JP2005005295A - ステージ装置及び露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のステージを独立して移動させる際に不測の事態が生じた場合であっても、構成機器の安全性を高める。
【解決手段】第1ステージWST1に接続された第1可動子62Aを備えた第1移動装置65Aと、第2ステージWST2に接続された第2可動子62Bを備えた第2移動装置65Bと、を備える。第1方向に沿って複数設けられ、第1ステージWST1と第2ステージWST2との少なくとも一方の移動を規制する規制装置104A、104Bと、複数の規制装置のうち少なくとも一つの規制装置を第1方向とは異なる第2方向に退避させる退避装置108A、108Bと、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】第1ステージWST1に接続された第1可動子62Aを備えた第1移動装置65Aと、第2ステージWST2に接続された第2可動子62Bを備えた第2移動装置65Bと、を備える。第1方向に沿って複数設けられ、第1ステージWST1と第2ステージWST2との少なくとも一方の移動を規制する規制装置104A、104Bと、複数の規制装置のうち少なくとも一つの規制装置を第1方向とは異なる第2方向に退避させる退避装置108A、108Bと、を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステージ装置及び露光装置に係り、更に詳しくは、複数のステージを備えたステージ装置及び該ステージ装置を備えた露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体素子(集積回路)又は液晶表示素子等をリソグラフィ工程で製造する場合に、種々の露光装置が用いられている。近年では、半導体素子の高集積化に伴い、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパなどの逐次移動型の投影露光装置が、主流となっている。
【0003】
この種の投影露光装置は、主として半導体素子等の量産機として使用されるものであることから、一定時間内にどれだけの枚数のウエハを露光処理できるかという処理能力、すなわちスループットを向上させることが必然的に要請される。
【0004】
この種の投影露光装置では、ウエハ交換→アライメント(サーチアライメント,ファインアライメント)→露光→ウエハ交換……のように、大きく3つの動作が1つのウエハステージを用いて繰り返し行なわれている。従って、前述した3つの動作、すなわちウエハ交換、アライメント、及び露光動作の内の複数動作同士を部分的にでも同時並行的に処理できれば、これらの動作をシーケンシャルに行なう場合に比べて、スループットを向上させることができる。しかるに、ウエハ交換とアライメン卜中には露光は行われず、工程時間の短縮つまりスループッ卜の向上のためには、例えばウエハ交換とアライメン卜をするステージと露光をするステージとを同時に独立して制御する方法が考えられる。
【0005】
これに関して、例えば特許文献1には、X軸方向に延びるX駆動リニアモータの固定子の両端に一対のY駆動リニアモータの可動子を設け、このY駆動リニアモータの駆動力によって、X駆動リニアモータをY軸方向に駆動する駆動機構を1組み対称に配置し、それぞれの駆動機構を構成するX駆動リニアモータの可動子のステージ対向面側にステージ(物体保持器)に連結可能なリジッドな接続機構(連結機構)をそれぞれ設けて、2つのステージをそれぞれ接続機構により各駆動機構に連結して、2つのステージを独立してXY2次元方向に並行して駆動するステージ装置が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
国際公開第98/40791号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
2つのステージが独立して移動可能な構成であるため、ステージ移動時に何らかのトラブルによりステージが他のステージやリニアモータの固定子等と干渉(衝突)して損傷する可能性がある。精密機器からなるステージやリニアモータ等の損傷は、多大なコストアップを招くばかりでなく、露光装置を用いた生産計画にも重大な影響を与える虞がある。
通常、ステージの移動は、レーザ干渉計等の計測機器による位置計測結果に基づいて厳密に制御されているが、リニアモータの暴走等、ステージ装置を構成する機器に不測の事態が生じた場合を想定すると、安全性が十分に確保されているとは言えなかった。
【0008】
また、上記の従来技術では、ステージを交換して駆動機構に接続する際に、ステージの位置や姿勢にずれが生じている可能性があり、この場合、交換時に駆動機構との接続を円滑に実施することができない。そのため、交換前にステージの位置情報を迅速に検出する必要がある。
【0009】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、複数のステージを独立して移動させる際に不測の事態が生じた場合であっても、構成機器の安全性を高めることができるステージ装置及び露光装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の別の目的は、ステージを交換する際に迅速にステージの位置情報を検出できるステージ装置及び露光装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図20に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のステージ装置は、第1ステージ(WST1)に接続された第1可動子(62A)を備え第1ステージ(WST1)を第1方向(Y軸方向)へ移動させる第1移動装置(65A)と、第2ステージ(WST2)に接続された第2可動子(62B)を備え第2ステージ(WST2)を第1方向へ移動させる第2移動装置(65B)と、を備えるステージ装置(12)であって、第1方向に沿って複数設けられ、第1ステージ(WST1)と第2ステージ(WST2)との少なくとも一方の移動を規制する規制装置(103A、103B、104A、104B)と、複数の規制装置のうち少なくとも一つの規制装置(104A、104B)を第1方向とは異なる第2方向(X軸方向)に退避させる退避装置(108A、108B)と、を備えることを特徴とするものである。
【0012】
従って、本発明のステージ装置では、規制装置(104A、104B)を第2方向(X軸方向)に退避させることにより、第1ステージ(WST1)又は第2ステージ(WST2)をそれぞれ移動させることができる一方、規制装置(104A、104B)により第1ステージ(WST1)又は第2ステージ(WST2)の第1方向への移動を規制することができる。そのため、規制装置(104A、104B)を第1ステージ(WST1)及び第2ステージ(WST2)のそれぞれに対して設置することで、ステージ移動を規制している間に不測の事態が生じても、第1ステージ(WST1)又は第2ステージ(WST2)が他の構成機器に衝突して損傷することを防止でき、ステージ装置の安全性を高めることが可能になる。
【0013】
また、本発明のステージ装置は、第1方向に移動可能なステージ(WST1、WST2)と、ステージ(WST1、WST2)を第1方向に移動させる移動装置(65A、65B)と、第1方向に沿って検出光(B)を照射する照射装置(79)と、第1方向に沿ってステージ(WST1、WST2)に設けられた貫通孔部(81a)と、検出光(B)が貫通孔部(81a)を通過したときに検出光(B)を受光する受光装置(80)とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】
従って、本発明のステージ装置では、ステージ(WST1、WST2)が所定の位置、姿勢にあるときに貫通孔部(81a)が第1方向に沿うため、貫通孔部(81a)を通過した検出光(B)を受光することができる。そのため、ステージを交換する前に検出光(B)を受光可能か否かを検知することにより、ステージ(WST1、WST2)の位置・姿勢等の位置情報を迅速、且つ容易に検出することができ、移動装置(65A、65B)に対するステージの交換作業を円滑に実施することができる。
【0015】
そして、本発明の露光装置は、マスクステージ(RST)に保持されたマスク(R)のパターンを基板ステージ(12)に保持された基板(W1、W2)に露光する露光装置(10)であって、マスクステージ(RST)と基板ステージ(12)との少なくとも一方のステージとして、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のステージ装置が用いられることを特徴とするものである。
【0016】
従って、本発明の露光装置では、マスク(R)又は基板(W1、W2)を複数用いて露光に関する処理を実施する際に不測の事態が生じても、マスクステージ(RST)又は基板ステージ(12)が他の構成機器に衝突して損傷することを防止でき、露光装置(10)の安全性を高めることが可能になるとともに、マスクステージ(RST)又は基板ステージ(12)の位置・姿勢等の位置情報を迅速、且つ容易に検出することができ、マスクステージ(RST)又は基板ステージ(12)の交換作業を円滑に実施することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のステージ装置及び露光装置の実施の形態を、図1ないし図21を参照して説明する。
ここでは、例えば露光装置として、レチクルとウエハとを同期移動しつつ、レチクルに形成された半導体デバイスの回路パターンをウエハ上に転写する、スキャニング・ステッパを使用する場合の例を用いて説明する。また、この露光装置においては、本発明のステージ装置をウエハステージに適用するものとして説明する。
【0018】
図1には、一実施形態に係る露光装置10の概略構成が示されている。
この露光装置10は、不図示の光源及び照明ユニットILUを含み、露光用照明光によりマスクとしてのレチクルRを上方から照明する照明系、レチクルRを主として所定の走査方向、ここでは第1方向としてのY軸方向(図1における紙面左右方向)に駆動するレチクル駆動系、レチクルRの下方に配置された投影光学系PL、投影光学系PLの下方に配置され、基板としてのウエハW1、W2をそれぞれ保持して独立してXY2次元面内で移動する第1、第2のステージとしてのウエハステージWST1、WST2を含むステージ装置12、投影光学系PLの+Y側に配置されたアライメント光学系ALG等を備えている。この内、不図示の光源を除く上記各部は、超クリーンルームの床面上に設置され、温度、湿度等が精度良く管理された環境制御チャンバ(以下、「チャンバ」という)14内に収納されている。
【0019】
なお、投影光学系PLの光軸AXは、ステージ定盤44の−Y側の位置に配置され、アライメント光学系ALGの光軸SXはステージ定盤44の+Y側の位置に配置される。従って、ステージ定盤44の−Y側が露光エリアとされ、このエリアに位置するウエハステージに対して露光処理が行われ、ステージ定盤44の+Y側がアライメントエリアとされ、このエリアに位置するウエハステージに対してアライメントが行われる。
【0020】
ステージ装置12は、図1に示されるように、内部にウエハ室40を形成するチャンバ42の内部に設置されている。このチャンバ42の上壁には、投影光学系PLの鏡筒の下端部近傍が隙間無く接合されている。
ステージ装置12は、ウエハ室40内に収納されたステージ定盤44、このステージ定盤44の上方に非接触ベアリングである不図示の真空予圧型気体静圧軸受け装置を介して浮上支持され、Y軸方向(図1における紙面内左右方向)及びX軸方向(図1における紙面直交方向)に独立して2次元移動可能な2つのウエハステージWST1,WST2、これらのウエハステージWST1,WST2を駆動するステージ駆動系、ウエハステージWST1,WST2の位置を計測するウエハ干渉計システム、及びウエハステージWST1,WST2の移動を規制する規制装置等から主に構成される。
【0021】
なお、前記ウエハ室40内には、空気(酸素)の含有濃度が数ppm程度とされたクリーンなヘリウムガス(He)あるいは乾燥窒素ガス(N2)が充填されている。また、このウエハ室40を形成するチャンバ42の−X側(図1における紙面手前側)の+Y側半部(図1における右半部)の位置には、ウエハをロード・アンロードする不図示のウエハローダが設けられている。
【0022】
図2には、チャンバ42内に収納されたステージ装置12の概略平面図が示されている。この図2及び図1に示されるように、ステージ装置12は、チャンバ42の内部底面に水平に設置されたベースプレートBPと、該ベースプレートBP上に不図示の防振ユニットを介して3点あるいは4点でベースプレートBPに対して平行に支持されたステージ定盤44と、ステージ定盤44のX軸方向両側外側にそれぞれY軸方向に沿って配置された固定子58、58と、Xガイドステージ61Aを介してウエハステージWST1に接続され固定子58、58に沿って移動することでウエハステージWST1をY軸方向へ移動させる可動子(第1可動子)62A、62Aと、Xガイドステージ61Bを介してウエハステージWST2に接続され固定子58、58に沿って移動することでウエハステージWST2をY軸方向へ移動させる可動子(第2可動子)62B、62Bと、可動子62A、62A間にX方向に沿って架設された上記Xガイドステージ61Aと、可動子62B、62B間にX方向に沿って架設された上記Xガイドステージ61Bと、ウエハステージWST1に接続されXガイドステージ61Aに沿って移動するX粗動ステージ63A、ウエハステージWST2に接続されXガイドステージ61Bに沿って移動するX粗動ステージ63Bとを備えている。
【0023】
固定子58と可動子62Aとにより、Yリニアモータ(第1移動装置)65Aが構成されており、可動子62Aが固定子58との間の電磁気的相互作用により駆動することでウエハステージWST1がY軸方向に移動する。同様に、固定子58と可動子62Bとにより、Yリニアモータ(第2移動装置)65Bが構成されており、可動子62Bが固定子58との間の電磁気的相互作用により駆動することでウエハステージWST2がY軸方向に移動する。
すなわち、本実施の形態では、Yリニアモータ65A、65Bにおいて固定子58を共用する構成となっている。
【0024】
また、Xガイドステージ61A、61Bには、それぞれX方向に沿って固定子87A、87B(図2では不図示、図8参照)が埋設され、X粗動ステージ63A、63Bのそれぞれには各固定子87A、87Bに沿って移動する可動子88A、88B(図2では不図示、図8参照)が設けられている。これらXガイドステージ61A、61Bに設けられた固定子87A、87Bと、X粗動ステージ63A、63Bに設けられた可動子88A、88Bとにより、Xリニアモータ(第3移動装置)67A及びXリニアモータ(第4移動装置)67Bが構成され、可動子が固定子との間の電磁気的相互作用により駆動することでウエハステージWST1、WST2がそれぞれX軸方向(第3方向)に移動する。なお、Xガイドステージ61A、61B(固定子87A、87B)には、それぞれエンコーダスケールが形成されており、X粗動ステージ63A、63B(可動子88A、88B)には各エンコーダスケールを計測するエンコーダヘッド89A、89B(図2では不図示、図8参照)が設けられ、X粗動ステージ63A、63BとXガイドステージ61A、61Bとの相対位置関係を検出可能となっており、検出した結果は制御装置CONT(図8参照)に出力される。
【0025】
図3(a)は、ウエハステージWST1(WST2)の平面図であり、図3(b)は正面図である。
なお、ウエハステージWST1、WST2の構成は同様であるので、以下においてはウエハステージWST1についてのみ説明し、ウエハステージWST2については図において符号(主に添字Bを付記)のみ記載する。
【0026】
図3に示すように、ウエハステージWST1は、上述のX粗動ステージ63Aと、このX粗動ステージ63Aに対して交換自在に設けられるテーブル部70Aとから構成されている。粗動ステージ63Aの底面には非接触ベアリングである真空予圧型の複数のエアベアリング72が設けられており、エアベアリング72の軸受け面から吹き出される加圧気体(例えばヘリウム、あるいは窒素ガスなど)の静圧と、粗動ステージ63A全体の自重と真空吸引力とのバランスにより、粗動ステージ63Aがステージ定盤44の上面である移動面の上方に数ミクロン程度のクリアランスを介して非接触で支持されるようになっている。この固定子74としては、多数の偏平型の電機子コイルが配置された電機子ユニットが用いられている。
【0027】
テーブル部70Aは、ウエハ(基板)Wを保持するウエハテーブルWTと、該ウエハテーブルWTを、Z・チルト駆動機構を介して支持する微動ステージ100とを備えている。Z・チルト駆動機構は、例えば微動ステージ100にほぼ正三角形の頂点の位置に配置されたボイスコイルモータの固定子と、これらの固定子に対応してウエハテーブルWTの底面に配置された3つのボイスコイルモータの可動子とから構成され、これら3つのボイスコイルモータによって、ウエハテーブルWTをZ軸方向、θx方向(X軸回りの回転方向)、及びθy方向(X軸回りの回転方向)の3自由度方向について微少駆動することができる。
【0028】
微動ステージ100の底面には非接触ベアリングである真空予圧型の複数のエアベアリング71が設けられており、エアベアリング71の軸受け面から吹き出される加圧気体(例えばヘリウム、あるいは窒素ガスなど)の静圧と、テーブル部70A全体の自重と真空吸引力とのバランスにより、テーブル部70Aがステージ定盤44の上面である移動面の上方に数ミクロン程度のクリアランスを介して非接触で支持されるようになっている。
【0029】
ウエハテーブルWTの上面には、X軸方向の一端にY軸方向に延びるX移動鏡73Xが設けられ、Y軸方向の一端(−Y側の端部)には、X軸方向に延びるY移動鏡73Yが設けられている。また、ウエハテーブルWTの上面には、不図示のウエハホルダを介してウエハWが静電吸着又は真空吸着により固定されている。さらに、ウエハテーブルWTの上面には、その表面がウエハWの高さとほぼ同一高さに設定された基準マーク板FMが固定されている。この基準マーク板FMには、後述する各種基準マークが形成されている。この基準マーク板FMは、例えばウエハステージWST1の基準位置を検出する際に用いられる。
【0030】
微動ステージ100のY軸方向両側には、Z方向に間隔をあけて対向する磁石75a、75a及び75b、75bが互いにZ方向の位置が同一で配置されている。これら磁石75a、75a間の隙間及び磁石75b、75b間の隙間は、Z方向の位置が上記固定子74と同一に設定され、且つ固定子74に対向する側が開口し、Y方向に関して対称(図3(b)では左右対称)となっている。そして、磁石75a、75bを備えた微動ステージ100は、可動子として固定子74とともにXリニアモータ76Aを構成し、固定子74との間の電磁気的相互作用により駆動することでX軸方向に微少移動する。なお、図示していないものの、微動ステージ100は、ボイスコイルモータ等の駆動装置により、X軸方向に関して所定の移動範囲内でのみ移動可能に拘束され、且つY軸方向に関しては、X粗動ステージ63Aに対して離間する方向には拘束されない状態で移動する構成となっている。すなわち、微動ステージ100は、X粗動ステージ63Aに対して少なくともX方向及びY方向について微少移動するとともに、Y方向のX粗動ステージ63Aから離間する方向に移動することで当該X粗動ステージ63Aから離脱し、逆に接近する方向に移動することでX粗動ステージ63Aに接続する構成となっている。これらX粗動ステージ63Aとテーブル部70Aとが接続された際の位置は、フォトセンサ116(図3では不図示、図8参照)により検出される。
