JP2005067908A - Glass for laser beam machining - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ加工用ガラスに関し、特にレーザ加工に適したガラスの組成に関する。
【0002】
【従来の技術】
ナノ秒台以下のパルス幅を持つレーザ光を固体物質に照射すると、強い発光、衝撃音とともに分解物が蒸散する。この現象はレーザアブレーション、あるいは単にアブレーションと呼ばれている。極めて短いレーザ照射時間、すなわちレーザのパルス幅の時間程度内に誘起される現象であるため、材料の加工プロセスとして応用した場合、レーザ照射部周辺の熱的ダメージによる加工荒れを抑えることができる。このため、近年では、特に金属、有機物の精密微細加工に広く利用されている。
【0003】
被加工物としてのガラスは、その脆性ゆえに、アブレーションによる精密加工が一般に難しい材料である。しかしながら、光ファイバ、平面型光導波路、マイクロレンズなど、特に光通信システムにおけるガラス材料の重要性が広く認知されている昨今、ガラスの精密微細加工技術に関するニーズは高まりつつある。
広い波長領域において透明なガラスをアブレーション加工するためには、一般に、紫外光を発振するパルスレーザの利用が望ましい。これは、アブレーション加工が、光と物質との効率的な相互作用(レーザ光の吸収)を必要とするためである。紫外パルスレーザには、現在、エキシマレーザ、Nd:YAGレーザの第3、第4高調波レーザなどがある。これら加工用レーザ光源の諸性質、例えば、パルス幅、強度安定性、出力、ビーム形状などは材料の加工性を大きく左右する。この点、レーザ光源の近年の性能向上は目覚しく、現在では、安定かつ高出力のナノ秒パルスが比較的小型の装置でも得られるようになってきた。
【0004】
このように、「加工用レーザ」の性能向上は近年著しいが、その一方、「被加工物の改良」という観点から「ガラスの加工性の向上」が検討されたことはほとんどない。しかしながら、弱いレーザパワーでも加工できる(つまり、加工しきい値が低い)、速く加工できる、パルスレーザの衝撃によって割れない、加工部周りが荒れない、などの特徴を有する「レーザ加工に適したガラス」が開発されれば、精密微細な構造を有する光学部品などへの応用が大きく広がる。また、「レーザ加工用ガラス」は一般的なガラスよりもレーザ加工性が高められているため、同じ加工なら低いコストで行うことができる。
【0005】
上記の観点から、本発明者らは、レーザ加工に適したガラスの提供を目的とした研究開発に着手し、これまでに、イオン交換により銀がガラス表面近傍に導入されたガラスを発明している(例えば、特許文献1参照)。このイオン交換ガラスは、銀を含む溶融塩にガラスを浸し、溶融塩中の銀イオンとガラス中のイオンとを交換させることによって作製される。ガラス表面近傍に導入された銀イオン、あるいは銀コロイドが効率的に紫外光を吸収するため、比較的低いパワーのレーザを用いても良好なアブレーション加工を施すことができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−217237号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記イオン交換ガラスには、レーザ加工用材料として考えた場合、次のような課題がある。
【0008】
すなわち、イオン交換ガラスでは、貫通穴あけのようなガラス内部に至る加工が難しい。この理由は、銀イオン、銀コロイドといった紫外光の吸収中心がガラス表面近傍に集中しているため、有効なレーザ加工領域がガラス表面近傍に限られていることに起因する。ガラス内部にまで紫外光吸収成分を分布させるには、イオン交換速度と母ガラスの厚さにもよるが、通常極めて長時間のイオン交換処理を要する。したがって、このような加工要求に応えるためには、紫外光を吸収する成分がガラス全体に均一に分布しているガラスを提供することが望ましい。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ガラス表面近傍のみならず、ガラス内部に至るレーザ加工が容易なレーザ加工用ガラスを提供することにある。ここに、本発明におけるレーザ加工用ガラスとは、紫外光を吸収する成分がガラス全体に均一に分散しているガラスであり、前述したイオン交換ガラスは含まない。このため、ガラス表面近傍のみならず、ガラス内部に至るレーザ加工をも容易に行うことができる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、レーザ光の吸収によって誘起されるアブレーションあるいは蒸発を利用するレーザ加工に用いるレーザ加工用ガラスにおいて、
前記ガラスには、鉄、セリウムおよびスズのうち、少なくとも一種類の元素が含有されていることを要旨とする。
【0011】
