JP2005007921A - バンパ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】衝突時の衝撃を効果的に緩和・吸収することのできるバンパ装置を提供すること。
【解決手段】本発明のバンパ装置14は、車両上下方向に幅を拡大することが可能なバンパ16と、障害物との衝突を予測する衝突予測手段とを備えている。バンパ16としては、内部にエアバック26を備えたものが好適である。このエアバック26は、インフレータ28によって膨張される。かかる構成において、衝突予測手段は、障害物との衝突予測に基づいて、インフレータ28を動作せることで、エアバック26を膨張させ、もってバンパ16の車両上下方向の幅を拡大させることができる。これにより、障害物との衝突時の接触面積が増え、エネルギ吸収量が増加し、緩衝効果が向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のバンパ装置14は、車両上下方向に幅を拡大することが可能なバンパ16と、障害物との衝突を予測する衝突予測手段とを備えている。バンパ16としては、内部にエアバック26を備えたものが好適である。このエアバック26は、インフレータ28によって膨張される。かかる構成において、衝突予測手段は、障害物との衝突予測に基づいて、インフレータ28を動作せることで、エアバック26を膨張させ、もってバンパ16の車両上下方向の幅を拡大させることができる。これにより、障害物との衝突時の接触面積が増え、エネルギ吸収量が増加し、緩衝効果が向上する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に関し、特にバンパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両には、対向車、その他の障害物との衝突に対して、その衝撃を緩和・吸収するためバンパが設けられている。しかし、高さが低い障害物等は、バンパに当たらず、その下にもぐり込んでしまうことがある。車両同士が衝突するような場合も、メーカーや車種によってバンパの高さが異なるため、一方の車両が他方の車両の下にもぐり込むおそれがある。このような不具合に対しては、バンパを上下方向、特に下方に拡長して大型化することが考えられるが、路面の状態によってはバンパの下面を損傷するという問題がある。また、バンパはラジエータやエンジンの前方に配置されるため、これらの冷却性能を阻害することにもなる。更に、デザイン的な観点からバンパを大型化することが好ましくない場合もある。
【0003】
そこで、従来においては、例えば特許文献1に記載されているようなバンパ装置が提案されている。この特許文献1に記載のバンパ装置は、車両の前端に設けられた一般的な主バンパに加えて、可動の副バンパを備えており、衝突が予測される場合に限り主バンパの下側に副バンパを移動させ、衝突時にはバンパの全面積を上下方向に拡大しておくというものである。この副バンパは、通常時は、主バンパの後方位置に配置されるため、車両の外観を損なうということもない。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−165601号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような特許文献1に記載の従来構成では、副バンパが、車両前端よりも後方で、サイドメンバを横切るように配置されるため、機体フレーム内で部品を配置する空間を制限してしまうことになる。
【0006】
そこで、本発明は、上記の問題を解決し、衝突時の衝撃を有効に緩和・吸収できるバンパ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によるバンパ装置は、車両の少なくとも前部に設けられており、車両上下方向に幅を拡大することが可能なバンパと、障害物との衝突を予測する衝突予測手段とを備えている。また、衝突予測手段は、障害物との衝突予測に基づいて、バンパの車両上下方向の幅を拡大させるようになっている。
【0008】
この構成においては、通常時にはバンパ自体の上下方向の幅は狭く維持されている。一方、衝突予測手段によって障害物との衝突が予測された場合には、バンパ自体の車両上下方向の幅が拡大され、障害物と衝突した際の荷重が上がり、エネルギ吸収量の増加、すなわち緩衝効果が向上する。特に、バンパを下方に拡大した場合には、障害物のもぐり込みも防止できる。
【0009】
また、バンパとしては、その内部に配置されたエアバッグを備えたものとすることができる。この場合、衝突予測手段は、障害物との衝突予測に基づいて、バンパの車両上下方向の幅を拡大させるべくエアバッグを膨張させる。この構成において、エアバッグを膨張させることで、瞬時にバンパを上下方向に膨張させることができ、また、エアバックもバンパとしての機能を持たせることができる。
【0010】
バンパは、入れ子構造、例えばバンパの内部に内部バンパを下方に移動可能に収容したものも考えられる。そして、衝突予測手段が、障害物との衝突予測に基づいて内部バンパを下方に移動させることで、バンパ自体の上下方向の幅が拡大されることになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。また、本明細書において、車両が直前進している際の前方方向を「前方」と定め、「前」「後」「右」「左」等の方向を表す語を用いることとする。
【0012】
<第1の実施形態>
図1は、本発明による第1の実施形態に係るバンパ装置を示す概略図であり、車両の前部を前後方向に沿って垂直に断面を取った図である。図2は、図1に示す車両前部における主要部の斜視図である。なお、この実施形態において、車両はサルーン型乗用車としている。
【0013】
図1及び図2に示すように、車両10の左右両側には、機体フレームを構成するサイドメンバ12が配設されている。サイドメンバ12の前端にはバンパ装置14におけるバンパ16が設けられている。また、バンパ16の後方であって、左右両側のサイドメンバ12間には、図示しないラジエータ、エンジン、キャビン等が配置されている。なお、バンパ16と各サイドメンバ12との間には、図示しないが、クラッシュボックスが介設されていることが好適である。クラッシュボックスは中空部を有する衝撃吸収部材であり、車両の衝突による衝撃をバンパ16を介して受けたときに衝撃を吸収するように変形し易くなったものである。
【0014】
バンパ16は、左右のサイドメンバ12の前端間を車幅方向に横架するように設けられたバンパリインフォースメント18を備える。バンパリインフォースメント18は軽量アルミ等で中空形状に形成されている。バンパリインフォースメント18の前壁部分には薄肉部18aが水平に延在し、後壁部分には薄肉部18b,18cが水平に延在している。これらの薄肉部18a,18b,18cは、その両側に引張り力を作用させた場合、比較的小さな力で破断するいわゆる弱化部として機能するものである。従って、バンパリインフォースメント18の上板部分と下板部分にそれぞれ所定以上の上方と下方の力を作用させると、バンパリインフォースメント18は薄肉部18a,18b,18cに沿って上下に分断されるようになっている。なお、薄肉部18b,18c間の後壁部分で、バンパリインフォースメント18はサイドメンバ12の前端面と(クラッシュボックスが設けられている場合には、クラッシュボックスと)接続されている。
