JP2005053973A - 無機系抗菌剤を含有したプラスチック樹脂およびそれを用いた抗菌性製品 - Google Patents
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Abstract
【目的】抗菌効果が大きく、その効果の持続性(特に水道水に長期にさらされても抗菌効果を失わない持続性)、安全性が十分な抗菌製品あるいは抗菌性歯ブラシを提供する。
【手段】亜鉛イオン、銅イオンの内少なくとも1種、およびアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素の内少なくとも1種を含有した酸化物あるいは水酸化物である無機系抗菌剤を含有したプラスチック樹脂を用いる抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品による。
【手段】亜鉛イオン、銅イオンの内少なくとも1種、およびアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素の内少なくとも1種を含有した酸化物あるいは水酸化物である無機系抗菌剤を含有したプラスチック樹脂を用いる抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品による。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安全で、抗菌効果が長期間維持され、耐久性のある抗菌性樹脂および抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品に関する。
【0002】
【従来の技術】歯ブラシは口腔内で用いられるため清潔であることが求められるが、清潔に保つのはかなり困難である。つまり、使用後頻繁に殺菌処理を行なうことは通常は行われていない。歯ブラシを使用後、湿った状態で洗面キャビネットや携帯用ケースに歯ブラシを収納することで乾燥が不十分になり雑菌、例えば黴が繁殖し易い。これらを解決するため抗菌性歯ブラシが種々提案されている。例えば、特開平6−22818号、特開平10−5044号には酸化亜鉛等を合成樹脂に錬り込んだ抗菌性歯ブラシが記載されている。しかし、酸化亜鉛粒子は合成樹脂に錬り込む際に凝集し易く総表面積が低下するため抗菌効果が不十分になる。また、微酸性水溶液に漬けると酸化亜鉛が容易に溶解するため、急速に抗菌効果を失うなどの欠点がある。そのため、これらの亜鉛化合物を用いた抗菌性歯ブラシは抗菌効果が不十分であり、さらに微酸性の水道水などに長期にさらされると急速に抗菌効果を失うものであった。
さらに、以前から用いられている有機系の抗菌剤を、最近は安全性(シックハウス症候群等)のため使用を控える傾向があり、また抗菌効果が持続しない欠点を有している。さらに、近年使用されてきた銀系の抗菌剤は抗菌効果が不十分なだけでなく、水道水中の塩素イオンと反応し抗菌効果を失う欠点があり、また光により着色する欠点もあり好ましくない。このため、合成樹脂に錬り込み易く、安全で、かつ種々の使用条件にさらされても長期にわたり抗菌効果が持続し、着色等の欠点を有しない抗菌性歯ブラシあるいは抗菌製品が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の抗菌性歯ブラシは抗菌効果の大きさ、その効果の持続性(特に水道水に長期間さらされても抗菌効果を失わない持続性)、安全性が不十分であるばかりでなく、さらに着色等の欠点を有していた。本発明は従来の上記課題を解決した抗菌製品あるいは抗菌性歯ブラシを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述したような課題等を解決し、上記目的を達成するために、下記の手段を見出した。(1) 亜鉛イオン、銅イオンの内少なくとも1種、およびアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素の内少なくとも1種を含有した酸化物あるいは水酸化物である無機系抗菌剤を含有したプラスチック樹脂を用いる抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品による。また、(2) 亜鉛イオン、銅イオンの内少なくとも1種、およびアルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素の内少なくとも1種を含有した酸化物あるいは水酸化物である無機系抗菌剤を含有したポリアミド、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、有機シラン化合物等のプラスチック樹脂による。(3) 前記プラスチック樹脂がポリアミド、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、有機シラン化合物樹脂であることを特徴とする前項(1)1に記載の抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品による。(4)前記プラスチック樹脂がポリアミドあるいはポリブチレンテレフタレートである前項(1)および(3)に記載の抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品による。
【0005】前記ポリアミド樹脂が、示差走査熱量測定において195〜230℃の温度範囲に吸熱ピークを2個以上有し、前記温度範囲の吸熱ピーク全体についての1mg当たりの吸熱エネルギーが20〜80mJ/mgであり、 前記吸熱ピークのうち、1mg当たりの吸熱ピークエネルギーが最も大きいピークと次に大きいピークを選び、その低温側を第1吸熱ピーク(P1 )、高温側を第2吸熱ピーク(P2)とするとき、第1吸熱ピーク(P1 )の1mg当たりの吸熱エネルギーに対する第2吸熱ピーク(P2 )の1mg当たりの吸熱エネルギーの比が0.8〜6.0の範囲にあるポリアミド樹脂である前項(2)〜(4)に記載の抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品およびプラスチック樹脂による。(6)炭素数が5以上の脂肪酸、樹脂酸およびナフテン酸の金属塩を少なくとも1種含有する前項(2)〜(5)に記載の抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品およびプラスチック樹脂による。(7)金属フッ化物を含有する前項(1)〜(6)に記載の抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品およびプラスチック樹脂による。
【0006】本発明では抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品とは、抗菌性歯ブラシ、歯ブラシを収納する容器、歯磨き剤、歯磨き剤容器等の歯ブラシに関する用品、ヘアブラシ、櫛、ひげ剃り等のサニタリー用品、乳液の容器、クリームの容器等の化粧用品、シャンプー容器、石けん入れ等の洗顔・洗髪用品、洗剤入れ、包丁用具等の台所用品、箸入れ、皿等の食器に関する用品、文房具類、パソコン、デジカメ、テレビ、ビデオ等の電気製品、電線の被覆材等の工業製品、電車、自動車等の部品および内装部品、家具等のインテリア用品、住宅の内装用品、書籍のカバー、キーホルダー等の小物、装身具等を示す。
【0007】本発明の無機系抗菌剤はとしては、亜鉛イオン、銅イオンの内少なくとも1種、およびアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素の内少なくとも1種を含有した酸化物あるいは水酸化物である無機系抗菌剤が好ましい。亜鉛イオン、銅イオンの内では亜鉛イオンの方がより好ましい。
