JP2005005329A - Stage apparatus, aligner, and method for manufacturing device - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高さ方向の変位を計測する機構を備えたステージ装置に関し、例えば半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等の各種デバイスを製造するためのリソグラフィ工程で使用される露光装置において、マスク又は基板の移動を行うためのオートフォーカス機構付きのステージ系に使用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子等を製造するためのリソグラフィ工程は、感光材料の塗布工程、露光工程、現像工程、及びパターン形成工程等を含み、その露光工程において、マスクとしてのレチクルのパターンを基板としてのレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上の各ショット領域に転写するために、ステッパー等の投影露光装置が使用されている。投影露光装置においては、高解像度を得るために投影光学系の開口数が次第に大きくなり、それに応じて焦点深度は次第に狭くなっている。そこで、ウエハ面(ウエハの表面)を予めテストプリント等によって求められている投影光学系の像面に対して焦点深度の幅内で合わせ込んで露光を行うために、投影露光装置にはオートフォーカス機構が備えられている。従来のオートフォーカス機構は、ウエハ面の像面に対する変位、即ちウエハ面の投影光学系の光軸方向(以下、「Z方向」とも言う)の変位を計測するための斜入射方式のオートフォーカスセンサと、XYステージ上でウエハを保持するウエハテーブルのZ方向の位置を制御する高さ制御機構とから構成されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
最近は、投影光学系に対する負荷をあまり大きくすることなく、大面積の回路パターンをウエハ上に転写するために、スキャニング・ステッパー等の走査露光型の投影露光装置も使用されている。この走査露光型では、走査露光中に連続してサーボ方式でウエハ面を像面に合わせ込むことが望ましい。ところが、斜入射方式のオートフォーカスセンサは計測周期が10msec(周波数で100Hz)程度で応答速度が遅いため、走査露光型の投影露光装置に適用した場合には、高さ制御機構によるウエハの位置の変化に対してZ方向の変位の計測値が十分に追従できてはいなかった。
【0004】
そこで、ウエハテーブルのZ方向の変位を高い応答速度で計測するために、XYステージのガイド面に平行にレーザ光を照射し、そのウエハテーブルに設けた傾斜角が45°のミラーでそのレーザ光を真上に反射し、その上のミラー(固定ミラー)で反射されたレーザ光を参照光と干渉させてZ方向の変位を計測するようにしたレーザ干渉計方式の計測装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、同じくレーザ干渉計方式の計測装置として、そのウエハテーブルに設けるミラーの傾斜角を0°から45°の範囲として、そのテーブルから斜め方向にレーザ光を反射し、そのレーザ光を斜めに配置された固定ミラーで反射するようにした計測装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−253603号公報
【特許文献2】
特表2001−510577号公報
【特許文献3】
特開2000−49066号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、レーザ干渉計方式のZ方向の変位の計測装置は、斜入射方式のオートフォーカスセンサに比べて応答速度を速くすることができる。
しかしながら、従来の計測装置のうち、傾斜角が45°のミラーを用いる方式では、投影光学系の先端部とその真上に反射されたレーザ光を反射して戻す固定ミラーとの機械的な干渉を避けるために、傾斜角が45°のミラーを常時できるだけ投影光学系の光軸から離れた位置に配置する必要がある。そのため、ウエハテーブルを大型化する必要があり、ひいてはウエハステージが大型化するという不都合があった。
【0007】
また、傾斜角が0°から45°のミラーを用いる方式では、その固定ミラーは投影光学系から離れた位置に配置できるため、ウエハテーブルは小型化することができる。これに関して、ウエハステージには通常、そのウエハステージ(ウエハ)のガイド面上の直交する2方向の位置を計測するためのX軸及びY軸のレーザ干渉計も設けられており、ウエハを保持するウエハテーブルにはそのX軸及びY軸のレーザ干渉計用の移動鏡も固定されている。ところが、そのZ方向の変位計測用の傾斜したミラーを更に設ける場合、その傾斜したミラーはX軸又はY軸の移動鏡の上に積み重ねることになるか、X軸又はY軸の移動鏡の下に配置するかのいずれかとなる。傾斜したミラーを移動鏡の上に積み重ねた場合、その移動鏡は従来よりも下方に配置する必要がある。この結果、その移動鏡の高さはウエハ面から大きく外れるため、いわゆるアッベ誤差が大きくなり、X軸又はY軸の計測精度が低下する恐れがあった。一方、傾斜したミラーを移動鏡の下に配置した場合、反射したレーザ光がケラれるのを避けるため、傾斜したミラーを移動鏡の反射面より張り出して配置する必要がある。その結果、ウエハテーブルの外形がその傾斜したミラーが張り出した分だけ大型化し、傾斜角が0°から45°の傾斜ミラーを用いてウエハテーブルを小型化した利点が減殺されてしまう。
【0008】
本発明は斯かる点に鑑み、干渉計方式でステージの高さの変化を計測できると共に、他の干渉計用の移動鏡等の配置の自由度を高くできるステージ技術を提供することを第1の目的とする。
更に本発明は、投影光学系の光軸に沿った方向のステージの変位を干渉計方式で計測できると共に、他の干渉計用の移動鏡等の配置の自由度を高くでき、そのステージを高精度に移動又は位置決めできる露光技術を提供することを第2の目的とする。
更に本発明は、その露光技術を用いて、高精度にデバイスを製造できるデバイス製造技術を提供することをも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によるステージ装置は、物体(W)を移動するためのステージ装置において、その物体を保持してガイド面(14a)上を少なくとも一方向に移動するステージ(11,12)と、そのステージに計測ビーム(LA)を照射する第1干渉計(22A)と、そのステージに設けられ、屈折と反射とを用いてその計測ビームの方向を入射方向に交差する方向に変える屈折光学部材(20A)と、その屈折光学部材によって方向が変えられた計測ビームをその屈折光学部材に向けて反射する反射部材(24A)とを有するものである。
【0010】
斯かる本発明によれば、例えばその反射部材によって反射されて、その屈折光学部材を経てその第1干渉計に戻される計測ビーム(計測用の光ビーム)と所定の参照ビーム(参照用の光ビーム)との干渉光を検出することによって、そのステージのその計測ビームの入射方向に直交する方向(高さ方向)の変位を干渉計方式で計測できる。この場合、その屈折光学部材からその入射方向に対して例えば斜め上方にその計測ビームを射出できるため、その屈折光学部材上に他の干渉計用の移動鏡等の光学部材が配置されていても、その計測ビームはその光学部材によってけられる恐れがなく、その光学部材の配置の自由度を高くできる。
【0011】
この場合、一例として、その第1干渉計はそのステージにその計測ビームとは異なる参照ビームを照射し、そのステージは、照射されたその参照ビームをその第1干渉計に向けて反射する参照部材(21X)を備え、その第1干渉計の検出結果に基づいて、そのステージのその計測ビームの入射方向に交差する方向の変位を求める演算装置(37)が更に備えられる。この構成によれば、その第1干渉計によって、そのステージの計測ビームの入射方向に直交する方向の変位(高さの変化)のみを計測できる。
【0012】
また、別の例として、そのステージのその第1干渉計からの計測ビームの光路に沿った方向の位置を検出する第2干渉計(23X)と、その第1干渉計の検出結果と、その第2干渉計の検出結果とに基づいて、そのステージのその計測ビームの入射方向に交差する方向の変位を求める演算装置(37)とを備えてもよい。例えば参照部材(27)がその第1干渉計内に配置される場合には、そのステージ(屈折光学部材)がその第1干渉計からの計測ビームの光路に沿った方向に変位しても、その第1干渉計で計測される変位が変化する。そこで、その第1干渉計の計測値をその第2干渉計の計測値で補正することによって、そのステージの高さ方向の変位のみを高精度に計測できる。この場合、例えばその第2干渉計用の移動鏡(21X)をその第1干渉計用の屈折光学部材(20A)上に容易に積み重ねることができると共に、この状態でその第1干渉計の計測ビームがけられることもなく、そのステージが大型化することもない。
【0013】
また、その屈折光学部材は、その計測ビームを屈折させる屈折部(20A)と、この屈折部によって屈折したその計測ビームを反射する反射面(20Ab)とを備え、その反射面はそのガイド面に対して実質的に垂直であることが望ましい。これによって、そのガイド面に垂直な方向の変位を高感度に検出できる。
また、その屈折光学部材は、その屈折部の対向する第1面(20Aa)及び第2面(20Ab)が非平行であると共に、その第1面がその計測ビームの入射面であり、その第2面がその計測ビームのその反射面となるプリズム(20A)であることが望ましい。プリズムは屈折光学部材として最も構成が簡単であると共に、上辺の幅が底辺の幅よりも広くなるため、そのプリズム上に他の干渉計用の移動鏡等を安定に設置することができ、そのプリズムがその移動鏡の反射面から外側に張り出すこともない。
【0014】
また、本発明による露光装置は、第1物体(R)のパターンを投影光学系(PL)を介して第2物体(W)上に投影する露光装置において、その第1物体又はその第2物体を保持してガイド面(14a)上を少なくとも一方向に移動するステージ(11,12)と、そのステージに計測ビームを照射する第1干渉計(22A)と、そのステージに設けられ、屈折と反射とを用いてその計測ビームの方向を入射方向と交差する方向に変える屈折光学部材(20A)と、その屈折光学部材によって方向が変えられた計測ビームをその屈折光学部材に向けて反射する反射部材(24A)とを有するものである。
【0015】
斯かる本発明によれば、例えばその第1干渉計に戻される計測ビームと所定の参照ビームとの干渉光を検出することによって、そのステージのその投影光学系の光軸に沿った方向の変位を干渉計方式で計測できる。この場合、その屈折光学部材からその入射方向に対して例えば斜め上方にその計測ビームを射出できるため、そのステージを大型化することなく、その反射部材をその投影光学系から離れた位置に容易に配置することができる。また、その屈折光学部材上に他の干渉計用の移動鏡等の光学部材を配置できるため、その光学部材の配置の自由度を高くできる。
【0016】
この場合、一例として、その第1干渉計はそのステージにその計測ビームとは異なる参照ビームを照射し、そのステージは、照射されたその参照ビームをその第1干渉計に向けて反射する参照部材(21X)を備え、その第1干渉計の検出結果に基づいて、そのステージの投影光学系の光軸に沿った方向の変位を求める演算装置(37)が更に備えられる。この構成によれば、その第1干渉計によって、そのステージの投影光学系の光軸に沿った方向の変位のみを計測できる。
【0017】
また、別の例として、そのステージのその第1干渉計からの計測ビームの光路に沿った方向の位置を検出する第2干渉計(23X)と、その第1干渉計の検出結果と、その第2干渉計の検出結果とに基づいて、そのステージのその投影光学系の光軸に沿った方向の変位を求める演算装置(37)とが備えられる。例えば参照部材がその第1干渉計内に配置されるときには、そのステージ(屈折光学部材)がその第1干渉計からの計測ビームの光路に沿った方向(投影光学系の光軸に交差する方向)に変位しても、その第1干渉計で計測される変位が変化する。そこで、その第1干渉計の計測値をその第2干渉計の計測値で補正することによって、そのステージのその投影光学系の光軸に沿った方向の変位のみを高精度に計測できる。この場合、その第2干渉計は、例えばそのステージのガイド面に沿った方向の位置を計測するための干渉計で兼用できると共に、その第2干渉計用の移動鏡(21X)をその屈折光学部材上に容易に配置できる。この状態でも、そのステージが大型化することはなく、その第2干渉計の計測精度も高く維持できる。
【0018】
また、そのステージに関してその第1干渉計(22A)、その屈折光学部材(20A)及びその反射部材(24A)にそれぞれ実質的に対称に配置された第3干渉計(22B)、第2屈折光学部材(20B)及び第2反射部材(24B)を更に有し、その演算装置は、その第1干渉計及びその第3干渉計の検出結果に基づいてそのステージのその投影光学系の光軸に沿った方向の変位を求めることが望ましい。この場合、その第1及び第3干渉計の計測値から求めた光軸に沿った方向の変位の加重平均を求めることによって、そのステージの露光中心での光軸に沿った方向の変位を求めることができる。
【0019】
また、その露光装置が走査露光型である場合、その第1干渉計及びその第3干渉計は、走査露光時のその第1物体又はその第2物体の走査方向に直交する方向(X方向)に沿ってそのステージを挟むように配置されることが望ましい。この構成によれば、走査露光中に露光中心とその第1及び第2干渉計との間隔が変化しないため、その露光中心の光軸に沿った方向の変位を高速かつ高精度に計測することができ、例えばオートフォーカス方式で第2物体の表面を投影光学系の像面に安定して合わせ込むことができる。
【0020】