このように、鉄、セリウムおよびスズのうち、少なくとも一種類の元素がガラスに含有されると、この元素によりレーザ光のエネルギーが吸収されるので、ガラス内部に至るレーザ加工をも行うことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレーザ加工用ガラスにおいて、前記鉄の含有量はFe2O3に換算して0.5〜9モル%であることを要旨とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のレーザ加工用ガラスにおいて、前記セリウムの含有量はCeO2に換算して1〜9モル%であることを要旨とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のレーザ加工用ガラスにおいて、前記スズの含有量はSnO2に換算して1〜5モル%であることを要旨とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態について詳細に説明する。
ホストガラスの組成として、ソーダライムガラスの代表的な組成の一つである、74SiO2+10CaO+16Na2Oを、例として用いた。ここに、組成中の数値はモル%で表されている。これに光吸収成分として、Fe2O3、CeO2またはSnO2のいずれかをドープして、レーザ加工用ガラス試料とした。
【0016】
表1にFe2O3をドープしたガラス試料中のFe2O3含有量をモル%で示す。同様に、表2にCeO2をドープしたガラス試料中のCeO2含有量を、表3にSnO2をドープしたガラス試料中のSnO2含有量を示す。それぞれの含有量は表1〜表3に示すように、Fe2O3が0.5〜9.1モル%、CeO2が1.0〜9.1モル%、SnO2が1.0〜4.8モル%である。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
〔試料の作製〕
作製するガラスが約400gになるように原材料の調合を行った。これを白金製の坩堝に移した後、1450℃に昇温した溶融炉内に投入し、融液の攪拌を適宜行いながら5〜6時間保持した。この後、融液を鉄板上の型内に流し出し、これを直ちに530℃前後に昇温した徐冷炉に投入し、16時間かけて室温まで徐冷した。このようにして得られたガラスブロックを一般的な方法にて切断、研磨し、両表面が平滑なガラス板をレーザ加工試験用のガラス試料とした。
【0021】
なお、組成中のNa2Oの原料としてはNa2CO3試薬を用いたが、試料の一部は、Na2CO3総量の一部を酸化剤であるNaNO3およびNa2SO4試薬に置換し、酸化雰囲気下において作製した(実施例3、5、7、11)。また、バッチに少量のカーボンを加え、溶融条件を還元雰囲気とした試料も作製した(実施例4、6、9、13)。
【0022】
〔レーザ照射実験〕
試料へのレーザ照射は図1に示すレーザ加工用装置100を用いて行った。照射レーザ光1として、Nd:YAGレーザの第4高調波(波長:266nm)を用いた。レーザ光源2から繰り返し周波数20Hz,パルス幅5〜8nsのレーザ光を供給した。
【0023】
試料12へのレーザ光未照射時にはミラー3を光路内に挿入し、レーザ光1を反射させてダンパー4により吸収させた。一方向の偏光のみを通すグランレーザプリズム5は、第4高調波とは異なる偏光方向を持つ第2高調波(532nm)を除去するために挿入している。レーザ光強度を調節するためのアッテネータ6を通過したレーザ光1の強度をパワーメータ7により測定した。
【0024】
試料12に対してレーザ光1を照射する際は、パワーメータ7は光路から除く必要がある。遠隔操作可能なレーザビームシャッタ8は、試料12へのレーザ照射開始時に開、照射終了時に閉とする。シャッタ8が開のときにこれを通過したレーザ光1は、焦点距離10cmのレンズ9で集光され、XYZステージ10に連結された試料ホルダ11に固定された試料12の表面に対して、垂直方向に照射された。
【0025】
〔加工速度および加工しきい値の算出〕
レーザフルエンスを加工しきい値Fth以上に設定し、図1に示すXYZステージ10を光軸に垂直な平面内において一定速度で直線的に移動させながら試料12にレーザ光を照射させることにより、試料表面に溝が形成される。レーザ繰り返し周波数、ステージ移動速度、およびレーザスポット径は既知であるから、これらの値より、溝の任意の箇所あたりのレーザショット数を算出することができる。
【0026】
ここに、レーザ繰り返し周波数およびレーザスポット径は、レーザパワー等その他実験諸条件に拘わらず、このレーザ加工実験を通じて一定である。このため、ステージ移動速度の異なる条件下でレーザ照射実験を繰り返すことにより、一箇所あたりレーザショット数の異なる溝を試料表面に形成することができる。
【0027】
