JP2005071673A - 電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルム製の容器を用いた電池について、信頼性の高い電池を提供すること。
【解決手段】発電要素である単位電極体1a及び1bと、単位電極体1a及び1bが含有する電解質を密閉封止する封止空間をそれぞれの単位電極体1a及び1b毎に区画する封止フィルム5とを有することを特徴とする。単位電極体1a及び1bを収納する封止空間を封止フィルム5にて区画することで封止空間を連続して接続することで、封止フィルム5の貼り合わせ部分の露出を最低限に抑えることができ、水分などの透過を抑制できる。つまり、単位電極体1a及び1bをまとめて封止フィルム5により封止することで、1つの単位電極体毎に1の封止フィルムにて別個に密閉封止する従来の電池に比べて、各単位電極体に隣接する部分で封止フィルムの接合面が直接外気に触れることがなく水分の透過を抑制できる。
【選択図】 図1
【解決手段】発電要素である単位電極体1a及び1bと、単位電極体1a及び1bが含有する電解質を密閉封止する封止空間をそれぞれの単位電極体1a及び1b毎に区画する封止フィルム5とを有することを特徴とする。単位電極体1a及び1bを収納する封止空間を封止フィルム5にて区画することで封止空間を連続して接続することで、封止フィルム5の貼り合わせ部分の露出を最低限に抑えることができ、水分などの透過を抑制できる。つまり、単位電極体1a及び1bをまとめて封止フィルム5により封止することで、1つの単位電極体毎に1の封止フィルムにて別個に密閉封止する従来の電池に比べて、各単位電極体に隣接する部分で封止フィルムの接合面が直接外気に触れることがなく水分の透過を抑制できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電池に関し、特に非水電解質電池に関する。
電池の発電要素である電極体を密閉封止する容器としては、金属製のもの、フィルム製のものなどが知られている。フィルム製の容器をもつ電池としては、特許文献1及び2が例示できる。フィルム製の容器を採用することで軽量化、低コスト化などを達成できる。フィルムとしては熱溶着可能なもの、例えば適正な種類のフィルムを貼り合わせたラミネートフィルムが採用できる。
特開2000−138040号公報
特開2002−313348号公報
しかし、フィルム製の容器は樹脂の熱融着により封止するので、金属製の容器と比較して水分などが透過しやすく、信頼性が充分でないという問題がある。
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、信頼性の高い電池を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する目的で本発明者らが鋭意研究を行った結果、以下の発明に想到した。すなわち、本発明の電池は、発電要素である単位電極体を複数個と、
該単位電極体が含有する電解質を密閉封止する封止空間をそれぞれの該単位電極体毎に区画する封止フィルムとを有することを特徴とする(請求項1)。
該単位電極体が含有する電解質を密閉封止する封止空間をそれぞれの該単位電極体毎に区画する封止フィルムとを有することを特徴とする(請求項1)。
封止フィルムとしては前述したようにラミネートフィルムなどを採用することが多い。ラミネートフィルムは厚み方向に複数種類のフィルムを貼り合わせることで目的の性能を発揮している。例えば、ラミネートフィルム中にアルミ箔などのバリア性の高いフィルム(バリア層)を貼り合わせることで、水分透過性を抑えている。そして、ラミネートフィルムの単位電極体側の最内層部分にはフィルム間の接合(例えば、熱溶着)に対して好ましい素材からなるフィルムをもつ。さらに、最内層部分は単位電極体に直接接する面でもあるので化学的及び物理的に安定な素材としている。たとえば、ポリプロピレンなどである。
従来のフィルム製容器を用いた電池において、問題となる水分などの透過はバリア層を介して進行するものではなく、最内層部分の間の貼り合わせ部分を介して進行することが多い。従って、複数の単位電極体を収納する封止空間を封止フィルムにて区画することで封止空間を連続して接続することで、封止フィルムの貼り合わせ部分の露出を最低限に抑えることができ、水分などの透過を抑制できる。
