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JP2004534811A - ポリマーと薬剤の集合体を含む医薬組成物 - Google Patents

ポリマーと薬剤の集合体を含む医薬組成物 Download PDF

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JP2004534811A JP2003506873A JP2003506873A JP2004534811A JP 2004534811 A JP2004534811 A JP 2004534811A JP 2003506873 A JP2003506873 A JP 2003506873A JP 2003506873 A JP2003506873 A JP 2003506873A JP 2004534811 A JP2004534811 A JP 2004534811A
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Abstract

低溶解度の薬剤とポリマーからなるポリマー/薬剤集合体を含む溶液を開示する。さらに、低溶解度の薬剤とポリマーを含む凝集したポリマー/薬剤固体集合体を開示する。

Description

【技術分野】
【0001】
本出願は、2001年6月22日に出願された仮特許出願第60/300,259号の優先権の利益を請求する。
【0002】
発明の背景
本発明は、薬剤とポリマーの集合体を含む医薬組成物に関するものであり、中でも、低溶解度の薬剤を含んでいるがその薬剤の濃度を向上させる組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリマーを用いて低溶解度の薬剤の濃度を増大させる方法がいくつか知られている。公知の1つの方法では、ポリマーを薬剤と混合して薬剤の溶解速度を大きくすることを試みている。例えばMartinらのアメリカ合衆国特許第4,344,934号では、溶解度の小さな薬剤をポリマー(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))と混合し、その薬剤-ポリマー混合物に界面活性剤水溶液を添加している。その結果として溶解度が改善されるとはいえ、薬剤の濃度増加は平衡濃度と比べてほんのわずかである。Piergiorgioらのアメリカ合衆国特許第4,880,623号では、溶媒法を利用してニフェジピンをPEGと同時に沈殿させ、それをHPMCなどのポリマーの表面、または他の賦形剤の表面に吸着させている。薬剤の生物学的利用能の向上が観察されたとはいえ、異なる形態の薬剤間の比較はなされていない。Uedoらのアメリカ合衆国特許第5,093,372号では、ほとんど溶けない薬剤であるエキシフォンをHPMCなどのポリマーと混合して生物学的利用能を向上させた。しかしこのようにしても、薬剤/ポリマー混合物の薬剤の濃度は、結晶形態になったバルクの薬剤と比べてまったく大きくならなかった。
【0004】
溶解度が向上した形態の薬剤(例えば、より多く溶ける塩の形態、より多く溶ける多形、アモルファス形態の薬剤)を用いると溶解速度が結晶化速度または沈殿速度を上回り、溶液中の薬剤の濃度が一時的に改善される可能性がある。しかしこのような改善は短期間だけのことがしばしばある。場合によっては、低溶解度の薬剤が、エネルギーが最小の結晶、またはアモルファスな状態に戻り、溶液から結晶化したり沈殿したりする。このようなことが急速に起こる場合には、この方法による生物学的利用能の向上が制限されることがしばしばある。
【0005】
ヨーロッパ特許第0 499 299 A2号には、ポリマーを用いるだけでなく粉砕プロセスも利用して薬剤の粒子サイズを小さくすることで溶解度を高めることにより、水溶液中の薬剤の濃度を増大させるという別の方法が開示されている。このヨーロッパ特許第0 499 299 A2号には、結晶状薬剤物質を主成分とする分散可能な粒子であって、粒子サイズを約400nmに維持するのに十分な量の表面調節剤がその粒子の表面に吸着された粒子が開示されている。表面調節剤は、ポリマーも含め、幅広い賦形剤の中から選択することができる。
【0006】
ウスイら(「水溶性ポリマーがRS-8359の沈殿を抑制する効果」、Int'l J of Pharmaceutics、第154巻、59−66ページ、1997年)は、3つのポリマー、すなわちヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンを使用して低溶解度の薬剤RS-8359の沈殿を抑制することを開示している。薬剤とポリマーを0.5NのHClとメタノールの混合物に溶かした後、リン酸緩衝溶液に添加した。ウスイらは、上記のポリマーが薬剤の結晶化を抑制することを観察した。
【0007】
薬剤を、薬剤とポリマーを含むアモルファスな固体分散体に製剤化すると、水溶液中の薬剤の最大濃度を大きくできるだけでなく、薬剤の生物学的利用能も改善できることが知られている。例えばCuratoloらのヨーロッパ特許第0 901 786 A2号には、低溶解度の薬剤と、ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートを含むアモルファスな分散体をスプレー乾燥によって形成する方法が開示されている。このような分散体をバッファ水溶液に溶かすと、水溶液中の薬剤の濃度が、他の方法で形成された分散体の場合よりも大きくなる。
【0008】
ナカミチらのアメリカ合衆国特許第5,456,923号には、低溶解度の薬剤とさまざまなポリマーを二軸スクリュー押し出しすることによって形成された固体分散体が開示されている。
【0009】
Jensenらのアメリカ合衆国特許第5,460,823号には、疎水性物質(例えば薬剤)の粒子と、サイズが10μmを超えないヒドロコロイドが開示されている。
【0010】
ヨーロッパ特許第0 988 863 A2号には、溶解度が小さな化合物を水に溶けないイオン性ポリマーの中に分散させた、水に溶けない複合体が開示されている。この化合物は、アモルファスな形態でイオン性ポリマーの中に分散させる。
【0011】
ヤノら(「固体分散系から形成したコロイド粒子のインビトロでの安定性とインビボでの吸収に関する研究」、Chem. Pharm. Bull.、第44巻(12)、2309−2313ページ、1996年)は、溶解度の小さな薬剤YM022を、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとポリオキシエチレンで水素化したヒマシ油に分散させた分散体を開示している。この分散体を水溶液の中に投与すると、平均直径が160nmで薬剤YM022を67%〜77%含むコロイド粒子ができた。このコロイド溶液をラットに経口投与するとよく吸収されることが観察された。
【0012】
しかし、低溶解度である薬剤の水溶液中の濃度と生物学的利用能を改善する必要性は残されたままであるし、水溶液中の薬剤の濃度をこの薬剤の平衡濃度よりも大きくでき、そのような溶液中で薬剤の濃度を時間が経っても維持し、あるいは薬剤の濃度が、増大した濃度から平衡濃度へと低下する速度を少なくとも遅くし、容易かつ安価に調製でき、(経口投与したときに)低溶解度である薬剤の生物学的利用能を最終的に増大させる薬剤含有組成物の必要性も、残ったままである。当業者には明らかなこれらの必要性ならびにその他の必要性は、本発明によって満たされる。そのことを要約して示した後、詳しく説明する。
【発明の開示】
【0013】
発明の簡単なまとめ
本発明により、水溶液における低溶解度の薬剤の濃度を顕著に増大させるポリマー/薬剤集合体が提供される。本発明により、そのようなポリマー/薬剤集合体を含む水溶液と、そのような集合体を含む溶液の形成方法と、凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む組成物と、そのような組成物の形成方法が提供される。
【0014】
本発明の第1の特徴によれば、水溶液は、低溶解度の薬剤と、この水溶液に少なくとも一部が溶ける両親媒性ポリマーとを含んでいる。“少なくとも一部が溶ける”とは、溶液中に存在するポリマーのすべてではない部分が完全に溶けて完全に水和する必要があることを意味する。ポリマーの一部は、2個または3個の分子〜大きなマクロスコピックな粒子になったポリマー凝集体として存在している可能性がある。薬剤の一部とポリマーの一部は、それぞれ、溶液中で、直径が20nm〜5μmのアモルファスなポリマー/薬剤集合体の形態で存在している。この溶液は、溶けた薬剤の全濃度が、この薬剤の平衡濃度の少なくとも2.0倍になっている。“平衡濃度”とは、結晶形態になった同じ量の薬剤を含むがポリマーは含まない対照組成物による薬剤濃度を意味する。この溶液は、遊離した薬剤の濃度が、対照組成物による平衡濃度の少なくとも1.5倍になってもいる。
【0015】
本発明の別の特徴によれば、ポリマー/薬剤集合体を含む水溶液を形成する方法が提供される。薬剤は、溶液中の薬剤の濃度がこの薬剤の平衡濃度を少なくとも一時的に超えるように投与する。両親媒性ポリマーも十分な量を添加し、その少なくとも一部が溶液に溶けて直径が20nm〜5000nmのポリマー/薬剤集合体が形成されるようにする。
【0016】
本発明の別の特徴によれば、低溶解度のアモルファスな薬剤と両親媒性ポリマーを含有する凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む固体医薬組成物が提供される。
【0017】
最後に、本発明により、ポリマー/薬剤集合体を含む水溶液から凝集したポリマー/薬剤固体集合体を形成する方法が提供される。低溶解度の薬剤と両親媒性ポリマーを含む第1の溶液を形成する。薬剤の一部とポリマーの一部は、それぞれ、直径が20nm〜5000nmのポリマー/薬剤集合体の形態で存在している。アモルファスな形態になった低溶解度の薬剤と、両親媒性ポリマーとを含む凝集したポリマー/薬剤固体集合体を、第1の溶液から分離する。
【0018】
後でさらに詳しく説明するように、“ポリマー/薬剤集合体”とは、ポリマー分子と薬剤分子が物理的に互いに会合することによって形成された十分に小さな集合体または凝集体を意味する。そのためポリマー/薬剤集合体は、(後述するように)溶液中に“分散された”状態に留まる。またポリマー/薬剤集合体は、“置換活性”でもある。“置換活性”とは、薬剤分子が急速に遊離した薬剤となることができ、その遊離した薬剤がポリマー/薬剤集合体と会合することを意味する。
【0019】
この明細書では、“遊離した薬剤”という用語は、水溶液に溶けていて、一般に、モノマーになった薬剤分子、または100分子を超えないクラスターになった薬剤分子を意味する。したがって遊離した薬剤とは、ポリマー/薬剤集合体の形態や、他の凝集した薬剤種としては存在していないことを意味する。集合体や他の凝集した薬剤種では、薬剤種または粒子が十分に大きいため、溶解度はバルクの薬剤結晶の1.25倍未満になっている。これは、一般に、“遊離した薬剤”が、存在しているあらゆる薬剤クラスターのうちで約100分子を超えない部分を指すことを意味する。
【0020】
この明細書では、“溶けた全薬剤”という用語は、水溶液に溶けた薬剤の合計量を意味する。薬剤には、サイズが約5000nm未満の任意の形態で存在する薬剤や、遊離した形態、ミセルの形態、ポリマー/薬剤集合体の形態になった薬剤が含まれる。これは、特に、溶けた全薬剤が、溶けていないあらゆる薬剤を遠心分離または濾過によって取り除いた後、上清または濾液の中に残っている薬剤の量を測定することによって決定できることを意味する。
【0021】
本発明は、低溶解度の薬剤の濃度と生物学的利用能を増大させる従来法と比べ、いくつかの利点を有する。本発明のポリマー/薬剤集合体は、水溶液の中に存在していると、この溶液中に存在する遊離塩基の量を劇的に増大させる。本発明のポリマー/薬剤集合体は、溶液中の遊離した薬剤の濃度を、結晶またはアモルファスの形態になった純粋な薬剤からなる対照組成物による濃度と比べ、顕著に増大させる。ポリマー/薬剤集合体は、(1)可動性があり(素早く拡散できる)、(2)置換活性であり、(3)遊離した薬剤の濃度を大きくする薬剤用リザーバとしても機能する。これらの特徴を組み合わせると、薬剤が吸収される速度と程度(例えば生物学的利用能)が顕著に増大する。したがって本発明の組成物により、溶液中でこのようなポリマー/薬剤集合体を形成するように製剤化された薬剤の相対的な生物学的利用能が、従来の製剤と比べて大きくなる。
【0022】
本発明の上記の目的、特徴、利点、ならびに他の目的、特徴、利点は、本発明に関する以下の詳細な説明を読むことによってさらに容易に理解できよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
好ましい実施態様に関する詳細な説明
本発明は、水溶液中での低溶解度の薬剤の濃度を向上させ、生物学的利用能を改善するポリマー/薬剤集合体に関するものである。本発明は、薬剤とポリマーを含むある種のアモルファスな固体分散体が、使用環境において、従来の製剤と比較し、水溶液中での低溶解度の薬剤の濃度を劇的に増加させる能力を有することを本発明の発明者が研究したことから生まれた。本発明の発明者は、Curatoloらのヨーロッパ特許第0 901 786 A2号に開示されている、低溶解度の薬剤とポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネートアセテートをスプレー乾燥させたアモルファスな固体分散体が、他の製剤と比較し、溶けた薬剤の濃度を大きく増大させることを観察した。本発明の発明者は、このアモルファスな固体分散体を使用環境に投与することによって形成された水溶液の性質を調べているとき、得られた水溶液の中に小さなポリマー/薬剤集合体が存在していることを発見した。このポリマー/薬剤集合体は、ポリマーとアモルファスな薬剤を含む直径が約5000nm以下の小さな集合体を含んでおり、その集合体が水溶液中に存在している。本発明の発明者は、これら集合体が、水溶液中の溶けた薬剤と遊離した薬剤の濃度を増大させるのに重要な役割を担っていると考えている。
【0024】
ポリマー/薬剤集合体が薬剤の濃度と生物学的利用能を増大させる能力を有するというのは驚くべき結果である。薬剤の濃度と吸収を向上させるための従来法とは異なり、本発明の発明者は、低溶解度の薬剤に関して遊離した薬剤の濃度を増大させることが、薬剤の溶解速度を増大させることによってではなく、さらには溶媒または他の“可溶化”剤を添加することによって遊離した薬剤の濃度または溶解度を直接増大させようと試みることによってでもなく、他の薬剤含有形態(ポリマー/薬剤集合体)で存在している薬剤の量を増やすことによって可能になることを明らかにした。これが、薬剤の濃度を増大させるのに遊離した薬剤の濃度を直接増大させようとする従来の方法との大きな違いである。
【0025】
特定の理論に囚われるつもりはないが、本発明の発明者は、本発明のポリマー/薬剤集合体が、薬剤の自由エネルギーを大きくすると同時にポリマーと薬剤からなる系の全自由エネルギーを低下させることにより、水溶液中の薬剤の濃度を増大させると考えている。低溶解度の薬剤では、薬剤のみの自由エネルギーが最低の状態は、結晶形態またはアモルファスな形態である。溶液中で遊離した薬剤の濃度を結晶形態またはアモルファスな形態の溶解度よりも大きくすることのできる方法は、一般に、限界がある。というのも、溶けた薬剤は、通常、溶液から結晶形態またはアモルファスな形態になって沈殿するからである。したがって、例えば塩基性薬剤を溶解度のより大きくなった塩の形態にし、それを結晶物質として分離して水性使用環境に投与した場合には、その薬剤が最初は溶液に溶けることがしばしばあるが、その薬剤はすぐに遊離塩基の形態に変換され、結晶形態またはアモルファスな形態の遊離した塩基性薬剤として溶液から沈殿する。ポリマー/薬剤集合体に含まれる薬剤の自由エネルギーは、純粋な結晶またはアモルファス相になった薬剤(すなわちポリマーは存在していない)の自由エネルギーよりも大きい。驚くべきことに、この系の全自由エネルギーは、低溶解度の薬剤と両親媒性ポリマーが水溶液から分かれてポリマー/薬剤集合体を形成するにつれて減少する。したがって、ポリマー/薬剤集合体を形成させようとする力は、ポリマーの自由エネルギーの低下が薬剤の自由エネルギーの増加よりも大きいことから生じる。そのため系(薬剤とポリマー)の全自由エネルギーが低下する。
【0026】
ポリマーと薬剤を使用環境(動物のGI管、または動物のGI管を真似たインビトロの使用環境)に添加する場合、少なくとも4つの異なった形態の薬剤が形成されると考えられている。すなわち、(1)遊離した薬剤、(2)胆汁塩ミセル(GI管またはテスト溶液に存在している天然に生じたもの、または合成したもの)の中に存在している薬剤、(3)ポリマー/薬剤集合体、(4)沈殿物である。“沈殿物”は、形成されて溶液の底にたまる比較的大きなあらゆる粒子を表わす一般的な用語である。そのような沈殿物の中に存在するすべての薬剤は、“溶けない薬剤”と呼ばれる。そのような沈殿物として、(1)結晶状態の薬剤、(2)アモルファスな薬剤、(3)薬剤とポリマーの混合物のうち、十分に大きいために溶液の底にたまる粒子として存在するもの(平均直径が約5〜10ミクロンを超える)を挙げることができる。遊離した薬剤の濃度を増大させることが望ましい。というのも、一般に、主として遊離した薬剤が、GI管から血液に直接吸収されるからである。したがって、薬剤がGI管から血液に吸収される速度は、一般に、腸の壁面における遊離した薬剤の濃度に比例する。他の3つの相として存在している薬剤は、吸収されるためには、一般に、まず遊離した薬剤の形態に変換する必要がある。
【0027】
本発明のポリマー/薬剤集合体は、以下に示すいずれかのメカニズムによって薬剤の吸収率を増大させ、したがって相対的生物学的利用能を増大させると考えられる。このポリマー/薬剤集合体は、遊離した薬剤の濃度をより大きくし、その濃度が、生理学的に適切な時間、すなわち30分間〜16時間またはそれ以上にわたって特に哺乳類のGI管の中で維持される。ポリマー/薬剤集合体は、薬剤含有材料として薬剤を素早く放出し、遊離した薬剤が血液に吸収されて溶液から除去されるときにその遊離した薬剤と置き換わることができる。この素早い平衡化(“置換活性”と呼ばれる)と、それに伴って遊離した塩基と置き換わることにより、ポリマー/薬剤集合体が薬剤のリザーバとして機能するため、このポリマー/薬剤集合体は、薬剤を遊離した薬剤に変換して吸収させるのに利用できる。ポリマー/薬剤集合体が遊離した薬剤と素早く平衡状態になる能力は、主として、ポリマー/薬剤集合体のサイズが小さいことによっている。その結果、体積に対する表面積の割合が大きくなり、ポリマー/薬剤集合体の内部における薬剤の移動性が、他の相の薬剤(結晶形態の薬剤またはアモルファスな薬剤、さらには沈殿物の中に存在している可能性のある大きなポリマー/薬剤粒子)と比べて大きくなる。
【0028】
ポリマー/薬剤集合体が存在していると溶液中で遊離した薬剤の濃度が増大するため、ミセルが存在している場合には、薬剤がミセルの内部に組み込まれることにより、ポリマー/薬剤集合体は薬剤の濃度をさらに大きくすることができる。一般に、ミセルの濃度が所定の値であるとき、ミセルに組み込まれる薬剤の量は、遊離した薬剤の濃度に大まかに比例している。したがって、遊離状態になった薬剤の量を増やすことにより、ミセルに含まれる薬剤の量を比例して増やすこともできる。ミセルに含まれる薬剤は、可動性が非常に大きく(拡散速度が大きい)しかも置換活性である(解離速度が大きい)ため、(例えば沈殿物として存在しているあらゆる種と比較して)生物学的利用能が非常に大きい。
【0029】
薬剤含有ミセルとポリマー/薬剤集合体のどちらも十分な移動性と置換活性を有するため、乱されていない水層(腸壁を覆っているグリコカリックスと粘液を含む)を通じて薬剤を輸送し、そのことによって腸壁における遊離した薬剤の濃度を大きくすることができる。すると薬剤の吸収速度を大きくすることができる。
【0030】
最後に、遊離した薬剤の多くがポリマー/薬剤集合体に変換されることで(そうでない場合には、遊離した薬剤は薬剤の平衡濃度を大きく超える濃度で存在しているはずである)、薬剤の多くが低溶解度の形態(例えば最低エネルギーである結晶形態の薬剤または純粋にアモルファスな薬剤など)として結晶化したり沈殿したりすることが阻止または遅延される。薬剤の表面と相互作用するポリマーが存在しているため、そのポリマーが薬剤のクラスター表面に吸着されることにより、凝集する可能性のある薬剤のクラスターが大きいアモルファスな粒子または結晶に成長することが阻止されるとも考えられている。
【0031】
要するに、これらの効果は、低溶解度の薬剤の生物学的利用能を少なくとも1.25倍〜100倍を超える程度に増大させるのに有効である。ポリマー/薬剤集合体による相対的生物学的利用能は、同じ量の薬剤を含むがそのようなポリマー/薬剤集合体は形成しない組成物からなる対照組成物の少なくとも1.25倍〜10倍以上である。
【0032】
本発明の発明者は、低溶解度の薬剤とポリマーを含むアモルファスな固体分散体を水溶液に投与する方法以外に、ポリマー/薬剤集合体をさまざまな方法で形成できることを明らかにした。さらに本発明の発明者は、あるクラスのポリマー(すなわち両親媒性ポリマー)が好ましいことも発見した。ポリマー/薬剤集合体は、水溶液中で低溶解度の薬剤の濃度を増大させたいとき、胃腸管の内腔から薬剤が吸収される速度を増大させたいとき、投与する薬剤の量を減らしたいとき、所定量を経口投与したときに吸収される薬剤の割合を増やしたいとき、あるいはこれらの組み合わせを実現したいときにはいつでも有効であることがわかる。使用できるポリマー/薬剤集合体、薬剤、両親媒性ポリマーと、ポリマー/薬剤集合体の作り方を以下に詳しく説明する。
【0033】
ポリマー/薬剤集合体
本発明のポリマー/薬剤集合体は、両親媒性ポリマーと低溶解度の薬剤を含んでいる。このようなポリマー/薬剤集合体は、低溶解度の薬剤と両親媒性ポリマーが、両方とも少なくとも一部が水溶液に十分な量溶けている場合には、いつでも形成することができる。低溶解度の薬剤は、溶けた薬剤の濃度が、使用環境において最低エネルギーである結晶形態の薬剤またはアモルファスな薬剤によって実現する平衡濃度を少なくとも一時的に超えるのに十分な形態と量で投与する必要がある。以下にさらに詳しく説明するように、最初に平衡濃度を超える濃度を実現することができ、しかもポリマーが少なくとも部分的に溶液に溶けているようにできる任意の方法を利用することができる。
【0034】
水溶液としては、水をかなりの量(例えば約20重量%超)含んでいる任意の溶液が可能である。より一般的なのは、水を約40重量%〜ほぼ100重量%含んでいる溶液である。水溶液の一部は使用環境である。この明細書で用いる“使用環境”は、動物(例えば哺乳類で、特にヒト)のGI管、皮下、鼻孔内、口、鞘内、眼、耳内、皮下空間、膣管、動脈血管、静脈血管、肺管、筋肉内組織というインビボ環境、またはテスト溶液(例えばリン酸緩衝溶液(PBS)または加速十二指腸モデル(MFD)溶液)というインビトロ環境のいずれかを意味することができる。適切なPBS溶液は、20mMのリン酸ナトリウム、47mMのリン酸カリウム、87mMのNaCl、0.2mMのKClを含み、pHが6.5に調節されている水溶液である。適切なMFD溶液は、このPBSに7.3mMのタウロコール酸ナトリウムと、1.4mMの1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンを追加したものである。本発明の組成物または方法は、インビボでテストし、あるいはより簡単にインビトロでテストし、その組成物または方法が本発明の範囲に含まれるかどうかを確認することができる。
【0035】
ポリマー/薬剤集合体は、薬剤とポリマーからなる非常に小さな構造体として溶液中に存在するものであると考えられる。薬剤は極めて小さなクラスターとなって存在することができ、ある程度は秩序だっている(例えばミセル内に存在する秩序)可能性があるが、もともと結晶ではない。特定の理論に囚われるつもりはないが、ポリマー/薬剤集合体はミセル様の構造からなり、ミセルの内部ではポリマーと薬剤の一部が比較的近接して存在し、水溶液から遮蔽された1つ以上の疎水性領域と、水溶液と接触する1つ以上の親水性領域を形成していると考えられる。
