JP2005082531A - 抗炎症剤、並びに化粧料及び飲食物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れたヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用を有する抗炎症剤、及び該抗炎症剤を配合した皮膚疾患や肌荒れ改善効果の高い化粧料及び飲食物の提供。
【解決手段】 ムシゴケ科地衣類の雪茶(Thamnolia vermicularis Ach.)の抽出物を有効成分として含むことを特徴とする抗炎症剤。該抗炎症剤は、ヒアルロニダーゼ阻害物質及び血小板凝集抑制物質から選択される少なくともいずれかを含むことが好ましい。該抗炎症剤を配合した化粧料である。該抗炎症剤を配合した飲食物である。
【選択図】 なし
【解決手段】 ムシゴケ科地衣類の雪茶(Thamnolia vermicularis Ach.)の抽出物を有効成分として含むことを特徴とする抗炎症剤。該抗炎症剤は、ヒアルロニダーゼ阻害物質及び血小板凝集抑制物質から選択される少なくともいずれかを含むことが好ましい。該抗炎症剤を配合した化粧料である。該抗炎症剤を配合した飲食物である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、優れたヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用を有する抗炎症剤、並びに該抗炎症剤を配合した皮膚疾患や肌荒れ改善効果の高い化粧料及び飲食物に関する。
炎症性の疾患、例えば、接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡、その他肌荒れに伴う各種皮膚疾患等の原因や発症機構は多種多様であるが、その原因としてヒアルロニダーゼや血小板凝集によるものが知られている。
前記ヒアルロニダーゼは、ヒアルロン酸を加水分解する酵素であるが、ヒアルロン酸は間充組織に見られるムコ多糖であって微生物や毒物の侵入及び伝播の防止に役立っているものであるから、ヒアルロニダーゼの作用が活発化するとヒアルロン酸による防御作用が減退することによる障害が起こりやすくなる。また、ヒアルロニダーゼはI型アレルギー反応にも関係し、肥満細胞(マストセル)からの脱顆粒反応を支配する酵素であると考えられている。従って、ヒアルロン酸の加水分解酵素であるヒアルロニダーゼの活性を阻害することにより、ヒアルロン酸の安定化を図り、肥満細胞からの種々ケミカルメディエーターの放出を防ぐことによって、保湿の強化又は抗炎症作用が期待できる。
そこで、このようなヒアルロニダーゼ阻害活性作用を有する物質を天然物から抽出することが試みられており、例えば、オスベッキア属植物の抽出物(特許文献1参照)、藤茶抽出物(特許文献2参照)、ローズマリー、タイム及びメリッサ抽出物(特許文献3参照)などが報告されている。
そこで、このようなヒアルロニダーゼ阻害活性作用を有する物質を天然物から抽出することが試みられており、例えば、オスベッキア属植物の抽出物(特許文献1参照)、藤茶抽出物(特許文献2参照)、ローズマリー、タイム及びメリッサ抽出物(特許文献3参照)などが報告されている。
一方、血小板凝集は、ラキドン酸カスケードのホスホリパーゼA2の活性化を招き、それによりロイコトリエンBやプロスタグランジンE2等が放出されて起炎物質となる。そこで、血小板の凝集を阻害・抑制する物質を天然物から抽出して、アレルギー疾患性疾患や炎症性疾患を予防・治療することが試みられている。例えば、カナリウム属植物の抽出物(特許文献4参照)、コウサンフウ抽出物(特許文献5参照)、藤茶抽出物(特許文献6参照)などが報告されている。
しかしながら、安全性、及び生産性に優れ、かつ安価でありながら、高いヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用を有する天然系の抗炎症剤に対する需要者の要望は極めて強く、未だ十分満足し得るものが提供されていないのが現状である。
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れたヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用を有し、各種炎症性疾患を予防・改善し得る高い安全性を有する抗炎症剤、及び該抗炎症剤を配合した皮膚疾患や肌荒れといった頭皮及び皮膚のトラブルの改善・予防効果に優れた化粧料及び飲食物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、ムシゴケ科地衣類の雪茶の抽出物が、優れたヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用を兼ね備え、皮膚疾患や肌荒れといった各種炎症性疾患を予防・改善し得る抗炎症剤として有用であるという知見である。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ムシゴケ科地衣類の雪茶(Thamnolia vermicularis Ach.)の抽出物を含むことを特徴とする抗炎症剤である。
<2> ムシゴケ科地衣類の雪茶(Thamnolia vermicularis Ach.)の抽出物が、ヒアルロニダーゼ阻害物質及び血小板凝集抑制物質から選択される少なくともいずれかを含む前記<1>に記載の抗炎症剤である。
<3> ムシゴケ科地衣類の雪茶(Thamnolia vermicularis Ach.)の全草を、水、親水性有機溶媒及びこれらの混合溶媒から選択されるいずれかで抽出して得られる前記<1>から<2>のいずれかに記載の抗炎症剤である。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の抗炎症剤を配合したことを特徴とする化粧料である。
<5> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の抗炎症剤を配合したことを特徴とする飲食物である。
