JP2005001418A - 建設機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗降レバー用のロック装置を外部から隠れた位置で運転席の床板に設けることにより、車両の盗難を防止し、信頼性を向上させる。
【解決手段】油圧ショベル1のキャブ5には、運転席8の床板6の下面6B側にロック装置24を設ける。そして、オペレータが車両から離れるときには、このロック装置24を操作して乗降レバー22を乗降許可位置に固定し、遮断バルブ21により車両の作動を禁止する。これにより、例えば盗難者等が車両のキースイッチ26を壊したとしても、ロック装置24を解除しない限り、乗降レバー22を乗降規制位置に切換えて車両を運転することができず、その原因となっているロック装置24に気付いたり、これを破壊するのが難しくなるので、車両の盗難を確実に防止することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】油圧ショベル1のキャブ5には、運転席8の床板6の下面6B側にロック装置24を設ける。そして、オペレータが車両から離れるときには、このロック装置24を操作して乗降レバー22を乗降許可位置に固定し、遮断バルブ21により車両の作動を禁止する。これにより、例えば盗難者等が車両のキースイッチ26を壊したとしても、ロック装置24を解除しない限り、乗降レバー22を乗降規制位置に切換えて車両を運転することができず、その原因となっているロック装置24に気付いたり、これを破壊するのが難しくなるので、車両の盗難を確実に防止することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン、ホイルローダ、リフトトラック等として好適に用いられる建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、建設機械は、車体に設けられた作業装置を作動させることにより、各種の土木作業を行うものであり、このような建設機械としては、油圧ショベル等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−115496号公報
【0004】
この種の従来技術による油圧ショベルは、オペレータが着座する運転席の近傍に各種の操作レバーが設けられている。そして、オペレータは、これらの操作レバーを操作して車両を走行、旋回させたり、作業装置を俯仰動させることにより、土砂等の掘削作業を行うものである。
【0005】
また、運転席の近傍には、オペレータにより操作される乗降レバー(ゲートロックレバー)が設けられており、この乗降レバーは、オペレータが運転席に乗降するときに邪魔にならない乗降許可位置と、乗降動作の邪魔になる乗降規制位置との間で回動される構成となっている。
【0006】
そして、乗降レバーは、乗降許可位置に回動されたときに車体または作業装置の作動を禁止し、乗降規制位置ではこれらの作動を許すことにより、油圧ショベルが作動可能な状態のままオペレータが運転席から降りたり、オペレータが運転席から降りているときに車両が誤動作するのを防止するものである。
【0007】
また、従来技術では、油圧ショベルを使用しないときに、例えば汎用的な施錠部品等からなるロック装置を操作レバーや乗降レバーに設け、これらのレバーをロック装置によって運転席周囲の固定構造物に連結する構成としている。これにより、ロック装置の施錠時には、操作レバーが中立位置に固定されたり、乗降レバーが乗降許可位置に固定されるため、例えば車両のキースイッチ等が壊された場合でも、車両の盗難を阻止できる構成となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、例えば操作レバー、乗降レバー等をロック装置によって運転席周囲の固定構造物に固定する構成としている。しかし、ロック装置は、汎用的な施錠部品等が用いられている上に、運転席の床板上の比較的目につき易い部位に配置されている。
【0009】
このため、盗難者が車両を持去ろうとするときには、ロック装置の存在や施錠の構造を容易に見極めることができ、工具等を用いてロック装置を比較的簡単に破壊できるため、車両の盗難を防止するのが難しいという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、外部から見え難く、破壊され難いロック装置を実現でき、車両の盗難を確実に防止できると共に、信頼性を向上できるようにした建設機械を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために請求項1の発明は、運転席が設けられた自走可能な車体と、該車体に設けられ前記運転席に着座したオペレータにより作動される作業装置と、オペレータが運転席に乗降するのを許す乗降許可位置と前記運転席への乗降を規制する乗降規制位置との間で回動し前記乗降許可位置となったときに前記車体または作業装置の作動を禁止する乗降レバーと、前記車体に設けられ該乗降レバーを乗降許可位置に固定し、または固定解除するロック装置とを備えてなる建設機械において、前記ロック装置は、外部から隠れた部位に位置して前記運転席の床板に取付ける構成としたことにある。
【0012】
このように構成することにより、運転席の床板には、外部から見え難く、破壊し難い隠れた位置にロック装置を配設することができる。そして、オペレータが建設機械を停止して車両から離れるときには、ロック装置により乗降レバーを乗降許可位置に固定でき、これによって車体または作業装置の作動を禁止することができる。
【0013】
また、請求項2の発明によると、ロック装置は床板の下面側に取付け、前記ロック装置は、前記床板の上側に位置してオペレータが前記ロック装置を施錠し、または開錠するときに操作する操作部と、前記床板の下側に配置され該操作部の操作内容に応じて前記乗降レバーを固定し、または固定解除するレバー固定部とを備える構成としている。
【0014】
