JP2005018306A - バーコード読取装置に用いられる読み取り用レンズ及びその読み取り用レンズ系 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価な構成で、アスペクト比が小さい受光素子を使用してもバーコードを正確に読み取れるバーコード読取装置に用いられる読み取り用レンズ及びその読み取り用レンズ系を提供すること。
【解決手段】主方向非点収差量ASYはASY≒0なので(c)、バーコードBの主方向Mの像は受光素子2面上でほぼ結像する(a)。一方、副方向非点収差量ASXはASX=−5.12なので(c)、バーコードBの副方向Nの像は受光素子2の手前略5.12mmで結像した後、拡散し受光素子2に写される(b)。よって、主方向Mは焦点の合った像が、副方向Nは焦点のずれた像が、受光素子2に写る。従って、バーコードBの副方向Nにおけるかすれ等Kの悪影響を補って、バーコードBを正確に読み取ることができる。尚、焦点距離EFLはEFL=14.4なので(表1)、ASX/EFL=−0.355<−0.15の関係を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】主方向非点収差量ASYはASY≒0なので(c)、バーコードBの主方向Mの像は受光素子2面上でほぼ結像する(a)。一方、副方向非点収差量ASXはASX=−5.12なので(c)、バーコードBの副方向Nの像は受光素子2の手前略5.12mmで結像した後、拡散し受光素子2に写される(b)。よって、主方向Mは焦点の合った像が、副方向Nは焦点のずれた像が、受光素子2に写る。従って、バーコードBの副方向Nにおけるかすれ等Kの悪影響を補って、バーコードBを正確に読み取ることができる。尚、焦点距離EFLはEFL=14.4なので(表1)、ASX/EFL=−0.355<−0.15の関係を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バーコード読取装置に用いられる読み取り用レンズ及びその読み取り用レンズ系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バーコードの読み取りに使用される光学的センサは、リニアに受光素子が並んでいるが、各受光素子のアスペクト比、すなわち各受光素子の縦寸法と横寸法との比(縦寸法/横寸法)が200/14(>14)と大きいので、図8(a)に示すように、バーコードBにかすれや欠け、傷あるいは汚れ(以下「かすれ等K」と称す)があっても、読み取り誤差を生じ難い。即ち、バーコードBの縦方向(バーの高さ方向)Nを広範囲に読み取るので、バーの一部分にかすれ等Kがあっても、その影響を打ち消して読み取り誤差をなくすからである。
【0003】
一方、アスペクト比の大きい受光素子は、アスペクト比の小さい受光素子より高額なので、アスペクト比の小さい受光素子を使用できる読み取り用レンズ系が望まれている。しかし、かかるアスペクト比の小さい受光素子を用いてバーコードBを読み取ると、その読み取り範囲が縦方向Nに短く設定される結果、受光素子には、図8(b)に示すように受像され、かすれ等Kの影響でバーコードBを正確に読み取ることができない。
【0004】
これに対し、特許第2774892号公報(特許文献1)には、集光レンズ(読み取り用レンズ)に加えて、円筒状レンズ体(シリンダーレンズ)を用いた発明が記載されている。該発明は、バーコードのバーと直交する方向(本願の図8(a)におけるM方向)では、バーコードから来る光は円筒状レンズ体の軸方向にほとんど屈折されず結像し、バーコードのバー方向(本願の図8(a)におけるN方向)では、バーコードから来る光は円筒状レンズ体により屈折されて拡散し受光面上に結像するように構成して、バーコードの縦方向の欠陥(かすれ等)を補って、バーコードを正確に読み取るようにしたものである。
【0005】
また、特許第3070484号公報(特許文献2)には、バーコードのバー方向(本願の図8(a)におけるN方向)にデフォーカスしてぼけを生じさせ、バーコードの縦方向(バー方向)のかすれ等を補って、バーコードを正確に読み取るようにした発明が記載されている。
【0006】
更に、特許第2720667号公報(特許文献3)には、バーコードのバーと直交する方向(本願の図8(a)におけるM方向)の解像度を、バーコードのバー方向(本願の図8(a)におけるN方向)の解像度より高解像度にして、バーコードを正確に読み取るようにした発明が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特許第2774892号公報(段落0020,図16)
【0008】
【特許文献2】特許第3070484号公報
【0009】
【特許文献3】特許第2720667号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特許文献1に記載の発明では、集光レンズ(読み取り用レンズ)のほかに円筒状レンズ体(シリンダーレンズ)を用いる分、装置コストがアップするという問題点がある。また、特許文献2に記載の発明では、ピントをずらして使用するので、絞りを暗くせざるを得ず、そのため高感度の受光素子が必要となり、装置コストがアップするという問題点がある。更に、特許文献3に記載の発明では、バー横方向(本願の図8(a)におけるM方向)とバー高さ方向(本願の図8(a)におけるN方向)との解像度の差は、特許文献3の図3に図示されるように、受光レンズ(読み取り用レンズ)の周辺部では大きいものの、中心部では略同一となっているので、かすれ等KがバーコードBの中心部にある場合には、バーコードを正確に読み取ることができないという問題点がある。特に、かかる解像度の差は、受光レンズの中心部から周辺部にかけて一定でないので、かすれ等KがバーコードB上のどの位置にあるかによって読み取り結果が不安定なものとなるという問題点がある。
