JP2005022292A - 対象物の識別構造およびその構造が設けられた対象物 - Google Patents
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Abstract
【課題】偽造が極めて困難であり、かつその識別性も高い一般に流通する対象物の識別構造を安価に提供する。
【解決手段】対象物に設けるセキュリティ媒体に、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、所定の斜め方向から観察した場合に着色して見える単層のコレステリック液晶フィルムを用いることで、その高い識別性及び安定性に加えて高い製造困難性により対象物の真正性の判定を容易に、かつ信頼性良く行うことができ、偽造防止効果を向上し得る。
【選択図】 図1
【解決手段】対象物に設けるセキュリティ媒体に、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、所定の斜め方向から観察した場合に着色して見える単層のコレステリック液晶フィルムを用いることで、その高い識別性及び安定性に加えて高い製造困難性により対象物の真正性の判定を容易に、かつ信頼性良く行うことができ、偽造防止効果を向上し得る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パスポート、カード、証書、商品券、絵画、切符、公共競技投票券等の平面的な対象物または各種立体的な対象物の偽造防止を目的とする識別構造に関し、特に対象物に設けたセキュリティ媒体を目視または機械的に認識することにより、その真正性を識別するための構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばカード、証書類の偽造防止方法としては、その対象物の表面にホログラムを貼付し、これを目視により識別してその真正性を判定するものが一般的であった。また、目視による曖昧さを解消するべく特定の回折特性を有するホログラムを用い、該ホログラムに所定波長の光を照射し、その回折光の受光位置により真正性を判定するものも提案されている。
またコレステリック液晶の特異な光学的性質を利用し、当該液晶からなるフィルムをクレジットカードや証書、金券類の真正性を目視または機械的に判定する真正性識別媒体として、さらにはホログラムの光学特性をも付与した真正性識別媒体等のセキュリティ用途への各種応用が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−51193号公報
【特許文献2】
特開平11−42875号公報
【特許文献3】
特開平11−151877号公報
【特許文献4】
特開平11−277957号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年のホログラム製造技術の普及に伴い、ホログラムの製造が容易になり、特に目視用ホログラムは真正なものと区別のつかない程の複製(偽造)品が比較的容易に製造されるようになっている。そのため、ホログラムによる偽造防止効果が低くなっていることは否めない。また、他の偽造防止技術は高価であるなどの課題が残されている。
一方、コレステリック液晶フィルムは、その取扱い性などから一般に流通する物品に適したものであるが、偽造技術の高度化に伴い、さらなる偽造防止効果の要求が高まっている。
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決するべく案出されたものであり、偽造が極めて困難であり、かつその識別性も高い一般に流通する物品に適した対象物の識別構造及びその構造が設けられた対象物を安価に提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した目的は、本発明によれば、セキュリティ媒体として特定のコレステリック液晶フィルムを用いることにより達成される。具体的にはホログラムは、平面上の溝間隔によってその光学的な特性が定まることから、その溝の加工技術さえ有していれば比較的複製し易いが、本発明におけるコレステリック液晶フィルムは、その光学的な特性は立体的な分子間隔によって定まることから、その製造には材料、加工技術等に高いノウハウを必要とし、さらに特定の光学パラメーターを有することから複製は非常に困難である。そこで、本発明者らはコレステリック液晶フィルムの上記特性に着目し、かかる特性を利用してカード、パスポート、証券、商品券等の偽造を防止するための識別に利用することで、識別性を向上すると共に偽造防止効果をさらに向上することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明の第1は、対象物に設けたセキュリティ媒体を光学的に認識することにより、該対象物の真正性を識別するための対象物の識別構造であって、前記セキュリティ媒体に、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、所定の斜め方向から観察した場合に着色して見える単層のコレステリック液晶フィルムを用いたことを特徴とする対象物の識別構造に関する。
【0007】
また本発明の第2は、対象物に設けたセキュリティ媒体を光学的に認識することにより、該対象物の真正性を識別するための対象物の識別構造であって、前記セキュリティ媒体に、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、かつ、正面から斜めに観察角を移動した場合に、無色、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色、紫色の順のように短波長方向に色変化して観察できる単層のコレステリック液晶フィルムを用いたことを特徴とする対象物の識別構造に関する。
【0008】
また本発明の第3は、前記セキュリティ媒体からの反射光または透過光を、波長板及び偏光フィルタを通してまたは色フィルタを通して認識または検出することを特徴とする前記記載の対象物の識別構造に関する。
また本発明の第4は、前記コレステリック液晶フィルムを前記フィルタとして用いたことを特徴とする前記記載の対象物の識別構造に関する。
また本発明の第5は、前記セキュリティ媒体が、互いに異なる特性を有する複数種類のコレステリック液晶フィルムを予め定められた規則に従って配列してなる複数の領域から構成され、その配列パターンを認識することにより、対象物の真正性を識別するようになっていることを特徴とする前記記載の対象物の識別構造に関する。
また本発明の第6は、前記セキュリティ媒体が、コレステリック液晶からなる領域と、擬領域とを予め定められた規則に従って配列してなり、その配列パターンを認識することにより、対象物の真正性を識別するようになっていることを特徴とする前記記載の対象物の識別構造に関する。
【0009】
また本発明の第7は、前記記載の識別構造が設けられたことを特徴とする対象物に関する。
さらに本発明の第8は、前記記載の識別構造を利用したことを特徴とするセキュリティシステムに関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳述する。
一般にコレステリック液晶は層状構造をなしており、各層での分子長軸方向が互いに平行であり、かつ層面に平行である。また、各層は少しずつ回転して重なっており、立体的にスパイラル構造をとる。この方向因子が360°回転して元へ戻るまでの距離、即ちピッチpと、各層内の平均屈折率nとから、λ=n・pで表される波長λの円偏光に対して選択的に反射する特徴を有する。従って、上記各層の液晶の方向が、入射光に対して左回りならば、上記波長λの成分の左円偏光は反射され、右円偏光は透過する。また、その他の波長の光は全て透過する。例えば、可視光を吸収する黒紙の如き材料の上に、赤色の波長λRを反射するコレステリック液晶を配置し、太陽光などのランダム光を当てると透過光は全て吸収され、波長λRの左円偏光のみが反射されるので、コレステリック液晶は鮮やかな赤色に見える。
【0011】
また、コレステリック液晶は見る角度によって色が変わるという特徴を有する。これは、液晶面に対する入射角をθとすると、この液晶の表面と底面、即ちピッチp間で反射する光路差は2pcosθとなる。この光路差が波長λの整数倍に等しくなる(2p・cosθ=aλ(aは整数))と、両者の反射光は重複して強め合う。従って、入射角が浅くなるに従い強め合う波長は短く、即ち赤色から青色へ変化する。
【0012】
一方、一般に低分子の液晶は温度、電場及び磁気に敏感であり、それらの影響により色の変化を示すが、配向後にコレステリック配向が乱れないように例えば熱および/または光架橋により固定化した、若しくは温度差を利用してガラス固定化したコレステリック液晶フィルムはこれらに対して非常に安定であり、殆どその影響を受けない。
