JP2005098680A - 有害ガスの浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 半導体製造工程から排出される有害ガスを、大型あるいは複雑な構成を用いることなく、処理対象有害ガスの分解率の低下、及び分解室壁面における粉化物の堆積を抑制することができ、長時間にわたり安全で安定して浄化できる浄化装置を提供する。
【解決手段】 半導体製造工程から排出される有害ガスを、燃料を燃焼して得られる燃焼排ガスまたは火炎により熱分解して浄化する浄化装置において、熱分解室の側面を通気性及び断熱性を有する壁とし、これを介して酸素含有ガスを熱分解室へ導入する構成を備えた浄化装置とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 半導体製造工程から排出される有害ガスを、燃料を燃焼して得られる燃焼排ガスまたは火炎により熱分解して浄化する浄化装置において、熱分解室の側面を通気性及び断熱性を有する壁とし、これを介して酸素含有ガスを熱分解室へ導入する構成を備えた浄化装置とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体製造工程から排出される有害成分を含む有害ガスを除去するための浄化装置に関する。さらに詳細には、半導体製造工程から排出される有害ガスを、燃料を燃焼して得られる燃焼排ガスまたは火炎と、酸素の存在下、高温で接触させ、熱分解することにより無害な物質、あるいは容易に無害化できる物質に変えるための浄化装置に関するものである。
近年の半導体工業の発展とともに、半導体製造工程においては非常に多種のガスが使用されるようになってきている。しかし、これらのガスは人体及び環境にとって有害な物質が多く、工場外へ排出するに先立って浄化することが必須のこととなっている。これらのガスを燃焼させることにより分解処理する燃焼式浄化方法は、排ガスの組成や物性によらず適用することができる便利な方法であり、特に高濃度、大流量の場合は乾式浄化方法や湿式浄化方法と比較して効率的である。
燃焼式浄化方法により処理される有害ガスは、プロパン、LPG、LNG等の燃料ガス、空気または酸素、必要に応じ不活性ガスと燃焼室において混合、燃焼し、無害な酸化物あるいは容易に無害化できる物質となり処理される。従来から使用されている一般的な燃焼式浄化装置は、有害ガスを燃焼するための燃焼室、処理対象の有害ガス成分を含む有害ガス、燃料ガス、空気等の酸素含有ガスを燃焼室へ導入するための各配管、燃焼後のガスを燃焼室から排出するための排出口から構成されている。また、さらにこれらの他に火炎を安定した状態に維持するための円錐状またはそれに類似する形状の保炎器が設置されている装置がある。
このような構成の燃焼式浄化装置で、有害ガスは燃焼処理されガスの排出口より排気されて大気に放出されるかあるいは次の処理装置へ送られる。しかし、処理対象ガスが、例えばシラン、ホスフィン、アルシン、ジボランのようなガスである場合は、燃焼により各々ケイ素、リン、ヒ素、ホウ素の固体粒子状酸化物が生成し、大部分は燃焼室内を通過し後工程で処理されるが、一部は燃焼室内に粉化物として堆積し以下のような不具合を発生させるので問題となっている。
すなわち、上記のような粉化物は、有害ガスの燃焼開始とともに発生し燃焼室内の内壁に堆積し、燃焼時間の経過とともにその付着面積、厚みが増加する。その結果、有害ガスと燃料ガス、空気、酸素等との均一な混合が妨げられて完全燃焼が阻害され、燃焼温度の低下、処理対象の有害ガスの分解率の低下を生じるだけでなく、粉化物の堆積量が多大な場合は失火する恐れがある。
そのため、燃焼室内に、回転するとともに上下方向に往復運動するスクレーパー及び固定突起を設けて、堆積する粉化物を掻き取り除去できる装置(特開平11−193916号公報)、あるいは、燃料を理論空気量に近い混合組成下で燃焼させ、燃焼によって得られた熱エネルギー保有ガス中に半導体製造排ガスを導入して熱分解し、次いで別のセクションにて過剰空気を供給して酸化反応を完結させる浄化方法及び浄化装置(特開平11−211036号公報)等が提案されている。
特開平11−193916号公報
