以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例に係る用紙後処理装置の概略構成を示す図、図2及び図3は図1に示した用紙後処理装置を備えた画像形成システムの概略構成を示す図である。
図2に示した形態は複写機としてのシステムの概略を示しており、画像形成装置PR、用紙を前記画像形成装置に供給する給紙装置PF、画像を読み込むためのスキャナSC及び循環式自動原稿給送装置ARDFからなる。前記画像形成装置PRにより画像形成された用紙は中継ユニットCUを経由して、フィニッシャFRの入口ガイド板に搬送されることになる。
図3はスキャナSC及び循環式自動原稿給送装置ARDFのないプリンタ形態のシステムの概略で、その他の構成は、上記複写機と同様である。フィニッシャFRとして示した用紙後処理装置は、前記に示すように画像形成装置PRの側部に取り付けられており、画像形成装置PRから排出された用紙は用紙後処理装置FRに導かれ、用紙後処理装置FRの持つ機能により各種の後処理が施される。なお、画像形成装置PRは、例えば電子写真方式の画像形成プロセスの装置やインクジェット方式の印字ヘッドを持った装置など、公知の画像形成機能を有する装置であればよいので、詳細な説明は省略する。
用紙処理装置としての用紙後処理装置FRでは、図1に示すように画像形成装置PRから受け入れられた用紙は、1枚の用紙に後処理を施す後処理手段(実施例では穿孔手段としてパンチユニット3)を有する入口搬送路Aを通り、プルーフトレイ18へ導く上搬送路B、シフトコロ9へ導く中間搬送路C、整合及びステイプル綴じ等を行うステイプルトレイ10へ導く下搬送路Dへ、分岐爪24、ターンガイド36及び分岐爪25、ターンガイド37によって振り分けられるように構成される。搬送ローラ33,34,35によってステイプルトレイ10上に搬送された用紙はステイプルトレイ10上で、ジョガーフェンス12により用紙搬送方向と垂直な方向に整合され、搬送方向は叩きコロ8により後端フェンス27を基準に整合される。その後、ステイプル排紙コロ対35の一方の軸を中心として回動する束搬送ガイド板28に支持された束搬送ローラ13bが、束搬送ガイド板28の回動によって束搬送ローラ13a側に寄り、用紙束を挟んで保持し、後端フェンス27が破線の位置へ退避する。そして、端面綴じの場合は所定位置でのステイプル処理が行われ、放出爪11により上方へ搬送され、放出ローラ15によって排紙トレイ17に排紙され積載される。図10は、前記放出爪11の駆動部の概略を示したものであるが、放出ベルト14が巻回されたタイミングプーリ101,102の駆動側のタイミングプーリ101には、駆動軸103が連結され、当該駆動軸に設けられたギヤ列104,105を介してステッピングモータ106から駆動力を得ている。
一方、中綴じの場合には、用紙束が揃えられた後、束搬送ローラ対13a,13bにより下方へ束搬送され、中綴じ位置で綴じ処理が行われる。そして、中綴じ処理が終了すると、束搬送ローラ26a,26bにより折り位置までの搬送が実施され、折りプレート19と折りローラ対20によって中折り処理がなされ、中折り排紙ローラ22によって中折り排紙トレイ23に排紙され、積載される。
上搬送路B、中間搬送路C、下搬送路Dの上流で各々に対し共通な入口搬送路Aには、画像形成装置PRから受け入れる用紙を検出する入口センサ301、その下流に搬送ローラ31、パンチユニット3、その下流に分岐爪24、ターンガイド36が順次配置されている。
分岐爪24は図示しないバネにより図1の実線の状態に保持されており、図示しないソレノイドをONすることにより、図示反時計方向に回動し(1点鎖線の状態)、下搬送路D方向へ用紙を振り分け、ソレノイドOFFならば上搬送路Bへ用紙を振り分ける。分岐爪25は図示しないバネにより図1の実線の状態に保持されており、図示しないソレノイドをONすることにより、時計方向に回動し(1点鎖線の状態)、中間搬送路Cへ用紙を振り分ける。ソレノイドOFFならば、用紙はそのまま下搬送路Dへ送られ、搬送ローラ33,34により搬送される。ターンガイド36,37はそれぞれ分岐爪24,25による用紙の振り分けを助ける働きを有する。これらのターンガイド36,37は、分岐爪24,25によって搬送方向を曲げられた用紙が当たって連れ回りし、小径の分岐部での用紙の搬送抵抗を低減する機能を有する。
中間搬送路Cには用紙を搬送方向と直角方向に一定量だけ移動可能なシフトコロ9が備えられている。シフトコロ9は、図示しない駆動手段により搬送方向と直角方向に移動させることによりシフト機能を発揮する。搬送ローラ32及びターンローラ37を経て中間搬送路Cへ送られて来た用紙はシフトコロ9で搬送中に搬送方向と直角方向に一定量移動することによって、用紙が搬送方向と直角方向に一定量ずれ、その状態のまま放出ローラ15によって排紙され、排紙トレイ17に積載される。なお、前記タイミングは、コロシフトセンサ303の用紙検知情報及び用紙のサイズ情報等に基づき決定される。
下搬送路Dにはステイプルトレイ排紙センサ305が設けられ、搬送路中の用紙の有無及びステイプルトレイ10へ用紙を排出する際の揃え動作のトリガとしている。搬送路Dに送られた用紙は、搬送ローラ33,34,35によって順次搬送され、ステイプルトレイ10に積載後、整合される。
ステイプルトレイ10に排紙された用紙の後端は、後端フェンス27を基準に整合が行われる。後端フェンス27は、図14に示すように束搬送ローラ13aの中心軸を中心に回動可能な構成となっており、ソレノイド70により後端フェンス27のソレノイド側の端部27aが駆動され、先端部が搬送路から待避する。これにより、用紙束の搬送が妨げられないように構成されている。
ステイプルトレイ10に積載された用紙は、叩きコロ8によって随時下に落とされて下端が揃えられる。叩きコロ8は支点8aを中心に、ステイプルトレイ10回りの機構を示す斜視図である図4に示すように、叩きソレノイド8sによって振り子運動を与えられ、ステイプルトレイ10へ送り込まれた用紙に間欠的に作用して用紙を後端フェンス27に突き当てる。なお、叩きコロ8はタイミングベルト8tにより反時計回りに用紙を後端フェンス27へ移動させる方向に回転している。ステイプルトレイ10に積載された用紙の搬送方向と直角方向の揃えは、ジョガーフェンス12によって行なわれる。ジョガーフェンス12は図4に示す正逆転可能なジョガーモータ12mによりタイミングベルト12bを介して駆動され、用紙の搬送方向と直角方向に往復移動する。この運動で用紙の端面を押さえる動作を行うことにより、搬送方向と直角の用紙の揃えを行う。この動作は用紙積載中及び最終用紙の積載後の随時に行なわれる。ステイプルトレイ10に備えられたセンサ306は、ステイプルトレイ10上の用紙の有無を検知する所謂用紙検知センサである。これら叩きコロ8、後端フェンス27及びジョガーフェンス12が用紙束を用紙搬送方向に対して平行な方向と直交する方向に整合させる整合手段を構成している。