【0015】
バンパリインフォースメント18には、その前表面を覆うように、バンパカバー20が設けられている。このバンパカバー20は、ポリウレタン等の衝撃吸収性の高い材料から作られている。また、バンパカバー20にも、バンパリインフォースメント18における薄肉部18aに対向する位置に、薄肉部20aが水平に形成されている。この薄肉部20aも、上下両側に引張り作用をさせた場合、比較的小さな力で破断するいわゆる弱化部として機能するものである。従って、バンパカバー20の上方と下方の力を作用させると、バンパカバー20は薄肉部20aに沿って上下に分断されるようになっている。
【0016】
この実施形態では、バンパカバー20とバンパリインフォースメント18とを連結するために、バンパカバー20の上部及び下部には、後方に延びる連結部材22a,22bが一体的に取り付けられており、連結部材22a,22bはそれぞれバンパリインフォースメント18の上面と下面に固定されている。更に、バンパカバー20の下側に、バンパバー24が取り付けられている。
【0017】
バンパリインフォースメント18の内部には、これを上下に分断すべく、エアバッグ26が収縮状態で備えられている。このエアバック26は、容易に破裂しない材料、例えばステアリングホイールに設けられる一般的なエアバックと同様な材質から作られている。また、エアバッグ26は、バンパリインフォースメント18の略全長にわたり配設されており、膨張時には略上下方向に拡張し、その体積はバンパリインフォースメント18の内部空間の体積よりも大きく、好ましくは2倍程度となる。
【0018】
エアバック26を膨張させるための手段として、エアバッグ26に封入するガスを発生させるインフレータ28が、少なくとも一方のサイドメンバ12の先端部に設けられている。インフレータ28には、その内部に電気着火式の点火装置28a、図示しない伝火剤及びガス発生剤が備えられており、点火装置28aによる点火によって、火炎が伝火剤、ガス発生剤へと伝播し、ガスを発生させるようになっている。この発生したガスをインフレータ28からエアバッグ26へ導くために、チューブ30がインフレータ28の前端からエアバッグ26の内部に、バンパリインフォースメント18の後壁部分18dを貫通して設けられている。インフレータ28から送られるガスの圧力は、薄肉部18a,18b,18cを破断し、バンパリインフォースメント18を上下に分割するに十分な大きさとされている。
【0019】
また、図2に示すように、バンパリインフォースメント18が分断された際にサイドメンバ12から分離、脱落しないよう、左右各側において、サイドメンバ12の外側面とバンパリインフォースメント18の端面との間には2本のステー32,34が設けられている。これらのステー32,34の一方の端部は共通のピン36によってサイドメンバ12に枢支されている。また、ステー32,34の他端はそれぞれバンパリインフォースメント18の端面の上部と下部に枢支されている。なお、下側のステー34に対しては、所定量以上、下方に移動しないよう、適当なストッパ(図示しない)が設けられていることが好ましい。
【0020】
次に、エアバッグ26を動作させるシステムについて、図1を参照して説明する。車両10の前端には、ミリ波レーダー38が設置されている。ミリ波レーダー38は車両前方へ電波を照射しスキャンして障害物(対向車、先行車、ガードレールの路側物等)を検出する。このミリ波レーダー38から送信される検出信号を受信し、障害物との衝突を予測するECU(Electronic Control Unit;マイクロコンピュータの一種)40が設けられている。
【0021】
ECU40による衝突予測は、車両10と障害物との距離が所定範囲となり、車両10と障害物との相対速度が所定値以上の早さで接近していること等を基準として行われる。ECU40により衝突が予測された場合、インフレータ28へ点火信号が送信される。
【0022】
次に、処理フローである図3を参照して、この実施形態の動作についてより詳細に説明する。まず、車両10を始動キーにより走行可能の状態にする。このとき、インフレータ28は動作しておらず、エアバッグ26は収縮している状態であり、バンパリインフォースメント18も上下が一体の状態となっている(図1の実線で示す位置状態)。この状態では、バンパ16の上下方向の幅は従来一般のものと変わらず、エンジンやラジエータ等の冷却性能を阻害することはない。
【0023】
車両10が走行可能の状態となった後、ミリ波レーダー38による障害物の検出が継続的に行われ、ECU40にその検出信号が送信される(ステップ101)。走行中にECU40によって、障害物と車両10との距離と、障害物が車両10に接近する相対速度が演算され、所定値以上の早い速度で衝突が予測されるかどうか判定される(ステップ102)。ここで、衝突が予測されない場合、或いは衝突予測速度が低い場合は、ステップ101〜ステップ102を繰り返し、障害物の検出が継続される。この間は、インフレータ28は動作していない状態にある。
【0024】
一方、走行中に、ステップ102において、ECU40によって、車両10と障害物との距離が所定範囲となり、障害物に接近する衝突予測速度が所定値以上であると認識された場合、ECU40はインフレータ28に対して点火信号を送信する。インフレータ28は、この点火信号により、点火を行う(ステップ103)。すなわち、インフレータ28に内蔵する点火装置28aが着火し、図示しない伝火剤、ガス発生剤へ瞬時に火炎が伝播し、ガス発生剤からガスが発生する。このガスは、図1に示すチューブ30を通じて、エアバッグ26に封入され、エアバッグ26は瞬時に膨張する(ステップ104)。なお、エアバッグ26が膨張するためにかかる時間を考慮して、衝突が予測される所定時間前、例えば約1秒前に、点火信号がECU40から送信されることが好ましい。
【0025】
図1における二点鎖線は、インフレータ28が動作し、エアバッグ26が膨張したときの状態を示している。図1に示すように、エアバッグ26が上下方向に膨張すると、バンパリインフォースメント18は、薄肉部18a,18b,18cに沿って分断される。バンパカバー20も、エアバッグ26の膨張に伴って、連結部材22a,22bにより上下へ押圧され、薄肉部20aに沿って分断される。
【0026】
この際、エアバッグ26は破裂しにくい材質から作られており、ガスが充満されているので、クッション材ないしバンパ16としての機能を果たす。従って、上下に分断されて移動したバンパリインフォースメント18と、エアバック26とによって、衝突してくる障害物を受けるバンパ16自体の面積は上下方向に拡大されたこととなる。そのため、障害物と車両10の元々のバンパ16の高さに差があったとしても、エアバッグ26とバンパリインフォースメント18が上下方向に拡大されたことで、障害物と接触する高さにバンパ16が存在するようになる。そして、エアバッグ26とバンパリインフォースメント18によって障害物を確実に受けることができるので、衝突初期の荷重が上がり、衝突時の衝撃エネルギーの吸収量が多くなり、バンパ16の後方に設けられたラジエータ、エンジン、キャビン等へ伝わる衝撃を緩和することができる。バンパ16とサイドメンバ12との間にクラッシュボックスが介設されている場合には、バンパ16により受けた衝撃をクラッシュボックスで更に確実に吸収できるため、より緩衝効果が向上する。その結果として、前輪タイヤから車両先端までの距離FRオーバーハングを短縮化(ショートオーバーハング化)することも設計上可能となる。これは、障害物が、バンパ16の高さ位置が異なる車両の場合であっても、エネルギ吸収量が増す効果は同様である。
【0027】
また、下方に延びたエアバッグ26及びバンパリインフォースメント18によって、対向車、その他の障害物のもぐり込みも防止することができる。
【0028】
勿論、バンパ16自体を上下方向に拡大させる構造としているため、特許文献1に記載の構成のように、サイドメンバ12間に特別な部材を架け渡さなくて済み、機体フレーム内において部品を配置する空間を制限することはない。
【0029】
以上、第1の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0030】
例えば、上記第1の実施形態では、バンパ装置14は、バンパリインフォースメント18とバンパカバー20とからなる上下に分断可能なバンパ16を備えたものであるが、バンパは、上下に分断可能な、1個の一体成形品からなるものであってもよい。
【0031】
主として障害物の下方へのもぐり込みを防止するためには、バンパリインフォースメント18の上部部分はサイドメンバ12に固定し、下部部分のみを下方に移動させるようにしてもよい。
【0032】
また、バンパリインフォースメント18として、薄肉部18a,18b,18cを設けたものの代わりに、予め上下に分断しておき、その分断箇所を鎹金具で係止したものを用いてもよい。この場合、エアバッグ26の膨張時は、鎹金具が裂け、バンパリインフォースメント18が分断され上下へ移動することになる。
【0033】
更に、バンパカバー20を分断せずに、バンパリインフォースメント18のみを分断させる構成としてもよい。かかる構成では、膨張したエアバック26の露出部分の対向位置にバンパカバー20が存在するため、バンパカバー20がエアバック26の保護となる。なお、この場合、連結部材22a,22bや薄肉部20aは不要となる。
【0034】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、第2の実施形態に係るバンパ装置50を概略的に示す、図1と同様な断面図である。なお、この第2の実施形態においても、車両10はサルーン型乗用車としている。
【0035】
第2の実施形態に係るバンパ装置50は、図4に示すように、断面コの字形状をなした軽量アルミ等からなるバンパリインフォースメント52を備えている。このバンパリインフォースメント52は、開口52aを下向きにして、左右のサイドメンバ12間に横架されている。開口52aには、底蓋54が開閉可能に設けられている。底蓋54は、その左右両側の端面で、ステー56の一端56aとボルト締めされて接続されており、ステー56の他端56bは、サイドメンバ12の外側面にピン58で枢動可能に支持されている。これにより、ピン58を中心にしてステー56を上下に枢動させることで、底蓋54を開口52aに対して開閉させることが可能となる。
【0036】
底蓋54の上面には、内部バンパ60が固定されている。内部バンパ60は、変形によって衝撃を吸収できるように、軽量アルミ等から作られた中空形状のものが好ましいが、緩衝性のある合成樹脂からなる中実体であってもよい。内部バンパ60の外形はバンパリインフォースメント52の内部空間と略同形とされており、底蓋54によりバンパリインフォースメント52の下部開口52aを閉じた状態では、バンパリインフォースメント52内に収容されるようになっている。また、ピン58を中心にしてステー56を下方に枢動させた場合に、内部バンパ60が円滑にバンパリインフォースメント52から下方に移動できるよう、その外形が調整されている。なお、ステー56を下方に枢動させた場合、内部バンパ60の上面がバンパリインフォースメント52の前壁部分の下縁と概ね一致した位置、或いはバンパリインフォースメント52の前壁部分の下縁よりも若干上方の位置(図5の二点鎖線の位置を参照)で停止するよう、ステーの下方移動を制限するストッパ(図示しない)がサイドメンバ12等に設けられている。
【0037】
なお、この第2の実施形態では、バンパカバー20は、内部バンパ60を収容した状態でのバンパリインフォースメント52の前部を覆う程度の寸法とされているが、上下に分断されるようにはなっていない。これらのバンパカバー20、バンパリインフォースメント52及び内部バンパ60が、この第2の実施形態に係るバンパ装置50におけるバンパ62を構成している。
【0038】
少なくとも一方、好ましくは左右両方のサイドメンバ12の前端部には、プル型電磁ソレノイド64が設けられている。電磁ソレノイド64は、励磁コイル(図示しない)と、プランジャ(可動鉄心)66とからなる一般的なものであり、ドライバの駆動によって励磁コイルに導通されるようになっている。この実施形態においては、励磁コイルが非通電状態(非励磁状態)にある場合、プランジャ66は励磁コイルから前方に突出し、ドライバの駆動による通電状態ではプランジャ66は励磁コイル内に引っ込められる。非通電時、突出したプランジャ66の前端部は、バンパリインフォースメント52の後壁部分に形成された貫通孔52bに挿通される。また、底蓋54によりバンパリインフォースメント52の下部開口52aを閉じた状態において、この突出したプランジャ66の前端部は、内部バンパ60の後壁部分に形成された貫通孔60aに嵌挿される。これによって、内部バンパ60はプランジャ66により係止され、自重によって降下しないようになる。一方、通電時には、プランジャ66の前端部は、内部バンパ60の貫通孔60aから完全に離脱されるようになっている。
【0039】
電磁ソレノイド64を動作させるシステムは、第1の実施形態と同様に、車両10の前端に設置されたミリ波レーダー38と、このミリ波レーダー38から送信される検出信号を受信し、障害物との衝突を予測するECU40とから構成されている。ECU40による衝突予測は、車両10と障害物との距離が所定範囲となり、車両10と障害物との相対速度が所定値以上の早さで接近していること等を基準として行われる。ECU40により衝突が予測された場合、制御信号が送信され、電磁ソレノイド64の励磁コイルが通電される。