特開平11−211036号公報
しかしながら、特開平11−193916号公報に記載の浄化装置は、スクレーパーを回転させるとともに回転軸方向に往復運動させるための駆動部が必要であり、装置が複雑になり高価なものになるという不都合があった。また、スクレーパー及び固定突起を用いた場合の固体付着物の堆積状況は、これらを用いない場合よりはきわめて良好であるが、定期的な分解掃除は避けることができず、装置が複雑な構成なのでメンテナンスに多くの手間がかかるという不都合があった。
特開平11−211036号公報に記載の浄化装置は、半導体製造工程からの有害ガスを熱分解する際に火炎を用いないので失火する恐れがなく、またその際に酸素量をコントロールして固体粒子状酸化物の生成を抑制するので、分解室内の壁面に堆積する粉化物を少なくすることができるが、次の工程で酸化炉が必要であり装置が大型で複雑な構成になる不都合があった。
従って、本発明が解決しようとする課題は、これらの従来技術の欠点を解決し、大型あるいは複雑な構成を用いることなく、処理対象有害ガスの分解率の低下、及び分解室壁面における粉化物の堆積を抑制することができ、長時間にわたり安全で安定した浄化ができるような有害ガスの浄化装置を提供することである。
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、半導体製造工程から排出される有害ガスを、燃焼排ガスまたは火炎により熱分解(または燃焼)して浄化する浄化装置において、熱分解室の側面を通気性及び断熱性を有する壁とし、これを介して酸素含有ガスを熱分解室へ導入する構成とすることにより、大型あるいは複雑な構成を用いることなく、処理対象有害ガスを効率よく容易に分解することができるとともに、分解室壁面における粉化物の堆積を抑制することができ、しかも長時間にわたり安全で安定した浄化が可能なことを見い出し本発明の有害ガスの浄化装置に到達した。
すなわち本発明は、半導体製造工程から排出される有害ガスを、燃料を燃焼して得られる燃焼排ガスまたは火炎により熱分解して浄化する浄化装置であって、少なくとも、有害ガスの熱分解室、燃焼排ガスまたは火炎を該熱分解室へ導入するノズル、有害ガスを該熱分解室へ導入するノズル、通気性の断熱壁を介して酸素含有ガスを側面から該熱分解室へ導入する手段、及び熱分解後のガスを外部へ排出する排出口を備えてなることを特徴とする有害ガスの浄化装置である。
本発明は、半導体製造工程から排出される有害ガスを、燃料を燃焼して得られる燃焼排ガスまたは火炎により熱分解して浄化する浄化装置に適用されるが、特に酸素と反応して粉化物を生成する有害成分を含むガスを処理する場合に、分解室壁面における粉化物の堆積を抑制することができる点で効果を発揮する。
本発明の浄化装置で処理できる有害ガス成分としては、アルシン、ホスフィン、シラン、ジシラン、ジクロロシラン、ジボラン、セレン化水素、ゲルマン等の水素化物ガス、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、四フッ化珪素、四塩化珪素、四塩化チタン、塩化アルミニウム、四フッ化ゲルマニウム、六フッ化タングステン等の酸性ガス、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ヒドラジン等の塩基性ガス、パーフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン等のハロゲン化炭素を例示することができる。
また、燃料ガスとしては、プロパンガス、天然ガス等を使用することができる。これらのガスは、必要に応じ窒素等の不活性ガスと共に用いられる。
また、燃料ガスとしては、プロパンガス、天然ガス等を使用することができる。これらのガスは、必要に応じ窒素等の不活性ガスと共に用いられる。
以下、本発明の排ガスの浄化装置を、図1及び図2に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
図1は、本発明の有害ガスの浄化装置の例を示す縦断面図である。図2は、本発明の浄化装置における通気性の断熱壁の部分拡大平断面図である。