また、そのステージは、そのガイド面上を移動する可動ステージ(12)と、その第1物体又はその第2物体を保持すると共にその屈折光学部材が設けられたテーブル(11)と、その可動ステージに対してそのテーブルをその投影光学系の光軸に沿った方向に駆動する光軸方向駆動装置(13A,13B,13C)とを備え、その演算装置で求められたそのテーブルのその投影光学系の光軸に沿った方向の変位に基づいて、その光軸方向駆動装置を介してそのテーブルを駆動することが望ましい。
【0021】
この構成によれば、そのステージがガイド面を移動する可動ステージと、投影光学系の光軸に沿った方向に変位するテーブルとに分離されているため、例えばオートフォーカス方式で容易にそのテーブルを駆動することができる。
また、その第1干渉計を含んでそのステージ(又はテーブル)の6自由度の変位を検出する6軸の干渉計(22A,22B(又は23C),23X,23A,23Y,23B)を有することが望ましい。これによって、そのステージ(又はテーブル)の全自由度の変位を干渉計方式で高精度に計測できる。
【0022】
また、本発明のデバイス製造方法は、本発明の露光装置を用いてデバイスのパターン(R)を基板(W)上に転写する工程を含むものである。本発明の適用によって、デバイスを高精度に製造することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の一例につき図1〜図7を参照して説明する。本例は、ステップ・アンド・スキャン方式よりなる走査露光型の投影露光装置のオートフォーカス機構を備えたウエハステージ系に本発明を適用したものである。
図1は、本例の走査露光型の投影露光装置の概略構成を示し、この図1において、不図示の露光光源として例えばKrF(波長247nm)又はArF(波長193nm)などのエキシマレーザ光源が使用されている。なお、露光光源としては、F2 レーザ光源(波長157nm)、Kr2 レーザ光源(波長146nm)、YAGレーザの高調波発生光源、固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波発生装置、又は水銀ランプ(i線等)なども使用することができる。
【0024】
露光時に不図示の露光光源から発光された露光ビームとしての露光光ILは、コンデンサレンズ1を含む照明光学系を介してマスクとしてのレチクルRのパターン領域(下面)上の照明領域2Rを均一な照度分布で照明する。その照明光学系には、ビーム整形光学系、オプティカル・インテグレータ(ユニフォマイザ又はホモジナイザ)、開口絞り、固定視野絞り、及び可動視野絞り等も含まれている。照明領域2Rは、レチクルRの走査方向に直交する非走査方向に細長いスリット状の領域である。また、その照明光学系は更に気密室としてのサブチャンバ(不図示)に覆われている。露光光ILに対する透過率を高く維持するために、そのサブチャンバ内には、不純物を高度に除去したドライエアー(露光光がArFエキシマレーザの場合には窒素ガス、ヘリウムガス等も使用される)よりなるパージガスが供給されている。
【0025】
露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域2R内のパターンは、両側テレセントリックの投影光学系PLを介して投影倍率β(βは1/4,1/5等)で、フォトレジストが塗布されたウエハW上の一つのショット領域SA上の露光領域2Wに投影される。露光領域2Wは、照明領域2Rと共役なウエハWの走査方向に直交する非走査方向に細長い形状である。レチクルR及びウエハWはそれぞれ本発明の第1物体及び第2物体に対応している。ウエハWは、例えば半導体(シリコン等)又はSOI(silicon on insulator)等の直径が200〜300mm程度の円板状の基板である。露光光ILに対する透過率を高く維持するために、投影光学系PLの鏡筒内にも上記のパージガスが供給されている。また、必要に応じて、レチクルRを含む空間、及び投影光学系PLとウエハWとの間の局所的な空間にもそのパージガスが供給されている。また、本例の投影露光装置の機構部(露光光源を除く部分)は、箱状の環境チャンバ(不図示)内に収納され、その環境チャンバ内には不純物を除去して温度及び湿度が制御された空気が供給されている。以下、図1において、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面(XY平面)内で走査露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向に沿ってY軸を取り、非走査方向に沿ってX軸を取って説明する。本例ではXY平面はほぼ水平面となっている。
【0026】
先ず、レチクルRはレチクルステージ3上に吸着保持され、レチクルステージ3はレチクルベース4上でY方向に一定速度で移動すると共に、同期誤差を補正するようにX方向、Y方向、Z軸の回りの回転方向に微動して、レチクルRの走査を行う。レチクルステージ3のX方向、Y方向の位置、及び回転角は、この上に設けられた移動鏡(不図示)及びレチクルステージ駆動系5の一部であるレーザ干渉計によって計測されている。この計測値及び装置全体の動作を統轄制御する主制御系6(図3参照)からの制御情報に基づいて、レチクルステージ駆動系5はレチクルステージ3の位置及び速度を制御する。レチクルRの周辺部の上方には、レチクルアライメント用のレチクルアライメント顕微鏡(不図示)が配置されている。
【0027】
一方、ウエハWは、ウエハホルダ(不図示)を介してウエハテーブル11上に吸着保持され、ウエハテーブル11はそれぞれZ方向に変位可能な3個のZ軸アクチュエータ13A,13B,13C(図3参照)を介してウエハステージ12上に保持されている。Z軸アクチュエータ13A〜13C(光軸方向駆動装置)は、それぞれ例えばウエハテーブル11に連結された支点を支持する板ばねと、その支点をZ方向に駆動するボイスコイルモータ(VCM)とを含んで構成されている。そして、Z軸アクチュエータ13A〜13Cは、図3に示すように、ほぼ正三角形の頂点の位置に配置されており、Z軸アクチュエータ13A〜13Cを独立に駆動することで、ウエハステージ12に対するウエハテーブル11(ウエハW)のZ方向の位置、X軸の回りの回転角ωX(ピッチング)、及びY軸の回りの回転角ωY(ローリング)よりなる3自由度の相対変位を制御できるように構成されている。本例において、ウエハテーブル11及びウエハステージ12(又は更にZ軸アクチュエータ13A〜13Cを含む部分)が本発明のステージに対応し、ウエハテーブル11及びウエハステージ12がそれぞれ本発明のテーブル及び可動ステージ(又はXYステージ)に対応する。
【0028】
ウエハステージ12は、定盤よりなるウエハベース14上の平面度の高いガイド面14a(本例ではほぼ水平面である)上に、例えば真空予圧型気体静圧軸受け装置を介して非接触状態で浮上支持されている。そして、ウエハステージ12は、ウエハベース14上にY方向に一定速度で移動できると共に、X方向、Y方向にステップ移動できるように支持されている。具体的に、ウエハベース14のガイド面上にY軸に平行にY軸ガイド部材15が配置され、ウエハステージ12の底面の凹部がY軸ガイド部材15に沿ってY方向に移動できるように載置されている。そして、Y軸ガイド部材15の両端部は、それぞれウエハベース14をY方向に挟むようにX軸に平行に配置された1対のX軸ガイド部材17A及び17Bに沿って、X方向に移動自在に支持されている。X軸ガイド部材17A及び17Bの両端部は、それぞれウエハベース14に対して支持部材18A,19A及び支持部材18B等を介して固定されている。
【0029】
図2は、本例の投影露光装置の一部を切り欠いた正面図であり、この図2において、ウエハベース14は、3箇所又は4箇所のアクティブ方式の防振台(図2では防振台34A,34Bのみが表れている)を介して床上に設置されている。また、ウエハベース14及びこの上のウエハステージ12、ウエハテーブル11を覆うように、門型の基準フレーム31が配置され、基準フレーム31は3箇所又は4箇所のアクティブ方式の防振台(図2では防振台32A,32Bのみが表れている)を介して床上に設置されている。そして、基準フレーム31の中央部の開口にフランジ部33を介して投影光学系PLが設置されている。そして、図1のレチクルベース4は、基準フレーム31上に不図示のコラムを介して設置されている。本例では、ウエハステージ12のX方向、Y方向へのステップ移動によって振動が発生し易いウエハベース14と、投影光学系PLを支持する基準フレーム31とが互いに独立に支持されているため、投影光学系PLを常に安定に保持することができる。
【0030】
図1に戻り、ウエハステージ12の底面に設けられた可動子と、Y軸ガイド部材15に設けられた固定子とから、Y軸ガイド部材15に対してウエハステージ12をY方向に駆動するY軸リニアモータ16Yが構成されている。そして、Y軸ガイド部材15の一端に設けられた可動子と、一方のX軸ガイド部材17Aに設けられた固定子とから、X軸ガイド部材17Aに対してY軸ガイド部材15をX方向に駆動する第1のX軸リニアモータ16XAが構成され、Y軸ガイド部材15の他端に設けられた可動子と、他方のX軸ガイド部材17Bに設けられた固定子とから、X軸ガイド部材17Bに対してY軸ガイド部材15をX方向に駆動する第2のX軸リニアモータ16XBが構成されている。Y軸リニアモータ16Y及び2軸のX軸リニアモータ16XA,16XBによって、ウエハベース14に対するウエハステージ12のX方向の位置、Y方向の位置、及びZ軸の回りの回転角ωZ(ヨーイング)よりなる3自由度の相対変位を制御できる。この結果、本例のウエハテーブル11(ウエハW)は、ウエハベース14に対して、X方向、Y方向、Z方向の位置、及び回転角ωX,ωY,ωZよりなる6自由度で駆動することができる。但し、通常は、2軸のX軸リニアモータ16XA及び16XBは、Y軸ガイド部材15がY軸に平行な状態でX方向に移動するように駆動される。
【0031】
ウエハステージ12、Z軸アクチュエータ13A,13B,13C、ウエハテーブル11、Y軸リニアモータ16Y、及びX軸リニアモータ16XA,16XB等を含んでウエハステージ系が構成されている。そして、本例の3個のZ軸アクチュエータ13A,13B,13C、及び3軸のリニアモータ16Y,16XA,16XBは、図3のウエハステージ駆動系7によって駆動される。このようにウエハステージ駆動系7が6軸の駆動機構の動作を制御するために、本例の投影露光装置には、ウエハテーブル11(ウエハW)のウエハベース14に対する6自由度の変位(位置及び回転角の変化)を計測するための計測機構が備えられている。
【0032】
即ち、図1において、ウエハテーブル11の−X方向及び+X方向の側面の下方に、それぞれ断面形状が上辺の幅が広い台形状でY方向に細長いロッド状のプリズム20A及び20B(屈折光学部材)が同じ高さで固定されている。プリズム20A及び20Bは、ウエハテーブル11をX方向(ウエハWの非走査方向)に挟むように対称に固定されている。プリズム20A及び20Bのウエハテーブル11に対向する面(背面)は、それぞれ例えばクロム等の高反射率の金属膜が蒸着された反射面とされている。また、ウエハテーブル11の−X方向の側面に、プリズム20Aの上面に接するようにY方向に細長いロッド状のX軸の移動鏡21Xが固定され、プリズム20A,20Bの背面の反射面及び移動鏡21Xの表面の反射面はそれぞれX軸にほぼ垂直である。また、プリズム20A,20Bの背面の反射面は投影光学系PLの光軸AXに平行でもあると共に、ガイド面14aに対して実質的に垂直でもある。更に、ウエハテーブル11の+Y方向の側面に、X軸の移動鏡21Xと同じ高さでX方向に細長いロッド状のY軸の移動鏡21Yが固定され、移動鏡21Yの表面の反射面はY軸にほぼ垂直である。
【0033】
また、ウエハテーブル11のプリズム20A及び20Bに対向するようにそれぞれ第1及び第2のZ軸レーザ干渉計22A及び22B(第1及び第3干渉計)が配置され、X軸の移動鏡21Xに対向するようにX軸のレーザ干渉計23X(第2干渉計)及びヨーイング計測用のレーザ干渉計23AがY方向に所定間隔で配置されている。また、Y軸の移動鏡21Yに対向するように、Y軸レーザ干渉計23Y及びピッチング計測用のレーザ干渉計23BがZ方向に所定間隔で配置されている。これらの6軸のレーザ干渉計22A,22B,23X,23A,23Y,23Bは全て、図2に示すように投影光学系PLを保持する基準フレーム31に固定されている。
【0034】
図1において、Z軸レーザ干渉計22A及び22Bから射出された計測ビームとしてのレーザビームLA及びLBが、それぞれX軸に平行に対称にプリズム20A及び20Bに入射し、プリズム20A及び20Bの背面の反射面で反射されたレーザビームLA及びLBが、それぞれ入射方向に対してほぼ10°〜50°程度の角度で斜め上方に向かって固定ミラー24A及び24Bに垂直に入射する。固定ミラー24A及び24Bも、図2に示すように投影光学系PLをX方向に挟むように基準フレーム31に固定されている。固定ミラー24A及び24Bでそれぞれ垂直に入射方向に反射されたレーザビームLA及びLBは、プリズム20A及び20Bに戻り、プリズム20A及び20Bの背面の反射面で再び反射されたレーザビームLA及びLBは、それぞれX軸に平行にZ軸レーザ干渉計22A及び22Bに戻される。
【0035】
図2に示すように、第1のZ軸レーザ干渉計22Aは、一例として平均波長が633nm程度(He−Neレーザの場合)で互いに異なる周波数の偏光方向が直交する第1及び第2レーザビームを発生するレーザ光源25と、そのうちの第1レーザビームをレーザビームLA(計測ビーム)として透過して第2レーザビーム(参照ビーム)を反射する偏光ビームスプリッタ26と、その第2レーザビームを反射するレトロリフレクタ27(参照部材)と、反射によって戻されて偏光ビームスプリッタ26で合成された2つのレーザビームの干渉光を受光する光電センサ28とを備えている。なお、偏光ビームスプリッタ26の2つのレーザビームの入射出面にはそれぞれ1/4波長板(不図示)が設けられている。その光電センサ28の出力信号を不図示のカウンタで計数し、その計数値から不図示の参照用のカウンタの計数値を差し引いて、波長に応じた係数を乗ずることで、一方のプリズム20A(ウエハテーブル11の−X方向の端部)のZ方向及びX方向の変位を1〜0.1nm程度の分解能で計測することができる(詳細後述)。第2のZ軸レーザ干渉計22Bも同様に構成されており、Z軸レーザ干渉計22Bによって他方のプリズム20B(ウエハテーブル11の+X方向の端部)のZ方向及びX方向の変位を1〜0.1nm程度の分解能で計測することができる。また、2軸のZ軸レーザ干渉計22A及び22BによるZ方向の変位の計測値の差分を2つのプリズム20A及び20Bの間隔で除算することにより、ウエハテーブル11のY軸の回りの回転角ωY(ローリング)を求めることができる。