【0036】
ポリマー/薬剤集合体は十分に小さいため、物理的な撹拌を行なわなくとも溶液中に分散された状態に留まる。“分散された”とは、ポリマー/薬剤集合体のかなりの割合が重力の影響で沈殿したり溶液の底に沈んだりしてはいないことを意味する。ポリマー/薬剤集合体は、形成後、撹拌せずに少なくとも90分間にわたって放置すると、溶液中の最大レベルである少なくとも25重量%が溶液中に分散された状態に留まる。より好ましいのは、撹拌せずに少なくとも90分間にわたって放置したとき、最大レベルの少なくとも50%が溶液中に分散された状態に留まることである。ポリマー/薬剤集合体は、平均直径が一般に約20nm〜5000nmの範囲である。ポリマー/薬剤の組み合わせによってはこの範囲が狭くなり、たいていのポリマー/薬剤集合体では平均直径が約2μm未満である。平均直径は、場合によっては約1μm未満になり、典型値として100〜800nmというより狭い分布になる。一般に、より小さなポリマー/薬剤集合体、すなわち平均直径が約1μm未満のものが好ましい。というのも、小さいポリマー/薬剤集合体のほうが、より大きなポリマー/薬剤集合体と比べ、より長く分散された状態に留まり、より素早く拡散し、置換活性がより大きいからである。
【0037】
個々のポリマー/薬剤集合体に含まれる薬剤とポリマーの量は、ポリマーと薬剤の性質のほか、集合体のサイズによって異なるが、一般に、薬剤が5重量%〜95重量%の範囲である。一般に、所定の薬剤について、ポリマー/薬剤集合体が小さくなるほど、このポリマー/薬剤集合体に含まれる薬剤の割合が少なくなる。
【0038】
小さなサイズのポリマー/薬剤集合体とは、その集合体の可動性が非常に大きいことを意味する。一般に、粒子の拡散速度はサイズに反比例する。したがって平均直径が100nmのオーダーのポリマー/薬剤集合体は、一般に、直径が数ミクロンよりも大きな結晶状態またはアモルファス状態の薬剤粒子よりも速く拡散する。特に、本発明のポリマー/薬剤集合体は、PBS溶液などの水溶液中の拡散係数が約1×10-10cm2/秒よりも大きい。したがってポリマー/薬剤集合体は、上皮の脂質二重層膜に隣接する乱されていない水相の中を素早く拡散することができるため、腸の脂質壁に隣接する水相に薬剤を素早く放出することができる。それゆえ本発明のポリマー/薬剤集合体は、薬剤の運搬体として機能する。これは、水への溶解度が比較的小さい薬剤を投与したとき、その薬剤の過半が溶けた遊離薬剤の形態にはならない場合に特に重要である。このような場合、ポリマー/薬剤集合体は薬剤を腸壁に運び、その位置における遊離した薬剤の濃度を、バルクの腸内腔におけるのに近い値に維持する。すると薬剤が吸収される速度と程度が増大する。
【0039】
ポリマー/薬剤集合体は安定でもあるが、使用環境に存在しているときには置換活性がある。安定であるとは、GI管で起こるような薬剤の吸収がないときに、このようにして形成されたポリマー/薬剤集合体の濃度が、かなりの時間(例えば数時間)にわたって比較的一定であることを意味する。一般に、溶液中にこのようなポリマー/薬剤集合体の形態で最初に存在する薬剤の過半は、溶けた全薬剤が最大値に達したとき、吸収がなければ、少なくとも90分間、好ましくは少なくとも240分間にわたって溶液中に分散された状態に留まる。例えばポリマー/薬剤集合体の中に存在する薬剤で溶液中に少なくとも90分間にわたって留まるものの割合は、最大レベルの少なくとも約25%、好ましくは最大レベルの少なくとも約50%である。
【0040】
置換活性とは、ポリマー分子と薬剤分子の両方がポリマー/薬剤集合体と素早く解離したり会合したりすることを意味する。解離速度、すなわち薬剤がポリマー/薬剤集合体と遊離した薬剤の間で相互に変換される速度は、非常に大きい。解離速度は、ポリマー/薬剤集合体の濃度に関して大まかに一次のオーダーであると考えられている。したがって解離速度の定量的測定値は、薬剤がポリマー/薬剤集合体から解離する“半減期”すなわちt1/2に等しい。薬剤がポリマー/薬剤集合体から解離する“半減期”(t1/2と呼ばれる)は、薬剤が溶液から急激に吸収されるなど、状態の急激な変化が起こったときにポリマー/薬剤集合体の光散乱信号が最初のレベルから最終レベルへと向かって半分だけ低下するのに要する時間として定義される。t1/2の値は、一般に、約1000秒未満である。この値は約200秒未満であることが好ましい。解離時定数が小さいということは、ポリマー/薬剤集合体に含まれる薬剤が、遊離した薬剤に素早く変換されたり、その逆が起こったりしうることを意味する。解離時定数は小さいことが好ましい。というのも、そうなっていると、ポリマー/薬剤集合体に含まれる薬剤が、遊離した薬剤に素早く変換されて吸収されることが可能になるからである。
【0041】
解離速度と解離時定数は、遊離した薬剤と、ポリマー/薬剤集合体に含まれる薬剤とを識別できる任意の従来法で測定することが可能である。例えば遊離した薬剤は、その遊離した薬剤と結合する物質(例えばシクロデキストリン)を添加することにより、あるいは薬剤が溶けやすい相(例えば乳化した油またはミセル形成材料)を添加することにより、溶液から素早く除去することができる。このような条件下でポリマー/薬剤集合体が解離することにより遊離して薬剤を放出する速度は、例えば光散乱信号の減少をモニターし、ポリマー/薬剤集合体に含まれる薬剤が解離することにより遊離した薬剤の濃度を回復させる速度を明らかにすることによって測定できる。
【0042】
ポリマー/薬剤集合体の存在は、溶液中に小さな分子集合体が存在していることを測定できる任意の分析法で確認することが可能である。ポリマー/薬剤集合体の存在を確認する1つの方法は、動的光散乱測定と静的光散乱測定である。両者を組み合わせると、特に20nm〜5000nmのサイズ範囲について、溶液中の粒子の量とサイズ分布を評価することができる。それぞれの方法による光散乱強度は、サイズが同じであるならばポリマー/薬剤集合体の濃度に大まかに比例する。さらに、ポリマー/薬剤集合体のサイズ分布は、光散乱信号から計算される。“動的光散乱”では、ポリマー/薬剤集合体のサイズと相対量が、10nm〜1000nmの範囲にあるポリマー/薬剤集合体について測定される。この方法によって決まるサイズは、“流体力学的半径”と呼ばれ、ポリマー/薬剤集合体が溶液中を拡散する速度に基づいたこのポリマー/薬剤集合体の実効半径を表わす。“静的光散乱”すなわち“StLS”では、ポリマー/薬剤集合体のサイズと相対量が、200nm〜5000nmの範囲にあるポリマー/薬剤集合体について測定される。(この方法で5000nmよりも大きな粒子も測定する。)この方法によって決まるサイズは、“回転半径”と呼ばれ、ポリマー/薬剤集合体が溶液中を回転することによって決まる球の平均半径を表わす。サイズが約5000nmよりも大きな粒子では光の散乱量が非常に多いため、別の箇所で説明したようにそのような粒子を一般に濾過または遠心分離で除去した後、いずれかの光散乱法で溶液を分析する。テスト溶液が本発明の範囲に含まれるかどうかは、どの方法でも評価することができる。しかしサイズが10nm〜1000nmの範囲にあるポリマー/薬剤集合体を評価するには動的光散乱法が最適であり、サイズが200nm〜5000nmの範囲にあるポリマー/薬剤集合体を評価するには静的光散乱法が最適である。したがって、溶液を評価するときには両方の方法を用いるのが最も好ましい。それぞれの方法では基本的に異なる物理的特性が測定されるため、2つの方法で得られた値は通常は等しくない。しかし請求項に示されているサイズの基準に合致する溶液または組成物をいずれかの方法または両方の方法で評価した場合は本発明の範囲に含まれる。さまざまな溶液について溶けた薬剤の全濃度から遊離した薬剤の濃度を差し引くことによってポリマー/薬剤集合体の中に存在する薬剤の濃度を計算すると、光散乱信号の大きさに大まかに比例した値が得られることが見いだされている。これは、溶液中に遊離した薬剤としては存在していない薬剤が20nm〜5000nmの粒子の形態で存在していることを示している。
【0043】
さらに、ポリマー/薬剤集合体の形態になった薬剤の存在は、溶けた薬剤の全濃度と遊離した薬剤の濃度の測定値を組み合わせることによっても推測することができる。ポリマー/薬剤集合体が存在している溶液では、ポリマー/薬剤集合体が形成されてから少なくとも90分経過したときの遊離した薬剤の濃度が、結晶状態になった薬剤のみを同じ量含む対照組成物による薬剤の平衡濃度の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍になっている。ポリマー/薬剤集合体が存在している溶液においてポリマー/薬剤集合体が形成されてから少なくとも90分経過したときの溶けた薬剤の全濃度は、結晶状態になった薬剤のみを同じ量含む対照組成物による薬剤の平衡濃度の少なくとも2倍、好ましくは少なくとも4倍、より好ましくは少なくとも10倍になっている。
【0044】
遊離した薬剤は、ポリマー/薬剤集合体の形態になった薬剤の濃度ではなく、遊離した薬剤の濃度を測定できる任意の分析法を用いて定量することが可能である。例えば核磁気共鳴(NMR)法を用いることができる。というのもNMRによる測定では、十分に小さいか十分な可動性があるために素早く(ミリ秒未満)回転できる種についての高分解能の信号だけが得られるからである。特に、NMR信号は、遊離した薬剤の量と、可動性があって水和した非凝集状態(例えばミセル状態)で存在できる任意の薬剤の量に比例するが、ポリマー/薬剤集合体の中に存在する薬剤とは関係ないことが見いだされている。遊離した薬剤は、薬剤が透析膜を通過する速度が遊離した薬剤の濃度に比例するという透過分析によって定量することもできる。ポリマー/薬剤集合体の中に存在する薬剤の量は、溶けた薬剤の全濃度から遊離した薬剤の濃度を差し引くことによって計算できる。
【0045】
この明細書では、“溶けた薬剤の全濃度”という表現は、遊離した薬剤、ポリマー/薬剤集合体、サブミクロン構造、集合体、凝集体、コロイド、ミセルの形態で溶かすことのできる薬剤の濃度を意味する。当業者であれば、“溶けた薬剤の全濃度”のこの定義に、水和したモノマー状の薬剤分子だけでなく、例えばサイズがサブミクロンのいろいろなポリマー/薬剤集合体(例えば薬剤凝集体、ポリマーと薬剤の混合物からなる凝集体、ミセル、ポリマー含有ミセル、コロイド粒子、ナノ結晶、ポリマー/薬剤複合体のほか、特定の溶解テストにおける濾液または上清に存在している他の薬剤含有種)も含まれることが理解できよう。
【0046】
溶解テストにおける溶けた薬剤の全濃度は、一般に、テスト媒体を採取し、溶けた薬剤の濃度を分析することによって測定される。誤った結果をもたらす可能性のある比較的大きな薬剤粒子を除くため、テスト溶液を濾過または遠心分離する。溶けた全薬剤とは、一般に、撹拌しないときに溶液中に少なくとも1時間にわたって分散された状態に留まる(例えば沈殿しない)物質のことである。インビトロでのテストを加速するため、溶けた全薬剤は、シリンジ・フィルタを通過した物質、または遠心分離後に上清の中に残っている物質にする。ポリマー/薬剤集合体のサイズが実質的に400μm未満である場合には、(サイエンティフィック・リソーシーズ社からタイタン(登録商標)の名称で販売されている)長さが13mmで小孔のサイズが0.45μmの二フッ化ポリビニリデン製シリンジ・フィルタを用いて濾過を行なう。分散されたより大きなポリマー/薬剤集合体が存在している場合には、小孔のサイズが約5000nm〜10μmのフィルタを用いることができる。遠心分離は、たいていポリプロピレン製のマイクロフュージ管の中で約13,000gで約60秒間にわたって実行した。他の同様の濾過法や遠心分離法を利用しても有効な結果が得られる。例えば他のタイプのマイクロフィルタを使用したり、上記の範囲内で遠心分離の速度を変えたりすると、上記の濾過条件や遠心分離条件で得られたよりも小さな値または大きな値が得られる可能性があるが、好ましい組成物を同定することはやはり可能である。しかし13,000gを超える重力レベルで5分間を超えて遠心分離を行なうと、ポリマー/薬剤集合体そのものが除去される可能性があるため、誤った低い結果が得られる可能性がある。
【0047】
薬剤
本発明は、溶液に投与したとき、溶けた薬剤の濃度がその薬剤の平衡濃度を少なくとも一時的に超えるようにできるあらゆる薬剤にとって有効である。
【0048】
“薬剤”という用語は従来と同じ意味であり、動物(特にヒト)に投与したときに好ましい予防特性および/または治療特性を有する化合物を意味する。本発明の利点を利用するのに薬剤が低溶解度の薬剤である必要はないが、低溶解度の薬剤は、本発明で利用するのが好ましいタイプである。望む使用環境でかなり大きな溶解度を示す薬剤でさえ、濃度増大性ポリマーの添加により、治療効果を得るのに必要なサイズを小さくできるとか、薬剤の効果が迅速に現われることが望ましい場合の薬剤吸収速度を大きくできるというのであれば、本発明によって溶解度/生物学的利用能が大きくなることの利益を得ることができる。
【0049】
薬剤は、“低溶解度の薬剤”であることが好ましい。これは、薬剤が、“水に実質的に溶けない”(生理学的に適切なpH(例えばpH1〜8)において水溶液に対する薬剤の溶解度が非常に小さく、0.01mg/ml未満である)こと、あるいは“わずかに水に溶ける”(水溶液への溶解度がせいぜい約1〜2mg/mlである)こと、あるいは水溶液への溶解度が低から中程度(水溶液への溶解度が、約1mg/ml〜多くとも20〜40mg/ml)であることを意味する。本発明の発明者は、薬剤の溶解度が小さくなるほど、本発明がより有効になることを見いだした。したがって本発明の組成物は、溶解度が10mg/ml未満である低溶解度の薬剤、より好ましくは溶解度が1mg/ml未満である低溶解度の薬剤、さらに好ましくは溶解度が0.1mg/ml未満である低溶解度の薬剤にとって好ましい。一般に、薬剤は、水溶液への溶解度に対する投与量の比が10mlよりも大きく、より典型的には100mlよりも大きいと言えよう。ただし薬剤の溶解度(mg/ml)としては、USPで刺激された胃腸バッファを含む生理学的に適切な任意の水溶液(例えばpH値が1〜8の水溶液)において観察される最小値を採用する(投与量の単位はmg)。水溶液への溶解度に対する投与量の比は、単純に投与量(単位はmg)を水溶液への溶解度(単位はmg/ml)で割ることによって求めることができる。
【0050】
薬剤の好ましいクラスとして、抗高血圧薬、抗不安薬、抗凝固薬、抗痙攣薬、血糖降下薬、鬱血除去薬、抗ヒスタミン薬、咳止め、抗腫瘍薬、β遮断薬、抗炎症薬、抗精神病薬、認識向上薬、コレステロール降下薬、抗肥満薬、自己免疫疾患薬、抗インポテンス薬、抗菌剤、抗真菌剤、催眠薬、抗パーキンソン病薬、抗アルツハイマー病薬、抗生剤、抗鬱薬、抗ウイルス薬、抗動脈硬化薬、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、コレステロールエステル運搬タンパク質阻害剤などが挙げられるが、これだけに限定されるわけではない。
【0051】
本発明による薬剤および治療薬の上記クラスおよび他のクラスの特別な具体例を以下に示すが、これらは単なる例示に過ぎない。それぞれの薬剤の名称には、中性形態になった薬剤、薬理学的に許容可能な塩、プロドラッグが含まれるものと理解されたい。抗高血圧薬の具体例を特に挙げるならば、プラゾシン、ニフェジピン、アムロジピン、ベシラート、トリマゾシン、ドキサゾシンである。血糖降下薬の具体例を特に挙げるならば、グリピジドとクロルプロパミドである。抗インポテンス薬の具体例を特に挙げるならば、シルデナフィルとクエン酸シルデナフィルである。抗腫瘍薬の具体例を特に挙げるならば、クロラムブシル、ロムスチン、エキノマイシンである。イミダゾール・タイプの抗腫瘍薬の具体例を特に挙げるならば、ツブラゾールである。抗高コレステロール血症薬の具体例を特に挙げるならば、アトルバスタチンカルシウムである。抗不安薬の具体例を特に挙げるならば、塩酸ヒドロキシジンと塩酸ドキセピンである。抗炎症薬の具体例を特に挙げるならば、βメタゾン、プレドニソロン、アスピリン、ピロキシカム、バルデコキシブ、カルプロフェン、セレコキシブ、フルルビプロフェン、(+)-N-{4-[3-(4-フルオロフェノキシ)フェノキシ]-2-シクロペンテン-1-イル}-N-ヒドロキシ尿素である。バルビツレートの具体例を特に挙げるならば、フェノバルビタールである。抗ウイルス薬の具体例を特に挙げるならば、アシクロビル、ネルフィナビル、ビラゾールである。ビタミン剤/栄養剤の具体例を特に挙げるならば、レチノールとビタミンEである。β遮断薬の具体例を特に挙げるならば、チモロールとナドロールである。催吐薬の具体例を特に挙げるならば、アポモルフィンである。利尿薬の具体例を特に挙げるならば、クロルタリドンとスピロノラクトンである。抗凝固薬の具体例を特に挙げるならば、ジクマロールである。強心剤の具体例を特に挙げるならば、ジゴキシンとジギトキシンである。アンドロゲンの具体例を特に挙げるならば、17-メチルテストステロンとテストステロンである。鉱質コルチコイドの具体例を特に挙げるならば、デゾキシコルチコステロンである。ステロイド性催眠薬/麻酔薬の具体例を特に挙げるならば、αキサロンである。アナボリック薬の具体例を特に挙げるならば、フルオキシメステロンとメタンステロンである。抗鬱薬の具体例を特に挙げるならば、スルピリド、[3,6-ジメチル-2-(2,4,6-トリメチル-フェノキシ)-ピリジン-4-イル]-(1-エチルプロピル)-アミン、3,5-ジメチル-4-(3'-ペントキシ)-2-(2',4',6'-トリメチルフェノキシ)ピリジン、ピロキシジン、フルオキセチン、パロキセチン、ベンラファキシン、セルトラリンである。抗生剤の具体例を特に挙げるならば、カルベニシリン、インダニルナトリウム、塩酸バカンピシリン、トロレアンドマイシン、ドキシサイクリンハイクレート、アンピシリン、ペニシリンGである。抗感染薬の具体例を特に挙げるならば、塩化ベンズアルコニウムとクロルヘキシジンである。冠状血管拡張薬の具体例を特に挙げるならば、ニトログリセリンとミオフラジンである。催眠薬の具体例を特に挙げるならば、エトミデートである。カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤の具体例を特に挙げるならば、アセタゾラミドとクロルゾラミドである。抗真菌剤の具体例を特に挙げるならば、エコナゾール、テルコナゾール、フルコナゾール、ボリコナゾール、グリセオフルビンである。抗原生動物薬の具体例を特に挙げるならば、メトロニダゾールである。駆虫薬の具体例を特に挙げるならば、チアベンダゾール、オクスフェンダゾール、モランテルである。抗ヒスタミン薬の具体例を特に挙げるならば、アステミゾール、レボカバスチン、セチリジン、ロラタジン、デカルボエトキシロラタジン、シンナリジンである。抗精神病薬の具体例を特に挙げるならば、ジプラシドン、オランゼピン、塩酸チオチキセン、フルスピリレン、リスペリドン、ペンフルリドールである。胃腸薬の具体例を特に挙げるならば、ロペラミドとシサプリドである。セロトニン・アンタゴニストの具体例を特に挙げるならば、ケタンセリンとミナンセリンである。麻酔薬の具体例を特に挙げるならば、リドカインである。低血糖薬の具体例を特に挙げるならば、アセトヘキサミドである。制吐薬の具体例を特に挙げるならば、ジメンヒドリネートである。抗菌剤の具体例を特に挙げるならば、コトリモキサゾールである。ドーパミン作動薬の具体例を特に挙げるならば、L-ドーパである。抗アルツハイマー病薬の具体例を特に挙げるならば、THAとドネペジルである。抗潰瘍薬/H2アンタゴニストの具体例を特に挙げるならば、ファモチジンである。鎮静薬/催眠薬の具体例を特に挙げるならば、クロルジアゼポキシドとトリアゾラムである。血管拡張薬の具体例を特に挙げるならば、アルプロスタジルである。血小板阻害剤の具体例を特に挙げるならば、プロスタサイクリンである。ACE阻害剤/抗高血圧薬の具体例を特に挙げるならば、エナラプリル酸とリシノプリルである。テトラサイクリン系抗生剤の具体例を特に挙げるならば、オキシテトラサイクリンとミノサイクリンである。マクロライド系抗生剤の具体例を特に挙げるならば、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、スピラマイシンである。アザライド系抗生剤の具体例を特に挙げるならば、アジスロマイシンである。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の具体例を特に挙げるならば、[R-(R*S*)]-5-クロロ-N-[2-ヒドロキシ-3-{メトキシメチルアミノ}-3-オキソ-1-(フェニルメチル)プロピル-1H-インドール-2-カルボキサミドと5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-(2R)-ヒドロキシ-3-((3R, 4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-3-オキシプロピル]アミドである。コレステロールエステル運搬タンパク質阻害剤の具体例を特に挙げるならば、[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル、[2R, 4S] 4-[アセチル-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステルである。
【0052】
本発明は、コレステロールエステル運搬タンパク質(CETP)阻害剤に対して特に有効である。本発明の発明者は、本質的に水に溶けず、非常に疎水性が強く、本発明が特に有効な一連の物理的特性を特徴とするCETP阻害剤のサブクラスを見いだした。このサブクラスは、本発明の組成物と方法を用いて製剤にすると、水溶液中の濃度が劇的に増大する。
【0053】
CETP阻害剤のうちで基本的に不溶性で疎水性であるこのサブクラスの第1の特性は、極めて水に溶けにくいことである。極めて水に溶けにくいとは、生理学的に適切なpH(pH1〜8)における水への最小溶解度が約10μg/ml未満、好ましくは約1μg/ml未満であることを意味する。
【0054】
第2の特性は、水溶液への溶解度に対する投与量の比が非常に大きいことである。溶解度が極端に小さいと、従来のように薬剤を経口投与したとき、胃腸管液からの薬剤吸収がわずかであったり遅かったりする。溶解度が極端に小さい薬剤では、投与量(経口で与える薬剤の量)が増加するにつれ、少ない吸収が一般により少なくなる。したがって、基本的に不溶性で疎水性であるこのサブクラスのCETP阻害剤の第2の特性は、溶解度(単位はmg/ml)に対する投与量(単位はmg)の比(ml)が非常に大きいことである。“溶解度に対する投与量の比が非常に大きい”とは、溶解度に対する投与量の比が少なくとも1,000ml、好ましくは少なくとも5,000ml、より好ましくは10,000mlであることを意味する。
【0055】
基本的に不溶性で疎水性であるこのサブクラスのCETP阻害剤の第3の特性は、極端に疎水性になっていることである。極端に疎水性であるとは、薬剤のC log Pの値が4.0以上、好ましくは5.0以上、より好ましくは5.5以上であることを意味する。
【0056】
基本的に不溶性であるこのサブクラスのCETP阻害剤の第4の特性は、融点が低いことである。一般に、このサブクラスの薬剤は、融点が約150℃以下であり、好ましくは約140℃以下である。
【0057】
第1に、これら4つの特性のうちのいくつかまたはすべてを有する結果として、このサブクラスのCETP阻害剤は、一般に、絶対的な生物学的利用能が非常に低い。特に、このサブクラスの薬剤の絶対的な生物学的利用能は、非分散状態(例えば結晶状態)で経口投与した場合には約10%未満であり、約5%未満であることのほうが多い。
【0058】
ここで個々のCETP阻害剤の化学構造に目を向けることにする。本発明において有用なCETP阻害剤の1つのクラスは、以下の一般式(I):
【化1】
Figure 2004534811
で表わされるオキシ置換された4-カルボキシアミノ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリンと、この化合物の薬理学的に許容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体からなる。ただし上記一般式(I)において、
