JP2005007641A - インクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インク吸収性に優れ十分な濃度を有し、高光沢でプリント品質及び画像耐久性に優れたインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】一次粒子の平均粒径10nm以下の湿式シリカを二次粒子の平均粒径10〜300nmに粉砕したシリカ微粒子と親水性バインダーを含有し、該親水性バインダーに対する該湿式シリカの質量比が5.5〜12であり、かつ膜面pHが3.0〜6.0の範囲であるインクジェット記録用紙に、顔料を含有するインクを用いて記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】 なし
【解決手段】一次粒子の平均粒径10nm以下の湿式シリカを二次粒子の平均粒径10〜300nmに粉砕したシリカ微粒子と親水性バインダーを含有し、該親水性バインダーに対する該湿式シリカの質量比が5.5〜12であり、かつ膜面pHが3.0〜6.0の範囲であるインクジェット記録用紙に、顔料を含有するインクを用いて記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録方法に関し、詳しくはインク吸収性に優れ、十分な濃度を有し、高光沢で高品質のプリントが得られるインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録は急速に画質が向上して来ており、写真画質に迫りつつある。この様な写真画質をインクジェット記録で達成する手段として、使用する記録用紙においても急速に技術改良が試みられており、高平滑性の支持体上に微小な空隙を有する層(以下、空隙層又は多孔質層とも言う)を設けた記録用紙はインク吸収性及び乾燥性に優れていることから、最も写真画質に近いものの一つになりつつある。特に、非吸収性支持体を使用した場合、吸水性支持体に見られるようなプリント後のコックリング(皺)がなく、高平滑な表面を維持できる為、より高品位な印字プリントを得ることができる。
【0003】
このような多孔質層は、主に親水性バインダーと微粒子で形成されており、微粒子としては無機又は有機の微粒子が知られているが、一般的には、より微細な無機微粒子が用いられる。そのような無機微粒子として、表面がアニオン性である微粒子シリカを使用した場合には優れた光沢性が得られることから好ましく、例えば気相法で合成された微粒子シリカやコロイダルシリカと少量の親水性バインダーの組合せで得られるインクジェット記録用紙が知られている。
【0004】
しかしながら、気相法シリカは、水に分散した場合に粘性が高く、高濃度化に不利であることや、停滞安定性が悪いなど取り扱い上の問題や高価であるため生産コスト面の欠点を持つ。
【0005】
比較的安価なシリカとしては、沈降法やゲル法により合成される湿式シリカがあるが、一般に数μmの凝集粒子であり、これを含有する塗膜は光沢が得られない。このために湿式シリカ粒子を粉砕微粒化することにより光沢を有する皮膜を形成する方法が知られている。例えば特開平10−272833号(実施例)には、沈降法により合成された湿式シリカを圧力式ホモジナイザーを用いて粉砕微粒化したシリカ微粒子を用いたインクジェット記録用紙が提案されている。又、特開2001−246830(請求項1及び実施例)には、沈降法により製造された湿式シリカは粉砕微粒化しても十分な光沢性が得られず、更にインク吸収性が低いという課題に対し、比表面積150m2/g以上のゲル法で製造した不定形シリカを粉砕微粒化した湿式シリカとバインダー樹脂を含有し、かつバインダー樹脂に対するシリカ粒子が質量比で3〜5の範囲であるインクジェット記録用紙が提案されている。しかしながら、インク吸収性を高める為に、バインダー樹脂に対するシリカ粒子の質量比を5より高めると、塗膜強度が低下し塗布・乾燥時に「ひび割れ」が起き易い問題があった。
【0006】
インクの種類については、従来、主として染料系インクを使用することが多かった。しかしながら、染料インクを用いた場合、染料分子はほぼ分子状態でインク吸収層中に定着されるが、染料分子によっては、水溶性が高いことから十分な定着性を付与することができず、経時で画像に滲みが発生する場合がある。又、染料インクは分子状態で存在するから酸素の影響を受け易く、一般的に光退色が酸素の寄与で著しく加速されることで耐光性が十分でない等の問題がある。
【0007】
一方、顔料インクを使用した場合は、色材は微粒子状態でインク吸収層に定着されるが、元来溶解性が低いために滲みが起き難く、又、酸素も顔料粒子表面からしか作用しないために、色素の退色速度は遅く耐光性が優れている。
【0008】
しかしながら、空隙型インク吸収層に顔料インクが出力された際、顔料粒子が空隙を塞いでしまい、次のインクが出射された際に、インク中の水分、溶媒を吸収し難くなり、インク吸収性が低下するという問題があった。インク吸収容量を上げることでインク吸収性は向上するが、インク吸収容量を上げるために塗膜の膜厚を上げると、従来のシリカでは「ひび割れ」が発生してしまう。
【0009】
又、特開昭55−51583号、同56−157号、同62−183382号等に開示されるように、平均粒径が数μmのシリカ等の無機顔料と水溶性バインダーとから成る塗工層を設けた記録媒体は、空隙径がインク中の顔料粒子に比べ遙かに大きいため、顔料粒子が空隙を塞いでインク吸収性を低下させることはなくなるが、顔料粒子が空隙層の深部にあることで画像濃度が低くなる欠点があった。この画像濃度を上げる為にカチオン樹脂を用いる技術が開示されているが(特許文献1、2参照)、平均粒径の大きい無機粒子を使用しているか、又は微細化せずに使用しているため、記録媒体には光沢がなく、品位が低いという欠点があった。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−79752号公報
【0011】
【特許文献2】
特開2001−10213号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の課題に鑑みて為されたものであり、本発明の目的は、インク吸収性に優れ十分な濃度を有し、高光沢でプリント品質及び画像耐久性に優れたインクジェット記録方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題に対し鋭意検討の結果、以下の構成により課題が達成されることを見い出した。
【0014】
1)一次粒子の平均粒径10nm以下の湿式シリカを二次粒子の平均粒径10〜300nmに粉砕したシリカ微粒子と親水性バインダーを含有し、該親水性バインダーに対する該湿式シリカの質量比が5.5〜12であり、かつ膜面pHが3.0〜6.0の範囲であるインクジェット記録用紙に、顔料を含有するインクを用いて記録を行うインクジェット記録方法。
【0015】
2)湿式シリカがゲル法により合成された湿式シリカである1)記載のインクジェット記録方法。
【0016】
3)インクジェット記録用紙がカチオン定着剤を含有する1)又は2)記載のインクジェット記録方法。
【0017】
4)インクに含有される顔料の平均粒径が50〜95nmである1)〜3)の何れか1項記載のインクジェット記録方法。
【0018】
5)インクのゼータ電位の絶対値が40mV以上200mV未満である1)〜4)の何れか1項記載のインクジェット記録方法。
【0019】
6)親水性バインダーがポリビニルアルコール又はその誘導体である1)〜5)の何れか1項記載のインクジェット記録方法。
【0020】
7)インクジェット記録用紙の支持体が非吸収性である1)〜6)の何れか1項記載のインクジェット記録方法。
【0021】
8)インクに、Yインク、Mインク及びCインクを用いる1)〜6)の何れか1項記載のインクジェット記録方法。
【0022】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明に用いられる湿式シリカとは、珪酸ナトリウムを原料として沈降法又はゲル法により合成されたものであり、例えば沈降法によるトクヤマ社製のファインシールが市販されており、ゲル法によるシリカとしては、日本シリカ工業社製のNIPGELが市販されている。沈降法シリカは概ね10〜60nm、ゲル法シリカは概ね3〜10nmの一次粒子が二次凝集体を形成したシリカ粒子として特徴付けられる。
【0023】
一次粒子径が小さいシリカは比表面積が大きくなる為に、充分な塗膜の強度を得る為に必要なバインダーが増加しインク吸収性が低下する。この課題に対し、本発明者らが鋭意検討した結果、膜面pHが3.0〜6.0の範囲になるように塗布液pHを調整することで、塗膜の強度に必要なバインダー樹脂量を軽減でき、塗布・乾燥時の「ひび割れ」を大幅に軽減できことを見い出した。この効果に対する詳細な解釈には至っていないが、塗膜の膜面pHをシリカの等電点に近づけることで水素結合性の向上による接着性が高まる結果、「ひび割れ」が起き難くなるものと推定している。
【0024】
上記検討結果に基づき、一次粒子の平均粒径が10nm以下、より好ましくは8nm以下の湿式シリカを二次粒子の平均粒径が10〜300nmに粉砕したシリカ微粒子と親水性バインダーを含有し、親水性バインダーに対する湿式シリカの質量比が5.5〜12かつ膜面pHが3.0〜6.0、好ましくは3.5〜5.5の範囲とする本発明の構成において、高い光沢、プリント濃度及びインク吸収性を全て満足するインク吸収層が得られる。湿式シリカの一次粒子径に関する下限に特に制約はないが、シリカ粒子の製造安定性の観点から3nm以上であることが好ましい。又、特に好ましくは、ゲル法により合成される湿式シリカである。
【0025】
尚、シリカの一次粒子及び二次粒子の平均粒径は、空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒径から求められる。ここで個々の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
【0026】
湿式シリカの粉砕には、高圧ホモジナイザー、高速攪拌分散機、サンドミル、超音波分散機などを用いることが出来るが、本発明においてはサンドミルが好ましい。サンドミルに用いるビーズは1.0mm以下のジルコニアビーズが好ましく、更に好ましくは0.5mm以下のジルコニアビーズである。
【0027】
湿式シリカの使用量は、プリント時のインク溢れや斑が起きない程度のインク吸収容量を持たせるため、記録用紙1m2当たり概ね3〜30g、好ましくは5〜20gである。
【0028】
次に親水性バインダーについて説明する。親水性バインダーとしては、従来公知の各種親水性バインダーを用いることが出来る。例えばゼラチン(酸処理ゼラチンが好ましい)、ポリビニルピロリドン(平均分子量が約20万以上のものが好ましい)、プルラン、ポリビニルアルコール(以下、PVAと記す)又はその誘導体、ポリエチレングリコール(平均分子量10万以上が好ましい)、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、水溶性ポリビニルブチラールを挙げることができる、これらの親水性バインダーは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。特に好ましい親水性バインダーはPVA又はカチオン変成PVAである。
