JP2005060263A - 化粧品配合用シリカ系微粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 化粧品配合用のシリカ系微粒子において、吸油量、細孔径、粒子径、比表面積などの本来の物性、特に吸油量を維持しつつ、シリカ系微粒子の肌触り特性の向上とを両立させる方法を提供する。
【解決手段】 化粧品配合用シリカ系微粒子において、この微粒子を600〜1100℃で焼成することにより、当該微粒子の肌触り特性を改良する。シリカ系微粒子の粒子形状は球形状であるものが好ましく、特に吸油量は、100mL/100g以上であるものが好ましい。このシリカ系微粒子は、実質的にシリカ成分のみからなるものであってもよいし、酸化チタン等の金属酸化物を5〜80質量%内包するものであってもよい。
【選択図】 なし
【解決手段】 化粧品配合用シリカ系微粒子において、この微粒子を600〜1100℃で焼成することにより、当該微粒子の肌触り特性を改良する。シリカ系微粒子の粒子形状は球形状であるものが好ましく、特に吸油量は、100mL/100g以上であるものが好ましい。このシリカ系微粒子は、実質的にシリカ成分のみからなるものであってもよいし、酸化チタン等の金属酸化物を5〜80質量%内包するものであってもよい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、主として化粧品に配合されるシリカ系微小粒子の肌触り特性を向上させる方法、より詳しくはかかる化粧品配合用シリカ系微粒子の製造方法に関するものである。
化粧品はほぼ毎日使用されるものであり、かつ肌に塗布され、肌に直接接触することから、その機能や安全性は勿論のこと、肌触り、しっとり感、清涼感等の人の感性による評価、より具体的には、肌で感じる使用感が、なにより重要視される商品である。ファンデーション等の化粧品を購入するユーザーは、その機能と同様に、使用感・感触等の皮膚感覚における心地よさを非常に重要視する。
しかして、皮膚から分泌される皮脂や汗は、ファンデーションなどの油分、活性剤などと混じり合い、経時での化粧くずれの原因となる。シリカ系微小粒子は一般に、多孔質構造であり、これを化粧品に配合した場合、かかる皮脂や汗などを吸収する高い機能(吸油量で表現される。)を有していることから、化粧持ちを向上させるため、ファンデーションなどに好適に配合されており、また、チタンや亜鉛などの金属酸化物の微粒子を含むシリカ系微小粒子は、当該吸油特性とともに、紫外線を散乱してその透過を低減させる効果があり、いわゆる紫外線カット用化粧品に配合されている(例えば、特許文献1〜6を参照。)。
シリカ系微粒子は、このように、化粧品に皮脂や汗などを吸収する機能等を付与する材料として配合されるが、肌触りを向上させるためには、上記文献にも記載のとおり、通常、球状の微粒子が好ましく用いられる。球状微粒子は不定形微粒子に較べてはるかに転がりやすく、肌にすべすべ感を出すことが出来て、非常に心地よい肌触りを付与することができるからである。
しかしながら、現在、化粧品の需用者は、より高い特性を求める状況にあり、さらに、一層の良好な肌触り感が求められている。このような、より高い肌触り特性を得るための、一つの重要な因子は、理論的には、粒子表面の凹凸を減らして平滑にすることである。シリカ系微粒子は、基本的に1次粒子が凝集した2次粒子からなっており、粒子表面の凹凸を低減するためには、この1次粒子の径を小さくすればよいのである。
ところが、化粧品配合用のシリカ系微粒子、例えばシリカゲル微粒子の製造方法においては、吸油量、粒子径、比表面積等の基本的な物性や機能を、所定の範囲に保持することが要請されるが、このような物性を充足するシリカ系微粒子の製造条件では、1次粒子径のみを小さくすることは、困難であることが見出された。
また、特許文献7には、シリカゲルを900〜1100℃で焼成して無孔質又は無孔質に近いシリカ粒子を得ることが記載されている。しかしながら、この方法は、得られる粒子が無孔質であって、吸油量が極めて低いものであり、本発明が解決しようとする課題とは別の課題に関係するものである。
本発明の目的は、化粧品配合用のシリカ系微粒子において、吸油量、細孔径、粒子径、比表面積などの本来の物性、特に吸油量と、シリカ系微粒子の肌触り特性の向上とを両立させる方法を提供することにある。
本発明に従えば、以下の肌触り特性の改良方法が提供される。
〔1〕
化粧品配合用シリカ系微粒子において、当該微粒子を600〜1100℃で焼成し、かつ、焼成後のJIS K 5101法による吸油量が100〜600mL/100gであることを特徴とする、化粧品配合用シリカ系微粒子の製造方法。