【0011】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、安価な構成で、1単位の受光素子のアスペクト比の小さい受光素子を使用してもバーコードを正確に読み取ることができるバーコード読取装置に用いられる読み取り用レンズ及びその読み取り用レンズ系を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために請求項1記載のバーコード読取装置に用いられる読み取り用レンズは、少なくとも1面が回転非対称非球面で構成されると共に、下記条件式(1)または(2)を、前記レンズの中心部から周辺部にかけて満足するものである。
条件式
(1)∞>ASX/EFL>0.1,ASY≒0
(2)−∞<ASX/EFL<−0.15,ASY≒0
但し、ASXは、副方向非点収差量であり、ASYは、主方向非点収差量であり、EFLは、焦点距離である。
【0013】
この請求項1記載の読み取り用レンズによれば、条件式(1)を満たす場合には、バーコードの主方向(バーと直交する方向)の焦点位置は受光素子の位置に合った状態で、バーコードの副方向(バー方向)の焦点位置が受光素子の後方へずれる。一方、条件式(2)を満たす場合には、バーコードの主方向の焦点位置は受光素子の位置に合った状態で、バーコードの副方向の焦点位置が受光素子の前方(読み取り用レンズ側)へずれる。この焦点位置の関係は、読み取り用レンズの中心部から周辺部にかけて満足されるので、バーコードの副方向のかすれ等の影響を補って、バーコードを正確に読み取ることができる。
【0014】
請求項2記載の読み取り用レンズは、請求項1記載の読み取り用レンズにおいて、前記回転非対称非球面を有するレンズは、1枚のガラスレンズまたはプラスチックレンズから構成されている。
【0015】
請求項3記載の読み取り用レンズは、請求項1記載の読み取り用レンズにおいて、前記回転非対称非球面は、ガラスレンズの表面に透明材料による回転非対称非球面層を接合して形成されるものである。
【0016】
請求項4記載のバーコード読取装置に用いられる読み取り用レンズ系は、絞りと、読み取り用レンズと、受光素子との順にバーコード側より配置され、前記レンズは、前記受光素子側の面が回転非対称非球面で構成されると共に、下記条件式(1)または(2)を、前記レンズの中心部から周辺部にかけて満足するものであることを特徴とする読み取り用レンズ系。
条件式
(1)∞>ASX/EFL>0.1,ASY≒0
(2)−∞<ASX/EFL<−0.15,ASY≒0
但し、ASXは、副方向非点収差量であり、ASYは、主方向非点収差量であり、EFLは、焦点距離である。
【0017】
この請求項4記載の読み取り用レンズ系によれば、条件式(1)を満たす場合には、バーコードの主方向(バーと直交する方向)の焦点位置は受光素子の位置に合った状態で、バーコードの副方向(バー方向)の焦点位置が受光素子の後方へずれる。一方、条件式(2)を満たす場合には、バーコードの主方向の焦点位置は受光素子の位置に合った状態で、バーコードの副方向の焦点位置が受光素子の前方(読み取り用レンズ側)へずれる。この焦点位置の関係は、読み取り用レンズの中心部から周辺部にかけて満足されるので、バーコードの副方向のかすれ等の影響を補って、バーコードを正確に読み取ることができる。
【0018】
【発明の効果】本発明の読み取り用レンズ及びその読み取り用レンズ系によれば、回転非対称非球面を有する1枚の読み取り用レンズによって、バーコードの主方向(バーと直交する方向)の焦点位置は受光素子の位置に合わせた状態で、バーコードの副方向(バー方向)の焦点位置を受光素子の配設位置からずらしている。よって、バーコードの主方向を正確に読み取りつつ、バーコードの副方向の読み取りをぼかして、その副方向におけるかすれ等の悪影響を補うことができる。従って、各受光素子のアスペクト比が小さい(1単位の受光素子のアスペクト比の小さい)受光素子を使用しても、バーコードを正確に読み取ることができる。よって、複数枚のレンズを用いる場合や、ピントをずらし主方向の読み取り性能を確保するために絞りを暗くするが故に高感度の受光素子を用いざるを得ない場合に比べて、装置コストを低減することができるという効果がある。また、主方向及び副方向における焦点位置の関係は、読み取り用レンズの中心部から周辺部にかけて満足するので、かすれ等がバーコード上のどの位置にあっても、そのかすれ等の悪影響を補って、バーコードを正確に読み取ることができるという効果がある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1から図6に示すように、各実施例の読み取り用レンズ系は、バーコードB、開口絞り面STO、読み取り用レンズ1、受光素子2の順に配設されている。受光素子2は例えばCCDで構成され、その各受光素子2は14/14〜56/14の小さいアスペクト比のものが使用されている。読み取り用レンズ1は、実施例1から5では、バーコードB側の面が球面SR、受光素子2側の面が回転非対称非球面XYPとされている。また、実施例6では、バーコードB側の面が回転対称非球面ASP、受光素子2側の面が回転非対称非球面XYPとされている。