【0013】
ここで本発明で用いられるコレステリック液晶フィルムは、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、所定の斜め方向から観察した場合に着色して見える、さらに具体的には正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、かつ、正面から斜めに観察角を移動した場合に、無色、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色、紫色の順のように短波長方向に色変化することが観察され得るフィルムである。
【0014】
上記の如きコレステリック液晶フィルムは、フィルム材料となる液晶性高分子物質や液晶性低分子物質の種類、組成比等により異なるので一概には言えないが、当該液晶性物質を熱処理することによりコレステリック配向を形成し、液晶に応じた固定化処理を行うことにより得ることができる。
コレステリック配向を形成する際の熱処理温度としては、通常30〜250℃、好ましくは40〜240℃、特に好ましくは50〜230℃の範囲である。また熱処理時間は、通常5秒〜2時間、好ましくは10秒〜1時間、特に好ましくは20秒〜30分の範囲である。さらにコレステリック液晶フィルムのフィルム膜厚としては、通常0.3〜30μm、好ましくは0.5〜20μm、特に好ましくは0.7〜10μmの範囲である。
【0015】
また当該コレステリック配向の固定化方法としては、フィルム材料として高分子成分を主成分とする場合には、例えば所望のコレステリック液晶相を発現させた後、その状態から急冷してコレステリック配向を固定化する方法等を採用することができる。また低分子成分を主成分とする場合には、所望のコレステリック液晶相を発現させ、その状態を維持したまま光、熱または電子線等により架橋させてコレステリック配向を固定化する方法等を適宜採用することができる。
【0016】
コレステリック液晶フィルムのフィルム材料としては、配向基板上に均一でモノドメインなネマチック配向性を示し、かつその配向状態を容易に固定化できる液晶性高分子化合物に所定量の光学活性化合物を加えたコレステリック液晶性高分子物質、または均一でモノドメインなコレステリック配向性を示し、かつその配向状態を容易に固定化できるコレステリック液晶性高分子物質がある。
【0017】
ネマチック液晶性高分子物質としては、例えばポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミド等の主鎖型液晶性高分子化合物、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリマロネート、ポリシロキサン等の側鎖型液晶性高分子化合物を例示することができる。なかでも配向性が良く、合成も比較的容易である液晶性ポリエステルが望ましい。ポリマーの構成単位としては、例えば芳香族あるいは脂肪族ジオール単位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位を好適な例として挙げられる。
【0018】
またネマチック液晶性高分子物質にねじれを与え、コレステリック配向を形成させるために配合される光学活性な成分としては、代表的な例として光学活性な低分子化合物または低分子組成物を挙げることができる。光学活性な基を有するものであればいずれも本発明に使用することができるが、液晶性高分子化合物との相溶性の観点から光学活性な液晶性低分子化合物または液晶性低分子組成物であることが望ましい。
【0019】
また光学活性な成分として、光学活性な高分子化合物または高分子組成物も例示として挙げることができる。分子内に光学活性な基を有するものであればいずれも使用することができるが、上記液晶性高分子化合物との相溶性の観点から光学活性な液晶性高分子化合物または液晶性高分子組成物であることが望ましい。当該液晶性高分子化合物としては、例えばポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリマロネート、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリペプチド、セルロースまたはこれら液晶性高分子化合物を主成分とする組成物等を挙げることができる。なかでも芳香族主体の光学活性な液晶性ポリエステルが好ましい例として挙げられる。
【0020】
また分子内に光学活性な基を有する液晶性高分子化合物としては、高分子主鎖中に光学活性な基を有する例えばポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミド等、または高分子の側鎖に光学活性な基を有するポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリマロネート、ポリシロキサン等を例示として挙げることができる。なかでも配向性が良く、合成も比較的容易である液晶性ポリエステルが望ましい。ポリマーの構成単位としては、例えば芳香族あるいは脂肪族ジオール単位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位を好適な例として挙げられる。
【0021】
さらに本発明において、フィルム材料として低分子成分を主成分とする場合、分子内に架橋構造を有する低分子の液晶化合物を用いることが望ましい。このような低分子の液晶性化合物としては、例えばアクリロイル基、オキセタニル基、ビニル基やエポキシ基等の官能基を導入した液晶性低分子化合物、例えばビフェニル誘導体、フェニルベンゾエート誘導体、スチルベン誘導体などを基本骨格としたものが挙げられる。また当該液晶としては、ライオトロピック性、サーモトロピック性のどちらも用いることができるが、サーモトロピック性を示すものが作業性、プロセス等の観点からより好適である。
【0022】
また最終的に得られるコレステリック液晶フィルムの耐熱性を向上させるために、フィルム材料中に液晶性高分子物質や液晶性低分子物質等の他にコレステリック相の発現を妨げない範囲において、例えばビスアジド化合物やグリシジルメタクリレート等の架橋剤を添加することもでき、これら架橋剤を添加することによりコレステリック液晶相を発現させた状態で架橋させることもできる。さらにフィルム材料中には、二色性色素、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ハードコート剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲において適宜添加することもできる。
【0023】
以上のようなフィルム材料を用いて、配向基板上に単層のコレステリック液晶フィルムを形成する。基板としては、例えばガラス、プラスチックフィルム基板、プラスチックシート、偏光フィルムなどを例示することができる。ガラスとしては、青板ガラス、アルカリガラス、無アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラス、石英ガラスなどが用いられる。また、プラスチックフィルム基板としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、アモルファスポリオレフィン、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどを用いることができる。
【0024】
また配向膜としては、ラビング処理したポリイミドフィルムが好適に用いられるが、その他当該分野で公知の配向膜も使用することができる。また本発明においては、ポリイミド等を塗布することなく直接にラビング処理によって配向能を付与して得られるプラスチックフィルムやシートなども基板として使用できる。なお配向処理の方法は特に制限されるものではないが、コレステリック液晶分子を配向処理界面と一様に平行に配向させるものであればよい。
【0025】
次いで基板上または基板上に形成された配向膜上に、適当なピッチ長のコレステリック液晶フィルムを形成する。
基板上または配向膜上に液晶を展開する手段としては、溶融塗布、溶液塗布が挙げられるが、プロセス上溶液塗布が望ましい。
溶液塗布は、液晶を所定の割合で溶媒に溶解し、所定濃度の溶液を調製する。この際の溶媒は、用いる液晶の種類により異なるが、通常クロロホルム、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、オルソジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、これらとフェノール類との混合溶媒、ケトン類、エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、スルホラン、シクロヘキサン等の極性溶媒を用いることができる。また溶液の濃度は、用いる液晶により異なるため一概には言えないが、通常5〜50重量%の範囲、好ましくは7〜30重量%の範囲である。この溶液を配向膜上またはラビング処理などの配向処理を施した基板上に塗布する。
