JP2005006705A - 装身具 - Google Patents
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Abstract
【課題】家族、および愛玩動物等の遺骨、毛等の身体の一部を収容可能な装身具を提供する。
【解決手段】装身具1は、涙型を呈し、表面にカットが施された無色透明のダイヤモンドで形成された装飾部2と、装飾部2の底面から穿設され、内部に遺骨4を収容可能な空間を有し、表面に開口部を備える円孔部3と、円孔部3を閉塞する密栓5と、首にかける鎖部と、装飾部2を鎖部に吊るす吊着部とから主に構成され、ネックレス状に形成されている。これにより、遺骨4が収容されている装飾部2を首から下げることが可能となり、お守り代わりに使用することができる。さらに、遺骨4が収容されているため、御墓や仏壇の代わりに、装身具1を利用して供養を行うこともできる。
【選択図】 図2
【解決手段】装身具1は、涙型を呈し、表面にカットが施された無色透明のダイヤモンドで形成された装飾部2と、装飾部2の底面から穿設され、内部に遺骨4を収容可能な空間を有し、表面に開口部を備える円孔部3と、円孔部3を閉塞する密栓5と、首にかける鎖部と、装飾部2を鎖部に吊るす吊着部とから主に構成され、ネックレス状に形成されている。これにより、遺骨4が収容されている装飾部2を首から下げることが可能となり、お守り代わりに使用することができる。さらに、遺骨4が収容されているため、御墓や仏壇の代わりに、装身具1を利用して供養を行うこともできる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装身具に関するものであり、特に内部に遺骨等の人体の一部を収容し、身に付けることが可能な装身具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ダイヤモンド、エメラルド、サファイヤ、およびルビー等の宝石は、ネックレス、ペンダント、ブローチ、指輪、ブレスレットおよびイヤリング等の装身具に使用され、身体装飾として愛用されている。そして、宝石は半永久的に輝きが失われないため、代々受け継がれることもある。
【0003】
また、例えば、遠く離れて暮らしていたり、亡くなった親等の大切な人の写真が入れられた、いわゆるロケットペンダントをお守りのように肌身離さず身につけることもある。
【0004】
一方、親等が亡くなった際は、遺骨を御墓に埋葬したり、仏壇に位牌を安置し、供養を行っている。また、悩み事があるとき、うれしい報告をしたいとき等に、墓前および仏前に話しかけることにより、故人を身近に感じることもある。さらに、愛玩動物(いわゆる、ペット)が死んだ場合も、葬式を行ったり、御墓をたてるなど、人間と同様に扱うことが多くなっている。しかしながら、御墓の世話を煩わしく感じる、部屋が狭い、および御墓および仏壇が高価である等の理由により、御墓や仏壇を所有しない家庭もある。また、たとえ、御墓や仏壇があったとしても、宗教意識の薄れ等により、お参りしない人もいる。
【0005】
以上の従来技術は、公然に実施されているものであり、出願人は、この従来技術が記載された文献を、本願出願時においては知見していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、家族、恋人等の自分にとって大切な人、または愛玩動物等を亡くした場合に、亡くなった人等を身近に感じていたい、あるいは故人を偲ぶものを形で残したいと望む声があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、家族および愛玩動物等の遺骨、毛等の身体の一部を収容して、常に身につけておくことが可能な装身具を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る装身具は、「宝石または貴金属を素材として形成される装飾部と、前記装飾部に穿設され、人間または愛玩動物の毛、爪、および骨を含む収容物を収容可能な空間を有し、前記装飾部の表面に開口した開口部を備える孔部と、前記空間に前記収容物を収容した状態で、前記孔部を閉塞する閉塞手段と」を、上述の課題を解決するための主要な構成とする。
【0009】
ここで、装身具とは、指輪、ペンダント、ネックレス、イヤリング、ピアス、ブローチ、およびブレスレット等のいわゆる「ジュエリー」や、キーホルダー、根付、念珠等を含む。そして、装飾部は、例えば、ペンダントヘッド、指輪に嵌めこまれた宝石等が相当する。
【0010】
また、宝石とは、非金属の鉱物等で色彩、光沢等が美しいものであり、ダイヤモンド、オニキス、トパーズ類、エメラルド、サファイヤ、ルビー、ガーネット類、クオーツ類、トルコ石、インカローズ、クリソプレーズ、アマゾナイト、ソーダライト、ペリドット、アイオライト、アクアマリン類、オパール、タンザナイト、ムーンストーン類、トルマリン類、ルベライト、ラピスラジュリ、翡翠類、アレキサンドライト類、キャッツアイ、カルセドニー類、アパタイト、マラカイト、クンツァイト、モルガナイト、ヘマタイト、琥珀、象牙、珊瑚、真珠類、貝等が例示される。さらに、天然の石だけでなく、人工石も含まれる。また、貴金属とは、白金、金、銀などが例示される。
【0011】
そして、人間とは、装身具を装着する人(以下、装着者と称する。)の家族、恋人、および友人等の身近な人々が対象となる。また、愛玩動物は、犬、猫、および兎等の哺乳類以外に、カメレオン等の爬虫類等を含み、装着者がペットとして大切にしている動物が相当する。そして、収容物とは、上述した人間の頭髪および動物の被毛等の毛、爪、歯、および骨等の、従来より形見とされていたものが例示される。さらに、生きている人等のものを収容してもよい。また、収容物は、上述した人一人のものであってもよいし、家族等、複数人のものを混合したものであってもよい。
【0012】