【0029】
好ましく用いられるPVAは平均重合度が300〜4,000の範囲であり、特に平均分子量が1,000以上のものが得られる皮膜の脆弱性が良好であることから好ましい。又、PVAの鹸化度は70〜100%のものが好ましく、80〜100%のものが特に好ましい。
【0030】
又、カチオン変性PVAは、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を鹸化することにより得られる。カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロリド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロリド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロリド、トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロリド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0031】
カチオン変性PVAのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。カチオン変性PVAの重合度は、通常、500〜4,000、好ましくは1,000〜4,000である。又、カチオン変成PVAの鹸化度は、通常60〜100モル%、好ましくは70〜99モル%である。
【0032】
親水性バインダーの使用量は、インク吸収層が空隙層になるようにするために、シリカに対して比較的少量使用され、皮膜が安定に形成され支持体との接着性が充分保てる範囲で出来るだけ少なく使用するのが好ましい。
【0033】
本発明においては、親水性バインダーに対するシリカの質量比で5.5〜12の範囲にある必要があり、この範囲であれば、充分なインク吸収性と塗布・乾燥時の「ひび割れ」耐性を満足することが出来る。
【0034】
この効果は、前記詳細に示したように、塗付皮膜の膜面pHが3.0〜6.0、好ましくは3.5〜5.5の範囲になるように塗布液pHを調整することにより達成できる。塗布液pHの調整は、シリカの粉砕分散液のpHを調整するのが好ましく、pH調整剤は、硝酸、燐酸、枸櫞酸など特に制約はないが、親水性バインダーにPVAを用いる場合には硼酸を用いることが、PVAの架橋剤としての機能を付与できる点で好ましい。又、比較的低pH側で製造された湿式シリカで水分散液のpHが6.0以下になるものもあり、このようなシリカについては、特にpH調整の必要なく膜面pHを3.0〜6.0の範囲にできる。
【0035】
膜面pHの測定は、J.TAPPI 紙パルプ試験方法No.49に記載の方法に従って、蒸留水を用いて水滴を紙表面に滴下し、30秒後に測定した。
【0036】
インクジェット記録用紙は、皮膜の脆弱性を劣化させずに高光沢性で高い空隙率を得るために、前記親水性バインダーが硬膜剤により硬膜されていることが好ましい。
【0037】
硬膜剤は、一般的には前記親水性バインダーと反応し得る基を有する化合物、あるいは親水性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、親水性バインダ−の種類に応じて適宜選択して用いられる。
【0038】
具体例としては、例えばエポキシ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、硼酸及びその塩、アルミ明礬等が挙げられる。
【0039】
特に好ましい親水性バインダ−としてPVA及び又はカチオン変成PVAを使用する場合には、硼酸及びその塩、及びエポキシ系硬膜剤から選ばれる化合物を使用することが好ましい。最も好ましいのは硼酸及びその塩から選ばれる硬膜剤である。本発明で、硼酸又はその塩としては、硼素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことを示し、具体的にはオルト硼酸、二硼酸、メタ硼酸、四硼酸、五硼酸、及び八硼酸及びそれらの塩が含まれる。
【0040】
上記硬膜剤の使用量は、親水性バインダ−の種類、硬膜剤の種類、無機微粒子の種類や親水性バインダーに対する比率等により変化するが、概ね、親水性バインダ1g当たり5〜500mg、好ましくは10〜400mgである。
【0041】
上記硬膜剤は、空隙層を構成する塗布液を塗布する際に、空隙層形成の塗布液中及び又は空隙層に隣接するその他の層を形成する塗布液中に添加してもよく、あるいは予め硬膜剤を含有する塗布液を塗布してある支持体上に、前記空隙層を形成する塗布液を塗布したり、更には空隙層を形成する硬膜剤非含有の塗布液を塗布・乾燥後に硬膜剤溶液をオーバーコートするなどして、空隙層に硬膜剤を供給することができるが、好ましくは、製造上の効率から空隙層を形成する塗布液又はこれに隣接する層の塗布液中に硬膜剤を添加して、空隙層を形成するのと同時に硬膜剤を供給するのが好ましい。
【0042】
顔料インクは分散剤を用いて水に分散されるが、一般的にアニオン系で分散されるため、記録材料中にカチオン系の素材を入れることで顔料の定着性が向上する。
【0043】
カチオン性ポリマーの例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・SO2共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニルベンジル−トリメチルアンモニウムクロリド重合物、(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロリド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物などが挙げられる。又、化学工業時報,平成10年8月15,25日に記載されるカチオン性ポリマー、三洋化成工業社発行「高分子薬剤入門」に記載される高分子染料固着剤が例として挙げられる。
【0044】
カチオン定着剤の使用量は、シリカに対する質量比で15%以下、より好ましくは10%以下、更に好ましくは7%以下であることがインク吸収性の劣化を抑制するので好ましい。又、使用量の下限は、十分な顔料定着性を得るために0.1質量%以上であることが必要である。
【0045】
インクジェット記録用紙のインク吸収層及び必要に応じて設けられるその他の層には、上記以外の各種添加剤を使用することができる。例えばアニオン、カチオン、非イオン、両性の各界面活性剤、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、カゼイン、澱粉、寒天、カラギーナン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸、セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール等の水溶性ポリマー、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載される退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載される蛍光増白剤、硫酸、燐酸、枸櫞酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等が挙げられる。
【0046】
インクジェット記録用紙のインク吸収層は2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらのインク吸収層の構成はお互いに同じでも異なってもよい。
【0047】
インクジェット記録用紙の支持体としては、吸水性又は非吸水性の支持体を用いることができるが、非吸水性支持体の方が、プリント後に皺の発生が無く、画像に平滑性の差が生ぜずに高品位のプリントが得られるので好ましい。
【0048】
吸水性支持体としては、紙支持体が一般的であるが、布あるいは多孔質のフィルム支持体も含まれる。
【0049】
非吸水性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料から成るフィルム等、金属やガラス、更にはポリエチレン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(所謂RCペーパー)、ポリエチレンテレフタレートに白色顔料を添加したホワイトペット等が挙げられる。その中でも、原紙支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体を用いるのが、記録画像が写真画質に近く、しかも低コストで高品質の画像が得られるので特に好ましい。
【0050】
以下、特に好ましい支持体である、紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体について説明する。
【0051】
係る支持体に用いられる紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPの何れも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSP及び/又はLDPの比率は10〜70質量%が好ましい。上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
【0052】
紙中には、例えば高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、PVA等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加することができる。
【0053】
抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、又、叩解後の繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分は20%以下であることが好ましい。
【0054】
紙の坪量は50〜250gが好ましく、特に70〜200gが好ましい。紙の厚さは50〜210μmが好ましい。
【0055】
紙は、抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS P 8118)が一般的である。更に原紙剛度はJIS P 8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
【0056】
紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるのと同様のサイズ剤を使用できる。