化粧品配合用シリカ系微粒子において、当該微粒子を600〜1100℃で焼成し、かつ、焼成後のJIS K 5101法による吸油量が100〜600mL/100gであることを特徴とする、化粧品配合用シリカ系微粒子の製造方法。
〔2〕
前記シリカ系微粒子の粒子形状が、球形状であり、かつ、その粒子径が1〜300μmである、〔1〕に記載の製造方法。
前記シリカ系微粒子の粒子形状が、球形状であり、かつ、その粒子径が1〜300μmである、〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕
前記シリカ系微粒子が、実質的にシリカ成分のみからなるものである、〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
前記シリカ系微粒子が、実質的にシリカ成分のみからなるものである、〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕
前記シリカ系微粒子が、金属酸化物を5〜80質量%含むものである、〔1〕〜〔2〕のいずれかに記載の製造方法。
前記シリカ系微粒子が、金属酸化物を5〜80質量%含むものである、〔1〕〜〔2〕のいずれかに記載の製造方法。
〔5〕
前記金属酸化物が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄及び酸化ジルコニウムからなる群より選択されるものである、〔4〕に記載の製造方法。
前記金属酸化物が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄及び酸化ジルコニウムからなる群より選択されるものである、〔4〕に記載の製造方法。
〔6〕
〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の方法により製造されたシリカ系微粒子が配合されてなる化粧品。
〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の方法により製造されたシリカ系微粒子が配合されてなる化粧品。
(シリカ系微粒子)
以下、本発明について詳細に説明する。本発明を適用するためのシリカ系微粒子としては、実質的にシリカ成分からのみなる多孔質シリカゲル微粒子、または、金属酸化物を内包する複合化された多孔質シリカゲル微粒子のいずれであってもよい(以下両者を意味する場合は「シリカゲル微粒子等」という。)。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明を適用するためのシリカ系微粒子としては、実質的にシリカ成分からのみなる多孔質シリカゲル微粒子、または、金属酸化物を内包する複合化された多孔質シリカゲル微粒子のいずれであってもよい(以下両者を意味する場合は「シリカゲル微粒子等」という。)。
シリカゲル微粒子等としては、化粧品に配合した場合、最高度の肌触りを確保するためには球状の微粒子を用いることが最も好ましいが、球状微粒子以外に、天然品を粉砕した不定形微粒子であってもよい。本発明を適用することによって肌触り特性が確実に向上するので、例えば、必ずしも最高の肌触りが求められないような化粧品の分野においては、不定形微粒子も十分に使用可能である。なお、球状粒子は、ケイ酸ナトリウムや有機シラン化合物を原料として合成される。
シリカ系微粒子のJIS K 5101法による吸油量としては、一般的に60〜600mL/100g、好ましくは80〜600mL/100g、さらに好ましくは100〜600mL/100g、最も好ましくは100〜400mL/100gである。また、粒子径は、1〜500μm、好ましくは1〜300μmである。
金属酸化物内包シリカゲルとしては、当該粒子中に金属酸化物微粒子をSiO2 に対し5〜80質量%程度含むものが好ましい。含有量がこれ未満であると、紫外線遮蔽効果等の金属酸化物配合の所定の効果が充分奏されず、これを超えると、金属酸化物粒子をシリカゲル粒子内に十分内包することが困難になり、シリカゲル表面から露出した金属酸化物微粒子が配合された化粧品のマトリクス成分と接触してこれを変質、分解させるおそれがある。
内包する金属酸化物微粒子の粒径は、0.002〜0.5μm好ましくは0.01〜0.5μm程度のものである。
金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化ジルコニウム等が好ましいものとして挙げられる。
(基材シリカゲル微粒子等の調製)
