JP2005097663A - 薄膜形成装置及び薄膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄膜の膜厚を均一化する。
【解決手段】 本発明に係る薄膜形成装置は大気圧プラズマ処理により基材上に薄膜を形成する装置である。薄膜形成装置は、互いに対向配置された電極ローラ135及び角筒型電極136と、電極ローラ135と角筒型電極136と間の間隙gをモニタリングする画像センサ1と、間隙gを調整する調整手段(図示略)と、前記調整手段を制御する制御装置(図示略)とを、備えている。薄膜形成装置では、前記制御装置が、画像センサ1によるモニタリング結果に基づき間隙gが予め設定された設定値となるように前記調整手段を制御するようになっている。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明に係る薄膜形成装置は大気圧プラズマ処理により基材上に薄膜を形成する装置である。薄膜形成装置は、互いに対向配置された電極ローラ135及び角筒型電極136と、電極ローラ135と角筒型電極136と間の間隙gをモニタリングする画像センサ1と、間隙gを調整する調整手段(図示略)と、前記調整手段を制御する制御装置(図示略)とを、備えている。薄膜形成装置では、前記制御装置が、画像センサ1によるモニタリング結果に基づき間隙gが予め設定された設定値となるように前記調整手段を制御するようになっている。
【選択図】図1
Description
本発明は大気圧プラズマ処理で基材上に薄膜を形成する薄膜形成装置及び薄膜形成方法に係り、特に対向電極間の間隙を検出・調整する構成に関する。
現在、LSI,半導体,表示デバイス,磁気記録デバイス,光電変換デバイス,ジョセフソンデバイス,太陽電池,光熱変換デバイスなどの各種製品の多くは、基材上に高機能性の薄膜を設けた材料から構成されている。高機能性の薄膜というのは、例えば、電極膜,誘電体保護膜,半導体膜,透明導電膜,エレクトロクロミック膜,蛍光膜,超伝導膜,誘電体膜,太陽電池膜,反射防止膜,耐摩耗性膜,光学干渉膜,反射膜,帯電防止膜,導電膜,防汚膜,ハードコート膜,下引き膜,バリア膜,電磁波遮蔽膜,赤外線遮蔽膜,紫外線吸収膜,潤滑膜,形状記憶膜,磁気記録膜,発光素子膜,生体適合膜,耐食性膜,触媒膜,ガスセンサ膜,装飾膜などのことである。
従来、このような高機能性の薄膜は、塗布法に代表される湿式製膜法や、スパッタリング法,真空蒸着法,イオンプレーティング法,熱CVD法,真空プラズマ法などの真空を用いた乾式製膜法により形成されている。更に近年では、大気圧プラズマ放電処理による方法で高機能性の薄膜を形成することができるようになっている(例えば特許文献1参照)。大気圧プラズマ放電処理による方法によれば、上記湿式製膜法に比べてより高性能な薄膜が得られ、上記乾式製膜法に比べて薄膜の生産性を向上させることができる。そして大気圧プラズマ放電処理による方法では真空条件下で処理をおこなう必要がないので、塗布法と同様に、薄膜の連続製膜が可能であることが最大のメリットになっている。
特開2001−181850号公報
ところで、特許文献1の開示技術では、基材上に製膜された薄膜の膜厚をオンラインで測定し、その膜厚の測定結果をもとに電源の周波数などをフィードバック制御して薄膜の膜厚を均一化しているが、薄膜の製膜中(放電中)は対向電極間の距離(間隙)が微妙に変動するため、その影響を受けて薄膜の膜厚(膜厚分布)にバラツキが生じ、薄膜の膜厚を均一化することはできない。
本発明の目的は、薄膜の膜厚を均一化することができる薄膜形成装置及び薄膜形成方法を提供することである。
本発明の目的は、薄膜の膜厚を均一化することができる薄膜形成装置及び薄膜形成方法を提供することである。
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、
プラズマ処理で基材上に薄膜を形成する薄膜形成装置において、
互いに対向配置された対向電極と、
前記対向電極間の間隙を検出する検出手段と、
前記間隙を調整する調整手段と、
前記検出手段による検出結果に基づき前記間隙が予め設定された設定値となるように前記調整手段を制御する制御装置と、
を備えることを特徴としている。
プラズマ処理で基材上に薄膜を形成する薄膜形成装置において、
互いに対向配置された対向電極と、
前記対向電極間の間隙を検出する検出手段と、
前記間隙を調整する調整手段と、
前記検出手段による検出結果に基づき前記間隙が予め設定された設定値となるように前記調整手段を制御する制御装置と、
を備えることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、
大気圧プラズマ処理で基材上に薄膜を形成する薄膜形成装置において、
互いに対向配置された対向電極と、
前記対向電極間の間隙を検出する検出手段と、
前記間隙を調整する調整手段と、
前記検出手段による検出結果に基づき前記間隙が予め設定された設定値となるように前記調整手段を制御する制御装置と、
を備えることを特徴としている。
大気圧プラズマ処理で基材上に薄膜を形成する薄膜形成装置において、
互いに対向配置された対向電極と、
前記対向電極間の間隙を検出する検出手段と、
前記間隙を調整する調整手段と、
前記検出手段による検出結果に基づき前記間隙が予め設定された設定値となるように前記調整手段を制御する制御装置と、
を備えることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の薄膜形成装置において、
前記対向電極は長尺状を呈し、
前記検出手段及び前記調整手段はそれぞれ前記対向電極の長さ方向に沿って複数配され、
前記制御装置は前記各検出手段による検出結果に基づき前記間隙が予め設定された設定値となるように前記各調整手段を制御することを特徴としている。
請求項1又は2に記載の薄膜形成装置において、
前記対向電極は長尺状を呈し、
前記検出手段及び前記調整手段はそれぞれ前記対向電極の長さ方向に沿って複数配され、
前記制御装置は前記各検出手段による検出結果に基づき前記間隙が予め設定された設定値となるように前記各調整手段を制御することを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜形成装置において、
前記検出手段は前記間隙をモニタリングする画像センサであり、
前記制御装置は前記画像センサによるモニタリング結果を解析・演算処理して前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記調整手段を制御することを特徴としている。
請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜形成装置において、
前記検出手段は前記間隙をモニタリングする画像センサであり、
前記制御装置は前記画像センサによるモニタリング結果を解析・演算処理して前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記調整手段を制御することを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、
請求項4に記載の薄膜形成装置において、
前記画像センサは電磁波を遮断する電磁波シールド部材で覆われていることを特徴としている。
請求項4に記載の薄膜形成装置において、
前記画像センサは電磁波を遮断する電磁波シールド部材で覆われていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、
請求項4又は5に記載の薄膜形成装置において、
前記画像センサはCCD、CMOS又はVMISであることを特徴としている。
請求項4又は5に記載の薄膜形成装置において、
前記画像センサはCCD、CMOS又はVMISであることを特徴としている。
請求項7に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜形成装置において、
前記検出手段は前記対向電極間から放出された光量を測定する分光光度計であり、
前記制御装置は前記分光光度計による測定結果から前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記調整手段を制御することを特徴としている。
請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜形成装置において、
前記検出手段は前記対向電極間から放出された光量を測定する分光光度計であり、
前記制御装置は前記分光光度計による測定結果から前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記調整手段を制御することを特徴としている。
請求項8に記載の発明は、
請求項7に記載の薄膜形成装置において、
前記制御装置には前記光量と前記間隙とを互いに対応付けた検量線がデータとして予め記憶され、
前記制御装置は前記分光光度計による測定結果に応じて前記検量線のデータから前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記調整手段を制御することを特徴としている。
請求項7に記載の薄膜形成装置において、
前記制御装置には前記光量と前記間隙とを互いに対応付けた検量線がデータとして予め記憶され、
前記制御装置は前記分光光度計による測定結果に応じて前記検量線のデータから前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記調整手段を制御することを特徴としている。
請求項9に記載の発明は、
請求項7又は8に記載の薄膜形成装置において、
前記分光光度計は電磁波を遮断する電磁波シールド部材で覆われていることを特徴としている。
請求項7又は8に記載の薄膜形成装置において、
前記分光光度計は電磁波を遮断する電磁波シールド部材で覆われていることを特徴としている。
請求項10に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜形成装置において、
