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JP2005003165A - 組立用位置決め構造 - Google Patents

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JP2005003165A
JP2005003165A JP2003169808A JP2003169808A JP2005003165A JP 2005003165 A JP2005003165 A JP 2005003165A JP 2003169808 A JP2003169808 A JP 2003169808A JP 2003169808 A JP2003169808 A JP 2003169808A JP 2005003165 A JP2005003165 A JP 2005003165A
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勉 西川
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Denso Ten Ltd
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Abstract

【課題】部品同士を組合わせる際の位置合せ精度が充分ではなくても、精度良く位置決めを行うことができるようにする。
【解決手段】位置決め孔14の案内部14bは、位置決め部14aに連なるように形成され、爪13の先細状の端部13bが挿入可能で、爪13の端部13bを挿入すると基部13aを位置決め部14aに案内することが可能である。爪13の基部13aが位置決め孔14の位置決め部14aに嵌合すれば、第1の部品11と第2の部品12との相互間の位置ずれを規制し、精度良く位置決め状態を保つことができる。第1の部品11と第2の部品12との位置合せの精度が充分でなくても、爪13の端部13bが位置決め孔14の案内部14bに挿入されるだけの精度が得られれば、爪13と位置決め孔13とを嵌合させて、充分な位置決め精度に高めることができ、組立ての自動化も容易に行うことができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種機器の組立の際に、組合わせる部品間の位置決めを精度良く行う組立用位置決め構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複数の部品を組合わせて各種機器を組立てる際に、部品間を組合わせる位置を正確かつ確実に保つために、位置決め構造が利用されている。位置決め構造は、一般的に一方の部品に形成される凸部を、他方の部品に形成される凹部を嵌合させて行われる。特に組立て作業を自動化するような場合は、部品自体の位置決め精度向上の機能として、位置決め構造を備える場合が多い。
【0003】
図8は、従来からの典型的な組立用位置決め構造を示す。部品1aまたは部品1bと部品2とを組合わせる際に、部品1aまたは部品1b側に設ける位置決めダボ3a,3bを部品2側に設ける位置決め孔4に挿入してそれぞれ位置決めを行う。なお、部品1aは位置決めダボ3aを先端まで形成できる例を示す。部品1bは、板厚などによる高さ制限で、先端の誘い角を全く設けることができない位置決めダボ3bしか形成できない例を示す。電気機器などでは、部品1a,1b;2は金属板を素材として、プレス加工で打抜いたり、曲げたりして製造されることが多い。このような板金プレス部品同士の位置決めは、部品1aのように、先端に誘い角がある円錐状の位置決めダボ3aを設けるようにしている。円錐状の位置決めダボ3aは、部品1aの素材の一部を絞り加工で表面から突出させて形成する。部品1aの表面から突出する基部は円柱状であり、一定の径を有する。部品2に設けられる位置決め孔4に、位置決めダボ3aの基部が嵌合すると、部品1aと部品2との位置合せが完了する。
【0004】
円錐状の位置決めダボ3aの先端部は、位置決め孔4に比較して径が小さいので、部品1aと部品2を組合わせる際の精度が充分でなくても、位置決めダボ3aの先端部を位置決め孔4内に挿入することができる。位置決めダボ3aの先端部が位置決め孔4内に挿入されれば、先端部の円錐状の外周面が少なくとも部分的に位置決め孔4の周囲の母材と当接し、位置決めダボ3aの基部が位置決め孔4に嵌合するように案内される。
【0005】
絞り加工による位置決めダボ3aをプレスの絞り加工で形成する場合、部品1aの板厚に応じ、ダボ高さHや先端角度αなどに、成形上の制限がある。場合によっては、部品1bのように、先端部のない円柱状の位置決めダボ3bしか用いることができない場合もある。円柱状の位置決めダボ3bでは、部品1bと部品2とを予め精度良く位置決めしておいて、位置決めダボ3bを位置決め孔4に嵌合させる必要があるけれども、位置決め後に位置ずれなどが生じないようにする効果はある。
