【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫から取り出した直後でも使用可能な作業性と固形脂特有のサクさを与える油中水型乳化油脂組成物に関し、更に詳しくは、主にケーキ、クッキー等の製菓等に用いられるマーガリン等の油中水型乳化油脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、スナックケーキを製造するには、砂糖、液糖、卵等にマーガリンを加え一定時間ミキシングを行ない、空気を抱き込ませることで生地比重を下げ、最後に小麦粉を加え軽くミキシングした後成型、焼成する方法が一般的である。このようにして得られるケーキ類は液体油を使用する場合と違い、マーガリン中の固体脂に特徴的なサクさのある食感と口溶けを有する。油脂としては主にバター、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングが使用される。
【0003】
製菓製パン用練り込み油脂の固体脂含量は作業温度(20〜30℃)で15〜25重量%であるのが最も良好であるとされている(非特許文献1)。また製菓用として用いられるマーガリン等の油中水型乳化油脂組成物は、ケーキ中で十分な固体脂を析出させ固形脂特有のサクさのある食感を与えるためには、この程度の固体脂を使用することが必要である。そのため冷蔵庫から取り出した直後はさらに多くの固体脂を含有しており、硬く、計量するにはナイフ等での切断や掻き取りが必要であった。また、ミキシング時に砂糖、卵等の材料と馴染ませ生地に空気を抱き込ませる為には昇温してから使用する必要があり、昇温しないで用いると生地中に油脂の塊が残ったり起泡性が不足して、十分な品質のケーキを得られない。過去にケーキ用流動状ショートニングとして液状油に固体脂を添加して固体脂特有の食感を得る方法が提案されている(特許文献1)が、15℃未満の低温で柔らかさを保つために固体脂の量を少なくすると固体脂特有の食感を得ることができない。
【0004】
またより多くの気泡を生地に抱き込ませ軽い食感をねらったケーキを作成する際に、マーガリンまたはバターを用いる場合に後油法と呼ばれる方法が用いられる。ケーキの原材料のうち砂糖、液糖、卵、起泡性乳化油脂等の原材料を気泡させたものに、湯せんで十分加熱、溶解したマーガリンやバターを混合した後小麦粉を軽く混ぜ合わせる。この方法ではマーガリンまたはバターを溶解する作業に手間を必要とし、火傷などの危険性のある作業も伴う。
【0005】
一方、固形脂を含有しない液状油脂や固形脂の少ない油中水型油脂組成物は昇温する必要がないが、空気を抱き込ませることができても固体脂による油脂骨格の形成が不充分なため空気の抜けが容易であり、小麦粉の添加工程における気泡の破壊が顕著で生地比重の上がりが大きい。また、固形脂を含有しない液状油脂はケーキ中で固形脂が析出せず、固形脂の少ない油中水型油脂組成物中でも一旦焼成により生地中で溶解するとケーキが冷めても固体脂は十分に析出せず、どちらも固形脂に特徴的なサクさのある食感を得られないのが現状である。さらに固形脂の少ない油中水型油脂組成物は耐熱性に乏しく、保存中や作業中に乳化が壊れたりオイルオフしてしまう等の問題がある。
【非特許文献1】
パン科学会館誌、55年6月号
【特許文献1】
特開昭62−163656号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑み、製菓製パン用として使用される油中水型乳化油脂組成物として、昇温や溶解を必要とせず、冷蔵庫から取り出し直後の使用において作業性が良好で他の原材料とミキシングが容易であり、かつケーキに固形脂特有のサクさのある食感を与える油中水型油脂組成物を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために種々検討を重ねた結果、固体脂含量と徐冷時に析出する固形脂量をそれぞれ特定域に選択することによって目的を達成し得ることを見出して本発明を完成した。
即ち、本発明の油中水型油脂組成物は、10℃において5〜25重量%の固体脂含量を有し、かつ徐冷したときに析出する固体脂の量が急冷を行った時の70%以上、好ましくは80%以上である油脂を油相に使用することを特徴とするものである。
【0008】
上記油相に用いる油脂としては、使用する油脂によって多少異なるが、 沃素価が10以下の油脂が5〜30重量%で、液状の油脂が80〜95重量%からなる油脂、または沃素価が10以上40以下の油脂が20〜50重量%で、液状の油脂が50〜80重量%からなる油脂等を用いることができる。
【0009】
徐冷したときに析出する固体脂の量とは、60℃で溶解した油脂を直径5〜10mm程度のガラス製のチューブに入れ20℃に60分間放置したときの固体脂の重量%であり、急冷を行った時に析出する固体脂の量とは60℃で溶解した油脂を同じ仕様のチューブに入れ0℃に60分間置くことで急冷を行い、その後20℃で30分間放置した際の固体脂の重量%である。
【0010】
一般的にケーキ中での固体脂の析出量は油中水型油脂組成物中での固体脂量に比べ少ない。これは油中水型油脂組成物が急冷練り合わせを行い油脂結晶を強制的に析出させるのに対し、ケーキ中では油脂にこのような急冷を行えず徐冷されるためである。従って徐冷した時に析出する固体脂の含量が急冷した時の70%未満ではケーキ中で油脂結晶を十分な量析出させるためにあらかじめ油中水型油脂組成物中の固体脂の割合を増やしておく必要がある。このような油中水型油脂組成物は低温で硬く使用前に昇温させたり溶解しなければ使用が困難である。
【0011】
昇温や溶解の作業を省き製造に必要な時間を短縮するために油脂結晶の量を少なくして油中水型油脂組成物を柔らかくすると、ケーキ中では油脂結晶が十分な量析出せず、固形脂特有のサクさのある食感を得られない。またたとえ徐冷時に析出する固体脂の含量が急冷時の70%以上であっても、10℃での固体脂含量が5重量未満ではケーキに固形脂特有のサクさのある食感を得られず、25重量%を超えると低温で硬過ぎるため昇温、溶解の作業が必要となる。