前記検出手段は前記対向電極の変形量を測定するゲージであり、
前記制御装置は前記ゲージによる測定結果から前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記調整手段を制御することを特徴としている。
請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜形成装置において、
前記検出手段は前記対向電極の変形量を測定するゲージであり、
前記制御装置は前記ゲージによる測定結果から前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記調整手段を制御することを特徴としている。
請求項11に記載の発明は、
請求項10に記載の薄膜形成装置において、
前記制御装置には前記変形量と前記間隙とを互いに対応付けた検量線がデータとして予め記憶され、
前記制御装置は前記ゲージによる測定結果に応じて前記検量線のデータから前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記調整手段を制御することを特徴としている。
請求項10に記載の薄膜形成装置において、
前記制御装置には前記変形量と前記間隙とを互いに対応付けた検量線がデータとして予め記憶され、
前記制御装置は前記ゲージによる測定結果に応じて前記検量線のデータから前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記調整手段を制御することを特徴としている。
請求項12に記載の発明は、
請求項10又は11に記載の薄膜形成装置において、
前記ゲージはダイヤルゲージ又はレーザ変位計であることを特徴としている。
請求項10又は11に記載の薄膜形成装置において、
前記ゲージはダイヤルゲージ又はレーザ変位計であることを特徴としている。
請求項13に記載の発明は、
請求項1〜12のいずれか一項に記載の薄膜形成装置において、
前記調整手段は前記対向電極を変形させるプッシュプルボルト、ヒートボルト又は熱変形プレートであることを特徴としている。
請求項1〜12のいずれか一項に記載の薄膜形成装置において、
前記調整手段は前記対向電極を変形させるプッシュプルボルト、ヒートボルト又は熱変形プレートであることを特徴としている。
請求項14に記載の発明は、
プラズマ処理で基材上に薄膜を形成する薄膜形成方法において、
互いに対向配置された対向電極間の間隙を検出し、その検出結果に基づき前記間隙が予め設定された設定値となるように前記間隙を調整することを特徴としている。
プラズマ処理で基材上に薄膜を形成する薄膜形成方法において、
互いに対向配置された対向電極間の間隙を検出し、その検出結果に基づき前記間隙が予め設定された設定値となるように前記間隙を調整することを特徴としている。
請求項15に記載の発明は、
大気圧プラズマ処理で基材上に薄膜を形成する薄膜形成方法において、
互いに対向配置された対向電極間の間隙を検出し、その検出結果に基づき前記間隙が予め設定された設定値となるように前記間隙を調整することを特徴としている。
大気圧プラズマ処理で基材上に薄膜を形成する薄膜形成方法において、
互いに対向配置された対向電極間の間隙を検出し、その検出結果に基づき前記間隙が予め設定された設定値となるように前記間隙を調整することを特徴としている。
請求項16に記載の発明は、
請求項14又は15に記載の薄膜形成方法において、
前記対向電極は長尺状を呈しており、
前記対向電極の長さ方向に沿う複数箇所にわたって前記間隙を検出し、それらの検出結果に基づき前記間隙が前記設定値となるように、前記対向電極の長さ方向に沿う複数箇所にわたって前記間隙を調整することを特徴としている。
請求項14又は15に記載の薄膜形成方法において、
前記対向電極は長尺状を呈しており、
前記対向電極の長さ方向に沿う複数箇所にわたって前記間隙を検出し、それらの検出結果に基づき前記間隙が前記設定値となるように、前記対向電極の長さ方向に沿う複数箇所にわたって前記間隙を調整することを特徴としている。
請求項17に記載の発明は、
請求項14〜16のいずれか一項に記載の薄膜形成方法において、
前記間隙をモニタリングする画像センサで前記間隙の検出をおこない、前記画像センサによるモニタリング結果を解析・演算処理して前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記間隙を調整することを特徴としている。
請求項14〜16のいずれか一項に記載の薄膜形成方法において、
前記間隙をモニタリングする画像センサで前記間隙の検出をおこない、前記画像センサによるモニタリング結果を解析・演算処理して前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記間隙を調整することを特徴としている。
請求項18に記載の発明は、
請求項17に記載の薄膜形成方法において、
前記画像センサは電磁波を遮断する電磁波シールド部材で覆われていることを特徴としている。
請求項17に記載の薄膜形成方法において、
前記画像センサは電磁波を遮断する電磁波シールド部材で覆われていることを特徴としている。
請求項19に記載の発明は、
請求項17又は18に記載の薄膜形成方法において、
前記画像センサはCCD、CMOS又はVMISであることを特徴としている。
請求項17又は18に記載の薄膜形成方法において、
前記画像センサはCCD、CMOS又はVMISであることを特徴としている。
請求項20に記載の発明は、
請求項14〜16のいずれか一項に記載の薄膜形成方法において、
前記対向電極間から放出された光量を測定する分光光度計で前記間隙の検出をおこない、前記分光光度計による測定結果から前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記間隙を調整することを特徴としている。
請求項14〜16のいずれか一項に記載の薄膜形成方法において、
前記対向電極間から放出された光量を測定する分光光度計で前記間隙の検出をおこない、前記分光光度計による測定結果から前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記間隙を調整することを特徴としている。
請求項21に記載の発明は、
請求項20に記載の薄膜形成方法において、
前記分光光度計による測定結果に応じて、前記光量と前記間隙とを互いに対応付けた検量線のデータから前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記間隙を調整することを特徴としている。
請求項20に記載の薄膜形成方法において、
前記分光光度計による測定結果に応じて、前記光量と前記間隙とを互いに対応付けた検量線のデータから前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記間隙を調整することを特徴としている。
請求項22に記載の発明は、
請求項20又は21に記載の薄膜形成方法において、
前記分光光度計は電磁波を遮断する電磁波シールド部材で覆われていることを特徴としている。
請求項20又は21に記載の薄膜形成方法において、
前記分光光度計は電磁波を遮断する電磁波シールド部材で覆われていることを特徴としている。
請求項23に記載の発明は、
請求項14〜16のいずれか一項に記載の薄膜形成方法において、
前記対向電極の変形量を測定するゲージで前記間隙の検出をおこない、前記ゲージによる測定結果から前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記間隙を調整することを特徴としている。
請求項14〜16のいずれか一項に記載の薄膜形成方法において、
前記対向電極の変形量を測定するゲージで前記間隙の検出をおこない、前記ゲージによる測定結果から前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記間隙を調整することを特徴としている。
請求項24に記載の発明は、
請求項23に記載の薄膜形成方法において、
前記ゲージによる測定結果に応じて、前記変形量と前記間隙とを互いに対応付けた検量線のデータから前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記間隙を調整することを特徴としている。
請求項23に記載の薄膜形成方法において、
前記ゲージによる測定結果に応じて、前記変形量と前記間隙とを互いに対応付けた検量線のデータから前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記間隙を調整することを特徴としている。
請求項25に記載の発明は、
請求項23又は24に記載の薄膜形成方法において、
前記ゲージはダイヤルゲージ又はレーザ変位計であることを特徴としている。
請求項23又は24に記載の薄膜形成方法において、
前記ゲージはダイヤルゲージ又はレーザ変位計であることを特徴としている。
請求項26に記載の発明は、
請求項14〜25のいずれか一項に記載の薄膜形成方法において、
前記対向電極を変形させるプッシュプルボルト、ヒートボルト又は熱変形プレートで前記間隙の調整をおこなうことを特徴としている。
請求項14〜25のいずれか一項に記載の薄膜形成方法において、
前記対向電極を変形させるプッシュプルボルト、ヒートボルト又は熱変形プレートで前記間隙の調整をおこなうことを特徴としている。
請求項1,2に記載の発明では、対向電極間の間隙を検出して当該間隙を調整可能なため、対向電極間の間隙の変動を抑えられ、基材上に形成される薄膜の膜厚を均一化することができる。
請求項3に記載の発明では、検出手段及び調整手段がそれぞれ対向電極の長さ方向に沿って複数配されるため、対向電極間の間隙を対向電極の長さ方向にわたる複数箇所で検出・調整可能であり、基材上に形成される薄膜の膜厚を対向電極の長さ方向に沿って均一化することができる。
請求項5,18に記載の発明では、対向電極間から放射される電磁波の影響で画像センサが誤作動するのを防止することができる。
