JP2005051393A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベイヤー配列の撮像素子を用いて、簡易な構成で高感度画像を取得することが可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置は、ベイヤー配列の撮像センサ15と、複数の画素値を加算して新たな画素値を算出する画素加算部20と、撮像センサ15の各位置における画素の各成分チャンネル値を補間により求める画素補間部31と、画素補間後の各成分チャンネル値に基づいて色変換を行うマトリクス演算部35とを備える。高感度画像(高感度モノクロ画像等)生成時には、画素補間部31は、カラー画像生成時と同一の所定の補間用フィルタを用いて、画素加算部20による加算後の新たな画素値に基づいて補間後の各擬似色成分値を各成分チャンネル値として求め、マトリクス演算部35は、カラー画像静止時とは異なる色変換マトリクスを用いて、補間後の各成分チャンネル値に基づいて輝度信号を生成する。
【選択図】 図6
【解決手段】撮像装置は、ベイヤー配列の撮像センサ15と、複数の画素値を加算して新たな画素値を算出する画素加算部20と、撮像センサ15の各位置における画素の各成分チャンネル値を補間により求める画素補間部31と、画素補間後の各成分チャンネル値に基づいて色変換を行うマトリクス演算部35とを備える。高感度画像(高感度モノクロ画像等)生成時には、画素補間部31は、カラー画像生成時と同一の所定の補間用フィルタを用いて、画素加算部20による加算後の新たな画素値に基づいて補間後の各擬似色成分値を各成分チャンネル値として求め、マトリクス演算部35は、カラー画像静止時とは異なる色変換マトリクスを用いて、補間後の各成分チャンネル値に基づいて輝度信号を生成する。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラなどの撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラなどの撮像装置においては、周囲の環境輝度が低下すると、取得画像を切り替えて、高感度画像を取得するものが存在する(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1には、赤外線カットフィルタの装脱を伴う技術、具体的には、光路に対して装脱自在に配置された赤外線カットフィルタを、低輝度被写体の撮影時においてのみ、光路から脱出させて(抜き取って)撮像する技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、図19に示すように、いわゆるRB市松G縦ストライプ配列のCCD撮像素子(奇数列においては赤色画素(R画素)と青色画素(B画素)とが垂直方向に交互に配置され、偶数列においては緑色画素(G画素)が垂直方向に連続的に配置され、さらに、奇数列の赤色画素と青色画素とは水平方向にも交互に配置されるタイプのもの)を用いて、暗い場所での撮影時にはカラー画像から白黒画像を生成する技術が記載されている。具体的には、水平方向の隣接4画素(R,G,B,G)を用いて輝度信号を生成する技術が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−135788号公報
【特許文献2】
特開2001−359108号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、撮像装置においては、いわゆるRB市松G縦ストライプ配列の撮像素子だけでなく、いわゆるベイヤー配列の撮像素子が利用されることがある。
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載のカメラは、いわゆるRB市松G縦ストライプ配列の撮像素子を用いたものであり、ベイヤー配列の撮像素子とその画素配列が異なる。そのため、ベイヤー配列の撮像素子を用いて白黒画像等を生成する場合には、特許文献2の技術をそのまま適用することができない。
【0008】
また、特許文献1に記載のカメラは、画素配列による制限を受けることはないが、赤外線カットフィルタの装脱を伴うため、構成が複雑になるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、ベイヤー配列の撮像素子を用いて、簡易な構成で高感度画像を取得することが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、所定感度のカラー画像と当該カラー画像よりも高感度の高感度画像との両方を撮像可能な撮像装置であって、3種類の色フィルタが市松状に配置されたベイヤー配列を有する単板式の撮像素子と、少なくとも前記高感度画像生成時には前記撮像素子の複数の画素値を加算して新たな画素値を算出する画素加算手段と、前記撮像素子の各位置における画素の各成分チャンネル値を周辺画素の画素値に基づいて補間により求める画素補間手段と、前記画素補間後の各成分チャンネル値に基づいて色変換を行う色変換手段と、を備え、前記画素補間手段は、前記カラー画像生成時には、所定の補間用フィルタを用いて、前記撮像素子における画素値に基づいて補間後の各色成分値を前記各成分チャンネル値として求め、前記高感度画像生成時には、前記カラー画像生成時と同一の前記所定の補間用フィルタを用いて、前記画素加算手段による加算後の前記新たな画素値に基づいて補間後の各擬似色成分値を前記各成分チャンネル値として求め、前記色変換手段は、前記カラー画像生成時には、前記補間後の各成分チャンネル値と第1の色変換マトリクスとに基づいて色信号を生成し、前記高感度画像生成時には、前記補間後の前記各成分チャンネル値と第2の色変換マトリクスとに基づいて輝度信号を生成する。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る撮像装置において、前記画素加算手段は、前記高感度画像生成時には、2つの色成分のみを加算して前記新たな画素値を算出することによって、互いに異なる組合せの2つの色成分のみを含む所定方向の第1の画素列と第2の画素列とを交互に生成する。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2の発明に係る撮像装置において、前記画素補間手段は、2次元フィルタリング処理を行うことによって、少なくとも2つの成分チャンネル値の和成分における3つの色成分の混合割合が、前記所定方向の第1の画素列の画素と前記所定方向の第2の画素列の対応画素との間で同一となるように、前記新たな画素に対する補間後の画素の各成分チャンネル値を求める。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3の発明に係る撮像装置において、前記色変換手段は、前記第2の色変換マトリクスで規定される所定の変換係数を用いて、前記輝度信号における3つの色成分の混合割合が前記所定方向の第1の画素列の画素と前記所定方向の第2の画素列の対応画素との間で同一となるように、前記画素補間手段から出力される各成分チャンネル値に基づいて前記輝度信号を生成する。
【0014】
請求項5の発明は、請求項2の発明に係る撮像装置において、前記画素補間手段は、2次元フィルタリング処理を行うことによって、少なくとも2つの成分チャンネル値の和成分における3つの色成分の混合割合が、任意の2つの画素間で同一となるように、前記新たな画素に対する補間後の画素の各成分チャンネル値を求める。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5の発明に係る撮像装置において、前記色変換手段は、前記第2の色変換マトリクスで規定される所定の変換係数を用いて、前記輝度信号における3つの色成分の混合割合が各画素間で同一となるように、前記画素補間手段から出力される各成分チャンネル値に基づいて前記輝度信号を生成する。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る撮像装置において、前記輝度信号に基づく画像をライブビュー画像として表示する表示手段、をさらに備える。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る撮像装置において、前記輝度信号に基づく連続画像を動画像として記録する記録制御手段、をさらに備える。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
<構成概要>
図1〜図3は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の要部構成を示す図である。図1〜図3は、それぞれ撮像装置1の正面図、背面図および上面図に相当している。
【0020】
撮像装置1は、デジタルカメラとして構成されており、撮影レンズ10aを含む撮像部10を備えている。この撮影レンズ10aは、フォーカスの調整が可能であり、且つ、焦点距離(ズーム倍率)の調整が可能なレンズである。撮影レンズ10aは、フォーカスレンズとズームレンズとを有しているとも表現できる。また、撮像装置1の前面には、被写体に対して発光を行う内蔵フラッシュ11が設けられている。
【0021】
撮像装置1の背面には、LCD(Liquid Crystal Display)モニタ42と電子ビューファインダ43とEVF切替スイッチ19とが設けられている。LCDモニタ42および電子ビューファインダ43には、撮影された画像などが表示される。また、EVF切替スイッチ19は、スライド式の切替スイッチである。このEVF切替スイッチ19によって、撮影画像等をLCDモニタ42および電子ビューファインダ43のいずれに表示させるか、あるいは両者のいずれにも表示させないかなどを設定することができる。
【0022】
撮像装置1の上面には、レリーズボタン12とモニタ拡大スイッチ13と高感度撮影スイッチ14とモード切替スイッチ16と電源ボタン18とが設けられている。
【0023】
電源ボタン18は、撮像装置1における通電状態(オン状態)と非通電状態(オフ状態)とを切り替えるボタンである。
【0024】
レリーズボタン12は、半押し状態(以下、状態S1とも称する)と全押し状態(以下、状態S2とも称する)とを区別して検出することが可能な、2段階押し込みスイッチである。撮像装置1は、操作者(ユーザ)によってレリーズボタン12が半押し状態S1にまで押下されると、「撮影準備開始」の指示入力が受け付けられたと判定する。また、撮像装置1は、操作者によってレリーズボタン12が全押し状態S2にまで押下されると、「撮影開始」の指示入力が受け付けられたと判定する。
【0025】
モニタ拡大スイッチ13は、LCDモニタ42および電子ビューファインダ43における表示画像の拡大率を変更するためのスイッチである。このスイッチ13の押下によって、撮影画像を拡大して表示することができる。
【0026】
モード切替スイッチ16は、再生モードと撮影モードとを切り替えるレバー式のスイッチである。モード切替スイッチ16のレバーを「REC」の位置に合わせることによって撮像装置1は撮影モードに設定され、モード切替スイッチ16のレバーを「PLAY」の位置に合わせることによって撮像装置1は再生モードに設定される。
【0027】
高感度撮影スイッチ14は、撮影モード(より詳細には撮影モードにおけるサブモード)を切り替えるためのスイッチである。具体的には、高感度撮影スイッチ14が押下されるごとに、カメラの周囲の輝度によらず常に通常のカラー撮像を行うモード(通常モード)と、カメラの周囲の輝度(環境輝度)に応じた感度の切替を伴うモード(感度切替可能モード)とが交互に選択される。
【0028】
「感度切替可能モード」は、高輝度環境下においては通常の感度でカラー撮像を行い、低輝度環境下(輝度が所定の閾値よりも小さくなる環境下)においては、画素加算によって感度を向上させた高感度のモノクロ画像(ここでは白黒画像)を撮像するモードである。この高感度のモノクロ画像によれば、非常に暗い環境下においても被写体像を得ることが可能になる。
【0029】
感度切替可能モードで撮像された各画像(高感度のモノクロ画像を含む)は、通常モードで撮像された各画像と同様に、ライブビュー画像としてLCDモニタ42などに表示され、さらに、レリーズボタン12の押下時には記録用画像(静止画像または動画像)としてメモリカード9内に記録される。
【0030】
図4は、撮像装置1の機能ブロックを示す図である。なお、図4においては、図示の都合上、撮像装置1の外部に示されている各種の機能ブロックも存在するが、これらの機能ブロックは実際には撮像装置1の内部又は表面に設けられている。
【0031】
撮像装置1は、撮像センサ15と、撮像センサ15にデータ伝送可能に接続する信号処理部2と、信号処理部2に接続する画像処理部3と、画像処理部3に接続するカメラ制御部40とを備えている。また、カメラ制御部40は、画素加算処理を行う画素加算部20を有している。画素加算部20は、タイミングジェネレータ44などを介して又は直接に撮像センサ15の読出動作を制御することにより、画素加算処理を行う。
【0032】
撮像センサ15は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3種類の原色透過フィルター(色フィルタ)が市松状に配置されたベイヤー配列を有する単板のエリアセンサとして構成されている。撮像センサ15は、いわゆるCCD撮像素子である。この撮像センサ15では、電荷の蓄積が完了すると光電変換された信号が遮光された転送路にシフトされて読み出され、被写体に係る画像信号が出力される。
【0033】
また、撮像センサ15と撮影レンズ10aとの間の光路には、赤外線カットフィルタFTが設けられている。この赤外線カットフィルタFTによって、余分な赤外成分が入射光から除去されるため、カラー画像において正確な色再現を行うことができる。
【0034】
信号処理部2は、CDS21とAGC22とA/D変換部23とを有している。
【0035】
通常のカラー撮影モードにおいては、撮像センサ15から出力された画像信号はCDS21でサンプリングされノイズが除去された後、AGC22により感度補正が行われる。
【0036】
A/D変換部23は、14ビットAD変換器で構成されており、AGC22で正規化されたアナログ信号をデジタル化する。デジタル変換された画像信号は、画像処理部3で所定の画像処理が施されて画像ファイルが生成される。
【0037】
また、上記の「感度切替可能モード」において高感度モノクロ画像が生成されるときには、撮像センサ15における画像信号に対して、後述するような画素値の加算動作が画素加算部20の制御下において行われた後に、加算後の画素信号が信号処理部2による処理を経てデジタル化されて画像処理部3に出力される。
【0038】
画像処理部3は、CPUおよびメモリを有しており、デジタル処理部30と画像圧縮部37とビデオエンコーダ36とメモリカードドライバ38とを備えている。
【0039】
デジタル処理部30は、画素補間部31と解像度変換部32とホワイトバランス制御部33とガンマ補正部34とマトリクス演算部35とを有している。
【0040】
画像処理部3に入力された画像データは、撮像センサ15の読出しに同期し画像メモリ41に書き込まれる。以後、この画像メモリ41に格納される画像データにアクセスし、デジタル処理部30で各種の処理が行われる。
【0041】
画像メモリ41内の画像データは、ホワイトバランス(WB)制御部33によりR,G,Bの各画素が独立にゲイン補正される(ホワイトバランス補正)。このホワイトバランス補正では、撮影被写体から本来白色となる部分を輝度、彩度データ等から推測し、その部分のR、G、Bそれぞれの平均値と、G/R、G/B比とを求め、これらの情報に基づいてRおよびBの補正ゲインとして制御される。
【0042】
画素補間部31は、ホワイトバランス補正がなされた画像データに対して画素補間処理を行い、撮像センサ15の各位置における画素の各成分チャンネル値を周辺画素の画素値に基づいて補間により求める。
【0043】
画素補間部31は、カラー画像生成時には、撮像センサ15における画素値に基づいて補間後の各色成分値R,G,Bを各成分チャンネル値(具体的には、Rチャンネル値Rch、Gチャンネル値Gch、Bチャンネル値Bchの3つの値)として求める。また、画素補間部31は、後述するように、高感度のモノクロ画像生成時には、画素加算部20による画素加算処理が施された後の新たな画素値に基づいて、補間後の各色成分値(厳密には、R,G,Bの各色成分を表す値ではないので、「擬似色成分値」とも称する)を各成分チャンネル値として求める。画素補間部31は、前者のカラー画像生成時および後者のモノクロ画像生成時のいずれにおいても、画素位置に応じた同一の補間用フィルタを用いて補間処理を行う。
【0044】
補間後の画像データは、ガンマ補正部34で各出力機器に合った非線形変換が行われ、8ビットのデータへと変換される。
【0045】
マトリクス演算部35は、画素補間後の各成分チャンネル値に基づいて色変換を行う機能を有している。マトリクス演算部35は、カラー画像生成時には、色変換マトリクスMX1と画素補間後の各画素の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchとに基づいて、各画素についての色信号(色成分値)Ych,Crch,Cbchを生成する。カラー画像生成時においては、変換後の色信号Ychは輝度信号に相当し、変換後の色信号Crch,Cbchは色差信号に相当する。また、マトリクス演算部35は、高感度モノクロ画像生成時には、補間後の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchと色変換マトリクスMX2とに基づいて輝度信号Ychを含む色信号(擬似色成分値)Ych,Crch,Cbchを生成する。ただし、高感度モノクロ画像生成時には、色信号Crch,Cbchは、いずれもゼロとなる。
【0046】
なお、以下では、色信号Ych,Crch,Cbchを単に、Y,Cr,Cbとも表記する。
【0047】
その後、記録用の画像については、マトリクス演算部35から出力された色変換後の各画素値に対して、解像度変換部32で設定された画素数に水平/垂直方向の縮小または間引きが行われ、画像圧縮部37で圧縮処理が行われる。そして、得られた記録用画像は、メモリカードドライバ38を介してメモリカード9に記録される。
【0048】
また、解像度変換部32では、プレビュー用(ライブビュー用)の画像についても画素間引きを行って、LCDモニタ42または電子ビューファインダ43に表示するための低解像度画像を作成する。プレビュー時には、画像メモリ41から読出された640×240画素の低解像度画像がビデオエンコーダ36でNTSC方式(あるいはPAL方式)の信号にエンコードされ、この低解像度画像がLCDモニタ42または電子ビューファインダ43で表示される。
【0049】
カメラ制御部40は、CPUおよびメモリを備え、撮像装置1における統括的な制御部として機能する。
【0050】
カメラ制御部40は、具体的には、上記のレリーズボタン12や高感度撮影スイッチ14などを有するカメラ操作スイッチ49に対して撮影者が行う操作入力を処理する。
【0051】
また、カメラ制御部40は、絞りドライバ46を介してシャッター45を開閉することなどによって、カメラの絞り値を制御する。
【0052】
さらに、カメラ制御部40は、フォーカスモータドライバ47を介してフォーカス制御用モータMT1を駆動して、撮影レンズ(より詳細には撮影レンズのうちのフォーカス制御用レンズ)の位置(以下、単に「撮影レンズの位置」とも称する)を制御する。これによって、撮影レンズ10aの合焦状態の制御(すなわちフォーカス制御)が行われる。
【0053】
また、カメラ制御部40は、ズームモータドライバ48を介してズーム制御用モータMT2を駆動し、撮影レンズ10aを構成する複数のレンズの配置を変更する。これにより、撮影レンズ10aの焦点距離fが変更されて、ズーム倍率が制御される。