塗布の方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、カーテンコート法等を採用できる。
【0026】
塗布後溶媒を乾燥により除去し、所定温度で、所定時間熱処理してコレステリック配向を完成させる。こうして得られた配向を、液晶のガラス転移点以下の温度に冷却する、または光、熱、電子線等を照射し架橋することによりコレステリック配向を固定化することができる。
【0027】
本発明に供されるコレステリック液晶フィルム層の選択反射の波長帯域幅、膜厚、ねじれ巻き数等の各種光学パラメーターは最終的に得られる液晶性フィルムの用途等によって異なるため一概にはいえないが、選択反射の波長帯域幅は通常30〜500nm、コレステリック選択反射の中心波長としては、通常700〜2000nm、好ましくは750〜1100nmの近赤外域の範囲であり、液晶層の実膜厚は通常0.6〜6μmであることが望ましい。ここで選択反射の波長帯域幅とは、コレステリック配向を形成する液晶分子のねじれ方向と同一方向の円偏光を入射した際に、選択反射による反射率が70%以上となる波長範囲のことを意味する。中心波長が前記範囲から外れた場合、正面でも着色して見え透明でなくなる、あるいは斜めから見た場合でも着色して見えないことがあり、本発明の効果が得られないことが予測される。また液晶層の実膜厚が0.6μm未満の場合、コレステリック配向による選択反射効果が低減する恐れがある。さらにコレステリック液晶フィルム層における液晶層のねじれ巻き数は、通常2〜20巻きであることが望ましい。2巻き未満の場合には、コレステリック配向による選択反射効果が十分に得ることができない恐れがある。
【0028】
このようにして得られたコレステリック液晶フィルムの液晶面には、当該面を保護するためのオーバーコート層を形成することもできる。オーバーコート層は、特に制限されるものではないが、例えば硬化後、光学的に等方性を示す接着剤等の塗膜成型物等を利用することができる。オーバーコート層に接着剤を用いる場合、コレステリック液晶フィルムの液晶面と再剥離性基板を接着剤を介して接着し、接着剤硬化後、再剥離性基板を剥離することによりオーバーコート層を形成することができる。再剥離性基板とは、再剥離性を有し、自己支持性を具備する基板であれば特に制限されるものではなく、例えば剥離性を有するプラスチックフィルム基板等が用いられる。ここでいう再剥離性とは、接着剤を介してコレステリック液晶フィルムと再剥離性基板とを接着した状態において、接着剤と再剥離性基板との界面で剥離できることを意味する。
【0029】
また前記接着剤は、コレステリック液晶フィルムと再剥離性基板とを接着することができ、かつ再剥離性基板を剥離することができれば特に限定されない。接着剤は、硬化手段によって例えば光硬化型、電子線硬化型、熱硬化型等に分類できるがいずれも好適に用いることができる。なかでもアクリル系オリゴマーを主成分とする光硬化型、電子線硬化型接着剤、エポキシ樹脂系の光硬化型、電子線硬化型接着剤がより好適に用いられる。
【0030】
コレステリック液晶フィルムと再剥離性基板との接着の形態としては特に限定されるものではないが、該フィルムと該基板との間に層状の接着剤層を配するのが一般的である。かかる接着剤層の厚さは特に限定されないが、通常1μm〜30μm程度である。また接着剤には、本発明の効果を損なわない範囲で酸化防止剤、紫外線吸収剤、ハードコート剤等の各種添加剤を配合してもよい。
【0031】
ハードコート層を設けた後、または再剥離性基板を設けた後、配向基板を剥離除去し、当該基板が接していたコレステリック液晶フィルム面に接着剤層を設けた後、所望とする転写素子等としてセキュリティ媒体の半製品を得ることができる。
対象物へセキュリティ媒体を付与する方法としては、特に制限されるものではなく、また半製品の形態にもよるが例えばホットスタンプ法、ヒートシール法、ロール式手貼りのシール等を用いて容易に付与することができる。
【0032】
本発明のセキュリティ媒体は、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、所定の斜め方向から観察した場合に着色して見える単層のコレステリック液晶フィルム、または、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、かつ、正面から斜めに観察角を移動した場合に、無色、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色、紫色の順のように短波長方向への色変化が観察できるコレステリック液晶フィルムを用いることから、当該セキュリティ媒体が対象物に付与されているか否か瞬間的には認識することができない。また斜めから観察したときに色が観察されることから、特別な検出器等を使わずしてその真正性を容易に確認することができる。またセキュリティ媒体の反射光または透過光を、波長板および同様のコレステリック液晶フィルムや円偏光板等から成る偏光フィルタを通して、または色フィルタを通して認識または検出することにより、さらにその真正性を確認することができる。さらには写真や印刷物の上を覆うようセキュリティ媒体を付与した場合においても、正面から観察した場合には、当該フィルムが無色透明であることから意匠性を損なうことがない。また斜めから観察することにより、着色に伴なう意匠性を別途付与することになり、意匠面においても優れる。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明によれば、対象物に設けるセキュリティ媒体に、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、所定の斜め方向から観察した場合に着色して見える単層のコレステリック液晶フィルム、または、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、かつ、正面から斜めに観察角を移動した場合に、無色、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色、紫色の順のように短波長方向への色変化が観察できるコレステリック液晶フィルムを用いることで、該フィルムが付与される個所に写真やイラスト等の印刷、また文字やデザイン等の意匠が施されている場合でも正面から観察した場合には対象物の意匠を損なうことがなく、その高い識別性及び安定性に加えて高い製造困難性により対象物の真正性の判定を容易に、かつ信頼性良く行うことができ、偽造防止効果を向上し得る等、その工業的価値は極めて高い。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明にこれらに制限されるものではない。
図1に示すように、所定のピッチpの高分子コレステリック液晶を形成した箔1を、例えばホットスタンプ法によってカード、パスポート、証券、商品券等の対象物Aの適所または全体に1つまたは2つ以上貼り付ける。ここで、ホットスタンプとは、図9に示すような装置を用いて装飾薄膜を瞬間的な熱と圧力とにより対象物の表面に転写する方法である。具体的には、ホルダ61に対象物Aをセットし、供給ロール62から供給され、巻き取りロール63に巻き取られるホットスタンピングホイル64を、図示されないシリンダ等のアクチュエータにより駆動されると共に加熱板65により加熱される凸型金型66により対象物Aに押圧する。ホットスタンピングホイル64は、一般にベースフィルムに離型層、保護層、金属薄膜層及び接着層を重ねたものであり、押圧時にその圧力及び熱によりベースフィルムから保護層、コレステリック液晶フィルムを形成した金属薄膜層及び接着層が離型し、対象物に転写され、箔1をなすようになる。
このようにして対象物に設けられた箔1、即ち単層のコレステリック液晶フィルムを目視により、または機械により読み取り、認識することとなる。
尚、対象物にセキュリティ媒体としての箔1を貼付する方法としては上記ホットスタンプ以外にヒートシール法、ロール式手貼りのシール等がある。
【0035】
(実施例1)
図2に示すように、本発明による単層のコレステリック液晶フィルムからなるセキュリティ媒体としての箔1を対象物Aの適所に転写、または貼り付けている。
これにランダム光を当てた場合、液晶の特性に応じた色を反射することから、これを目視により、または機械的に検出することによりその真正性を判定できる。但し、通常のインクを塗布(印刷)した場合でも或る程度これと同様な効果は得られることから、液晶面に対して光の入射角θを徐々に浅く変化させ、その色変化により識別すると良い。前述したように反射光の強め合う波長は短波光側に連続的に変化し反射光の色を変化することから、これにより、その真正性を確実に判定できる。云うまでもなく、通常のインクを塗布したものでは入射角変化によって反射光の色(波長)変化は得られない。