請求項9,22に記載の発明では、対向電極間から放射される電磁波の影響で分光光度計が誤作動するのを防止することができる。
請求項14,15に記載の発明では、対向電極間の間隙を検出して当該間隙を調整するため、対向電極間の間隙の変動を抑えられ、基材上に形成される薄膜の膜厚を均一化することができる。
請求項16に記載の発明では、対向電極の長さ方向にわたる複数箇所で対向電極間の間隙を検出・調整するため、基材上に形成される薄膜の膜厚を対向電極の長さ方向に沿って均一化することができる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
始めに図1〜図3を参照しながら薄膜形成装置の概略構成について説明する。
図1は薄膜形成装置130を示す図面であり、図2は電極ローラ135を示す斜視図であり、図3は角筒型電極136を示す斜視図である。
始めに図1〜図3を参照しながら薄膜形成装置の概略構成について説明する。
図1は薄膜形成装置130を示す図面であり、図2は電極ローラ135を示す斜視図であり、図3は角筒型電極136を示す斜視図である。
図1に示す通り、薄膜形成装置130は図1中時計回り方向に回転可能な電極ローラ135を有している。電極ローラ135の近傍には複数の角筒型電極136,136,…が電極ローラ135の外周に沿って配されている。各角筒型電極136は電極ローラ135に対して間隙g(図4及び図5参照)をあけた状態で対向しており、電極ローラ135と各角筒型電極136とで対向電極が構成されている。
なお、電極ローラ135及び各角筒型電極136は長尺状を呈した電極であって図1中紙面の表側から裏側(又は裏側から表側)に延在している。
電極ローラ135は図2に示す通り、円筒型でかつ導電性の金属質母材135Aを誘電体135Bで被覆した構造を有している。一方、角筒型電極136は図3に示す通り、四角筒型でかつ導電性の金属質母材136Aを誘電体136Bで被覆した構造を有している。
電極ローラ135及び角筒型電極136の各金属質母材135A,136Aは(1)チタン金属,チタン合金,銀,白金,ステンレススティール,アルミニウム,鉄などの金属(2)鉄とセラミックスとの複合材料(3)アルミニウムとセラミックスとの複合材料のいずれかで構成されている。各金属質母材135A,136Aはチタン金属又はチタン合金で構成されるのが好ましい。
電極ローラ135及び角筒型電極136は、金属質母材135A,136Aの上に誘電体135B,136Bとしてのセラミックスを溶射した後に無機化合物の封孔材料を用いて封孔処理されている。セラミックスから構成された各誘電体135B,136Bが片肉で1mm程度、金属質母材135A,136Aを被覆しているのがよい。溶射に用いるセラミックス材としてはアルミナ・窒化珪素などが好ましく用いられるが、この中でもアルミナを用いるのが加工し易く特に好ましい。各誘電体135B,136Bは、ガラスライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体であってもよい。
図1に示す通り、薄膜形成装置130には、電極ローラ135に高周波電界を印加する第1の電源141と、各角筒型電極136に高周波電界を印加する第2の電源142とが、配されている。第1の電源141は電極ローラ135に周波数ω1,電界強度V1の第1の高周波電界E1を印加するようになっており、第2の電源142は各角筒型電極136に周波数ω2,電界強度V2の第2の高周波電解E2を印加するようになっている。薄膜形成装置130では第1及び第2の各電源141,142が電極ローラ135及び各角筒型電極136に高周波電界E1,E2を印加すると、電極ローラ135と各角筒型電極136とのあいだで放電現象が起こり、当該あいだに、角筒型電極136の数に応じた複数の放電空間132,132,…が形成されるようになっている。
第1の電源141と電極ローラ135とのあいだには第1のフィルタ143が設置されており、第2の電源142と各角筒型電極136とのあいだには第2のフィルタ144が設置されている。第1のフィルタ143は、第1の電源141から電極ローラ135に第1の高周波電界E1の電流を通過しやすくし、第2の高周波電界E2をアースして第2の電源142から第1の電源141に第2の高周波電界E2の電流を通過しにくくするものである。逆に第2のフィルタ142は、第2の電源142から各角筒型電極136に第2の高周波電界E2の電流を通過しやすくし、第1の高周波電界E1をアースして第1の電源141から第2の電源142に第1の高周波電界E1の電流を通過しにくくするものである。
第1のフィルタ143としては、第2の電源142の周波数ω2に応じて数十〜数万pFのコンデンサ又は数μH程度のコイルが用いられており、第2のフィルタ144としては、第1の電源141の周波数ω1に応じて10μH以上のコイルが用いられている。第1及び第2のフィルタ143,144はこれらコイル又はコンデンサを介してアース接地されている。
薄膜形成装置130には、断面C字状でかつ図1中紙面表側から裏側(又は裏側から表側)に延在する長尺状のプラズマ放電処理容器131が配されている。プラズマ放電処理容器131は電極ローラ135の外周面のほぼ3分の2程度を覆うように設置されており、プラズマ放電処理容器131の内部にすべての角筒型電極136,136,…が配置されている。
上記の通り、電極ローラ135及び各角筒型電極136に第1及び第2の高周波電界E1,E2が印加されると、電極ローラ135と各角筒型電極136とのあいだで複数の放電空間132,132,…が形成されるが、各放電空間132から発される電磁波がプラズマ放電処理容器131の外部に放射するのを防止するために、アース接地した電磁波遮断用の電磁波シールドパネルをプラズマ放電処理容器131の内側に配してもよい。
プラズマ放電処理容器131の両端部の近傍にはニップローラ165,166及び仕切板168,169がそれぞれ対になって設けられており、プラズマ放電処理容器131はニップローラ165,166及び仕切板168,169で両端部が塞がれた構造を有している。
電極ローラ135の近傍であってプラズマ処理放電容器131が設置されていない部分には2つのガイドローラ164,167が設けられている。各ガイドローラ164,167はフィルム状の基材Fの搬送を案内するものである。薄膜形成装置130において基材Fは電極ローラ135の回転に伴い、各ガイドローラ164,167に案内された状態で電極ローラ135の外周面に密着しながら電極ローラ135と各角筒型電極136とのあいだを通過するようになっている。つまり薄膜形成装置130において、基材Fはガイドローラ164の近傍からガイドローラ167の近傍にかけて電極ローラ135の外周に沿って搬送される。
図1中、プラズマ放電処理容器131の上方にはプラズマ放電処理容器131の内部にガスGを供給するガス供給装置151が設けられている。ガス供給装置151はガス供給管152を介してプラズマ放電処理容器131の中途部に接続されており、流量を制御した状態でガスGをプラズマ放電処理容器131の内部に供給するようになっている。薄膜形成装置130ではガスGがプラズマ放電処理容器131の内部に供給されると、ガスGの供給時間の経過とともに、プラズマ放電処理容器131の内部にガスGが充満するようになっている。
プラズマ処理容器131の両端部には、放電処理済みの排ガスG’をプラズマ放電処理容器131の内部から外部に排気する排気口153がそれぞれ設けられている。
図1中、プラズマ放電処理容器131の下方には電極ローラ135及び各角筒型電極136の温度を調節する温度調節手段160が設けられている。温度調節手段160は、水,シリコンオイルなどの媒体を加熱又は冷却して当該媒体を所定温度に調節する温度調節装置162と、温度調節装置162と電極ローラ135及び角筒型電極136とを互いに繋ぐ配管161と、温度調節装置162から電極ローラ135及び各角筒型電極136にそれぞれ媒体を圧送するポンプ163とを、備えている。薄膜形成装置130では、ポンプ163が作動することにより、温度調節装置162で温度調節した媒体を電極ローラ135及び各角筒型電極136と温度調節装置162とのあいだで配管161を介して循環させ、電極ローラ135及び各角筒型電極136をそれぞれ所定の温度に調節することができるようになっている。
なお、電極ローラ135及び各角筒型電極136の内部は中空とされており、薄膜形成装置130では、温度調節された媒体が電極ローラ135及び各角筒型電極136の中空部を循環して、電極ローラ135及び各角筒型電極136が温度調節されるようになっている。
続いて図4〜図6を参照しながらプラズマ放電処理容器131の内部構成について説明する。
図4は放電空間132近傍の構成を示す側面図であり、図5は放電空間132近傍の構成を示す斜視図であり、図6は角筒型電極136に配された部材の構成を示す断面図である。
図4は放電空間132近傍の構成を示す側面図であり、図5は放電空間132近傍の構成を示す斜視図であり、図6は角筒型電極136に配された部材の構成を示す断面図である。
図4に示す通り、角筒型電極136は電極ローラ135に対向した状態で配置されている。電極ローラ135と角筒型電極136とのあいだの間隙gは0.3〜30mm(好ましくは0.5〜5mm)に保たれている。
上記の通り、電極ローラ135と角筒型電極136とに第1及び第2の各高周波電界E1,E2が印加されると、電極ローラ135と角筒型電極136とのあいだに放電空間132が形成されるが、当該放電空間132の近傍には電極ローラ135と角筒型電極136とのあいだの間隙gをモニタリングする画像センサ1(イメージセンサ)が配されている。画像センサ1としては、CCD(Charge Coupled Device),CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor),VMIS(Threshold Voltage Modulation Image Sensor)などが適用可能である。