【0054】
撮影待機状態においては、カメラ制御部40は、1/30(秒)毎に撮像されたプレビュー用の画像(ライブビュー画像)を、LCDモニタ42等に表示する。通常モードが選択されたときには、原則としてカラー画像がライブビュー画像として表示される。また、感度切替可能モードが選択されたときには、高輝度時においてはカラー画像が表示され低輝度時においては高感度モノクロ画像がライブビュー画像として表示される。
【0055】
操作者は、このライブビュー画像を見ながら、フレーミング動作等を行うことができる。その後、レリーズボタン12の押下操作に応答して本撮影画像(記録用の静止画像)が撮影され、本撮影直後には、本撮影による静止画像がLCDモニタ42に確認用の画像(アフタービュー画像)として一定期間表示される。その後、本撮影画像は、記録画像としてメモリカード9内に転送され記録される。
【0056】
また、この撮像装置1は、動画像を撮影することも可能である。操作者は、LCDモニタ42に表示される所定のメニュー画面を見ながら、カーソルボタン17等を用いて選択操作等を行うことによって、動画像の撮影と静止画像の撮影とを切り替えることができる。
【0057】
この撮像装置1においては、静止画像の撮影時においてだけでなく、動画像の撮影時においても、「感度切替可能モード」に関する設定内容が反映される。したがって、撮像装置1は、動画撮影時においても、輝度に応じた画像生成処理を行うことが可能である。その場合、複数の高感度モノクロ画像によって構成される連続画像が、メモリカードドライバ38などによってメモリカード9に動画像として記録される。
【0058】
<画像処理の概要>
つぎに、図5および図6を参照しながら、この撮像装置1において、「感度切替可能モード」が採用されるときの画像処理の概要について説明する。この「感度切替可能モード」では、比較的高輝度の環境下においては通常の感度でカラー画像を取得する動作が行われる。一方、比較的低輝度の環境下においては、近隣の画素を加算することによって感度を向上させて高感度のモノクロ(ここでは白黒)画像を取得する動作が行われる。
【0059】
図5はカラー画像生成時の画像処理の概要を示す図であり、図6は高感度モノクロ画像生成時の画像処理の概要を示す図である。なお、図5および図6では、説明の簡略化のため、A/D変換処理、ホワイトバランス制御、ガンマ補正処理などを省略して示している。
【0060】
図5に示すように、カラー画像生成時においては、撮像センサ15から出力される画像信号は、画素補間部31およびマトリクス演算部35を介して、輝度信号Yおよび色差信号Cr,Cbとして出力される。
【0061】
また、図6に示すように、高感度モノクロ画像生成時においては、撮像センサ15の画像信号は、画素加算部20によって水平方向に加算されて新たな画素の新たな画素値として合成されて撮像センサ15から出力される。撮像センサ15からの画像信号は、画素補間部31およびマトリクス演算部35を介して輝度信号Yおよび色差信号Cr,Cbに変換される。なお、出力されるべき画像はモノクロ画像であるため、色差信号Cr,Cbはともにゼロとなる。
【0062】
以下では、カラー画像生成時の画像処理と高感度モノクロ画像生成時の画像処理とについて、それぞれ、説明する。
【0063】
<カラー画像生成時の画像処理>
まず、カラー画像生成時の画像処理(カラー画像生成処理)について説明する。このカラー画像生成処理は、通常のカラー撮像のみを行うモード(「通常モード」)で行われるとともに、上記の「感度切替可能モード」における高輝度環境下においても行われる。
【0064】
図7は、カラー画像生成時の補間処理に用いられる補間フィルタを示す図であり、各画素位置に応じた複数の補間フィルタを示している。また、図8は、図7の補間フィルタを用いた補間結果の一例を示す図である。
【0065】
図8の左側には、撮像センサ15におけるベイヤー配列の各画素が示されている。最上段の行には、グリーン(G)の色フィルタに覆われた画素とレッド(R)の色フィルタに覆われた画素とが水平方向において交互に配置されている。また、次の行には、ブルー(B)の色フィルタに覆われた画素とグリーン(G)の色フィルタに覆われた画素とが水平方向において交互に配置されている。撮像センサ15における画素列は、上記のような1組(2行)の水平画素列が垂直方向に繰り返し配置されることによって、構成されている。
【0066】
ただし、このままでは、各画素位置における特定成分以外の色成分を得ることができない。たとえば、グリーンの色フィルタの位置においては、グリーン成分以外の成分チャンネル値を得ることができない。そこで、近隣画素(周辺画素)の画素値(階調値)を用いた補間処理によって、そのグリーンの色フィルタの位置における画素のレッド成分とブルー成分とを求める。その他の成分チャンネル値についても同様である。なお、図8の右側においては、複数の画素のうち8つの画素P22〜P25,P32〜P35のそれぞれについて、画素補間後の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchが示されている。
【0067】
たとえば、図8の左側の画素配列において、第2行目の左から第2番目の位置の画素P22については、そのままではグリーン成分しか判らないため、レッド成分とブルー成分とを補間により求める。具体的には、図7(a)のレッドチャンネル用フィルタを用いて、画素P22のレッド成分チャンネル値Rchは、画素P12の階調値と画素P32の階調値との平均値(R/2+R/2=R)として求められる。同様に、図7(a)のブルーチャンネル用フィルタを用いて、画素P22のブルー成分チャンネル値Bchは、画素P21の階調値と画素P23の階調値との平均値(B/2+B/2=B)として求められる。また、画素P22のグリーン成分チャンネル値Gchは、画素P22の階調値そのものとして求められる。
【0068】
同様にして、図7(b)の各成分チャンネル用フィルタを用いて、画素P23の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchが求められる。また、画素P32の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchは図7(c)の各成分チャンネル用フィルタを用いて求められ、画素P33の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchは図7(d)の各成分チャンネル用フィルタを用いて求められる。
【0069】
撮像センサ15においては、これらの画素配列(P22,P23,P32,P33)と同様の画素配列が水平方向および垂直方向に繰り返し配置されている。したがって、同様のフィルタを各画素の位置に応じて作用させることによって、各画素の補間処理を行うことができる。
【0070】
また、図9は、画素補間後の画素に対する色変換処理を示す図である。ここでは、8つの画素P22〜P25,P32〜P35について例示している。図9の左側は、図8の右側の状態に相当し、画素補間後且つ色変換処理前の各画素の画素値を示している。図9の右側は、色変換処理後の各画素の画素値を示している。また、各画素の画素値は、各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchごとに示されている。
【0071】
マトリクス演算部35は、色変換マトリクスMX1を用いて、各画素P22,P23,P32,P33等に対して、それぞれ、所定の変換式による色変換処理を施す。これにより、各成分チャンネル値(Rch,Gch,Bch)は、別の色空間表現(Y,Cr,Cb)へと変換される。
【0072】
輝度信号Yは、Y=(Krc×Rch+Kgc×Gch+Kbc×Bch)の変換式によって算出される。ここで、変換係数Krc,Kgc,Kbcは、それぞれ、各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchに対する係数(輝度信号生成用の係数)である。また、各変換係数Krc,Kgc,Kbcは、後述する区間TM4以外の区間TM1〜TM3においては、輝度信号中のR,G,Bの各色成分の混合比率Kr,Kg,Kb(ただし、Kr+Kg+Kb=1)とそれぞれ同一の値となる。ここでは、区間TM1,TM2においては、変換係数(Krc,Kgc,Kbc)=(Kr,Kg,Kb)として、(0.30,0.59,0.11)の値を用いる。
【0073】
また、色差信号Crは、変換式Cr=α×(Rch−Y)、に基づいて算出され、色差信号Cbは、変換式Cb=α×(Bch−Y)、に基づいて算出される。ここで、係数αは、このカラー画像生成時においてはα=1である。後述するように、この係数αをゼロにすれば、モノクロ画像を生成することができ、係数αを、0<α<1を満たす任意の値に設定することによれば、彩度を抑圧した画像を生成することができる。
【0074】
以上のようにして、カラー画像が生成される。
【0075】
なお、カラー画像生成時の補間処理は、上述の態様以外にも様々な態様のものを用いることが可能である。たとえば、グリーンの色フィルタの位置において、当該位置のグリーン成分値だけでなく、斜め方向の隣接4画素をも用いた平均値をグリーン成分チャンネル値として得るようにしてもよい。
【0076】
<高感度モノクロ画像生成時の画像処理>
つぎに、高感度のモノクロ画像生成時の画像処理(高感度モノクロ画像生成処理)について説明する。この高感度ノクロ画像生成処理は、後述するように本実施形態では、上記の「感度切替可能モード」において、輝度(環境輝度)を表すBV値が所定の閾値TH3よりも小さいときに実行される。この高感度モノクロ画像を得ることによれば、非常に暗い環境下でも被写体像を得ることが可能になる。
【0077】
この高感度モノクロ画像生成処理においては、ベイヤー配列の画素に対する画素加算処理が行われる。これにより、上記の通常感度のカラー画像よりも高感度の画像を生成することができる。この画素加算処理は、上述の画素補間処理の前であって、且つ、A/D変換前に行われる。すなわち、各画素信号がアナログ信号の状態で行われる。これによれば、A/D変換時に量子化単位よりも小さな信号がデジタル化に伴って消失してしまうことを防止して、より高感度の画素値を得ることができる。
【0078】
また、ここでは撮像センサ15の全画素を用いるのではなく、間引き後の一部の画素を用いて、画素数を減じた画像を生成するものとする。
【0079】
具体的には、画素加算部20は、水平方向および垂直方向に所定間隔の画素位置における画素の画素値を、その各画素の周辺画素の画素値を加算することによって得る。これにより、低輝度下におけるS/N比を向上させて感度を向上させることが可能になる。また、水平方向および垂直方向における所定間隔の画素位置以外の画素の画素値は求めないことによって、画素数を減少させる間引き処理を同時に行うことができる。
【0080】
図10は、この画素加算処理を示す図である。図10(a)は、撮像センサ15におけるベイヤー配列の各画素を示しており、図10(c)は、画素加算処理後の状態を示している。また、図10(b)は、画素加算処理の中間段階の状態を示す図である。
【0081】
ここでは、画素配列の垂直方向における加算処理と水平方向における加算処理との両方を行う場合について説明する。
【0082】
まず、画素加算部20は、撮像センサ15における画素列に対して垂直加算処理(垂直方向の加算処理)を行う。これによって、図10(a)の状態から図10(b)の状態へと移行する。この撮像センサ15においては、第(i×8+1)行の水平画素列と第(i×8+3)行の水平画素列との加算、および第(i×8+6)行の水平画素列と第(i×8+8)行の水平画素列との加算がそれぞれ行われる(ただし、iはゼロ以上の整数)。
【0083】
この垂直加算処理は、たとえば、垂直転送路内での加算処理によって実現される。
【0084】
具体的には、図11に示すように、まず、撮像センサ15の第3行の水平画素列L3の各画素の画素信号(画素値)を示す各蓄積電荷(G,R,G,R,...)が、隣接する各垂直転送路VLに送り出される。また、撮像センサ15の第8行の水平画素列L8の各画素の画素信号を示す各蓄積電荷(B,G,B,G,...)が、隣接する各垂直転送路VLに送り出される。つぎに、画素加算部20は、各垂直転送路VL内の各蓄積電荷を図面の上方向に2画素分移動させる。このとき、図12に示すように、各垂直転送路VL内の水平画素列L3の各蓄積電荷(G,R,G,R,...)は、第1行の水平画素列L1の各蓄積電荷の真横に位置している。この状態で、水平画素列L1の各蓄積電荷(G,R,G,R,...)が、さらに各垂直転送路VLに送り出される。これによって、水平画素列L1の各蓄積電荷と水平画素列L3の各蓄積電荷とが各列ごとに加算される。
【0085】
図10(b)は、垂直加算処理後の状態を示している。図10(b)の最上段(第1行)且つ最左列(第1列)の信号は、図10(a)の第1行第1列の画素値(G)と第3行第1列の画素値(G)とを合計した値(2G)となる。また、図10(b)の第1行第2列の信号は、図10(a)の第1行第2列の画素値(R)と第3行第2列の画素値(R)とを合計した値(2R)となる。第3列以降についても同様である。これによって、加算後の第1行の画素列LL1の各画素の画素値は、2G,2R,2G,2R,...というように、加算前の第1行の画素列L1の各画素の画素値と第3行の画素列L3の対応画素の画素値とが加算された状態となる。
【0086】
また、図12に示すように、上記の2画素分の移動によって、各垂直転送路VL内の水平画素列L8の各蓄積電荷(B,G,B,G,...)は、第6行の水平画素列L6の各蓄積電荷の真横に位置している。この状態で、水平画素列L6の各蓄積電荷(B,G,B,G,...)が、さらに各垂直転送路VLに送り出される。これによって、水平画素列L6の各蓄積電荷と水平画素列L8の各蓄積電荷とが各列ごとに加算される。
【0087】
この垂直加算処理によって、図10(b)における第2行目の水平画素列LL2の信号が得られる。この加算後の第2行目の水平画素列LL2の各画素は、2B,2G,2B,2G,...というように、第6行の水平画素列L6の各画素の画素値と第8行の水平画素列L8の対応画素の画素値とが加算された状態となる。
【0088】
なお、ここでは詳述しないが、同様に、第9行目以後の水平画素列についても同様の処理によって垂直加算処理が施されている。
【0089】
つぎに、画素加算部20は、水平加算処理(水平方向の加算動作)を行う。これによって、図10(b)の状態から図10(c)の状態へと移行する。
【0090】
画素加算部20は、図10(b)の第1行目の水平画素列LL1において、隣接する信号を4画素ごとに合算し、図10(c)の第1行目の新たな画素列LC1を生成する。なお、図10(c)は、水平加算処理後の状態を示している。
【0091】
具体的には、図12において、画素加算部20は、各垂直転送路VL内の各蓄積電荷を図面の上方向に1画素分移動させて、水平画素列LL1の各画素の画素値を水平転送路HLへと送り出す。
【0092】
そして、今度は図の左側へ向けて水平転送を行って水平方向の4画素ずつの画素値を合算する。具体的には、水平転送路HLに接続されたフローティングディフュージョンアンプAP内のコンデンサCNに、水平画素列LL1における画素値を4画素毎に蓄積する。詳細には、1画素の水平転送動作毎にコンデンサをリセットするのではなく、4画素の水平転送動作毎にコンデンサをリセットすることによって、4画素の合算値を求めることができる。
【0093】
この結果、図10(c)の最上段(第1行)且つ最左列(第1列)の信号は、図10(b)の第1行第1列の画素値(2G)と第1行第2列の画素値(2R)と第1行第3列の画素値(2G)と第1行第4列の画素値(2R)とを合計した値(4G+4R)となる。これによって、図10(c)における加算後の各画素の画素値は、図10(b)の画素に比べて約4倍の大きさ、図10(a)の画素に比べて約8倍の大きさを有することになる。これにより、低輝度下においても、十分な感度を得ることが可能になる。
【0094】
同様に、画素加算部20は、図10(b)の第1行目の水平画素列LL1において、第5列から第8列までの画素の信号を合算し、図10(c)における第1行第2列の新たな画素の画素値とする。さらに、図10(b)の第1行目の水平画素列LL1において、第9列から第12列までの画素の信号を合算し、図10(c)における第1行第3列の新たな画素の画素値とする。以降、同様の動作が繰り返される。
【0095】
以上のようにして、図10(c)の第1行の画素列が生成される。
【0096】
つぎに、画素加算部20は、図10(b)の第2行目の水平画素列LL2において、隣接する信号を4画素ごとに合算し、図10(c)の第2行の新たな画素列LC2を生成する。
【0097】
具体的には、画素加算部20は、図12において、各垂直転送路VL内の各蓄積電荷を、図面の上方向に1画素分移動させた上記の状態から図面の上方向にさらに5画素分移動させて、水平転送路HLへと送り出す。その後、図の左側への水平転送を行って水平方向の4画素ずつの画素値を合算する。
【0098】
この結果、図10(c)の第2行第1列の信号は、図10(b)の第2行第1列の画素値(2B)と第2行第2列の画素値(2G)と第2行第3列の画素値(2B)と第2行第4列の画素値(2G)とを合計した値(4G+4B)となる。同様に、図10(c)の第2行第2列の信号は、図10(b)の第2行における第5列から第8列までの4つの画素の画素値を合計した値(4G+4B)となる。第2行の残りの画素列についても同様である。
【0099】
この水平加算処理によって、第2行の画素列も、図10(b)の状態から図10(c)の状態へと移行する。これによって、図10(c)における加算後の各画素の画素値は、図10(b)の画素に比べて約4倍の大きさ、図10(a)の画素に比べて約8倍の大きさを有することになり、低輝度下においても十分な感度を得ることが可能になる。
【0100】
さらに、画素加算部20は、同様の読み出し動作および画素加算動作を繰り返し実行することによって、図10(c)における第3行目以降の水平画素列LC3,LC4,...を生成する。
【0101】
このように、画素加算部20は、高感度モノクロ画像生成時には、2つの色成分のみを加算して新たな画素値を算出することによって、互いに異なる組合せの2つの色成分のみを含む所定方向の2種類の水平画素列を交互に生成する。具体的には、G成分(グリーン成分)およびR成分(レッド成分)のみを含む奇数行目の水平画素列と、G成分(グリーン成分)およびB成分(ブルー成分)のみを含む偶数行目の水平画素列とが生成される。
【0102】
また、画素加算部20は、撮像センサ15における水平方向の画素値をn画素(ただし、nは2以上の自然数、上記の例ではn=4)ずつ加算するとともに、垂直方向に対しては画素数をn分の1に間引く間引き処理を行う。この結果、水平方向の画素数および垂直方向の画素数がいずれもn分の1となるように、加算後の新たな画素の画素値が得られる。この場合、加算後の新たな画素で構成される画像は、そのアスペクト比が加算前後で変更されないので、アスペクト比を加算前後で合致させるためのさらなる処理を行う必要がない。
【0103】
以上のようにして、画素加算処理が実行される。この後、A/D変換が施されて、各画素の画素値がデジタル値に変換される。そして、デジタル化された画素値に対して、今度は画素補間処理が施される。
【0104】
つぎに、この画素補間処理について説明する。この実施形態においては、高感度モノクロ画像生成時においても、カラー画像生成時と同一の補間フィルタ(図7参照)を用いて、画素補間部31による画素補間処理を行う。
【0105】
図13は、図7の補間フィルタを用いた補間結果の一例を示す図である。図13は、高感度モノクロ画像生成処理時の画素補間結果を示す図であり、カラー画像生成処理時の画素補間結果を示す図8に対応する図である。