【0031】
また、微動ステージ100にはY軸方向両端部に位置して、Y軸方向の位置指標となるエンコーダスケール77aと、XYの2次元の位置指標となるエンコーダスケール77bとがそれぞれ対で設けられている。そして、X粗動ステージ63Aには、各エンコーダスケール77a、77bに対向する位置にエンコーダヘッド78a、78bが突設されている。これら各エンコーダヘッド78a、78bによりエンコーダスケール77a、77bを計測することにより、X粗動ステージ63Aと微動ステージ100との相対位置関係を検出可能となっており、検出した結果は制御装置CONT(図8参照)に出力される。
【0032】
さらに、このステージ装置12には、微動ステージ100(テーブル部70A)をX粗動ステージ63Aに接続する際に、ステージ座標系に対する微動ステージ100の位置・姿勢を計測するための計測装置が設けられている。この計測装置は、図2に示すように、ステージ定盤44のY軸方向一端側(−Y側)に所定間隔をもって配置されY軸方向に沿ってそれぞれ平行な一対の検出光B、Bを照射する照射装置79、79と、ステージ定盤44のY軸方向他端側(+Y側)に照射装置79、79と対向して設けられ、照射された検出光B、Bを受光する受光装置80、80と、図4に示すように、微動ステージ100にY軸方向に沿って設けられ、微動ステージ100が後述する交換時において所定の位置・姿勢にあるときに検出光B、Bを通過させる位置に配置された貫通孔部81a、81aを有する筒体81、81(図3(b)及び図4参照)とから構成されており、受光装置80による受光状態は制御装置CONT(図8参照)によりモニタされている。
【0033】
また、ウエハステージWST1(及びWST2)には、X粗動ステージ63Aと微動ステージ100(テーブル部70A)との相対移動を所定範囲に解除自在に制限する制限機構が設けられている。この制限機構は、微動ステージ100のX軸方向両端側からY軸方向両側にそれぞれ突出する軸体82に吊設された円板状の金物83と、X粗動ステージ63Aに金物83と対向して配置され、制御装置CONTの制御により倒立自在な係合部材84とから構成される。係合部材84は、図3(a)に示すように、金物83の直径よりも僅かに大きな幅で、且つX軸方向を長手方向とする長円状の開口部84aを有しており、図3(b)に実線で示すように、微動ステージ100に向けて起きあがった際には金物83に係合して金物83が開口部84a内で移動可能な範囲で微動ステージ100の移動を制限し、倒れて微動ステージ100から離間した際には金物83に対する係合を解除する構成になっている。
【0034】
なお、微動ステージ100のX軸方向両側には、テーブル部70Aの交換時(後述)に移動を拘束する際に用いられる孔部85、85を有するブラケット86、86が突設されている。
【0035】
露光エリアに位置するウエハステージのY軸方向の位置は、ステージ定盤44の+Y側端部に設けられ移動鏡73Yに対してレーザ光を照射するレーザ干渉計32(図1、2及び5参照)により計測され、X軸方向の位置はステージ定盤44の−X側端部に設けられ移動鏡73Xに対してレーザ光を照射するレーザ干渉計33(図1乃至図3では不図示、図8参照)により計測され、その結果が制御装置CONTに出力される。また、アライメントエリアに位置するウエハステージのY軸方向の位置は、ステージ定盤44の略中央に吊設され(図1参照)移動鏡73Yに対してレーザ光を照射するレーザ干渉計34(図1乃至図3参照)により計測され、X軸方向の位置はステージ定盤44の−X側端部に設けられ移動鏡73Xに対してレーザ光を照射するレーザ干渉計35(図1乃至図3では不図示、図8参照)により計測され、その結果が制御装置CONTに出力される。
【0036】
レーザ干渉計34のボディには、図6に示すように、X軸方向の両側にテーブル部70A、70B(微動ステージ100)をロック(保持)するロック機構90が設けられている。ロック機構90は、Z軸方向に沿って配置された軸部材90aと、制御装置CONTの制御下でこの軸部材90aをZ軸方向に駆動する、例えば電磁ソレノイド式のアクチュエータ90bとから構成される。各側において軸部材90aは、テーブル部70A、70B(微動ステージ100)に設けられたブラケット86の二つの孔部85、85と同じピッチで配置され、下降したときに孔部85、85に嵌合してテーブル部70A、70Bを後述する交換位置に位置決め(固定)する。
【0037】
次に、ウエハステージWST1、WST2の移動を規制する規制装置と、ウエハステージWST1、WST2の安全を検出・監視する装置について説明する。
図2に示すように、Yリニアモータ65A、65Bの各可動子62A、62Bの外側(ステージ定盤44と逆側)には、接触部材101A、101Bがそれぞれ設けられている。なお、以下の説明においては、便宜上、一方の可動子(例えば62A)が他方の可動子(例えば62B)に向く方向を前進方向(前方)、逆の方向を後退方向(後方)と称する。
【0038】
接触部材101A、101Bは、可動子62A、62Bに突設された支持板106A、106Bと、支持板106A、106Bの前方側に設けられたショックアブソーバ102A、102Bと、ショックアブソーバ102A、102BにY軸方向に移動自在に保持された突起部材107A、107Bとから構成される。ショックアブソーバ102A、102Bはスプリング及びオイルダンパを内蔵しており、突起部材107A、107Bを前進状態で支持するとともに、突起部材107A、107Bに力が加わった際には後退させて衝撃を吸収する構成となっている。
【0039】
そして、可動子62A、62B(すなわちウエハステージWST1、WST2)のY軸方向の移動に伴う接触部材101A、101Bの移動経路上の所定位置には、可動子62A、62Bの移動を規制する規制部材(規制装置)103A、103B及び104A、104Bがそれぞれ配設されている。規制部材103Aは、可動子62Aが前進して突起部材107Aがショックアブソーバ102Aに対して後退した状態で接触した際にも、当該可動子62Aに接続されたウエハステージ(図2ではWST1)がXガイドステージ61Bに接触しない位置に固定配置されている。同様に、規制部材103Bは、可動子62Bが前進して突起部材107Bがショックアブソーバ102Bに対して後退した状態で接触した際にも、当該可動子62Bに接続されたウエハステージ(図2ではWST2)がXガイドステージ61Aに接触しない位置に固定配置されている。
【0040】
なお、規制部材103A、103Bの近傍には、可動子62A、62Bの移動により検出光が遮光されたときに、テーブル部70A、70Bの交換位置に可動子62A、62Bが到達したことを検出する光電センサ105が設置されており、その検出結果は制御装置CONTに出力される。
【0041】
規制部材104Aは、可動子62Aが前進して突起部材107Aがショックアブソーバ102Aに対して後退した状態で接触した際にも、当該可動子62Aに接続されレーザ干渉計34とY軸方向で対向状態にあるウエハステージ(図2ではWST1)がレーザ干渉計34に接触せず(図9参照)、且つテーブル部70A(又は70B)の交換時に支持板106Aの後方側で可動子62Aの後方移動を規制する(図12参照)位置に配置されている。同様に、規制部材104Bは、可動子62Bが前進して、突起部材107Bがショックアブソーバ102Bに対して後退した状態で接触した際にも、当該可動子62Bに接続されレーザ干渉計34とY軸方向で対向状態にあるウエハステージ(図2ではWST2)がレーザ干渉計34に接触せず(図9参照)、且つテーブル部70B(又は70A)の交換時に支持板106Bの後方側で可動子62Bの後方移動を規制する(図12参照)位置に配置されている。これら規制部材104A、104Bは、制御装置CONTの制御下で、例えば電磁ソレノイド式のアクチュエータ(退避装置)108A、108Bの駆動により第2方向であるX軸方向に移動して、接触部材101A、101Bの移動経路から退避する構成となっている。
【0042】
また、規制部材104A、104Bが接触部材101A、101Bの移動経路上に位置するときに、接触部材101A、101Bが規制部材104A、104Bよりも後方側に退避する安全位置にあることを可動子62A、62Bの位置により検出する光電センサ112A、112Bが配置されている。この安全位置は、X粗動ステージ63A、63Bがテーブル部70A、70Bと離脱して、テーブル部70A、70Bが交換位置にあるときにX粗動ステージ63A、63BがX軸方向に移動した際にもテーブル部70A、70Bと干渉しない位置に設定されている。これら光電センサ112A、112Bの検出結果は制御装置CONTに出力される(図8参照)。
【0043】
また、各可動子62A、62Bには、当該可動子62A、62BにX粗動ステージ63A、63Bを一体的に固定するための固定装置109A、109Bと、これら可動子62A、62BとX粗動ステージ63A、63Bとの固定位置を検出するフォトセンサ110A、110Bとがそれぞれ設けられている。固定装置109A、109Bは、例えば電磁ソレノイド式のアクチュエータ111a(図8参照)から構成されており、ロック機構90と同様に、図示しない軸部材がX粗動ステージ63A、63Bに形成された凹部(孔部等)に嵌合することで、X粗動ステージ63A、63Bを可動子62A、62Bにそれぞれ固定する。固定装置109A、109Bのアクチュエータ111aの駆動は制御装置CONTにより制御され、またフォトセンサ110A、110Bの検出結果は、制御装置CONTに出力される(図8参照)。
【0044】
また、ステージ定盤44の下部には、図7に示すように、Y方向に延設された固定子113A、113Bと、固定子113A、113Bに沿ってそれぞれ移動する可動子としてのチューブキャリア114A、114Bとからなるリニアモータが設けられている。なお、図7においては、理解を容易にするためにステージ装置12の構成部材(ステージ定盤44、ウエハステージWST1、WST2等)を簡略化及び省略して図示してある。チューブキャリア114A、114Bは、ウエハステージWST1、WST2(テーブル部70A、70B)に接続されるエア配管、電気(信号)配線等の用力供給用のチューブ(ケーブル)115A、115Bをそれぞれ中継、支持するものであって、制御装置CONTから出力されたウエハステージWST1、WST2の位置に基づいて、エンコーダ(不図示)を用いてウエハステージWST1、WST2と同期移動する構成となっている。
【0045】
図1に戻り、前記光源としては、ここではF2レーザ光源(出力波長157nm)あるいはArFエキシマレーザ光源(出力波長193nm)などの、真空紫外域のパルス紫外光を出力するパルスレーザ光源が用いられている。この光源は、チャンバ14が設置される超クリーンルームとは別のクリーン度が低いサービスルーム、あるいはクリーンルーム床下のユーティリティスペースなどに設置され、不図示の引き回し光学系を介してチャンバ14内の照明ユニットILUに接続されている。光源は、そのパルス発光の繰り返し周波数(発振周波数)やパルスエネルギなどが、制御装置CONTの管理下にあるレーザ制御装置18(図1では図示せず、図8参照)によって制御されるようになっている。
【0046】
前記照明ユニットILUは、内部を外気に対して気密状態にする照明系ハウジング20と、この照明系ハウジング20内に所定の位置関係で収納された、2次光源形成光学系、ビームスプリッタ、集光レンズ系、レチクルブラインド、及び結像レンズ系(いずれも図示省略)等から成る照明光学系とによって構成され、レチクルR上の矩形(あるいは円弧状)の照明領域IAR(図5参照)を均一な照度で照明する。照明光学系としては、例えば特開平9−320956号公報などに開示されるものと同様の構成のものが用いられている。照明系ハウジング20内には、空気(酸素)の含有濃度が数ppm未満とされたクリーンなヘリウムガス(He)あるいは乾燥窒素ガス(N2)などが充填されている。
【0047】
前記レチクル駆動系は、図1に示されるレチクルチャンバ22内に収容されている。レチクルチャンバ22と照明系ハウジング20との接続部分には、ホタル石などから成る光透過窓が形成されている。レチクルチャンバ22内には、空気(酸素)の含有濃度が数ppm程度とされたクリーンなヘリウムガス(He)あるいは乾燥窒素ガス(N2)などが充填されている。前記レチクル駆動系は、図1に示されるレチクルベース盤24上をレチクルRを保持してXY2次元面内で移動可能なレチクルステージ(マスクステージ)RSTと、このレチクルステージRSTを駆動する不図示のリニアモータ等を含む駆動部26(図1では図示せず、図8参照)と、このレチクルステージRSTの位置を管理するレチクル干渉計システム28とを備えている。
【0048】
これを更に詳述すると、レチクルステージRSTは、実際には、不図示の非接触ベアリング、例えば真空予圧型気体静圧軸受け装置を介してレチクルベース盤24上に浮上支持され、不図示のリニアモータによって、走査方向であるY軸方向に所定ストローク範囲で駆動されるレチクル粗動ステージと、該レチクル粗動ステージに対しボイスコイルモータ等からなる駆動機構によってX軸方向、Y軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)に微少駆動されるレチクル微動ステージとから構成される。このレチクル微動ステージ上に不図示の静電チャック又は真空チャックを介してレチクルRが吸着保持されている。上述のように、レチクルステージRSTは、実際には、2つのステージから構成されるが、以下においては、便宜上、レチクルステージRSTは、駆動部26によりX軸、Y軸方向の微小駆動、θz方向の微小回転、及びY軸方向の走査駆動がなされる単一のステージであるものとして説明する。なお、駆動部26は、リニアモータ、ボイスコイルモータ等を駆動源とする機構であるが、図8では図示の便宜上から単なるブロックとして示されている。
【0049】
レチクルステージRST上には、図5に示されるように、X軸方向の一側の端部に、レチクルステージRSTと同じ素材(例えばセラミック等)から成る移動鏡30がY軸方向に延設されており、この移動鏡30のX軸方向の一側の面には鏡面加工により反射面が形成されている。この移動鏡30の反射面に向けて干渉計システム28からの干渉計ビームが照射され、その干渉計ではその反射光を受光して基準面に対する相対変位を計測することにより、レチクルステージRSTの位置を計測している。ここで、この干渉計28は、実際には独立に計測可能な2本の干渉計光軸を有しており、レチクルステージRSTのX軸方向の位置計測と、ヨーイング量の計測が可能となっている。この干渉計28は、上述したウエハステージ側の干渉計32、34からのウエハステージWST1、WST2のヨーイング情報やY位置情報に基づいてレチクルとウエハの相対回転(回転誤差)をキャンセルする方向にレチクルステージRSTを回転制御したり、X方向同期制御(位置合わせ)を行なうために用いられる。
【0050】
一方、レチクルステージRSTの走査方向(スキャン方向)であるY軸方向の一側には、一対のコーナーキューブミラー36A、36Bが設置されている。そして、ダブルパス干渉計37から、これらのコーナーキューブミラー36A、36Bに対して干渉計ビームが照射され、レチクルベース盤24上に設けられた不図示の反射面にコーナーキューブミラー36A、36Bより戻され、そこで反射したそれぞれの反射光が同一光路を戻り、それぞれのダブルパス干渉計37で受光され、それぞれのコーナーキューブミラー36A、36Bの基準位置(レファレンス位置で前記レチクルベース盤24上の反射面)からの相対変位が計測される。そして、これらのダブルパス干渉計37の計測値が制御装置CONT(図1では図示せず、図8参照)に供給され、その平均値に基づいてレチクルステージRSTのY軸方向の位置が計測される。このY軸方向位置の情報は、ウエハ側の干渉計の計測値に基づくレチクルステージRSTとウエハステージWST1又はWST2との相対位置の算出、及びこれに基づく走査露光時の走査方向(Y軸方向)のレチクルRとウエハWの同期制御に用いられる。
【0051】
なお、レチクルRを構成するガラス基板の素材は、使用する光源によって使い分ける必要がある。例えば、光源としてF2レーザ光源等の真空紫外光源を用いる場合には、ホタル石やフッ化マグネシウム、フッ化リチウム等のフッ化物結晶、あるいは水酸基濃度が100ppm以下で、かつフッ素を含有する合成石英(フッ素ドープ石英)などを用いる必要があり、ArFエキシマレーザ光源あるいはKrFエキシマレーザ光源を用いる場合には、上記各物質の他、合成石英を用いることも可能である。
【0052】
図1に戻り、前記投影光学系PLは、その鏡筒の上端部近傍がレチクルチャンバ22に隙間無く接合されている。投影光学系PLとしては、ここでは、物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両方がテレセントリックで1/4(又は1/5)縮小倍率の縮小系が用いられている。このため、レチクルRに照明ユニットILUから照明光(紫外パルス光)が照射されると、レチクルR上の回路パターン領域のうちの紫外パルス光によって照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射し、その回路パターンの部分倒立像が紫外パルス光の各パルス照射の度に投影光学系PLの像面側の視野の中央にスリット状または矩形状(多角形)に制限されて結像される。これにより、投影された回路パターンの部分倒立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW上の複数のショット領域のうちの1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写される。
【0053】
前記投影光学系PLの光軸中心(レチクルパターン像の投影中心と一致)より+Y側に所定距離離れた位置にオフアクシス(off−axis)方式のアライメント光学系ALGが設置されている。このアライメント光学系ALGは、LSA(Laser Step Alignment)系、FIA( Filed Image Alignment)系、LIA(Laser Interferometric Alignment )系の3種類のアライメントセンサを有しており、基準マーク板上の基準マーク及びウエハ上のアライメントマークのX、Y2次元方向の位置計測を行なうことが可能である。
【0054】