束搬送ローラ13a,13b及び26a,26bは、図12に示す機構により、加圧、解放動作が可能であり、解放した状態で用紙束を間に通した後、加圧して用紙束を搬送する。束搬送ローラ13a,13b及び26a,26bは圧解除モータ63により圧接離間移動が自在になっている。前記搬送コロ13a,13b及び26a,26bはステッピングモータ50、プーリ51、タイミングベルト52により回転駆動され、このステッピングモータ50の回転数を制御することにより用紙束の搬送量が制御される。各束搬送ローラ13a,13b及び26a,26bの両者はそれぞれ別個独立して圧接離間移動が自在になっている。各束搬送ローラの圧解除機構は、同様となっているので束搬送ローラ13a,13bについて詳細に説明する。
図12に示すように束搬送ローラ13a,13bは、回転方向が反対でかつ同速度で回転するように駆動系が連結されている。駆動は、ステッピングモータ50を駆動源として束搬送ローラ13aに同軸に配されたタイミングプーリ53およびギアプーリ54に伝達される。さらにギアプーリ54から、アイドラプーリ55を経て、アーム56によって連結され、束搬送ローラ13bと同軸上に配されたタイミングプーリ58にタイミングベルト57を介して駆動が伝達され、束搬送ローラ13bが回転することになる。アーム56は、ギアプーリ55を中心に回動可能となっており、束搬送ローラ13b軸に設けられた引張スプリング64により用紙へ圧接する方向に弾性付勢されている。また、束搬送ローラ13b軸にはリンク59が連結されており、前記リンクの他方側には長穴59aが設けられ、ギヤ60の円周上に設けられた凸部60pに回動自在に遊嵌されている。また、前記ギア60の一端には束搬送ローラ13a,13bの開放状態をフィラー60aによって検知するためのセンサ61が設けられ、圧解除モータ63を反時計回り及び時計回りに回転させ、ギア62によって前記ギア60を駆動することにより、圧接及び圧解除を行う。図12(a)が圧解除の状態、図12(b)が圧接の状態である。
ステイプルユニット5は針を打ち出すステッチャ部5aと用紙束に打ち込まれた針の先端を曲げるクリンチャ部5bから構成されている。本実施例におけるステイプルユニット5では、これらステッチャ5aとクリンチャ5bが別体に構成され、ステイプラ移動ガイド6によって用紙束搬送方向と直角方向に移動可能となっており、ステッチャ5aとクリンチャ5bは図示しない相対的位置決め機構と移動機構を備えている。用紙束の搬送方向のステイプル位置は、束搬送ローラ13a,13bにより用紙束を搬送することによって行う。これらにより、用紙束の様々な位置にステイプル止めを行うことができる。
ステイプルユニット5の用紙搬送方向下流側(用紙を折る場合の下流側、位置的には下側)にあるのが、中折り機構部である。これは、折りローラ対20、折りプレート19、ストッパ21などから成り、上流のステイプルユニット5で、用紙の搬送方向中央にステイプル止めした用紙束を束搬送ローラ13a,13bによりストッパ21に突き当るまで搬送し、一旦、束搬送ローラ13bのニップ圧を解除することにより、用紙束の折り基準位置の位置が決められる。その後、束搬送ローラ26a,26bのニップ圧をかけて用紙束を保持し、ストッパ21が後退して用紙束後端から外れ、画像形成装置本体から送られた用紙サイズ信号により、必要な距離を搬送されて折りの位置が出される。折りの位置(通常は用紙束搬送方向の中央)まで搬送され、停止した用紙束は、折りプレート19によって折りローラ対20のニップに押し込まれ、折りローラ対20が用紙束を加圧、回転することより中折りされる。その際、用紙サイズが大きいと前記ストッパ21よりも用紙搬送方向下流側に用紙束が送られる。そこで、この実施例では、ストッパ21配設位置より下流側の搬送経路を湾曲させて用紙束の端部を水平方向に導いている。このように構成することにより、大きな用紙サイズのものであっても、用紙の搬送が可能となり、用紙後処理装置2の高さ方向のサイズをコンパクトにすることが可能となる。
なお、図15に示すようにストッパ21は束搬送ローラ26aの中心軸を中心に回動可能な構成となっており、ソレノイド72によりソレノイド側の端部21aが駆動され、先端部が搬送路から待避する構成となっている。折られた用紙束は中折り排紙ローラ22によって、中折り排紙トレイ23に排紙され、積載される。中折り部のセンサ310,311は用紙の有無を検知する。また、中折り排紙トレイ23のセンサ313は、中折り排紙トレイ23上の用紙束の有無を検知し、用紙束無しの状態から排紙した用紙束の数をカウントすることにより、中折り排紙トレイ23の満杯検知を擬似的に行うために用いられる。また、折りエンドストッパ位置検知センサ312は、ストッパ21の作動及びストッパが解除されたときの用紙束の端部位置を検出する。
図16は本実施例に係る用紙後処理装置の制御回路を画像形成装置とともに示すもので、制御装置350は、CPU360、I/Oインターフェース370等を有するマイクロコンピュータからなり、画像形成装置PR本体のコントロールパネルの各スイッチ等、および入口センサ301、上排紙センサ302、コロシフトセンサ303、スティプル排紙センサ305、ステイプルトレイ紙有無センサ306、放出爪位置検知センサ307、排紙センサ308、紙面検知センサ309、折りユニット紙有無検知センサ310、折りローラ配置検知センサ311、折りエンドストッパ位置検知センサ312、紙有無検知センサ313等の各センサからの信号がI/Oインターフェース370を介してCPU360へ入力される。CPU360は、入力された信号に基づいて、各種モータやソレノイドなどの制御を司る。また、パンチユニット3もクラッチやモータを制御することによりCPU360の指示によって穴明けを実行する。
なお、用紙後処理装置2の制御は前記CPU360が図示しないROMに書き込まれたプログラムを、図示しないRAMをワークエリアとして使用しながら実行することにより行われる。
