JP2005016566A - Extended anchor, anchor execution method for structure, and structure execution method - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート、モルタル等の母材に設けられた下孔の中に挿入された状態で固定されるアンカーボルトに関し、特に、母材が二層に分かれている場合(1層の母材が2層に分かれたものを含む)であっても、その界面を横切るように挿入されて、二層の母材の固定状態を安定して維持したり、また、1層の母材を2層に分けるようなクラック等が発生した場合も、母材の一部の剥離や浮き(例えば外壁や床板(コンクリート床板等)の下面の躯体が剥離すること等)を防止する拡張アンカー、及び、これを用いた構造物に対するアンカーの施工方法、構造物の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、コンクリート躯体(高架橋、建物等、コンクリート構造物の躯体)等のクラックを補修する技術として、専用の器具を用いてクラックに樹脂補修材を注入する方法が広く採用されている(例えば、特許文献1)。この補修方法では、樹脂補修材を、注入によって、微細なクラックにまでしっかりと注入できる利点がある。しかし、上述したような補修方法の場合、クラックによって分かれた層間の界面は、樹脂補修材の付着力のみによって継ぎ止められ、ボルト等の機械的な力による継ぎ止め力が働かないため、界面が剥離する力に対する抵抗力が弱いという問題点があった。
【0003】
これに対して、下孔に挿入したパイプ材の中に芯棒を打ち込むことで、芯棒の釘先状先端部とテーパ状基端部とによって、パイプ材の軸方向両端が拡張されて、下孔内に固定される構造の補修用アンカーを用いる工法も知られている(以下、芯棒打ち込みアンカー方式とも言う。例えば、後述の特許文献2)。補修用アンカーは、下孔に挿入される前記パイプ材の、芯棒の打ち込みによって拡張される軸方向両端の内、一方が拡張によってコンクリート躯体に固定され、他方が拡張によって外壁層に固定されることで、コンクリート躯体に外壁層を結着する決着手段として機能するものであり、コンクリート躯体と外壁層の両方に対して、パイプ材両端の拡張部分によって機械的に固定されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−32308号公報
【特許文献2】
実公平4−12206号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したような芯棒打ち込みアンカー方式の場合、
(a)パイプ材に芯棒を打ち込む際に、芯棒を叩打する叩打力で、外壁層を傷めないように注意深く作業を行う必要があり、作業性が不満があった。また、打ち込み時の衝撃により、外壁層を傷めたり、外壁層に存在していたヒビを拡張を拡張させてしまうといった不都合が生じやすくなる。
(b)特に、上向きの作業で芯棒の打ち込みなどを行う場合には、芯棒の斜め打ちなどが生じやすくなり、作業性が悪い。
といった不満があった。
【0006】
これに鑑みて、例えば、いわゆるコーンナット式アンカーを適用することも考えられる(例えば特公昭59−30925号)。周知のように、コーンナット式アンカーは、ボルトを回転させて該ボルトに螺着されているコーンを引き上げによって、ボルトに外挿されている拡張スリーブを拡張させる構成であり、芯棒打ち込み方式との対比で、外壁層の損傷等の問題を回避しやすい。しかしながら、コーンナット式アンカーは、コーン引き上げ用のボルトが、施工完了後に、外壁等の母材表面から突出する構造のものが主流であり、施工後の美観の点で不利であるといった問題がある。また、母材表面に形成した凹所から下孔にコーンナット式アンカーを挿入して、アンカー施工後に、凹所をモルタル等で埋めることで、この凹所内に突出するボルト等をも埋設する方式も考えられるが、母材への凹所の形成に掛かる手間が膨大であり、また、施工後の美観確保も容易ではない。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、
(a)外壁層等の母材表層を傷めること無く、母材に対して容易に固定できる、(b)施工後の美観確保も容易に実現できる、
(c)複数層によって構成された母材の層間の界面への補修用樹脂(接着剤)の注入を容易に実現できる、
(d)アンカーの両端の追従拡張機能によって、固着状態を安定確保できる
拡張アンカー、及び、これを用いた構造物に対するアンカーの施工方法、構造物の施工方法を関するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的のため、本発明では、コンクリート等の母材に穿孔されている下孔内に挿入したネジ軸を回転させることで、このネジ軸に外挿されている拡張スリーブが拡張されて下孔内面に圧着されることで、下孔内に固定される拡張アンカーであって、ネジ軸と、このネジ軸に外挿された2つの拡張スリーブと、前記ネジ軸に螺着された拡張コーンとを有し、前記ネジ軸の軸方向一端部である基端部には、該ネジ軸を回転させるための工具が係合される工具係合部と、前記2つの拡張スリーブの内の一方である第1拡張スリーブを拡張させるための拡張用テーパ部とが形成されており、前記第1拡張スリーブと、2つの拡張スリーブの内の他方であり、第1拡張スリーブよりも、前記ネジ軸の前記基端部とは逆の先端部側にてネジ軸に外挿された第2拡張スリーブとが、前記拡張用テーパ部と前記拡張コーンとの間に配置されており、全体を下孔に挿入した状態で、前記ネジ軸を回転させることで、前記拡張コーンが前記拡張用テーパ部に向かって前記ネジ軸の長手方向に沿って移動して前記第2拡張スリーブを拡張させ、該第2拡張スリーブを下孔内に固定させるとともに、前記ネジ軸が、前記第2拡張スリーブの下孔内での固定により下孔内での移動が規制された前記拡張コーンに対する回転によって、前記下孔の奥側へ移動しつつ、前記拡張用テーパ部によって前記第1拡張スリーブを拡張させるようになっていることを特徴とする拡張アンカーを提供する。
また、本発明では、第1拡張スリーブと第2拡張スリーブとの間に、第1拡張スリーブと第2拡張スリーブとの間の離隔距離を確保するためのスリーブ状のスペーサが、前記ネジ軸に外挿して介挿されている構成も採用可能である。
また、本発明では、前記ネジ軸には、該ネジ軸の内部を貫通する接着剤通路が形成されており、この接着剤通路は、前記ネジ軸の基端部側の端面に開口された接着剤入口と、前記ネジ軸の外周面に開口された接着剤出口とを有する構成、並びに、さらに、前記スペーサに、前記接着剤入口から接着剤通路に注入されて接着剤出口から流出した接着剤を前記スペーサの外側に流出させるための接着剤孔が形成されている構成も採用可能である。
また、本発明では、第1拡張スリーブと第2拡張スリーブとが連結され、ひとつながりになっている1本のスリーブを形成している構成も採用可能である。この場合は、部品点数が非常に少なくなり、低コスト化が可能になる。