これにより、ロック装置を運転席の床下に取付け、そのレバー固定部を床下に配置することができるから、盗難者等がロック装置に気付いたり、レバー固定部を破壊してロック装置を強制的に開錠するのを防止することができる。また、オペレータは、床板上に配置された操作部を所定のキー手段によって操作でき、これによってロック装置の施錠または開錠を行うことができる。
【0015】
また、請求項3の発明によると、ロック装置は無線通信手段により施錠または開錠する構成としている。これにより、オペレータは、ロック装置に触れることなく、例えば電波、赤外線等の無線通信手段によりロック装置を施錠または開錠できるから、例えば車体の内部等にロック装置を取付けることができ、その存在を盗難者等に対して非常に判り難くすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による建設機械を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
まず、図1ないし図8は第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、油圧ショベルを例に挙げて述べる。
【0018】
図中、1は油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、下部走行体2上に旋回装置3を介して上部旋回体4が旋回可能に搭載され、該上部旋回体4の旋回フレーム4Aには、キャブ5、建屋カバー、カウンタウェイト等が搭載されている。
【0019】
ここで、下部走行体2には走行モータ(図示せず)が設けられ、旋回装置3には旋回モータ3Aが設けられると共に、これらのモータ3A等には後述の油圧ポンプ17から圧油が給排されるものである。
【0020】
また、キャブ5の左側面には、図2に示す如く、油圧ショベル1のオペレータが後述の運転席8に乗降するための乗降口5Aが設けられている。また、キャブ5の床板6には、図5に示す如く、その上面6Aと下面6Bとに開口する略四角形状の開口部6Cが設けられ、該開口部6C内には、後述の乗降レバー22、ロック装置24等が配置されている。
【0021】
7は上部旋回体4の旋回フレーム4Aの前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置で、該作業装置7は、ブーム7A、アーム7B、バケット7Cと、これらを作動させるブームシリンダ7D、アームシリンダ7E、バケットシリンダ7Fとにより構成されている。
【0022】
8はオペレータが着座する運転席で、該運転席8は、図2に示す如く、キャブ5の床板6上に設けられている。また、運転席8の左,右両側には、オペレータにより前,後方向および左,右方向に操作される操作レバー9,10が設けられ、これらの操作レバー9,10は、図6に示す減圧弁型パイロット弁11,12と共にパイロット操作装置を構成している。
【0023】
ここで、左側のパイロット弁11は、方向制御弁13の油圧パイロット部13A,13Bに供給するパイロット圧に応じて旋回モータ3Aの作動状態を制御し、また方向制御弁14の油圧パイロット部14A,14Bに供給するパイロット圧に応じてアームシリンダ7Eの作動状態を制御する。
【0024】
一方、右側のパイロット弁12は、方向制御弁15の油圧パイロット部15A,15Bに供給するパイロット圧に応じてブームシリンダ7Dの作動状態を制御し、方向制御弁16の油圧パイロット部16A,16Bに供給するパイロット圧に応じてバケットシリンダ7Fの作動状態を制御する。
【0025】
この場合、各方向制御弁13〜16は、メインの油圧源を構成する油圧ポンプ17とタンク18との間でタンデム回路を構成し、各パイロット弁11,12の入力側は、パイロット油路19と、後述の遮断バルブ21とを介してパイロット油圧源20に接続されている。
【0026】
21は床板6の下面6B側に設けられた遮断バルブで、該遮断バルブ21は、図5、図6に示す如く、ケーシング21Aと、該ケーシング21Aに回動可能に設けられた回動軸21Bとにより構成され、パイロット弁11,12とパイロット油圧源20との間に接続されている。
【0027】
そして、遮断バルブ21は、後述の乗降レバー22によって直接的に回動されることにより、パイロット弁11,12とパイロット油圧源20との間を遮断する遮断位置と、これらの間を連通する連通位置との間で切換される。この場合、遮断バルブ21が遮断位置または連通位置に切換えられるときには、車両の走行モータも油圧ポンプ17に対して遮断または連通される構成となっている。
【0028】
また、ケーシング21Aには、乗降レバー22用のストッパ21Cが設けられている。また、回動軸21Bは、軸方向の両側がケーシング21Aの外部に突出し、これらの突出端側には、後述する乗降レバー22の取付ブロック22Bと、保持ばね23の取付レバー23Bとがそれぞれ固着されている。
【0029】
22は運転席8の左側近傍に位置してキャブ5の床板6に回動可能に設けられた乗降レバー(ゲートロックレバー)で、該乗降レバー22は、図3ないし図5に示す如く、上端側(先端側)がオペレータの把持部となり下端側(基端側)が床板6の開口部6Cを介して下面6B側に延びた略く字状のレバー軸22Aと、該レバー軸22Aの下端側に設けられ、遮断バルブ21の回動軸21Bに固着された直方体状の取付ブロック22Bとにより構成され、遮断バルブ21を介して床板6の下面6B側に回動可能に取付けられている。また、取付ブロック22Bには、後述するロック装置24の固定ロッド24Bが係合する係合穴22Cが設けられている。
【0030】
そして、乗降レバー22は、オペレータの操作により遮断バルブ21の回動軸21Bと一体に回動し、運転席8の左側に納められてオペレータが運転席8に乗降するのを許す乗降許可位置(図3参照)と、運転席8の左前側に張出してオペレータの乗降を規制する乗降規制位置(図8参照)との間で回動変位する。
【0031】