ここで、LSA系は、レーザ光をマークに照射して、回折・散乱された光を利用してマーク位置を計測する最も汎用性のあるセンサであり、従来から幅広いプロセスウエハに使用される。FIA系は、ハロゲンランプ等のブロードバンド(広帯域)光でマークを照明し、このマーク画像を画像処理することによってマーク位置を計測するセンサであり、アルミ層やウエハ表面の非対称マークに有効に使用される。また、LIA系は、回折格子状のマークに周波数をわずかに変えたレーザ光を2方向から照射し、発生した2つの回折光を干渉させて、その位相からマークの位置情報を検出するセンサであり、低段差や表面荒れウエハに有効に使用される。本実施形態では、これら3種類のアライメントセンサを、適宜目的に応じて使い分け、ウエハ上の3点の一次元マークの位置を検出してウエハの概略位置計測を行なういわゆるサーチアライメントや、ウエハ上の各ショット領域の正確な位置計測を行なうファインアライメント等を行なうようになっている。
【0055】
さらに、本実施形態の露光装置10では、図1では図示が省略されているが、レチクルRの上方に、例えば特開平7−176468号公報等に開示される、投影光学系PLを介してレチクルR上のレチクルマーク(図示省略)と基準マーク板FM1、FM2(図5参照)上のマークとを同時に観察するための露光波長を用いたTTR(Through The Reticle )アライメント光学系から成る一対のレチクルアライメント顕微鏡138A、138B(図8参照)が設けられている。これらのレチクルアライメント顕微鏡138A、138Bの検出信号は、制御装置CONTに供給される。
【0056】
また、図1では図示が省略されているが、投影光学系PL、アライメント光学系ALGのそれぞれには、合焦位置を調べるためのオートフォーカス/オートレベリング計測機構(以下、「AF/AL系」という)がそれぞれ設けられている。このように、投影光学系PL及びアライメント光学系ALGのそれぞれに、オートフォーカス/オートレベリング計測機構を設けた露光装置の構成は、例えば特開平10−214783号公報に詳細に開示されており、公知であるから、ここではこれ以上の説明を省略する。従って、本実施形態では、上記特開平10−214783号公報に記載の露光装置と同様に、アライメント光学系ALGによるアライメントセンサの計測時に、露光時と同様のAF/AL系の計測、制御によるオートフォーカス/オートレベリングを実行しつつアライメントマークの位置計測を行なうことにより、高精度なアライメント計測が可能になる。換言すれば、露光時とアライメント時との間で、ステージの姿勢によるオフセット(誤差)が発生しなくなる。
【0057】
図8には、本実施形態に係る露光装置10の制御系の主要な構成が示されている。この制御系は、装置全体を統括的に制御する制御装置CONT及び、この制御装置CONTに計測結果を出力する各種計測機器及び、これらの計測結果に基づいて駆動される各種駆動装置から構成される。
なお、以下の説明では、制御装置CONTの制御により各種駆動装置が駆動される点については記載を省略する。
【0058】
続いて、本実施形態に係る露光装置10におけるステージ装置12の動作の中、テーブル部の入れ替え(交換)について図9乃至図20を参照して説明する。
なお、これらの図においては、各図を用いて説明する動作に関係のあるものについてのみ符号を付す。
【0059】
(露光処理中&アライメント処理中)
図9は、露光エリア(図中、左側)に位置するウエハステージWST1に対して露光処理が行われ、アライメントエリアに位置するウエハステージWST2に対してアライメント処理が行われる図である。
このとき、X粗動ステージ63A、63Bとテーブル部70A、70Bとは、図3に示した金物83と係合部材84とが係合することで、相対移動が制限された状態で一体的に移動する。また、アクチュエータ108A、108Bの駆動により規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上に位置させることで可動子62A、62Bの移動が規制されるため、Yリニアモータ65A、65Bが暴走してもウエハステージWST1、WST2がステージ定盤44の略中央に位置する干渉計34に接触することを防止できる。また、接触部材101A、101Bが規制部材104A、104Bに接触した場合でも、ショックアブソーバ102A、102Bにより突起部材107A、107Bに加わる衝撃を緩和することができる。
なお、ウエハステージWST2においては、アライメント処理によりウエハ上のアライメントマーク(ウエハマーク)と基準マーク板FMの基準マークとの相対位置関係が計測される。
【0060】
(アライメント処理終了&露光処理中)
次に、ウエハステージWST2に対するアライメント処理が終了すると、ウエハステージWST2を+X方向に移動させるが、干渉計34の計測可能範囲からウエハステージWST2が外れるため、制御装置CONTはウエハステージWST2の位置制御をエンコーダヘッド89B(図8参照)を用いたエンコーダサーボに切り替える。そして、図10に示すように、X粗動ステージ63BがXガイドステージ61Bに沿って+X軸側の端部へ移動し、X粗動ステージ63Bが固定位置に達したことをフォトセンサ110Bが検出すると、固定装置109Bのアクチュエータ111aが駆動され、X粗動ステージ63Bを可動子62Bに固定する。これにより、X粗動ステージ63B(ウエハステージWST2)のX方向の移動が規制される。
【0061】
(露光処理終了)
ウエハステージWST1に対する露光処理が終了すると、ウエハステージWST2を−X方向に移動させるが、干渉計32の計測可能範囲からウエハステージWST1が外れるため、制御装置CONTはウエハステージWST1の位置制御をエンコーダヘッド89A(図8参照)を用いたエンコーダサーボに切り替える。そして、図11に示すように、X粗動ステージ63AがXガイドステージ61Aに沿って−X軸側の端部へ移動し、X粗動ステージ63Aが固定位置に達したことをフォトセンサ110Aが検出すると、固定装置109Aのアクチュエータ111aが駆動され、X粗動ステージ63Aを可動子62Aに固定する。これにより、X粗動ステージ63A(ウエハステージWST1)のX方向の移動が規制される。
なお、ウエハステージWST1が可動子63Aとの固定位置に向けて移動する際にY方向の移動も伴うときには、X方向の移動に要する時間を超えない範囲で移動する。
【0062】
続いて、固定装置109A、109Bのアクチュエータ111aが駆動状態(X粗動ステージ63A、63Bと可動子62A、62Bとが固定状態)であることを確認後、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上から退避させる。このとき、X粗動ステージ63A、63Bは、X方向の移動を制限されており、またY軸方向で対向しない位置で固定されるため、可動子62A、62Bが暴走した場合でも、ウエハステージWST1、WST2が相互に衝突したり、干渉計34に衝突しない。また、接触部材101A、101Bが規制部材103A、103Bにより前方への移動を規制されるため、可動子62Aと可動子62B、ウエハステージWST1とXガイドステージ61B、ウエハステージWST2とXガイドステージ61Aが衝突することもない。接触部材101A、101Bが規制部材103A、103Bに衝突した場合でも、ショックアブソーバ102A、102Bにより突起部材107A、107Bに加わる衝撃を緩和することができる。
【0063】
(交換位置へ移動&テーブル部固定)
次に、可動子62A、62Bを固定子58に沿ってそれぞれ前方へ移動させ、図12に示すように、テーブル部70A、70Bが干渉計34の側方(X方向両側)に位置するテーブル交換位置にウエハステージWST1、WST2を移動させる。そして、光電センサ105が可動子62A、62Bの位置を検出することにより、テーブル部70A、70BがY方向についてテーブル交換位置にあることを確認すると、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上の後方に位置させる。これにより、Yリニアモータ65A、65Bが暴走した場合でも、ウエハステージWST1、WST2の移動を前進、後退の双方で制限でき、後述するように、テーブル部70A、70Bをテーブル交換位置にロックした場合でも、当該テーブル部70A、70Bの破損を防ぐことができる。なお、X粗動ステージ63A、63Bが可動子62A、62Bに固定されることで、テーブル部70A、70BのX方向についての位置は既にテーブル交換位置にあるため、上記光電センサ105の検出結果と併せて、テーブル部70A、70BをXY平面内でテーブル交換位置に位置決めすることができる。
【0064】
次に、規制部材104A、104Bによって可動子62A、62Bの移動が規制されていることを確認後、図6に示すように、ロック機構90のアクチュエータ90bを駆動して軸部材90aを下降させる。これにより、二点鎖線で示すように、軸部材90aがブラケット86の孔部85に嵌合し、テーブル部70A、70Bがテーブル交換位置でロックされる。
【0065】
(X粗動ステージ退避準備)
ロック機構90によりテーブル部70A、70Bをテーブル交換位置にロックしていることを確認すると、続いて図3(b)に二点鎖線で示すように、係合部材84を倒して金物83との係合を解除させる。これにより、X粗動ステージ63A、63Bとテーブル部70A、70Bとの間の移動制限が解放される。係合部材84の倒伏を確認すると、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、図13に示すように、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上から退避させる。
【0066】
(X粗動ステージ退避)
規制部材104A、104Bが接触部材101A、101Bの移動経路上から退避していることを確認後、図14に示すように、固定子58に沿って可動子62A、62Bを後方へ移動させ、テーブル部70Aに設けられた磁石75a、75a(図3(b)参照)間の隙間(テーブル70Bでは磁石75b、75b間の隙間)から固定子74を引き抜く。このとき、可動子62A、62Bを、固定子74が磁石75a、75a(または75b、75b)間の隙間に位置する当初の数十mmは安全性を高めるために低速で移動させ、そして固定子74が磁石75a、75a(または75b、75b)から抜けた後はスループットを向上させるために中速で移動させる。
【0067】
この後、光電センサ112A、112Bによって可動子62A、62Bの位置を検出して、接触部材101A、101Bが規制部材104A、104BよりもY方向で後方の安全位置にあることを確認すると、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上に位置させて、可動子62A、62Bの前進によるX粗動ステージ63A、63Bとテーブル部70A、70Bとの衝突を防止する。そして、アクチュエータ108A、108Bの駆動による可動子62A、62Bの移動規制を確認した後に、固定装置109A、109BによるX粗動ステージ63A、63Bと可動子62A、62Bとの固定を解除する。
【0068】
(X粗動ステージ移動&固定)
次に、図15に示すように、Xガイドステージ61Aに沿ってX粗動ステージ63Aを+X方向へ移動させテーブル部70Bに対向させるとともに、Xガイドステージ61Bに沿ってX粗動ステージ63Bを−X方向へ移動させテーブル部70Aに対向させる。そして、X粗動ステージ63A、63Bが固定位置に達したことをフォトセンサ110A(+X側)、110B(−X側)がそれぞれ検出すると、固定装置109A(+X側)、109B(−X側)のアクチュエータ111aが駆動され、X粗動ステージ63A、63Bを可動子62A、62Bにそれぞれ固定する。
【0069】
続いて、固定装置109A、109Bのアクチュエータ111aが駆動状態(X粗動ステージ63A、63Bと可動子62A、62Bとが固定状態)であることを確認後、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上から退避させる。そして、この後に照射装置79から検出光B、BをY方向に沿って照射する。照射された検出光Bは、テーブル部70A、70Bが交換時の所定の位置・姿勢であれば、各テーブル部70A、70Bに設けられた筒体81の貫通孔部81a(図3及び図4参照)をそれぞれ通過して受光装置80により受光され、テーブル部70A、70Bの位置・姿勢が所定の状態からずれている場合には筒体81を通過することができず受光装置80で受光されない。従って、受光装置80が検出光Bを受光したか否かにより、テーブル部70A、70Bが交換可能な状態がどうかを各々判断することができ、交換不可であれば、例えばオペレータコールを実行する。
【0070】
(X粗動ステージの接続)
次に、図16に示すように、固定子58に沿って可動子62A、62Bを前進させ、X粗動ステージ63A、63Bに設けられた固定子74をテーブル部70A、70Bの磁石間の隙間に挿入する。この場合、テーブル部70Aの固定子74は、磁石75b、75b間の隙間に挿入され、テーブル部70Bの固定子74は、磁石75a、75a間の隙間に挿入される。なお、このときもスループットを向上させるために固定子74が磁石間の隙間に達するまでは可動子62A、62Bを中速で移動させ、固定子74が磁石間の隙間に達した後の数十mmは安全性を高めるために可動子62A、62Bを低速で移動させる。
【0071】
(テーブル部のロック解除)
この後、光電センサ105により可動子62A、62Bの位置を検出することにより、X粗動ステージ63A、63Bが接続位置(結合位置)にあることを確認すると、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上の後方に位置させて、可動子62A、62Bの前進、後退を規制する。また、フォトセンサ116の検出結果によりX粗動ステージ63Aとテーブル部70B、及び粗動ステージ63Bとテーブル部70Aが接続位置にあることを確認した後に、係合部材84を起こして金物83に係合させる。これにより、X粗動ステージ63A、63Bとテーブル部70B、70Aとの移動が制限(拘束)される。X粗動ステージ63A、63Bとテーブル部70B、70Aとの移動を制限したことを確認すると、ロック機構90のアクチュエータ90bを駆動して軸部材90aを上昇させる。これにより、図6に実線で示すように、軸部材90aがブラケット86の孔部85から外れて、テーブル部70A、70Bに対するロックが解除される。テーブル部70A、70Bへのロックが解除されたことを確認すると、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、図17に示すように、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上から退避させる。
【0072】
(ウエハステージの後退&固定解除)
続いて、規制部材104A、104Bが接触部材101A、101Bの移動経路上から退避していることを確認後、図18に示すように、固定子58に沿って可動子62A、62Bを後方へ移動させる。そして、光電センサ112A、112Bによって可動子62A、62Bの位置を検出して、接触部材101A、101Bが規制部材104A、104BよりもY方向で後方の安全位置にあることを確認すると、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上に位置させて、可動子62A、62Bの前進を規制する。可動子62A、62Bの移動規制を確認すると、固定装置109A、109BによるX粗動ステージ63A、63Bと可動子62A、62Bとの固定を解除する。固定解除されたX粗動ステージ63A、63Bは、図19に示すように、ベースラインチェック位置に移動する。そして、制御装置CONTはウエハステージWST1、WST2の位置制御をエンコーダサーボから干渉計32、34を用いた干渉計サーボに切り替える。
以上の動作により、ウエハステージ(テーブル部)の入れ替え(交換)が完了する。
【0073】
なお、上述したテーブル部70A、70BのY軸方向への移動の際には、テーブル部70A、70Bと同期して、図7に示したチューブキャリア114A、114Bが固定子113A、113Bに沿って移動することで、チューブ115A、115Bにたるみが生じることを防止している。一方、テーブル部70A、70BがX軸方向に移動した際、例えば図20(a)に示すように、テーブル部70Aがチューブキャリア114Aに接近する−X方向へ移動した際には、図20(b)に二点鎖線で示すように、チューブ115Aがたるむ虞があり、逆にテーブル部70Aがチューブキャリア114Aから離間する+X方向へ移動した際にはチューブ115Aに大きな張力が加わる虞がある。そのため、本実施の形態では、テーブル部70Aがチューブキャリア114Aに接近した場合には、チューブキャリア114Aがテーブル部70Aから離間する方向(+Y方向)に移動し、逆にテーブル部70Aがチューブキャリア114Aから離間する場合には、チューブキャリア114Aがテーブル部70Aに接近する方向(−Y方向)に移動することで、チューブ115Aのたわみ分を吸収(図20(b)に実線で図示)、またはチューブ115Aに大きな張力が加わることを防止している。
この場合、テーブル部70A、70Bを干渉計34を中心としたZ軸周りの同一方向に沿って入れ替えを行うとチューブ115A、115B同士が絡まる虞があるため、入れ替え方向を交互に変更すればよい。
【0074】
次に、2つのウエハステージを用いた並行処理について説明する。
例えば、露光エリアにおいてウエハステージWST1上のウエハW1に対し投影光学系PLを介して後述のようにして露光動作を行なっている間に、アライメントエリアでは所定のローディングポジションにてウエハローダ及びウエハステージWST2上の不図示の受け渡し機構によりウエハ交換が行われ、ウエハステージWST2上にウエハW2がロードされる。次いで、制御装置CONTでは、上記干渉計34、35の計測値をモニタしつつ、Yリニアモータ65B及びXリニアモータ67Bを制御して、ウエハステージWST2をアライメント基準位置に位置決めする。このウエハステージWST2の移動の間も、ウエハステージWST1側では露光動作が続行されている。なお、上記アライメント基準位置とは、アライメント光学系ALGの真下にウエハステージWST2の基準マーク板FM2上の第1基準マーク(図示省略)が来るような位置である。
【0075】
続いて、ウエハステージWST2側では、サーチアライメントを実施した後、ウエハW2上の各ショット領域の配列を、例えばEGAを使って求めるファインアライメントが行なわれる。すなわち、干渉計34、35の計測値に基づいてウエハステージWST2の位置を管理しつつ、設計上のショット配列データ(アライメントマーク位置データ)をもとに、ウエハW2上の所定のサンプルショットのアライメントマーク位置をアライメント光学系ALGのFIA系のセンサ等で計測し、この計測結果とショット配列の設計座標データとに基づいて最小自乗法による統計演算により、全てのショット配列データを演算する。これにより、上記のアライメント時ステージ座標系上で各ショットの座標位置が算出される。そして、制御装置CONTでは、各ショットの座標位置から前述した第1基準マークの座標位置を減算することで、第1基準マークに対する各ショットの相対位置関係を算出する。
【0076】