<1> ムシゴケ科地衣類の雪茶(Thamnolia vermicularis Ach.)の抽出物を含むことを特徴とする抗炎症剤である。
<2> ムシゴケ科地衣類の雪茶(Thamnolia vermicularis Ach.)の抽出物が、ヒアルロニダーゼ阻害物質及び血小板凝集抑制物質から選択される少なくともいずれかを含む前記<1>に記載の抗炎症剤である。
<3> ムシゴケ科地衣類の雪茶(Thamnolia vermicularis Ach.)の全草を、水、親水性有機溶媒及びこれらの混合溶媒から選択されるいずれかで抽出して得られる前記<1>から<2>のいずれかに記載の抗炎症剤である。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の抗炎症剤を配合したことを特徴とする化粧料である。
<5> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の抗炎症剤を配合したことを特徴とする飲食物である。
本発明によると、従来における諸問題を解決し、ムシゴケ科地衣類の雪茶の抽出物が有する高いヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用を通して、これらの関与する接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡、その他肌荒れに伴う各種炎症性疾患を効果的に予防・改善することができ、皮膚疾患や肌荒れ防止効果を有する化粧料及び飲食物を提供できる。
(抗炎症剤)
本発明の抗炎症剤は、ムシゴケ科地衣類の雪茶(Thamnolia vermicularis Ach.)の抽出物を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
ここで、前記ムシゴケ科地衣類の雪茶抽出物が、高いヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用を有し、皮膚疾患や肌荒れなどの各種炎症性疾患を予防・改善し得る抗炎症剤として有用であることについては全く知られておらず、これらのことは本発明者らの鋭意研究に基づく新知見である。
本発明の抗炎症剤は、ムシゴケ科地衣類の雪茶(Thamnolia vermicularis Ach.)の抽出物を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
ここで、前記ムシゴケ科地衣類の雪茶抽出物が、高いヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用を有し、皮膚疾患や肌荒れなどの各種炎症性疾患を予防・改善し得る抗炎症剤として有用であることについては全く知られておらず、これらのことは本発明者らの鋭意研究に基づく新知見である。
前記ムシゴケ科地衣類の雪茶の抽出物は、ヒアルロニダーゼ阻害物質及び血小板凝集抑制物質の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
前記雪茶(Thamnolia vermicularis Ach.)は、ある種の菌類と藻類とから成り立っている共生体であるムシゴケ科地衣類に属し、別名:ムシゴケと呼ばれ、南北両半球の極地帯から高山帯に広く分布しており、容易に入手できる。なお、本発明で使用するムシゴケ科地衣類の雪茶は組織培養により人工的に生産されたものであっても構わない。
前記雪茶(Thamnolia vermicularis Ach.)は、ある種の菌類と藻類とから成り立っている共生体であるムシゴケ科地衣類に属し、別名:ムシゴケと呼ばれ、南北両半球の極地帯から高山帯に広く分布しており、容易に入手できる。なお、本発明で使用するムシゴケ科地衣類の雪茶は組織培養により人工的に生産されたものであっても構わない。
前記ムシゴケ科地衣類の雪茶に含まれていて、ヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用を示すものがいかなる物質であるのかは未だ確認されていないが、前記ムシゴケ科地衣類の雪茶を、水、親水性有機溶媒、及びこれらの混合溶媒のいずれかに投入し、室温乃至溶媒の沸点以下の温度で任意の装置を用いて抽出することにより容易に抽出することができる。
前記抽出原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ムシゴケ科地衣類の雪茶の全草が好ましい。前記抽出原料としてのムシゴケ科地衣類の雪茶の全草は、予め乾燥粉砕又は粗砕して用いることが望ましく、また、ヘキサン等の非極性溶媒で脱脂した後のものを用いても良い。
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
前記水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、滅菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が挙げられる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
前記水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、滅菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が挙げられる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
前記親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。