【0020】
各実施例の表に記載される、EFLは焦点距離、FNOはFナンバー、βは倍率である。バーコードB側から数えて第i番目面(iは1から3の自然数)の曲率半径(非球面においては軸上曲率半径)をR、面間隔をTIH(単位はmm)、開口絞り面をSTO(i=1)、波長587.56nmでの屈折率をNd、アッベ数をνdとする。
【0021】
回転対称非球面ASP(実施例6のみ)は、光軸上での頂点からの距離をH、そのHの位置での非球面上での高さをV、光軸上での曲率半径をR、円錐係数をK、4次、6次の非球面係数をそれぞれA4、A6とするとき、
【0022】
【数1】
なる式で与えられる曲線を光軸の回りに回転して得られる曲面である。
【0023】
回転非対称非球面XYPは、光軸上での頂点からの距離をW(Wは(x2+y2)の平方根である。なお、xおよびyは、xy座標の座標点である。)とし、xy座標位置での非球面上での高さをz、光軸上での曲率をC(C=1/R,Rは曲率半径)、円錐係数をK、非球面係数をX2、Y2、X4、Y4、X6、Y6、X8、Y8とするとき、
【0024】
【数2】
なる式で与えられる面が回転非対称非球面である。
【0025】
表1に実施例1の読み取り用レンズ系を示すと共に、そのレンズ系のバーコードBの主方向Mにおける構成図を図1(a)に、副方向Nにおける構成図を図1(b)に、非点収差を図1(c)に、それぞれ示す。
【0026】
主方向非点収差量ASYはASY≒0であるので(図1(c)参照)、バーコードBの主方向Mの像は受光素子2面上でほぼ結像する(図1(a)参照)。一方、副方向非点収差量ASXはASX=−5.12であるので(図1(c)参照)、バーコードBの副方向Nの像は受光素子2の手前略5.12mmのポイントで結像した後、拡散し、受光素子2に写される(図1(b)参照)。よって、主方向Mにおいては焦点の合った像が、副方向Nにおいては焦点のずれた像が、受光素子2に写される。なお、実施例1の焦点距離EFLはEFL=14.4137であるので(表1参照)、ASX/EFL=−0.355であり、−∞<ASX/EFL<−0.15の関係を有している。
【0027】
【表1】
図7(a)は、この実施例1の読み取り対象となるバーコードBを示した図であり、かすれや欠け、傷あるいは汚れ(以下「かすれ等K」と称す)のあるバーコードBが図示されている。このバーコードBのうち、図7(a)に示す横長の矩形部分で示される範囲が、実施例1の読み取り用レンズ系にて読み取られると、図7(b)に示す像が受光素子2に写される。この像が受光素子2によって読み取られるので、各受光素子のアスペクト比が小さい(1単位の受光素子のアスペクト比の小さい)受光素子2であっても、バーコードBの副方向(バー方向)Nにおけるかすれ等Kの悪影響を補って、バーコードBを正確に読み取ることができる。
【0028】
表2に実施例2の読み取り用レンズ系を示すと共に、そのレンズ系のバーコードBの主方向Mにおける構成図を図2(a)に、副方向Nにおける構成図を図2(b)に、非点収差を図2(c)に、それぞれ示す。
【0029】
主方向非点収差量ASYはASY≒0であるので(図2(c)参照)、バーコードBの主方向Mの像は受光素子2面上でほぼ結像する(図2(a)参照)。一方、副方向非点収差量ASXはASX=−2.3であるので(図2(c)参照)、バーコードBの副方向Nの像は受光素子2の手前略2.3mmのポイントで結像した後、拡散し、受光素子2に写される(図2(b)参照)。よって、主方向Mにおいては焦点の合った像が、副方向Nにおいては焦点のずれた像が、受光素子2に写される。従って、1単位の受光素子のアスペクト比の小さい受光素子2であっても、バーコードBの副方向(バー方向)Nにおけるかすれ等Kの悪影響を補って、バーコードBを正確に読み取ることができる。なお、実施例2の焦点距離EFLはEFL=14.4137であるので(表2参照)、ASX/EFL=−0.160であり、−∞<ASX/EFL<−0.15の関係を有している。
【0030】
【表2】
表3に実施例3の読み取り用レンズ系を示すと共に、そのレンズ系のバーコードBの主方向Mにおける構成図を図3(a)に、副方向Nにおける構成図を図3(b)に、非点収差を図3(c)に、それぞれ示す。
【0031】
主方向非点収差量ASYはASY≒0であるので(図3(c)参照)、バーコードBの主方向Mの像は受光素子2面上でほぼ結像する(図3(a)参照)。一方、副方向非点収差量ASXはASX=1.36であるので(図3(c)参照)、バーコードBの副方向Nの像は受光素子2の後方略1.36mmのポイントで結像する。よって、バーコードBの副方向Nの像は、受光素子2上に拡散された状態で写される(図3(b)参照)。故に、主方向Mにおいては焦点の合った像が、副方向Nにおいては焦点のずれた像が、受光素子2に写される。従って、1単位の受光素子のアスペクト比の小さい受光素子2であっても、バーコードBの副方向(バー方向)Nにおけるかすれ等Kの悪影響を補って、バーコードBを正確に読み取ることができる。なお、実施例3の焦点距離EFLはEFL=14.4137であるので(表3参照)、ASX/EFL=0.094であり、∞>ASX/EFL>0.09の関係を有している。
【0032】
【表3】
表4に実施例4の読み取り用レンズ系を示すと共に、そのレンズ系のバーコードBの主方向Mにおける構成図を図4(a)に、副方向Nにおける構成図を図4(b)に、非点収差を図4(c)に、それぞれ示す。
【0033】