【0006】
図8の位置決めダボ3a,3bに相当する爪状の凸部を、プレス加工の際に切り起し片として形成することも考えられている(たとえば、特許文献1および2参照)。位置決め孔4に相当する部分は、スリット状に孔あけしておく方法もある(たとえば、特許文献3参照)。なお、自動車のウインドガラスを所定位置に接着固定するために使用する位置決め装置で、螺子孔にスリット状の切れ目を設け、螺子が螺子込まれるときに、螺子周辺部が拡大するようにしておくこともある(たとえば、特許文献4参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−33048号公報
【特許文献2】
特開平9−290214号公報
【特許文献3】
特公平6−58992号公報
【特許文献4】
実開平7−37735号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示すような位置決めダボ3aを用いる位置決め構造では、ダボ高さHaが充分に得られないときに、位置決めダボ3aが位置決め孔4に嵌合しないで、先端が位置決め孔4の周囲に乗上げている状態で、部品1aと部品2とが組合わされ、位置ずれを生じる危険性を含んでいる。特に、部品1bのように、先端角が全く設けられない場合で、ダボ高さHbが小さい位置決めダボ3bでは、乗上げによる位置ずれの危険性が高くなる。したがって、組立を「自動化」するのに適した位置決め構造とはいえない。
【0009】
特許文献1や特許文献2に開示されている位置決め構造では、切り起し片を位置決め孔に挿入させるのは容易であるけれども、挿入しても幅方向の位置決めしか有効ではなく、幅方向や角変位方向などで相互間の相対位置を規制する作用は充分ではなく、位置ずれを生じやすいので、「自動化」には適していない。特許文献3に開示されている位置決め構造では、切り起し片の先端をスリットに挿入するために、前もって精度良く位置決めする必要があり、「自動化」には適していない。特許文献4の螺子孔とスリット状の切れ目の組合せは、位置決め構造として利用されてはいない。螺子孔に螺子が螺子込まれるときに、螺子周辺部が拡大することは、螺子孔の内径が螺子の外径よりも小さく、螺子自体の螺子孔への挿入は、前もって精度良く位置決めしておく必要があるはずである。
【0010】
本発明の目的は、部品同士を組合わせる際の位置合せ精度が充分ではなくても、精度良く位置決めを行うことができる組立用位置決め構造を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1の部品の表面から突出する凸部と、第2の部品の表面に設けられる凹部とを嵌合させて、第1の部品と第2の部品とを位置決めして組立てるための組立用位置決め構造であって、
第1の部品の表面から突出する凸部は、
該表面に位置し、突出方向に垂直な断面形状が扁平で、厚さに比較して幅が大きい基部と、
該基部から該突出方向の先端側に延びるように形成され、幅が該基部よりも小さく、かつ該凸部の先端部に向かって細い形状の端部とを有し、
第2の部品の表面に設けられる凹部は、
凸部の基部が嵌合可能で、嵌合状態で該基部の幅と厚さの少なくとも一部とを規制して位置決めする位置決め部と、
該位置決め部に連なるように形成され、該凸部の先細状の端部が挿入可能で、該端部を挿入すると該基部を該位置決め部に案内することが可能な案内部とを有することを特徴とする組立用位置決め構造である。
【0012】
本発明に従えば、第1の部品の表面から突出する凸部と、第2の部品の表面に設けられる凹部とを嵌合させて、第1の部品と第2の部品とを位置決めして組立てるために、凸部は基部と端部とを有し、凹部は位置決め部と案内部とを有する。凸部の基部は、第1の部品の表面に接続し、突出方向に垂直な断面形状が扁平で、厚さに比較して幅が大きい。凸部の端部は、基部から突出方向の先端側に延びるように形成され、幅が基部よりも小さく、かつ先細状に縮小する。凹部の位置決め部は、凸部の基部が嵌合可能で、嵌合状態で該基部の幅と厚さの少なくとも一部とを規制して位置決めするので、基部が位置決め部に嵌合すれば、第1の部品と第2の部品との相互間の位置ずれを規制し、精度良く位置決め状態を保つことができる。凹部の案内部は、位置決め部に連なるように形成され、凸部の先細状の端部が挿入可能で、凸部の端部を挿入すると基部を位置決め部に案内することが可能であるので、第1の部品と第2の部品との位置合せの精度が充分でなくても、凸部の端部が凹部の案内部に挿入されるだけの精度が得られれば、凸部と凹部とを嵌合させて、充分な位置決め精度に高めることができ、組立ての自動化も容易に行うことができる。