【0057】
紙のpHは、JIS P 8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、pH5〜9であることが好ましい。
【0058】
次に、この紙の両面を被覆するポリオレフィン樹脂について説明する。
この目的で用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げられるが、プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
【0059】
以下、特に好ましいポリエチレンについて説明する。
紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。特に、塗布層側のポリオレフィン層は、ルチル又はアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量は、ポリオレフィンに対して概ね1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%である。
【0060】
ポリオレフィン層中には、白地の調整を行うための耐熱性の高い着色顔料や蛍光増白剤を添加することができる。
【0061】
着色顔料としては、例えば群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブルー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブルー、アンスラキノンブルー等が挙げられる。
【0062】
蛍光増白剤としては、例えばジアルキルアミノクマリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルアミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙げられる。
【0063】
紙の表裏のポリエチレンの使用量は、インク吸収層の膜厚やバック層を設けた後で低湿及び高湿化でのカールを最適化するように選択されるが、一般にはポリエチレン層の厚さはインク吸収層側で15〜50μm、バック層側で10〜40μmの範囲である。表裏のポリエチレンの比率は、インク受容層の種類や厚さ、中紙の厚み等により変化するカールを調整する様に設定されるのが好ましく、通常、表/裏のポリエチレンの比率は、厚みで概ね3/1〜1/3である。
【0064】
更に、上記ポリエチレン被覆紙支持体は、以下(1)〜(7)の特性を有していることが好ましい。
【0065】
(1)引張り強さ:JIS P 8113で規定される強度で縦方向が19.6〜294N、横方向が9.8〜196N。
【0066】
(2)引裂き強度:JIS P 8116で規定される強度で縦方向が0.20〜2.94N、横方向が0.098〜2.45N。
【0067】
(3)圧縮弾性率:9.8kN/cm2。
(4)不透明度:JIS P 8138に規定された方法で測定した時に80%以上、特に85〜98%。
【0068】
(5)白さ:JIS Z 8727で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜96、a*=−3〜+5、b*=−7〜+2。
【0069】
(6)クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm3/100。
【0070】
(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜10%。
(8)インク受容層を設ける光沢度(75°鏡面光沢度)は10〜90%。
【0071】
塗布方式としては、例えばロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許2,681,294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
【0072】
塗工液温度は通常は25〜60℃であり、35〜50℃が好ましく、36〜48℃の液を使用するのが特に好ましい。冷却は塗布後の膜面温度が20℃以下、好ましくは15℃以下になるようにして一定時間(好ましくは5秒間以上)冷却ゾーンを通過させる。この冷却時点では、余り強い風を吹き付けないことが液ヨリの発生を抑えるという観点から好ましい。
【0073】
その後の乾燥は、20℃以上の風を吹き付けて行うのが均一な膜面を得る点から好ましい。特に20℃以上の風を吹き付けてから徐々に風の温度を上げるのが好ましい。乾燥時間は、湿潤膜厚にも依るが概ね10分以内、特に5分以内にするのが好ましい。
【0074】
本発明に使用されるインクは溶媒中に顔料を含有する。
本発明で言う顔料は、インク溶媒に不溶の色材のことを言い、本発明では、インク溶媒に不溶の色材である限りは、分散染料、着色樹脂、マイクロカプセルも顔料に含まれる。
【0075】
顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。又、カラーインデックス(C.I.)に記載されていない顔料であっても、水分散可能ならば何れの顔料も使用可能である。
【0076】
イエロー顔料の好ましいものとして、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180が挙げられる。
【0077】
マゼンタ顔料の好ましいものとして、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド202が挙げられる。
【0078】
シアン顔料の好ましいものとして、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60が挙げられる。
【0079】
ブラック顔料の好ましいものとしてはカーボンブラックが挙げられる。
グリーン顔料の好ましいものとして、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36が挙げられる。
【0080】
レッド顔料の好ましいものとして、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド224が挙げられる。
【0081】
尚、本発明では、イエロー顔料を含有するインクをYインク、マゼンタ顔料を含有するインクをMインク、シアン顔料を含有するインクをCインクと呼ぶ。
【0082】
本発明で用いるインクには、色調調整、印字濃度向上等を目的として、複数の顔料を併用したり、染料を添加することができる。この際、異なる色調の色材を混合してもよい。
【0083】
使用する顔料の平均粒径は50〜95nmであることが好ましく、この範囲であることにより、記録媒体に記録した画像に耐光性を持たせ、更に、彩度、透明感を向上させると共に、インクの保存安定性を向上し、インクジェットのヘッドノズルの目詰まりも防止することができる。顔料の平均粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来るが、本発明では、レーザードップラー法を用いて測定した質量平均粒径を用いる。
【0084】
インクは必要に応じて水溶性有機溶剤を含有してもよい。好ましく用いられる水溶性有機溶媒の例としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、スルホラン(テトラメチレンスルホン)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
【0085】
インクには、顔料用の分散剤を添加してもよい。顔料分散剤としては、例えば高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホ琥珀酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、又はスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれる2種以上の単量体から成るブロック共重合体、ランダム共重合体及びこれらの塩を挙げることができる。
【0086】
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーター、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を単独又は適宜組み合わせて用いることができる。
【0087】
インクは、必要に応じて界面活性剤を含有してもよい。好ましく使用される界面活性剤としては、ジアルキルスルホ琥珀酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性、ノニオン性界面活性剤が好ましく用いられる。更に好ましくはアセチレングリコール化合物である。
【0088】
インクには、粘度調整剤、印字部の耐水性向上を目的として樹脂(天然あるいは合成高分子)を添加することができる。水溶性高分子としては、天然水溶性高分子である玉蜀黍、小麦等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチセルロース等のセルロース誘導体;アルギン酸ナトリウム、グアーガム、タマリンドガム、ローカストビーンガム、アラビアゴムなどの多糖類;ゼラチン、カゼイン、ケラチン等の蛋白質物質、合成水溶性高分子としては、PVA、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸系ポリマー等を用いることができる。
【0089】
インクには、高分子が水分散された状態のもの(樹脂エマルジョン)を添加してもよく、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコン−アクリル共重合体及びアクリル変性弗素樹脂等がある。この樹脂エマルジョンが熱可塑性樹脂であることが好ましい。この熱可塑性樹脂エマルジョンのガラス転移温度(Tg)は40〜180℃が好ましい。この樹脂エマルジョンの粒径は500nm以下が好ましく、更に好ましくは150nm以下である。
【0090】
インクには、この他に防腐剤、防黴剤、消泡剤、保湿剤、pH調整剤、粘度調整剤等を必要に応じて含有してもよい。保湿剤を含有する場合は糖類が好ましく、糖類の例としては単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)及び多糖類が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシシール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等が挙げられる
本発明で用いるインクは、主に上記で説明した成分で構成されるが、インクの諸物性としては、各成分の配合量を調整することによって、粘度を2×10−3〜2×10−2Pa・s(25℃)、表面張力を25〜60mN/mにすることが好ましい。又、インクのゼータ電位の絶対値が40mV以上200mV未満であることが好ましい。これにより、インク中での顔料の凝集を抑えることができる。