所定のレーザフルエンス条件の下、ステージ移動速度を様々に変化させた上記溝加工実験を行えば、加工深さ(溝深さ)のレーザショット数依存性を知ることができる。ここに、通常、加工深さはレーザショット数にほぼ比例するため、この傾きから、1ショットあたりの加工深さ、すなわち加工速度Δhが求められる。なお、本実施例では、1本の溝に対して数十箇所の断面形状を三次元形状測定器により測定し、それらの平均を加工深さとした。
【0028】
上記方法により、様々なレーザフルエンス条件において加工速度Δhが求められれば、加工速度のレーザフルエンス依存性を知ることができる。同依存性は、理論上、次の(1)式に従うことが知られている。
Δh=α−1×ln(F/Fth) (1)
ここに、Δhは加工速度であり、レーザパルス1ショットあたりの加工深さに相当する。αは照射レーザ波長における物質の吸収係数である。本実施形態では、測定結果に対して(1)式を適用し、最小2乗法によるフィッティングを行って、物質固有の吸収係数αおよび未知数である加工しきい値Fthを算出した。
【0029】
〔評価結果〕
図2、図3および図4に、加工速度のFe2O3、CeO2およびSnO2含有量依存性を示す。加工速度はレーザフルエンスが7.8J/cm2での値である。
【0030】
図2より明らかなように、Feを含有するガラスにおいて最も速い加工速度を得るには、Fe2O3の含有量を1〜2モル%程度とすることが望ましい。
【0031】
一方、Ceを含有するガラスの場合は、図3より、加工速度がCeO2含有量の増加と共に単調に増大することが分かる。したがって、Ceを含有するガラスの加工においてより速い加工速度を得るには、できるだけCeO2含有量の多いガラスを被加工物として用いることが望ましく、具体的には、含有量9モル%程度のガラスを用いることが望ましい。
【0032】
Snを含有するガラスでは、図4より、SnO2含有量の増加と共に加工速度は徐々に減少することが分かる。FeあるいはCeを含有するガラスと比較してSn含有ガラスの加工速度は遅いが、Sn含有ガラスにおいてできるだけ速い加工速度を得るためには、SnO2含有量を1モル%程度とすることが望ましい。
【0033】
図5、図6および図7に、加工しきい値のFe2O3、CeO2およびSnO2含有量依存性を示す。
【0034】
Feを含有するガラスでは、図5より、Fe2O3の含有量を1〜2モル%程度としたガラスにおいて最も低い加工しきい値が得られる。したがって、最も低い加工しきい値、最も速い加工速度という両特性を得るためには、望ましくはFe2O3の含有量を1〜2モル%程度に調整することが好ましい。
【0035】
Ceを含有するガラスの場合は、図6より、加工しきい値がCeO2含有量の増加と共にほぼ単調に増大することが分かる。したがって、Ceを含有するガラスの加工においてより低い加工しきい値を得るには、できるだけCeO2含有量の少ないガラスを被加工物として用いることが望ましく、具体的には、含有量1モル%程度のガラスを用いることが望ましい。
【0036】
なお、図3から、より速い加工速度を得るためには、より高濃度にCeO2を含有したガラスを用いることが望ましいことが分かっている。このように、Ceを含有するガラスでは、加工速度を最速とするCeO2含有量条件と、加工しきい値を最低とするCeO2含有量条件が異なることに注意する必要がある。当然のことながら、加工目的や加工仕様に合わせて、適当なCeO2含有量を有するガラスを選択することに何ら問題はない。例えば、加工速度が遅くとも弱いレーザパワーで加工したい場合には、CeO2をできるだけ1モル%近くまで低濃度に含有するガラスを用いるとよい。また、中程度の加工しきい値、中程度の加工速度を必要とするならば、例えば、CeO2含有量を5モル%程度に調整してもよい。
【0037】
FeあるいはCeを含有するガラスと比較して、図7より、Sn含有ガラスの加工しきい値は比較的低いことが分かる。また、Sn含有ガラスの加工しきい値は、SnO2含有量に対して大きくは変化しない。図4より、加工速度のSnO2含有量依存性も比較的小さいため、Sn含有ガラスを用いる場合には、屈折率や光透過率、熱膨張係数など、特にレーザ加工性以外の物性に注目して、より望ましいガラス組成を選択することもできる。
【0038】
以上のように、表1〜表3に示した全てのガラスでレーザ加工が可能なことを確認した。すなわち、Fe、Ce、Snのうち、少なくとも一種類の元素が含有されたガラスは、レーザ照射により加工が可能なことが分かった。この際のFe、Ce、Snの含有量は、それぞれ、Fe2O3換算で0.5〜9モル%、CeO2換算で1〜9モル%、SnO2換算で1〜5モル%である。
【0039】
なお、ガラス中では、鉄は2価と3価の両状態が存在し、その割合は、組成や溶融条件によって変化することが知られている。一般に、2価鉄の主な吸収は1μm付近にあるので、2価鉄の存在は紫外レーザ光の吸収に寄与しない、あるいは寄与が少ないと考えられる。このことを考慮すれば、加工しきい値と加工速度は、3価鉄の量にのみ左右されると予想できる。
【0040】
