JP2005009635A - 接着クリップ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベルトクランプ10を装着し、取付けるべき部位面Kに接着により取付ける接着クリップ20であって、接着剤を封入した袋体31と、該袋体31を内部に保持し、蛇腹形状を有するクリップ本体28とからなり、該クリップ本体28には前記取付けるべき部位面Kに対接すべき部位に外に接着剤30がはみ出すことのできる孔40が設けられると共に、該クリップ本体28自身に前記接着剤30の入った袋体31を加圧により破断させ接着剤30を袋体31からはみ出させる袋体破断手段53が設けられていることで、保管時や搬送時における温度変化や外圧等の多少の変化にも対応できるようにする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着クリップに関する。例えば、自動車等車両に装備される部品を車体等の取付けるべき部位面に接着により取付ける接着クリップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等車両に用いられているクリップは、車体等の取付けるべき部位面に取付孔を開けておき、この取付孔にクリップを挿通係合させることにより装備すべき部品を取付けている。
しかし、このクリップによれば、車体等の取付けるべき部位面にクリップを挿通させるための取付孔を必ず設けねばならず、そのための加工を必要としていた。また、車体等の取付けるべき部位面に取付孔を設けることは、防水対策を必要とする等の不利な面もある。更には、取付孔を設けることが困難な場合もある。
このため、クリップを取付けるための取付孔を不要とする接着クリップが考えられている(特許文献1参照)。
【0003】
接着クリップは、内部が空洞に形成されたクリップ本体の空洞に接着剤を入れておき、この接着剤を適宜部材を介して加圧して、空洞からはみ出させることにより、クリップ本体を車体等の取付けるべき部位面に接着により取付けるものである。
この接着クリップによれば、車体等の取付けるべき部位面に取付孔を設ける必要はなく、そのための加工が不要となると共に、取付けの自由度が増す利点がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−504530号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の接着クリップにおいては、クリップ本体の空洞に入れられる接着剤は、粘性状態の素材のままの状態で入れられている。
このため、接着剤を入れた接着クリップを保管していたり、搬送したりするときには、接着剤がクリップ本体からはみ出す恐れがある。
すなわち、保管状態での温度が何らかの理由により高温になったりすると、粘性状態の接着剤が軟化して、クリップ本体の空洞からはみ出し、不具合品として使用できなくなる恐れがある。
また、搬送時に、空洞内の接着剤に誤って外圧が加わったりすると、接着剤は素材状態のままで入れられているため、接着剤は空洞から簡単にはみ出してしまい、やはり不具合品として使用できなくなる恐れがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、クランプ本体に入れられる接着剤の保護を確実に行うことにより、保管時や搬送時における温度変化や外圧等の多少の変化にも対応できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の発明に係る接着クリップは、次の手段をとる。
すなわち、第1の発明に係る接着クリップは、被取付部材を装着し、取付けるべき部位面に接着により取付ける接着クリップであって、接着剤を封入した袋体と、該袋体を内部に保持したクリップ本体とからなり、該クリップ本体には前記取付けるべき部位面に対接する接着取付部位に、外に接着剤がはみ出すことのできる孔が設けられると共に、該クリップ本体自身又は該クリップ本体に連繋した部位に前記接着剤の入った袋体を加圧により破断させ接着剤を袋体からはみ出させる袋体破断手段が設けられていることを特徴とする。
【0008】
この第1の発明によれば、接着剤が袋体に封入されてクリップ本体の内部に入れられているため、クリップ本体内での接着剤の保護は、素材状態のままで入れられているより確実に行われる。このため、袋体が破断されない限り接着剤が外部にはみ出すことがない。この結果、保管状態時の温度が高温になって、接着剤の粘性が多少軟化したとしても袋体からはみ出すことがない。また、接着クリップの搬送時にも袋体に誤って多少の外力が加わっても、袋体が破断しない限り接着剤がはみ出すことがなく、搬送時に不良品となることが防止ないしは少なくなる。