【0013】
また本発明で、前記第1の部品は、板状の素材をプレス加工して形成され、
前記凸部は、該素材を部分的に切り起して形成されることを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、板状の素材をプレス加工で部分的に切り起して凸部を形成し、凸部の先細状の端部を凹部の案内部に容易に挿入し、凸部の基部を凹部の位置決め部に嵌合させて、精度良く位置決めを行うことができる。
【0015】
また本発明で、前記第2の部品の凹部は、少なくとも前記位置決め部で貫通していることを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、第2の部品の凹部が少なくとも位置決め部で貫通しているので、第1の部品の凸部の端部の突出量が大きくても、端部は位置決め部を突抜けて凸部の基部を位置決め部に容易に案内することができる。
【0017】
また本発明で、前記凹部の位置決め部は、前記凸部の基部の前記断面形状に対応するように開口し、
該凹部の案内部は、該開口の中間に設けられ、該開口を前記厚さ方向に拡大する形状を有することを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、第2の部品の表面で開口している幅方向の中間が案内部として機能し、案内部に第1の部品の凸部の端部を挿入すれば、開口している幅方向の両端側の位置決め部に凸部の基部が嵌合するように案内することができる。
【0019】
また本発明で、前記凹部の位置決め部は、前記凸部の基部の前記断面形状に対応するように開口し、
該凹部の案内部は、該開口の幅方向の中間で前記厚さ方向への拡大量が大きく、該幅方向の両端では該厚さ方向への拡大がないように、該幅方向の全体にわたって形成されることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、第2の部品の表面で開口している幅方向の全体が案内部として機能し、案内部に第1の部品の凸部の端部を挿入すれば、開口している幅方向の両端が位置決め部として機能して凸部の基部を嵌合させることができる。
【0021】
また本発明で、前記案内部は、前記幅方向に沿って前記厚さ方向が曲線状に拡大することを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、案内部の形状を、円弧や楕円弧などの曲線状にすることができ、スリットと円や楕円とを組合わせて凹部を形成することができる。
【0023】
また本発明で、前記案内部は、前記幅方向に沿って前記厚さ方向が直線状に拡大することを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、案内部の形状を、直線状にすることができ、スリットと角孔とを組合わせて凹部を形成することができる。
【0025】
また本発明で、前記案内部は、非貫通の陥没形状を有することを特徴とする。
本発明に従えば、案内部は非貫通の陥没形状を有するので、たとえばプレス加工で角孔と球絞りとを組合わせて形成することができる。第1の部品の凸部の端部が陥没形状内に挿入されると、陥没形状の表面と当接して、位置決め部に案内され、続いて凸部の基部も位置決め部に案内することができる。案内部が非貫通であるので、凹部の強度を高めることができる。
【0026】
また本発明で、前記第2の部品は、板状の素材をプレス加工して形成され、
前記凹部は、該素材を部分的に打ち抜いて形成され、
該凹部の位置決め部は、曲げ加工によって成形されることを特徴とする。
【0027】
本発明に従えば、第2の部品に対するプレス加工の打抜きと曲げで、凹部とその位置決め部とを形成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の第1形態である組立用位置決め構造を示す。本実施形態の組立用位置決め構造は、第1の部品11の表面から突出する凸部である爪13と、第2の部品12の表面に設けられる凹部である位置決め孔14とを嵌合させて、第1の部品11と第2の部品12とを位置決めして組立てることができる。第1の部品11の表面から突出する爪13は、第1の部品11の表面に位置し、突出方向に垂直な断面形状が扁平で、厚さに比較して幅が大きい基部13aと、基部13aから該突出方向の先端側に高さHまで延びるように形成され、幅が基部13aよりも小さく、かつ先端角αで爪13に向かって細い形状の端部13bとを有する。第2の部品12の表面に設けられる位置決め孔14は、爪13の基部13aが嵌合可能で、嵌合状態で基部13aの幅と厚さとを、幅方向の両側で規制して位置決めする位置決め部14aと、位置決め部14aに連なるように形成され、爪13の先細状の端部13bが挿入可能で、端部13bを挿入すると基部13aを位置決め部14aに案内することが可能な案内部14bとを有する。