【0012】
ここで用いられる徐冷したときに析出する固体脂の量が急冷を行った時の70%以上である油脂としては、パーム油、パーム核油、ヤシ油、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、サンフラワー油、豚脂、牛脂、魚油等を1種または2種以上を配合するとか、分別、エステル交換等の加工を施すか、あるいは所定の沃素価になるまで水素添加を行うことによって得ることができ、また更にそれを1種または2種以上配合し、エステル交換等の加工を行うなどの方法によって得ることができる。
【0013】
ここで用いられる液状油とは10℃で固体脂を持たない油脂であり、ヤシ油、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、サンフラワー油、魚油等があげられる。これらの液状油と徐冷したときに析出する固体脂の量が急冷を行った時の70%以上である油脂のみを用い、かつ10℃での固体脂含量を25%以下にすることで、低温で保存することにより起こる過剰な固体脂析出を抑えて油中水型乳化油脂組成物の硬さの経時変化を抑制し、かつケーキ中で固形脂特有のサクみを出すのに十分な量の固体脂を析出させることができる。沃素価が高く10℃で固体脂を析出する油脂を油中水型乳化油脂組成物に用いると、徐冷したときに析出する固体脂の量が急冷を行った時の70%以上にならず、保存中に析出した固形脂が作業性を悪化させ、逆にケーキ中では析出しづらいためにケーキのサクみに寄与しない。
【0014】
これらの油脂のみを油中水型乳化油脂組成物の連続相に用い急冷可塑化を行うことで、保存中に起こる固体脂の析出量の増加が少ないため硬さの経時変化が少ない、またケーキ中で放冷を受けた際にも結晶の析出量が多い。
また、通常油中水型乳化油脂組成物を製造するために添加される乳化剤を使用できる。使用する乳化剤については特に限定されず、通常使用されるグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられる。さらに本発明の油中水型乳化油脂組成物には、その他必要に応じて乳製品、糖類、澱粉、食塩、香辛料、香料、着色料、増粘安定剤、pH調整剤、酸化防止剤等を添加することができる。
【0015】
本発明の油中水型乳化油脂組成物を使用する際には、これとケーキの原材料のうち砂糖液等などと混合してクリーミングさせた後他の原材料を加えてケーキの生地を作成することも可能であるが、起泡性乳化油脂等を併用することもできる。特にスナックケーキなどの軽い食感を持ったベーカリー製品を作成するために従来マーガリンやバターを加熱、溶解して使用していた場合でも、本発明の油中水型乳化油脂組成物は溶解することなく生地に混ぜ合わせることが可能である。
【0016】
次に、本発明に係る油中水型乳化油脂組成物を製造する方法を以下に説明する。まず、油脂に乳化剤、着色料、酸化防止剤、香料等目的に応じて必要な油溶性成分を添加し、所定の温度で完全に溶解させて油相を調製し、これと食塩、糖類、香辛料等の各種調味料、脱脂粉乳、カゼインナトリウム、醗酵乳、ヨーグルトパウダー等の乳製品、または澱粉、増粘安定剤、pH調整剤等の水溶性成分を必要に応じて分散、溶解させた水相と混合し予備乳化する。また、乳化温度は、油脂が完全に溶解しうる温度であればよいが、好ましくは40〜70℃の範囲である。その後殺菌処理するのが望ましい。次に、上記のようにして得られた予備乳化物を、均一攪拌しながらパーフェクター、コンビネーター、ボテーター等を用いて急冷捏和し、安定化した後、必要に応じて所定サイズのダンボール、カップ等に流し込み、目的とする製菓用マーガリンを得る。
油相に対する水相の量は、特に限定されることなく、マーガリンの製造に通常用いられる量の範囲で用いられ、例えば油相:水相=80〜84:20〜16である。
【0017】
【発明の効果】
以上のような本発明に係る油中水型油脂組成物によれば、冷蔵庫から取り出して調温、溶解することなしに他の原材料と混合できる良好な可塑性、作業性を有し、固形脂特有のサクさがあり口溶けの良いベーカリー製品を簡便かつ安全に得ることが出来る。
【0018】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
下記表1に示す組成で各油相成分を調整した。乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステル(花王製、O‐95R)を用いた。水に脱脂粉乳(0.5%)、クエン酸(100ppm)を分散溶解後、85℃30分殺菌して水相とした。この水相を60℃に冷却した後、油相に攪拌を続けながら混合し予備乳化液(油相82%、水17%、他1%)を調製した。
得られた予備乳化液をボテーターを用いて急冷捏和し、安定化し、製菓用マーガリンを得た。
これらのマーガリンの特性について、下記表2−1に示す配合および表2‐2に示す工程によりスナックケーキ製造試験を行い、下記表3に示す結果を得た。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
表3に示す結果から明らかなように、徐冷したときに析出する固体脂の量が急冷を行った時の70%以上であり、かつ10℃において5〜25%の固体脂含量を有する油脂を油相に使用する製菓用マーガリンは、比較例1〜2で得られたマーガリンに比べ、冷蔵庫から取り出し直後の作業性が良好または食感に優れ、本発明に係る油中水型乳化油脂組成物が製菓製パン用として優れていることが明らかである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a water-in-oil emulsified oil / fat composition that provides workability that can be used immediately after being taken out of a refrigerator, and the crispy characteristic of solid fat, and more specifically, is used mainly for confectionery such as cakes and cookies. The present invention relates to a water-in-oil type emulsified fat composition such as margarine.