なお、接着クリップによる接着取付けは、クリップ本体自身又はクリップ本体に連繋した部位に設けた袋体破断手段によりクリップ本体の内部の接着剤が封入された袋体を加圧して破断させることにより、接着剤が接着取付部位にはみ出して、クリップ本体の接着取付部位が取付けるべき部位面に接着されて取付けられる。
【0009】
次に、本発明の第2の発明に係る接着クリップは、次の手段をとる。
すなわち、第2の発明に係る接着クリップは、上記第1の発明における接着クリップにおいて、クリップ本体は伸縮可能な蛇腹形状に形成されていると共に、袋体破断手段はクリップ本体の上下面のいずれかに少なくとも備えられており、蛇腹形状のクリップ本体の縮少変形により袋体破断手段が袋体を加圧して破断させ接着剤をはみ出させることを特徴とする。
【0010】
この第2の発明によれば、上述の第1の発明による機能に加えて、次の様な機能を有する。すなわち、この第2の発明は、クリップ本体が蛇腹形状に形成されているため、クリップ本体の伸縮変形が容易とされている。このため、クリップ本体の上下面のいずれかに少なくとも備えられている袋体破断手段により接着剤が封入された袋体を加圧して破断させる際のクリップ本体の縮少変形を比較的弱い力で容易に行うことができる。
【0011】
次に、本発明の第3の発明に係る接着クリップは、次の手段をとる。
すなわち、第3の発明に係る接着クリップは、上記第1の発明における接着クリップにおいて、袋体破断手段はクリップ本体に連繋した部位に設けられていると共に、クリップ本体の接着取付部位以外の部位に、該袋体破断手段を備えたクリップ本体に連繋した部位が嵌挿できる嵌挿穴が設けられており、袋体破断手段が嵌挿穴を嵌挿してクリップ本体内に入ることで袋体を加圧して破断させ接着剤をはみ出させることを特徴とする。
【0012】
この第3の発明によれば、上述の第1の発明による機能に加えて、次の様な機能を有する。すなわち、この第3の発明は、接着剤が封入された袋体を破断するために加圧する袋体破断手段が、クリップ本体とは別部位であるクリップ本体に連繋した部位に設けられているため、誤って袋体破断手段により接着剤が封入された袋体を加圧することが防止ないしは少なくなる。したがって、搬送時の接着クリップの取扱いがより容易になると共に、不良品の発生を防止ないしは少なくすることが出来る。
【0013】
次に、本発明の第4の発明に係る接着クリップは、次の手段をとる。
すなわち、第4の発明に係る接着クリップは、上記第1の発明における接着クリップにおいて、袋体破断手段はクリップ本体の接着取付部位位置に該クリップ本体に連繋した部位として設けられており、該クリップ本体の接着取付部位には該袋体破断手段を備えた部位が挿入可能に形成されており、袋体破断手段はクリップ本体の接着のための押圧操作により、該接着取付部位からクリップ本体に入って袋体を加圧して破断させ接着剤をはみ出させることを特徴とする。
【0014】
この第4の発明によれば、上述の第1の発明による機能に加えて、次の様な機能を有する。すなわち、この第4の発明は、袋体破断手段がクリップ本体の接着取付部位位置に設けられていることから、クリップ本体を取付けるべき部位面に接着取付けするためのクリップ本体の押圧操作時に、同時に袋体破断手段による袋体の加圧が行われ破断させ、接着剤をはみ出させるものであることから、接着操作上の便が良い。
【0015】
次に、本発明の第5の発明に係る接着クリップは、次の手段をとる。
すなわち、第5の発明に係る接着クリップは、上記各発明における接着クリップにおいて、接着剤が即硬性接着剤であることを特徴とする。
この第5の発明によれば、上述の各発明による機能に加えて、次の様な機能を有する。すなわち、この第5の発明は、接着剤が即硬性であるので、接着による接着クリップの取付け作業時間が短くて済む。
【0016】
次に、本発明の第6の発明に係る接着クリップは、次の手段をとる。
すなわち、第6の発明に係る接着クリップは、上記各発明における接着クリップにおいて、袋体破断手段は先端が鋭角突起に形成されていることを特徴とする。
この第6の発明によれば、上述の各発明による機能に加えて、次の様な機能を有する。すなわち、この第6の発明は、袋体破断手段の先端が鋭角突起状となっていることから、接着剤が封入された袋体を加圧して破断するに際して、過度な加圧力を必要としない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る接着クリップの各実施形態を説明する。