つまり、複数の単位電極体をまとめて封止フィルムにより封止することで、1つの単位電極体毎に1の封止フィルムにて別個に密閉封止する従来の電池に比べて、各単位電極体に隣接する部分で封止フィルムの接合面が直接外気に触れることがなく水分の透過を抑制できる。なお、本明細書において「単位電極体」とは電池の発電要素として作動する最小単位の部材であり、そのまま又は何らかの容器内に配設することで作動可能な部材である。
ところで、従来の封止フィルムを用いた電池は、柔軟なフィルムを用いるので単位電極体と容器を構成するフィルムとの位置決めが金属製容器と比較して難しいという問題がある。本発明の電池は、隣接する単位電極体間の電気的接合を封止フィルムで封止する前に行うことが可能となり、生産性の高い複数加工が可能となるとともに位置決め性も向上するという付随的な効果をもつ。
そして、前記封止フィルムは2つ折りにした1枚の熱融着フィルム又は貼り合わせた2枚の熱融着フィルムから構成することで、封止フィルムの貼り合わせ部分の露出を最小限(例えば周辺部のみ)にできる(請求項2)。
また、前記単位電極体間を所定の組み合わせにて電気的に接続し、且つ前記封止フィルムにて密閉封止されている接続部材を有することが好ましい(請求項3)。従来の電池のように単位電極体毎に封止フィルムにて密閉封止すると、封止フィルム内外を連通するように電極端子を設け、その電極端子間を接続することで単位電極体間の電気的接続を確保していた。それら単位電極体間の電気的接続を行う部材として封止フィルム内に密閉封止された接続部材を採用することで、従来の電池における電極端子が貫通する部分での水分透過が抑制できる。更に、安全面においても、単位電極体間の電気的接続部分の露出部分を減らすことができるという付随的な効果をもつ。
更に、前記封止空間の内外を連通可能とし充放電時に発生するガスを排出できるガス排出部材をもつことが好ましい(請求項4)。更に、前記ガス排出部材は前記封止空間内に電解液を注入する電解液注入口を兼ねることが好ましい(請求項5)。
本発明の電池について更に詳細に説明する。本実施形態の電池は特に限定しないが、非水電解質電池であることが好ましい。非水電池は水分の混入により性能が低下するが本電池は外部からの水分などの侵入が少なくできるからである。
(構成)
本電池は、単位電極体と封止フィルムと必要に応じて選択される部材とを有する。必要に応じて選択される部材としては接続部材、ガス放出部材、そして電解液注入口が例示できる。単位電極体及び接続部材は封止フィルムにより封止されている。
本電池は、単位電極体と封止フィルムと必要に応じて選択される部材とを有する。必要に応じて選択される部材としては接続部材、ガス放出部材、そして電解液注入口が例示できる。単位電極体及び接続部材は封止フィルムにより封止されている。
単位電極体は本電池の発電要素である。本実施形態では単位電極体が2つの場合について説明するが、本発明は単位電極体が3以上の場合にも適用可能である。単位電極体は特に限定しないが、本実施形態では帯状の正極及び負極を、シート状のセパレータを介して積層したものや、積層した正負極などを巻回したものに対して、非水電解質を含浸させたものである。単位電極体の形状は特に限定しないが、エネルギー体積密度向上の観点からは薄型の直方体であることが好ましい。正負極は採用した電池の種類に応じて選択される活物質をそれぞれ含有する。リチウム二次電池では、正極にリチウム−遷移金属複合酸化物を用い、負極に炭素系材料を用いることが一般的である。セパレータはポリオレフィンなどから構成される多孔質膜が採用できる。非水電解質としてはエチレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水溶媒に、6フッ化リチウムなどのリチウム塩からなる電解質を溶解したものが例示できる。セパレータ及び非水電解質に代えて、非水電解質にゲル化剤を溶解させてゲル状にしたゲル電解質を用いることもできる。
接続部材は単位電極体間を電気的に接続する部材である。単位電極体が有する正負極の集電体に直接接続したり、単位電極体の電極に接続したりできる。
封止フィルムは、それぞれの単位電極体について密閉封止する封止空間を区画する。封止フィルムは、単位電極体などを完全に密閉封止する。その結果、封止空間の内外を連通するのは最小限の部材(例えば、本電池及び外部の間で電力をやり取りする電極など)にできる。封止フィルムは2つ折りにした1枚の熱融着フィルム又は貼り合わせた2枚の熱融着フィルムからなることが好ましい。封止空間は封止される単位電極体の大きさにより決定される。封止フィルムは水分の透過が少ないものが好ましい。また、電池内部の雰囲気に対する化学的及び物理的安定性に優れたものが好ましい。そして、熱溶着性に優れたものが好ましい。例えば、一般的なラミネートフィルムが採用できる。