なお、水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、前記親水性有機溶媒として低級アルコールを用いる場合には、前記水と前記低級アルコールとの質量比が10:1〜10:90になるように混合することが好ましい。前記親水性有機溶媒として低級脂肪族ケトンを用いる場合には、前記水と前記低級脂肪族ケトンとの質量比が10:1〜10:40になるように混合することが好ましい。前記親水性有機溶媒として多価アルコールを用いる場合には、前記水と前記多価アルコールの質量比が10:1〜10:90が好ましい。
なお、水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、前記親水性有機溶媒として低級アルコールを用いる場合には、前記水と前記低級アルコールとの質量比が10:1〜10:90になるように混合することが好ましい。前記親水性有機溶媒として低級脂肪族ケトンを用いる場合には、前記水と前記低級脂肪族ケトンとの質量比が10:1〜10:40になるように混合することが好ましい。前記親水性有機溶媒として多価アルコールを用いる場合には、前記水と前記多価アルコールの質量比が10:1〜10:90が好ましい。
前記ムシゴケ科地衣類の雪茶の抽出方法としては、例えば、抽出溶媒を満たした処理槽に、雪茶の葉部の乾燥・粉砕物を投入し、必要に応じて適宜攪拌しながら、30分〜4時間静置して可溶性成分を溶出した後、濾過又は遠心分離して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去するとペースト状の濃縮物を得、更にこの濃縮物を乾燥することにより固形の抽出物が得られる。
但し、前記雪茶の抽出物は固形の抽出物にしたものである必要はなく、上記抽出液又はその濃縮液の状態であっても構わない。これらは、本発明の目的及び作用効果を妨げない場合、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配などの方法により精製してから用いてもよい。
但し、前記雪茶の抽出物は固形の抽出物にしたものである必要はなく、上記抽出液又はその濃縮液の状態であっても構わない。これらは、本発明の目的及び作用効果を妨げない場合、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配などの方法により精製してから用いてもよい。
なお、前記抽出溶媒量は、前記抽出原料としてのムシゴケ科地衣類の雪茶に対して通常5〜15倍量(質量比)であることが好ましい。前記抽出条件としては、抽出溶媒として水を用いる場合には、通常50〜95℃で1〜4時間程度であることが好ましく、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いる場合には、通常40〜80℃で30分〜4時間程度であることが好ましい。
得られるムシゴケ科地衣類の雪茶の抽出物又はこれを適宜精製したものは、そのままでも本発明の抗炎症剤として用いることもできるが、濃縮・乾燥した剤型にすることもできる。乾燥物を得るに当たって、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリン等のキャリアーを加えても良い。
上述のようにして得られるムシゴケ科地衣類の雪茶の抽出液又は抽出物は、好ましくない臭いもなく、抽出物特有の色調も有してないため、そのまま抗炎症剤として利用可能であるが、必要に応じて、活性の向上や脱色・脱臭を目的とする精製を施したり、任意の助剤と混合して製剤化しても良い。
本発明の抗炎症剤は、消化管で消化されるようなものではないことが確認されているので、任意の飲食品や栄養補助食品に配合するのに好適である。
また、本発明の抗炎症剤は、高いヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用剤有すると共に、高い安全性を有し、以下の本発明の化粧料又は飲食物に好適に使用することができる。
また、本発明の抗炎症剤は、高いヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用剤有すると共に、高い安全性を有し、以下の本発明の化粧料又は飲食物に好適に使用することができる。
(化粧料)
本発明の化粧料は、本発明の前記抗炎症剤を配合してなり、更に必要に応じてその他の成分を配合してなる。
本発明の化粧料は、本発明の前記抗炎症剤を配合してなり、更に必要に応じてその他の成分を配合してなる。
前記化粧料としては、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、リップ、入浴剤、ヘアートニック、ヘアーローション、石鹸、ボディシャンプー等が挙げられる。本発明の抗炎症剤を前記化粧料に配合して、皮膚、頭皮等に吸収させることにより、ヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用を高めるのに役立たせることができる。
前記化粧料に対する本発明の抗炎症剤の好適配合率としては、未精製の標準的なムシゴケ科地衣類の雪茶抽出物からなるものの場合、乾燥物に換算して約0.0001〜10質量%である。
前記化粧料は、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、その化粧料の製造に通常使用される各種主剤及び助剤、その他成分を使用することができる。
前記その他の成分としては、ヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用の妨げにならない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した成分が挙げられ、例えば、美白剤、収斂剤、殺菌・抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料、などが挙げられる。これらの成分は、前記ムシゴケ科地衣類の雪茶抽出物と共に併用した場合、相乗的に作用して、通常期待される以上の優れた使用効果をもたらすことがある。