【0008】アルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素の内では、アルカリ土類金属、アルミニウム、ケイ素がより好ましく、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムがさらに好ましく、マグネシウム、アルミニウムがさらに好ましい。また、複合金属酸化物あるいは複合金属水酸化物である無機系抗菌剤は固溶体であることが好ましい。
【0009】本発明の無機系抗菌剤は下記式(1)〜(5)で表されるものがより好ましく、下記式(1)、(3)と(4)がより好ましく、さらに(1)、(3)が最も好ましい。
【0010】
MxN1 − xO (1)
(式中、Nはアルカリ土類金属を表し、MgおよびCaが好ましい。MはCuおよび/またはZnを示す。xは0.02<x<0.8である)
MxN1 − x(OH)2 (2)
(式中、M、N、xは式(1)と同じである)
(MO)・(Al2O3)a・(SiO2)b (3)
(式中、M、は式(1)と同じ。aは0.00≦a<50で、bは0.00≦b<80である。ただし、a=0の場合、bは0.001≦b<80であり、b=0の場合、aは0.001≦a<50である)
(MO)・(XO2)c (4)
(式中、M、は式(1)と同じ。XはTiおよび/またはZrを表す。cは0.001<c<0.2を表す)
(MO)・(NO)d・(Al2O3)e (5)
(式中、M、Nは式(1)と同じ。dは0.05≦d<5で、bは0.01≦b<5である)
【0011】上記式(1)〜(5)において、MはZnがさらに好ましい。また、上記式(1)および(2)式のNはMgがより好ましい。上記式(3)のa,bはより好ましくは、aは0.00≦a<2で、bは0.00≦b<50である。(ただし、a=0の場合、bは0.001≦b<50であり、b=0の場合、aは0.001≦a<2である)さらに好ましくはaは0.00≦a<0.2で、bは0.00≦b<1である。(ただし、a=0の場合、bは0.001≦b<1であり、b=0の場合、aは0.001≦a<0.2である)
さらに、酸素の相対含有量は酸素欠陥等により多少上記式から変動し得るが、本発明の効果には影響がないので5%程度までの変動は本発明に含まれる。
【0012】本発明の好ましい無機系抗菌剤の例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。 ( )内の数字は順に、BET表面積(m2/g)、粒度D50%(μm)を表す。
(A−1)Zn0.14Mg0.86O(15、0.4)
(A−2)Zn0.05Ca0.95O(12、0.4)
(A−3)Cu0.05Ca0.95O(18、0.5)
(A−4)Cu0.14Mg0.86O(30、0.4)
(A−5)Zn0.14Mg0.86(OH)2(19、0.3)
(A−6)ZnO・(Al2O3)0.04 (30、0.3)
(A−7)A−1の表面をラウリン酸ナトリウムで修飾した抗菌剤
(A−8)A−6の表面をラウリン酸ナトリウムで修飾した抗菌剤
これらはいずれも固溶体であることが、X線回折スペクトルにより確認されている。
【0013】本発明の無機系抗菌剤の粒度D50%は0.01〜20μmが好ましく、0.02〜5μmがより好ましく、0.02〜1μmがさらに好ましい。粒子サイズは、5分間以上超音波で分散させた後に、レーザー散乱法で測定した値である。抗菌剤のBET表面積は重要な指標である。一般に抗菌効果を迅速に働かすためには、極めて大きいBET表面積が好ましい。しかし、一方では抗菌効果を持続させるためにはある程度以下の値にする必要がある。そのため、BET表面積は1〜300m2/gが好ましく、3〜150m2/gがより好ましく、3〜100m2/gがさらに好ましい。
【0014】これらの無機系抗菌剤の製造方法としては、特開平6−72816号、特開平6−65011号、特開平8−291011号、特開平8−48606号、特開平11−123385号、特開平11−180808号、特開平11−209258号、特開2000−63219号記載の方法を用いることができる。ただし、これらに限定されるものではない。
【0015】本発明の無機系抗菌剤は表面処理されることが好ましい。表面処理剤として好ましく用いられるものを例示すれば次の通りである。ステアリン酸、エルカ酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸等の炭素数10以上の高級脂肪酸類;前記高級脂肪酸のアルカリ金属塩;ステアリルアルコール、オレイルコール等の高級アルコールの硫酸エステル塩;ポリエチレングリコールエーテルの硫酸エステル塩、アミド結合硫酸エステル塩、エステル結合硫酸エステル塩、エステル結合スルホネート、アミド結合スルホン酸塩、エーテル結合スルホン酸塩、エーテル結合アルキルアリルスルホン酸塩、エステル結合アルキルアリルスルホン酸塩、アミド結合アルキルアリルスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤類;オルトリン酸とオレイルアルコール、ステアリルアルコール等のモノまたはジエステルまたは両者の混合物であって、それらの酸型またはアルカリ金属塩またはアミン塩等のリン酸エステル類;ビニルエトキシシラン、ビニルートリス(2ーメトキシーエトキシ)シラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ベーター(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤類;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロフォスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート等のチタネート系カップリング剤類;アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤類;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート等の多価アルコールと脂肪酸のエステル類。
【0016】この中でも、高級脂肪酸、アニオン系界面活性剤、リン酸エステル、カップリング剤(シラン系、チタネート系、アルミニウム系)および多価アルコールと脂肪酸のエステル類からなる群から選ばれた表面処理剤の内の少なくとも一種による表面処理が好ましく、さらにステアリン酸、エルカ酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸等の炭素数10以上の高級脂肪酸類および前記高級脂肪酸のアルカリ金属塩が特に好ましい。表面処理は特開2001−123071号の実施例1記載の方法に準じた方法で行うことができる。
【0017】本発明に用いられるプラスチック樹脂類の例としては、熱可塑性合成樹脂と熱硬化性合成樹脂がある。熱可塑性合成樹脂としては、例えばフッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ABS樹脂、酢酸ビニル樹脂およびポリスチレン樹脂、有機シラン化合物樹脂等がある。
【0018】また、熱硬化性合成樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、フラン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリパラバン酸樹脂等が挙げられる。天然高分子の樹脂も挙げられる。