【0040】
次に、処理フローである図5を参照して、第2の実施形態の動作について説明する。まず、車両10を始動キーにより走行可能の状態にする(スタート)。このとき、内部バンパ60は、バンパリインフォースメント52に収容された状態にある。且つまた、電磁ソレノイド64の励磁コイルは非通電状態であり、プランジャ66が前方に突出し、内部バンパ60は図4の実線で示す位置状態で固定される。この状態では、バンパ62の上下方向の幅は狭く維持されており、よって、これらの後方に配置されるラジエータやエンジンの冷却効果は損なわれない。
【0041】
車両が始動された後、ミリ波レーダー38による障害物の検出が継続的に行われ、ECU40にその検出信号が送信される(ステップ201)。走行中にECU40によって、障害物と車両10との距離と、障害物が車両10に接近する相対速度が演算され、所定値以上の早い速度での衝突が予測されるかどうか判定される(ステップ202)。ここで、衝突が予測されない場合、或いは衝突予測速度が低い場合は、ステップ201〜ステップ202を繰り返し、障害物の検出が継続される。この間は、電磁ソレノイド64は動作しないので、バンパ62は図5の実線で示す状態が維持される。
【0042】
一方、走行中に、ステップ202において、ECU40によって、車両10と障害物との距離が所定範囲となり、障害物に接近する衝突予測速度が所定値以上となった場合、ECU40は電磁ソレノイド64に対して、制御信号を送信する。この制御信号に基づき電磁ソレノイド64の励磁コイルが通電、励磁されて、プランジャ66が電磁ソレノイド64の内部へ引き込まれる。その結果、内部バンパ60は、プランジャ66による係止状態が解除され、その自重により降下する(ステップ204)。同時に、ステー56もピン58を中心にして下方に枢動するが、一定量移動した後、図示しないストッパによりその下方移動が阻止される。
【0043】
この時の状態を図4の二点鎖線によって示すが、バンパリインフォースメント52から内部バンパ60が降下することによって、障害物との衝突面積が拡大されていることが理解されよう。そのため、障害物と車両10の元々のバンパ62の高さに差があったとしても、内部バンパ60とバンパリインフォースメント52によって、バンパ62が上下方向に拡大されたことで、障害物と接触する高さにバンパ62が存在するようになる。従って、第1の実施形態と同様に、衝突所期の荷重を上げて、エネルギ吸収量を増することができ、ひいては車両10のショートオーバーハング化も可能となる。また、バンパ62を下方へ拡大することにより、障害物がもぐり込むことを防止することができる。
【0044】
更に、第1の実施形態と同様に、バンパ62自体を上下方向に拡大させる構造としているため、機体フレームを構成するサイドメンバ12間に、特別な部材を架け渡さなくて済み、機体フレーム内において部品を配置する空間を制限することはない。
【0045】
以上、本発明による第2の実施形態を詳細に説明したが、本発明は上記の第2の実施形態に限定されるものではない。
【0046】
例えば、上記第2の実施形態に係るバンパ装置におけるバンパ62は、バンパリインフォースメント52、内部バンパ60及びバンパカバー20から構成されているが、バンパカバー02とバンパリインフォースメント52とが一体化されたもの等、種々の形態が考えられる。
【0047】
また、バンパリインフォースメント52の上面内側に、圧縮ばねやプッシュ型電磁ソレノイド等の付勢手段を設けてもよい。この場合には、内部バンパ60は、圧縮ばね等の付勢手段によって下方に付勢されているので、瞬時に降下させることができるという効果がある。
【0048】
また、バンパリインフォースメント52の中間にしきり板を設け、しきられたバンパリインフォースメント52の上下の空間それぞれに、一体ずつ内部バンパを収容させ、下側の内部バンパは下方へ、上側の内部バンパは上方へ移動するようにしてもよい。この場合、下側の内部バンパは、上記第2の実施形態のように構成させる。上側の内部バンパは、しきり板の上面に圧縮ばね等の上方付勢手段を設置させて、内部バンパを収容させておき、上記実施形態のように電磁ソレノイドのプランジャを突出させて、内部バンパを係止させておく。かかる構成では、ECU40による衝突予測に基づいて、プランジャを電磁ソレノイドの内部へ引き込ませることにより、上側の内部バンパをバンパリインフォースメント52の上面から、上方へ突出させることができる。このようにすることで、バンパ62を上下両方向に拡大させることができる。
【0049】
更に、第1と第2の実施形態の変形形態としては、衝突が予測されるとき、衝突予測速度に拘わらず、エアバッグ26を膨張させるよう、ECU40を設定してもよい。また、障害物検出センサとしては、ミリ波レーダー38の代わりに、赤外線や超音波、電波等により障害物を検出してもよい。更にまた、画像認識によって障害物を認識することも可能である。インフレータ28を動作させるシステムについても、ECU40をミリ波レーダー38に搭載し、インフレータ28へ点火信号を直接送信するシステムを採用することもできる。或いは、ECU40をインフレータ28に搭載し、ミリ波レーダー38から検出信号を直接受信してもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によるバンパ装置は、障害物との衝突が予測される状態となった際、バンパの上下方向の幅が拡大されるので、衝突時の衝撃を有効に緩和・吸収することができる。
【0051】
また、通常時は、バンパの上下方向の幅は狭く維持されているため、その後方のエンジン等の冷却性能が低減されることもない。
【0052】
更に、車両前端よりも後方の位置でサイドメンバ間に特別な部材を横架させることもないので、部品の配置レイアウトの自由度が損なわれることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態に係るバンパ装置を示す、車両の前部の概略断面図である。
【図2】図1に示す車両前部における主要部の斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係るバンパ装置を動作させる処理のフロー図である。
【図4】本発明による第2の実施形態に係るバンパ装置を示す、車両の前部の概略断面図である。
【図5】第2の実施形態に係るバンパ装置を動作させる処理のフロー図である。
【符号の説明】