一方、露光エリアにおいては、ウエハステージWST1を、露光時ステージ座標系上で位置制御しながら、ウエハステージWST1上の基準マーク板FM1がレチクルパターン像の投影位置に位置決めされる露光基準位置に位置決めする。この露光基準位置にウエハステージWST1が位置決めされると、制御装置CONTでは、一対のレチクルアライメント顕微鏡(図示省略)により露光光を用いて基準マーク板FM1上の一対の第2基準マークとそれに対応するレチクル上マークのウエハ面上投影像の相対位置検出、すなわちレチクルアライメント顕微鏡による前記各マーク像の画像信号の取り込みを行なう。これにより、露光時ステージ座標系における基準マーク板FM1上の一対の第2基準マークの座標位置と、レチクルR上マークのウエハ面上投影像座標位置が検出されることとなり、両者の差により露光位置(投影光学系PLの投影中心)と基準マーク板FM1上の一対の第2基準マークの座標位置の相対位置関係が求められる。
【0077】
そして、主制御装置CONTでは、先にアライメント処理で求めた基準マーク板FM1上の第1基準マークに対するウエハW1上の各ショットの相対位置関係、及び露光位置と基準マーク板FM1上の一対の第2基準マークの座標位置との相対位置関係より、最終的に露光位置と各ショットの相対位置関係を算出する。そして、その算出結果に基づいて、ウエハW1上のショット領域の露光のための走査開始位置にウエハステージWST1を順次位置決めしつつ、各ショット領域の露光の都度、レチクルステージRSTとウエハステージWST1とを同期して走査方向に相対走査することにより、走査露光が行なわれることとなる。勿論、このウエハW1側の露光動作と並行して、ウエハステージWST2側では、ウエハ交換、これに続き、前述と同様にアライメント基準位置へのウエハステージWST2の移動、サーチアライメント、ファインアライメントが行われる。そして、その後、上述と同様に、2つのウエハステージWST1、WST2を独立して2次元方向に移動させながら入れ替え(交換)、一方のウエハステージ上のウエハに対する露光シーケンスと、他方のウエハに対するウエハ交換及びアライメントシーケンスとの並行処理が繰り返し行われる。
【0078】
以上のように、本実施の形態では、規制部材103A、103BによってウエハステージWST1、WST2の前進移動を規制するとともに、接触部材101A、101Bの移動経路から退避自在な規制部材104A、104BによってウエハステージWST1、WST2の前進及び後退移動の双方を規制するので、万一Yリニアモータ65A、65Bの暴走等、不測の事態が生じても、ウエハステージWST1、WST2が干渉計34やXガイドステージ61A、62B等に衝突することを防止して安全性を高めることができる。そのため、本実施の形態では、これら機器の損傷に伴う多大なコストアップや、生産計画に悪影響を及ぼす事態を回避できる。
【0079】
また、本実施の形態では、接触部材101A、101Bにショックアブソーバ102A、102Bを設けているので、ウエハステージWST1、WST2の移動規制時に、接触部材101A、101Bと規制部材104A、104Bとが衝突した場合には、衝突に伴う衝撃を吸収することができ、これら機器の損傷を抑制することができる。また、本実施の形態では、Yリニアモータ65A、65Bの一部を構成する固定子58がステージ定盤44の外側に設けられているので、可動子62A、62Bの移動に伴う振動がステージ定盤44を介してウエハステージに伝わることがなく、振動に起因する露光精度の低下を防ぐことも可能になるとともに、ステージ定盤44の小型化も実現することができる。
【0080】
一方、本実施の形態では、テーブル部70A、70Bの入れ替え時に、検出光B、Bが貫通孔部81aを通過するか否かで、テーブル部70A、70Bが所定の位置・姿勢であるかを個別に確認できるので、テーブル部70A、70BとX粗動ステージ63A、63B(の固定子74)との接続(結合)を円滑且つ迅速に実施することも可能になる。
【0081】
なお、上記実施の形態では、ロック機構90によりテーブル部70A、70Bをステージ定盤44上にロックする構成としたが、これに限られるものではなく、例えばテーブル部70A、70Bをステージ定盤44上に浮上させているエアベアリング71に対するエアの供給を停止して、テーブル70A、70Bをステージ定盤44上の所定位置に載置する構成としてもよい。また、上記実施の形態では、ショックアブソーバを接触部材101A、101Bに設ける構成として説明したが、規制部材103A、103B、104A、104Bに設ける構成としてもよい。
【0082】
また、上記実施の形態では、Yリニアモータ65A、65Bで固定子58を共用する構成としたが、個別に固定子を設ける構成としても差し支えない。
さらに、上記実施の形態では、ウエハステージWST1、WST2(テーブル部70A、70B)が共通のステージ定盤44により移動可能に支持される構成としたが、それぞれ個別の定盤に支持される2枚定盤形式を採用することも可能である。
また、上記実施の形態では、本発明のステージ装置をウエハステージに適用する構成としたが、レチクルステージRSTに適用することも可能である。
【0083】
なお、上記実施形態では、照明ユニットILUがハウジング20を有し、レチクルステージRSTがレチクルチャンバ22に収納され、ステージ装置12がチャンバ42内に設置され、これらハウジング14、チャンバ22、チャンバ42及び投影光学系PLの鏡筒内にヘリウムガス等の不活性ガスがそれぞれ充填されている場合について説明したが、これに限らず、露光装置の構成各部の全体が単一のチャンバ内に収納されていても構わない。
【0084】
また、上記実施形態では、一方のウエハステージ上で1枚のレチクルのパターンを用いて露光を行っている間に、他方のウエハステージ上でウエハ交換、アライメント等を行う場合について説明したが、これに限らず、例えば特開平10−214783号に開示されるように、2枚のレチクルを搭載可能なレチクルステージを用いて、一方のウエハステージ上で2枚のレチクルのパターンを用いて二重露光を行っている間に、他方のウエハステージ上でウエハ交換、アライメント等を並行して行うようにしても良い。このようにすると、同時並行処理によりスループットをあまり低下させることなく、二重露光により高解像度とDOF(焦点深度)の向上効果とを得ることができる。
【0085】
なお、上記実施形態では、本発明に係るステージ装置が、スキャニング・ステッパに適用された場合について例示したが、本発明の適用範囲がこれに限定されるものではなく、本発明に係るステージ装置は、マスクと基板とを静止した状態で露光を行うステッパ等の静止型の露光装置にも好適に適用できるものである。このような場合であっても、ステージ装置により、基板を保持する基板ステージの位置制御性を向上することができるので、ステージに保持された基板の位置決め精度の向上及び位置決め整定時間の短縮化が可能となり、これにより露光精度及びスループットの向上が可能となる。
【0086】
また、本発明に係るステージ装置は、投影光学系を用いることなくマスクと基板とを密接させてマスクのパターンを基板に転写するプロキシミティ露光装置にも好適に適用できる。
【0087】
勿論、本発明は、半導体素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、液晶表示素子、プラズマディスプレイなどを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気へッドの製造に用いられる、デバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)の製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。
【0088】
また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV(Extreme Ultraviolet)露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、EUV露光装置では反射型マスクが用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
【0089】
さらに、本発明に係るステージ装置は、露光装置に限らず、その他の基板の処理装置(例えば、レーザリペア装置、基板検査装置その他)、あるいはその他の精密機械における試料の位置決め装置にも広く適用できる。
【0090】
投影光学系PLとしては、光源としてArFエキシマレーザ光源あるいはKrFエキシマレーザ光源を用いる場合には、屈折光学素子(レンズ素子)のみから成る屈折系が主として用いられるが、F2レーザ光源、Ar2レーザ光源等を用いる場合には、例えば特開平3−282527号公報に開示されているような、屈折光学素子と反射光学素子(凹面鏡やビームスプリッタ等)とを組み合わせたいわゆるカタディオプトリック系(反射屈折系)、あるいは反射光学素子のみから成る反射光学系が主として用いられる。但し、F2レーザ光源を用いる場合に、屈折系を用いることは可能である。
【0091】
また、上記実施形態では、投影光学系として縮小系を用いる場合について説明したが、投影光学系は等倍系および拡大系のいずれでも良い。さらに、反射屈折型の投影光学系としては、前述したものに限らず、例えば円形イメージフィールドを有し、かつ物体面側、及び像面側が共にテレセントリックであるとともに、その投影倍率が1/4倍又は1/5倍となる縮小系を用いても良い。また、この反射屈折型の投影光学系を備えた走査型露光装置の場合、照明光の照射領域が投影光学系の視野内でその光軸をほぼ中心とし、かつレチクル又はウエハの走査方向とほぼ直交する方向に沿つて延びる矩形スリット状に規定されるタイプであっても良い。かかる反射屈折型の投影光学系を備えた走査型露光装置によれば、例えば波長157nmのF2レーザ光を露光用照明光として用いても100nmL/Sパターン程度の微細パターンをウエハ上に高精度に転写することが可能である。
【0092】
また、本発明に係る露光装置における露光用光学系としては、投影光学系に限らず、X線光学系、電子光学系等の荷電粒子線光学系を用いることもできる。例えば、電子光学系を用いる場合には、光学系は電子レンズ及び偏向器を含んで構成することができ、電子銃として、熱電子放射型のランタンへキサボライト(LaB6)、夕ンタル(Ta)を用いることができる。なお、電子線が通過する光路は真空状態にすることはいうまでもない。
【0093】
更に、電子光学系を用いる露光装置に本発明を適用する場合、マスクを用いる構成としても良いし、マスクを用いずに電子線による直接描画により基板上にパターンを形成する構成としても良い。すなわち、本発明は、露光用光学系として電子光学系を用いる電子ビーム露光装置であれば、ペンシルビーム方式、可変成形ビーム方式、セルプロジェクション方式、ブランキング・アパーチャ方式、及びEBPSのいずれのタイプであっても、適用が可能である。
【0094】
また、本発明に係る露光装置では、露光用照明光として、前述した遠紫外域、真空紫外域の光に限らず、波長5〜30nm程度の軟X線領域のEUV光を用いても良い。また、例えば真空紫外光としては、ArFエキシマレーザ光やF2レーザ光などが用いられるが、これに限らず、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
【0095】
例えば、単一波長レーザの発振波長を1.51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が189〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発生波長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が出力される。特に発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内とすると、発生波長が193〜194nmの範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザ光とほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内とすると、発生波長が157〜158nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2レ−ザ光とほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
【0096】
また、発振波長を1.03〜1.12μmの範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.099〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が157〜158μmの範囲内の7倍高調波、即ちF2レーザ光とほぼ同一波長となる紫外光が得られる。この場合、単一波長発振レーザとしては例えばイットリビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いることができる。
【0097】
上記実施形態のように基板ステージやレチクルステージにリニアモータを用いる場合においてエアベアリングを用いたエア浮上型に限られず、ローレンツ力を用いた磁気浮上型を用いてもよい。また、各ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0098】
基板ステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。また、レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
【0099】
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0100】
半導体デバイスは、図21に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、移動装置の暴走等、不測の事態が生じた場合でも、構成機器に衝突することを防止して安全性を高めることができ、これら機器の損傷に伴う多大なコストアップや、生産計画に悪影響を及ぼす事態を回避できる。また、本発明では、ステージの接続・交換を円滑且つ迅速に実施することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る露光装置の概略構成図である。
【図2】ステージ装置の概略平面図である。
【図3】(a)は、ウエハステージの平面図であり、(b)は正面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】レチクルステージ、2つのウエハステージ、投影光学系及びアライメント系の位置関係を示す斜視図である。
【図6】テーブル部をロックするロック機構を示す図である。
【図7】ウエハステージとチューブキャリアとの位置関係を示す図である。
【図8】露光装置の制御系の主要構成を示す図である。
【図9】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図10】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図11】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図12】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図13】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図14】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図15】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図16】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図17】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図18】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図19】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図20】(a)、(b)はチューブキャリアの動作を説明する図である。
【図21】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
R レチクル(マスク)
W ウエハ(基板)
RST レチクルステージ(マスクステージ)
WST1 ウエハステージ(第1ステージ、ステージ)
WST2 ウエハステージ(第2ステージ、ステージ)
CONT 制御装置
10 露光装置
12 ステージ装置(基板ステージ)
62A 可動子(第1可動子)
62B 可動子(第2可動子)
63A X粗動ステージ(第1移動体)
63B X粗動ステージ(第2移動体)
65A Yリニアモータ(第1移動装置、移動装置)
65B Yリニアモータ(第2移動装置、移動装置)
67A Xリニアモータ(第3移動装置)
67B Xリニアモータ(第4移動装置)
70A、70B テーブル部
79 照射装置
80 受光装置
81a 貫通孔部
101A、101B 接触部材
102A、102B ショックアブソーバ(衝撃吸収装置)
103A、103B、104A、104B 規制部材(規制装置)
108A、108B アクチュエータ(退避装置)
109A、109B 固定装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステージ装置及び露光装置に係り、更に詳しくは、複数のステージを備えたステージ装置及び該ステージ装置を備えた露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体素子(集積回路)又は液晶表示素子等をリソグラフィ工程で製造する場合に、種々の露光装置が用いられている。近年では、半導体素子の高集積化に伴い、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパなどの逐次移動型の投影露光装置が、主流となっている。
【0003】
この種の投影露光装置は、主として半導体素子等の量産機として使用されるものであることから、一定時間内にどれだけの枚数のウエハを露光処理できるかという処理能力、すなわちスループットを向上させることが必然的に要請される。
【0004】
この種の投影露光装置では、ウエハ交換→アライメント(サーチアライメント,ファインアライメント)→露光→ウエハ交換……のように、大きく3つの動作が1つのウエハステージを用いて繰り返し行なわれている。従って、前述した3つの動作、すなわちウエハ交換、アライメント、及び露光動作の内の複数動作同士を部分的にでも同時並行的に処理できれば、これらの動作をシーケンシャルに行なう場合に比べて、スループットを向上させることができる。しかるに、ウエハ交換とアライメン卜中には露光は行われず、工程時間の短縮つまりスループッ卜の向上のためには、例えばウエハ交換とアライメン卜をするステージと露光をするステージとを同時に独立して制御する方法が考えられる。