したがって、本発明の装身具によれば、装着者が大切に思う人やペット等の爪、毛、および遺骨等を、装飾部に穿設された孔部が有する空間の中に入れた状態で孔部を閉塞する。例えば、遠く離れて暮らす子供の髪の毛を入れてペンダントにして、身につけることにより、その人やその動物を身近に感じるため、お守りのように使用することも可能である。また、亡くなった母親の遺骨を入れ、身に付けることにより、亡くなった母親を身近に感じ、常に想うことも可能となる。さらに、遺骨等の形見が入っているため、仏壇や御墓の代わりとして、その装身具に対して供養を行ったり、相談したり、お祝い事の報告をすることが可能となる。そのため、高価な御墓や仏壇等を購入せず、大切な人や愛玩動物等の供養を行うことができる。
【0013】
さらに、装飾部を宝石で形成した場合、宝石は半永久的に形状等が維持されるため、その装身具を親から子、さらには孫へと代々引継ぐことが可能となる。そのため、狭小なスペースで先祖等の供養を行うことが可能となり、従来は煩雑と感じていた御墓、仏壇の手入れおよび管理をする手間、および時間を省力化し、さらにこれらに係る費用等を削減することができる。
【0014】
上記装身具を、「前記孔部の内孔面を被覆して形成された薄膜状の金属膜部をさらに具備する」ものとしてもよい。
【0015】
ここで、金属とは上述した白金、金および銀等の貴金属が例示される。そして、金属膜部は、溶融状態の金属を塗布する、箔状の金属を貼着する、蒸着する等の種々の周知の技術によって形成される。
【0016】
これにより、例えば、装飾部が透明の宝石で形成されている場合、孔部の内孔面に金属膜部が形成されているため、孔部の空間に収容されている収容物が外から見えなくなる。さらに、金属膜部は金や銀等を用いることにより金色や銀色等に輝くため、宝石にまた別の輝きを加える。そのため、従来の装身具と同様に、本発明の装身具を使用者が違和感を感じることなく使用することができる。
【0017】
さらに、上記装身具を、「前記閉塞手段は、前記孔部の前記空間に樹脂を充填し、硬化させることにより形成される」ものとしてもよい。
【0018】
ここで、樹脂はシリコーン樹脂、ユリアホルムアルデヒド樹脂(いわゆる、尿素樹脂)等の耐久性に優れ、無色透明の樹脂が好適である。
【0019】
これにより、樹脂が孔部の空間に充填され、硬化することにより、樹脂に収容物が内包されると共に、孔部が隙間なく閉塞される。その結果、装身具が水に浸されても、孔部の空間に水が侵入することがないため、入浴したり、プールに入るとき等も外す必要がなく、肌身離さず装着することができる。さらに、収容物は樹脂に内包されているため、装着者の動きに伴って収容物が振動し、孔部の内孔面と衝突し、破損する可能性が少なくなる。
【0020】
また、上記装身具を、「前記閉塞手段は、前記装飾部と同素材で形成され、前記孔部の少なくとも一部に嵌合可能な嵌合部を有する閉塞栓と、前記嵌合部が前記孔部に嵌合された状態を保持する保持手段とを有する」ものとしてもよい。
【0021】
ここで、閉塞栓は孔部に嵌合する円柱状の栓等が利用され、一方、保持手段は嵌合された嵌合部を接着する接着剤等が例示される。さらに、閉塞手段は、孔部に雌ネジを形成し、同素材で形成された雄ネジを螺合することにより閉塞されるものであってもよい。
【0022】
これにより、装飾部および閉塞栓が同素材で形成されるため、違和感のない外観に形成することが可能となる。そのため、デザインの幅を拡げることが可能となる。
【0023】
加えて、上記装身具を、「前記装飾部は、文字、数字、および記号を含む文字部が表面に刻印されている」ものとしてもよい。
【0024】
ここで、記号には宗教団体等を表示する標章、および図形、家紋等が含まれる。そして、文字部は孔部の空間に収容された収容物に関する人等の氏名、住所等を含み、さらに、故人の場合、法名等を含んでもよい。このとき、肉眼で視認することが不可能な1マイクロメートル程度の大きさで一文字が刻印されるものが、装身具の外観を損じることがなく、好適である。また、前述した収容物に関する情報以外に、キリスト教徒の場合、十字架を入れる等、宗教に関するマーク等を入れることも可能である。
【0025】
これにより、本発明の装身具に収容されている収容物に関する情報を得ることが可能となる。さらに、住所および氏名が刻印された本発明の装身具を代々受け継ぐことにより、その家の系譜を把握することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一実施形態である装身具1について、図1乃至図4に基づいて詳しく説明する。ここで、図1は第一実施形態である装身具1の構成を示す正面図であり、図2は装身具1の構成を示す断面図であり、図3は装身具1の構成を示す底面図であり、図4は装身具1の文字部9を示す拡大正面図である。
【0027】
図1乃至図4に示すように、装身具1は、涙型を呈し、表面にカットが施された無色透明のダイヤモンドで形成された装飾部2と、装飾部2の底面から穿設され、内部に遺骨4を収容可能な空間を有する円孔部3と、円孔部3を閉塞する密栓5と、装飾部2の上端を保持する吊着部7と、装飾部2を吊着部7を介して吊るし、首にかける鎖部10とから主に構成されている。ここで、装身具1は、亡くなった母親(以下、故人と称する。)の遺骨4を収容し、ネックレスにして利用するものを例示する。なお、円孔部3が本発明の孔部に、遺骨4が本発明の収容物に、密栓5が本発明の閉塞手段にそれぞれ相当する。また、図2乃至図4において説明を簡略化するために、吊着部7および鎖部10の構成の図示を省略している。
【0028】
まず、装飾部2について詳細に説明する。上述した通り、装飾部2は無色透明のダイヤモンドで形成され、表面に故人の氏名Nおよび住所Aからなる文字部9が刻印され(図4参照)、円柱状の空間を有し、表面に開口した開口部を備える円孔部3が穿設されている(図2参照)。そして、円孔部3の内孔面には金箔が貼着され、金属膜部6が形成されている。ここで、説明を簡略化するために、金属膜部6の膜厚を厚く、文字部9を実際よりも大きく表示している。
【0029】