主方向非点収差量ASYはASY≒0であるので(図4(c)参照)、バーコードBの主方向Mの像は受光素子2面上でほぼ結像する(図4(a)参照)。一方、副方向非点収差量ASXはASX=4.4であるので(図4(c)参照)、バーコードBの副方向Nの像は受光素子2の後方略4.4mmのポイントで結像する。よって、バーコードBの副方向Nの像は、受光素子2上に拡散された状態で写される(図4(b)参照)。故に、主方向Mにおいては焦点の合った像が、副方向Nにおいては焦点のずれた像が、受光素子2に写される。従って、1単位の受光素子のアスペクト比の小さい受光素子2であっても、バーコードBの副方向(バー方向)Nにおけるかすれ等Kの悪影響を補って、バーコードBを正確に読み取ることができる。なお、実施例4の焦点距離EFLはEFL=14.3974であるので(表4参照)、ASX/EFL=0.306であり、∞>ASX/EFL>0.09の関係を有している。
【0034】
【表4】
表5に実施例5の読み取り用レンズ系を示すと共に、そのレンズ系のバーコードBの主方向Mにおける構成図を図5(a)に、副方向Nにおける構成図を図5(b)に、非点収差を図5(c)に、それぞれ示す。
【0035】
主方向非点収差量ASYはASY≒0であるので(図5(c)参照)、バーコードBの主方向Mの像は受光素子2面上でほぼ結像する(図5(a)参照)。一方、副方向非点収差量ASXはASX=9.6であるので(図5(c)参照)、バーコードBの副方向Nの像は受光素子2の後方略9.6mmのポイントで結像する。よって、バーコードBの副方向Nの像は、受光素子2上に拡散された状態で写される(図5(b)参照)。故に、主方向Mにおいては焦点の合った像が、副方向Nにおいては焦点のずれた像が、受光素子2に写される。従って、1単位の受光素子のアスペクト比の小さい受光素子2であっても、バーコードBの副方向(バー方向)Nにおけるかすれ等Kの悪影響を補って、バーコードBを正確に読み取ることができる。なお、実施例5の焦点距離EFLはEFL=11.657であるので(表5参照)、ASX/EFL=0.824であり、∞>ASX/EFL>0.09の関係を有している。
【0036】
【表5】
表6に実施例6の読み取り用レンズ系を示すと共に、そのレンズ系のバーコードBの主方向Mにおける構成図を図6(a)に、副方向Nにおける構成図を図6(b)に、非点収差を図6(c)に、それぞれ示す。
【0037】
主方向非点収差量ASYはASY≒0であるので(図6(c)参照)、バーコードBの主方向Mの像は受光素子2面上でほぼ結像する(図6(a)参照)。一方、副方向非点収差量ASXはASX=11であるので(図6(c)参照)、バーコードBの副方向Nの像は受光素子2の後方略11mmのポイントで結像する。よって、バーコードBの副方向Nの像は、受光素子2上に拡散された状態で写される(図6(b)参照)。故に、主方向Mにおいては焦点の合った像が、副方向Nにおいては焦点のずれた像が、受光素子2に写される。従って、1単位の受光素子のアスペクト比の小さい受光素子2であっても、バーコードBの副方向(バー方向)Nにおけるかすれ等Kの悪影響を補って、バーコードBを正確に読み取ることができる。なお、実施例6の焦点距離EFLはEFL=14.4137であるので(表6参照)、ASX/EFL=0.763であり、∞>ASX/EFL>0.09の関係を有している。
【0038】
【表6】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、実施例1の読み取り用レンズ系のバーコードの主方向における構成図であり、(b)は、その読み取り用レンズ系のバーコードの副方向における構成図であり、(c)は、その読み取り用レンズ系の非点収差を示した図である。
【図2】(a)は、実施例2の読み取り用レンズ系のバーコードの主方向における構成図であり、(b)は、その読み取り用レンズ系のバーコードの副方向における構成図であり、(c)は、その読み取り用レンズ系の非点収差を示した図である。
【図3】(a)は、実施例3の読み取り用レンズ系のバーコードの主方向における構成図であり、(b)は、その読み取り用レンズ系のバーコードの副方向における構成図であり、(c)は、その読み取り用レンズ系の非点収差を示した図である。
【図4】(a)は、実施例4の読み取り用レンズ系のバーコードの主方向における構成図であり、(b)は、その読み取り用レンズ系のバーコードの副方向における構成図であり、(c)は、その読み取り用レンズ系の非点収差を示した図である。
【図5】(a)は、実施例5の読み取り用レンズ系のバーコードの主方向における構成図であり、(b)は、その読み取り用レンズ系のバーコードの副方向における構成図であり、(c)は、その読み取り用レンズ系の非点収差を示した図である。
【図6】(a)は、実施例6の読み取り用レンズ系のバーコードの主方向における構成図であり、(b)は、その読み取り用レンズ系のバーコードの副方向における構成図であり、(c)は、その読み取り用レンズ系の非点収差を示した図である。
【図7】(a)は、実施例1の読み取り対象となるバーコードを示した図であり、(b)は、実施例1の読み取り用レンズ系にて読み取られた結果、受光素子に写されるバーコードの像を示した図である。
【図8】(a)は、従来例の読み取り対象となるバーコードを示した図であり、(b)は、従来例の読み取り用レンズ系にて読み取られた結果、受光素子に写されるバーコードの像を示した図である。
【符号の説明】
1 読み取り用レンズ
2 受光素子
ASP 回転対称非球面
ASX 副方向非点収差量
ASY 主方向非点収差量
B バーコード
K かすれ等