[0002]
[Prior art]
For example, to produce a snack cake, add margarine to sugar, liquid sugar, eggs, etc., mix for a certain period of time, lower the dough specific gravity by embracing the air, finally add flour and lightly mix and mold, A method of firing is common. Unlike the case where liquid oil is used, the cakes obtained in this way have a crispy texture and meltability characteristic of solid fat in margarine. As fats and oils, butter, margarine, fat spread and shortening are mainly used.
[0003]
It is said that the solid fat content of confectionery bread kneading fat is most preferably 15 to 25% by weight at the working temperature (20 to 30 ° C.) (Non-patent Document 1). In addition, a water-in-oil emulsified oil / fat composition such as margarine used for confectionery is used in order to precipitate sufficient solid fat in a cake and give a solid texture peculiar to solid fat. It is necessary to use Therefore, immediately after taking out from the refrigerator, more solid fat is contained and it is hard, and cutting and scraping with a knife etc. were required for weighing. Also, when mixing, it is necessary to increase the temperature in order to blend in with the ingredients such as sugar and eggs so that air is entrapped in the dough, and if it is used without increasing the temperature, a lump of fat or oil may remain in the dough. Due to lack of foaminess, a cake of sufficient quality cannot be obtained. In the past, a method for obtaining a texture specific to solid fat by adding solid fat to liquid oil as a fluid shortening for cakes has been proposed (Patent Document 1), but to maintain softness at a low temperature of less than 15 ° C. If the amount of solid fat is reduced, a texture specific to solid fat cannot be obtained.
[0004]
In addition, a method called a post-oil method is used when margarine or butter is used in making a cake with a light texture by embedding more bubbles in the dough. Mix ingredients such as sugar, liquid sugar, eggs, and foaming emulsified fats and bubbles in cake ingredients, and then mix the margarine and butter that is sufficiently heated and melted with a water bath, and then lightly mix the flour. In this method, work for melting margarine or butter is time-consuming, and there is a risk of work such as burns.