以下、具体的な後処理モードを例に、実際の後処理動作を説明する
(1)無処理モード(プルーフ排紙)
画像形成装置1から出力された用紙は入口搬送路Aを通り、第1分岐爪24によって上搬送路Bに案内され、必要であればパンチ処理が実施され、排紙ローラ7によってプルーフトレイ18に排紙される。
(2)シフト積載モード
部単位で用紙束を出力する場合でもステイプル綴じを行なわない際には、部毎にシフトさせて積載し、部単位の判別を分かりやすくすることができる。このモードでは、画像形成装置1から出力された用紙は入口搬送路Aを通り、第1分岐爪24によって下搬送路D方向に案内される。この際、ユーザーの選択によってパンチユニット3で用紙端部にパンチ穴が開けられる。その後、用紙は第2分岐爪25により中間搬送路Cへ案内され、シフトコロ9によって搬送方向と直角方向にシフトされながら搬送され、排紙ガイド板16に案内されて放出ローラ15によって排紙トレイ17に排紙され積載される。パンチユニット3によってパンチ穴が開けられた後のパンチカスは、ホッパ4に収容される。
(3)端面綴じモード
端面綴じモードは部単位に用紙束の端面にステイプル綴じを施すモードである。図17は端面綴じモードにおける動作手順を示すフローチャートである。
画像形成装置から出力された用紙は入口搬送路Aを通り、第1分岐爪24をオンすること(ステップS101)によって下搬送路D方向に案内され、各搬送ローラ、排紙ローラ35を駆動し(ステップS102,S103)、搬送路Dに沿って移動する。この際、ステイプルトレイ10に積載される用紙をカウントする積載枚数カウンタをクリアし(ステップS105)、ユーザの選択によってパンチユニット3で用紙端部にパンチ穴が開けられる(ステップS106)。その後、用紙はそのまま下搬送路Dを通ってステイプルトレイ10に積載される。ステイプルトレイ10に排出された用紙は、叩きコロ8によって後端フェンス27を基準に揃えられる(用紙束は図4の位置−ステップS107,S108)。
用紙束の搬送方向と直角方向の揃えはジョガーフェンス12によりステイプルトレイ10の用紙積載部の幅を狭める動作によって行なわれる(用紙束は図4の位置−ステップS109)。揃え動作が終了すると、積載枚数カウンタをカウントアップし(ステップS110)、ステイプルトレイ10に必要な枚数分用紙が積載された後(ステップS111)、束搬送ローラ13a,13bが用紙束下端部をくわえ、用紙を保持し(ステップS112)、後端フェンス27が用紙積載面から後退する(ステップS113)。
ステイプルユニット5の移動方向の位置は、まずステイプルユニットホームポジションセンサ314(図5)によってホームポジションが検出され、ホームポジションからの移動量(図示しないステイプルユニット移動ステッピングモータの駆動パルス数)から検出される。端部1ヶ所綴じでA4縦またはA4縦サイズより幅方向に広いサイズの場合(ステイプルユニット5と後端フェンス27が接触しない綴じ位置の場合)、予めステイプルユニット5が綴じ位置で待機し(ステップS104)、ステイプルトレイ10に必要な枚数分用紙が積載された後、その場所でステイプラ綴じを行う。綴じ位置が、ステイプルユニット5のホームポジションに対して後端フェンス27を挟んで反対側の場合は、最初の揃え動作の開始前に後端フェンス27を退避させ、ステイプルユニット5を後端フェンス27の反対方向の綴じ位置まで移動させる。その後、後端フェンス27を戻し、ステイプルトレイ10に必要な枚数分用紙が積載された後、その場所でステイプラ綴じを行う(図6、図17のフローチャート参照)。
端部1ヶ所綴じでA4縦サイズより幅方向に狭いサイズの場合(ステイプルユニット5と後端フェンス27が接触する綴じ位置の場合)、予めステイプルユニット5がA4縦の綴じ位置(ステイプルユニット5と後端フェンス27が接触しない最寄りの位置)で待機し、ステイプルトレイ10に必要な枚数分用紙が積載された後、束搬送ローラ13a,13bが用紙束下端部をくわえ、用紙を保持し、後端フェンス27が用紙積載面より後退する。その後、サイズに応じてステッチャ5aとクリンチャ5bはステイプラ移動ガイド6によって互いの相対位置を保ったまま用紙搬送方向と直角方向に移動してステイプラ綴じを行う。綴じ位置が、ステイプルユニット5のホームポジションに対して後端フェンス12を挟んで反対側の場合は、最初の揃え動作の開始前に後端フェンス12を退避させ、ステイプルユニット5を後端フェンス12の反対方向の待機位置(ホームポジションの反対側の、ステイプルユニット5と後端フェンス27が接触しない最寄りの位置)まで移動させる。その後、後端フェンス12を戻し、ステイプルトレイ10に必要な枚数分用紙が積載された後、前述の動作と同様にステイプラ綴じを行う(図7)。
端面2ヶ所綴じの場合、前述した1ヶ所綴じ小サイズと同様に、予めステイプルユニット5がA4縦の綴じ位置(ステイプルユニット5と後端フェンス27が接触しない最寄りの位置)で待機し、ステイプルトレイ10に必要な枚数分用紙が積載された後、束搬送ローラ13a、13bが用紙束下端部をくわえ、後端フェンス27が用紙積載面より後退し、ステイプルユニット5が移動・綴じを行う。2箇所の綴じが終了すると次束の綴じに備えて、前回の待機位置と後端フェンス12を挟んで反対側の待機位置にステイプルユニット5が移動する(図8)。
用紙束はステイプルユニット5による綴じ位置(通常の端部綴じは、用紙搬送方向に5mm)にてステイプル綴じされる(ステップS114)。端部綴じモードでのステイプラの綴じ位置は主に手前、2ヶ所、奥の選択が可能であるが、選択された綴じ位置に応じてステッチャ5aとクリンチャ5bはステイプラ移動ガイド6によって互いの相対位置を保ったまま用紙搬送方向と直角方向に移動してステイプラ綴じを行う。このステイプルユニット5は上下分離タイプと呼ばれる形式で、針を打ち出すステッチャ5aと用紙束を貫通した針を曲げる処理を行うクリンチャ5bに分けられており、ステッチャ5aとクリンチャ5b間を用紙が通過可能なことが特徴である。なお、符号205,206は、ステイプルユニット5の側板間に固定された1対のステーである。