画像センサ1は、放電空間132から発される電磁波を遮断する電磁波シールドボックス2の内部に配されている。電磁波シールド部材としての電磁波シールドボックス2の側面(図4中放電空間132に対向する面)は透明な石英ガラス3で構成されており、画像センサ1は石英ガラス3を介して間隙gをモニタリングするようになっている。
薄膜形成装置130では、図5に示す通り、画像センサ1が角筒型電極136の長さ方向(延在方向)に沿って複数並んで配されており、間隙gを複数点にわたってモニタリングできるようになっている。図5では省略されているが、各画像センサ1はすべて電磁波シールドボックス2の内部に配されている。
薄膜形成装置130では複数の画像センサ1,1,…を配したが、画像センサ1の個数は1個でもよいし、2個以上でもよい。角筒型電極136の長さ方向にわたってより正確な間隙gをモニタリングする上では、画像センサ1は2個以上配するのが好ましい。
図6に示す通り、角筒型電極136の上部(電極ローラ135と対向する部分の反対側の部分)には、角筒型電極136の一方の端部から他方の端部に渡る渡しプレート10の両端部がそれぞれ固定されており、渡しプレート10を貫通した状態で回転自在な複数のプッシュプルボルト11,11,…が設けられている。渡しプレート10は角筒型電極136より剛性に優れた材料から構成されている。
調整手段としての各プッシュプルボルト11は先端部が雄ネジとされており、角筒型電極136の上部であって各プッシュプルボルト11の先端部に対向する部分には雌ネジ12,12,…が形成されている。各プッシュプルボルト11の先端部は雌ネジ12,12,…に嵌合しており、各プッシュプルボルト11が回転することで角筒型電極136を図7中上下方向に自在に変形させることができるようになっている。つまり薄膜形成装置130では各プッシュプルボルト11の回転量を調整することで、角筒型電極136に生じた微小な撓み(変形)を復元可能であって角筒型電極136と電極ローラ135とのあいだの間隙gを一定に保つことができるようになっている。
なお、薄膜形成装置130には各プッシュプルボルト11を回転させる回転機構13(図7参照)が配されており、回転機構13が、各プッシュプルボルト11の回転量を調整して角筒型電極136と電極ローラ135とのあいだの間隙gを一定に保つようになっている。
続いて図7を参照しながら薄膜形成装置130の回路構成について説明する。
図7は薄膜形成装置130の回路構成を示すブロック図である。
薄膜形成装置130は各部を制御する制御装置8を内蔵している。制御装置8は、図7に示す通り、汎用のCPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などから構成された制御部9を備えている。制御部9は、ROMに記録された処理プログラムをRAMに展開してCPUにより当該処理プログラムを実行するようになっている。
図7は薄膜形成装置130の回路構成を示すブロック図である。
薄膜形成装置130は各部を制御する制御装置8を内蔵している。制御装置8は、図7に示す通り、汎用のCPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などから構成された制御部9を備えている。制御部9は、ROMに記録された処理プログラムをRAMに展開してCPUにより当該処理プログラムを実行するようになっている。
制御部9は、上記処理プログラムにしたがいながら電極ローラ135,第1及び第2の各電源141,142,ガス供給装置151,温度調節手段160,回転機構13などの各部の動作を制御するようになっている。特に薄膜形成装置130では、各画像センサ1が制御部9に接続されており、制御部9は各画像センサ1のモニタリング結果に基づき、回転機構13で各プッシュプルボルト11の回転量を制御して電極ローラ135と角筒型電極136とのあいだの間隙gを調整(補正)するようになっている。
続いてプラズマ放電処理容器131の内部の放電空間132に供給する「ガスG」について説明する。
ガスGは放電ガス及び薄膜形成ガスを含有している。放電ガスと薄膜形成ガスは、放電空間132に供給される前に予め混合された状態で放電空間132に供給されてもよいし、別々に放電空間132に供給されてもよい。ガスGには一成分として酸素,水素,二酸化炭素,一酸化炭素などの添加ガス(又は補助ガス)が混合されるのが好ましい。
ガスGは放電ガス及び薄膜形成ガスを含有している。放電ガスと薄膜形成ガスは、放電空間132に供給される前に予め混合された状態で放電空間132に供給されてもよいし、別々に放電空間132に供給されてもよい。ガスGには一成分として酸素,水素,二酸化炭素,一酸化炭素などの添加ガス(又は補助ガス)が混合されるのが好ましい。
「放電ガス」とは、薄膜を形成可能な放電を起こすことのできるガスである。放電ガスとしては窒素,希ガス,空気,水素ガス,酸素などがあり、安全性、コストなどを考慮すると放電ガスとして窒素を用いるのが好ましい。放電ガスの50〜100体積%が窒素ガスであることが好ましい。このとき、放電ガスとして窒素以外の放電ガスとしては、希ガスを50体積%未満含有することもできる。放電ガスは全ガスG量に対して90〜99.9体積%含有することが好ましい。
「薄膜形成ガス」とは、それ自身励起して活性となり、基材F上に化学的に堆積して薄膜を形成する原料ガスのことである。薄膜形成ガスとしては、有機金属化合物,ハロゲン金属化合物,金属水素化合物などを挙げることができる。取り扱いの問題から、爆発の危険性の少ない有機金属化合物を薄膜形成ガスとして用いるのが好ましく、分子内に少なくとも一つ以上の酸素を有する有機金属化合物を薄膜形成ガスとして用いるのが特に好ましい。
本実施形態において、薄膜形成ガスに使用する有機金属化合物、ハロゲン化金属、金属水素化合物の金属として、Li,Be,B,Na,Mg,Al,Si,K,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Rb,Sr,Y,Zr,Nb,Mo,Cd,In,Ir,Sn,Sb,Cs,Ba,La,Hf,Ta,W,Tl,Pb,Bi,Ce,Pr,Nd,Pm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luなどを挙げることができる。
続いて「基材F」について説明する。
基材Fとしては例えば、セルロースエステル(セルローストリアセテート,セルロースアセテートプロピオネート,セルロースアセテートフタレート,セルロースナイトレート等),ポリエステル(ポリエチレンフタレート,ポリエチレンナフタレート等),ポリカーボネート(ビスフェノールAポリカーボネート等),ポリスチレン(シンジオタクティックポリスチレン等),ポリオレフィン(ポリエチレン,ポリプロピレン等),セロファン,ポリ塩化ビニリデン,ポリビニルアルコール,コポリエチレンビニルアルコール,ノルボルネン樹脂,ポリメチルペンテン,ポリエーテルケトン,ポリイミド,ポリエーテルスルホン,ポリスルホン,ポリエーテルケトンイミド,ポリアミド,フッ素樹脂,ナイロン,ポリメチルメタクリレート,アクリル又はポリアリレートなどのフィルムを挙げることができる。
基材Fとしては例えば、セルロースエステル(セルローストリアセテート,セルロースアセテートプロピオネート,セルロースアセテートフタレート,セルロースナイトレート等),ポリエステル(ポリエチレンフタレート,ポリエチレンナフタレート等),ポリカーボネート(ビスフェノールAポリカーボネート等),ポリスチレン(シンジオタクティックポリスチレン等),ポリオレフィン(ポリエチレン,ポリプロピレン等),セロファン,ポリ塩化ビニリデン,ポリビニルアルコール,コポリエチレンビニルアルコール,ノルボルネン樹脂,ポリメチルペンテン,ポリエーテルケトン,ポリイミド,ポリエーテルスルホン,ポリスルホン,ポリエーテルケトンイミド,ポリアミド,フッ素樹脂,ナイロン,ポリメチルメタクリレート,アクリル又はポリアリレートなどのフィルムを挙げることができる。
これらの基材Fの上(薄膜を形成する面上)にはゼラチン,ポリビニルアルコール(PVA),アクリル樹脂,ポリエステル樹脂,セルロース系樹脂などが塗設されていてもよい。
続いて薄膜形成装置130の動作、詳しくは薄膜形成装置130で基材Fに薄膜を形成する方法について説明する。
始めに大気圧又はその近傍の圧力下で、ガス供給装置151がプラズマ放電処理容器131の内部にガスGを供給し、電極ローラ135と各角筒型電極136とのあいだにガスGを充満させる。「大気圧又はその近傍の圧力」とは20〜110kPa程度であり、好ましくは93〜104kPaである。これと同期して、第1及び第2の各電源141,142が電極ローラ135及び各角筒型電極136にそれぞれ第1及び第2の高周波電界E1,E2を印加する。すると、電極ローラ135と各角筒型電極136とのあいだで放電現象が起こって当該あいだに複数の放電空間132,132,…が形成され、各放電空間132でガスGが励起する。
このように各放電空間132はローラ電極135と各角筒型電極136とにより形成されるが、ローラ電極135と各角筒型電極136とには周波数(ω1,ω2),電界強度(V1,V2)が互いに異なる第1及び第2の各電源141,142がそれぞれ接続されているため、各放電空間132では2種の第1及び第2の高周波電源E1,E2が互いに重畳する。
ここで2種の第1及び第2の高周波電源E1,E2の重畳に関して、本実施形態では下記(1)の関係を満たすのが好ましい。ただし、下記(1)の関係で「IV」は放電開始時の電界強度を示している。下記(1)の関係を満たせば、放電開始時の電界強度が高い窒素を放電ガスとして使用しても、安定で均一な放電をおこなうことができる。
ω2>ω1でかつV1≧IV>V2(又はV1>IV≧V2) … (1)
ω2>ω1でかつV1≧IV>V2(又はV1>IV≧V2) … (1)
この状態において電極ローラ135が図1中時計回り方向に回転し、基材Fが電極ローラ135に密着しながら各放電空間132を通過し、ガイドローラ164の近傍からガイドローラ167の近傍に搬送される。基材Fの搬送中において基材Fは各放電空間132で励起した状態のガスGに晒され、基材Fの表面に薄膜が形成される。