本発明の有害ガスの浄化装置は、図1に示すように、少なくとも、有害ガスの熱分解室1、燃焼排ガスまたは火炎を熱分解室へ導入するノズル2、有害ガスを熱分解室へ導入するノズル3、酸素含有ガスの導入口4、通気性の断熱壁5、及び熱分解後のガスを外部へ排出する排出口17を備え、導入口4から装置内に供給された酸素含有ガスが、通気性の断熱壁5を介して側面から熱分解室へ導入されるように構成された浄化装置である。本発明において、通気性の断熱壁を介して酸素含有ガスを側面から熱分解室へ導入する手段は、酸素含有ガス導入口と酸素含有ガスの流路からなり、酸素含有ガスの流路が、通気性の断熱壁の外周全体にわたり設けられる。
図1は、本発明の有害ガスの浄化装置の例を示す縦断面図である。図2は、本発明の浄化装置における通気性の断熱壁の部分拡大平断面図である。
本発明の有害ガスの浄化装置は、図1に示すように、少なくとも、有害ガスの熱分解室1、燃焼排ガスまたは火炎を熱分解室へ導入するノズル2、有害ガスを熱分解室へ導入するノズル3、酸素含有ガスの導入口4、通気性の断熱壁5、及び熱分解後のガスを外部へ排出する排出口17を備え、導入口4から装置内に供給された酸素含有ガスが、通気性の断熱壁5を介して側面から熱分解室へ導入されるように構成された浄化装置である。本発明において、通気性の断熱壁を介して酸素含有ガスを側面から熱分解室へ導入する手段は、酸素含有ガス導入口と酸素含有ガスの流路からなり、酸素含有ガスの流路が、通気性の断熱壁の外周全体にわたり設けられる。
本発明の有害ガスの浄化装置において、有害ガスの熱分解室1の側面には、円筒、角筒、多角筒、またはこれらに類似する筒状の形状からなる通気性の断熱壁5が設けられる。本発明においては、熱分解室で有害ガスが高温度の燃焼排ガスまたは火炎に接触するとともに、熱分解室側面の断熱壁5から供給される空気等の酸素含有ガスと接触して、有害ガスに含まれる有害成分が熱分解される。その際、有害成分の種類によっては粉化物が生成するが、図1において矢印で示すような酸素含有ガスの流れにより、粉化物の熱分解室壁面への堆積を抑制することができる。
断熱壁5の構成材料としては、有害成分に対する耐腐食性、熱分解温度に耐えられる耐熱性、及び断熱性があれば特に限定されることはないが、好ましい構成材料としては、セラミックを挙げることができる。セラミックの中では、アルミナ、シリカ、チタニア等が、耐腐食性、耐熱性、及び断熱性の点で好ましい。また、断熱壁5の形態としては、有害成分の熱分解に必要な流量の酸素含有ガスを、実質的に粉化物が飛来する壁面全体から熱分解室1に長時間安定して供給することができる構成を有する必要がある。
断熱壁5の表面の形態としては、例えば図2に示すような構成を挙げることができる。図2(a)(b)は針孔を有するセラミックの壁の部分拡大平断面図であり、その孔径(直径)は、通常は0.01〜3.0mm、好ましくは0.02〜1.0mmである。尚、孔18は円形に限られず、そのような場合の孔の大きさは、前記の孔径に相当する大きさである。孔の配列も縦横に規則的に配置したり、ランダムに配置したものを用いることができる。図2(c)は線状の間隙19を有する壁の部分拡大平断面図であり、その間隙は、通常は0.005〜2.0mm、好ましくは0.01〜1.0mmである。図2(d)は格子窓状の間隙20を有する壁の部分拡大平断面図であり、その間隙は正方形に換算した場合の一辺の長さとして、通常は0.01〜3.0mm、好ましくは0.02〜1.0mmである。また、断熱壁5の表面の形態は、これらに限られるものではなく、例えばこれらのほかに、細孔を有する多孔質セラミック、多数の繊維状セラミックが積層された積層体、多数の粒子状セラミックが積層された積層体等の形態を挙げることができる。
尚、断熱壁の孔、間隙が前記の範囲より大きい場合は、熱分解室への酸素含有ガスの流れが偏り、ガスの流量が多い部分と少ない部分が生じる虞があり、ガスの流量が少ない部分では粉化物が堆積する虞がある。また、前記の範囲より小さい場合は、短時間で孔、間隙が粉化物等により閉塞する虞がある。さらに、断熱壁の通気性部分は、いずれの形態においても、好ましくは空隙率あるいは気孔率が50〜90%程度となるようにされる。空隙率あるいは気孔率が50%未満の場合は、粉化物が壁面に堆積する虞があり、空隙率あるいは気孔率が90%を越える場合は、断熱壁の強度が低下する虞がある。