【0005】
これに関して、例えば特許文献1には、X軸方向に延びるX駆動リニアモータの固定子の両端に一対のY駆動リニアモータの可動子を設け、このY駆動リニアモータの駆動力によって、X駆動リニアモータをY軸方向に駆動する駆動機構を1組み対称に配置し、それぞれの駆動機構を構成するX駆動リニアモータの可動子のステージ対向面側にステージ(物体保持器)に連結可能なリジッドな接続機構(連結機構)をそれぞれ設けて、2つのステージをそれぞれ接続機構により各駆動機構に連結して、2つのステージを独立してXY2次元方向に並行して駆動するステージ装置が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
国際公開第98/40791号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
2つのステージが独立して移動可能な構成であるため、ステージ移動時に何らかのトラブルによりステージが他のステージやリニアモータの固定子等と干渉(衝突)して損傷する可能性がある。精密機器からなるステージやリニアモータ等の損傷は、多大なコストアップを招くばかりでなく、露光装置を用いた生産計画にも重大な影響を与える虞がある。
通常、ステージの移動は、レーザ干渉計等の計測機器による位置計測結果に基づいて厳密に制御されているが、リニアモータの暴走等、ステージ装置を構成する機器に不測の事態が生じた場合を想定すると、安全性が十分に確保されているとは言えなかった。
【0008】
また、上記の従来技術では、ステージを交換して駆動機構に接続する際に、ステージの位置や姿勢にずれが生じている可能性があり、この場合、交換時に駆動機構との接続を円滑に実施することができない。そのため、交換前にステージの位置情報を迅速に検出する必要がある。
【0009】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、複数のステージを独立して移動させる際に不測の事態が生じた場合であっても、構成機器の安全性を高めることができるステージ装置及び露光装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の別の目的は、ステージを交換する際に迅速にステージの位置情報を検出できるステージ装置及び露光装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図20に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のステージ装置は、第1ステージ(WST1)に接続された第1可動子(62A)を備え第1ステージ(WST1)を第1方向(Y軸方向)へ移動させる第1移動装置(65A)と、第2ステージ(WST2)に接続された第2可動子(62B)を備え第2ステージ(WST2)を第1方向へ移動させる第2移動装置(65B)と、を備えるステージ装置(12)であって、第1方向に沿って複数設けられ、第1ステージ(WST1)と第2ステージ(WST2)との少なくとも一方の移動を規制する規制装置(103A、103B、104A、104B)と、複数の規制装置のうち少なくとも一つの規制装置(104A、104B)を第1方向とは異なる第2方向(X軸方向)に退避させる退避装置(108A、108B)と、を備えることを特徴とするものである。
【0012】
従って、本発明のステージ装置では、規制装置(104A、104B)を第2方向(X軸方向)に退避させることにより、第1ステージ(WST1)又は第2ステージ(WST2)をそれぞれ移動させることができる一方、規制装置(104A、104B)により第1ステージ(WST1)又は第2ステージ(WST2)の第1方向への移動を規制することができる。そのため、規制装置(104A、104B)を第1ステージ(WST1)及び第2ステージ(WST2)のそれぞれに対して設置することで、ステージ移動を規制している間に不測の事態が生じても、第1ステージ(WST1)又は第2ステージ(WST2)が他の構成機器に衝突して損傷することを防止でき、ステージ装置の安全性を高めることが可能になる。
【0013】
また、本発明のステージ装置は、第1方向に移動可能なステージ(WST1、WST2)と、ステージ(WST1、WST2)を第1方向に移動させる移動装置(65A、65B)と、第1方向に沿って検出光(B)を照射する照射装置(79)と、第1方向に沿ってステージ(WST1、WST2)に設けられた貫通孔部(81a)と、検出光(B)が貫通孔部(81a)を通過したときに検出光(B)を受光する受光装置(80)とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】
従って、本発明のステージ装置では、ステージ(WST1、WST2)が所定の位置、姿勢にあるときに貫通孔部(81a)が第1方向に沿うため、貫通孔部(81a)を通過した検出光(B)を受光することができる。そのため、ステージを交換する前に検出光(B)を受光可能か否かを検知することにより、ステージ(WST1、WST2)の位置・姿勢等の位置情報を迅速、且つ容易に検出することができ、移動装置(65A、65B)に対するステージの交換作業を円滑に実施することができる。
【0015】
そして、本発明の露光装置は、マスクステージ(RST)に保持されたマスク(R)のパターンを基板ステージ(12)に保持された基板(W1、W2)に露光する露光装置(10)であって、マスクステージ(RST)と基板ステージ(12)との少なくとも一方のステージとして、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のステージ装置が用いられることを特徴とするものである。
【0016】
従って、本発明の露光装置では、マスク(R)又は基板(W1、W2)を複数用いて露光に関する処理を実施する際に不測の事態が生じても、マスクステージ(RST)又は基板ステージ(12)が他の構成機器に衝突して損傷することを防止でき、露光装置(10)の安全性を高めることが可能になるとともに、マスクステージ(RST)又は基板ステージ(12)の位置・姿勢等の位置情報を迅速、且つ容易に検出することができ、マスクステージ(RST)又は基板ステージ(12)の交換作業を円滑に実施することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のステージ装置及び露光装置の実施の形態を、図1ないし図21を参照して説明する。
ここでは、例えば露光装置として、レチクルとウエハとを同期移動しつつ、レチクルに形成された半導体デバイスの回路パターンをウエハ上に転写する、スキャニング・ステッパを使用する場合の例を用いて説明する。また、この露光装置においては、本発明のステージ装置をウエハステージに適用するものとして説明する。
【0018】
図1には、一実施形態に係る露光装置10の概略構成が示されている。
この露光装置10は、不図示の光源及び照明ユニットILUを含み、露光用照明光によりマスクとしてのレチクルRを上方から照明する照明系、レチクルRを主として所定の走査方向、ここでは第1方向としてのY軸方向(図1における紙面左右方向)に駆動するレチクル駆動系、レチクルRの下方に配置された投影光学系PL、投影光学系PLの下方に配置され、基板としてのウエハW1、W2をそれぞれ保持して独立してXY2次元面内で移動する第1、第2のステージとしてのウエハステージWST1、WST2を含むステージ装置12、投影光学系PLの+Y側に配置されたアライメント光学系ALG等を備えている。この内、不図示の光源を除く上記各部は、超クリーンルームの床面上に設置され、温度、湿度等が精度良く管理された環境制御チャンバ(以下、「チャンバ」という)14内に収納されている。
【0019】
なお、投影光学系PLの光軸AXは、ステージ定盤44の−Y側の位置に配置され、アライメント光学系ALGの光軸SXはステージ定盤44の+Y側の位置に配置される。従って、ステージ定盤44の−Y側が露光エリアとされ、このエリアに位置するウエハステージに対して露光処理が行われ、ステージ定盤44の+Y側がアライメントエリアとされ、このエリアに位置するウエハステージに対してアライメントが行われる。
【0020】
ステージ装置12は、図1に示されるように、内部にウエハ室40を形成するチャンバ42の内部に設置されている。このチャンバ42の上壁には、投影光学系PLの鏡筒の下端部近傍が隙間無く接合されている。
ステージ装置12は、ウエハ室40内に収納されたステージ定盤44、このステージ定盤44の上方に非接触ベアリングである不図示の真空予圧型気体静圧軸受け装置を介して浮上支持され、Y軸方向(図1における紙面内左右方向)及びX軸方向(図1における紙面直交方向)に独立して2次元移動可能な2つのウエハステージWST1,WST2、これらのウエハステージWST1,WST2を駆動するステージ駆動系、ウエハステージWST1,WST2の位置を計測するウエハ干渉計システム、及びウエハステージWST1,WST2の移動を規制する規制装置等から主に構成される。
【0021】
なお、前記ウエハ室40内には、空気(酸素)の含有濃度が数ppm程度とされたクリーンなヘリウムガス(He)あるいは乾燥窒素ガス(N2)が充填されている。また、このウエハ室40を形成するチャンバ42の−X側(図1における紙面手前側)の+Y側半部(図1における右半部)の位置には、ウエハをロード・アンロードする不図示のウエハローダが設けられている。
【0022】
図2には、チャンバ42内に収納されたステージ装置12の概略平面図が示されている。この図2及び図1に示されるように、ステージ装置12は、チャンバ42の内部底面に水平に設置されたベースプレートBPと、該ベースプレートBP上に不図示の防振ユニットを介して3点あるいは4点でベースプレートBPに対して平行に支持されたステージ定盤44と、ステージ定盤44のX軸方向両側外側にそれぞれY軸方向に沿って配置された固定子58、58と、Xガイドステージ61Aを介してウエハステージWST1に接続され固定子58、58に沿って移動することでウエハステージWST1をY軸方向へ移動させる可動子(第1可動子)62A、62Aと、Xガイドステージ61Bを介してウエハステージWST2に接続され固定子58、58に沿って移動することでウエハステージWST2をY軸方向へ移動させる可動子(第2可動子)62B、62Bと、可動子62A、62A間にX方向に沿って架設された上記Xガイドステージ61Aと、可動子62B、62B間にX方向に沿って架設された上記Xガイドステージ61Bと、ウエハステージWST1に接続されXガイドステージ61Aに沿って移動するX粗動ステージ63A、ウエハステージWST2に接続されXガイドステージ61Bに沿って移動するX粗動ステージ63Bとを備えている。
【0023】
固定子58と可動子62Aとにより、Yリニアモータ(第1移動装置)65Aが構成されており、可動子62Aが固定子58との間の電磁気的相互作用により駆動することでウエハステージWST1がY軸方向に移動する。同様に、固定子58と可動子62Bとにより、Yリニアモータ(第2移動装置)65Bが構成されており、可動子62Bが固定子58との間の電磁気的相互作用により駆動することでウエハステージWST2がY軸方向に移動する。
すなわち、本実施の形態では、Yリニアモータ65A、65Bにおいて固定子58を共用する構成となっている。
【0024】
また、Xガイドステージ61A、61Bには、それぞれX方向に沿って固定子87A、87B(図2では不図示、図8参照)が埋設され、X粗動ステージ63A、63Bのそれぞれには各固定子87A、87Bに沿って移動する可動子88A、88B(図2では不図示、図8参照)が設けられている。これらXガイドステージ61A、61Bに設けられた固定子87A、87Bと、X粗動ステージ63A、63Bに設けられた可動子88A、88Bとにより、Xリニアモータ(第3移動装置)67A及びXリニアモータ(第4移動装置)67Bが構成され、可動子が固定子との間の電磁気的相互作用により駆動することでウエハステージWST1、WST2がそれぞれX軸方向(第3方向)に移動する。なお、Xガイドステージ61A、61B(固定子87A、87B)には、それぞれエンコーダスケールが形成されており、X粗動ステージ63A、63B(可動子88A、88B)には各エンコーダスケールを計測するエンコーダヘッド89A、89B(図2では不図示、図8参照)が設けられ、X粗動ステージ63A、63BとXガイドステージ61A、61Bとの相対位置関係を検出可能となっており、検出した結果は制御装置CONT(図8参照)に出力される。
【0025】
図3(a)は、ウエハステージWST1(WST2)の平面図であり、図3(b)は正面図である。
なお、ウエハステージWST1、WST2の構成は同様であるので、以下においてはウエハステージWST1についてのみ説明し、ウエハステージWST2については図において符号(主に添字Bを付記)のみ記載する。
【0026】
図3に示すように、ウエハステージWST1は、上述のX粗動ステージ63Aと、このX粗動ステージ63Aに対して交換自在に設けられるテーブル部70Aとから構成されている。粗動ステージ63Aの底面には非接触ベアリングである真空予圧型の複数のエアベアリング72が設けられており、エアベアリング72の軸受け面から吹き出される加圧気体(例えばヘリウム、あるいは窒素ガスなど)の静圧と、粗動ステージ63A全体の自重と真空吸引力とのバランスにより、粗動ステージ63Aがステージ定盤44の上面である移動面の上方に数ミクロン程度のクリアランスを介して非接触で支持されるようになっている。この固定子74としては、多数の偏平型の電機子コイルが配置された電機子ユニットが用いられている。
【0027】
テーブル部70Aは、ウエハ(基板)Wを保持するウエハテーブルWTと、該ウエハテーブルWTを、Z・チルト駆動機構を介して支持する微動ステージ100とを備えている。Z・チルト駆動機構は、例えば微動ステージ100にほぼ正三角形の頂点の位置に配置されたボイスコイルモータの固定子と、これらの固定子に対応してウエハテーブルWTの底面に配置された3つのボイスコイルモータの可動子とから構成され、これら3つのボイスコイルモータによって、ウエハテーブルWTをZ軸方向、θx方向(X軸回りの回転方向)、及びθy方向(X軸回りの回転方向)の3自由度方向について微少駆動することができる。
【0028】
微動ステージ100の底面には非接触ベアリングである真空予圧型の複数のエアベアリング71が設けられており、エアベアリング71の軸受け面から吹き出される加圧気体(例えばヘリウム、あるいは窒素ガスなど)の静圧と、テーブル部70A全体の自重と真空吸引力とのバランスにより、テーブル部70Aがステージ定盤44の上面である移動面の上方に数ミクロン程度のクリアランスを介して非接触で支持されるようになっている。
【0029】
ウエハテーブルWTの上面には、X軸方向の一端にY軸方向に延びるX移動鏡73Xが設けられ、Y軸方向の一端(−Y側の端部)には、X軸方向に延びるY移動鏡73Yが設けられている。また、ウエハテーブルWTの上面には、不図示のウエハホルダを介してウエハWが静電吸着又は真空吸着により固定されている。さらに、ウエハテーブルWTの上面には、その表面がウエハWの高さとほぼ同一高さに設定された基準マーク板FMが固定されている。この基準マーク板FMには、後述する各種基準マークが形成されている。この基準マーク板FMは、例えばウエハステージWST1の基準位置を検出する際に用いられる。
【0030】
微動ステージ100のY軸方向両側には、Z方向に間隔をあけて対向する磁石75a、75a及び75b、75bが互いにZ方向の位置が同一で配置されている。これら磁石75a、75a間の隙間及び磁石75b、75b間の隙間は、Z方向の位置が上記固定子74と同一に設定され、且つ固定子74に対向する側が開口し、Y方向に関して対称(図3(b)では左右対称)となっている。そして、磁石75a、75bを備えた微動ステージ100は、可動子として固定子74とともにXリニアモータ76Aを構成し、固定子74との間の電磁気的相互作用により駆動することでX軸方向に微少移動する。なお、図示していないものの、微動ステージ100は、ボイスコイルモータ等の駆動装置により、X軸方向に関して所定の移動範囲内でのみ移動可能に拘束され、且つY軸方向に関しては、X粗動ステージ63Aに対して離間する方向には拘束されない状態で移動する構成となっている。すなわち、微動ステージ100は、X粗動ステージ63Aに対して少なくともX方向及びY方向について微少移動するとともに、Y方向のX粗動ステージ63Aから離間する方向に移動することで当該X粗動ステージ63Aから離脱し、逆に接近する方向に移動することでX粗動ステージ63Aに接続する構成となっている。これらX粗動ステージ63Aとテーブル部70Aとが接続された際の位置は、フォトセンサ116(図3では不図示、図8参照)により検出される。
【0031】
また、微動ステージ100にはY軸方向両端部に位置して、Y軸方向の位置指標となるエンコーダスケール77aと、XYの2次元の位置指標となるエンコーダスケール77bとがそれぞれ対で設けられている。そして、X粗動ステージ63Aには、各エンコーダスケール77a、77bに対向する位置にエンコーダヘッド78a、78bが突設されている。これら各エンコーダヘッド78a、78bによりエンコーダスケール77a、77bを計測することにより、X粗動ステージ63Aと微動ステージ100との相対位置関係を検出可能となっており、検出した結果は制御装置CONT(図8参照)に出力される。
【0032】
さらに、このステージ装置12には、微動ステージ100(テーブル部70A)をX粗動ステージ63Aに接続する際に、ステージ座標系に対する微動ステージ100の位置・姿勢を計測するための計測装置が設けられている。この計測装置は、図2に示すように、ステージ定盤44のY軸方向一端側(−Y側)に所定間隔をもって配置されY軸方向に沿ってそれぞれ平行な一対の検出光B、Bを照射する照射装置79、79と、ステージ定盤44のY軸方向他端側(+Y側)に照射装置79、79と対向して設けられ、照射された検出光B、Bを受光する受光装置80、80と、図4に示すように、微動ステージ100にY軸方向に沿って設けられ、微動ステージ100が後述する交換時において所定の位置・姿勢にあるときに検出光B、Bを通過させる位置に配置された貫通孔部81a、81aを有する筒体81、81(図3(b)及び図4参照)とから構成されており、受光装置80による受光状態は制御装置CONT(図8参照)によりモニタされている。
【0033】
また、ウエハステージWST1(及びWST2)には、X粗動ステージ63Aと微動ステージ100(テーブル部70A)との相対移動を所定範囲に解除自在に制限する制限機構が設けられている。この制限機構は、微動ステージ100のX軸方向両端側からY軸方向両側にそれぞれ突出する軸体82に吊設された円板状の金物83と、X粗動ステージ63Aに金物83と対向して配置され、制御装置CONTの制御により倒立自在な係合部材84とから構成される。係合部材84は、図3(a)に示すように、金物83の直径よりも僅かに大きな幅で、且つX軸方向を長手方向とする長円状の開口部84aを有しており、図3(b)に実線で示すように、微動ステージ100に向けて起きあがった際には金物83に係合して金物83が開口部84a内で移動可能な範囲で微動ステージ100の移動を制限し、倒れて微動ステージ100から離間した際には金物83に対する係合を解除する構成になっている。