薄膜の形成中においては、各画像センサ1が、電極ローラ135と各角筒型電極136とのあいだの間隙gを定期的にモニタリングしてそのモニタリング結果を制御装置8の制御部9に送信する。制御部9は各画像センサ1によるモニタリング結果を解析・演算処理して間隙gを算出し、算出した間隙gが予め設定した設定値を含む制御幅の範囲内にあるか否かを判定する。モニタリング結果から算出された間隙gが設定値の制御幅の範囲を超えたら、制御部9は、各プッシュプルボルト11の回転量を調整する旨の制御信号を回転機構13に送信し、回転機構13で各プッシュプルボルト11の回転量を制御し、各角筒型電極136の撓みを調整する。
以後、薄膜形成装置130では上記各部の動作が繰り返しおこなわれ、基材Fの表面に薄膜が順次形成される。
以上の薄膜形成装置130では、画像センサ1による間隙gのモニタリング結果に基づきプッシュプルボルト11の回転量を制御して間隙gを調整するため、放電動作中における間隙gの変動を抑えられ、基材F上に形成される薄膜の膜厚を均一化することができる。特に薄膜形成装置130では、画像センサ1及びプッシュプルボルト11がそれぞれ角筒型電極136の長さ方向に沿って複数配されているため、間隙gを角筒型電極136の長さ方向にわたる複数箇所で検出・調整可能であり、基材F上に形成される薄膜の膜厚を角筒型電極136の長さ方向に沿って均一化することができる。すなわち基材Fの幅方向に沿う薄膜の膜厚を均一化することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の改良及び設計の変更をおこなってもよい。
例えば、本実施形態では電極ローラ135と角筒型電極136とのあいだの間隙gを画像センサ1でモニタリングして算出したが、画像センサ1に代えて、図8〜図10に示す周知の分光光度計20又はゲージで間隙gを算出してもよい。
分光光度計20は放電空間132から放出された特定波長の光量を測定する器具であって、分光光度計20で間隙gを算出する場合には、図8に示す通り、複数の分光光度計20,20,…を角筒型電極136の長さ方向に沿うように放電空間132の近傍に配し、かつ、特定波長の光量と間隙gとを互いに対応付けた第1検量線をデータとして制御部9のROM(RAMでもよい。)に記憶させる。そして制御装置8の制御部9が、各分光光度計20による測定結果に応じて第1検量線のデータから間隙gを算出するようにすればよい。
分光光度計20で間隙gを算出する場合には各分光光度計20をすべて電磁波シールドボックス2の内部に配するのが好ましく、この場合には放電空間132から放射される電磁波の影響で各分光光度計20が誤作動するのを防止することができる。
間隙gを測定するゲージとしては、例えば周知のダイヤルゲージ21(図9参照)やレーザ変位計22(図10参照)などが適用可能である。
ダイヤルゲージ21は角筒型電極136の変形量を測定する器具であって、ダイヤルゲージ21で間隙gを算出する場合には、図9に示す通り、複数のダイヤルゲージ21,21,…を角筒型電極136の上部に配し、かつ、角筒型電極136の変形量と間隙gとを互いに対応付けた第2検量線をデータとして制御部9のROM(RAMでもよい。)に記憶させる。そして制御装置8の制御部9が、各ダイヤルゲージ21による測定結果に応じて第2検量線のデータから間隙gを算出するようにすればよい。
レーザ変位計22もダイヤルゲージ21と同様に角筒型電極136の変形量を測定する器具であって、レーザ変位計22で間隙gを算出する場合には、図10に示す通り、複数のレーザ変位計22,22,…を角筒型電極136の上方に配し、制御装置8の制御部9が、各レーザ変位計22による測定結果に応じて第2検量線のデータから間隙gを算出するようにすればよい。
なお、上記ダイヤルゲージ21のように角筒型電極136に接触して間隙gの変形量を測定するゲージを適用する場合には、そのゲージと角筒型電極136とのあいだに絶縁体を介在させることが好ましい。
さらに本実施形態では、電極ローラ135と角筒型電極136とのあいだの間隙gをプッシュプルボルト11で調整したが、プッシュプルボルト11に代えて、図11及び図12に示すヒートボルト30又は熱変形プレート40で間隙gを調整してもよい。
ヒートボルト30は加熱又は冷却により膨張又は収縮する部材であって、ヒートボルト30で間隙gを調整する場合には、図11に示す通り、渡しプレート10(図6参照)とほぼ同様の渡しプレート31の両端部を角筒型電極136の上部に固定し、かつ、渡しプレート31を介した状態で複数のヒートボルト30,30,…の先端部を角筒型電極136の上部に固定すればよい。このような構成から、各ヒートボルト30の膨張又は収縮で角筒型電極136を図11中上下方向に変形させることができ、間隙gを調整することができる。
熱変形プレート40は中空とされた内部(中空部41)を循環する媒体の温度で変形する部材であって、熱変形プレート40で間隙gを調整する場合には、図12に示す通り、熱変形プレート40を角筒型電極136の上部に固着し、中空部41の一方の端部から他方の端部にかけて媒体を循環させればよい。このような構成から、熱変形プレート40を図12中上下方向に変形させることができ、間隙gを調整することができる。
なお、薄膜形成装置130では角筒型電極136の内部も中空とされており、温度調節装置162で温度調節された媒体が角筒型電極136の中空部を循環して角筒型電極136が温度調節されるようになっているが、熱変形プレート40の中空部41を循環させる媒体として、角筒型電極136の中空部を循環する媒体とは異なる温度の媒体を用いる必要がある。
実施例1では、上記実施形態で説明した薄膜形成装置130と同様の薄膜形成装置を用いてフィルム状の基材上にクリアハードコート膜・TiO2製薄膜をこの順に形成(製膜)し、TiO2製薄膜の膜厚・屈折率を測定した。基材の選択からTiO2製薄膜の膜厚・屈折率の測定までの具体的な実施手順は下記(1−1)〜(1−4)の通りである。
(1−1)基材の選択
基材として、1500m巻き,660mm幅のコニカミノルタ製セルロースアセテートフィルムを用いた。
基材として、1500m巻き,660mm幅のコニカミノルタ製セルロースアセテートフィルムを用いた。
(1−2)クリアハードコート膜の形成
下記組成のクリアハードコート膜用塗布液(紫外線硬化型樹脂液)を孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルタで濾過・調製し、マイクログラビアコータを用いて濾過・調製後の塗布液を基材上に塗布した。その後、塗布液が塗布済みの基材を90℃で乾燥させ、乾燥後の基材に150mJ/cm2の紫外線を照射して基材上の塗布液を硬化させ、基材上に膜厚5μmのクリアハードコート膜を形成した。
下記組成のクリアハードコート膜用塗布液(紫外線硬化型樹脂液)を孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルタで濾過・調製し、マイクログラビアコータを用いて濾過・調製後の塗布液を基材上に塗布した。その後、塗布液が塗布済みの基材を90℃で乾燥させ、乾燥後の基材に150mJ/cm2の紫外線を照射して基材上の塗布液を硬化させ、基材上に膜厚5μmのクリアハードコート膜を形成した。
<クリアハードコート膜用塗布液の組成>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100質量部
(2量体及び3量体以上の成分を含む。)
光反応開始剤(ジメトキシベンゾフェノン) 4質量部
酢酸エチル 50質量部
メチルエチルケトン 50質量部
イソプロピルアルコール 50質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100質量部
(2量体及び3量体以上の成分を含む。)
光反応開始剤(ジメトキシベンゾフェノン) 4質量部
酢酸エチル 50質量部
メチルエチルケトン 50質量部
イソプロピルアルコール 50質量部
(1−3)TiO2製薄膜の形成
上記実施形態で説明した薄膜形成装置130と同様の6台の薄膜形成装置を直線状に並べ、1台目の薄膜形成装置から6台目の薄膜形成装置まで順に基材を搬送させるとともに、基材の搬送中において電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を調整しながらクリアハードコート膜上にTiO2製薄膜を形成した。電極ローラ,角筒型電極,ガスの組成,放電条件,間隙の調整などの詳細は下記の通りである。
上記実施形態で説明した薄膜形成装置130と同様の6台の薄膜形成装置を直線状に並べ、1台目の薄膜形成装置から6台目の薄膜形成装置まで順に基材を搬送させるとともに、基材の搬送中において電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を調整しながらクリアハードコート膜上にTiO2製薄膜を形成した。電極ローラ,角筒型電極,ガスの組成,放電条件,間隙の調整などの詳細は下記の通りである。
<電極ローラ>
電極ローラとして、チタン合金T64製ジャケットロール金属質母材に対して大気プラズマ法により高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆したもの(ロール径1000mmφ)を用いた。
電極ローラとして、チタン合金T64製ジャケットロール金属質母材に対して大気プラズマ法により高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆したもの(ロール径1000mmφ)を用いた。
電極ローラの作製方法としては、チタン合金T64製ジャケットロール金属質母材に対して大気プラズマ法により高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆し、その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液をアルミナ溶射膜上に塗布して乾燥させ、アルミナ溶射膜に紫外線を照射して塗布液を硬化させ、アルミナ溶射膜の封孔処理をおこなった。このようにして金属質母材を誘電体で被覆し、誘電体の表面を平滑に研磨・加工し、Rmaxを5μmとした。