前記美白剤としては、例えば、アスコルビン酸又はその誘導体、イオウ、胎盤加水分解物、エラグ酸又はその誘導体、コウジ酸又はその誘導体、グルコサミン又はその誘導体、アルブチン又はその誘導体、ヒドロキシケイヒ酸又はその誘導体、グルタチオン、アルニカエキス、オウゴンエキス、ソウハクヒエキス、サイコエキス、ボウフウエキス、マンネンタケ菌糸体培養物又はその抽出物、シナノキエキス、モモ葉エキス、エイジツエキス、クジンエキス、ジユエキス、トウキエキス、ヨクイニンエキス、カキ葉エキス、ダイオウエキス、ボタンピエキス、ハマメリスエキス、マロニエエキス、オトギリソウエキス、油溶性カンゾウエキス(カンゾウ疎水性フラボン、グラブリジン、グラブレン、リコカルコンA)、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、美白効果を向上させる観点から、アスコルビン酸又はその誘導体、プラセンタエキス、カミツレエキス、アルブチン、エラグ酸、ルシノール及びコウジ酸から選ばれる少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
前記収斂剤としては、例えば、クエン酸又はその塩類、酒石酸又はその塩類、乳酸又はその塩類、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム・カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ジユエキス、エイジツエキス、ハマメリスエキス、ゲンノショウコエキス、チャカテキン類、オドリコソウエキス、オトギリソウエキス、ダイオウエキス、ヤグルマソウエキス、キズタエキス、キューカンバーエキス、マロニエエキス、サルビアエキス、メリッサエキス、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記殺菌・抗菌剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ジステアリルメチルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、感光素101号、感光素201号、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ソルビン酸、ハロカルバン、レゾルシン、パラクロロフェノール、フェノキシエタノール、ビサボロール、ヒノキチオール、メントール、キトサン、キトサン分解物、ジユエキス、クジンエキス、エンメイソウエキス、ビワエキス、ユッカエキス、アロエエキス、ケイヒエキス、ガジュツエキス、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、β−イソプロピルフラノン誘導体、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、オキシベンゾン、オキシベンゾンスルホン酸、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、シノキサート、ジイソプロピルケイヒ酸メチル、メトキシケイヒ酸オクチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチル安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、酸化チタン、β−カロチン、γ−オリザノール、コメヌカエキス、アロエエキス、カバノキエキス、シラカンバエキス、カミツレエキス、ヘンナエキス、チョウチグルミエキス、イチョウ葉エキス、カミツレエキス、セイヨウサンザシエキス、油溶性カンゾウエキス、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記保湿剤としては、例えば、セリン、グリシン、スレオニン、アラニン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、ヒドロネクチン、フィブロネクチン、ケラチン、エラスチン、ローヤルゼリー、コンドロイチン硫酸ヘパリン、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質、リノール酸又はそのエステル類、エイコサペンタエン酸又はそのエステル類、ペクチン、ビフィズス菌発酵物、乳酸発酵物、酵母抽出物、レイシ菌糸体培養物又はその抽出物、小麦胚芽油、アボガド油、米胚芽油、ホホバ油、ダイズリン脂質、γ-オリザノール、ビロウドアオイエキス、ヨクイニンエキス、ジオウエキス、タイソウエキス、カイソウエキス、キダチアロエエキス、ゴボウエキス、マンネンロウエキス、アルニカエキス、小麦フスマ、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記細胞賦活剤としては、例えば、リボフラビン又はその誘導体、ピリドキシン又はその誘導体、ニコチン酸又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体、α−トコフェロール又はその誘導体、アルニカエキス、ニンジンエキス、ナタネニンジンエキス、ヘチマエキス(サポニン)、シコンエキス、オウバクエキス、ボタンピエキス、シャクヤクエキス、ムクロジエキス、ベニバナエキス、アシタバエキス、ビワ葉エキス、ヒキオコシエキス、ユキノシタエキス、黄杞エキス、サルビアエキス、ニンニクエキス、マンネンロウエキス、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記消炎・抗アレルギー剤としては、例えば、アズレン、アラントイン、アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、イプシロンアミノカプロン酸、オキシベンゾン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、感光素301号、感光素401号、塩酸ジフェンヒドラミン、トラネキサム酸又はその誘導体、アデノシンリン酸、エストラジオール、エスロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プロゲステロン、コルチコステロン、アルニカエキス、インチンコウエキス、サンシシエキス、ジュウヤクエキス、カンゾウエキス、トウキエキス、ヨモギエキス、ワレモコウエキス、リンドウエキス、サイコエキス、センキュウエキス、セイヨウノコギリソウエキス、オウレンエキス、シソエキス、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記抗酸化・活性酸素消去剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没子食酸プロピル、バイカリン、バイカレイン、スーパーオキサイドディスムターゼ、カタラーゼ、ローズマリーエキス、メリッサエキス、オウゴンエキス、エイジツエキス、ビワ葉エキス、ホップエキス、ハマメリスエキス、シャクヤクエキス、セージエキス、キナエキス、カミツレエキス、ユーカリエキス、シソエキス、イチョウ葉エキス、タイムエキス、カルダモンエキス、キャラウェイエキス、ナツメグエキス、メースエキス、ローレルエキス、クローブエキス、ターメリックエキス、ヤナギタデエキス、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記油脂類としては、例えば、大豆油、アマニ油、ゴマ油、ヌカ油、綿実油、ナタネ油、サフラワー油、トウモロコシ油、オリーブ油、ツバキ油、アーモンド油、ヒマシ油、落花生油、カカオ油、パーム核油、牛脂、ミンク油、ホホバ油、月見草油、馬油、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ロウ類としては、例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、蜜ロウ、サラシ蜜ロウ、鯨ロウ、セラックス、ラノリン類、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記炭化水素類としては、例えば、流動パラフィン、ワセリン、マイクロスリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、ポリエチレン末、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記脂肪酸類としては、例えば、ステアリン酸、リノール酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヘベニン酸、ラノリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルコール類としては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、オレイルアルコール、ヘキサデシルアルコール、2−オクチルドデカノール、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール又はその重合体、ブドウ糖、白糖、コレステロール、フィトステロール、セトステアリルアルコール、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エステル類としては、例えば、オレイン酸デシル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジオレイン酸プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸グリセリン、トリミリスチン酸グリセリン、乳酸セチル、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを使用することができるが、これらの中でも皮膚疾患の発生のない、又は軽微な化粧品原料基準に収載された界面活性剤が好ましく、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン、サポニン、オリゴ配糖体、リン脂質系バイオサーファクタント、アシルペプチド系バイオサーファクタント、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリリン酸ナトリウム、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記香料としては、例えば、メントール、カルボン、オイゲノール、アネトール、ハッカ油、スペアミント油、ペパーミント油、ユーカリ油、アニス油、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の化粧料は、特に皮膚や頭皮に使用した場合に高い安全性を有し、優れたヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用を有しており、皮膚や頭皮の炎症の予防・防止、肌荒れ防止、などに有効なものである。
(飲食物)
本発明の飲食物は、本発明の前記抗炎症剤を配合してなり、更に必要に応じてその他の成分を配合してなる。
本発明の飲食物は、本発明の前記抗炎症剤を配合してなり、更に必要に応じてその他の成分を配合してなる。
前記飲食物とは、人の健康に危害を加える恐れが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品、などの区分に制限されるものではなく、例えば、経口的に摂取される一般食品、健康食品、保健機能食品、医薬部外品、医薬品などを幅広く含むものを意味する。
前記飲食物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;種々の形態の健康・栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ等の医薬品、医薬部外品などが挙げられる。なお、前記飲食物は上記例示に限定されるものではない。