RI-1は、水素、YI、WI-XI、WI-YIのいずれかであり;
WIは、カルボニル、チオカルボニル、スルフィニル、スルホニルのいずれかであり;
XIは、-O-YI、-S-YI、-N(H)-YI、-N-(YI)2のいずれかであり;
YIは、出現するごとに独立に、ZIであるか、あるいは、完全に飽和した、または一部が不飽和の、または完全に不飽和の1〜10員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1個または2個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によってはZIで一置換されており;
ZIは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜8員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであるか、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環が2つ縮合した二環で、窒素、イオウ、酸素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり;
上記ZI置換基は、場合によっては、ハロ、(C2−C6)アルケニル、(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシル、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、ハロ、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシル、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されており;
RI-3は、水素またはQIであり;
【0059】
QIは、完全に飽和した、または一部が不飽和の、または完全に不飽和の1〜6員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によってはVIで一置換されており;
Iは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜8員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであるか、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環が2つ縮合した二環で、窒素、イオウ、酸素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり;
【0060】
このVI置換基は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルバモイル、モノ-N-(C1−C6)アルキルカルバモイル、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルカルバモイル、カルボキシル、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換、または四置換されており、ただし(C1−C6)アルキルまたは(C2−C6)アルケニルは、場合によっては、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシル、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルまたは(C2−C6)アルケニルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されており;
RI-4は、QI-1またはVI-1であり、
【0061】
QI-1は、完全に飽和した、または一部が不飽和の、または完全に不飽和の1〜6員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によってはVI-1で一置換されており;
【0062】
VI-1は、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜2個のヘテロ原子を場合によっては含んでおり;
このVI-1置換基は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換、または四置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によってはオキソによって一置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては1〜9個のフッ素によっても置換されており;
【0063】
RI-3がVIを含むか、あるいはRI-4がVI-1を含むかのいずれかである必要があり;
RI-5、RI-6、RI-7、RI-8は、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシ、オキシのいずれかであり、このオキシは、TI、あるいは、完全に飽和した、または完全に不飽和の1〜12員の直鎖状または分枝状の炭素鎖で置換されており、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個または2個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によってはT Iで一置換されており;
【0064】
TIは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜8員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものである、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環が2つ縮合した二環で、窒素、イオウ、酸素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり;
【0065】
このTI置換基は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されている。
【0066】
一般式(I)の化合物は、譲受人に譲渡された係属中のアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/390,731号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0067】
好ましい一実施態様では、CETP阻害剤は、一般式(I)で表わされる以下の化合物の中から1つを選択する。
[2R, 4S] 4-[(3,5-ジクロロ-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6,7-ジメトキシ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ジニトロ-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6,7-ジメトキシ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(2,6-ジクロロ-ピリジン-4-イルメチル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6,7-ジメトキシ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6,7-ジメトキシ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6-メトキシ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
【0068】
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-7-メトキシ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6,7-ジメトキシ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-エトキシカルボニル-アミノ]-6,7-ジメトキシ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6,7-ジメトキシ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸 2,2,2-トリフルオロ-エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6,7-ジメトキシ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸プロピルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6,7-ジメトキシ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸t-ブチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-メチル-6-トリフルオロメトキシ-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] (3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-(1-ブチリル-6,7-ジメトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-4-イル)-カルバミン酸メチルエステル;
[2R, 4S] (3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-(1-ブチル-6,7-ジメトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-4-イル)-カルバミン酸メチルエステル;
[2R, 4S] (3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-[1-(2-エチル-ブチル)-6,7-ジメトキシ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-4-イル]-カルバミン酸メチルエステル, ヒドロクロリド。
【0069】
本発明において有用な別のクラスのCETP阻害剤は、以下の一般式(II):
【化2】
Figure 2004534811
で表わされる4-カルボキシアミノ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリンと、この化合物の薬理学的に許容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体である。ただしこの一般式(II)において、
RII-1は、水素、YII、WII-XII、WII-YIIのいずれかであり;
WIIは、カルボニル、チオカルボニル、スルフィニル、スルホニルのいずれかであり;
XIIは、-O-YII、-S-YII、-N(H)-YII、-N-(YII)2のいずれかであり;
YIIは、出現するごとに独立に、ZIIであるか、あるいは、完全に飽和した、または一部が不飽和の、または完全に不飽和の1〜10員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1個または2個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によってはZIIで一置換されており;
【0070】
ZIIは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜12員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものである、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環が2つ縮合した二環で、窒素、イオウ、酸素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり;
【0071】
上記ZII置換基は、場合によっては、ハロ、(C2−C6)アルケニル、(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、ハロ、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されており;
RII-3は、水素またはQIIであり;
【0072】
QIIは、完全に飽和した、または一部が不飽和の、または完全に不飽和の1〜6員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によってはVIIで一置換されており;
IIは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜12員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものである、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環が2つ縮合した二環で、窒素、イオウ、酸素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり;
【0073】
このVII置換基は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルバモイル、モノ-N-(C1−C6)アルキルカルバモイル、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルカルバモイル、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換、または四置換されており、ただし(C1−C6)アルキルまたは(C2−C6)アルケニルは、場合によっては、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシル、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルまたは(C2−C6)アルケニルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されており;
RII-4は、QII-1またはVII-1であり、
【0074】
QII-1は、完全に飽和した、または一部が不飽和の、または完全に不飽和の1〜6員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によってはVII-1で一置換されており;
VII-1は、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜2個のヘテロ原子を場合によっては含んでおり;
【0075】
このVII-1置換基は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換、または四置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、オキソによって一置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されており;
【0076】
RII-3がVIIを含むか、あるいはRII-4がVII-1を含むかのいずれかである必要があり;RII-5、RII-6、RII-7、RII-8は、それぞれ独立に、水素、結合、ニトロ、ハロのいずれかであり、この結合は、TII、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の(C1−C12)の直鎖状または分枝状の炭素鎖で置換されており、この炭素鎖の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個または2個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素は、場合によってはT IIで一置換されており;
【0077】
TIIは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜12員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものである、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環が2つ縮合した二環で、窒素、イオウ、酸素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり;
【0078】
このTII置換基は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されており;
ただし置換基RII-5、RII-6、RII-7、RII-8のうちの少なくとも1つは水素ではなく、オキシを通じてキノリン部分と結合してもいない。
【0079】
一般式(II)の化合物は、譲受人に譲渡された係属中のアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/391,273号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0080】
好ましい一実施態様では、CETP阻害剤は、一般式(II)で表わされる以下の化合物の中から1つを選択する。
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-メチル-7-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-7-クロロ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6-クロロ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2,6,7-トリメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6,7-ジエチル-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6-エチル-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-メチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
【0081】
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-メチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル。
【0082】
本発明において有用なCETP阻害剤の別のクラスは、以下の一般式(III):
【化3】
Figure 2004534811
で表わされる環付加された4-カルボキシアミノ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリンと、この化合物の薬理学的に許容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体である。ただしこの一般式(III)において、
RIII-1は、水素、YIII、WIII-XIII、WIII-YIIIのいずれかであり;
WIIIは、カルボニル、チオカルボニル、スルフィニル、スルホニルのいずれかであり;
XIIIは、-O-YIII、-S-YIII、-N(H)-YIII、-N-(YIII)2のいずれかであり;
YIIIは、出現するごとに独立に、ZIIIであるか、あるいは、完全に飽和した、または一部が不飽和の、または完全に不飽和の1〜10員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1個または2個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によっては、ZIII で一置換されており;
【0083】
ZIIIは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜12員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものである、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環が2つ縮合した二環で、窒素、イオウ、酸素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり;
【0084】
上記ZIII置換基は、場合によっては、ハロ、(C2−C6)アルケニル、(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、ハロ、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されており;
RIII-3は、水素またはQIIIであり;
【0085】
QIIIは、完全に飽和した、または一部が不飽和の、または完全に不飽和の1〜6員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によってはVIIIで一置換されており;
【0086】
IIIは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜12員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものである、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環が2つ縮合した二環で、窒素、イオウ、酸素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり;
【0087】
このVIII置換基は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルバモイル、モノ-N-(C1−C6)アルキルカルバモイル、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルカルバモイル、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換、または四置換されており、ただし(C1−C6)アルキルまたは(C2−C6)アルケニルは、場合によっては、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルまたは(C2−C6)アルケニルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されており;
RIII-4は、QIII-1またはVIII-1であり、
【0088】
QIII-1は、完全に飽和した、または一部が不飽和の、または完全に不飽和の1〜6員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によってはVIII-1で一置換されており;
【0089】
VIII-1は、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜2個のヘテロ原子を場合によっては含んでおり;
このVIII-1置換基は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換、または四置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、オキソによって一置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素を備えており;
RIII-3がVIIIを含むか、あるいはRIII-4がVIII-1を含むかのいずれかである必要があり;
【0090】