なお、最終的な誘電体の空隙率(貫通性のある空隙率)はほぼ0体積%であり、このときの誘電体層のSiOx含有率は75mol%であり、最終的な誘電体の膜厚は1mmであり、誘電体の比誘電率は10であった。また導電性の金属質母材と誘電体との線熱膨張係数の差は1.7×10-4であり、耐熱温度は260℃であった。
<角筒型電極>
角筒型電極として、角筒型のチタン合金T64製金属質母材に対して上記電極ローラ同様の誘電体を同条件にて被覆したものを用いた(角筒型電極の誘電体は上記電極ローラと同じ特性・物性値とした。)。
角筒型電極として、角筒型のチタン合金T64製金属質母材に対して上記電極ローラ同様の誘電体を同条件にて被覆したものを用いた(角筒型電極の誘電体は上記電極ローラと同じ特性・物性値とした。)。
この角筒型電極に対して長さ方向に鋼鉄製の渡しプレートを取り付け、この渡しプレートを介して角筒型電極にプッシュプルボルトを6本設置した。このプッシュプルボルト付きの角筒型電極を電極ローラのまわりに6本設置した(薄膜形成装置1台当たり)。各角筒型電極と電極ローラとのあいだの間隙は1.00±0.01mmとした。薄膜形成装置6台分の角筒型電極の放電総面積(角筒型電極が電極ローラと対向する面の総面積)は68cm(長さ)×4cm(幅(基材の搬送方向の長さ))×6本(薄膜形成装置1台当たりの電極本数)×6台(薄膜形成装置の台数)=9792cm2であった。
<ガスの組成>
放電ガス:窒素 99.4体積%
薄膜形成ガス:テトライソプロポキシチタン 0.1体積%
(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)
添加ガス:水素ガス 0.5体積%
放電ガス:窒素 99.4体積%
薄膜形成ガス:テトライソプロポキシチタン 0.1体積%
(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)
添加ガス:水素ガス 0.5体積%
<放電条件>
電力密度:電極ローラ側 3W/cm2
:各角筒型電極側 1W/cm2
電力密度:電極ローラ側 3W/cm2
:各角筒型電極側 1W/cm2
<間隙の調整>
複数のCCDを接続したDVR監視システムDigiNet−4416(富士電機テクニカ製)を用いて、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を1分経過するごとにモニタリングした。モニタリングを終えるごとに、上記監視システムで取り込んだ画像データをコンピュータで画像解析し、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を算出した。画像解析により算出した間隙が予め設定した設定値の制御幅(間隙絶対量の±2%)から外れたら、角筒型電極に設置した各プッシュプルボルトを作動させ、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を調整・補正した。
複数のCCDを接続したDVR監視システムDigiNet−4416(富士電機テクニカ製)を用いて、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を1分経過するごとにモニタリングした。モニタリングを終えるごとに、上記監視システムで取り込んだ画像データをコンピュータで画像解析し、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を算出した。画像解析により算出した間隙が予め設定した設定値の制御幅(間隙絶対量の±2%)から外れたら、角筒型電極に設置した各プッシュプルボルトを作動させ、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を調整・補正した。
<その他>
プラズマ放電中は、電極ローラ及びプッシュプルボルト付きの各角筒型電極が80℃になるように温度調節・保温し、電極ローラをドライブで回転させた。薄膜形成装置は6台ともに、第1の電源には5kHz及び第2電源には13.56MHzを使用した。第1及び第2の各電源については、第1の電源の電界強度(V1)と、第2の電源の電界強度(V2)と、放電空間における放電開始時の電界強度(IV)との関係がV1>IV>V2を満たすよう電界を調整した。第1及び第2の各フィルタとして何れも各印加電極からの電流が逆流しないようなものを設置した。電極ローラと各角筒型電極から構成された対向電極間(放電空間)の圧力は103kPaとし、下記ガスで各薄膜形成装置の放電空間及びプラズマ放電処理容器の内部に満たし、上記クリアハードコート膜塗設済みの基材のクリアハードコート膜上にTiO2製薄膜を形成した。ただし、TiO2製薄膜の目標膜厚を80nmと設定し、TiO2製薄膜の目標屈折率を1.95と設定した。
プラズマ放電中は、電極ローラ及びプッシュプルボルト付きの各角筒型電極が80℃になるように温度調節・保温し、電極ローラをドライブで回転させた。薄膜形成装置は6台ともに、第1の電源には5kHz及び第2電源には13.56MHzを使用した。第1及び第2の各電源については、第1の電源の電界強度(V1)と、第2の電源の電界強度(V2)と、放電空間における放電開始時の電界強度(IV)との関係がV1>IV>V2を満たすよう電界を調整した。第1及び第2の各フィルタとして何れも各印加電極からの電流が逆流しないようなものを設置した。電極ローラと各角筒型電極から構成された対向電極間(放電空間)の圧力は103kPaとし、下記ガスで各薄膜形成装置の放電空間及びプラズマ放電処理容器の内部に満たし、上記クリアハードコート膜塗設済みの基材のクリアハードコート膜上にTiO2製薄膜を形成した。ただし、TiO2製薄膜の目標膜厚を80nmと設定し、TiO2製薄膜の目標屈折率を1.95と設定した。
(1−4)TiO2製薄膜の膜厚・屈折率の測定
J.A.Woollam社製エリプソメータ(M−44)を用いて、基材中央部(基材の幅方向における中央部)のTiO2製薄膜の膜厚・屈折率を測定した。基材中で薄膜の形成を開始した位置から10m,500m,1000m,1500m離れた位置の近傍を測定位置とした。TiO2製薄膜の膜厚・屈折率の測定結果を下記表1に示す。ただし、表1には、上記(1−3)の操作で間隙の調整をおこなわなかった場合の測定結果も比較例として示した。
J.A.Woollam社製エリプソメータ(M−44)を用いて、基材中央部(基材の幅方向における中央部)のTiO2製薄膜の膜厚・屈折率を測定した。基材中で薄膜の形成を開始した位置から10m,500m,1000m,1500m離れた位置の近傍を測定位置とした。TiO2製薄膜の膜厚・屈折率の測定結果を下記表1に示す。ただし、表1には、上記(1−3)の操作で間隙の調整をおこなわなかった場合の測定結果も比較例として示した。
表1に示す通り、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を調整してほぼ一定に保った場合には、TiO2製薄膜の膜厚・屈折率がともに目標値に限りなく近づき、TiO2製薄膜の製膜安定性が飛躍的に向上した。
なお、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を調整しなかった場合には、薄膜の形成を開始した位置から離れるにつれてTiO2製薄膜の膜厚が薄くなり、TiO2製薄膜の屈折率が大きくなっているが、その原因としては、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙が放電現象による熱の影響で経時的に小さくなったためと推測した。
なお、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を調整しなかった場合には、薄膜の形成を開始した位置から離れるにつれてTiO2製薄膜の膜厚が薄くなり、TiO2製薄膜の屈折率が大きくなっているが、その原因としては、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙が放電現象による熱の影響で経時的に小さくなったためと推測した。
実施例2では、上記実施形態で説明した薄膜形成装置130と同様の薄膜形成装置を用いてフィルム状の基材上にクリアハードコート膜・SiO2製薄膜をこの順に形成(製膜)し、SiO2製薄膜の膜厚を測定した。基材の選択からSiO2製薄膜の膜厚の測定までの具体的な実施手順は下記(2−1)〜(2−4)の通りである。
(2−1)基材の選択
実施例1の(1−1)と同様の基材を選択した。
(2−2)クリアハードコート膜の形成
実施例1の(1−2)と同様におこなった。
実施例1の(1−1)と同様の基材を選択した。
(2−2)クリアハードコート膜の形成
実施例1の(1−2)と同様におこなった。
(2−3)SiO2製薄膜の形成
実施例1の(1−3)でガスの組成,放電条件,間隙の調整を変えた以外は、実施例1の(1−3)と同様にしてクリアハードコート膜上にSiO2製薄膜を形成した(SiO2製薄膜の目標膜厚は95nmと設定した。)。ガスの組成,放電条件,間隙の調整の詳細は下記の通りである。
実施例1の(1−3)でガスの組成,放電条件,間隙の調整を変えた以外は、実施例1の(1−3)と同様にしてクリアハードコート膜上にSiO2製薄膜を形成した(SiO2製薄膜の目標膜厚は95nmと設定した。)。ガスの組成,放電条件,間隙の調整の詳細は下記の通りである。
<ガスの組成>
放電ガス:窒素 98.9体積%
薄膜形成ガス:テトラエトキシシラン 0.1体積%
(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)
添加ガス:酸素ガス 1体積%
放電ガス:窒素 98.9体積%
薄膜形成ガス:テトラエトキシシラン 0.1体積%
(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)