[0005]
On the other hand, liquid oils and fat-in-oil compositions with little solid fat do not need to be heated, but even if air can be embraced, the formation of an oil skeleton by solid fat is insufficient. For this reason, air can be easily removed, the destruction of bubbles in the flour addition process is remarkable, and the increase in the specific gravity of the dough is large. Also, liquid fats and oils that do not contain solid fat do not precipitate solid fat in the cake, and even in water-in-oil type oil / fat compositions with less solid fat, once the solid fat dissolves in the dough by baking, the solid fat is sufficient even if the cake cools The present condition is that it does not precipitate, and neither can obtain a crispy texture characteristic of solid fat. Furthermore, water-in-oil type oil-and-fat compositions with less solid fat have poor heat resistance and have problems such as breakage of emulsification or oil-off during storage or operation.
[Non-Patent Document 1]
Journal of the Bread Science Hall, June 55 issue [Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 62-163656 [0006]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above points, the present invention does not require temperature rise or dissolution as a water-in-oil emulsified oil / fat composition used for confectionery bread, and has good workability in use immediately after taking out from the refrigerator. It is an object of the present invention to provide a water-in-oil type oil / fat composition that is easy to mix with raw materials and gives the cake a crispy texture unique to solid fat.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of various studies to solve the above problems, the present inventors have found that the object can be achieved by selecting the solid fat content and the solid fat amount precipitated during slow cooling in specific regions, respectively. Completed the invention.
That is, the water-in-oil type oil / fat composition of the present invention has a solid fat content of 5 to 25% by weight at 10 ° C., and the amount of solid fat that precipitates when slowly cooled is 70 % Or more, preferably 80% or more, is used for the oil phase.
[0008]
The fats and oils used in the oil phase are slightly different depending on the fats and oils to be used, but the fats and oils having an iodine value of 10 or less are 5 to 30% by weight and the liquid fats and oils are 80 to 95% by weight, or the iodine value is 10 Oils and fats, etc., comprising 20 to 50% by weight of fats and oils of 40 or less and 50 to 80% by weight of liquid oils and fats can be used.
[0009]
The amount of solid fat that precipitates when slowly cooled is the weight percent of the solid fat when the fat dissolved at 60 ° C. is placed in a glass tube having a diameter of about 5 to 10 mm and left at 20 ° C. for 60 minutes, The amount of solid fat that precipitates when rapidly cooled is solid fat when oil and fat dissolved at 60 ° C. are placed in a tube of the same specification and placed at 0 ° C. for 60 minutes, and then left at 20 ° C. for 30 minutes. % By weight.
[0010]
In general, the amount of solid fat deposited in the cake is smaller than the amount of solid fat in the water-in-oil type fat composition. This is because the water-in-oil type oil-and-fat composition performs rapid cooling and kneading and forcibly precipitates oil-and-fat crystals, whereas in the cake, the oil and fat cannot be rapidly quenched. Therefore, if the content of solid fat that precipitates when gradually cooled is less than 70% of that when rapidly cooled, the ratio of solid fat in the water-in-oil type oil / fat composition is increased in advance in order to precipitate a sufficient amount of fat crystals in the cake. It is necessary to keep. Such a water-in-oil type oil and fat composition is difficult to use unless it is hard at low temperatures and is not heated or dissolved before use.
[0011]
If the water-in-oil type oil and fat composition is softened by reducing the amount of oil crystal to reduce the time required for production by omitting the temperature increase and dissolution work, a sufficient amount of oil crystal does not precipitate in the cake, A crispy texture unique to solid fats cannot be obtained. Moreover, even if the solid fat content precipitated during slow cooling is 70% or more of that during rapid cooling, if the solid fat content at 10 ° C. is less than 5%, the cake has a crispy texture unique to solid fat. However, if it exceeds 25% by weight, it is too hard at a low temperature, so that a temperature raising and melting operation is required.
[0012]
As the fats and oils that are 70% or more of the amount of solid fat that precipitates when gradually cooled as used herein, palm oil, palm kernel oil, coconut oil, soybean oil, rapeseed oil, corn oil, cottonseed oil , Safflower oil, sunflower oil, pork fat, beef tallow, fish oil, etc. are blended with one or more kinds, processed by separation, transesterification, etc., or hydrogenated until a predetermined iodine value is reached In addition, it can be obtained by a method such as blending one or more of them and performing processing such as transesterification.
[0013]
The liquid oil used here is an oil that does not have solid fat at 10 ° C., and examples thereof include coconut oil, soybean oil, rapeseed oil, corn oil, cottonseed oil, safflower oil, sunflower oil, and fish oil. By using only fats and oils that are 70% or more of the amount of solid fat that precipitates when rapidly cooled with these liquid oils, and making the solid fat content at 10 ° C. 25% or less, Sufficient amount to suppress excessive solid fat precipitation caused by storage at low temperature to suppress the change of hardness of water-in-oil type emulsified oil and fat composition over time and to give a solid peculiar to solid fat in the cake The solid fat can be precipitated. When fats and oils that have a high iodine value and precipitate solid fat at 10 ° C. are used in the water-in-oil emulsified oil and fat composition, the amount of solid fat that precipitates when slowly cooled does not exceed 70% of that when rapidly cooled. The solid fat precipitated during storage deteriorates the workability, and conversely, it does not easily precipitate in the cake, so it does not contribute to the sag of the cake.