また、本発明では、上述した拡張アンカーを、複数の層を有する母材に穿設されている下孔に挿入して、前記母材の層間の界面を1つ以上横切るように配置し、ネジ軸を回転させることによって、前記拡張アンカーの2つの拡張スリーブを拡張させて、第1拡張スリーブを前記母材の層の一つである第1層に固定し、第2拡張スリーブを前記母材の層の一つである第2層に固定せしめることで、拡張アンカーを、前記母材の内の第1層及び第2層を含む複数の層を結着させる結着部材として機能させることを特徴とする構造物に対するアンカーの施工方法を提供する。
また、本発明では、上述した拡張アンカーを、複数の層を有する母材に穿設されている下孔に挿入して、前記母材の層間の界面を1つ以上横切るように配置し、ネジ軸を回転させることによって、前記拡張アンカーの2つの拡張スリーブを拡張させて、第1拡張スリーブを前記母材の層の一つである第1層に固定し、第2拡張スリーブを前記母材の層の一つである第2層に固定せしめることで、拡張アンカーを、前記母材の内の第1層及び第2層を含む複数の層を結着させる結着部材として機能させた後、前記接着剤入口から接着剤を注入することで、この接着剤を前記接着剤通路を介して下孔に注入することを特徴とする構造物に対するアンカーの施工方法を提供する。この構造物に対するアンカーの施工方法では、接着剤通路を介して下孔に注入した接着剤を、第1層と第2層との間に存在する1又は複数の層間界面にある隙間に注入する構成も採用可能である。
また、本発明では、上述した拡張アンカーの第2拡張スリーブを、母材に穿設されている下孔に挿入し、かつ、第1拡張スリーブを前記母材の外に配置した状態で、ネジ軸を回転して、第1拡張スリーブと第2拡張スリーブとを拡張することで、前記拡張アンカーを前記母材に固定した後、この拡張アンカーを取り囲む型枠を組み立て、この型枠内に流し込んだ材料を固化させて前記母材に接合する接合層を形成し、この接合層に、前記拡張アンカーの、前記母材から突出した部分を埋設、一体化することを特徴とする構造物の施工方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1〜図3は、本発明の実施の形態による拡張アンカー1の構造を示す図であり、図1は斜視図、図2は断面図、図3は拡張アンカー1を分解して示した図である。
【0010】
図1〜図3において、本発明の実施の形態による拡張アンカー1は、ネジ軸2と、このネジ軸2に外挿された2つの拡張スリーブ3、4と、前記ネジ軸2に外挿して、2つの拡張スリーブ3、4の間に介挿されたスリーブ状のスペーサ5と、前記ネジ軸2に螺着された拡張コーン6とを有している。
【0011】
前記ネジ軸2の軸方向一端部である基端部21には、該ネジ軸2を回転させるための工具が係合される工具係合部22と、前記2つの拡張スリーブ3、4の内の一方である第1拡張スリーブ3を拡張させるための拡張用テーパ部23とが形成されている。前記工具係合部22は、ここでは、ネジ軸2の基端部21側の端面26に形成された凹所であり、ネジ軸2の頭部としても機能している拡張用テーパ部23に形成されている。ネジ軸2は、ネジ溝が螺刻されているネジ軸本体24の軸方向一端部に、該ネジ軸本体24よりも太い拡張用テーパ部23が形成されている構成であり、拡張用テーパ部23は、ネジ軸本体24からネジ軸2の基端部21側の端面26の側に行くにしたがって次第に外径が大きくなるテーパ形状に形成されている。前記工具係合部22は、具体的には、六角レンチが着脱可能に係合される六角穴になっているが、工具係合部としてはこれに限定されず、六角穴以外のレンチ係合穴、ネジ軸2の基端部21側の端面から突出する突起等であっても良い。
【0012】
第1拡張スリーブ3と、2つの拡張スリーブの内の他方である第2拡張スリーブ4と、スペーサ5とは、拡張用テーパ部23と拡張コーン6との間にて、ネジ軸2(具体的にはネジ軸本体24)に外挿されている。ここで、第2拡張スリーブ4は、第1拡張スリーブ3よりも、前記ネジ軸2の前記基端部21とは逆の先端部25側にてネジ軸2に外挿されている。第1拡張スリーブ3は、拡張用テーパ部23とスペーサ5との間に位置し、第2拡張スリーブ4は、スペーサ5と拡張コーン6との間に位置している。第1拡張スリーブ3及び第2拡張スリーブ4及びスペーサ5の内径は、ネジ軸本体24に対して僅かなクリアランスが確保される程度の大きさであり、また、これら拡張スリーブ3、4及びスペーサ5については、例えばネジ軸2との螺合等、ネジ軸2に対する該ネジ軸2の外周回りの自由な回転を規制する構成は存在しない。また、第1拡張スリーブ3の内径は、拡張用テーパ部23の最大径に比べて小さくなっており、強制的な押し込み力が作用しない限り、拡張用テーパ部23への押し込みによる拡張変形が生じることは無い。
【0013】
第1拡張スリーブ3、第2拡張スリーブ4、スペーサ5は、いずれも円筒状の金属部品であって、その外径がほぼ同じに揃えられており(第2拡張スリーブ4については回り止め突起41を除く部分の外径)、これら、2つの拡張スリーブ3とスペーサ5とを、拡張コーン6の締め付け力によって、拡張コーン6と拡張用テーパ部23との間に挟み込むようにすると、第1拡張スリーブ3と第2拡張スリーブ4とが突き合わされ、第2拡張スリーブ4とスペーサ5とが突き合わせられて、第1拡張スリーブ3外周面、第2拡張スリーブ4外周面、スペーサ5外周面によって連続する外周面を有する1本のスリーブ状となる(1本のスリーブ状となったものを、以下、スリーブユニット7と称して説明する場合がある)。また、拡張用テーパ部23や拡張コーン6は、スリーブユニット7の外周面の延長上(仮想外周面)から外側に突出しない大きさになっている。拡張スリーブ3、4と、スペーサ5は、断面円形のスリーブ状であり、スリーブユニット7も断面円形のスリーブ状となる。
【0014】
図4に示すように、この拡張アンカー1を、コンクリート等からなる母材8に穿設された下孔9内に挿入、固定するには、まず、拡張アンカー1を下孔9に挿入し、工具係合部22に係合した工具によってネジ軸2を回転させれば良い。
なお、図4は、天井等に対する上向きの作業で、母材8に拡張アンカー1を挿入した状態を示す。また、母材8は、コンクリート製の躯体81(建物等の構造物躯体。第2層)と、躯体81に一体に形成されたモルタル製の外壁層82(第1層)とを有するものである。
【0015】
下孔9は、母材8表面からの深さが、拡張アンカー1の全長よりも大きくなるように形成する。拡張アンカー1は、全体が下孔9に収容されるようにして下孔9に挿入するが、下孔9の奥側に拡張アンカー1が挿入されていない空の部分(符号9a)が確保されるようにする。この空の部分9aは、ネジ軸2の回転操作による第1、第2拡張スリーブ3、4の拡張を完了したとき(後述)に、第2拡張スリーブ4から下孔9奥側へのネジ軸2の突出の障害にならない大きさを確保する。
【0016】
図4において、前記下孔9は、母材8の外面84(外壁層82外面)から、外壁層82を貫通し、躯体81と外壁層82との界面83を横切って、躯体81の内部に達するように形成してある。拡張アンカー1は、先端部25側から下孔9に挿入していくが、この挿入によって、例えば、ネジ軸2の基端部21側の端面26を母材外面84と面一(あるいはほぼ面一)とすることで、丁度、第1拡張スリーブ3が外壁層82内となり、第2拡張スリーブ4が躯体81内となるように位置決めされるようになっている。第1拡張スリーブ3と第2拡張スリーブ4との間の間隔(離隔距離)は、スペーサ5の軸方向寸法によって設定できるため、種々の軸方向寸法のスペーサ5の選択使用によって、躯体81や外壁層82に対する2つの拡張スリーブ3、4の位置決めを実現できる。なお、下孔9に対する拡張アンカー1の挿入は、必ずしも、ネジ軸2の基端部21側の端面26を母材外面84と面一とする必要は無く、例えば外壁層82の厚さ等に対応して、適宜、設定され得る。