RIII-5とRIII-6、またはRIII-6とRIII-7、および/またはRIII-7とRIII-8は、合わさって、一部が飽和した、または完全に不飽和で、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜3個のヘテロ原子を有する4〜8員の環を少なくとも1つ形成しており;
RIII-5とRIII-6、またはRIII-6とRIII-7、および/またはRIII-7とRIII-8によって形成された上記の環は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C2−C6)アルケニル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素を備えており;
ただし、状況により、RIII-5、RIII-6、RIII-7、RIII-8のうちで少なくとも1つの環を形成しないものは、それぞれ独立に、水素、ハロ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)アルキルのいずれかであり、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素を備えている。
【0091】
一般式(III)の化合物は、譲受人に譲渡された係属中のアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/390,738号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0092】
好ましい一実施態様では、CETP阻害剤は、一般式(III)で表わされる以下の化合物の中から1つを選択する。
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-メチル-2,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-シクロペンタ[g]キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[6R, 8S] 8-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6-メチル-3,6,7,8-テトラヒドロ-1H-2-チア-5-アザ-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-カルボン酸エチルエステル;
[6R, 8S] 8-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6-メチル-3,6,7,8-テトラヒドロ-2H-フロ[2,3-g]キノリン-5-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-メチル-3,4,6,8-テトラヒドロ-2H-フロ[3,4-g]キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-メチル-3,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-2H-ベンゾ[g]キノリン-1-カルボン酸プロピルエステル;
[7R, 9S] 9-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-7-メチル-1,2,3,7,8,9-ヘキサヒドロ-6-アザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-6-カルボン酸エチルエステル;
[6S, 8R] 6-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-8-メチル-1,2,3,6,7,8-ヘキサヒドロ-9-アザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-9-カルボン酸エチルエステル。
【0093】
本発明において有用なCETP阻害剤の別のクラスは、以下の一般式(IV):
【化4】
Figure 2004534811
で表わされる4-カルボキシアミノ-2-置換された-1,2,3,4-テトラヒドロキノリンと、この化合物の薬理学的に許容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体である。ただしこの一般式(IV)において、
RIV-1は、水素、YIV、WIV-XIV、WIV-YIVのいずれかであり;
WIVは、カルボニル、チオカルボニル、スルフィニル、スルホニルのいずれかであり;
XIVは、-O-YIV、-S-YIV、-N(H)-YIV、-N-(YIV)2のいずれかであり;
YIVは、出現するごとに独立に、ZIVであるか、あるいは、完全に飽和した、または一部が不飽和の、または完全に不飽和の1〜10員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1個または2個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によってはZIVで一置換されており;
【0094】
ZIVは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜8員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものである、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環が2つ縮合した二環で、窒素、イオウ、酸素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり;
【0095】
上記ZIV置換基は、場合によっては、ハロ、(C2−C6)アルケニル、(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、ハロ、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されており;
【0096】
RIV-2は、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の1〜6員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個または2個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており;あるいはRIV-2は、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜7員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜2個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり、ただしこのRIV-2環は、場合によっては、(C1−C4)アルキルを通じて結合しており;
【0097】
このRIV-2環は、場合によっては、ハロ、(C2−C6)アルケニル、(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、ハロ、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、オキソ、 (C1−C6)アルキルオキシカルボニルによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており;
ただしRIV-2はメチルではなく;
RIV-3は、水素またはQIVであり;
【0098】
QIVは、完全に飽和した、または一部が不飽和の、または完全に不飽和の1〜6員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によってはVIVで一置換されており;
【0099】
VIVは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜8員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものである、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環が2つ縮合した二環で、窒素、イオウ、酸素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり;
【0100】
このVIV置換基は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルバモイル、モノ-N-(C1−C6)アルキルカルバモイル、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルカルバモイル、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換、または四置換されており、ただし(C1−C6)アルキルまたは(C2−C6)アルケニルは、場合によっては、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルまたは(C2−C6)アルケニルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されており;
RIV-4は、QIV-1またはVIV-1であり;
【0101】
QIV-1は、完全に飽和した、または一部が不飽和の、または完全に不飽和の1〜6員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によってはVIV-1で一置換されており;
【0102】
VIV-1は、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜2個のヘテロ原子を場合によっては含んでおり;
このVIV-1置換基は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換、または四置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、オキソによって一置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されており;
【0103】
RIV-3がVIVを含むか、あるいはRIV-4がVIV-1を含むかのいずれかである必要があり;RIV-5、RIV-6、RIV-7、RIV-8は、それぞれ独立に、水素、結合、ニトロ、ハロのいずれかであり、この結合は、TIV、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の(C1−C12)の直鎖状または分枝状の炭素鎖で置換されており、この炭素鎖の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個または2個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素は、場合によってはT IVで一置換されており;
【0104】
TIVは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜8員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものである、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環が2つ縮合した二環で、窒素、イオウ、酸素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり;
このTIV置換基は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されており;
【0105】
RIV-5とRIV-6、またはRIV-6とRIV-7、および/またはRIV-7とRIV-8は、合わさって、一部が飽和した、または完全に不飽和で、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜3個のヘテロ原子を有する4〜8員の環を少なくとも1つ形成することができ;
RIV-5とRIV-6、またはRIV-6とRIV-7、および/またはRIV-7とRIV-8によって形成された上記の環は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C2−C6)アルケニル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素で置換されており;
ただしRIV-2がカルボキシルまたは(C1−C4)アルキルカルボキシルである場合には、RIV-1は水素ではない。
【0106】
一般式(IV)の化合物は、譲受人に譲渡された係属中のアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/391,152号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0107】
好ましい一実施態様では、CETP阻害剤は、一般式(IV)で表わされる以下の化合物の中から1つを選択する。
[2S, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-イソプロピル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
[2S, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6-クロロ-2-シクロプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
[2S, 4S] 2-シクロプロピル-4-[(3,5-ジクロロ-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
[2S, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-シクロプロピル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸t-ブチルエステル;
[2R, 4R] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-シクロプロピル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
[2S, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-シクロプロピル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
[2S, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-シクロブチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
[2S, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-メトキシメチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸2-ヒドロキシ-エチルエステル;
[2S, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-シクロプロピル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2S, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-シクロプロピル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸プロピルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸プロピルエステル。
【0108】
本発明において有用なCETP阻害剤の別のクラスは、以下の一般式(V):
【化5】
Figure 2004534811
で表わされる4-アミノ置換された-2-置換された-1,2,3,4-テトラヒドロキノリンと、この化合物の薬理学的に許容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体である。ただしこの一般式(V)において、
RV-1は、水素、YV、WV-XV、WV-YVのいずれかであり;
WVは、カルボニル、チオカルボニル、スルフィニル、スルホニルのいずれかであり;
XVは、-O-YV、-S-YV、-N(H)-YV、-N-(YV)2のいずれかであり;
YVは、出現するごとに独立に、ZVであるか、あるいは、完全に飽和した、または一部が不飽和の、または完全に不飽和の1〜10員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1個または2個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によっては、ZVで一置換されており;
【0109】
ZVは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜8員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものである、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環が2つ縮合した二環で、窒素、イオウ、酸素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり;
上記ZV置換基は、場合によっては、ハロ、(C2−C6)アルケニル、(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、ハロ、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されており;
【0110】
RV-2は、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の1〜6員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個または2個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によっては、オキソで一置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており;あるいはRV-2は、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜7員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜2個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり、ただしこのRV-2環は、場合によっては、(C1−C4)アルキルを通じて結合しており;
【0111】
このRV-2環は、場合によっては、ハロ、(C2−C6)アルケニル、(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、ハロ、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、オキソ、 (C1−C6)アルキルオキシカルボニルによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており;
RV-3は、水素またはQVであり;
【0112】
QVは、完全に飽和した、または一部が不飽和の、または完全に不飽和の1〜6員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の結合炭素以外の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によってはVVで一置換されており;
【0113】
VVは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜8員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものである、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環が2つ縮合した二環で、窒素、イオウ、酸素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり;
【0114】
このVV置換基は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルバモイル、モノ-N-(C1−C6)アルキルカルバモイル、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルカルバモイル、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換、または四置換されており、ただし(C1−C6)アルキルまたは(C2−C6)アルケニルは、場合によっては、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルまたは(C2−C6)アルケニルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されており;
RV-4は、シアノ、ホルミル、W V-1QV-1、W V-1VV-1、(C1−C4)アルキレンVV-1、VV-2のいずれかであり;
【0115】
W V-1は、カルボニル、チオカルボニル、SO、SO2のいずれかであり、
QV-1は、完全に飽和した、または一部が不飽和の、または完全に不飽和の1〜6員の直鎖状または分枝状の炭素鎖であり、この炭素鎖中の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素鎖は、場合によってはVV-1で一置換されており;
【0116】
VV-1は、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜2個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものである、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環が2つ縮合した二環で、窒素、イオウ、酸素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり;
このVV-1置換基は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換、または四置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、オキソによって一置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素によっても置換されており;
【0117】
VV-2は、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の5〜7員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでおり;
このVV-2置換基は、場合によっては、ハロ、(C1−C2)アルキル、(C1−C2)アルコキシ、ヒドロキシ、オキソによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、ただし(C1−C2)アルキルは、場合によっては、1〜5個のフッ素を備えており;
【0118】
RV-4は、C4窒素に直接結合したオキシカルボニルは含んでおらず;
R V-3がVVを含むか、あるいはRV-4がVV-1を含むかのいずれかである必要があり;