[0014]
By using only these oils and fats for the continuous phase of the water-in-oil emulsified oils and fats composition and performing rapid plasticization, there is little increase in the amount of solid fat precipitated during storage, so there is little change over time in hardness. There is a large amount of crystals deposited even when it is allowed to cool.
Moreover, the emulsifier normally added in order to manufacture a water-in-oil type emulsified oil-fat composition can be used. The emulsifier to be used is not particularly limited, and commonly used glycerin fatty acid ester, sorbitan fatty acid ester, propylene glycol fatty acid ester, sucrose fatty acid ester, lecithin and the like can be mentioned. Furthermore, the water-in-oil type emulsified oil / fat composition of the present invention contains dairy products, sugars, starches, salt, spices, fragrances, coloring agents, thickening stabilizers, pH adjusters, antioxidants, etc. as necessary. Can be added.
[0015]
When using the water-in-oil emulsified oil / fat composition of the present invention, it is mixed with a sugar solution or the like among the ingredients of the cake and creamed, and then the other ingredients are added to prepare a cake dough. Although foamable emulsified fats and oils can be used in combination. Even when margarine or butter is heated and dissolved in the past to create a bakery product with a light texture, such as a snack cake, the water-in-oil emulsified fat composition of the present invention should dissolve. It can be mixed with the dough.
[0016]
Next, the method for producing the water-in-oil type emulsified oil / fat composition according to the present invention will be described below. First, an oil phase is prepared by adding necessary oil-soluble ingredients such as emulsifiers, colorants, antioxidants, and fragrances to fats and oils, and completely dissolving them at a predetermined temperature. A water phase in which dairy products such as various seasonings such as skim milk powder, sodium caseinate, fermented milk, and yogurt powder, or water-soluble ingredients such as starch, thickening stabilizers, and pH adjusters are dispersed and dissolved as necessary. And pre-emulsified. The emulsification temperature may be any temperature at which the fats and oils can be completely dissolved, but is preferably in the range of 40 to 70 ° C. It is desirable to sterilize afterwards. Next, the pre-emulsion obtained as described above is quenched and stabilized using a perfector, a combinator, a botter or the like while stirring uniformly, and after being stabilized, corrugated cardboard of a predetermined size as necessary. Pour into a cup or the like to obtain the desired confectionery margarine.
The amount of the aqueous phase relative to the oil phase is not particularly limited, and is used in a range of amounts usually used for the production of margarine, for example, oil phase: water phase = 80 to 84:20 to 16.
[0017]
【The invention's effect】
According to the water-in-oil type oil / fat composition according to the present invention as described above, it has good plasticity and workability that can be mixed with other raw materials without taking out the temperature from the refrigerator and dissolving it, and is characteristic of solid fat. A bakery product that has good crispness and a good melting point can be obtained easily and safely.
[0018]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples and Comparative Examples.
Each oil phase component was adjusted with the composition shown in Table 1 below. As an emulsifier, glycerin fatty acid ester (manufactured by Kao, O-95R) was used. Nonfat dry milk (0.5%) and citric acid (100 ppm) were dispersed and dissolved in water, and then sterilized at 85 ° C. for 30 minutes to obtain an aqueous phase. The aqueous phase was cooled to 60 ° C. and then mixed with the oil phase while stirring to prepare a preliminary emulsion (82% oil phase, 17% water, 1% other).
The obtained preliminary emulsified liquid was quenched and kneaded using a bottor and stabilized to obtain a confectionery margarine.
About the characteristic of these margarines, the snack cake manufacturing test was done by the mixing | blending shown to following Table 2-1, and the process shown to Table 2-2, and the result shown in following Table 3 was obtained.
[0019]
[Table 1]
[0020]
[Table 2]
[0021]
[Table 3]
[0022]
As is apparent from the results shown in Table 3, the amount of solid fat that precipitates when slowly cooled is 70% or more when quenched and has a solid fat content of 5 to 25% at 10 ° C. The margarine for confectionery using the oil phase in the oil phase is better in workability immediately after taking out from the refrigerator or excellent in texture than the margarine obtained in Comparative Examples 1 and 2, and is a water-in-oil emulsified fat composition according to the present invention. It is clear that the product is excellent for confectionery bread.