先ず、第1の実施の形態を図1乃至図4に基づいて説明する。この第1の実施の形態は上記第2の発明の実施の形態を示すものである。図1は接着クリップの使用状態を示す概略図である。図2は本実施の形態に係るクリップの伸長状態を示す横断面図である。図3は同じくクリップの収縮状態を示す横断面図である。図4は本実施の形態に係るクリップの使用状態を示す外観図である。
【0018】
図1及び図4に示されるように、接着クリップ20は、ベルトクランプ10とクリップ本体28とから成っている。クリップ本体28の上端部位28aにベルトクランプ10が一体的に取付けられており、下端部位28bが接着取付部位として接着クリップ20を取付けるべき部位面Kに接着により取付けられる。
ベルトクランプ10はベルト部11とバックル部12とから成っている。ベルト部11は帯状の細長い部材として形成されており、一端がバックル部12に一体的に取付けられており、他端がバックル部12の取付孔に挿通されるようになっている。そして、ベルト部11の他端をバックル部12の取付孔に挿通させることにより、ベルトクランプ10はループ形状を形成し、そのループ形状内に適宜部材、例えば自動車の配線のコルゲートチューブをクランプする。このコルゲートチューブが本発明の被取付部材に相当する。なお、ベルトクランプ10におけるベルト部11の他端のバックル部12の取付孔へ挿通した際の固定支持構成は周知の構成であるので説明を省略する。
【0019】
クリップ本体28は、図2に良く示されるように、上端部位28a、下端部位28b、及びその両者の間に位置する筒状部位28cから成っており、内部に空間部Xを有する。筒状部位28cはいわゆる蛇腹形状に形成されており、クランプ本体全体が伸縮可能となっている。
上端部位28aには、前述したベルトクランプ10が一体的に取付けられていると共に、空間部X内に袋体破断手段である突部53が一体的に形成されている。下端部位28bは平板状に形成されており、接着クリップ20を取付けるべき部位面Kに対接する接着取付部位となっている。また、下端部位28bには後述する接着剤が空間部X内から外にはみ出すことができる孔40が穿設されている。
【0020】
クリップ本体28の空間部X内には、接着剤30を封入した袋体31が入れられている。この接着剤30を封入した袋体31を破断させるために上端部位28aに設けられている突部53は、袋体31が配置される位置に対応して設けられている。この実施形態では略軸心位置に設けられている。なお、突部53の先端53aは袋体31を破断し易いように鋭角突起形状に形成されている。
突部53は、この実施の形態では、上端部位28aに設けられているが、下端部位28bに設けても良い。しかし、この実施の形態のように、上端部位28aに突部53を設けた方が、誤って接着剤30を封入した袋体31を破断させる危険度合が少なく好ましい。
【0021】
クリップ本体28の材質は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレンとアクリロニトリルを主成分として共重合した合成樹脂 (AS樹脂)、スチレンとアクリロニトリルとブタジエンを主成分として共重合した合成樹脂(ABS樹脂)等のような樹脂であるのが好ましい。しかし、クリップとしての機能を果たす限り、紙、木、金属若しくはプラスチック等であっても良い。
【0022】
袋体31に封入する接着剤30の材質は、接着に適する材質を適宜選定すれば良い。普通には接着クリップ20の材質と異なる材質の接着剤を用いるが、接着作用が有れば、接着クリップ20と同様の材質であっても良い。また、接着剤30は、流動性を有していることが必要である。流動性があれば、例えば、液状態、ゲル状態、ゾル状態であることは問わない。
【0023】
袋体31の材質は、加圧した際に破断することができるものであれば良い。そして、接着剤30の封入形態は完全密封構造でも良いし、保管時や搬送時に支障をきたさなければ半密封構造であってもよい。ここで完全密封とは袋体31の内部が接着剤で完全に充満されている状態を言い、半密封とは袋体31の内部の接着剤と共に空気等の気体が一部入っている状態を言う。
【0024】
次に、以上の構成よりなる接着クリップ20の接着作用を説明する。
接着クリップ20は、使用前の通常状態においては、図2に示す様に、筒状部位28cの蛇腹形状が伸びた状態にある。この接着クリップ20を取付けるべき部位面Kの所定の位置に載置する。この載置状態では、クリップ本体28の接着取付部位である下端部位28bと取付けるべき部位面Kとは対接した当接状態にある。
上記状態から、クリップ本体28の上端部位28aを押圧して筒状部位28cの蛇腹形状を収縮した状態に変形させる。この収縮変形した状態が図3に示す状態である。この収縮変形移動時の際、上端部位28aに一体的に形成されている突部53が接着剤30を封入した袋体31を加圧して破断させる。袋体31の破断は突部53の先端53aが鋭角突起に形成されていることから、この鋭角突起が袋体を刺すのみの働きで簡単に破断される。したがって、比較的弱い加圧力で容易に破断することができる。