【0106】
図13の左側には、図10の画素加算処理によって高感度化された後の各画素(すなわち、図10(c)の各画素)が示されている。ただし、図13では、画素の画素値は、各色成分の混合割合(混合比率とも称する)を示すことを主目的として表現されており、図10(c)の「4G+4R」などにおける各色成分の前の係数は省略して示されている。たとえば、「G+R」は、グリーン成分(G)とレッド成分(R)とが1対1の比率(割合)で混合されていることを示している。なお、この「G+R」と図8における記述とのレベルを合わせるためには、成分の和(R+G)に対して係数4を乗じた(掛け合わせた)上で、正規化のため8で除した(割った)値で表現すればよい。
【0107】
この図13の左側に示すような各画素に対して、図7と同一の補間フィルタを用いて上記と同様の画素補間処理が行われ、各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchが算出される。
【0108】
たとえば、図13の左側の画素配列において第2列目の左から第2番目の位置の画素Q22について考察する。
【0109】
この画素Q22のレッド成分チャンネル値Rchは、図7(a)のレッドチャンネル用フィルタを用いて求める。具体的には、画素Q22のレッド成分チャンネル値Rchは、画素Q12の階調値と画素Q32の階調値との平均値((G+R)/2+(G+R)/2=G+R)として求められる。同様に、画素Q22のブルー成分チャンネル値Bchは、図7(a)のブルーチャンネル用フィルタを用いて、画素Q21の階調値と画素Q23の階調値との平均値((G+B)/2+(G+B)/2=G+B)として求められる。また、画素Q22のグリーン成分チャンネル値Gchは、図7(a)のグリーンチャンネル用フィルタを用いて、画素Q22の階調値(G+B)そのものとして求められる。
【0110】
同様にして、図7(b)の各成分チャンネル用フィルタを用いて、画素Q23の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchが求められる。また、画素Q32の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchは図7(c)の各成分チャンネル用フィルタを用いて求められ、画素Q33の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchは図7(d)の各成分チャンネル用フィルタを用いて求められる。
【0111】
撮像センサ15においては、図13の左側に示すような画素配列(Q22,Q23,Q32,Q33)と同様の画素配列が水平方向および垂直方向に繰り返し配置されている。したがって、同様のフィルタを各画素の位置に応じて作用させることによって、各画素の補間処理後の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchを得ることができる。
【0112】
この結果、図13の右側に示されるように、各画素Q22,Q23,Q24,Q25,...,Q32,Q33,Q34,Q35...のいずれの画素においても、そのレッド成分チャンネル値Rchは「G+R」となり、そのブルー成分チャンネル値Bchは「G+B」となる。なお、各画素のグリーン成分チャンネル値Gchとしては、「G+B」と「G+R/2+B/2」とが水平方向および垂直方向のそれぞれにおいて交互に出現する。
【0113】
また、図14は、補間処理後の画素に対する色変換処理を示す図であり、(カラー画像生成処理時についての)図9に対応する。
【0114】
マトリクス演算部35は、色変換マトリクスMX2を用いて、各画素Q22,Q23,Q32,Q33等に対して、それぞれ、所定の変換式による色変換処理を施す。これにより、各成分チャンネル値(Rch,Gch,Bch)は、別の色空間表現(Y,Cr,Cb)へと変換される。色変換マトリクスMX2は、上述の色変換マトリクスMX1とは異なる変換係数Krc,Kgc,Kbcを有している。すなわち、高感度モノクロ画像生成時において、各画像信号は、上記のカラー画像生成時の変換係数とは異なる変換係数で処理されて生成される。
【0115】
たとえば、輝度信号Yは、Y=(0.5×Rch+0.5×Bch)の変換式によって算出される。すなわち、変換係数(Krc,Kgc,Kbc)=(0.5,0,0.5)であり、レッド成分チャンネル値Rchとブルー成分チャンネル値Bchとを同一比率で混合することによって、輝度信号Yが生成される。なお、この輝度信号Yは、カラー画像生成時とは異なる変換式によって算出されているため、高感度モノクロ画像における輝度信号Yは擬似輝度信号とも称される。
【0116】
この結果、図14の右側に示すような輝度信号Yが生成される。この輝度信号Yは、いずれの画素においても、「G+R/2+B/2」として算出される。すなわち、いずれの画素においても、各成分値R,G,Bが1:(1/2):(1/2)の同一の割合で混合された値がその画素値として生成される。
【0117】
この結果、次述するように、横縞模様が発生することもなく、綺麗な高感度モノクロ画像を生成することができる。
【0118】
なお、図9と比較するため正規化した状態で、変換後の輝度信号Yを各色成分値R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の線形和で表現すると、Y=0.25×R+0.5×G+0.25×B、となる。この式は、上記の変換式において、Rchに((G+R)/2)を代入し、Bchに((G+B)/2)を代入することによって得ることができる。したがって、色変換マトリクスMX2を用いて生成される輝度信号中での各色成分R,G,Bの混合比率を表す係数Kr,Kg,Kbは(0.25,0.5,0.25)となる。
【0119】
また、モノクロ画像信号を生成するため、色差信号Cr,Cbはいずれもゼロ(固定値)である。
【0120】
以上のようにして、高感度のモノクロ画像が生成される。
【0121】
上記のような撮像装置1によれば、画素加算によって高感度化を図ることができるので、高感度化を図るために赤外線カットフィルタFTを光路から外す必要がない。したがって、赤外線カットフィルタFTの装脱を行うための構成を設ける必要がないので、構成が簡易である。
【0122】
<参考例との比較>
ところで、画素加算によって高感度モノクロ画像を生成するにあたっては、画素加算処理によって得られた画素値を、別個に設けられたローパスフィルタを用いて垂直方向に平滑化する技術を想定することができる。以下、この技術を参考例と称するものとする。
【0123】
ここで、上記実施形態の技術的意義をより明確にするため、この参考例との比較を行う。
【0124】
図15〜図17は、参考例に関する処理動作等について説明する図である。図15は、参考例における機能ブロックを示す図であり、上記の図6に対応する図である。また、図16は図13に対応する図であり、図17は図14に対応する図である。なお、上記実施形態の撮像装置1と同様の構成を有するブロックについては、同様の符号を付して説明する。
【0125】
この参考例に係る技術は、結果的に、図15に示される機能ブロックと同等の処理を行うものに相当する。この技術においては、加算処理が施された画素値は、画素補間部31による補間処理を経ることなく画素補間部31(図15)をスルーして、各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchが同一の値となる。
【0126】
具体的には、図16の左側に示すように、画素加算処理後の画素配列において、第2行目の水平画素列の各画素の画素値は「G+B」となり、その後、画素補間部31をスルーすることによって、各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchはいずれも「G+B」となる(図16の右側参照)。同様に、画素加算処理後の画素配列において、第3行目の水平画素列の各画素の画素値は、「G+R」となり、その後、画素補間部31をスルーすることによって、各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchはいずれも「G+R」となる。
【0127】
その後、図17に示すように、マトリクス演算部35により色変換処理が施される。
【0128】
図16にも示されるように、画素補間部31から出力される偶数行の水平画素列の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchは、いずれも同一の値「G+B」となる。ここでは、マトリクス演算部35は、図17の上側に示すように、そのうちのグリーン成分チャンネル値Gchをそのまま用いて「G+B」を擬似輝度信号Yとして出力する。また、色差信号Cr,Cbは、いずれもゼロ(固定値)とされる。
【0129】
また、奇数行の水平画素列の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchは、いずれも同一の値「G+R」となるので、マトリクス演算部35は、図17の下側に示すように、そのうちのグリーン成分チャンネル値Gchをそのまま用いて「G+R」を擬似輝度信号Yとして出力する。
【0130】
ここで、偶数行の水平画素列(図17の上段参照)においては、「R」成分はいずれの成分チャンネル値にも含まれない。そのため、マトリクス演算部35における色変換マトリクスの変換係数を変更して各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchの混合割合を変更しても、「R」成分を輝度信号Yに反映させることはできない。
【0131】
同様に、奇数行の水平画素列(図17の下段参照)においては、「B」成分はいずれの成分チャンネル値にも含まれない。そのため、マトリクス演算部35における色変換マトリクスの変換係数を変更して各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchの混合割合を変更しても、「B」成分を輝度信号Yに反映させることはできない。
【0132】
このように、参考例の技術においては、色変換マトリクスにおける変換係数をどのように設定したとしても、偶数行の水平画素列に対する擬似輝度信号と奇数行の水平画素列に対する擬似輝度信号とは、互いに異なる値となる。そのため、1ライン毎に異なる割合の混合色成分が擬似輝度信号として出力されることになる。ここでは、「G+B」と「G+R」とが交互に擬似輝度信号として出力される。
【0133】
したがって、被写体の色が特定の色成分に偏っている場合には、高感度モノクロ画像において縞模様が発生することになる。たとえば、赤一色の被写体を撮影する場合には、「G+R」の奇数行には赤色成分が反映された値が出力される一方で、「G+B」の偶数行の画素値はほぼゼロとなり、撮影されたモノクロ画像において縞模様が出現する。
【0134】
そして、このような縞模様の発生を防止するためには、図15に示すように、垂直方向の平滑化を図るためのローパスフィルタ(LPF)39を設けることなどが求められる。
【0135】
なお、図15に示す技術は、画素加算部20による画素加算処理を受けた水平画素列ごとの画像信号を、画素補間部31およびマトリクス演算部35を経ることなく、そのままローパスフィルタ39によって平滑化処理するものであるとも理解できる。
【0136】
これに対して、上記の実施形態に係る撮像装置1によれば、参考例のようなローパスフィルタ39を設けることなく、簡易な構成で高感度の綺麗なモノクロ画像を得ることができる。
【0137】
具体的には、上記実施形態に係る撮像装置1の画素補間部31は、カラー画像生成時には、図7の補間用フィルタを用いて、撮像センサ15における画素値に基づいて補間後の各色成分値を各成分チャンネル値として求め、高感度モノクロ画像生成時には、カラー画像生成時と同一の補間用フィルタを用いて、加算後の新たな画素値に基づいて補間後の各擬似色成分値を各成分チャンネル値として求める。そして、マトリクス演算部35は、カラー画像生成時には、補間後の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchと色変換マトリクスMX1とに基づいて色信号Y,Cr,Cbを生成し、高感度モノクロ画像生成時には、補間後の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchと色変換マトリクスMX2とに基づいて輝度信号Y等を生成する。
【0138】
すなわち、高感度のモノクロ画像生成時において、カラー画像生成時と同一の補間用フィルタを用いて画素補間が行われ、且つ、カラー画像生成時とは異なる変換係数を有する色変換マトリクスを用いて色変換処理(輝度信号生成処理)が行われる。
【0139】
このように、画素加算によって感度が向上した新たな画素値に対して、カラー画像生成に用いられる画素補間部31およびマトリクス演算部35を用いて、高感度モノクロ画像への変換処理を行うことができるので、簡易な構成で高感度のモノクロ画像を得ることができる。言い換えれば、カラー画像生成用に既に存在している画素補間部31およびマトリクス演算部35を巧みに活用して、高感度のモノクロ画像を生成することが可能になる。
【0140】
特に、上記の画素補間部31は、水平方向および垂直方向の両方向における2次元フィルタリング処理を伴う画像補間処理を行うことによって、画素加算部20による加算処理後の新たな画素に対する各成分チャンネル値を求めている。そして、これにより、画素加算において加算されなかった成分をも含む3つの全ての色成分R,G,Bを、各画素における複数の成分チャンネル値のいずれかにおいて出力することができる。このように、高感度モノクロ画像生成時における画像補間処理は、上記のカラー画像生成時の画像補間処理とは異なる作用を有している。そして、このような各成分チャンネル値に対してマトリクス演算部35による色変換処理を行うことによって、特定の色成分への偏りが無い又は偏りが少ない輝度信号を生成することが可能になる。
【0141】
具体的には、図13の右側に示すように、画素補間部31による画素補間後の偶数行の水平画素列において、レッド成分チャンネル値Rch(=「G+R」)には、「R」と「G」との両色成分が含まれており、ブルー成分チャンネル値Bch(=「G+B」)には、「B」と「G」との両色成分が含まれている。画素補間前の偶数行の水平画素列(「G+B」)には「R」成分は含まれていなかったのに対して、画素補間後の偶数行の水平画素列においては、この「R」成分がレッド成分チャンネル値Rchに含まれている。
【0142】
そして、マトリクス演算部35において、2つ(2種類)の成分チャンネル値Rch,Bchを加算して平均化することによって、輝度信号Yを求めている。したがって、マトリクス演算部35の色変換処理によって、3つの全ての色成分「R」,「G」,「B」が混合された輝度信号Yを得ることが可能である。
【0143】
同様に、奇数行の水平画素列においても、同様である。すなわち、奇数行の水平画素列において、レッド成分チャンネル値Rchには、「R」と「G」との両色成分が含まれており、ブルー成分チャンネル値Bchには、「B」と「G」との両色成分が含まれている。画素補間前の奇数行の水平画素列には「B」成分は含まれていなかったのに対して、画素補間後の奇数行の水平画素列においては、この「B」成分がブルー成分チャンネル値Bchに含まれている。
【0144】
そして、奇数行の水平画素列についても、マトリクス演算部35の色変換処理によって、3つの全ての色成分「R」,「G」,「B」が混合された輝度信号Yを得ることが可能である。
【0145】
この結果、マトリクス演算部35による色変換処理によって、偶数行および奇数行のいずれにおいても、3つの色成分「R」,「G」,「B」が混合された輝度信号Yを得ることが可能である。
【0146】
具体的には、この実施形態においては、図14に示すように、マトリクス演算部35による変換の結果、偶数行および奇数行のいずれにおいても、輝度信号Yは「G+R/2+B/2」として求められる。すなわち、輝度信号Yにおいては、偶数行と奇数行とで、色成分R,G,Bの混合比率(Kr:Kg:Kb)が同一(1:2:1)である。
【0147】
そのため、被写体の色が特定の色成分に偏っている場合であっても、縞模様の発生を回避して、綺麗な高感度モノクロ画像を得ることが可能である。すなわち、垂直方向の平滑化を図るためのローパスフィルタ(LPF)39を設けることなく、綺麗な高感度画像を得ることが可能である。
【0148】
特に、図14に示すように、マトリクス演算部35による変換の結果、輝度信号Yにおける各色成分の混合割合は、いずれの画素においても、「G+R/2+B/2」となる。すなわち、各色成分の混合割合が各画素間で同一となる。したがって、当該混合割合が異なる場合に起こり得る模様(あるいはざらつき感)等の発生を回避して、綺麗な高感度モノクロ画像を得ることが可能になる。
【0149】
また、この実施形態においては、図13に示すように、高感度モノクロ画像生成時には、2つの成分チャンネル値Rch(=G+R),Bch(=G+B)の和成分(=(G+R)+(G+B))における3つの色成分「R」,「G」,「B」の混合割合が、偶数行の水平画素列の画素と奇数行の水平画素列の対応画素との間で同一の割合(1:2:1)となるように、画素補間部31による画素補間が行われている。したがって、偶数行と奇数行とで色変換マトリクスの係数を変更することなく色変換処理を行うことによって、同一割合の混合比率を有する輝度信号を容易に生成することが可能である。
【0150】
特に、この実施形態においては、2つの成分チャンネル値Rch,Bchの和成分における3つの色成分「R」,「G」,「B」の混合割合が、所定の画素と任意の画素との間でも同一の割合(1:2:1)となるように、画素補間部31による画素補間が行われている。したがって、全ての画素について同一変換係数の色変換マトリクスを用いた色変換処理を行うことによって、同一割合の混合比率を有する輝度信号を容易に生成することが可能である。
【0151】
<輝度に応じたモード変更>
つぎに、「感度切替可能モード」において、環境輝度が変化したときの撮像装置1の動作について説明する。ここでは、撮像装置1の環境輝度を表す指標値として、露出制御に用いるAPEX値のうちのBV値を用いるものとする。このBV値は、撮像センサ15への入射光量を反映した値として算出される。また、この算出動作は、画像処理部3などによって行われる。
【0152】
撮像装置1は、この「感度切替可能モード」においては、まず、高輝度環境下では通常の感度でカラー撮像を行う「カラー画像生成処理」を実行する。そして、輝度の更なる減少に応じて、彩度を抑圧する「彩度抑圧画像生成処理」、「通常感度モノクロ画像生成処理」、および「高感度モノクロ画像生成処理」を順次に実行する。詳細には、輝度に応じて区分された4つの区間TM1〜TM4において、互いに異なるこれらの画像生成処理のそれぞれが行われる。なお、これらの区間は、BV値に関する3つの閾値TH1,TH2,TH3(TH1>TH2>TH3)によって区分される。
【0153】
図18は、感度切替可能モードにおける動作を示す図である。図18のグラフの横軸は、輝度を表すBV値(APEX値)を示しており、縦軸は、色変換に関する各種のパラメータ(係数)α,Kr,Kg,Kbの値を示している。
【0154】
まず、輝度を表すBV値が閾値TH1(ここでは、−0.2)よりも大きい場合(すなわち撮影環境が所定値よりも明るい場合)(区間TM1)には、通常感度のカラー画像が生成される。すなわち、区間TM1においては、通常感度の「カラー画像生成処理」が実行される。
【0155】
この区間TM1でのカラー画像生成処理は、図5,図8,図9などを用いて説明した通りである。区間TM1においては、マトリクス演算部35における変換係数αは1であり、彩度は全く抑圧されない。
【0156】