RV-5、RV-6、RV-7、RV-8は、それぞれ独立に、水素、結合、ニトロ、ハロのいずれかであり、この結合は、TV、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の(C1−C12)の直鎖状または分枝状の炭素鎖で置換されており、この炭素鎖の炭素は、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から選択した1個または2個のヘテロ原子で置換されていてもよく、上記炭素は、場合によっては、独立に、ハロで一置換、または二置換、または三置換されており、上記炭素は、場合によってはヒドロキシで一置換されており、上記炭素は、場合によってはオキソで一置換されており、上記イオウは、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記窒素は、場合によってはオキソで一置換または二置換されており、上記炭素は、場合によってはT Vで一置換されており;
TVは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜12員の環で、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものである、あるいは、一部が飽和した、または完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜6員の環が2つ縮合した二環で、窒素、イオウ、酸素の中から独立に選択した1〜4個のヘテロ原子を場合によっては含んでいるものであり;
【0119】
このTV置換基は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素も備えており;
【0120】
RV-5とRV-6、またはRV-6とRV-7、および/またはRV-7とRV-8は、合わさって、一部が飽和した、または完全に不飽和で、場合によっては、酸素、イオウ、窒素の中から独立に選択した1〜3個のヘテロ原子を有する4〜8員の少なくとも1つの環を形成することもでき;
RV-5とRV-6、またはRV-6とRV-7、および/またはRV-7とRV-8によって形成された上記の環は、場合によっては、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C2−C6)アルケニル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、ただし(C1−C6)アルキルは、場合によっては、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-(C1−C6)アルキルアミノ、ジ-N,N-(C1−C6)アルキルアミノによって独立に一置換、または二置換、または三置換されており、この(C1−C6)アルキルは、場合によっては、1〜9個のフッ素も備えている。
【0121】
一般式(V)の化合物は、譲受人に譲渡された係属中のアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第09/391,313号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0122】
好ましい一実施態様では、CETP阻害剤は、一般式(V)で表わされる以下の化合物の中から1つを選択する。
[2S, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-ホルミル-アミノ]-2-シクロプロピル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
[2S, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-ホルミル-アミノ]-2-シクロプロピル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸プロピルエステル;
[2S, 4S] 4-[アセチル-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-アミノ]-2-シクロプロピル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸t-ブチルエステル;
[2R, 4S] 4-[アセチル-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
[2R, 4S] 4-[アセチル-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-アミノ]-2-メチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2S, 4S] 4-[1-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-ウレイド]-2-シクロプロピル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
【0123】
[2R, 4S] 4-[アセチル-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2S, 4S] 4-[アセチル-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-アミノ]-2-メトキシメチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
[2S, 4S] 4-[アセチル-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-アミノ]-2-シクロプロピル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸プロピルエステル;
[2S, 4S] 4-[アセチル-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-アミノ]-2-シクロプロピル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-ホルミル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-ホルミル-アミノ]-2-メチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
【0124】
[2S, 4S] 4-[アセチル-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-アミノ]-2-シクロプロピル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-ホルミル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2S, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-ホルミル-アミノ]-2-シクロプロピル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル;
[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-ホルミル-アミノ]-2-メチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル;
[2S, 4S] 4-[アセチル-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-アミノ]-2-メチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル。
【0125】
本発明において有用なCETP阻害剤の別のクラスは、以下の一般式(VI):
【化6】
Figure 2004534811
で表わされるシクロアルカノ-ピリジンと、この化合物の薬理学的に許容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、N酸化物であるが、5(6H)-キノロン、3-ベンゾイル-7,8-ジヒドロ-2,7,7-トリメチル-4-フェニルは除く。ただしこの一般式(VI)において、
AVIは、6〜10個の炭素原子を含むアリールを表わし、このアリールは、場合によっては、5個までの同じ置換基または異なる置換基で置換されており、その置換基は、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシの形態、あるいは、直鎖状または分枝状で7個までの炭素原子を含むアルキル、アシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシの形態、あるいは、一般式-NRVI-3RVI-4で表わされる基の形態であり;
ただしRVI-3とRVI-4は、同じでも異なっていてもよく、水素、フェニル、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルのいずれかを表わし、
DVIは、6〜10個の炭素原子を含むアリールを表わし、このアリールは、場合によっては、フェニル、ニトロ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシのいずれか、あるいは一般式RVI-5-LVI-、
【化7】
Figure 2004534811
RVI-9-TVI-VVI-XVIのいずれかで表わされる基で置換されており、ただし
RVI-5、RVI-6、RVI-9は、互いに独立に、3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキル、あるいは、6〜10個の炭素原子を含むアリール、あるいは、5〜7員で、S、N、Oの中から選択した4個までのヘテロ原子を含み、場合によっては、ベンゾ縮合した、または飽和した、または不飽和の、単環式、二環式、三環式になった複素環を表わし、この環は、窒素を含む環である場合には、やはりN基を通じて、場合によっては5個までの同じまたは異なる置換基で置換されており、その置換基は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシル、トリフルオロメトキシの形態、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアシル、アルキル、アルキルチオ、アルキルアルコキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニルの形態、6〜10個の炭素原子を含むアリール、トリフルオロメチル置換されたアリールの形態、S、N、Oの中から選択した3個までのヘテロ原子を含み、場合によってはベンゾ縮合された5〜7員の芳香族複素環の形態、一般式-ORVI-10、-SRVI-11、-SO2RVI-12、-NRVI-13RVI-14で表わされる基の形態のいずれかであり、ただし、
RVI-10、RVI-11、RVI-12は、互いに独立に、6〜10個の炭素原子を含むアリールを表わし、このアリールは、2個までの同じまたは異なる置換基で置換されており、その置換基は、フェニル、ハロゲン、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルのいずれかの形態であり、
【0126】
RVI-13とRVI-14は、同じでも異なっていてもよく、上記のRVI-3およびRVI-4と同じものであり、あるいは
RVI-5および/またはRVI-6は、以下の一般式:
【化8】
Figure 2004534811
で表わされる基を表わし、
RVI-7は、水素またはハロゲンを表わし、
RVI-8は、水素、ハロゲン、アジド、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、トリフルオロメトキシ、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルコキシまたはアルキル、一般式:
-NRVI-15RVI-16
(ただしRVI-15とRVI-16は、同じでも異なっていてもよく、上記のRVI-3およびRVI-4と同じものを表わす)で表わされる基のいずれかを表わし、あるいは
RVI-7とRVI-8は、合わさって、=Oまたは=NRVI-17で表わされる基を形成し(ただしRVI-17は、水素、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキル、アルコキシ、アシルのいずれかを表わす)、
LVIは、直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキレンまたはアルケニレンであり、場合によっては、2個までのヒドロキシル基で置換されており、
TVIとXVIは、同じでも異なっていてもよく、直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキレンを表わし、あるいは
TVIまたはXVIは、結合を表わし、
【0127】
VVIは、酸素、イオウ、-NRVI-18(ただしRVI-18は、水素、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキル、フェニルのいずれかを表わす)のいずれかを表わし、
EVIは、3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキル、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキルを表わし、このアルキルは、場合によっては、3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキル、ヒドロキシル、フェニルのいずれかで置換されており、このフェニルは、場合によっては、ハロゲンまたはトリフルオロメチルで置換されており、
RVI-1とRVI-2は、合わさって、直鎖状または分枝状で7個までの炭素原子を含むアルキレンを形成し、このアルキレンは、カルボニル基および/または以下の一般式:
【化9】
Figure 2004534811
で表わされる基で置換されている必要があり、
ただしaとbは、同じでも異なっていてもよく、1、2、3のいずれかに等しい数を表わし、
【0128】
RVI-19は、水素原子、あるいは炭素原子を3〜7個含むシクロアルキル、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むシリルアルキル、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキル(このアルキルは、場合によっては、ヒドロキシル、あるいは直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルコキシ、あるいはフェニル(このフェニルは、場合によっては、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニルのいずれかで置換されていてもよい)、あるいはテトラゾール置換されたフェニルで置換されている)、あるいは、場合によっては一般式-ORVI-22(ただしRVI-22は、直鎖状または分枝状で4個までの炭素原子を含むアシル、またはベンジルを表わす)で表わされる基で置換されたアルキルを表わし、あるいは
RVI-19は、直鎖状または分枝状で20個までの炭素原子を含むアシル、あるいはベンゾイル(このベンゾイルは、場合によっては、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシのいずれかで置換されている)、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むフルオロアシルを表わし、
【0129】
RVI-20とRVI-21は、同じでも異なっていてもよく、水素、フェニル、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルのいずれかを表わし、あるいは
RVI-20とRVI-21は、合わさって3〜6員の炭素環を形成し、形成されたこの炭素環は、場合によっては、同じまたは異なる6個までの置換基で置換されるとともに、場合によっては、ジェミナルにもなっており、その置換基は、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ニトリル、ハロゲン、カルボキシル、ニトロ、アジド、シアノ、3〜7個の炭素原子を含むシクロアルキル、3〜7個の炭素原子を含むシクロアルキルオキシの形態、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルコキシカルボニル、アルコキシ、アルキルチオの形態、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルの形態であり、このアルキルはさらに、同じまたは異なる2個までの置換基で置換されており、その置換基は、ヒドロキシル、ベンジルオキシ、トリフルオロメチル、ベンゾイルの形態、直鎖状または分枝状で4個までの炭素原子を含むアルコキシ、オキシアシル、カルボキシルの形態、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシで置換することのできるフェニルの形態のいずれかであり、および/または形成された炭素環は、場合によっては、同じまたは異なる5個までの置換基で置換されるとともに、場合によっては、ジェミナルにもなっており、その置換基は、フェニル、ベンゾイル、チオフェニル、スルホニルベンジルのいずれかの形態(これらの置換基は、さらに、場合によっては、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロのいずれかで置換されている)、および/または以下の一般式:
【化10】
Figure 2004534811
で表わされる基の形態であり、ただし
【0130】
cは、1、2、3、4のいずれかに等しい数であり、
dは、0または1に等しい数であり、
RVI-23とRVI-24は、同じでも異なっていてもよく、水素、3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキル、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキル、ベンジル、フェニル(このフェニルは、場合によっては、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、フェニル、ニトロのいずれかの形態になった同じまたは異なる2個までの置換基で置換されている)のいずれかを表わし、および/または形成された炭素環は、場合によっては、以下の一般式:
【化11】
Figure 2004534811
で表わされるスピロ結合した基で置換されており、ただし
WVIは、酸素原子またはイオウ原子を表わし、
【0131】
YVIとY’VIは、合わさって、2〜6員の直鎖状または分枝状のアルキレンを形成し、
eは、1、2、3、4、5、6、7のいずれかに等しい数であり、
fは、1または2に等しい数であり、
RVI-25、RVI-26、RVI-27、RVI-28、RVI-29、RVI-30、RVI-31は、同じでも異なっていてもよく、水素、トリフルオロメチル、フェニル、ハロゲン、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルまたはアルコキシを表わし、あるいは
RVI-25とRVI-26、またはRVI-27とRVI-28は、それぞれ合わさって、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルを表わし、あるいは
RVI-25とRVI-26、またはRVI-27とRVI-28は、それぞれ合わさって、以下の一般式:
【化12】
Figure 2004534811
で表わされる基を形成し、ただし
【0132】
WVIは、上記のものと同じであり、
gは、1、2、3、4、5、6、7のいずれかに等しい数であり、
RVI-32とRVI-33は、合わさって、3〜7員の複素環を形成し、この複素環は、酸素原子、イオウ原子、SO、SO2、一般式-NRVI-34で表わされる基のいずれかを含んでおり、ただし
RVI-34は、水素原子、フェニル、ベンジル、直鎖状または分枝状で4個までの炭素原子を含むアルキルを表わす。
【0133】
一般式(VI)の化合物は、ヨーロッパ特許出願第818448 A1号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0134】
好ましい一実施態様では、CETP阻害剤は、一般式(VI)で表わされる以下の化合物の中から1つを選択する。
2-シクロペンチル-4-(4-フルオロフェニル)-7,7-ジメチル-3-(4-トリフルオロメチルベンゾイル)-4,6,7,8-テトラヒドロ-1H-キノリン-5-オン;
2-シクロペンチル-4-(4-フルオロフェニル)-7,7-ジメチル-3-(4-トリフルオロメチルベンゾイル)-7,8-ジヒドロ-6H-キノリン-5-オン;
[2-シクロペンチル-4-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-7,7-ジメチル-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-3-イル]-(4-トリフルオロメチルフェニル)-メタノン;
[5-(t-ブチルジメチルシラニルオキシ)-2-シクロペンチル-4-(4-フルオロフェニル)-7,7-ジメチル-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-3-イル]-(4-トリフルオロメチルフェニル)-メタノン;
[5-(t-ブチルジメチルシラニルオキシ)-2-シクロペンチル-4-(4-フルオロフェニル)-7,7-ジメチル-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-3-イル]-(4-トリフルオロメチルフェニル)-メタノール;
5-(t-ブチルジメチルシラニルオキシ)-2-シクロペンチル-4-(4-フルオロフェニル)-3-[フルオロ-(4-トリフルオロメチルフェニル)-メチル]-7,7-ジメチル-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン;
2-シクロペンチル-4-(4-フルオロフェニル)-3-[フルオロ-(4-トリフルオロメチルフェニル)-メチル]-7,7-ジメチル-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-5-オール。
【0135】
本発明において有用なCETP阻害剤の別のクラスは、以下の一般式(VII):
【化13】
Figure 2004534811
で表わされる置換されたピリジンと、この化合物の薬理学的に許容可能な塩ならびに互変異性体である。ただしこの一般式(VII)において、
RVII-2とRVII-6の選択は、互いに独立に、水素、ヒドロキシ、アルキル、フッ素化アルキル、フッ素化アラルキル、塩素フッ素化アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルからなるグループの中からなされ;ただしRVII-2とRVII-6の少なくとも一方は、フッ素化アルキル、塩素フッ素化アルキル、アルコキシアルキルのいずれかであり;
RVII-3の選択は、ヒドロキシ、アミド、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヒドロキシメチル、-CHO、-CO2RVII-7からなるグループの中からなされ(ただしRVII-7の選択は、水素、アルキル、シアノアルキル、
【化14】
Figure 2004534811
からなるグループの中からなされ、
RVII-15aの選択は、ヒドロキシ、水素、ハロゲン、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシからなるグループの中からなされ、
【0136】
RVII-16aの選択は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールアルコキシ、トリアルキルシリルオキシからなるグループの中からなされる);