【0025】
袋体31が破断すると、袋体31内部の接着剤30は袋体31から飛び出し、クリップ本体28の空間部Xに飛び散る。空間部Xに飛び散った接着剤30は収縮変形による空間部Xの減少に伴い、下端部位28bに設けた孔40からはみ出し、クリップ本体28の接着取付部位である下端部位28bと取付けるべき部位面Kとの間に流入していき、両部材を接着する。これにより接着クリップ20を取付けるべき部位面Kに強固に固定する。
この場合、接着剤が即硬性の接着剤であると、接着剤の硬化が早く行われ、接着作業時間の短縮を図ることができる。
なお、袋体31からはみ出しクリップ本体28内の空間部Xに飛び散った接着剤30は、収縮した蛇腹形状状態を保持して固化するため、蛇腹形状が再度伸長した状態になることはない。
【0026】
上記実施形態においては、クリップ本体28における蛇腹形状は筒状部位28c全体に形成した場合について説明した。しかし、蛇腹形状は袋体31を破断するために十分なストロークを得ることが出来るものであればよく、筒状部位28cの一部のみに形成するものであっても良い。なお、上記実施形態のように筒状部全体に蛇腹形状を設ける場合は、収縮変形を最大限行うことができ、最終接着取付け状態における大きさをコンパクトにすることができる。
【0027】
次に、第2の実施の形態を図5乃至図7に基づいて説明する。この第2の実施の形態は上記第3の発明の実施の形態を示すものである。図5は概略断面図を示し、図6は接着状態時における正面図を示し、図7は接着状態時における側面図を示している。
【0028】
第2の実施の形態の接着クリップ120は、図5に良く示されるように、袋体破断手段をクリップ本体に連繋した部位に設けた形態を示す。接着クリップ120はクリップ本体128と該クリップ本体128に連繋した部位である袋体破断部位150とからなっている。袋体破断部位150はこの実施の形態の場合、図5で見て、クリップ本体128の左上部において連結部位154で連結されている。この連結部位154は撓み変形が自由に出来るインテグラルヒンジとして形成されている。
クリップ本体128は、上端部位128a、下端部位128b、及びその両者の間に位置する筒状部位128cから成っており、内部に空間部Xを有する。上端部位128aの略中央位置には、後で詳述する袋体破断手段を備えた袋体破断部位150が嵌挿することの出来る嵌挿孔160が設けられている。下端部位128bには接着剤130がはみ出すことが出来る孔140が設けられている。そして、この下端部位128bは平板状に形成されており、接着クリップ120を取付けるべき部位面Kに対接する接着取付部位となっている。
【0029】
クリップ本体128の内部の空間部Xには接着剤130が封入された袋体131が入れられている。接着剤130が封入された袋体131は、前述の第1の実施の形態における接着剤30が封入された袋体31と同様の構成であるので詳述は省略する。なお、接着剤130は、前述の第1の実施の形態で説明したのと同様に、即硬性接着剤であることが好ましい。
【0030】
クリップ本体128に連繋した部位としての袋体破断部位150は、板状体151、嵌挿部位152、袋体破断手段としての突部153とからなっている。これら各部位151、152、153は一体に形成するのが好ましいが、別に形成して一体化しても良い。板状体151には、図6及び図7に示されるように、例えば前述の第1の実施の形態で示すベルトクランプ等で被取付部材100を取付けるようになっている。
嵌挿部位152は、クリップ本体128の上端部位128aに設けられた嵌挿孔160に嵌合して挿入できる形状に形成されている。この嵌挿部位152の嵌挿される方向側の面に袋体破断手段としての突部153が設けられている。突部153は、前述の第1の実施の形態の場合と同様に袋体131を容易に突き刺すことが出来て破断することが出来る鋭角突起形状に形成されている。
【0031】
次に、上記構成より成る第2の実施の形態の接着作用を説明する。
接着に当たっては、袋体破断部位150の嵌挿部位152をクリップ本体128の上端部位128aの嵌挿孔160に嵌合させて空間部Xに挿入させて行く。この操作時に、空間部Xにある接着剤130を封入した袋体131は、袋体破断手段である突部153により加圧されて破断する。この破断は突部153が鋭角突起形状に形成されていることから、鋭角突起が袋体131を刺すのみで簡単に行われる。