【0036】
なお、本例ではZ軸レーザ干渉計22Aの参照部材としてのレトロリフレクタ27は、Z軸レーザ干渉計22A内に設けられているが、その参照部材としてウエハテーブル11に設けられたX軸の移動鏡21Xを用いてもよい。この場合には、プリズム20AがX方向に変位してもZ軸レーザ干渉計22Aの計測値が変化しない利点がある。
【0037】
なお、ウエハテーブル11がX方向に移動すると、プリズム20A,20Bで反射されるレーザビームLA,LBの位置が斜め方向に変化するため、固定ミラー24A,24Bの長さは、常にレーザビームLA,LBを反射できる長さに設定されている。この際に、本例ではプリズム20A,20BからレーザビームLA,LBを斜め上方に反射しているため、ウエハテーブル11を大型化することなく、投影光学系PLに対して固定ミラー24A,24BをX方向に余裕をもって離して配置することができる。更に、投影光学系PLの先端部によってレーザビームLA,LBが遮光される恐れもない。また、本例の第1のZ軸レーザ干渉計22Aのレーザ光源25で発生する2つのレーザビームの周波数差は、分解能が0.1nm程度の場合で17GHz程度である。この結果、Z軸レーザ干渉計22Aによって例えば10kHz程度以上の高い応答周波数で、ウエハテーブル11のZ方向の変位を計測することができる。これは、第2のZ軸レーザ干渉計22Bでも同様である。
【0038】
図1に戻り、X軸レーザ干渉計23X及びヨーイング計測用のレーザ干渉計23Aからの計測用のレーザビームがY方向の間隔δ1でX軸に平行に移動鏡21Xに照射され、レーザ干渉計23X及び23Aはそれぞれ投影光学系PLの側面近傍に固定された参照鏡(不図示)を基準として移動鏡21XのX方向の変位を1〜0.1nm程度の分解能で計測する。そして、レーザ干渉計23X及び23Aの計測値の差分を間隔δ1で除算することによって、ウエハテーブル11のZ軸の回りの回転角ωZ(ヨーイング)を求めることができる。これと並行して、Y軸レーザ干渉計23Y及びピッチング計測用のレーザ干渉計23Bからの計測用のレーザビームがZ方向の間隔δ2でY軸に平行に移動鏡21Yに照射され、レーザ干渉計23Y及び23Bはそれぞれ投影光学系PLの側面近傍に固定された参照鏡(不図示)を基準として移動鏡21YのY方向の変位を1〜0.1nm程度の分解能で計測する。そして、レーザ干渉計23Y及び23Bの計測値の差分を間隔δ2で除算することによって、ウエハテーブル11のX軸の回りの回転角ωX(ピッチング)を求めることができる。この結果、本例の6軸のレーザ干渉計22A,22B,23X,23A,23Y,23Bによって、ウエハベース14に対するウエハテーブル11のX方向、Y方向、Z方向の位置、及び回転角ωX,ωY,ωZよりなる6自由度の変位を計測することができる。
【0039】
この場合、図1において、X軸レーザ干渉計23X及びY軸レーザ干渉計23Yからのレーザビームは、それぞれ投影光学系PLの光軸AX(露光中心)を通過しており、ウエハテーブル11のヨーイングが発生しても殆どアッベ誤差が発生することがなく、ウエハテーブル11(ウエハW)のX方向、Y方向の位置を常に高精度に計測することができる。
【0040】
また、図2において、最近の投影光学系PLの開口数(NA)はかなり大きいため、投影光学系PLとウエハWとの間隔(ワーキングディスタンス)は狭くなっている。そのため、ウエハテーブル11の側面に固定する移動鏡等の上面の高さは、ほぼウエハWの表面と同程度か又は僅かに高い程度にする必要がある。
これに関して、本例ではプリズム20Aの上部の幅が底部の幅よりも広いため、その上に安定に、かつレーザビームLAのケラレの恐れなく、移動鏡21Xを積み重ねることができる。従って、移動鏡21Xの上面を例えばウエハWの表面よりも僅かに高く設定して、X軸レーザ干渉計23Xからのレーザビームの高さをほぼウエハWの表面の高さに合わせることができる。更に、プリズム20Aが移動鏡21Xの反射面から外側に張り出すこともない。また、移動鏡21Yに関しては、プリズム等を積み重ねる必要がないため、その上面の高さはウエハWの表面よりも僅かに高い程度、即ち本例では移動鏡21Xと同じ高さに設定されている。このため、ウエハテーブル11のローリング及びピッチングが生じても殆どアッベ誤差が発生することがなく、ウエハテーブル11(ウエハW)のX方向、Y方向の位置を常に高精度に計測することができる。なお、本例において、移動鏡21X及び21Yの上面をウエハWの表面と同じ高さに設定することも可能である。この場合でも発生するアッベ誤差は僅かであるが、そのアッベ誤差をより完全に補正するためには、レーザ干渉計23X,23Yからのレーザビームの高さとウエハWの表面との高さのずれ(Z方向のずれ)ΔHを求めておき、ウエハテーブル11の回転角ωX及びωY(rad)の計測値とその高さのずれΔHとの積を用いて、レーザ干渉計23X及び23Yの計測値を補正すればよい。
【0041】
また、図1の投影露光装置では、ウエハWの表面(ウエハ面)の投影光学系PLの像面に対するデフォーカス量を計測するために、投影光学系PLの下部側面にそのウエハ面上の露光領域2Wを含む計測領域に3個以上の複数のスリット像を斜めに投影する投射光学系29Aと、そのウエハ面からの反射光を受光してそれらのスリット像を再結像して、それらの横ずれ量に応じた検出信号を生成する受光光学系29Bとを含む斜入射方式の多点のオートフォーカスセンサ(29A,29B)が配置されている。なお、斜入射方式の多点のオートフォーカスセンサのより詳細な構成については、例えば特開平1−253603号公報に開示されている。受光光学系29Bの検出信号は、図3のウエハステージ駆動系7中のデフォーカス量演算部40に供給される。この場合、例えばウエハWのZ方向の位置を種々に変えてテストプリントを行って、露光領域2W内の3点以上の点でそれぞれベストフォーカス位置を求めることによって、予め上記の複数のスリット像の投影点がそれぞれベストフォーカス位置(像面)にあるときに、対応する検出信号が所定レベル(例えば0)となるように、オフセット調整が行われている。そして、デフォーカス量演算部40では、その供給された検出信号を用いて、ウエハ面の露光領域2Wにおける平均的な面のZ方向の位置ΔFZと、X軸及びY軸の回りの傾斜角ΔωX,ΔωYとを算出する。これらの値ΔFZ,ΔωX,ΔωYが、その露光領域2Wにおけるウエハ面の像面に対する位置及び傾斜角のデフォーカス量となる。
【0042】
従って、走査露光中に、オートフォーカス(ここではオートレベリングを含む)方式でウエハ面を投影光学系PLの像面に合わせ込むためには、原理的にはその像面に対するデフォーカス量(ΔFZ,ΔωX,ΔωY)がそれぞれ0になるようにZ軸アクチュエータ13A,13B,13Cを駆動すればよい。しかしながら、オートフォーカスセンサ(29A,29B)の計測値のサンプリング周期は10msec(周波数で100Hz)程度と遅いため、ウエハWの走査速度をあまり高めることができない。そこで、本例では、オートフォーカスセンサ(29A,29B)の計測値は、像面に対するデフォーカス量を定期的にモニタするために使用して、そのモニタ間の期間中では、応答周波数が10kHz程度以上とほぼ100倍の上記のZ軸レーザ干渉計22A,22Bの計測値を用いてサーボ方式でZ軸アクチュエータ13A,13B,13Cを駆動するものとする。これによって、ウエハWの走査速度を速くしても、ウエハ面を像面に高精度に合わせ込むことができ、常に高い解像度でレチクルRのパターン像をウエハW上に露光することができる。
【0043】
図3は、ウエハステージ駆動系7の構成例を示している。なお、ウエハステージ駆動系7の大部分の要素は、コンピュータのソフトウェア上で実行される機能である。図3において、X軸レーザ干渉計23X及びY軸レーザ干渉計23Yの計測値X及びYは、主制御系6及びリニアモータ駆動部36に供給されている。また、レーザ干渉計23X及び23Aの計測値は回転角演算部35Aに供給され、回転角演算部35Aで求められるウエハテーブル11の回転角ωZ(ヨーイング)は主制御系6及びリニアモータ駆動部36に供給される。リニアモータ駆動部36は、計測値X,Y及び回転角ωZ、並びに主制御系6からの制御情報(ウエハステージ12の目標速度等)に基づいて、図1のY軸リニアモータ16Y及びX軸リニアモータ16XA,16XBを駆動する。
【0044】
また、レーザ干渉計23Y及び23Bの計測値は回転角演算部35Bに供給され、回転角演算部35Bで求められるウエハテーブル11の回転角ωX(ピッチング)は第1サーボデータ部39Aに供給される。更に、X軸レーザ干渉計23Xの計測値X、及び2軸のZ軸レーザ干渉計22A,22Bの計測値(図2のプリズム20A,20BのX方向及びZ方向への変位の関数)は、Z位置演算部37に供給され、Z位置演算部37は、それらの計測値に基づいてプリズム20A及び20BのZ方向への変位Z1,Z2を求める(詳細後述)。これらの変位Z1,Z2は、加重平均部38A及び回転角演算部38Bに供給され、加重平均部38Aでは、それらの変位Z1及びZ2の加重平均によってウエハWの露光中心(光軸AX)でのZ方向への変位(これもZで表す)を算出する。Z位置演算部37、加重平均部38A、及び回転角演算部38Bが光軸に沿った方向の変位を求めるための演算装置に対応している。
【0045】
図2において、プリズム20A及び20BのX方向の間隔LXは予め知られており、X軸レーザ干渉計23Xの計測値から図3の加重平均部38Aは、一方のプリズム20Aと光軸AXとのX方向の間隔LX1及び他方のプリズム20Bと光軸AXとのX方向の間隔LX2を求める(LX=LX1+LX2)。そして、加重平均部38Aは、次のような加重平均によってウエハテーブル11の露光中心でのZ方向への変位(Z)を算出する。
【0046】
また、回転角演算部38Bは、次のように変位Z1,Z2の差分を間隔LXで除算して、ウエハテーブル11のY軸の回りの回転角ωY(ローリング)(rad)を算出する。
【0047】
ωY=(Z2−Z1)/LX …(A2)
このように算出された変位Z及び回転角ωYはそれぞれ図3の第2及び第3サーボデータ部39B及び39Cに供給される。更に、デフォーカス量演算部40で求められた上記のデフォーカス量(ΔFZ,ΔωX,ΔωY)がそれぞれサーボデータ部39B,39A,39Cのプリセット部に供給され、この供給のタイミングでサーボデータ部39B〜39Cの出力データは、それぞれウエハ面のZ方向へのデフォーカス量ΔFZ、X軸の回りの回転角のデフォーカス量ΔωX、及びY軸の回りの回転角のデフォーカス量ΔωYにプリセットされる。その後、サーボデータ部39B,39A,39Cの出力データは、入力される(A1)式の変位Z、回転角ωX、及び(A2)式の回転角ωYの増減に応じて増減する。サーボデータ部39A〜39Cの出力データはZ軸アクチュエータ駆動部41に供給され、Z軸アクチュエータ駆動部41は、サーボデータ部39A〜39Cの出力データがそれぞれ0になるようにZ軸アクチュエータ13A,13B,13Cを駆動する。本例では、図1のオートフォーカスセンサ(29A,29B)、Z軸レーザ干渉計22A,22B、レーザ干渉計23X,23Y,23B、プリズム20A,20B、移動鏡21X,21Y、固定ミラー24A,24B、図2のZ軸アクチュエータ13A〜13C、及び図3のウエハステージ駆動系7より、ウエハステージ系用のオートフォーカス機構が構成されている。
【0048】
本例の投影露光装置の走査露光時には、図1のスリット状の照明領域2Rに露光光ILを照射した状態で、レチクルステージ3及びウエハステージ12を駆動して、レチクルRとウエハW上の一つのショット領域SAとをY方向に同期走査する動作と、ウエハステージ12を駆動してウエハWをX方向、Y方向にステップ移動する動作とが繰り返される。この動作によって、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の各ショット領域にレチクルRのパターン像が露光される。そして、レチクルRとウエハWとをY方向に同期走査している期間には、上記のようにオートフォーカスセンサ(29A,29B)の計測値と、レーザ干渉計23Y,23B及びZ軸レーザ干渉計22A,22Bの計測値とに基づいて、Z軸アクチュエータ13A,13B,13Cをサーボ方式で駆動することによって、ウエハ面が投影光学系PLの像面にオートフォーカス方式で連続して合わせ込まれている。従って、ウエハ面にそれまでのプロセスによって段差等が形成されている場合にも、ウエハ面にレチクルRのパターン像を常に高い解像度で転写することができる。
【0049】
この際に、オートフォーカスセンサ(29A,29B)の検出信号を処理する図3のデフォーカス量演算部40によるデフォーカス量(ΔFZ,ΔωX,ΔωY)の更新は、例えば100Hz程度の遅い周波数で行われるのに対して、レーザ干渉計23Y,23B及びZ軸レーザ干渉計22A,22Bの計測値に基づく変位Z、及び回転角ωX,ωY(サーボデータ部39A,39B,39Cの出力データ)の更新は10kHz程度の高い周波数で行われる。従って、Z軸アクチュエータ13A,13B,13Cの動作によるウエハテーブル11(ウエハW)のZ方向の位置及び回転角ωX,ωYの変化が高い追従速度でフィードバックされるため、オートフォーカス方式で高精度にウエハ面を投影光学系PLの像面に合わせ込んだ状態で、走査露光を行うことができる。
【0050】