また、断熱壁の厚さは、熱分解室の大きさ、有害ガスの分解条件、断熱壁の構成材料等により一概に特定することはできないが、セラミックを用いた場合、通常は2〜50mm、好ましくは5〜30mmである。
また、断熱壁の厚さは、熱分解室の大きさ、有害ガスの分解条件、断熱壁の構成材料等により一概に特定することはできないが、セラミックを用いた場合、通常は2〜50mm、好ましくは5〜30mmである。
本発明の有害ガスの浄化装置においては、通常は前記のような通気性の断熱壁の外周全体にわたり、酸素含有ガスの流路6が設けられる。酸素含有ガスの流路の幅は、通常は5〜200mm、好ましくは10〜100mmである。有害ガスを処理する際には熱分解室の温度は500〜1200℃の高温になり、このような構成とすることにより、熱分解室の熱が外部に拡散することを防止できる。尚、酸素含有ガスの流路の外壁は、断熱壁5の形状と合ったものであり、通常は円筒、角筒、多角筒、またはこれらに類似する筒状の形状である。
本発明の有害ガスの浄化装置においては、熱分解室の直前で燃料と酸素含有ガスが混合され、燃焼するように設定される。燃料の燃焼の際には、火炎7の先端が熱分解室に入っても良いし入らなくても良い。また、図1に示すように、有害ガスを熱分解室へ導入するノズル3は、通常は、燃焼排ガスまたは火炎7を熱分解室へ導入するノズル2の外周側に設置される。このような構成とすることにより、燃焼排ガスにより有害ガスを熱分解する場合に、燃焼排ガスを高温度に維持しながら熱分解室へ供給することができる。尚、熱分解室へ導入される際の燃焼排ガスの温度は、通常は1000〜1500℃程度である。また、熱分解室のガス圧力についても特に制限されることはなく、通常は常圧であるが、10KPa(絶対圧力)のような減圧あるいは0.5MPa(絶対圧力)のような加圧下で処理することも可能である。
熱分解処理された後のガスは、大気に放出されるか、あるいは次の処理工程に送られるが、次の処理工程に送られるような場合、本発明の有害ガスの浄化装置においては、このような処理工程を実施するための設備を併せて装備することも可能である。
図1の水槽12及びスクラバーの設備は、本発明の有害ガスの浄化装置により処理した有害ガスについて、処理後のガスに含まれる粉化物の除去、及び新たに生成した有害成分(容易に無害化できる成分)の除去を行なうためのものであり、本発明においては必須の設備ではないが、これらの設備を備えることが好ましい。すなわち、熱分解室の排出側に、粉化物の除去部及び/または酸性ガスの除去部を設けた有害ガスの浄化装置が好ましい。
図1の水槽12及びスクラバーの設備は、本発明の有害ガスの浄化装置により処理した有害ガスについて、処理後のガスに含まれる粉化物の除去、及び新たに生成した有害成分(容易に無害化できる成分)の除去を行なうためのものであり、本発明においては必須の設備ではないが、これらの設備を備えることが好ましい。すなわち、熱分解室の排出側に、粉化物の除去部及び/または酸性ガスの除去部を設けた有害ガスの浄化装置が好ましい。
例えば、本発明の有害ガスの浄化装置により、アルシン、ホスフィン、シラン、ジボラン等の水素化物を処理した場合は、燃焼により各々ヒ素、リン、ケイ素、ホウ素等の固体粒子状酸化物が生成する。また、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、四フッ化珪素、四塩化珪素、C2F6等のハロゲン化物を処理した場合は、新たに塩化水素、フッ化水素等の酸性ガス(容易に無害化できる成分)が生成する。図1の浄化装置においては、粉化物は主にスプレーノズル9からの散水、及び多孔板14における捕捉により除去することが可能である。また、塩化水素、フッ化水素等は、主に充填材15により除去することが可能である。また、デミスター16により水分も併せて除去することができる。尚、図1において、8は冷却配管、10はフローメーター、11はポンプ、13は配水管、17は熱分解後のガスを外部へ排出する排出口を表わす。