本発明の飲食物は、日常的に経口摂取することが可能であり、本発明の抗炎症剤の優れたヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用によって、皮膚疾患、肌荒れなどを予防することができる。
本発明の抗炎症剤の前記飲食物に対する添加量としては、添加する飲食物に応じて異なり一概には規定できないが、通常0.01〜50質量%である。添加対象飲食物の一般的摂取量を考慮して、成人一日当たりムシゴケ科地衣類の雪茶抽出物の摂取量が約1〜1,000mg程度になるように調製することが好ましい。
前記その他の成分としては、前記飲食物を製造するに当り通常用いられる補助的原料又は添加物、などが挙げられる。
前記原料又は添加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤、などが挙げられる。
前記原料又は添加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤、などが挙げられる。
本発明の飲食物は、日常的に経口摂取することが可能であり、有効成分であるムシゴケ科地衣類の雪茶抽出物の働きによって、ヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用を極めて効果的に達成することができる。
なお、本発明の抗炎症剤、化粧料、及び飲食物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
(製造例1)
−雪茶水抽出物の製造−
ムシゴケ科地衣類の雪茶の全草の乾燥物を細切りしたもの300gを水3リットルに加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下で濃縮し、乾燥して雪茶水抽出物を得た。抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
−雪茶水抽出物の製造−
ムシゴケ科地衣類の雪茶の全草の乾燥物を細切りしたもの300gを水3リットルに加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下で濃縮し、乾燥して雪茶水抽出物を得た。抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
(製造例2)
−雪茶50質量%エタノール抽出物の製造−
ムシゴケ科地衣類の雪茶の全草の乾燥物を細切りしたもの300gを50質量%エタノール3リットルに加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下で濃縮し、乾燥して雪茶50質量%エタノール抽出物を得た。抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
−雪茶50質量%エタノール抽出物の製造−
ムシゴケ科地衣類の雪茶の全草の乾燥物を細切りしたもの300gを50質量%エタノール3リットルに加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下で濃縮し、乾燥して雪茶50質量%エタノール抽出物を得た。抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
(製造例3)
−雪茶80質量%エタノール抽出物の製造−
ムシゴケ科地衣類の雪茶の全草の乾燥物を細切りしたもの300gを80質量%エタノール3リットルに加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下で濃縮し、乾燥して雪茶80質量%エタノール抽出物を得た。抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
−雪茶80質量%エタノール抽出物の製造−
ムシゴケ科地衣類の雪茶の全草の乾燥物を細切りしたもの300gを80質量%エタノール3リットルに加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下で濃縮し、乾燥して雪茶80質量%エタノール抽出物を得た。抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
(実施例1)
−ヒアルロニダーゼ阻害試験−
製造例1から3で得られた雪茶抽出物について、以下のようにしてヒアルロニダーゼ阻害作用を試験した。
ヒアルロニダーゼ溶液(400ユニット/mL,pH3.5酢酸緩衝液)0.1mLと、製造例1〜3の各試料溶液0.2mLを混合し、37℃に20分間加温した後、活性化剤溶液(2.5mmol/L CaCl2)0.2mLを加え、37℃にて20分間加温して酵素を活性化した。ヒアルロン酸カリウム緩衝液0.5mLを加え、37℃にて40分間反応させた後、0.4N 水酸化ナトリウム0.2mLを加えると共に氷冷して反応を停止させた。
次いで、0.8mol/L ホウ酸溶液(pH9.1)0.2mLを加え、沸騰湯浴中で3分間加熱後、直ちに20分間氷冷した。p−DABA試薬(p−ジメチルアミノベンズアルデヒド10gを10N 塩酸12.5mLと酢酸87.5mLの混合液に溶解し、酢酸で10倍に希釈したもの)6.0mLを加えて37℃にて20分間インキュベーションした。上記酵素反応で遊離したN−アセチルグルコサミンを発色させて、波長585nmの吸光度を測定した。同様の操作と吸光度測定を酵素を添加せずに行った。更に、コントロールとして、試料溶液の代わりに蒸留水を加えた場合について、同様の操作と吸光度測定を行った。
以上の測定結果から、下記の計算式によりヒアルロニダーゼ活性阻害率(%)を算出した。
−ヒアルロニダーゼ阻害試験−
製造例1から3で得られた雪茶抽出物について、以下のようにしてヒアルロニダーゼ阻害作用を試験した。