ホストガラスに加えられた全ての酸化鉄をFe2O3としたときの全鉄量(一般にT−Fe2O3と表される)から、分析によって得られたFeO量を差し引き、ガラス中の三酸化二鉄Fe2O3のモル比を算出した。この値と加工速度および加工しきい値との相関を調べた結果を、それぞれ図8および図9に示す。これらをそれぞれ図2および図5と比較すると、両者の傾向はそれ程大きくは変わらないことが分かる。
【0041】
すなわち、原理的には、加工しきい値および加工速度は、ガラス中の三酸化二鉄Fe2O3の量に依存すると考えられるが、実用上は、全鉄量T−Fe2O3から、加工しきい値あるいは加工速度を近似的に予想して組成設計しても問題がないといえる。ただし、溶融条件をコントロールすることによって2価鉄と3価鉄量の割合を変化させ、レーザ加工性の微調整を行うような組成設計を行ってもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明により、ガラス表面近傍のみならず、ガラス内部に至るレーザ加工をも行うことが可能なレーザ加工用ガラスが提供できる。これらは低い加工しきい値を有するため、レーザ加工に要するレーザエネルギー投入量を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ加工用の装置を示す模式図。
【図2】加工速度のFe2O3含有量依存性を示す図。
【図3】加工速度のCeO2含有量依存性を示す図。
【図4】加工速度のSnO2含有量依存性を示す図。
【図5】加工しきい値のFe2O3含有量依存性を示す図。
【図6】加工しきい値のCeO2含有量依存性を示す図。
【図7】加工しきい値のSnO2含有量依存性を示す図。
【図8】加工速度の三酸化二鉄Fe2O3含有量依存性を示す図。
【図9】加工しきい値の三酸化二鉄Fe2O3含有量依存性を示す図。
【符号の説明】
1 レーザ光
2 レーザ光源
3 ミラー
4 ダンパー
5 グランレーザプリズム
6 アッテネータ
7 パワーメータ
8 シャッタ
9 レンズ
10 XYZステージ
11 試料ホルダ
12 試料
100 レーザ加工用装置[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a glass for laser processing, and particularly to a glass composition suitable for laser processing.
[0002]
[Prior art]
When a solid material is irradiated with laser light having a pulse width of nanoseconds or less, the decomposition product evaporates with strong light emission and impact sound. This phenomenon is called laser ablation or simply ablation. Since this phenomenon is induced within an extremely short laser irradiation time, that is, within the time of the pulse width of the laser, when applied as a material processing process, it is possible to suppress processing roughness due to thermal damage around the laser irradiation portion. For this reason, in recent years, it has been widely used especially for precision fine processing of metals and organic substances.
[0003]
Glass as a workpiece is a material that is generally difficult to precisely process by ablation due to its brittleness. However, in recent years when the importance of glass materials in optical communication systems, such as optical fibers, planar optical waveguides, and microlenses, has been widely recognized, the need for precision microfabrication technology for glass is increasing.