基材となるシリカゲルの調製方法は特に限定するものではないが、例えば、次のようにして得られる。すなわち、アルカリ金属ケイ酸塩と鉱酸とを反応させ、SiO2 の質量に対する水の質量の比率が、1.5〜5.0質量倍であるシリカヒドロゲルを得、得られたシリカヒドロゲルを、SiO2 濃度が5.0〜15.0質量%のスラリー状態で、撹拌下水熱処理し、平均粒子径100μm以下の微細化したシリカヒドロゲルスラリーとし、当該微細化したヒドロゲルスラリーを乾燥することにより微小粒子状シリカゲルとする。
基材となるシリカゲルの調製方法は特に限定するものではないが、例えば、次のようにして得られる。すなわち、アルカリ金属ケイ酸塩と鉱酸とを反応させ、SiO2 の質量に対する水の質量の比率が、1.5〜5.0質量倍であるシリカヒドロゲルを得、得られたシリカヒドロゲルを、SiO2 濃度が5.0〜15.0質量%のスラリー状態で、撹拌下水熱処理し、平均粒子径100μm以下の微細化したシリカヒドロゲルスラリーとし、当該微細化したヒドロゲルスラリーを乾燥することにより微小粒子状シリカゲルとする。
また、金属酸化物微粒子をシリカゲルに内包させる場合は、上記と同様にして得た微細化シリカヒドロゲルスラリー中に金属酸化物微粒子を導入しシリカヒドロゲル微粒子と金属酸化物微粒子との混合スラリーを得、この混合スラリーを乾燥することにより、金属酸化物微粒子内包粒子状シリカゲルが得られる。
また別の方法として、アルカリ金属ケイ酸塩水溶液を、界面活性剤を含む水と溶け合わない有機溶媒、例えば炭素数9〜12程度の飽和炭化水素からなる溶媒中で乳化せしめ、ついで、炭酸ガス等のゲル化剤を添加してこの乳化液をゲル化させ、以下上記に準じて乾燥することによって得ることもできる。なお、金属酸化物粒子を内包させる場合は、当該アルカリ金属ケイ酸塩水溶液中に金属酸化物微粒子を分散させて同様に処理すればよい。
(焼成処理)
本発明の化粧品配合用シリカ系微粒子は、例えば上記のごとくして得られた基材であるシリカゲル微粒子等を、600〜1100℃、好ましくは750〜1000℃、さらに好ましくは800℃〜950℃で焼成することにより調製される。
本発明の化粧品配合用シリカ系微粒子は、例えば上記のごとくして得られた基材であるシリカゲル微粒子等を、600〜1100℃、好ましくは750〜1000℃、さらに好ましくは800℃〜950℃で焼成することにより調製される。
焼成を実施するための炉としては、特に限定するものではなく、加熱温度、処理量等に応じて各種の加熱炉を用いることが出来、バッチ炉、回転炉、移動層型炉、流動層型炉、などいずれのタイプの炉でもかまわない。例えば、具体的には、マッフル炉、反射炉、レトルト炉、輻射バーナー管炉、コンベア炉、ロータリーキルン等を挙げることができる。
焼成時間は、焼成温度によって適宜変更することが好ましく、焼成温度600℃〜1100℃では、焼成時間10分〜10時間が好ましく、焼成温度750℃〜1000℃では、15分〜5時間、焼成温度800℃〜950℃では、焼成時間20分〜2時間程度が特に好ましい。焼成温度と時間が上記条件未満では、表面肌触りの改善効果が得られにくく、また逆に上記条件を超えると基本物性の変化が大きくなってしまうことから、いずれも好ましくない。
本発明においては、このような基材となるシリカゲル微粒子等を、上記特定の条件で焼成することにより、肌触り特性を顕著に向上させることができる。この理由は明確ではないが、おそらく、当該焼成により、シリカゲルの1次粒子の凝集に起因する表面の凹凸が、焼成によってごく表面近傍の粒子のみ若干溶融し、これによって平滑性が向上し、肌触りがよくなるものであろうと推定される。上記したように、焼成条件が、上記規定値未満で、不十分であると、表面の溶融が不十分で肌触りが向上せず、また逆に焼成が上記規定より過剰であると、粒子内部まで溶融し、吸油量、細孔径、粒子径、比表面積等の基本物性の変化が大きくなってしまうため、好ましくないのである。
(対象化粧品)
本発明において、上記のごとくして焼成され、肌触り特性の改良された化粧品配合用のシリカ系微粒子が配合される対象の化粧品としては、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、頭髪化粧品、基礎化粧品、清浄用化粧品、日焼け・日焼け止め化粧品、アイライナー化粧品、ネイル化粧品、口唇化粧品、口腔化粧品、入浴用化粧品である。
本発明において、上記のごとくして焼成され、肌触り特性の改良された化粧品配合用のシリカ系微粒子が配合される対象の化粧品としては、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、頭髪化粧品、基礎化粧品、清浄用化粧品、日焼け・日焼け止め化粧品、アイライナー化粧品、ネイル化粧品、口唇化粧品、口腔化粧品、入浴用化粧品である。