つぎに、BV値が閾値TH1よりも小さく且つ閾値TH2(ここでは、−1.2)よりも大きい場合(区間TM2)には、彩度抑圧処理を行う。すなわち、区間TM2においては、「彩度抑圧画像生成処理」(後述)が実行される。詳細には、後述するように、マトリクス演算部35における変換係数αが、輝度の減少に応じて、徐々に小さな値に設定される。
【0157】
そして、BV値が閾値TH2よりも小さくなると、変換係数αがゼロになり、モノクロ画像が生成される。すなわち、区間TM3および区間TM4においては、マトリクス演算部35における変換係数αはゼロとなり、モノクロ画像が生成される。
【0158】
より具体的には、BV値が閾値TH2よりも小さく且つ閾値TH3(ここでは、−2.5)よりも大きい場合(区間TM3)においては、画素加算動作を伴わない通常感度によるモノクロ画像が生成される。すなわち、区間TM3においては、「通常感度モノクロ画像生成処理」(後述)が実行される。
【0159】
また、BV値が閾値TH3よりもさらに小さい場合(区間TM4)においては、画素加算動作を伴う高感度のモノクロ画像が生成される。すなわち、区間TM4においては、「高感度モノクロ画像生成処理」が実行される。この区間TM4での高感度モノクロ画像生成処理は、図6,図13,図14などを用いて説明した通りである。
【0160】
以上のように、区間TM1,TM2,TM3においては、図5に示すように、画素加算処理が施されることなく、マトリクス演算部35の色変換マトリクスMX1を用いた処理が行われる。これによって、各区間TM1,TM2,TM3において、それぞれ、通常感度の複数の画像(画像群)が連続的に取得される。
【0161】
ただし、このとき、マトリクス演算部35における変換係数αは、区間に応じて変化する。具体的には、区間TM1では1であり、区間TM3ではゼロである。また、区間TM2では、変換係数αは、0≦α≦1を満たす値となり、具体的には、輝度の減少に応じて1からゼロへ向けて徐々に小さくなる。言い換えれば、区権TM2においては、輝度の減少に応じて彩度の抑圧程度が徐々に上昇する。そして、BV値が閾値TH2(区間TM3と区間TM2との境界値)となるときには、彩度が完全に抑制された状態(α=0)となる。
【0162】
また、区間TM4においては、図6に示すように、画素加算処理が施された上で、マトリクス演算部35の色変換マトリクスMX2を用いた処理が行われる。これによって、複数の高感度モノクロ画像(高感度モノクロ画像群)が連続的に取得される。
【0163】
ここにおいて、図18に示す処理において、輝度が経時的に変化(たとえば、低下(減少))していく場合を想定する。このとき、上記の4つの区間TM1,TM2,TM3,TM4にそれぞれ対応する4つの期間において、上述のような各時点の輝度に応じた画像処理が施される。
【0164】
そして、この経時的変化においては、次のような2つの状態遷移が存在する。
【0165】
1つは、区間TM1〜TM3にわたる状態遷移である。これによって、取得される画像は、カラー画像からモノクロ画像へと、その彩度の抑圧程度が徐々に上昇されつつ移行する。
【0166】
もう1つは、区間TM2〜TM4にわたる状態遷移である。これによって、取得される画像は、通常感度の画像から高感度の画像へと移行する。特に、BV値が閾値TH2以下の区間の状態遷移について考察すれば、取得される画像は、通常感度のモノクロ画像から高感度のモノクロ画像へと移行する。
【0167】
以下では、これら2つの状態遷移動作について詳述する。
【0168】
まず、区間TM1〜TM3にわたる状態遷移について説明する。図18においては、カラー画像(彩度が抑圧されていない画像)が取得される区間TM1と、モノクロ画像が取得される区間TM3との間に、彩度抑圧処理を施した画像が取得される区間TM2が存在する。
【0169】
この区間TM2における彩度抑圧処理は、図5のマトリクス演算部35における変換係数αの値を1よりも小さな値にすることによって行われる。
【0170】
具体的には、係数αはBV値の減少に応じて徐々に小さくなる。ここでは、図18に示すように、係数αはBV値との間に線形関係を有するように変化する。そして、BV値が閾値TH1に等しいときに係数αが1となり且つBV値が閾値TH2に等しいときに係数αが0となるように、閾値TH1,TH2の中間値BVに対する係数αの値が定められる。区間TM2においては、このような係数αを有する色変換マトリクスMX3(後述のマトリクスMX32と区別する場合にはMX31とも称する)を用いて色変換処理が行われる。なお、区間TM2における色変換マトリクスMX31の他の変換係数(Krc,Kgc,Kbc)=(Kr,Kg,Kb)は、色変換マトリクスMX1と同じ値である。
【0171】
そして、BV値が閾値TH2よりも小さくなると、係数α=0となりモノクロ画像生成処理に移行する。ただし、BV値が閾値TH3よりも大きい区間TM3においては、画素加算処理は未だ行われず通常感度のモノクロ画像が生成される。
【0172】
このように、カラー画像生成処理を行う区間TM1と、通常感度モノクロ画像生成処理を行う区間TM3との間の区間TM2において、環境輝度に応じて係数αを連続的に変更させて彩度の抑圧程度を徐々に変化させる彩度抑圧画像生成処理が行われる。したがって、カラー画像からモノクロ画像への移行がスムーズに行われ、画像が急激に変化することを回避できる。すなわち、移行時における違和感を減少させることができる。
【0173】
次に、区間TM2〜TM4にわたる状態遷移について説明する。図18においては、通常感度の画像(彩度が抑圧されたカラー画像、およびモノクロ画像)が取得される区間TM2と、高感度のモノクロ画像が取得される区間TM4との間に、通常感度のモノクロ画像が取得される区間TM3が存在する。
【0174】
上述したように、マトリクス演算部35における、輝度信号Yにおける各色成分の混合比率を表す係数Kr,Kg,Kbは、区間TM1,TM2と、区間TM4との間で異なっている。すなわち、通常感度画像生成時(カラー画像生成時および彩度抑圧画像生成時等)と、高感度モノクロ画像生成時とでは、混合比率Kr,Kg,Kbが異なっている。具体的には、区間TM1,TM2においては、混合比率Kr,Kg,Kbは、それぞれ、0.3,0.59,0.11であるのに対して、区間TM3の終端(および区間TM4の開始点)においては、混合比率Kr,Kg,Kbは、それぞれ、0.25,0.5,0.25である。
【0175】
仮に、区間TM3においても、区間TM1,TM2と同一の混合比率Kr,Kg,Kbを実現するような変換係数Krc,Kgc,Kbcを用いる場合を想定する。この場合、区間TM3での通常感度モノクロ画像生成処理から区間TM4での高感度モノクロ画像生成処理への切替時点において、切替前後に生成された両画像はともにモノクロ画像ではある。しかしながら、被写体の有彩色部分については、その有彩色部分における各色成分値の相違と混合比率Kr,Kg,Kbの急激な変化とに伴って、これらの両モノクロ画像の切替時点において、急激な濃度変化が生じるために、不連続性が目立つことになる。たとえば、撮像装置1の操作者は、たとえば、動画像撮影時、あるいは、静止画撮影のためのプレビュー画像表示(ライブビュー表示)時において、モノクロ画像における不連続な濃度変化を感じることになる。
【0176】
これに対して、この実施形態においては、区間TM3でのモノクロ画像生成処理での変換係数Krc,Kgc,Kbc(したがって混合比率Kr,Kg,Kb)を輝度に応じて変化させることによって、区間TM2から区間TM4への移行時における急激な変化を防止する。
【0177】
具体的には、この区間TM3においては、マトリクス演算部35における輝度信号を求めるための変換係数Krc,Kgc,Kbcを輝度の変化に応じて徐々に変化させる。
【0178】
より詳細には、図18に示すように、BV値(環境輝度)の減少(変化)に応じて、各混合比率Kr,Kg,Kbが、それぞれ、区間TM2の終点(閾値TH2)における値から区間TM4の始点(閾値TH3)における値へ向けて徐々に変化するように、色変換マトリクスMX32における各変換係数Krc,Kgc,Kbcが徐々に変化する。ここで、区間TM2の終点における各変換係数Krc,Kgc,Kbcの各値は、色変換マトリクスMX1(あるいは色変換マトリクスMX31)を用いて生成される輝度信号Yでの色成分混合比率(Kr:Kg:Kb)=(0.3:0.59:0.11)を実現する値であるとも表現できる。また、区間TM3の終点における各変換係数Krc,Kgc,Kbcの各値は、色変換マトリクスMX2を用いて生成される輝度信号Yでの色成分混合比率(Kr:Kg:Kb)=(0.25:0.5:0.25)を実現する値であるとも表現できる。
【0179】
すなわち、区間TM3において、BV値(環境輝度)の減少に応じて、各変換係数(Krc,Kgc,Kbc)=(Kr,Kg,Kb)が(0.3:0.59:0.11)から(0.25:0.5:0.25)へ向けて徐々に変化する。
【0180】
たとえば、変換係数Krc(=Kr)は、閾値TH1,TH2の間ではBV値の変化に応じて次のような値となる。すなわち、変換係数Krcは、BV値が閾値TH2に等しいときに0.3であり、その後、BV値の減少に応じて、しばらくその値を維持した後に徐々に減少する。そして、変換係数Krcは、BV値が閾値TH3よりも少し大きな値であるとき(ここでは−2.3)に0.25となり、その値を維持して、BV値が閾値TH3にほぼ等しいときにも0.25となる。
【0181】
同様に、係数Kgc(=Kg)は、閾値TH1,TH2の間ではBV値の変化に応じて、BV値が閾値TH2に等しいときに0.59であり、その後、BV値の減少に応じて、しばらくその値を維持した後に徐々に減少する。そして、係数Kgcは、BV値が閾値TH3よりも少し大きな値(ここでは−2.3)であるときに0.5となり、その値を維持して、BV値が閾値TH3にほぼ等しいときにも0.5となる。
【0182】
また同様に、係数Kbc(=Kb)は、BV値が閾値TH2に等しいときに0.11であり、その後、BV値の減少に応じて、しばらくその値を維持した後に徐々に減少する。そして、係数Kbcは、BV値が閾値TH3よりも少し大きな値であるときに0.25となり、その値を維持して、BV値が閾値TH3にほぼ等しいときにも0.25となる。
【0183】
区間TM3においては、このような係数Krc,Kgc,Kbcを有する色変換マトリクスMX3(MX31と区別する場合にはMX32とも称する)を用いて色変換処理が行われる。なお、区間TM3における色変換マトリクスMX32の他の変換係数αは、色変換マトリクスMX2と同じくゼロである。
【0184】
この結果、図18に示すように、上記のように区間TM3において、BV値(環境輝度)の変化に応じて、色変換マトリクスMX32で生成された輝度信号中の各色成分の混合比率Kr,Kg,Kbが、色変換マトリクスMX1によって実現される値から色変換マトリクスMX2によって実現される値へ向けて徐々に変化する。すなわち、各混合比率Kr,Kg,Kbの連続性を担保しつつ、各変換係数Krc,Kgc,Kbcの値が変更される。
【0185】
また、区間TM4においては、画素加算処理を開始するとともに、変換係数Krc,Kgc,Kbcを(0.5,0,0.5)に切り替える。この切替後の区間TM4において色変換マトリクスMX2を用いて生成される輝度信号Yでの色成分混合比率(Kr:Kg:Kb)は、図18に示すように、(0.25:0.5:0.25)である。したがって、変換係数Krc,Kgc,Kbcは不連続的に変更されるが、輝度信号中の各色成分の混合比率(Kr:Kg:Kb)は図18に示すように連続的に変更されることになる。
【0186】
したがって、通常感度画像から高感度画像へと徐々に移行させることができ、通常感度画像から高感度画像への移行時における不連続性を回避して、画像変化における違和感を緩和することができる。
【0187】
以上のように、撮像装置1は、カラー画像生成処理からモノクロ画像生成処理へと移行する場合には、区間TM2において係数αを連続的に変化させ、且つ、通常感度モノクロ画像生成処理から高感度モノクロ画像生成処理へと移行する場合には、区間TM3において変換係数Krc,Kgc,Kbcを連続的に変化させる。
【0188】
このように、撮像装置1による上記の実施形態の撮像方法(撮像装置の制御方法)によれば、輝度の変化に応じて、区間TM1,TM2,TM3,TM4の各処理が順次に切り替えて行われるに際して、切替時の不連続変化の発生を回避することができる。
【0189】
また、ホワイトバランス制御における補正パラメータが複数の区間において異なる場合には、その補正パラメータを輝度に応じて変更することによって、切替時の補正パラメータを調整することが好ましい。たとえば、区間TM2から区間TM4への切替時には、両区間の中間の区間TM3において、区間TM2での値から区間TM4での値と徐々に変更されるように、ホワイトバランス制御用の補正パラメータを変更すればよい。これによれば、通常感度画像から高感度画像への切替時における不連続性をさらに高度に緩和することが可能である。
【0190】
<その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0191】
たとえば、上記実施形態においては、簡略化のため、カラー画像生成時には画素加算を行わないものとして説明したが、これに限定されず、カラー画像生成時にも画素加算を行うようにしてもよい。
【0192】
具体的には、画素加算部20は、カラー画像生成時には、ベイヤー配列における垂直方向のみの加算を行うことによって、図10(b)のような画素列を生成し、このような画素列を図8の左側の画素列と置き換えて、図8の画素補間処理および図9の色変換処理を施すようにしてもよい。ただし、カラー画像生成時においては、水平画素加算は施さない。
【0193】
また、上記実施形態においては、画素加算部20は、高感度画像生成時において、水平方向および垂直方向の両方向に画素値を加算する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、高感度画像生成時には、水平方向のみに画素値を加算するようにしてもよい。
【0194】
さらに、上記実施形態においては、撮像センサ15としてCCD撮像センサを用いる場合を例示したが、これに限定されず、CMOS撮像センサを用いても良い。
【0195】
また、上記実施形態においては、生成画像が連続的に変更される場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、連続的変化が要求されない場合には、不連続的に高感度モノクロ画像生成処理への切替を行うようにしてもよい。詳細には、カラー画像を生成する撮影モードと、高感度モノクロ画像を生成する撮影モードとを、操作者が高感度撮影スイッチ14等を用いて選択的に切り替えるようにしてもよい。
【0196】
さらに、上記実施形態においては、図11、図12などを用いて垂直転送路HL中で垂直画素加算を行う場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、加算対象となる画素列を垂直転送路VLに送り出した後に水平転送路HLで加算するようにしてもよい。より詳細には、まず、4つの水平画素列L1〜L4のうち、加算対象となる水平画素列L1,L3のみの蓄積電荷を同時に垂直転送路に送り出す。そして、4画素分の垂直転送を行って、水平転送路HLで水平画素列L1,L3の2つの蓄積電荷を合計すればよい。
【0197】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜8に記載の発明によれば、画素加算によって感度が向上した新たな画素値に対して、カラー画像生成時にも用いられる画素補間手段および色変換手段を用いて、高感度画像への変換処理を行うことができるので、簡易な構成で高感度画像を得ることができる。
【0198】
特に、請求項2に記載の発明によれば、画素加算によって、互いに異なる組合せの2つの色成分のみを含む所定方向の第1の画素列と第2の画素列とが交互に生成される場合であっても、簡易な構成で高感度画像を得ることができる。
【0199】
また、請求項3に記載の発明によれば、色変換手段によって同一割合の混合割合を有する輝度信号を容易に生成することが可能になる。
【0200】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、輝度信号における各色成分の混合割合が各画素間で同一となるので、当該混合割合が異なる場合に起こり得る縞模様の発生を回避して、より綺麗な高感度画像を得ることができる。
【0201】
また、請求項5に記載の発明によれば、色変換手段によって同一割合の混合割合を有する輝度信号をさらに容易に生成することが可能になる。
【0202】
さらに、請求項6に記載の発明によれば、輝度信号における各色成分の混合割合が各画素間で同一となるので、当該混合割合が異なる場合に起こり得る縞模様の発生を回避して、より綺麗な高感度画像を得ることができる。
【0203】
また、請求項7に記載の発明によれば、低輝度環境においても、鮮明なライブビュー画像を得ることが可能になる。
【0204】
さらに、請求項8に記載の発明によれば、低輝度環境においても、鮮明な動画像を記録することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る撮像装置1の正面図である。
【図2】撮像装置1の背面図である。
【図3】撮像装置1の上面図である。
【図4】撮像装置1の機能ブロックを示す図である。
【図5】カラー画像生成時の画像処理の概要を示す図である。
【図6】高感度モノクロ画像生成時の画像処理の概要を示す図である。
【図7】補間処理に用いられる補間フィルタを示す図である。
【図8】カラー画像生成時における補間処理の一例を示す図である。
【図9】カラー画像生成時における色変換処理の一例を示す図である。
【図10】高感度モノクロ画像生成時の画素加算処理を示す図である。
【図11】画素加算処理を示す図である。
【図12】画素加算処理を示す図である。
【図13】高感度モノクロ画像生成時における補間処理の一例を示す図である。
【図14】高感度モノクロ画像生成時における色変換処理の一例を示す図である。
【図15】参考例における機能ブロックを示す図である。
【図16】参考例での高感度モノクロ画像生成時における補間処理の一例を示す図である。
【図17】参考例での高感度モノクロ画像生成時における色変換処理の一例を示す図である。
【図18】感度切替可能モードにおけるパラメータ等の変化を示す図である。
【図19】いわゆるRB市松G縦ストライプ配列を示す図である(従来技術)。
【符号の説明】
1 撮像装置
10 撮像部
10a 撮影レンズ
15 撮像センサ
20 画素加算部
31 画素補間部
35 マトリクス演算部
Kr,Kg,Kb (色成分の)混合比率
Krc,Kgc,Kbc (輝度信号生成用の)変換係数
Rch,Gch,Bch 各成分チャンネル値
L1〜L8,LC1,LC2,LL1,LL2 水平画素列
Pij,Qij 画素
TM1〜TM4 区間
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラなどの撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラなどの撮像装置においては、周囲の環境輝度が低下すると、取得画像を切り替えて、高感度画像を取得するものが存在する(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1には、赤外線カットフィルタの装脱を伴う技術、具体的には、光路に対して装脱自在に配置された赤外線カットフィルタを、低輝度被写体の撮影時においてのみ、光路から脱出させて(抜き取って)撮像する技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、図19に示すように、いわゆるRB市松G縦ストライプ配列のCCD撮像素子(奇数列においては赤色画素(R画素)と青色画素(B画素)とが垂直方向に交互に配置され、偶数列においては緑色画素(G画素)が垂直方向に連続的に配置され、さらに、奇数列の赤色画素と青色画素とは水平方向にも交互に配置されるタイプのもの)を用いて、暗い場所での撮影時にはカラー画像から白黒画像を生成する技術が記載されている。具体的には、水平方向の隣接4画素(R,G,B,G)を用いて輝度信号を生成する技術が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−135788号公報