【0034】
なお、微動ステージ100のX軸方向両側には、テーブル部70Aの交換時(後述)に移動を拘束する際に用いられる孔部85、85を有するブラケット86、86が突設されている。
【0035】
露光エリアに位置するウエハステージのY軸方向の位置は、ステージ定盤44の+Y側端部に設けられ移動鏡73Yに対してレーザ光を照射するレーザ干渉計32(図1、2及び5参照)により計測され、X軸方向の位置はステージ定盤44の−X側端部に設けられ移動鏡73Xに対してレーザ光を照射するレーザ干渉計33(図1乃至図3では不図示、図8参照)により計測され、その結果が制御装置CONTに出力される。また、アライメントエリアに位置するウエハステージのY軸方向の位置は、ステージ定盤44の略中央に吊設され(図1参照)移動鏡73Yに対してレーザ光を照射するレーザ干渉計34(図1乃至図3参照)により計測され、X軸方向の位置はステージ定盤44の−X側端部に設けられ移動鏡73Xに対してレーザ光を照射するレーザ干渉計35(図1乃至図3では不図示、図8参照)により計測され、その結果が制御装置CONTに出力される。
【0036】
レーザ干渉計34のボディには、図6に示すように、X軸方向の両側にテーブル部70A、70B(微動ステージ100)をロック(保持)するロック機構90が設けられている。ロック機構90は、Z軸方向に沿って配置された軸部材90aと、制御装置CONTの制御下でこの軸部材90aをZ軸方向に駆動する、例えば電磁ソレノイド式のアクチュエータ90bとから構成される。各側において軸部材90aは、テーブル部70A、70B(微動ステージ100)に設けられたブラケット86の二つの孔部85、85と同じピッチで配置され、下降したときに孔部85、85に嵌合してテーブル部70A、70Bを後述する交換位置に位置決め(固定)する。
【0037】
次に、ウエハステージWST1、WST2の移動を規制する規制装置と、ウエハステージWST1、WST2の安全を検出・監視する装置について説明する。
図2に示すように、Yリニアモータ65A、65Bの各可動子62A、62Bの外側(ステージ定盤44と逆側)には、接触部材101A、101Bがそれぞれ設けられている。なお、以下の説明においては、便宜上、一方の可動子(例えば62A)が他方の可動子(例えば62B)に向く方向を前進方向(前方)、逆の方向を後退方向(後方)と称する。
【0038】
接触部材101A、101Bは、可動子62A、62Bに突設された支持板106A、106Bと、支持板106A、106Bの前方側に設けられたショックアブソーバ102A、102Bと、ショックアブソーバ102A、102BにY軸方向に移動自在に保持された突起部材107A、107Bとから構成される。ショックアブソーバ102A、102Bはスプリング及びオイルダンパを内蔵しており、突起部材107A、107Bを前進状態で支持するとともに、突起部材107A、107Bに力が加わった際には後退させて衝撃を吸収する構成となっている。
【0039】
そして、可動子62A、62B(すなわちウエハステージWST1、WST2)のY軸方向の移動に伴う接触部材101A、101Bの移動経路上の所定位置には、可動子62A、62Bの移動を規制する規制部材(規制装置)103A、103B及び104A、104Bがそれぞれ配設されている。規制部材103Aは、可動子62Aが前進して突起部材107Aがショックアブソーバ102Aに対して後退した状態で接触した際にも、当該可動子62Aに接続されたウエハステージ(図2ではWST1)がXガイドステージ61Bに接触しない位置に固定配置されている。同様に、規制部材103Bは、可動子62Bが前進して突起部材107Bがショックアブソーバ102Bに対して後退した状態で接触した際にも、当該可動子62Bに接続されたウエハステージ(図2ではWST2)がXガイドステージ61Aに接触しない位置に固定配置されている。
【0040】
なお、規制部材103A、103Bの近傍には、可動子62A、62Bの移動により検出光が遮光されたときに、テーブル部70A、70Bの交換位置に可動子62A、62Bが到達したことを検出する光電センサ105が設置されており、その検出結果は制御装置CONTに出力される。
【0041】
規制部材104Aは、可動子62Aが前進して突起部材107Aがショックアブソーバ102Aに対して後退した状態で接触した際にも、当該可動子62Aに接続されレーザ干渉計34とY軸方向で対向状態にあるウエハステージ(図2ではWST1)がレーザ干渉計34に接触せず(図9参照)、且つテーブル部70A(又は70B)の交換時に支持板106Aの後方側で可動子62Aの後方移動を規制する(図12参照)位置に配置されている。同様に、規制部材104Bは、可動子62Bが前進して、突起部材107Bがショックアブソーバ102Bに対して後退した状態で接触した際にも、当該可動子62Bに接続されレーザ干渉計34とY軸方向で対向状態にあるウエハステージ(図2ではWST2)がレーザ干渉計34に接触せず(図9参照)、且つテーブル部70B(又は70A)の交換時に支持板106Bの後方側で可動子62Bの後方移動を規制する(図12参照)位置に配置されている。これら規制部材104A、104Bは、制御装置CONTの制御下で、例えば電磁ソレノイド式のアクチュエータ(退避装置)108A、108Bの駆動により第2方向であるX軸方向に移動して、接触部材101A、101Bの移動経路から退避する構成となっている。
【0042】
また、規制部材104A、104Bが接触部材101A、101Bの移動経路上に位置するときに、接触部材101A、101Bが規制部材104A、104Bよりも後方側に退避する安全位置にあることを可動子62A、62Bの位置により検出する光電センサ112A、112Bが配置されている。この安全位置は、X粗動ステージ63A、63Bがテーブル部70A、70Bと離脱して、テーブル部70A、70Bが交換位置にあるときにX粗動ステージ63A、63BがX軸方向に移動した際にもテーブル部70A、70Bと干渉しない位置に設定されている。これら光電センサ112A、112Bの検出結果は制御装置CONTに出力される(図8参照)。
【0043】
また、各可動子62A、62Bには、当該可動子62A、62BにX粗動ステージ63A、63Bを一体的に固定するための固定装置109A、109Bと、これら可動子62A、62BとX粗動ステージ63A、63Bとの固定位置を検出するフォトセンサ110A、110Bとがそれぞれ設けられている。固定装置109A、109Bは、例えば電磁ソレノイド式のアクチュエータ111a(図8参照)から構成されており、ロック機構90と同様に、図示しない軸部材がX粗動ステージ63A、63Bに形成された凹部(孔部等)に嵌合することで、X粗動ステージ63A、63Bを可動子62A、62Bにそれぞれ固定する。固定装置109A、109Bのアクチュエータ111aの駆動は制御装置CONTにより制御され、またフォトセンサ110A、110Bの検出結果は、制御装置CONTに出力される(図8参照)。
【0044】
また、ステージ定盤44の下部には、図7に示すように、Y方向に延設された固定子113A、113Bと、固定子113A、113Bに沿ってそれぞれ移動する可動子としてのチューブキャリア114A、114Bとからなるリニアモータが設けられている。なお、図7においては、理解を容易にするためにステージ装置12の構成部材(ステージ定盤44、ウエハステージWST1、WST2等)を簡略化及び省略して図示してある。チューブキャリア114A、114Bは、ウエハステージWST1、WST2(テーブル部70A、70B)に接続されるエア配管、電気(信号)配線等の用力供給用のチューブ(ケーブル)115A、115Bをそれぞれ中継、支持するものであって、制御装置CONTから出力されたウエハステージWST1、WST2の位置に基づいて、エンコーダ(不図示)を用いてウエハステージWST1、WST2と同期移動する構成となっている。
【0045】
図1に戻り、前記光源としては、ここではF2レーザ光源(出力波長157nm)あるいはArFエキシマレーザ光源(出力波長193nm)などの、真空紫外域のパルス紫外光を出力するパルスレーザ光源が用いられている。この光源は、チャンバ14が設置される超クリーンルームとは別のクリーン度が低いサービスルーム、あるいはクリーンルーム床下のユーティリティスペースなどに設置され、不図示の引き回し光学系を介してチャンバ14内の照明ユニットILUに接続されている。光源は、そのパルス発光の繰り返し周波数(発振周波数)やパルスエネルギなどが、制御装置CONTの管理下にあるレーザ制御装置18(図1では図示せず、図8参照)によって制御されるようになっている。
【0046】
前記照明ユニットILUは、内部を外気に対して気密状態にする照明系ハウジング20と、この照明系ハウジング20内に所定の位置関係で収納された、2次光源形成光学系、ビームスプリッタ、集光レンズ系、レチクルブラインド、及び結像レンズ系(いずれも図示省略)等から成る照明光学系とによって構成され、レチクルR上の矩形(あるいは円弧状)の照明領域IAR(図5参照)を均一な照度で照明する。照明光学系としては、例えば特開平9−320956号公報などに開示されるものと同様の構成のものが用いられている。照明系ハウジング20内には、空気(酸素)の含有濃度が数ppm未満とされたクリーンなヘリウムガス(He)あるいは乾燥窒素ガス(N2)などが充填されている。
【0047】
前記レチクル駆動系は、図1に示されるレチクルチャンバ22内に収容されている。レチクルチャンバ22と照明系ハウジング20との接続部分には、ホタル石などから成る光透過窓が形成されている。レチクルチャンバ22内には、空気(酸素)の含有濃度が数ppm程度とされたクリーンなヘリウムガス(He)あるいは乾燥窒素ガス(N2)などが充填されている。前記レチクル駆動系は、図1に示されるレチクルベース盤24上をレチクルRを保持してXY2次元面内で移動可能なレチクルステージ(マスクステージ)RSTと、このレチクルステージRSTを駆動する不図示のリニアモータ等を含む駆動部26(図1では図示せず、図8参照)と、このレチクルステージRSTの位置を管理するレチクル干渉計システム28とを備えている。
【0048】
これを更に詳述すると、レチクルステージRSTは、実際には、不図示の非接触ベアリング、例えば真空予圧型気体静圧軸受け装置を介してレチクルベース盤24上に浮上支持され、不図示のリニアモータによって、走査方向であるY軸方向に所定ストローク範囲で駆動されるレチクル粗動ステージと、該レチクル粗動ステージに対しボイスコイルモータ等からなる駆動機構によってX軸方向、Y軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)に微少駆動されるレチクル微動ステージとから構成される。このレチクル微動ステージ上に不図示の静電チャック又は真空チャックを介してレチクルRが吸着保持されている。上述のように、レチクルステージRSTは、実際には、2つのステージから構成されるが、以下においては、便宜上、レチクルステージRSTは、駆動部26によりX軸、Y軸方向の微小駆動、θz方向の微小回転、及びY軸方向の走査駆動がなされる単一のステージであるものとして説明する。なお、駆動部26は、リニアモータ、ボイスコイルモータ等を駆動源とする機構であるが、図8では図示の便宜上から単なるブロックとして示されている。
【0049】
レチクルステージRST上には、図5に示されるように、X軸方向の一側の端部に、レチクルステージRSTと同じ素材(例えばセラミック等)から成る移動鏡30がY軸方向に延設されており、この移動鏡30のX軸方向の一側の面には鏡面加工により反射面が形成されている。この移動鏡30の反射面に向けて干渉計システム28からの干渉計ビームが照射され、その干渉計ではその反射光を受光して基準面に対する相対変位を計測することにより、レチクルステージRSTの位置を計測している。ここで、この干渉計28は、実際には独立に計測可能な2本の干渉計光軸を有しており、レチクルステージRSTのX軸方向の位置計測と、ヨーイング量の計測が可能となっている。この干渉計28は、上述したウエハステージ側の干渉計32、34からのウエハステージWST1、WST2のヨーイング情報やY位置情報に基づいてレチクルとウエハの相対回転(回転誤差)をキャンセルする方向にレチクルステージRSTを回転制御したり、X方向同期制御(位置合わせ)を行なうために用いられる。
【0050】
一方、レチクルステージRSTの走査方向(スキャン方向)であるY軸方向の一側には、一対のコーナーキューブミラー36A、36Bが設置されている。そして、ダブルパス干渉計37から、これらのコーナーキューブミラー36A、36Bに対して干渉計ビームが照射され、レチクルベース盤24上に設けられた不図示の反射面にコーナーキューブミラー36A、36Bより戻され、そこで反射したそれぞれの反射光が同一光路を戻り、それぞれのダブルパス干渉計37で受光され、それぞれのコーナーキューブミラー36A、36Bの基準位置(レファレンス位置で前記レチクルベース盤24上の反射面)からの相対変位が計測される。そして、これらのダブルパス干渉計37の計測値が制御装置CONT(図1では図示せず、図8参照)に供給され、その平均値に基づいてレチクルステージRSTのY軸方向の位置が計測される。このY軸方向位置の情報は、ウエハ側の干渉計の計測値に基づくレチクルステージRSTとウエハステージWST1又はWST2との相対位置の算出、及びこれに基づく走査露光時の走査方向(Y軸方向)のレチクルRとウエハWの同期制御に用いられる。
【0051】
なお、レチクルRを構成するガラス基板の素材は、使用する光源によって使い分ける必要がある。例えば、光源としてF2レーザ光源等の真空紫外光源を用いる場合には、ホタル石やフッ化マグネシウム、フッ化リチウム等のフッ化物結晶、あるいは水酸基濃度が100ppm以下で、かつフッ素を含有する合成石英(フッ素ドープ石英)などを用いる必要があり、ArFエキシマレーザ光源あるいはKrFエキシマレーザ光源を用いる場合には、上記各物質の他、合成石英を用いることも可能である。
【0052】
図1に戻り、前記投影光学系PLは、その鏡筒の上端部近傍がレチクルチャンバ22に隙間無く接合されている。投影光学系PLとしては、ここでは、物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両方がテレセントリックで1/4(又は1/5)縮小倍率の縮小系が用いられている。このため、レチクルRに照明ユニットILUから照明光(紫外パルス光)が照射されると、レチクルR上の回路パターン領域のうちの紫外パルス光によって照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射し、その回路パターンの部分倒立像が紫外パルス光の各パルス照射の度に投影光学系PLの像面側の視野の中央にスリット状または矩形状(多角形)に制限されて結像される。これにより、投影された回路パターンの部分倒立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW上の複数のショット領域のうちの1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写される。
【0053】
前記投影光学系PLの光軸中心(レチクルパターン像の投影中心と一致)より+Y側に所定距離離れた位置にオフアクシス(off−axis)方式のアライメント光学系ALGが設置されている。このアライメント光学系ALGは、LSA(Laser Step Alignment)系、FIA( Filed Image Alignment)系、LIA(Laser Interferometric Alignment )系の3種類のアライメントセンサを有しており、基準マーク板上の基準マーク及びウエハ上のアライメントマークのX、Y2次元方向の位置計測を行なうことが可能である。
【0054】
ここで、LSA系は、レーザ光をマークに照射して、回折・散乱された光を利用してマーク位置を計測する最も汎用性のあるセンサであり、従来から幅広いプロセスウエハに使用される。FIA系は、ハロゲンランプ等のブロードバンド(広帯域)光でマークを照明し、このマーク画像を画像処理することによってマーク位置を計測するセンサであり、アルミ層やウエハ表面の非対称マークに有効に使用される。また、LIA系は、回折格子状のマークに周波数をわずかに変えたレーザ光を2方向から照射し、発生した2つの回折光を干渉させて、その位相からマークの位置情報を検出するセンサであり、低段差や表面荒れウエハに有効に使用される。本実施形態では、これら3種類のアライメントセンサを、適宜目的に応じて使い分け、ウエハ上の3点の一次元マークの位置を検出してウエハの概略位置計測を行なういわゆるサーチアライメントや、ウエハ上の各ショット領域の正確な位置計測を行なうファインアライメント等を行なうようになっている。
【0055】
さらに、本実施形態の露光装置10では、図1では図示が省略されているが、レチクルRの上方に、例えば特開平7−176468号公報等に開示される、投影光学系PLを介してレチクルR上のレチクルマーク(図示省略)と基準マーク板FM1、FM2(図5参照)上のマークとを同時に観察するための露光波長を用いたTTR(Through The Reticle )アライメント光学系から成る一対のレチクルアライメント顕微鏡138A、138B(図8参照)が設けられている。これらのレチクルアライメント顕微鏡138A、138Bの検出信号は、制御装置CONTに供給される。
【0056】
また、図1では図示が省略されているが、投影光学系PL、アライメント光学系ALGのそれぞれには、合焦位置を調べるためのオートフォーカス/オートレベリング計測機構(以下、「AF/AL系」という)がそれぞれ設けられている。このように、投影光学系PL及びアライメント光学系ALGのそれぞれに、オートフォーカス/オートレベリング計測機構を設けた露光装置の構成は、例えば特開平10−214783号公報に詳細に開示されており、公知であるから、ここではこれ以上の説明を省略する。従って、本実施形態では、上記特開平10−214783号公報に記載の露光装置と同様に、アライメント光学系ALGによるアライメントセンサの計測時に、露光時と同様のAF/AL系の計測、制御によるオートフォーカス/オートレベリングを実行しつつアライメントマークの位置計測を行なうことにより、高精度なアライメント計測が可能になる。換言すれば、露光時とアライメント時との間で、ステージの姿勢によるオフセット(誤差)が発生しなくなる。
【0057】
図8には、本実施形態に係る露光装置10の制御系の主要な構成が示されている。この制御系は、装置全体を統括的に制御する制御装置CONT及び、この制御装置CONTに計測結果を出力する各種計測機器及び、これらの計測結果に基づいて駆動される各種駆動装置から構成される。
なお、以下の説明では、制御装置CONTの制御により各種駆動装置が駆動される点については記載を省略する。
【0058】
続いて、本実施形態に係る露光装置10におけるステージ装置12の動作の中、テーブル部の入れ替え(交換)について図9乃至図20を参照して説明する。