このようにして端面綴じが終了すると、放出爪11が用紙排出方向に移動し(ステップS115)、用紙端部と接触すると同時に束搬送ローラ13a,13bの圧接状態を解除する(ステップS116)。綴じ処理が終了すると、排紙ガイド板16が所定角開放され(ステップS117)、綴じられた用紙束は、放出ベルト14と一体に移動する放出爪11によって上方へ持ち上げられる。放出爪11は放出ベルト14でステイプルトレイ10の上端まで用紙束を持ち上げることができ、排紙ガイド板16間に用紙束が進入すると、排紙ガイド板16は閉鎖され、用紙束は放出ローラ15から駆動力を得て(ステップS118)排紙トレイ17に排紙され積載される(ステップS119)。なお、排紙ガイド板16は用紙束の厚さに応じて放出ローラとの間隔を調整可能となっている。
排紙が完了すると放出ローラ15を停止し(ステップS119)、放出位置検知センサがオンになるまで、すなわち、放出爪11がホームポジションに位置するまで放出ベルト14を駆動し(ステップS120)、ホームポジションに位置した時点で停止させる(ステップS121)。この動作をステップS104から所定部数終了するまで繰り返す。
端面綴じの動作を図11に示す。図11(a)では、用紙搬送方向後端部と用紙搬送方向に直交する方向とが揃えられ(ステップS107,S108)、1部の用紙の必要枚数が揃った(ステップS110)状態である。この状態から図11(b)に示すように束搬送ローラ13a,13bにくわえ込まれ(ステップS111)、図11(c)に示すように後端フェンス27が後退して(ステップS112)ステイプルユニット5が綴じ位置に移動し、図11(d)に示すように綴じ位置で綴じ動作が行われる(ステップS113)。
(4)中綴じモード
中綴じモードは用紙束の中央部にステイプル綴じを施すモードである。図18は中綴じモードにおける動作手順を示すフローチャートである。以下の説明で端面綴じモードど同等な動作には、同一の参照符号を付してある。なお、この中綴じ製本モードでは、端面綴じモードのステップS114のステイプル処理ステップをステップS121からS127の処理に置換したもので、ステップS101からステップS113まで、及びステップS115からステップS122までは端面綴じモードと同様であるので重複する説明は省略し、異なる点のみ説明する。
ステップS101で第1分岐爪24をオンすることによって下搬送路D方向に案内され、ステップS111で束搬送ローラ13a,13bが用紙束下端部をくわえ、ステップS113で後端フェンス27が用紙積載面より後退し、束搬送ローラ13a,13bが用紙束を下方へ搬送する(ステップS121)。用紙束はステイプルユニット5による綴じ位置(中綴じ時は用紙束の搬送方向長さの中央)で止められ(ステップS122,S123)、ステイプルユニット5によってステイプル綴じされる(ステップS124)。
中綴じモードでのステイプラの綴じ位置は通常2ヶ所であるが、この綴じ位置に応じてステッチャ5aとクリンチャ5bはステイプラ移動ガイド6によって互いの相対位置を保ったまま用紙搬送方向と直角方向に移動してステイプラ綴じを行う(図9)。綴じ処理が終了した用紙束は、束搬送ローラ13a,13bによって上方向に搬送され(ステップS125)、用紙束揃え位置まで戻すと(ステップS126)、束搬送ローラ13a,13bを停止し(ステップS127)、放出爪11により上方向に排紙する(ステップS115)。そして、ステップS115以降の処理を実行する。
(5)中綴じ製本(中綴じ・中折り)モード
中綴じ製本モードは用紙束の中央部をステイプル綴じし、中央で2つ折りして、いわゆる週刊誌の様な簡易製本を行うモードである。図19は中綴じ製本モードにおける動作手順を示すフローチャートである。以下の説明で端面綴じモードど同等な動作には、同一の参照符号を付してある。なお、この中綴じ製本モードでは、ステップS101からステップS113までは端面綴じモードと同様であるので重複する説明は省略し、異なる点のみ説明する。
ステップS101で第1分岐爪24をオンすることによって下搬送路D方向に案内され、ステップS104でステイプルユニット5が待機位置に移動し、ステップS112で束搬送ローラ13a,13bが用紙束下端部をくわえ、ステップS113で後端フェンス27が用紙積載面より後退する。用紙束の搬送方向と直角方向の揃えはジョガーフェンス12によるステイプルトレイ10の用紙積載部の幅を狭める動作によって行なわれる。この時、前述した2ヶ所綴じと同様に、予めステイプルユニット5がA4縦の綴じ位置(ステイプルユニット5と後端フェンス27が接触しない最寄りの位置)で待機する。ステイプルトレイ10に必要な枚数分用紙が積載された後、束搬送ローラ13a,13bが用紙束下端部をくわえ、後端フェンス27が用紙積載面より後退し、ステイプルユニット5は綴じ位置に移動する(ステップS131−S133)。
次いで、束搬送ローラ13a,13bが用紙束を下方へ搬送する(ステップS134)。用紙束はステイプルユニット5による綴じ位置(中綴じ時は用紙束の搬送方向長さの中央)で止められ(ステップS135,S136)、ステイプルユニット5によってステイプル綴じされる(ステップS137)。
2ヶ所の綴じが終了すると元の待機位置にステイプルユニット5が移動する。中綴じモードでのステイプラの綴じ位置は通常2ヶ所であるが、この綴じ位置に応じてステッチャ5aとクリンチャ5bはステイプラ移動ガイド6によって互いの相対位置を保ったまま用紙搬送方向と直角方向に移動してステイプラ綴じを行う(図11)。綴じ処理が終了した用紙束は、束搬送ローラ13a,13bによってさらにストッパ21に突き当たるまで搬送される(ステップS138−S139)。
用紙束はストッパ21によって一旦、後端位置が突き当てされて位置決めされた後(ステップS139)、再び束搬送ローラ26a,26bによって用紙束の搬送方向長さの中央が、折りプレート19に当接する位置まで送られる(ステップS140−S146)。その後、折りプレート19が中折りローラ対20のニップに向かって用紙束を押し込み(ステップS147)、束搬送ローラ26の加圧力を解除して(ステップS148)中折りローラ20のニップに進入する。用紙束は中折りローラ対20にかけられた図示しないスプリングの力でニップ間で加圧され(ステップS149)、2つ折りされ、直後の中折り排紙ローラ22によって中折り排紙トレイ23に排紙され積載される(ステップS150)。そして、中折りローラ20を停止し(ステップS151)、後端フェンス27を揃え位置に戻す(ステップS152)。この動作をステップS105から所定部数終了するまで繰り返す。
