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JP2005097371A - フッ素含有樹脂組成物及び光学物品、並びにそれを用いた画像表示装置 - Google Patents

フッ素含有樹脂組成物及び光学物品、並びにそれを用いた画像表示装置 Download PDF

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JP2005097371A
JP2005097371A JP2003330636A JP2003330636A JP2005097371A JP 2005097371 A JP2005097371 A JP 2005097371A JP 2003330636 A JP2003330636 A JP 2003330636A JP 2003330636 A JP2003330636 A JP 2003330636A JP 2005097371 A JP2005097371 A JP 2005097371A
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fluorine
group
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optical
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Application number
JP2003330636A
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Tatsuhiko Obayashi
達彦 大林
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】 光学特性及び耐汚染性に優れた周期的微細凹凸構造を効率よく形成することができるフッ素含有樹脂組成物、及び反射防止膜、反射防止フィルム、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、光カード、光ディスク、偏光分離素子等の種々の光学的用途に好適に用いられる光学物品、並びに該光学物品を用いた画像表示装置の提供。
【解決手段】 フッ素含有化合物を少なくとも含み、光学物品の微細凹凸構造を形成するのに用いられることを特徴とするフッ素含有樹脂組成物。該フッ素含有化合物が、フッ素含有モノマー、フッ素含有シランカップリング剤、フッ素含有界面活性剤及びフッ素含有ポリマーから選択される少なくともいずれかである態様が好ましい。該フッ素含有樹脂組成物を用いて微細凹凸構造が形成され、表面にフッ素原子を含むことを特徴とする光学物品。該光学物品を配置した画像表示装置である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学特性及び耐汚染性に優れた周期的微細凹凸構造を効率よく形成することができるフッ素含有樹脂組成物、及び反射防止膜、反射防止フィルム、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、光カード、光ディスク、偏光分離素子等の種々の光学的用途に好適に用いられる光学物品、並びに該光学物品を用いた画像表示装置に関する。
近年、可視光波長以下の周期的微細凹凸構造を有する光学物品は、反射防止膜、反射防止フィルム、光導波路、偏光分離素子等の種々の光学的用途への展開可能性において注目を集めている(非特許文献1参照)。
例えば、前記反射防止膜及び反射防止フィルムは、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)及び液晶表示装置(LCD)のようなディスプレイ装置、ショウウインドウ等において外光の反射によるコントラストの低下や像の映り込みを防止するのに用いられている。また、太陽電池等において反射を防止して光の利用効率を高めるのに利用されている。
従来、反射防止膜及び反射防止フィルムとしては、支持体上に屈折率の異なる複数の層を適切な膜厚で蒸着、スパッタ、又は塗布により積層した多層膜が一般的である。該多層膜は、光学干渉の原理に基づき各層界面からの反射光を互いに相殺することによって反射防止を行うものであり、層数を増やすことにより低い反射率特性、及び低い反射率波長依存性を実現でき、コスト的な観点から1〜4層程度の層数のものが実用化されている。しかし、該多層膜は、平均反射率0.2〜0.3%程度が限界であり、反射率の波長依存性が大きいため、赤味や青味等の着色が問題になる。また、光の入射角によって反射率特性が大きく変化してしまうという欠点がある。
一方、反射防止の別の手段としては、サイズの大きな粒子をバインダーに混合し、皮膜表面に粗い凹凸構造を形成することによって反射光を散乱させる方法があり、前記多層膜による光学干渉方法と併用することも行われている。これらの方法は、比較的安価であるが粗い凹凸構造がヘイズの上昇及びコントラストの低下を招いてしまい、十分な反射防止効果が得られないという問題がある。
前記皮膜表面に可視光波長以下の周期的微細凹凸構造を形成した場合には可視光を散乱させることなく、低屈折率の表面を形成することができる。円錐、三角錐等の微細凹凸形状を付与することによって空気の屈折率から基材の屈折率まで厚み方向に屈折率を連続的に変化させることができ、明確な界面を形成せず、広い波長域にわたって低い反射率であり、かつ入射角依存性の少ない極めて優れた反射防止効果が得られることが知られている(非特許文献2参照)。なお、前記微細凹凸構造の断面が矩形等の場合には連続的な屈折率変化とはならないが、空気とマトリックスの混合により屈折率の低い層を形成する方法としては有効である。
前記微細凹凸構造の形成方法としては、バインダー量を減らして微粒子を充填する方法、エッチング方法(例えば、ホウ珪酸塩のゾルゲル反応で得られる皮膜を酸に浸漬し、酸の拡散に従って皮膜表面から内部に向かってホウ酸塩成分の溶出量を変化させる方法)等が従来から知られているが、これらの方法では微細凹凸形状の精密なコントロールが困難であり、精度にも問題がある。
近年、より確実な微細凹凸構造の形成方法として、電子線レジストやレーザーの2光束干渉露光方式による直接描画により、微細なレリーフ形状を形成する方法が開発されている(非特許文献1参照)。しかし、前記方法は、露光に時間がかかり、大面積、大量生産には適していないという問題がある。そこで、大面積加工、大量生産に適した方法として、射出成型法、プレス加工法等の形状転写法が提案されている(非特許文献3及び特許文献1参照)。これらの提案は、前記直接描画方法によってレジスト材料に微細な凹凸形状を形成したマスターを利用し、更に電鋳加工によりマスターと相補的な微細凹凸構造を有するスタンパー(金型)を作製し、これを利用して樹脂等に形状を転写するものである。
また、別の手段として樹脂の相分離を利用した方法についても報告されており、大面積加工が可能であり、安価に製造することが可能性である(特許文献2参照)。
したがって、周期的微細凹凸構造は優れた光学特性を発現し、安価であり、大面積加工も可能になりつつあるが、微細凹凸構造への油滴の染み込み等が生じ易く、外部環境にさらされる条件で使用するためには耐汚染性の向上が大きな問題であり、その早期解決が強く望まれているのが現状である。
菊田久雄 電子情報通信学会論文 J83-C(3),173-181(2000) Bernhard,C.G.,Endeavour,26,79(1967) A.Gombert et.al.,Thin Solid Films,351,73(1999) 特開2002−267816号公報 欧州公開特許第1094103号公報
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、光学特性及び耐汚染性に優れた可視光波長以下の周期的微細凹凸構造を形成することができるフッ素含有樹脂組成物、及び反射防止膜、反射防止フィルム、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、光カード、光ディスク、偏光分離素子等の種々の光学的用途に好適な光学物品、並びにそれを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> フッ素含有化合物を少なくとも含み、光学物品の微細凹凸構造を形成するのに用いられることを特徴とするフッ素含有樹脂組成物である。
<2> フッ素含有化合物が、下記一般式(1)で表されるフルオロアルキル基を有する前記<1>に記載のフッ素含有樹脂組成物である。
−(CFX 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、Xは、フッ素原子又は水素原子を表す。nは、整数を表す。
<3> フッ素含有化合物が、フッ素含有モノマー、フッ素含有シランカップリング剤、フッ素含有界面活性剤及びフッ素含有ポリマーから選択される少なくともいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載のフッ素含有樹脂組成物である。
<4> フッ素含有ポリマーが、フルオロアルキル基含有モノマーの重合体、フルオロアルキル基含有モノマーとポリ(オキシアルキレン)基含有モノマーとの共重合体、及びフルオロアルキル基含有モノマーと架橋反応性基含有モノマーとの共重合体のいずれかを含む前記<3>に記載のフッ素含有樹脂組成物である。
<5> フッ素含有化合物が、添加剤及びバインダーのいずれかとして配合される前記<1>から<4>のいずれかに記載のフッ素含有樹脂組成物である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のフッ素含有樹脂組成物を用いて微細凹凸構造が形成され、表面にフッ素原子を含むことを特徴とする光学物品である。
<7> 表面から10nm以内の深さにおけるフッ素原子濃度が20原子個数%以上である前記<6>に記載の光学物品である。
<8> 表面張力が25mN/m以下である前記<6>から<7>のいずれかに記載の光学物品である。
<9> 微細凹凸構造における凹凸高さが50〜1000nm、凹凸周期が10〜400nmである前記<6>から<8>のいずれかに記載の光学物品である。
<10> 微細凹凸構造の屈折率をnとした時、次式、凹凸周期<400/n(nm)を満たす前記<6>から<9>のいずれかに記載の光学物品である。
<11> 450〜650nmの波長領域での鏡面平均反射率が2%以下である前記<6>から<10>のいずれかに記載の光学物品である。
<12> 光学物品に形成する微細凹凸構造と相補的な微細凹凸構造を有するスタンパーを作製し、該スタンパーをフッ素含有樹脂組成物から形成される層に圧接させて該スタンパーの微細凹凸構造を転写してなる前記<6>から<11>のいずれかに記載の光学物品である。
<13> 光学物品が、反射防止膜、反射防止フィルム、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、光カード、光ディスク及び偏光分離素子から選択されるいずれかである前記<6>から<12>のいずれかに記載の光学物品である。
<14> 前記<6>から<13>のいずれかに記載の光学物品を配置したことを特徴とする画像表示装置である。
本発明のフッ素含有樹脂組成物は、フッ素含有化合物を少なくとも含み、光学物品の微細凹凸構造を形成するのに用いられる。前記フッ素含有化合物は、表面張力が低く、微細凹凸構造のように液滴の染み込みやすい構造であっても、液滴の侵入を確実に防止できる。したがって、光学特性及び耐汚染性に優れた微細凹凸構造を形成することができ、種々の光学的用途に好適に用いることができる
本発明の光学物品は、本発明の前記フッ素含有樹脂組成物を用いて微細凹凸構造が形成され、表面にフッ素原子を含む。本発明の光学物品においては、光学特性及び耐汚染性に優れた微細凹凸構造を有しているので、反射防止膜、反射防止フィルム、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、光カード、光ディスク及び偏光分離素子等の種々の光学的用途に好適である。