【0036】
(実施例2)
図3に示すように、本実施例では、識別時、対象物Aの適所に転写、または貼り付けたセキュリティ媒体としてのコレステリック液晶フィルムからなる箔1と直交する方向に対してθ1だけ傾けた方向から光が入射した場合の反射光の方向に、この液晶の反射波長をカットするフィルタ2を配置し、箔1と直交する方向に対してθ2だけ傾けた方向から光が入射した場合の反射光の方向に上記同様なフィルタ3を配置する。
この箔1にランダム光を所定の角度θ1から入射した場合、例えばこの液晶が赤色光を反射する特性を有するものとすると、反射光がフィルタ2を透過せず、暗くなり、反射光を認識できないが、さらにθ2だけ傾けた方向から光を入射した場合、強め合う波長が短くなり(青色に近くなり)、フィルタ3を透過し、反射光を認識できる。これを目視により認識し、真正性を判定しても良いが、受光素子等を上記各方向に対応する位置に配置して反射光の受光強度を検出して真正性を判定しても良い。
【0037】
(実施例3)
図4に示すように、本実施例では、識別時、対象物Aの適所に転写、または貼り付けたセキュリティ媒体としてのコレステリック液晶フィルムからなる箔1からの反射光の至る位置に、この液晶と同じ特性、即ち箔1のコレステリック液晶フィルムと同じ波長の同じ円偏光成分のみを反射する特性を有するコレステリック液晶フィルムからなる液晶フィルタ4を配置する。
この箔1にランダム光を入射した場合、その反射光はフィルタ4を透過せず、暗くなり、反射光を認識できないが、フィルタ4を介さずに見ると所定の色の反射光を認識できる。その差を目視により認識し、真正性を判定しても良いが、フィルタ4を介在させた場合とさせない場合とで受光素子等により反射光の受光強度を検出し、その差から真正性を判定しても良い。
【0038】
(実施例4)
図5に示すように、本実施例では、対象物Aの適所に、セキュリティ媒体としての互いに異なる特性を有する2種類のコレステリック液晶フィルム21a、21bを重ねて形成した箔21を転写、または貼り付けている。
また識別時、箔21からの反射光の至る位置に、各液晶フィルム21a、21bと同じ特性を有するコレステリック液晶フィルムからなる液晶フィルタ5、6を配置する。
例えば、液晶フィルム21a及び液晶フィルタ5は赤色を反射し、液晶フィルム21b及び液晶フィルタ6は青色を反射するものとすると、まずランダム光が入射したときの箔21からの反射光は紫色になる。また、その反射光を液晶フィルタ5を介して見ると透過光は青色になり、液晶フィルタ6を介して見ると赤色になる。従って、その違いを直接目視により認識し、真正性を判定しても良いが、両者の波長を検出して比較することにより真正性を判定しても良い。
【0039】
(実施例5)
図6(a)に示すように、本実施例では、対象物Aの適所または全体に、セキュリティ媒体としての互いに異なる特性を有する2種類のコレステリック液晶フィルム31a、31bを互いに重ならないようにデザイン図形、文字または模様をなすように形成した箔31を転写、または貼り付けている。これらの液晶フィルムは反射波長は同じであるが、反射する円偏向成分が相反するものである。即ち、液晶フィルム31aが右円偏向成分を反射するものであり、液晶フィルム31bが左円偏向成分を反射するものであるとする。
また識別時、箔31からの反射光の至る位置に、液晶フィルム31a、31bのいずれか一方と同じ特性を有するコレステリック液晶フィルムからなる液晶フィルタ7を配置する(図6(b))。
ランダム光が入射したときの箔31からの反射光は液晶フィルム31a、31bの反射波長に応じた色になるが、液晶フィルム31aと液晶フィルム31bとの区別、即ちデザイン図形、文字または模様を認識することはできない。そこで、その反射光を液晶フィルタ7を介して見ると、液晶フィルム31a、31bのいずれか一方からの反射光が見えなくなり、デザイン図形、文字または模様が認識できるようになる。これを直接目視により認識し、真正性を判定することとなる。
【0040】
(実施例6)
本実施例では対象物Aの適所に転写、または貼り付けられたセキュリティ媒体としての箔41(コレステリック液晶フィルム)が赤外線を反射するようになっている。従って、可視光を反射しないことから目視では透明となる。
また図7に示すように、識別時、赤外線レーザの発光素子8から赤外線レーザを箔41に照射するようになっている。その反射光の至る位置には、λ/4板9、偏光フィルタ10及び受光素子11がこの順番に配置されている。
識別時、赤外線レーザを箔41に照射し、その反射光をλ/4板9で直線偏光に変換し、その光軸に合わせて偏光フィルタ10を通して受光部11で受光することにより、その受光強度から真正性を判定することができる。
【0041】
(実施例7)
本実施例では、対象物Aの適所に、赤外線を反射するコレステリック液晶フィルムからなる箔51a、51cと透明なPETフィルム51b、51d、51eとが予め定められた規則に従って配列され、セキュリティ媒体を構成している。識別時、箔51a、PETフィルム51b、箔51c、PETフィルム51d、51eを順番にスキャンして実施例6と同様にその反射光をλ/4板、偏光フィルタを通して受光部で受光すると、箔51a、51cの受光強度のみが強くなることから、例えば所定値以上の受光強度を「1」、それ以外を「0」として、上記配列パターンの場合、「10100」という2値データが得られる。これを予め記憶されたデータと比較することにより、その真正性を判定することができる。その組み合わせは、箔またはフィルムの数をnとして2n−1通りである。尚、PETフィルムに代えて箔51a、51cのコレステリック液晶フィルムと異なる特性を有するコレステリック液晶フィルムからなる箔を用い、その特性の差から上記の如く2値データを読み取っても良い。
【0042】
(実施例8)
本実施例では対象物Aの適所に転写、または貼り付けられたセキュリティ媒体としての箔1としてのコレステリック液晶フィルムの中心波長が800nmになっている。
このセキュリティ媒体を正面から観察した場合,コレステリック液晶フィルムの反射光が可視光でないため、目視では反射光を認識することができないが、斜め約30度から観察した場合に赤色に見えることから、本発明による効果が確認された。
【0043】
(実施例9)
本実施例では対象物Aの適所に転写、または貼り付けられたセキュリティ媒体としての箔1としてのコレステリック液晶フィルムの中心波長が800nmになっている。
このセキュリティ媒体を正面から観察した場合、コレステリック液晶フィルムの反射光が近赤外域にあり可視光でないため、目視では反射光を認識することができないが、斜め約30度から観察した場合に赤色に、斜め約40度では黄色に、さらには斜め約50度では緑色に順次色変わりし、観察角を大きくすることにより着色が短波長方向に色変わりすることから、本発明による効果が確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく識別構造が設けられた対象物の基本構成を示す斜視図である。
【図2】実施例1に於ける構成を示す斜視図である。
【図3】実施例2に於ける構成を示す斜視図である。
【図4】実施例3に於ける構成を示す斜視図である。
【図5】実施例4に於ける構成を示す拡大断面図である。
【図6】実施例5に於ける構成を示す平面図である。
【図7】実施例6に於ける構成を示す斜視図である。
【図8】実施例7に於ける構成を示す斜視図である。
【図9】ホットスタンピング装置の概略構成を示す側面図である。
【符号の説明】
A 対象物
1 箔
2、3 フィルタ
4〜7 液晶フィルタ
8 赤外線レーザ発光素子
9 λ/4板
10 偏光フィルタ
11 受光素子
21 箔(コレステリック液晶フィルム)
21a、21b コレステリック液晶フィルム
31 箔(コレステリック液晶フィルム)
31a、31b コレステリック液晶フィルム
41、51 箔
51a、51c 箔(コレステリック液晶フィルム)
51b、51d、51e PETフィルム
61 ホルダ
62 供給ロール
63 巻き取りロール
64 ホットスタンピングホイル
65 加熱板
66 凸型金型
【発明の属する技術分野】
本発明は、パスポート、カード、証書、商品券、絵画、切符、公共競技投票券等の平面的な対象物または各種立体的な対象物の偽造防止を目的とする識別構造に関し、特に対象物に設けたセキュリティ媒体を目視または機械的に認識することにより、その真正性を識別するための構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばカード、証書類の偽造防止方法としては、その対象物の表面にホログラムを貼付し、これを目視により識別してその真正性を判定するものが一般的であった。また、目視による曖昧さを解消するべく特定の回折特性を有するホログラムを用い、該ホログラムに所定波長の光を照射し、その回折光の受光位置により真正性を判定するものも提案されている。
