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JP2005041387A - 車両のエアダム装置 - Google Patents

車両のエアダム装置 Download PDF

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JP2005041387A JP2003278763A JP2003278763A JP2005041387A JP 2005041387 A JP2005041387 A JP 2005041387A JP 2003278763 A JP2003278763 A JP 2003278763A JP 2003278763 A JP2003278763 A JP 2003278763A JP 2005041387 A JP2005041387 A JP 2005041387A
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Abstract

【課題】 本発明はトラック車両のエアダム装置に関し、空力と冷熱のバランスを図った車両のエアダム装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 フロントバンパの下部に取り付き、開閉部材によって開閉自在な開口部が設けられたエアダムと、上記開閉部材の駆動手段と、車速または排気温度を検出する検出手段と、予め設定された所定の車速または排気温度の設定値を記憶した記憶手段と、上記検出手段による検出値と記憶手段に設定された設定値を基に上記駆動手段を駆動制御して、開口部を開閉部材で開閉させる制御手段とからなることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、空力と冷熱のバランスを図った車両のエアダム装置に関する。
今日、多くのエンジンの冷却装置は冷却水を用いた水冷式が主流で、シリンダの外側周囲にあるウォータージャケットに冷却水を循環させてエンジンの冷却を図り、高温となった冷却水をラジエータに導き、走行風や冷却ファンの風で冷却水を熱交換させてウォータージャケットに戻す構造となっている。
そして、ラジエータに於ける熱交換効率を向上させる目的で、従来、車両のラジエータグリルやフロントクロスメンバに可動グリルを装着し、走行状況に応じ当該可動グリルを開閉制御して、車両前方や車両下方からエンジンルームに取り入れる空気量を可変制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、車両走行時の揚力発生を防ぎ、併せてフロント回りの空気の流れを最適化する部品としてエアダムが知られており、このエアダムを装着することで空力が良好となって操向の安定性と駆動力の向上が図れ、また、燃費も改善される。
そして、今日、エアダムは車両の外観(見栄え)を良くする必須のアイテムとしても認識され、世間一般ではエアダム付きがデザイン的に優れたものとされている。
特開平5−50861号公報
しかし乍ら、フロントバンパの下側にエアダムを装着すると、ラジエータでの熱交換に必要な吸入空気量が減少して冷熱が悪化する虞がある。
このため、冷熱に余裕のない車両はエアダムの装着を諦めざるを得ないが、既述したように、今日、エアダム付きがデザイン的に優れたものと認識されているため、エアダム装着不可は、スタイリングを重視するユーザーへの大きな販売阻害要因となっている。
このように、エアダムは装着の有無で空力と冷熱とが相反する結果となっており、空力と冷熱のバランスを図ったエアダムが未だに存在していないのが実情であった。
斯かる課題を解決するため、請求項1に係る車両のエアダム装置は、フロントバンパの下部に取り付き、開閉部材によって開閉自在な開口部が設けられたエアダムと、当該開閉部材の駆動手段と、車速または排気温度を検出する検出手段と、予め設定された所定の車速または排気温度の設定値を記憶した記憶手段と、上記検出手段による検出値と記憶手段に設定された設定値を基に上記駆動手段を駆動制御して、開口部を開閉部材で開閉させる制御手段とからなることを特徴とする。
そして、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両のエアダム装置に於て、開閉部材は、開口部の上下方向へ並列配置された複数枚の可動式フラップからなり、各可動式フラップは、制御手段によって開閉制御されることを特徴とし、請求項3に係る発明は、請求項1に記載の車両のエアダム装置に於て、開閉部材は、開口部の左右方向へスライド可能な一対の開閉蓋からなり、各開閉蓋は、制御手段によって開閉制御されることを特徴とする。