10…車両、12…サイドメンバ、14…バンパ装置、16…バンパ、18…バンパリインフォースメント、18a,18b,18c…薄肉部、20…バンパカバー、22a,22b…連結部材、24…バンパバー、26…エアバック、28…インフレータ、30…チューブ、32,34…ステー、36…ピン、38…ミリ波レーダー(衝突予測手段)、40…ECU(衝突予測手段)、50…バンパ装置、54…バンパリインフォースメント、54…底蓋、56…ステー、58…ピン、60…内部バンパ、62…バンパ、64…プル型電磁ソレノイド、66…プランジャ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に関し、特にバンパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両には、対向車、その他の障害物との衝突に対して、その衝撃を緩和・吸収するためバンパが設けられている。しかし、高さが低い障害物等は、バンパに当たらず、その下にもぐり込んでしまうことがある。車両同士が衝突するような場合も、メーカーや車種によってバンパの高さが異なるため、一方の車両が他方の車両の下にもぐり込むおそれがある。このような不具合に対しては、バンパを上下方向、特に下方に拡長して大型化することが考えられるが、路面の状態によってはバンパの下面を損傷するという問題がある。また、バンパはラジエータやエンジンの前方に配置されるため、これらの冷却性能を阻害することにもなる。更に、デザイン的な観点からバンパを大型化することが好ましくない場合もある。
【0003】
そこで、従来においては、例えば特許文献1に記載されているようなバンパ装置が提案されている。この特許文献1に記載のバンパ装置は、車両の前端に設けられた一般的な主バンパに加えて、可動の副バンパを備えており、衝突が予測される場合に限り主バンパの下側に副バンパを移動させ、衝突時にはバンパの全面積を上下方向に拡大しておくというものである。この副バンパは、通常時は、主バンパの後方位置に配置されるため、車両の外観を損なうということもない。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−165601号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような特許文献1に記載の従来構成では、副バンパが、車両前端よりも後方で、サイドメンバを横切るように配置されるため、機体フレーム内で部品を配置する空間を制限してしまうことになる。
【0006】
そこで、本発明は、上記の問題を解決し、衝突時の衝撃を有効に緩和・吸収できるバンパ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によるバンパ装置は、車両の少なくとも前部に設けられており、車両上下方向に幅を拡大することが可能なバンパと、障害物との衝突を予測する衝突予測手段とを備えている。また、衝突予測手段は、障害物との衝突予測に基づいて、バンパの車両上下方向の幅を拡大させるようになっている。
【0008】
この構成においては、通常時にはバンパ自体の上下方向の幅は狭く維持されている。一方、衝突予測手段によって障害物との衝突が予測された場合には、バンパ自体の車両上下方向の幅が拡大され、障害物と衝突した際の荷重が上がり、エネルギ吸収量の増加、すなわち緩衝効果が向上する。特に、バンパを下方に拡大した場合には、障害物のもぐり込みも防止できる。
【0009】
また、バンパとしては、その内部に配置されたエアバッグを備えたものとすることができる。この場合、衝突予測手段は、障害物との衝突予測に基づいて、バンパの車両上下方向の幅を拡大させるべくエアバッグを膨張させる。この構成において、エアバッグを膨張させることで、瞬時にバンパを上下方向に膨張させることができ、また、エアバックもバンパとしての機能を持たせることができる。
【0010】
バンパは、入れ子構造、例えばバンパの内部に内部バンパを下方に移動可能に収容したものも考えられる。そして、衝突予測手段が、障害物との衝突予測に基づいて内部バンパを下方に移動させることで、バンパ自体の上下方向の幅が拡大されることになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。また、本明細書において、車両が直前進している際の前方方向を「前方」と定め、「前」「後」「右」「左」等の方向を表す語を用いることとする。
【0012】
<第1の実施形態>
図1は、本発明による第1の実施形態に係るバンパ装置を示す概略図であり、車両の前部を前後方向に沿って垂直に断面を取った図である。図2は、図1に示す車両前部における主要部の斜視図である。なお、この実施形態において、車両はサルーン型乗用車としている。
【0013】
図1及び図2に示すように、車両10の左右両側には、機体フレームを構成するサイドメンバ12が配設されている。サイドメンバ12の前端にはバンパ装置14におけるバンパ16が設けられている。また、バンパ16の後方であって、左右両側のサイドメンバ12間には、図示しないラジエータ、エンジン、キャビン等が配置されている。なお、バンパ16と各サイドメンバ12との間には、図示しないが、クラッシュボックスが介設されていることが好適である。クラッシュボックスは中空部を有する衝撃吸収部材であり、車両の衝突による衝撃をバンパ16を介して受けたときに衝撃を吸収するように変形し易くなったものである。
【0014】
バンパ16は、左右のサイドメンバ12の前端間を車幅方向に横架するように設けられたバンパリインフォースメント18を備える。バンパリインフォースメント18は軽量アルミ等で中空形状に形成されている。バンパリインフォースメント18の前壁部分には薄肉部18aが水平に延在し、後壁部分には薄肉部18b,18cが水平に延在している。これらの薄肉部18a,18b,18cは、その両側に引張り力を作用させた場合、比較的小さな力で破断するいわゆる弱化部として機能するものである。従って、バンパリインフォースメント18の上板部分と下板部分にそれぞれ所定以上の上方と下方の力を作用させると、バンパリインフォースメント18は薄肉部18a,18b,18cに沿って上下に分断されるようになっている。なお、薄肉部18b,18c間の後壁部分で、バンパリインフォースメント18はサイドメンバ12の前端面と(クラッシュボックスが設けられている場合には、クラッシュボックスと)接続されている。
【0015】
バンパリインフォースメント18には、その前表面を覆うように、バンパカバー20が設けられている。このバンパカバー20は、ポリウレタン等の衝撃吸収性の高い材料から作られている。また、バンパカバー20にも、バンパリインフォースメント18における薄肉部18aに対向する位置に、薄肉部20aが水平に形成されている。この薄肉部20aも、上下両側に引張り作用をさせた場合、比較的小さな力で破断するいわゆる弱化部として機能するものである。従って、バンパカバー20の上方と下方の力を作用させると、バンパカバー20は薄肉部20aに沿って上下に分断されるようになっている。
【0016】
この実施形態では、バンパカバー20とバンパリインフォースメント18とを連結するために、バンパカバー20の上部及び下部には、後方に延びる連結部材22a,22bが一体的に取り付けられており、連結部材22a,22bはそれぞれバンパリインフォースメント18の上面と下面に固定されている。更に、バンパカバー20の下側に、バンパバー24が取り付けられている。
