JP2005071395A - Optical disk drive - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク装置のフォーカスオン動作の安定化に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスク装置において、光ピックアップの対物レンズの姿勢を安定化させるために、対物レンズを保持するレンズホルダを、対物レンズの光軸に平行なガイド軸に摺動自在に嵌合させた光ピックアップが提案されている。このような軸摺動型の光ピックアップでは、フォーカシングサーボは、レンズホルダをガイド軸に平行な方向に上下動させることにより行う。また、トラッキングサーボは、レンズホルダをガイド軸を中心として往復回転させることにより行う。
【0003】
なお、光ディスク装置におけるフォーカシングに関する技術として、以下の特許文献が知られている。特許文献1では、シーク時のフォーカシングエラー信号のトラック干渉によりフォーカシングサーボが外れるのを防止するために、フォーカス情報をトラッキング情報を用いて補正している。特許文献2では、光ピックアップの信号特性や光ディスクの反射率のばらつきにかかわらず、フォーカシングサーボ引き込みを安定させるために、フォーカス引き込み前に対物レンズをフォーカス方向に移動させ、フォーカシングエラー信号の振幅を測定してフォーカシングサーボゲインを補正している。特許文献3では、フォーカシングエラー信号のクロストークをキャンセルすることにより、シーク時のフォーカシングサーボの安定化を図っている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−295448号公報
【特許文献2】
特開平8−287488号公報
【特許文献3】
特開平7−169070号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記軸摺動型の光ピックアップを備えた光ディスク装置においてフォーカスオン動作を行う場合、トラッキングサーボ機構を駆動せずに、レンズホルダを軸の周りにいずれかの方向に端部に回転させた状態のまま、フォーカシングサーボ機構を駆動してフォーカスオン動作を行っている。ところが、レンズホルダの軸受け部がガイド軸に対して所定方向に常時押し付けられた状態で、ガイド軸と平行な方向に摺動されようとするため、レンズホルダの動きが滑らかでないという問題が生じる。具体的には、フォーカシング機構を駆動してレンズホルダを移動させようとしても、ガイド軸と軸受け部の間での埃などの異物の付着やガイド軸と軸受け部の表面の摩擦などにより、レンズホルダがガイド軸に引っ掛かり、すぐには動かない。そして、フォーカシング機構による駆動力を徐々に上げていき、駆動力がこれら引っ掛かりによる負荷に打ち勝ったときに、レンズホルダが突然動き出す。ミクロ的には、これら引っ掛かりの解除による急な移動と引っ掛かりによる停止を繰り返しながら、レンズホルダは、ガイド軸に平行な方向に上下動される。
【0006】
フォーカスオン動作においてレーザビームを光ディスクの記録面にフォーカスオンさせるためには、レンズホルダの動きがスムーズであり、かつ移動速度が安定している必要がある。ところが、レンズホルダが上記のように急な移動と停止を繰り返していると、レンズホルダの移動速度の変化が大きく、レーザビームの光ディスクの記録面へのフォーカスオンに失敗する可能性が高いという問題を有していた。
【0007】
なお、上記特許文献1ないし3は、いずれもフォーカシングエラー信号などの電気信号を処理することによりフォーカシングサーボの安定化を図るものであり、上記機械的な要因によるフォーカスオン時の不安定な動作を解消することはできない。
【0008】
本発明は、上記従来例の問題点を解決するためになされたものであり、軸摺動型の光ピックアップを備えた光ディスク装置において、フォーカスオン動作を安定させることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、光ディスクに対してレーザビームを出力する半導体レーザと、前記半導体レーザから出力されたレーザビームを前記光ディスクのデータ記録面上にフォーカスさせるための対物レンズと、前記光ディスクから反射された光を受光し電気信号に変換する光検出素子と、前記対物レンズを保持するレンズホルダと、前記レンズホルダに設けられた軸受け部と嵌合し、前記