【特許文献2】
特開2001−359108号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、撮像装置においては、いわゆるRB市松G縦ストライプ配列の撮像素子だけでなく、いわゆるベイヤー配列の撮像素子が利用されることがある。
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載のカメラは、いわゆるRB市松G縦ストライプ配列の撮像素子を用いたものであり、ベイヤー配列の撮像素子とその画素配列が異なる。そのため、ベイヤー配列の撮像素子を用いて白黒画像等を生成する場合には、特許文献2の技術をそのまま適用することができない。
【0008】
また、特許文献1に記載のカメラは、画素配列による制限を受けることはないが、赤外線カットフィルタの装脱を伴うため、構成が複雑になるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、ベイヤー配列の撮像素子を用いて、簡易な構成で高感度画像を取得することが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、所定感度のカラー画像と当該カラー画像よりも高感度の高感度画像との両方を撮像可能な撮像装置であって、3種類の色フィルタが市松状に配置されたベイヤー配列を有する単板式の撮像素子と、少なくとも前記高感度画像生成時には前記撮像素子の複数の画素値を加算して新たな画素値を算出する画素加算手段と、前記撮像素子の各位置における画素の各成分チャンネル値を周辺画素の画素値に基づいて補間により求める画素補間手段と、前記画素補間後の各成分チャンネル値に基づいて色変換を行う色変換手段と、を備え、前記画素補間手段は、前記カラー画像生成時には、所定の補間用フィルタを用いて、前記撮像素子における画素値に基づいて補間後の各色成分値を前記各成分チャンネル値として求め、前記高感度画像生成時には、前記カラー画像生成時と同一の前記所定の補間用フィルタを用いて、前記画素加算手段による加算後の前記新たな画素値に基づいて補間後の各擬似色成分値を前記各成分チャンネル値として求め、前記色変換手段は、前記カラー画像生成時には、前記補間後の各成分チャンネル値と第1の色変換マトリクスとに基づいて色信号を生成し、前記高感度画像生成時には、前記補間後の前記各成分チャンネル値と第2の色変換マトリクスとに基づいて輝度信号を生成する。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る撮像装置において、前記画素加算手段は、前記高感度画像生成時には、2つの色成分のみを加算して前記新たな画素値を算出することによって、互いに異なる組合せの2つの色成分のみを含む所定方向の第1の画素列と第2の画素列とを交互に生成する。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2の発明に係る撮像装置において、前記画素補間手段は、2次元フィルタリング処理を行うことによって、少なくとも2つの成分チャンネル値の和成分における3つの色成分の混合割合が、前記所定方向の第1の画素列の画素と前記所定方向の第2の画素列の対応画素との間で同一となるように、前記新たな画素に対する補間後の画素の各成分チャンネル値を求める。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3の発明に係る撮像装置において、前記色変換手段は、前記第2の色変換マトリクスで規定される所定の変換係数を用いて、前記輝度信号における3つの色成分の混合割合が前記所定方向の第1の画素列の画素と前記所定方向の第2の画素列の対応画素との間で同一となるように、前記画素補間手段から出力される各成分チャンネル値に基づいて前記輝度信号を生成する。
【0014】
請求項5の発明は、請求項2の発明に係る撮像装置において、前記画素補間手段は、2次元フィルタリング処理を行うことによって、少なくとも2つの成分チャンネル値の和成分における3つの色成分の混合割合が、任意の2つの画素間で同一となるように、前記新たな画素に対する補間後の画素の各成分チャンネル値を求める。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5の発明に係る撮像装置において、前記色変換手段は、前記第2の色変換マトリクスで規定される所定の変換係数を用いて、前記輝度信号における3つの色成分の混合割合が各画素間で同一となるように、前記画素補間手段から出力される各成分チャンネル値に基づいて前記輝度信号を生成する。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る撮像装置において、前記輝度信号に基づく画像をライブビュー画像として表示する表示手段、をさらに備える。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る撮像装置において、前記輝度信号に基づく連続画像を動画像として記録する記録制御手段、をさらに備える。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
<構成概要>
図1〜図3は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の要部構成を示す図である。図1〜図3は、それぞれ撮像装置1の正面図、背面図および上面図に相当している。
【0020】
撮像装置1は、デジタルカメラとして構成されており、撮影レンズ10aを含む撮像部10を備えている。この撮影レンズ10aは、フォーカスの調整が可能であり、且つ、焦点距離(ズーム倍率)の調整が可能なレンズである。撮影レンズ10aは、フォーカスレンズとズームレンズとを有しているとも表現できる。また、撮像装置1の前面には、被写体に対して発光を行う内蔵フラッシュ11が設けられている。
【0021】
撮像装置1の背面には、LCD(Liquid Crystal Display)モニタ42と電子ビューファインダ43とEVF切替スイッチ19とが設けられている。LCDモニタ42および電子ビューファインダ43には、撮影された画像などが表示される。また、EVF切替スイッチ19は、スライド式の切替スイッチである。このEVF切替スイッチ19によって、撮影画像等をLCDモニタ42および電子ビューファインダ43のいずれに表示させるか、あるいは両者のいずれにも表示させないかなどを設定することができる。
【0022】
撮像装置1の上面には、レリーズボタン12とモニタ拡大スイッチ13と高感度撮影スイッチ14とモード切替スイッチ16と電源ボタン18とが設けられている。
【0023】
電源ボタン18は、撮像装置1における通電状態(オン状態)と非通電状態(オフ状態)とを切り替えるボタンである。
【0024】
レリーズボタン12は、半押し状態(以下、状態S1とも称する)と全押し状態(以下、状態S2とも称する)とを区別して検出することが可能な、2段階押し込みスイッチである。撮像装置1は、操作者(ユーザ)によってレリーズボタン12が半押し状態S1にまで押下されると、「撮影準備開始」の指示入力が受け付けられたと判定する。また、撮像装置1は、操作者によってレリーズボタン12が全押し状態S2にまで押下されると、「撮影開始」の指示入力が受け付けられたと判定する。
【0025】
モニタ拡大スイッチ13は、LCDモニタ42および電子ビューファインダ43における表示画像の拡大率を変更するためのスイッチである。このスイッチ13の押下によって、撮影画像を拡大して表示することができる。
【0026】
モード切替スイッチ16は、再生モードと撮影モードとを切り替えるレバー式のスイッチである。モード切替スイッチ16のレバーを「REC」の位置に合わせることによって撮像装置1は撮影モードに設定され、モード切替スイッチ16のレバーを「PLAY」の位置に合わせることによって撮像装置1は再生モードに設定される。
【0027】
高感度撮影スイッチ14は、撮影モード(より詳細には撮影モードにおけるサブモード)を切り替えるためのスイッチである。具体的には、高感度撮影スイッチ14が押下されるごとに、カメラの周囲の輝度によらず常に通常のカラー撮像を行うモード(通常モード)と、カメラの周囲の輝度(環境輝度)に応じた感度の切替を伴うモード(感度切替可能モード)とが交互に選択される。
【0028】
「感度切替可能モード」は、高輝度環境下においては通常の感度でカラー撮像を行い、低輝度環境下(輝度が所定の閾値よりも小さくなる環境下)においては、画素加算によって感度を向上させた高感度のモノクロ画像(ここでは白黒画像)を撮像するモードである。この高感度のモノクロ画像によれば、非常に暗い環境下においても被写体像を得ることが可能になる。
【0029】
感度切替可能モードで撮像された各画像(高感度のモノクロ画像を含む)は、通常モードで撮像された各画像と同様に、ライブビュー画像としてLCDモニタ42などに表示され、さらに、レリーズボタン12の押下時には記録用画像(静止画像または動画像)としてメモリカード9内に記録される。
【0030】
図4は、撮像装置1の機能ブロックを示す図である。なお、図4においては、図示の都合上、撮像装置1の外部に示されている各種の機能ブロックも存在するが、これらの機能ブロックは実際には撮像装置1の内部又は表面に設けられている。
【0031】
撮像装置1は、撮像センサ15と、撮像センサ15にデータ伝送可能に接続する信号処理部2と、信号処理部2に接続する画像処理部3と、画像処理部3に接続するカメラ制御部40とを備えている。また、カメラ制御部40は、画素加算処理を行う画素加算部20を有している。画素加算部20は、タイミングジェネレータ44などを介して又は直接に撮像センサ15の読出動作を制御することにより、画素加算処理を行う。
【0032】
撮像センサ15は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3種類の原色透過フィルター(色フィルタ)が市松状に配置されたベイヤー配列を有する単板のエリアセンサとして構成されている。撮像センサ15は、いわゆるCCD撮像素子である。この撮像センサ15では、電荷の蓄積が完了すると光電変換された信号が遮光された転送路にシフトされて読み出され、被写体に係る画像信号が出力される。
【0033】
また、撮像センサ15と撮影レンズ10aとの間の光路には、赤外線カットフィルタFTが設けられている。この赤外線カットフィルタFTによって、余分な赤外成分が入射光から除去されるため、カラー画像において正確な色再現を行うことができる。
【0034】
信号処理部2は、CDS21とAGC22とA/D変換部23とを有している。
【0035】
通常のカラー撮影モードにおいては、撮像センサ15から出力された画像信号はCDS21でサンプリングされノイズが除去された後、AGC22により感度補正が行われる。
【0036】
A/D変換部23は、14ビットAD変換器で構成されており、AGC22で正規化されたアナログ信号をデジタル化する。デジタル変換された画像信号は、画像処理部3で所定の画像処理が施されて画像ファイルが生成される。
【0037】
また、上記の「感度切替可能モード」において高感度モノクロ画像が生成されるときには、撮像センサ15における画像信号に対して、後述するような画素値の加算動作が画素加算部20の制御下において行われた後に、加算後の画素信号が信号処理部2による処理を経てデジタル化されて画像処理部3に出力される。
【0038】
画像処理部3は、CPUおよびメモリを有しており、デジタル処理部30と画像圧縮部37とビデオエンコーダ36とメモリカードドライバ38とを備えている。
【0039】
デジタル処理部30は、画素補間部31と解像度変換部32とホワイトバランス制御部33とガンマ補正部34とマトリクス演算部35とを有している。
【0040】
画像処理部3に入力された画像データは、撮像センサ15の読出しに同期し画像メモリ41に書き込まれる。以後、この画像メモリ41に格納される画像データにアクセスし、デジタル処理部30で各種の処理が行われる。
【0041】
画像メモリ41内の画像データは、ホワイトバランス(WB)制御部33によりR,G,Bの各画素が独立にゲイン補正される(ホワイトバランス補正)。このホワイトバランス補正では、撮影被写体から本来白色となる部分を輝度、彩度データ等から推測し、その部分のR、G、Bそれぞれの平均値と、G/R、G/B比とを求め、これらの情報に基づいてRおよびBの補正ゲインとして制御される。
【0042】
画素補間部31は、ホワイトバランス補正がなされた画像データに対して画素補間処理を行い、撮像センサ15の各位置における画素の各成分チャンネル値を周辺画素の画素値に基づいて補間により求める。
【0043】
画素補間部31は、カラー画像生成時には、撮像センサ15における画素値に基づいて補間後の各色成分値R,G,Bを各成分チャンネル値(具体的には、Rチャンネル値Rch、Gチャンネル値Gch、Bチャンネル値Bchの3つの値)として求める。また、画素補間部31は、後述するように、高感度のモノクロ画像生成時には、画素加算部20による画素加算処理が施された後の新たな画素値に基づいて、補間後の各色成分値(厳密には、R,G,Bの各色成分を表す値ではないので、「擬似色成分値」とも称する)を各成分チャンネル値として求める。画素補間部31は、前者のカラー画像生成時および後者のモノクロ画像生成時のいずれにおいても、画素位置に応じた同一の補間用フィルタを用いて補間処理を行う。
【0044】
補間後の画像データは、ガンマ補正部34で各出力機器に合った非線形変換が行われ、8ビットのデータへと変換される。
【0045】
マトリクス演算部35は、画素補間後の各成分チャンネル値に基づいて色変換を行う機能を有している。マトリクス演算部35は、カラー画像生成時には、色変換マトリクスMX1と画素補間後の各画素の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchとに基づいて、各画素についての色信号(色成分値)Ych,Crch,Cbchを生成する。カラー画像生成時においては、変換後の色信号Ychは輝度信号に相当し、変換後の色信号Crch,Cbchは色差信号に相当する。また、マトリクス演算部35は、高感度モノクロ画像生成時には、補間後の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchと色変換マトリクスMX2とに基づいて輝度信号Ychを含む色信号(擬似色成分値)Ych,Crch,Cbchを生成する。ただし、高感度モノクロ画像生成時には、色信号Crch,Cbchは、いずれもゼロとなる。
【0046】
なお、以下では、色信号Ych,Crch,Cbchを単に、Y,Cr,Cbとも表記する。
【0047】
その後、記録用の画像については、マトリクス演算部35から出力された色変換後の各画素値に対して、解像度変換部32で設定された画素数に水平/垂直方向の縮小または間引きが行われ、画像圧縮部37で圧縮処理が行われる。そして、得られた記録用画像は、メモリカードドライバ38を介してメモリカード9に記録される。
【0048】
また、解像度変換部32では、プレビュー用(ライブビュー用)の画像についても画素間引きを行って、LCDモニタ42または電子ビューファインダ43に表示するための低解像度画像を作成する。プレビュー時には、画像メモリ41から読出された640×240画素の低解像度画像がビデオエンコーダ36でNTSC方式(あるいはPAL方式)の信号にエンコードされ、この低解像度画像がLCDモニタ42または電子ビューファインダ43で表示される。
【0049】
カメラ制御部40は、CPUおよびメモリを備え、撮像装置1における統括的な制御部として機能する。
【0050】
カメラ制御部40は、具体的には、上記のレリーズボタン12や高感度撮影スイッチ14などを有するカメラ操作スイッチ49に対して撮影者が行う操作入力を処理する。
【0051】
また、カメラ制御部40は、絞りドライバ46を介してシャッター45を開閉することなどによって、カメラの絞り値を制御する。
【0052】
さらに、カメラ制御部40は、フォーカスモータドライバ47を介してフォーカス制御用モータMT1を駆動して、撮影レンズ(より詳細には撮影レンズのうちのフォーカス制御用レンズ)の位置(以下、単に「撮影レンズの位置」とも称する)を制御する。これによって、撮影レンズ10aの合焦状態の制御(すなわちフォーカス制御)が行われる。
【0053】
また、カメラ制御部40は、ズームモータドライバ48を介してズーム制御用モータMT2を駆動し、撮影レンズ10aを構成する複数のレンズの配置を変更する。これにより、撮影レンズ10aの焦点距離fが変更されて、ズーム倍率が制御される。
【0054】
撮影待機状態においては、カメラ制御部40は、1/30(秒)毎に撮像されたプレビュー用の画像(ライブビュー画像)を、LCDモニタ42等に表示する。通常モードが選択されたときには、原則としてカラー画像がライブビュー画像として表示される。また、感度切替可能モードが選択されたときには、高輝度時においてはカラー画像が表示され低輝度時においては高感度モノクロ画像がライブビュー画像として表示される。
【0055】
操作者は、このライブビュー画像を見ながら、フレーミング動作等を行うことができる。その後、レリーズボタン12の押下操作に応答して本撮影画像(記録用の静止画像)が撮影され、本撮影直後には、本撮影による静止画像がLCDモニタ42に確認用の画像(アフタービュー画像)として一定期間表示される。その後、本撮影画像は、記録画像としてメモリカード9内に転送され記録される。
【0056】
また、この撮像装置1は、動画像を撮影することも可能である。操作者は、LCDモニタ42に表示される所定のメニュー画面を見ながら、カーソルボタン17等を用いて選択操作等を行うことによって、動画像の撮影と静止画像の撮影とを切り替えることができる。
【0057】
この撮像装置1においては、静止画像の撮影時においてだけでなく、動画像の撮影時においても、「感度切替可能モード」に関する設定内容が反映される。したがって、撮像装置1は、動画撮影時においても、輝度に応じた画像生成処理を行うことが可能である。その場合、複数の高感度モノクロ画像によって構成される連続画像が、メモリカードドライバ38などによってメモリカード9に動画像として記録される。
【0058】
<画像処理の概要>
つぎに、図5および図6を参照しながら、この撮像装置1において、「感度切替可能モード」が採用されるときの画像処理の概要について説明する。この「感度切替可能モード」では、比較的高輝度の環境下においては通常の感度でカラー画像を取得する動作が行われる。一方、比較的低輝度の環境下においては、近隣の画素を加算することによって感度を向上させて高感度のモノクロ(ここでは白黒)画像を取得する動作が行われる。
【0059】
図5はカラー画像生成時の画像処理の概要を示す図であり、図6は高感度モノクロ画像生成時の画像処理の概要を示す図である。なお、図5および図6では、説明の簡略化のため、A/D変換処理、ホワイトバランス制御、ガンマ補正処理などを省略して示している。
【0060】
図5に示すように、カラー画像生成時においては、撮像センサ15から出力される画像信号は、画素補間部31およびマトリクス演算部35を介して、輝度信号Yおよび色差信号Cr,Cbとして出力される。
【0061】