中綴じ製本の動作を図13に示す。図13(a)では、用紙搬送方向後端部と用紙搬送方向に直交する方向とが揃えられ(ステップS108,S109)、1部の用紙の必要枚数が揃った(ステップS111)状態である。この状態から図13(b)に示すように束搬送ローラ13a,13bにくわえ込まれ(ステップS112)、後端フェンス27が後退し(ステップS113)、用紙束を折りプレート19方向(下方)に搬送する。そして、用紙束はステイプルユニット5による綴じ位置である用紙束の搬送方向長さの中央(L/2)で止められ、中綴じされる。
中綴じされた用紙束は、図13(c)に示すようにさらに下方に搬送され、ストッパ21に当接させて位置決めした後(ステップS138,S139)、綴じ位置が折りプレート19の位置(折り位置)に達するまで、さらに搬送される。そして、図13(d)に示すように前記位置で用紙束を停止させ、折りプレート10を突出させて折りローラ20にニップに押し込む(ステップS147−S149)。このようにして、綴じ位置で2つ折りすることが可能になる。なお、折りプレート19の先端に用紙束に接触する程度折りプレート19を突出させておけば、前記折り位置に達するとステイプル針が折りプレート19に当接するので、折り位置の位置精度が確保できる。
(6)端面綴じモード(シフト動作有り1ヶ所綴じ))
このモードは、中綴じ製本モードにおいてシフト動作をステイプラによって行わせるようにして生産性の向上を図ったものである。
綴じモードの場合、ステイプルユニット5によって1ヶ所又は2ヶ所ステイプル綴じされる。図21は端面綴じを行うときの初期状態を示す側面図で、用紙束はするトレイ10上にジョガーフェンス12によって用紙搬送方向に直交する方向を押さえられた状態で後端フェンス27によって支持されている。ステイプラ5は用紙後端部で用紙束を挟み込むようにして待機している。このとき、1ヶ所綴じであれば1回目、2ヶ所綴じであれば2回目のステイプル綴じ時に、図22及び図23に示すようにステイプル綴じ制御を途中で停止し、ステイプラ5によって用紙束を挟み込んだ状態で、前回のシフト位置とは逆方向にステイプラを移動させ(図24、図25)、移動後、綴じを完了させることにより、用紙束をトレイに排出する際、簡単な構成で用紙束をシフトすることができる(図26)。この動作を図20のフローチャートに示す。
図20のフローチャートは、図17に示したフローチャートのステップS114のステイプルユニット5のステイプル制御のサブルーチンをステップS114−1ないしステップS114−9の各処理に置き換えたものである。その他の処理は図17の端面綴じモードの場合と同様であるので、
前記ステップS114−1−S114−9の処理についてのみ説明し、他のステップの処理については省略する。
ステップS113で後端フェンス27が後退すると、ステイプルユニット5を綴じ位置に移動させ(ステップS114−1)、ステイプルユニット5が綴じ位置に達すると(ステップS114−2)、ステイプルユニット5の綴じ動作を開始する(ステップS114−3)。そして、ステイプルユニット5が用紙束を挟み込むと(ステップS114−4)、ステイプルユニット5の綴じ動作を停止し(用紙束を挟持した状態を保持)(ステップS114−4)、束搬送ローラ13の加圧をオフして用紙束が自由に移動できるようにし(ステップS114−6)、ステイプルユニット5を前回のシフト動作時と逆方向のシフト位置へ移動させる(ステップS114−7)。これにより用紙束はステイプルユニット5によって挟持された状態で、今回のシフト位置に移動する。シフト位置への移動が完了すると、束搬送ローラ13の加圧をONして用紙束を挟み(ステップS114−8)、ステイプルユニット5によって用紙束の綴じ動作を行う(ステップS114−9)。用紙束の綴じ動作が完了すると、放出爪11を排紙方向に移動させ(ステップS115)、ステップS116以降の処理を実行する。
このように、1ヶ所綴じであれば1回目、2ヶ所綴じであれば2回目のステイプル綴じ時に、ステイプル制御を途中で停止し、ステイプラ5にて用紙束を挟み込んだ状態で、前回のシフト位置とは逆方向にステイプラ5を移動させ、移動後、綴じを完了させることにより、用紙束をトレイに排出する際、簡単な構成で用紙束をシフトすることができる。
(7)端面綴じモード(シフト動作有り1ヶ所綴じ、ステイプラ分離駆動)
このモードは前記(6)のモードは端面綴じステイプラ5を使用し、用紙束の表裏でステイプル5は独立して移動することができない形式のものであるが、ステイプラには用紙束の表裏で独立して移動できる形式のものもある。このようにステイプラが針打ち込み部、針曲げ部が独立して駆動できる場合、曲げ部が突出して用紙を挟み込むことによって、針を打ち込むことなく用紙を挟み込むことができることから、前記(6)のモードに比べ自由な位置(綴じ位置に関係ない位置)で挟み込むことができ、かつ簡単な制御で用紙束のシフトを行なうことができるので、クリンチャ5bとステッチャ5a(図28)が分離して移動できる形式のステイプラを使用した場合の例である。
図27はこのモードの処理手順を示すフローチャート、図28はステイプラ5が針打ち込み部、針曲げ部(ステッチャ5a、クリンチャ5b)が独立して駆動できる形式のステイプラを示す図、図29はステイプラ5の針打ち込み部、針曲げ部(ステッチャ5a、クリンチャ5b)で用紙束を挟持した状態を示す図で、この例では、クリンチャ5bの突出部5b’が突出して用紙束を挟持している。
図27のフローチャートは、図17に示したフローチャートのステップS114とステップS115との間にステップS114−11ないし18の各処理を挿入したものである。その他の処理は図17の端面綴じモードの場合と同様であるので、前記ステップS114−11ないしステップS114−18の処理についてのみ説明し、他のステップの処理については省略する。
このモードでは、ステップS114でステイプルユニット5の綴じ制御を行った後、ステイプルユニット5を用紙束の挟み込み位置に移動させる(ステップS114−11)。次いで、ステイプルユニットのクリンチャ5bを駆動して(ステップS114−12)ステイプルユニット5で用紙束の挟み込み動作を行う(ステップS114−13)。この挟み込み動作が終了するとクリンチャ5bの行動を停止し(ステップS114−14)、束搬送ローラ13の加圧をオフにして用紙束が移動できるようにする(ステップS114−15)。そして、ステイプルユニット5を前回とは反対側のシフト位置に移動させ(ステップS114−16)、束搬送ローラ13の加圧をオンして用紙を保持させた後(ステップS114−17)、クリンチャ5bを元の位置に後退させ(ステップS114−18)、ステップS115以降の処理を実行する。