RVII-4の選択は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキルアルケニル、シクロアルケニルアルケニル、アラルケニル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロシクリルアルケニル、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルカノイルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、アリーロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、ヘテロシクリロイルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケノキシカルボニル、アルキノキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロシクリルオキシカルボニル、チオ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、シクロアルキルチオ、シクロアルケニルチオ、アルキルチオアルキル、アルケニルチオアルキル、アルキニルチオアルキル、アリールチオアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、ヘテロシクリルチオアルキル、アルキルチオアルケニル、アルケニルチオアルケニル、アルキニルチオアルケニル、アリールチオアルケニル、ヘテロアリールチオアルケニル、ヘテロシクリルチオアルケニル、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロシクリルアミノ、アリールジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノ、トリアルキルシリル、トリアルケニルシリル、トリアリールシリル、-CO(O)N(RVII-8aRVII-8b)(ただしRVII-8aとRVII-8bの選択は、互いに独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、-SO2RVII-9(ただしRVII-9の選択は、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、-OP(O)(ORVII-10a)(ORVII-10b)(ただしRVII-10aとRVII-10bの選択は、互いに独立に、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、-OP(S)(ORVII-11a)(ORVII-11b)(ただしRVII-11aとRVII-11bの選択は、互いに独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)からなるグループの中からなされ;
【0137】
RVII-5の選択は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルケニルカルボニルオキシアルキル、アルキニルカルボニルオキシアルキル、アリールカルボニルオキシアルキル、ヘテロアリールカルボニルオキシアルキル、ヘテロシクリルカルボニルオキシアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキルアルケニル、シクロアルケニルアルケニル、アラルケニル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロシクリルアルケニル、アルキルチオアルキル、シクロアルキルチオアルキル、アルケニルチオアルキル、アルキニルチオアルキル、アリールチオアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、ヘテロシクリルチオアルキル、アルキルチオアルケニル、アルケニルチオアルケニル、アルキニルチオアルケニル、アリールチオアルケニル、ヘテロアリールチオアルケニル、ヘテロシクリルチオアルケニル、アルコキシアルキル、アルケノキシアルキル、アルキノキシアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、ヘテロシクリルオキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルケノキシアルケニル、アルキノキシアルケニル、アリールオキシアルケニル、ヘテロアリールオキシアルケニル、ヘテロシクリルオキシアルケニル、シアノ、ヒドロキシメチル、-CO2RVII-14(ただしRVII-14の選択は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、
【化15】
Figure 2004534811
(ただしRVII-15bの選択は、ヒドロキシ、水素、ハロゲン、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アロイルオキシ、アルキルスルホニルオキシからなるグループの中からなされ、
【0138】
RVII-16bの選択は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールアルコキシ、トリアルキルシリルオキシからなるグループの中からなされる)、
【化16】
Figure 2004534811
(ただしRVII-17とRVII-18の選択は、互いに独立に、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、
【化17】
Figure 2004534811
(ただしRVII-19の選択は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-SRVII-20、-ORVII-21、-RVII-22CO2RVII-23からなるグループの中からなされ、
RVII-20の選択は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノアルキル、アミノアルケニル、アミノアルキニル、アミノアリール、アミノヘテロアリール、アミノヘテロシクリル、アルキルヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノからなるグループの中からなされ、
RVII-21の選択は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされ、
【0139】
RVII-22の選択は、アルキレン、アリーレンからなるグループの中からなされ、
RVII-23の選択は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、
【化18】
Figure 2004534811
(ただしRVII-24の選択は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、アラルケニル、アラルキニルからなるグループの中からなされる)、
【化19】
Figure 2004534811
(ただしRVII-25は、ヘテロシクリルイデニルである)、
【化20】
Figure 2004534811
(ただしRVII-26とRVII-27の選択は、互いに独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、
【化21】
Figure 2004534811
(ただしRVII-28とRVII-29の選択は、互いに独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、
【化22】
Figure 2004534811
(ただしRVII-30とRVII-31の選択は、互いに独立に、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシからなるグループの中からなされる)、
【化23】
Figure 2004534811
(ただしRVII-32とRVII-33の選択は、互いに独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、
【0140】
【化24】
Figure 2004534811
(ただしRVII-36の選択は、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、
【化25】
Figure 2004534811
(ただしRVII-37とRVII-38の選択は、互いに独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、
【化26】
Figure 2004534811
(ただしRVII-39の選択は、水素、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオからなるグループの中からなされ、
【0141】
RVII-40の選択は、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアリール、ハロヘテロアリール、ハロヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルケノキシ、ヘテロシクリルアルキノキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオからなるグループの中からなされる)、
-N=RVII-41
(ただしRVII-41は、ヘテロシクリルイデニルである)、
【化27】
Figure 2004534811
(ただしRVII-42の選択は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされ、
RVII-43の選択は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアリール、ハロヘテロアリール、ハロヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、
【化28】
Figure 2004534811
(ただしRVII-44の選択は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、
【0142】
【化29】
Figure 2004534811
(ただしRVII-45の選択は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアリール、ハロヘテロアリール、ハロヘテロシクリル、ヘテロシクリル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキルアルケニル、シクロアルケニルアルケニル、アラルケニル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロシクリルアルケニル、アルキルチオアルキル、アルケニルチオアルキル、アルキニルチオアルキル、アリールチオアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、ヘテロシクリルチオアルキル、アルキルチオアルケニル、アルケニルチオアルケニル、アルキニルチオアルケニル、アリールチオアルケニル、ヘテロアリールチオアルケニル、ヘテロシクリルチオアルケニル、アミノカルボニルアルキル、アミノカルボニルアルケニル、アミノカルボニルアルキニル、アミノカルボニルアリール、アミノカルボニルヘテロアリール、アミノカルボニルヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、
-SRVII-46と-CH2RVII-47
(ただしRVII-46の選択は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされ、
【0143】
RVII-47は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、
【化30】
Figure 2004534811
(ただしRVII-48の選択は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされ、
RVII-49は、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアリール、ハロヘテロアリール、ハロヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、
【化31】
Figure 2004534811
(ただしRVII-50の選択は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシからなるグループの中からなされる)、
【化32】
Figure 2004534811
(ただしRVII-51の選択は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアリール、ハロヘテロアリール、ハロヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)、
【化33】
Figure 2004534811
(ただしRVII-53の選択は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルからなるグループの中からなされる)からなるグループの中からなされ;
ただしRVII-5が、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニルからなるグループの中から選択される場合には、対応するヘテロシクリルアルキルまたはヘテロシクリルアルケニルのヘテロシクリルは、δ-ラクトン以外であり;
ただしRVII-4が、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルのいずれかであり、RVII-2とRVII-6の一方がトリフルオロメチルである場合には、RVII-2とRVII-6の他方がジフルオロメチルである。
【0144】
一般式(VII)の化合物はWO 99/41237 A1号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0145】
好ましい一実施態様では、一般式(VII)のCETP阻害剤は、ジメチル 5,5-ジチオビス[2-ジフルオロメチル-4-(2-メチルプロピル)-6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジン-カルボキシレート]である。
【0146】
本発明において有用なCETP阻害剤の別のクラスは、以下の一般式(VIII):
【化34】
Figure 2004534811
で表わされる置換されたビフェニルと、この化合物の薬理学的に許容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体である。ただしこの一般式(VIII)において、
AVIIIは、6〜10個の炭素原子を有するアリールであり、場合によっては、同じ置換基または異なる置換基によって3回まで置換されており、その置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、あるいは炭素原子を7個まで含む直鎖状または分枝状のアルキル、アシル、アルコキシ、あるいは以下の一般式:
-NRVIII-1RVIII-2
で表わされる基であり(ただし
RVIII-1とRVIII-2は、同じでも異なっていてもよく、水素、フェニル、炭素原子を6個まで含む直鎖状または分枝状のアルキルのいずれかを表わす)、
DVIIIは、炭素原子を8個まで含み、ヒドロキシで置換されている直鎖状または分枝状のアルキルを表わし、
EVIIIとLVIIIは、同じでも異なっていてもよく、炭素原子を8個まで含む直鎖状または分枝状のアルキル(このアルキルは、場合によっては、3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキルで置換されている)、または3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキルを表わし、あるいは
EVIIIは、上に定義したのと同じものであり、かつ
LVIIIは、この場合には、6〜10個の炭素原子を含むアリールを表わし、このアリールは、場合によっては、同じ置換基または異なる置換基によって3回まで置換されており、その置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、あるいは炭素原子を7個まで含む直鎖状または分枝状のアルキル、アシル、アルコキシ、あるいは以下の一般式:
-NRVIII-3RVIII-4
で表わされる基であり(ただし
RVIII-3とRVIII-4は、同じでも異なっていてもよく、RVIII-1とRVIII-2に関して定義したものと同じである)、あるいは
EVIIIは、炭素原子を8個まで含む直鎖状または分枝状のアルキル、あるいは6〜10個の炭素原子を含むアリールを表わし、このアリールは、場合によっては、同じ置換基または異なる置換基によって3回まで置換されており、その置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、あるいは炭素原子を7個まで含む直鎖状または分枝状のアルキル、アシル、アルコキシ、あるいは以下の一般式:
-NRVIII-5RVIII-6
で表わされる基のいずれかであり(ただし
RVIII-5とRVIII-6は、同じでも異なっていてもよく、RVIII-1とRVIII-2に関して定義したものと同じである)、かつ
【0147】
LVIIIは、この場合には、炭素原子を8個まで含む直鎖状または分枝状のアルコキシ、あるいは3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキルオキシを表わし、
TVIIIは、以下の一般式:
【化35】
Figure 2004534811
で表わされる基を表わす(ただし
RVIII-7とRVIII-8は、同じでも異なっていてもよく、3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキル、あるいは6〜10個の炭素原子を含むアリール、あるいは5〜7員で、S、N、Oの中から選択した3個までのヘテロ原子を含み、場合によってはベンゾ縮合した芳香族複素環式化合物を表わし、この複素環は、場合によっては、同じ置換基または異なる置換基によって3回まで置換されており、その置換基は、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシル、あるいは炭素原子を6個まで含む直鎖状または分枝状のアルキル、アシル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、あるいはハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシのいずれかで置換することのできるフェニル、フェノキシ、チオフェニルであり、および/またはこの複素環は、以下の一般式:
-NRVIII-11RVIII-12
で表わされる基で置換されており(ただし
【0148】
RVIII-11とRVIII-12は、同じでも異なっていてもよく、RVIII-1とRVIII-2に関して定義したものと同じである)、
XVIIIは、炭素原子を2〜10個含み、場合によっては2回までヒドロキシで置換された直鎖状または分枝状のアルキルまたはアルケニルであり、
RVIII-9は、水素を表わし、かつ
RVIII-10は、水素、ハロゲン、アジド、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メルカプト、トリフルオロメトキシ、炭素原子を5個まで含む直鎖状または分枝状のアルコキシ、以下の一般式:
-NRVIII-13RVIII-14
で表わされる基(ただし
RVIII-13とRVIII-14は、同じでも異なっていてもよく、RVIII-1とRVIII-2に関して定義したものと同じである)のいずれかを表わし、あるいは
RVIII-9とRVIII-10は、炭素原子とでカルボニル基を形成する)。
【0149】
一般式(VIII)の化合物はWO 98/04528号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0150】
本発明において有用なCETP阻害剤の別のクラスは、以下の一般式(IX):
【化36】
Figure 2004534811
で表わされる置換された1,2,4-トリアゾールと、この化合物の薬理学的に許容可能な塩、互変異性体である。ただしこの一般式(IX)において、
RIX-1の選択は、高級アルキル、高級アルケニル、高級アルキニル、アリール、アラルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、シクロアルキルアルキルの中からなされ;
RIX-2の選択は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニルの中からなされ、
このRIX-2は、場合によっては、置換可能な位置が、1個以上の基で置換されており、その基の選択は、独立に、アルキル、ハロアルキル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルコキシ、ハロ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アリール、アラルキル、アミノスルホニル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノの中からなされ;
RIX-3の選択は、ヒドリド、-SH、ハロの中からなされ;
ただしRIX-2は、RIX-1が高級アルキルで、RIX-3が-SHのときにはフェニルまたは4-メチルフェニルになることはできない。
【0151】
一般式(IX)の化合物はWO 99/14204号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0152】
好ましい一実施態様では、CETP阻害剤は、一般式(IX)で表わされる以下の化合物の中から選択する。
2,4-ジヒドロ-4-(3-メトキシフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(2-フルオロフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(2-メチルフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(3-クロロフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(2-メトキシフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(3-メチルフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
4-シクロヘキシル-2,4-ジヒドロ-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(3-ピリジル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(2-エトキシフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(2,6-ジメチルフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(4-フェノキシフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
4-(1,3-ベンゾジオキソル-5-イル)-2,4-ジヒドロ-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
4-(2-クロロフェニル)-2,4-ジヒドロ-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
【0153】
2,4-ジヒドロ-4-(4-メトキシフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-5-トリデシル-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-5-トリデシル-4-(3-フルオロフェニル)-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