【0017】
バンパリインフォースメント18の内部には、これを上下に分断すべく、エアバッグ26が収縮状態で備えられている。このエアバック26は、容易に破裂しない材料、例えばステアリングホイールに設けられる一般的なエアバックと同様な材質から作られている。また、エアバッグ26は、バンパリインフォースメント18の略全長にわたり配設されており、膨張時には略上下方向に拡張し、その体積はバンパリインフォースメント18の内部空間の体積よりも大きく、好ましくは2倍程度となる。
【0018】
エアバック26を膨張させるための手段として、エアバッグ26に封入するガスを発生させるインフレータ28が、少なくとも一方のサイドメンバ12の先端部に設けられている。インフレータ28には、その内部に電気着火式の点火装置28a、図示しない伝火剤及びガス発生剤が備えられており、点火装置28aによる点火によって、火炎が伝火剤、ガス発生剤へと伝播し、ガスを発生させるようになっている。この発生したガスをインフレータ28からエアバッグ26へ導くために、チューブ30がインフレータ28の前端からエアバッグ26の内部に、バンパリインフォースメント18の後壁部分18dを貫通して設けられている。インフレータ28から送られるガスの圧力は、薄肉部18a,18b,18cを破断し、バンパリインフォースメント18を上下に分割するに十分な大きさとされている。
【0019】
また、図2に示すように、バンパリインフォースメント18が分断された際にサイドメンバ12から分離、脱落しないよう、左右各側において、サイドメンバ12の外側面とバンパリインフォースメント18の端面との間には2本のステー32,34が設けられている。これらのステー32,34の一方の端部は共通のピン36によってサイドメンバ12に枢支されている。また、ステー32,34の他端はそれぞれバンパリインフォースメント18の端面の上部と下部に枢支されている。なお、下側のステー34に対しては、所定量以上、下方に移動しないよう、適当なストッパ(図示しない)が設けられていることが好ましい。
【0020】
次に、エアバッグ26を動作させるシステムについて、図1を参照して説明する。車両10の前端には、ミリ波レーダー38が設置されている。ミリ波レーダー38は車両前方へ電波を照射しスキャンして障害物(対向車、先行車、ガードレールの路側物等)を検出する。このミリ波レーダー38から送信される検出信号を受信し、障害物との衝突を予測するECU(Electronic Control Unit;マイクロコンピュータの一種)40が設けられている。
【0021】
ECU40による衝突予測は、車両10と障害物との距離が所定範囲となり、車両10と障害物との相対速度が所定値以上の早さで接近していること等を基準として行われる。ECU40により衝突が予測された場合、インフレータ28へ点火信号が送信される。
【0022】
次に、処理フローである図3を参照して、この実施形態の動作についてより詳細に説明する。まず、車両10を始動キーにより走行可能の状態にする。このとき、インフレータ28は動作しておらず、エアバッグ26は収縮している状態であり、バンパリインフォースメント18も上下が一体の状態となっている(図1の実線で示す位置状態)。この状態では、バンパ16の上下方向の幅は従来一般のものと変わらず、エンジンやラジエータ等の冷却性能を阻害することはない。
【0023】
車両10が走行可能の状態となった後、ミリ波レーダー38による障害物の検出が継続的に行われ、ECU40にその検出信号が送信される(ステップ101)。走行中にECU40によって、障害物と車両10との距離と、障害物が車両10に接近する相対速度が演算され、所定値以上の早い速度で衝突が予測されるかどうか判定される(ステップ102)。ここで、衝突が予測されない場合、或いは衝突予測速度が低い場合は、ステップ101〜ステップ102を繰り返し、障害物の検出が継続される。この間は、インフレータ28は動作していない状態にある。
【0024】
一方、走行中に、ステップ102において、ECU40によって、車両10と障害物との距離が所定範囲となり、障害物に接近する衝突予測速度が所定値以上であると認識された場合、ECU40はインフレータ28に対して点火信号を送信する。インフレータ28は、この点火信号により、点火を行う(ステップ103)。すなわち、インフレータ28に内蔵する点火装置28aが着火し、図示しない伝火剤、ガス発生剤へ瞬時に火炎が伝播し、ガス発生剤からガスが発生する。このガスは、図1に示すチューブ30を通じて、エアバッグ26に封入され、エアバッグ26は瞬時に膨張する(ステップ104)。なお、エアバッグ26が膨張するためにかかる時間を考慮して、衝突が予測される所定時間前、例えば約1秒前に、点火信号がECU40から送信されることが好ましい。
【0025】
図1における二点鎖線は、インフレータ28が動作し、エアバッグ26が膨張したときの状態を示している。図1に示すように、エアバッグ26が上下方向に膨張すると、バンパリインフォースメント18は、薄肉部18a,18b,18cに沿って分断される。バンパカバー20も、エアバッグ26の膨張に伴って、連結部材22a,22bにより上下へ押圧され、薄肉部20aに沿って分断される。
【0026】
この際、エアバッグ26は破裂しにくい材質から作られており、ガスが充満されているので、クッション材ないしバンパ16としての機能を果たす。従って、上下に分断されて移動したバンパリインフォースメント18と、エアバック26とによって、衝突してくる障害物を受けるバンパ16自体の面積は上下方向に拡大されたこととなる。そのため、障害物と車両10の元々のバンパ16の高さに差があったとしても、エアバッグ26とバンパリインフォースメント18が上下方向に拡大されたことで、障害物と接触する高さにバンパ16が存在するようになる。そして、エアバッグ26とバンパリインフォースメント18によって障害物を確実に受けることができるので、衝突初期の荷重が上がり、衝突時の衝撃エネルギーの吸収量が多くなり、バンパ16の後方に設けられたラジエータ、エンジン、キャビン等へ伝わる衝撃を緩和することができる。バンパ16とサイドメンバ12との間にクラッシュボックスが介設されている場合には、バンパ16により受けた衝撃をクラッシュボックスで更に確実に吸収できるため、より緩衝効果が向上する。その結果として、前輪タイヤから車両先端までの距離FRオーバーハングを短縮化(ショートオーバーハング化)することも設計上可能となる。これは、障害物が、バンパ16の高さ位置が異なる車両の場合であっても、エネルギ吸収量が増す効果は同様である。
【0027】
また、下方に延びたエアバッグ26及びバンパリインフォースメント18によって、対向車、その他の障害物のもぐり込みも防止することができる。
【0028】