而して、各請求項に係る発明によれば、熱交換に必要な走行風をエアダムに設けた開口部からラジエータに導入させることができるため、オーバーヒートを防止することができる。
また、走行風を必要としない走行状況では、開閉部材が開口部を閉鎖して当該開閉部材がエアダムの一部となるため、エアダム全体が車両走行時の揚力発生を防ぎ、併せてフロント回りの空気の流れを最適化して燃費が良好となると共に、斯様に開閉部材が開口部を閉鎖して開閉部材がエアダムの一部となることでエアダムの存在感がアピールされ、ドライバーや周囲の者にエアダム装着の満足感を与えることができる等、空力と冷熱のバランスを図り、併せて外観を重視するユーザーニーズと冷熱の高度なバランスをとることができる利点を有する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図3は請求項1及び請求項2に係るエアダム装置の一実施形態を示し、図1に於て、1はキャブオーバ型トラックのキャブで、ラジエータグリル3中央の裏面側からフロントバンパ5の裏面側下方に亘ってラジエータ7が配置され、フロントバンパ5の下部にエアダム9が装着されている。
そして、図1乃至図3に示すようにラジエータ7に対応してエアダム9の中央部には、3枚のブラインド構造の可動式フラップ11で開閉する正面視矩形状の凹状の開口部13が設けられており、後述するように各可動式フラップ11は、開口部13の閉鎖時にエアダム9の一部として機能し、また、開口部13を開放することで、当該開口部13からラジエータ7に走行風Wを導入させることができるようになっている。
図2及び図3に示すように各可動式フラップ11は、夫々、短冊状に成形された薄肉で硬質な板材からなり、各可動式フラップ11の長手方向に沿ってその一側縁部に支持軸15が取り付けられている。
一方、前記開口部13は、エアダム9の裏面側に突設された上下左右の周壁17,19,21,23を有し、左右の周壁21,23間に支持軸15を介して各可動式フラップ11が、図3中、矢印A,B方向へ回転可能に上下方向へ並列配置されている。
そして、図2に示すように周壁23を貫通して外方へ突出する支持軸15の一端部にプーリ25が固着されると共に、モータ軸27にプーリ29を固着したモータ31がエアダム9の裏面側に装着されており、当該プーリ29と前記各プーリ25との間に1本の無端状のベルト33が架け渡されている。
尚、プーリ25,29とベルト33に代え、歯車とこれに噛合するチェーンを用いてもよい。
上記モータ31は正逆両方向へ回転可能で、モータ31が正転方向に回転すると、その回転力がプーリ25,29間に架け渡されたベルト33から支持軸15に伝達されて、当該支持軸15が回転することで可動式フラップ11が、図3中、矢印A方向へ同時に回転し、また、モータ31が逆回転すると、その回転力がベルト33から支持軸15に伝達されて、可動式フラップ11が矢印B方向へ同時に回転するようになっている。
そして、上記モータ31は制御手段35によって駆動制御されており、制御手段35には、図示しないアクスル等に装着した車速センサ37からの検出信号が常時入力されている。
一方、制御手段35の記憶手段には、車速に関する所定の設定値が予め設定,記憶されており、制御手段35は、車速センサ37の検出値を基に、上記設定値を越える高速走行時及び車両の停車時にモータ31を逆転駆動させて、可動式フラップ11で開口部13を閉鎖し、また、車両の発進に伴い、設定値を越えない低速走行領域でモータ31を正転駆動して可動式フラップ11を矢印A方向へ回転させて、開口部13を開放させるようになっている。
尚、図示しないが支持軸15と周壁23との間には、矢印A方向に回転する可動式フラップ11を破線で示す位置に位置決めするストッパと、矢印B方向に回転する可動式フラップ11を二点鎖線で示す位置(開口部13の閉鎖位置)に位置決めするストッパが設けられている。そして、制御手段35は、矢印A,B方向に回転する可動式フラップ11が上述したストッパに位置決めされるに足る所定時間だけモータ31を駆動させるように設定されており、制御手段35は所定時間経過後にモータ31の駆動を停止して、モータ31の焼き付き防止を図っている。
本実施形態に係るエアダム装置39はこのように構成されており、制御手段35には車速センサ37からの検出信号が常時入力されている。
而して、制御手段35は、車速センサ37の検出値を基に可動式フラップ11で開口部13の開閉制御を行うが、停車時に制御手段35はモータ31を逆転駆動し、可動式フラップ11を図3の矢印B方向へ回転させて開口部13を閉じるため、エアダム9の存在感がアピールされ、ドライバーや周囲の者にエアダム装着の満足感を与えることとなる。