下孔9内径は、拡張アンカー1の断面形状(具体的には前述のスリーブユニット7の外径。但し、回り止め突起41を除く部分)とほぼ一致する断面形状に形成し、拡張アンカー1は、下孔9に叩き込むようにして圧入することで、第2拡張スリーブ4の回り止め突起41を、下孔9内面に強く圧接させて、下孔9内の所望位置に拡張アンカー1を仮止めするストッパーとして機能させる。
【0017】
下孔9への挿入を完了した拡張アンカー1の工具係合部22に工具を係合させ、ネジ軸2を回転させると、下孔9内面に圧接された回り止め突起41によってネジ軸2との伴回りが規制された第2拡張スリーブ4に対して、この第2拡張スリーブ4との接触によってやはりネジ軸2との伴回りが規制されている拡張コーン6が、ネジ軸2との螺合関係によってネジ軸2の回転に伴ってネジ軸2の基端部21側に移動することで第2拡張スリーブ4を押圧して、第2拡張スリーブ4を拡張させる(図5参照)。拡張コーン6(コーンナット)は、具体的には、ネジ軸2の基端部21側の端部から先端部25側の端部に行くにしたがって次第に太くなる(具体的には外径が増大する)テーパ形状の部材であり、ネジ軸2の回転によってネジ軸2の基端部21側に移動するに伴い、第2拡張スリーブ4の内側、すなわち、第2拡張スリーブ4内面とネジ軸2との間に押し込まれて行くことで、第2拡張スリーブ4を拡張していく。第2拡張スリーブ4には、ネジ軸2の先端部25側の端面からネジ軸2の基端部21側の端部に向けて切り込まれた形状のスリット42が複数形成されており、拡張コーン6の押し込みによって、ネジ軸2の先端部25側から、外側に押し広げられるようにして次第に拡張されていく。但し、スリット42は、第2拡張スリーブ4のネジ軸2基端部21側の端部には到達されておらず、第2拡張スリーブ4のネジ軸2基端部21側に位置する端部は、拡張コーン6の押し込みによっても拡張されないリング部43となっている。
【0018】
拡張アンカー1は、拡張コーン6の締め付けによって、拡張スリーブ3、4とスペーサ5とを、拡張用テーパ部23と拡張コーン6との間に挟み込むようにして、第2拡張スリーブ4と拡張コーン6との間に接触させた状態で下孔9に挿入することで、ネジ軸2を回転させたときに、回転するネジ軸2に対する拡張コーン6の伴回りを、拡張コーン6と第2拡張スリーブ4との接触によって規制できる。なお、第2拡張スリーブ4内面及び拡張コーン6外周面のいずれか一方又は両方に凹凸を形成して、第2拡張スリーブ4に対する拡張コーン6の相対回転を規制することも可能であり、この凹凸によって第2拡張スリーブ4に対して拡張コーン6が係合して、第2拡張スリーブ4に対する拡張コーン6の相対回転を確実に規制できる場合には、拡張コーン6の締め付けによって、第2拡張スリーブ4と拡張コーン6との間に圧接力を与えることは必ずしも必要では無くなる。
【0019】
拡張コーン6の押し込みによる第2拡張スリーブ4の拡張部分が下孔9内面に圧接されると、第2拡張スリーブ4が躯体81に固定される。第2拡張スリーブ4に対する拡張コーン6の押し込みは、下孔9内径等の関係により第2拡張スリーブ4の拡張が限界に達するか、あるいは、拡張コーン6が第2拡張スリーブ4のリング部43に突き当たることで、押し込み限界に達し、ネジ軸2基端部21側へのそれ以上の押し込みが不可能となる。押し込み不可能になった状態では、拡張コーン6は、第2拡張スリーブ4との圧接によって、回転されるネジ軸2に対する伴回りが規制された状態が継続する。
【0020】
拡張コーン6が押し込み限界に達した後、ネジ軸2の回転が継続されることで、今度は、ネジ軸2が、拡張コーン6との螺合関係によって、次第に下孔9の奥側に移動していく。これにより、図6に示すように、ネジ軸2の拡張用テーパ部23が、次第に、第1拡張スリーブ3の内側に押し込まれつつ、第1拡張スリーブ3を拡張していく。第1拡張スリーブ3には、ネジ軸2の基端部21側の端面からネジ軸2の先端部25側の端部に向けて切り込まれた形状のスリット31が複数形成されており(図1参照)、拡張用テーパ部23の押し込みによって、ネジ軸2の基端部21側に在った端部から、外側に押し広げられるようにして次第に拡張されていく。但し、スリット31は、第1拡張スリーブ3のネジ軸2先端部25側の端部には到達されておらず、第1拡張スリーブ3のネジ軸2先端部21側の端部は、拡張用テーパ部23の押し込みによっても拡張されないリング部32となっている。
【0021】
拡張用テーパ部23の押し込みによる第1拡張スリーブ3の拡張部分が下孔9内面に圧接されると、第1拡張スリーブ4が外壁層82に固定される(固定完了)。これにより、2つの拡張スリーブ3、4が下孔9内に固定されることで、拡張アンカー1全体が母材8に対してしっかりと固定される。また、躯体81と外壁層82とが拡張アンカー1によって強固に結着されることになり、躯体81からの外壁層82の剥離防止、剥落防止を実現できる。元々、一体であった躯体が界面剥離(クラックの発生等)して2つの層に分かれた場合であっても、同様に、剥離、剥落防止の効果を発揮できる。躯体81と外壁層82との界面83に隙間が生じている場合は、隙間の拡張を防止でき、また、隙間が存在しない場合でも、予防的に剥離防止等の補強を実現できる。しかも、この拡張アンカー1の両端には、追従拡張機能が付いている。ここで「追従拡張機能」は、拡張アンカー1に、母材の二つの層(躯体81と外壁層82)間が剥離しようとする力が作用したときに、この力が、拡張済みの第1拡張スリーブ3に対する拡張用テーパ部23の押し込み力、及び/又は、拡張済みの第2拡張スリーブ4に対する拡張コーン6の押し込み力として働き、いずれも、拡張スリーブを拡張させるように作用するものであり、仮に、拡張スリーブの周囲の下孔9が拡がっても、これに追従して拡張スリーブが拡張するため、安定な固着状態が維持されるものである。拡張アンカー1には、この追従拡張機能が両端に付いているので、界面剥離する方向の力が加わると、2つの層(第1層、第2層)のそれぞれにおいて、追従拡張機能が働き、剥離しようとする力に対する抵抗力を維持でき、固着状態を保つことができるといった優れた効果を奏する。なお、この明細書において「補強」は、剥離やひび割れ等の発生を防ぐ予防的な補強の他、ひび割れや浮きを生じた部分の「補修」も含むものとする。
さらに、母材8に対する拡張アンカー1の固定完了時には、下孔9に挿入した拡張アンカー1のネジ軸2の回転前に比べて、ネジ軸2の基端部21が、下孔9の奥側、すなわち、躯体81側に移動している。この拡張アンカー1では、下孔9に挿入した拡張アンカー1の母材8に対する固定完了時に、ネジ軸2の基端部21が母材外面84から突出しないようにすることができ、モルタル等の封止材で母材外面84側から下孔9を埋めるだけで、施工後の美観を容易に確保できるといった利点もある。
【0022】