レンズホルダを前記対物レンズの光軸に平行な方向に摺動可能で、かつ、前記光軸に直交する方向に回転可能に軸支するガイド軸と、前記レンズホルダを前記光軸と平行な方向に移動させるためのフォーカシングコイル、ヨーク及び永久磁石を含むフォーカシングサーボ機構と、前記レンズホルダを前記光軸に直行する方向に回転させるためのトラッキングコイル、ヨーク及び永久磁石を含むトラッキングサーボ機構を有する軸摺動型の光ピックアップを備えた光ディスク装置において、フォーカスオン動作の際、前記トラッキングコイルに所定電圧及び所定周波数を有する三角波形のウォブル(Wobble)信号を印加して前記レンズホルダの軸受け部を前記ガイド軸に対して前記光軸に直交する方向に微小変位を繰り返させた状態で、前記フォーカシングコイルを駆動してフォーカスオン動作を行うことにより、フォーカスオン動作を安定させる。
【0010】
このように、トラッキングコイルに所定電圧及び所定周波数を有する三角波形のウォブル信号を印加して駆動することにより、対物レンズを保持したレンズホルダがガイド軸に対して微小変位を繰り返すので、瞬間的にレンズホルダの軸受け部がガイド軸から離れた状態が繰り返し生じる。この状態でフォーカスオン動作を行うことにより、ミクロ的なレンズホルダの移動と停止の間隔が短くなり、かつ変位量が小さくなる。その結果、マクロ的なレンズホルダの動きがスムーズになり、かつ、移動速度の変化も小さくなるので、レーザビームの光ディスクの記録面へのフォーカスオンに失敗する可能性を大幅に低減することができ、フォーカスオン動作を安定させることができる。ウォブル信号の電圧及び周波数は、対物レンズ及びレンズホルダの重量、レンズホルダの軸受け部及びガイド軸の材質及び表面粗さなどにより変動する要素であるため、実験などにより、各光ピックアップに固有で、かつ最適な値が設定される。
【0011】
また、請求項2の発明は、軸摺動型の光ピックアップを備えた光ディスク装置において、フォーカスオン動作の際、トラッキングコイルに所定電圧及び所定周波数のウォブル信号を印加しつつ、フォーカスオン動作を行う。
【0012】
このように、トラッキングコイルにウォブル信号を印加して駆動することにより、対物レンズを保持したレンズホルダがガイド軸に対して微小変位を繰り返すので、瞬間的にレンズホルダの軸受け部がガイド軸から離れた状態が繰り返し生じる。この状態でフォーカスオン動作を行うことにより、ミクロ的なレンズホルダの移動と停止の間隔が短くなり、かつ変位量が小さくなる。その結果、マクロ的なレンズホルダの動きがスムーズになり、かつ、移動速度の変化も小さくなるので、レーザビームの光ディスクの記録面へのフォーカスオンに失敗する可能性を大幅に低減することができる。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項2の光ディスク装置において、前記光ピックアップは、光ディスクに対してレーザビームを出力する半導体レーザと、前記半導体レーザから出力されたレーザビームを前記光ディスクのデータ記録面上にフォーカスさせるための対物レンズと、前記光ディスクから反射された光を受光し電気信号に変換する光検出素子と、前記対物レンズを保持するレンズホルダと、前記レンズホルダに設けられた軸受け部と嵌合し、前記レンズホルダを前記対物レンズの光軸に平行な方向に摺動可能で、かつ、前記光軸に直交する方向に回転可能に軸支するガイド軸と、前記レンズホルダを前記光軸と平行な方向に移動させるためのフォーカシングコイル、ヨーク及び永久磁石を含むフォーカシングサーボ機構と、前記レンズホルダを前記光軸に直行する方向に回転させるためのトラッキングコイル、ヨーク及び永久磁石を含むトラッキングサーボ機構を有する。
【0014】
このような構成により、従来から提案されている一般的な構成の軸摺動型の光ピックアップを備えた光ディスク装置に対して、新たな機構を設けることなく、トラッキングサーボ機構に印加する駆動信号を制御するソフトウエアを変更するだけで、本発明の光ディスク装置を実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態に係る光ディスク装置について、図面を参照しつつ説明する。本実施の形態に係る光ディスク装置1の構成を図1に示す。光ディスク装置1は、例えば、光ディスク2に向かって所定波長のレーザビームを照射し、光ディスクに記録されているデータを再生すると共に、例えばDVD−R、DVD−RW、DVD−RAMなどのデータの記録が可能な光ディスクに対してデータ再生時よりも強度(パワー)の大きいレーザビームを照射してデータを記録するものである。