すなわち、より具体的な化粧品としては、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス、サンスクリーン剤(サンスクリーンクリーム(O/W型又はW/O型)等いずれでもよい。)、サンオイル等のスキンケア化粧品;油性ケーキファンデーション、乳化ファンデーション(O/W型又はW/O型)、ケーキファンデーション等のファンデーション、白粉、化粧下地、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、ネイルエナメル、オーバーコート剤、口紅、頬紅、リップグロウ、プレストパウダー等のメイクアップ化粧品;ヘアクリーム、シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアジェル、ヘアスタイリング、ヘアトリートメント、ヘアリキッド、整髪料等の毛髪用化粧品;洗顔フォーム、シャンプー、クレンジング、パック、ピールオフパックなどの清浄用化粧品などが挙げられ、液状、乳液状、固形状、ペースト状、ジェル状等の形態を適宜選択することができる。
(化粧品の基本成分)
本発明におけるシリカ系微粒子が配合される化粧品に使用する構成成分としては、化粧品に一般的に用いられているものを、目的に応じて適宜使用できる。
本発明におけるシリカ系微粒子が配合される化粧品に使用する構成成分としては、化粧品に一般的に用いられているものを、目的に応じて適宜使用できる。
例えば、油相成分、界面活性剤、紫外線吸収剤、着色顔料、光輝性顔料、有機粉体、無機粉体、表面処理粉体、タール系色素、香料、保香剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、抗炎症剤、保湿剤、美容成分、増粘剤、生理活性成分、溶剤、精製水等の通常化粧品に配合される基本成分を、いずれも配合・使用することが可能である。
(シリカ系微粒子の配合)
本発明のシリカ系微粒子の化粧品への配合量は、化粧品の種類や使用環境により適宜変更可能であるが、通常、0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%程度である。
本発明のシリカ系微粒子の化粧品への配合量は、化粧品の種類や使用環境により適宜変更可能であるが、通常、0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%程度である。
本発明の化粧品配合用シリカ系微粒子は、所望の種類の化粧品の基本成分とともに、混練又は混合することにより当該シリカ系微粒子を均一に分散させた化粧品とすることができる。好ましい混練または混合装置としては、例えば、コロイドミル、ホモミキサー、パドルミキサー、タービンミキサー、ロールミル、ミュラーミキサー、ニーダーミキサー、ボテーター、ヘンシェルミキサー、ホモディスパー、ホモジナイザー、インライン式連続乳化機、超音波乳化機等が例示される。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれに限定されるものではない。
〔製造例1〕
(多孔質シリカ微粒子の調製)
多孔質シリカ微粒子を、以下の方法を用いて、調製した。
(多孔質シリカ微粒子の調製)
多孔質シリカ微粒子を、以下の方法を用いて、調製した。
(ヒドロゲル化工程)
SiO2 /Na2 O= 3.0(モル比)、SiO2 濃度= 21.0質量%であるケイ酸ナトリウム水溶液を2.0L/minで、及び濃度= 20.0質量%の硫酸水溶液とを放出口を備えた容器内に別個の導入口から導入して瞬間的に均一混合して、放出口から空気中に放出される液のpHが7.5〜8.0になるように2液の流量比を調整し、均一混合されたシリカゾル液を放出口から連続的に空気中に放出させた。
SiO2 /Na2 O= 3.0(モル比)、SiO2 濃度= 21.0質量%であるケイ酸ナトリウム水溶液を2.0L/minで、及び濃度= 20.0質量%の硫酸水溶液とを放出口を備えた容器内に別個の導入口から導入して瞬間的に均一混合して、放出口から空気中に放出される液のpHが7.5〜8.0になるように2液の流量比を調整し、均一混合されたシリカゾル液を放出口から連続的に空気中に放出させた。
放出された液は、空気中で球形液滴となり、空中でゲル化する。これを水を入れた熟成槽に落下せしめて熟成させた。
熟成後、pHを6に調整し、さらに十分水洗した。得られたシリカヒドロゲル粒子は、粒子形状が、球状であり、平均粒子径が6mmであった。