本発明の画像表示装置は、本発明の前記光学物品を配置したものである。本発明の画像表示装置においては、周囲の風景映り込みが殆どなく、快適な視認性を示しかつ充分な防汚性を有するものであり、特に液晶表示装置として好適である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、反射防止性能が高く、優れた耐汚染性を有し、反射防止膜、反射防止フィルム、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、光カード、光ディスク及び偏光分離素子等の種々の光学的用途に好適に用いられる光学物品を提供できる。また、本発明の画像表示装置は、前記光学物品を装着しているので、視認性が良好であり、汚れがつきにくく高品質な画像を表示することができ、特に液晶表示装置として好適である。
(フッ素含有樹脂組成物)
本発明のフッ素含有樹脂組成物は、光学物品の微細凹凸構造を形成するのに用いられ、フッ素含有化合物を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
なお、本明細書において、「(数値1)〜(数値2)」という記載は、「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。
前記フッ素含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(1)で表されるフルオロアルキル基を有するものが好適である。
−(CFX 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、Xは、フッ素原子又は水素原子を表す。
nは、整数を表し、1〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、4〜8が更に好ましい。
前記フッ素含有化合物としては、フッ素を含有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ素含有モノマー、フッ素含有シランカップリング剤、フッ素含有界面活性剤及びフッ素含有ポリマーから選択される少なくともいずれかが好ましい。前記フッ素含有化合物であるフッ素含有モノマー及びフッ素含有ポリマーの少なくともいずれかは、非フッ素含有バインダー(バインダー樹脂)に対して添加剤として少量添加してもよく、フッ素含有ポリマーをバインダーの主成分(50質量%以上)として用いてもよく、また、2種類のフッ素含有化合物を併用しても良い。
前記フッ素含有モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フルオロアルキル基置換ビニルモノマー、フルオロアルキル基置換の開環重合性モノマー、などが挙げられる。
前記フルオロアルキル基置換ビニルモノマーとしては。例えば、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレート誘導体、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリルアミド誘導体、フルオロアルキル基置換ビニルエーテル誘導体、フルオロアルキル基置換スチレン誘導体などが挙げられる。
前記フルオロアルキル基置換の開環重合性モノマーとしては、例えば、フルオロアルキル基置換エポキシ誘導体、フルオロアルキル基置換オキセタン誘導体、フルオロアルキル基置換オキサゾリン誘導体、などが挙げられる。
これらの中でも、フルオロアルキル基置換ビニルモノマーが好ましく、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレート誘導体が特に好ましい。
前記フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレート誘導体としては、下記一般式(2)で表わされる化合物が好適に挙げられる。
Figure 2005097371
前記一般式(2)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Xは、水素原子又はフッ素原子を表す。
mは、1〜6の整数を表し、1〜3が好ましく、1又は2がより好ましい。
nは、1〜20の整数を表し、3〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。
前記フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレート誘導体としては、具体的には、以下に示すものが好適に挙げられる。
Figure 2005097371
Figure 2005097371
Figure 2005097371
前記フッ素含有シランカップリング剤としては、例えば、フルオロアルキル基置換シランカップリング剤が好適であり、下記一般式(3)で表されるものが特に好ましい。
(Rf) SiX 一般式(3)
前記一般式(3)において、Rfは、エーテル結合又はエステル結合を1個以上含んでいても良い炭素数1〜20のフッ素置換アルキル基を表し、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル基、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル基、3−トリフルオロメトキシプロピル基、3−トリフルオロアセトキシプロピル基、等が挙げられる。
は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、例えば、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、等を表す。
Xは、水酸基、又は加水分解性基を表し、該加水分解性基としては、加水分解性を有する基であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、RCOO(ただし、Rは、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す)、などが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、直鎖、分岐及び環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、などが挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、例えば、Cl、Br、I等が挙げられる。
前記RCOOとしては、例えば、CHCOO、CCOO等が挙げられる。
a、b、cは、a+b+c=4であり、かつa≧1、c≧1を満たす整数を表し、a=1、b=0、c=3が好ましい。
前記一般式(3)で表わされるフッ素含有シランカップリング剤としては、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリアセトキシシラン、ジメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、等が挙げられる。
前記フッ素含有シランカップリング剤の添加量は、前記バインダー樹脂100質量部に対し0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
前記フッ素含有界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤、フルオロアルキル基を有するカチオン界面活性剤、などが好適に挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C〜C11)オキシ]−1−アルキル(C〜C)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C〜C)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C〜C13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(C〜C12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C〜C16)エチルリン酸エステル、などが挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤は、市販品を用いてもよく、該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(以上商品名、旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−29(以上商品名、住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02(以上商品名、ダイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(以上商品名、大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(以上商品名、トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(以上商品名、ネオス社製)、などが挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するカチオン界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するカチオン界面活性剤は、市販品を用いてもよく、該市販品としては、例えば、サーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(以上商品名、大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)、などが挙げられる。
前記フッ素含有4級アンモニウム塩化合物の中でも、下記一般式(4)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2005097371
ただし、前記一般式(4)中、Rfは、パーフルオロアルキル基を表す。Rは、水素原子、フッ素原子又は炭化水素基を表す。R〜Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子又は炭化水素基を表す。Xは、二価有機基を表す。Yは、対イオンを表す。mは、1以上の整数を表す。
前記一般式(4)において、Rfは、パーフルオロアルキル基を表す。該パーフルオロアルキル基としては、炭素数が3〜30のものが好ましく、3〜15のものがより好ましく、例えば、C2n−1(ただし、nは、1〜30、好ましくは3〜15の整数を表す。)などが挙げられ、具体的には、例えば、CF(CF−、CF(CF−、CF(CF−、CF(CF−、CF(CF−、CF(CF10−、CF(CF11−、CF(CF12−、CF(CF13−、CF(CF14−、CF(CF15−、CF(CF16−、CF(CF17−、(CFCF(CF−、などが好適に挙げられる。
前記一般式(4)において、Yは、対イオンを表す。該対イオンとしては、例えば、ハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、チオシアン酸イオン、有機酸イオン、などが挙げられる。これらの中でも、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、等のハロゲンイオンが特に好ましい。