このように曲げ部(クリンチャ5b)が突出して用紙を挟み込むことによって、(6)のモードに比べ自由な位置で挟み込むことができ、かつ簡単な制御で用紙束のシフトを行なうことができる。
(8)端面綴じモード(シフト動作有り1ヶ所綴じ)
このモードは図30に示すように束整合部(ジョガーフェンス)を用紙束がシフトして片側に当接する位置に位置させておくことにより、放出爪11によって上方向に用紙束を搬送する際、用紙束が傾き、正常に排出できなくなることを防ぐようにしたものである。
図31にこのモードを実行するための処理手順を示す。この図31に示したフローチャートは、図17に示したフローチャートのステップS113とステップS115との間にステップS114−20ないし31の各処理を挿入したものである。その他の処理は図17の端面綴じモードの場合と同様であるので、前記ステップS114−11ないしステップS114−31の処理についてのみ説明し、他のステップの処理については省略する。
このモードでは、ステップS114−20でステイプルユニット5を綴じ位置に移動させ、ステイプルユニット5が綴じ位置に位置すると(ステップS114−21)、ステイプルユニット5の綴じ動作を実行し(ステップS114−22)、ステイプルユニット5で用紙束を挟み込み(ステップS114−23)、挟み込みが終了した後、ステイプルユニット5の綴じ動作を停止する(ステップS114−24)。次いで、束搬送ローラ13の加圧をオフし(ステップS114−25)、ステイプルユニット5を前回とは反対側のシフト位置に移動させて用紙束のシフト動作を行い(ステップS114−26)、束搬送ローラ13を加圧状態にして(ステップS114−27)ステイプルユニット5の綴じ動作を再開する(ステップS114−28)。そして、ジョガーフェンス12を用紙当接位置に移動させ(ステップS114−29)、ジョガーフェンス12が用紙当接位置に達した時点で移動を停止し(ステップS114−30,31)、用紙の側面、言い換えれば用紙搬送方向に平行な方向のガイドとする。その後、ステップS115の処理を実行する。
このようにジョガーフェンス12を用紙束がシフトして片側に当接する位置に位置させておくことにより、用紙束搬送時に用紙束が傾き、正常に排出できなくなることを防ぐことができる。
(9)綴じなし排出モード(シフト動作有り、綴じなし、ステイプラ分離駆動)
このモードは、用紙束を綴じることなく排出する際に、用紙をシフトさせる専用の機構を設けることなくソートを行なうことができるようにしたものである。
図32にこのモードを実行するための処理手順を示す。この図32に示したフローチャートは、分離型のステイプラを使用し、図27に示した端面綴じモードのステップS114を省略し、ステップS113からステップS115の間にステップS114−11ないしステップS114−18の処理を挿入したものである。その他の処理は図17及び図27の端面綴じモードの場合と同様であるので、説明は省略する。
この処理では、ステップS114の綴じ処理を行わないようにしたので、用紙をシフトさせる専用の機構を設けることなく、ソートを行なうことができる。
(10)中綴じ・中折りモード(シフト動作有り)
このモードは、中綴じ折り排出時にもシフト動作を行なうことができるようにしたものである。
図33にこのモードを実行するための処理手順を示す。図33に示したフローチャートは、分離側のステイプラを使用し、図19に示した中綴じ・中折りモードのステップS132をステップS132−1に置き換え、ステップS137とステップS138の間にステップS137−1ないしステップS137−10の処理を挿入したものである。その他の処理は図19の中綴じ・中折りモードの場合と同様であるので、前記ステップS132−1、及びステップS137−1ないしステップS137−10の処理についてのみ説明し、他のステップの処理については省略する。
この処理では、ステップS131でステイプルユニット5を移動させ、ステイプルユニット5が1ヶ所目の綴じ位置に達すると(ステップS132−1)、ステイプルユニット5をその位置に停止させ(ステップS133)、さらにステップS134からステップS137の処理を実行した後、ステイプルユニット5を2ヶ所目の綴じ位置に移動させる(ステップS137−1,2,3)。そして、その位置で綴じ動作を開始し(ステップS137−4)、さらに、ステイプルユニット5で用紙束を挟み込み(ステップS137−5)、用紙束への綴じ動作が終了すると(ステップS137−6)、束搬送ローラ13の加圧をオフし(ステップS137−7)、ステイプルユニット5を前回のシフト位置と反対側のシフト位置に移動させる(ステップS137−8)。そして、再度束搬送ローラ13を加圧状態にして(ステップS137−9)、綴じ動作を再開した(ステップS137−10)後、ステップS138以降の処理を実行する。
このように制御することにより、中綴じ折り排出時にもシフト動作を行なうことができる。
(11)綴じなし排出モード(シフト動作有り、綴じなし、ステイプラ分離駆動、最大積載枚数超過)
このモードは、ソートする1部の枚数がステイプルトレイ10の最大積載枚数を超える場合、最大積載枚数以下の枚数毎に用紙束を部ごとに同一方向へシフトし、排出するようにして、ソートする1部の枚数がステイプルトレイ10の最大積載枚数を超える場合でもソートすることができるようにしたものである。
図34にこのモードを実行するための処理手順を示す。図34に示したフローチャートは、図17の端面綴じモードの処理のステップS111からステップS114の処理に代え、ステップS141ないしステップS156とし、ステップS122の後段でステップS157の処理を行うようにするとともにステップS105の後段にステップS105−1を挿入したものである。その他の処理は図17の端面綴じモードの場合と同様であるので、前記ステップS141ないしステップS157及びステップS105−1の処理についてのみ説明し、他のステップの処理については省略する。