【0019】本発明の高分子構造体の材質としては上記のものをいずれも用いることができるが、この中では熱可塑性樹脂が好ましい。また、その中ではポリアミド、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、有機シラン化合物樹脂が好ましく、さらにポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド(ナイロン)が好ましく、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド(ナイロン)樹脂が特に好ましい。
【0020】ポリアミド樹脂としては、ジカルボン酸とジアミンから縮重合されるものや、環状ラクタムの開環重合によるもの、オメガ−アミノカルボン酸の重縮合で得られるものなどが用いられる。また、芳香族を含むジアミンまたはジカルボン酸を用いたものでもよい。例えば、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−6、ナイロン4−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン6T、MDX6などや、これらを組み合わせた複合樹脂を用いることができる。特に歯ブラシ用のフィラメントとして用いる場合は剛性、回復性、吸水性や使用感のバランスから、ナイロン6−12またはナイロン6−10が好ましいが、ナイロン6−10がより好ましい。
【0021】前記ポリアミド系繊維の紡糸は、一般に用いられている方法を用いればよく、使用するポリアミド樹脂を溶融あるいは溶媒に溶解して流動状態にし、これを紡糸口金の細孔から気体中または液体中に押し出して冷却・固化させ、繊維状にする方法が好ましい。
【0022】またポリアミド樹脂が、示差走査熱量測定において195〜230℃の温度範囲に吸熱ピークを2個以上有し、前記温度範囲の吸熱ピーク全体についての1mg当たりの吸熱エネルギーが20〜80mJ/mgであり、 前記吸熱ピークのうち、1mg当たりの吸熱ピークエネルギーが最も大きいピークと次に大きいピークを選び、その低温側を第1吸熱ピーク(P1 )、高温側を第2吸熱ピーク(P2)とするとき、第1吸熱ピーク(P1 )の1mg当たりの吸熱エネルギーに対する第2吸熱ピーク(P2 )の1mg当たりの吸熱エネルギーの比が0.8〜6.0の範囲にあるポリアミド樹脂が好ましい。
【0023】上記物性値からなるポリアミド系繊維は、用毛の結晶化度が十分に高く、剛性および屈曲に対する回復性が良好で、歯ブラシ用毛として結晶サイズや延伸配向の度合いが適切で好ましい。したがって、これを植設した歯ブラシは、使用の継続によっても刷毛の開きが少なく、使用性が低下しにくい。このため、耐久性が高くなり、経済的で良好な品質の歯ブラシとなる。
【0024】なお、前記比率が0.8より小さくなると(第1吸熱ピークP1 の割合が大きくなると)、延伸配向度合いが小さく、結晶化サイズも小さいため、用毛としての剛性が低くなり、また、前記比率が6.0より大きくなると(第1吸熱ピークP1 の割合が小さくなると)、延伸配向度合いが大きく、結晶化サイズも大きくなり、用毛としての剛性は高くなるものの、屈曲に対する回復性が低下するため、好ましくない。
【0025】上記の第1吸熱ピークP1 および第2吸熱ピークP2 がいずれも212℃以上であるナイロン6−10が最も好ましい。
【0026】本発明で用いられる炭素数が5以上の脂肪酸、樹脂酸およびナフテン酸の金属塩としては特に限定されるものではないが、下記のものが用いられる。これらの中では脂肪酸の金属塩が好ましい。
【0027】脂肪酸としては飽和脂肪酸あるいは不飽和脂肪酸いずれも用いられる。たとえばカプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミルスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、2エチルヘキサン酸、リシノール酸、イソデカン酸等がある。樹脂酸としてはアビエチン酸、ネオアビエチン酸、d−ビマル酸、ケイ皮酸がある。これらの中でラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸が好ましい。
【0028】また金属としてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属等がある。アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムがあり、アルカリ土類金属マグネシウム、カルシウム、バリウム、遷移金属としては亜鉛が好ましい。これらの中では亜鉛が好ましい。
【0029】具体例としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、リシノール酸カルシウム、リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛等がある。これらの中では亜鉛化合物が好ましく、特にステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛が好ましい。
【0030】本発明で用いられる金属フッ化物としては、水に溶解し、フッ素イオンを放出し得る金属フッ化物であれば使用可能であり、具体的にはフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、フッ化ベリリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化アルミニウム、フッ化マンガン(II)、フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、フッ化コバルト(II)、フッ化銅(II)、フッ化亜鉛、フッ化アンチモン(III)、フッ化鉛(II)、フッ化銀(I)、フッ化カドミウム、フッ化スズ(II)、フッ化スズ(IV)、フッ化ジアンミン銀、フッ化アンモニウム、フッ化水素ナトリウム、フッ化水素アンモニウム、フッ化水素カリウム、フルオロリン酸ナトリウム、ヘキサフルオロチタン酸カリウム、ヘキサフルオロ珪酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、ヘキサフルオロスズ(IV)ナトリウム、ヘキサフルオロスズ酸(IV)アラニン、ペンタフルオロ二スズ酸(II)ナトリウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸カリウム等を用いることができる。
【0031】この中でも周期律表第1族と第2族の金属のフッ化物であるフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、フッ化ベリリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウムが好ましく、これらの中でも特にフッ化ナトリウムが好ましく用いられる。これらの金属フッ化物は単独もしくは数種を組み合わせて使用することができる。
【0032】金属フッ化物の形状は本発明の効果に影響を及ぼすものではなく、粒状、針状、繊維状あるいは板状等、いずれの形状のものでも使用できる。大きさも本発明の効果に影響を及ぼすものではなく特に制限は無いが、フッ化物は該粒子にポリシロキサンを被覆して得られることより、本発明のフッ化物は原料の金属フッ化物より大きくなることを考慮しておく必要がある。金属フッ化物の大きさを0.5mm以下、特に0.05mm以下とすることが望ましい。