【0016】
図1に示すように、光ディスク装置1は、光ディスク2を保持するテーブル3と、テーブル3及びその上に保持された光ディスク2を回転駆動するスピンドルモータ4と、光ディスク2に対して光ビームを照射してデータの記録及び/又は再生を行う光ピックアップ5と、光ピックアップ5を光ディスク2の半径方向に移動させる光ピックアップ駆動機構6と、スピンドルモータ4、光ピックアップ5及び光ピックアップ駆動機構6などを制御する制御部7と、光ピックアップ5から出力されるRF信号を処理するためのRF信号処理部8と、処理されたRF信号をパーソナルコンピュータやモニタディスプレイ装置に出力するためのインタフェース(I/F)9と、光ディスク装置1の動作状況やユーザへのメッセージなどを表示するためのLCDなどの表示部10と、光ディスク装置1の動作選択などを行うためのプッシュボタンスイッチ又はリモコン装置などの入力部11で構成されている。
【0017】
図2は光ピックアップ5の構成を示す正面図であり、図3はその分解斜視図である。光ピックアップ5は、所定の波長のレーザビームLを出力する半導体レーザ51と、レーザビームLを光ディスク2側に反射させるハーフミラー52と、ハーフミラー52により反射されたレーザビームLを平行光束に変換するコリメータレンズ53と、平行光束化されたレーザビームLを光ディスク2の記録面上にフォーカスさせるための対物レンズ54と、光ディスク2からの反射ビームL’を受光して電気信号に変換するための光検出素子55などを備える。
【0018】
図3に示すように、対物レンズ54はレンズホルダ57に保持されている。レンズホルダ57は、対物レンズ54の光軸に平行な方向に摺動可能で、かつ、光軸に対して直交する方向に回転可能なように、その軸受け部がガイド軸58により軸支されている。また、レンズホルダ57には、トラッキングサーボ制御を行うトラッキングコイル62、フォーカシングサーボ制御を行うフォーカシングコイル63、回路基板64などが設けられている。
【0019】
ガイド軸58はベース部材61に植設されており、さらにベース部材61上には、2つの永久磁石59と、永久磁石59による磁束を通すことにより磁路を形成するためのヨーク60が取り付けられている。各永久磁石59は、それぞれN極側がガイド軸58を向くように取り付けられている。ベース部材61の詳細を図4に示す。ヨーク60は、ベース部材61の下面から、開口61bを上方に向かって貫通し、かつ、各永久磁石59と対向するように設けられている。また、ベース部材61には、レーザビームL及び反射ビームL’を透過させるための透過口61aが設けられている。
【0020】
図5は、ベース部材61に植設されたガイド軸58にレンズホルダ57を嵌合させた状態を示す。レンズホルダ57は、略中央部に、ガイド軸58と嵌合する軸受け部57a、及びその両側に設けられ、ヨーク60を貫通させるための2つの開口57bを有している。トラッキングコイル62は、軸受け部57aに対して略対称に設けられている。レンズホルダ57は、2つの永久磁石59による磁気作用により、ベース部材61から浮上した状態となる。この状態でフォーカシングコイル63に通電することにより、2つの永久磁石59とフォーカシングコイル63による磁気作用により、レンズホルダ57がガイド軸58に沿ってベース部材61に対して上下動する。このレンズホルダ57の上下動により、対物レンズ54の光軸と平行な方向におけるレーザビームの焦点位置の調節、すなわちフォーカシングサーボ制御が可能となる。また、トラッキングコイル62に通電することにより、レンズホルダ57は、ガイド軸58を中心として、開口57bとヨーク60とが干渉しない程度に回転される。このレンズホルダ57の回転により、対物レンズ54の光軸に対して直交する方向におけるレーザビームの焦点位置の調節、すなわちトラッキングサーボ制御が可能となる。
【0021】
なお、図3に示すように、ガイド軸58、永久磁石59、ヨーク60などが固定されたベース部材61に、対物レンズ54、トラッキングコイル62、フォーカシングコイル63及び回路基板64などが固定されたレンズホルダ57を装着し、その上からカバー部材65を嵌装することにより光ピックアップ5の可動部分がモジュール化されている。そして、モジュール化された可動部分を光ピックアップ5の本体66にねじなどで固定することにより光ピックアップ5が構成されている。