In order to ablate transparent glass in a wide wavelength region, it is generally desirable to use a pulsed laser that oscillates ultraviolet light. This is because the ablation process requires an efficient interaction (absorption of laser light) between light and a substance. Ultraviolet pulse lasers currently include excimer lasers, third and fourth harmonic lasers of Nd: YAG lasers, and the like. Various properties of these laser light sources for processing, such as pulse width, intensity stability, output, beam shape, and the like greatly affect the workability of the material. In this regard, the recent performance improvement of laser light sources has been remarkable, and at present, stable and high-power nanosecond pulses can be obtained even in relatively small devices.
[0004]
As described above, the performance improvement of the “machining laser” has been remarkable in recent years, but on the other hand, “improvement of glass workability” has hardly been studied from the viewpoint of “improvement of the workpiece”. However, it can be processed even with a weak laser power (that is, the processing threshold is low), it can be processed quickly, it is not broken by the impact of a pulse laser, and the periphery of the processed part is not rough. Will be widely applied to optical components with precise and fine structures. In addition, since “laser processing glass” has higher laser processability than general glass, the same processing can be performed at low cost.
[0005]
From the above viewpoint, the present inventors have started research and development aimed at providing glass suitable for laser processing, and so far have invented a glass in which silver is introduced in the vicinity of the glass surface by ion exchange. (For example, refer to Patent Document 1). This ion exchange glass is produced by immersing the glass in a molten salt containing silver and exchanging silver ions in the molten salt with ions in the glass. Since silver ions or silver colloids introduced in the vicinity of the glass surface efficiently absorb ultraviolet light, good ablation processing can be performed even with a relatively low power laser.
[0006]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-217237
[Problems to be solved by the invention]
However, the ion exchange glass has the following problems when considered as a material for laser processing.
[0008]
That is, with ion exchange glass, it is difficult to process the inside of the glass, such as through holes. This is because the absorption center of ultraviolet light such as silver ions and silver colloid is concentrated in the vicinity of the glass surface, so that the effective laser processing region is limited to the vicinity of the glass surface. In order to distribute the ultraviolet light absorption component to the inside of the glass, although it depends on the ion exchange rate and the thickness of the mother glass, usually an extremely long ion exchange treatment is required. Therefore, in order to meet such processing requirements, it is desirable to provide a glass in which components that absorb ultraviolet light are uniformly distributed throughout the glass.
[0009]
The present invention has been made paying attention to such conventional problems. The object is to provide a glass for laser processing that is easy for laser processing not only in the vicinity of the glass surface but also into the inside of the glass. Here, the glass for laser processing in the present invention is a glass in which a component that absorbs ultraviolet light is uniformly dispersed throughout the glass, and does not include the above-described ion exchange glass. For this reason, laser processing not only near the glass surface but also into the glass can be easily performed.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention described in
The gist of the invention is that the glass contains at least one element of iron, cerium, and tin.
[0011]
As described above, when at least one element of iron, cerium, and tin is contained in the glass, the energy of the laser beam is absorbed by the element, so that laser processing that reaches the inside of the glass can also be performed. .
[0012]
The gist of the invention of
[0013]
According to a third aspect of the invention, the glass for laser processing according to
[0014]
According to a fourth aspect of the invention, the glass for laser processing according to
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
As a composition of the host glass, 74SiO 2 + 10CaO + 16Na 2 O, which is one of typical compositions of soda lime glass, was used as an example. Here, the numerical values in the composition are expressed in mol%. This was doped with either Fe 2 O 3 , CeO 2 or SnO 2 as a light absorbing component to obtain a glass sample for laser processing.
[0016]
Table shows 1 in the Fe 2 O 3 content of the glass samples doped with Fe 2 O 3 in mole percent. Similarly, the CeO 2 content of the glass samples doped with CeO 2 in Table 2 shows the content of SnO 2 in the glass sample doped with SnO 2 in Table 3. As shown in Tables 1 to 3, each content is 0.5 to 9.1 mol% Fe 2 O 3 , 1.0 to 9.1 mol% CeO 2 , and 1.0 to SnO 2. 4.8 mol%.
[0017]
[Table 1]
[0018]
[Table 2]
[0019]
[Table 3]
[0020]
[Sample preparation]
The raw materials were mixed so that the glass to be produced was about 400 g. After transferring this to a platinum crucible, it was put into a melting furnace heated to 1450 ° C. and held for 5 to 6 hours while appropriately stirring the melt. Thereafter, the melt was poured into a mold on an iron plate and immediately put into a slow cooling furnace heated to around 530 ° C., and gradually cooled to room temperature over 16 hours. The glass block thus obtained was cut and polished by a general method, and a glass plate having smooth surfaces was used as a glass sample for a laser processing test.