【0091】
本発明における顔料の最大粒径は、レーザードップラー法を用いて測定して作成した質量累積粒径曲線における99%相当粒径の値を言う。
【0092】
本発明では、インクは少なくともY(イエロー)インク、M(マゼンタ)インク、C(シアン)インクを用いることが好ましい。これにより、カラープリントにおいても印字濃度が高いプリントを得ることができる。更に、K(黒)インクを用いることもできる。
【0093】
次に、本発明のインクジェット記録方法について説明する。
インクジェット記録方法で使用するインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又、インクの吐出方式としては、電気−機械変換方式(シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(サーマルインクジェット型、バブルジェット(R)型等)、静電吸引方式(電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(スパークジェット型等)等を具体的な例として挙げることができるが、何れの方式を用いても構わない。
【0094】
本発明の記録方法として、同色インクについて濃度の異なるインク(濃淡インク)を備えることは好ましく、低濃度から高濃度までの広い範囲表現が可能になり、かつ画像粒状性及び濃度階調表現が向上する。濃淡インクの濃度比の好ましい範囲としては、濃インクの色材濃度に対して淡インクの色材濃度は50〜10%である。濃淡インクは、全ての色で使用する必要はなく、色再現性と濃度階調に応じて行えばよい。
【0095】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。尚、実施例中の「%」は、特に断りのない限り「質量%」を表す。
【0096】
実施例1
〈シリカ分散液の作製〉
高速攪拌分散機を用いて、1%エタノール水溶液820ml中に表1に記載の湿式シリカ125gを徐々に加えながら攪拌分散し、シリカ分散液S−1以外はpH調整後に純水を加えて1000mlに仕上げた。次いで、この分散液をサンドミルにより適宜分散時間を変えて表1に示すシリカ分散液S−1〜S−11を得た。尚、pH調整はS−2、S−3については硝酸を用い、S−4〜S−11については5%硼酸水溶液を50ml加えた後、硝酸で調整した。得られた分散液をアドバンテックス東洋社製のTCP−10タイプのフィルターを用いて濾過を行った。
【0097】
表1に示す分散液中でのシリカ平均二次粒子径は、各分散液を50倍に希釈し、動的光散乱法式粒子径測定装置ゼータサイザー1000HS(マルバーン社製)を用いて測定した値である。
【0098】
【表1】
【0099】
〈記録用紙1〜15の作製〉
上記シリカ分散液S−1〜S−11を45℃にて攪拌しながら、10%PVA水溶液(クラレ社製:PVA235)を表2に示す固形分質量比(a/b)で加え、シリカ固形分で9%になるように純水を加えて記録用紙1〜15用の塗布液を調製した。尚、PVAに対するシリカの質量比(SiO2/PVA)をa/bとして表2に示す。
【0100】
次に、坪量180g/m2の原紙両面をポリエチレンで被覆した支持体(厚さ250μm、記録面側のポリエチレン層中に6%のアナターゼ型チタン含有)の記録面側に、上記塗布液をシリカの付量換算で16g/m2になる条件の湿潤膜厚でワイヤーバー塗布し、塗布直後に4℃に保たれた冷却ゾーンで20秒間冷却した後、20〜65℃に段階的に温度を変化させた風で順次乾燥し記録用紙1〜15を得た。
【0101】
【表2】
【0102】
実施例2
〈イエロー顔料インクの作製〉
C.I.ピグメントイエロー128 60g
高分子分散剤A(スチレン・アクリル酸・アクリル酸エチル・メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル共重合体:分子量12,000) 45g
エチレングリコール 100g
グリセリン 80g
イオン交換水 270g
上記混合物を、0.3mmのジルコニアビーズを体積率60%で充填した横型ビーズミル(アシザワ社製システムゼータミニ)を用いて分散し、分散体をイオン交換水で1,000gに仕上げ、オルフィンE1010(界面活性剤:日信化学社製)で表面張力を35mN/mに調整し、更に1μmのミリポアフィルターを2度通過させてYインク1を作製した。
【0103】
次に、C.I.ピグメントイエロー128の粒径を変化させた以外はYインク1と同様の方法でYインク2を作製した。又、高分子分散剤Aを高分子分散剤B(ビニルナフタレン・メタクリル酸共重合体:分子量8,500)とした以外はYインク1と同様の方法でYインク3を作製した。
【0104】
作製したYインク1〜3に含有される顔料の平均粒径、Yインク1〜3のゼータ電位の絶対値を表3に示す。尚、インクに含有される顔料の平均粒径の測定にはゼータサイザー1000(マルバーン社製)を用い、インクのゼータ電位の測定にはELS−800(大塚電子社製)を用いた。
【0105】
〈マゼンタ顔料インクの作製〉
C.I.ピグメントレッド122 60g
高分子分散剤A(前出) 63g
エチレングリコール 100g
グリセリン 100g
イオン交換水 130g
を混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(前出:システムゼータミニ)を用いて分散し、分散体をイオン交換水で1000gに仕上げ、オルフィンE1010(前出)で表面張力を33mN/mに調整し、更に、1μmのミリポアフィルターを2度通過させてMインク1を作製した。
【0106】
次に、C.I.ピグメントレッド122の粒径を変化させた以外はMインク1と同様の方法でMインク2を作製した。又、高分子分散剤Aを高分子分散剤Bとした以外はMインク1と同様の方法でMインク3を作製した。作製したMインク1〜3に含有される顔料の平均粒径、Mインク1〜3のゼータ電位の絶対値を表3に示す。
【0107】
〈シアン顔料インクの作製〉
C.I.ピグメントブルー15:3 50g
高分子分散剤A(前出) 35g
ジエチレングリコール 100g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 100g
イオン交換水 125g
を混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(前出:システムゼータミニ)を用いて分散した後、20,000rpmで30分間遠心分離処理を行い、得られた分散体をイオン交換水で1,000gに仕上げ、オルフィンE1010(前出)で表面張力を35mN/mに調整し、更に1μmのミリポアフィルターを2度通過させてCインク1を作製した。
【0108】
次に、C.I.ピグメントブルー15:3の粒径を変化させた以外はCインク1と同様の方法でCインク2を作製した。又、高分子分散剤Aを高分子分散剤Bとした以外はCインク1と同様の方法でCインク3を作製した。作製したCインク1〜3に含有される顔料の平均粒径、Cインク1〜3のゼータ電位の絶対値を表3に示す。
【0109】
〈ブラック顔料インクの作製〉
カーボンブラック MA−100(三菱化学製) 167g
高分子分散剤A(前出) 40g
エチレングリコール 200g
トリエチレングリコールモノメチルエーテル 120g
オルフィンE1010(前出) 4g
プロキセルGXL(防黴剤:ゼネカ社製) 2g
得られた分散体をイオン交換水で1000gに仕上げ、1μmのミリポアフィルターを2度通過させてKインク1を作製した。このKインク1に含有される顔料の平均粒径は67nm、最大粒径は143nmであり、インクのゼータ電位の絶対値は42mVであった。
【0110】
【表3】
【0111】
実施例3
〈画像記録〉
ノズル径20μm、駆動周波数12kHz、1色当たりのノズル数128、同色ノズル密度180dpi(dpiとは、1インチ=2.54cm当たりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッドを搭載した最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットを使用して、Kインク1、Yインク1〜3、Mインク1〜3、Cインク1〜3と記録用紙1〜15とを、表4に示す組合せで画像プリントを行い、画像試料1〜17を作製した。
【0112】
画像試料について以下の評価を行い結果を表4に示した。
《インク吸収性》
各記録用紙と各インクの組合せで、上記方法によりB、G、R及びKのベタ印字を行い、印字直後の印字部分を指で擦って画像の乱れを目視評価した。評価は以下の4段階で行った。
【0113】
◎:指で擦っても全く画像の乱れがない
○:指で擦ると僅かに画像が乱れるが、実用上問題ないレベル
△:やや画像が擦れて汚れるが、実用可能
×:画像が擦れて汚れてしまい、実用上許容範囲外
《ひび割れ》
各記録用紙10×10cm2当たりの5μm以上の大きさの「ひび割れ」個数をカウントし4段階評価した。
【0114】
◎:0個
○:1〜3個
△:4〜9個
×:10個以上
《プリント濃度》
各記録用紙と各インクの組合せで、上記方法によりKベタ印字を行い反射濃度を測定した。
【0115】
《光沢度》
日本電色工業社製変角光沢度計(VGS−1001DP)を用いて75°光沢を測定した。
【0116】
以上の結果を表4に示す。
【0117】
【表4】
【0118】
表4に示す結果の通り、本発明のインクジェット記録用紙は、「ひび割れ」耐性に優れ、かつ高いインク吸収性と光沢性及びプリント濃度を満足するものであることが判る。一方、比較例の記録用紙は、インク吸収性が良好であっても「ひび割れ」耐性に劣るなど、何れかの性能を欠くものであった。
【0119】
【発明の効果】
本発明により、高いインク吸収性とプリント濃度を有し、塗布・乾燥時に「ひび割れ」し難い、高画質及び画像耐久性に優れ、高光沢なインクジェット記録方法を提供することができた。
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録方法に関し、詳しくはインク吸収性に優れ、十分な濃度を有し、高光沢で高品質のプリントが得られるインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録は急速に画質が向上して来ており、写真画質に迫りつつある。この様な写真画質をインクジェット記録で達成する手段として、使用する記録用紙においても急速に技術改良が試みられており、高平滑性の支持体上に微小な空隙を有する層(以下、空隙層又は多孔質層とも言う)を設けた記録用紙はインク吸収性及び乾燥性に優れていることから、最も写真画質に近いものの一つになりつつある。特に、非吸収性支持体を使用した場合、吸水性支持体に見られるようなプリント後のコックリング(皺)がなく、高平滑な表面を維持できる為、より高品位な印字プリントを得ることができる。
【0003】