ヒアルロニダーゼ溶液(400ユニット/mL,pH3.5酢酸緩衝液)0.1mLと、製造例1〜3の各試料溶液0.2mLを混合し、37℃に20分間加温した後、活性化剤溶液(2.5mmol/L CaCl2)0.2mLを加え、37℃にて20分間加温して酵素を活性化した。ヒアルロン酸カリウム緩衝液0.5mLを加え、37℃にて40分間反応させた後、0.4N 水酸化ナトリウム0.2mLを加えると共に氷冷して反応を停止させた。
次いで、0.8mol/L ホウ酸溶液(pH9.1)0.2mLを加え、沸騰湯浴中で3分間加熱後、直ちに20分間氷冷した。p−DABA試薬(p−ジメチルアミノベンズアルデヒド10gを10N 塩酸12.5mLと酢酸87.5mLの混合液に溶解し、酢酸で10倍に希釈したもの)6.0mLを加えて37℃にて20分間インキュベーションした。上記酵素反応で遊離したN−アセチルグルコサミンを発色させて、波長585nmの吸光度を測定した。同様の操作と吸光度測定を酵素を添加せずに行った。更に、コントロールとして、試料溶液の代わりに蒸留水を加えた場合について、同様の操作と吸光度測定を行った。
以上の測定結果から、下記の計算式によりヒアルロニダーゼ活性阻害率(%)を算出した。
<数式1>
ヒアルロニダーゼ活性阻害率(%)=
〔1−(A−B)/(C−D)〕×100
但し、数式中、Aは、試料溶液添加,酵素添加時の吸光度を意味する。Bは、試料溶液添加,酵素無添加時の吸光度を意味する。Cは、試料無添加,酵素添加時(コントロール)の吸光度を意味する。Dは、試料無添加,酵素無添加時(コントロール)の吸光度を意味する。
ヒアルロニダーゼ活性阻害率(%)=
〔1−(A−B)/(C−D)〕×100
但し、数式中、Aは、試料溶液添加,酵素添加時の吸光度を意味する。Bは、試料溶液添加,酵素無添加時の吸光度を意味する。Cは、試料無添加,酵素添加時(コントロール)の吸光度を意味する。Dは、試料無添加,酵素無添加時(コントロール)の吸光度を意味する。
そして、試料溶液の濃度を段階的に変更して前記ヒアルロニダーゼ活性阻害率を測定し、阻害率が50%になる試料濃度IC50を内挿法により求めた(このIC50値が小さいほどヒアルロニダーゼ阻害作用が強い)。結果を表2に示す。
(実施例2)
−血小板凝集抑制試験−
製造例1〜3で得られた雪茶抽出物について、以下のようにして血小板凝集抑制作用を試験した。
日本種白色家兎の血液に77mM EDTAを血液量の1/10容量添加し、1000rpmで10分間遠心分離して沈殿物を除いた。上清を2100rpmで10分間遠心分離し、沈殿した血小板を採取した。得られた血小板を血小板洗浄液に浮遊させ、2100rpmで10分間遠心分離した。沈殿した血小板を採取し、血小板数が30万個/μLになるように血小板浮遊液に浮遊させた。
次に、調製した洗浄血小板浮遊液223μLに塩化カルシウム溶液1μLを加え、37℃にて1分間保持した。そこに製造例1〜3の各試料溶液1μLを加えて更に2分間同温度に保持した後、1分間撹拌した。
次いで、凝集惹起剤として10ppmコラーゲン溶液25μLを添加し、37℃にて10分間インキュベーションした後、血小板凝集測定装置 PAM12CL(メバニクス株式会社製)を用いて血小板凝集率Aを測定した。別に、試料溶液の代わりに試料溶液の溶媒を添加しない以外は、上記と同様に操作して血小板凝集率Bを測定し、これらの結果から、次式により血小板凝集抑制率(%)を求めた。
−血小板凝集抑制試験−
製造例1〜3で得られた雪茶抽出物について、以下のようにして血小板凝集抑制作用を試験した。
日本種白色家兎の血液に77mM EDTAを血液量の1/10容量添加し、1000rpmで10分間遠心分離して沈殿物を除いた。上清を2100rpmで10分間遠心分離し、沈殿した血小板を採取した。得られた血小板を血小板洗浄液に浮遊させ、2100rpmで10分間遠心分離した。沈殿した血小板を採取し、血小板数が30万個/μLになるように血小板浮遊液に浮遊させた。
次に、調製した洗浄血小板浮遊液223μLに塩化カルシウム溶液1μLを加え、37℃にて1分間保持した。そこに製造例1〜3の各試料溶液1μLを加えて更に2分間同温度に保持した後、1分間撹拌した。
次いで、凝集惹起剤として10ppmコラーゲン溶液25μLを添加し、37℃にて10分間インキュベーションした後、血小板凝集測定装置 PAM12CL(メバニクス株式会社製)を用いて血小板凝集率Aを測定した。別に、試料溶液の代わりに試料溶液の溶媒を添加しない以外は、上記と同様に操作して血小板凝集率Bを測定し、これらの結果から、次式により血小板凝集抑制率(%)を求めた。
<数式2>
血小板凝集抑制率(%)=〔(B−A)/B〕×100
ただし、前記数式中、Aは、凝集惹起剤添加、試料溶液添加時の血小板凝集率を意味する。Bは、凝集惹起剤添加、試料溶液無添加時の血小板凝集率を意味する。
血小板凝集抑制率(%)=〔(B−A)/B〕×100
ただし、前記数式中、Aは、凝集惹起剤添加、試料溶液添加時の血小板凝集率を意味する。Bは、凝集惹起剤添加、試料溶液無添加時の血小板凝集率を意味する。
そして、試料溶液の濃度を段階的に変更して上記血小板凝集抑制率を測定し、抑制率が50%になる濃度IC50を内挿法により求めた(このIC50値が小さいほど血小板凝集抑制作用が強い)。結果を表3に示す。
次に、製造例1〜3で得られた雪茶抽出物を用いて、以下の化粧料及び飲食物を製造したところ、いずれの場合においても、良好な製剤を得ることができた。
(実施例3)
−乳液−
下記組成の抗炎症作用を有する乳液を常法により製造した。
ホホバオイル 4.0g
プラセンタエキス 0.1g
オリーブオイル 2.0g
スクワラン 2.0g
セタノール 2.0g
モノステアリン酸グリセリル 2.0g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O) 2.5g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 2.0g
1,3−ブチレングリコール 3.0g
ヒノキチオール 0.15g
香料 0.05g
雪茶水抽出物(製造例1) 0.01g
精製水 残部
計 100g
−乳液−
下記組成の抗炎症作用を有する乳液を常法により製造した。