本発明の有害ガスの浄化装置は、半導体製造工程から排出される有害ガスを、燃料を燃焼して得られる燃焼排ガスまたは火炎と、酸素の存在下、高温で接触させ、有害ガスを熱分解して浄化する浄化装置であって、熱分解室の側面を通気性及び断熱性を有する壁とし、これを介して酸素含有ガスを熱分解室へ導入する構成を有するものである。このような構成により、熱分解室からの熱拡散が防止でき、酸素含有ガスの流れにより分解室壁面に粉化物が堆積しにくくなる。従って、本発明の有害ガスの浄化装置は、小型で簡単な構成の装置であり、処理対象有害ガスを効率よく容易に分解することができるとともに、分解室壁面における粉化物の堆積を抑制することができ、しかも長時間にわたり安全で安定した浄化が可能である。また、メンテナンスの手間を大幅に軽減することができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
(浄化装置の製作)
図1に示すような外壁がステンレス鋼(SUS316)製の高さ2000mmの浄化装置を製作した。熱分解室の側面の断熱壁としては、図2(b)に示すような微多孔を有するアルミナ製の円筒を用いた。この断熱壁は、直径300mm、長さ600mm、厚さ25mmであり、直径10〜100μmに相当する微多孔を有するものであった。さらにその外側の外壁は、直径480mm、厚さ3mmのステンレス鋼製の円筒を用いた。また、燃焼排ガスを熱分解室へ導入するノズルの内径は32mm、有害ガスを熱分解室へ導入するノズルの内径は44mmであり、長さは共に200mmであった。
図1に示すような外壁がステンレス鋼(SUS316)製の高さ2000mmの浄化装置を製作した。熱分解室の側面の断熱壁としては、図2(b)に示すような微多孔を有するアルミナ製の円筒を用いた。この断熱壁は、直径300mm、長さ600mm、厚さ25mmであり、直径10〜100μmに相当する微多孔を有するものであった。さらにその外側の外壁は、直径480mm、厚さ3mmのステンレス鋼製の円筒を用いた。また、燃焼排ガスを熱分解室へ導入するノズルの内径は32mm、有害ガスを熱分解室へ導入するノズルの内径は44mmであり、長さは共に200mmであった。
浄化装置の下部には、縦1000mm、横600mm、高さ500mmの水槽を設置し、浄化装置の右部には、多孔板、ポリプロピレン樹脂を主材とする充填材、及びデミスターを有するスクラバーを設置した。また、スプレーノズル、フローメーター、ポンプ等を接続し、浄化装置を完成した。
(浄化装置の評価)
水槽に深さが350mmになるまで水を注入した後、ポンプ等を稼動してスプレーノズルから水を噴出させた。また、プロパン(流量30L/min)と空気(流量715L/min)を混合し燃焼させて得られた燃焼排ガスを、ノズルから熱分解室に導入するとともに、空気を200L/minの流量で側面から断熱壁を介して熱分解室に導入した。次に、有害ガスとしてのシラン(流量10L/min)を含む窒素ガス(流量490L/min)をノズルから熱分解室に導入して熱分解処理を行なった。
水槽に深さが350mmになるまで水を注入した後、ポンプ等を稼動してスプレーノズルから水を噴出させた。また、プロパン(流量30L/min)と空気(流量715L/min)を混合し燃焼させて得られた燃焼排ガスを、ノズルから熱分解室に導入するとともに、空気を200L/minの流量で側面から断熱壁を介して熱分解室に導入した。次に、有害ガスとしてのシラン(流量10L/min)を含む窒素ガス(流量490L/min)をノズルから熱分解室に導入して熱分解処理を行なった。
シランの熱分解処理は120時間行ない、この間シランの燃焼状態の変化を確認するために、分解室内に設置した温度センサーにより分解室内部の温度を測定するとともに、排出口から排出するガスの一部をサンプリングし、シランの濃度を測定した。尚、シランの濃度の測定には、バイオニクス(株)杜製TG−4000XA(検出下限1、5ppm)を用いた。結果を表1に示す。(表1中のNDは検出できなかったことを示すものである。)実験終了後における固体付着物の状況は、燃焼室の壁面に若干堆積している程度であった。また、燃焼室温度の測定結果、及び燃焼室出口のシラン濃度の測定結果から、シランは完全に燃焼したことが確認された。
比較例1
