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JP2005041348A - 船舶用推進軸の軸封装置及び軸封方法 - Google Patents

船舶用推進軸の軸封装置及び軸封方法 Download PDF

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JP2005041348A
JP2005041348A JP2003277878A JP2003277878A JP2005041348A JP 2005041348 A JP2005041348 A JP 2005041348A JP 2003277878 A JP2003277878 A JP 2003277878A JP 2003277878 A JP2003277878 A JP 2003277878A JP 2005041348 A JP2005041348 A JP 2005041348A
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Seiji Yamatake
政治 山丈
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Kobelco Eagle Marine Engineering Co Ltd
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Kobelco Eagle Marine Engineering Co Ltd
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Abstract

【課題】長期間にわたって確実なシール性を持続できるようにする。
【解決手段】推進軸2を船尾管3に固定のケーシング5で取り囲み、ケーシング5内にエアシール室15を形成し、このエアシール室15と船外側との間に水シール用の非回転型シール7と回転型シール6とを設け、エアシール室15と船尾管3内の潤滑油室16との間に油シール用の非回転型シール8を設けるとともにこの非回転型シールと潤滑油室16との間に回転型シール9を設け、前記エアシール室15に水シール側へシール用エアを供給するシールエア供給手段Aを接続し、前記潤滑油室16側の回転型シール9にシール作用状態と待機状態とに切り換える作用制御手段Bを接続する。
【選択図】図1

Description

本発明は、船舶用推進軸の軸封装置及び軸封方法に関するものである。
船舶において、推進軸(スクリュウ軸)を回転自在に保持している船尾管には、その船外側に軸封装置が設けられ、この軸封装置により、推進軸を伝って船尾管内の潤滑油が船外へ漏洩するのを防止しつつ、船内への浸水を防止している。この種の軸封装置にはエアシール方式と呼ばれるものがある。このエアシール方式は、推進軸に対して複数本のシールリングを串刺し状に設け、そのうち互いに隣接する2本のシールリング相互間で軸方向に独立したエアシール室を区画形成させ、このエアシール室へ船外の水圧(以下、「喫水圧」と言う)よりも高圧のエアを供給し、これにより推進軸2に沿ってエアシール室から船外側へエアが吹き出る状態を保持させて船外の水(海水又は淡水)をシールするというものである(特許文献1等参照)。
ところで、このエアシール方式の軸封装置で採用されるシールリングは、推進軸の軸外面に締め付け力を生じさせつつ内向きのリップ部を摺接可能にさせると共にその外周部がケーシング内に固定された「非回転型シール」であるのが普通である。この非回転型シールでは、推進軸が軸移動してもシール機能に全く悪影響しないが、推進軸が径方向へ移動することに対しては追従性に乏しいという一面がある。そのためこの非回転型シールは、軸受部分が殆ど摩耗しない油潤滑の船尾管で有益なものとされる。このような油潤滑船尾管は多くの場合、喫水が深くそのために喫水圧(軸受荷重)が大きく高荷重耐性を必要とする大型船などが具備しているため、結果として、この非回転型シールは大型船で採用されることが多かった。なお、このような事情からこの非回転型シールは「油用シール」等と呼ばれることもあった。
