情報として出力する情報取得部と、
    車両の自動制動を行う制御部と、
    前記プレビュー情報における前記対象物の位置と、前記インフラ情報における前記対象物の位置とのマッチングが取れたことを条件として、前記制御部に対して前記車両の自動制動を許可する指示部とを有することを特徴とする車両制動装置。
  2. 前記情報取得部は、前記インフラによって検出される、交差点における歩行者の位置に関する歩行者情報を取得することを特徴とする請求項1に記載された車両制動装置。
  3. 前記指示部は、前記プレビュー情報における前記対象物の位置と、前記インフラ情報における前記対象物の位置とのマッチングが取れないことを条件として、前記制御部に対して前記車両の自動制動を許可しないことを特徴とする請求項1または2に記載された車両制動装置。
  4. 前記制御部は、前記プレビューセンサによる前記対象物の検出精度の信頼度に応じて、前記インフラからの情報に応じた情報提供、または、前記対象物に対する注意喚起を意図した警報を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載された車両制動装置。
  5. 車両制動方法において、
    自車両前方の状況を検出するプレビューセンサからの情報に基づいて対象物を認識し、当該認識された対象物の位置情報をプレビュー情報として出力する第1のステップと、
    道路上に設けられたインフラからの情報に基づいて、前記道路上の対象物を特定し、当該特定された対象物の位置情報をインフラ情報として出力する第2のステップと、
    車両の自動制動を行う第3のステップと、
    前記プレビュー情報における前記対象物の位置と、前記インフラ情報における前記対象物の位置とのマッチングが取れたことを条件として、前記車両の自動制動を許可する第4のステップとを有することを特徴とする車両制動方法。
  6. 前記第4のステップは、前記プレビュー情報における前記対象物の位置と、前記インフラ情報における前記対象物の位置とのマッチングが取れないことを条件として、前記車両の自動制動を許可しないことを特徴とする請求項5に記載された車両制動方法。
  7. 前記プレビューセンサによる前記対象物の検出精度の信頼度に応じて、前記インフラからの情報に応じた情報提供、または、前記対象物に対する注意喚起を意図した警報を行う第5のステップを有することを特徴とする請求項5または6に記載された車両制動方法。
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