添加ガス:酸素ガス 1体積%
<放電条件>
電力密度:電極ローラ側 6W/cm2
:各角筒型電極側 3W/cm2
電力密度:電極ローラ側 6W/cm2
:各角筒型電極側 3W/cm2
<間隙の調整>
大塚電子製分光光度計MCPD−7000を用いて波長335nm付近の窒素ガス(放電特有の窒素ガス)の発光強度を1分経過するごとに測定した。発光強度を測定するごとに、測定した発光強度をデータとしてコンピュータに取り込み、発光強度と間隙とを互いに対応付けた所定の検量線に基づいて取り込んだ発光強度データから電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を算出した。検量線に基づいて算出した間隙が予め設定した設定値の制御幅(間隙絶対量の±2%)から外れたら、角筒型電極に設置した各プッシュプルボルトを作動させ、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を調整・補正した。
大塚電子製分光光度計MCPD−7000を用いて波長335nm付近の窒素ガス(放電特有の窒素ガス)の発光強度を1分経過するごとに測定した。発光強度を測定するごとに、測定した発光強度をデータとしてコンピュータに取り込み、発光強度と間隙とを互いに対応付けた所定の検量線に基づいて取り込んだ発光強度データから電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を算出した。検量線に基づいて算出した間隙が予め設定した設定値の制御幅(間隙絶対量の±2%)から外れたら、角筒型電極に設置した各プッシュプルボルトを作動させ、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を調整・補正した。
(2−4)SiO2製薄膜の膜厚・屈折率の測定
実施例1の(1−4)と同様にして基材中央部(基材の幅方向における中央部)のSiO2製薄膜の膜厚を測定した。SiO2製薄膜の膜厚の測定結果を下記表2に示す。ただし、表2には、上記(2−3)の操作で間隙の調整をおこなわなかった場合の測定結果も比較例として示した。
実施例1の(1−4)と同様にして基材中央部(基材の幅方向における中央部)のSiO2製薄膜の膜厚を測定した。SiO2製薄膜の膜厚の測定結果を下記表2に示す。ただし、表2には、上記(2−3)の操作で間隙の調整をおこなわなかった場合の測定結果も比較例として示した。
表2に示す通り、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を調整してほぼ一定に保った場合には、SiO2製薄膜の膜厚は目標値に近く、SiO2製薄膜の製膜安定性が飛躍的に向上した。
なお、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を調整しなかった場合には、薄膜の形成を開始した位置から離れるにつれてSiO2製薄膜の膜厚が薄くなっているが、その原因としては、実施例1と同様に電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙が放電現象による熱の影響で経時的に小さくなったためと推測した。
なお、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を調整しなかった場合には、薄膜の形成を開始した位置から離れるにつれてSiO2製薄膜の膜厚が薄くなっているが、その原因としては、実施例1と同様に電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙が放電現象による熱の影響で経時的に小さくなったためと推測した。
実施例3では、上記実施形態で説明した薄膜形成装置130と同様の薄膜形成装置を用いてフィルム状の基材上にクリアハードコート膜・反射防止薄膜をこの順に形成(製膜)し、反射防止薄膜の反射率を測定した。基材の選択から反射防止薄膜の反射率の測定までの具体的な実施手順は下記(3−1)〜(3−4)の通りである。
(3−1)基材の選択
実施例1の(1−1)と同様の基材を選択した。
(3−2)クリアハードコート膜の形成
実施例1の(1−2)と同様におこなった。
実施例1の(1−1)と同様の基材を選択した。
(3−2)クリアハードコート膜の形成
実施例1の(1−2)と同様におこなった。
(3−3)反射防止薄膜の形成
実施例1の(1−3)でガスの組成,放電条件,間隙の調整を変えた以外は、実施例1の(1−3)と同様にしてクリアハードコート膜上に反射防止薄膜を形成(製膜)した。具体的には、実施例1の(1−3)と同様にして中屈折率膜・高屈折率膜・低屈折率膜をこの順にクリハードコート膜上に形成し、中屈折率膜・高屈折率膜・低屈折率膜の3膜から構成された反射防止薄膜をクリハードコート膜上に形成した。ただし、中屈折率膜の目標膜厚・目標屈折率を77nm,1.70と設定し、高屈折率膜の目標膜厚・目標屈折率を65nm,1.95と設定し、低屈折率膜の目標膜厚・目標屈折率を95nm,1.45と設定した。中屈折率膜・高屈折率膜・低屈折率膜の各膜を形成したときのガスの組成,放電条件,間隙の調整の詳細は下記の通りである。
実施例1の(1−3)でガスの組成,放電条件,間隙の調整を変えた以外は、実施例1の(1−3)と同様にしてクリアハードコート膜上に反射防止薄膜を形成(製膜)した。具体的には、実施例1の(1−3)と同様にして中屈折率膜・高屈折率膜・低屈折率膜をこの順にクリハードコート膜上に形成し、中屈折率膜・高屈折率膜・低屈折率膜の3膜から構成された反射防止薄膜をクリハードコート膜上に形成した。ただし、中屈折率膜の目標膜厚・目標屈折率を77nm,1.70と設定し、高屈折率膜の目標膜厚・目標屈折率を65nm,1.95と設定し、低屈折率膜の目標膜厚・目標屈折率を95nm,1.45と設定した。中屈折率膜・高屈折率膜・低屈折率膜の各膜を形成したときのガスの組成,放電条件,間隙の調整の詳細は下記の通りである。
<中屈折率膜形成時のガスの組成>
放電ガス:窒素 99.4体積%
薄膜形成ガス:ジブチルジアセトキシ錫 0.1体積%
(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)
添加ガス:酸素 0.5体積%
放電ガス:窒素 99.4体積%
薄膜形成ガス:ジブチルジアセトキシ錫 0.1体積%
(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)
添加ガス:酸素 0.5体積%
<中屈折率膜形成時の放電条件>
電力密度:電極ローラ側 6W/cm2
:各角筒型電極側 3W/cm2
電力密度:電極ローラ側 6W/cm2
:各角筒型電極側 3W/cm2
<高屈折率膜形成時のガスの組成>
放電ガス:窒素 99.4体積%
薄膜形成ガス:テトライソプロポキシチタン 0.1体積%
(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)
添加ガス:水素ガス 0.5体積%
放電ガス:窒素 99.4体積%
薄膜形成ガス:テトライソプロポキシチタン 0.1体積%
(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)
添加ガス:水素ガス 0.5体積%
<高屈折率膜形成時の放電条件>
電力密度:電極ローラ側 3W/cm2
:各角筒型電極側 1W/cm2
電力密度:電極ローラ側 3W/cm2
:各角筒型電極側 1W/cm2
<低屈折率膜形成時のガスの組成>
放電ガス:窒素 98.9体積%
薄膜形成ガス:テトラエトキシシラン 0.1体積%
(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)
添加ガス:酸素ガス 1体積%
放電ガス:窒素 98.9体積%
薄膜形成ガス:テトラエトキシシラン 0.1体積%
(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)
添加ガス:酸素ガス 1体積%
<低屈折率膜形成時の放電条件>
電力密度:電極ローラ側 6W/cm2
:各角筒型電極側 3W/cm2
電力密度:電極ローラ側 6W/cm2
:各角筒型電極側 3W/cm2
<間隙の調整>
角筒型電極の放電面(電極ローラに対向する面)の反対側の面に、ミツトヨ社製デジマチックインジケータ(545シリーズ)を角筒型電極の長さ方向に沿って8箇所取り付け、角筒型電極の高さ方向に沿う変形量を1分経過するごとに測定した。変形量を測定するごとに、インジケータを取り付けた各箇所の測定値(測定した変形量)をコンピュータに取り込み、測定値が予め設定した設定値の制御幅(間隙絶対量の±2%)から外れたら、角筒型電極に設置した各プッシュプルボルトを作動させ、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を調整・補正した。
角筒型電極の放電面(電極ローラに対向する面)の反対側の面に、ミツトヨ社製デジマチックインジケータ(545シリーズ)を角筒型電極の長さ方向に沿って8箇所取り付け、角筒型電極の高さ方向に沿う変形量を1分経過するごとに測定した。変形量を測定するごとに、インジケータを取り付けた各箇所の測定値(測定した変形量)をコンピュータに取り込み、測定値が予め設定した設定値の制御幅(間隙絶対量の±2%)から外れたら、角筒型電極に設置した各プッシュプルボルトを作動させ、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を調整・補正した。
(3−4)反射防止薄膜の反射率の測定
反射防止薄膜が形成された移送中の基材を幅方向に沿って大塚電子社製の分光反射率測定機MCPD−3000で連続的にスキャン(走査)し、基材の幅方向に沿う反射防止薄膜の反射率を測定した。測定した反射率の最低反射率と平均反射率との差のプロファイルを図13に示す。比較例として、上記(3−3)の操作で間隙の調整をおこなわなかった場合の測定結果(測定した反射率の最低反射率と平均反射率との差のプロファイル)を図14に示す。