第1拡張スリーブ3に対する拡張用テーパ部23の押し込みは、下孔9内径等の関係により第1拡張スリーブ3の拡張が限界に達するか、ネジ軸2先端部25側へのそれ以上の押し込みが不可能となり、下孔9奥側へのネジ軸2の移動も停止する。
下孔9に挿入した拡張アンカー1のネジ軸2の回転に、インパクトレンチを使用すれば、母材8に対する拡張アンカー1の固定を短時間で迅速に行える。また、インパクトレンチのトルク設定により、ネジ軸2の拡張用テーパ部23が第1拡張スリーブ3への押し込み限界に達したところで、インパクトレンチによるネジ軸2の回転駆動が停止されるようにすれば、ネジ軸2の基端部21側に拡張コーン6が必要以上に引き上げられて、拡張アンカー1や母材8を損傷するといった不都合を簡単に防止できるといった利点もある。
【0023】
(別態様)
図7〜図9は、本発明に係る実施の形態の拡張アンカー(符号1A)の別態様を示す。この拡張アンカー1Aでは、図1〜図6を参照して説明した拡張アンカー1のネジ軸2に代えて符号2Aのネジ軸を採用し、スペーサ5に代えて符号5Aのスペーサを採用している。
ネジ軸2Aは、該ネジ軸2Aの内部を貫通する接着剤通路27が形成されている点で、前記ネジ軸2と異なる。接着剤通路27以外の構成は、前述のネジ軸2と同様であり、ネジ軸2Aについても、ネジ軸2と同じ符号を用いて説明する。接着剤通路27は、前記ネジ軸2Aの基端部21側の端面26に開口された接着剤入口27aと、該ネジ軸本体24の外周面28に開口された接着剤出口27bとを有している。
スリーブ5Aは、接着剤孔51が形成されている点のみが、拡張アンカー1のスリーブ5と異なる。前記接着剤孔51は、該スリーブ5Aの側面に開口し、該スリーブ5Aの内外に連通している。
前記接着剤入口から接着剤通路に注入されて接着剤出口から流出した接着剤を前記スペーサの外側に流出させるための接着剤孔が形成されている
【0024】
この拡張アンカー1Aを母材8の下孔9に挿入して、ネジ軸2Aを回転させることで、2つの拡張スリーブ3、4の拡張により、母材8に固定できることは、前述の拡張アンカー1と同様である。また、第1拡張スリーブ3が拡張により外壁層82に固定され、第2拡張スリーブ4が拡張により躯体81に固定されることで、母材8の躯体81と外壁層82とを結着できることも、拡張アンカー1と同様である。
但し、この拡張アンカー1Aでは、接着剤通路27の接着剤入口27aにニップル10を螺着できるようになっており、接着剤入口27aへの螺着によってネジ軸2Aと固定したニップル10の、ネジ軸2Aの端面26上に突出した部分を工具で回転操作することで、ネジ軸2Aを回転させることができ、拡張アンカー1の母材8への固定を完了した後、下孔9への接着剤の注入(後述)にニップル10を利用できる。図7、図8は、ネジ軸2Aにニップル10を固定した状態を示す。
【0025】
図8に示すように、この拡張アンカー1Aは、ネジ軸2Aを回転させることで、2つの拡張スリーブ3、4の拡張により母材8に固定した後、接着剤通路27の接着剤入口27aからの接着剤11の注入により、接着剤通路27を介して、下孔9内に接着剤11を注入、充填できる。
接着剤通路27の接着剤入口27aから注入された接着剤11は、接着剤通路27を通って、接着剤出口27bから吐出される。ここで、接着剤出口27bは、前記ネジ軸2Aのネジ軸本体24の長手方向中央部にて、ネジ軸本体24の外周面28に開口されており、接着剤出口27bから吐出された接着剤11は、2つの拡張スリーブ3、4と、スペーサ5Aとからなるスリーブユニットの内側を通って、拡張アンカー1Aを構成する部材間の隙間や、スペーサ5Aの接着剤孔51を介してスリーブユニットの外に流出する。接着剤11は、注入を充分に行うことで、下孔9全体に充填できる。また、躯体81と外壁層82との間の界面83に存在する隙間にも充填できる。
【0026】
図8、図9に示すように、スペーサ5Aの接着剤孔51は、スペーサ5Aの軸方向両端に形成された切欠であるが、接着剤孔51の形成位置には特に限定は無く、例えば、スペーサ5Aの軸方向中央部などであっても良い。
図8に示したように、スペーサ5Aが、躯体81と外壁層82との間の界面83を横切るようにして、拡張アンカー1Aを母材8に固定した場合、スペーサ5Aの接着剤孔51を界面83から近いところ、あるいは、界面83に対応する位置に配置できるため、界面83の隙間(ひび割れ等を含む)への接着剤11の注入を効率良く行える。
また、下孔9に接着剤11を注入、充填することで、拡張アンカー1Aと母材8との間の固定強度を向上できる。これにより、躯体81と外壁部82との結着力の向上も図ることができる。
なお、接着剤孔は、スペーサ5Aのみならず、拡張スリーブ3、4にも形成して構わない。また、ネジ軸2Aにおける、接着剤通路27の接着剤出口27bの形成位置も、ネジ軸2Aのどこであってもよく、また、その数にも特に限定は無い。
【0027】
(構造物の施工方法)
ここまでは、本発明に係る拡張アンカーの、あと施工アンカーとしての用途の一例を説明したが、この拡張アンカーは、先付け工法での施工に用いる先付けアンカーとしても適用できる。
すなわち、図10(a)に例示するように、コンクリート等で形成された母材85に形成した下孔86に拡張アンカー1をネジ軸2の先端部25側から挿入して、拡張アンカー1の第2拡張スリーブ4が下孔86内に収納され、かつ、第1拡張スリーブ3が下孔86の外にある状態とする。すなわち、第2拡張スリーブ4を下孔86に挿入して、拡張アンカー1における下孔86内に挿入されていない部分が、母材85から突出した状態とする。次いで、この拡張アンカー1のネジ軸2を工具で回転させ、下孔86内での第2拡張スリーブ4の拡張によって、拡張アンカー1を母材85に固定する。また、このとき、第1拡張スリーブ3も、ネジ軸2の回転によって拡張させておく。次に、拡張アンカー1の周囲に、この拡張アンカー1を取り囲む型枠87を組み立て、この型枠87の内側にコンクリートを打設(現場打ちコンクリート88)して、このコンクリートを拡張アンカー1と一体化する(図10(b)参照)。
この場合、拡張アンカー1を、母材85と該母材85に接合する接合層としての現場打ちコンクリート88とを結着する結着部材として機能させることができる。拡張済みの第1拡張スリーブ3を含んで拡張アンカー1を現場打ちコンクリート88中に埋設して一体化するので、拡張アンカー1によって優れた結着力が得られる。なお、型枠を用いて形成する接合層としては、現場打ちコンクリートに限定されず、例えば、モルタル層、液状樹脂の流し込みによって形成する樹脂層等であっても良い。
【0028】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の適用対象の母材並びにこれを構成する第1層、第2層としては、コンクリートやモルタルで形成されたものに限定されず、例えば、鋼板、石材(天然のもの又は人工のもの)、合成樹脂の少なくとも何れか1つを使用して形成したものなど、様々なものを採用できる。