この場合、乗降レバー22は、保持ばね23のばね力によって取付ブロック22Bが遮断バルブ21のストッパ21Cに押付けられ、これによって乗降許可位置と乗降規制位置のいずれかに保持される。ここで、保持ばね23は、一端側がブラケット23A等を介して床板6の下面6Bに取付けられると共に、他端側が取付レバー23Bを介して遮断バルブ21の回動軸21Bに取付けられ、乗降レバー22を乗降許可位置または乗降規制位置に向けて付勢するものである。
【0032】
そして、乗降レバー22が乗降許可位置となったときには、遮断バルブ21が遮断位置となり、これによって車両の走行モータ、旋回モータ3Aおよび作業装置7の各シリンダ7D,7E,7Fからなる各油圧アクチュエータは、作動が禁止された状態となる。また、乗降レバー22が乗降規制位置となったときには、遮断バルブ21が連通位置となるため、これらの油圧アクチュエータは作動可能な状態に保持される構成となっている。
【0033】
24は乗降レバー22の近傍に位置してキャブ5の床板6に設けられたロック装置で、該ロック装置24は、図3ないし図5に示す如く、例えば床板6の下面6B側に取付ねじ25等を用いて取付けられ、車両のキースイッチ26(図2参照)のように外部から判り易い位置ではなく、外部から見え難く、破壊し難い隠れた位置に配設されている。
【0034】
そして、ロック装置24は、例えばオペレータが油圧ショベル1を停止して車両から離れるときに、乗降レバー22を乗降許可位置に固定するものであり、仮りにキースイッチ26が壊されて強制的に閉成されたとしても、正規のオペレータ以外に対して車両の作動を禁止し、車両の盗難等を防止するものである。
【0035】
ここで、ロック装置24は、その上部側が床板6の開口部6Cを介して上面6A側に突出すると共に、その下部側が乗降レバー22の取付ブロック22Bに面して配置されている。そして、ロック装置24は、床板6の上面6A側に位置してオペレータがロック装置24を施錠または開錠するときに操作する操作部としてのキーシリンダ24Aと、床板6の下面6B側に位置して該キーシリンダ24Aの操作内容に応じて乗降レバー22の取付ブロック22Bを固定または固定解除するレバー固定部としての固定ロッド24Bとを備えている。
【0036】
そして、油圧ショベル1を使用しないときには、図3、図4に示す如く、オペレータが乗降レバー22を乗降許可位置に回動した後に、ロック装置24の鍵(図示せず)を用いてキーシリンダ24Aを施錠方向に回転操作すると、固定ロッド24Bが乗降レバー22の係合穴22Cに進入し、取付ブロック22Bが固定された状態となる。
【0037】
これにより、乗降レバー22は乗降許可位置に固定され、乗降規制位置への回動操作が禁止された状態となるため、この固定状態を解除して乗降レバー22を操作しない限り、車両の走行、上部旋回体4の旋回および作業装置7の作動は、いずれも行うことができなくなる。
【0038】
また、油圧ショベル1を使用するときには、図7に示す如く、オペレータが鍵を用いてキーシリンダ24Aを開錠方向に回転操作することにより、固定ロッド24Bが乗降レバー22の係合穴22Cから抜け出て取付ブロック22Bの固定状態が解除される。これにより、オペレータは、図8に示す如く、乗降レバー22を乗降規制位置に回動させて車両を運転することができる。
【0039】
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0040】
まず、車両の運転時には、オペレータが乗降レバー22を乗降規制位置に保持し、操作レバー9,10等を操作することにより、油圧ポンプ17から各油圧アクチュエータに圧油が給排される。これにより、オペレータは、車両の走行、上部旋回体4の旋回等を行ったり、作業装置7を作動させて掘削作業等を行う。
【0041】
また、オペレータが運転席8から降りるときには、乗降レバー22を乗降許可位置に切換える。これにより、パイロット弁11,12が遮断バルブ21によってパイロット油圧源20から遮断されると共に、車両の走行モータが油圧ポンプ17から遮断されるため、車両の走行、上部旋回体4の旋回および作業装置7の作動はいずれも禁止され、油圧ショベル1は停止状態に保持される。
【0042】
このように、乗降レバー22は、車両が作動可能な状態であるのにオペレータが運転席から降りたり、オペレータが運転席から降りているときに車両が誤動作するのを防止することができる。
【0043】
また、オペレータが車両から離れるときには、キースイッチ26を開成して抜取り、ロック装置24を施錠して乗降レバー22を乗降許可位置に固定する。この場合、ロック装置24は、キースイッチ26から離れた位置で床板6の下面6B側に取り付けられているため、例えば盗難者等がキースイッチ26を壊して閉成(直結)状態とした場合でも、盗難者等は、ロック装置24の存在に短時間で気付いてこれを破壊するのが難しくなる。これにより、正規のオペレータ以外によって乗降レバー22が乗降規制位置に切換えられ、車両が持去られるのを確実に防止することができる。
【0044】
また、オペレータが車両に戻ったときには、ロック装置24を開錠し、キースイッチ26を閉成すると共に、運転席8に着座して乗降レバー22を乗降規制位置に回動させることにより、車両を運転することができる。
【0045】
かくして、本実施の形態によれば、キャブ5(運転席8)の床板6の下面6B側には、外部から隠れた部位に位置して乗降レバー22を乗降許可位置に固定するロック装置24を設ける構成としたので、ロック装置24を、外部から見え難く、破壊し難い位置に取付けることができ、オペレータが車両から離れるときには、ロック装置24により車体と作業装置7の作動を禁止することができる。
【0046】
これにより、例えば盗難者等がキースイッチ26を破壊したとしても、ロック装置24を解除しない限り、乗降レバー22を切換えることができない上に、その原因となっているロック装置24の存在や構造を見極めたり、床板6の下面6B側に配置された固定ロッド24B、取付ねじ25等を破壊するのが難しくなるので、車両の盗難を確実に防止でき、信頼性を高めることができる。
【0047】