これに対し「水用シール」などと呼ばれるシールリングが知られており、これは推進軸の軸まわりに一体回転可能に固定され且つケーシング内で推進軸まわりを取り囲んで設けられる環状シール面に対して軸方向の押し付け力を生じさせつつリップ部を摺接可能にさせた「回転型シール」である。この回転型シールであれば推進軸が径方向に移動しても追従は可能である。しかし、リップ部の形状が薄いシート状になっていることから大きな圧力下ではリップ部が摩耗しやすくなるため、このような回転型シールは、小型船など、喫水が浅く大きな喫水圧が作用しない(推進軸径も小さい)水潤滑軸受けにおいて採用されていた。
なお、非回転型シール(油用シール)を船尾管寄りの油側のシールとして用い、回転型シール(水用シール)を船外寄りの水側のシールとして用いた軸封装置も一部、知られている(例えば、特許文献2乃至特許文献4等参照)。
特許第3155505号公報 特許第2909948号公報 特許第3117332号公報 特開2002−340199号公報
油潤滑軸受では、船尾管内の潤滑油が船外に漏洩すると海洋汚染に繋がるため、近年では生物分解油等の無公害油を採用する傾向にあるが、この無公害油は一般的な潤滑油よりも潤滑性に劣り、従って樹脂軸受では摩耗の発生が懸念されている。このことは、殊に喫水が深くそのために喫水圧及び船尾管内の油圧も高くなる大型船では重要な問題となる。すなわち、軸受が摩耗することで推進軸に径方向移動が生じるようになると、非回転型シールだけではシール性を維持させるのに限界が出てくるからである。
ところで、これに対処するため、非回転型シールを船尾管寄りの油側のシールに用いると共に回転型シールを船外寄りの水側のシールに用いるようにした軸封装置(特許文献2乃至特許文献4等のもの)を大型船で採用したと仮定する。しかし、大型船では喫水圧が高いことに伴って回転型シールのリップ部がすぐに摩耗し、その寿命が著しく短くなるため、結果として、推進軸の回転に径方向移動が生じるようになったときには、やはりシール性を維持できないことになる。
本発明は、上記事情に鑑み、良好なシール性を持続できるようにした船舶用推進軸の軸封装置及び軸封方法を提供することを目的とする。
本発明は、エアシール室の船外側及び潤滑油室側にそれぞれ非回転型シールと回転型シールとを設け、各回転型シールを予備として使用することにより、長期間にわたって確実なシール性を持続できるようにした船舶用推進軸の軸封装置及び軸封方法を提供することを目的とする。
本発明における課題を解決するための具体的手段は次の通りである。
第1に、推進軸2を船尾管3に固定のケーシング5で取り囲み、ケーシング5内にエアシール室15を形成し、このエアシール室15と船外側との間に水シール用の非回転型シール7と回転型シール6とを設け、エアシール室15と船尾管3内の潤滑油室16との間に油シール用の非回転型シール8を設けるとともにこの非回転型シールと潤滑油室16との間に回転型シール9を設け、
前記エアシール室15に水シール側へシール用エアを供給するシールエア供給手段Aを接続し、前記潤滑油室16側の回転型シール9にシール作用状態と待機状態とに切り換える作用制御手段Bを接続していることである。
これによって、作用制御手段Bを介して潤滑油室16側の回転型シール9に潤滑油室16の油圧に対して差圧を小さくするための油圧を付加して待機状態にし、船外側の回転型シール6をシール用エアの供給で準シール作用状態になっていて、エアシール室15の両側の2つの回転型シール6、9を予備品として使用待機状態にしておけ、エアシール室15の両側の2つの非回転型シール7、8で推進軸2の軸封を行い、非回転型シール7、8が摩耗した後に2つの回転型シール6、9を使用して推進軸2の軸封をすることができる。
第2に、前記船外側の回転型シール6は水シール用の非回転型シール7に対して船外側又はエアシール室15側に位置し、この回転型シール6にエアシール室15側から加わるシール用エアの圧より大きい水圧を付加してシール作用を強化する作用制御手段Cを接続していることである。