[0021]
Although Na 2 CO 3 reagent was used as a raw material for Na 2 O in the composition, a part of the total amount of Na 2 CO 3 was used as an oxidizing agent for NaNO 3 and Na 2 SO 4 reagents. Substitution was made in an oxidizing atmosphere (Examples 3, 5, 7, and 11). Samples were also prepared in which a small amount of carbon was added to the batch and the melting conditions were reduced (Examples 4, 6, 9, and 13).
[0022]
[Laser irradiation experiment]
Laser irradiation of the sample was performed using a
[0023]
When the
[0024]
When irradiating the
[0025]
[Calculation of machining speed and machining threshold]
By setting the laser fluence to be equal to or greater than the processing threshold Fth and irradiating the
[0026]
Here, the laser repetition frequency and the laser spot diameter are constant throughout the laser processing experiment regardless of other experimental conditions such as the laser power. For this reason, by repeating the laser irradiation experiment under conditions with different stage moving speeds, grooves having different numbers of laser shots per location can be formed on the sample surface.
[0027]
If the groove processing experiment is performed with the stage moving speed varied under a predetermined laser fluence condition, the dependency of the processing depth (groove depth) on the number of laser shots can be known. Here, since the processing depth is generally proportional to the number of laser shots, the processing depth per shot, that is, the processing speed Δh is obtained from this inclination. In this example, several tens of cross-sectional shapes with respect to one groove were measured with a three-dimensional shape measuring instrument, and the average of them was taken as the processing depth.
[0028]
If the processing speed Δh is obtained under various laser fluence conditions by the above method, the dependency of the processing speed on the laser fluence can be known. It is known that the dependence depends on the following equation (1) in theory.
Δh = α −1 × ln (F / F th ) (1)
Here, Δh is a processing speed and corresponds to the processing depth per one shot of the laser pulse. α is the absorption coefficient of the substance at the irradiation laser wavelength. In this embodiment, the equation (1) is applied to the measurement result, and fitting by the least square method is performed to calculate the absorption coefficient α specific to the substance and the processing threshold F th that is an unknown.
[0029]
〔Evaluation results〕
2, 3 and 4 show the dependence of the processing speed on the content of Fe 2 O 3 , CeO 2 and SnO 2 . The processing speed is a value at a laser fluence of 7.8 J / cm 2 .
[0030]
As is clear from FIG. 2, in order to obtain the fastest processing speed in the glass containing Fe, it is desirable that the content of Fe 2 O 3 is about 1 to 2 mol%.
[0031]
On the other hand, in the case of glass containing Ce, it can be seen from FIG. 3 that the processing speed monotonously increases with an increase in CeO 2 content. Therefore, in order to obtain a higher processing speed in processing of Ce-containing glass, it is desirable to use glass having a CeO 2 content as high as possible as a workpiece, and specifically, a glass having a content of about 9 mol%. It is desirable to use
[0032]
In the glass containing Sn, it can be seen from FIG. 4 that the processing speed gradually decreases as the SnO 2 content increases. Although the processing speed of Sn-containing glass is slower than that of glass containing Fe or Ce, in order to obtain the highest possible processing speed in Sn-containing glass, the SnO 2 content is preferably about 1 mol%.
[0033]
5, FIG. 6 and FIG. 7 show the dependence of the processing threshold on the content of Fe 2 O 3 , CeO 2 and SnO 2 .
[0034]
In the glass containing Fe, the lowest processing threshold value is obtained in FIG. 5 in the glass in which the content of Fe 2 O 3 is about 1 to 2 mol%. Therefore, in order to obtain both characteristics of the lowest processing threshold and the fastest processing speed, it is preferable to adjust the content of Fe 2 O 3 to about 1 to 2 mol%.
[0035]
In the case of glass containing Ce, it can be seen from FIG. 6 that the processing threshold increases almost monotonously with an increase in CeO 2 content. Therefore, in order to obtain a lower processing threshold in the processing of glass containing Ce, it is desirable to use a glass having as low a CeO 2 content as possible as a work piece. Specifically, the content is about 1 mol%. It is desirable to use this glass.