次に、密栓5について詳細に説明する。まず、円孔部3に収容することが可能な大きさに削られた遺骨4を円孔部3の空間に収容し、開口部から、硬化型のシリコーン樹脂を注入し、円孔部3の空間にシリコーン樹脂を充填する。そして、シリコーン樹脂を硬化させることにより、遺骨4を内包すると共に円孔部3を閉塞する密栓5が形成される(図2および図3参照)。これにより、円孔部3が閉塞され、水等が装飾部2の内部に侵入する可能性が少なくなる。また、遺骨4はシリコーン樹脂に内包されるため、装着者の動きに伴って遺骨4が振動し、円孔部3と衝突し、粉砕されたり、破損すること等がなくなる。
【0030】
ここで、装身具1はネックレス状に形成されているため、遺骨4が収容された装飾部2を首から下げることができる。そのため、肌身離さず故人の遺骨4を身に付けることができ、お守り等として使用することができる。また、装飾部2の中に遺骨4が入っているため、高価な御墓や仏壇等を購入せず、仏壇や御墓の代わりとして装身具1に対して供養を行ったり、相談したり、お祝い事の報告をすることができる。したがって、御墓や仏壇の手入れおよび管理をする手間、時間、および費用等を削減することができる。
【0031】
さらに、円孔部3の内側に金箔が貼着され、金属膜部6が形成されているため、孔部3に収容されている遺骨4が無色透明のダイヤモンドで形成されている装飾部2の外から視認されることがない。そして、金箔により無色透明のダイヤモンドの一部に金色の輝きが加えられる。
【0032】
続いて、本発明の第二実施形態である装身具21について図5に基づいて説明する。図5は装身具21の構成を示す断面図である。
【0033】
装飾部22は、黒色のダイヤモンド(以下、黒ダイヤと称する。)を第一実施形態の装飾部2と同様の涙型に形成したものであり、第一実施形態の装飾部2と同様の円孔部23が穿設されている。なお、円孔部23は一端が曲面状に形成されているものである。そして、閉塞栓24は円孔部23の一部に嵌合する嵌合部24aを有し、断面凸の字形状を呈している。ここで、閉塞栓24は装飾部22と同じ黒ダイヤで形成されている。そして、装飾部22の円孔部23の空間に遺骨4を収容し、閉塞栓24の嵌合部24aの周囲に接着剤Gを塗布し、円孔部23の開口部から閉塞栓24を嵌合する。これにより円孔部3が閉塞される。ここで、接着剤Gが本発明の保持手段に相当する。なお、第二実施形態の装身具21は、第一実施形態の装身具1と同様のネックレス状をなすものである。
【0034】
これにより、閉塞栓24を嵌合して円孔部23が閉塞されるため、樹脂を注入し、乾燥して硬化させるという手間および時間を省略することが可能となる。また、閉塞栓24が装飾部22と同素材(黒ダイヤ)で形成されているため、違和感のない外観に仕上げられ、さらに、ペンダントヘッドに使用される宝石の割合が高くなり、ジュエリーとしての価値が高くなる。加えて、装飾部22が黒ダイヤで形成されているため、円孔部23に収容された遺骨4が外部から視認されることがなく、第一実施形態で示したような金属膜部6を形成する手間および費用を省略することができる。また、円孔部23は底面が曲面状に形成されているため、装身具1の円孔部3に比べて、容易に穿設することができる。
【0035】
さらに、本発明の第三実施形態である装身具31について図6に基づいて説明する。図6は装身具31の構成を示す断面図である。
【0036】
装飾部32は、第二実施形態の装飾部22と同様の黒ダイヤを涙型に形成したものである。そして、断面凸の字形状の空間を有し、装飾部32の表面に開口部を備える円孔部33が、装飾部32の底面から穿設されている(図6参照)。そして、閉塞栓34は、装飾部32と同素材の黒ダイヤが円孔部33に挿入可能な大きさの球状に形成されているものである。そして、円孔部33に遺骨4を収容した後、閉塞栓34に接着剤Gを塗布し、円孔部33に挿入する。これにより、円孔部33が閉塞される。ここで、接着剤Gが本発明の保持手段に相当する。なお、第三実施形態の装身具31は、第一実施形態および第二実施形態の装身具1,21と同様のネックレス状をなすものである。
【0037】
これにより、閉塞栓34を嵌合して円孔部33が閉塞されるため、樹脂を注入し、乾燥して硬化させるという手間および時間を省略することが可能となる。さらに、閉塞栓34が球状に形成されているため、第二実施形態の閉塞栓24と比較して形状が簡単であり、製造しやすい。さらに、「丸」、「円」等の縁起が良いとされる形状であるため、お守りとして装着するのに好適である。
【0038】
続いて、本発明の第四実施形態である装身具41について図7に基づいて説明する。図7は装身具41の構成を示す断面図である。
【0039】
装飾部42は、第一実施形態の装飾部2と同様の無色透明のダイヤモンドを涙型に形成したものであり、第一実施形態の装飾部2と同様の円孔部43が穿設されている。そして、円孔部43の内孔面にはプラチナが塗布され、金属膜部44が形成され、さらに、金属膜部44の下方(図7において、紙面下方)には、雌ネジ部44aが形成されている。そして、遺骨4を内包し、円孔部43に嵌合する円柱状にシリコーン樹脂を用いて形成された樹脂栓45を、円孔部43の開口部から挿入する。その後、金属膜部44と同様のプラチナで雄ネジに形成された閉塞栓46を雌ネジ部44aに螺合して円孔部43を閉塞する。
【0040】
これにより、雌ネジと雄ネジの螺合により、接着剤等を使用せず樹脂栓45が円孔部43に嵌合された状態を保持することができる。また、遺骨4がシリコーン樹脂に内包された樹脂栓45が円孔部43に嵌合された上に、ネジ状の閉塞栓46によって閉塞されているため、さらに密封性が向上し、収容物を状態良く保存することが可能となる。
【0041】
次に、本発明の第五実施形態である装身具51について図8に基づいて説明する。図8は装身具51の構成を示す断面図である。なお、装身具51において、第四実施形態の装身具41と同一の構成および機能を有するものについては同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0042】