4-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-2,4-ジヒドロ-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(2-メチルチオフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
4-(4-ベンジルオキシフェニル)-2,4-ジヒドロ-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(2-ナフチル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-5-トリデシル-4-(4-トリフルオロメチルフェニル)-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(1-ナフチル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(3-メチルチオフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(4-メチルチオフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
【0154】
2,4-ジヒドロ-4-(3,4-ジメトキシフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(2,5-ジメトキシフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(2-メトキシ-5-クロロフェニル)-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
4-(4-アミノスルホニルフェニル)-2,4-ジヒドロ-5-トリデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-5-ドデシル-4-(3-メトキシフェニル)-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(3-メトキシフェニル)-5-テトラデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-4-(3-メトキシフェニル)-5-ウンデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン;
2,4-ジヒドロ-(4-メトキシフェニル)-5-ペンタデシル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン。
【0155】
本発明において有用なCETP阻害剤の別のクラスは、以下の一般式(X):
【化37】
Figure 2004534811
で表わされるヘテロ-テトラヒドロキノリンと、この化合物の薬理学的に許容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、N-酸化物である。ただしこの一般式(X)において、
AXは、3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキル、あるいは5〜7員で、S、N、Oの中から選択した3個までのヘテロ原子を含み、飽和した、または一部が飽和した、または不飽和の、場合によってはベンゾ縮合した複素環を表わし、この複素環は、飽和した複素環である場合には、窒素基と(場合によっては架橋するような形で)結合しており、上記の芳香族系は、場合によっては、5個までの同じまたは異なる置換基で置換されており、その置換基は、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシの形態、直鎖状または分枝状で7個までの炭素原子を含むアルキル、アシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシの形態、一般式-NRX-3RX-4で表わされる基の形態のいずれかであり、ただし
【0156】
RX-3とRX-4は、同じでも異なっていてもよく、水素、フェニル、炭素原子を6個まで含む直鎖状または分枝状のアルキルのいずれかを表わし、
あるいはAXは、
【化38】
Figure 2004534811
で表わされる基を表わし、
DXは、6〜10個の炭素原子を含むアリールを表わし、このアリールは、場合によっては、フェニル、ニトロ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシのいずれかで置換されており、あるいはこのDXは、
【化39】
Figure 2004534811
で表わされる基を表わし、ただし
【0157】
RX-5、RX-6、RX-9は、互いに独立に、3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキル、6〜10個の炭素原子を含むアリール、あるいは、5〜7員で、S、N、Oの中から選択した4個までのヘテロ原子を含み、場合によっては、ベンゾ縮合した、または飽和した、または不飽和の、単環式、二環式、三環式になった複素環を表わし、この環は、窒素を含む環である場合には、やはりN基を通じて、場合によっては5個までの同じまたは異なる置換基で置換されており、その置換基は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、カルボニル、トリフルオロメトキシの形態、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアシル、アルキル、アルキルチオ、アルキルアルコキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニルの形態、6〜10個の炭素原子を含むアリール、トリフルオロメチル置換されたアリールの形態、S、N、Oの中から選択した3個までのヘテロ原子を含み、ベンゾ縮合された5〜7員の芳香族複素環の形態、一般式-ORX-10、-SRX-11、-SO2RX-12、-NRX-13RX-14で表わされる基の形態のいずれかであり、ただし、
RX-10、RX-11、RX-12は、互いに独立に、6〜10個の炭素原子を含むアリールを表わし、このアリールは、2個までの同じまたは異なる置換基で置換されており、その置換基は、フェニル、ハロゲン、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルのいずれかの形態であり、
【0158】
RX-13とRX-14は、同じでも異なっていてもよく、上記のRX-3およびRX-4と同じものであり、あるいは
RX-5および/またはRX-6は、
【化40】
Figure 2004534811
で表わされる基を表わし、
RX-7は、水素またはハロゲンを表わし、
RX-8は、水素、ハロゲン、アジド、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、あるいは直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルコキシ、アルキル、あるいは以下の一般式:
-NRX-15RX-16で表わされる基を表わし、ただし
RX-15とRX-16は、同じでも異なっていてもよく、上にRX-3とRX-4に関して定義したものと同じである)を表わし、あるいは
RX-7とRX-8は、合わさって、=Oまたは=N RX-17で表わされる基を形成し、ただし
RX-17は、水素、または直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキル、アルコキシ、アシルを表わし、
LXは、直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含み、場合によっては2個までのヒドロキシで置換されたアルキレン、アルケニレンを表わし、
TXとXXは、同じでも異なっていてもよく、直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキレンを表わし、あるいは
TXまたはXXは、結合を表わし、
VXは、酸素、イオウ、-NRX-18のいずれかを表わし、ただし
RX-18は、水素、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキル、フェニルのいずれかを表わし、
【0159】
EXは、3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキル、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキル(このアルキルは、場合によっては、3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキル、またはヒドロキシルで置換されている)、あるいはフェニル(このフェニルは、場合によっては、ハロゲンまたはトリフルオロメチルで置換されている)を表わし、
RX-1とRX-2は、合わさって、直鎖状または分枝状で7個までの炭素原子を含むアルキレンを形成し、このアルキレンは、カルボニル基および/または以下の一般式:
【化41】
Figure 2004534811
で表わされる基で置換されている必要があり、
【0160】
ただしaとbは、同じでも異なっていてもよく、1、2、3のいずれかに等しい数を表わし、
RX-19は、水素原子、あるいは炭素原子を3〜7個含むシクロアルキル、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むシリルアルキル、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキル(このアルキルは、場合によっては、ヒドロキシル、あるいは直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルコキシ、あるいはフェニル(このフェニルは、場合によっては、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニルのいずれかで置換されていてもよい)、あるいはテトラゾール置換されたフェニルで置換されている)、あるいは、場合によっては一般式-ORX-22(ただしRX-22は、直鎖状または分枝状で4個までの炭素原子を含むアシル、またはベンジルを表わす)で表わされる基で置換されたアルキルを表わし、あるいは
RX-19は、直鎖状または分枝状で20個までの炭素原子を含むアシル、あるいはベンゾイル(このベンゾイルは、場合によっては、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシのいずれかで置換されている)、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むフルオロアシルを表わし、
【0161】
RX-20とRX-21は、同じでも異なっていてもよく、水素、フェニル、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルのいずれかを表わし、あるいは
RX-20とRX-21は、合わさって3〜6員の炭素環を形成し、形成されたこの炭素環は、場合によっては、同じまたは異なる6個までの置換基で置換されるとともに、場合によっては、ジェミナルにもなっており、その置換基は、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ニトリル、ハロゲン、カルボキシル、ニトロ、アジド、シアノ、3〜7個の炭素原子を含むシクロアルキル、3〜7個の炭素原子を含むシクロアルキルオキシの形態、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルコキシカルボニル、アルコキシ、アルキルチオの形態、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルの形態であり、このアルキルはさらに、同じまたは異なる2個までの置換基で置換されており、その置換基は、ヒドロキシル、ベンジルオキシ、トリフルオロメチル、ベンゾイルの形態、直鎖状または分枝状で4個までの炭素原子を含むアルコキシ、オキシアシル、カルボキシルの形態、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシで置換することのできるフェニルの形態のいずれかであり、および/または形成された炭素環は、場合によっては、同じまたは異なる5個までの置換基で置換されるとともに、場合によっては、ジェミナルにもなっており、その置換基は、フェニル、ベンゾイル、チオフェニル、スルホニルベンジルのいずれかの形態(これらの置換基は、さらに、場合によっては、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロのいずれかで置換されている)、および/または以下の一般式:
【化42】
Figure 2004534811
で表わされる基の形態であり、ただし
cは、1、2、3、4のいずれかに等しい数であり、
dは、0または1に等しい数であり、
【0162】
RX-23とRX-24は、同じでも異なっていてもよく、水素、3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキル、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキル、ベンジル、フェニル(このフェニルは、場合によっては、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、フェニル、ニトロのいずれかの形態になった同じまたは異なる2個までの置換基で置換されている)のいずれかを表わし、および/または形成された炭素環は、場合によっては、以下の一般式:
【化43】
Figure 2004534811
で表わされるスピロ結合した基で置換されており、ただし
WXは、酸素原子またはイオウ原子を表わし、
YXとY’Xは、合わさって、2〜6員の直鎖状または分枝状のアルキレンを形成し、
eは、1、2、3、4、5、6、7のいずれかに等しい数であり、
fは、1または2に等しい数であり、
RX-25、RX-26、RX-27、RX-28、RX-29、RX-30、RX-31は、同じでも異なっていてもよく、水素、トリフルオロメチル、フェニル、ハロゲン、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルまたはアルコキシを表わし、あるいは
【0163】
RX-25とRX-26、またはRX-27とRX-28は、それぞれ合わさって、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルを表わし、あるいは
RX-25とRX-26、またはRX-27とRX-28は、それぞれ合わさって、以下の一般式:
【化44】
Figure 2004534811
で表わされる基を形成し、
ただしWXは、上記のものと同じであり、
gは、1、2、3、4、5、6、7のいずれかに等しい数であり、
RX-32とRX-33は、合わさって3〜7員の複素環を形成し、この複素環は、酸素原子、イオウ原子、SO、SO2、一般式-NRX-34で表わされる基のいずれかを含んでおり、ただし
RX-34は、水素、フェニル、ベンジル、直鎖状または分枝状で4個までの炭素原子を含むアルキルを表わす。
【0164】
一般式(X)の化合物はWO 99/14215号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0165】
好ましい一実施態様では、CETP阻害剤は、一般式(X)で表わされる以下の化合物の中から選択する。
2-シクロペンチル-5-ヒドロキシ-7,7-ジメチル-4-(3-チエニル)-3-(4-トリフルオロメチルベンキソイル)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン;
2-シクロペンチル-3-[フルオロ-(4-トリフルオロメチルフェニル)メチル]-5-ヒドロキシ-7,7-ジメチル-4-(3-チエニル)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン;
2-シクロペンチル-5-ヒドロキシ-7,7-ジメチル-4-(3-チエニル)-3-(トリフルオロメチルベンキシル)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン。
【0166】
本発明において有用なCETP阻害剤の別のクラスは、以下の一般式(XI):
【化45】
Figure 2004534811
で表わされる置換されたテトラヒドロナフタリンとその類似化合物、ならびにその立体異性体、立体異性体の混合物、塩である。ただしこの一般式(XI)において、
AXIは、3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキル、あるいは6〜10個の炭素原子を含むアリール、あるいは5〜7員で、S、N、Oの中から選択した4個までのヘテロ原子を含み、飽和した、または一部が不飽和の、または不飽和の、場合によってはベンゾ縮合した複素環を表わし、ただし上記のアリールと複素環は、5個までの同じまたは異なる置換基で置換されており、その置換基は、シアノ、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、あるいは直鎖状または分枝状で7個までの炭素原子を含むアルキル、アシル、ヒドロキシアルキル、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、オキシアルコキシカルボニル、アルコキシ、あるいは一般式:
-NRXI-3RXI-4
で表わされる基であり、ただし
RXI-3とRXI-4は、同じでも異なっていてもよく、水素、フェニル、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルのいずれかを表わし、
【0167】
DXIは、以下の一般式:
【化46】
Figure 2004534811
で表わされる基であり、ただし、
RXI-5、RXI-6、RXI-9は、互いに独立に、3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキル、あるいは、6〜10個の炭素原子を含むアリール、あるいは、5〜7員で、S、N、Oの中から選択した4個までのヘテロ原子を含み、飽和した、または不飽和の、場合によってはベンゾ縮合した単環式、二環式、三環式になった複素環を表わし、この環は、窒素を含む環である場合には、やはりN基を通じて、場合によっては5個までの同じまたは異なる置換基で置換されており、その置換基は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、トリフルオロメトキシの形態、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアシル、アルキル、アルキルチオ、アルキルアルコキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニルの形態、6〜10個の炭素原子を含むアリール、トリフルオロメチル置換されたアリールの形態、S、N、Oの中から選択した3個までのヘテロ原子を含み、場合によってはベンゾ縮合した5〜7員の芳香族複素環の形態、一般式-ORXI-10、-SRXI-11、-SO2RXI-12、-NRXI-13RXI-14で表わされる基の形態のいずれかであり、ただし
RXI-10、RXI-11、RXI-12は、互いに独立に、6〜10個の炭素原子を含むアリールを表わし、このアリールは、2個までの同じまたは異なる置換基で置換されており、その置換基は、フェニル、ハロゲン、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルのいずれかの形態であり、
【0168】
RXI-13とRXI-14は、同じでも異なっていてもよく、上記のRXI-3およびRXI-4と同じものであり、あるいは
RXI-5および/またはRXI-6は、以下の一般式:
【化47】
Figure 2004534811
で表わされる基を表わし、
RXI-7は、水素、ハロゲン、メチルのいずれかを表わし、
RXI-8は、水素、ハロゲン、アジド、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルコキシまたはアルキル、一般式:-NRXI-15RXI-16
(ただしRXI-15とRXI-16は、同じでも異なっていてもよく、上記のRXI-3およびRXI-4と同じものである)で表わされる基のいずれかを表わし、あるいは
RXI-7とRXI-8は、合わさって、一般式=Oまたは=NRXI-17で表わされる基を形成し(ただしRXI-17は、水素を表わすか、あるいは直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキル、アルコキシ、アシルのいずれかを表わす)、
【0169】
LXIは、直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキレン、アルケニレンであり、場合によっては、2個までのヒドロキシル基で置換されており、
TXIとXXIは、同じでも異なっていてもよく、直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキレンを表わし、あるいは
TXIとXXIは、結合を表わし、
VXIは、酸素原子、イオウ原子、-NRXI-18(ただしRXI-18は、水素、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキル、フェニルのいずれかを表わす)のいずれかを表わし、
EXIは、3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキル、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキルを表わし、このアルキルは、場合によっては、3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキル、ヒドロキシル、フェニルのいずれかで置換されており、このフェニルは、場合によっては、ハロゲンまたはトリフルオロメチルで置換されており、
RXI-1とRXI-2は、合わさって、直鎖状または分枝状で7個までの炭素原子を含むアルキレンを形成し、このアルキレンは、カルボニル基および/または以下の一般式:
【化48】
Figure 2004534811
で表わされる基で置換されている必要があり、
【0170】
ただしaとbは、同じでも異なっていてもよく、1、2、3のいずれかに等しい数を表わし、
RXI-19は、水素原子、あるいは炭素原子を3〜7個含むシクロアルキル、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むシリルアルキル、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキル(このアルキルは、場合によっては、ヒドロキシル、あるいは直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルコキシ、あるいはフェニル(このフェニルは、場合によっては、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニルのいずれかで置換されていてもよい)、あるいはテトラゾール置換されたフェニルで置換されている)、あるいは、場合によっては一般式-ORXI-22(ただしRXI-22は、直鎖状または分枝状で4個までの炭素原子を含むアシル、またはベンジルを表わす)で表わされる基で置換されたアルキルのいずれかを表わし、あるいは