またコレステリック液晶の特異な光学的性質を利用し、当該液晶からなるフィルムをクレジットカードや証書、金券類の真正性を目視または機械的に判定する真正性識別媒体として、さらにはホログラムの光学特性をも付与した真正性識別媒体等のセキュリティ用途への各種応用が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−51193号公報
【特許文献2】
特開平11−42875号公報
【特許文献3】
特開平11−151877号公報
【特許文献4】
特開平11−277957号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年のホログラム製造技術の普及に伴い、ホログラムの製造が容易になり、特に目視用ホログラムは真正なものと区別のつかない程の複製(偽造)品が比較的容易に製造されるようになっている。そのため、ホログラムによる偽造防止効果が低くなっていることは否めない。また、他の偽造防止技術は高価であるなどの課題が残されている。
一方、コレステリック液晶フィルムは、その取扱い性などから一般に流通する物品に適したものであるが、偽造技術の高度化に伴い、さらなる偽造防止効果の要求が高まっている。
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決するべく案出されたものであり、偽造が極めて困難であり、かつその識別性も高い一般に流通する物品に適した対象物の識別構造及びその構造が設けられた対象物を安価に提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した目的は、本発明によれば、セキュリティ媒体として特定のコレステリック液晶フィルムを用いることにより達成される。具体的にはホログラムは、平面上の溝間隔によってその光学的な特性が定まることから、その溝の加工技術さえ有していれば比較的複製し易いが、本発明におけるコレステリック液晶フィルムは、その光学的な特性は立体的な分子間隔によって定まることから、その製造には材料、加工技術等に高いノウハウを必要とし、さらに特定の光学パラメーターを有することから複製は非常に困難である。そこで、本発明者らはコレステリック液晶フィルムの上記特性に着目し、かかる特性を利用してカード、パスポート、証券、商品券等の偽造を防止するための識別に利用することで、識別性を向上すると共に偽造防止効果をさらに向上することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明の第1は、対象物に設けたセキュリティ媒体を光学的に認識することにより、該対象物の真正性を識別するための対象物の識別構造であって、前記セキュリティ媒体に、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、所定の斜め方向から観察した場合に着色して見える単層のコレステリック液晶フィルムを用いたことを特徴とする対象物の識別構造に関する。
【0007】
また本発明の第2は、対象物に設けたセキュリティ媒体を光学的に認識することにより、該対象物の真正性を識別するための対象物の識別構造であって、前記セキュリティ媒体に、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、かつ、正面から斜めに観察角を移動した場合に、無色、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色、紫色の順のように短波長方向に色変化して観察できる単層のコレステリック液晶フィルムを用いたことを特徴とする対象物の識別構造に関する。
【0008】
また本発明の第3は、前記セキュリティ媒体からの反射光または透過光を、波長板及び偏光フィルタを通してまたは色フィルタを通して認識または検出することを特徴とする前記記載の対象物の識別構造に関する。
また本発明の第4は、前記コレステリック液晶フィルムを前記フィルタとして用いたことを特徴とする前記記載の対象物の識別構造に関する。
また本発明の第5は、前記セキュリティ媒体が、互いに異なる特性を有する複数種類のコレステリック液晶フィルムを予め定められた規則に従って配列してなる複数の領域から構成され、その配列パターンを認識することにより、対象物の真正性を識別するようになっていることを特徴とする前記記載の対象物の識別構造に関する。
また本発明の第6は、前記セキュリティ媒体が、コレステリック液晶からなる領域と、擬領域とを予め定められた規則に従って配列してなり、その配列パターンを認識することにより、対象物の真正性を識別するようになっていることを特徴とする前記記載の対象物の識別構造に関する。
【0009】
また本発明の第7は、前記記載の識別構造が設けられたことを特徴とする対象物に関する。
さらに本発明の第8は、前記記載の識別構造を利用したことを特徴とするセキュリティシステムに関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳述する。
一般にコレステリック液晶は層状構造をなしており、各層での分子長軸方向が互いに平行であり、かつ層面に平行である。また、各層は少しずつ回転して重なっており、立体的にスパイラル構造をとる。この方向因子が360°回転して元へ戻るまでの距離、即ちピッチpと、各層内の平均屈折率nとから、λ=n・pで表される波長λの円偏光に対して選択的に反射する特徴を有する。従って、上記各層の液晶の方向が、入射光に対して左回りならば、上記波長λの成分の左円偏光は反射され、右円偏光は透過する。また、その他の波長の光は全て透過する。例えば、可視光を吸収する黒紙の如き材料の上に、赤色の波長λRを反射するコレステリック液晶を配置し、太陽光などのランダム光を当てると透過光は全て吸収され、波長λRの左円偏光のみが反射されるので、コレステリック液晶は鮮やかな赤色に見える。
【0011】
また、コレステリック液晶は見る角度によって色が変わるという特徴を有する。これは、液晶面に対する入射角をθとすると、この液晶の表面と底面、即ちピッチp間で反射する光路差は2pcosθとなる。この光路差が波長λの整数倍に等しくなる(2p・cosθ=aλ(aは整数))と、両者の反射光は重複して強め合う。従って、入射角が浅くなるに従い強め合う波長は短く、即ち赤色から青色へ変化する。
【0012】
一方、一般に低分子の液晶は温度、電場及び磁気に敏感であり、それらの影響により色の変化を示すが、配向後にコレステリック配向が乱れないように例えば熱および/または光架橋により固定化した、若しくは温度差を利用してガラス固定化したコレステリック液晶フィルムはこれらに対して非常に安定であり、殆どその影響を受けない。
【0013】
ここで本発明で用いられるコレステリック液晶フィルムは、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、所定の斜め方向から観察した場合に着色して見える、さらに具体的には正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、かつ、正面から斜めに観察角を移動した場合に、無色、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色、紫色の順のように短波長方向に色変化することが観察され得るフィルムである。
【0014】
上記の如きコレステリック液晶フィルムは、フィルム材料となる液晶性高分子物質や液晶性低分子物質の種類、組成比等により異なるので一概には言えないが、当該液晶性物質を熱処理することによりコレステリック配向を形成し、液晶に応じた固定化処理を行うことにより得ることができる。
コレステリック配向を形成する際の熱処理温度としては、通常30〜250℃、好ましくは40〜240℃、特に好ましくは50〜230℃の範囲である。また熱処理時間は、通常5秒〜2時間、好ましくは10秒〜1時間、特に好ましくは20秒〜30分の範囲である。さらにコレステリック液晶フィルムのフィルム膜厚としては、通常0.3〜30μm、好ましくは0.5〜20μm、特に好ましくは0.7〜10μmの範囲である。
【0015】
また当該コレステリック配向の固定化方法としては、フィルム材料として高分子成分を主成分とする場合には、例えば所望のコレステリック液晶相を発現させた後、その状態から急冷してコレステリック配向を固定化する方法等を採用することができる。また低分子成分を主成分とする場合には、所望のコレステリック液晶相を発現させ、その状態を維持したまま光、熱または電子線等により架橋させてコレステリック配向を固定化する方法等を適宜採用することができる。