【0022】
次に、本実施の形態に係る光ディスク装置1におけるフォーカスオン動作について説明する。例えば、ユーザが入力部11を操作して、特定のトラックに記録されているデータの読み出しを指示すると、制御部7は、光ピックアップ駆動機構6を駆動して光ピックアップ5を光ディスク2の半径方向に移動させると共に、光ピックアップ5を駆動して、光ディスク2からのデータの読み出しを行う。その際、制御部7は、トラッキングコイル62に、所定電圧及び所定周波数を有する三角波状のウォブル(Wobble)信号を印加し、レンズホルダ57を対物レンズ54の光軸に対して直交する方向に繰り返し微小変位(振動)させている。一方、フォーカシングコイル63には、通常のフォーカスオン動作と同様に、フォーカシングエラー信号に対応したフォーカシング駆動信号を印加する。
【0023】
従来の光ディスク装置では、フォーカスオン動作を行う際、トラッキングコイルにトラッキング駆動信号を印加することなく、トラッキングサーボ機構を停止したまま、フォーカシングサーボ機構を駆動していた。そのため、先に述べたように、レンズホルダの軸受け部とガイド軸との間の摩擦などにより、レンズホルダの動きが滑らかでないという問題が生じる。これに対して、本実施の形態に係る光ディスク装置1では、トラッキングコイル62に所定電圧及び所定周波数を有する三角波形のウォブル信号を印加して駆動しているので、対物レンズ54を保持したレンズホルダ57がガイド軸58に対して微小変位を繰り返し、瞬間的にレンズホルダ57の軸受け部57aがガイド軸58から離れた状態が繰り返し生じる。この状態でフォーカスオン動作を行うことにより、ミクロ的なレンズホルダ57の移動と停止の間隔が短くなり、かつ変位量が小さくなるので、マクロ的なレンズホルダ57の動きがスムーズになり、かつ、移動速度の変化も小さくなる。
【0024】
本実施の形態に係る光ディスク装置1によるフォーカスオン動作中のレンズホルダ57の変位の変化及びその速度の変化を、それぞれ図6の(a)及び(b)に示す。また、従来の光ディスク装置(上記光ディスク装置1を従来の方法で駆動したもの)によるフォーカスオン動作中のレンズホルダの変位の変化及びその速度の変化を、それぞれ図7の(a)及び(b)に示す。各図における(a)は、それぞれレンズホルダ57の動きを変位計で測定したものであり、(b)はその測定した変位を微分したものである。図6と図7を比較すると、トラッキングコイル62にウォブル信号を印加してレンズホルダ57を対物レンズ54の光軸に対して直交する方向に振動させることにより、マクロ的に見たレンズホルダ57の動きが非常に滑らかになり、かつ速度の変化が小さくなっていることが分かる。その結果、レーザビームLの光ディスク2の記録面へのフォーカスオンに失敗する可能性を大幅に低減することができる。
【0025】
次に、本実施の形態に係る光ディスク装置1によるフォーカスオン動作中の実際にオシロスコープ上に表示されたフォーカシング駆動信号、トラッキング駆動信号及びフォーカシングエラー信号の波形の一例を図8に示す。図8中、(a)はフォーカシング駆動信号の波形を、(b)はトラッキング駆動信号の波形を、(c)はフォーカシングエラー信号の波形を示す。なお、(b)の中央部の三角波部分がウォブル信号である。これらの例では、フォーカスオンに成功すると、トラッキングコイルへのウォブル信号の印加を停止し、トラッキングエラー信号に基づいたトラッキング駆動信号に切り替える。図9は、図8におけるフォーカスオンの近傍の各信号波形を、時間軸(横軸)を1000倍に拡大したものであり、(a)はフォーカシング駆動信号の波形を、(b)はトラッキング駆動信号の波形を、(c)はフォーカシングエラー信号の波形を示す。図9から、非常にスムーズにフォーカスオンしていることが分かる。
【0026】
次に、最適なウォブル信号の求め方について説明する。ウォブル信号の電圧及び周波数は、対物レンズ54及びレンズホルダ57の重量、レンズホルダ57の軸受け部及びガイド軸58の材質及び表面粗さなどにより変動する要素であるため、実験などにより、各光ピックアップ5に固有で、かつ最適な値を設定する。例えば、周波数を固定し、三角波の電圧(ピークツウピーク)を0Vから6Vまで徐々に増加させつつ、図6(b)に示すレンズホルダ57の動作速度の絶対値の最大値を測定し、グラフ上にプロットする。周波数を100Hzから2kHzまで順に変化させながら同様の測定を行う。このようにして得られた測定結果の一例を図10に示す。なお、図10では、レンズホルダ57の速度を電圧に換算して表示している。