【0033】金属フッ化物にポリシロキサンを被覆する場合は下記の方法を用いることができる。(1)シラン化合物の加水分解性基を加水分解して得られたシラノール化合物を金属フッ化物に被覆し、その後、シロキサン化合物の分子間のシラノール基を脱水縮合する方法。具体的には、例えば次の方法が例示される。すなわち、水と混和する有機溶剤、例えばメタノール、エタノール、t−ブタノールにシラン化合物、およびシラン化合物を加水分解あるいは部分加水分解するのに必要な水を加えて酸触媒の存在下に加水分解し、加水分解生成物を含有する有機溶剤溶液を作製する。その後この溶液を金属フッ化物に加え、有機溶剤を加熱もしくは減圧操作により除去することにより、表面に加水分解生成物が付着した金属フッ化物粉体が得られる。これに必要に応じて酸または塩基を加え加熱処理し、シラノールの脱水縮合反応を進めることによりポリシロキサンにより被覆された金属フッ化物を得ることができる。ここでシラノール基が脱水縮合し、ポリシロキサンを形成している分子構造は、金属フッ化物の被覆層の赤外線吸収スペクトルにて確認することができる。
【0034】あるいは、シラン化合物に過剰の水を加えて酸触媒の存在下に加水分解し、その後、水層から加水分解生成物を水と混和しない有機溶剤、例えば酢酸エチル、エチルエーテル、クロロホルム、塩化メチレン等により抽出する。この加水分解生成物を含有する有機溶剤溶液を金属フッ化物に加え、有機溶剤を加熱もしくは減圧操作により除去することにより、表面に加水分解生成物が付着した金属フッ化物粉体が得られる。これに必要に応じて酸または塩基を加え加熱処理し、シラノールの脱水縮合反応を進めることによりポリシロキサンにより被覆された金属フッ化物を得ることができる。
【0035】本発明は抗菌性製品が歯ブラシの場合、歯ブラシハンドルに熱可塑性エラストマーを用いることができる。これにより、可動性に優れ、歯列への密着性が向上するとともに、歯や歯肉への当たり心地がよく、さらに、ブラッシング時のハンドル操作性やフィット感にも優れた歯ブラシを提供することができる。
【0036】前記熱可塑性エラストマーとしては、種々のものを使用できるが、硬質樹脂として主流であるポリプロピレンとの組み合わせにおいては、2次射出成形による接着(融着)性と、歯ブラシハンドルとして用いるための適度な柔軟性を考慮して、オレフィン系エラストマーあるいはスチレン系エラストマーが用いられる。オレフィン系エラストマーは、ゴム成分としてEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体)、硬成分としてポリプロピレンを選び、これらをブレンドして一部をあるいは全部を架橋したものが用いられる。また、スチレン系エラストマーは、ゴム成分としてSEBS(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン)構造のものが主に用いられており、必要に応じてポリプロピレンや可塑剤成分などをコンパウンドし、エラストマーとしての特性をコントロールして用いられる。
【0037】特開平10−36116号記載のポリスチレンブロックとポリオレフィンブロックで構成され、オレフィンがエチレンとプロピレン構造である熱可塑性エラストマー、すなわちSEPS構造のスチレン系エラストマーが特に好ましい。
【0038】本発明では必要に応じてアルミニウムの硫酸塩を上記亜鉛化合物に併用することが出来る。かかるアルミニウムの硫酸塩とは、硫酸アルミニウム[(Al2(SO4)3]及び硫酸アルミニウムカリウム[(KAl(SO4)3]であり、特に好適なものは硫酸アルミニウムカリウムである。
【0039】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。H−(数字・アルファベット)は本発明のサンプルを、C−(数字・アルファベット)は比較例サンプルを表す。
【0040】
【実施例】6・10ナイロン(80部)に、本発明の無機系抗菌剤A−1(20部)を配合し、均一に混合した後、エクストルーダーで溶融、混練、押出し、粒径約3mmのペレットを得た。このペレット(1部)と6・10ナイロン(19部)とを混合し、常法に従って紡糸、延伸してフィラメントを得た。得られたフィラメントを常法にしたがって植毛し、本発明の歯ブラシH−1Aを得た。無機系抗菌剤A−1の代わりにA−7を用い本発明のサンプルH−1Bを得た。また、比較例として無機系抗菌剤A−1を除いた以外はH−1を繰り返し、比較例C−1Aを得た。さらに、含水率0.5%、粒子サイズ0.05μmの酸化亜鉛粒子をA−1の代わりに用い比較例C−1Bを得た。得られた歯ブラシの抗菌性試験をつぎのとおり行った。
【0041】このナイロンフィラメントH−1A、1B、C−1A、1Bの各10gをオートクレーブで120℃、1.2気圧及び15分間の条件で滅菌処理した。また大腸菌(B,coli IAM1268)を培養した。
【0042】一方、上記試料4種のそれぞれ2gおよび水10mlをL字管に入れ、オートクレーブで120℃、1.2気圧及び15分間の条件で滅菌処理し、この中に前記培養液の5mlを無菌的に添加し、37℃、72時間モノ振とう機でゆっくりと振とう培養した。上記培養液を希釈平板法で生菌数を測定した。生菌数は少ない方から、H−1B<H−1A<<C−1B<C−1Aであった。H−1Bは生菌数が付着数の1/5000以下で、H−1Aは生菌数が付着数の1/1000以下であったが、C−1A、C−1Bでは生菌数が付着量とほぼ同じであった。やや、C−1Aの方がC−1Bより多かった。本発明の無機系抗菌剤を用いたサンプルh−1A,1Bは共に、比較例のC−1A,1Bに比べ残存大腸菌の数が少なく好ましかった。
【0043】
【実施例2】低密度ポリエチレン70部に、重量比が2:8のステアリン酸亜鉛および無機系抗菌剤A−1らなる混合物30部を配合し、ミキサーで混合し、40mm押出機(L/D=28、C.R.=3.1、ダルメージ付スクリュー、シリンダー温度130℃、スクリュー回転速度80rpm)にて混練し、粒径約2mm程度のペレットを作成した。次に上記ペレット60部と6・10−ナイロン(東レ製)640部とを混合して、通常の紡糸機で紡糸及び延伸して太さ0.5mmのナイロンフィラメントを作成し、長さ11mmに裁断した(H−2A)。
また、ポリプロピレン樹脂に無機系抗菌剤A−2を1重量%混練した後に押出成形によりハンドルの形状にし、歯ブラシの柄部分を作製した(H−2B)。また、無機系抗菌剤とステアリン酸亜鉛を用いなかった以外はH−2A,2Bをそれぞれ繰り返し比較例フィラメント(C−2A)と柄部分(C−2B)を作製した。
このナイロンフィラメントH−2A、C−2Aと柄部分H−2B、C−2Bをオートクレーブで120℃、1.2気圧及び15分間の条件で滅菌処理した後に、大腸菌を付着させ、37℃、相対湿度80%の条件下で3日間放置した後大腸菌数を検査した。H−2A、H−2Bは生菌数が付着数の1/10000以下であったが、C−2A、C−2Bでは生菌数が付着量の3倍であった。本発明のカルボン酸金属塩と無機系抗菌剤を用いたサンプルは、比較例に比べ大腸菌の数が少なく好ましかった。
【0044】
【実施例3】無機系抗菌剤をA−1の代わりにA−2,6、8をそれぞれ用いた以外は実施例1を繰り返し、同様の結果を得た。
【産業上の利用分野】本発明は、安全で、抗菌効果が長期間維持され、耐久性のある抗菌性樹脂および抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品に関する。
【0002】
【従来の技術】歯ブラシは口腔内で用いられるため清潔であることが求められるが、清潔に保つのはかなり困難である。つまり、使用後頻繁に殺菌処理を行なうことは通常は行われていない。歯ブラシを使用後、湿った状態で洗面キャビネットや携帯用ケースに歯ブラシを収納することで乾燥が不十分になり雑菌、例えば黴が繁殖し易い。これらを解決するため抗菌性歯ブラシが種々提案されている。例えば、特開平6−22818号、特開平10−5044号には酸化亜鉛等を合成樹脂に錬り込んだ抗菌性歯ブラシが記載されている。しかし、酸化亜鉛粒子は合成樹脂に錬り込む際に凝集し易く総表面積が低下するため抗菌効果が不十分になる。また、微酸性水溶液に漬けると酸化亜鉛が容易に溶解するため、急速に抗菌効果を失うなどの欠点がある。そのため、これらの亜鉛化合物を用いた抗菌性歯ブラシは抗菌効果が不十分であり、さらに微酸性の水道水などに長期にさらされると急速に抗菌効果を失うものであった。