2つの単位電極体の配設は特に限定しないが、封止フィルムによる封止の簡便さから、厚みが少なくなる方向に並べることが好ましい。3以上の単位電極体の配設でも特に限定しない。例えば、1次元方向に連続的に並べたり、2次元方向、更には3次元方向に拡がるように連続的に並べることができる。
ガス放出部材及び電解液注入口は共用することができる。つまり、電解液の注入に用いた部材(電解液注入口)の開口部を適正な手段にて封止することでガス放出部材として用いることができる。例えば、適正なガス圧にてガス放出ができるように、他の部分よりも剥離しやすく電解液注入口の開口部を封止することで、封止空間内のガス圧を非常時などに外部に逃がすことができる。電解液注入口の封止は、封止フィルムなどにより行うことができる。ガス放出部材及び電解液注入口として好ましい形態としては筒状の部材が挙げられる。筒状の部材の筒部分を通してガスや電解液をやり取りする。
(製造方法)
本電池の製造方法は特に限定しないが、以下に具体例を挙げる。まず、電解液を含有しない単位電極体を形成する。1つの電池に用いる単位電極体について、その間を接続部材にて電気的に接続する。封止フィルムは、1枚の熱融着フィルムを折り曲げて、又は2枚の熱融着フィルムにて狭持するが、それぞれの熱融着フィルムについて単位電極体が配設される部分である封止空間を構成する窪みを予めプレスなどにより形成しておく。
本電池の製造方法は特に限定しないが、以下に具体例を挙げる。まず、電解液を含有しない単位電極体を形成する。1つの電池に用いる単位電極体について、その間を接続部材にて電気的に接続する。封止フィルムは、1枚の熱融着フィルムを折り曲げて、又は2枚の熱融着フィルムにて狭持するが、それぞれの熱融着フィルムについて単位電極体が配設される部分である封止空間を構成する窪みを予めプレスなどにより形成しておく。
一方の封止フィルムに形成した窪みに単位電極体を配設する。その後、他方の封止フィルムにて単位電極体を狭持して、超音波溶接などにより熱融着する。熱融着する際に電解液が漏れないように単位電極体の周辺部及び接続部材の表面部分を充分に融着する。単位電極体及び接続部材は封止フィルムにより完全に密閉封止する。
熱融着と同時にガス放出部材を兼ねる電解液注入口も配設する。電解液注入口から電解液を注入した後、電解液注入口の開口部を封止する。開口部を封止した電解液注入口は非常時などのガス放出部材として作用する。
(実施例1)
本実施例は、単位電極体としてリチウム二次電池の電極体を採用し、封止フィルムとしてラミネートフィルムを採用したものである。図1に示すように、2つの単位電極体1a及び1bが封止フィルム5により密閉封止された構造をもつ。図1は単位電極体1a及び1bとその他構成要素を封止フィルム5にて封止する前の状態である。単位電極体1a及び1bは帯状の正負極及びセパレータを積層して巻回したものである。単位電極体1aは正極端子2a及び負極端子3aをもつ。単位電極体1bは正極端子2b及び負極端子3bをもつ。負極端子3a及び正極端子2bは直接接合されて接続部材として用いられる。
本実施例は、単位電極体としてリチウム二次電池の電極体を採用し、封止フィルムとしてラミネートフィルムを採用したものである。図1に示すように、2つの単位電極体1a及び1bが封止フィルム5により密閉封止された構造をもつ。図1は単位電極体1a及び1bとその他構成要素を封止フィルム5にて封止する前の状態である。単位電極体1a及び1bは帯状の正負極及びセパレータを積層して巻回したものである。単位電極体1aは正極端子2a及び負極端子3aをもつ。単位電極体1bは正極端子2b及び負極端子3bをもつ。負極端子3a及び正極端子2bは直接接合されて接続部材として用いられる。
封止フィルム5は1枚の熱融着フィルムにて構成される。予め単位電極体1a及び1bが配設される封止空間がプレス加工により形成される。封止フィルム5に形成される封止空間は単位電極体1a及び1bの両面にて半分ずつ形成される。
封止空間の内外は封止フィルム5を接合して密閉封止する。封止空間にはガス放出部材4a及び4bが設けられ封止空間の内外を連通している。ガス放出部材4a及び4bは電解液注入口を兼ねる。