このような多孔質層は、主に親水性バインダーと微粒子で形成されており、微粒子としては無機又は有機の微粒子が知られているが、一般的には、より微細な無機微粒子が用いられる。そのような無機微粒子として、表面がアニオン性である微粒子シリカを使用した場合には優れた光沢性が得られることから好ましく、例えば気相法で合成された微粒子シリカやコロイダルシリカと少量の親水性バインダーの組合せで得られるインクジェット記録用紙が知られている。
【0004】
しかしながら、気相法シリカは、水に分散した場合に粘性が高く、高濃度化に不利であることや、停滞安定性が悪いなど取り扱い上の問題や高価であるため生産コスト面の欠点を持つ。
【0005】
比較的安価なシリカとしては、沈降法やゲル法により合成される湿式シリカがあるが、一般に数μmの凝集粒子であり、これを含有する塗膜は光沢が得られない。このために湿式シリカ粒子を粉砕微粒化することにより光沢を有する皮膜を形成する方法が知られている。例えば特開平10−272833号(実施例)には、沈降法により合成された湿式シリカを圧力式ホモジナイザーを用いて粉砕微粒化したシリカ微粒子を用いたインクジェット記録用紙が提案されている。又、特開2001−246830(請求項1及び実施例)には、沈降法により製造された湿式シリカは粉砕微粒化しても十分な光沢性が得られず、更にインク吸収性が低いという課題に対し、比表面積150m2/g以上のゲル法で製造した不定形シリカを粉砕微粒化した湿式シリカとバインダー樹脂を含有し、かつバインダー樹脂に対するシリカ粒子が質量比で3〜5の範囲であるインクジェット記録用紙が提案されている。しかしながら、インク吸収性を高める為に、バインダー樹脂に対するシリカ粒子の質量比を5より高めると、塗膜強度が低下し塗布・乾燥時に「ひび割れ」が起き易い問題があった。
【0006】
インクの種類については、従来、主として染料系インクを使用することが多かった。しかしながら、染料インクを用いた場合、染料分子はほぼ分子状態でインク吸収層中に定着されるが、染料分子によっては、水溶性が高いことから十分な定着性を付与することができず、経時で画像に滲みが発生する場合がある。又、染料インクは分子状態で存在するから酸素の影響を受け易く、一般的に光退色が酸素の寄与で著しく加速されることで耐光性が十分でない等の問題がある。
【0007】
一方、顔料インクを使用した場合は、色材は微粒子状態でインク吸収層に定着されるが、元来溶解性が低いために滲みが起き難く、又、酸素も顔料粒子表面からしか作用しないために、色素の退色速度は遅く耐光性が優れている。
【0008】
しかしながら、空隙型インク吸収層に顔料インクが出力された際、顔料粒子が空隙を塞いでしまい、次のインクが出射された際に、インク中の水分、溶媒を吸収し難くなり、インク吸収性が低下するという問題があった。インク吸収容量を上げることでインク吸収性は向上するが、インク吸収容量を上げるために塗膜の膜厚を上げると、従来のシリカでは「ひび割れ」が発生してしまう。
【0009】
又、特開昭55−51583号、同56−157号、同62−183382号等に開示されるように、平均粒径が数μmのシリカ等の無機顔料と水溶性バインダーとから成る塗工層を設けた記録媒体は、空隙径がインク中の顔料粒子に比べ遙かに大きいため、顔料粒子が空隙を塞いでインク吸収性を低下させることはなくなるが、顔料粒子が空隙層の深部にあることで画像濃度が低くなる欠点があった。この画像濃度を上げる為にカチオン樹脂を用いる技術が開示されているが(特許文献1、2参照)、平均粒径の大きい無機粒子を使用しているか、又は微細化せずに使用しているため、記録媒体には光沢がなく、品位が低いという欠点があった。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−79752号公報
【0011】
【特許文献2】
特開2001−10213号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の課題に鑑みて為されたものであり、本発明の目的は、インク吸収性に優れ十分な濃度を有し、高光沢でプリント品質及び画像耐久性に優れたインクジェット記録方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題に対し鋭意検討の結果、以下の構成により課題が達成されることを見い出した。
【0014】
1)一次粒子の平均粒径10nm以下の湿式シリカを二次粒子の平均粒径10〜300nmに粉砕したシリカ微粒子と親水性バインダーを含有し、該親水性バインダーに対する該湿式シリカの質量比が5.5〜12であり、かつ膜面pHが3.0〜6.0の範囲であるインクジェット記録用紙に、顔料を含有するインクを用いて記録を行うインクジェット記録方法。
【0015】
2)湿式シリカがゲル法により合成された湿式シリカである1)記載のインクジェット記録方法。
【0016】
3)インクジェット記録用紙がカチオン定着剤を含有する1)又は2)記載のインクジェット記録方法。
【0017】
4)インクに含有される顔料の平均粒径が50〜95nmである1)〜3)の何れか1項記載のインクジェット記録方法。
【0018】
5)インクのゼータ電位の絶対値が40mV以上200mV未満である1)〜4)の何れか1項記載のインクジェット記録方法。
【0019】
6)親水性バインダーがポリビニルアルコール又はその誘導体である1)〜5)の何れか1項記載のインクジェット記録方法。
【0020】
7)インクジェット記録用紙の支持体が非吸収性である1)〜6)の何れか1項記載のインクジェット記録方法。
【0021】
8)インクに、Yインク、Mインク及びCインクを用いる1)〜6)の何れか1項記載のインクジェット記録方法。
【0022】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明に用いられる湿式シリカとは、珪酸ナトリウムを原料として沈降法又はゲル法により合成されたものであり、例えば沈降法によるトクヤマ社製のファインシールが市販されており、ゲル法によるシリカとしては、日本シリカ工業社製のNIPGELが市販されている。沈降法シリカは概ね10〜60nm、ゲル法シリカは概ね3〜10nmの一次粒子が二次凝集体を形成したシリカ粒子として特徴付けられる。
【0023】
一次粒子径が小さいシリカは比表面積が大きくなる為に、充分な塗膜の強度を得る為に必要なバインダーが増加しインク吸収性が低下する。この課題に対し、本発明者らが鋭意検討した結果、膜面pHが3.0〜6.0の範囲になるように塗布液pHを調整することで、塗膜の強度に必要なバインダー樹脂量を軽減でき、塗布・乾燥時の「ひび割れ」を大幅に軽減できことを見い出した。この効果に対する詳細な解釈には至っていないが、塗膜の膜面pHをシリカの等電点に近づけることで水素結合性の向上による接着性が高まる結果、「ひび割れ」が起き難くなるものと推定している。
【0024】
上記検討結果に基づき、一次粒子の平均粒径が10nm以下、より好ましくは8nm以下の湿式シリカを二次粒子の平均粒径が10〜300nmに粉砕したシリカ微粒子と親水性バインダーを含有し、親水性バインダーに対する湿式シリカの質量比が5.5〜12かつ膜面pHが3.0〜6.0、好ましくは3.5〜5.5の範囲とする本発明の構成において、高い光沢、プリント濃度及びインク吸収性を全て満足するインク吸収層が得られる。湿式シリカの一次粒子径に関する下限に特に制約はないが、シリカ粒子の製造安定性の観点から3nm以上であることが好ましい。又、特に好ましくは、ゲル法により合成される湿式シリカである。
【0025】
尚、シリカの一次粒子及び二次粒子の平均粒径は、空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒径から求められる。ここで個々の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
【0026】
湿式シリカの粉砕には、高圧ホモジナイザー、高速攪拌分散機、サンドミル、超音波分散機などを用いることが出来るが、本発明においてはサンドミルが好ましい。サンドミルに用いるビーズは1.0mm以下のジルコニアビーズが好ましく、更に好ましくは0.5mm以下のジルコニアビーズである。
【0027】
湿式シリカの使用量は、プリント時のインク溢れや斑が起きない程度のインク吸収容量を持たせるため、記録用紙1m2当たり概ね3〜30g、好ましくは5〜20gである。
【0028】
次に親水性バインダーについて説明する。親水性バインダーとしては、従来公知の各種親水性バインダーを用いることが出来る。例えばゼラチン(酸処理ゼラチンが好ましい)、ポリビニルピロリドン(平均分子量が約20万以上のものが好ましい)、プルラン、ポリビニルアルコール(以下、PVAと記す)又はその誘導体、ポリエチレングリコール(平均分子量10万以上が好ましい)、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、水溶性ポリビニルブチラールを挙げることができる、これらの親水性バインダーは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。特に好ましい親水性バインダーはPVA又はカチオン変成PVAである。
【0029】
好ましく用いられるPVAは平均重合度が300〜4,000の範囲であり、特に平均分子量が1,000以上のものが得られる皮膜の脆弱性が良好であることから好ましい。又、PVAの鹸化度は70〜100%のものが好ましく、80〜100%のものが特に好ましい。
【0030】
又、カチオン変性PVAは、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を鹸化することにより得られる。カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロリド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロリド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロリド、トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロリド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0031】
カチオン変性PVAのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。カチオン変性PVAの重合度は、通常、500〜4,000、好ましくは1,000〜4,000である。又、カチオン変成PVAの鹸化度は、通常60〜100モル%、好ましくは70〜99モル%である。
【0032】
親水性バインダーの使用量は、インク吸収層が空隙層になるようにするために、シリカに対して比較的少量使用され、皮膜が安定に形成され支持体との接着性が充分保てる範囲で出来るだけ少なく使用するのが好ましい。
【0033】