これによって、船外側の回転型シール6は常にシール用エアが供給されていて準シール作用状態であり、水シール用の非回転型シール7が摩耗した後に非回転型シール7に代わって推進軸2の軸封をすることができるが、その軸封が十分でない場合に作用制御手段Cで回転型シール6に大きい水圧を付加してシール作用を強化して、より確実な軸封をすることができる。
第3に、前記潤滑油室16側の回転型シール9の作用制御手段Bは、この回転型シール9に加わる潤滑油室16の油圧に対して差圧を小さくするための油圧を付加する潤滑油供給停止手段であることである。
これによって、回転型シール9は常に潤滑油室16の油圧を受けているが、その油圧と対抗する油圧を付加して差圧を小さくすると準シール作用状態になり、油圧の付加を解消すると潤滑油室16の油圧によってシール作用状態になり、シール作用状態と待機状態とを簡単かつ容易に切り換えることができる。
第4に、前記エアシール室15にドレン手段50を接続していることである。
これによって、水シール用及び油シール用のシールから水、油等がエアシール室15に漏れてきたとき、それらを海に廃棄することなく、船内で処理できる。
第5に、軸封方法として、推進軸2を船尾管3に固定のケーシング5で取り囲み、ケーシング5内にエアシール室15を形成し、このエアシール室15と船外側との間に水シール用の非回転型シール7と回転型シール6とを設け、エアシール室15と船尾管3内の潤滑油室16との間に油シール用の非回転型シール8を設けるとともにこの非回転型シールと潤滑油室16との間に回転型シール9を設け、
前記エアシール室15から水シール用の非回転型シール7及び回転型シール6へシール用のエアを供給しながら、
前記潤滑油室16側の回転型シール9に潤滑油室16の油圧に対して差圧を小さくするための油圧を付加して待機状態に設定し、非回転型シール8の使用済み後(軸受の摩耗によって非回転型シール8によるシールが困難になった時)、回転型シール9付加油圧を解消して待機状態からシール作用状態に切り換え、
非回転型シール7の使用済み後(軸受の摩耗によって非回転型シール7によるシールが困難になった時)、回転型シール6にシール用エアの圧より大きい水圧を付加してシール状態を強化することである。
これによって、就航直後又は修理直後には、エアシール室15の両側の2つの非回転型シール7、8で推進軸2の軸封を行い、軸受の摩耗によって非回転型シール7、8によるシールが困難になった後は、使用待機状態あった2つの回転型シール6、9を使用して推進軸2の軸封を行い、海水の浸入及び油の船外漏れを長期間にわたって防止でき、使用時の2つの回転型シール6、9のシール作用も確実なものにすることができる。
本発明によれば、船舶用推進軸の軸封を長期間にわたって確実に持続できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図3は、本発明に係る船舶用推進軸の軸封装置1における第1実施形態を示している。この軸封装置1は、推進軸2を回転自在に保持する船尾管3に対し、その船外側端部に設けられるものであって、推進軸2まわりを取り囲むケーシング5を有し、このケーシング5内に、推進軸2に対して串刺し状となる状態で複数のシールリング6〜9が設けられたものとなっている。なお、推進軸2にはスリーブ状をしたライナー12が外挿されて一体回転するようになされ、このライナー12を介してスクリュウと連結するものを示しているので、このライナー12を含めて推進軸2と言うが、このライナー12の外挿が限定されるわけではない。
本第1実施形態においてシールリング6〜9は4本あり、このうち軸方向両側のシールリング6,9は「回転型シール(軸固定シール)」とされ、これらの間に挟まれた2本のシールリング7,8は「非回転型シール(孔固定シール)」とされている。この非回転型シールである2本のシールリング7,8は、それらの両者間において推進軸2のまわりで軸方向に独立したエアシール室15を形成させている。