また、ロック装置24は、そのキーシリンダ24Aを床板6の上面6A側に配置し、その固定ロッド24Bにより床板6の下面6B側で乗降レバー22を固定するようにしたので、ロック装置24に対して防犯的に優れた床下の取付位置を確保でき、固定ロッド24B等が破壊されてロック装置24が強制的に開錠されるのを防止することができる。また、オペレータは、床板6上でキーシリンダ24Aを操作してロック装置24の施錠または開錠を容易に行うことができる。
【0048】
さらに、ロック装置24を床板6に設けることにより、既存の乗降レバー22、遮断バルブ21等を利用して車両のロック機構を容易に構成でき、その構造を簡略化することができる。
【0049】
次に、図9は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、無線通信式のロック装置を用いる構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0050】
31は無線通信式のロック装置で、該ロック装置31は、第1の実施の形態とほぼ同様に、油圧ショベル1を使用しないときに、乗降レバー22を乗降許可位置に固定し、車両の作動を禁止するものである。
【0051】
ここで、ロック装置31は床板6の下面6B側に取付けられ、上面6A側から見えない隠れた位置に配置されている。そして、ロック装置31は、例えば電波、赤外線等の無線通信手段により切換操作され、オペレータは、例えば携帯型のリモートコントローラ32を用いてロック装置31の施錠または解除を行う構成となっている。
【0052】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、ロック装置31を無線通信手段により切換操作する構成としたので、オペレータは、ロック装置31に触れることなく、これを無線通信手段により容易に施錠または開錠することができる。
【0053】
これにより、例えば上部旋回体4の内部等にロック装置31を取付けることができ、その一部を床板6上に配置する必要がなくなるから、ロック装置31の存在を盗難者等に対して非常に判り難くすることができ、信頼性をより高めることができる。
【0054】
なお、前記第1の実施の形態では、ロック装置24の施錠または開錠を鍵により行う構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば暗証番号を入力することにより施錠または解除を行う暗証番号式のロック装置を用いる構成としてもよい。
【0055】
また、実施の形態では、油圧ショベル1に適用した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン、ホイルローダ、リフトトラック等を含めた各種の建設機械に広く適用できるものである。
【0056】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、車両の乗降レバーを固定するロック装置を外部から隠れた位置で運転席の床板に取付ける構成としたので、ロック装置を、外部から見え難く、破壊し難い位置に取付けることができる。これにより、例えば盗難者等が車両のキースイッチを破壊したとしても、車体や作業装置を作動させることができない上に、その原因となっているロック装置の発見や破壊が難しくなるので、車両の盗難を確実に防止でき、信頼性を高めることができる。また、従来からある既存の乗降レバー等を利用して車両のロック機構を容易に構成でき、その構造を簡略化することができる。
【0057】
また、請求項2の発明によれば、ロック装置は、運転席の床板の下面側に取付け、床板上の操作部と床下のレバー固定部とを備える構成としたので、ロック装置を防犯的に優れた床下の位置に取付けることができ、レバー固定部が破壊されてロック装置が強制的に開錠されるのを防止することができる。
【0058】
また、請求項3の発明によれば、ロック装置は、無線通信手段により施錠または開錠する構成としたので、例えば車体の内部等、外部から非常に判り難い位置にロック装置を取付け、これを無線通信手段により容易に施錠または開錠することができ、信頼性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】図1中のキャブを一部破断して示す正面図である。
【図3】図2中の乗降レバー、遮断バルブ、ロック装置等を拡大して示すキャブの部分拡大断面図である。
【図4】乗降レバー、遮断バルブ、ロック装置等を図3中の矢示IV−IV方向からみた拡大側面図である。
【図5】乗降レバー、遮断バルブ、ロック装置等を運転席の床板の下側からみた斜視図である。
【図6】乗降レバー、遮断バルブ、ロック装置等を含めて車両の油圧系統を示す回路図である。
【図7】ロック装置を解除した状態を図4と同様位置からみた拡大側面図である。
【図8】乗降レバーを乗降規制位置に切換えた状態を示すキャブの部分拡大断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態による油圧ショベルのキャブを示す正面図である。
【符号の説明】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
4 上部旋回体
5 キャブ
5A 乗降口
6 床板
6A 上面
6B 下面
7 作業装置
8 運転席
9,10 操作レバー
21 遮断バルブ
21A ケーシング
21B 回動軸
21C ストッパ
22 乗降レバー
22A レバー軸
22B 取付ブロック
22C 係合穴
23 保持ばね
24,31 ロック装置
24A キーシリンダ(操作部)
24B 固定ロッド(レバー固定部)
26 キースイッチ
32 リモートコントローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン、ホイルローダ、リフトトラック等として好適に用いられる建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、建設機械は、車体に設けられた作業装置を作動させることにより、各種の土木作業を行うものであり、このような建設機械としては、油圧ショベル等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−115496号公報