ホホバオイル 4.0g
プラセンタエキス 0.1g
オリーブオイル 2.0g
スクワラン 2.0g
セタノール 2.0g
モノステアリン酸グリセリル 2.0g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O) 2.5g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 2.0g
1,3−ブチレングリコール 3.0g
ヒノキチオール 0.15g
香料 0.05g
雪茶水抽出物(製造例1) 0.01g
精製水 残部
計 100g
(実施例4)
−クリーム−
下記組成の抗炎症作用を有するクリームを常法により製造した。
流動パラフィン 5.0g
サラシミツロウ 4.0g
セタノール 3.0g
スクワラン 10.0g
ラノリン 2.0g
ステアリン酸 1.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3.0g
1,3−ブチレングリコール 6.0g
パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
香料 0.1g
雪茶抽出物(製造例3) 0.1g
精製水 残部
計 100g
−クリーム−
下記組成の抗炎症作用を有するクリームを常法により製造した。
流動パラフィン 5.0g
サラシミツロウ 4.0g
セタノール 3.0g
スクワラン 10.0g
ラノリン 2.0g
ステアリン酸 1.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3.0g
1,3−ブチレングリコール 6.0g
パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
香料 0.1g
雪茶抽出物(製造例3) 0.1g
精製水 残部
計 100g
(実施例5)
−パック−
下記組成の抗炎症作用を有するパックを常法により製造した。
ポリビニルアルコール 15g
ポリエチレングリコール 3g
プロピレングリコール 7g
エタノール 10g
パラオキシ安息香酸エチル 0.05g
香料 0.05g
雪茶抽出物(製造例1) 0.05g
精製水 残部
計 100g
−パック−
下記組成の抗炎症作用を有するパックを常法により製造した。
ポリビニルアルコール 15g
ポリエチレングリコール 3g
プロピレングリコール 7g
エタノール 10g
パラオキシ安息香酸エチル 0.05g
香料 0.05g
雪茶抽出物(製造例1) 0.05g
精製水 残部
計 100g
(実施例6)
−カプセル剤−
表4に示す組成の抗炎症作用を有するカプセル剤を常法により製造した。なお、カプセルには、1号ハードゼラチンカプセルを使用した。
−カプセル剤−
表4に示す組成の抗炎症作用を有するカプセル剤を常法により製造した。なお、カプセルには、1号ハードゼラチンカプセルを使用した。
(実施例6)
−カプセル剤−
表4に示す組成の抗炎症作用を有するカプセル剤を常法により製造した。なお、カプセルには、1号ハードゼラチンカプセルを使用した。
−カプセル剤−
表4に示す組成の抗炎症作用を有するカプセル剤を常法により製造した。なお、カプセルには、1号ハードゼラチンカプセルを使用した。
(実施例7)
−顆粒状製剤−
表5に示す組成の抗炎症作用を有する顆粒状製剤を常法により製造した。
−顆粒状製剤−
表5に示す組成の抗炎症作用を有する顆粒状製剤を常法により製造した。
(実施例8)
−経口液状製剤−
表6に示す組成の抗炎症作用を有する経口液状製剤を常法により製造した。
−経口液状製剤−
表6に示す組成の抗炎症作用を有する経口液状製剤を常法により製造した。
本発明の抗炎症剤によれば、ムシゴケ科地衣類の雪茶の抽出物が有する高いヒアルロニダーゼ阻害作用及び血小板凝集抑制作用を通して、これらの関与する接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡、その他肌荒れに伴う各種皮膚疾患を効果的に予防・改善できる。また、本発明の化粧料は、皮膚や頭皮に適用した場合の使用感と安全性に優れているので皮膚疾患や肌荒れ防止効果を有する皮膚化粧料又は頭皮化粧料として好適に用いられる。また、本発明の飲食物は、日常的な経口投与によって皮膚疾患や肌荒れを防止及び/又は改善することができる。
Claims (5)
- ムシゴケ科地衣類の雪茶(Thamnolia vermicularis Ach.)の抽出物を含むことを特徴とする抗炎症剤。
- ムシゴケ科地衣類の雪茶(Thamnolia vermicularis Ach.)の抽出物が、ヒアルロニダーゼ阻害物質及び血小板凝集抑制物質から選択される少なくともいずれかを含む請求項1に記載の抗炎症剤。
- ムシゴケ科地衣類の雪茶(Thamnolia vermicularis Ach.)の全草を、水、親水性有機溶媒及びこれらの混合溶媒から選択されるいずれかで抽出して得られる請求項1から2のいずれかに記載の抗炎症剤。
- 請求項1から3のいずれかに記載の抗炎症剤を配合したことを特徴とする化粧料。
- 請求項1から3のいずれかに記載の抗炎症剤を配合したことを特徴とする飲食物。
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JP2006182731A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Ichimaru Pharcos Co Ltd | 化粧料組成物又は飲食品 |
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-
2003
- 2003-09-09 JP JP2003316206A patent/JP2005082531A/ja active Pending
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