この処理では、ステップS110で積載枚数カウンタを1カウントアップした後、積載枚数カウンタと残り枚数カウンタとを比較し、一致しているかどうかをチェックし(ステップS141)、一致していなければ積載枚数カウンタと最大積載枚数とを比較する(ステップS142)。一致していればステップS144で残り枚数カウンタを0にする。一方、ステップS142で最大積載枚数に達していなければステップS106に戻り、達していればステップS143で残り枚数カウンタの値を残り枚数カウンタから最大積載枚数を減算した値にセットし、ステップS145に以降する。
ステップS145では、束搬送ローラ13を加圧状態にし、後端フェンスを後退させ(ステップS146)、ステイプルユニット5を用紙束挟み込み位置に移動させた(ステップS147)後、ステイプルユニット5を駆動して(ステップS148)クリンチャ5bによって用紙を挟み込む(ステップS149,S150)。この挟み込み動作が終了すると、束搬送ローラ13の加圧をオフにして(ステップS151)用紙束が移動できるようにする。そして、同一部のソートが継続中であるかどうかをチェックし(ステップS152)、継続中であればステイプルユニット5を前回と同じ位置に(ステップS154)、継続中でなければ前回とは反対側の位置に(ステップS153)それぞれ移動させ、束搬送ローラ13を加圧し(ステップS155)、ステイプルユニット5のクリンチャ5bを元の位置に後退させて(ステップS156)用紙束を排出できるようにした後、ステップS115以降の処理を実行する。
また、ステップS122で放出爪11を停止した後、残り枚数カウンタの値を確認し(ステップS157)、残り枚数が0であればステップS105に戻って積載枚数カウンタをクリアした後、ステップS105−1で残り枚数カウンタにソート枚数をセットし、ステップS106以降の処理を実行する。一方、ステップS157で残り枚数カウンタが0でなければ、ステップS106に戻って、それ以降の処理を実行する。
このように制御することにより、ソートする1部の枚数が、ステイプルトレイ10の最大積載枚数を超える場合でもソートすることができる。
(12)端面綴じモード(1ヶ所綴じ、ステイプラによる用紙束後端押さえあり)
このモードは、ステイプルトレイ10上にスタックされた用紙束の整合性の向上を図るようにしたものである。
前述したように、ステイプルトレイ10上にスタックされた用紙は、ジョガーフェンス12によって整合される。このとき、図35に示すように用紙のたわみによって、用紙下部がふくらみ整合性が悪くなる場合がある。そこで用紙をジョガーフェンス12によって整合した後、図36に示すようにステイプルユニット5によって綴じ動作を行なうことなく挟み込むことにより、用紙下部のふくらみを抑えるようにしたものである。
図37にこのモードを実行するための処理手順を示す。図37のフローチャートは、図17の端面綴じのフローチャートのステップS107の後段にステップS107−1の処理を挿入し、ステップS109とステップS110の処理の間にステップS109−1からステップS109−3の処理を挿入し、ステップS112の後段にステップS112−1の処理を挿入したもので、その他の処理は図17の端面綴じモードの場合と同様であるので、他のステップの処理については説明を省略する。
この処理では、ステップS107で用紙が用紙叩き位置に達すると、ステップS107−1でステイプルユニット5のクリンチャ5bを待避位置に移動させ、叩きコロ制御(ステップS108)及びジョガーフェンス12の往復駆動により(ステップS109)用紙揃えを完了すると、前記クリンチャ5bを駆動して(ステップS109−1)用紙束を挟み込み(ステップS109−2,3)、積載枚数カウンタを1カウントアップして(ステップS110)ステップS111以降の処理を実行する。また、ステップS112の後段では、ステイプルユニット5のクリンチャ5bを待避位置に移動させ(ステップS112−1)、後端フェンス27を後退させて用紙束の排出を可能とする。
これにより次の用紙がステイプルトレイ10に進入するまで、ステイプルユニット5によって挟み込んでおき、次の用紙が進入したら、ステイプルユニット5を綴じ動作を行なうことなく開放し、次の用紙の整合に備えるので、用紙の整合性を常に保持することができる。
(13)端面綴じモード(1ヶ所綴じ、ステイプラ用紙束後端押さえ、綴じ時押さえ動作省略)
このモードは、用紙束の整合性と動作効率の向上を図るようにしたものである。
このモードでは、あらかじめ用紙束綴じ位置にステイプルユニット5を待機させ、用紙がステイプルトレイ10に進入したとき、ステイプルユニット5を開放し、ジョガーフェンス12にて整合後、用紙束をステイプルユニット5で挟み込む。ステイプル綴じを行なう最終紙が進入した場合、ステイプルユニット5を開放し、ジョガーフェンス12にて整合後、用紙束をステイプルユニット5で挟み込み、開放する動作を行なわず、そのまま綴じ動作とすることにより、動作時間を短縮し、生産性を向上させることができるようにしている。
図38にこのモードを実行するための処理手順を示す。図38のフローチャートは、図37の端面綴じモードのフローチャートのステップS109とステップS109−1の間にステップS109−4,5の処理を行い、ステップS110及びステップS111の処理を省略し、ステップS114をステップS112の前段で処理するようにしたもので、その他の処理は図37の端面綴じモードの場合と同様であるので、他のステップの処理については説明を省略する。
この処理では、ステップS109でジョガーフェンス12を往復駆動して用紙束の揃え動作を行った後、積算枚数カウンタを1カウントアップし(ステップS109−4)、積載枚数カウンタと必要枚数とを比較する(ステップS109−5)。この比較で積載枚数カウンタと必要枚数とが一致していれば、ステップS114の処理に飛び、一致していなければ、ステイプルユニット5のクリンチャ5bを駆動して用紙束を挟み込み(ステップS109−2,3)、ステップS106の処理に戻る。
ステップS114では、ステイプルユニット5のサブルーチンを実行し、束搬送ローラ13を加圧し(ステップS112)、後端フェンス27を後退させた(ステップS113)後、ステップS115以降の処理を実行する。
このように処理することにより、用紙の整合性を保持した上で、生産性の向上を図ることができる。
(14)端面綴じモード(1ヶ所綴じ、ステイプラ用紙束後端押さえ、積載枚数による押さえ量補正)
このモードは、用紙束を完全に挟み込まずに用紙束の後端を押さえて処理するようにしたものである。