M バーコードの主方向(バーと直交する方向)
N バーコードの副方向(バーの高さ方向)
SR 球面
STO 開口絞り面
XYP 回転非対称非球面
【発明の属する技術分野】本発明は、バーコード読取装置に用いられる読み取り用レンズ及びその読み取り用レンズ系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バーコードの読み取りに使用される光学的センサは、リニアに受光素子が並んでいるが、各受光素子のアスペクト比、すなわち各受光素子の縦寸法と横寸法との比(縦寸法/横寸法)が200/14(>14)と大きいので、図8(a)に示すように、バーコードBにかすれや欠け、傷あるいは汚れ(以下「かすれ等K」と称す)があっても、読み取り誤差を生じ難い。即ち、バーコードBの縦方向(バーの高さ方向)Nを広範囲に読み取るので、バーの一部分にかすれ等Kがあっても、その影響を打ち消して読み取り誤差をなくすからである。
【0003】
一方、アスペクト比の大きい受光素子は、アスペクト比の小さい受光素子より高額なので、アスペクト比の小さい受光素子を使用できる読み取り用レンズ系が望まれている。しかし、かかるアスペクト比の小さい受光素子を用いてバーコードBを読み取ると、その読み取り範囲が縦方向Nに短く設定される結果、受光素子には、図8(b)に示すように受像され、かすれ等Kの影響でバーコードBを正確に読み取ることができない。
【0004】
これに対し、特許第2774892号公報(特許文献1)には、集光レンズ(読み取り用レンズ)に加えて、円筒状レンズ体(シリンダーレンズ)を用いた発明が記載されている。該発明は、バーコードのバーと直交する方向(本願の図8(a)におけるM方向)では、バーコードから来る光は円筒状レンズ体の軸方向にほとんど屈折されず結像し、バーコードのバー方向(本願の図8(a)におけるN方向)では、バーコードから来る光は円筒状レンズ体により屈折されて拡散し受光面上に結像するように構成して、バーコードの縦方向の欠陥(かすれ等)を補って、バーコードを正確に読み取るようにしたものである。
【0005】
また、特許第3070484号公報(特許文献2)には、バーコードのバー方向(本願の図8(a)におけるN方向)にデフォーカスしてぼけを生じさせ、バーコードの縦方向(バー方向)のかすれ等を補って、バーコードを正確に読み取るようにした発明が記載されている。
【0006】
更に、特許第2720667号公報(特許文献3)には、バーコードのバーと直交する方向(本願の図8(a)におけるM方向)の解像度を、バーコードのバー方向(本願の図8(a)におけるN方向)の解像度より高解像度にして、バーコードを正確に読み取るようにした発明が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特許第2774892号公報(段落0020,図16)
【0008】
【特許文献2】特許第3070484号公報
【0009】
【特許文献3】特許第2720667号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特許文献1に記載の発明では、集光レンズ(読み取り用レンズ)のほかに円筒状レンズ体(シリンダーレンズ)を用いる分、装置コストがアップするという問題点がある。また、特許文献2に記載の発明では、ピントをずらして使用するので、絞りを暗くせざるを得ず、そのため高感度の受光素子が必要となり、装置コストがアップするという問題点がある。更に、特許文献3に記載の発明では、バー横方向(本願の図8(a)におけるM方向)とバー高さ方向(本願の図8(a)におけるN方向)との解像度の差は、特許文献3の図3に図示されるように、受光レンズ(読み取り用レンズ)の周辺部では大きいものの、中心部では略同一となっているので、かすれ等KがバーコードBの中心部にある場合には、バーコードを正確に読み取ることができないという問題点がある。特に、かかる解像度の差は、受光レンズの中心部から周辺部にかけて一定でないので、かすれ等KがバーコードB上のどの位置にあるかによって読み取り結果が不安定なものとなるという問題点がある。
【0011】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、安価な構成で、1単位の受光素子のアスペクト比の小さい受光素子を使用してもバーコードを正確に読み取ることができるバーコード読取装置に用いられる読み取り用レンズ及びその読み取り用レンズ系を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために請求項1記載のバーコード読取装置に用いられる読み取り用レンズは、少なくとも1面が回転非対称非球面で構成されると共に、下記条件式(1)または(2)を、前記レンズの中心部から周辺部にかけて満足するものである。
条件式
(1)∞>ASX/EFL>0.1,ASY≒0
(2)−∞<ASX/EFL<−0.15,ASY≒0
但し、ASXは、副方向非点収差量であり、ASYは、主方向非点収差量であり、EFLは、焦点距離である。
【0013】
この請求項1記載の読み取り用レンズによれば、条件式(1)を満たす場合には、バーコードの主方向(バーと直交する方向)の焦点位置は受光素子の位置に合った状態で、バーコードの副方向(バー方向)の焦点位置が受光素子の後方へずれる。一方、条件式(2)を満たす場合には、バーコードの主方向の焦点位置は受光素子の位置に合った状態で、バーコードの副方向の焦点位置が受光素子の前方(読み取り用レンズ側)へずれる。この焦点位置の関係は、読み取り用レンズの中心部から周辺部にかけて満足されるので、バーコードの副方向のかすれ等の影響を補って、バーコードを正確に読み取ることができる。