また、本例では、図1に示すように、2台のZ軸レーザ干渉計22A及び22Bがウエハテーブル11(ウエハW)を走査露光時の走査方向(Y方向)に直交する非走査方向に挟むように配置されている。従って、走査露光中には、プリズム20A,20Bが殆どX方向に変位することがなく、図2のプリズム20A及び20Bと露光中心(光軸AX)との間隔LX1,LX2が実質的に変化しないため、(A1)式に基づいて高速かつ高精度にウエハテーブル11の露光中心でのZ方向の変位を計測することができる。
【0051】
次に、図2の第1のZ軸レーザ干渉計22Aによるプリズム20A(ウエハテーブル11の端部)のZ方向の変位の計測原理につき、図4〜図7を参照して説明する。
図4は、図2のプリズム20Aを示す拡大図であり、この図4において、プリズム20Aの屈折率をnG 、その周囲の気体(本例では空気)の屈折率をnA とする。また、屈折部としてのプリズム20Aの入射面(屈折面)20Aaと、その背面の反射面20Abとがなす角度をプリズムの屈折面の倒れ角θP と呼ぶと、プリズム20Aに入射するレーザビームLAの入射面20Aaでの入射角はθP となる。また、プリズム20A内でのレーザビームLAの入射方向(X軸)に対する傾き角をkP として、反射面20Abで反射されて入射面20Aaで再び屈折して外部に射出されるレーザビームLAの入射方向に対する傾き角(仰角)をkとする。このとき、入射面20AaにおけるレーザビームLAの入射点P1及び射出点P2においてスネルの法則を適用することよって、次の関係が得られる。
【0052】
nA sin θP =nG sin(θP −kP ) …(1)
nA sin(θP +k)=nG sin(θP +kP ) …(2)
従って、プリズム20Aから屈折、反射、及び屈折によって射出されるレーザビームLAの傾き角kは、次のように表すことができる。
【0053】
【数1】
【0054】
レーザビームLAの波長を633nm、プリズム20Aの光学材料をBK7とすると、プリズム20Aの空気に対する相対屈折率nG /nA は次のようになる。
nG /nA =1.514
このとき、(1)式から求めた傾き角kP を(3)式に代入することによって、射出されるレーザビームLAの傾き角kは、プリズム20Aの屈折面の倒れ角θP の関数として図6のようになる。図6において、横軸は倒れ角θP (deg)、縦軸は傾き角(仰角)k(deg)である。図6の場合、プリズム20AにおけるレーザビームLAの臨界角は約60°であり、プリズム20Aの倒れ角θP の調整によるレーザビームLAの傾き角kの調整可能範囲は0〜60°程度である。この場合、傾き角kが小さい方が、図2から分かるように固定ミラー24A,24Bを投影光学系PLから離して配置することが可能である。その一方で、傾き角kが大きい方が、次に説明するようにプリズム20AのZ方向の変位に対するレーザビームLAの光路長の変化が大きくなって、Z方向の変位の検出感度が向上する。そこで、本例では、一例としてレーザビームLAの傾き角kをその調整可能範囲の中央である30°程度に設定する。図6の場合、このときのプリズム20Aの倒れ角θP は約23°である。これによって、固定ミラー24A,24Bを投影光学系PLから比較的離して配置できると共に、Z方向の変位の検出感度も比較的高く維持される。なお、特に検出感度を高めたい場合には、傾き角kを30〜50°程度にしてもよく、固定ミラー24A,24Bを更に投影光学系PLから離したい場合には、傾き角kを10〜30°程度に設定してもよい。
【0055】
次に、本例の検出感度について説明する。先ず、図5(A)の位置P3で示すように、図2のプリズム20A(屈折面の倒れ角をθP とする)がZ方向にΔzだけ変位した場合の、レーザビームLAの往路(固定ミラー24Aに入射するまでの光路)の光路長の変化ΔLを計算する。この場合、レーザビームLAの光路は2点鎖線で示す光路LA1に変化する。そして、レーザビームLAがプリズム20Aに入射する前の光路の長さの変化(Δzと同じ符号)をΔL1とすると、その変化ΔL1に基づく光路長の変化ΔLM1は次のようになる。但し、図4と同様に、プリズム20Aの屈折率をnG 、その周囲の空気の屈折率をnA 、プリズム20A内でのレーザビームLAの入射方向(X軸)に対する傾き角をkP 、入射面で再び屈折して外部に射出されるレーザビームLAの入射方向に対する傾き角(仰角)をkとする。
【0056】
ΔLM1=nA ΔL1=nA Δz tanθP …(4)
次に、プリズム20A内部でのレーザビームLAの光路の長さの変化を−ΔL2(Δzと逆符号)とすると、その変化−ΔL2に基づく光路長の変化ΔLM2は次のようになる。
【0057】
【数2】
【0058】
次に、プリズム20Aから射出された後のレーザビームLAの光路の変化をΔL3(Δzと同じ符号)とすると、その変化ΔL3に基づく光路長の変化ΔLM3は次のようになる。
【0059】
【数3】
【0060】
上記の光路長の変化ΔLM1,ΔLM2,ΔLM3の和が次のように往路の全光路長の変化ΔLとなる。
ΔL=ΔLM1+ΔLM2+ΔLM3
また、その全光路長の変化ΔLをZ方向の変位Δzで除算した値ΔL/Δzが、図2のZ軸レーザ干渉計22Aのプリズム20A(ウエハテーブル11)のZ方向の変位に対する検出感度となる。その検出感度は(4)〜(6)式を用いると次のように表される。
【0061】
【数4】
【0062】
実際には、図5(A)の固定ミラー24Aで反射された復路のレーザビームLAの光路長も同じ量だけ変化するため、検出感度は(7)式の2倍になる。そして、Z軸レーザ干渉計22Aによって計測される長さの変化を(7)式の検出感度ΔL/Δzで除算することによって、プリズム20AのZ方向への変位Z1が求められる。なお、ここではプリズム20AのX方向への変位は0であるとしている。この演算は、図3のZ位置演算部37において実行される。
【0063】
図7の曲線は、(7)式、(1)式及び(3)式に基づいて、射出されるレーザビームLAの傾き角k(deg)と検出感度ΔL/Δzの絶対値との関係を表している。この場合にも、プリズム20Aの空気に対する相対屈折率nG /nA を1.514としている。図7から分かるように、検出感度ΔL/Δzの絶対値は、傾き角kが90°のときに最大値(=1)となり、傾き角kが小さくなるに従って次第に小さくなる。また、本例のように傾き角kを約30°にしたときの検出感度の絶対値はほぼ0.5となり、Z方向の変位Δzに対してレーザビームLAの往路の光路長の変化がほぼ0.5Δzとなる。
【0064】
なお、図2において、Z軸レーザ干渉計22Aの参照部材としてX軸の移動鏡21Xを用いる場合には、プリズム20AがX方向に変位しても、Z軸レーザ干渉計22Aの計測値のみを用いて、プリズム22AのZ方向の変位を正確に計測できる。
これに対して、図2から分かるように、Z軸レーザ干渉計22A内に参照部材としてのレトロリフレクタ27を設けた場合には、プリズム20AのZ方向の変位のみならず、プリズム20A(ウエハテーブル11)のX方向の変位によっても光路長が変化するため、プリズム20AのX方向の変位による光路長の変化分を、X軸レーザ干渉計23Xによって計測される移動鏡21X(ウエハテーブル11)のX方向の変位で補正する必要がある。
【0065】
図5(B)は、図2のプリズム20A(屈折面の倒れ角θP )がX方向にΔxだけ変位して位置P4に達した場合に、レーザビームLAの光路が2点鎖線で示す光路LA2に変化した状態を示し、この図5(B)において、レーザビームLAがプリズム20Aに入射する前の光路の長さの変化ΔL4はΔxそのものである。また、レーザビームLAのプリズム20A内での光路長は同じであり、プリズム20Aから射出されるレーザビームLAの光路の長さの変化ΔL5は、レーザビームLAの傾き角kを用いて次のように表すことができる。
【0066】
ΔL5=Δx cosk …(8)
従って、プリズム20Aの変位Δxに伴う、レーザビームLAの往路での光路長の変化ΔL(Δx)は次のようになる。
本例では、プリズム20A(ウエハテーブル11)のX方向への変位Δxは、図2のX軸レーザ干渉計23Xによって常時計測されているため、この計測値(Δx)も図3のZ位置演算部37に供給されている。そこで、Z位置演算部37では、Z軸レーザ干渉計22Aの計測値から、(9)式に基づいてX軸レーザ干渉計23Xの計測値の(1+ cosk)倍を差し引いた後の計測値を(7)式の検出感度ΔL/Δzで除算することによって、プリズム20AのZ方向への変位Z1を求める。これによって、プリズム20AがX方向に変位している場合でも、プリズム20AのZ方向への変位Z1のみを高精度に検出することができる。
【0067】
また、図2の第2のZ軸レーザ干渉計22Bにおいても、同様にその計測値から(7)式に基づいてプリズム20BのZ方向への変位Z2を求めることができる。但し、X軸レーザ干渉計23XとZ軸レーザ干渉計22Bとは、レーザビームの光路長の増減が逆であるため、プリズム20BのX方向への変位Δxを補正するためには、Z軸レーザ干渉計22Bの計測値に、X軸レーザ干渉計23Xの計測値の(1+ cosk)倍を加算した後の計測値を(7)式の検出感度ΔL/Δzで除算する必要がある。
【0068】
次に、本発明の実施形態の他の例につき図8を参照して説明する。本例は、Z軸レーザ干渉計を1台としたものであり、図8において図1に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
図8は、本例の投影露光装置の概略構成を示し、この図8において、ウエハテーブル11の−X方向の端部にはプリズム20Aが固定され、その上にX軸の移動鏡21Xが積み重ねるように固定され、ウエハテーブル11の+Y方向の端部には移動鏡21Xと同じ高さでY軸の移動鏡21Yが固定されている。そして、プリズム20Aに対向するようにZ軸レーザ干渉計22Aが配置され、Z軸レーザ干渉計22Aから射出された後、プリズム20Aで屈折、反射、及び屈折されて斜め上方に射出されたレーザビームLAが垂直に入射するように、固定ミラー24Aが投影光学系PLから離れて配置されている。固定ミラー24Aで反射されたレーザビームLAは、入射時の光路を逆に進んでZ軸レーザ干渉計22Aに戻る。
【0069】
また、X軸の移動鏡21Xに対向するようにX軸レーザ干渉計23X、ヨーイング計測用のレーザ干渉計23A、及びローリング計測用のレーザ干渉計23Cが配置され、レーザ干渉計23X及び23AからはY方向に間隔δ1でレーザビームが移動鏡21Xに照射され、レーザ干渉計23CからはX軸レーザ干渉計23Xから射出されるレーザビームに対してZ方向に間隔δ3で、X軸に平行に計測用のレーザビームが移動鏡21Xに照射されている。レーザ干渉計23Cは、移動鏡21Xで反射されたレーザビームを不図示の投影光学系PLの側面の参照鏡で反射されたレーザビームと干渉させることによって、移動鏡21XのX方向への変位を1〜0.1nm程度の分解能で計測する。レーザ干渉計23X及び23Aも同様に移動鏡21XのX方向への変位を1〜0.1nm程度の分解能で計測し、それらの計測値の差分を間隔δ1で除算することによって、ウエハテーブル11のZ軸の回りの回転角ωZ(ヨーイング)が求められる。更に本例では、X軸レーザ干渉計23Xの計測値とレーザ干渉計23Cの計測値との差分を間隔δ3で除算することによって、ウエハテーブル11(ウエハW)のY軸の回りの回転角ωY(ローリング)を求める。
【0070】
また、Y軸の移動鏡21Yに対向するようにY軸レーザ干渉計23Y及びピッチング計測用のレーザ干渉計23Bが配置され、レーザ干渉計23Y及び23BからはZ方向に間隔δ2でレーザビームが移動鏡21Yに照射される。レーザ干渉計23Y及び23Bは移動鏡21YのY方向への変位を1〜0.1nm程度の分解能で計測する。それらの計測値の差分を間隔δ2で除算することによって、ウエハテーブル11のX軸の回りの回転角ωX(ピッチング)が求められる。本例では、図1の実施形態で設けられていた第2のZ軸レーザ干渉計22B及びこれに付随するプリズムや固定ミラーは設けられていない。これ以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0071】
本例においては、5軸のレーザ干渉計23X,23Y,23A,23B,及び23Cによって、ウエハベース14に対するウエハテーブル11(ウエハW)のX方向、Y方向の位置、及び回転角ωX,ωY,ωZよりなる5自由度の変位が計測されている。また、Z軸レーザ干渉計22Aの計測値から、X軸レーザ干渉計23Xで計測されるプリズム20AのX方向への変位に基づく計測値を差し引いた計測値を、上記の(7)式の検出感度で除算することによって、プリズム20A(ウエハテーブル11)のZ方向への変位Z1を求めることができる。この場合、より正確に露光中心(光軸AX)におけるウエハテーブル11のZ方向への変位(これもZとする)を求めるには、上記の回転角ωYと図2のプリズム20Aと光軸AXとのX方向の間隔LX1とを用いて、次のような補正計算を行えばよい。
【0072】
Z=Z1+LX1・ωY …(10)
このように本例においても、ウエハテーブル11の6自由度の変位を計測することができる。
また、本例のZ軸レーザ干渉計22Aも、ウエハテーブル11(ウエハW)に対して非走査方向(X方向)からZ方向の変位を計測している。そのため、走査露光中にはプリズム20AはX方向には殆ど変位しないため、(10)式中の間隔LX1もほぼ一定である。従って、高速かつ高精度にウエハテーブル11の露光中心でのZ方向の変位を計測できる。
【0073】
なお、上記の実施形態では、反射光学部材としてプリズム20A,20Bが使用されているが、反射光学部材としては、プリズム(屈折部材)とミラー(反射部材)とを組み合わせた光学系なども使用することができる。
また、上記の実施形態では、ウエハステージ12(ウエハテーブル11)の投影光学系PLの光軸に沿った方向(Z方向)の変位を計測するために本発明を適用しているが、本発明は、例えば図1のレチクルステージ3(レチクルR)の投影光学系PLの光軸に沿った方向の変位を計測する場合にも適用することができる。
【0074】