また、本発明は、互いに隣接する第1層、第2層を拡張アンカーで結着する構成に限定されず、第1層と第2層との間に1以上の層が介在した構成にも適用可能である。この場合、第1層と第2層との間には、層間の界面(層間界面)が複数存在することになるが、これら複数の界面を横切って配置した拡張アンカーによって、第1層と第2層とを結着することで、第1層と第2層とを含む3以上の層を拡張アンカーで一括結着することも可能である。また、この場合、拡張アンカーの接着剤通路を利用することで、1本の拡張アンカーから、2以上の界面への接着剤注入を行うことも可能である。
また、本発明に係る拡張アンカーとしては、前述した実施の形態のように、2つの拡張スリーブが別部材になっているものに限定されず、例えば、図11に示すように、2つの拡張スリーブが連結されて、ひとつながりになった1部品(パイプ12)になっている構成(拡張アンカー1B)等、各種構成が採用可能である。この図11に示す拡張アンカー1Bも、図10に例示した先付け工法に利用できる。また、図10に例示した先付け工法には、図7、図8に例示した拡張アンカー1Aの適用も可能である。
また、拡張アンカーの拡張スリーブとしては、円筒状のものに限定されず、例えば、角筒状のものなども採用可能であり、その断面構造には限定は無い。さらに、完全な筒状のものに限定されず、例えば、軸方向に貫通するスリットによって、断面C形に形成されているもの(軸方向全体にわたって拡張可能な構成のもの)も採用可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明したように、本発明によれば、母材の下孔に挿入した拡張アンカーのネジ軸の回転により、2つの拡張スリーブを拡張するだけで、拡張スリーブを、母材を傷めることなく、母材に簡単に固定できる。また、前記拡張アンカーを、母材を構成する第1層と第2層との界面を横切って配置した場合は、拡張アンカーを第1層と第2層とを結着する優れた結着部材として機能させることができる。この場合、2つの層(第1層、第2層)の界面に隙間(ひび割れを含む)が生じている場合は、隙間の拡張を防止でき、また、隙間が存在しない場合でも、もし、ひびや界面剥離が生じて、外壁や床版の下面側の躯体が剥落するのを予防できる。両端(アンカー)に追従拡張機能が付いているので、界面剥離する方向に力が加わると、2つの層(第1層、第2層)のそれぞれにおいて、追従拡張機能が働き、剥離しようとする力に対する抵抗力を維持でき、固着状態を保つことができるといった優れた効果を奏する。
さらに、母材に対する拡張アンカーの固定完了時には、下孔に挿入した拡張アンカーのネジ軸の回転前に比べて、ネジ軸の基端部が、下孔の奥側に移動しているため、固定完了時に、ネジ軸の基端部が母材外面から突出しないようにすることも容易に実現でき、また、モルタル等の封止材で下孔を埋めるだけで、施工後の美観を容易に確保できるといった利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による拡張アンカーを示す斜視図である。
【図2】図1の拡張アンカーの断面図である。
【図3】図1の拡張アンカーを分解して示した図である。
【図4】図1の拡張アンカーを母材の下孔に挿入した状態を示す断面図である。
【図5】図4の拡張アンカーのネジ軸を回転させ、第2拡張スリーブを拡張した状態を示す図である。
【図6】図5の拡張アンカーのネジ軸の回転を継続して、第1拡張スリーブを拡張した状態を示す図である。
【図7】本発明に係る拡張アンカーの別態様を示す図であって、内部を貫通する接着剤通路を有するネジ軸を適用した例を示す断面図である。
【図8】図7の拡張アンカーを、下孔内でのネジ軸の回転により2つの拡張スリーブを拡張して母材に固定し、さらに、接着剤通路を介して下孔に接着剤を注入した状態を示す断面図である。
【図9】図7の拡張アンカーのスペーサを示す図である。
【図10】本発明の構造物の施工方法に係る図であって、(a)は母材の下孔に拡張アンカーの一部を挿入した状態を示す図、(b)前記拡張アンカーの周囲に組み立てた型枠を用いて、前記拡張アンカーを埋設、一体化する接合層を形成した状態を示す図である。
【図11】本発明に係る拡張アンカーの別態様を示す図であって、2つの拡張スリーブが連結されて、一本のパイプを形成している構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B…拡張アンカー、2,2A…ネジ軸、21…基端部、22…工具係合部、23…拡張用テーパ部、24…ネジ軸本体、25…先端部、26…端面、27…接着剤通路、27a…接着剤入口、27b…接着剤出口、28…外周面、3…第1拡張スリーブ、4…第2拡張スリーブ、5…スペーサ、51…接着剤孔、6…拡張コーン、8…母材、81…躯体(第2層)、82…外壁層(第1層)、83…界面、84…外面、85…母材、86…下孔、87…型枠、88…接合層(現場打ちコンクリート)、9…下孔、11…接着剤、12…パイプ。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an anchor bolt that is fixed in a state of being inserted into a pilot hole provided in a base material such as concrete or mortar, and in particular, when the base material is divided into two layers (one-layer base material). Even if it is divided into two layers), it can be inserted across the interface to stably maintain the fixed state of the two-layer base material. An expansion anchor that prevents part of the base material from peeling or floating (for example, peeling of the casing on the lower surface of the outer wall or floor board (concrete floor board, etc.)) even when cracks that divide into layers occur, and It is related with the construction method of the anchor with respect to the structure using this, and the construction method of a structure.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, for example, as a technique for repairing cracks in concrete frames (such as viaducts, buildings, etc.), a method of injecting a resin repair material into the cracks using a dedicated instrument has been widely adopted (for example, Patent Document 1). This repair method has an advantage that the resin repair material can be firmly injected into fine cracks by injection. However, in the repair method as described above, the interface between layers separated by cracks is joined only by the adhesive force of the resin repair material, and the joint force by mechanical force such as bolts does not work. There was a problem that resistance to peeling force was weak.
