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JP2005042392A - ダム浚渫プラント及びダムの浚渫方法 - Google Patents

ダム浚渫プラント及びダムの浚渫方法 Download PDF

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JP2005042392A
JP2005042392A JP2003277557A JP2003277557A JP2005042392A JP 2005042392 A JP2005042392 A JP 2005042392A JP 2003277557 A JP2003277557 A JP 2003277557A JP 2003277557 A JP2003277557 A JP 2003277557A JP 2005042392 A JP2005042392 A JP 2005042392A
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JP2003277557A
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Tsutomu Nakayama
努 中山
Misaka Kondo
操可 近藤
Hidenori Nishida
秀紀 西田
Keisuke Imakita
啓介 今北
Yasuyuki Suzuki
康之 鈴木
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Nishimatsu Construction Co Ltd
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Nishimatsu Construction Co Ltd
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Abstract

【課題】堆砂の進行によるダムの機能低下を効率的に回復するとともに、下流や河口付近の海岸の浸食を防ぎ、河川の水質を保全する環境に配慮したダム浚渫プラント及びダムの浚渫方法を提供する。
【解決手段】ダム湖底7の土砂を浚渫する浚渫装置1と、この浚渫装置により浚渫された土砂から粒径の大きい土砂を分離するとともに、任意の粒径の細粒分を分離する分級プラント40とを備えるダム浚渫プラントである。ダム湖底7の土砂から粒径の大きい土砂を分離して建設資材等に使用することができるとともに、任意の粒径の細粒分を分離して河川供給材として河川内に置土することで、ダム下流の侵食された河床や河口付近の海岸を回復させることができる。またダム湖水から除去した浮遊性物質を不溶化、固化するとともに減容化した後に、ダム湖底7へ埋め戻すことで、処分場が不要となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ダム浚渫プラント及びダムの浚渫方法に関する。
ダムを長期にわたって健全な姿で持続的に管理していくことは、水資源の安定供給、洪水調節等の点から重要であるが、そのためにはダムに流入する土砂が堆積した堆砂を除去する必要がある。ダムにおける堆砂の進行は、ダムの貯水要領を長期的に減少させ、ダムの治水、利水機能を低下させる。
また、堆砂の進行によりダム上流では河床が上昇する一方で、ダム下流では河床が低下したり、河口付近では海岸が浸食されたりする等の問題が発生している。また、最近では、下流への土砂供給の減少による栄養分の枯渇やそれに伴う魚類等の生息環境の変化等、環境的側面に対する影響も指摘されている。
ダムの堆砂を除去する方法としては、ダム湖内を水抜きして直接掘削する方法や、浚渫する方法がある。また、ダムに土砂排出口を設けて下流に放出する方法や、既存ダムの上流に貯砂ダムを設けるとともに、貯砂ダムから既存ダム下流へ通じる放流トンネルを設けて下流に放出する方法も実施されている。
ダムの堆砂を浚渫する方法としては、ポンプ船やグラブ船、バケット船、ディッパ船等を用いて行う一般浚渫や、一般浚渫では施工困難な固い地盤を砕岩船あるいは火薬を用いて破砕した後に一般浚渫を行う方法等がある(例えば、非特許文献1参照)。
一般の河川工事の場合には、ポンプ船がよく用いられている。ポンプ船による浚渫は、水底の土砂を吸引し、排砂管を通じてストックヤードや埋立地に排土するもので、ポンプ自体はヘドロや砂質土等の比較的やわらかい土砂が対象であり、N値で10以上の土砂を浚渫する場合は、別途カッター装置を併用して行うことが多い。ポンプ浚渫は、連続的な浚渫ができ作業能率が高い等の利点を有している。