【0029】
爪13の基部13aが位置決め孔14の位置決め部14aに嵌合すれば、第1の部品11と第2の部品12との相互間の位置ずれを規制し、精度良く位置決め状態を保つことができる。位置決め孔14の案内部14bは、位置決め部14aに連なるように形成され、爪13の先細状の端部13bが挿入可能で、爪13の端部13bを挿入すると基部13aを位置決め部14aに案内することが可能であるので、第1の部品11と第2の部品12との位置合せの精度が充分でなくても、爪13の端部13bが位置決め孔14の案内部14bに挿入されるだけの精度が得られれば、爪13と位置決め孔13とを嵌合させて、充分な位置決め精度に高めることができ、組立ての自動化も容易に行うことができる。
【0030】
図2は、(a)で図1の第2の部品12を平面視して示し、(b)で図1の第1の部品11を平面視して示し、(c)で図1の第1の部品11を正面視して示す。第1の部品11は、金属などの板状の素材をプレス加工して形成される。爪13は、板状の素材を部分的に切り起して形成される。板状の素材をプレス加工で部分的に切り起して爪13を形成するので、曲げ加工で爪13を形成することができ、絞り加工のような高さの制限を加工上では受けずに、充分な高さの爪13を形成することができる。爪13の先細状の端部13bも、たとえば数10°などの適切な先端角αで形成することができ、端部13bを位置決め孔14の案内部14bに容易に挿入し、爪13の基部13aを位置決め孔14の位置決め部14aに嵌合させて、精度良く位置決めを行うことができる。
【0031】
また位置決め孔14の位置決め部14aは、爪13の基部13aの断面形状に対応するスリット状に開口している。位置決め孔14の案内部14bは、開口の中間に設けられ、開口を爪13の厚さ方向に拡大する形状を有していると考えることもできる。案内部14bの形状を、円弧や楕円弧などの曲線状にすることができ、スリットと円や楕円とを組合わせて位置決め孔14を形成することができる。
【0032】
図3は、本発明の実施の第2形態である組立用位置決め構造に使用する第2の部品22の凹部である位置決め孔24の形状を示す。第1の部品11に関しては、図1に示すものを使用する。図3(a)は第2の部品22を斜視した状態を示し、図3(b)は第2の部品22を平面視した状態を示す。本実施形態で、位置決め孔24の位置決め部24aは、図1に示す爪13の基部13aの破線で示すような断面形状に対応するように開口する。案内部24bの形状を、円弧や楕円弧などの曲線状にすることができ、スリットと円や楕円とを組合わせて位置決め孔24を形成することができる。
【0033】
図4および図5は、本発明の実施の第3形態および第4形態である組立用位置決め構造に使用する第2の部品32,42の凹部である位置決め孔34,44の形状をそれぞれ示す。第1の部品11に関しては、図1に示すものを使用する。図4(a)および図5(a)は第2の部品32,42を斜視した状態をそれぞれ示し、図4(b)および図5(b)は第2の部品32,42を平面視した状態をそれぞれ示す。各実施形態で、位置決め孔34,44の位置決め部34a,44aは、図1に示す爪13の基部13aの破線で示すような断面形状に対応するように開口する。案内部34b,44bの形状を、直線状にすることができ、スリットと角孔とを組合わせて位置決め孔34,44をそれぞれ形成することができる。
【0034】
図4に示す実施の第3形態では、案内部34bを基部13aに対応する位置決め部34aの幅方向の全体にわたって形成する。図5に示す実施の第4形態では、案内部44bを基部13aに対応する位置決め部44aの幅方向の中間に形成する。案内部34bを幅方向の全体にわたって形成すれば、爪13の端部13bを容易に挿入することができる。案内部44bを幅方向の中間に形成すれば、爪13の基部13aが位置決め部44aに嵌合するときの位置決め精度を高めることができる。
【0035】