装身具51は、涙型を呈し、表面にカットが施された無色透明のダイヤモンドで形成された装飾部52と、装飾部52の上端から穿設され、円柱状の空間を有し、表面に開口部を備える円孔部53と、装飾部52の底面の略中央に穿設され、微細な凹状を呈する微細孔部54と、遺骨4を内包し、円孔部53に嵌合される樹脂栓45(第四実施形態の装身具41と同様のもの)と、装飾部52の上端を保持する吊着部55と、装飾部52を吊着部55を介して吊るし、首にかける鎖部(図示しない)とから主に構成されている。ここで、装身具51は、第一実施形態乃至第四実施形態の装身具1,21,31,41と同様に、ネックレスにして利用するものを例示する。
【0043】
ここで、吊着部55について詳細に説明する。吊着部55は、円孔部53に挿入され、接着剤Gによって装飾部51に取着される取着部55aと、取着部55aに接続され、装飾部51の上端を保持する保持部55bと、保持部55bから延設され、鎖部10が挿通される挿通孔部55cと、保持部55bから微細孔部54に向かって、線状に装飾部52の表面に沿って形成された複数本の表面装飾部55dを有する。なお、表面装飾部55dは、先端が鍵状に形成され、微細孔部54に引掛けることによって固定されている。
【0044】
これにより、円孔部53に、第四実施形態の装身具41と同様の樹脂栓45を嵌合した後、吊着部55の取着部55aに接着剤Gを塗布して挿入し、円孔部53が閉塞される。このとき、円孔部53が装飾部52の上端から下に向かって穿設され、底部は開口していないため、遺骨4を内包する樹脂栓45が脱落することがない。さらに、表面装飾部55dの先端を微細孔部54に引掛けることにより、取着部55aが円孔部53から離脱するのを防止することができる。また、表面装飾部55dによって装飾部52の表面の一部をデザイン的に被覆することができるため、円孔部53に収容された遺骨4を外から視認されることが少なくなる。また、表面装飾部55dにさらに、宝石を取着したり、曲線状のデザインにする等、装飾部52の表面に種々のデザインを施すことが可能となる。
【0045】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良および設計の変更が可能である。
【0046】
すなわち、装身具1,21,31,41,51は、ネックレスに限定されず、ペンダント、指輪、イヤリング、ピアス、ブレスレットおよびブローチ等のジュエリーであってもよい。さらに、念珠、キーホルダ、および根付等であってもよい。また、密栓5、または閉塞栓24,34が抜け落ちるのを防止するために、装飾部2,22,32を下方から支持する支持具を設けてもよい。
【0047】
また、装飾部2,22,32,42,52は、ダイヤモンドを使用しているが、エメラルド、サファイヤ、ルビー、および翡翠等の宝石であってもよい。ここで、宝石は、天然石、および人工石を含む。さらに、白金、金、および銀等の貴金属であってもよい。また、形状およびカットの種類はこれに限定されず、真円型、だ円型、ボート型等であってもよく、さらに、表面にカットが施されていないものであってもよい。加えて、表面に氏名Nおよび住所Aが刻印されているものを示したが、法名や没年等種々の情報を刻印することが可能である。さらに、十字架等、宗教に係るマークや標章、家紋等を刻印することも可能である。これにより、装着者の好み、および予算等に応じた装身具を製造することが可能となり、装着者の購買意欲を増進させることが可能になる。
【0048】
そして、密栓5、樹脂栓45、および閉塞栓24,34,46の素材および形状は、これらに限定されるものではなく、円孔部3,23,33,43,53を閉塞する形状、および耐久性のある素材であればよい。
【0049】
さらに、円孔部3,23,33,43,53に収容する収容物は、頭髪、歯、および爪等であってもよい。また、収容物は、亡くなった人のものに限らず、生きている人のものであってもよいし、愛玩動物等の動物のものであってもよい。これにより、例えば、離れて暮らす家族等を身近に感じるお守りのように使用することも可能である。また、収容物は一人のものだけでなく、例えば、家族等の複数人の収容物を混合して入れることも可能である。これにより、両親共に亡くなった場合など、一つの装身具に両親の遺骨を混合して収容し、一つの装身具を使用して、二人同時に供養等を行うことができる。また、一人ずつ個別に保管する手間を省略することができる。
【0050】
また、装身具1,21,31,41,51に、DNA鑑定書を添えるようにしてもよい。これにより、収容物が誰のものなのかを確認することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の装身具は、宝石または貴金属で形成された装飾部に穿設された孔部に、亡くなった人の遺骨等の形見を収容することが可能である。そのため、大切な人の遺骨等を身につけることができる。そして、高価なお墓や仏壇を購入せず、本発明の装身具を用いて供養を行うことができる。
【0052】
また、装飾部が宝石で形成される場合、半永久的に形状が保持されるため、代々受継ぐことも可能となる。さらに、装飾部の表面に名前等を刻印することにより、後世に名を伝えることができ、系譜を辿ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の装身具の構成を示す正面図である。
【図2】第一実施形態の装身具の構成を示す断面図である。
【図3】第一実施形態の装身具の構成を示す底面図である。
【図4】第一実施形態の装身具の文字部を示す拡大正面図である。
【図5】第二実施形態の装身具の構成を示す断面図である。
【図6】第三実施形態の装身具の構成を示す断面図である。
【図7】第四実施形態の装身具の構成を示す断面図である。
【図8】第五実施形態の装身具の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1,21,31,41,51 装身具
2,22,32,42,52 装飾部
3,23,33,43,53 円孔部(孔部)
4 遺骨(収容物)
5 密栓(閉塞手段)
6,44 金属膜部
9 文字部
24,34,46 閉塞栓
24a 嵌合部