なお、これらの図においては、各図を用いて説明する動作に関係のあるものについてのみ符号を付す。
【0059】
(露光処理中&アライメント処理中)
図9は、露光エリア(図中、左側)に位置するウエハステージWST1に対して露光処理が行われ、アライメントエリアに位置するウエハステージWST2に対してアライメント処理が行われる図である。
このとき、X粗動ステージ63A、63Bとテーブル部70A、70Bとは、図3に示した金物83と係合部材84とが係合することで、相対移動が制限された状態で一体的に移動する。また、アクチュエータ108A、108Bの駆動により規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上に位置させることで可動子62A、62Bの移動が規制されるため、Yリニアモータ65A、65Bが暴走してもウエハステージWST1、WST2がステージ定盤44の略中央に位置する干渉計34に接触することを防止できる。また、接触部材101A、101Bが規制部材104A、104Bに接触した場合でも、ショックアブソーバ102A、102Bにより突起部材107A、107Bに加わる衝撃を緩和することができる。
なお、ウエハステージWST2においては、アライメント処理によりウエハ上のアライメントマーク(ウエハマーク)と基準マーク板FMの基準マークとの相対位置関係が計測される。
【0060】
(アライメント処理終了&露光処理中)
次に、ウエハステージWST2に対するアライメント処理が終了すると、ウエハステージWST2を+X方向に移動させるが、干渉計34の計測可能範囲からウエハステージWST2が外れるため、制御装置CONTはウエハステージWST2の位置制御をエンコーダヘッド89B(図8参照)を用いたエンコーダサーボに切り替える。そして、図10に示すように、X粗動ステージ63BがXガイドステージ61Bに沿って+X軸側の端部へ移動し、X粗動ステージ63Bが固定位置に達したことをフォトセンサ110Bが検出すると、固定装置109Bのアクチュエータ111aが駆動され、X粗動ステージ63Bを可動子62Bに固定する。これにより、X粗動ステージ63B(ウエハステージWST2)のX方向の移動が規制される。
【0061】
(露光処理終了)
ウエハステージWST1に対する露光処理が終了すると、ウエハステージWST2を−X方向に移動させるが、干渉計32の計測可能範囲からウエハステージWST1が外れるため、制御装置CONTはウエハステージWST1の位置制御をエンコーダヘッド89A(図8参照)を用いたエンコーダサーボに切り替える。そして、図11に示すように、X粗動ステージ63AがXガイドステージ61Aに沿って−X軸側の端部へ移動し、X粗動ステージ63Aが固定位置に達したことをフォトセンサ110Aが検出すると、固定装置109Aのアクチュエータ111aが駆動され、X粗動ステージ63Aを可動子62Aに固定する。これにより、X粗動ステージ63A(ウエハステージWST1)のX方向の移動が規制される。
なお、ウエハステージWST1が可動子63Aとの固定位置に向けて移動する際にY方向の移動も伴うときには、X方向の移動に要する時間を超えない範囲で移動する。
【0062】
続いて、固定装置109A、109Bのアクチュエータ111aが駆動状態(X粗動ステージ63A、63Bと可動子62A、62Bとが固定状態)であることを確認後、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上から退避させる。このとき、X粗動ステージ63A、63Bは、X方向の移動を制限されており、またY軸方向で対向しない位置で固定されるため、可動子62A、62Bが暴走した場合でも、ウエハステージWST1、WST2が相互に衝突したり、干渉計34に衝突しない。また、接触部材101A、101Bが規制部材103A、103Bにより前方への移動を規制されるため、可動子62Aと可動子62B、ウエハステージWST1とXガイドステージ61B、ウエハステージWST2とXガイドステージ61Aが衝突することもない。接触部材101A、101Bが規制部材103A、103Bに衝突した場合でも、ショックアブソーバ102A、102Bにより突起部材107A、107Bに加わる衝撃を緩和することができる。
【0063】
(交換位置へ移動&テーブル部固定)
次に、可動子62A、62Bを固定子58に沿ってそれぞれ前方へ移動させ、図12に示すように、テーブル部70A、70Bが干渉計34の側方(X方向両側)に位置するテーブル交換位置にウエハステージWST1、WST2を移動させる。そして、光電センサ105が可動子62A、62Bの位置を検出することにより、テーブル部70A、70BがY方向についてテーブル交換位置にあることを確認すると、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上の後方に位置させる。これにより、Yリニアモータ65A、65Bが暴走した場合でも、ウエハステージWST1、WST2の移動を前進、後退の双方で制限でき、後述するように、テーブル部70A、70Bをテーブル交換位置にロックした場合でも、当該テーブル部70A、70Bの破損を防ぐことができる。なお、X粗動ステージ63A、63Bが可動子62A、62Bに固定されることで、テーブル部70A、70BのX方向についての位置は既にテーブル交換位置にあるため、上記光電センサ105の検出結果と併せて、テーブル部70A、70BをXY平面内でテーブル交換位置に位置決めすることができる。
【0064】
次に、規制部材104A、104Bによって可動子62A、62Bの移動が規制されていることを確認後、図6に示すように、ロック機構90のアクチュエータ90bを駆動して軸部材90aを下降させる。これにより、二点鎖線で示すように、軸部材90aがブラケット86の孔部85に嵌合し、テーブル部70A、70Bがテーブル交換位置でロックされる。
【0065】
(X粗動ステージ退避準備)
ロック機構90によりテーブル部70A、70Bをテーブル交換位置にロックしていることを確認すると、続いて図3(b)に二点鎖線で示すように、係合部材84を倒して金物83との係合を解除させる。これにより、X粗動ステージ63A、63Bとテーブル部70A、70Bとの間の移動制限が解放される。係合部材84の倒伏を確認すると、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、図13に示すように、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上から退避させる。
【0066】
(X粗動ステージ退避)
規制部材104A、104Bが接触部材101A、101Bの移動経路上から退避していることを確認後、図14に示すように、固定子58に沿って可動子62A、62Bを後方へ移動させ、テーブル部70Aに設けられた磁石75a、75a(図3(b)参照)間の隙間(テーブル70Bでは磁石75b、75b間の隙間)から固定子74を引き抜く。このとき、可動子62A、62Bを、固定子74が磁石75a、75a(または75b、75b)間の隙間に位置する当初の数十mmは安全性を高めるために低速で移動させ、そして固定子74が磁石75a、75a(または75b、75b)から抜けた後はスループットを向上させるために中速で移動させる。
【0067】
この後、光電センサ112A、112Bによって可動子62A、62Bの位置を検出して、接触部材101A、101Bが規制部材104A、104BよりもY方向で後方の安全位置にあることを確認すると、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上に位置させて、可動子62A、62Bの前進によるX粗動ステージ63A、63Bとテーブル部70A、70Bとの衝突を防止する。そして、アクチュエータ108A、108Bの駆動による可動子62A、62Bの移動規制を確認した後に、固定装置109A、109BによるX粗動ステージ63A、63Bと可動子62A、62Bとの固定を解除する。
【0068】
(X粗動ステージ移動&固定)
次に、図15に示すように、Xガイドステージ61Aに沿ってX粗動ステージ63Aを+X方向へ移動させテーブル部70Bに対向させるとともに、Xガイドステージ61Bに沿ってX粗動ステージ63Bを−X方向へ移動させテーブル部70Aに対向させる。そして、X粗動ステージ63A、63Bが固定位置に達したことをフォトセンサ110A(+X側)、110B(−X側)がそれぞれ検出すると、固定装置109A(+X側)、109B(−X側)のアクチュエータ111aが駆動され、X粗動ステージ63A、63Bを可動子62A、62Bにそれぞれ固定する。
【0069】
続いて、固定装置109A、109Bのアクチュエータ111aが駆動状態(X粗動ステージ63A、63Bと可動子62A、62Bとが固定状態)であることを確認後、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上から退避させる。そして、この後に照射装置79から検出光B、BをY方向に沿って照射する。照射された検出光Bは、テーブル部70A、70Bが交換時の所定の位置・姿勢であれば、各テーブル部70A、70Bに設けられた筒体81の貫通孔部81a(図3及び図4参照)をそれぞれ通過して受光装置80により受光され、テーブル部70A、70Bの位置・姿勢が所定の状態からずれている場合には筒体81を通過することができず受光装置80で受光されない。従って、受光装置80が検出光Bを受光したか否かにより、テーブル部70A、70Bが交換可能な状態がどうかを各々判断することができ、交換不可であれば、例えばオペレータコールを実行する。
【0070】
(X粗動ステージの接続)
次に、図16に示すように、固定子58に沿って可動子62A、62Bを前進させ、X粗動ステージ63A、63Bに設けられた固定子74をテーブル部70A、70Bの磁石間の隙間に挿入する。この場合、テーブル部70Aの固定子74は、磁石75b、75b間の隙間に挿入され、テーブル部70Bの固定子74は、磁石75a、75a間の隙間に挿入される。なお、このときもスループットを向上させるために固定子74が磁石間の隙間に達するまでは可動子62A、62Bを中速で移動させ、固定子74が磁石間の隙間に達した後の数十mmは安全性を高めるために可動子62A、62Bを低速で移動させる。
【0071】
(テーブル部のロック解除)
この後、光電センサ105により可動子62A、62Bの位置を検出することにより、X粗動ステージ63A、63Bが接続位置(結合位置)にあることを確認すると、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上の後方に位置させて、可動子62A、62Bの前進、後退を規制する。また、フォトセンサ116の検出結果によりX粗動ステージ63Aとテーブル部70B、及び粗動ステージ63Bとテーブル部70Aが接続位置にあることを確認した後に、係合部材84を起こして金物83に係合させる。これにより、X粗動ステージ63A、63Bとテーブル部70B、70Aとの移動が制限(拘束)される。X粗動ステージ63A、63Bとテーブル部70B、70Aとの移動を制限したことを確認すると、ロック機構90のアクチュエータ90bを駆動して軸部材90aを上昇させる。これにより、図6に実線で示すように、軸部材90aがブラケット86の孔部85から外れて、テーブル部70A、70Bに対するロックが解除される。テーブル部70A、70Bへのロックが解除されたことを確認すると、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、図17に示すように、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上から退避させる。
【0072】
(ウエハステージの後退&固定解除)
続いて、規制部材104A、104Bが接触部材101A、101Bの移動経路上から退避していることを確認後、図18に示すように、固定子58に沿って可動子62A、62Bを後方へ移動させる。そして、光電センサ112A、112Bによって可動子62A、62Bの位置を検出して、接触部材101A、101Bが規制部材104A、104BよりもY方向で後方の安全位置にあることを確認すると、アクチュエータ108A、108Bを駆動して、規制部材104A、104Bを接触部材101A、101Bの移動経路上に位置させて、可動子62A、62Bの前進を規制する。可動子62A、62Bの移動規制を確認すると、固定装置109A、109BによるX粗動ステージ63A、63Bと可動子62A、62Bとの固定を解除する。固定解除されたX粗動ステージ63A、63Bは、図19に示すように、ベースラインチェック位置に移動する。そして、制御装置CONTはウエハステージWST1、WST2の位置制御をエンコーダサーボから干渉計32、34を用いた干渉計サーボに切り替える。
以上の動作により、ウエハステージ(テーブル部)の入れ替え(交換)が完了する。
【0073】
なお、上述したテーブル部70A、70BのY軸方向への移動の際には、テーブル部70A、70Bと同期して、図7に示したチューブキャリア114A、114Bが固定子113A、113Bに沿って移動することで、チューブ115A、115Bにたるみが生じることを防止している。一方、テーブル部70A、70BがX軸方向に移動した際、例えば図20(a)に示すように、テーブル部70Aがチューブキャリア114Aに接近する−X方向へ移動した際には、図20(b)に二点鎖線で示すように、チューブ115Aがたるむ虞があり、逆にテーブル部70Aがチューブキャリア114Aから離間する+X方向へ移動した際にはチューブ115Aに大きな張力が加わる虞がある。そのため、本実施の形態では、テーブル部70Aがチューブキャリア114Aに接近した場合には、チューブキャリア114Aがテーブル部70Aから離間する方向(+Y方向)に移動し、逆にテーブル部70Aがチューブキャリア114Aから離間する場合には、チューブキャリア114Aがテーブル部70Aに接近する方向(−Y方向)に移動することで、チューブ115Aのたわみ分を吸収(図20(b)に実線で図示)、またはチューブ115Aに大きな張力が加わることを防止している。
この場合、テーブル部70A、70Bを干渉計34を中心としたZ軸周りの同一方向に沿って入れ替えを行うとチューブ115A、115B同士が絡まる虞があるため、入れ替え方向を交互に変更すればよい。
【0074】
次に、2つのウエハステージを用いた並行処理について説明する。
例えば、露光エリアにおいてウエハステージWST1上のウエハW1に対し投影光学系PLを介して後述のようにして露光動作を行なっている間に、アライメントエリアでは所定のローディングポジションにてウエハローダ及びウエハステージWST2上の不図示の受け渡し機構によりウエハ交換が行われ、ウエハステージWST2上にウエハW2がロードされる。次いで、制御装置CONTでは、上記干渉計34、35の計測値をモニタしつつ、Yリニアモータ65B及びXリニアモータ67Bを制御して、ウエハステージWST2をアライメント基準位置に位置決めする。このウエハステージWST2の移動の間も、ウエハステージWST1側では露光動作が続行されている。なお、上記アライメント基準位置とは、アライメント光学系ALGの真下にウエハステージWST2の基準マーク板FM2上の第1基準マーク(図示省略)が来るような位置である。
【0075】
続いて、ウエハステージWST2側では、サーチアライメントを実施した後、ウエハW2上の各ショット領域の配列を、例えばEGAを使って求めるファインアライメントが行なわれる。すなわち、干渉計34、35の計測値に基づいてウエハステージWST2の位置を管理しつつ、設計上のショット配列データ(アライメントマーク位置データ)をもとに、ウエハW2上の所定のサンプルショットのアライメントマーク位置をアライメント光学系ALGのFIA系のセンサ等で計測し、この計測結果とショット配列の設計座標データとに基づいて最小自乗法による統計演算により、全てのショット配列データを演算する。これにより、上記のアライメント時ステージ座標系上で各ショットの座標位置が算出される。そして、制御装置CONTでは、各ショットの座標位置から前述した第1基準マークの座標位置を減算することで、第1基準マークに対する各ショットの相対位置関係を算出する。
【0076】
一方、露光エリアにおいては、ウエハステージWST1を、露光時ステージ座標系上で位置制御しながら、ウエハステージWST1上の基準マーク板FM1がレチクルパターン像の投影位置に位置決めされる露光基準位置に位置決めする。この露光基準位置にウエハステージWST1が位置決めされると、制御装置CONTでは、一対のレチクルアライメント顕微鏡(図示省略)により露光光を用いて基準マーク板FM1上の一対の第2基準マークとそれに対応するレチクル上マークのウエハ面上投影像の相対位置検出、すなわちレチクルアライメント顕微鏡による前記各マーク像の画像信号の取り込みを行なう。これにより、露光時ステージ座標系における基準マーク板FM1上の一対の第2基準マークの座標位置と、レチクルR上マークのウエハ面上投影像座標位置が検出されることとなり、両者の差により露光位置(投影光学系PLの投影中心)と基準マーク板FM1上の一対の第2基準マークの座標位置の相対位置関係が求められる。
【0077】
そして、主制御装置CONTでは、先にアライメント処理で求めた基準マーク板FM1上の第1基準マークに対するウエハW1上の各ショットの相対位置関係、及び露光位置と基準マーク板FM1上の一対の第2基準マークの座標位置との相対位置関係より、最終的に露光位置と各ショットの相対位置関係を算出する。そして、その算出結果に基づいて、ウエハW1上のショット領域の露光のための走査開始位置にウエハステージWST1を順次位置決めしつつ、各ショット領域の露光の都度、レチクルステージRSTとウエハステージWST1とを同期して走査方向に相対走査することにより、走査露光が行なわれることとなる。勿論、このウエハW1側の露光動作と並行して、ウエハステージWST2側では、ウエハ交換、これに続き、前述と同様にアライメント基準位置へのウエハステージWST2の移動、サーチアライメント、ファインアライメントが行われる。そして、その後、上述と同様に、2つのウエハステージWST1、WST2を独立して2次元方向に移動させながら入れ替え(交換)、一方のウエハステージ上のウエハに対する露光シーケンスと、他方のウエハに対するウエハ交換及びアライメントシーケンスとの並行処理が繰り返し行われる。
【0078】
以上のように、本実施の形態では、規制部材103A、103BによってウエハステージWST1、WST2の前進移動を規制するとともに、接触部材101A、101Bの移動経路から退避自在な規制部材104A、104BによってウエハステージWST1、WST2の前進及び後退移動の双方を規制するので、万一Yリニアモータ65A、65Bの暴走等、不測の事態が生じても、ウエハステージWST1、WST2が干渉計34やXガイドステージ61A、62B等に衝突することを防止して安全性を高めることができる。そのため、本実施の形態では、これら機器の損傷に伴う多大なコストアップや、生産計画に悪影響を及ぼす事態を回避できる。
【0079】