また、グラブ船はグラブバケットで土砂を掘削するグラブ船であって、大水深の浚渫が可能であり、軟泥から硬土盤までの土質に対応できる。例えば図5に示すように、グラブ船1により浚渫された土砂は、処理プラント船2で砂礫、粘土、沈木、雑多ゴミ等に分別した後に、土運船3により岸まで運搬され、岸からトラック4等で処分場へ運搬される。グラブ船1を用いた浚渫方法は、土砂を土運船3により運搬するので、排土する距離が非常に長く、ポンプ船が適用できない場合などに用いることができる。
浚渫した土砂の処理方法としては、分級して比較的粒子の大きい土砂は建設資材等に利用し、その他の微粒子は脱水して産業廃棄物として処理していた。また、土砂をサイクロン等で分級し、粒径の大きい土砂や微粒子をダムに戻すとともに、有機物を分解して処理することも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−118697号公報 土木学会編,「土木工学ハンドブックII」,第四版,技報堂出版,1989年11月18日,p.1626−1627、1822
しかし、ダム湖内を直接掘削または浚渫する場合には、建設資材等に使用できない微粒子を産業廃棄物として処理するため、処分場が必要となるが、その捨土先がなかなか見つからず、また運搬経費がかかるという問題があった。
ダムに土砂排出口を設けたり、貯砂ダムや放流トンネルを設けたりする方法は建設コストが大きいという問題があった。また土砂を下流に放出すると、下流で濁水が発生したり、土砂が堆積したりする等、河川環境への悪影響が出るという問題があった。一方で、浚渫土砂を処理するのみで下流へ全く放出しない場合には、河床低下や海岸浸食、栄養分の枯渇等の問題が解決できなかった。
本発明の課題は、堆砂の進行によるダムの機能低下を効率的に回復するとともに、下流や河口付近の海岸の浸食を防ぎ、河川の水質を保全する環境に配慮したダム浚渫プラント及びダムの浚渫方法を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ダム浚渫プラントであって、例えば図1〜3に示すように、ダム湖底7の土砂を浚渫する浚渫装置(グラブ船1)と、この浚渫装置により浚渫された土砂から粒径の大きい土砂を分離するとともに、任意の粒径の細粒分を分離する分級プラント40とを備えることを特徴とする。
ここで、任意の粒径の細粒分としては、河川の状況に応じ、下流での過剰な堆積や水質汚濁が生じない粒径のものが選ばれる。請求項1に記載の発明によれば、ダム湖底7の土砂から粒径の大きい土砂を分離して建設資材等に使用することができるとともに、任意の粒径の細粒分を分離して河川供給材として河川内に置土することで、ダム下流の侵食された河床や河口付近の海岸を回復させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のダム浚渫プラントであって、図2に示すように、前記分級プラント40はダム湖底7から土砂とともに汲み上げられたダム湖水の一部をダム下流へ放水する放水経路(図2のBから図1のBへ通じる経路)を備えるとともに、ダム湖底7から土砂とともに汲み上げられたダム湖水を浄化する浄水プラント60を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、ダム湖底7の土砂とともに汲み上げられたダム湖水の一部を放水経路からダム下流へ放水することで、ダム湖水に含まれる窒素やリン等の栄養分を河川に適量供給することができ、河川の栄養枯渇を防ぐことができる。また、残りのダム湖水を浄水プラント60で浄化することで、必要以上の栄養分がダム下流に流れて河川の富栄養化が生じることを防ぎ、下流の生態系を保護することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のダム浚渫プラントであって、図3に示すように、前記浄水プラント60は、ダム湖水から除去した浮遊性物質に不溶化剤及び固化剤を混合する混合槽64を備えることを特徴とする。