【0004】
この種の従来技術による油圧ショベルは、オペレータが着座する運転席の近傍に各種の操作レバーが設けられている。そして、オペレータは、これらの操作レバーを操作して車両を走行、旋回させたり、作業装置を俯仰動させることにより、土砂等の掘削作業を行うものである。
【0005】
また、運転席の近傍には、オペレータにより操作される乗降レバー(ゲートロックレバー)が設けられており、この乗降レバーは、オペレータが運転席に乗降するときに邪魔にならない乗降許可位置と、乗降動作の邪魔になる乗降規制位置との間で回動される構成となっている。
【0006】
そして、乗降レバーは、乗降許可位置に回動されたときに車体または作業装置の作動を禁止し、乗降規制位置ではこれらの作動を許すことにより、油圧ショベルが作動可能な状態のままオペレータが運転席から降りたり、オペレータが運転席から降りているときに車両が誤動作するのを防止するものである。
【0007】
また、従来技術では、油圧ショベルを使用しないときに、例えば汎用的な施錠部品等からなるロック装置を操作レバーや乗降レバーに設け、これらのレバーをロック装置によって運転席周囲の固定構造物に連結する構成としている。これにより、ロック装置の施錠時には、操作レバーが中立位置に固定されたり、乗降レバーが乗降許可位置に固定されるため、例えば車両のキースイッチ等が壊された場合でも、車両の盗難を阻止できる構成となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、例えば操作レバー、乗降レバー等をロック装置によって運転席周囲の固定構造物に固定する構成としている。しかし、ロック装置は、汎用的な施錠部品等が用いられている上に、運転席の床板上の比較的目につき易い部位に配置されている。
【0009】
このため、盗難者が車両を持去ろうとするときには、ロック装置の存在や施錠の構造を容易に見極めることができ、工具等を用いてロック装置を比較的簡単に破壊できるため、車両の盗難を防止するのが難しいという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、外部から見え難く、破壊され難いロック装置を実現でき、車両の盗難を確実に防止できると共に、信頼性を向上できるようにした建設機械を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために請求項1の発明は、運転席が設けられた自走可能な車体と、該車体に設けられ前記運転席に着座したオペレータにより作動される作業装置と、オペレータが運転席に乗降するのを許す乗降許可位置と前記運転席への乗降を規制する乗降規制位置との間で回動し前記乗降許可位置となったときに前記車体または作業装置の作動を禁止する乗降レバーと、前記車体に設けられ該乗降レバーを乗降許可位置に固定し、または固定解除するロック装置とを備えてなる建設機械において、前記ロック装置は、外部から隠れた部位に位置して前記運転席の床板に取付ける構成としたことにある。
【0012】
このように構成することにより、運転席の床板には、外部から見え難く、破壊し難い隠れた位置にロック装置を配設することができる。そして、オペレータが建設機械を停止して車両から離れるときには、ロック装置により乗降レバーを乗降許可位置に固定でき、これによって車体または作業装置の作動を禁止することができる。
【0013】
また、請求項2の発明によると、ロック装置は床板の下面側に取付け、前記ロック装置は、前記床板の上側に位置してオペレータが前記ロック装置を施錠し、または開錠するときに操作する操作部と、前記床板の下側に配置され該操作部の操作内容に応じて前記乗降レバーを固定し、または固定解除するレバー固定部とを備える構成としている。
【0014】
これにより、ロック装置を運転席の床下に取付け、そのレバー固定部を床下に配置することができるから、盗難者等がロック装置に気付いたり、レバー固定部を破壊してロック装置を強制的に開錠するのを防止することができる。また、オペレータは、床板上に配置された操作部を所定のキー手段によって操作でき、これによってロック装置の施錠または開錠を行うことができる。
【0015】
また、請求項3の発明によると、ロック装置は無線通信手段により施錠または開錠する構成としている。これにより、オペレータは、ロック装置に触れることなく、例えば電波、赤外線等の無線通信手段によりロック装置を施錠または開錠できるから、例えば車体の内部等にロック装置を取付けることができ、その存在を盗難者等に対して非常に判り難くすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による建設機械を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
まず、図1ないし図8は第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、油圧ショベルを例に挙げて述べる。
【0018】
図中、1は油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、下部走行体2上に旋回装置3を介して上部旋回体4が旋回可能に搭載され、該上部旋回体4の旋回フレーム4Aには、キャブ5、建屋カバー、カウンタウェイト等が搭載されている。
【0019】
ここで、下部走行体2には走行モータ(図示せず)が設けられ、旋回装置3には旋回モータ3Aが設けられると共に、これらのモータ3A等には後述の油圧ポンプ17から圧油が給排されるものである。
【0020】