【0027】
電圧が2V以下の領域では、100Hzの場合を除いて周波数が高いほど速度が速くなっており、効果が低いことが分かる。電圧が2V以上の領域では、100Hz及び2kHzを除き、電圧にかかわらず速度が略一定で、かつ比較的低い値となる。これは、周波数が高いほど1つの方向への変位時間が短く、変位量が小さくなるからであると考えられる。そのため、変位量を大きくするために電圧を高くする必要がある。逆に、周波数が低すぎると、変位量が大きくなるものの動作が遅くなり、別の悪影響を与えると考えられる。従って、この測定例では、ウォブル信号の周波数を200Hz以上で、かつ1kHz以下とし、電圧を2V以上で、かつ4V以下とすることが好ましい。例えば、ウォブル信号の周波数を500Hz、入力電圧を3.5Vとする。なお、これらの値は、本発明者らが測定を行ったサンプルについてのものであり、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。
【0028】
このようにして、実際に光ピックアップ5に対して電圧及び周波数を変化させた様々なウォブル信号を印加し、最適な条件を見つけ出すことにより、スムーズなフォーカスオン動作を行うことができる。さらに、本実施の形態に係る光ディスク装置1の光ピックアップ5のハードウエア構成は既存のものと略同じであるため、従来の軸摺動型の光ピックアップを用いた光ディスク装置のソフトウエア構成を、フォーカスオン動作の際に、トラッキングコイルに対して所定電圧及び所定周波数を有するウォブル信号を印加するように変更することにより、容易に本実施形態に係る光ディスク装置を実現することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フォーカスオン動作の際、トラッキングコイルに所定電圧及び所定周波数を有する三角波形のウォブル信号を印加してレンズホルダの軸受け部をガイド軸に対して光軸に直交する方向に微小変位を繰り返させた状態で、フォーカシングコイルを駆動してフォーカスオン動作を行うので、マクロ的なレンズホルダの動きがスムーズになり、かつ、移動速度の変化も小さくなり、レーザビームの光ディスクの記録面へのフォーカスオンに失敗する可能性を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る光ディスク装置の構成を示す図
【図2】上記一実施の形態における光ピックアップの構成を示す正面図
【図3】上記光ピックアップの構成を示す分解斜視図
【図4】上記光ピックアップのベース部材の詳細を示す斜視図
【図5】上記光ピックアップにおけるベース部材及びその上に搭載されたレンズホルダの構成を示す平面図
【図6】(a)は上記一実施の形態に係る光ディスク装置におけるフォーカスオン動作中のレンズホルダの変位の変化を示すグラフ、(b)はその速度変化を示すグラフ
【図7】(a)は従来の光ディスク装置におけるフォーカスオン動作中のレンズホルダの変位の変化を示すグラフ、(b)はその速度変化を示すグラフ
【図8】(a)は上記一実施の形態に係る光ディスク装置におけるフォーカシング駆動信号を示すグラフ、(b)はそのトラッキング駆動信号を示すグラフ、(c)はそのフォーカシングエラー信号を示すグラフ
【図9】図8におけるフォーカスオンの近傍の各信号波形の時間軸を1000倍に拡大したものであり、(a)はフォーカシング駆動信号を示すグラフ、(b)はトラッキング駆動信号を示すグラフ、(c)はフォーカシングエラー信号を示すグラフ
【図10】上記一実施の形態に係る光ディスク装置においてウォブル信号の電圧及び周波数を変化させた場合のレンズホルダの速度の変化を示すグラフ
【符号の説明】
1 光ディスク装置
2 光ディスク
5 光ピックアップ
6 光ピックアップ駆動機構
7 制御部
51 半導体レーザ
54 対物レンズ
55 光検出素子
57 レンズホルダ
57a (レンズホルダの)軸受け部
58 ガイド軸
62 トラッキングコイル
63 フォーカシングコイル[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to stabilization of a focus-on operation of an optical disc apparatus.