[0003]
On the other hand, by driving the core rod into the pipe material inserted into the pilot hole, both ends in the axial direction of the pipe material are expanded by the nail tip tip portion and the tapered base end portion of the core rod, A construction method using a repair anchor having a structure fixed in the pilot hole is also known (hereinafter also referred to as a core rod driving anchor system, for example,
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-9-32308
[Patent Document 2]
No. 4-12206
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the case of the core rod driving anchor method as described above,
(A) When the core rod was driven into the pipe material, it was necessary to work carefully so as not to damage the outer wall layer with the tapping force of striking the core rod, and the workability was unsatisfactory. In addition, the impact at the time of driving tends to cause inconveniences such as damage to the outer wall layer and expansion of the cracks existing in the outer wall layer.
(B) In particular, when the core rod is driven in an upward operation, the core rod is likely to be slanted and the workability is poor.
I was dissatisfied.
[0006]
In view of this, for example, it is also conceivable to apply a so-called corn nut type anchor (for example, Japanese Patent Publication No. 59-30925). As is well known, the cone nut type anchor is configured to expand the expansion sleeve externally attached to the bolt by rotating the bolt and pulling up the cone screwed to the bolt. By contrast, it is easy to avoid problems such as damage to the outer wall layer. However, corn nut type anchors have a problem that the bolt for raising the cone protrudes from the surface of the base material such as the outer wall after completion of construction, which is disadvantageous in terms of aesthetics after construction. . In addition, a corn nut anchor is inserted into the lower hole from a recess formed on the surface of the base material, and after the anchor is installed, the recess is filled with mortar, etc., so that a bolt or the like protruding into the recess is embedded. However, the labor required for forming the recess in the base material is enormous, and it is not easy to secure the aesthetic after construction.
[0007]
The present invention has been made in view of the above problems,
(A) It can be easily fixed to the base material without damaging the surface layer of the base material such as the outer wall layer, (b) It is possible to easily ensure the aesthetic appearance after construction,
(C) It is possible to easily realize injection of a repair resin (adhesive) to the interface between the layers of the base material composed of a plurality of layers.