また、図6に示すように、高感度モノクロ画像生成時においては、撮像センサ15の画像信号は、画素加算部20によって水平方向に加算されて新たな画素の新たな画素値として合成されて撮像センサ15から出力される。撮像センサ15からの画像信号は、画素補間部31およびマトリクス演算部35を介して輝度信号Yおよび色差信号Cr,Cbに変換される。なお、出力されるべき画像はモノクロ画像であるため、色差信号Cr,Cbはともにゼロとなる。
【0062】
以下では、カラー画像生成時の画像処理と高感度モノクロ画像生成時の画像処理とについて、それぞれ、説明する。
【0063】
<カラー画像生成時の画像処理>
まず、カラー画像生成時の画像処理(カラー画像生成処理)について説明する。このカラー画像生成処理は、通常のカラー撮像のみを行うモード(「通常モード」)で行われるとともに、上記の「感度切替可能モード」における高輝度環境下においても行われる。
【0064】
図7は、カラー画像生成時の補間処理に用いられる補間フィルタを示す図であり、各画素位置に応じた複数の補間フィルタを示している。また、図8は、図7の補間フィルタを用いた補間結果の一例を示す図である。
【0065】
図8の左側には、撮像センサ15におけるベイヤー配列の各画素が示されている。最上段の行には、グリーン(G)の色フィルタに覆われた画素とレッド(R)の色フィルタに覆われた画素とが水平方向において交互に配置されている。また、次の行には、ブルー(B)の色フィルタに覆われた画素とグリーン(G)の色フィルタに覆われた画素とが水平方向において交互に配置されている。撮像センサ15における画素列は、上記のような1組(2行)の水平画素列が垂直方向に繰り返し配置されることによって、構成されている。
【0066】
ただし、このままでは、各画素位置における特定成分以外の色成分を得ることができない。たとえば、グリーンの色フィルタの位置においては、グリーン成分以外の成分チャンネル値を得ることができない。そこで、近隣画素(周辺画素)の画素値(階調値)を用いた補間処理によって、そのグリーンの色フィルタの位置における画素のレッド成分とブルー成分とを求める。その他の成分チャンネル値についても同様である。なお、図8の右側においては、複数の画素のうち8つの画素P22〜P25,P32〜P35のそれぞれについて、画素補間後の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchが示されている。
【0067】
たとえば、図8の左側の画素配列において、第2行目の左から第2番目の位置の画素P22については、そのままではグリーン成分しか判らないため、レッド成分とブルー成分とを補間により求める。具体的には、図7(a)のレッドチャンネル用フィルタを用いて、画素P22のレッド成分チャンネル値Rchは、画素P12の階調値と画素P32の階調値との平均値(R/2+R/2=R)として求められる。同様に、図7(a)のブルーチャンネル用フィルタを用いて、画素P22のブルー成分チャンネル値Bchは、画素P21の階調値と画素P23の階調値との平均値(B/2+B/2=B)として求められる。また、画素P22のグリーン成分チャンネル値Gchは、画素P22の階調値そのものとして求められる。
【0068】
同様にして、図7(b)の各成分チャンネル用フィルタを用いて、画素P23の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchが求められる。また、画素P32の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchは図7(c)の各成分チャンネル用フィルタを用いて求められ、画素P33の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchは図7(d)の各成分チャンネル用フィルタを用いて求められる。
【0069】
撮像センサ15においては、これらの画素配列(P22,P23,P32,P33)と同様の画素配列が水平方向および垂直方向に繰り返し配置されている。したがって、同様のフィルタを各画素の位置に応じて作用させることによって、各画素の補間処理を行うことができる。
【0070】
また、図9は、画素補間後の画素に対する色変換処理を示す図である。ここでは、8つの画素P22〜P25,P32〜P35について例示している。図9の左側は、図8の右側の状態に相当し、画素補間後且つ色変換処理前の各画素の画素値を示している。図9の右側は、色変換処理後の各画素の画素値を示している。また、各画素の画素値は、各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchごとに示されている。
【0071】
マトリクス演算部35は、色変換マトリクスMX1を用いて、各画素P22,P23,P32,P33等に対して、それぞれ、所定の変換式による色変換処理を施す。これにより、各成分チャンネル値(Rch,Gch,Bch)は、別の色空間表現(Y,Cr,Cb)へと変換される。
【0072】
輝度信号Yは、Y=(Krc×Rch+Kgc×Gch+Kbc×Bch)の変換式によって算出される。ここで、変換係数Krc,Kgc,Kbcは、それぞれ、各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchに対する係数(輝度信号生成用の係数)である。また、各変換係数Krc,Kgc,Kbcは、後述する区間TM4以外の区間TM1〜TM3においては、輝度信号中のR,G,Bの各色成分の混合比率Kr,Kg,Kb(ただし、Kr+Kg+Kb=1)とそれぞれ同一の値となる。ここでは、区間TM1,TM2においては、変換係数(Krc,Kgc,Kbc)=(Kr,Kg,Kb)として、(0.30,0.59,0.11)の値を用いる。
【0073】
また、色差信号Crは、変換式Cr=α×(Rch−Y)、に基づいて算出され、色差信号Cbは、変換式Cb=α×(Bch−Y)、に基づいて算出される。ここで、係数αは、このカラー画像生成時においてはα=1である。後述するように、この係数αをゼロにすれば、モノクロ画像を生成することができ、係数αを、0<α<1を満たす任意の値に設定することによれば、彩度を抑圧した画像を生成することができる。
【0074】
以上のようにして、カラー画像が生成される。
【0075】
なお、カラー画像生成時の補間処理は、上述の態様以外にも様々な態様のものを用いることが可能である。たとえば、グリーンの色フィルタの位置において、当該位置のグリーン成分値だけでなく、斜め方向の隣接4画素をも用いた平均値をグリーン成分チャンネル値として得るようにしてもよい。
【0076】
<高感度モノクロ画像生成時の画像処理>
つぎに、高感度のモノクロ画像生成時の画像処理(高感度モノクロ画像生成処理)について説明する。この高感度ノクロ画像生成処理は、後述するように本実施形態では、上記の「感度切替可能モード」において、輝度(環境輝度)を表すBV値が所定の閾値TH3よりも小さいときに実行される。この高感度モノクロ画像を得ることによれば、非常に暗い環境下でも被写体像を得ることが可能になる。
【0077】
この高感度モノクロ画像生成処理においては、ベイヤー配列の画素に対する画素加算処理が行われる。これにより、上記の通常感度のカラー画像よりも高感度の画像を生成することができる。この画素加算処理は、上述の画素補間処理の前であって、且つ、A/D変換前に行われる。すなわち、各画素信号がアナログ信号の状態で行われる。これによれば、A/D変換時に量子化単位よりも小さな信号がデジタル化に伴って消失してしまうことを防止して、より高感度の画素値を得ることができる。
【0078】
また、ここでは撮像センサ15の全画素を用いるのではなく、間引き後の一部の画素を用いて、画素数を減じた画像を生成するものとする。
【0079】
具体的には、画素加算部20は、水平方向および垂直方向に所定間隔の画素位置における画素の画素値を、その各画素の周辺画素の画素値を加算することによって得る。これにより、低輝度下におけるS/N比を向上させて感度を向上させることが可能になる。また、水平方向および垂直方向における所定間隔の画素位置以外の画素の画素値は求めないことによって、画素数を減少させる間引き処理を同時に行うことができる。
【0080】
図10は、この画素加算処理を示す図である。図10(a)は、撮像センサ15におけるベイヤー配列の各画素を示しており、図10(c)は、画素加算処理後の状態を示している。また、図10(b)は、画素加算処理の中間段階の状態を示す図である。
【0081】
ここでは、画素配列の垂直方向における加算処理と水平方向における加算処理との両方を行う場合について説明する。
【0082】
まず、画素加算部20は、撮像センサ15における画素列に対して垂直加算処理(垂直方向の加算処理)を行う。これによって、図10(a)の状態から図10(b)の状態へと移行する。この撮像センサ15においては、第(i×8+1)行の水平画素列と第(i×8+3)行の水平画素列との加算、および第(i×8+6)行の水平画素列と第(i×8+8)行の水平画素列との加算がそれぞれ行われる(ただし、iはゼロ以上の整数)。
【0083】
この垂直加算処理は、たとえば、垂直転送路内での加算処理によって実現される。
【0084】
具体的には、図11に示すように、まず、撮像センサ15の第3行の水平画素列L3の各画素の画素信号(画素値)を示す各蓄積電荷(G,R,G,R,...)が、隣接する各垂直転送路VLに送り出される。また、撮像センサ15の第8行の水平画素列L8の各画素の画素信号を示す各蓄積電荷(B,G,B,G,...)が、隣接する各垂直転送路VLに送り出される。つぎに、画素加算部20は、各垂直転送路VL内の各蓄積電荷を図面の上方向に2画素分移動させる。このとき、図12に示すように、各垂直転送路VL内の水平画素列L3の各蓄積電荷(G,R,G,R,...)は、第1行の水平画素列L1の各蓄積電荷の真横に位置している。この状態で、水平画素列L1の各蓄積電荷(G,R,G,R,...)が、さらに各垂直転送路VLに送り出される。これによって、水平画素列L1の各蓄積電荷と水平画素列L3の各蓄積電荷とが各列ごとに加算される。
【0085】
図10(b)は、垂直加算処理後の状態を示している。図10(b)の最上段(第1行)且つ最左列(第1列)の信号は、図10(a)の第1行第1列の画素値(G)と第3行第1列の画素値(G)とを合計した値(2G)となる。また、図10(b)の第1行第2列の信号は、図10(a)の第1行第2列の画素値(R)と第3行第2列の画素値(R)とを合計した値(2R)となる。第3列以降についても同様である。これによって、加算後の第1行の画素列LL1の各画素の画素値は、2G,2R,2G,2R,...というように、加算前の第1行の画素列L1の各画素の画素値と第3行の画素列L3の対応画素の画素値とが加算された状態となる。
【0086】
また、図12に示すように、上記の2画素分の移動によって、各垂直転送路VL内の水平画素列L8の各蓄積電荷(B,G,B,G,...)は、第6行の水平画素列L6の各蓄積電荷の真横に位置している。この状態で、水平画素列L6の各蓄積電荷(B,G,B,G,...)が、さらに各垂直転送路VLに送り出される。これによって、水平画素列L6の各蓄積電荷と水平画素列L8の各蓄積電荷とが各列ごとに加算される。
【0087】
この垂直加算処理によって、図10(b)における第2行目の水平画素列LL2の信号が得られる。この加算後の第2行目の水平画素列LL2の各画素は、2B,2G,2B,2G,...というように、第6行の水平画素列L6の各画素の画素値と第8行の水平画素列L8の対応画素の画素値とが加算された状態となる。
【0088】
なお、ここでは詳述しないが、同様に、第9行目以後の水平画素列についても同様の処理によって垂直加算処理が施されている。
【0089】
つぎに、画素加算部20は、水平加算処理(水平方向の加算動作)を行う。これによって、図10(b)の状態から図10(c)の状態へと移行する。
【0090】
画素加算部20は、図10(b)の第1行目の水平画素列LL1において、隣接する信号を4画素ごとに合算し、図10(c)の第1行目の新たな画素列LC1を生成する。なお、図10(c)は、水平加算処理後の状態を示している。
【0091】
具体的には、図12において、画素加算部20は、各垂直転送路VL内の各蓄積電荷を図面の上方向に1画素分移動させて、水平画素列LL1の各画素の画素値を水平転送路HLへと送り出す。
【0092】
そして、今度は図の左側へ向けて水平転送を行って水平方向の4画素ずつの画素値を合算する。具体的には、水平転送路HLに接続されたフローティングディフュージョンアンプAP内のコンデンサCNに、水平画素列LL1における画素値を4画素毎に蓄積する。詳細には、1画素の水平転送動作毎にコンデンサをリセットするのではなく、4画素の水平転送動作毎にコンデンサをリセットすることによって、4画素の合算値を求めることができる。
【0093】
この結果、図10(c)の最上段(第1行)且つ最左列(第1列)の信号は、図10(b)の第1行第1列の画素値(2G)と第1行第2列の画素値(2R)と第1行第3列の画素値(2G)と第1行第4列の画素値(2R)とを合計した値(4G+4R)となる。これによって、図10(c)における加算後の各画素の画素値は、図10(b)の画素に比べて約4倍の大きさ、図10(a)の画素に比べて約8倍の大きさを有することになる。これにより、低輝度下においても、十分な感度を得ることが可能になる。
【0094】
同様に、画素加算部20は、図10(b)の第1行目の水平画素列LL1において、第5列から第8列までの画素の信号を合算し、図10(c)における第1行第2列の新たな画素の画素値とする。さらに、図10(b)の第1行目の水平画素列LL1において、第9列から第12列までの画素の信号を合算し、図10(c)における第1行第3列の新たな画素の画素値とする。以降、同様の動作が繰り返される。
【0095】
以上のようにして、図10(c)の第1行の画素列が生成される。
【0096】
つぎに、画素加算部20は、図10(b)の第2行目の水平画素列LL2において、隣接する信号を4画素ごとに合算し、図10(c)の第2行の新たな画素列LC2を生成する。
【0097】
具体的には、画素加算部20は、図12において、各垂直転送路VL内の各蓄積電荷を、図面の上方向に1画素分移動させた上記の状態から図面の上方向にさらに5画素分移動させて、水平転送路HLへと送り出す。その後、図の左側への水平転送を行って水平方向の4画素ずつの画素値を合算する。
【0098】
この結果、図10(c)の第2行第1列の信号は、図10(b)の第2行第1列の画素値(2B)と第2行第2列の画素値(2G)と第2行第3列の画素値(2B)と第2行第4列の画素値(2G)とを合計した値(4G+4B)となる。同様に、図10(c)の第2行第2列の信号は、図10(b)の第2行における第5列から第8列までの4つの画素の画素値を合計した値(4G+4B)となる。第2行の残りの画素列についても同様である。
【0099】
この水平加算処理によって、第2行の画素列も、図10(b)の状態から図10(c)の状態へと移行する。これによって、図10(c)における加算後の各画素の画素値は、図10(b)の画素に比べて約4倍の大きさ、図10(a)の画素に比べて約8倍の大きさを有することになり、低輝度下においても十分な感度を得ることが可能になる。
【0100】
さらに、画素加算部20は、同様の読み出し動作および画素加算動作を繰り返し実行することによって、図10(c)における第3行目以降の水平画素列LC3,LC4,...を生成する。
【0101】
このように、画素加算部20は、高感度モノクロ画像生成時には、2つの色成分のみを加算して新たな画素値を算出することによって、互いに異なる組合せの2つの色成分のみを含む所定方向の2種類の水平画素列を交互に生成する。具体的には、G成分(グリーン成分)およびR成分(レッド成分)のみを含む奇数行目の水平画素列と、G成分(グリーン成分)およびB成分(ブルー成分)のみを含む偶数行目の水平画素列とが生成される。
【0102】
また、画素加算部20は、撮像センサ15における水平方向の画素値をn画素(ただし、nは2以上の自然数、上記の例ではn=4)ずつ加算するとともに、垂直方向に対しては画素数をn分の1に間引く間引き処理を行う。この結果、水平方向の画素数および垂直方向の画素数がいずれもn分の1となるように、加算後の新たな画素の画素値が得られる。この場合、加算後の新たな画素で構成される画像は、そのアスペクト比が加算前後で変更されないので、アスペクト比を加算前後で合致させるためのさらなる処理を行う必要がない。
【0103】
以上のようにして、画素加算処理が実行される。この後、A/D変換が施されて、各画素の画素値がデジタル値に変換される。そして、デジタル化された画素値に対して、今度は画素補間処理が施される。
【0104】
つぎに、この画素補間処理について説明する。この実施形態においては、高感度モノクロ画像生成時においても、カラー画像生成時と同一の補間フィルタ(図7参照)を用いて、画素補間部31による画素補間処理を行う。
【0105】
図13は、図7の補間フィルタを用いた補間結果の一例を示す図である。図13は、高感度モノクロ画像生成処理時の画素補間結果を示す図であり、カラー画像生成処理時の画素補間結果を示す図8に対応する図である。
【0106】
図13の左側には、図10の画素加算処理によって高感度化された後の各画素(すなわち、図10(c)の各画素)が示されている。ただし、図13では、画素の画素値は、各色成分の混合割合(混合比率とも称する)を示すことを主目的として表現されており、図10(c)の「4G+4R」などにおける各色成分の前の係数は省略して示されている。たとえば、「G+R」は、グリーン成分(G)とレッド成分(R)とが1対1の比率(割合)で混合されていることを示している。なお、この「G+R」と図8における記述とのレベルを合わせるためには、成分の和(R+G)に対して係数4を乗じた(掛け合わせた)上で、正規化のため8で除した(割った)値で表現すればよい。
【0107】
この図13の左側に示すような各画素に対して、図7と同一の補間フィルタを用いて上記と同様の画素補間処理が行われ、各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchが算出される。
【0108】
たとえば、図13の左側の画素配列において第2列目の左から第2番目の位置の画素Q22について考察する。
【0109】
この画素Q22のレッド成分チャンネル値Rchは、図7(a)のレッドチャンネル用フィルタを用いて求める。具体的には、画素Q22のレッド成分チャンネル値Rchは、画素Q12の階調値と画素Q32の階調値との平均値((G+R)/2+(G+R)/2=G+R)として求められる。同様に、画素Q22のブルー成分チャンネル値Bchは、図7(a)のブルーチャンネル用フィルタを用いて、画素Q21の階調値と画素Q23の階調値との平均値((G+B)/2+(G+B)/2=G+B)として求められる。また、画素Q22のグリーン成分チャンネル値Gchは、図7(a)のグリーンチャンネル用フィルタを用いて、画素Q22の階調値(G+B)そのものとして求められる。
【0110】
同様にして、図7(b)の各成分チャンネル用フィルタを用いて、画素Q23の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchが求められる。また、画素Q32の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchは図7(c)の各成分チャンネル用フィルタを用いて求められ、画素Q33の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchは図7(d)の各成分チャンネル用フィルタを用いて求められる。
【0111】
撮像センサ15においては、図13の左側に示すような画素配列(Q22,Q23,Q32,Q33)と同様の画素配列が水平方向および垂直方向に繰り返し配置されている。したがって、同様のフィルタを各画素の位置に応じて作用させることによって、各画素の補間処理後の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchを得ることができる。