前記一般式(4)において、Xは、二価有機基を表す。該二価有機基としては、例えば、−SO−、−CO−、−(CH2)x−、−SO2N(R)−(CH2)x−、−(CH2)x−CH(OH)−(CH2)x−、などが挙げられる。ここで、xは、1〜6の整数を表す。Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表す。これらの中でも、−SO−、−CO−、−(CH22−、−SO2N(C25)−(CH22−、又は−CH2CH(OH)CH2−が好ましく、−SO−、又は−CO−が特に好ましい。
前記一般式(4)において、mは、1以上の整数を表し、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。
前記一般式(4)において、Rは、水素原子、フッ素原子、又は炭化水素基を表す。また、R〜Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、又は炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、などが挙げられる。これらは、置換基で更に置換されていてもよい。
前記アルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−デシル基、イソデシル基、などが挙げられ、これらは置換基で更に置換されていてもよい。前記アルケニル基としては、炭素数2〜10のものがより好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、などが挙げられ、これらは置換基で更に置換されていてもよい。前記アリール基としては、炭素数6〜24のものがより好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、スチリル基、メシチル基、シンナミル基、フェネチル基、ベンズヒドリル基、などが挙げられ、これらは置換基で更に置換されていてもよい。
前記フッ素含有界面活性剤の添加量は、前記バインダー樹脂100質量部に対し0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
次に、前記フッ素含有ポリマーとしては、例えば、フルオロアルキル基含有モノマーの重合体、フルオロアルキル基含有モノマーとポリ(オキシアルキレン)基含有モノマーとの共重合体、及びフルオロアルキル基含有モノマーと架橋反応性基含有モノマーとの共重合体のいずれかが好ましい。
前記フッ素含有ポリマーは、例えば、前記フッ素含有モノマーのみの重合単位によって構成されていてもよいが、共重合可能な他のモノマーとの共重合体であっても良い。
前記共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、PolymerHandbook 2nd ed.,J.Brandrup,Wiley lnterscience(1975)Chapter 2 1〜483頁に記載のものを用いることができる。
前記共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、イタコン酸ジアルキル類、フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類、クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル、スチレン、などが挙げられる。
などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、クロルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシベンジル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、末端(メタ)アクリロイル化シリコーンマクロマー、などが挙げられる。該末端(メタ)アクリロイル化シリコーンマクロマーとしては、市販品を用いることができ、例えば、サイラプレーン0721、同0725(以上商品名、チッソ株式会社製)、AK−5、AK−30、AK−32(以上商品名、東亜合成株式会社製)、等が挙げられる。
前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチル(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。前記N−アルキル(メタ)アクリルアミドとしては、アルキル基の炭素数が1〜3のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。前記N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、アルキル基の炭素数が1〜6のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、などが挙げられる。
前記アリル化合物としては、例えば、アリルエステル類(例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなどが挙げられる。
前記ビニルエーテル類としては、例えば、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、などが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、などが挙げられる。
前記イタコン酸ジアルキル類としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、などが挙げられる。
前記フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類としては、例えば、ジブチルフマレートなどが挙げられる。
本発明で他のバインダーに少量添加して用いられるフッ素含有ポリマーは、前記ポリ(オキシアルキレン)基含有モノマーと共重合されたフッ素含有共重合体が好ましい。
前記ポリ(オキシアルキレン)基としては、一般式:−(OR)xで表わされるものが好ましい。
前記一般式中、Rは、2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基を表し、例えば、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、などが挙げられる。
前記ポリ(オキシアルキレン)基におけるオキシアルキレン単位としては、ポリ(オキシプロピレン)におけるように同一であってもよく、また、互いに異なる2種以上のオキシアルキレンが不規則に分布されたものであっても良く、直鎖又は分岐状のオキシプロピレン単位及びオキシエチレン単位のいずれかであったり、直鎖又は分岐状のオキシプロピレン単位のブロック及びオキシエチレン単位のブロックのいずれかであっても構わない。
前記ポリ(オキシアルキレン)鎖は、1つ又はそれ以上の連結基(例えば、−CONH−Ph−NHCO−、−S−など:ただし、Phは、フェニレン基を表す)で連結されたものも含むことができる。連結基が3価以上の原子価を有する場合には、分岐状のオキシアルキレン単位が得られる。
また、前記ポリ(オキシアルキレン)基を有する重合単位を含む共重合体を用いる場合には、ポリ(オキシアルキレン)基の質量平均分子量(Mw)は250〜3000が好ましい。
前記ポリ(オキシアルキレン)(メタ)アクリレートとしては、市販のヒドロキシポリ(オキシアルキレン)材料、例えば、商品名“プルロニック”[Pluronic(旭電化工業(株)製)、アデカポリエーテル(旭電化工業(株)製)“カルボワックス”[Carbowax(グリコ・プロダクス)]、“トリトン”[Toriton(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas製))及びP.E.G(第一工業製薬(株)製)として販売されているものを公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリド又は無水アクリル酸等と反応させることによって製造することができる。また別に、公知の方法で製造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート等を用いることもできる。
また、例えば、PE−300、同PE−600(以上商品名、第一工業製薬(株)社製)等の市販のオキシアルキレン鎖含有マクロマーを使用しても良い。
以下に、前記ポリ(オキシアルキレン)基を含有するフルオロアルキル基含有モノマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、前記ポリ(オキシアルキレン)基は、重合度Xが異なるものの混合物であることが多く、具体例として示す化合物においても重合度の平均に近い整数で重合度を表している。
Figure 2005097371
前記フルオロアルキル基を有する重合体はフルオロアルキル基含有モノマーを必須の構成成分として適宜他のモノマーを共重合することにより合成される。
前記フルオロアルキル基含有モノマーの含有量は、50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましく、80〜100質量%が更に好ましい。前記フルオロアルキル基含有モノマーの含有量が50質量%未満であると、十分な表面エネルギー低下効果が得られず、光学物品の防汚性が不十分となることがある。
また、前記フルオロアルキル基含有モノマーと前記(ポリ)オキシアルキレン基含有モノマーとを共重合させる場合には、該(ポリ)オキシアルキレン基含有モノマーの含有量は0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が更に好ましい。
また、光学物品の耐久性を高めるために、前記フルオロアルキル基含有重合体は架橋反応性基を有していることが好ましい。架橋反応性基はバインダーの主成分を構成するポリマー及びモノマーの少なくともいずれかの架橋反応性基と反応する基であることが好ましい。
前記フルオロアルキル基含有共重合体中への架橋反応性基の導入方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン等の2種類の反応性の異なる基を含有するモノマーをラジカル重合法又はイオン重合法等によって一方の重合性基のみ重合させる方法、(2)予め、水酸基等の反応性基含有共重合体を合成した後、高分子反応によって架橋反応性基を導入する方法、等が挙げられる。
例えば、前記フッ素含有共重合体への(メタ)アクリロイル基の導入方法としては、下記(i)〜(vi)のような方法が挙げられる。
(i)水酸基、アミノ基等の求核基を有するポリマーを合成した後に、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸とメタンスルホン酸の混合酸無水物等を作用させる方法、(ii)上記求核基を有するポリマーに、硫酸等の触媒存在下、(メタ)アクリル酸を作用させる方法、(iii)上記求核基を有するポリマーにメタクリロイルオキシプロピルイソシアネート等のイソシアネート基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物を作用させる方法、(iv)エポキシ基を有するポリマーを合成した後に(メタ)アクリル酸を作用させる方法、(v)カルボキシル基を有するポリマーにグリシジルメタクリレート等のエポキシ基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物を作用させる方法、(vi)3−クロロプロピオン酸エステル部位を有するビニルモノマーを重合させた後で脱塩化水素を行う方法。
なお、他の官能基の導入に関しても官能基の安定性に応じて上記いずれかの方法を選択することにより行うことができる。
前記架橋反応性基の導入率は、前記フッ素含有共重合体のフッ素含有モノマーに対し、1〜80mol%が好ましく、5〜60mol%がより好ましく、10〜50mol%が更に好ましい。
以上のようにして得られる、前記フッ素含有ポリマーである共重合体の質量平均分子量(Mw)は、1000〜500万が好ましく、2000〜50万がより好ましく、5000〜10万が更に好ましい。