本発明においては、親水性バインダーに対するシリカの質量比で5.5〜12の範囲にある必要があり、この範囲であれば、充分なインク吸収性と塗布・乾燥時の「ひび割れ」耐性を満足することが出来る。
【0034】
この効果は、前記詳細に示したように、塗付皮膜の膜面pHが3.0〜6.0、好ましくは3.5〜5.5の範囲になるように塗布液pHを調整することにより達成できる。塗布液pHの調整は、シリカの粉砕分散液のpHを調整するのが好ましく、pH調整剤は、硝酸、燐酸、枸櫞酸など特に制約はないが、親水性バインダーにPVAを用いる場合には硼酸を用いることが、PVAの架橋剤としての機能を付与できる点で好ましい。又、比較的低pH側で製造された湿式シリカで水分散液のpHが6.0以下になるものもあり、このようなシリカについては、特にpH調整の必要なく膜面pHを3.0〜6.0の範囲にできる。
【0035】
膜面pHの測定は、J.TAPPI 紙パルプ試験方法No.49に記載の方法に従って、蒸留水を用いて水滴を紙表面に滴下し、30秒後に測定した。
【0036】
インクジェット記録用紙は、皮膜の脆弱性を劣化させずに高光沢性で高い空隙率を得るために、前記親水性バインダーが硬膜剤により硬膜されていることが好ましい。
【0037】
硬膜剤は、一般的には前記親水性バインダーと反応し得る基を有する化合物、あるいは親水性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、親水性バインダ−の種類に応じて適宜選択して用いられる。
【0038】
具体例としては、例えばエポキシ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、硼酸及びその塩、アルミ明礬等が挙げられる。
【0039】
特に好ましい親水性バインダ−としてPVA及び又はカチオン変成PVAを使用する場合には、硼酸及びその塩、及びエポキシ系硬膜剤から選ばれる化合物を使用することが好ましい。最も好ましいのは硼酸及びその塩から選ばれる硬膜剤である。本発明で、硼酸又はその塩としては、硼素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことを示し、具体的にはオルト硼酸、二硼酸、メタ硼酸、四硼酸、五硼酸、及び八硼酸及びそれらの塩が含まれる。
【0040】
上記硬膜剤の使用量は、親水性バインダ−の種類、硬膜剤の種類、無機微粒子の種類や親水性バインダーに対する比率等により変化するが、概ね、親水性バインダ1g当たり5〜500mg、好ましくは10〜400mgである。
【0041】
上記硬膜剤は、空隙層を構成する塗布液を塗布する際に、空隙層形成の塗布液中及び又は空隙層に隣接するその他の層を形成する塗布液中に添加してもよく、あるいは予め硬膜剤を含有する塗布液を塗布してある支持体上に、前記空隙層を形成する塗布液を塗布したり、更には空隙層を形成する硬膜剤非含有の塗布液を塗布・乾燥後に硬膜剤溶液をオーバーコートするなどして、空隙層に硬膜剤を供給することができるが、好ましくは、製造上の効率から空隙層を形成する塗布液又はこれに隣接する層の塗布液中に硬膜剤を添加して、空隙層を形成するのと同時に硬膜剤を供給するのが好ましい。
【0042】
顔料インクは分散剤を用いて水に分散されるが、一般的にアニオン系で分散されるため、記録材料中にカチオン系の素材を入れることで顔料の定着性が向上する。
【0043】
カチオン性ポリマーの例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・SO2共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニルベンジル−トリメチルアンモニウムクロリド重合物、(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロリド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物などが挙げられる。又、化学工業時報,平成10年8月15,25日に記載されるカチオン性ポリマー、三洋化成工業社発行「高分子薬剤入門」に記載される高分子染料固着剤が例として挙げられる。
【0044】
カチオン定着剤の使用量は、シリカに対する質量比で15%以下、より好ましくは10%以下、更に好ましくは7%以下であることがインク吸収性の劣化を抑制するので好ましい。又、使用量の下限は、十分な顔料定着性を得るために0.1質量%以上であることが必要である。
【0045】
インクジェット記録用紙のインク吸収層及び必要に応じて設けられるその他の層には、上記以外の各種添加剤を使用することができる。例えばアニオン、カチオン、非イオン、両性の各界面活性剤、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、カゼイン、澱粉、寒天、カラギーナン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸、セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール等の水溶性ポリマー、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載される退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載される蛍光増白剤、硫酸、燐酸、枸櫞酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等が挙げられる。
【0046】
インクジェット記録用紙のインク吸収層は2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらのインク吸収層の構成はお互いに同じでも異なってもよい。
【0047】
インクジェット記録用紙の支持体としては、吸水性又は非吸水性の支持体を用いることができるが、非吸水性支持体の方が、プリント後に皺の発生が無く、画像に平滑性の差が生ぜずに高品位のプリントが得られるので好ましい。
【0048】
吸水性支持体としては、紙支持体が一般的であるが、布あるいは多孔質のフィルム支持体も含まれる。
【0049】
非吸水性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料から成るフィルム等、金属やガラス、更にはポリエチレン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(所謂RCペーパー)、ポリエチレンテレフタレートに白色顔料を添加したホワイトペット等が挙げられる。その中でも、原紙支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体を用いるのが、記録画像が写真画質に近く、しかも低コストで高品質の画像が得られるので特に好ましい。
【0050】
以下、特に好ましい支持体である、紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体について説明する。
【0051】
係る支持体に用いられる紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPの何れも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSP及び/又はLDPの比率は10〜70質量%が好ましい。上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
【0052】
紙中には、例えば高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、PVA等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加することができる。
【0053】
抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、又、叩解後の繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分は20%以下であることが好ましい。
【0054】
紙の坪量は50〜250gが好ましく、特に70〜200gが好ましい。紙の厚さは50〜210μmが好ましい。
【0055】
紙は、抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS P 8118)が一般的である。更に原紙剛度はJIS P 8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
【0056】
紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるのと同様のサイズ剤を使用できる。
【0057】
紙のpHは、JIS P 8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、pH5〜9であることが好ましい。
【0058】
次に、この紙の両面を被覆するポリオレフィン樹脂について説明する。
この目的で用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げられるが、プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
【0059】
以下、特に好ましいポリエチレンについて説明する。
紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。特に、塗布層側のポリオレフィン層は、ルチル又はアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量は、ポリオレフィンに対して概ね1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%である。
【0060】
ポリオレフィン層中には、白地の調整を行うための耐熱性の高い着色顔料や蛍光増白剤を添加することができる。
【0061】
着色顔料としては、例えば群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブルー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブルー、アンスラキノンブルー等が挙げられる。
【0062】
蛍光増白剤としては、例えばジアルキルアミノクマリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルアミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙げられる。
【0063】
紙の表裏のポリエチレンの使用量は、インク吸収層の膜厚やバック層を設けた後で低湿及び高湿化でのカールを最適化するように選択されるが、一般にはポリエチレン層の厚さはインク吸収層側で15〜50μm、バック層側で10〜40μmの範囲である。表裏のポリエチレンの比率は、インク受容層の種類や厚さ、中紙の厚み等により変化するカールを調整する様に設定されるのが好ましく、通常、表/裏のポリエチレンの比率は、厚みで概ね3/1〜1/3である。