袋体131が破断すると、袋体131内部の接着剤130は袋体131から飛び出し、クリップ本体128の空間部Xに飛び散る。空間部Xに飛び散った接着剤130は袋体破断部位150の空間部Xへの挿入に伴う空間部Xの容積の減少に伴い内圧がかかって、下端部位128bに設けた孔140からはみ出し、クリップ本体128の接着取付部位である下端部位128bと取付けるべき部位面Kとの間に流入していき、両部材を接着する。接着クリップ120が接着された状態を図6及び図7に示す。
【0032】
上記の第2の実施の形態の接着クリップ120によれば、接着剤130を入れたクリップ本体128と、袋体破断手段である突部153を備えた袋体破断部位150が別部材として離れた位置関係に設けられているため、接着クリップ120の保管時や搬送時に誤って袋体破断手段により接着剤130を封入した袋体131を破断することが回避される。
【0033】
なお、上記実施の形態においては、袋体破断部位150における嵌挿部位152と袋体破断手段である突部153を分けて形成した場合について説明したが、嵌挿部位152それ自身に袋体破断手段を設ける構成を採っても良い。
また、上記実施の形態においては、嵌挿部位152が空間部Xに挿入していく際、いわゆるルーズ嵌合状態で挿入する方法であっても良いが、密着した嵌合状態での挿入方法をとれば、空間部X内の内圧をより効果的に高めることができ、接着剤130の孔140からのはみ出しをより良好に行うことができる。
【0034】
更に、搬送時に誤って嵌挿孔160に嵌挿部位152が嵌挿されなくするために、嵌挿孔160に雌ネジを刻設し、かつ、嵌挿部位152側面に雄ネジを設けることで、嵌挿時に螺合することが必要となる構成にしても良い。また、嵌挿孔160と嵌挿部位152の形状を幾何学的とし、偶然に嵌挿することがないようにすることもできる。更に別の手段として、嵌挿孔160に、例えばクリップ本体128と同じ樹脂で形成された薄い膜(図示されていない)を形成させておき、袋体破断部位150を嵌挿させる際、鋭角突起の突部153により簡単に破られるようにしても良い。この場合には、空間部X内の接着剤を封入した袋体131は薄い膜により袋体破断部位150からより完全に保護される。
【0035】
次に、第3の実施の形態を図8及び図9に基づいて説明する。この第3の実施の形態は上記第3の発明の実施の形態を示すものである。図8は、接着クリップの接着前の状態を示す横断面図である。図9は接着後の状態を示す横断面図である。
【0036】
第3の実施の形態の接着クリップ220は、袋体破断手段をクリップ本体の接着取付部位位置側に配設したクリップ本体に連繋した部位に設けた形態を示す。接着クリップ220はクリップ本体228と該クリップ本体228に連繋した部位である袋体破断部位250とからなっている。袋体破断部位250はこの実施の形態の場合、図8で見て、クリップ本体228の左右の両下端部において連結部位221で連結されている。この連結部位221は撓み変形が自由に出来るインテグラルヒンジとして形成されている。
クリップ本体228は、上端部位228a、下端部位228b、及びその両者の間に位置する筒状部位228cから成っており、内部に空間部Xを有する。上端部位228aの上面には、例えば前述の第1の実施の形態で示すベルトクランプ等で被取付部材200を取付けるようになっている。
【0037】
下端部位228bには、接着剤230がはみ出すことが出来る孔240が設けられている。この孔240は後述する袋体破断手段である突部253が挿入する孔としても機能する。なお、この下端部位228bは筒状部位228cの最下端部位のみで機能させて、水平方向の部位を削除して形成することも出来る。この場合には孔240を最も広く形成することが出来る。しかし、空間部X内に入れる袋体231は適宜手段によって空間部Xに保持させることが必要となる。
クリップ本体228の内部の空間部Xには接着剤230が封入された袋体231が入れられている。接着剤230が封入された袋体231は、前述の第1の実施の形態における接着剤30が封入された袋体31と同様の構成であるので詳述は省略する。なお、接着剤230は、前述の第1の実施の形態で説明したのと同様に、即硬性接着剤であることが好ましい。
【0038】
クリップ本体228に連繋した部位としての袋体破断部位250は、接着板部位251と、袋体破断手段としての突部253とからなっている。この両部位251、253は、上述の第2の実施の形態の場合と同様に一体に形成するのが好ましいが、別に形成して一体化しても良い。接着板部位251はその略中央位置において連結部位221によりクリップ本体228の左右両下端部に連結されている。