ここで、浮遊性物質とは、濁水の原因となるシルトや粘土等の微細粒子である。請求項3に記載の発明によれば、ダム湖水から除去した浮遊性物質に不溶化剤及び固化剤を混合することで、浮遊性物質を不溶化、固化するとともに減容化することができるので、浮遊性物質に含まれる窒素やリン等の栄養分が溶け出さないようにし、浮遊性物質をダム湖底7に埋め戻すことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のダム浚渫プラントであって、例えば図4に示すように、前記浚渫装置はグラブバケット10と、グラブバケット10内に吸引口を有するサンドポンプ23と、前記サンドポンプ23に一端が接続され、他端が水上に設けられる送泥ホース22とを備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、グラブバケット10内の土砂をサンドポンプ23で吸引して送泥ホース22で水上に排土するので、グラブバケット10を水上まで上げることなく連続して掘削することができるとともに、グラブバケットを上下動させる際にダム湖水を攪拌して水質汚濁を生じさせることがない。また掘削をグラブバケット10で行うので、N値の大きい、硬くしまった土質の土砂でも掘削し、浚渫することができる。またダム湖底7の土砂に含まれる沈木や流木等のゴミ等の障害物をグラブバケットで引き上げて除去することができる。
請求項5に記載の発明は、ダムの浚渫方法であって、ダム湖底7の土砂を浚渫し、浚渫された土砂から粒径の大きい土砂を分離するとともに、任意の粒径の細粒分を分級して河川に供給することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、ダム湖底7の土砂から粒径の大きい土砂を分離して建設資材等に使用することができるとともに、任意の粒径の細粒分を分離して河川供給材として河川内に置土することで、ダム下流の侵食された河床や河口付近の海岸を回復させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のダムの浚渫方法であって、ダム湖底7の土砂とともに汲み上げられたダム湖水の任意の分量をダム下流に放流するとともに、残りのダム湖水を浄化することを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、ダム湖底7の土砂とともに汲み上げられたダム湖水の任意の分量をダム下流に放流することで、ダム湖水に含まれる窒素やリン等の栄養分を河川に適量供給して河川の栄養枯渇を防ぐことができる。また、残りのダム湖水を浄化することで、必要以上の栄養分がダム下流に流れて河川の富栄養化が生じることを防ぎ、下流の生態系を保護することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載のダムの浚渫方法であって、ダム湖底7の土砂とともに汲み上げられたダム湖水から浮遊性物質を除去し、この浮遊性物質に不溶化剤及び固化剤を混合して不溶化、固化するとともに減容化した後に、ダム湖底7へ埋め戻すことを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、ダム湖水から除去した浮遊性物質に不溶化剤及び固化剤を混合して不溶化、固化するとともに減容化した後に、ダム湖底7へ埋め戻すことで、処分場が不要となり、運搬経費を削減することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれか一項に記載のダムの浚渫方法であって、グラブバケット10でダム湖底7の土砂を掘削し、次いでグラブバケット10を閉じた状態でグラブバケット10内に水を噴出して土砂を攪拌し、攪拌した土砂をグラブバケット10内部のサンドポンプ23で水上に搬送することを繰り返すことでダム湖底7の土砂を浚渫することを特徴とする。
請求項8に記載の発明によればグラブバケット10内に水を噴出して土砂を攪拌するので、グラブバケット10内に泥水の流れを形成し、サンドポンプ23の吸引口が閉塞されるのを防止し、グラブバケット10内の排土をより効率よく行うことができる。またグラブバケット10を閉じた状態でグラブバケット10内に水を噴出して土砂を攪拌することで、泥水をサンドポンプ23での排出に最適な濃度にし、安定した排土を行うことができる。またサンドポンプ23で吸引して送泥ホース22で水上に排土するので、グラブバケット10を水上まで上げることなく連続して掘削することができ、大水深の場合、1掘削当たりのサイクルタイムを短縮することができる。また掘削をグラブバケット10で行うので、N値の大きい、硬くしまった土質の土砂でも掘削し、浚渫することができる。