【0016】
コレステリック液晶フィルムのフィルム材料としては、配向基板上に均一でモノドメインなネマチック配向性を示し、かつその配向状態を容易に固定化できる液晶性高分子化合物に所定量の光学活性化合物を加えたコレステリック液晶性高分子物質、または均一でモノドメインなコレステリック配向性を示し、かつその配向状態を容易に固定化できるコレステリック液晶性高分子物質がある。
【0017】
ネマチック液晶性高分子物質としては、例えばポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミド等の主鎖型液晶性高分子化合物、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリマロネート、ポリシロキサン等の側鎖型液晶性高分子化合物を例示することができる。なかでも配向性が良く、合成も比較的容易である液晶性ポリエステルが望ましい。ポリマーの構成単位としては、例えば芳香族あるいは脂肪族ジオール単位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位を好適な例として挙げられる。
【0018】
またネマチック液晶性高分子物質にねじれを与え、コレステリック配向を形成させるために配合される光学活性な成分としては、代表的な例として光学活性な低分子化合物または低分子組成物を挙げることができる。光学活性な基を有するものであればいずれも本発明に使用することができるが、液晶性高分子化合物との相溶性の観点から光学活性な液晶性低分子化合物または液晶性低分子組成物であることが望ましい。
【0019】
また光学活性な成分として、光学活性な高分子化合物または高分子組成物も例示として挙げることができる。分子内に光学活性な基を有するものであればいずれも使用することができるが、上記液晶性高分子化合物との相溶性の観点から光学活性な液晶性高分子化合物または液晶性高分子組成物であることが望ましい。当該液晶性高分子化合物としては、例えばポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリマロネート、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリペプチド、セルロースまたはこれら液晶性高分子化合物を主成分とする組成物等を挙げることができる。なかでも芳香族主体の光学活性な液晶性ポリエステルが好ましい例として挙げられる。
【0020】
また分子内に光学活性な基を有する液晶性高分子化合物としては、高分子主鎖中に光学活性な基を有する例えばポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミド等、または高分子の側鎖に光学活性な基を有するポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリマロネート、ポリシロキサン等を例示として挙げることができる。なかでも配向性が良く、合成も比較的容易である液晶性ポリエステルが望ましい。ポリマーの構成単位としては、例えば芳香族あるいは脂肪族ジオール単位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位を好適な例として挙げられる。
【0021】
さらに本発明において、フィルム材料として低分子成分を主成分とする場合、分子内に架橋構造を有する低分子の液晶化合物を用いることが望ましい。このような低分子の液晶性化合物としては、例えばアクリロイル基、オキセタニル基、ビニル基やエポキシ基等の官能基を導入した液晶性低分子化合物、例えばビフェニル誘導体、フェニルベンゾエート誘導体、スチルベン誘導体などを基本骨格としたものが挙げられる。また当該液晶としては、ライオトロピック性、サーモトロピック性のどちらも用いることができるが、サーモトロピック性を示すものが作業性、プロセス等の観点からより好適である。
【0022】
また最終的に得られるコレステリック液晶フィルムの耐熱性を向上させるために、フィルム材料中に液晶性高分子物質や液晶性低分子物質等の他にコレステリック相の発現を妨げない範囲において、例えばビスアジド化合物やグリシジルメタクリレート等の架橋剤を添加することもでき、これら架橋剤を添加することによりコレステリック液晶相を発現させた状態で架橋させることもできる。さらにフィルム材料中には、二色性色素、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ハードコート剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲において適宜添加することもできる。
【0023】
以上のようなフィルム材料を用いて、配向基板上に単層のコレステリック液晶フィルムを形成する。基板としては、例えばガラス、プラスチックフィルム基板、プラスチックシート、偏光フィルムなどを例示することができる。ガラスとしては、青板ガラス、アルカリガラス、無アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラス、石英ガラスなどが用いられる。また、プラスチックフィルム基板としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、アモルファスポリオレフィン、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどを用いることができる。
【0024】
また配向膜としては、ラビング処理したポリイミドフィルムが好適に用いられるが、その他当該分野で公知の配向膜も使用することができる。また本発明においては、ポリイミド等を塗布することなく直接にラビング処理によって配向能を付与して得られるプラスチックフィルムやシートなども基板として使用できる。なお配向処理の方法は特に制限されるものではないが、コレステリック液晶分子を配向処理界面と一様に平行に配向させるものであればよい。
【0025】
次いで基板上または基板上に形成された配向膜上に、適当なピッチ長のコレステリック液晶フィルムを形成する。
基板上または配向膜上に液晶を展開する手段としては、溶融塗布、溶液塗布が挙げられるが、プロセス上溶液塗布が望ましい。
溶液塗布は、液晶を所定の割合で溶媒に溶解し、所定濃度の溶液を調製する。この際の溶媒は、用いる液晶の種類により異なるが、通常クロロホルム、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、オルソジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、これらとフェノール類との混合溶媒、ケトン類、エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、スルホラン、シクロヘキサン等の極性溶媒を用いることができる。また溶液の濃度は、用いる液晶により異なるため一概には言えないが、通常5〜50重量%の範囲、好ましくは7〜30重量%の範囲である。この溶液を配向膜上またはラビング処理などの配向処理を施した基板上に塗布する。
塗布の方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、カーテンコート法等を採用できる。
【0026】
塗布後溶媒を乾燥により除去し、所定温度で、所定時間熱処理してコレステリック配向を完成させる。こうして得られた配向を、液晶のガラス転移点以下の温度に冷却する、または光、熱、電子線等を照射し架橋することによりコレステリック配向を固定化することができる。
【0027】
本発明に供されるコレステリック液晶フィルム層の選択反射の波長帯域幅、膜厚、ねじれ巻き数等の各種光学パラメーターは最終的に得られる液晶性フィルムの用途等によって異なるため一概にはいえないが、選択反射の波長帯域幅は通常30〜500nm、コレステリック選択反射の中心波長としては、通常700〜2000nm、好ましくは750〜1100nmの近赤外域の範囲であり、液晶層の実膜厚は通常0.6〜6μmであることが望ましい。ここで選択反射の波長帯域幅とは、コレステリック配向を形成する液晶分子のねじれ方向と同一方向の円偏光を入射した際に、選択反射による反射率が70%以上となる波長範囲のことを意味する。中心波長が前記範囲から外れた場合、正面でも着色して見え透明でなくなる、あるいは斜めから見た場合でも着色して見えないことがあり、本発明の効果が得られないことが予測される。また液晶層の実膜厚が0.6μm未満の場合、コレステリック配向による選択反射効果が低減する恐れがある。さらにコレステリック液晶フィルム層における液晶層のねじれ巻き数は、通常2〜20巻きであることが望ましい。2巻き未満の場合には、コレステリック配向による選択反射効果が十分に得ることができない恐れがある。