さらに、以前から用いられている有機系の抗菌剤を、最近は安全性(シックハウス症候群等)のため使用を控える傾向があり、また抗菌効果が持続しない欠点を有している。さらに、近年使用されてきた銀系の抗菌剤は抗菌効果が不十分なだけでなく、水道水中の塩素イオンと反応し抗菌効果を失う欠点があり、また光により着色する欠点もあり好ましくない。このため、合成樹脂に錬り込み易く、安全で、かつ種々の使用条件にさらされても長期にわたり抗菌効果が持続し、着色等の欠点を有しない抗菌性歯ブラシあるいは抗菌製品が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の抗菌性歯ブラシは抗菌効果の大きさ、その効果の持続性(特に水道水に長期間さらされても抗菌効果を失わない持続性)、安全性が不十分であるばかりでなく、さらに着色等の欠点を有していた。本発明は従来の上記課題を解決した抗菌製品あるいは抗菌性歯ブラシを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述したような課題等を解決し、上記目的を達成するために、下記の手段を見出した。(1) 亜鉛イオン、銅イオンの内少なくとも1種、およびアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素の内少なくとも1種を含有した酸化物あるいは水酸化物である無機系抗菌剤を含有したプラスチック樹脂を用いる抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品による。また、(2) 亜鉛イオン、銅イオンの内少なくとも1種、およびアルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素の内少なくとも1種を含有した酸化物あるいは水酸化物である無機系抗菌剤を含有したポリアミド、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、有機シラン化合物等のプラスチック樹脂による。(3) 前記プラスチック樹脂がポリアミド、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、有機シラン化合物樹脂であることを特徴とする前項(1)1に記載の抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品による。(4)前記プラスチック樹脂がポリアミドあるいはポリブチレンテレフタレートである前項(1)および(3)に記載の抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品による。
【0005】前記ポリアミド樹脂が、示差走査熱量測定において195〜230℃の温度範囲に吸熱ピークを2個以上有し、前記温度範囲の吸熱ピーク全体についての1mg当たりの吸熱エネルギーが20〜80mJ/mgであり、 前記吸熱ピークのうち、1mg当たりの吸熱ピークエネルギーが最も大きいピークと次に大きいピークを選び、その低温側を第1吸熱ピーク(P1 )、高温側を第2吸熱ピーク(P2)とするとき、第1吸熱ピーク(P1 )の1mg当たりの吸熱エネルギーに対する第2吸熱ピーク(P2 )の1mg当たりの吸熱エネルギーの比が0.8〜6.0の範囲にあるポリアミド樹脂である前項(2)〜(4)に記載の抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品およびプラスチック樹脂による。(6)炭素数が5以上の脂肪酸、樹脂酸およびナフテン酸の金属塩を少なくとも1種含有する前項(2)〜(5)に記載の抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品およびプラスチック樹脂による。(7)金属フッ化物を含有する前項(1)〜(6)に記載の抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品およびプラスチック樹脂による。
【0006】本発明では抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品とは、抗菌性歯ブラシ、歯ブラシを収納する容器、歯磨き剤、歯磨き剤容器等の歯ブラシに関する用品、ヘアブラシ、櫛、ひげ剃り等のサニタリー用品、乳液の容器、クリームの容器等の化粧用品、シャンプー容器、石けん入れ等の洗顔・洗髪用品、洗剤入れ、包丁用具等の台所用品、箸入れ、皿等の食器に関する用品、文房具類、パソコン、デジカメ、テレビ、ビデオ等の電気製品、電線の被覆材等の工業製品、電車、自動車等の部品および内装部品、家具等のインテリア用品、住宅の内装用品、書籍のカバー、キーホルダー等の小物、装身具等を示す。
【0007】本発明の無機系抗菌剤はとしては、亜鉛イオン、銅イオンの内少なくとも1種、およびアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素の内少なくとも1種を含有した酸化物あるいは水酸化物である無機系抗菌剤が好ましい。亜鉛イオン、銅イオンの内では亜鉛イオンの方がより好ましい。
【0008】アルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素の内では、アルカリ土類金属、アルミニウム、ケイ素がより好ましく、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムがさらに好ましく、マグネシウム、アルミニウムがさらに好ましい。また、複合金属酸化物あるいは複合金属水酸化物である無機系抗菌剤は固溶体であることが好ましい。
【0009】本発明の無機系抗菌剤は下記式(1)〜(5)で表されるものがより好ましく、下記式(1)、(3)と(4)がより好ましく、さらに(1)、(3)が最も好ましい。
【0010】
MxN1 − xO (1)
(式中、Nはアルカリ土類金属を表し、MgおよびCaが好ましい。MはCuおよび/またはZnを示す。xは0.02<x<0.8である)
MxN1 − x(OH)2 (2)
(式中、M、N、xは式(1)と同じである)
(MO)・(Al2O3)a・(SiO2)b (3)
(式中、M、は式(1)と同じ。aは0.00≦a<50で、bは0.00≦b<80である。ただし、a=0の場合、bは0.001≦b<80であり、b=0の場合、aは0.001≦a<50である)
(MO)・(XO2)c (4)
(式中、M、は式(1)と同じ。XはTiおよび/またはZrを表す。cは0.001<c<0.2を表す)
(MO)・(NO)d・(Al2O3)e (5)
(式中、M、Nは式(1)と同じ。dは0.05≦d<5で、bは0.01≦b<5である)
【0011】上記式(1)〜(5)において、MはZnがさらに好ましい。また、上記式(1)および(2)式のNはMgがより好ましい。上記式(3)のa,bはより好ましくは、aは0.00≦a<2で、bは0.00≦b<50である。(ただし、a=0の場合、bは0.001≦b<50であり、b=0の場合、aは0.001≦a<2である)さらに好ましくはaは0.00≦a<0.2で、bは0.00≦b<1である。(ただし、a=0の場合、bは0.001≦b<1であり、b=0の場合、aは0.001≦a<0.2である)