前記質量平均分子量(Mw)が1000未満であると、十分な被膜硬度が得られず光学物品の耐傷性が不足したり、フッ素含有ポリマー成分の脱落により持続的な防汚効果が得られないことがあり、500万を超えると、溶剤溶解性が低下して扱いにくくなったり、フッ素含有樹脂組成物の保存安定性が低下することがある。
以下に、前記フッ素含有共重合体の好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、式中のx、y、zで表される数字は、各モノマー成分のモル比を表す。Mwは、質量平均分子量を表わす。
Figure 2005097371
Figure 2005097371
Figure 2005097371
Figure 2005097371
前記フッ素含有共重合体は、種々の重合方法、例えば、溶液重合、懸濁重合、知沈殿重合、塊状重合、乳化重合等によって合成することができる。また、これらの手法によって水酸基含有重合体等の前駆体を合成した後、前記高分子反応によって(メタ)アクリロイル基等を導入することにより合成することができる。前記重合反応は、回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で行うことができる。
前記重合の開始方法はラジカル開始剤を用いる方法、光又は放射線を照射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば、鶴田禎二「高分子合成方法」改定版(日刊工業新聞社刊、1971)、大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊、124〜154頁に記載されている。
前記重合方法の中でも、特にラジカル開始剤を用いた溶液重合法が好ましい。該溶液重合法で用いられる溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどが挙げられる。これらは1種単独あるいは2種以上の混合物でも良いし、水との混合溶媒としても良い。
前記重合温度は生成するポリマーの分子量、開始剤の種類などと関連して設定する必要があり0℃以下から100℃以上まで可能であるが、50〜100℃の範囲で重合を行うことが好ましい。反応時間は、通常5〜30時間程度である。
得られたポリマーは精製を行わずに、そのまま使用することもできるが再沈澱による精製を行うことが好ましい。再沈殿溶媒としては、イソプロパノール、ヘキサン、メタノール等が好ましい。
本発明においては、前記フッ素含有化合物(フッ素含有モノマー、フッ素含有ポリマー等)をバインダーに添加して用いることができる。
前記バインダーとしては、熱又は活性エネルギー線の作用により硬化する公知のモノマー、オリゴマー又はプレポリマー、あるいは熱可塑性樹脂等を使用することができるが、製造時の形状転写性と形成された形状の強度・耐熱性・耐候性の両立の観点から、好ましくは硬化性樹脂であり、低硬化収縮性の観点からより好ましくはプレポリマーであり、迅速硬化性の観点から、活性エネルギー線の作用により硬化する樹脂が特に好ましい。
前記硬化性樹脂としては、1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基(例えば((メタ)アクリロイル基、ビニル基、ビニルオキシ基、アリル基等)、開環重合性基(例えばエポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基等)、反応性シリル基(例えばアルコキシシリル基、アセトキシシリル基、ヒドロキシシリル基等)、重付加反応性基(例えば、イソシアネート基+水酸基等、ビニル基+ヒドロシリル基等)、重縮合反応性基(例えば、多塩基酸あるいはその無水物、N−メチロール基、アルデヒド基/カルボニル基+活性メチレン/ヒドラジン基等)等を有するモノマー、オリゴマー、又はプレポリマーが挙げられる。また、ブロックイソシアネートのように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を有するものであっても良いが、活性エネルギー線の作用により迅速に硬化するものとしては、エチレン性不飽和基または開環重合性基を有する化合物が好ましく、本発明では特にエチレン性不飽和基を有する化合物が好ましい。
前記1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物としては、例えば、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート等)、ビニルベンゼン又はその誘導体(例えば、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン等)、ビニルスルホン(例えば、ジビニルスルホン等)、アクリルアミド(例えば、メチレンビスアクリルアミド等)、メタクリルアミド、などが挙げられる。
前記1分子中に複数の開環重合性基を有する化合物としては、例えば、上記化合物のエチレン性不飽和基を開環重合性基(例えば、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基等)に置き換えた化合物、グリシジル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。また、市販品としては例えば、デナコールEX314,同411,同421,同521,同611,同612等(以上、ナガセ化成工業株式会社製)、セロキサイド、GT301,同401等(以上、ダイセル工業株式会社製)等が挙げられる。
また、本発明においては、前記微細凹凸構造(フッ素含有樹脂層)を形成するバインダーの主成分(50質量%以上)として、前記フッ素含有化合物(フッ素含有モノマー及びフッ素含有ポリマーのいずれか)を用いることができる。この場合、別途、前記フッ素含有界面活性剤等を添加する必要はないが、防汚性の効果を高めるために併用することもできる。
前記フッ素含有ポリマーの添加量は、フッ素含有樹脂組成物に対し、固形分で0.5〜70質量%が好ましく、1〜60質量%がより好ましい。
前記フッ素含有化合物をバインダーとして用いる場合には、十分な力学特性を発現できる必要があり、良好な硬化反応性を有するフッ素含有プレポリマーが好適である。
前記バインダーの添加量は、フッ素含有樹脂組成物に対し、固形分で10〜80質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましい。
前記フッ素含有化合物をバインダーとして用いる場合には、フッ素含有共重合体中の架橋反応性基含有モノマーの含有率は30mol%〜95mol%が好ましく、40mol%〜90mol%がより好ましく、45〜80mol%が更に好ましい。
前記フッ素含有プレポリマーとしては、フッ素含有アルキル基を有するモノマーと架橋反応性基含有モノマーとを共重合してなる共重合体として用いた化合物が挙げられるが、中でも架橋反応性基含有モノマーとしては、架橋基含率の高いもの(例えば、前記P−29等)を好適に利用することができる。
また、パーフルオロオレフィン(フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等、好ましくはヘキサフルオロプロピレン)とビニルエーテル類、ビニルエステル類等の共重合体において、同様に架橋反応性基含有モノマーを有する構造も好適である。
以下、フッ素含有樹脂層のバインダーとして好適に利用できるフッ素含有プレポリマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005097371
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Figure 2005097371
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前記フッ素含有ポリマーとしては、特に制限はなく、前記した一般的合成法に従って合成することができるが、ガスモノマーであるパーフルオロオレフィンを使用する場合にはオートクレーブを使用して合成が行われる。この際、反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は、0.1〜10MPaが好ましく、0.1〜3MPaがより好ましい。
なお、前記フッ素含有ポリマー層においては、前記フッ素含有化合物、非フッ素系バインダー素材等を適宜選択して2種類以上組み合わせて用いても良い。
前記架橋性基を有するフッ素含有ポリマーは、ポリマーに架橋性基を有するので後述する硬化剤の添加量を多くしなくても高い硬度が得られる。したがって、架橋性基を有するフッ素含有ポリマーの添加量は、フッ素含有樹脂組成物に対し、固形分で20〜95質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。
本発明のフッ素含有樹脂組成物には、前記フッ素含有化合物に加えて、硬度、脆性、基材への密着性、防塵性(帯電防止性)、離型性等の観点から、更に必要に応じて、硬化剤、微粒子、界面活性剤、離型剤等の各種添加剤を配合することができる。
前記硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分子中にエチレン性不飽和基(例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、ビニルオキシ基、アリル基等)、開環重合性基(例えば、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基等)、反応性シリル基(例えば、アルコキシシリル基、アセトキシシリル基、ヒドロキシシリル基等)、重付加反応性基(例えば、イソシアネート基+水酸基等、ビニル基+ヒドロシリル基等)、重縮合反応性基(例えば、多塩基酸又はその無水物、N−メチロール基、アルデヒド基又はカルボニル基及び活性メチレン基又はヒドラジン基等)、などを有するモノマー、オリゴマー、又はプレポリマーが好適に挙げられる。
また、ブロックイソシアネートのように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を有するものも好適に挙げることができるが、好ましくは活性エネルギー線の作用により迅速に硬化するものであり、特にエチレン性不飽和基又は開環重合性基を有する化合物が好ましい。
前記エチレン性不飽和基を有する硬化剤としては、例えば、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類、ビニルベンゼン又はその誘導体、ビニルスルホン、(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
前記多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、などが挙げられる。前記ビニルベンゼン又はその誘導体としては、例えば、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノンなどが挙げられる。前記ビニルスルホンとしては、例えば、ジビニルスルホンなどが挙げられる。前記(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、メチレンビスアクリルアミド、メタクリルアミド、などが挙げられる。
前記開環重合性基を有する硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記エチレン性不飽和基を有する硬化剤を開環重合性基(例えば、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基)に置換した化合物、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記開環重合性基を有する硬化剤としては、市販品を用いることができ、例えば、デナコールEX314,同411,同421,同521,同611,同612等(以上、ナガセ化成工業株式会社製)、セロキサイド、GT301、GT401等(以上、ダイセル工業株式会社製)、などが挙げられる。