このエアシール室15よりも船尾管3側に配された回転型シールであるシールリング9は、船尾管3内に形成された潤滑油室16とエアシール室15との間を区画することにより、エアシール室15寄りに中間潤滑油室17を形成させている。このとき中間潤滑油室17よりも船尾管3側には、船尾管3内の潤滑油室16と連通しつつ推進軸2まわりを取り囲むようになる船尾管寄りシール収納室19が形成され、この船尾管寄りシール収納室19内でシールリング9が収められるようになっている。
また、エアシール室15よりも船外側に配された回転型シールであるシールリング6は、船外とエアシール室15との間を区画することにより、エアシール室15寄りに中間シール室18を形成させている。このとき中間シール室18よりも船外側には、船外へ連通しつつ推進軸2まわりを取り囲むようになる船外寄りシール収納室20が形成され、この船外寄りシール収納室20内でシールリング6が収められるようになっている。
従って、エアシール室15と船外側との間には海水を封止する水シール用の非回転型シール7と回転型シール6とが設けられ、エアシール室15と船尾管3内の潤滑油室16との間に潤滑油を封止する油シール用の非回転型シール8と回転型シール9とが設けられている。
上記ケーシング5には、給気ライン22を有するシールエア供給手段Aと、潤滑油供給ライン23を有する作用制御手段Bと、給水ライン24を有する作用制御手段Cとが接続されている。
前記シールエア供給手段Aは水シール側へシール用エアを供給するためにエアシール室15に対してエアを供給するもので、給気ライン22には、空気圧制御ユニット25から喫水圧よりも高圧となるシール用エアが常時供給される。シール用エアは、水シール側だけでなく油シール側にもエア圧を与える。
前記作用制御手段Bは潤滑油室16側の回転型シール9にシール作用状態と待機状態とに切り換えるために中間潤滑油室17に対して潤滑油を供給するもので、潤滑油供給ライン23には、船尾管3内の潤滑油室16へ潤滑油を供給する油圧ユニット(図示略)から潤滑油が供給される。
この油圧ユニットでは、油タンクを所定高さに設置することで発生させるヘッド圧に、上記空気圧制御ユニット25で生じさせたエア圧を加えることで、エアシール室15の内圧よりも必ず高くなる供給圧を潤滑油にかけている。
従って、この潤滑油が中間潤滑油室17へ供給されることでこの中間潤滑油室17と船尾管3内(潤滑油室16)とを同等圧(差圧を小さく)に設定させることができ、またこれらの内圧をエアーシール室15の内圧より高圧にすることができる。この潤滑油供給ライン23には制御弁26が設けられており、潤滑油を供給させたり停止させたりできる。 前記潤滑油室16側の回転型シール9の作用制御手段Bは、この回転型シール9に加わる潤滑油室16の油圧に対して差圧を小さくするための油圧を付加する潤滑油供給停止手段であること
即ち、前記潤滑油室16側の回転型シール9の作用制御手段Bは、回転型シール9に加わる潤滑油室16の油圧に対して差圧を小さくするための油圧を付加する潤滑油供給停止手段である。
前記作用制御手段Cは回転型シール6にエアシール室15側から加わるシール用エアの圧より大きい水圧を付加してシール作用を強化するために船外寄りシール収納室20に対して海水又は淡水等の水を供給するもので、給水ライン24には、開閉弁27が設けられ、この開閉弁27を開くことで、船外寄りシール収納室20をエアシール室15の内圧と同等以上にさせることができる。
非回転型シールであるシールリング7,8は、同一形状のものを前後逆向きにして使い分けるもので、図2に示すように推進軸2の軸外面に対して摺接自在に当接する内向きのリップ部30と、このリップ部30から径方向外方へ張り出すクッション部31と、このクッション部31のリング外周側に設けられる取付リブ32とを有しており、この取付リブ32を介してケーシング5の内周面に固定される。クッション部31は断面「く」字状に折曲されており、径方向へ向けた所定範囲内での可撓性を有していると共に、この折曲形状によってリップ部30の背側に受圧凹部33を形成可能になっている。またリップ部30の背部には、その全周を取り囲むようにしてリングバネ34が設けられている。これによってリップ部30には、推進軸2の軸外面に対して所定の締め付け力が生起する。