図6は、本発明の実施の第5形態である組立用位置決め構造に使用する第2の部品52の凹部である位置決め穴54の形状を示す。第1の部品11に関しては、図1に示すものを使用する。図6(a)は第2の部品52を斜視した状態を示し、図6(b)は第2の部品52を、図6(a)に示す切断面線A−Aから断面視した状態を示す。本実施形態で、位置決め穴54の位置決め部54aは、図1に示す爪13の基部13aの破線で示すような断面形状に対応するように貫通して開口する。案内部54bは、非貫通で陥没する形状を有する。このような案内部54bは、非貫通の陥没形状を有するので、たとえばプレス加工で角孔の位置決め部54aと球絞りの案内部54bとを組合わせて形成することができる。第1の部品11の爪13の端部13bが案内部54b陥没形状内に挿入されると、陥没形状の表面と当接して、位置決め部54aに案内され、続いて爪13の基部13aも位置決め部54aに案内することができる。案内部54bが非貫通であるので、位置決め穴54付近の強度を高めることができる。
【0036】
また各実施の形態では、第2の部品12,22,32,43,52は、少なくとも位置決め部14a,24a,34a,44a,54aで貫通している。第2の部品が少なくとも位置決め部14a,24a,34a,44a,54aで貫通しているので、第1の部品11の爪13の端部13bの突出量が大きくても、端部13bは位置決め部14a,24a,34a,44a,54aを突抜けて基部13aを位置決め部14a,24a,34a,44a,54aに容易に案内することができる。
【0037】
図7は、本発明の実施の第6形態である組立用位置決め構造に使用する第2の部品62の凹部である位置決め孔64の形状を示す。第1の部品11に関しては、図1に示すものを使用する。図7(a)は第2の部品62を斜視した状態を示し、図7(b)は第2の部品62を平面視した状態を示し、図7(c)は第2の部品62を、図7(b)に示す切断面線B−Bから断面視した状態を示す。本実施形態で、第2の部品62は、金属などの板状の素材をプレス加工して形成される。凹部である位置決め孔64は、金属などの素材を部分的に打ち抜いて形成される。案内部65は、位置決め部65は、位置決め孔64の幅方向の中間の部分の片側に設けられる。位置決め孔64の幅方向の中間の部分で、位置決め部65に対向する位置には、曲げ加工によって成形される位置決め部66aが設けられる。位置決め孔64の幅方向に関して、案内部65の両側にも、曲げ加工によって形成される位置決め部66b,66cが設けられる。曲げ加工によって形成される位置決め部66a,66b,66cは全体として、破線で示すような爪13の基部13aに対する位置決めを行う。本実施形態では、第2の部品62に対するプレス加工の打抜きと曲げで、位置決め孔64とその位置決め部66a,66b,66cとを形成することができる。
【0038】
なお、以上で説明している実施の各形態では、金属素材などをプレス加工で第1の部品11や第2の部品12,22,32,42,52,62に形成しているけれども、合成樹脂素材を成形したり、金属素材を鋳造したり、合成樹脂素材や金属素材を切削したりして、同様に形成することもできる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、第1の部品の表面から突出する凸部基部と端部とを有し、第2の部品の表面に形成する凹部は位置決め部と案内部とを有する。凸部の端部は、基部から突出方向の先端側に延びるように形成され、幅が基部よりも小さく、かつ先細状であり、凹部の案内部に容易に挿入することができる。凹部の案内部は、凸部の端部を挿入すると基部を位置決め部に案内し、第1の部品と第2の部品との位置合せの精度が充分でなくても、凸部の端部が凹部の案内部に挿入されるだけの精度が得られれば、凸部と凹部とを嵌合させて、充分な位置決め精度に高めることができ、組立ての自動化も容易に行うことができる。
【0040】
また本発明によれば、板状の素材をプレス加工で部分的に切り起して凸部を形成し、先細状の端部を凹部の案内部に容易に挿入し、基部を凹部の位置決め部に嵌合させて、精度良く位置決めを行うことができる。
【0041】
また本発明によれば、第1の部品の凸部の端部の突出量が大きくても、端部は位置決め部を貫通して凸部の基部を位置決め部に容易に案内することができる。
【0042】
また本発明によれば、第2の部品の表面で開口している幅方向の中間に第1の部品の凸部の端部を挿入すれば、開口している幅方向の両端側に凸部の基部が嵌合して精度良く位置決めを行うことができる。
【0043】
また本発明によれば、第2の部品の表面で開口している幅方向のほぼ全体を案内部として、第1の部品の凸部の端部を容易に挿入することができ、幅方向の両端で凸部の基部を位置決めすることができる。
【0044】
また本発明によれば、たとえばスリットと円や楕円とを組合わせて凹部を形成することができる。
【0045】
また本発明によれば、たとえばスリットと角孔とを組合わせて凹部を形成することができる。
【0046】
また本発明によれば、たとえばプレス加工で角孔と球絞りとを組合わせて凹部を形成し、案内部が非貫通であるので、凹部の強度を高めることができる。