また、キャブ5の左側面には、図2に示す如く、油圧ショベル1のオペレータが後述の運転席8に乗降するための乗降口5Aが設けられている。また、キャブ5の床板6には、図5に示す如く、その上面6Aと下面6Bとに開口する略四角形状の開口部6Cが設けられ、該開口部6C内には、後述の乗降レバー22、ロック装置24等が配置されている。
【0021】
7は上部旋回体4の旋回フレーム4Aの前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置で、該作業装置7は、ブーム7A、アーム7B、バケット7Cと、これらを作動させるブームシリンダ7D、アームシリンダ7E、バケットシリンダ7Fとにより構成されている。
【0022】
8はオペレータが着座する運転席で、該運転席8は、図2に示す如く、キャブ5の床板6上に設けられている。また、運転席8の左,右両側には、オペレータにより前,後方向および左,右方向に操作される操作レバー9,10が設けられ、これらの操作レバー9,10は、図6に示す減圧弁型パイロット弁11,12と共にパイロット操作装置を構成している。
【0023】
ここで、左側のパイロット弁11は、方向制御弁13の油圧パイロット部13A,13Bに供給するパイロット圧に応じて旋回モータ3Aの作動状態を制御し、また方向制御弁14の油圧パイロット部14A,14Bに供給するパイロット圧に応じてアームシリンダ7Eの作動状態を制御する。
【0024】
一方、右側のパイロット弁12は、方向制御弁15の油圧パイロット部15A,15Bに供給するパイロット圧に応じてブームシリンダ7Dの作動状態を制御し、方向制御弁16の油圧パイロット部16A,16Bに供給するパイロット圧に応じてバケットシリンダ7Fの作動状態を制御する。
【0025】
この場合、各方向制御弁13〜16は、メインの油圧源を構成する油圧ポンプ17とタンク18との間でタンデム回路を構成し、各パイロット弁11,12の入力側は、パイロット油路19と、後述の遮断バルブ21とを介してパイロット油圧源20に接続されている。
【0026】
21は床板6の下面6B側に設けられた遮断バルブで、該遮断バルブ21は、図5、図6に示す如く、ケーシング21Aと、該ケーシング21Aに回動可能に設けられた回動軸21Bとにより構成され、パイロット弁11,12とパイロット油圧源20との間に接続されている。
【0027】
そして、遮断バルブ21は、後述の乗降レバー22によって直接的に回動されることにより、パイロット弁11,12とパイロット油圧源20との間を遮断する遮断位置と、これらの間を連通する連通位置との間で切換される。この場合、遮断バルブ21が遮断位置または連通位置に切換えられるときには、車両の走行モータも油圧ポンプ17に対して遮断または連通される構成となっている。
【0028】
また、ケーシング21Aには、乗降レバー22用のストッパ21Cが設けられている。また、回動軸21Bは、軸方向の両側がケーシング21Aの外部に突出し、これらの突出端側には、後述する乗降レバー22の取付ブロック22Bと、保持ばね23の取付レバー23Bとがそれぞれ固着されている。
【0029】
22は運転席8の左側近傍に位置してキャブ5の床板6に回動可能に設けられた乗降レバー(ゲートロックレバー)で、該乗降レバー22は、図3ないし図5に示す如く、上端側(先端側)がオペレータの把持部となり下端側(基端側)が床板6の開口部6Cを介して下面6B側に延びた略く字状のレバー軸22Aと、該レバー軸22Aの下端側に設けられ、遮断バルブ21の回動軸21Bに固着された直方体状の取付ブロック22Bとにより構成され、遮断バルブ21を介して床板6の下面6B側に回動可能に取付けられている。また、取付ブロック22Bには、後述するロック装置24の固定ロッド24Bが係合する係合穴22Cが設けられている。
【0030】
そして、乗降レバー22は、オペレータの操作により遮断バルブ21の回動軸21Bと一体に回動し、運転席8の左側に納められてオペレータが運転席8に乗降するのを許す乗降許可位置(図3参照)と、運転席8の左前側に張出してオペレータの乗降を規制する乗降規制位置(図8参照)との間で回動変位する。
【0031】
この場合、乗降レバー22は、保持ばね23のばね力によって取付ブロック22Bが遮断バルブ21のストッパ21Cに押付けられ、これによって乗降許可位置と乗降規制位置のいずれかに保持される。ここで、保持ばね23は、一端側がブラケット23A等を介して床板6の下面6Bに取付けられると共に、他端側が取付レバー23Bを介して遮断バルブ21の回動軸21Bに取付けられ、乗降レバー22を乗降許可位置または乗降規制位置に向けて付勢するものである。
【0032】
そして、乗降レバー22が乗降許可位置となったときには、遮断バルブ21が遮断位置となり、これによって車両の走行モータ、旋回モータ3Aおよび作業装置7の各シリンダ7D,7E,7Fからなる各油圧アクチュエータは、作動が禁止された状態となる。また、乗降レバー22が乗降規制位置となったときには、遮断バルブ21が連通位置となるため、これらの油圧アクチュエータは作動可能な状態に保持される構成となっている。
【0033】
24は乗降レバー22の近傍に位置してキャブ5の床板6に設けられたロック装置で、該ロック装置24は、図3ないし図5に示す如く、例えば床板6の下面6B側に取付ねじ25等を用いて取付けられ、車両のキースイッチ26(図2参照)のように外部から判り易い位置ではなく、外部から見え難く、破壊し難い隠れた位置に配設されている。
【0034】
そして、ロック装置24は、例えばオペレータが油圧ショベル1を停止して車両から離れるときに、乗降レバー22を乗降許可位置に固定するものであり、仮りにキースイッチ26が壊されて強制的に閉成されたとしても、正規のオペレータ以外に対して車両の作動を禁止し、車両の盗難等を防止するものである。
【0035】
ここで、ロック装置24は、その上部側が床板6の開口部6Cを介して上面6A側に突出すると共に、その下部側が乗降レバー22の取付ブロック22Bに面して配置されている。そして、ロック装置24は、床板6の上面6A側に位置してオペレータがロック装置24を施錠または開錠するときに操作する操作部としてのキーシリンダ24Aと、床板6の下面6B側に位置して該キーシリンダ24Aの操作内容に応じて乗降レバー22の取付ブロック22Bを固定または固定解除するレバー固定部としての固定ロッド24Bとを備えている。