【0014】
請求項2記載の読み取り用レンズは、請求項1記載の読み取り用レンズにおいて、前記回転非対称非球面を有するレンズは、1枚のガラスレンズまたはプラスチックレンズから構成されている。
【0015】
請求項3記載の読み取り用レンズは、請求項1記載の読み取り用レンズにおいて、前記回転非対称非球面は、ガラスレンズの表面に透明材料による回転非対称非球面層を接合して形成されるものである。
【0016】
請求項4記載のバーコード読取装置に用いられる読み取り用レンズ系は、絞りと、読み取り用レンズと、受光素子との順にバーコード側より配置され、前記レンズは、前記受光素子側の面が回転非対称非球面で構成されると共に、下記条件式(1)または(2)を、前記レンズの中心部から周辺部にかけて満足するものであることを特徴とする読み取り用レンズ系。
条件式
(1)∞>ASX/EFL>0.1,ASY≒0
(2)−∞<ASX/EFL<−0.15,ASY≒0
但し、ASXは、副方向非点収差量であり、ASYは、主方向非点収差量であり、EFLは、焦点距離である。
【0017】
この請求項4記載の読み取り用レンズ系によれば、条件式(1)を満たす場合には、バーコードの主方向(バーと直交する方向)の焦点位置は受光素子の位置に合った状態で、バーコードの副方向(バー方向)の焦点位置が受光素子の後方へずれる。一方、条件式(2)を満たす場合には、バーコードの主方向の焦点位置は受光素子の位置に合った状態で、バーコードの副方向の焦点位置が受光素子の前方(読み取り用レンズ側)へずれる。この焦点位置の関係は、読み取り用レンズの中心部から周辺部にかけて満足されるので、バーコードの副方向のかすれ等の影響を補って、バーコードを正確に読み取ることができる。
【0018】
【発明の効果】本発明の読み取り用レンズ及びその読み取り用レンズ系によれば、回転非対称非球面を有する1枚の読み取り用レンズによって、バーコードの主方向(バーと直交する方向)の焦点位置は受光素子の位置に合わせた状態で、バーコードの副方向(バー方向)の焦点位置を受光素子の配設位置からずらしている。よって、バーコードの主方向を正確に読み取りつつ、バーコードの副方向の読み取りをぼかして、その副方向におけるかすれ等の悪影響を補うことができる。従って、各受光素子のアスペクト比が小さい(1単位の受光素子のアスペクト比の小さい)受光素子を使用しても、バーコードを正確に読み取ることができる。よって、複数枚のレンズを用いる場合や、ピントをずらし主方向の読み取り性能を確保するために絞りを暗くするが故に高感度の受光素子を用いざるを得ない場合に比べて、装置コストを低減することができるという効果がある。また、主方向及び副方向における焦点位置の関係は、読み取り用レンズの中心部から周辺部にかけて満足するので、かすれ等がバーコード上のどの位置にあっても、そのかすれ等の悪影響を補って、バーコードを正確に読み取ることができるという効果がある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1から図6に示すように、各実施例の読み取り用レンズ系は、バーコードB、開口絞り面STO、読み取り用レンズ1、受光素子2の順に配設されている。受光素子2は例えばCCDで構成され、その各受光素子2は14/14〜56/14の小さいアスペクト比のものが使用されている。読み取り用レンズ1は、実施例1から5では、バーコードB側の面が球面SR、受光素子2側の面が回転非対称非球面XYPとされている。また、実施例6では、バーコードB側の面が回転対称非球面ASP、受光素子2側の面が回転非対称非球面XYPとされている。
【0020】
各実施例の表に記載される、EFLは焦点距離、FNOはFナンバー、βは倍率である。バーコードB側から数えて第i番目面(iは1から3の自然数)の曲率半径(非球面においては軸上曲率半径)をR、面間隔をTIH(単位はmm)、開口絞り面をSTO(i=1)、波長587.56nmでの屈折率をNd、アッベ数をνdとする。
【0021】
回転対称非球面ASP(実施例6のみ)は、光軸上での頂点からの距離をH、そのHの位置での非球面上での高さをV、光軸上での曲率半径をR、円錐係数をK、4次、6次の非球面係数をそれぞれA4、A6とするとき、
【0022】
【数1】
なる式で与えられる曲線を光軸の回りに回転して得られる曲面である。
【0023】
回転非対称非球面XYPは、光軸上での頂点からの距離をW(Wは(x2+y2)の平方根である。なお、xおよびyは、xy座標の座標点である。)とし、xy座標位置での非球面上での高さをz、光軸上での曲率をC(C=1/R,Rは曲率半径)、円錐係数をK、非球面係数をX2、Y2、X4、Y4、X6、Y6、X8、Y8とするとき、
【0024】
【数2】
なる式で与えられる面が回転非対称非球面である。
【0025】
表1に実施例1の読み取り用レンズ系を示すと共に、そのレンズ系のバーコードBの主方向Mにおける構成図を図1(a)に、副方向Nにおける構成図を図1(b)に、非点収差を図1(c)に、それぞれ示す。
【0026】