なお、上記の実施の形態の投影露光装置は、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をして、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造することができる。なお、その投影露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0075】
また、上記の実施の形態の投影露光装置を用いて半導体デバイスを製造する場合、この半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、このステップに基づいてレチクルを製造するステップ、シリコン材料からウエハを形成するステップ、上記の実施の形態の投影露光装置によりアライメントを行ってレチクルのパターンをウエハに露光するステップ、エッチング等の回路パターンを形成するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、及び検査ステップ等を経て製造される。
【0076】
なお、本発明は、走査露光型の投影露光装置のみならず、一括露光型の投影露光装置において、ウエハステージ(ウエハ)やレチクルステージ(レチクル)の投影光学系の光軸に沿った方向への変位を計測する場合にも同様に適用することができる。また、本発明の露光装置の用途としては半導体デバイス製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
【0077】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、光ビームの入射方向に交差する方向(高さ方向)、又は投影光学系の光軸に沿った方向のステージの変位を干渉計方式で計測することができる。また、屈折光学部材の上に他の移動鏡等の光学部材を配置しても、その光学部材による屈折光学部材からの光ビームのケラレの恐れがないため、その光学部材の配置の自由度を高くすることができる。
【0079】
また、投影光学系を備えた場合には、ステージを大型化することなく、光ビームを反射するための反射部材をその投影光学系から容易に離して配置することができる。
また、本発明の露光装置において、光軸方向駆動装置を有する場合には、干渉計方式で計測されるテーブルの投影光学系の光軸に沿った方向の変位に基づいて、例えばオートフォーカス方式でそのテーブルの位置を制御することによって、第1物体のパターン像を高精度に第2物体上に転写できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例の投影露光装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1の投影露光装置を示す一部を切り欠いた正面図である。
【図3】図1の投影露光装置のステージ駆動系の構成を示すブロック図である。
【図4】図2のプリズム20Aを示す拡大図である。
【図5】(A)はプリズム20AをZ方向に変位させた場合を示す図、(B)はプリズム20AをX方向に変位させた場合を示す図である。
【図6】図4におけるプリズム20Aの屈折面の倒れ角とプリズム20Aから射出されるレーザビームの傾き角との関係の一例を示す図である。
【図7】図5(A)におけるレーザビームの傾き角とZ方向への変位の検出感度との関係の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態の他の例の投影露光装置の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
R…レチクル、PL…投影光学系、W…ウエハ、6…主制御系、7…ウエハステージ駆動系、11…ウエハテーブル、12…ウエハステージ、13A〜13C…Z軸アクチュエータ、14…ウエハベース、20A,20B…プリズム、21X,21Y…移動鏡、22A,22B…Z軸レーザ干渉計、23X…X軸レーザ干渉計、23Y…Y軸レーザ干渉計、24A,24B…固定ミラー、31…基準フレーム[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a stage apparatus having a mechanism for measuring a displacement in a height direction, and is used in a lithography process for manufacturing various devices such as a semiconductor element, an imaging element, a liquid crystal display element, or a thin film magnetic head. The exposure apparatus is suitable for use in a stage system with an autofocus mechanism for moving a mask or a substrate.
[0002]
[Prior art]
The lithography process for manufacturing a semiconductor element and the like includes a photosensitive material coating process, an exposure process, a development process, a pattern formation process, and the like. In the exposure process, a resist pattern as a mask is coated with a resist pattern as a mask. A projection exposure apparatus such as a stepper is used to transfer each shot area on a wafer (or glass plate or the like). In the projection exposure apparatus, the numerical aperture of the projection optical system is gradually increased in order to obtain a high resolution, and the depth of focus is gradually decreased accordingly. Therefore, in order to perform exposure by aligning the wafer surface (wafer surface) within the range of the depth of focus with the image plane of the projection optical system that has been obtained in advance by a test print or the like, the projection exposure apparatus has autofocus. A mechanism is provided. A conventional autofocus mechanism is a grazing incidence type autofocus sensor for measuring a displacement of a wafer surface relative to an image plane, that is, a displacement of a wafer surface in an optical axis direction (hereinafter also referred to as “Z direction”). And a height control mechanism for controlling the position in the Z direction of the wafer table holding the wafer on the XY stage (see, for example, Patent Document 1).
[0003]
Recently, a scanning exposure type projection exposure apparatus such as a scanning stepper has been used to transfer a circuit pattern having a large area onto a wafer without increasing the load on the projection optical system. In this scanning exposure type, it is desirable to continuously align the wafer surface with the image surface by a servo system during scanning exposure. However, since the oblique-incidence type autofocus sensor has a measurement cycle of about 10 msec (frequency is 100 Hz) and a slow response speed, when applied to a scanning exposure type projection exposure apparatus, the height control mechanism determines the position of the wafer. The measured value of displacement in the Z direction could not sufficiently follow the change.
[0004]
Therefore, in order to measure the displacement of the wafer table in the Z direction at a high response speed, a laser beam is irradiated in parallel to the guide surface of the XY stage, and the laser beam is reflected by a mirror having an inclination angle of 45 ° provided on the wafer table. A laser interferometer-type measuring device has been proposed in which the laser beam reflected directly above is reflected and the laser beam reflected by the mirror (fixed mirror) is interfered with the reference light to measure the displacement in the Z direction. (For example, refer to Patent Document 2). Similarly, as a laser interferometer-type measuring device, the angle of inclination of the mirror provided on the wafer table is in the range of 0 ° to 45 °, the laser beam is reflected obliquely from the table, and the laser beam is arranged obliquely. There has also been proposed a measuring apparatus that reflects light from a fixed mirror (for example, see Patent Document 3).
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-1-253603
[Patent Document 2]
JP-T-2001-510577
[Patent Document 3]
JP 2000-49066 A
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the laser interferometer-type displacement measuring device in the Z direction can increase the response speed as compared with the oblique incidence type autofocus sensor.
However, in the conventional measuring apparatus using a mirror having an inclination angle of 45 °, mechanical interference between the front end of the projection optical system and the fixed mirror that reflects and returns the laser beam reflected immediately above the projection optical system. In order to avoid this, it is necessary to always arrange a mirror having an inclination angle of 45 ° as far as possible from the optical axis of the projection optical system. Therefore, it is necessary to increase the size of the wafer table, and as a result, there is a disadvantage that the wafer stage is increased in size.