これらシールリング7,8は、それぞれの受圧凹部33がエアシール室15を中心としてその外側を向くように使用される。すなわち、エアシール室15と中間シール室18とを区画するシールリング7では、その受圧凹部33が中間シール室18側へ向けられ、エアシール室15と中間潤滑油室17とを区画するシールリング8では、その受圧凹部33が中間潤滑油室17側へ向けられる。
回転型シールであるシールリング6,9についても、同一形状のものを前後逆向きにして使い分けるもので、図3に示すように推進軸2に対して面接触の装着状態となる装着座37と、この装着座37の外周側で鉤型の断面形状をして張り出した肩部38と、この肩部38が呈する鉤型の内方において推進軸2のまわりでラッパ状を呈するように徐々に拡径されたリップ部39とを有しており、装着座37を推進軸2の軸まわりに押しつけるようにして一体回転可能に固定される。また装着部37の背部には、その全周を取り囲むようにしてリングバネ40が設けられ、これによって推進軸2への装着に所定の付勢力が付与されるようになっている。リップ部39は、ラッパ形状の口部内を向く面が、ケーシング5の内部で推進軸2まわりを取り囲んで設けられる環状シール面42に対して当接され、摺接面39aとされる。このとき摺接面39aとは反対側となる部分が受圧凹部43とされる。
これらシールリング6,9は、それぞれの受圧凹部43がエアシール室15を中心としてその外側を向くように使用される。すなわち、中間シール室18と船外とを区画するシールリング6では、その受圧凹部43が船外寄りシール収納室20へ向けられ、中間潤滑油室17と潤滑油室16とを区画するシールリング9では、その受圧凹部43が船尾管寄りシール収納部19へ向けられる。
ケーシング5の内部には、上記した環状シール面42に所定間隔をおいて対向する壁面45が設けられ、これら両面42,45間で上記した船尾管寄りシール収納室19や船外寄りシール収納室20が形成されている。船尾管寄りシール収納室19とここに収められるシールリング6との間、及び船外寄りシール収納室20とここに収められるシールリング6との間では、両面42,45間の距離をL0、シールリング6における肩部38を含めた厚さ寸法をL1、リップ部39を含めた厚さ寸法をL2とおくとき、L1<L0<L2となる寸法関係が得られるようになっている。すなわち、L1<L0の関係から、船外寄りシール収納室20の内面とシールリング6の外面との間には水やエアを通す隙間が確保されることになり、またL0<L2の関係から、シールリング6のリップ部39には環状シール面42に対する所定の軸方向押し付け力が生起することになる。また、壁面45には、油や水、空気の流れを妨げないように、軸方向に穴が空けてある。
リップ部39の両側に加わる圧(正面圧と背圧である水圧とエア圧又は油圧と油圧)の差圧を小さく(ゼロを含む)することにより、リップ部39は自然体で環状シール面42に当接し、水、油を封止することができ、当接方向の圧が高くなれば、その封止作用は大きく、強くなり、前記当接方向の圧を付加するかその付加圧を解消するかによって、回転型シール6、9をシール作用状態と待機状態とに切り換えることができる。
前記回転型シール6、9は、待機状態が積極的に軸封をするのに使用していないシール非作用状態であり、かつ無負荷状態でも自然体で当接するので準シール作用状態でもある。
推進軸2には、エアシール室15に対してその室内で回収される水又は潤滑油を排除するためのドレン手段50が設けられ、水シール側から浸入してきた海水、油シール側から漏れてきた油を、海に放棄することなく、船内で回収処理できるようになっている。
このような構成の軸封装置1において、当初、エアシール室15には、空気圧制御ユニット25から喫水圧より高圧となるエアが給気ライン22を介して供給され、船尾管3内の潤滑油室16及び船尾管寄りシール収納室19には、エアシール室15へのエア供給圧より高い供給圧で油圧ユニットから潤滑油が供給され、そしてまた中間シール室18にはグリースが封入され、船外寄りシール収納室20には船外の海水又は淡水が浸入した状態とされる。