前記硬化剤の配合量は、フッ素含有樹脂組成物に対し、固形分で1〜97質量%が好ましく、1〜70質量%がより好ましく、5〜50質量%が更に好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
前記微粒子としては、例えば、SiO、MgF、TiO、ZrO、Al、In、ZnO、SnO、Sb、ITO等の無機微粒子が好適である。これらの中でも、SiOが特に好ましい。
前記微粒子としては、市販品を用いることができ、例えば、日産化学工業株式会社製スノーテックスIPA−ST、同MIBK−ST、日本エアロジル株式会社製AEROSIL300、同AEROSIL130、同AEROSIL50、等が挙げられる。
前記微粒子の粒子径は1〜100nmが好ましく、1〜50nmがより好ましく、5〜30nmが更に好ましい。
前記バインダーを形成する樹脂とより強固に結合させるため、前記微粒子の表面を(メタ)アクリロイル基、エポキシ基等の反応性基によって修飾したものを使用することが好適である。前記微粒子の表面修飾は、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基等の官能基を有するシランカップリング剤を用いて行うことができる。
前記微粒子の添加量は、前記フッ素含有樹脂組成物の全固形分に対し1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が更に好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤のいずれも使用することができる。
前記フッ素系界面活性剤としては、上記と同じものを用いることができる。
前記シリコーン系界面活性剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のオリゴマー等の各種の置換基で側鎖や主鎖の末端が変性されたポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
前記界面活性剤の添加量は、フッ素含有樹脂組成物の全固形分に対し0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.5〜5質量%が更に好ましい。
前記微細凹凸構造を形状転写法により形成する場合には樹脂層には離型剤成分が含まれていることが好ましい。前記離型剤成分としては、シリコーン系素材が好ましい。該離型剤成分としては、市販品を用いることができ、例えば、AK−5、AK−30、AK−32(いずれも東亜合成株式会社製)、サイラプレーンFM0275、サイラプレーンFM0721(いずれも、チッソ株式会社製)、KF−100T、X−22−169AS、KF−102、X−22−3701IE、X−22−164B、X−22−164C、X−22−5002、X−22−173B、X−22−174D、X−22−167B、X−22161AS(いずれも、信越化学工業株式会社製)、RMS033(アズマックス株式会社製)、などが挙げられる。
前記離型剤成分の添加量は、前記フッ素含有樹脂組成物の全固形分に対し1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましく、3〜10質量%が更に好ましい。
本発明のフッ素含有樹脂組成物には、更に必要に応じて硬化触媒又は開始剤を配合することができる。例えば、エチレン性不飽和基の重合を開始するためにはラジカル重合開始剤が添加される。該ラジカル重合開始剤としては、熱の作用によりラジカルを発生する重合開始剤、又は活性エネルギー線の作用によりラジカルを発生する重合開始剤のいずれの使用も可能である。
前記熱の作用によりラジカル重合を開始する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機過酸化物、無機過酸化物、有機アゾ化合物、ジアゾ化合物、などが好適である。前記有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、等が挙げられる。前記無機過酸化物として、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等が挙げられる。前記有機アゾ化合物としては、例えば、2−アゾービスーイソブチロニトリル、2−アゾービスープロピオニトリル、2−アゾ−ビスーシクロヘキサンジニトリル等が挙げられる。前記ジアゾ化合物としては、例えば、ジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム、等が挙げられる。
前記活性エネルギー線の作用によりラジカル重合を開始する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、などが挙げられる。前記アセトフェノン類としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン等が挙げられる。前記ベンゾイン類としては、例えば、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノン等が挙げられる。前記ホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
なお、これらの光ラジカル重合開始剤と併用して増感色素も好ましく用いることができる。
前記熱又は活性エネルギー線の作用によってラジカル重合を開始する化合物の添加量としては、炭素−炭素二重結合の重合が開始する量であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記フッ素含有樹脂組成物の全固形分に対し0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
一方、イオン重合性化合物、又はゾルゲル素材の反応を開始するためには、適宜公知の触媒を配合することができる。該触媒としては、酸触媒又は塩基触媒が挙げられる。前記酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等の無機ブレンステッド酸類、シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機ブレンステッド酸類、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム等のルイス酸類、などが挙げられる。前記塩基触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類、トリエチルアミン、ピリジン、テトラメチルエチレンジアミン等の有機塩基類、などが挙げられる。
前記硬化触媒の添加量は、前記触媒の種類、硬化反応性部位の違いなどによって異なり一概には規定することはできないが、前記フッ素含有樹脂組成物の全固形分に対し0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
また、前記フッ素含有樹脂組成物の保存安定性の観点から活性エネルギー線の作用によって酸又は塩基等の硬化促進剤を発生する化合物を使用しても良い。これらの化合物を使用する場合には、活性エネルギー線の照射によって皮膜の硬化が可能になるという利点がある。
前記活性エネルギー線の作用により酸を発生する化合物としては、例えば、有機エレクトロニクス材料研究会(ぶんしん出版)編「イメージング用有機材料」p187〜198、及び特開平10−282644号公報等に記載の化合物を使用することができる。該化合物としては、具体的には、RSO (ただし、Rは、アルキル基、又はアリール基を表す)、AsF 、SbF 、PF 、BF 等をカウンターイオンとするジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等の各種オニウム塩、トリハロメチル基が置換したオキサジアゾール誘導体、S−トリアジン誘導体等の有機ハロゲン化物、有機酸のo−ニトロベンジルエステル、ベンゾインエステル、イミノエステル、ジスルホン化合物等が挙げられる。これらの中でも、オニウム塩類、スルホニウム塩、ヨードニウム塩類が好適である。
前記活性エネルギー線の作用で塩基を発生する化合物としては、特に制限はなく、公知の化合物の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニトロベンジルカルバメート類、ジニトロベンジルカルバメート類、等が挙げられる。
これらの活性エネルギー線の作用により、酸又は塩基を発生する化合物と併用して増感色素も好適に用いることができる。前記活性エネルギー線の作用によって硬化反応を促進する化合物、又は増感色素の添加量は、前記フッ素含有樹脂組成物中の全固形分に対し0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
また、ゾルゲル素材、アミノプラスト等脱水縮合性化合物を用いる場合、硬化を促進する目的で適宜脱水剤を使用しても良い。該脱水剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボン酸オルトエステル(例えば、オルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル、オルト酢酸メチル等)、酸無水物(例えば、無水酢酸等)、等が挙げられる。
前記脱水剤の添加量は、前記フッ素含有樹脂組成物の全固形分100質量部に対して0.5〜500質量部が好ましく、5〜200質量部がより好ましく、10〜100質量部が更に好ましい。
本発明のフッ素含有樹脂組成物は、前記フッ素含有化合物を必須成分として、更に必要に応じてその他の成分を適宜配合して製造することができる。この場合、前記成分のいずれかが液状化合物である場合、該成分を溶剤として他の成分を溶解することができれば、別途溶剤を添加する必要はないが、このケースにあてはまらない場合には溶剤を用いて各構成成分を溶解することによりフッ素含有樹脂組成物を製造することができる。
前記フッ素含有樹脂組成物に使用する溶剤としては、該組成物が沈殿を生じることなく、均一に溶解又は分散されるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール等)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、水、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のフッ素含有樹脂組成物は、光学特性及び防汚性に優れた微細凹凸構造を有し、種々の分野に好適に使用することができるが、以下の光学物品として特に好適に使用することができる。
(光学物品)
本発明の光学物品は、本発明の前記フッ素含有樹脂組成物を用いて形成される微細凹凸構造を有し、更に必要に応じてその他の部材を有する。
前記光学物品としては、可視光波長以下の周期的微細凹凸構造を利用した光学素子であれば特に制限はなく、微細凹凸のサイズ、形状に応じて適宜選択することができ、例えば、反射防止膜、反射防止フィルム、偏光分離素子、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、光カード、光ディスク等の各種用途が挙げられる。これらの中でも、反射防止膜、反射防止フィルム等の反射防止材料用途に特に好適に用いられる。なお、光学物品の用途の詳細については、菊田久雄 電子情報通信学会論文 J83−C(3),p.173−181(2000)、などに詳細に記載されている。
前記光学物品の最表面における微細凹凸構造の凹凸周期(Λ)は10〜400nmが好ましく、また、微細凹凸構造層の屈折率をnとした時、Λ<400/n(nm)がより好ましい。このような条件では可視光の散乱が起こらない。