(D) With the follow-up extension function at both ends of the anchor, the fixed state can be secured stably
The present invention relates to an expansion anchor, an anchor construction method for a structure using the expansion anchor, and a structure construction method.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
For the above purpose, in the present invention, by rotating a screw shaft inserted into a pilot hole drilled in a base material such as concrete, the expansion sleeve that is externally attached to the screw shaft is expanded to prepare the pilot hole. An expansion anchor fixed in the pilot hole by being crimped to the inner surface, a screw shaft, two expansion sleeves externally attached to the screw shaft, and an expansion cone screwed to the screw shaft A proximal end portion, which is one axial end portion of the screw shaft, and a tool engaging portion to which a tool for rotating the screw shaft is engaged, and one of the two expansion sleeves An expansion taper portion for expanding a certain first expansion sleeve is formed, which is the other of the first expansion sleeve and the two expansion sleeves, and is formed on the screw shaft more than the first expansion sleeve. It is extrapolated to the screw shaft on the tip side opposite to the base end. A second expansion sleeve is disposed between the expansion taper portion and the expansion cone, and the expansion cone is expanded by rotating the screw shaft in a state where the second expansion sleeve is inserted into the prepared hole. The second expansion sleeve is expanded by moving along the longitudinal direction of the screw shaft toward the taper portion for use, and the second expansion sleeve is fixed in the prepared hole. The first expansion sleeve is expanded by the expansion taper portion while moving to the back side of the lower hole by rotation with respect to the expansion cone, which is restricted from moving in the lower hole by being fixed in the lower hole of the sleeve. An expansion anchor is provided which is characterized in that
In the present invention, a sleeve-like spacer for securing a separation distance between the first expansion sleeve and the second expansion sleeve is provided between the first expansion sleeve and the second expansion sleeve on the screw shaft. A configuration that is inserted by extrapolation can also be employed.
In the present invention, the screw shaft is formed with an adhesive passage that penetrates the inside of the screw shaft, and the adhesive passage is bonded to the end surface of the screw shaft on the base end side. A configuration having an agent inlet and an adhesive outlet opened on the outer peripheral surface of the screw shaft, and an adhesive that is injected into the adhesive passage from the adhesive inlet to the spacer and flows out from the adhesive outlet It is also possible to adopt a configuration in which an adhesive hole is formed for allowing the material to flow out to the outside of the spacer.
Further, in the present invention, a configuration in which the first expansion sleeve and the second expansion sleeve are connected to form a single connected sleeve can be employed. In this case, the number of parts becomes very small, and the cost can be reduced.
Further, in the present invention, the above-described expansion anchor is inserted into a pilot hole formed in a base material having a plurality of layers, and is arranged so as to cross one or more interfaces between the base materials. By rotating the shaft, the two expansion sleeves of the expansion anchor are expanded, the first expansion sleeve is fixed to the first layer which is one of the layers of the base material, and the second expansion sleeve is fixed to the base material. Fixing the expansion anchor to the second layer, which is one of the layers, allows the expansion anchor to function as a binding member for binding a plurality of layers including the first layer and the second layer of the base material. An anchor construction method for a characteristic structure is provided.
Further, in the present invention, the above-described expansion anchor is inserted into a pilot hole formed in a base material having a plurality of layers, and is arranged so as to cross one or more interfaces between the base materials. By rotating the shaft, the two expansion sleeves of the expansion anchor are expanded, the first expansion sleeve is fixed to the first layer which is one of the layers of the base material, and the second expansion sleeve is fixed to the base material. After fixing the expansion anchor to the second layer which is one of the layers, the expansion anchor functions as a binding member for binding a plurality of layers including the first layer and the second layer of the base material. An anchor construction method for a structure is provided, wherein the adhesive is injected into the pilot hole through the adhesive passage by injecting the adhesive from the adhesive inlet. In the anchor construction method for this structure, the adhesive injected into the pilot hole through the adhesive passage is injected into a gap at one or more interlayer interfaces existing between the first layer and the second layer. A configuration can also be employed.
In the present invention, the second expansion sleeve of the above-described expansion anchor is inserted into a prepared hole formed in the base material, and the first expansion sleeve is disposed outside the base material, and the screw is inserted. The shaft is rotated to expand the first expansion sleeve and the second expansion sleeve, so that the expansion anchor is fixed to the base material, and then a mold frame surrounding the expansion anchor is assembled and poured into the mold frame. A construction layer is formed by solidifying the material and forming a joining layer to be joined to the base material, and in this joining layer, a portion of the expansion anchor protruding from the base material is embedded and integrated. Provide a method.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
1 to 3 are views showing the structure of an
[0010]
1 to 3, an
[0011]
A proximal end portion 21 which is one axial end portion of the
[0012]
The
[0013]
The
[0014]
As shown in FIG. 4, in order to insert and fix the
FIG. 4 shows a state in which the
[0015]
The
[0016]
In FIG. 4, the
The inner diameter of the
[0017]
When the tool is engaged with the
[0018]
In the
[0019]
When the expansion portion of the
[0020]
After the
[0021]
When the expansion portion of the
Furthermore, when the
[0022]
The expansion taper portion 23 is pushed into the
If an impact wrench is used to rotate the
[0023]
(Another aspect)
7 to 9 show another aspect of the expansion anchor (
The
The
An adhesive hole is formed for allowing the adhesive injected from the adhesive inlet to the adhesive passage and flowing out from the adhesive outlet to flow outside the spacer.
[0024]
By inserting the
However, in this
[0025]
As shown in FIG. 8, the
The adhesive 11 injected from the
[0026]
As shown in FIGS. 8 and 9, the
As shown in FIG. 8, when the
In addition, fixing strength between the
The adhesive holes may be formed not only in the
[0027]
(Structure construction method)
Up to this point, an example of the use of the expansion anchor according to the present invention as a post-construction anchor has been described. However, this expansion anchor can also be applied as a tip anchor used for construction by a tip construction method.
That is, as illustrated in FIG. 10A, the
In this case, the
[0028]
The embodiment of the present invention has been described above, but the base material to which the present invention is applied and the first layer and the second layer constituting the base material are not limited to those formed of concrete or mortar, for example, Various materials such as steel plates, stone materials (natural or artificial), and those formed using at least one of synthetic resins can be used.
Further, the present invention is not limited to the configuration in which the first layer and the second layer adjacent to each other are bound by the expansion anchor, but also in a configuration in which one or more layers are interposed between the first layer and the second layer. Applicable. In this case, there are a plurality of interlayer interfaces (interlayer interfaces) between the first layer and the second layer. The extension anchors arranged across the plurality of interfaces cause the first layer and the second layer to be By binding two layers, it is also possible to collectively bond three or more layers including the first layer and the second layer with an expansion anchor. In this case, it is also possible to inject adhesive from one expansion anchor to two or more interfaces by using the adhesive passage of the expansion anchor.