[0007]
Further, in the system using a mirror having an inclination angle of 0 ° to 45 °, the fixed mirror can be arranged at a position away from the projection optical system, so that the wafer table can be reduced in size. In this regard, the wafer stage is usually provided with X-axis and Y-axis laser interferometers for measuring positions in two orthogonal directions on the guide surface of the wafer stage (wafer), and holds the wafer. The moving mirror for the X-axis and Y-axis laser interferometers is also fixed to the wafer table. However, when an inclined mirror for measuring the displacement in the Z direction is further provided, the inclined mirror is stacked on the X-axis or Y-axis movable mirror, or under the X-axis or Y-axis movable mirror. Either one of them. When tilted mirrors are stacked on a movable mirror, the movable mirror needs to be disposed below the conventional mirror. As a result, the height of the movable mirror greatly deviates from the wafer surface, so that the so-called Abbe error becomes large, and the measurement accuracy of the X axis or the Y axis may be lowered. On the other hand, when the inclined mirror is arranged under the moving mirror, it is necessary to arrange the inclined mirror so as to protrude from the reflecting surface of the moving mirror in order to avoid the reflected laser beam from being vignetted. As a result, the outer shape of the wafer table is increased by the amount of protrusion of the inclined mirror, and the advantage of downsizing the wafer table using an inclined mirror having an inclination angle of 0 ° to 45 ° is diminished.
[0008]
In view of such a point, the present invention provides a stage technology that can measure the change in the height of the stage by an interferometer method and can increase the degree of freedom of arrangement of other interferometer moving mirrors and the like. The purpose.
Furthermore, the present invention can measure the displacement of the stage in the direction along the optical axis of the projection optical system by an interferometer method, and can increase the degree of freedom of arrangement of other interferometer moving mirrors, etc. A second object is to provide an exposure technique that can be moved or positioned with high accuracy.
A further object of the present invention is to provide a device manufacturing technique that can manufacture a device with high accuracy using the exposure technique.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The stage apparatus according to the present invention includes a stage apparatus for moving an object (W), a stage (11, 12) that holds the object and moves in at least one direction on a guide surface (14a), and the stage. A first interferometer (22A) that irradiates a measurement beam (LA) and a refractive optical member (20A) that is provided on the stage and changes the direction of the measurement beam to a direction that intersects the incident direction using refraction and reflection. And a reflecting member (24A) for reflecting the measurement beam whose direction is changed by the refractive optical member toward the refractive optical member.
[0010]
According to the present invention, for example, a measurement beam (measurement light beam) reflected by the reflecting member and returned to the first interferometer through the refractive optical member and a predetermined reference beam (reference light) By detecting the interference light with the beam), the displacement of the stage in the direction (height direction) perpendicular to the incident direction of the measurement beam can be measured by the interferometer method. In this case, since the measurement beam can be emitted from the refractive optical member obliquely upward, for example, with respect to the incident direction, even if an optical member such as a moving mirror for another interferometer is arranged on the refractive optical member. The measurement beam can be prevented from being broken by the optical member, and the degree of freedom of arrangement of the optical member can be increased.
[0011]
In this case, as an example, the first interferometer irradiates the stage with a reference beam different from the measurement beam, and the stage reflects the irradiated reference beam toward the first interferometer. (21X), and further includes an arithmetic unit (37) for obtaining a displacement of the stage in a direction crossing the incident direction of the measurement beam based on the detection result of the first interferometer. According to this configuration, only the displacement (change in height) in the direction orthogonal to the incident direction of the measurement beam of the stage can be measured by the first interferometer.
[0012]
As another example, the second interferometer (23X) for detecting the position of the stage in the direction along the optical path of the measurement beam from the first interferometer, the detection result of the first interferometer, An arithmetic unit (37) for obtaining a displacement of the stage in a direction intersecting the incident direction of the measurement beam based on the detection result of the second interferometer may be provided. For example, when the reference member (27) is disposed in the first interferometer, even if the stage (refractive optical member) is displaced in the direction along the optical path of the measurement beam from the first interferometer, The displacement measured by the first interferometer changes. Therefore, by correcting the measurement value of the first interferometer with the measurement value of the second interferometer, only the displacement in the height direction of the stage can be measured with high accuracy. In this case, for example, the movable mirror (21X) for the second interferometer can be easily stacked on the refractive optical member (20A) for the first interferometer, and the measurement of the first interferometer is performed in this state. The beam will not be blown, and the stage will not be enlarged.