[0002]
[Prior art]
In recent years, in an optical disc apparatus, in order to stabilize the posture of the objective lens of the optical pickup, an optical pickup in which a lens holder holding the objective lens is slidably fitted to a guide shaft parallel to the optical axis of the objective lens Has been proposed. In such a shaft sliding type optical pickup, the focusing servo is performed by moving the lens holder up and down in a direction parallel to the guide shaft. The tracking servo is performed by reciprocatingly rotating the lens holder around the guide shaft.
[0003]
The following patent documents are known as techniques relating to focusing in an optical disc apparatus. In
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-6-295448 [Patent Document 2]
JP-A-8-287488 [Patent Document 3]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-169070
[Problems to be solved by the invention]
When performing a focus-on operation in an optical disc apparatus equipped with the above-described shaft-sliding type optical pickup, the lens holder is rotated to the end in either direction around the axis without driving the tracking servo mechanism. The focus-on operation is performed by driving the focusing servo mechanism. However, since the bearing portion of the lens holder is constantly pressed in a predetermined direction with respect to the guide shaft, the lens holder tends to slide in a direction parallel to the guide shaft. Specifically, even if it is attempted to move the lens holder by driving the focusing mechanism, the lens holder is caused by adhesion of foreign matters such as dust between the guide shaft and the bearing portion or friction between the surface of the guide shaft and the bearing portion. Is caught on the guide shaft and does not move immediately. Then, the driving force by the focusing mechanism is gradually increased, and when the driving force overcomes the load caused by these catches, the lens holder suddenly starts moving. Microscopically, the lens holder is moved up and down in a direction parallel to the guide shaft while repeating the sudden movement by the release of the hook and the stop by the hook.
[0006]
In order to focus the laser beam on the recording surface of the optical disc in the focus-on operation, it is necessary that the movement of the lens holder is smooth and the moving speed is stable. However, if the lens holder repeats abrupt movement and stop as described above, the change in the movement speed of the lens holder is large, and there is a high possibility that the focus on of the recording surface of the laser beam on the optical disk will fail. Had.
[0007]
In each of
[0008]
The present invention has been made to solve the above-described problems of the conventional example, and an object of the present invention is to stabilize the focus-on operation in an optical disc apparatus provided with a shaft sliding type optical pickup.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a first aspect of the present invention provides a semiconductor laser that outputs a laser beam to an optical disc, and an objective for focusing the laser beam output from the semiconductor laser on a data recording surface of the optical disc. A lens, a light detection element that receives light reflected from the optical disk and converts it into an electrical signal, a lens holder that holds the objective lens, and a bearing provided in the lens holder, and the lens holder Is slidable in a direction parallel to the optical axis of the objective lens, and is rotatably supported in a direction orthogonal to the optical axis, and the lens holder is moved in a direction parallel to the optical axis. A focusing servo mechanism including a focusing coil, a yoke and a permanent magnet for rotating the lens holder in a direction perpendicular to the optical axis In an optical disk apparatus equipped with a shaft-sliding optical pickup having a tracking servo mechanism including a tracking coil, a yoke and a permanent magnet, a triangular waveform having a predetermined voltage and a predetermined frequency in the tracking coil during a focus-on operation A focus-on operation is performed by driving the focusing coil in a state where a wobbling signal is applied and the bearing portion of the lens holder is repeatedly subjected to minute displacement in a direction perpendicular to the optical axis with respect to the guide shaft. To stabilize the focus-on operation.