そして、車両の発進に伴い、制御手段35はモータ31を正回転させ、可動式フラップ11を図3の破線で示す位置まで矢印A方向へ回転させて、既述した設定値を越えない低速走行領域で開口部13を開放させておく。
このため、熱交換に必要な走行風Wがラジエータグリル3とエアダム9の開口部13からラジエータ7に導入されて、オーバーヒートが防止される。
そして、トラックが前記設定値を越える高速走行領域に移行すると、車速センサ37の検出信号を入力した制御手段35は、モータ31を逆回転させて可動式フラップ11で開口部13を閉じるため、可動式フラップ11がエアダム9の一部となってエアダム9全体が車両走行時の揚力発生を防ぎ、併せてフロント回りの空気の流れを最適化することとなる。そして、既述したようにトラックが再び設定値を越えない低速走行領域に移行すると、車速センサ37の検出信号を入力した制御手段35はモータ31を正回転させ、可動式フラップ11を矢印A方向へ回転させて開口部13を開放させることとなる。
このように本実施形態は、フロントバンパ5の下部に装着したエアダム9にラジエータ7に対応させて開口部13を設けると共に、当該開口部13にブラインド構造の複数枚の可動式フラップ11を取り付けて、トラックの停車時及び設定値を越える高速走行領域で開口部13を可動式フラップ11で閉鎖し、設定値を越えない低速走行領域で可動式フラップ11を矢印A方向へ回転させて開口部13を開放するように構成したので、
「1」 熱交換に必要な走行風Wをラジエータ7に導入させることができるため、オーバーヒートを防止することができる。
「2」 走行風Wを必要としない高速走行領域では、可動式フラップ11が開口部13を閉鎖して、当該可動式フラップ11がエアダム9の一部となるため、エアダム9全体が車両走行時の揚力発生を防ぎ、併せてフロント回りの空気の流れを最適化して燃費が良好となる。
「3」 停車時には、可動式フラップ11が開口部13を閉鎖し、可動式フラップ11がエアダム9の一部となるため、エアダム9の存在感がアピールされ、ドライバーや周囲の者にエアダム装着の満足感を与えることができる等、空力と冷熱のバランスを図り、併せて外観を重視するユーザーニーズと冷熱の高度なバランスをとることができることとなった。
図4乃至図6は請求項1及び請求項3に係るエアダム装置の一実施形態を示し、図4に於て、41はフロントバンパの下部に装着されたエアダムで、その中央部にラジエータに対応して正面視矩形状の開口部43が設けられている。
また、図4中、45,47は車両の左右方向に夫々スライドして上記開口部43を開閉させる一対の開閉蓋で、図5及び図6に示すように各開閉蓋45,47は、夫々、開口部43の上縁部と下縁部に沿って左右方向に延設された断面略L字状のガイド部材49,51内にスライド可能に係合しており、図4の破線で示すように両開閉蓋45,47の一端側が開口部43の中央で当接して開口部43が閉鎖されるようになっている。
そして、図4に示すように両開閉蓋45,47の他端側には、エアダム41の裏面側に装着された油圧シリンダ53,55のピストン57,59が連結されており、両シリンダ53,55はエアダム41の長手方向に沿って配置されている。そして、両ピストン55,57の伸縮により開閉蓋45,47がガイド部材49,51に沿って左右方向にスライドして、開口部43が開閉されるようになっている。
而して、上記油圧シリンダ53,55は制御手段61によって駆動制御されており、制御手段61には、アクスル等に装着した車速センサ63からの検出信号が常時入力されている。
一方、制御手段61の記憶手段には、既述した制御手段35と同様、車速に関する所定の設定値が予め設定,記憶されており、制御手段61は、車速センサ63からの検出値を基に、設定値を越える高速走行時及び車両の停車時に油圧シリンダ53,55のピストン55,57を伸長させて開口部43を両開閉蓋45,47で閉鎖すると共に、車両の発進に伴い、設定値を越えない低速走行領域でピストン55,57を収縮させ、図4の実線で示す位置に開閉蓋45,47をスライドさせて開口部43を開放するようになっている。
本実施形態に係るエアダム装置65はこのように構成されており、制御手段61には車速センサ63からの検出値が常時入力されている。
而して、制御手段61は、車速センサ63の検出値を基に開閉蓋45,47で開口部43の開閉制御を行うが、停車時に制御手段61は油圧シリンダ53,55のピストン55,57を伸長させて開口部43を開閉蓋45,47で閉鎖するため、エアダム41の存在感がアピールされ、ドライバーや周囲の者にエアダム装着の満足感を与えることとなる。