【0036】
そして、油圧ショベル1を使用しないときには、図3、図4に示す如く、オペレータが乗降レバー22を乗降許可位置に回動した後に、ロック装置24の鍵(図示せず)を用いてキーシリンダ24Aを施錠方向に回転操作すると、固定ロッド24Bが乗降レバー22の係合穴22Cに進入し、取付ブロック22Bが固定された状態となる。
【0037】
これにより、乗降レバー22は乗降許可位置に固定され、乗降規制位置への回動操作が禁止された状態となるため、この固定状態を解除して乗降レバー22を操作しない限り、車両の走行、上部旋回体4の旋回および作業装置7の作動は、いずれも行うことができなくなる。
【0038】
また、油圧ショベル1を使用するときには、図7に示す如く、オペレータが鍵を用いてキーシリンダ24Aを開錠方向に回転操作することにより、固定ロッド24Bが乗降レバー22の係合穴22Cから抜け出て取付ブロック22Bの固定状態が解除される。これにより、オペレータは、図8に示す如く、乗降レバー22を乗降規制位置に回動させて車両を運転することができる。
【0039】
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0040】
まず、車両の運転時には、オペレータが乗降レバー22を乗降規制位置に保持し、操作レバー9,10等を操作することにより、油圧ポンプ17から各油圧アクチュエータに圧油が給排される。これにより、オペレータは、車両の走行、上部旋回体4の旋回等を行ったり、作業装置7を作動させて掘削作業等を行う。
【0041】
また、オペレータが運転席8から降りるときには、乗降レバー22を乗降許可位置に切換える。これにより、パイロット弁11,12が遮断バルブ21によってパイロット油圧源20から遮断されると共に、車両の走行モータが油圧ポンプ17から遮断されるため、車両の走行、上部旋回体4の旋回および作業装置7の作動はいずれも禁止され、油圧ショベル1は停止状態に保持される。
【0042】
このように、乗降レバー22は、車両が作動可能な状態であるのにオペレータが運転席から降りたり、オペレータが運転席から降りているときに車両が誤動作するのを防止することができる。
【0043】
また、オペレータが車両から離れるときには、キースイッチ26を開成して抜取り、ロック装置24を施錠して乗降レバー22を乗降許可位置に固定する。この場合、ロック装置24は、キースイッチ26から離れた位置で床板6の下面6B側に取り付けられているため、例えば盗難者等がキースイッチ26を壊して閉成(直結)状態とした場合でも、盗難者等は、ロック装置24の存在に短時間で気付いてこれを破壊するのが難しくなる。これにより、正規のオペレータ以外によって乗降レバー22が乗降規制位置に切換えられ、車両が持去られるのを確実に防止することができる。
【0044】
また、オペレータが車両に戻ったときには、ロック装置24を開錠し、キースイッチ26を閉成すると共に、運転席8に着座して乗降レバー22を乗降規制位置に回動させることにより、車両を運転することができる。
【0045】
かくして、本実施の形態によれば、キャブ5(運転席8)の床板6の下面6B側には、外部から隠れた部位に位置して乗降レバー22を乗降許可位置に固定するロック装置24を設ける構成としたので、ロック装置24を、外部から見え難く、破壊し難い位置に取付けることができ、オペレータが車両から離れるときには、ロック装置24により車体と作業装置7の作動を禁止することができる。
【0046】
これにより、例えば盗難者等がキースイッチ26を破壊したとしても、ロック装置24を解除しない限り、乗降レバー22を切換えることができない上に、その原因となっているロック装置24の存在や構造を見極めたり、床板6の下面6B側に配置された固定ロッド24B、取付ねじ25等を破壊するのが難しくなるので、車両の盗難を確実に防止でき、信頼性を高めることができる。
【0047】
また、ロック装置24は、そのキーシリンダ24Aを床板6の上面6A側に配置し、その固定ロッド24Bにより床板6の下面6B側で乗降レバー22を固定するようにしたので、ロック装置24に対して防犯的に優れた床下の取付位置を確保でき、固定ロッド24B等が破壊されてロック装置24が強制的に開錠されるのを防止することができる。また、オペレータは、床板6上でキーシリンダ24Aを操作してロック装置24の施錠または開錠を容易に行うことができる。
【0048】
さらに、ロック装置24を床板6に設けることにより、既存の乗降レバー22、遮断バルブ21等を利用して車両のロック機構を容易に構成でき、その構造を簡略化することができる。
【0049】
次に、図9は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、無線通信式のロック装置を用いる構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0050】
31は無線通信式のロック装置で、該ロック装置31は、第1の実施の形態とほぼ同様に、油圧ショベル1を使用しないときに、乗降レバー22を乗降許可位置に固定し、車両の作動を禁止するものである。
【0051】
ここで、ロック装置31は床板6の下面6B側に取付けられ、上面6A側から見えない隠れた位置に配置されている。そして、ロック装置31は、例えば電波、赤外線等の無線通信手段により切換操作され、オペレータは、例えば携帯型のリモートコントローラ32を用いてロック装置31の施錠または解除を行う構成となっている。
【0052】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、ロック装置31を無線通信手段により切換操作する構成としたので、オペレータは、ロック装置31に触れることなく、これを無線通信手段により容易に施錠または開錠することができる。
【0053】