勿論、バンパ16自体を上下方向に拡大させる構造としているため、特許文献1に記載の構成のように、サイドメンバ12間に特別な部材を架け渡さなくて済み、機体フレーム内において部品を配置する空間を制限することはない。
【0029】
以上、第1の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0030】
例えば、上記第1の実施形態では、バンパ装置14は、バンパリインフォースメント18とバンパカバー20とからなる上下に分断可能なバンパ16を備えたものであるが、バンパは、上下に分断可能な、1個の一体成形品からなるものであってもよい。
【0031】
主として障害物の下方へのもぐり込みを防止するためには、バンパリインフォースメント18の上部部分はサイドメンバ12に固定し、下部部分のみを下方に移動させるようにしてもよい。
【0032】
また、バンパリインフォースメント18として、薄肉部18a,18b,18cを設けたものの代わりに、予め上下に分断しておき、その分断箇所を鎹金具で係止したものを用いてもよい。この場合、エアバッグ26の膨張時は、鎹金具が裂け、バンパリインフォースメント18が分断され上下へ移動することになる。
【0033】
更に、バンパカバー20を分断せずに、バンパリインフォースメント18のみを分断させる構成としてもよい。かかる構成では、膨張したエアバック26の露出部分の対向位置にバンパカバー20が存在するため、バンパカバー20がエアバック26の保護となる。なお、この場合、連結部材22a,22bや薄肉部20aは不要となる。
【0034】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、第2の実施形態に係るバンパ装置50を概略的に示す、図1と同様な断面図である。なお、この第2の実施形態においても、車両10はサルーン型乗用車としている。
【0035】
第2の実施形態に係るバンパ装置50は、図4に示すように、断面コの字形状をなした軽量アルミ等からなるバンパリインフォースメント52を備えている。このバンパリインフォースメント52は、開口52aを下向きにして、左右のサイドメンバ12間に横架されている。開口52aには、底蓋54が開閉可能に設けられている。底蓋54は、その左右両側の端面で、ステー56の一端56aとボルト締めされて接続されており、ステー56の他端56bは、サイドメンバ12の外側面にピン58で枢動可能に支持されている。これにより、ピン58を中心にしてステー56を上下に枢動させることで、底蓋54を開口52aに対して開閉させることが可能となる。
【0036】
底蓋54の上面には、内部バンパ60が固定されている。内部バンパ60は、変形によって衝撃を吸収できるように、軽量アルミ等から作られた中空形状のものが好ましいが、緩衝性のある合成樹脂からなる中実体であってもよい。内部バンパ60の外形はバンパリインフォースメント52の内部空間と略同形とされており、底蓋54によりバンパリインフォースメント52の下部開口52aを閉じた状態では、バンパリインフォースメント52内に収容されるようになっている。また、ピン58を中心にしてステー56を下方に枢動させた場合に、内部バンパ60が円滑にバンパリインフォースメント52から下方に移動できるよう、その外形が調整されている。なお、ステー56を下方に枢動させた場合、内部バンパ60の上面がバンパリインフォースメント52の前壁部分の下縁と概ね一致した位置、或いはバンパリインフォースメント52の前壁部分の下縁よりも若干上方の位置(図5の二点鎖線の位置を参照)で停止するよう、ステーの下方移動を制限するストッパ(図示しない)がサイドメンバ12等に設けられている。
【0037】
なお、この第2の実施形態では、バンパカバー20は、内部バンパ60を収容した状態でのバンパリインフォースメント52の前部を覆う程度の寸法とされているが、上下に分断されるようにはなっていない。これらのバンパカバー20、バンパリインフォースメント52及び内部バンパ60が、この第2の実施形態に係るバンパ装置50におけるバンパ62を構成している。
【0038】
少なくとも一方、好ましくは左右両方のサイドメンバ12の前端部には、プル型電磁ソレノイド64が設けられている。電磁ソレノイド64は、励磁コイル(図示しない)と、プランジャ(可動鉄心)66とからなる一般的なものであり、ドライバの駆動によって励磁コイルに導通されるようになっている。この実施形態においては、励磁コイルが非通電状態(非励磁状態)にある場合、プランジャ66は励磁コイルから前方に突出し、ドライバの駆動による通電状態ではプランジャ66は励磁コイル内に引っ込められる。非通電時、突出したプランジャ66の前端部は、バンパリインフォースメント52の後壁部分に形成された貫通孔52bに挿通される。また、底蓋54によりバンパリインフォースメント52の下部開口52aを閉じた状態において、この突出したプランジャ66の前端部は、内部バンパ60の後壁部分に形成された貫通孔60aに嵌挿される。これによって、内部バンパ60はプランジャ66により係止され、自重によって降下しないようになる。一方、通電時には、プランジャ66の前端部は、内部バンパ60の貫通孔60aから完全に離脱されるようになっている。
【0039】
電磁ソレノイド64を動作させるシステムは、第1の実施形態と同様に、車両10の前端に設置されたミリ波レーダー38と、このミリ波レーダー38から送信される検出信号を受信し、障害物との衝突を予測するECU40とから構成されている。ECU40による衝突予測は、車両10と障害物との距離が所定範囲となり、車両10と障害物との相対速度が所定値以上の早さで接近していること等を基準として行われる。ECU40により衝突が予測された場合、制御信号が送信され、電磁ソレノイド64の励磁コイルが通電される。
【0040】
次に、処理フローである図5を参照して、第2の実施形態の動作について説明する。まず、車両10を始動キーにより走行可能の状態にする(スタート)。このとき、内部バンパ60は、バンパリインフォースメント52に収容された状態にある。且つまた、電磁ソレノイド64の励磁コイルは非通電状態であり、プランジャ66が前方に突出し、内部バンパ60は図4の実線で示す位置状態で固定される。この状態では、バンパ62の上下方向の幅は狭く維持されており、よって、これらの後方に配置されるラジエータやエンジンの冷却効果は損なわれない。
【0041】
車両が始動された後、ミリ波レーダー38による障害物の検出が継続的に行われ、ECU40にその検出信号が送信される(ステップ201)。走行中にECU40によって、障害物と車両10との距離と、障害物が車両10に接近する相対速度が演算され、所定値以上の早い速度での衝突が予測されるかどうか判定される(ステップ202)。ここで、衝突が予測されない場合、或いは衝突予測速度が低い場合は、ステップ201〜ステップ202を繰り返し、障害物の検出が継続される。この間は、電磁ソレノイド64は動作しないので、バンパ62は図5の実線で示す状態が維持される。
【0042】