[0013]
The refractive optical member includes a refracting portion (20A) that refracts the measurement beam and a reflecting surface (20Ab) that reflects the measuring beam refracted by the refracting portion, and the reflecting surface is provided on the guide surface. It is desirable that it be substantially perpendicular to it. Thereby, a displacement in a direction perpendicular to the guide surface can be detected with high sensitivity.
In addition, the refractive optical member has a first surface (20Aa) and a second surface (20Ab) opposite to each other of the refracting portion that are not parallel to each other, and the first surface is an incident surface for the measurement beam. It is desirable that the two surfaces be prisms (20A) that serve as the reflecting surfaces of the measurement beam. The prism has the simplest configuration as a refractive optical member, and the width of the upper side is wider than the width of the bottom side, so that a movable mirror for other interferometers can be stably installed on the prism. The prism does not protrude outward from the reflecting surface of the movable mirror.
[0014]
An exposure apparatus according to the present invention is an exposure apparatus that projects a pattern of a first object (R) onto a second object (W) via a projection optical system (PL), and the first object or the second object. , A stage (11, 12) that moves in at least one direction on the guide surface (14a), a first interferometer (22A) that irradiates the stage with a measurement beam, and a refraction provided on the stage. A refractive optical member (20A) that changes the direction of the measurement beam to a direction intersecting the incident direction using reflection, and a reflection that reflects the measurement beam whose direction is changed by the refractive optical member toward the refractive optical member And a member (24A).
[0015]
According to the present invention, for example, by detecting the interference light between the measurement beam returned to the first interferometer and the predetermined reference beam, the stage is displaced in the direction along the optical axis of the projection optical system. Can be measured by the interferometer method. In this case, since the measuring beam can be emitted from the refractive optical member obliquely upward, for example, with respect to the incident direction, the reflecting member can be easily moved away from the projection optical system without increasing the size of the stage. Can be arranged. In addition, since an optical member such as a moving mirror for another interferometer can be arranged on the refractive optical member, the degree of freedom in arranging the optical member can be increased.
[0016]
In this case, as an example, the first interferometer irradiates the stage with a reference beam different from the measurement beam, and the stage reflects the irradiated reference beam toward the first interferometer. (21X), and further includes an arithmetic unit (37) for obtaining a displacement in the direction along the optical axis of the projection optical system of the stage based on the detection result of the first interferometer. According to this configuration, only the displacement in the direction along the optical axis of the projection optical system of the stage can be measured by the first interferometer.
[0017]
As another example, the second interferometer (23X) for detecting the position of the stage in the direction along the optical path of the measurement beam from the first interferometer, the detection result of the first interferometer, An arithmetic unit (37) is provided for obtaining a displacement of the stage in the direction along the optical axis of the projection optical system based on the detection result of the second interferometer. For example, when the reference member is disposed in the first interferometer, the stage (refractive optical member) is in a direction along the optical path of the measurement beam from the first interferometer (direction intersecting the optical axis of the projection optical system). ), The displacement measured by the first interferometer changes. Therefore, by correcting the measurement value of the first interferometer with the measurement value of the second interferometer, only the displacement of the stage in the direction along the optical axis of the projection optical system can be measured with high accuracy. In this case, the second interferometer can be used, for example, as an interferometer for measuring the position in the direction along the guide surface of the stage, and the movable mirror (21X) for the second interferometer is used as the refractive optical system. It can be easily placed on the member. Even in this state, the stage does not increase in size, and the measurement accuracy of the second interferometer can be maintained high.
[0018]
The third interferometer (22B) and the second refracting optics are arranged substantially symmetrically with respect to the first interferometer (22A), the refractive optical member (20A) and the reflecting member (24A), respectively. A member (20B) and a second reflecting member (24B), and the arithmetic unit is arranged on the optical axis of the projection optical system of the stage based on the detection results of the first interferometer and the third interferometer. It is desirable to determine the displacement along the direction. In this case, the displacement in the direction along the optical axis at the exposure center of the stage is obtained by obtaining a weighted average of the displacement in the direction along the optical axis obtained from the measurement values of the first and third interferometers. be able to.
[0019]
When the exposure apparatus is a scanning exposure type, the first interferometer and the third interferometer are in a direction (X direction) orthogonal to the scanning direction of the first object or the second object at the time of scanning exposure. It is desirable to arrange the stage along the line. According to this configuration, since the distance between the exposure center and the first and second interferometers does not change during scanning exposure, the displacement in the direction along the optical axis of the exposure center can be measured at high speed and with high accuracy. For example, the surface of the second object can be stably adjusted to the image plane of the projection optical system by an autofocus method.
[0020]
The stage includes a movable stage (12) that moves on the guide surface, a table (11) that holds the first object or the second object and is provided with the refractive optical member, and the movable stage. And an optical axis direction driving device (13A, 13B, 13C) for driving the table in a direction along the optical axis of the projection optical system, and the projection optical system of the table obtained by the arithmetic unit It is desirable to drive the table via the optical axis direction driving device based on the displacement in the direction along the optical axis.
[0021]
According to this configuration, the stage is separated into the movable stage that moves on the guide surface and the table that is displaced in the direction along the optical axis of the projection optical system. Can be driven.
In addition, including the first interferometer, a 6-axis interferometer (22A, 22B (or 23C), 23X, 23A, 23Y, 23B) that detects the displacement of 6 degrees of freedom of the stage (or table) is provided. Is desirable. Thereby, the displacement of all the degrees of freedom of the stage (or table) can be measured with high accuracy by the interferometer method.
[0022]
The device manufacturing method of the present invention includes a step of transferring the device pattern (R) onto the substrate (W) using the exposure apparatus of the present invention. By applying the present invention, a device can be manufactured with high accuracy.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an exemplary embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. In this example, the present invention is applied to a wafer stage system provided with an autofocus mechanism of a scanning exposure type projection exposure apparatus having a step-and-scan method.
FIG. 1 shows a schematic configuration of a scanning exposure type projection exposure apparatus of this example. In FIG. 1, an excimer laser light source such as KrF (wavelength 247 nm) or ArF (wavelength 193 nm) is used as an unillustrated exposure light source. Has been. As an exposure light source, F 2 Laser light source (wavelength 157 nm), Kr 2 A laser light source (wavelength 146 nm), a harmonic generation light source of a YAG laser, a harmonic generation device of a solid-state laser (semiconductor laser or the like), a mercury lamp (i-line or the like), or the like can also be used.
[0024]
Exposure light IL as an exposure beam emitted from an exposure light source (not shown) at the time of exposure passes through the illumination optical system including the
[0025]
Under the exposure light IL, the pattern in the
[0026]
First, the reticle R is sucked and held on the
[0027]
On the other hand, the wafer W is sucked and held on the wafer table 11 via a wafer holder (not shown), and the wafer table 11 is displaceable in three Z-
[0028]
The
[0029]
FIG. 2 is a front view in which a part of the projection exposure apparatus of the present example is cut out. In FIG. 2, the
[0030]
1, the
[0031]
A wafer stage system is configured including the
[0032]
That is, in FIG. 1, rod-shaped
[0033]
In addition, first and second Z-
[0034]
In FIG. 1, laser beams LA and LB as measurement beams emitted from Z-
[0035]
As shown in FIG. 2, the first Z-
[0036]
In this example, the retro-
[0037]
When the wafer table 11 is moved in the X direction, the positions of the laser beams LA and LB reflected by the
[0038]
Returning to FIG. 1, the measurement laser beam from the
[0039]
In this case, in FIG. 1, the laser beams from the
[0040]
In FIG. 2, since the numerical aperture (NA) of the recent projection optical system PL is quite large, the distance (working distance) between the projection optical system PL and the wafer W is narrow. For this reason, the height of the upper surface of the movable mirror or the like fixed to the side surface of the wafer table 11 needs to be approximately the same as or slightly higher than the surface of the wafer W.
In this regard, in this example, the width of the upper part of the
[0041]
In the projection exposure apparatus of FIG. 1, in order to measure the defocus amount of the surface (wafer surface) of the wafer W with respect to the image plane of the projection optical system PL, exposure on the wafer surface is performed on the lower side surface of the projection optical system PL. A projection
[0042]
Therefore, in order to align the wafer surface with the image plane of the projection optical system PL during scanning exposure by an autofocus (here, including auto-leveling) method, in principle, the defocus amount (ΔFZ, The Z-
[0043]
FIG. 3 shows a configuration example of the wafer
[0044]
The measured values of the
[0045]
2, the distance LX in the X direction between the
[0046]
Further, the rotation
[0047]
ωY = (Z2−Z1) / LX (A2)
The displacement Z and the rotation angle ωY calculated in this way are supplied to the second and third
[0048]
At the time of scanning exposure of the projection exposure apparatus of this example, the
[0049]
At this time, the defocus amount (ΔFZ, ΔωX, ΔωY) is updated at a slow frequency of about 100 Hz, for example, by the defocus
[0050]
In this example, as shown in FIG. 1, the two Z-
[0051]
Next, the principle of measuring the displacement in the Z direction of the
FIG. 4 is an enlarged view showing the
[0052]
n A sin θ P = N G sin (θ P -K P (1)
n A sin (θ P + K) = n G sin (θ P + K P (2)
Therefore, the tilt angle k of the laser beam LA emitted from the
[0053]
[Expression 1]
[0054]
When the wavelength of the laser beam LA is 633 nm and the optical material of the
n G / N A = 1.514
At this time, the inclination angle k obtained from the equation (1) P Is substituted into the equation (3), the tilt angle k of the emitted laser beam LA is changed to the tilt angle θ of the refractive surface of the
[0055]
Next, the detection sensitivity of this example will be described. First, as shown by a position P3 in FIG. 5A, the inclination angle of the
[0056]
ΔLM1 = n A ΔL1 = n A Δz tanθ P ... (4)
Next, assuming that the change in the optical path length of the laser beam LA inside the
[0057]
[Expression 2]
[0058]
Next, assuming that the change in the optical path of the laser beam LA after being emitted from the
[0059]
[Equation 3]
[0060]
The sum of the optical path length changes ΔLM1, ΔLM2, and ΔLM3 is the change ΔL in the total optical path length of the forward path as follows.
ΔL = ΔLM1 + ΔLM2 + ΔLM3
Further, the value ΔL / Δz obtained by dividing the change ΔL of the total optical path length by the displacement Δz in the Z direction is the detection sensitivity to the displacement in the Z direction of the
[0061]
[Expression 4]
[0062]
Actually, since the optical path length of the return laser beam LA reflected by the fixed
[0063]
The curve in FIG. 7 shows the relationship between the tilt angle k (deg) of the emitted laser beam LA and the absolute value of the detection sensitivity ΔL / Δz based on the equations (7), (1), and (3). Represents. Also in this case, the relative refractive index n of the
[0064]
In FIG. 2, when the
In contrast, as can be seen from FIG. 2, when the
[0065]
FIG. 5B shows the
[0066]
ΔL5 = Δx cosk (8)
Therefore, the change ΔL (Δx) in the optical path length of the laser beam LA along with the displacement Δx of the
In this example, since the displacement Δx in the X direction of the
[0067]
Also in the second Z-
[0068]
Next, another example of the embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. In this example, one Z-axis laser interferometer is used. In FIG. 8, the same reference numerals are given to the portions corresponding to FIG. 1, and the detailed description thereof is omitted.