前記微細凹凸の高さ(深さ)は、50〜1000nmが好ましく、200〜1000nmがより好ましく、300〜1000nmが更に好ましい。
前記微細凹凸構造の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反射防止膜の用途に用いる場合には、円錐型、三角錘型、釣り鐘型、空気界面側がすぼまった一軸方向に波打った型等の形状によって、空気界面(屈折率約1)から支持体までの平均屈折率が連続的に変化する構造が好ましく、これらの中でも、円錐型、三角錘型、釣り鐘型のように微細凹凸構造に方向性のないものがより好ましく、円錐型、三角錘型のように厚み方向の屈折率の連続変化が直線的(一次関数)であるものが特に好ましい。
なお、断面が矩形の微細凹凸構造等で、厚み方向の屈折率の連続変化がない形状は、反射防止膜においては好ましい形態ではないが多層膜の低屈折率層として利用することができる。
本発明の光学物品(微細凹凸構造膜、例えば、反射防止膜、反射防止フィルム)の反射率は低いほど好ましく、具体的には450〜650nmの波長領域での鏡面平均反射率は2%以下が好ましく、1%以下がより好ましく、0.5%以下が更に好ましい。
ここで、前記450〜650nmの波長領域での鏡面平均反射率は、例えば、分光光度計を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における分光反射率を測定し、450〜650nmの鏡面平均反射率を算出して求めることができる。
前記微細凹凸構造は、液滴の濡れ性を強調する方向に作用することが知られている(例えば、表面 35(12)巻、629頁(1997)等に詳細に記載されている。)。即ち、固体の表面張力が液滴の表面張力に対して十分に低くない場合(具体的には、平らな表面における液滴の接触角が90°未満の場合)、微細凹凸構造は液滴をより濡らす方向に作用することになる。逆に、固体の表面張力が十分に低い場合には液滴はより弾かれる方向になる。表面張力の高い水を弾く表面を作るのは比較的容易であるが、表面張力の低い油滴を弾くのはより困難である。
本発明において、前記微細凹凸構造において問題となる防汚性(特に油滴の侵入)を改良するために、微細凹凸構造を表面張力の低いフッ素含有樹脂層とする。該微細凹凸構造の表面張力は25mN/m以下が好ましく、20mN/m以下がより好ましく、15mN/m以下が更に好ましい。
前記表面張力が、25mN/mを超えると、光学物品の防汚性が不十分となることがある。
前記フッ素含有樹脂組成物の屈折率(微細凹凸を付与しない時の屈折率)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1.25〜1.70が好ましく、1.30〜1.60がより好ましく、1.40〜1.55が更に好ましい。前記屈折率が高ければ高いほど、可視光を散乱させないための最適な微細凹凸周期を短くする必要があるため、製造的に難度が高くなることがある一方、屈折率を下げれば、耐傷性等の皮膜特性を両立するのが難しくなることがある。
本発明の光学物品は、表面にフッ素原子を含有してなり、該フッ素原子の含有率は、20原子個数%以上が好ましく、30〜75原子個数%がより好ましい。
前記フッ素原子の含有率が、20原子個数%未満であると、光学物品の防汚性が不十分となることがある。
前記フッ素原子の含有率は、例えば、X線光電子分光法により好適に測定することができる。なお、前記X線光電子分光法(XPS)は、例えば、公知のX線光電子分光(XPS)装置(例えば、PHI社製1600S型X線光電子分光装置など)を用いて行うことができ、前記フッ素原子含有率はフッ素原子に起因するピークを分離することにより、測定することができる。
前記フッ素原子の前記微細凹凸構造における存在領域としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記微細凹凸構造の表面から数nm程度の表面層であることが好ましく、該粒子表面から0〜10nmの表面層であることがより好ましい。
前記微細凹凸形状の形成方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができるが、安価であり、大面積加工の安定製造の観点から、相補的な微細凹凸構造を有するスタンパーを圧接して樹脂に形状を転写する方法、又は2種類の樹脂等の相分離を利用し、適切な溶剤を用いて1成分のみを溶出することにより微細凹凸構造を形成する方法等が好適に挙げられ、これらの中でも、特にスタンパーを用いた形状転写法が好ましい。
前記形状転写法に利用されるスタンパーは、感光性樹脂に対するレーザー干渉露光法や電子線露光法によって微細凹凸形状を有する原型を作製し、更に該原型に対してNi等で電鋳加工する等公知の手法によって作製することができる。形状転写は未硬化又は半硬化の樹脂、又は熱可塑性樹脂に該スタンパーを圧接することにより行うことができる。前記形状転写を行う際の温度条件、及び圧力条件については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、該温度条件としては、50〜250℃が好ましく、50〜200℃がより好ましく、50〜150℃が更に好ましい。該圧力条件としては、0.1〜15MPaが好ましく、0.5〜10MPaがより好ましく、1〜5MPaが更に好ましい。
前記スタンパーとしては、金属ロールの周囲に装着したエンボスロールを利用すれば、ロール−トウ−ロールのプロセスでの大面積加工が可能になる。
前記紫外線硬化樹脂に対して形状転写を行う場合には、(1)未硬化又は半硬化の樹脂を支持体に塗設した上に、前記スタンパーで圧接し、更に支持体の裏側から紫外線を照射して形状を転写しながら樹脂層を硬化させた後、スタンパーを剥離する方法、(2)未硬化又は半硬化の樹脂層にスタンパーを圧接して形状転写を行い、スタンパーを剥離した後に、紫外線照射を行って樹脂層を硬化させる方法、などがあり、本発明ではいずれの形態も好ましく用いられる。
各層の硬化は電離放射線及び熱の少なくともいずれかの作用によって行われる。電離放射線の照射は、高圧水銀ランプを用いて行うことが好ましい。この際、紫外線照射は所定の酸素濃度の下で行うことが好ましい。該酸素濃度は、0.5%以下が好ましく、0.3%以下がより好ましく、0.2%以下が更に好ましい。前記照射エネルギーは、硬化反応が十分に進むのに必要な量であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、300mJ/cm〜1500mJ/cmが好ましく、400mJ/cm〜1000mJ/cmがより好ましく、500mJ/cm〜800mJ/cmが更に好ましい。
前記加熱を行う場合には、加熱温度は30〜200℃が好ましく、80〜180℃がより好ましく、100〜150℃が更に好ましい。加熱時間は30秒〜100時間が好ましく、1分〜1時間がより好ましく、2分〜15分が更に好ましい。
前記スタンパーを圧接して形状を転写する前に前記紫外線照射又は加熱の手段によって樹脂を部分硬化させてもよい。また、形状転写時には光及び熱の2つのエネルギーを同時に与えて硬化反応を行っても良く、一方のみのエネルギーで硬化させても良い。形状形成後に完全硬化させる際も、上記の光及び熱の少なくともいずれかを加える方法を利用できる。
本発明の光学物品を多層構成とする場合には、各層を順次十分硬化させた後に上層を塗設することが好ましい。
−反射防止膜−
本発明の光学物品としての反射防止膜は、本発明の前記フッ素含有樹脂組成物を用いて形成される微細凹凸構造を有する樹脂膜からなる。
この場合、支持体の上に微細凹凸形状を保有する樹脂層を形成してから、装置(例えば、ディスプレイ等の画像表示装置)に配置して用いられることが好ましいが、微細凹凸構造層を装置に直接配置しても構わない。
前記反射防止膜は、偏光板、ディスプレイ装置、例えば、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用する。前記反射防止膜は、微細凹凸構造が空気界面側になるように配置する。前記反射防止膜が支持体上に設けられ、反射防止フィルムとして用いられる場合は、支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着して使用する。
前記反射防止膜は、前記画像表示装置以外にも、ケースカバー、光学用レンズ、眼鏡用レンズ、ウインドウシールド、ライトカバー、ヘルメットシールドにも利用できる。
前記反射防止膜は、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していてもよい。本発明の反射防止膜は表面に可視光波長以下の周期的微細凹凸構造が付与されてなるものであるが、これに加えて更に可視光波長以上のなだらかな凹凸構造を付与することによりアンチグレア機能も付与できる(即ち、これは、大きななだらかな凹凸形状の上に微細凹凸構造が付与されてなるものである)。該なだらかな凹凸形状は、相補的な形状を有するスタンパーを用いる方法、微粒子により大きな凹凸構造を有する表面を形成した後に、スタンパーを圧接する方法、微粒子を利用して大きな凹凸構造を形成し、更に相分離を利用して小さな凹凸構造の形成する方法などによって作製することができる。
前記反射防止膜のヘイズ(アンチグレア機能がない場合)は、3%以下が好ましく、1%以下がより好ましく、0.5%以下が更に好ましい。前記反射防止膜の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、1H以上が好ましく、2H以上がより好ましく、3H以上が更に好ましい。
前記反射防止膜がアンチグレア機能を有する場合、反射防止膜のヘイズは、3〜30%が好ましく、5〜20%がより好ましく、7〜20%が更に好ましい。
前記反射防止層(微細凹凸構造層)は、CRT画像表示面やレンズ表面に直接設けてもよいが、通常は支持体上に微細凹凸構造層を設けて、例えば、反射防止フィルム等としてから各種機器に装着されることが好ましい。
−反射防止フィルム−
本発明の光学物品としての反射防止フィルムは、支持体と、該支持体上に前記フッ素含有樹脂組成物から形成される微細凹凸構造層(反射防止層)を設けたものであり、更に必要に応じてハードコート層、防湿層、帯電防止層、下塗り層等の層を設けてもよい。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ガラス板よりもプラスチックフイルムの方が、成形性、量産性などの点から好ましい。
前記プラスチックフイルム材料としては、例えば、セルロースエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケトン、などが挙げられる。
前記セルロースエステルとしては、例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等が挙げられる。前記ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。前記ポリスチレンとしては、例えば、シンジオタクチックポリスチレン等が挙げられる。前記ポリオレフィンとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン等が挙げられる。
これらの中でも、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートが特に好ましい。
前記支持体には、赤外線吸収剤又は紫外線吸収剤を添加してもよく、赤外線吸収剤又は紫外線吸収剤の支持体における添加量は、0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましい。
前記支持体の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50〜200μmが好ましい。