【0047】
また本発明によれば、プレス加工の打抜きと曲げで、凹部とその位置決め部とを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態である組立用位置決め構造を示す斜視図である。
【図2】図1の第2の部品12の平面図、図1の第1の部品11の平面図および正面図である。
【図3】本発明の実施の第2形態である組立用位置決め構造に使用する第2の部品22の位置決め孔24の形状を示す斜視図および平面図である。
【図4】本発明の実施の第3形態である組立用位置決め構造に使用する第2の部品32の位置決め孔34の形状を示す斜視図および平面図である。
【図5】本発明の実施の第4形態である組立用位置決め構造に使用する第2の部品42の位置決め孔44の形状を示す斜視図および平面図である。
【図6】本発明の実施の第5形態である組立用位置決め構造に使用する第2の部品52の位置決め穴54の形状を示す斜視図および断面図である。
【図7】本発明の実施の第6形態である組立用位置決め構造に使用する第2の部品62の位置決め孔64の形状を示す斜視図、平面図および断面図である。
【図8】従来からの典型的な組立用位置決め構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 第1部品
12,22,32,42,52,62 第2部品
13 爪
13a 基部
13b 端部
14,24,34,44,64 位置決め孔
14a,24a,34a,44a,54a,66a,66b,66c 位置決め部
14b,24b,34b,44b,54b,65 案内部
54 位置決め穴

Claims (9)

  1. 第1の部品の表面から突出する凸部と、第2の部品の表面に設けられる凹部とを嵌合させて、第1の部品と第2の部品とを位置決めして組立てるための組立用位置決め構造であって、
    第1の部品の表面から突出する凸部は、
    該表面に位置し、突出方向に垂直な断面形状が扁平で、厚さに比較して幅が大きい基部と、
    該基部から該突出方向の先端側に延びるように形成され、幅が該基部よりも小さく、かつ該凸部の先端部に向かって細い形状の端部とを有し、
    第2の部品の表面に設けられる凹部は、
    凸部の基部が嵌合可能で、嵌合状態で該基部の幅と厚さの少なくとも一部とを規制して位置決めする位置決め部と、
    該位置決め部に連なるように形成され、該凸部の先細状の端部が挿入可能で、該端部を挿入すると該基部を該位置決め部に案内することが可能な案内部とを有することを特徴とする組立用位置決め構造。
  2. 前記第1の部品は、板状の素材をプレス加工して形成され、
    前記凸部は、該素材を部分的に切り起して形成されることを特徴とする請求項1記載の組立用位置決め構造。
  3. 前記第2の部品の凹部は、少なくとも前記位置決め部で貫通していることを特徴とする請求項1または2記載の組立用位置決め構造。
  4. 前記凹部の位置決め部は、前記凸部の基部の前記断面形状に対応するように開口し、
    該凹部の案内部は、該開口の中間に設けられ、該開口を前記厚さ方向に拡大する形状を有することを特徴とする請求項3記載の組立用位置決め構造。
  5. 前記凹部の位置決め部は、前記凸部の基部の前記断面形状に対応するように開口し、
    該凹部の案内部は、該開口の幅方向の中間で前記厚さ方向への拡大量が大きく、該幅方向の両端では該厚さ方向への拡大がないように、該幅方向の全体にわたって形成されることを特徴とする請求項3記載の組立用位置決め構造。
  6. 前記案内部は、前記幅方向に沿って前記厚さ方向が曲線状に拡大することを特徴とする請求項4または5記載の組立用位置決め構造。
  7. 前記案内部は、前記幅方向に沿って前記厚さ方向が直線状に拡大することを特徴とする請求項4または5記載の組立用位置決め構造。
  8. 前記案内部は、非貫通の陥没形状を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の組立用位置決め構造。
  9. 前記第2の部品は、板状の素材をプレス加工して形成され、
    前記凹部は、該素材を部分的に打ち抜いて形成され、
    該凹部の位置決め部は、曲げ加工によって成形されることを特徴とする請求項1または2記載の組立用位置決め構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020526717A (ja) * 2017-07-07 2020-08-31 キヤノン株式会社 部品位置決め機構及び画像形成装置

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