【0112】
この結果、図13の右側に示されるように、各画素Q22,Q23,Q24,Q25,...,Q32,Q33,Q34,Q35...のいずれの画素においても、そのレッド成分チャンネル値Rchは「G+R」となり、そのブルー成分チャンネル値Bchは「G+B」となる。なお、各画素のグリーン成分チャンネル値Gchとしては、「G+B」と「G+R/2+B/2」とが水平方向および垂直方向のそれぞれにおいて交互に出現する。
【0113】
また、図14は、補間処理後の画素に対する色変換処理を示す図であり、(カラー画像生成処理時についての)図9に対応する。
【0114】
マトリクス演算部35は、色変換マトリクスMX2を用いて、各画素Q22,Q23,Q32,Q33等に対して、それぞれ、所定の変換式による色変換処理を施す。これにより、各成分チャンネル値(Rch,Gch,Bch)は、別の色空間表現(Y,Cr,Cb)へと変換される。色変換マトリクスMX2は、上述の色変換マトリクスMX1とは異なる変換係数Krc,Kgc,Kbcを有している。すなわち、高感度モノクロ画像生成時において、各画像信号は、上記のカラー画像生成時の変換係数とは異なる変換係数で処理されて生成される。
【0115】
たとえば、輝度信号Yは、Y=(0.5×Rch+0.5×Bch)の変換式によって算出される。すなわち、変換係数(Krc,Kgc,Kbc)=(0.5,0,0.5)であり、レッド成分チャンネル値Rchとブルー成分チャンネル値Bchとを同一比率で混合することによって、輝度信号Yが生成される。なお、この輝度信号Yは、カラー画像生成時とは異なる変換式によって算出されているため、高感度モノクロ画像における輝度信号Yは擬似輝度信号とも称される。
【0116】
この結果、図14の右側に示すような輝度信号Yが生成される。この輝度信号Yは、いずれの画素においても、「G+R/2+B/2」として算出される。すなわち、いずれの画素においても、各成分値R,G,Bが1:(1/2):(1/2)の同一の割合で混合された値がその画素値として生成される。
【0117】
この結果、次述するように、横縞模様が発生することもなく、綺麗な高感度モノクロ画像を生成することができる。
【0118】
なお、図9と比較するため正規化した状態で、変換後の輝度信号Yを各色成分値R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の線形和で表現すると、Y=0.25×R+0.5×G+0.25×B、となる。この式は、上記の変換式において、Rchに((G+R)/2)を代入し、Bchに((G+B)/2)を代入することによって得ることができる。したがって、色変換マトリクスMX2を用いて生成される輝度信号中での各色成分R,G,Bの混合比率を表す係数Kr,Kg,Kbは(0.25,0.5,0.25)となる。
【0119】
また、モノクロ画像信号を生成するため、色差信号Cr,Cbはいずれもゼロ(固定値)である。
【0120】
以上のようにして、高感度のモノクロ画像が生成される。
【0121】
上記のような撮像装置1によれば、画素加算によって高感度化を図ることができるので、高感度化を図るために赤外線カットフィルタFTを光路から外す必要がない。したがって、赤外線カットフィルタFTの装脱を行うための構成を設ける必要がないので、構成が簡易である。
【0122】
<参考例との比較>
ところで、画素加算によって高感度モノクロ画像を生成するにあたっては、画素加算処理によって得られた画素値を、別個に設けられたローパスフィルタを用いて垂直方向に平滑化する技術を想定することができる。以下、この技術を参考例と称するものとする。
【0123】
ここで、上記実施形態の技術的意義をより明確にするため、この参考例との比較を行う。
【0124】
図15〜図17は、参考例に関する処理動作等について説明する図である。図15は、参考例における機能ブロックを示す図であり、上記の図6に対応する図である。また、図16は図13に対応する図であり、図17は図14に対応する図である。なお、上記実施形態の撮像装置1と同様の構成を有するブロックについては、同様の符号を付して説明する。
【0125】
この参考例に係る技術は、結果的に、図15に示される機能ブロックと同等の処理を行うものに相当する。この技術においては、加算処理が施された画素値は、画素補間部31による補間処理を経ることなく画素補間部31(図15)をスルーして、各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchが同一の値となる。
【0126】
具体的には、図16の左側に示すように、画素加算処理後の画素配列において、第2行目の水平画素列の各画素の画素値は「G+B」となり、その後、画素補間部31をスルーすることによって、各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchはいずれも「G+B」となる(図16の右側参照)。同様に、画素加算処理後の画素配列において、第3行目の水平画素列の各画素の画素値は、「G+R」となり、その後、画素補間部31をスルーすることによって、各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchはいずれも「G+R」となる。
【0127】
その後、図17に示すように、マトリクス演算部35により色変換処理が施される。
【0128】
図16にも示されるように、画素補間部31から出力される偶数行の水平画素列の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchは、いずれも同一の値「G+B」となる。ここでは、マトリクス演算部35は、図17の上側に示すように、そのうちのグリーン成分チャンネル値Gchをそのまま用いて「G+B」を擬似輝度信号Yとして出力する。また、色差信号Cr,Cbは、いずれもゼロ(固定値)とされる。
【0129】
また、奇数行の水平画素列の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchは、いずれも同一の値「G+R」となるので、マトリクス演算部35は、図17の下側に示すように、そのうちのグリーン成分チャンネル値Gchをそのまま用いて「G+R」を擬似輝度信号Yとして出力する。
【0130】
ここで、偶数行の水平画素列(図17の上段参照)においては、「R」成分はいずれの成分チャンネル値にも含まれない。そのため、マトリクス演算部35における色変換マトリクスの変換係数を変更して各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchの混合割合を変更しても、「R」成分を輝度信号Yに反映させることはできない。
【0131】
同様に、奇数行の水平画素列(図17の下段参照)においては、「B」成分はいずれの成分チャンネル値にも含まれない。そのため、マトリクス演算部35における色変換マトリクスの変換係数を変更して各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchの混合割合を変更しても、「B」成分を輝度信号Yに反映させることはできない。
【0132】
このように、参考例の技術においては、色変換マトリクスにおける変換係数をどのように設定したとしても、偶数行の水平画素列に対する擬似輝度信号と奇数行の水平画素列に対する擬似輝度信号とは、互いに異なる値となる。そのため、1ライン毎に異なる割合の混合色成分が擬似輝度信号として出力されることになる。ここでは、「G+B」と「G+R」とが交互に擬似輝度信号として出力される。
【0133】
したがって、被写体の色が特定の色成分に偏っている場合には、高感度モノクロ画像において縞模様が発生することになる。たとえば、赤一色の被写体を撮影する場合には、「G+R」の奇数行には赤色成分が反映された値が出力される一方で、「G+B」の偶数行の画素値はほぼゼロとなり、撮影されたモノクロ画像において縞模様が出現する。
【0134】
そして、このような縞模様の発生を防止するためには、図15に示すように、垂直方向の平滑化を図るためのローパスフィルタ(LPF)39を設けることなどが求められる。
【0135】
なお、図15に示す技術は、画素加算部20による画素加算処理を受けた水平画素列ごとの画像信号を、画素補間部31およびマトリクス演算部35を経ることなく、そのままローパスフィルタ39によって平滑化処理するものであるとも理解できる。
【0136】
これに対して、上記の実施形態に係る撮像装置1によれば、参考例のようなローパスフィルタ39を設けることなく、簡易な構成で高感度の綺麗なモノクロ画像を得ることができる。
【0137】
具体的には、上記実施形態に係る撮像装置1の画素補間部31は、カラー画像生成時には、図7の補間用フィルタを用いて、撮像センサ15における画素値に基づいて補間後の各色成分値を各成分チャンネル値として求め、高感度モノクロ画像生成時には、カラー画像生成時と同一の補間用フィルタを用いて、加算後の新たな画素値に基づいて補間後の各擬似色成分値を各成分チャンネル値として求める。そして、マトリクス演算部35は、カラー画像生成時には、補間後の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchと色変換マトリクスMX1とに基づいて色信号Y,Cr,Cbを生成し、高感度モノクロ画像生成時には、補間後の各成分チャンネル値Rch,Gch,Bchと色変換マトリクスMX2とに基づいて輝度信号Y等を生成する。
【0138】
すなわち、高感度のモノクロ画像生成時において、カラー画像生成時と同一の補間用フィルタを用いて画素補間が行われ、且つ、カラー画像生成時とは異なる変換係数を有する色変換マトリクスを用いて色変換処理(輝度信号生成処理)が行われる。
【0139】
このように、画素加算によって感度が向上した新たな画素値に対して、カラー画像生成に用いられる画素補間部31およびマトリクス演算部35を用いて、高感度モノクロ画像への変換処理を行うことができるので、簡易な構成で高感度のモノクロ画像を得ることができる。言い換えれば、カラー画像生成用に既に存在している画素補間部31およびマトリクス演算部35を巧みに活用して、高感度のモノクロ画像を生成することが可能になる。
【0140】
特に、上記の画素補間部31は、水平方向および垂直方向の両方向における2次元フィルタリング処理を伴う画像補間処理を行うことによって、画素加算部20による加算処理後の新たな画素に対する各成分チャンネル値を求めている。そして、これにより、画素加算において加算されなかった成分をも含む3つの全ての色成分R,G,Bを、各画素における複数の成分チャンネル値のいずれかにおいて出力することができる。このように、高感度モノクロ画像生成時における画像補間処理は、上記のカラー画像生成時の画像補間処理とは異なる作用を有している。そして、このような各成分チャンネル値に対してマトリクス演算部35による色変換処理を行うことによって、特定の色成分への偏りが無い又は偏りが少ない輝度信号を生成することが可能になる。
【0141】
具体的には、図13の右側に示すように、画素補間部31による画素補間後の偶数行の水平画素列において、レッド成分チャンネル値Rch(=「G+R」)には、「R」と「G」との両色成分が含まれており、ブルー成分チャンネル値Bch(=「G+B」)には、「B」と「G」との両色成分が含まれている。画素補間前の偶数行の水平画素列(「G+B」)には「R」成分は含まれていなかったのに対して、画素補間後の偶数行の水平画素列においては、この「R」成分がレッド成分チャンネル値Rchに含まれている。
【0142】
そして、マトリクス演算部35において、2つ(2種類)の成分チャンネル値Rch,Bchを加算して平均化することによって、輝度信号Yを求めている。したがって、マトリクス演算部35の色変換処理によって、3つの全ての色成分「R」,「G」,「B」が混合された輝度信号Yを得ることが可能である。
【0143】
同様に、奇数行の水平画素列においても、同様である。すなわち、奇数行の水平画素列において、レッド成分チャンネル値Rchには、「R」と「G」との両色成分が含まれており、ブルー成分チャンネル値Bchには、「B」と「G」との両色成分が含まれている。画素補間前の奇数行の水平画素列には「B」成分は含まれていなかったのに対して、画素補間後の奇数行の水平画素列においては、この「B」成分がブルー成分チャンネル値Bchに含まれている。
【0144】
そして、奇数行の水平画素列についても、マトリクス演算部35の色変換処理によって、3つの全ての色成分「R」,「G」,「B」が混合された輝度信号Yを得ることが可能である。
【0145】
この結果、マトリクス演算部35による色変換処理によって、偶数行および奇数行のいずれにおいても、3つの色成分「R」,「G」,「B」が混合された輝度信号Yを得ることが可能である。
【0146】
具体的には、この実施形態においては、図14に示すように、マトリクス演算部35による変換の結果、偶数行および奇数行のいずれにおいても、輝度信号Yは「G+R/2+B/2」として求められる。すなわち、輝度信号Yにおいては、偶数行と奇数行とで、色成分R,G,Bの混合比率(Kr:Kg:Kb)が同一(1:2:1)である。
【0147】
そのため、被写体の色が特定の色成分に偏っている場合であっても、縞模様の発生を回避して、綺麗な高感度モノクロ画像を得ることが可能である。すなわち、垂直方向の平滑化を図るためのローパスフィルタ(LPF)39を設けることなく、綺麗な高感度画像を得ることが可能である。
【0148】
特に、図14に示すように、マトリクス演算部35による変換の結果、輝度信号Yにおける各色成分の混合割合は、いずれの画素においても、「G+R/2+B/2」となる。すなわち、各色成分の混合割合が各画素間で同一となる。したがって、当該混合割合が異なる場合に起こり得る模様(あるいはざらつき感)等の発生を回避して、綺麗な高感度モノクロ画像を得ることが可能になる。
【0149】
また、この実施形態においては、図13に示すように、高感度モノクロ画像生成時には、2つの成分チャンネル値Rch(=G+R),Bch(=G+B)の和成分(=(G+R)+(G+B))における3つの色成分「R」,「G」,「B」の混合割合が、偶数行の水平画素列の画素と奇数行の水平画素列の対応画素との間で同一の割合(1:2:1)となるように、画素補間部31による画素補間が行われている。したがって、偶数行と奇数行とで色変換マトリクスの係数を変更することなく色変換処理を行うことによって、同一割合の混合比率を有する輝度信号を容易に生成することが可能である。
【0150】
特に、この実施形態においては、2つの成分チャンネル値Rch,Bchの和成分における3つの色成分「R」,「G」,「B」の混合割合が、所定の画素と任意の画素との間でも同一の割合(1:2:1)となるように、画素補間部31による画素補間が行われている。したがって、全ての画素について同一変換係数の色変換マトリクスを用いた色変換処理を行うことによって、同一割合の混合比率を有する輝度信号を容易に生成することが可能である。
【0151】
<輝度に応じたモード変更>
つぎに、「感度切替可能モード」において、環境輝度が変化したときの撮像装置1の動作について説明する。ここでは、撮像装置1の環境輝度を表す指標値として、露出制御に用いるAPEX値のうちのBV値を用いるものとする。このBV値は、撮像センサ15への入射光量を反映した値として算出される。また、この算出動作は、画像処理部3などによって行われる。
【0152】
撮像装置1は、この「感度切替可能モード」においては、まず、高輝度環境下では通常の感度でカラー撮像を行う「カラー画像生成処理」を実行する。そして、輝度の更なる減少に応じて、彩度を抑圧する「彩度抑圧画像生成処理」、「通常感度モノクロ画像生成処理」、および「高感度モノクロ画像生成処理」を順次に実行する。詳細には、輝度に応じて区分された4つの区間TM1〜TM4において、互いに異なるこれらの画像生成処理のそれぞれが行われる。なお、これらの区間は、BV値に関する3つの閾値TH1,TH2,TH3(TH1>TH2>TH3)によって区分される。
【0153】
図18は、感度切替可能モードにおける動作を示す図である。図18のグラフの横軸は、輝度を表すBV値(APEX値)を示しており、縦軸は、色変換に関する各種のパラメータ(係数)α,Kr,Kg,Kbの値を示している。
【0154】
まず、輝度を表すBV値が閾値TH1(ここでは、−0.2)よりも大きい場合(すなわち撮影環境が所定値よりも明るい場合)(区間TM1)には、通常感度のカラー画像が生成される。すなわち、区間TM1においては、通常感度の「カラー画像生成処理」が実行される。
【0155】
この区間TM1でのカラー画像生成処理は、図5,図8,図9などを用いて説明した通りである。区間TM1においては、マトリクス演算部35における変換係数αは1であり、彩度は全く抑圧されない。
【0156】
つぎに、BV値が閾値TH1よりも小さく且つ閾値TH2(ここでは、−1.2)よりも大きい場合(区間TM2)には、彩度抑圧処理を行う。すなわち、区間TM2においては、「彩度抑圧画像生成処理」(後述)が実行される。詳細には、後述するように、マトリクス演算部35における変換係数αが、輝度の減少に応じて、徐々に小さな値に設定される。
【0157】
そして、BV値が閾値TH2よりも小さくなると、変換係数αがゼロになり、モノクロ画像が生成される。すなわち、区間TM3および区間TM4においては、マトリクス演算部35における変換係数αはゼロとなり、モノクロ画像が生成される。
【0158】
より具体的には、BV値が閾値TH2よりも小さく且つ閾値TH3(ここでは、−2.5)よりも大きい場合(区間TM3)においては、画素加算動作を伴わない通常感度によるモノクロ画像が生成される。すなわち、区間TM3においては、「通常感度モノクロ画像生成処理」(後述)が実行される。
【0159】
また、BV値が閾値TH3よりもさらに小さい場合(区間TM4)においては、画素加算動作を伴う高感度のモノクロ画像が生成される。すなわち、区間TM4においては、「高感度モノクロ画像生成処理」が実行される。この区間TM4での高感度モノクロ画像生成処理は、図6,図13,図14などを用いて説明した通りである。
【0160】
以上のように、区間TM1,TM2,TM3においては、図5に示すように、画素加算処理が施されることなく、マトリクス演算部35の色変換マトリクスMX1を用いた処理が行われる。これによって、各区間TM1,TM2,TM3において、それぞれ、通常感度の複数の画像(画像群)が連続的に取得される。
【0161】
ただし、このとき、マトリクス演算部35における変換係数αは、区間に応じて変化する。具体的には、区間TM1では1であり、区間TM3ではゼロである。また、区間TM2では、変換係数αは、0≦α≦1を満たす値となり、具体的には、輝度の減少に応じて1からゼロへ向けて徐々に小さくなる。言い換えれば、区権TM2においては、輝度の減少に応じて彩度の抑圧程度が徐々に上昇する。そして、BV値が閾値TH2(区間TM3と区間TM2との境界値)となるときには、彩度が完全に抑制された状態(α=0)となる。
【0162】
また、区間TM4においては、図6に示すように、画素加算処理が施された上で、マトリクス演算部35の色変換マトリクスMX2を用いた処理が行われる。これによって、複数の高感度モノクロ画像(高感度モノクロ画像群)が連続的に取得される。
【0163】
ここにおいて、図18に示す処理において、輝度が経時的に変化(たとえば、低下(減少))していく場合を想定する。このとき、上記の4つの区間TM1,TM2,TM3,TM4にそれぞれ対応する4つの期間において、上述のような各時点の輝度に応じた画像処理が施される。
【0164】
そして、この経時的変化においては、次のような2つの状態遷移が存在する。