このモードでは、ステイプルトレイ10に進入したとき、ステイプルユニット5を開放し、ジョガーフェンス12によって整合した後、用紙束をステイプルユニット5で挟み込む。このとき用紙束の枚数に応じて挟み込み量を変化させることによって、完全に挟み込む場合に比べ、用紙束に傷をつけることがなくなる。また、完全に挟み込まず一定量挟み込む場合に比べ、少ない枚数の時により整合性の向上を図ることができる。
図39にこのモードを実行するための処理手順を示す。図39のフローチャートは、図37の端面綴じモードのステップS109−2に代えてステップS109−2aとしたものである。このステップS109−2aでは、ステイプルユニット5が用紙の積載枚数に応じた用紙挟み込み量かどうかをチェックし、用紙の枚数(厚さ)に対応して挟み込み量であれば、ステップS109ー3以降の処理を実行するようにしたものである。なお、用紙の枚数に応じた挟み込み量は予め実験により設定された量にプログラムされている。その他の処理は図37の端面綴じモードの場合と同様であるので、他のステップの処理については説明を省略する。
このように処理することにより、少ない枚数の時により整合性の向上を図ることができる。
(15)綴じなし・中折りモード
綴じなし・中折りモードは、用紙束に対して綴じ動作を行うことなく中央部で折り処理を行うモードである。図40は綴じなし・中折りモードにおける動作手順を示すフローチャートである。
このモードは、(5)で説明した中綴じ製本モードから中綴じの動作を削除したものと等価である。そのため、図19に示した中綴じ製本モードにおけるステップS131からステップS137の処理を省略し、ステップS113で後端フェンス27が用紙載置面から後退した後、直ぐに用紙束を下方向に搬送し、ストッパ21によって一旦、後端位置を突き当てて位置決めした後(ステップS138,S139,S140)折り動作を行うようになっている(ステップS141−S152)。
その他、特に説明しない各部の動作は(5)の中綴じ製本モードの場合と同様である。
(16)ステイプルユニット待機位置移動制御、パンチ制御、叩きコロ制御、スティプルユニット制御及び折りプレート制御
ここで、各モードにおける「ステイプルユニット待機位置移動制御」、「移動パンチ制御」、「叩きコロ制御」、「スティプルユニット制御」及び「折りプレート制御」のサブルーチンについて触れておく。
図41はステップS104の「ステイプルユニット5を待機位置へ移動」の制御手順を示すフローチャートである。この処理では、まず、ステイプラユニット5の位置をチェックし(ステップS301)、ステイプルユニット5が後端フェンス27に対して最初にステイプルする位置の反対側にあれば(ステップS301−Yes)、後端フェンス27を後退させ(ステップS302)、同じ側にあれば後端フェンス27を後退させることなく、それぞれステイプルユニット5をステイプルを行う指定位置側に移動させ(ステップS303)、指定位置に達すると(ステップS304)、ステイプルユニット5の移動を停止させる(ステップS305)。次いで、後端フェンス27がステップS302で後退した位置のままであれば(ステップS306−Yes)、後端フェンス27を元の位置に戻して(ステップS307)、後退していなければその状態でこの処理を終了する。
図42はステップS106のパンチ制御の処理手順を示すフローチャートである。この処理では、まず、用紙がパンチ位置に達すると(ステップS401)、パンチ要求の有無をチェックし(ステップS402)、パンチ要求があるときのみパンチを実行する(ステップS403)。
図43はステップS108の叩きコロ制御の処理手順を示すフローチャートである。この処理では、まず、用紙が叩き位置に達すると(ステップS501)、叩きコロ8を所定時間駆動して用紙を後端フェンス27側に移動させ(ステップS502、S503)、動作を停止する(ステップS504)というものである。
図44はステップS114,S124,S137のスティプルユニット5制御の処理手順を示すフローチャートである。この処理では、まず、綴じ位置にスティプラユニット5を移動させ(ステップS601)、指定された綴じ位置にスティプラユニット5が位置すると(ステップS602)、スティプラユニット5を停止させ(ステップS603)、スティプル動作を実行する(ステップS604)。指定個所のスティプルが終了すると(ステップS605)、次のスティプル位置に移動し、全てのスティプル位置のスティプルが終了すると、スティプラユニット5を退避させて(ステップS606)この処理を終了する。
図45はステップS147の折りプレート19制御の処理手順を示すフローチャートである。この処理では、まず、折りプレート19を折りローラ20のニップ方向に移動させ(ステップS701)、折りプレート19の先端部が折りローラ20のニップ位置に達すると(ステップS702)、折りプレート19の移動を停止させて(ステップS703)この処理を終了する。
ここで、前記スティプルユニット5制御のサブルーチンでスティプルを移動させるので、スティプルユニットの移動動作について触れておく。
図5は綴じ動作に入る前のスティプルユニット5の位置を示す図である。スティプルユニット5は後端フェンス27に接触しない位置で、且つ次の綴じ位置に最も近い位置で待機する。この位置を実線又は2点鎖線で示す。
図8は端面2個所綴じのスティプルユニット5の位置を示す図である。端面綴じモードの場合、用紙束はスティプルユニット5による綴じ位置(通常の端部綴じは、用紙搬送方向に5mm)でスティプル綴じされる。端部綴じモードでのスティプラの綴じ位置は主に手前、2ヶ所、奥の選択が可能であるが、選択された綴じ位置に応じてステッチャ5aとクリンチャ5bはスティプラ移動ガイド6によって互いの相対位置を保ったまま用紙搬送方向と直角な方向に移動してスティプラ綴じを行う。このとき、スティプルユニット5と後端フェンス27が接触するような綴じ位置の場合(小サイズ1ヶ所綴じ−図6,図7、2ヶ所綴じ−図8、中綴じ−図9)には、後端フェンス27が用紙積載面より後退し、その後、スティプルユニット5が用紙搬送方向と直角方向に移動してスティプラ綴じを行う。この動作は図9に示した中綴じの場合でも同様である。なお、綴じモードが2ヶ所綴じ(端面2ヶ所綴じ及び中綴じ)の時は、1束の綴じ毎に、用紙搬送方向と直角方向に反対側の待機位置で待機する。この待機位置は、図8、図9の実線位置及び2点鎖線の位置であり、これらの位置が交互に待機位置となる。これによって、2回目の綴じ動作から最短距離で待機位置に移動することができる。