[0010]
In this way, by driving the tracking coil by applying a triangular waveform wobble signal having a predetermined voltage and a predetermined frequency, the lens holder holding the objective lens repeats a minute displacement with respect to the guide shaft. The state in which the bearing portion of the lens holder is separated from the guide shaft repeatedly occurs. By performing the focus-on operation in this state, the distance between the movement and stop of the micro lens holder is shortened, and the amount of displacement is reduced. As a result, the movement of the macro lens holder is smooth and the change in the moving speed is small, so that the possibility of failing to focus on the recording surface of the optical disk of the laser beam can be greatly reduced. The focus-on operation can be stabilized. The voltage and frequency of the wobble signal are elements that vary depending on the weight of the objective lens and the lens holder, the material of the bearing portion of the lens holder and the guide shaft, the surface roughness, and the like. And the optimum value is set.
[0011]
According to a second aspect of the present invention, in an optical disc apparatus provided with a shaft-sliding optical pickup, a focus-on operation is performed while a wobble signal having a predetermined voltage and a predetermined frequency is applied to the tracking coil during the focus-on operation. .
[0012]
In this way, when the wobbling signal is applied to the tracking coil and driven, the lens holder holding the objective lens repeats a slight displacement with respect to the guide shaft, so the bearing portion of the lens holder instantaneously leaves the guide shaft. Repeatedly occurs. By performing the focus-on operation in this state, the distance between the movement and stop of the micro lens holder is shortened, and the amount of displacement is reduced. As a result, the movement of the macro lens holder is smooth and the change in the moving speed is small, so that the possibility of failure of focusing on the recording surface of the laser beam on the optical disk can be greatly reduced. .
[0013]
According to a third aspect of the present invention, in the optical disc apparatus of the second aspect, the optical pickup includes a semiconductor laser that outputs a laser beam to the optical disc, and a laser beam output from the semiconductor laser for data recording on the optical disc. An objective lens for focusing on a surface, a light detection element that receives light reflected from the optical disc and converts it into an electrical signal, a lens holder that holds the objective lens, and a bearing provided in the lens holder A guide shaft that is slidable in a direction parallel to the optical axis of the objective lens and is rotatably supported in a direction perpendicular to the optical axis, and the lens holder is A focusing servo mechanism including a focusing coil, a yoke and a permanent magnet for moving in a direction parallel to the optical axis; Tracking coils for rotating the holder in a direction orthogonal to the optical axis, having a tracking servo mechanism including a yoke and permanent magnets.
[0014]
With such a configuration, a drive signal to be applied to the tracking servo mechanism can be generated without providing a new mechanism for an optical disc apparatus having a shaft sliding type optical pickup having a general configuration that has been conventionally proposed. The optical disk apparatus of the present invention can be realized only by changing the software to be controlled.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An optical disc apparatus according to an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 shows the configuration of the
[0016]
As shown in FIG. 1, an
[0017]
2 is a front view showing the configuration of the
[0018]
As shown in FIG. 3, the
[0019]
The
[0020]
FIG. 5 shows a state in which the
[0021]
As shown in FIG. 3, a lens in which an
[0022]
Next, a focus-on operation in the
[0023]
In the conventional optical disk apparatus, when performing the focus-on operation, the focusing servo mechanism is driven while the tracking servo mechanism is stopped without applying the tracking drive signal to the tracking coil. Therefore, as described above, there is a problem that the movement of the lens holder is not smooth due to friction between the bearing portion of the lens holder and the guide shaft. On the other hand, in the
[0024]
Changes in the displacement of the
[0025]
Next, FIG. 8 shows an example of the waveforms of the focusing drive signal, tracking drive signal, and focusing error signal actually displayed on the oscilloscope during the focus-on operation by the
[0026]
Next, how to obtain the optimum wobble signal will be described. The voltage and frequency of the wobble signal are factors that vary depending on the weight of the
[0027]
In the region where the voltage is 2 V or less, it can be seen that the higher the frequency, the faster the speed, except for the case of 100 Hz, and the lower the effect. In the region where the voltage is 2 V or more, except for 100 Hz and 2 kHz, the speed is substantially constant and a relatively low value regardless of the voltage. This is presumably because the higher the frequency, the shorter the displacement time in one direction and the smaller the displacement. Therefore, it is necessary to increase the voltage in order to increase the amount of displacement. On the other hand, if the frequency is too low, the displacement is increased, but the operation is delayed, which is considered to have another adverse effect. Therefore, in this measurement example, it is preferable that the frequency of the wobble signal is 200 Hz or more and 1 kHz or less, and the voltage is 2 V or more and 4 V or less. For example, the frequency of the wobble signal is 500 Hz and the input voltage is 3.5V. These values are for the samples measured by the present inventors, and are not necessarily limited to this range.