【0064】
更に、上記ポリエチレン被覆紙支持体は、以下(1)〜(7)の特性を有していることが好ましい。
【0065】
(1)引張り強さ:JIS P 8113で規定される強度で縦方向が19.6〜294N、横方向が9.8〜196N。
【0066】
(2)引裂き強度:JIS P 8116で規定される強度で縦方向が0.20〜2.94N、横方向が0.098〜2.45N。
【0067】
(3)圧縮弾性率:9.8kN/cm2。
(4)不透明度:JIS P 8138に規定された方法で測定した時に80%以上、特に85〜98%。
【0068】
(5)白さ:JIS Z 8727で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜96、a*=−3〜+5、b*=−7〜+2。
【0069】
(6)クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm3/100。
【0070】
(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜10%。
(8)インク受容層を設ける光沢度(75°鏡面光沢度)は10〜90%。
【0071】
塗布方式としては、例えばロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許2,681,294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
【0072】
塗工液温度は通常は25〜60℃であり、35〜50℃が好ましく、36〜48℃の液を使用するのが特に好ましい。冷却は塗布後の膜面温度が20℃以下、好ましくは15℃以下になるようにして一定時間(好ましくは5秒間以上)冷却ゾーンを通過させる。この冷却時点では、余り強い風を吹き付けないことが液ヨリの発生を抑えるという観点から好ましい。
【0073】
その後の乾燥は、20℃以上の風を吹き付けて行うのが均一な膜面を得る点から好ましい。特に20℃以上の風を吹き付けてから徐々に風の温度を上げるのが好ましい。乾燥時間は、湿潤膜厚にも依るが概ね10分以内、特に5分以内にするのが好ましい。
【0074】
本発明に使用されるインクは溶媒中に顔料を含有する。
本発明で言う顔料は、インク溶媒に不溶の色材のことを言い、本発明では、インク溶媒に不溶の色材である限りは、分散染料、着色樹脂、マイクロカプセルも顔料に含まれる。
【0075】
顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。又、カラーインデックス(C.I.)に記載されていない顔料であっても、水分散可能ならば何れの顔料も使用可能である。
【0076】
イエロー顔料の好ましいものとして、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180が挙げられる。
【0077】
マゼンタ顔料の好ましいものとして、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド202が挙げられる。
【0078】
シアン顔料の好ましいものとして、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60が挙げられる。
【0079】
ブラック顔料の好ましいものとしてはカーボンブラックが挙げられる。
グリーン顔料の好ましいものとして、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36が挙げられる。
【0080】
レッド顔料の好ましいものとして、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド224が挙げられる。
【0081】
尚、本発明では、イエロー顔料を含有するインクをYインク、マゼンタ顔料を含有するインクをMインク、シアン顔料を含有するインクをCインクと呼ぶ。
【0082】
本発明で用いるインクには、色調調整、印字濃度向上等を目的として、複数の顔料を併用したり、染料を添加することができる。この際、異なる色調の色材を混合してもよい。
【0083】
使用する顔料の平均粒径は50〜95nmであることが好ましく、この範囲であることにより、記録媒体に記録した画像に耐光性を持たせ、更に、彩度、透明感を向上させると共に、インクの保存安定性を向上し、インクジェットのヘッドノズルの目詰まりも防止することができる。顔料の平均粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来るが、本発明では、レーザードップラー法を用いて測定した質量平均粒径を用いる。
【0084】
インクは必要に応じて水溶性有機溶剤を含有してもよい。好ましく用いられる水溶性有機溶媒の例としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、スルホラン(テトラメチレンスルホン)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
【0085】
インクには、顔料用の分散剤を添加してもよい。顔料分散剤としては、例えば高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホ琥珀酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、又はスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれる2種以上の単量体から成るブロック共重合体、ランダム共重合体及びこれらの塩を挙げることができる。
【0086】
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーター、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を単独又は適宜組み合わせて用いることができる。
【0087】
インクは、必要に応じて界面活性剤を含有してもよい。好ましく使用される界面活性剤としては、ジアルキルスルホ琥珀酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性、ノニオン性界面活性剤が好ましく用いられる。更に好ましくはアセチレングリコール化合物である。
【0088】
インクには、粘度調整剤、印字部の耐水性向上を目的として樹脂(天然あるいは合成高分子)を添加することができる。水溶性高分子としては、天然水溶性高分子である玉蜀黍、小麦等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチセルロース等のセルロース誘導体;アルギン酸ナトリウム、グアーガム、タマリンドガム、ローカストビーンガム、アラビアゴムなどの多糖類;ゼラチン、カゼイン、ケラチン等の蛋白質物質、合成水溶性高分子としては、PVA、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸系ポリマー等を用いることができる。
【0089】
インクには、高分子が水分散された状態のもの(樹脂エマルジョン)を添加してもよく、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコン−アクリル共重合体及びアクリル変性弗素樹脂等がある。この樹脂エマルジョンが熱可塑性樹脂であることが好ましい。この熱可塑性樹脂エマルジョンのガラス転移温度(Tg)は40〜180℃が好ましい。この樹脂エマルジョンの粒径は500nm以下が好ましく、更に好ましくは150nm以下である。
【0090】
インクには、この他に防腐剤、防黴剤、消泡剤、保湿剤、pH調整剤、粘度調整剤等を必要に応じて含有してもよい。保湿剤を含有する場合は糖類が好ましく、糖類の例としては単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)及び多糖類が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシシール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等が挙げられる
本発明で用いるインクは、主に上記で説明した成分で構成されるが、インクの諸物性としては、各成分の配合量を調整することによって、粘度を2×10−3〜2×10−2Pa・s(25℃)、表面張力を25〜60mN/mにすることが好ましい。又、インクのゼータ電位の絶対値が40mV以上200mV未満であることが好ましい。これにより、インク中での顔料の凝集を抑えることができる。
【0091】
本発明における顔料の最大粒径は、レーザードップラー法を用いて測定して作成した質量累積粒径曲線における99%相当粒径の値を言う。
【0092】
本発明では、インクは少なくともY(イエロー)インク、M(マゼンタ)インク、C(シアン)インクを用いることが好ましい。これにより、カラープリントにおいても印字濃度が高いプリントを得ることができる。更に、K(黒)インクを用いることもできる。
【0093】
次に、本発明のインクジェット記録方法について説明する。
インクジェット記録方法で使用するインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又、インクの吐出方式としては、電気−機械変換方式(シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(サーマルインクジェット型、バブルジェット(R)型等)、静電吸引方式(電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(スパークジェット型等)等を具体的な例として挙げることができるが、何れの方式を用いても構わない。
【0094】
本発明の記録方法として、同色インクについて濃度の異なるインク(濃淡インク)を備えることは好ましく、低濃度から高濃度までの広い範囲表現が可能になり、かつ画像粒状性及び濃度階調表現が向上する。濃淡インクの濃度比の好ましい範囲としては、濃インクの色材濃度に対して淡インクの色材濃度は50〜10%である。濃淡インクは、全ての色で使用する必要はなく、色再現性と濃度階調に応じて行えばよい。
【0095】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。尚、実施例中の「%」は、特に断りのない限り「質量%」を表す。
【0096】
実施例1
〈シリカ分散液の作製〉