主方向非点収差量ASYはASY≒0であるので(図1(c)参照)、バーコードBの主方向Mの像は受光素子2面上でほぼ結像する(図1(a)参照)。一方、副方向非点収差量ASXはASX=−5.12であるので(図1(c)参照)、バーコードBの副方向Nの像は受光素子2の手前略5.12mmのポイントで結像した後、拡散し、受光素子2に写される(図1(b)参照)。よって、主方向Mにおいては焦点の合った像が、副方向Nにおいては焦点のずれた像が、受光素子2に写される。なお、実施例1の焦点距離EFLはEFL=14.4137であるので(表1参照)、ASX/EFL=−0.355であり、−∞<ASX/EFL<−0.15の関係を有している。
【0027】
【表1】
図7(a)は、この実施例1の読み取り対象となるバーコードBを示した図であり、かすれや欠け、傷あるいは汚れ(以下「かすれ等K」と称す)のあるバーコードBが図示されている。このバーコードBのうち、図7(a)に示す横長の矩形部分で示される範囲が、実施例1の読み取り用レンズ系にて読み取られると、図7(b)に示す像が受光素子2に写される。この像が受光素子2によって読み取られるので、各受光素子のアスペクト比が小さい(1単位の受光素子のアスペクト比の小さい)受光素子2であっても、バーコードBの副方向(バー方向)Nにおけるかすれ等Kの悪影響を補って、バーコードBを正確に読み取ることができる。
【0028】
表2に実施例2の読み取り用レンズ系を示すと共に、そのレンズ系のバーコードBの主方向Mにおける構成図を図2(a)に、副方向Nにおける構成図を図2(b)に、非点収差を図2(c)に、それぞれ示す。
【0029】
主方向非点収差量ASYはASY≒0であるので(図2(c)参照)、バーコードBの主方向Mの像は受光素子2面上でほぼ結像する(図2(a)参照)。一方、副方向非点収差量ASXはASX=−2.3であるので(図2(c)参照)、バーコードBの副方向Nの像は受光素子2の手前略2.3mmのポイントで結像した後、拡散し、受光素子2に写される(図2(b)参照)。よって、主方向Mにおいては焦点の合った像が、副方向Nにおいては焦点のずれた像が、受光素子2に写される。従って、1単位の受光素子のアスペクト比の小さい受光素子2であっても、バーコードBの副方向(バー方向)Nにおけるかすれ等Kの悪影響を補って、バーコードBを正確に読み取ることができる。なお、実施例2の焦点距離EFLはEFL=14.4137であるので(表2参照)、ASX/EFL=−0.160であり、−∞<ASX/EFL<−0.15の関係を有している。
【0030】
【表2】
表3に実施例3の読み取り用レンズ系を示すと共に、そのレンズ系のバーコードBの主方向Mにおける構成図を図3(a)に、副方向Nにおける構成図を図3(b)に、非点収差を図3(c)に、それぞれ示す。
【0031】
主方向非点収差量ASYはASY≒0であるので(図3(c)参照)、バーコードBの主方向Mの像は受光素子2面上でほぼ結像する(図3(a)参照)。一方、副方向非点収差量ASXはASX=1.36であるので(図3(c)参照)、バーコードBの副方向Nの像は受光素子2の後方略1.36mmのポイントで結像する。よって、バーコードBの副方向Nの像は、受光素子2上に拡散された状態で写される(図3(b)参照)。故に、主方向Mにおいては焦点の合った像が、副方向Nにおいては焦点のずれた像が、受光素子2に写される。従って、1単位の受光素子のアスペクト比の小さい受光素子2であっても、バーコードBの副方向(バー方向)Nにおけるかすれ等Kの悪影響を補って、バーコードBを正確に読み取ることができる。なお、実施例3の焦点距離EFLはEFL=14.4137であるので(表3参照)、ASX/EFL=0.094であり、∞>ASX/EFL>0.09の関係を有している。
【0032】
【表3】
表4に実施例4の読み取り用レンズ系を示すと共に、そのレンズ系のバーコードBの主方向Mにおける構成図を図4(a)に、副方向Nにおける構成図を図4(b)に、非点収差を図4(c)に、それぞれ示す。
【0033】
主方向非点収差量ASYはASY≒0であるので(図4(c)参照)、バーコードBの主方向Mの像は受光素子2面上でほぼ結像する(図4(a)参照)。一方、副方向非点収差量ASXはASX=4.4であるので(図4(c)参照)、バーコードBの副方向Nの像は受光素子2の後方略4.4mmのポイントで結像する。よって、バーコードBの副方向Nの像は、受光素子2上に拡散された状態で写される(図4(b)参照)。故に、主方向Mにおいては焦点の合った像が、副方向Nにおいては焦点のずれた像が、受光素子2に写される。従って、1単位の受光素子のアスペクト比の小さい受光素子2であっても、バーコードBの副方向(バー方向)Nにおけるかすれ等Kの悪影響を補って、バーコードBを正確に読み取ることができる。なお、実施例4の焦点距離EFLはEFL=14.3974であるので(表4参照)、ASX/EFL=0.306であり、∞>ASX/EFL>0.09の関係を有している。
【0034】
【表4】
表5に実施例5の読み取り用レンズ系を示すと共に、そのレンズ系のバーコードBの主方向Mにおける構成図を図5(a)に、副方向Nにおける構成図を図5(b)に、非点収差を図5(c)に、それぞれ示す。
【0035】
主方向非点収差量ASYはASY≒0であるので(図5(c)参照)、バーコードBの主方向Mの像は受光素子2面上でほぼ結像する(図5(a)参照)。一方、副方向非点収差量ASXはASX=9.6であるので(図5(c)参照)、バーコードBの副方向Nの像は受光素子2の後方略9.6mmのポイントで結像する。よって、バーコードBの副方向Nの像は、受光素子2上に拡散された状態で写される(図5(b)参照)。故に、主方向Mにおいては焦点の合った像が、副方向Nにおいては焦点のずれた像が、受光素子2に写される。従って、1単位の受光素子のアスペクト比の小さい受光素子2であっても、バーコードBの副方向(バー方向)Nにおけるかすれ等Kの悪影響を補って、バーコードBを正確に読み取ることができる。なお、実施例5の焦点距離EFLはEFL=11.657であるので(表5参照)、ASX/EFL=0.824であり、∞>ASX/EFL>0.09の関係を有している。