さらに、酸素の相対含有量は酸素欠陥等により多少上記式から変動し得るが、本発明の効果には影響がないので5%程度までの変動は本発明に含まれる。
【0012】本発明の好ましい無機系抗菌剤の例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。 ( )内の数字は順に、BET表面積(m2/g)、粒度D50%(μm)を表す。
(A−1)Zn0.14Mg0.86O(15、0.4)
(A−2)Zn0.05Ca0.95O(12、0.4)
(A−3)Cu0.05Ca0.95O(18、0.5)
(A−4)Cu0.14Mg0.86O(30、0.4)
(A−5)Zn0.14Mg0.86(OH)2(19、0.3)
(A−6)ZnO・(Al2O3)0.04 (30、0.3)
(A−7)A−1の表面をラウリン酸ナトリウムで修飾した抗菌剤
(A−8)A−6の表面をラウリン酸ナトリウムで修飾した抗菌剤
これらはいずれも固溶体であることが、X線回折スペクトルにより確認されている。
【0013】本発明の無機系抗菌剤の粒度D50%は0.01〜20μmが好ましく、0.02〜5μmがより好ましく、0.02〜1μmがさらに好ましい。粒子サイズは、5分間以上超音波で分散させた後に、レーザー散乱法で測定した値である。抗菌剤のBET表面積は重要な指標である。一般に抗菌効果を迅速に働かすためには、極めて大きいBET表面積が好ましい。しかし、一方では抗菌効果を持続させるためにはある程度以下の値にする必要がある。そのため、BET表面積は1〜300m2/gが好ましく、3〜150m2/gがより好ましく、3〜100m2/gがさらに好ましい。
【0014】これらの無機系抗菌剤の製造方法としては、特開平6−72816号、特開平6−65011号、特開平8−291011号、特開平8−48606号、特開平11−123385号、特開平11−180808号、特開平11−209258号、特開2000−63219号記載の方法を用いることができる。ただし、これらに限定されるものではない。
【0015】本発明の無機系抗菌剤は表面処理されることが好ましい。表面処理剤として好ましく用いられるものを例示すれば次の通りである。ステアリン酸、エルカ酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸等の炭素数10以上の高級脂肪酸類;前記高級脂肪酸のアルカリ金属塩;ステアリルアルコール、オレイルコール等の高級アルコールの硫酸エステル塩;ポリエチレングリコールエーテルの硫酸エステル塩、アミド結合硫酸エステル塩、エステル結合硫酸エステル塩、エステル結合スルホネート、アミド結合スルホン酸塩、エーテル結合スルホン酸塩、エーテル結合アルキルアリルスルホン酸塩、エステル結合アルキルアリルスルホン酸塩、アミド結合アルキルアリルスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤類;オルトリン酸とオレイルアルコール、ステアリルアルコール等のモノまたはジエステルまたは両者の混合物であって、それらの酸型またはアルカリ金属塩またはアミン塩等のリン酸エステル類;ビニルエトキシシラン、ビニルートリス(2ーメトキシーエトキシ)シラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ベーター(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤類;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロフォスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート等のチタネート系カップリング剤類;アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤類;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート等の多価アルコールと脂肪酸のエステル類。
【0016】この中でも、高級脂肪酸、アニオン系界面活性剤、リン酸エステル、カップリング剤(シラン系、チタネート系、アルミニウム系)および多価アルコールと脂肪酸のエステル類からなる群から選ばれた表面処理剤の内の少なくとも一種による表面処理が好ましく、さらにステアリン酸、エルカ酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸等の炭素数10以上の高級脂肪酸類および前記高級脂肪酸のアルカリ金属塩が特に好ましい。表面処理は特開2001−123071号の実施例1記載の方法に準じた方法で行うことができる。
【0017】本発明に用いられるプラスチック樹脂類の例としては、熱可塑性合成樹脂と熱硬化性合成樹脂がある。熱可塑性合成樹脂としては、例えばフッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ABS樹脂、酢酸ビニル樹脂およびポリスチレン樹脂、有機シラン化合物樹脂等がある。
【0018】また、熱硬化性合成樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、フラン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリパラバン酸樹脂等が挙げられる。天然高分子の樹脂も挙げられる。
【0019】本発明の高分子構造体の材質としては上記のものをいずれも用いることができるが、この中では熱可塑性樹脂が好ましい。また、その中ではポリアミド、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、有機シラン化合物樹脂が好ましく、さらにポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド(ナイロン)が好ましく、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド(ナイロン)樹脂が特に好ましい。
【0020】ポリアミド樹脂としては、ジカルボン酸とジアミンから縮重合されるものや、環状ラクタムの開環重合によるもの、オメガ−アミノカルボン酸の重縮合で得られるものなどが用いられる。また、芳香族を含むジアミンまたはジカルボン酸を用いたものでもよい。例えば、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−6、ナイロン4−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン6T、MDX6などや、これらを組み合わせた複合樹脂を用いることができる。特に歯ブラシ用のフィラメントとして用いる場合は剛性、回復性、吸水性や使用感のバランスから、ナイロン6−12またはナイロン6−10が好ましいが、ナイロン6−10がより好ましい。
【0021】前記ポリアミド系繊維の紡糸は、一般に用いられている方法を用いればよく、使用するポリアミド樹脂を溶融あるいは溶媒に溶解して流動状態にし、これを紡糸口金の細孔から気体中または液体中に押し出して冷却・固化させ、繊維状にする方法が好ましい。
【0022】またポリアミド樹脂が、示差走査熱量測定において195〜230℃の温度範囲に吸熱ピークを2個以上有し、前記温度範囲の吸熱ピーク全体についての1mg当たりの吸熱エネルギーが20〜80mJ/mgであり、 前記吸熱ピークのうち、1mg当たりの吸熱ピークエネルギーが最も大きいピークと次に大きいピークを選び、その低温側を第1吸熱ピーク(P1 )、高温側を第2吸熱ピーク(P2)とするとき、第1吸熱ピーク(P1 )の1mg当たりの吸熱エネルギーに対する第2吸熱ピーク(P2 )の1mg当たりの吸熱エネルギーの比が0.8〜6.0の範囲にあるポリアミド樹脂が好ましい。