[0028]
In this way, a smooth focus-on operation can be performed by applying various wobble signals whose voltages and frequencies are actually changed to the
[0029]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, during the focus-on operation, a triangular waveform wobble signal having a predetermined voltage and a predetermined frequency is applied to the tracking coil so that the bearing portion of the lens holder is optically aligned with respect to the guide axis. Since the focusing coil is driven and the focus-on operation is performed in a state where minute displacement is repeated in a direction orthogonal to the direction, the movement of the lens holder becomes smooth and the change in the moving speed is reduced, and the laser The possibility of failing to focus on the recording surface of the optical disk with the beam can be greatly reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a configuration of an optical disc apparatus according to an embodiment of the present invention. FIG. 2 is a front view showing a configuration of an optical pickup in the embodiment. FIG. 3 is an exploded view showing a configuration of the optical pickup. FIG. 4 is a perspective view showing details of a base member of the optical pickup. FIG. 5 is a plan view showing a configuration of a base member and a lens holder mounted thereon in the optical pickup. FIG. 7 is a graph showing a change in the displacement of the lens holder during the focus-on operation in the optical disc apparatus according to the embodiment, and FIG. 7B is a graph showing a change in the speed. FIG. 7A is a focus in the conventional optical disc apparatus. FIG. 8B is a graph showing a change in the speed of the lens holder during the ON operation, and FIG. 8A is a graph showing a change in the speed. FIG. 8A is an optical disc apparatus according to the embodiment. FIG. 9 is a graph showing the focusing drive signal, FIG. 9B is a graph showing the tracking drive signal, and FIG. 9C is a graph showing the focusing error signal. FIG. FIG. 10 is a graph showing a focusing drive signal, (b) a graph showing a tracking drive signal, and (c) a graph showing a focusing error signal. Showing the change in the speed of the lens holder when the voltage and frequency of the wobble signal are changed in the optical disc apparatus according to the present invention.
DESCRIPTION OF
Claims (3)
フォーカスオン動作の際、前記トラッキングコイルに所定電圧及び所定周波数を有する三角波形のウォブル信号を印加して前記レンズホルダの軸受け部を前記ガイド軸に対して前記光軸に直交する方向に微小変位を繰り返させた状態で、前記フォーカシングコイルを駆動してフォーカスオン動作を行うことにより、フォーカスオン動作を安定させることを特徴とする光ディスク装置。A semiconductor laser that outputs a laser beam to an optical disk, an objective lens that focuses the laser beam output from the semiconductor laser onto the data recording surface of the optical disk, and light that is reflected from the optical disk and is electrically A photodetecting element for converting into a signal, a lens holder for holding the objective lens, and a bearing provided in the lens holder are fitted, and the lens holder is slid in a direction parallel to the optical axis of the objective lens. A focusing servo that includes a guide shaft that can be rotated in a direction orthogonal to the optical axis, and a focusing coil, a yoke, and a permanent magnet for moving the lens holder in a direction parallel to the optical axis. A mechanism, a tracking coil for rotating the lens holder in a direction perpendicular to the optical axis, a yoke, and In the optical disk apparatus including an optical pickup shaft sliding type having a tracking servo mechanism including a permanent magnet,
During focus-on operation, a triangular waveform wobble signal having a predetermined voltage and a predetermined frequency is applied to the tracking coil so that the bearing portion of the lens holder is slightly displaced in a direction perpendicular to the optical axis with respect to the guide axis. An optical disc apparatus characterized by stabilizing a focus-on operation by driving the focusing coil in a repeated state to perform a focus-on operation.
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