スタンパーを用いて樹脂層に微細凹凸形状を形成する際、支持体側から活性エネルギー線を照射して樹脂層を硬化させる方法を選択する場合には支持体には、紫外線吸収剤等、活性エネルギー線を吸収する物質を添加しないことが望ましく、また、支持体も該露光波長域に吸収を持たないものを選択することがましい。
高強度化、低熱膨張性等の観点から無機化合物の粒子を支持体に添加してもよい。無機化合物としては、例えば、SiO2、TiO2、BaSO、CaCO、タルク、カオリン、などが挙げられる。
前記支持体には、表面処理を実施してもよい。該表面処理としては、例えば、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などが挙げられる。これらの中でも、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、火焔処理が好ましく、グロー放電処理、紫外線処理が特に好ましい。
前記支持体の光透過率は、80%以上が好ましく、86%以上がより好ましい。前記支持体のヘイズは、2.0%以下が好ましく、1.0%以下がより好ましい。前記支持体の屈折率は、1.4〜1.7が好ましく、反射防止膜用途とする場合、前記樹脂層との屈折率差が小さいものが好ましい。
前記支持体上に形成される前記微細凹凸構造層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書記載)による塗布により形成することができる。二層以上を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書及び原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
前記ハードコート層は、支持体に耐傷性を付与するために設けられ、支持体とその上の層との接着を強化する機能をも有する。
前記ハードコート層は、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、シリカ系化合物を用いて形成することができる。なお、顔料をハードコート層に添加してよい。前記アクリル系ポリマーとしては、多官能アクリレートモノマー(例えば、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート)の重合反応により合成することが好ましい。前記ウレタン系ポリマーとしては、例えば、メラミンポリウレタンなどが挙げられる。前記シリコーン系ポリマーとしては、例えば、シラン化合物(例えば、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン)と反応性基(例えば、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基)を有するシランカップリング剤との共加水分解物が好適に挙げられる。二種類以上のポリマーを組み合わせて用いてもよい。前記シリカ系化合物としては、コロイダルシリカが好適に挙げられる。
前記ハードコート層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上が好ましく、2H以上がより好ましく、3H以上が更に好ましい。支持体の上には、前記ハードコート層に加えて、接着層、シールド層、帯電防止層を設けてもよい。該シールド層は、電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
(画像表示装置)
前記画像表示装置は、前記光学物品としての本発明の前記反射防止膜及び本発明の前記反射防止フィルムのいずれかを配置してなり、更に必要に応じてその他の部材を有する。
前記画像表示装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、液晶表示装置(LCD)、などが挙げられる。これらの中でも、液晶表示装置が特に好ましい。
前記液晶表示装置としては、互いに対向して配される一対の基板間に液晶が封入されてなり、該液晶表示装置における液晶としては、例えば、STN型、TN型、GH型、ECB型、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、VA型、ASM型、その他種々のものが好適に挙げられる。
本発明の液晶表示装置の基本的な構成態様としては、例えば、(1)薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と称することがある。)等の駆動素子と画素電極(導電層)とが配列形成された駆動側基板と、カラーフィルタ及び対向電極(導電層)を備えるカラーフィルタ側基板とをスペーサーを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成されるもの、(2)カラーフィルタが前記駆動側基板に直接形成されたカラーフィルタ一体型駆動基板と、対向電極(導電層)を備える対向基板とをスペーサーを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成されるもの等が挙げられる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例1)
−フッ素含有共重合体(P−2)の合成−
攪拌機及び還流冷却器を備えた反応器中に、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート39.93g、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート1.1g、及び2−ブタノン30gを加え、窒素雰囲気下、78℃にて6時間加熱して反応を完結させた。以上により、下記構造式で表されるフッ素含有共重合体(P−2)を合成した。
得られたフッ素含有共重合体(P−2)の質量平均分子量(Mw)は、2.9×10であった。
Figure 2005097371
(合成例2)
−フッ素含有共重合体(P-13)の合成−
攪拌機及び還流冷却器を備えた反応器中に、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート31.98g、ブレンマーAP−400(商品名、日本油脂株式会社製)7.95g、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート1.1g、及び2−ブタノン30gを加え、窒素雰囲気下、78℃にて6時間に加熱して反応を完結させた。以上により、下記構造式で表されるフッ素含有共重合体(P−13)を合成した。
得られたフッ素含有共重合体(P−13)の質量平均分子量(Mw)は、3.4×10であった。
Figure 2005097371
(合成例3)
−フッ素含有共重合体(P−37)の合成−
合成例2で得られたフッ素含有ポリマー溶液71gに、2−イソシアナートエチルメタクリレート2.81g、及びジブチルチンジラウレート0.1gを加え、室温下にて12時間反応させた。以上により、下記構造式で表わされるフッ素含有共重合体(P−37)を合成した。
得られたフッ素含有共重合体含有溶液のIRスペクトルよりイソシアネート基が完全に消費され、ウレタン結合による新たなピークが観測され、ポリマーの質量平均分子量は3.7×10であった。
Figure 2005097371
(合成例4)
−フッ素含有共重合体(PP−1)の合成−
内容量100mlのステンレススチール製撹拌機付オートクレーブに酢酸エチル40ml、ヒドロキシエチルビニルエーテル14.7g、及び過酸化ジラウロイル0.55gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。更に、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)25gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は0.54MPaであった。該温度を保持し8時間反応を続け、圧力が0.32MPaに達した時点で加熱をやめて放冷した。室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。
得られた反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカンテーションにより溶剤を除去することにより沈殿したポリマーを取り出した。次いで、このポリマーを少量の酢酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥後、ヘキサフルオロプロピレンとヒドロキシエチルビニルエーテルのモル比1:1のフッ素含有共重合体28gを得た。得られたフッ素含有共重合体の屈折率は1.406であった。
次に、該フッ素含有共重合体20gをN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解し氷冷下、アクリル酸クロライド11.4gを滴下した後、室温にて10時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水洗、有機層を抽出後、濃縮し、得られたポリマーをヘキサンで再沈殿させた。以上により下記構造式で表わされるフッ素含有共重合体(PP−1)を19g得た。
得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は3.1万であり、屈折率は1.421であった。
Figure 2005097371
なお、後述する実施例で用いたフッ素含有ポリマー「P−38」、「P−30」についても同様の方法により合成することができる。
(合成例5)
−バインダー樹脂Aの合成−
特開2003−82043号公報の実施例1に記載の方法に従って、下記構造式で表されるバインダー樹脂Aを合成した。
即ち、冷却器、滴下ロート及び温度計付きの2リットルのフラスコに、トルエン40g、メチルエチルケトン40gをアゾ系の重合開始剤と共に仕込み、2−ヒドロキシメチルメタクリレート20.8g、メチルメタクリレート39.0g、イソボルニルメタクリレート45.0g、トルエン20g、及びメチルエチルケトン20gの混合液を滴下ロートで滴下させながら100℃の温度下で8時間反応させた後、室温まで冷却した。これに、2−イソシアネートエチルメタクリレート(昭和電工製、カレンズMOI(商品名))23.4g、トルエン20g、及びメチルエチルケトン20gの混合液を加えて、ラウリン酸ジブチル錫を触媒として付加反応させた。
得られた反応生成物のIR分析により、イソシアネートの吸収ピークの消失を確認し、反応を終了した。得られたバインダー樹脂A溶液の固形分は38.2質量%、質量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で30,000であり、炭素間二重結合(C=C)の導入量は12.5%であった。
Figure 2005097371
(実施例1)
−フッ素含有樹脂組成物の調製−
合成例1のフッ素含有共重合体「P−37」1質量部、硬化剤としてのDPHA(商品名、日本化薬社製、多官能硬化剤KAYARAD)94質量部、離型剤としてのRMS033(商品名、アズマックス社製 メタクリロイル変性シリコーンオイル)5質量部、及び光ラジカル重合開始剤としてのイルガキュア(IRG)907(商品名、チバスペシャリティーケミカル社製)5質量部を、メチルエチルケトンに30質量%(固形分)となるように溶解し、実施例1のフッ素含有樹脂組成物を調製した。
(実施例2)
−フッ素含有樹脂組成物の調製−
合成例1のフッ素含有共重合体「P−37」1質量部、合成例5のバインダー樹脂A 64質量部、硬化剤としてのDPHA(商品名、日本化薬社製、多官能硬化剤KAYARAD)30質量部、離型剤としてのRMS033(商品名、アズマックス社製 メタクリロイル変性シリコーンオイル)5質量部、及び光ラジカル重合開始剤としてのイルガキュア(IRG)907(商品名、チバスペシャリティーケミカル社製)5質量部を、メチルエチルケトンに30質量%(固形分)となるように溶解し、実施例2のフッ素含有樹脂組成物を調製した。