【0023】上記物性値からなるポリアミド系繊維は、用毛の結晶化度が十分に高く、剛性および屈曲に対する回復性が良好で、歯ブラシ用毛として結晶サイズや延伸配向の度合いが適切で好ましい。したがって、これを植設した歯ブラシは、使用の継続によっても刷毛の開きが少なく、使用性が低下しにくい。このため、耐久性が高くなり、経済的で良好な品質の歯ブラシとなる。
【0024】なお、前記比率が0.8より小さくなると(第1吸熱ピークP1 の割合が大きくなると)、延伸配向度合いが小さく、結晶化サイズも小さいため、用毛としての剛性が低くなり、また、前記比率が6.0より大きくなると(第1吸熱ピークP1 の割合が小さくなると)、延伸配向度合いが大きく、結晶化サイズも大きくなり、用毛としての剛性は高くなるものの、屈曲に対する回復性が低下するため、好ましくない。
【0025】上記の第1吸熱ピークP1 および第2吸熱ピークP2 がいずれも212℃以上であるナイロン6−10が最も好ましい。
【0026】本発明で用いられる炭素数が5以上の脂肪酸、樹脂酸およびナフテン酸の金属塩としては特に限定されるものではないが、下記のものが用いられる。これらの中では脂肪酸の金属塩が好ましい。
【0027】脂肪酸としては飽和脂肪酸あるいは不飽和脂肪酸いずれも用いられる。たとえばカプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミルスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、2エチルヘキサン酸、リシノール酸、イソデカン酸等がある。樹脂酸としてはアビエチン酸、ネオアビエチン酸、d−ビマル酸、ケイ皮酸がある。これらの中でラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸が好ましい。
【0028】また金属としてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属等がある。アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムがあり、アルカリ土類金属マグネシウム、カルシウム、バリウム、遷移金属としては亜鉛が好ましい。これらの中では亜鉛が好ましい。
【0029】具体例としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、リシノール酸カルシウム、リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛等がある。これらの中では亜鉛化合物が好ましく、特にステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛が好ましい。
【0030】本発明で用いられる金属フッ化物としては、水に溶解し、フッ素イオンを放出し得る金属フッ化物であれば使用可能であり、具体的にはフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、フッ化ベリリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化アルミニウム、フッ化マンガン(II)、フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、フッ化コバルト(II)、フッ化銅(II)、フッ化亜鉛、フッ化アンチモン(III)、フッ化鉛(II)、フッ化銀(I)、フッ化カドミウム、フッ化スズ(II)、フッ化スズ(IV)、フッ化ジアンミン銀、フッ化アンモニウム、フッ化水素ナトリウム、フッ化水素アンモニウム、フッ化水素カリウム、フルオロリン酸ナトリウム、ヘキサフルオロチタン酸カリウム、ヘキサフルオロ珪酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、ヘキサフルオロスズ(IV)ナトリウム、ヘキサフルオロスズ酸(IV)アラニン、ペンタフルオロ二スズ酸(II)ナトリウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸カリウム等を用いることができる。
【0031】この中でも周期律表第1族と第2族の金属のフッ化物であるフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、フッ化ベリリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウムが好ましく、これらの中でも特にフッ化ナトリウムが好ましく用いられる。これらの金属フッ化物は単独もしくは数種を組み合わせて使用することができる。
【0032】金属フッ化物の形状は本発明の効果に影響を及ぼすものではなく、粒状、針状、繊維状あるいは板状等、いずれの形状のものでも使用できる。大きさも本発明の効果に影響を及ぼすものではなく特に制限は無いが、フッ化物は該粒子にポリシロキサンを被覆して得られることより、本発明のフッ化物は原料の金属フッ化物より大きくなることを考慮しておく必要がある。金属フッ化物の大きさを0.5mm以下、特に0.05mm以下とすることが望ましい。
【0033】金属フッ化物にポリシロキサンを被覆する場合は下記の方法を用いることができる。(1)シラン化合物の加水分解性基を加水分解して得られたシラノール化合物を金属フッ化物に被覆し、その後、シロキサン化合物の分子間のシラノール基を脱水縮合する方法。具体的には、例えば次の方法が例示される。すなわち、水と混和する有機溶剤、例えばメタノール、エタノール、t−ブタノールにシラン化合物、およびシラン化合物を加水分解あるいは部分加水分解するのに必要な水を加えて酸触媒の存在下に加水分解し、加水分解生成物を含有する有機溶剤溶液を作製する。その後この溶液を金属フッ化物に加え、有機溶剤を加熱もしくは減圧操作により除去することにより、表面に加水分解生成物が付着した金属フッ化物粉体が得られる。これに必要に応じて酸または塩基を加え加熱処理し、シラノールの脱水縮合反応を進めることによりポリシロキサンにより被覆された金属フッ化物を得ることができる。ここでシラノール基が脱水縮合し、ポリシロキサンを形成している分子構造は、金属フッ化物の被覆層の赤外線吸収スペクトルにて確認することができる。
【0034】あるいは、シラン化合物に過剰の水を加えて酸触媒の存在下に加水分解し、その後、水層から加水分解生成物を水と混和しない有機溶剤、例えば酢酸エチル、エチルエーテル、クロロホルム、塩化メチレン等により抽出する。この加水分解生成物を含有する有機溶剤溶液を金属フッ化物に加え、有機溶剤を加熱もしくは減圧操作により除去することにより、表面に加水分解生成物が付着した金属フッ化物粉体が得られる。これに必要に応じて酸または塩基を加え加熱処理し、シラノールの脱水縮合反応を進めることによりポリシロキサンにより被覆された金属フッ化物を得ることができる。
【0035】本発明は抗菌性製品が歯ブラシの場合、歯ブラシハンドルに熱可塑性エラストマーを用いることができる。これにより、可動性に優れ、歯列への密着性が向上するとともに、歯や歯肉への当たり心地がよく、さらに、ブラッシング時のハンドル操作性やフィット感にも優れた歯ブラシを提供することができる。