(水熱微粉砕処理工程)
次にシリカヒドロゲルを、ロールクラッシャーを用いて、平均粒子径1.0mmに粗粉砕した。アンカー型撹拌羽根を備えた内容量50Lのオートクレーブに上記の粗粉砕されたシリカヒドロゲル22,000g及び水18,000gを仕込み、SiO2 濃度10.0質量%のスラリー状態で、温度200℃で時間3hr、撹拌回転数90rpmで水熱微粉砕処理を行った。シリカヒドロゲルスラリーのpHは6であった。
次にシリカヒドロゲルを、ロールクラッシャーを用いて、平均粒子径1.0mmに粗粉砕した。アンカー型撹拌羽根を備えた内容量50Lのオートクレーブに上記の粗粉砕されたシリカヒドロゲル22,000g及び水18,000gを仕込み、SiO2 濃度10.0質量%のスラリー状態で、温度200℃で時間3hr、撹拌回転数90rpmで水熱微粉砕処理を行った。シリカヒドロゲルスラリーのpHは6であった。
水熱微粉砕処理後のスラリー中のシリカヒドロゲル粒子は、微粉砕化されており、コールターカウンター(MAII型、コールターエレクトロニクス社製、アパーチャーチューブ径280μm使用) による粒子径測定では、平均粒子径15μmであった。また、水熱処理後のスラリー中のSiO2 濃度は、10.3質量%であった。
(湿式粉砕工程)
次いで、上記スラリーを、その濃度のまま湿式粉砕機(シンマルエンタープライゼス社製ダイノ−ミル、直径0.5mmビーズ使用)を用いて、さらに微粉砕した。微粉砕後のスラリー中のシリカヒドロゲル粒子のコールターカウンター(MAII型、アパーチャーチューブ径50μm使用) による平均粒子径は、1.6μmであった。
次いで、上記スラリーを、その濃度のまま湿式粉砕機(シンマルエンタープライゼス社製ダイノ−ミル、直径0.5mmビーズ使用)を用いて、さらに微粉砕した。微粉砕後のスラリー中のシリカヒドロゲル粒子のコールターカウンター(MAII型、アパーチャーチューブ径50μm使用) による平均粒子径は、1.6μmであった。
(乾燥工程)
次いで、上記スラリーを、その濃度のまま小型のスプレードライヤー(ヤマト科学社製GA32型)を用いて、噴霧乾燥を行い、球形状の多孔質シリカ微粒子を得た。得られた乾燥粒子のコールターカウンター(MAII型、アパーチャーチューブ径50μm使用) による平均粒子径は、4.5μmであった。吸油量は188mL/100gであった。
次いで、上記スラリーを、その濃度のまま小型のスプレードライヤー(ヤマト科学社製GA32型)を用いて、噴霧乾燥を行い、球形状の多孔質シリカ微粒子を得た。得られた乾燥粒子のコールターカウンター(MAII型、アパーチャーチューブ径50μm使用) による平均粒子径は、4.5μmであった。吸油量は188mL/100gであった。
〔製造例2〕
製造例1の湿式粉砕工程において、平均粒子径0.02μmの酸化チタンをSiO2 に対して50質量部添加する以外は、同一の方法を用いて、酸化チタンを内包した複合化多孔質シリカ微粒子を得た。得られた乾燥粒子球形状であり、そのコールターカウンターによる平均粒子径は、5.0μmであった。吸油量は145mL/100gであった。
製造例1の湿式粉砕工程において、平均粒子径0.02μmの酸化チタンをSiO2 に対して50質量部添加する以外は、同一の方法を用いて、酸化チタンを内包した複合化多孔質シリカ微粒子を得た。得られた乾燥粒子球形状であり、そのコールターカウンターによる平均粒子径は、5.0μmであった。吸油量は145mL/100gであった。
前記製造例1において調製した多孔質シリカ微粒子を、マッフル炉に装入し、焼成温度600°にて、30分焼成した。焼成後のシリカ粒子について、以下の方法により、吸油量及び肌触り特性を測定した。結果を表1に示した。
(i)(吸油量)
JIS K 5101により測定した。
(ii)(肌触り特性の評価)
10人の被験者の手の甲に0.1gの焼成後のシリカ微粒子をサンプルとして乗せ、指で軽くこすった時の肌触りの滑らかさを、未処理粒子をベースとして、以下の基準で評価した。
◎:10人全員が良くなったと感じた。
○:5〜9人が良くなったと感じた。
△:2〜4人が良くなったと感じた。
×:良くなったと感じたのは1人又は0であった。
JIS K 5101により測定した。
(ii)(肌触り特性の評価)
10人の被験者の手の甲に0.1gの焼成後のシリカ微粒子をサンプルとして乗せ、指で軽くこすった時の肌触りの滑らかさを、未処理粒子をベースとして、以下の基準で評価した。
◎:10人全員が良くなったと感じた。
○:5〜9人が良くなったと感じた。
△:2〜4人が良くなったと感じた。