これにより、例えば上部旋回体4の内部等にロック装置31を取付けることができ、その一部を床板6上に配置する必要がなくなるから、ロック装置31の存在を盗難者等に対して非常に判り難くすることができ、信頼性をより高めることができる。
【0054】
なお、前記第1の実施の形態では、ロック装置24の施錠または開錠を鍵により行う構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば暗証番号を入力することにより施錠または解除を行う暗証番号式のロック装置を用いる構成としてもよい。
【0055】
また、実施の形態では、油圧ショベル1に適用した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン、ホイルローダ、リフトトラック等を含めた各種の建設機械に広く適用できるものである。
【0056】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、車両の乗降レバーを固定するロック装置を外部から隠れた位置で運転席の床板に取付ける構成としたので、ロック装置を、外部から見え難く、破壊し難い位置に取付けることができる。これにより、例えば盗難者等が車両のキースイッチを破壊したとしても、車体や作業装置を作動させることができない上に、その原因となっているロック装置の発見や破壊が難しくなるので、車両の盗難を確実に防止でき、信頼性を高めることができる。また、従来からある既存の乗降レバー等を利用して車両のロック機構を容易に構成でき、その構造を簡略化することができる。
【0057】
また、請求項2の発明によれば、ロック装置は、運転席の床板の下面側に取付け、床板上の操作部と床下のレバー固定部とを備える構成としたので、ロック装置を防犯的に優れた床下の位置に取付けることができ、レバー固定部が破壊されてロック装置が強制的に開錠されるのを防止することができる。
【0058】
また、請求項3の発明によれば、ロック装置は、無線通信手段により施錠または開錠する構成としたので、例えば車体の内部等、外部から非常に判り難い位置にロック装置を取付け、これを無線通信手段により容易に施錠または開錠することができ、信頼性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】図1中のキャブを一部破断して示す正面図である。
【図3】図2中の乗降レバー、遮断バルブ、ロック装置等を拡大して示すキャブの部分拡大断面図である。
【図4】乗降レバー、遮断バルブ、ロック装置等を図3中の矢示IV−IV方向からみた拡大側面図である。
【図5】乗降レバー、遮断バルブ、ロック装置等を運転席の床板の下側からみた斜視図である。
【図6】乗降レバー、遮断バルブ、ロック装置等を含めて車両の油圧系統を示す回路図である。
【図7】ロック装置を解除した状態を図4と同様位置からみた拡大側面図である。
【図8】乗降レバーを乗降規制位置に切換えた状態を示すキャブの部分拡大断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態による油圧ショベルのキャブを示す正面図である。
【符号の説明】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
4 上部旋回体
5 キャブ
5A 乗降口
6 床板
6A 上面
6B 下面
7 作業装置
8 運転席
9,10 操作レバー
21 遮断バルブ
21A ケーシング
21B 回動軸
21C ストッパ
22 乗降レバー
22A レバー軸
22B 取付ブロック
22C 係合穴
23 保持ばね
24,31 ロック装置
24A キーシリンダ(操作部)
24B 固定ロッド(レバー固定部)
26 キースイッチ
32 リモートコントローラ
Claims (3)
- 運転席が設けられた自走可能な車体と、該車体に設けられ前記運転席に着座したオペレータにより作動される作業装置と、オペレータが運転席に乗降するのを許す乗降許可位置と前記運転席への乗降を規制する乗降規制位置との間で回動し前記乗降許可位置となったときに前記車体または作業装置の作動を禁止する乗降レバーと、前記車体に設けられ該乗降レバーを乗降許可位置に固定し、または固定解除するロック装置とを備えてなる建設機械において、
前記ロック装置は、外部から隠れた部位に位置して前記運転席の床板に取付ける構成としたことを特徴とする建設機械。 - 前記ロック装置は前記床板の下面側に取付け、前記ロック装置は、前記床板の上側に位置してオペレータが前記ロック装置を施錠し、または開錠するときに操作する操作部と、前記床板の下側に配置され該操作部の操作内容に応じて前記乗降レバーを固定し、または固定解除するレバー固定部とを備えてなる請求項1に記載の建設機械。
- 前記ロック装置は無線通信手段により施錠または開錠する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20220227606A1 (en) * | 2019-05-17 | 2022-07-21 | Kobelco Construction Machinery Co., Ltd. | Work machine and method for controlling work machine |
-
2003
- 2003-06-09 JP JP2003164064A patent/JP2005001418A/ja active Pending
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US20220227606A1 (en) * | 2019-05-17 | 2022-07-21 | Kobelco Construction Machinery Co., Ltd. | Work machine and method for controlling work machine |
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