[0036]
Note that FIG. 3 shows that it is desirable to use glass containing CeO 2 at a higher concentration in order to obtain a higher processing speed. Thus, in the glass containing Ce, and CeO 2 content conditions to the machining speed and the fastest, CeO 2 content condition for the processing threshold and minimum need to note different. As a matter of course, there is no problem in selecting a glass having an appropriate CeO 2 content in accordance with the processing purpose and processing specifications. For example, when it is desired to process with a weak laser power even if the processing speed is low, it is preferable to use a glass containing CeO 2 as low as possible to as close as 1 mol%. Further, if an intermediate processing threshold and an intermediate processing speed are required, for example, the CeO 2 content may be adjusted to about 5 mol%.
[0037]
It can be seen from FIG. 7 that the processing threshold of the Sn-containing glass is relatively low as compared with the glass containing Fe or Ce. Further, the processing threshold value of the Sn-containing glass does not change greatly with respect to the SnO 2 content. As shown in FIG. 4, since the dependency of processing speed on SnO 2 content is relatively small, when using Sn-containing glass, pay attention to physical properties other than laser workability, such as refractive index, light transmittance, and thermal expansion coefficient. Thus, a more desirable glass composition can be selected.
[0038]
As described above, it was confirmed that laser processing was possible with all the glasses shown in Tables 1 to 3. That is, it was found that glass containing at least one element among Fe, Ce, and Sn can be processed by laser irradiation. The contents of Fe, Ce, and Sn at this time are 0.5 to 9 mol% in terms of Fe 2 O 3 , 1 to 9 mol% in terms of CeO 2 , and 1 to 5 mol% in terms of SnO 2 , respectively. .
[0039]
In glass, iron is known to have both divalent and trivalent states, and the ratio is known to vary depending on the composition and melting conditions. In general, since the main absorption of divalent iron is in the vicinity of 1 μm, it is considered that the presence of divalent iron does not contribute to the absorption of ultraviolet laser light or contributes little. In consideration of this, it can be expected that the processing threshold and the processing speed depend only on the amount of trivalent iron.
[0040]
From the total iron amount (generally expressed as T-Fe 2 O 3 ) when all the iron oxide added to the host glass is Fe 2 O 3 , the FeO amount obtained by the analysis is subtracted, The molar ratio of ferric trioxide Fe 2 O 3 was calculated. The results of examining the correlation between this value and the machining speed and the machining threshold are shown in FIGS. 8 and 9, respectively. When these are compared with FIG. 2 and FIG. 5, respectively, it turns out that the tendency of both does not change so much.
[0041]
That is, in principle, the processing threshold and processing speed are considered to depend on the amount of ferric trioxide Fe 2 O 3 in the glass, but in practice, from the total iron amount T-Fe 2 O 3 It can be said that there is no problem even if the composition is designed by approximating the processing threshold or processing speed. However, the composition design may be performed such that the ratio of the amount of divalent iron and the amount of trivalent iron is changed by controlling the melting condition to finely adjust the laser workability.
[0042]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a glass for laser processing capable of performing not only the vicinity of the glass surface but also laser processing reaching the inside of the glass. Since these have a low processing threshold, the amount of laser energy input required for laser processing can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing an apparatus for laser processing.
FIG. 2 is a graph showing the dependency of processing speed on the content of Fe 2 O 3 .
FIG. 3 is a graph showing the CeO 2 content dependency of processing speed.
FIG. 4 is a graph showing the dependency of processing speed on SnO 2 content.
FIG. 5 is a graph showing dependence of processing threshold on Fe 2 O 3 content.
FIG. 6 is a graph showing the CeO 2 content dependency of the processing threshold.
FIG. 7 is a diagram showing the SnO 2 content dependency of the processing threshold.
FIG. 8 is a graph showing the dependency of processing speed on the content of ferric trioxide Fe 2 O 3 .
FIG. 9 is a graph showing the dependence of the processing threshold on the content of ferric trioxide Fe 2 O 3 .
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (4)
前記ガラスには、鉄、セリウムおよびスズのうち、少なくとも一種類の元素が含有されていることを特徴とするレーザ加工用ガラス。In laser processing glass used for laser processing utilizing ablation or evaporation induced by absorption of laser light,
The glass for laser processing, wherein the glass contains at least one element of iron, cerium, and tin.
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