G 接着剤(保持手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、装身具に関するものであり、特に内部に遺骨等の人体の一部を収容し、身に付けることが可能な装身具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ダイヤモンド、エメラルド、サファイヤ、およびルビー等の宝石は、ネックレス、ペンダント、ブローチ、指輪、ブレスレットおよびイヤリング等の装身具に使用され、身体装飾として愛用されている。そして、宝石は半永久的に輝きが失われないため、代々受け継がれることもある。
【0003】
また、例えば、遠く離れて暮らしていたり、亡くなった親等の大切な人の写真が入れられた、いわゆるロケットペンダントをお守りのように肌身離さず身につけることもある。
【0004】
一方、親等が亡くなった際は、遺骨を御墓に埋葬したり、仏壇に位牌を安置し、供養を行っている。また、悩み事があるとき、うれしい報告をしたいとき等に、墓前および仏前に話しかけることにより、故人を身近に感じることもある。さらに、愛玩動物(いわゆる、ペット)が死んだ場合も、葬式を行ったり、御墓をたてるなど、人間と同様に扱うことが多くなっている。しかしながら、御墓の世話を煩わしく感じる、部屋が狭い、および御墓および仏壇が高価である等の理由により、御墓や仏壇を所有しない家庭もある。また、たとえ、御墓や仏壇があったとしても、宗教意識の薄れ等により、お参りしない人もいる。
【0005】
以上の従来技術は、公然に実施されているものであり、出願人は、この従来技術が記載された文献を、本願出願時においては知見していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、家族、恋人等の自分にとって大切な人、または愛玩動物等を亡くした場合に、亡くなった人等を身近に感じていたい、あるいは故人を偲ぶものを形で残したいと望む声があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、家族および愛玩動物等の遺骨、毛等の身体の一部を収容して、常に身につけておくことが可能な装身具を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る装身具は、「宝石または貴金属を素材として形成される装飾部と、前記装飾部に穿設され、人間または愛玩動物の毛、爪、および骨を含む収容物を収容可能な空間を有し、前記装飾部の表面に開口した開口部を備える孔部と、前記空間に前記収容物を収容した状態で、前記孔部を閉塞する閉塞手段と」を、上述の課題を解決するための主要な構成とする。
【0009】
ここで、装身具とは、指輪、ペンダント、ネックレス、イヤリング、ピアス、ブローチ、およびブレスレット等のいわゆる「ジュエリー」や、キーホルダー、根付、念珠等を含む。そして、装飾部は、例えば、ペンダントヘッド、指輪に嵌めこまれた宝石等が相当する。
【0010】
また、宝石とは、非金属の鉱物等で色彩、光沢等が美しいものであり、ダイヤモンド、オニキス、トパーズ類、エメラルド、サファイヤ、ルビー、ガーネット類、クオーツ類、トルコ石、インカローズ、クリソプレーズ、アマゾナイト、ソーダライト、ペリドット、アイオライト、アクアマリン類、オパール、タンザナイト、ムーンストーン類、トルマリン類、ルベライト、ラピスラジュリ、翡翠類、アレキサンドライト類、キャッツアイ、カルセドニー類、アパタイト、マラカイト、クンツァイト、モルガナイト、ヘマタイト、琥珀、象牙、珊瑚、真珠類、貝等が例示される。さらに、天然の石だけでなく、人工石も含まれる。また、貴金属とは、白金、金、銀などが例示される。
【0011】
そして、人間とは、装身具を装着する人(以下、装着者と称する。)の家族、恋人、および友人等の身近な人々が対象となる。また、愛玩動物は、犬、猫、および兎等の哺乳類以外に、カメレオン等の爬虫類等を含み、装着者がペットとして大切にしている動物が相当する。そして、収容物とは、上述した人間の頭髪および動物の被毛等の毛、爪、歯、および骨等の、従来より形見とされていたものが例示される。さらに、生きている人等のものを収容してもよい。また、収容物は、上述した人一人のものであってもよいし、家族等、複数人のものを混合したものであってもよい。
【0012】
したがって、本発明の装身具によれば、装着者が大切に思う人やペット等の爪、毛、および遺骨等を、装飾部に穿設された孔部が有する空間の中に入れた状態で孔部を閉塞する。例えば、遠く離れて暮らす子供の髪の毛を入れてペンダントにして、身につけることにより、その人やその動物を身近に感じるため、お守りのように使用することも可能である。また、亡くなった母親の遺骨を入れ、身に付けることにより、亡くなった母親を身近に感じ、常に想うことも可能となる。さらに、遺骨等の形見が入っているため、仏壇や御墓の代わりとして、その装身具に対して供養を行ったり、相談したり、お祝い事の報告をすることが可能となる。そのため、高価な御墓や仏壇等を購入せず、大切な人や愛玩動物等の供養を行うことができる。
【0013】
さらに、装飾部を宝石で形成した場合、宝石は半永久的に形状等が維持されるため、その装身具を親から子、さらには孫へと代々引継ぐことが可能となる。そのため、狭小なスペースで先祖等の供養を行うことが可能となり、従来は煩雑と感じていた御墓、仏壇の手入れおよび管理をする手間、および時間を省力化し、さらにこれらに係る費用等を削減することができる。
【0014】
上記装身具を、「前記孔部の内孔面を被覆して形成された薄膜状の金属膜部をさらに具備する」ものとしてもよい。
【0015】
ここで、金属とは上述した白金、金および銀等の貴金属が例示される。そして、金属膜部は、溶融状態の金属を塗布する、箔状の金属を貼着する、蒸着する等の種々の周知の技術によって形成される。
【0016】
これにより、例えば、装飾部が透明の宝石で形成されている場合、孔部の内孔面に金属膜部が形成されているため、孔部の空間に収容されている収容物が外から見えなくなる。さらに、金属膜部は金や銀等を用いることにより金色や銀色等に輝くため、宝石にまた別の輝きを加える。そのため、従来の装身具と同様に、本発明の装身具を使用者が違和感を感じることなく使用することができる。