本発明によれば、ダム湖底の土砂を浚渫して分級し、石や礫、砂等は建設資材等に利用し、また任意の粒径の細粒分を河川供給剤として放流するため、浚渫土砂を有効に利用することができるとともに、下流や河口付近の海岸の侵食を防ぐことができる。またダム湖水に含まれる窒素やリン等の栄養分を河川に適量供給するとともに、過剰な供給をしないことにより、河川の栄養枯渇、富栄養化を防ぐことができる。
また、浮遊性物質を不溶化、固化するとともに減容化してダム湖に埋め戻すので、処分場が不要となり、運搬経費を削減することができる。
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明のダム浚渫プラントは、図1に示す浚渫装置と、図2に示す分級プラント40と、図3に示す浄水プラント60とから構成される。ここで図1〜3は、本発明のダム浚渫プラントによる一連の処理を示す一つのフロー図を分割したものであり、図1のAから図2のAへ、図2のBから図1のBへ、図2のCから図3のCへ、図2のDから図3のDへ、図3のEから図1のEへ、図3のFから図1のFへ、それぞれ連続している。
なお、分級プラント40及び浄水プラント60は、組み立て式のため、装置の移動が比較的容易であり、各ダムへ資材を運搬して現場で組み立てることができる。
浚渫装置としては、例えば図1に示すように、ダム堤体5によって堰き止められたダム湖6上に浮かぶグラブ船1を用いることができる。グラブ船1からは、グラブバケット10が吊り下ろされる。グラブバケット10としては、例えば以下に説明するような形態のものを使用することができる。
グラブバケット10は、図4に示すように、基部11と1対のバケット12、12とからなる。
基部11には、各バケット12、12がそれぞれ取り付けられる1対の平行な軸14、14と、各バケット12、12を各軸14、14に対して同時に反対方向に回動させる図示しない回動機構が設けられている。また基部11の上端には、吊り下げ部材15が設けられている。吊り下げ部材15は、グラブ船1に設けられたクレーンからグラブバケット10を水中に吊り下げている。
バケット12、12は、図ではその刃先13、13が互いに嵌み合って閉じているが、各軸14、14に対して同時に反対方向に回動して開閉する。
バケット12、12には、それぞれ攪拌水ホース21、送泥ホース22、サンドポンプ23が設けられている。
攪拌水ホース21は、水上のグラブ船1まで伸びており、グラブ船1に設けられた図示しない送水ポンプから水が供給され、その先端部に設けられた噴出口から水を噴出する。噴出口は、バケット12の刃先13付近に設けられている。
送泥ホース22は一端がサンドポンプ23に取り付けられており、他端が水上のグラブ船1まで伸び、グラブ船1からさらに分級プラントの受け槽まで伸びている。
サンドポンプ23は、バケット12内に設けられた吸引口から土砂を吸引し、送泥ホース22を介して水上のグラブ船1へ送る。なお吸引口には金網が設置されており、サンドポンプ23が障害物を吸引することによるトラブルを回避することができる。
グラブ船1には、グラブバケット10を動かすクレーンや、攪拌水ホース21に送水する送水ポンプが設けられている。また、攪拌水ホース21や送泥ホース22を巻き取る巻き取り装置や、土砂の処理設備が設けられている。
このグラブバケット10を用いた浚渫方法について説明する。まず、バケット12、12が開いた状態のグラブバケット10をダム湖底7まで下降させる。
次にバケット12、12を回動させ、刃先13、13でダム湖底7を掘削する。さらにバケット12、12をその刃先13、13が嵌み合うまで回動させて閉じる。
次に、攪拌水ホース21から水を噴出し、閉じたバケット12内部の土砂を攪拌するとともに、攪拌された土砂をサンドポンプ23で吸引し、送泥ホース22を介して水上のグラブ船1へ排土する。
送泥ホース22から出る土砂が減ったら、送水ポンプ及びサンドポンプ23を止め、バケット12、12を再び開く。次にグラブバケット10をさらに下降させ、あるいは水平方向に移動させてダム湖底7を掘削し、以上の操作を繰り返す。
吸引口の金網の目よりも大きなゴミや大きな石等の障害物がバケット12内に混入した場合には、まず土砂を吸引し、バケット12内に障害物だけを残す。次いで送水ポンプ及びサンドポンプ23を止め、バケット12を閉じたままグラブバケット10を水上に持ち上げ、障害物を取り除くグラブバケット10を水上まで持ち上げる際に内部に土砂がないので、水質汚濁の恐れがない。
このような浚渫装置によれば、グラブバケット10を水上まで持ち上げずに掘削した土砂を排土することができるため、グラブバケット10の昇降に伴う水質の汚濁を減らすことができる。またグラブバケット10を昇降しないで連続して掘削することができるので、大深度でも浚渫の作業効率が低下しない。また掘削をグラブバケット10で行うので、N値の大きい、硬くしまった土質の土砂でも掘削し、浚渫することができる。