封止フィルム5により単位電極体1a及び1bなどを完全に封止した電池を図2〜4に示す。封止フィルム5の封止は超音波溶接により行う。封止空間の内外を連通するガス放出部材4a及び4bを介して電解液を封止空間内に注入する。
電解液を注入した後にガス放出部材4a及び4bの開口部を封止する。開口部の封止は、図5に示すように、ガス放出部材4a及び4bと封止空間とを連通する封止フィルムの一部を接合することで行う。開口部の封止は封止空間内のガス圧が所定値以上になったときに剥がれるように封止フィルムの僅かな面積でのみ接合されている。ガス放出部材4a及び4bの開口部の封止は、本電池についてコンディショニングを行った後に行うことが好ましい。
正極端子2b及び負極端子3aからなる接続部材は溶接により接合されており、図6に示すように、封止フィルム5によって完全に封止されている。従って、隙間から、電解液が漏れたり水分が侵入したりするおそれが少ない。特に外部から水分が侵入するおそれは極めて少ない。
(変形例)
本変形例の電池を図7に示す。4つの単位電極体10a、10b、10c及び10dを用いた以外は実施例1の電池とほぼ同様の構成をもつ。4つの単位電極体10a、10b、10c及び10dは田の字状に配設されており、この順に直列に接続されている。各単位電極体10a、10b、10c及び10dは封止フィルム50によって区画された封止空間に配設される。
本変形例の電池を図7に示す。4つの単位電極体10a、10b、10c及び10dを用いた以外は実施例1の電池とほぼ同様の構成をもつ。4つの単位電極体10a、10b、10c及び10dは田の字状に配設されており、この順に直列に接続されている。各単位電極体10a、10b、10c及び10dは封止フィルム50によって区画された封止空間に配設される。
単位電極体10a、10b、10c及び10dは、正極端子20a、20b、20c及び20dと、負極端子30a、30b、30c及び30dをそれぞれもつ。単位電極体10aの正極端子20a、並びに単位電極体10dの負極端子30dが封止空間外部にまで延出され本電池の正極及び負極として作用する。単位電極体10a及び10bの接続は負極端子30a及び正極端子20bを接続した接続部材にて行い、単位電極体10b及び10cの接続は負極端子30b及び正極端子20cを接続した接続部材にて行い、単位電極体10c及び10dの接続は負極端子30c及び正極端子20dを接続した接続部材にて行う。
封止フィルム50により各単位電極体10a、10b、10c及び10dを封止した後に、ガス放出部材40a及び40dを介して電解液を注入する。単位電極体10a及び10b、そして単位電極体10c及び10dの間は完全に封止されておらず、単位電極体10a及び10dが配設された封止空間に注入された電解液は単位電極体10b及び10cにも注入される。電解液を完全に注入した後に、ガス放出部材40a及び40d、単位電極体10a及び10bの間、並びに単位電極体10d及び10cの間について封止フィルム50を完全に接合して封止する。
1、10…単位電極体
2、20…正極端子
3、30…負極端子
4、40…ガス放出部材
5、50…封止フィルム
2、20…正極端子
3、30…負極端子
4、40…ガス放出部材
5、50…封止フィルム
Claims (5)
- 発電要素である単位電極体を複数個と、
該単位電極体が含有する電解質を密閉封止する封止空間をそれぞれの該単位電極体毎に区画する封止フィルムとを有することを特徴とする電池。 - 前記封止フィルムは2つ折りにした1枚の熱融着フィルム又は貼り合わせた2枚の熱融着フィルムからなる請求項1に記載の電池。
- 前記単位電極体間を所定の組み合わせにて電気的に接続し、且つ前記封止フィルムにて密閉封止されている接続部材を有する請求項1又は2に記載の電池。
- 前記封止空間の内外を連通可能とし充放電時に発生するガスを排出できるガス排出部材をもつ請求項1〜3のいずれかに記載の電池。
- 前記ガス排出部材は前記封止空間内に電解液を注入する電解液注入口を兼ねる請求項1〜4のいずれかに記載の電池。
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Legal Events
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