【0036】
【表5】
表6に実施例6の読み取り用レンズ系を示すと共に、そのレンズ系のバーコードBの主方向Mにおける構成図を図6(a)に、副方向Nにおける構成図を図6(b)に、非点収差を図6(c)に、それぞれ示す。
【0037】
主方向非点収差量ASYはASY≒0であるので(図6(c)参照)、バーコードBの主方向Mの像は受光素子2面上でほぼ結像する(図6(a)参照)。一方、副方向非点収差量ASXはASX=11であるので(図6(c)参照)、バーコードBの副方向Nの像は受光素子2の後方略11mmのポイントで結像する。よって、バーコードBの副方向Nの像は、受光素子2上に拡散された状態で写される(図6(b)参照)。故に、主方向Mにおいては焦点の合った像が、副方向Nにおいては焦点のずれた像が、受光素子2に写される。従って、1単位の受光素子のアスペクト比の小さい受光素子2であっても、バーコードBの副方向(バー方向)Nにおけるかすれ等Kの悪影響を補って、バーコードBを正確に読み取ることができる。なお、実施例6の焦点距離EFLはEFL=14.4137であるので(表6参照)、ASX/EFL=0.763であり、∞>ASX/EFL>0.09の関係を有している。
【0038】
【表6】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、実施例1の読み取り用レンズ系のバーコードの主方向における構成図であり、(b)は、その読み取り用レンズ系のバーコードの副方向における構成図であり、(c)は、その読み取り用レンズ系の非点収差を示した図である。
【図2】(a)は、実施例2の読み取り用レンズ系のバーコードの主方向における構成図であり、(b)は、その読み取り用レンズ系のバーコードの副方向における構成図であり、(c)は、その読み取り用レンズ系の非点収差を示した図である。
【図3】(a)は、実施例3の読み取り用レンズ系のバーコードの主方向における構成図であり、(b)は、その読み取り用レンズ系のバーコードの副方向における構成図であり、(c)は、その読み取り用レンズ系の非点収差を示した図である。
【図4】(a)は、実施例4の読み取り用レンズ系のバーコードの主方向における構成図であり、(b)は、その読み取り用レンズ系のバーコードの副方向における構成図であり、(c)は、その読み取り用レンズ系の非点収差を示した図である。
【図5】(a)は、実施例5の読み取り用レンズ系のバーコードの主方向における構成図であり、(b)は、その読み取り用レンズ系のバーコードの副方向における構成図であり、(c)は、その読み取り用レンズ系の非点収差を示した図である。
【図6】(a)は、実施例6の読み取り用レンズ系のバーコードの主方向における構成図であり、(b)は、その読み取り用レンズ系のバーコードの副方向における構成図であり、(c)は、その読み取り用レンズ系の非点収差を示した図である。
【図7】(a)は、実施例1の読み取り対象となるバーコードを示した図であり、(b)は、実施例1の読み取り用レンズ系にて読み取られた結果、受光素子に写されるバーコードの像を示した図である。
【図8】(a)は、従来例の読み取り対象となるバーコードを示した図であり、(b)は、従来例の読み取り用レンズ系にて読み取られた結果、受光素子に写されるバーコードの像を示した図である。
【符号の説明】
1 読み取り用レンズ
2 受光素子
ASP 回転対称非球面
ASX 副方向非点収差量
ASY 主方向非点収差量
B バーコード
K かすれ等
M バーコードの主方向(バーと直交する方向)
N バーコードの副方向(バーの高さ方向)
SR 球面
STO 開口絞り面
XYP 回転非対称非球面
Claims (4)
- バーコード読取装置に用いられる読み取り用レンズにおいて、
前記レンズは、少なくとも1面が回転非対称非球面で構成されると共に、下記条件式(1)または(2)を、前記レンズの中心部から周辺部にかけて満足するものであることを特徴とする読み取り用レンズ。
条件式
(1)∞>ASX/EFL>0.1,ASY≒0
(2)−∞<ASX/EFL<−0.15,ASY≒0
但し、ASXは、副方向非点収差量であり、ASYは、主方向非点収差量であり、EFLは、焦点距離である。 - 前記回転非対称非球面を有するレンズは、1枚のガラスレンズまたはプラスチックレンズから構成されていることを特徴とする請求項1記載の読取り用レンズ。
- 前記回転非対称非球面は、ガラスレンズの表面に透明材料による回転非対称非球面層を接合して形成されることを特徴とする請求項1記載の読取り用レンズ。
- 絞りと、読み取り用レンズと、受光素子との順にバーコード側より配置されて構成されるバーコード読取装置に用いられる読み取り用レンズ系において、
前記レンズは、前記受光素子側の面が回転非対称非球面で構成されると共に、下記条件式(1)または(2)を、前記レンズの中心部から周辺部にかけて満足するものであることを特徴とする読み取り用レンズ系。
条件式
(1)∞>ASX/EFL>0.1,ASY≒0
(2)−∞<ASX/EFL<−0.15,ASY≒0
但し、ASXは、副方向非点収差量であり、ASYは、主方向非点収差量であり、EFLは、焦点距離である。
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