FIG. 8 shows a schematic configuration of the projection exposure apparatus of this example. In FIG. 8, a
[0069]
Also, an
[0070]
Also, a Y-
[0071]
In this example, the 5-
[0072]
Z = Z1 + LX1 · ωY (10)
Thus, also in this example, the 6-degree-of-freedom displacement of the wafer table 11 can be measured.
The Z-
[0073]
In the above embodiment, the
In the above embodiment, the present invention is applied to measure the displacement in the direction (Z direction) along the optical axis of the projection optical system PL of the wafer stage 12 (wafer table 11). Can also be applied, for example, when measuring the displacement of the reticle stage 3 (reticle R) of FIG. 1 in the direction along the optical axis of the projection optical system PL.
[0074]
The projection exposure apparatus of the above embodiment includes an illumination optical system composed of a plurality of lenses, a projection optical system incorporated in the exposure apparatus main body, and optical adjustment, and a reticle stage and wafer stage composed of a large number of mechanical parts. Is attached to the exposure apparatus main body, wiring and piping are connected, and further comprehensive adjustment (electrical adjustment, operation check, etc.) is performed. The projection exposure apparatus is preferably manufactured in a clean room in which the temperature, cleanliness, etc. are controlled.
[0075]
Further, when a semiconductor device is manufactured using the projection exposure apparatus of the above-described embodiment, the semiconductor device includes a step of designing a function / performance of the device, a step of manufacturing a reticle based on this step, and a silicon material. A step of forming a wafer, a step of performing alignment with the projection exposure apparatus of the above-described embodiment and exposing a reticle pattern onto the wafer, a step of forming a circuit pattern such as etching, a device assembly step (dicing process, bonding process, (Including a packaging process) and an inspection step.
[0076]
The present invention applies not only to a scanning exposure type projection exposure apparatus but also to a batch exposure type projection exposure apparatus in a direction along the optical axis of a projection optical system of a wafer stage (wafer) or a reticle stage (reticle). The same applies to the measurement of displacement. Further, the use of the exposure apparatus of the present invention is not limited to the exposure apparatus for manufacturing a semiconductor device, but for example, exposure for a display apparatus such as a liquid crystal display element formed on a square glass plate or a plasma display. The present invention can also be widely applied to an exposure apparatus for manufacturing various devices such as an apparatus, an image sensor (CCD, etc.), a micromachine, a thin film magnetic head, and a DNA chip. Furthermore, the present invention can also be applied to an exposure process (exposure apparatus) when manufacturing a mask (photomask, reticle, etc.) on which mask patterns of various devices are formed using a photolithographic process.
[0077]
In addition, this invention is not limited to the above-mentioned embodiment, Of course, a various structure can be taken in the range which does not deviate from the summary of this invention.
[0078]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to measure the displacement of the stage in the direction (height direction) intersecting the incident direction of the light beam or in the direction along the optical axis of the projection optical system by an interferometer method. In addition, even if an optical member such as another moving mirror is arranged on the refractive optical member, there is no fear of vignetting of the light beam from the refractive optical member by the optical member. Can be high.
[0079]
Further, when the projection optical system is provided, the reflecting member for reflecting the light beam can be easily separated from the projection optical system without increasing the size of the stage.
Further, when the exposure apparatus of the present invention has an optical axis direction driving device, based on the displacement in the direction along the optical axis of the projection optical system of the table measured by the interferometer method, for example, by the autofocus method By controlling the position of the table, the pattern image of the first object can be transferred onto the second object with high accuracy.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a schematic configuration of a projection exposure apparatus as an example of an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a front view of the projection exposure apparatus of FIG. 1 with a part cut away.
3 is a block diagram showing a configuration of a stage drive system of the projection exposure apparatus in FIG. 1. FIG.
4 is an enlarged view showing the
5A is a diagram illustrating a case where the
6 is a diagram showing an example of the relationship between the tilt angle of the refracting surface of the
7 is a diagram showing an example of the relationship between the tilt angle of the laser beam and the detection sensitivity of displacement in the Z direction in FIG.
FIG. 8 is a perspective view showing a schematic configuration of a projection exposure apparatus according to another example of the embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
R ... reticle, PL ... projection optical system, W ... wafer, 6 ... main control system, 7 ... wafer stage drive system, 11 ... wafer table, 12 ... wafer stage, 13A-13C ... Z axis actuator, 14 ... wafer base, 20A, 20B ... Prism, 21X, 21Y ... Moving mirror, 22A, 22B ... Z-axis laser interferometer, 23X ... X-axis laser interferometer, 23Y ... Y-axis laser interferometer, 24A, 24B ... Fixed mirror, 31 ... Reference frame
Claims (13)
前記物体を保持してガイド面上を少なくとも一方向に移動するステージと、
前記ステージに計測ビームを照射する第1干渉計と、
前記ステージに設けられ、屈折と反射とを用いて前記計測ビームの方向を入射方向と交差する方向に変える屈折光学部材と、
前記屈折光学部材によって方向が変えられた計測ビームを前記屈折光学部材に向けて反射する反射部材とを有することを特徴とするステージ装置。In a stage device for moving an object,
A stage that holds the object and moves on the guide surface in at least one direction;
A first interferometer for irradiating the stage with a measurement beam;
A refractive optical member that is provided on the stage and changes the direction of the measurement beam to a direction intersecting the incident direction by using refraction and reflection;
A stage apparatus comprising: a reflecting member that reflects a measurement beam whose direction is changed by the refractive optical member toward the refractive optical member.
前記ステージは、照射された前記参照ビームを前記第1干渉計に向けて反射する参照部材を備え、
前記第1干渉計の検出結果に基づいて、前記ステージの前記計測ビームの入射方向に交差する方向の変位を求める演算装置を更に有することを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。The first interferometer irradiates the stage with a reference beam different from the measurement beam,
The stage includes a reference member that reflects the irradiated reference beam toward the first interferometer,
The stage apparatus according to claim 1, further comprising an arithmetic unit that obtains a displacement of the stage in a direction intersecting an incident direction of the measurement beam based on a detection result of the first interferometer.
前記第1干渉計の検出結果と、前記第2干渉計の検出結果とに基づいて、前記ステージの前記計測ビームの入射方向に交差する方向の変位を求める演算装置とを有することを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。A second interferometer for detecting the position of the stage along the optical path of the measurement beam from the first interferometer;
And an arithmetic unit that obtains a displacement of the stage in a direction intersecting an incident direction of the measurement beam based on a detection result of the first interferometer and a detection result of the second interferometer. The stage apparatus according to claim 1.
前記反射面は前記ガイド面に対して実質的に垂直であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のステージ装置。The refractive optical member includes a refracting unit that refracts the measurement beam, and a reflecting surface that reflects the measurement beam refracted by the refracting unit,
The stage apparatus according to claim 1, wherein the reflecting surface is substantially perpendicular to the guide surface.
前記第1物体又は前記第2物体を保持してガイド面上を少なくとも一方向に移動するステージと、
前記ステージに計測ビームを照射する第1干渉計と、
前記ステージに設けられ、屈折と反射とを用いて前記計測ビームの方向を入射方向と交差する方向に変える屈折光学部材と、
前記屈折光学部材によって方向が変えられた計測ビームを前記屈折光学部材に向けて反射する反射部材とを有することを特徴とする露光装置。In an exposure apparatus that projects a pattern of a first object onto a second object via a projection optical system,
A stage that holds the first object or the second object and moves in at least one direction on a guide surface;
A first interferometer for irradiating the stage with a measurement beam;
A refractive optical member that is provided on the stage and changes the direction of the measurement beam to a direction intersecting the incident direction by using refraction and reflection;
An exposure apparatus comprising: a reflection member that reflects a measurement beam whose direction is changed by the refractive optical member toward the refractive optical member.
前記ステージは、照射された前記参照ビームを前記第1干渉計に向けて反射する参照部材を備え、
前記第1干渉計の検出結果に基づいて、前記ステージの前記投影光学系の光軸に沿った方向の変位を求める演算装置を更に有することを特徴とする請求項6に記載の露光装置。The first interferometer irradiates the stage with a reference beam different from the measurement beam,
The stage includes a reference member that reflects the irradiated reference beam toward the first interferometer,
The exposure apparatus according to claim 6, further comprising an arithmetic unit that obtains a displacement of the stage in a direction along an optical axis of the projection optical system based on a detection result of the first interferometer.
前記第1干渉計の検出結果と、前記第2干渉計の検出結果とに基づいて、前記ステージの前記投影光学系の光軸に沿った方向の変位を求める演算装置とを有することを特徴とする請求項6に記載の露光装置。A second interferometer for detecting the position of the stage along the optical path of the measurement beam from the first interferometer;
An arithmetic unit that obtains a displacement of the stage in the direction along the optical axis of the projection optical system based on a detection result of the first interferometer and a detection result of the second interferometer; An exposure apparatus according to claim 6.
前記演算装置は、前記第1干渉計及び前記第3干渉計の検出結果に基づいて、前記ステージの前記投影光学系の光軸に沿った方向の変位を求めることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の露光装置。A third interferometer, a second refractive optical member, and a second reflecting member disposed substantially symmetrically with respect to the first interferometer, the refractive optical member, and the reflecting member, respectively, with respect to the stage;
The arithmetic unit obtains a displacement of the stage in a direction along an optical axis of the projection optical system based on detection results of the first interferometer and the third interferometer. The exposure apparatus according to claim 8.
前記第1干渉計及び前記第3干渉計は、走査露光時の前記第1物体又は前記第2物体の走査方向に直交する方向に沿って前記ステージを挟むように配置されることを特徴とする請求項9に記載の露光装置。The exposure apparatus is a scanning exposure type,
The first interferometer and the third interferometer are arranged so as to sandwich the stage along a direction orthogonal to a scanning direction of the first object or the second object at the time of scanning exposure. The exposure apparatus according to claim 9.
前記ガイド面上を移動する可動ステージと、
前記第1物体又は前記第2物体を保持すると共に前記屈折光学部材が設けられたテーブルと、
前記可動ステージに対して前記テーブルを前記投影光学系の光軸に沿った方向に駆動する光軸方向駆動装置とを有し、
前記演算装置で求められた前記テーブルの前記投影光学系の光軸に沿った方向の変位に基づいて、前記光軸方向駆動装置を介して前記テーブルを駆動することを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の露光装置。The stage is
A movable stage that moves on the guide surface;
A table that holds the first object or the second object and is provided with the refractive optical member;
An optical axis direction driving device that drives the table in a direction along the optical axis of the projection optical system with respect to the movable stage;
8. The table is driven via the optical axis direction driving device based on a displacement of the table in the direction along the optical axis of the projection optical system obtained by the arithmetic unit. The exposure apparatus according to any one of 10.
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