【0017】
さらに、上記装身具を、「前記閉塞手段は、前記孔部の前記空間に樹脂を充填し、硬化させることにより形成される」ものとしてもよい。
【0018】
ここで、樹脂はシリコーン樹脂、ユリアホルムアルデヒド樹脂(いわゆる、尿素樹脂)等の耐久性に優れ、無色透明の樹脂が好適である。
【0019】
これにより、樹脂が孔部の空間に充填され、硬化することにより、樹脂に収容物が内包されると共に、孔部が隙間なく閉塞される。その結果、装身具が水に浸されても、孔部の空間に水が侵入することがないため、入浴したり、プールに入るとき等も外す必要がなく、肌身離さず装着することができる。さらに、収容物は樹脂に内包されているため、装着者の動きに伴って収容物が振動し、孔部の内孔面と衝突し、破損する可能性が少なくなる。
【0020】
また、上記装身具を、「前記閉塞手段は、前記装飾部と同素材で形成され、前記孔部の少なくとも一部に嵌合可能な嵌合部を有する閉塞栓と、前記嵌合部が前記孔部に嵌合された状態を保持する保持手段とを有する」ものとしてもよい。
【0021】
ここで、閉塞栓は孔部に嵌合する円柱状の栓等が利用され、一方、保持手段は嵌合された嵌合部を接着する接着剤等が例示される。さらに、閉塞手段は、孔部に雌ネジを形成し、同素材で形成された雄ネジを螺合することにより閉塞されるものであってもよい。
【0022】
これにより、装飾部および閉塞栓が同素材で形成されるため、違和感のない外観に形成することが可能となる。そのため、デザインの幅を拡げることが可能となる。
【0023】
加えて、上記装身具を、「前記装飾部は、文字、数字、および記号を含む文字部が表面に刻印されている」ものとしてもよい。
【0024】
ここで、記号には宗教団体等を表示する標章、および図形、家紋等が含まれる。そして、文字部は孔部の空間に収容された収容物に関する人等の氏名、住所等を含み、さらに、故人の場合、法名等を含んでもよい。このとき、肉眼で視認することが不可能な1マイクロメートル程度の大きさで一文字が刻印されるものが、装身具の外観を損じることがなく、好適である。また、前述した収容物に関する情報以外に、キリスト教徒の場合、十字架を入れる等、宗教に関するマーク等を入れることも可能である。
【0025】
これにより、本発明の装身具に収容されている収容物に関する情報を得ることが可能となる。さらに、住所および氏名が刻印された本発明の装身具を代々受け継ぐことにより、その家の系譜を把握することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一実施形態である装身具1について、図1乃至図4に基づいて詳しく説明する。ここで、図1は第一実施形態である装身具1の構成を示す正面図であり、図2は装身具1の構成を示す断面図であり、図3は装身具1の構成を示す底面図であり、図4は装身具1の文字部9を示す拡大正面図である。
【0027】
図1乃至図4に示すように、装身具1は、涙型を呈し、表面にカットが施された無色透明のダイヤモンドで形成された装飾部2と、装飾部2の底面から穿設され、内部に遺骨4を収容可能な空間を有する円孔部3と、円孔部3を閉塞する密栓5と、装飾部2の上端を保持する吊着部7と、装飾部2を吊着部7を介して吊るし、首にかける鎖部10とから主に構成されている。ここで、装身具1は、亡くなった母親(以下、故人と称する。)の遺骨4を収容し、ネックレスにして利用するものを例示する。なお、円孔部3が本発明の孔部に、遺骨4が本発明の収容物に、密栓5が本発明の閉塞手段にそれぞれ相当する。また、図2乃至図4において説明を簡略化するために、吊着部7および鎖部10の構成の図示を省略している。
【0028】
まず、装飾部2について詳細に説明する。上述した通り、装飾部2は無色透明のダイヤモンドで形成され、表面に故人の氏名Nおよび住所Aからなる文字部9が刻印され(図4参照)、円柱状の空間を有し、表面に開口した開口部を備える円孔部3が穿設されている(図2参照)。そして、円孔部3の内孔面には金箔が貼着され、金属膜部6が形成されている。ここで、説明を簡略化するために、金属膜部6の膜厚を厚く、文字部9を実際よりも大きく表示している。
【0029】
次に、密栓5について詳細に説明する。まず、円孔部3に収容することが可能な大きさに削られた遺骨4を円孔部3の空間に収容し、開口部から、硬化型のシリコーン樹脂を注入し、円孔部3の空間にシリコーン樹脂を充填する。そして、シリコーン樹脂を硬化させることにより、遺骨4を内包すると共に円孔部3を閉塞する密栓5が形成される(図2および図3参照)。これにより、円孔部3が閉塞され、水等が装飾部2の内部に侵入する可能性が少なくなる。また、遺骨4はシリコーン樹脂に内包されるため、装着者の動きに伴って遺骨4が振動し、円孔部3と衝突し、粉砕されたり、破損すること等がなくなる。
【0030】
ここで、装身具1はネックレス状に形成されているため、遺骨4が収容された装飾部2を首から下げることができる。そのため、肌身離さず故人の遺骨4を身に付けることができ、お守り等として使用することができる。また、装飾部2の中に遺骨4が入っているため、高価な御墓や仏壇等を購入せず、仏壇や御墓の代わりとして装身具1に対して供養を行ったり、相談したり、お祝い事の報告をすることができる。したがって、御墓や仏壇の手入れおよび管理をする手間、時間、および費用等を削減することができる。
【0031】
さらに、円孔部3の内側に金箔が貼着され、金属膜部6が形成されているため、孔部3に収容されている遺骨4が無色透明のダイヤモンドで形成されている装飾部2の外から視認されることがない。そして、金箔により無色透明のダイヤモンドの一部に金色の輝きが加えられる。
【0032】
続いて、本発明の第二実施形態である装身具21について図5に基づいて説明する。図5は装身具21の構成を示す断面図である。
【0033】