In addition, the expansion anchor according to the present invention is not limited to the one in which the two expansion sleeves are separate members as in the above-described embodiment. For example, as illustrated in FIG. Various configurations such as a configuration (
Further, the expansion sleeve of the expansion anchor is not limited to a cylindrical one, and for example, a rectangular tube can be used, and the cross-sectional structure is not limited. Furthermore, it is not limited to a perfect cylindrical thing, For example, what is formed in the cross-section C shape by the slit penetrated to an axial direction (The thing of the structure expandable over the whole axial direction) is employable.
[0029]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the expansion sleeve can be expanded without damaging the base material only by expanding the two expansion sleeves by rotating the screw shaft of the expansion anchor inserted into the pilot hole of the base material. Can be easily fixed to the base material. Further, when the expansion anchor is disposed across the interface between the first layer and the second layer constituting the base material, the excellent binding member that binds the expansion anchor to the first layer and the second layer Can function as. In this case, if there is a gap (including cracks) at the interface between the two layers (the first layer and the second layer), the gap can be prevented from expanding, and even if no gap exists, It is possible to prevent the casing on the lower surface side of the outer wall and the floor slab from being peeled off due to or peeling of the interface. Since both sides (anchors) have a follow-up extension function, if force is applied in the direction of interface peeling, the follow-up extension function works in each of the two layers (first layer, second layer) and tries to peel off. The resistance to the force can be maintained, and an excellent effect of being able to maintain the fixed state is achieved.
Furthermore, when the expansion anchor is fixed to the base material, the screw shaft base end is moved to the back side of the lower hole compared to before the screw shaft of the expansion anchor inserted into the lower hole is rotated. When completed, it is easy to prevent the base end of the screw shaft from protruding from the outer surface of the base material, and it is easy to ensure aesthetics after construction simply by filling the pilot hole with a sealing material such as mortar. There is also an advantage that it can be done.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an expansion anchor according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view of the expansion anchor of FIG.
3 is an exploded view of the expansion anchor of FIG. 1. FIG.
4 is a cross-sectional view showing a state in which the expansion anchor of FIG. 1 is inserted into a pilot hole of a base material.
5 is a view showing a state in which a screw shaft of the expansion anchor in FIG. 4 is rotated and a second expansion sleeve is expanded. FIG.
6 is a view showing a state in which the first expansion sleeve is expanded by continuing the rotation of the screw shaft of the expansion anchor of FIG. 5;
FIG. 7 is a view showing another embodiment of the expansion anchor according to the present invention, and is a cross-sectional view showing an example to which a screw shaft having an adhesive passage penetrating the inside is applied.
FIG. 8 shows the expansion anchor of FIG. 7 that is fixed to the base material by expanding the two expansion sleeves by rotating the screw shaft in the pilot hole, and then injecting the adhesive into the pilot hole through the adhesive passage. It is sectional drawing which shows the state which carried out.
FIG. 9 is a view showing a spacer of the expansion anchor of FIG. 7;
FIGS. 10A and 10B are diagrams related to the construction method of the structure according to the present invention, in which FIG. 10A shows a state in which a part of the expansion anchor is inserted into the pilot hole of the base material, and FIG. It is a figure which shows the state which formed the joining layer which embed | buries and integrates the said expansion anchor using the form assembled in (1).
FIG. 11 is a view showing another aspect of the expansion anchor according to the present invention, and is a cross-sectional view showing a configuration in which two expansion sleeves are connected to form a single pipe.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (9)
ネジ軸と、このネジ軸に外挿された2つの拡張スリーブと、前記ネジ軸に螺着された拡張コーンとを有し、
前記ネジ軸の軸方向一端部である基端部には、該ネジ軸を回転させるための工具が係合される工具係合部と、前記2つの拡張スリーブの内の一方である第1拡張スリーブを拡張させるための拡張用テーパ部とが形成されており、
前記第1拡張スリーブと、2つの拡張スリーブの内の他方であり、第1拡張スリーブよりも、前記ネジ軸の前記基端部とは逆の先端部側にてネジ軸に外挿された第2拡張スリーブとが、前記拡張用テーパ部と前記拡張コーンとの間に配置されており、
全体を下孔に挿入した状態で、前記ネジ軸を回転させることで、前記拡張コーンが前記拡張用テーパ部に向かって前記ネジ軸の長手方向に沿って移動して前記第2拡張スリーブを拡張させ、該第2拡張スリーブを下孔内に固定させるとともに、前記ネジ軸が、前記第2拡張スリーブの下孔内での固定により下孔内での移動が規制された前記拡張コーンに対する回転によって、前記下孔の奥側へ移動しつつ、前記拡張用テーパ部によって前記第1拡張スリーブを拡張させるようになっていることを特徴とする拡張アンカー。By rotating the screw shaft inserted in the pilot hole drilled in the base material such as concrete, the expansion sleeve externally attached to the screw shaft is expanded and pressed onto the inner surface of the pilot hole. An expansion anchor fixed in the hole,
A screw shaft, two expansion sleeves externally attached to the screw shaft, and an expansion cone screwed to the screw shaft;
A proximal end portion that is one axial end portion of the screw shaft has a tool engagement portion to which a tool for rotating the screw shaft is engaged, and a first expansion that is one of the two expansion sleeves. An expansion taper for expanding the sleeve is formed,
The first expansion sleeve and the other of the two expansion sleeves, and the first expansion sleeve is extrapolated to the screw shaft on the tip end side opposite to the base end portion of the screw shaft from the first expansion sleeve. 2 expansion sleeves are arranged between the expansion taper and the expansion cone,
By rotating the screw shaft in a state where the whole is inserted into the prepared hole, the expansion cone moves along the longitudinal direction of the screw shaft toward the expansion taper portion to expand the second expansion sleeve. The second expansion sleeve is fixed in the lower hole, and the screw shaft is rotated by rotation with respect to the expansion cone whose movement in the lower hole is restricted by fixing in the lower hole of the second expansion sleeve. The expansion anchor, wherein the first expansion sleeve is expanded by the expansion taper portion while moving to the back side of the pilot hole.
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