【0165】
1つは、区間TM1〜TM3にわたる状態遷移である。これによって、取得される画像は、カラー画像からモノクロ画像へと、その彩度の抑圧程度が徐々に上昇されつつ移行する。
【0166】
もう1つは、区間TM2〜TM4にわたる状態遷移である。これによって、取得される画像は、通常感度の画像から高感度の画像へと移行する。特に、BV値が閾値TH2以下の区間の状態遷移について考察すれば、取得される画像は、通常感度のモノクロ画像から高感度のモノクロ画像へと移行する。
【0167】
以下では、これら2つの状態遷移動作について詳述する。
【0168】
まず、区間TM1〜TM3にわたる状態遷移について説明する。図18においては、カラー画像(彩度が抑圧されていない画像)が取得される区間TM1と、モノクロ画像が取得される区間TM3との間に、彩度抑圧処理を施した画像が取得される区間TM2が存在する。
【0169】
この区間TM2における彩度抑圧処理は、図5のマトリクス演算部35における変換係数αの値を1よりも小さな値にすることによって行われる。
【0170】
具体的には、係数αはBV値の減少に応じて徐々に小さくなる。ここでは、図18に示すように、係数αはBV値との間に線形関係を有するように変化する。そして、BV値が閾値TH1に等しいときに係数αが1となり且つBV値が閾値TH2に等しいときに係数αが0となるように、閾値TH1,TH2の中間値BVに対する係数αの値が定められる。区間TM2においては、このような係数αを有する色変換マトリクスMX3(後述のマトリクスMX32と区別する場合にはMX31とも称する)を用いて色変換処理が行われる。なお、区間TM2における色変換マトリクスMX31の他の変換係数(Krc,Kgc,Kbc)=(Kr,Kg,Kb)は、色変換マトリクスMX1と同じ値である。
【0171】
そして、BV値が閾値TH2よりも小さくなると、係数α=0となりモノクロ画像生成処理に移行する。ただし、BV値が閾値TH3よりも大きい区間TM3においては、画素加算処理は未だ行われず通常感度のモノクロ画像が生成される。
【0172】
このように、カラー画像生成処理を行う区間TM1と、通常感度モノクロ画像生成処理を行う区間TM3との間の区間TM2において、環境輝度に応じて係数αを連続的に変更させて彩度の抑圧程度を徐々に変化させる彩度抑圧画像生成処理が行われる。したがって、カラー画像からモノクロ画像への移行がスムーズに行われ、画像が急激に変化することを回避できる。すなわち、移行時における違和感を減少させることができる。
【0173】
次に、区間TM2〜TM4にわたる状態遷移について説明する。図18においては、通常感度の画像(彩度が抑圧されたカラー画像、およびモノクロ画像)が取得される区間TM2と、高感度のモノクロ画像が取得される区間TM4との間に、通常感度のモノクロ画像が取得される区間TM3が存在する。
【0174】
上述したように、マトリクス演算部35における、輝度信号Yにおける各色成分の混合比率を表す係数Kr,Kg,Kbは、区間TM1,TM2と、区間TM4との間で異なっている。すなわち、通常感度画像生成時(カラー画像生成時および彩度抑圧画像生成時等)と、高感度モノクロ画像生成時とでは、混合比率Kr,Kg,Kbが異なっている。具体的には、区間TM1,TM2においては、混合比率Kr,Kg,Kbは、それぞれ、0.3,0.59,0.11であるのに対して、区間TM3の終端(および区間TM4の開始点)においては、混合比率Kr,Kg,Kbは、それぞれ、0.25,0.5,0.25である。
【0175】
仮に、区間TM3においても、区間TM1,TM2と同一の混合比率Kr,Kg,Kbを実現するような変換係数Krc,Kgc,Kbcを用いる場合を想定する。この場合、区間TM3での通常感度モノクロ画像生成処理から区間TM4での高感度モノクロ画像生成処理への切替時点において、切替前後に生成された両画像はともにモノクロ画像ではある。しかしながら、被写体の有彩色部分については、その有彩色部分における各色成分値の相違と混合比率Kr,Kg,Kbの急激な変化とに伴って、これらの両モノクロ画像の切替時点において、急激な濃度変化が生じるために、不連続性が目立つことになる。たとえば、撮像装置1の操作者は、たとえば、動画像撮影時、あるいは、静止画撮影のためのプレビュー画像表示(ライブビュー表示)時において、モノクロ画像における不連続な濃度変化を感じることになる。
【0176】
これに対して、この実施形態においては、区間TM3でのモノクロ画像生成処理での変換係数Krc,Kgc,Kbc(したがって混合比率Kr,Kg,Kb)を輝度に応じて変化させることによって、区間TM2から区間TM4への移行時における急激な変化を防止する。
【0177】
具体的には、この区間TM3においては、マトリクス演算部35における輝度信号を求めるための変換係数Krc,Kgc,Kbcを輝度の変化に応じて徐々に変化させる。
【0178】
より詳細には、図18に示すように、BV値(環境輝度)の減少(変化)に応じて、各混合比率Kr,Kg,Kbが、それぞれ、区間TM2の終点(閾値TH2)における値から区間TM4の始点(閾値TH3)における値へ向けて徐々に変化するように、色変換マトリクスMX32における各変換係数Krc,Kgc,Kbcが徐々に変化する。ここで、区間TM2の終点における各変換係数Krc,Kgc,Kbcの各値は、色変換マトリクスMX1(あるいは色変換マトリクスMX31)を用いて生成される輝度信号Yでの色成分混合比率(Kr:Kg:Kb)=(0.3:0.59:0.11)を実現する値であるとも表現できる。また、区間TM3の終点における各変換係数Krc,Kgc,Kbcの各値は、色変換マトリクスMX2を用いて生成される輝度信号Yでの色成分混合比率(Kr:Kg:Kb)=(0.25:0.5:0.25)を実現する値であるとも表現できる。
【0179】
すなわち、区間TM3において、BV値(環境輝度)の減少に応じて、各変換係数(Krc,Kgc,Kbc)=(Kr,Kg,Kb)が(0.3:0.59:0.11)から(0.25:0.5:0.25)へ向けて徐々に変化する。
【0180】
たとえば、変換係数Krc(=Kr)は、閾値TH1,TH2の間ではBV値の変化に応じて次のような値となる。すなわち、変換係数Krcは、BV値が閾値TH2に等しいときに0.3であり、その後、BV値の減少に応じて、しばらくその値を維持した後に徐々に減少する。そして、変換係数Krcは、BV値が閾値TH3よりも少し大きな値であるとき(ここでは−2.3)に0.25となり、その値を維持して、BV値が閾値TH3にほぼ等しいときにも0.25となる。
【0181】
同様に、係数Kgc(=Kg)は、閾値TH1,TH2の間ではBV値の変化に応じて、BV値が閾値TH2に等しいときに0.59であり、その後、BV値の減少に応じて、しばらくその値を維持した後に徐々に減少する。そして、係数Kgcは、BV値が閾値TH3よりも少し大きな値(ここでは−2.3)であるときに0.5となり、その値を維持して、BV値が閾値TH3にほぼ等しいときにも0.5となる。
【0182】
また同様に、係数Kbc(=Kb)は、BV値が閾値TH2に等しいときに0.11であり、その後、BV値の減少に応じて、しばらくその値を維持した後に徐々に減少する。そして、係数Kbcは、BV値が閾値TH3よりも少し大きな値であるときに0.25となり、その値を維持して、BV値が閾値TH3にほぼ等しいときにも0.25となる。
【0183】
区間TM3においては、このような係数Krc,Kgc,Kbcを有する色変換マトリクスMX3(MX31と区別する場合にはMX32とも称する)を用いて色変換処理が行われる。なお、区間TM3における色変換マトリクスMX32の他の変換係数αは、色変換マトリクスMX2と同じくゼロである。
【0184】
この結果、図18に示すように、上記のように区間TM3において、BV値(環境輝度)の変化に応じて、色変換マトリクスMX32で生成された輝度信号中の各色成分の混合比率Kr,Kg,Kbが、色変換マトリクスMX1によって実現される値から色変換マトリクスMX2によって実現される値へ向けて徐々に変化する。すなわち、各混合比率Kr,Kg,Kbの連続性を担保しつつ、各変換係数Krc,Kgc,Kbcの値が変更される。
【0185】
また、区間TM4においては、画素加算処理を開始するとともに、変換係数Krc,Kgc,Kbcを(0.5,0,0.5)に切り替える。この切替後の区間TM4において色変換マトリクスMX2を用いて生成される輝度信号Yでの色成分混合比率(Kr:Kg:Kb)は、図18に示すように、(0.25:0.5:0.25)である。したがって、変換係数Krc,Kgc,Kbcは不連続的に変更されるが、輝度信号中の各色成分の混合比率(Kr:Kg:Kb)は図18に示すように連続的に変更されることになる。
【0186】
したがって、通常感度画像から高感度画像へと徐々に移行させることができ、通常感度画像から高感度画像への移行時における不連続性を回避して、画像変化における違和感を緩和することができる。
【0187】
以上のように、撮像装置1は、カラー画像生成処理からモノクロ画像生成処理へと移行する場合には、区間TM2において係数αを連続的に変化させ、且つ、通常感度モノクロ画像生成処理から高感度モノクロ画像生成処理へと移行する場合には、区間TM3において変換係数Krc,Kgc,Kbcを連続的に変化させる。
【0188】
このように、撮像装置1による上記の実施形態の撮像方法(撮像装置の制御方法)によれば、輝度の変化に応じて、区間TM1,TM2,TM3,TM4の各処理が順次に切り替えて行われるに際して、切替時の不連続変化の発生を回避することができる。
【0189】
また、ホワイトバランス制御における補正パラメータが複数の区間において異なる場合には、その補正パラメータを輝度に応じて変更することによって、切替時の補正パラメータを調整することが好ましい。たとえば、区間TM2から区間TM4への切替時には、両区間の中間の区間TM3において、区間TM2での値から区間TM4での値と徐々に変更されるように、ホワイトバランス制御用の補正パラメータを変更すればよい。これによれば、通常感度画像から高感度画像への切替時における不連続性をさらに高度に緩和することが可能である。
【0190】
<その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0191】
たとえば、上記実施形態においては、簡略化のため、カラー画像生成時には画素加算を行わないものとして説明したが、これに限定されず、カラー画像生成時にも画素加算を行うようにしてもよい。
【0192】
具体的には、画素加算部20は、カラー画像生成時には、ベイヤー配列における垂直方向のみの加算を行うことによって、図10(b)のような画素列を生成し、このような画素列を図8の左側の画素列と置き換えて、図8の画素補間処理および図9の色変換処理を施すようにしてもよい。ただし、カラー画像生成時においては、水平画素加算は施さない。
【0193】
また、上記実施形態においては、画素加算部20は、高感度画像生成時において、水平方向および垂直方向の両方向に画素値を加算する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、高感度画像生成時には、水平方向のみに画素値を加算するようにしてもよい。
【0194】
さらに、上記実施形態においては、撮像センサ15としてCCD撮像センサを用いる場合を例示したが、これに限定されず、CMOS撮像センサを用いても良い。
【0195】
また、上記実施形態においては、生成画像が連続的に変更される場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、連続的変化が要求されない場合には、不連続的に高感度モノクロ画像生成処理への切替を行うようにしてもよい。詳細には、カラー画像を生成する撮影モードと、高感度モノクロ画像を生成する撮影モードとを、操作者が高感度撮影スイッチ14等を用いて選択的に切り替えるようにしてもよい。
【0196】
さらに、上記実施形態においては、図11、図12などを用いて垂直転送路HL中で垂直画素加算を行う場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、加算対象となる画素列を垂直転送路VLに送り出した後に水平転送路HLで加算するようにしてもよい。より詳細には、まず、4つの水平画素列L1〜L4のうち、加算対象となる水平画素列L1,L3のみの蓄積電荷を同時に垂直転送路に送り出す。そして、4画素分の垂直転送を行って、水平転送路HLで水平画素列L1,L3の2つの蓄積電荷を合計すればよい。
【0197】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜8に記載の発明によれば、画素加算によって感度が向上した新たな画素値に対して、カラー画像生成時にも用いられる画素補間手段および色変換手段を用いて、高感度画像への変換処理を行うことができるので、簡易な構成で高感度画像を得ることができる。
【0198】
特に、請求項2に記載の発明によれば、画素加算によって、互いに異なる組合せの2つの色成分のみを含む所定方向の第1の画素列と第2の画素列とが交互に生成される場合であっても、簡易な構成で高感度画像を得ることができる。
【0199】
また、請求項3に記載の発明によれば、色変換手段によって同一割合の混合割合を有する輝度信号を容易に生成することが可能になる。
【0200】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、輝度信号における各色成分の混合割合が各画素間で同一となるので、当該混合割合が異なる場合に起こり得る縞模様の発生を回避して、より綺麗な高感度画像を得ることができる。
【0201】
また、請求項5に記載の発明によれば、色変換手段によって同一割合の混合割合を有する輝度信号をさらに容易に生成することが可能になる。
【0202】
さらに、請求項6に記載の発明によれば、輝度信号における各色成分の混合割合が各画素間で同一となるので、当該混合割合が異なる場合に起こり得る縞模様の発生を回避して、より綺麗な高感度画像を得ることができる。
【0203】
また、請求項7に記載の発明によれば、低輝度環境においても、鮮明なライブビュー画像を得ることが可能になる。
【0204】
さらに、請求項8に記載の発明によれば、低輝度環境においても、鮮明な動画像を記録することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る撮像装置1の正面図である。
【図2】撮像装置1の背面図である。
【図3】撮像装置1の上面図である。
【図4】撮像装置1の機能ブロックを示す図である。
【図5】カラー画像生成時の画像処理の概要を示す図である。
【図6】高感度モノクロ画像生成時の画像処理の概要を示す図である。
【図7】補間処理に用いられる補間フィルタを示す図である。
【図8】カラー画像生成時における補間処理の一例を示す図である。
【図9】カラー画像生成時における色変換処理の一例を示す図である。
【図10】高感度モノクロ画像生成時の画素加算処理を示す図である。
【図11】画素加算処理を示す図である。
【図12】画素加算処理を示す図である。
【図13】高感度モノクロ画像生成時における補間処理の一例を示す図である。
【図14】高感度モノクロ画像生成時における色変換処理の一例を示す図である。
【図15】参考例における機能ブロックを示す図である。
【図16】参考例での高感度モノクロ画像生成時における補間処理の一例を示す図である。
【図17】参考例での高感度モノクロ画像生成時における色変換処理の一例を示す図である。
【図18】感度切替可能モードにおけるパラメータ等の変化を示す図である。
【図19】いわゆるRB市松G縦ストライプ配列を示す図である(従来技術)。
【符号の説明】
1 撮像装置
10 撮像部
10a 撮影レンズ
15 撮像センサ
20 画素加算部
31 画素補間部
35 マトリクス演算部
Kr,Kg,Kb (色成分の)混合比率
Krc,Kgc,Kbc (輝度信号生成用の)変換係数
Rch,Gch,Bch 各成分チャンネル値
L1〜L8,LC1,LC2,LL1,LL2 水平画素列
Pij,Qij 画素
TM1〜TM4 区間
Claims (8)
- 所定感度のカラー画像と当該カラー画像よりも高感度の高感度画像との両方を撮像可能な撮像装置であって、
3種類の色フィルタが市松状に配置されたベイヤー配列を有する単板式の撮像素子と、
少なくとも前記高感度画像生成時には前記撮像素子の複数の画素値を加算して新たな画素値を算出する画素加算手段と、
前記撮像素子の各位置における画素の各成分チャンネル値を周辺画素の画素値に基づいて補間により求める画素補間手段と、
前記画素補間後の各成分チャンネル値に基づいて色変換を行う色変換手段と、を備え、
前記画素補間手段は、前記カラー画像生成時には、所定の補間用フィルタを用いて、前記撮像素子における画素値に基づいて補間後の各色成分値を前記各成分チャンネル値として求め、前記高感度画像生成時には、前記カラー画像生成時と同一の前記所定の補間用フィルタを用いて、前記画素加算手段による加算後の前記新たな画素値に基づいて補間後の各擬似色成分値を前記各成分チャンネル値として求め、
前記色変換手段は、前記カラー画像生成時には、前記補間後の各成分チャンネル値と第1の色変換マトリクスとに基づいて色信号を生成し、前記高感度画像生成時には、前記補間後の前記各成分チャンネル値と第2の色変換マトリクスとに基づいて輝度信号を生成することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記画素加算手段は、前記高感度画像生成時には、2つの色成分のみを加算して前記新たな画素値を算出することによって、互いに異なる組合せの2つの色成分のみを含む所定方向の第1の画素列と第2の画素列とを交互に生成することを特徴とする撮像装置。 - 請求項2に記載の撮像装置において、
前記画素補間手段は、2次元フィルタリング処理を行うことによって、少なくとも2つの成分チャンネル値の和成分における3つの色成分の混合割合が、前記所定方向の第1の画素列の画素と前記所定方向の第2の画素列の対応画素との間で同一となるように、前記新たな画素に対する補間後の画素の各成分チャンネル値を求めることを特徴とする撮像装置。 - 請求項3に記載の撮像装置において、
前記色変換手段は、前記第2の色変換マトリクスで規定される所定の変換係数を用いて、前記輝度信号における3つの色成分の混合割合が前記所定方向の第1の画素列の画素と前記所定方向の第2の画素列の対応画素との間で同一となるように、前記画素補間手段から出力される各成分チャンネル値に基づいて前記輝度信号を生成することを特徴とする撮像装置。 - 請求項2に記載の撮像装置において、
前記画素補間手段は、2次元フィルタリング処理を行うことによって、少なくとも2つの成分チャンネル値の和成分における3つの色成分の混合割合が、任意の2つの画素間で同一となるように、前記新たな画素に対する補間後の画素の各成分チャンネル値を求めることを特徴とする撮像装置。 - 請求項5に記載の撮像装置において、
前記色変換手段は、前記第2の色変換マトリクスで規定される所定の変換係数を用いて、前記輝度信号における3つの色成分の混合割合が各画素間で同一となるように、前記画素補間手段から出力される各成分チャンネル値に基づいて前記輝度信号を生成することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の撮像装置において、
前記輝度信号に基づく画像をライブビュー画像として表示する表示手段、
をさらに備えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の撮像装置において、
前記輝度信号に基づく連続画像を動画像として記録する記録制御手段、
をさらに備えることを特徴とする撮像装置。
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