反射防止薄膜が形成された移送中の基材を幅方向に沿って大塚電子社製の分光反射率測定機MCPD−3000で連続的にスキャン(走査)し、基材の幅方向に沿う反射防止薄膜の反射率を測定した。測定した反射率の最低反射率と平均反射率との差のプロファイルを図13に示す。比較例として、上記(3−3)の操作で間隙の調整をおこなわなかった場合の測定結果(測定した反射率の最低反射率と平均反射率との差のプロファイル)を図14に示す。
図13と図14との比較結果から、電極ローラと角筒型電極とのあいだの間隙を調整しながら反射防止薄膜を形成すると、反射防止薄膜の最低反射率が基材の全幅にわたってほぼ平均最低反射率(基材の全幅にわたる最低反射率の平均)に近くなり、基材の全幅にわたる均一な反射防止薄膜を形成できることがわかった。
1 画像センサ(検出手段)
2 電磁波シールドボックス(電磁波シールド部材)
8 制御装置
11 プッシュプルボルト(調整手段)
20 分光光度計(検出手段)
21 ダイヤルゲージ(検出手段,ゲージ)
22 レーザ変位計(検出手段,ゲージ)
30 ヒートボルト(調整手段)
40 熱変形プレート(調整手段)
130 薄膜形成装置
135 電極ローラ(対向電極の一部)
136 角筒型電極(対向電極の一部)
F 基材
2 電磁波シールドボックス(電磁波シールド部材)
8 制御装置
11 プッシュプルボルト(調整手段)
20 分光光度計(検出手段)
21 ダイヤルゲージ(検出手段,ゲージ)
22 レーザ変位計(検出手段,ゲージ)
30 ヒートボルト(調整手段)
40 熱変形プレート(調整手段)
130 薄膜形成装置
135 電極ローラ(対向電極の一部)
136 角筒型電極(対向電極の一部)
F 基材
Claims (26)
- プラズマ処理で基材上に薄膜を形成する薄膜形成装置において、
互いに対向配置された対向電極と、
前記対向電極間の間隙を検出する検出手段と、
前記間隙を調整する調整手段と、
前記検出手段による検出結果に基づき前記間隙が予め設定された設定値となるように前記調整手段を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする薄膜形成装置。 - 大気圧プラズマ処理で基材上に薄膜を形成する薄膜形成装置において、
互いに対向配置された対向電極と、
前記対向電極間の間隙を検出する検出手段と、
前記間隙を調整する調整手段と、
前記検出手段による検出結果に基づき前記間隙が予め設定された設定値となるように前記調整手段を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項1又は2に記載の薄膜形成装置において、
前記対向電極は長尺状を呈し、
前記検出手段及び前記調整手段はそれぞれ前記対向電極の長さ方向に沿って複数配され、
前記制御装置は前記各検出手段による検出結果に基づき前記間隙が予め設定された設定値となるように前記各調整手段を制御することを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜形成装置において、
前記検出手段は前記間隙をモニタリングする画像センサであり、
前記制御装置は前記画像センサによるモニタリング結果を解析・演算処理して前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記調整手段を制御することを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項4に記載の薄膜形成装置において、
前記画像センサは電磁波を遮断する電磁波シールド部材で覆われていることを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項4又は5に記載の薄膜形成装置において、
前記画像センサはCCD、CMOS又はVMISであることを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜形成装置において、
前記検出手段は前記対向電極間から放出された光量を測定する分光光度計であり、
前記制御装置は前記分光光度計による測定結果から前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記調整手段を制御することを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項7に記載の薄膜形成装置において、
前記制御装置には前記光量と前記間隙とを互いに対応付けた検量線がデータとして予め記憶され、
前記制御装置は前記分光光度計による測定結果に応じて前記検量線のデータから前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記調整手段を制御することを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項7又は8に記載の薄膜形成装置において、
前記分光光度計は電磁波を遮断する電磁波シールド部材で覆われていることを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜形成装置において、
前記検出手段は前記対向電極の変形量を測定するゲージであり、
前記制御装置は前記ゲージによる測定結果から前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記調整手段を制御することを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項10に記載の薄膜形成装置において、
前記制御装置には前記変形量と前記間隙とを互いに対応付けた検量線がデータとして予め記憶され、
前記制御装置は前記ゲージによる測定結果に応じて前記検量線のデータから前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記調整手段を制御することを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項10又は11に記載の薄膜形成装置において、
前記ゲージはダイヤルゲージ又はレーザ変位計であることを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項1〜12のいずれか一項に記載の薄膜形成装置において、
前記調整手段は前記対向電極を変形させるプッシュプルボルト、ヒートボルト又は熱変形プレートであることを特徴とする薄膜形成装置。 - プラズマ処理で基材上に薄膜を形成する薄膜形成方法において、
互いに対向配置された対向電極間の間隙を検出し、その検出結果に基づき前記間隙が予め設定された設定値となるように前記間隙を調整することを特徴とする薄膜形成方法。 - 大気圧プラズマ処理で基材上に薄膜を形成する薄膜形成方法において、
互いに対向配置された対向電極間の間隙を検出し、その検出結果に基づき前記間隙が予め設定された設定値となるように前記間隙を調整することを特徴とする薄膜形成方法。 - 請求項14又は15に記載の薄膜形成方法において、
前記対向電極は長尺状を呈しており、
前記対向電極の長さ方向に沿う複数箇所にわたって前記間隙を検出し、それらの検出結果に基づき前記間隙が前記設定値となるように、前記対向電極の長さ方向に沿う複数箇所にわたって前記間隙を調整することを特徴とする薄膜形成方法。 - 請求項14〜16のいずれか一項に記載の薄膜形成方法において、
前記間隙をモニタリングする画像センサで前記間隙の検出をおこない、前記画像センサによるモニタリング結果を解析・演算処理して前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記間隙を調整することを特徴とする薄膜形成方法。 - 請求項17に記載の薄膜形成方法において、
前記画像センサは電磁波を遮断する電磁波シールド部材で覆われていることを特徴とする薄膜形成方法。 - 請求項17又は18に記載の薄膜形成方法において、
前記画像センサはCCD、CMOS又はVMISであることを特徴とする薄膜形成方法。 - 請求項14〜16のいずれか一項に記載の薄膜形成方法において、
前記対向電極間から放出された光量を測定する分光光度計で前記間隙の検出をおこない、前記分光光度計による測定結果から前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記間隙を調整するすることを特徴とする薄膜形成方法。 - 請求項20に記載の薄膜形成方法において、
前記分光光度計による測定結果に応じて、前記光量と前記間隙とを互いに対応付けた検量線のデータから前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記間隙を調整することを特徴とする薄膜形成方法。 - 請求項20又は21に記載の薄膜形成方法において、
前記分光光度計は電磁波を遮断する電磁波シールド部材で覆われていることを特徴とする薄膜形成方法。 - 請求項14〜16のいずれか一項に記載の薄膜形成方法において、
前記対向電極の変形量を測定するゲージで前記間隙の検出をおこない、前記ゲージによる測定結果から前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記間隙を調整することを特徴とする薄膜形成方法。 - 請求項23に記載の薄膜形成方法において、
前記ゲージによる測定結果に応じて、前記変形量と前記間隙とを互いに対応付けた検量線のデータから前記間隙を算出し、算出した前記間隙が前記設定値となるように前記間隙を調整することを特徴とする薄膜形成方法。 - 請求項23又は24に記載の薄膜形成方法において、
前記ゲージはダイヤルゲージ又はレーザ変位計であることを特徴とする薄膜形成方法。 - 請求項14〜25のいずれか一項に記載の薄膜形成方法において、
前記対向電極を変形させるプッシュプルボルト、ヒートボルト又は熱変形プレートで前記間隙の調整をおこなうことを特徴とする薄膜形成方法。
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