そして、車両の発進に伴い、制御手段61はピストン55,57を収縮させ、図4の実線で示す位置まで開閉蓋45,47をスライドさせて、既述した設定値を越えない低速走行領域で開口部43を開放させておく。
このため、熱交換に必要な走行風Wがラジエータグリルと開口部43からラジエータに導入されて、オーバーヒートが防止される。
そして、トラックが前記設定値を越える高速走行領域に移行すると、車速センサ63の検出信号を入力した制御手段61は、再び油圧シリンダ53,55のピストン55,57を伸長させて開口部43を開閉蓋45,47で閉鎖するため、開閉蓋45,47がエアダム41の一部となってエアダム41全体が車両走行時の揚力発生を防ぎ、併せてフロント回りの空気の流れを最適化することとなる。そして、既述したようにトラックが再び前記設定値を越えない低速走行領域に移行すると、車速センサ63の検出信号を入力した制御手段61は、ピストン55,57を収縮させ、図4の実線で示す位置まで開閉蓋45,47をスライドさせて開口部43を開放させることとなる。
このように本実施形態は、フロントバンパの下部に装着したエアダム41にラジエータに対応させて開口部43を設けると共に、当該開口部43に左右方向へスライド可能な一対の開閉蓋45,47を取り付けて、トラックの停車時及び設定値を越える高速走行領域で開口部43を開閉蓋45,47で閉鎖し、設定値を越えない低速走行領域で開閉蓋45,47を油圧シリンダ53,55で左右方向へスライドさせて開口部43を開放するように構成したので、本実施形態によっても、前記実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能で、空力と冷熱のバランスを図り、併せて外観を重視するユーザーニーズと冷熱の高度なバランスをとることが可能となった。
尚、上記各実施形態では、開口部13,43の開閉部材として可動式フラップ13や開閉蓋45,47を用い、また、これらの駆動手段としてモータ31や油圧シリンダ53,55を用いたが、開口部の開閉部材は可動式フラップ13や開閉蓋45,47に限定されず、また、開閉部材の駆動手段もモータや油圧シリンダに限定されるものでないことは勿論である。
更にまた、既述した車速センサ37,63に代え、排気温度センサを排ガス流路に装着すると共に、制御手段の記憶手段に排気温度に関する所定の設定値を設定,記憶させて、排気温度センサの検出値と当該設定値を基に、可動式フラップ13や開閉蓋45,47の開閉制御を行ってもよい。
而して、斯かる実施形態によっても、空力と冷熱のバランスを図り、併せて外観を重視するユーザーニーズと冷熱の高度なバランスをとることができる利点を有する。
請求項1及び請求項2の一実施形態に係るエアダム装置を備えたキャブの全体斜視図である。 請求項1及び請求項2の一実施形態に係るエアダム装置の正面図である。 図2のIII−III線断面図である。 請求項1及び請求項3の一実施形態に係るエアダム装置の正面図である。 図4のV−V線断面図である。 図4のVI−VI線断面図である。
符号の説明
1 キャブ
3 ラジエータグリル
5 フロントバンパ
7 ラジエータ
9,41 エアダム
11 可動式フラップ
13,43 開口部
15 支持軸
25,29 プーリ
31 モータ
33 ベルト
35,61 制御手段
37,63 車速センサ
39,65 エアダム装置
45,47 開閉蓋
49,51 ガイド部材
53,55 油圧シリンダ
57,59 ピストン

Claims (3)

  1. フロントバンパの下部に取り付き、開閉部材によって開閉自在な開口部が設けられたエアダムと、
    上記開閉部材の駆動手段と、
    車速または排気温度を検出する検出手段と、
    予め設定された所定の車速または排気温度の設定値を記憶した記憶手段と、
    上記検出手段による検出値と記憶手段に設定された設定値を基に上記駆動手段を駆動制御して、開口部を開閉部材で開閉させる制御手段と、
    からなることを特徴とする車両のエアダム装置。
  2. 開閉部材は、開口部の上下方向へ並列配置された複数枚の可動式フラップからなり、各可動式フラップは、制御手段によって開閉制御されることを特徴とする請求項1に記載の車両のエアダム装置。
  3. 開閉部材は、開口部の左右方向へスライド可能な一対の開閉蓋からなり、各開閉蓋は、制御手段によって開閉制御されることを特徴とする請求項1に記載の車両のエアダム装置。
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