また、本実施の形態では、接触部材101A、101Bにショックアブソーバ102A、102Bを設けているので、ウエハステージWST1、WST2の移動規制時に、接触部材101A、101Bと規制部材104A、104Bとが衝突した場合には、衝突に伴う衝撃を吸収することができ、これら機器の損傷を抑制することができる。また、本実施の形態では、Yリニアモータ65A、65Bの一部を構成する固定子58がステージ定盤44の外側に設けられているので、可動子62A、62Bの移動に伴う振動がステージ定盤44を介してウエハステージに伝わることがなく、振動に起因する露光精度の低下を防ぐことも可能になるとともに、ステージ定盤44の小型化も実現することができる。
【0080】
一方、本実施の形態では、テーブル部70A、70Bの入れ替え時に、検出光B、Bが貫通孔部81aを通過するか否かで、テーブル部70A、70Bが所定の位置・姿勢であるかを個別に確認できるので、テーブル部70A、70BとX粗動ステージ63A、63B(の固定子74)との接続(結合)を円滑且つ迅速に実施することも可能になる。
【0081】
なお、上記実施の形態では、ロック機構90によりテーブル部70A、70Bをステージ定盤44上にロックする構成としたが、これに限られるものではなく、例えばテーブル部70A、70Bをステージ定盤44上に浮上させているエアベアリング71に対するエアの供給を停止して、テーブル70A、70Bをステージ定盤44上の所定位置に載置する構成としてもよい。また、上記実施の形態では、ショックアブソーバを接触部材101A、101Bに設ける構成として説明したが、規制部材103A、103B、104A、104Bに設ける構成としてもよい。
【0082】
また、上記実施の形態では、Yリニアモータ65A、65Bで固定子58を共用する構成としたが、個別に固定子を設ける構成としても差し支えない。
さらに、上記実施の形態では、ウエハステージWST1、WST2(テーブル部70A、70B)が共通のステージ定盤44により移動可能に支持される構成としたが、それぞれ個別の定盤に支持される2枚定盤形式を採用することも可能である。
また、上記実施の形態では、本発明のステージ装置をウエハステージに適用する構成としたが、レチクルステージRSTに適用することも可能である。
【0083】
なお、上記実施形態では、照明ユニットILUがハウジング20を有し、レチクルステージRSTがレチクルチャンバ22に収納され、ステージ装置12がチャンバ42内に設置され、これらハウジング14、チャンバ22、チャンバ42及び投影光学系PLの鏡筒内にヘリウムガス等の不活性ガスがそれぞれ充填されている場合について説明したが、これに限らず、露光装置の構成各部の全体が単一のチャンバ内に収納されていても構わない。
【0084】
また、上記実施形態では、一方のウエハステージ上で1枚のレチクルのパターンを用いて露光を行っている間に、他方のウエハステージ上でウエハ交換、アライメント等を行う場合について説明したが、これに限らず、例えば特開平10−214783号に開示されるように、2枚のレチクルを搭載可能なレチクルステージを用いて、一方のウエハステージ上で2枚のレチクルのパターンを用いて二重露光を行っている間に、他方のウエハステージ上でウエハ交換、アライメント等を並行して行うようにしても良い。このようにすると、同時並行処理によりスループットをあまり低下させることなく、二重露光により高解像度とDOF(焦点深度)の向上効果とを得ることができる。
【0085】
なお、上記実施形態では、本発明に係るステージ装置が、スキャニング・ステッパに適用された場合について例示したが、本発明の適用範囲がこれに限定されるものではなく、本発明に係るステージ装置は、マスクと基板とを静止した状態で露光を行うステッパ等の静止型の露光装置にも好適に適用できるものである。このような場合であっても、ステージ装置により、基板を保持する基板ステージの位置制御性を向上することができるので、ステージに保持された基板の位置決め精度の向上及び位置決め整定時間の短縮化が可能となり、これにより露光精度及びスループットの向上が可能となる。
【0086】
また、本発明に係るステージ装置は、投影光学系を用いることなくマスクと基板とを密接させてマスクのパターンを基板に転写するプロキシミティ露光装置にも好適に適用できる。
【0087】
勿論、本発明は、半導体素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、液晶表示素子、プラズマディスプレイなどを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気へッドの製造に用いられる、デバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)の製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。
【0088】
また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV(Extreme Ultraviolet)露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、EUV露光装置では反射型マスクが用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
【0089】
さらに、本発明に係るステージ装置は、露光装置に限らず、その他の基板の処理装置(例えば、レーザリペア装置、基板検査装置その他)、あるいはその他の精密機械における試料の位置決め装置にも広く適用できる。
【0090】
投影光学系PLとしては、光源としてArFエキシマレーザ光源あるいはKrFエキシマレーザ光源を用いる場合には、屈折光学素子(レンズ素子)のみから成る屈折系が主として用いられるが、F2レーザ光源、Ar2レーザ光源等を用いる場合には、例えば特開平3−282527号公報に開示されているような、屈折光学素子と反射光学素子(凹面鏡やビームスプリッタ等)とを組み合わせたいわゆるカタディオプトリック系(反射屈折系)、あるいは反射光学素子のみから成る反射光学系が主として用いられる。但し、F2レーザ光源を用いる場合に、屈折系を用いることは可能である。
【0091】
また、上記実施形態では、投影光学系として縮小系を用いる場合について説明したが、投影光学系は等倍系および拡大系のいずれでも良い。さらに、反射屈折型の投影光学系としては、前述したものに限らず、例えば円形イメージフィールドを有し、かつ物体面側、及び像面側が共にテレセントリックであるとともに、その投影倍率が1/4倍又は1/5倍となる縮小系を用いても良い。また、この反射屈折型の投影光学系を備えた走査型露光装置の場合、照明光の照射領域が投影光学系の視野内でその光軸をほぼ中心とし、かつレチクル又はウエハの走査方向とほぼ直交する方向に沿つて延びる矩形スリット状に規定されるタイプであっても良い。かかる反射屈折型の投影光学系を備えた走査型露光装置によれば、例えば波長157nmのF2レーザ光を露光用照明光として用いても100nmL/Sパターン程度の微細パターンをウエハ上に高精度に転写することが可能である。
【0092】
また、本発明に係る露光装置における露光用光学系としては、投影光学系に限らず、X線光学系、電子光学系等の荷電粒子線光学系を用いることもできる。例えば、電子光学系を用いる場合には、光学系は電子レンズ及び偏向器を含んで構成することができ、電子銃として、熱電子放射型のランタンへキサボライト(LaB6)、夕ンタル(Ta)を用いることができる。なお、電子線が通過する光路は真空状態にすることはいうまでもない。
【0093】
更に、電子光学系を用いる露光装置に本発明を適用する場合、マスクを用いる構成としても良いし、マスクを用いずに電子線による直接描画により基板上にパターンを形成する構成としても良い。すなわち、本発明は、露光用光学系として電子光学系を用いる電子ビーム露光装置であれば、ペンシルビーム方式、可変成形ビーム方式、セルプロジェクション方式、ブランキング・アパーチャ方式、及びEBPSのいずれのタイプであっても、適用が可能である。
【0094】
また、本発明に係る露光装置では、露光用照明光として、前述した遠紫外域、真空紫外域の光に限らず、波長5〜30nm程度の軟X線領域のEUV光を用いても良い。また、例えば真空紫外光としては、ArFエキシマレーザ光やF2レーザ光などが用いられるが、これに限らず、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
【0095】
例えば、単一波長レーザの発振波長を1.51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が189〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発生波長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が出力される。特に発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内とすると、発生波長が193〜194nmの範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザ光とほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内とすると、発生波長が157〜158nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2レ−ザ光とほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
【0096】
また、発振波長を1.03〜1.12μmの範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.099〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が157〜158μmの範囲内の7倍高調波、即ちF2レーザ光とほぼ同一波長となる紫外光が得られる。この場合、単一波長発振レーザとしては例えばイットリビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いることができる。
【0097】
上記実施形態のように基板ステージやレチクルステージにリニアモータを用いる場合においてエアベアリングを用いたエア浮上型に限られず、ローレンツ力を用いた磁気浮上型を用いてもよい。また、各ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0098】
基板ステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。また、レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
【0099】
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0100】
半導体デバイスは、図21に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、移動装置の暴走等、不測の事態が生じた場合でも、構成機器に衝突することを防止して安全性を高めることができ、これら機器の損傷に伴う多大なコストアップや、生産計画に悪影響を及ぼす事態を回避できる。また、本発明では、ステージの接続・交換を円滑且つ迅速に実施することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る露光装置の概略構成図である。
【図2】ステージ装置の概略平面図である。
【図3】(a)は、ウエハステージの平面図であり、(b)は正面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】レチクルステージ、2つのウエハステージ、投影光学系及びアライメント系の位置関係を示す斜視図である。
【図6】テーブル部をロックするロック機構を示す図である。
【図7】ウエハステージとチューブキャリアとの位置関係を示す図である。
【図8】露光装置の制御系の主要構成を示す図である。
【図9】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図10】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図11】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図12】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図13】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図14】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図15】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図16】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図17】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図18】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図19】テーブル部の入れ替え手順を示す図である。
【図20】(a)、(b)はチューブキャリアの動作を説明する図である。
【図21】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
R レチクル(マスク)
W ウエハ(基板)
RST レチクルステージ(マスクステージ)
WST1 ウエハステージ(第1ステージ、ステージ)
WST2 ウエハステージ(第2ステージ、ステージ)
CONT 制御装置
10 露光装置
12 ステージ装置(基板ステージ)
62A 可動子(第1可動子)
62B 可動子(第2可動子)
63A X粗動ステージ(第1移動体)
63B X粗動ステージ(第2移動体)
65A Yリニアモータ(第1移動装置、移動装置)
65B Yリニアモータ(第2移動装置、移動装置)
67A Xリニアモータ(第3移動装置)
67B Xリニアモータ(第4移動装置)
70A、70B テーブル部
79 照射装置
80 受光装置
81a 貫通孔部
101A、101B 接触部材
102A、102B ショックアブソーバ(衝撃吸収装置)
103A、103B、104A、104B 規制部材(規制装置)
108A、108B アクチュエータ(退避装置)
109A、109B 固定装置
Claims (15)
- 第1ステージに接続された第1可動子を備え前記第1ステージを第1方向へ移動させる第1移動装置と、第2ステージに接続された第2可動子を備え前記第2ステージを第1方向へ移動させる第2移動装置と、を備えるステージ装置であって、
前記第1方向に沿って複数設けられ、前記第1ステージと前記第2ステージとの少なくとも一方の移動を規制する規制装置と、
前記複数の規制装置のうち少なくとも一つの規制装置を前記第1方向とは異なる第2方向に退避させる退避装置と、を備えることを特徴とするステージ装置。 - 請求項1記載のステージ装置において、
前記複数の規制装置は、前記第1ステージ及び前記第2ステージの前記第1方向への前進及び後退のそれぞれを規制することを特徴とするステージ装置。 - 請求項2記載のステージ装置において、
前記退避装置は、前記第1可動子及び前記第2可動子の位置に基づいて、前記少なくとも一つの規制装置を前記第2方向に退避させることを特徴とするステージ装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のステージ装置において、
前記第1可動子及び前記第2可動子のそれぞれには、前記複数の規制装置に接触可能な接触部材が設けられていることを特徴とするステージ装置。 - 請求項4記載のステージ装置において、
前記接触部材と前記複数の規制装置との少なくとも一方には、前記接触部材が前記複数の規制装置に接触した際の衝撃を吸収する衝撃吸収装置が設けられていることを特徴とするステージ装置。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載のステージ装置において、
前記第1移動装置の固定子と前記第2移動装置の固定子とを共用することを特徴とするステージ装置。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載のステージ装置において、
前記第1ステージを前記第1可動子に対して前記第1方向とは異なる第3方向に移動させる第3移動装置と、
前記第2ステージを前記第2可動子に対して前記第3方向に移動させる第4移動装置と、
前記第1ステージと前記第1可動子、及び前記第2ステージと前記第2可動子をそれぞれ一体的に固定する固定装置と、
を有することを特徴とするステージ装置。 - 請求項7記載のステージ装置において、
前記第1ステージと前記第2ステージとを前記第1方向で対向しない位置で固定させるように、前記第3移動装置、第4移動装置及び固定装置を制御する制御装置を有することを特徴とするステージ装置。 - 請求項1から8のいずれか一項に記載のステージ装置において、
前記第1ステージと前期第2ステージのそれぞれは、前記第1、第2可動子がそれぞれ接続された第1、第2移動体と、前記第1、第2移動体に対して交換自在に設けられるテーブル部とを有することを特徴とするステージ装置。 - 請求項1から9のいずれか一項に記載のステージ装置において、
前記第1ステージと前記第2ステージとは共通の定盤により移動可能に支持されていることを特徴とするステージ装置。 - 請求項10記載のステージ装置において、
前記第1移動装置の少なくとも一部と前記第2移動装置の少なくとも一部とは、前記定盤の外側に設けられていることを特徴とするステージ装置。 - 第1方向に移動可能なステージと、
前記ステージを前記第1方向に移動させる移動装置と、
前記第1方向に沿って検出光を照射する照射装置と、
前記第1方向に沿って前記ステージに設けられた貫通孔部と、
前記検出光が前記貫通孔部を通過したときに前記検出光を受光する受光装置とを備えたことを特徴とするステージ装置。 - 請求項12記載のステージ装置において、
前記ステージは、前記移動装置の一部が接続された移動体と、該移動体に対して交換自在に設けられるテーブル部とを有し、
前記貫通孔部が前記テーブル部に設けられていることを特徴とするステージ装置。 - 請求項12または13記載のステージ装置において、
前記ステージは独立移動可能に複数設けられ、
前記照射装置、前記貫通孔部、及び前記受光装置は、前記複数のステージ毎に設けられることを特徴とするステージ装置。 - マスクステージに保持されたマスクのパターンを基板ステージに保持された基板に露光する露光装置であって、
前記マスクステージと前記基板ステージとの少なくとも一方のステージとして、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のステージ装置が用いられることを特徴とする露光装置。
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