JP2005040797A - 金属板の液圧成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属板1の液圧成形方法であって、液圧成形を複数回に分け、ある回とその次の回(例えば図1(a)〜(d)の1回目と図1(e)〜(g)の2回目)で金属板に液圧のかかる面を金属板の表面と裏面で反転する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や電気機器など、金属板を成形して用いる部材の製造において、液圧による成形を用いて凹凸の多いパネルを製造するのに好適な、金属板の液圧成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のようなパネルの成形には、例えば薄鋼板などの金属板を素材としてプレス成形が行われる場合が多い。プレス成形とは、パンチ金型と呼ばれる凸型の金型と、ダイ金型と呼ばれる凹型の金型で金属板を挟圧することで行われるが、素材の伸びに対して成形高さ(深さ)が大きい場合にはワレやシワ等の不具合を生じやすくなる。また、ワレやシワが生じないまでも、一旦プレスされたパネルが型抜きと同時に弾性的に変形する所謂スプリングバックにより、所望の形状に成形できない場合も少なくない。かかる不具合は、経験的知見をもとにプレス成形条件のパラメータ(クッション圧、潤滑、成形予定形状等)を変更することで対症療法的に解決するのが一般的である。近年、シミュレーション計算による不具合予測と対処法予測が可能になってきているが、最終的には現場での試行錯誤を避けられないのが実情である。
【0003】
最近では、液圧を直接金属板に作用させる技術が進歩し、薄鋼板の成形にも実用されるようになってきている。これは、従来のプレス成形のパンチ金型もしくはダイ金型を高圧の液体に置き換え、金属板を金型に押し付けて所望の形状に加工するというものである(例えば特許文献1)。このような液圧を直接金属板に作用させる技術を液圧成形というが、この液圧成形により従来のプレス成形では金属板が金型間に挟まれて動けなくなるために成形が困難であった形状でも成形が可能になる他、金型費用が低減できる等のメリットがあるが、一般的に広く普及するには金型以外の設備費や生産性の面で従来のプレス成形に比べ問題を残しているため、さらに成形の難しい形状のものでも成形できるようにすることでその分を補うことが一つの目的となっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−212463号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のように、液圧成形を用いて、より成形の難しい形状のものでも成形できる一つの方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金属板の液圧成形方法であって、液圧成形を複数回に分け、ある回とその次の回で該金属板に液圧のかかる面を該金属板の表面と裏面で反転することを特徴とする金属板の液圧成形方法である。そして、本発明においては、該金属板の表裏を反転することで、液圧のかかる面を該金属板の表面と裏面で反転するのが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図4に断面図を示すプロファイルのパネル5を製造する場合を例にとり、従来の成形方法と比較して説明する。
【0008】
図5に液圧を用いない従来のプレスによる成形過程を示す。成形は(a)〜(d)の順に進行する。このような成形を行うと、C〜D、E〜F、およびG〜Hのような部分では金属板1がパンチ2やダイ3の金型と強い力で接触して金属板1が拘束されるため、変形はB〜C、D〜E、F〜G、H〜Iのような拘束されていない部分に集中し、この部分での板厚減少が著しく、ワレを発生しやすい。
【0009】
また、図6には1回だけの液圧成形による成形過程を示す。ここでは、図5においてパンチ2に代えて液圧を用いて金属板1をダイ3に押し付けるようにした場合を示しており、成形は(a)〜(d)の順に進行する。このような成形を行うと、図5に示した従来のプレスに比べて、成形の初期では金属板1は金型と接触しないので、拘束されることなく比較的均一に伸ばされ、有利であることがわかる。しかし成形が進行して、金属板1がダイ3に接触するとE〜Fは拘束され、成形への寄与が小さくなる。
【0010】
一方、図1には本発明の1つの実施の形態を示す。すなわち、2回の液圧成形を行う場合の成形過程を示す。1回目(図1(a)〜(d);この順に成形が進行)では液圧でダイ金型3Aに金属板1を押し当てるが、この際にダイ側の凸部(図4のDEFGに相当する箇所を成形する部分、従来のプレスでは図5のダイ3による成形によりDEFGに相当する箇所を成形する部分)を除去したものを用いる。これにより所定の成形高さまで金属板1を均一に変形させることが可能となる。しかる後に2回目(図1(e)〜(g);この順に成形が進行)では、ダイ3Aをパンチ2に置き換え、成形対象とする金属板1を表裏反転することで、該金属板1に液圧のかかる面を表面と裏面で反転し、金属板1を液圧でパンチ2に押し付け、所望の形状への成形を完成させる。2回目は1回目で成形が完了している部分はパンチ2に拘束されるため、1回目以上には変形せず、未成形の部分だけが均一に伸ばされて成形が完了する。1回目と2回目両方を通じてパンチ2とダイ3A両方の金型により挟圧されることによる拘束をなくすことで、金属板1を均一に変形させることが可能になる。すなわち、局部的な変形の集中を回避することで成形性が向上できる。
【0011】
もう1つの別な実施の形態としては、1回目と2回目とで金属板を反転するのではなくて、液圧をかける側を金属板の表面と裏面で反転する方法がある。この様子を図2に示すが、(a)〜(d)は先程の図1の場合と共通しており、(e)〜(g)では、液圧をかける側とパンチ2の位置関係を図1の場合と逆にしている。前者の実施の形態は液圧をかける側が表面側と裏面側片側で済むという利点があり、後者の側は金属板を反転するためにパンチとダイを一度開放し、またセットし、という時間ロスがないため、生産能率が高いという利点がある。