装飾部22は、黒色のダイヤモンド(以下、黒ダイヤと称する。)を第一実施形態の装飾部2と同様の涙型に形成したものであり、第一実施形態の装飾部2と同様の円孔部23が穿設されている。なお、円孔部23は一端が曲面状に形成されているものである。そして、閉塞栓24は円孔部23の一部に嵌合する嵌合部24aを有し、断面凸の字形状を呈している。ここで、閉塞栓24は装飾部22と同じ黒ダイヤで形成されている。そして、装飾部22の円孔部23の空間に遺骨4を収容し、閉塞栓24の嵌合部24aの周囲に接着剤Gを塗布し、円孔部23の開口部から閉塞栓24を嵌合する。これにより円孔部3が閉塞される。ここで、接着剤Gが本発明の保持手段に相当する。なお、第二実施形態の装身具21は、第一実施形態の装身具1と同様のネックレス状をなすものである。
【0034】
これにより、閉塞栓24を嵌合して円孔部23が閉塞されるため、樹脂を注入し、乾燥して硬化させるという手間および時間を省略することが可能となる。また、閉塞栓24が装飾部22と同素材(黒ダイヤ)で形成されているため、違和感のない外観に仕上げられ、さらに、ペンダントヘッドに使用される宝石の割合が高くなり、ジュエリーとしての価値が高くなる。加えて、装飾部22が黒ダイヤで形成されているため、円孔部23に収容された遺骨4が外部から視認されることがなく、第一実施形態で示したような金属膜部6を形成する手間および費用を省略することができる。また、円孔部23は底面が曲面状に形成されているため、装身具1の円孔部3に比べて、容易に穿設することができる。
【0035】
さらに、本発明の第三実施形態である装身具31について図6に基づいて説明する。図6は装身具31の構成を示す断面図である。
【0036】
装飾部32は、第二実施形態の装飾部22と同様の黒ダイヤを涙型に形成したものである。そして、断面凸の字形状の空間を有し、装飾部32の表面に開口部を備える円孔部33が、装飾部32の底面から穿設されている(図6参照)。そして、閉塞栓34は、装飾部32と同素材の黒ダイヤが円孔部33に挿入可能な大きさの球状に形成されているものである。そして、円孔部33に遺骨4を収容した後、閉塞栓34に接着剤Gを塗布し、円孔部33に挿入する。これにより、円孔部33が閉塞される。ここで、接着剤Gが本発明の保持手段に相当する。なお、第三実施形態の装身具31は、第一実施形態および第二実施形態の装身具1,21と同様のネックレス状をなすものである。
【0037】
これにより、閉塞栓34を嵌合して円孔部33が閉塞されるため、樹脂を注入し、乾燥して硬化させるという手間および時間を省略することが可能となる。さらに、閉塞栓34が球状に形成されているため、第二実施形態の閉塞栓24と比較して形状が簡単であり、製造しやすい。さらに、「丸」、「円」等の縁起が良いとされる形状であるため、お守りとして装着するのに好適である。
【0038】
続いて、本発明の第四実施形態である装身具41について図7に基づいて説明する。図7は装身具41の構成を示す断面図である。
【0039】
装飾部42は、第一実施形態の装飾部2と同様の無色透明のダイヤモンドを涙型に形成したものであり、第一実施形態の装飾部2と同様の円孔部43が穿設されている。そして、円孔部43の内孔面にはプラチナが塗布され、金属膜部44が形成され、さらに、金属膜部44の下方(図7において、紙面下方)には、雌ネジ部44aが形成されている。そして、遺骨4を内包し、円孔部43に嵌合する円柱状にシリコーン樹脂を用いて形成された樹脂栓45を、円孔部43の開口部から挿入する。その後、金属膜部44と同様のプラチナで雄ネジに形成された閉塞栓46を雌ネジ部44aに螺合して円孔部43を閉塞する。
【0040】
これにより、雌ネジと雄ネジの螺合により、接着剤等を使用せず樹脂栓45が円孔部43に嵌合された状態を保持することができる。また、遺骨4がシリコーン樹脂に内包された樹脂栓45が円孔部43に嵌合された上に、ネジ状の閉塞栓46によって閉塞されているため、さらに密封性が向上し、収容物を状態良く保存することが可能となる。
【0041】
次に、本発明の第五実施形態である装身具51について図8に基づいて説明する。図8は装身具51の構成を示す断面図である。なお、装身具51において、第四実施形態の装身具41と同一の構成および機能を有するものについては同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0042】
装身具51は、涙型を呈し、表面にカットが施された無色透明のダイヤモンドで形成された装飾部52と、装飾部52の上端から穿設され、円柱状の空間を有し、表面に開口部を備える円孔部53と、装飾部52の底面の略中央に穿設され、微細な凹状を呈する微細孔部54と、遺骨4を内包し、円孔部53に嵌合される樹脂栓45(第四実施形態の装身具41と同様のもの)と、装飾部52の上端を保持する吊着部55と、装飾部52を吊着部55を介して吊るし、首にかける鎖部(図示しない)とから主に構成されている。ここで、装身具51は、第一実施形態乃至第四実施形態の装身具1,21,31,41と同様に、ネックレスにして利用するものを例示する。
【0043】
ここで、吊着部55について詳細に説明する。吊着部55は、円孔部53に挿入され、接着剤Gによって装飾部51に取着される取着部55aと、取着部55aに接続され、装飾部51の上端を保持する保持部55bと、保持部55bから延設され、鎖部10が挿通される挿通孔部55cと、保持部55bから微細孔部54に向かって、線状に装飾部52の表面に沿って形成された複数本の表面装飾部55dを有する。なお、表面装飾部55dは、先端が鍵状に形成され、微細孔部54に引掛けることによって固定されている。
【0044】
これにより、円孔部53に、第四実施形態の装身具41と同様の樹脂栓45を嵌合した後、吊着部55の取着部55aに接着剤Gを塗布して挿入し、円孔部53が閉塞される。このとき、円孔部53が装飾部52の上端から下に向かって穿設され、底部は開口していないため、遺骨4を内包する樹脂栓45が脱落することがない。さらに、表面装飾部55dの先端を微細孔部54に引掛けることにより、取着部55aが円孔部53から離脱するのを防止することができる。また、表面装飾部55dによって装飾部52の表面の一部をデザイン的に被覆することができるため、円孔部53に収容された遺骨4を外から視認されることが少なくなる。また、表面装飾部55dにさらに、宝石を取着したり、曲線状のデザインにする等、装飾部52の表面に種々のデザインを施すことが可能となる。