【0028】
このようにして得られたコレステリック液晶フィルムの液晶面には、当該面を保護するためのオーバーコート層を形成することもできる。オーバーコート層は、特に制限されるものではないが、例えば硬化後、光学的に等方性を示す接着剤等の塗膜成型物等を利用することができる。オーバーコート層に接着剤を用いる場合、コレステリック液晶フィルムの液晶面と再剥離性基板を接着剤を介して接着し、接着剤硬化後、再剥離性基板を剥離することによりオーバーコート層を形成することができる。再剥離性基板とは、再剥離性を有し、自己支持性を具備する基板であれば特に制限されるものではなく、例えば剥離性を有するプラスチックフィルム基板等が用いられる。ここでいう再剥離性とは、接着剤を介してコレステリック液晶フィルムと再剥離性基板とを接着した状態において、接着剤と再剥離性基板との界面で剥離できることを意味する。
【0029】
また前記接着剤は、コレステリック液晶フィルムと再剥離性基板とを接着することができ、かつ再剥離性基板を剥離することができれば特に限定されない。接着剤は、硬化手段によって例えば光硬化型、電子線硬化型、熱硬化型等に分類できるがいずれも好適に用いることができる。なかでもアクリル系オリゴマーを主成分とする光硬化型、電子線硬化型接着剤、エポキシ樹脂系の光硬化型、電子線硬化型接着剤がより好適に用いられる。
【0030】
コレステリック液晶フィルムと再剥離性基板との接着の形態としては特に限定されるものではないが、該フィルムと該基板との間に層状の接着剤層を配するのが一般的である。かかる接着剤層の厚さは特に限定されないが、通常1μm〜30μm程度である。また接着剤には、本発明の効果を損なわない範囲で酸化防止剤、紫外線吸収剤、ハードコート剤等の各種添加剤を配合してもよい。
【0031】
ハードコート層を設けた後、または再剥離性基板を設けた後、配向基板を剥離除去し、当該基板が接していたコレステリック液晶フィルム面に接着剤層を設けた後、所望とする転写素子等としてセキュリティ媒体の半製品を得ることができる。
対象物へセキュリティ媒体を付与する方法としては、特に制限されるものではなく、また半製品の形態にもよるが例えばホットスタンプ法、ヒートシール法、ロール式手貼りのシール等を用いて容易に付与することができる。
【0032】
本発明のセキュリティ媒体は、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、所定の斜め方向から観察した場合に着色して見える単層のコレステリック液晶フィルム、または、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、かつ、正面から斜めに観察角を移動した場合に、無色、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色、紫色の順のように短波長方向への色変化が観察できるコレステリック液晶フィルムを用いることから、当該セキュリティ媒体が対象物に付与されているか否か瞬間的には認識することができない。また斜めから観察したときに色が観察されることから、特別な検出器等を使わずしてその真正性を容易に確認することができる。またセキュリティ媒体の反射光または透過光を、波長板および同様のコレステリック液晶フィルムや円偏光板等から成る偏光フィルタを通して、または色フィルタを通して認識または検出することにより、さらにその真正性を確認することができる。さらには写真や印刷物の上を覆うようセキュリティ媒体を付与した場合においても、正面から観察した場合には、当該フィルムが無色透明であることから意匠性を損なうことがない。また斜めから観察することにより、着色に伴なう意匠性を別途付与することになり、意匠面においても優れる。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明によれば、対象物に設けるセキュリティ媒体に、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、所定の斜め方向から観察した場合に着色して見える単層のコレステリック液晶フィルム、または、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、かつ、正面から斜めに観察角を移動した場合に、無色、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色、紫色の順のように短波長方向への色変化が観察できるコレステリック液晶フィルムを用いることで、該フィルムが付与される個所に写真やイラスト等の印刷、また文字やデザイン等の意匠が施されている場合でも正面から観察した場合には対象物の意匠を損なうことがなく、その高い識別性及び安定性に加えて高い製造困難性により対象物の真正性の判定を容易に、かつ信頼性良く行うことができ、偽造防止効果を向上し得る等、その工業的価値は極めて高い。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明にこれらに制限されるものではない。
図1に示すように、所定のピッチpの高分子コレステリック液晶を形成した箔1を、例えばホットスタンプ法によってカード、パスポート、証券、商品券等の対象物Aの適所または全体に1つまたは2つ以上貼り付ける。ここで、ホットスタンプとは、図9に示すような装置を用いて装飾薄膜を瞬間的な熱と圧力とにより対象物の表面に転写する方法である。具体的には、ホルダ61に対象物Aをセットし、供給ロール62から供給され、巻き取りロール63に巻き取られるホットスタンピングホイル64を、図示されないシリンダ等のアクチュエータにより駆動されると共に加熱板65により加熱される凸型金型66により対象物Aに押圧する。ホットスタンピングホイル64は、一般にベースフィルムに離型層、保護層、金属薄膜層及び接着層を重ねたものであり、押圧時にその圧力及び熱によりベースフィルムから保護層、コレステリック液晶フィルムを形成した金属薄膜層及び接着層が離型し、対象物に転写され、箔1をなすようになる。
このようにして対象物に設けられた箔1、即ち単層のコレステリック液晶フィルムを目視により、または機械により読み取り、認識することとなる。
尚、対象物にセキュリティ媒体としての箔1を貼付する方法としては上記ホットスタンプ以外にヒートシール法、ロール式手貼りのシール等がある。
【0035】
(実施例1)
図2に示すように、本発明による単層のコレステリック液晶フィルムからなるセキュリティ媒体としての箔1を対象物Aの適所に転写、または貼り付けている。
これにランダム光を当てた場合、液晶の特性に応じた色を反射することから、これを目視により、または機械的に検出することによりその真正性を判定できる。但し、通常のインクを塗布(印刷)した場合でも或る程度これと同様な効果は得られることから、液晶面に対して光の入射角θを徐々に浅く変化させ、その色変化により識別すると良い。前述したように反射光の強め合う波長は短波光側に連続的に変化し反射光の色を変化することから、これにより、その真正性を確実に判定できる。云うまでもなく、通常のインクを塗布したものでは入射角変化によって反射光の色(波長)変化は得られない。
【0036】
(実施例2)
図3に示すように、本実施例では、識別時、対象物Aの適所に転写、または貼り付けたセキュリティ媒体としてのコレステリック液晶フィルムからなる箔1と直交する方向に対してθ1だけ傾けた方向から光が入射した場合の反射光の方向に、この液晶の反射波長をカットするフィルタ2を配置し、箔1と直交する方向に対してθ2だけ傾けた方向から光が入射した場合の反射光の方向に上記同様なフィルタ3を配置する。
この箔1にランダム光を所定の角度θ1から入射した場合、例えばこの液晶が赤色光を反射する特性を有するものとすると、反射光がフィルタ2を透過せず、暗くなり、反射光を認識できないが、さらにθ2だけ傾けた方向から光を入射した場合、強め合う波長が短くなり(青色に近くなり)、フィルタ3を透過し、反射光を認識できる。これを目視により認識し、真正性を判定しても良いが、受光素子等を上記各方向に対応する位置に配置して反射光の受光強度を検出して真正性を判定しても良い。
【0037】
(実施例3)
図4に示すように、本実施例では、識別時、対象物Aの適所に転写、または貼り付けたセキュリティ媒体としてのコレステリック液晶フィルムからなる箔1からの反射光の至る位置に、この液晶と同じ特性、即ち箔1のコレステリック液晶フィルムと同じ波長の同じ円偏光成分のみを反射する特性を有するコレステリック液晶フィルムからなる液晶フィルタ4を配置する。
この箔1にランダム光を入射した場合、その反射光はフィルタ4を透過せず、暗くなり、反射光を認識できないが、フィルタ4を介さずに見ると所定の色の反射光を認識できる。その差を目視により認識し、真正性を判定しても良いが、フィルタ4を介在させた場合とさせない場合とで受光素子等により反射光の受光強度を検出し、その差から真正性を判定しても良い。