【0012】
なお、ここでは簡単のために2回の液圧成形の場合を例に説明したが、凹凸が多く、より複雑な形状の成形には、液圧成形回数をさらに増すことが有効である。すなわち、液圧成形が3回以上となっても、本発明は当然適用できる。
【0013】
【実施例】
厚さ1.0mm 、一辺1mの正方形の400MPa級(引張強さ402MPa)の鋼板を用い、200MPaの液圧成形を施し、200mm の成形高さに加工した場合を例にとり、従来のプレス成形によるもの、および1回だけ液圧成形したものを、本発明による方法で成形したものと比較した結果を図3に示す。ちなみに、図3中の下の図で、C〜D、E〜F、G〜Hの幅方向寸法は各200mm 、B〜C、D〜E、F〜G、H〜Iは同100mm の場合を例にとった。この図3には、成形パネル5の形状に沿った線長に対する板厚の分布を示した。比較例1(従来のプレス)では線長に沿った板厚の変動が著しく、局所的に急峻な減少を示している。一方、比較例2(1回だけ液圧成形)では、急峻な板厚減少が緩和されている。さらに、本発明の実施例(2回の液圧成形を行い、1回目と2回目では金属板の表裏を反転させ、液圧のかかる面を表面と裏面で反転させた)では、線長に沿った板厚の変動がさらに緩和され、最小板厚も厚く保たれていることから、成形性が向上されていることがわかる。
【0014】
【発明の効果】
かくして本発明によれば、成形性が向上し、従来ワレやシワ等の不具合の発生が避けられなかった難成形形状のものでも成形が可能となり、また板厚の変動が少なくなり、より安定した品質のパネルの製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態による成形過程の例を示す断面図である。
【図2】本発明のもう1つの実施の形態による成形過程の別な例を示す断面図である。
【図3】本発明による成形性向上の様子を示すパネル線長に沿った板厚の分布図である。
【図4】パネルの形状の1例を示す断面図である。
【図5】従来のプレスによる成形過程を示す断面図である。
【図6】1回の液圧成形による成形過程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 金属板
2 パンチ(パンチ金型)
3 ダイ(ダイ金型)
3A ダイ(ダイ金型)
4 フランジ押さえ
5 パネル(成形パネル)
Claims (2)
- 金属板の液圧成形方法であって、液圧成形を複数回に分け、ある回とその次の回で該金属板に液圧のかかる面を該金属板の表面と裏面で反転することを特徴とする金属板の液圧成形方法。
- 金属板の液圧成形方法であって、液圧成形を複数回に分け、ある回とその次の回で該金属板の表裏を反転して液圧のかかる面を金属板の表面と裏面で反転することを特徴とする金属板の液圧成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003177601A JP2005040797A (ja) | 2003-05-29 | 2003-06-23 | 金属板の液圧成形方法 |
Applications Claiming Priority (2)
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---|---|---|---|
JP2003152997 | 2003-05-29 | ||
JP2003177601A JP2005040797A (ja) | 2003-05-29 | 2003-06-23 | 金属板の液圧成形方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005040797A true JP2005040797A (ja) | 2005-02-17 |
Family
ID=34277137
Family Applications (1)
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JP2003177601A Pending JP2005040797A (ja) | 2003-05-29 | 2003-06-23 | 金属板の液圧成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005040797A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007044714A (ja) * | 2005-08-08 | 2007-02-22 | Nissan Motor Co Ltd | 中空状成形体の成形方法および成形装置並びに中空状成形体 |
CN106563782A (zh) * | 2015-10-08 | 2017-04-19 | 蔡蓉 | 金属机壳加工系统和方法 |
CN114101474A (zh) * | 2020-08-31 | 2022-03-01 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种模组背板凸包二道次成形加工方法 |
-
2003
- 2003-06-23 JP JP2003177601A patent/JP2005040797A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114101474B (zh) * | 2020-08-31 | 2024-05-14 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种模组背板凸包二道次成形加工方法 |
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