船舶が進水直後であるときやドックでの修理で軸受交換を受けた直後であるときなど、軸受が摩耗していない状態では推進軸2に径方向移動が殆ど生じない。そこで潤滑油供給ライン23の制御弁26は開通状態とされ、中間潤滑油室17には潤滑油が供給される。上記したように潤滑油供給ライン23には、船尾管3内の潤滑油室16等に対して潤滑油を供給する油圧ユニットから同じように潤滑油が供給されるので、中間潤滑油室17の内圧と船尾管3の内圧とは同等圧でありその差圧はゼロである。そのため、船尾管3側の回転型シールであるシールリング9は、中間潤滑油室17側から受ける正面圧と潤滑油室16側から受圧凹部43を介して受ける背圧とがそのリップ部39で釣り合い、無負荷状態になる。
また給水ライン24の開閉弁27は閉鎖(不通化)しておく。エアシール室15が喫水圧より高圧であり、船外寄りシール収納室20内が喫水圧で、且つ中間シール室18内がエアシール室15の内圧と喫水圧との中間の内圧でバランスしていることから、エアシール室15からは、シールリング7のリップ部30やシールリング6のリップ部39の一部を押し開きつつ、中間シール室18を介して少量のエアが船外へ吹き出される状態が維持される。ただ、シールリング7のリップ部30にはシールリング7自体が有する推進軸2の軸外面への締め付け力が作用しているため、中間シール室18からエアシール室15へ向けたエア、水、油等の逆流は防止される。
このようなことから、この段階ではエアシール室15において船外寄りに配された非回転型シールであるシールリング7と船尾管3寄りに配された非回転型シールであるシールリング8とが軸封装置1としてのシール作用を担っていることになり、中間シール室18と船外とを区画する回転型シールであるシールリング6や、中間潤滑油室17と船尾管3とを区画する回転型シールであるシールリング9については、略無負荷状態で待機されていることになる。
ここで、軸受が摩耗することで推進軸2に径方向移動が生じるようになったとする。そしてこれが原因で、エアシール室15において船尾管3側に配された非回転型シールであるシールリング8のシール性が確保されなくなったとする。すなわち中間潤滑油室17内の潤滑油がエアシール室15へ漏洩するようになる(シールリング8は使用済みとなる。)。
このときは潤滑油供給ライン23の制御弁26を閉鎖して中間潤滑油室17に対する潤滑油の供給を停止する。すると中間潤滑油室17の内圧は摩耗したシールリング8から漏れてくるエアシール室15からシール用エアの圧だけが加わることになり、潤滑油室16の内圧より低くなるので、回転型シールであるシールリング9ではそのリップ部39に対する船尾管3側からの背圧が中間潤滑油室17側からの正面圧に勝り、結果、この時点でシールリング9が作動される。これで船尾管3側の非回転型シールであるシールリング8でシール性が確保されなくなった分を補うことができる。
一方、上記した推進軸2の径方向移動が原因で、エアシール室15において船外側に配された非回転型シールであるシールリング7のシール性が確保されなくなったとする(シールリング7は使用済みとなる。)。エアシール室15から中間シール室18へ吹き出すエアは喫水圧より僅かに高いので、シールリング6はエアを漏らしながら略無負荷状態で軸封を行う。しかし、この軸封作用が十分な機能をしない場合は、給水ライン24からシールリング6の船外側となっている船外寄りシール収納室20内に向けてエアシール室15の内圧と同等以上の水を供給する。
これによりこのシールリング6は、それまで喫水圧だけで支配されていた背圧が高められ、中間シール室18側から受ける正面圧に対しバランスする状態になる。このときシールリング6のリップ部39にはこのシールリング6自体が有する環状シール面42への軸方向押し付け力が作用しているため、船外寄りシール収納室20内の水が中間シール室18へ浸入するのを防止し、シール作用状態になる。これでシールリング6は作動した状態になり、船外側の非回転型シールであるシールリング7でシール性が確保されなくなった分を補うことができる。ただ、このシール状態下にあっても、このシールリング6ではそのリップ部39の一部が押し返され、中間シール室18から船外へ少量のエアが吹き出すのは許容する。