高速攪拌分散機を用いて、1%エタノール水溶液820ml中に表1に記載の湿式シリカ125gを徐々に加えながら攪拌分散し、シリカ分散液S−1以外はpH調整後に純水を加えて1000mlに仕上げた。次いで、この分散液をサンドミルにより適宜分散時間を変えて表1に示すシリカ分散液S−1〜S−11を得た。尚、pH調整はS−2、S−3については硝酸を用い、S−4〜S−11については5%硼酸水溶液を50ml加えた後、硝酸で調整した。得られた分散液をアドバンテックス東洋社製のTCP−10タイプのフィルターを用いて濾過を行った。
【0097】
表1に示す分散液中でのシリカ平均二次粒子径は、各分散液を50倍に希釈し、動的光散乱法式粒子径測定装置ゼータサイザー1000HS(マルバーン社製)を用いて測定した値である。
【0098】
【表1】
【0099】
〈記録用紙1〜15の作製〉
上記シリカ分散液S−1〜S−11を45℃にて攪拌しながら、10%PVA水溶液(クラレ社製:PVA235)を表2に示す固形分質量比(a/b)で加え、シリカ固形分で9%になるように純水を加えて記録用紙1〜15用の塗布液を調製した。尚、PVAに対するシリカの質量比(SiO2/PVA)をa/bとして表2に示す。
【0100】
次に、坪量180g/m2の原紙両面をポリエチレンで被覆した支持体(厚さ250μm、記録面側のポリエチレン層中に6%のアナターゼ型チタン含有)の記録面側に、上記塗布液をシリカの付量換算で16g/m2になる条件の湿潤膜厚でワイヤーバー塗布し、塗布直後に4℃に保たれた冷却ゾーンで20秒間冷却した後、20〜65℃に段階的に温度を変化させた風で順次乾燥し記録用紙1〜15を得た。
【0101】
【表2】
【0102】
実施例2
〈イエロー顔料インクの作製〉
C.I.ピグメントイエロー128 60g
高分子分散剤A(スチレン・アクリル酸・アクリル酸エチル・メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル共重合体:分子量12,000) 45g
エチレングリコール 100g
グリセリン 80g
イオン交換水 270g
上記混合物を、0.3mmのジルコニアビーズを体積率60%で充填した横型ビーズミル(アシザワ社製システムゼータミニ)を用いて分散し、分散体をイオン交換水で1,000gに仕上げ、オルフィンE1010(界面活性剤:日信化学社製)で表面張力を35mN/mに調整し、更に1μmのミリポアフィルターを2度通過させてYインク1を作製した。
【0103】
次に、C.I.ピグメントイエロー128の粒径を変化させた以外はYインク1と同様の方法でYインク2を作製した。又、高分子分散剤Aを高分子分散剤B(ビニルナフタレン・メタクリル酸共重合体:分子量8,500)とした以外はYインク1と同様の方法でYインク3を作製した。
【0104】
作製したYインク1〜3に含有される顔料の平均粒径、Yインク1〜3のゼータ電位の絶対値を表3に示す。尚、インクに含有される顔料の平均粒径の測定にはゼータサイザー1000(マルバーン社製)を用い、インクのゼータ電位の測定にはELS−800(大塚電子社製)を用いた。
【0105】
〈マゼンタ顔料インクの作製〉
C.I.ピグメントレッド122 60g
高分子分散剤A(前出) 63g
エチレングリコール 100g
グリセリン 100g
イオン交換水 130g
を混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(前出:システムゼータミニ)を用いて分散し、分散体をイオン交換水で1000gに仕上げ、オルフィンE1010(前出)で表面張力を33mN/mに調整し、更に、1μmのミリポアフィルターを2度通過させてMインク1を作製した。
【0106】
次に、C.I.ピグメントレッド122の粒径を変化させた以外はMインク1と同様の方法でMインク2を作製した。又、高分子分散剤Aを高分子分散剤Bとした以外はMインク1と同様の方法でMインク3を作製した。作製したMインク1〜3に含有される顔料の平均粒径、Mインク1〜3のゼータ電位の絶対値を表3に示す。
【0107】
〈シアン顔料インクの作製〉
C.I.ピグメントブルー15:3 50g
高分子分散剤A(前出) 35g
ジエチレングリコール 100g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 100g
イオン交換水 125g
を混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(前出:システムゼータミニ)を用いて分散した後、20,000rpmで30分間遠心分離処理を行い、得られた分散体をイオン交換水で1,000gに仕上げ、オルフィンE1010(前出)で表面張力を35mN/mに調整し、更に1μmのミリポアフィルターを2度通過させてCインク1を作製した。
【0108】
次に、C.I.ピグメントブルー15:3の粒径を変化させた以外はCインク1と同様の方法でCインク2を作製した。又、高分子分散剤Aを高分子分散剤Bとした以外はCインク1と同様の方法でCインク3を作製した。作製したCインク1〜3に含有される顔料の平均粒径、Cインク1〜3のゼータ電位の絶対値を表3に示す。
【0109】
〈ブラック顔料インクの作製〉
カーボンブラック MA−100(三菱化学製) 167g
高分子分散剤A(前出) 40g
エチレングリコール 200g
トリエチレングリコールモノメチルエーテル 120g
オルフィンE1010(前出) 4g
プロキセルGXL(防黴剤:ゼネカ社製) 2g
得られた分散体をイオン交換水で1000gに仕上げ、1μmのミリポアフィルターを2度通過させてKインク1を作製した。このKインク1に含有される顔料の平均粒径は67nm、最大粒径は143nmであり、インクのゼータ電位の絶対値は42mVであった。
【0110】
【表3】
【0111】
実施例3
〈画像記録〉
ノズル径20μm、駆動周波数12kHz、1色当たりのノズル数128、同色ノズル密度180dpi(dpiとは、1インチ=2.54cm当たりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッドを搭載した最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットを使用して、Kインク1、Yインク1〜3、Mインク1〜3、Cインク1〜3と記録用紙1〜15とを、表4に示す組合せで画像プリントを行い、画像試料1〜17を作製した。
【0112】
画像試料について以下の評価を行い結果を表4に示した。
《インク吸収性》
各記録用紙と各インクの組合せで、上記方法によりB、G、R及びKのベタ印字を行い、印字直後の印字部分を指で擦って画像の乱れを目視評価した。評価は以下の4段階で行った。
【0113】
◎:指で擦っても全く画像の乱れがない
○:指で擦ると僅かに画像が乱れるが、実用上問題ないレベル
△:やや画像が擦れて汚れるが、実用可能
×:画像が擦れて汚れてしまい、実用上許容範囲外
《ひび割れ》
各記録用紙10×10cm2当たりの5μm以上の大きさの「ひび割れ」個数をカウントし4段階評価した。
【0114】
◎:0個
○:1〜3個
△:4〜9個
×:10個以上
《プリント濃度》
各記録用紙と各インクの組合せで、上記方法によりKベタ印字を行い反射濃度を測定した。
【0115】
《光沢度》
日本電色工業社製変角光沢度計(VGS−1001DP)を用いて75°光沢を測定した。
【0116】
以上の結果を表4に示す。
【0117】
【表4】
【0118】
表4に示す結果の通り、本発明のインクジェット記録用紙は、「ひび割れ」耐性に優れ、かつ高いインク吸収性と光沢性及びプリント濃度を満足するものであることが判る。一方、比較例の記録用紙は、インク吸収性が良好であっても「ひび割れ」耐性に劣るなど、何れかの性能を欠くものであった。
【0119】
【発明の効果】
本発明により、高いインク吸収性とプリント濃度を有し、塗布・乾燥時に「ひび割れ」し難い、高画質及び画像耐久性に優れ、高光沢なインクジェット記録方法を提供することができた。
Claims (8)
- 一次粒子の平均粒径10nm以下の湿式シリカを二次粒子の平均粒径10〜300nmに粉砕したシリカ微粒子と親水性バインダーを含有し、該親水性バインダーに対する該湿式シリカの質量比が5.5〜12であり、かつ膜面pHが3.0〜6.0の範囲であるインクジェット記録用紙に、顔料を含有するインクを用いて記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
- 湿式シリカがゲル法により合成された湿式シリカであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
- インクジェット記録用紙がカチオン定着剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録方法。
- インクに含有される顔料の平均粒径が50〜95nmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のインクジェット記録方法。
- インクのゼータ電位の絶対値が40mV以上200mV未満であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のインクジェット記録方法。
- 親水性バインダーがポリビニルアルコール又はその誘導体であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載のインクジェット記録方法。
- インクジェット記録用紙の支持体が非吸収性であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載のインクジェット記録方法。
- インクに、Yインク、Mインク及びCインクを用いることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載のインクジェット記録方法。
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JP2003171966A JP2005007641A (ja) | 2003-06-17 | 2003-06-17 | インクジェット記録方法 |
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JP2009067980A (ja) * | 2007-03-20 | 2009-04-02 | Mitsubishi Chemicals Corp | 水性顔料分散液、インク組成物及びインクジェット記録方法 |
JP2017114991A (ja) * | 2015-12-22 | 2017-06-29 | 株式会社リコー | インク、インク収容容器、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及び記録物 |
-
2003
- 2003-06-17 JP JP2003171966A patent/JP2005007641A/ja not_active Withdrawn
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