【0038】
(実施例4)
図5に示すように、本実施例では、対象物Aの適所に、セキュリティ媒体としての互いに異なる特性を有する2種類のコレステリック液晶フィルム21a、21bを重ねて形成した箔21を転写、または貼り付けている。
また識別時、箔21からの反射光の至る位置に、各液晶フィルム21a、21bと同じ特性を有するコレステリック液晶フィルムからなる液晶フィルタ5、6を配置する。
例えば、液晶フィルム21a及び液晶フィルタ5は赤色を反射し、液晶フィルム21b及び液晶フィルタ6は青色を反射するものとすると、まずランダム光が入射したときの箔21からの反射光は紫色になる。また、その反射光を液晶フィルタ5を介して見ると透過光は青色になり、液晶フィルタ6を介して見ると赤色になる。従って、その違いを直接目視により認識し、真正性を判定しても良いが、両者の波長を検出して比較することにより真正性を判定しても良い。
【0039】
(実施例5)
図6(a)に示すように、本実施例では、対象物Aの適所または全体に、セキュリティ媒体としての互いに異なる特性を有する2種類のコレステリック液晶フィルム31a、31bを互いに重ならないようにデザイン図形、文字または模様をなすように形成した箔31を転写、または貼り付けている。これらの液晶フィルムは反射波長は同じであるが、反射する円偏向成分が相反するものである。即ち、液晶フィルム31aが右円偏向成分を反射するものであり、液晶フィルム31bが左円偏向成分を反射するものであるとする。
また識別時、箔31からの反射光の至る位置に、液晶フィルム31a、31bのいずれか一方と同じ特性を有するコレステリック液晶フィルムからなる液晶フィルタ7を配置する(図6(b))。
ランダム光が入射したときの箔31からの反射光は液晶フィルム31a、31bの反射波長に応じた色になるが、液晶フィルム31aと液晶フィルム31bとの区別、即ちデザイン図形、文字または模様を認識することはできない。そこで、その反射光を液晶フィルタ7を介して見ると、液晶フィルム31a、31bのいずれか一方からの反射光が見えなくなり、デザイン図形、文字または模様が認識できるようになる。これを直接目視により認識し、真正性を判定することとなる。
【0040】
(実施例6)
本実施例では対象物Aの適所に転写、または貼り付けられたセキュリティ媒体としての箔41(コレステリック液晶フィルム)が赤外線を反射するようになっている。従って、可視光を反射しないことから目視では透明となる。
また図7に示すように、識別時、赤外線レーザの発光素子8から赤外線レーザを箔41に照射するようになっている。その反射光の至る位置には、λ/4板9、偏光フィルタ10及び受光素子11がこの順番に配置されている。
識別時、赤外線レーザを箔41に照射し、その反射光をλ/4板9で直線偏光に変換し、その光軸に合わせて偏光フィルタ10を通して受光部11で受光することにより、その受光強度から真正性を判定することができる。
【0041】
(実施例7)
本実施例では、対象物Aの適所に、赤外線を反射するコレステリック液晶フィルムからなる箔51a、51cと透明なPETフィルム51b、51d、51eとが予め定められた規則に従って配列され、セキュリティ媒体を構成している。識別時、箔51a、PETフィルム51b、箔51c、PETフィルム51d、51eを順番にスキャンして実施例6と同様にその反射光をλ/4板、偏光フィルタを通して受光部で受光すると、箔51a、51cの受光強度のみが強くなることから、例えば所定値以上の受光強度を「1」、それ以外を「0」として、上記配列パターンの場合、「10100」という2値データが得られる。これを予め記憶されたデータと比較することにより、その真正性を判定することができる。その組み合わせは、箔またはフィルムの数をnとして2n−1通りである。尚、PETフィルムに代えて箔51a、51cのコレステリック液晶フィルムと異なる特性を有するコレステリック液晶フィルムからなる箔を用い、その特性の差から上記の如く2値データを読み取っても良い。
【0042】
(実施例8)
本実施例では対象物Aの適所に転写、または貼り付けられたセキュリティ媒体としての箔1としてのコレステリック液晶フィルムの中心波長が800nmになっている。
このセキュリティ媒体を正面から観察した場合,コレステリック液晶フィルムの反射光が可視光でないため、目視では反射光を認識することができないが、斜め約30度から観察した場合に赤色に見えることから、本発明による効果が確認された。
【0043】
(実施例9)
本実施例では対象物Aの適所に転写、または貼り付けられたセキュリティ媒体としての箔1としてのコレステリック液晶フィルムの中心波長が800nmになっている。
このセキュリティ媒体を正面から観察した場合、コレステリック液晶フィルムの反射光が近赤外域にあり可視光でないため、目視では反射光を認識することができないが、斜め約30度から観察した場合に赤色に、斜め約40度では黄色に、さらには斜め約50度では緑色に順次色変わりし、観察角を大きくすることにより着色が短波長方向に色変わりすることから、本発明による効果が確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく識別構造が設けられた対象物の基本構成を示す斜視図である。
【図2】実施例1に於ける構成を示す斜視図である。
【図3】実施例2に於ける構成を示す斜視図である。
【図4】実施例3に於ける構成を示す斜視図である。
【図5】実施例4に於ける構成を示す拡大断面図である。
【図6】実施例5に於ける構成を示す平面図である。
【図7】実施例6に於ける構成を示す斜視図である。
【図8】実施例7に於ける構成を示す斜視図である。
【図9】ホットスタンピング装置の概略構成を示す側面図である。
【符号の説明】
A 対象物
1 箔
2、3 フィルタ
4〜7 液晶フィルタ
8 赤外線レーザ発光素子
9 λ/4板
10 偏光フィルタ
11 受光素子
21 箔(コレステリック液晶フィルム)
21a、21b コレステリック液晶フィルム
31 箔(コレステリック液晶フィルム)
31a、31b コレステリック液晶フィルム
41、51 箔
51a、51c 箔(コレステリック液晶フィルム)
51b、51d、51e PETフィルム
61 ホルダ
62 供給ロール
63 巻き取りロール
64 ホットスタンピングホイル
65 加熱板
66 凸型金型
Claims (8)
- 対象物に設けたセキュリティ媒体を光学的に認識することにより、該対象物の真正性を識別するための対象物の識別構造であって、前記セキュリティ媒体に、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、所定の斜め方向から観察した場合に着色して見える単層のコレステリック液晶フィルムを用いたことを特徴とする対象物の識別構造。
- 対象物に設けたセキュリティ媒体を光学的に認識することにより、該対象物の真正性を識別するための対象物の識別構造であって、前記セキュリティ媒体に、正面から観察した場合に実質的にほぼ無色透明に見え、かつ、正面から斜めに観察角を移動した場合に、無色、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色、紫色の順のように短波長方向に色変化して観察できる単層のコレステリック液晶フィルムを用いたことを特徴とする対象物の識別構造。
- 前記セキュリティ媒体からの反射光または透過光を、波長板及び偏光フィルタを通してまたは色フィルタを通して認識または検出することを特徴とする請求項1または2に記載の対象物の識別構造。
- 前記コレステリック液晶フィルムを前記フィルタとしても用いたことを特徴とする請求項1または2に記載の対象物の識別構造。
- 前記セキュリティ媒体が、互いに異なる特性を有する複数種類のコレステリック液晶フィルムを予め定められた規則に従って配列してなる複数の領域から構成され、その配列パターンを認識することにより、対象物の真正性を識別するようになっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の対象物の識別構造。
- 前記セキュリティ媒体が、コレステリック液晶からなる領域と、擬領域とを予め定められた規則に従って配列してなり、その配列パターンを認識することにより、対象物の真正性を識別するようになっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載の対象物の識別構造。
- 請求項1乃至6のいずれかの項に記載の識別構造が設けられたことを特徴とする対象物。
- 請求項1乃至6のいずれかの項に記載の識別構造を利用したことを特徴とするセキュリティシステム。
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