接着板部位251の中心寄り位置端には、孔240に向けて形成された袋体破断手段としての突部253が設けられている。突部253は、前述の第1の実施の形態の場合と同様に袋体231を容易に突き刺すことが出来て破断することが出来る鋭角突起形状に形成されている。なお、突部253を備えた袋体破断部位250は接着前の自然状態においては、図8に示されるように、その突部253がクリップ本体228より外の位置状態にある様になっている。
【0039】
次に、上記構成より成る第3の実施の形態の接着作用を説明する。
接着に当たっては、図8に示す状態から、袋体破断部位250を取付けるべき部位面Kに押し付けるように操作する。普通には、クリップ本体228の上端部位228aから力を加えて押圧する。すると、袋体破断部位250の接着板部位251の中心寄り側が取付けるべき部位面Kに当接した状態で、クリップ本体228の孔240方向に向けて、連結部位221を回動中心として回動する。
この回動により、接着板部位251と一体に形成された袋体破断手段としての突部253は、孔240から空間部X内に挿入して行く。この際、空間部Xにある接着剤230を封入した袋体231は、袋体破断手段である突部253により加圧されて破断される。この破断は突部253が鋭角突起形状に形成されていることから、鋭角突起が袋体231を刺すのみで簡単に行われる。
【0040】
袋体231が破断すると、袋体231内部の接着剤230は袋体231から飛び出し、クリップ本体228の空間部Xに飛び散る。空間部Xに飛び散った接着剤230は下端部位228bに設けた孔240からはみ出し、クリップ本体228の接着取付部位である下端部位228bと取付けるべき部位面Kとの間に流入していき、両部材を接着する。この実施の形態の場合には、下端部位228bと取付けるべき部位Kとの間に袋体破断部位250の接着板部位251が介在されて接着される。すなわち、この実施の形態の場合には、図9に示されるように、接着クリップ220が取付けるべき部位面Kに完全に押付けられた状態においては、孔240からはみ出した接着剤230により、下端部位228bと接着板部位251とが接着されると共に、接着板部位251が取付けるべき部位面Kと接着されて、接着クリップ220が取付けるべき部位面Kに接着により取付けられる。
【0041】
上記の第3の実施の形態の接着クリップ220によれば、突部253の袋体破断手段がクリップ本体228の下端部位228b位置における、クリップ本体228に連繋する部位に設けられている。このため、クリップ本体228を取付けるべき部位面Kに接着取付けするためのクリップ本体228の押圧操作時に、同時に袋体の破断作用を行わせることができ、接着操作上の便が良い。
【0042】
以上本発明に係る接着クリップの各実施の形態について説明したが、本発明の接着クリップはその他各種の形態で実施可能なものである。
例えば、接着剤30、130、230は、無色透明でも、有色の接着剤であっても良い。有色の接着剤を用いる場合には、仮に誤って使用前に袋体が破断した場合でも、破断したことが一目瞭然として判断でき、確実に不良品を取り除くことができる。
袋体破断手段である突部53、153、253の形状は、袋体31、131、231の材質や強度に応じて適宜好ましい形状を選定すれば良い。形状としては、槍状、竹槍状、鋭角ピン状、円錐体状、角錐体状(三角錐状、四角錐状、六角錐等)の形状が考えられる。なお、突部53、153、253の鋭角突起形状の先端をある程度の丸みを持たせ、搬送時等に誤って袋体に触れたとしても、不用意には破断しないようにすることも出来る。
上記各実施例においては、袋体破断手段が1個の場合について説明したが、必要に応じて複数個とすることも出来る。
また、接着剤を封入した袋体31、131、231が破断したとき、破裂音を発するようにすれば、破断したことを容易に判断することが出来る。
【0043】
【発明の効果】
本発明の各発明は、上述した手段をとることにより、次の様な効果がある。
先ず、第1の発明によれば、接着剤を袋体に封入して構成するようにしたことにより、接着前の保管時や搬送時における接着クリップの保護を確実に行うことが出来、不良品の発生を防ぐことが出来る。
【0044】
次に、第2の発明によれば、クリップ本体を伸縮可能な蛇腹形状に形成したため、袋体を破断するための加圧操作力を比較的弱い力で行うことが出来る。
第3の発明によれば、袋体破断手段を接着剤を入れたクリップ本体とは別の部位に設けるようにしたことにより、誤って接着剤を封入した袋体を破断させることをより防止することが出来る。
第4の発明によれば、袋体破断手段をクリップ本体の接着取付部位位置にクリップ本体に連繋した部位として設けたことにより、接着取付けするためのクリップ本体の押圧操作時に、同時に接着剤を封入した袋体の破断作用を行うことが出来、接着操作を一動作で行うことが出来る。