このように推進軸2が径方向移動を始めた段階では、中間シール室18と船外とを区画する回転型シールであるシールリング6や、中間潤滑油室17と船尾管3とを区画する回転型シールであるシールリング9を使ってシール性を確保する。これら回転型シールであるシールリング9,6を作動させても、エアシール室15に対するエア供給を続ける限りにおいては、船尾管3側のシールリング9に作用する差圧は0.3barと小さく保つことができ、また船外側のシールリング6に作用する差圧はゼロに保つことができ、したがってこれらシールリング9,6が作動後すぐに摩耗してシール性を消失させるといったことはない。
図4は、本発明に係る船舶用推進軸の軸封装置1における第2実施形態を示している。この第2実施形態の軸封装置1では、油シール側のシールリングは、第1実施形態と同じように、エアシール室15側が非回転型シールのシールリング8で、潤滑油室16側が回転型シールのシールリング9であるのに対して、船外寄り水シール側のシールリングは、第1実施形態と逆で、エアシール室15側が回転型シールのシールリング6で、船外側が非回転型シールのシールリング7であり、両シールリング6、7の間に中間シール室72が形成されている。
エアシール室15より船外寄りに配されたシールリング6を収めるため、ケーシング5にはシール収納室20が形成されており、このシール収納室20は中間シール室72と連通孔75で連通したものとなっている。そして、このシール収納室20に対して海水又は淡水等の水を供給する給水ライン24が設けられ、この給水ライン24には開閉弁27が設けられ、これらによって作用制御手段Cが構成されている。この開閉弁27を開くことでシール収納室20及び中間シール室72をエアシール室15の内圧と同等以上にさせることができる。
このような第2実施形態の軸封装置1では、軸受が摩耗しておらず推進軸2に径方向移動が殆ど生じないときには、給水ライン24を閉鎖(不通化)しておく。エアシール室15において船外寄りに配された回転型シールであるシールリング6は、エアシール室15の内圧を受けることでリップ部39の一部が押し返されてエアシール室15から中間シール室72へエアが吹き出すのを許容するため、中間シール室72の内圧はエアシール室15の内圧と略同等の内圧でバランスし、待機状態になっている。ただ、このシールリング6のリップ部39には、このシールリング6自体が有する環状シール面42への軸方向押し付け力が作用しているため、中間シール室72からエアシール室15へ向けたエア、水、油等の逆流は防止される。なお、エアシール室15の内圧が喫水圧よりも高圧に設定されていることは言うまでもない。
一方、中間シール室72と船外とを区画する非回転型シールであるシールリング7では、中間シール室72の内圧が船外の喫水圧より高いことを受けて、リップ部30の一部が押し上げられて中間シール室7から船外へ少量のエアが吹き出すのを許容する。ただ、リップ部30にはシールリング7自体が有する推進軸2の軸外面への締め付け力が作用しているため、船外から中間シール室72へ向けた浸水は防止される状態にある。
結果、この段階において軸封装置1は、エアシール室15において船外寄りに配された回転型シールであるシールリング6は略無負荷状態で待機され、これより船外側に配されている非回転型シールであるシールリング7がシール作用状態を保つものとなる。
ここで、軸受が摩耗することで推進軸2に径方向移動が生じるようになったとする。すると船外側の非回転型シールであるシールリング7を超えて中間シール室72へ船外から海水が浸入することになるが、回転型シールであるシールリング6にはエアシール室15からのシールエアが通過している上に、それ自体のシール力で海水の浸入を封止する。その封止力が不足の場合は、給水ライン24の開閉弁27を開いてこの給水ライン24による圧水の供給を行い、もってこのシールリング6の作動を確実化させる。
このように推進軸2が径方向移動を始めた段階では、エアシール室15の船外側に配されている回転型シールであるシールリング6を使ってシール性を確保する。