×:良くなったと感じたのは1人又は0であった。
焼成温度及び焼成時間を表1に示したように変更したほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示した。
焼成温度及び焼成時間を表1に示したように変更したほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示した
焼成温度及び焼成時間を表1に示したように変更したほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示した
焼成温度及び焼成時間を表1に示したように変更したほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示した
焼成温度及び焼成時間を表1に示したように変更したほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示した
焼成温度及び焼成時間を表1に示したように変更したほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示した
焼成温度及び焼成時間を表1に示したように変更したほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示した
〔比較例1〕
焼成温度及び焼成時間を表1に示したように変更したほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示した。
焼成温度及び焼成時間を表1に示したように変更したほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示した。
〔比較例2〕
焼成温度及び焼成時間を表1に示したように変更したほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示した。
焼成温度及び焼成時間を表1に示したように変更したほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示した。
製造例1にて調製したシリカ微粒子の代わりに、製造例2にて調製した酸化チタンを内包した複合化多孔質シリカ微粒子を使用し、これを焼成温度800℃で30分焼成したものを使用するほかは、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2に示した。
実施例9で使用した酸化チタン内包シリカ微粒子を、表2に示した焼成温度、焼成時間で加熱処理するほかは、実施例9と同様な実験を行った。結果を表2に示した。
実施例9で使用した酸化チタン内包シリカ微粒子を、表2に示した焼成温度、焼成時間で加熱処理するほかは、実施例9と同様な実験を行った。結果を表2に示した。
実施例9で使用した酸化チタン内包シリカ微粒子を、表2に示した焼成温度、焼成時間で加熱処理するほかは、実施例9と同様な実験を行った。結果を表2に示した。
本発明によれば、化粧品配合用シリカ系微粒子の製造方法において、特に吸油量等の化粧品用として必須の物性を実質的に維持したまま、肌触り特性を大幅に向上させることができる。
Claims (6)
- 化粧品配合用シリカ系微粒子において、当該微粒子を600〜1100℃で焼成し、かつ、焼成後のJIS K 5101法による吸油量が100〜600mL/100gであることを特徴とする、化粧品配合用シリカ系微粒子の製造方法。
- 前記シリカ系微粒子の粒子形状が、球形状であり、かつ、その粒子径が1〜300μmである、請求項1に記載の製造方法。
- 前記シリカ系微粒子が、実質的にシリカ成分のみからなるものである、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記シリカ系微粒子が、金属酸化物を5〜80質量%含むものである、請求項1〜2のいずれかに記載の製造方法。
- 前記金属酸化物が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄及び酸化ジルコニウムからなる群より選択されるものである、請求項4に記載の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造されたシリカ系微粒子が配合されてなる化粧品。
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Cited By (7)
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