(実施例3)
−フッ素含有樹脂組成物の調製−
フッ素含有共重合体「P−38」1質量部、合成例5のバインダー樹脂A 64質量部、硬化剤としてのDPHA(商品名、日本化薬社製、多官能硬化剤KAYARAD)30質量部、離型剤としてのRMS033(商品名、アズマックス社製 メタクリロイル変性シリコーンオイル)5質量部、及び光ラジカル重合開始剤としてのイルガキュア(IRG)907(商品名、チバスペシャリティーケミカル社製)5質量部を、メチルエチルケトンに30質量%(固形分)となるように溶解し、実施例3のフッ素含有樹脂組成物を調製した。
(実施例4)
−フッ素含有樹脂組成物の調製−
フッ素含有共重合体「P−30」50質量部、硬化剤としてのDPHA(商品名、日本化薬社製、多官能硬化剤KAYARAD)45質量部、離型剤としてのRMS033(商品名、アズマックス社製 メタクリロイル変性シリコーンオイル)5質量部、及び光ラジカル重合開始剤としてのイルガキュア(IRG)907(商品名、チバスペシャリティーケミカル社製)5質量部を、メチルエチルケトンに30質量%(固形分)となるように溶解し、実施例4のフッ素含有樹脂組成物を調製した。
(実施例5)
−フッ素含有樹脂組成物の調製−
合成例4のフッ素含有共重合体「PP−1」70質量部、フッ素含有共重合体「P−38」1質量部、硬化剤としてのDPHA(商品名、日本化薬社製、多官能硬化剤KAYARAD)45質量部、離型剤としてのRMS033(商品名、アズマックス社製 メタクリロイル変性シリコーンオイル)5質量部、及び光ラジカル重合開始剤としてのイルガキュア(IRG)907(商品名、チバスペシャリティーケミカル社製)5質量部を、メチルエチルケトンに30質量%(固形分)となるように溶解し、実施例4のフッ素含有樹脂組成物を調製した。
(比較例1)
−フッ素含有樹脂組成物の調製−
合成例5のバインダー樹脂A 67質量部、硬化剤としてのDPHA(商品名、日本化薬社製、多官能硬化剤KAYARAD)28質量部、離型剤としてのKF−860(商品名、信越シリコーン株式会社製 アミノ変性シリコーンオイル)5質量部、及び光ラジカル重合開始剤としてのイルガキュア(IRG)184(商品名、チバスペシャリティーケミカル社製)5質量部を、メチルエチルケトンに30質量%(固形分)となるように溶解し、比較例1のフッ素含有樹脂組成物を調製した。
(比較例2)
−フッ素含有樹脂組成物の調製−
合成例5のバインダー樹脂A 39質量部、硬化剤としてのDPHA(商品名、日本化薬社製、多官能硬化剤KAYARAD)17質量部、シリカ微粒子分散物としてのMEK−ST(商品名、日産化学工業社製 シリカ微粒子分散物)39質量部、離型剤としてのKF−860(商品名、信越シリコーン社製 アミノ変性シリコーンオイル)5質量部、及び光ラジカル重合開始剤としてのイルガキュア(IRG)184(商品名、チバスペシャリティーケミカル社製)5質量部を、メチルエチルケトンに30質量%(固形分)となるように溶解し、比較例2のフッ素含有樹脂組成物を調製した。
Figure 2005097371
*表1中、( )内の数字は各成分の質量部を表す。
−反射防止フィルムの作製−
厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に実施例1〜5及び比較例1〜2の各フッ素含有樹脂組成物をバーコーターを用いて膜厚3μmになるように塗布した後、90℃にて5分間乾燥した。
次に、該フィルムの樹脂層塗布面上に、周期約250nm×高さ約250nmの円錐形状の周期的微細凹凸構造を有するNi材質のスタンパーを押し当て、1MPaの圧力をかけて1分間スタンパーとフィルムを圧接した後、PETフィルムの裏面から750mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して樹脂層を硬化させた。その後、フィルムとスタンパーを剥離し、更に、窒素雰囲気下(酸素濃度0.1%)、樹脂層の表面から750mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して、表面に微細凹凸構造の形成された実施例1〜5及び比較例1〜2の各反射防止フィルムを作製した。
<反射防止フィルムの性能評価>
得られた実施例1〜5及び比較例1〜2の反射防止フィルムについて、以下のようにして、鏡面平均反射率、耐傷性、指紋付着性、マジック付着性、表面張力、及びフッ素含有率を評価した。結果を表2に示す。
(1)鏡面平均反射率
分光光度計(日本分光株式会社製、V−550)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における分光反射率を測定し、450〜650nmの鏡面平均反射率で結果を表した。
(2)耐傷性試験
膜表面をスチールウール#0000を用いて、200gの荷重下で10回擦った後、傷のつくレベルを下記の基準に従って評価した。
〔評価基準〕
◎・・・全く傷がつかない。
○・・・わずかに傷がついた。
△・・・細かい傷が目立つ。
×・・・傷が著しい。
(3)指紋付着性評価
各反射防止フィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、反射防止フィルム表面に指紋を付着させてから、それをベンコットン(商品名、旭化成(株)製)で拭き取ったときの状態を観察して、以下のように指紋付着性を評価した。
〔評価基準〕
◎・・・簡単に指紋が拭き取れる。
〇・・・普通にふいて指紋が拭き取れる。
△・・・しっかり擦れば指紋が拭き取れる。
×・・・指紋が拭き取れずに残る。
(4)マジック付着性評価
各反射防止フィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、サンプル表面にマジック(マッキ−極細(商品名;ZEBRA株式会社製))を付着させてから、それをベンコットン(旭化成株式会社製)で拭き取ったときの状態を観察して、以下のようにマジック付着性を評価した。
〔評価基準〕
◎・・・簡単にマジックが拭き取れる。
〇・・・普通にふいてマジックが拭き取れる。
△・・・しっかり擦ればマジックが拭き取れる。
×・・・マジックが拭き取れずに残る。
(5)表面張力の測定
各フッ素含有樹脂組成物をバーコーターを用いて2μmの膜厚となるように厚さ100nmのPETフィルム上に塗布した後、窒素雰囲気下(酸素濃度0.1%)、750mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して塗布膜を硬化させたサンプルを作製した。該サンプルについて、表面張力既知の水及びヨウ化メチレンの接触角を協和界面化学株式会社製接触角計 CA−DT・A型を用いて測定し、表面張力を求めた。
(6)フッ素含有率の測定
各反射防止フィルムの微細凹凸構造中のフッ素含有率は、X線光電子分光法(XPS)により、下記の測定装置及び測定条件に従って測定した。なお、フッ素原子は反射防止フィルムの表面から数nm程度の極表面の領域に存在していた。
〔測定装置及び測定条件〕
測定装置:1600S型X線光電子分光装置(PHI社製)
X線源 :MgKα(400W)
分析領域:0.8×2.0mm
前処理 :試料をアルミニウム製皿にのせて、表面を平滑にして測定した。
表面フッ素原子濃度の算出には、PHI社製の相対感度因子を用いた。なお、フッ素含有率の結果は、atomic%(原子個数%)である。
Figure 2005097371
表2の結果から、比較例1及び2の反射防止フィルムは防汚性(指紋拭き取り性及びマジック拭き取り性)が劣るのに対して、実施例1〜5の反射防止フィルムは広い波長領域で、非常に低い表面反射率とともに優れた防汚性(指紋拭き取り性及びマジック拭き取り性)を有していることが認められる。
(実施例6)
−画像表示装置の作製−
得られた実施例1〜5及び比較例1〜2の各反射防止フィルムをパーソナルコンピューターPC9821NS/340W(日本電気株式会社製)の液晶ディスプレイ表面に貼り付け、画像表示装置サンプルを作成した。
作製した各画像表示装置サンプルの風景映り込み程度を目視にて評価した。その結果、実施例1〜5の反射防止フィルムを設けた画像表示装置は、周囲の風景映り込みが殆どなく、快適な視認性を示しかつ充分な防汚性を有するものであった。これに対し、比較例1〜2の反射防止フィルムを設けた画像表示装置は、周囲の映り込みは同様に低減できるものの防汚性に劣るものであった。
本発明のフッ素含有樹脂組成物は、光学特性及び耐汚染性に優れた可視光波長以下の周期的微細凹凸構造を有する光学物品を製造するのに好適に用いられる。本発明の光学物品は、反射防止性能が高く、優れた耐汚染性を有するので、反射防止膜、反射防止フィルム、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、光カード、光ディスク及び偏光分離素子等の種々の光学的用途に好適に用いられる。また、本発明の画像表示装置は、前記光学物品を配置しているので、視認性が良好であり、汚れがつきにくく高品質な画像を表することができ、特に液晶表示装置として好適である。


Claims (14)

  1. フッ素含有化合物を少なくとも含み、光学物品の微細凹凸構造を形成するのに用いられることを特徴とするフッ素含有樹脂組成物。
  2. フッ素含有化合物が、下記一般式(1)で表されるフルオロアルキル基を有する請求項1に記載のフッ素含有樹脂組成物。
    −(CFX 一般式(1)
    ただし、前記一般式(1)中、Xは、フッ素原子又は水素原子を表す。nは、整数を表す。
  3. フッ素含有化合物が、フッ素含有モノマー、フッ素含有シランカップリング剤、フッ素含有界面活性剤及びフッ素含有ポリマーから選択される少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載のフッ素含有樹脂組成物。
  4. フッ素含有ポリマーが、フルオロアルキル基含有モノマーの重合体、フルオロアルキル基含有モノマーとポリ(オキシアルキレン)基含有モノマーとの共重合体、及びフルオロアルキル基含有モノマーと架橋反応性基含有モノマーとの共重合体のいずれかを含む請求項3に記載のフッ素含有樹脂組成物。
  5. フッ素含有化合物が、添加剤及びバインダーのいずれかとして配合される請求項1から4のいずれかに記載のフッ素含有樹脂組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のフッ素含有樹脂組成物を用いて微細凹凸構造が形成され、表面にフッ素原子を含むことを特徴とする光学物品。
  7. 表面から10nm以内の深さにおけるフッ素原子濃度が20原子個数%以上である請求項6に記載の光学物品。
  8. 表面張力が25mN/m以下である請求項6から7のいずれかに記載の光学物品。
  9. 微細凹凸構造における凹凸高さが50〜1000nm、凹凸周期が10〜400nmである請求項6から8のいずれかに記載の光学物品。
  10. 微細凹凸構造の屈折率をnとした時、次式、凹凸周期<400/n(nm)を満たす請求項6から9のいずれかに記載の光学物品。
  11. 450〜650nmの波長領域での鏡面平均反射率が2%以下である請求項6から10のいずれかに記載の光学物品。
  12. 光学物品に形成する微細凹凸構造と相補的な微細凹凸構造を有するスタンパーを作製し、該スタンパーをフッ素含有樹脂組成物から形成される層に圧接させて該スタンパーの微細凹凸構造を転写してなる請求項6から11のいずれかに記載の光学物品。
  13. 光学物品が、反射防止膜、反射防止フィルム、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、光カード、光ディスク及び偏光分離素子から選択されるいずれかである請求項6から12のいずれかに記載の光学物品。
  14. 請求項6から13のいずれかに記載の光学物品を配置したことを特徴とする画像表示装置。
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