【0045】
第5の発明によれば、接着剤は即硬性であるので、接着作業時間の短縮を図ることが出来る。
第6の発明によれば、袋体破断手段の先端が鋭角突起形状に形成されていることから、接着剤を封入した袋体の破断を簡単に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の伸長状態の形態を示す横断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の収縮状態の形態を示す横断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示す外観図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す概略断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の接着状態時の正面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の接着状態時の側面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態の接着前の状態を示す横断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態の接着後の状態を示す横断面図である。
【符号の説明】
10 ベルトクランプ
11 ベルト部
12 バックル部
20、120、220 接着クリップ
28、128、228 クリップ本体
28a、128a、228a 上端部位
28b、128b、228b 下端部位
28c 筒状部位(蛇腹形状)
128c、228c 筒状部位
30、130、230 接着剤
31、131、231 袋体
40、140、240 孔
53、153、253 突部(袋体破断手段)
100、200 被取付部材
121、221 連結部位
150、250 袋体破断部位
151 板状体
152 嵌挿部位
160 嵌挿孔
251 接着板部位
K 取付けるべき部位面
X 空間部
Claims (6)
- 被取付部材を装着し、取付けるべき部位面に接着により取付ける接着クリップであって、
接着剤を封入した袋体と、該袋体を内部に保持したクリップ本体とからなり、
該クリップ本体には前記取付けるべき部位面に対接する接着取付部位に、外に接着剤がはみ出すことのできる孔が設けられると共に、
該クリップ本体自身又は該クリップ本体に連繋した部位に前記接着剤の入った袋体を加圧により破断させ接着剤を袋体からはみ出させる袋体破断手段が設けられていることを特徴とする接着クリップ。 - 請求項1に記載の接着クリップであって、
前記クリップ本体は伸縮可能な蛇腹形状に形成されていると共に、
袋体破断手段はクリップ本体の上下面のいずれかに少なくとも備えられており、蛇腹形状のクリップ本体の縮少変形により袋体破断手段が袋体を加圧して破断させ接着剤をはみ出させることを特徴とする接着クリップ。 - 請求項1に記載の接着クリップであって、
前記袋体破断手段はクリップ本体に連繋した部位に設けられていると共に、
前記クリップ本体の接着取付部位以外の部位に、該袋体破断手段を備えたクリップ本体に連繋した部位が嵌挿できる嵌挿穴が設けられており、
袋体破断手段が嵌挿穴を嵌挿してクリップ本体内に入ることで袋体を加圧して破断させ接着剤をはみ出させることを特徴とする接着クリップ。 - 請求項1に記載のクリップであって、
前記袋体破断手段はクリップ本体の接着取付部位位置に該クリップ本体に連繋した部位として設けられており、
該クリップ本体の接着取付部位には該袋体破断手段を備えた部位が挿入可能に形成されており、
袋体破断手段はクリップ本体の接着のための押圧操作により、該接着取付部位からクリップ本体に入って袋体を加圧して破断させ接着剤をはみ出させることを特徴とする接着クリップ。 - 請求項1から4のいずれかに記載の接着クリップであって、前記接着剤は即硬性接着剤であることを特徴とする接着クリップ。
- 請求項1から5のいずれかに記載の接着クリップであって、前記袋体破断手段は先端が鋭角突起に形成されていることを特徴とする接着クリップ。
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WO2018079483A1 (ja) * | 2016-10-28 | 2018-05-03 | 株式会社パイオラックス | 留め具 |
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