一方、走行中に、ステップ202において、ECU40によって、車両10と障害物との距離が所定範囲となり、障害物に接近する衝突予測速度が所定値以上となった場合、ECU40は電磁ソレノイド64に対して、制御信号を送信する。この制御信号に基づき電磁ソレノイド64の励磁コイルが通電、励磁されて、プランジャ66が電磁ソレノイド64の内部へ引き込まれる。その結果、内部バンパ60は、プランジャ66による係止状態が解除され、その自重により降下する(ステップ204)。同時に、ステー56もピン58を中心にして下方に枢動するが、一定量移動した後、図示しないストッパによりその下方移動が阻止される。
【0043】
この時の状態を図4の二点鎖線によって示すが、バンパリインフォースメント52から内部バンパ60が降下することによって、障害物との衝突面積が拡大されていることが理解されよう。そのため、障害物と車両10の元々のバンパ62の高さに差があったとしても、内部バンパ60とバンパリインフォースメント52によって、バンパ62が上下方向に拡大されたことで、障害物と接触する高さにバンパ62が存在するようになる。従って、第1の実施形態と同様に、衝突所期の荷重を上げて、エネルギ吸収量を増することができ、ひいては車両10のショートオーバーハング化も可能となる。また、バンパ62を下方へ拡大することにより、障害物がもぐり込むことを防止することができる。
【0044】
更に、第1の実施形態と同様に、バンパ62自体を上下方向に拡大させる構造としているため、機体フレームを構成するサイドメンバ12間に、特別な部材を架け渡さなくて済み、機体フレーム内において部品を配置する空間を制限することはない。
【0045】
以上、本発明による第2の実施形態を詳細に説明したが、本発明は上記の第2の実施形態に限定されるものではない。
【0046】
例えば、上記第2の実施形態に係るバンパ装置におけるバンパ62は、バンパリインフォースメント52、内部バンパ60及びバンパカバー20から構成されているが、バンパカバー02とバンパリインフォースメント52とが一体化されたもの等、種々の形態が考えられる。
【0047】
また、バンパリインフォースメント52の上面内側に、圧縮ばねやプッシュ型電磁ソレノイド等の付勢手段を設けてもよい。この場合には、内部バンパ60は、圧縮ばね等の付勢手段によって下方に付勢されているので、瞬時に降下させることができるという効果がある。
【0048】
また、バンパリインフォースメント52の中間にしきり板を設け、しきられたバンパリインフォースメント52の上下の空間それぞれに、一体ずつ内部バンパを収容させ、下側の内部バンパは下方へ、上側の内部バンパは上方へ移動するようにしてもよい。この場合、下側の内部バンパは、上記第2の実施形態のように構成させる。上側の内部バンパは、しきり板の上面に圧縮ばね等の上方付勢手段を設置させて、内部バンパを収容させておき、上記実施形態のように電磁ソレノイドのプランジャを突出させて、内部バンパを係止させておく。かかる構成では、ECU40による衝突予測に基づいて、プランジャを電磁ソレノイドの内部へ引き込ませることにより、上側の内部バンパをバンパリインフォースメント52の上面から、上方へ突出させることができる。このようにすることで、バンパ62を上下両方向に拡大させることができる。
【0049】
更に、第1と第2の実施形態の変形形態としては、衝突が予測されるとき、衝突予測速度に拘わらず、エアバッグ26を膨張させるよう、ECU40を設定してもよい。また、障害物検出センサとしては、ミリ波レーダー38の代わりに、赤外線や超音波、電波等により障害物を検出してもよい。更にまた、画像認識によって障害物を認識することも可能である。インフレータ28を動作させるシステムについても、ECU40をミリ波レーダー38に搭載し、インフレータ28へ点火信号を直接送信するシステムを採用することもできる。或いは、ECU40をインフレータ28に搭載し、ミリ波レーダー38から検出信号を直接受信してもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によるバンパ装置は、障害物との衝突が予測される状態となった際、バンパの上下方向の幅が拡大されるので、衝突時の衝撃を有効に緩和・吸収することができる。
【0051】
また、通常時は、バンパの上下方向の幅は狭く維持されているため、その後方のエンジン等の冷却性能が低減されることもない。
【0052】
更に、車両前端よりも後方の位置でサイドメンバ間に特別な部材を横架させることもないので、部品の配置レイアウトの自由度が損なわれることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態に係るバンパ装置を示す、車両の前部の概略断面図である。
【図2】図1に示す車両前部における主要部の斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係るバンパ装置を動作させる処理のフロー図である。
【図4】本発明による第2の実施形態に係るバンパ装置を示す、車両の前部の概略断面図である。
【図5】第2の実施形態に係るバンパ装置を動作させる処理のフロー図である。
【符号の説明】
10…車両、12…サイドメンバ、14…バンパ装置、16…バンパ、18…バンパリインフォースメント、18a,18b,18c…薄肉部、20…バンパカバー、22a,22b…連結部材、24…バンパバー、26…エアバック、28…インフレータ、30…チューブ、32,34…ステー、36…ピン、38…ミリ波レーダー(衝突予測手段)、40…ECU(衝突予測手段)、50…バンパ装置、54…バンパリインフォースメント、54…底蓋、56…ステー、58…ピン、60…内部バンパ、62…バンパ、64…プル型電磁ソレノイド、66…プランジャ。
Claims (3)
- 車両の少なくとも前部に設けられており、車両上下方向に幅を拡大することが可能なバンパと、
障害物との衝突を予測する衝突予測手段と、
を備え、
前記衝突予測手段は、前記障害物との衝突予測に基づいて、前記バンパの車両上下方向の幅を拡大させるようになっていることを特徴とするバンパ装置。 - 前記バンパは、その内部に配置されたエアバッグを備え、
前記衝突予測手段は、前記障害物との衝突予測に基づいて、前記バンパの車両上下方向の幅を拡大させるべく前記エアバッグを膨張させるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のバンパ装置。 - 前記バンパの内部には、内部バンパが下方に移動可能に収容されており、
前記衝突予測手段は、前記障害物との衝突予測に基づいて、前記バンパの車両上下方向の幅を拡大させるべく前記内部バンパを下方に移動させるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のバンパ装置。
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