【0045】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良および設計の変更が可能である。
【0046】
すなわち、装身具1,21,31,41,51は、ネックレスに限定されず、ペンダント、指輪、イヤリング、ピアス、ブレスレットおよびブローチ等のジュエリーであってもよい。さらに、念珠、キーホルダ、および根付等であってもよい。また、密栓5、または閉塞栓24,34が抜け落ちるのを防止するために、装飾部2,22,32を下方から支持する支持具を設けてもよい。
【0047】
また、装飾部2,22,32,42,52は、ダイヤモンドを使用しているが、エメラルド、サファイヤ、ルビー、および翡翠等の宝石であってもよい。ここで、宝石は、天然石、および人工石を含む。さらに、白金、金、および銀等の貴金属であってもよい。また、形状およびカットの種類はこれに限定されず、真円型、だ円型、ボート型等であってもよく、さらに、表面にカットが施されていないものであってもよい。加えて、表面に氏名Nおよび住所Aが刻印されているものを示したが、法名や没年等種々の情報を刻印することが可能である。さらに、十字架等、宗教に係るマークや標章、家紋等を刻印することも可能である。これにより、装着者の好み、および予算等に応じた装身具を製造することが可能となり、装着者の購買意欲を増進させることが可能になる。
【0048】
そして、密栓5、樹脂栓45、および閉塞栓24,34,46の素材および形状は、これらに限定されるものではなく、円孔部3,23,33,43,53を閉塞する形状、および耐久性のある素材であればよい。
【0049】
さらに、円孔部3,23,33,43,53に収容する収容物は、頭髪、歯、および爪等であってもよい。また、収容物は、亡くなった人のものに限らず、生きている人のものであってもよいし、愛玩動物等の動物のものであってもよい。これにより、例えば、離れて暮らす家族等を身近に感じるお守りのように使用することも可能である。また、収容物は一人のものだけでなく、例えば、家族等の複数人の収容物を混合して入れることも可能である。これにより、両親共に亡くなった場合など、一つの装身具に両親の遺骨を混合して収容し、一つの装身具を使用して、二人同時に供養等を行うことができる。また、一人ずつ個別に保管する手間を省略することができる。
【0050】
また、装身具1,21,31,41,51に、DNA鑑定書を添えるようにしてもよい。これにより、収容物が誰のものなのかを確認することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の装身具は、宝石または貴金属で形成された装飾部に穿設された孔部に、亡くなった人の遺骨等の形見を収容することが可能である。そのため、大切な人の遺骨等を身につけることができる。そして、高価なお墓や仏壇を購入せず、本発明の装身具を用いて供養を行うことができる。
【0052】
また、装飾部が宝石で形成される場合、半永久的に形状が保持されるため、代々受継ぐことも可能となる。さらに、装飾部の表面に名前等を刻印することにより、後世に名を伝えることができ、系譜を辿ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の装身具の構成を示す正面図である。
【図2】第一実施形態の装身具の構成を示す断面図である。
【図3】第一実施形態の装身具の構成を示す底面図である。
【図4】第一実施形態の装身具の文字部を示す拡大正面図である。
【図5】第二実施形態の装身具の構成を示す断面図である。
【図6】第三実施形態の装身具の構成を示す断面図である。
【図7】第四実施形態の装身具の構成を示す断面図である。
【図8】第五実施形態の装身具の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1,21,31,41,51 装身具
2,22,32,42,52 装飾部
3,23,33,43,53 円孔部(孔部)
4 遺骨(収容物)
5 密栓(閉塞手段)
6,44 金属膜部
9 文字部
24,34,46 閉塞栓
24a 嵌合部
G 接着剤(保持手段)
Claims (5)
- 宝石または貴金属を素材として形成される装飾部と、
前記装飾部に穿設され、人間または愛玩動物の毛、爪、および骨を含む収容物を収容可能な空間を有し、前記装飾部の表面に開口した開口部を備える孔部と、
前記空間に前記収容物を収容した状態で、前記孔部を閉塞する閉塞手段と
を具備することを特徴とする装身具。 - 前記孔部の内孔面を被覆して形成された薄膜状の金属膜部をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の装身具。
- 前記閉塞手段は、
前記孔部の前記空間に樹脂を充填し、硬化させることにより形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装身具。 - 前記閉塞手段は、
前記装飾部と同素材で形成され、前記孔部の少なくとも一部に嵌合可能な嵌合部を有する閉塞栓と、
前記嵌合部が前記孔部に嵌合された状態を保持する保持手段と
を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装身具。 - 前記装飾部は、
文字、数字、および記号を含む文字部が前記表面に刻印されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の装身具。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080108 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080513 |