実施例1の浄化装置の製作において、熱分解室の側面の断熱壁として非通気性のアルミナ製の円筒(直径300mm、長さ500mm、厚さ25mm)を用い、断熱壁の上部100mmの空間から酸素含有ガスを熱分解室に導入できる構成としたほかは、実施例1と同様にして浄化装置を製作した。
この浄化装置を用いて、実施例1と同様にしてシランを熱分解し評価した結果を表1に示す。実験終了後における固体付着物の状況は、燃焼室の壁面に多量に堆積している状態であった。また、燃焼室出口のシラン濃度の測定結果から、シランは時間の経過とともに分解率が低下したことが確認された。
実施例1の浄化装置の製作において、熱分解室の側面の断熱壁として非通気性のアルミナ製の円筒(直径300mm、長さ500mm、厚さ25mm)を用い、断熱壁の上部100mmの空間から酸素含有ガスを熱分解室に導入できる構成としたほかは、実施例1と同様にして浄化装置を製作した。
この浄化装置を用いて、実施例1と同様にしてシランを熱分解し評価した結果を表1に示す。実験終了後における固体付着物の状況は、燃焼室の壁面に多量に堆積している状態であった。また、燃焼室出口のシラン濃度の測定結果から、シランは時間の経過とともに分解率が低下したことが確認された。
1 有害ガスの熱分解室
2 燃焼排ガスまたは火炎を熱分解室へ導入するノズル
3 有害ガスを熱分解室へ導入するノズル
4 酸素含有ガスの導入口
5 通気性の断熱壁
6 酸素含有ガスの流路
7 火炎
8 冷却配管
9 スプレーノズル
10 フローメーター
11 ポンプ
12 水槽
13 排水配管
14 多孔板
15 充填材
16 デミスター
17 熱分解後のガスを外部へ排出する排出口
18 孔
19 線状の間隙
20 格子窓状の間隙
2 燃焼排ガスまたは火炎を熱分解室へ導入するノズル
3 有害ガスを熱分解室へ導入するノズル
4 酸素含有ガスの導入口
5 通気性の断熱壁
6 酸素含有ガスの流路
7 火炎
8 冷却配管
9 スプレーノズル
10 フローメーター
11 ポンプ
12 水槽
13 排水配管
14 多孔板
15 充填材
16 デミスター
17 熱分解後のガスを外部へ排出する排出口
18 孔
19 線状の間隙
20 格子窓状の間隙
Claims (9)
- 半導体製造工程から排出される有害ガスを、燃料を燃焼して得られる燃焼排ガスまたは火炎により熱分解して浄化する浄化装置であって、少なくとも、有害ガスの熱分解室、燃焼排ガスまたは火炎を該熱分解室へ導入するノズル、有害ガスを該熱分解室へ導入するノズル、通気性の断熱壁を介して酸素含有ガスを側面から該熱分解室へ導入する手段、及び熱分解後のガスを外部へ排出する排出口を備えてなることを特徴とする有害ガスの浄化装置。
- 通気性の断熱壁が、円筒、角筒、多角筒、またはこれらに類似する筒状の形状である請求項1に記載の有害ガスの浄化装置。
- 通気性の断熱壁を介して酸素含有ガスを側面から熱分解室へ導入する手段は、酸素含有ガス導入口と酸素含有ガスの流路からなり、酸素含有ガスの流路が、通気性の断熱壁の外周全体にわたり設けられた請求項1に記載の有害ガスの浄化装置。
- 通気性の断熱壁が、セラミックで構成された請求項1に記載の有害ガスの浄化装置。
- 通気性の断熱壁が、針孔を有するセラミック、線状の間隙を有するセラミック、格子窓状の間隙を有するセラミック、多孔質セラミック、多数の繊維状セラミックの積層体、または多数の粒子状セラミックの積層体で構成された請求項1に記載の有害ガスの浄化装置。
- 有害ガスを熱分解室へ導入するノズルが、燃焼排ガスまたは火炎を熱分解室へ導入するノズルの外周側に設置された請求項1に記載の有害ガスの浄化装置。
- 半導体製造工程から排出される有害ガスが、酸素と反応することにより粉化物を生成する有害成分を含むガスである請求項1に記載の有害ガスの浄化装置。
- 半導体製造工程から排出される有害ガスが、酸性ガスを生成する有害成分を含むガスである請求項1に記載の有害ガスの浄化装置。
- 熱分解室の排出側に、粉化物の除去部及び/または酸性ガスの除去部を設けた請求項1に記載の有害ガスの浄化装置。
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