なお、本発明は前記実施形態における各部材の形状及びそれぞれの前後・左右・上下の位置関係は、図1〜4に示すように構成することが最良である。しかし、前記実施形態に限定されるものではなく、部材、構成を種々変形したり、組み合わせを変更したりすることもできる。
例えば、水シール用に非回転型シール7と回転型シール6とを、油シール用に非回転型シール8と回転型シール9とをそれぞれ配置しているが、水、油の各シール用にシールリングを3個以上配置してもよく、各シールリング6,7,8,9をそれぞれツインで配置してもよい。
本発明に係る軸封装置の第1実施形態を示した要部拡大断面図である。 非回転型シールであるシールリングを示した拡大断面図である。 回転型シールであるシールリングを示した拡大断面図である。 本発明に係る軸封装置の第2実施形態を示した要部拡大断面図である。
符号の説明
1 軸封装置
2 推進軸
3 船尾管
5 ケーシング
6 シールリング(回転型シール)
7 シールリング(非回転型シール)
8 シールリング(非回転型シール)
9 シールリング(回転型シール)
15 エアシール室
17 中間潤滑油室
18 中間シール室
50 ドレン手段
A シールエア供給手段
B 作用制御手段
C 作用制御手段

Claims (5)

  1. 推進軸(2)を船尾管(3)に固定のケーシング(5)で取り囲み、ケーシング(5)内にエアシール室(15)を形成し、このエアシール室(15)と船外側との間に水シール用の非回転型シール(7)と回転型シール(6)とを設け、エアシール室(15)と船尾管(3)内の潤滑油室(16)との間に油シール用の非回転型シール(8)を設けるとともにこの非回転型シールと潤滑油室(16)との間に回転型シール(9)を設け、
    前記エアシール室(15)に水シール側へシール用エアを供給するシールエア供給手段(A)を接続し、前記潤滑油室(16)側の回転型シール(9)にシール作用状態と待機状態とに切り換える作用制御手段(B)を接続していることを特徴とする船舶用推進軸の軸封装置。
  2. 前記船外側の回転型シール(6)は水シール用の非回転型シール(7)に対して船外側又はエアシール室(15)側に位置し、この回転型シール(6)にエアシール室(15)側から加わるシール用エアの圧より大きい水圧を付加してシール作用を強化する作用制御手段(C)を接続していることを特徴とする請求項1に記載の船舶用推進軸の軸封装置。
  3. 前記潤滑油室(16)側の回転型シール(9)の作用制御手段(B)は、この回転型シール(9)に加わる潤滑油室(16)の油圧に対して差圧を小さくするための油圧を付加する潤滑油供給停止手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の船舶用推進軸の軸封装置。
  4. 前記エアシール室(15)にドレン手段(50)を接続していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の船舶用推進軸の軸封装置。
  5. 推進軸(2)を船尾管(3)に固定のケーシング(5)で取り囲み、ケーシング(5)内にエアシール室(15)を形成し、このエアシール室(15)と船外側との間に水シール用の非回転型シール(7)と回転型シール(6)とを設け、エアシール室(15)と船尾管(3)内の潤滑油室(16)との間に油シール用の非回転型シール(8)を設けるとともにこの非回転型シールと潤滑油室(16)との間に回転型シール(9)を設け、
    前記エアシール室(15)から水シール用の非回転型シール(7)及び回転型シール(6)へシール用のエアを供給しながら、
    前記潤滑油室(16)側の回転型シール(9)に潤滑油室(16)の油圧に対して差圧を小さくするための油圧を付加して待機状態に設定し、非回転型シール(8)の使用済み後に回転型シール(9)付加油圧を解消して待機状態からシール作用状態に切り換え、
    前記船外側の非回転型シール(7)の使用済み後に回転型シール(6)にシール用エアの圧より大きい水圧を付加してシール状態を強化することを特徴とする船舶用推進軸の軸封方法。
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