掘削された土砂はサンドポンプにより、送泥ホース22を介して水とともに分級プラント40へ搬送される。
分級プラント40は、例えば図2に示すように、1次スクリーン41、1次ストック42、1次受槽43、2次スクリーン44、2次ストック45、2次受槽46、1次サイクロン51、1次サイクロンオーバー水槽52、2次サイクロン53、2次サイクロンアンダー水槽54、及び2次サイクロンオーバー水槽55等から構成される。
送泥ホース22を介して搬送された土砂は、まず1次スクリーン41にかけられ、粒径の大きい石や礫を取り除き、1次ストック42に搬出する。ここでは例えば4mmの網目のスクリーンを用いて、粒径4mm以上の石や礫を分離する。
1次スクリーン41を通過した、砂を含む泥水は、1次受槽43に貯められ、ポンプで汲み出されて2次スクリーン44にかけられる。2次スクリーン44では、砂を取り除き、2次ストック45に搬出する。ここでは例えば1mmの網目のスクリーンを用いて、粒径1〜4mmの砂を分離する。
2次スクリーン44を通過した泥水は、2次受槽46に貯められ、ポンプで汲み出されて1次サイクロン51にかけられる。1次サイクロン51では、微粒子を1次サイクロンオーバー水とともに1次サイクロンオーバー水槽52へ排出するとともに、2次スクリーン44を通過したがやや粒径の大きい砂を含む1次サイクロンアンダー水を再び2次スクリーン44にかける。
1次サイクロンオーバー水槽52へ貯められた1次サイクロンオーバー水は、ポンプで汲み出されて2次サイクロン53にかけられる。
2次サイクロン53では、1次サイクロンオーバー水の中に含まれる任意の大きさ以上の細粒分を2次サイクロンアンダー水とともに2次サイクロンアンダー水槽54へ貯め、任意の大きさ以下の微細粒子をサイクロンオーバー水とともに2次サイクロンオーバー水槽55へ貯める。例えば粒径0.1mm〜1.0mmの細粒分を2次サイクロンアンダー水槽54へ貯め、粒径0.1mm以下の微細粒子を2次サイクロンオーバー水槽55へ貯めることができる。
2次サイクロンアンダー水槽54へ貯められる任意の粒径の細粒分は、下流の侵食された河床や河口付近の海岸を回復させる河川供給材として、ポンプで汲み出され、ダムの下流へ放流される。その粒径は2次スクリーン44や1次サイクロン51、2次サイクロン53によって変更可能であるが、河川の状況によって適宜変更され、下流での過剰な堆積や水質汚濁が生じない粒径に設定される。
2次サイクロンオーバー水槽55に貯められた2次サイクロンオーバー水は、任意の量が放水経路(図2のBから図1のBへ)を通じてポンプで汲み出されてダム下流に放流されるとともに、残りが浄水経路(図2のCから図3のCへ)を通じて浄水プラント60へ送り出される。2次サイクロンオーバー水の中には、窒素やリン等の栄養分が含まれており、下流へ適量放流することで河川の栄養枯渇を防ぐことができるが、多量に放流しすぎると下流で濁水が発生し、また河川の富栄養化が生じて生態系に悪影響を及ぼすため、河川の状況に応じて適宜流量を調整する。残りの2次サイクロンオーバー水は浄水プラント60で処理される。
浄水プラント60は、図3に示すように、凝集槽61、貯泥槽62、脱水装置63、混合槽64、濾水槽71、凝集反応槽72、沈殿分離槽73、ばっ気槽74、濾過原水槽75、濾過塔76、活性炭吸着塔77、放流槽78、及び凝集剤や不溶化剤、固化剤等の薬剤タンク81、82、83、84等から構成されている。
分級プラント40から汲み出された2次サイクロンオーバー水には、薬剤タンク81から凝集剤が投入されて、凝集槽61で攪拌、混合される。凝集剤としては、例えばポリ塩化アルミニウム(PAC)等の無機凝集剤を用いることができる。凝集剤が混合された2次サイクロンオーバー水は、貯泥槽62に貯められ、浮遊性物質となるシルトや粘土等の微細粒子が沈殿させられる。
貯泥槽62の沈殿及び上清は、脱水装置63にかけられ、脱水ケーキと、濾水とに分離される。脱水ケーキは混合槽64に投入され、薬剤タンク82から硫酸アルミニウム等の不溶化剤や、セメント系等の固化剤が混合される。不溶化剤は脱水ケーキ中の窒素、リンが水に溶け出さないようにする。固化剤は脱水ケーキを粒状に造粒し、減容化するとともに、脱水ケーキ中の物質が水に溶け出さないようにする。
減容化された脱水ケーキは、ダム湖底7に埋め戻される。