【0036】前記熱可塑性エラストマーとしては、種々のものを使用できるが、硬質樹脂として主流であるポリプロピレンとの組み合わせにおいては、2次射出成形による接着(融着)性と、歯ブラシハンドルとして用いるための適度な柔軟性を考慮して、オレフィン系エラストマーあるいはスチレン系エラストマーが用いられる。オレフィン系エラストマーは、ゴム成分としてEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体)、硬成分としてポリプロピレンを選び、これらをブレンドして一部をあるいは全部を架橋したものが用いられる。また、スチレン系エラストマーは、ゴム成分としてSEBS(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン)構造のものが主に用いられており、必要に応じてポリプロピレンや可塑剤成分などをコンパウンドし、エラストマーとしての特性をコントロールして用いられる。
【0037】特開平10−36116号記載のポリスチレンブロックとポリオレフィンブロックで構成され、オレフィンがエチレンとプロピレン構造である熱可塑性エラストマー、すなわちSEPS構造のスチレン系エラストマーが特に好ましい。
【0038】本発明では必要に応じてアルミニウムの硫酸塩を上記亜鉛化合物に併用することが出来る。かかるアルミニウムの硫酸塩とは、硫酸アルミニウム[(Al2(SO4)3]及び硫酸アルミニウムカリウム[(KAl(SO4)3]であり、特に好適なものは硫酸アルミニウムカリウムである。
【0039】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。H−(数字・アルファベット)は本発明のサンプルを、C−(数字・アルファベット)は比較例サンプルを表す。
【0040】
【実施例】6・10ナイロン(80部)に、本発明の無機系抗菌剤A−1(20部)を配合し、均一に混合した後、エクストルーダーで溶融、混練、押出し、粒径約3mmのペレットを得た。このペレット(1部)と6・10ナイロン(19部)とを混合し、常法に従って紡糸、延伸してフィラメントを得た。得られたフィラメントを常法にしたがって植毛し、本発明の歯ブラシH−1Aを得た。無機系抗菌剤A−1の代わりにA−7を用い本発明のサンプルH−1Bを得た。また、比較例として無機系抗菌剤A−1を除いた以外はH−1を繰り返し、比較例C−1Aを得た。さらに、含水率0.5%、粒子サイズ0.05μmの酸化亜鉛粒子をA−1の代わりに用い比較例C−1Bを得た。得られた歯ブラシの抗菌性試験をつぎのとおり行った。
【0041】このナイロンフィラメントH−1A、1B、C−1A、1Bの各10gをオートクレーブで120℃、1.2気圧及び15分間の条件で滅菌処理した。また大腸菌(B,coli IAM1268)を培養した。
【0042】一方、上記試料4種のそれぞれ2gおよび水10mlをL字管に入れ、オートクレーブで120℃、1.2気圧及び15分間の条件で滅菌処理し、この中に前記培養液の5mlを無菌的に添加し、37℃、72時間モノ振とう機でゆっくりと振とう培養した。上記培養液を希釈平板法で生菌数を測定した。生菌数は少ない方から、H−1B<H−1A<<C−1B<C−1Aであった。H−1Bは生菌数が付着数の1/5000以下で、H−1Aは生菌数が付着数の1/1000以下であったが、C−1A、C−1Bでは生菌数が付着量とほぼ同じであった。やや、C−1Aの方がC−1Bより多かった。本発明の無機系抗菌剤を用いたサンプルh−1A,1Bは共に、比較例のC−1A,1Bに比べ残存大腸菌の数が少なく好ましかった。
【0043】
【実施例2】低密度ポリエチレン70部に、重量比が2:8のステアリン酸亜鉛および無機系抗菌剤A−1らなる混合物30部を配合し、ミキサーで混合し、40mm押出機(L/D=28、C.R.=3.1、ダルメージ付スクリュー、シリンダー温度130℃、スクリュー回転速度80rpm)にて混練し、粒径約2mm程度のペレットを作成した。次に上記ペレット60部と6・10−ナイロン(東レ製)640部とを混合して、通常の紡糸機で紡糸及び延伸して太さ0.5mmのナイロンフィラメントを作成し、長さ11mmに裁断した(H−2A)。
また、ポリプロピレン樹脂に無機系抗菌剤A−2を1重量%混練した後に押出成形によりハンドルの形状にし、歯ブラシの柄部分を作製した(H−2B)。また、無機系抗菌剤とステアリン酸亜鉛を用いなかった以外はH−2A,2Bをそれぞれ繰り返し比較例フィラメント(C−2A)と柄部分(C−2B)を作製した。
このナイロンフィラメントH−2A、C−2Aと柄部分H−2B、C−2Bをオートクレーブで120℃、1.2気圧及び15分間の条件で滅菌処理した後に、大腸菌を付着させ、37℃、相対湿度80%の条件下で3日間放置した後大腸菌数を検査した。H−2A、H−2Bは生菌数が付着数の1/10000以下であったが、C−2A、C−2Bでは生菌数が付着量の3倍であった。本発明のカルボン酸金属塩と無機系抗菌剤を用いたサンプルは、比較例に比べ大腸菌の数が少なく好ましかった。
【0044】
【実施例3】無機系抗菌剤をA−1の代わりにA−2,6、8をそれぞれ用いた以外は実施例1を繰り返し、同様の結果を得た。
Claims (7)
- 亜鉛イオン、銅イオンの内少なくとも1種、およびアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素の内少なくとも1種を含有した酸化物あるいは水酸化物である無機系抗菌剤を含有したプラスチック樹脂を用いることを特徴とする抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品。
- 亜鉛イオン、銅イオンの内少なくとも1種、およびアルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素の内少なくとも1種を含有した酸化物あるいは水酸化物である無機系抗菌剤を含有したポリアミド、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、有機シラン化合物等のプラスチック樹脂。
- 前記プラスチック樹脂がポリアミド、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、有機シラン化合物樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品。
- 前記プラスチック樹脂がポリアミドあるいはポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1および3に記載の抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品。
- 前記ポリアミド樹脂が、示差走査熱量測定において195〜230℃の温度範囲に吸熱ピークを2個以上有し、前記温度範囲の吸熱ピーク全体についての1mg当たりの吸熱エネルギーが20〜80mJ/mgであり、 前記吸熱ピークのうち、1mg当たりの吸熱ピークエネルギーが最も大きいピークと次に大きいピークを選び、その低温側を第1吸熱ピーク(P1 )、高温側を第2吸熱ピーク(P2)とするとき、第1吸熱ピーク(P1 )の1mg当たりの吸熱エネルギーに対する第2吸熱ピーク(P2 )の1mg当たりの吸熱エネルギーの比が0.8〜6.0の範囲にあるポリアミド樹脂であることを特徴とするとする請求項2〜4に記載の抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品およびプラスチック樹脂。
- 炭素数が5以上の脂肪酸、樹脂酸およびナフテン酸の金属塩を少なくとも1種含有することを特徴とする請求項2〜5に記載の抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品およびプラスチック樹脂。
- 金属フッ化物を含有することを特徴とする請求項1〜6に記載の抗菌性歯ブラシ等の抗菌性製品およびプラスチック樹脂。
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