濾水は、濾水槽71に貯められ、ポンプで凝集反応槽72へ汲み出される。凝集反応槽72では薬剤タンク83、84からPAC等の無機凝集剤や、高分子凝集剤等の凝集剤が投入され、攪拌される。
凝集剤の投入された濾水は、沈殿分離層に貯められ、沈殿と上清とに分離される。沈殿はポンプで貯泥槽62へ汲み出される。上清はばっ気槽74へ貯められ、ブロアーにより空気が吹き込まれて好気性細菌により水中の有機物が分解される。
空気の吹き込まれた上清は、濾過原水槽75へ貯められ、濾過塔76、活性炭吸着塔77で水中の不純物が取り除かれ、放流槽78に貯められた後に、ダム湖6及びダム下流へ放流される。
上述したダム浚渫プラントによれば、浚渫土砂を分級し、石や礫、砂等は建設資材等に利用し、任意の粒径の細粒分を河川供給剤として放流するため、浚渫土砂を有効に利用することができるとともに、下流や河口付近の海岸の環境にも配慮することができる。また、残りのシルトや粘土等は不溶化・減容化・固化してダム湖底7に戻すため、処分場が不要となり、運搬経費を削減することができる。
なお、本発明のダム浚渫プラントでは、グラブバケット10の内部にサンドポンプ23を設けた浚渫装置を用いたが、本発明はこれに限られるものではなく、任意の浚渫装置を用いることができる。
また、分級プラント40では2段階のフィルターを用いたが、さらにフィルターの数を増やしてもよい。またフィルターの目の大きさも任意に変更可能である。また2段階のサイクロンを用いて分級を行ったが、対象土質によってはさらにサイクロンの段階を増減してもよい。
また浄水プラント60で用いる凝集剤、不溶化剤、固化剤等の薬品や、各種処理槽その他の具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
本発明のダム浚渫プラントによる処理を示すフロー図の一部であり、ダム近傍の浚渫装置を示す模式図である。 同、分級プラントによる処理を示すフロー図である。 同、浄水プラントによる処理を示すフロー図である。 本発明のダム浚渫プラントで用いる浚渫装置の形態例を示す模式図である。 従来の浚渫方法を示す模式図である。
符号の説明
1 浚渫装置(グラブ船)
10 グラブバケット
22 送泥ホース
23 サンドポンプ
40 分級プラント
60 浄水プラント
64 混合槽

Claims (8)

  1. ダム湖底の土砂を浚渫する浚渫装置と、この浚渫装置により浚渫された土砂から粒径の大きい土砂を分離するとともに、任意の粒径の細粒分を分離する分級プラントとを備えることを特徴とするダム浚渫プラント。
  2. 前記分級プラントはダム湖底から土砂とともに汲み上げられたダム湖水の一部をダム下流へ放水する放水経路を備えるとともに、ダム湖底から土砂とともに汲み上げられたダム湖水を浄化する浄水プラントを備えることを特徴とするダム浚渫プラント。
  3. 前記浄水プラントは、ダム湖水から除去した浮遊性物質に不溶化剤及び固化剤を混合する混合槽を備えることを特徴とする請求項2に記載のダム浚渫プラント。
  4. 前記浚渫装置はグラブバケットと、グラブバケット内に吸引口を有するサンドポンプと、前記サンドポンプに一端が接続され、他端が水上に設けられる送泥ホースとを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のダム浚渫プラント。
  5. ダム湖底の土砂を浚渫し、浚渫された土砂から粒径の大きい土砂を分離するとともに、任意の粒径の細粒分を分級して河川に供給することを特徴とするダムの浚渫方法。
  6. ダム湖底の土砂とともに汲み上げられたダム湖水の任意の分量をダム下流に放流するとともに、残りのダム湖水を浄化することを特徴とする請求項5に記載のダムの浚渫方法。
  7. ダム湖底の土砂とともに汲み上げられたダム湖水から浮遊性物質を除去し、この浮遊性物質に不溶化剤及び固化剤を混合して不溶化、固化するとともに減容化した後に、ダム湖底へ埋め戻すことを特徴とする請求項5または6に記載のダムの浚渫方法。
  8. グラブバケットでダム湖底の土砂を掘削し、次いでグラブバケットを閉じた状態でグラブバケット内に水を噴出して土砂を攪拌し、攪拌した土砂をグラブバケット内部のサンドポンプで水上に搬送することを繰り返すことでダム湖底の土砂を浚渫することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のダムの浚渫方法。
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