RXI-19は、直鎖状または分枝状で20個までの炭素原子を含むアシル、あるいはベンゾイル(このベンゾイルは、場合によっては、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシのいずれかで置換されている)、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むフルオロアシルを表わし、
RXI-20とRXI-21は、同じでも異なっていてもよく、水素、フェニル、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルのいずれかを表わし、あるいは
【0171】
RXI-20とRXI-21は、合わさって3〜6員の炭素環を形成し、形成されたこの炭素環は、場合によっては、同じまたは異なる6個までの置換基で置換されるとともに、場合によっては、ジェミナルにもなっており、その置換基は、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ニトリル、ハロゲン、カルボキシル、ニトロ、アジド、シアノ、3〜7個の炭素原子を含むシクロアルキル、3〜7個の炭素原子を含むシクロアルキルオキシの形態、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルコキシカルボニル、アルコキシ、アルキルチオの形態、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルの形態であり、このアルキルはさらに、同じまたは異なる2個までの置換基で置換されており、その置換基は、ヒドロキシル、ベンジルオキシ、トリフルオロメチル、ベンゾイルの形態、直鎖状または分枝状で4個までの炭素原子を含むアルコキシ、オキシアシル、カルボキシルの形態、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシで置換することのできるフェニルの形態のいずれかであり、および/またはRXI-1とRXI-2によって形成されたアルキレンは、場合によっては同じまたは異なる5個までの置換基で置換されるとともに、ジェミナルにもなっており、その置換基は、フェニル、ベンゾイル、チオフェニル、スルホニルベンジルのいずれかの形態(これらの置換基は、さらに、場合によってはハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロのいずれかで置換されている)、および/またはRXI-1とRXI-2によって形成されたアルキレンは、以下の一般式:
【化49】
Figure 2004534811
で表わされる基で置換されており、ただし
cは、1、2、3、4のいずれかに等しい数であり、
dは、0または1に等しい数であり、
【0172】
RXI-23とRXI-24は、同じでも異なっていてもよく、水素、3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキル、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキル、ベンジル、フェニル(このフェニルは、場合によっては、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、フェニル、ニトロのいずれかの形態になった同じまたは異なる2個までの置換基で置換されている)のいずれかを表わし、および/またはRXI-1とRXI-2によって形成されたアルキレンは、場合によっては以下の一般式:
【化50】
Figure 2004534811
で表わされるスピロ結合した基で置換されており、ただし
WXIは、酸素原子またはイオウ原子を表わし、
YXIとY’XIは、合わさって、2〜6員の直鎖状または分枝状のアルキレンを形成し、
eは、1、2、3、4、5、6、7のいずれかに等しい数であり、
fは、1または2に等しい数であり、
RXI-25、RXI-26、RXI-27、RXI-28、RXI-29、RXI-30、RXI-31は、同じでも異なっていてもよく、水素、トリフルオロメチル、フェニル、ハロゲン、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルまたはアルコキシを表わし、あるいは
【0173】
RXI-25とRXI-26、またはRXI-27とRXI-28は、それぞれ合わさって、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルを表わし、あるいは
RXI-25とRXI-26、またはRXI-27とRXI-28は、それぞれ合わさって、以下の一般式:
【化51】
Figure 2004534811
で表わされる基を形成し、
ただしWXIは、上記のものと同じであり、
gは、1、2、3、4、5、6、7のいずれかに等しい数であり、
RXI-32とRXI-33は、合わさって3〜7員の複素環を形成し、この複素環は、酸素原子、イオウ原子、SO、SO2、一般式-NRXI-34で表わされる基のいずれかを含んでおり、
ただしRXI-34は、水素、フェニル、ベンジル、直鎖状または分枝状で4個までの炭素原子を含むアルキルを表わす。
【0174】
一般式(XI)の化合物はWO 99/14174号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0175】
本発明において有用なCETP阻害剤の別のクラスは、以下の一般式(XII):
【化52】
Figure 2004534811
で表わされる2-アリール-置換されたピリジンと、この化合物の薬理学的に許容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体である。ただしこの一般式(XII)において、
AXIIとE XIIは、同じでも異なっていてもよく、6〜10個の炭素原子を含むアリールを表わし、このアリールは、場合によっては5個までの同じ置換基または異なる置換基で置換されており、その置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロの形態、あるいは、直鎖状または分枝状で7個までの炭素原子を含むアルキル、アシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシの形態、あるいは、一般式-NRXII-1RXII-2で表わされる基の形態であり;ただし
RXII-1とRXII-2は、同じでも異なっていてもよく、水素、フェニル、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルのいずれかを表わし、
【0176】
DXIIは、直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキルであり、このアルキルはヒドロキシで置換されており、
LXIIは、3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキル、あるいは、直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキルであり、このアルキルは、場合によっては3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキル、またはヒドロキシで置換されており、
TXIIは、一般式RXII-3-XXII-、または
【化53】
Figure 2004534811
で表わされる基を表わし、ただし、
RXII-3とRXII-4は、同じでも異なっていてもよく、3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキル、あるいは、6〜10個の炭素原子を含むアリール、あるいは、5〜7員で、S、N、Oの中から選択した3個までのヘテロ原子を含み、場合によってはベンゾ縮合した芳香族複素環を表わし、この環は、場合によっては3個までの同じまたは異なる置換基で置換されており、その置換基は、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシル、ニトロの形態、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキル、アシル、アルコキシ、アルコキシカルボニルの形態、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシで置換することのできるフェニル、フェノキシ、フェニルチオの形態のいずれかであり、および/または上記環は、場合によっては一般式-NRXII-7RXII-8で表わされる基で置換されており、ただし
RXII-7とRXII-8は、同じでも異なっていてもよく、上記のRXII-1およびRXII-2と同じものであり、
XXIIは、直鎖状または分枝状で2〜10個の炭素原子を含むアルキル、アルケニルであり、場合によっては2個までのヒドロキシまたはハロゲンで置換されており、
RXII-5は、水素を表わし、
RXII-6は、水素、ハロゲン、メルカプト、アジド、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、直鎖状または分枝状で5個までの炭素原子を含むアルコキシ、一般式式-NRXII-9RXII-10で表わされる基のいずれかを意味し、ただし、
【0177】
RXII-9とRXII-10は、同じでも異なっていてもよく、上記のRXII-1およびRXII-2と同じものであり、あるいは、
RXII-9とRXII-10は、炭素原子と合わさって、カルボニル基を形成する。
【0178】
一般式(XII)の化合物はヨーロッパ特許出願第796846 A1号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0179】
好ましい一実施態様では、CETP阻害剤は、一般式(XII)で表わされる以下の化合物の中から選択する。
4,6-ビス(p-フルオロフェニル)-2-イソプロピル-3-[(p-トリフルオロメチルフェニル)-(フルオロ)-メチル]-5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン;
2,4-ビス-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-5-[4-(トリフルオロメチルフェニル)-フルオロメチル]-3-ヒドロキシメチル)ピリジン;
2,4-ビス-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-5-[2-(3-トリフルオロメチルフェニル)ビニル]-3-ヒドロキシメチル)ピリジン。
【0180】
本発明において有用なCETP阻害剤の別のクラスは、以下の一般式(XIII):
【化54】
Figure 2004534811
で表わされる化合物と、この化合物の薬理学的に許容可能な塩、鏡像異性体、立体異性体、水和物、溶媒和物である。ただしこの一般式(XIII)において、
RXIIIは、直鎖状または分枝状のC1-10アルキル;直鎖状または分枝状のC1-10アルケニル;ハロゲン化されたC1-4低級アルキル;置換されている可能性のあるC3-10シクロアルキル;置換されている可能性のあるC5-8シクロアルケニル;置換されている可能性のあるC3-10シクロアルキルC1-10アルキル;置換されている可能性のあるアリール;置換されている可能性のあるアラルキル;1〜3個の窒素、酸素、イオウを含み、置換されている可能性のある5員または6員の複素環であり、
【0181】
XXIII-1、X XIII-2、X XIII-3、X XIII-4は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素原子;ハロゲン原子;C1-4低級アルキル;ハロゲン化されたC1-4低級アルキル;C1-4低級アルコキシ;シアノ;ニトロ;アシル;アリールのいずれかであり;
YXIIIは、-CO-;または-SO2-であり;
ZXIIIは、水素原子;またはメルカプト保護基である。
【0182】
一般式(XIII)の化合物はWO 98/35937号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0183】
好ましい一実施態様では、CETP阻害剤は、一般式(XIII)で表わされる以下の化合物の中から選択する。
N,N'-(ジチオジ-2,1-フェニレン)ビス[2,2-ジメチル-プロパンアミド];
N,N'-(ジチオジ-2,1-フェニレン)ビス[1-メチル-シクロヘキサンカルボキサミド];
N,N'-(ジチオジ-2,1-フェニレン)ビス[1-(3-メチルブチル)-シクロペンタンカルボキサミド];
N,N'-(ジチオジ-2,1-フェニレン)ビス[1-(3-メチルブチル)-シクロヘキサンカルボキサミド];
N,N'-(ジチオジ-2,1-フェニレン)ビス[1-(2-エチルブチル)-シクロヘキサンカルボキサミド];
N,N'-(ジチオジ-2,1-フェニレン)ビス-トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン-1-カルボキサミド;
プロパンチオ酸, 2-メチル-, S-[2[[[1-(2-エチルブチル)シクロヘキシル]カルボニル]アミノ]フェニル]エステル;
プロパンチオ酸, 2,2-ジメチル, S-[2[[[1-(2-エチルブチル)シクロヘキシル]カルボニル]アミノ]フェニル]エステル;
エタンチオ酸, S-[2[[[1-(2-エチルブチル)シクロヘキシル]カルボニル]アミノ]フェニル]エステル。
【0184】
本発明において有用なCETP阻害剤の別のクラスは、以下の一般式(XIV):
【化55】
Figure 2004534811
で表わされる多環式アリールt-ヘテロアルキルアミンおよび多環式ヘテロアリールt-ヘテロアルキルアミンと、その薬理学的に許容可能な塩である。ただしこの一般式(XIV)において、
nXIVは、0〜5の中から選択された整数であり;
RXIV-1の選択は、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルコキシアルキル、ハロアルケニルオキシアルキルからなるグループの中からなされ;
XXIVの選択は、O、H、F、S、S(O)、NH、N(OH)、N(アルキル)、N(アルコキシ)からなるグループの中からなされ;
【0185】
RXIV-16の選択は、ヒドリド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニルオキシアルキル、アルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、アラルコキシアルキル、ヘテロアラルコキシアルキル、アルキルスルフィニルアルキル、アルキルスルホニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルケニル、ハロアルコキシアルキル、ハロアルケニルオキシアルキル、ハロシクロアルコキシアルキル、ハロシクロアルケニルオキシアルキル、ペルハロアリール、ペルハロアラルキル、ペルハロアリールオキシアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、モノカルボアルコキシアルキル、モノカルボアルコキシ、ジカルボアルコキシアルキル、モノカルボキサミド、モノシアノアルキル、ジシアノアルキル、カルボアルコキシシアノアルキル、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、ヘテロアリールオキシアルキル、ジアルコキシホスホノアルキル、トリアルキルシリル、スペーサからなるグループの中からなされ、このスペーサは、共有単結合であるか、あるいは、連続した1〜4個の原子を備えていて、芳香族置換基の結合点(RXIV-4、RXIV-8、RXIV-9、RXIV-13からなるグループの中から選択される)と結合して連続した5〜10個の要素を有する複素環を形成する線形スペーサ部分のどちらかであり、ただしこのスペーサは、RXIV-2がアルキルである場合には共有単結合以外のものであり、RXIV-16は存在しておらず、XXIVはHまたはFであり;
DXIV-1、DXIV-2、JXIV-1、JXIV-2、KXIV-1は、独立に、C、N、O、Sと、共有結合とからなるグループの中から選択され、ただしDXIV-1、DXIV-2、JXIV-1、JXIV-2、KXIV-1のうちの2つ以上が共有結合であることはなく、DXIV-1、DXIV-2、JXIV-1、JXIV-2、KXIV-1のうちの2つ以上がOであることはなく、DXIV-1、DXIV-2、JXIV-1、JXIV-2、KXIV-1のうちの2つ以上がSであることはなく、DXIV-1、DXIV-2、JXIV-1、JXIV-2、KXIV-1のうちの2つがOとSになっているときにはDXIV-1、DXIV-2、JXIV-1、JXIV-2、KXIV-1のうちの1つは共有結合でなくてはならず、DXIV-1、DXIV-2、JXIV-1、JXIV-2、KXIV-1のうちのすべてがNであることはなく;
【0186】
DXIV-3、DXIV-4、JXIV-3、JXIV-4、KXIV-2は、独立に、C、N、O、Sと、共有結合とからなるグループの中から選択され、ただしDXIV-3、DXIV-4、JXIV-3、JXIV-4、KXIV-2のうちの2つ以上が共有結合であることはなく、DXIV-3、DXIV-4、JXIV-3、JXIV-4、KXIV-2のうちの2つ以上がOであることはなく、DXIV-3、DXIV-4、JXIV-3、JXIV-4、KXIV-2のうちの2つ以上がSであることはなく、DXIV-3、DXIV-4、JXIV-3、JXIV-4、KXIV-2のうちの2つがOとSになっているときにはDXIV-3、DXIV-4、JXIV-3、JXIV-4、KXIV-2のうちの1つは共有結合でなくてはならず、DXIV-3、DXIV-4、JXIV-3、JXIV-2、KXIV-2のうちのすべてがNであることはなく;
【0187】
RXIV-2の選択は、独立に、ヒドリド、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アルケニルオキシアルキル、アルキルチオアルキル、アラルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルケニル、ハロアルコキシ、アロアルコキシアルキル、ハロアルケニルオキシアルキル、ハロシクロアルコキシ、ハロシクロアルコキシアルキル、ハロシクロアルケニルオキシアルキル、ペルハロアリール、ペルハロアラルキル、ペルハロアリールオキシアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、ヘテロアラルキルチオアルキル、モノカルボアルコキシアルキル、ジカルボアルコキシアルキル、モノシアノアルキル、ジシアノアルキル、カルボアルコキシシアノアルキル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニルアルキル、アルキルスルホニルアルキル、ハロアルキルスルフィニル、ハロアルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアルキル、アラルキルスルフィニル、アラルキルスルホニル、シクロアルキルスルフィニル、シクロアルキルスルホニル、シクロアルキルスルフィニルアルキル、シクロアルキルスルホニルアルキル、ヘテロアリールスルホニルアルキル、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールスルフィニルアルキル、アラルキルスルフィニルアルキル、アラルキルスルホニルアルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルボキサミドアルキル、カルボアラルコキシ、ジアルコキシホスホノ、ジアラルコキシホスホノ、ジアルコキシホスホノアルキル、ジアラルコキシホスホノアルキルからなるグループの中からなされ;
【0188】
RXIV-2とRXIV-3は、合わさって線形スペーサ部分を形成し、この線形スペーサ部分は、共有単結合であるか、あるいは1〜6個の連続した原子を備えていて環を形成する部分のどちらかであり、この環の選択は、連続した3〜8個の要素を有するシクロアルキル、連続した5〜8個の要素を有するシクロアルケニル、連続した4〜8個の要素を有するヘテロシクリルからなるグループの中からなされ;
RXIV-3の選択は、ヒドリド、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシル、スルフヒドリル、アシルアミド、アルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、アラルコキシアルキル、アルキルスルフィニルアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アロイル、ヘテロアロイル、アラルキルチオアルキル、ヘテロアラルキルチオアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アルケニルオキシアルキル、アルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルケニル、ハロアルコキシ、ハロアルコキシアルキル、ハロアルケニルオキシアルキル、ハロシクロアルコキシ、ハロシクロアルコキシアルキル、ハロシクロアルケニルオキシアルキル、ペルハロアリール、ペルハロアラルキル、ペルハロアリールオキシアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、モノカルボアルコキシアルキル、ジカルボアルコキシアルキル、モノシアノアルキル、ジシアノアルキル、カルボアルコキシシアノアルキル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルフィニル、ハロアルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアルキル、アラルキルスルフィニル、アラルキルスルホニル、シクロアルキルスルフィニル、シクロアルキルスルホニル、シクロアルキルスルフィニルアルキル、シクロアルキルスルホニルアルキル、ヘテロアリールスルホニルアルキル、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールスルフィニルアルキル、アラルキルスルフィニルアルキル、アラルキルスルホニルアルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルボキサミドアルキル、カルボアラルコキシ、ジアルコキシホスホノ、ジアラルコキシホスホノ、ジアルコキシホスホノアルキル、ジアラルコキシホスホノアルキルからなるグループの中からなされ;
【0189】
YXIVの選択は、共有単結合、(C(RXIV-14)2)qXIV(ただしqXIVは、1または2である)、(CH(RXIV-14))gXIV-WXIV-(CH(RXIV-14))pXIV(ただしgXIVとpXIVは、独立に、0または1である)からなるグループの中からなされ;
RXIV-14の選択は、独立に、ヒドリド、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、ヘテロアリールオキシアルキル、スルフヒドリル、アシルアミド、アルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキルアルコキシ、アルキルスルフィニルアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アラルキルチオアルキル、ヘテロアラルコキシチオアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アルケニルオキシアルキル、アルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルケニル、ハロアルコキシ、ハロアルコキシアルキル、ハロアルケニルオキシアルキル、ハロシクロアルコキシ、ハロシクロアルコキシアルキル、ハロシクロアルケニルオキシアルキル、ペルハロアリール、ペルハロアラルキル、ペルハロアリールオキシアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、ヘテロアラルキルチオアルキル、モノカルボアルコキシアルキル、ジカルボアルコキシアルキル、モノシアノアルキル、ジシアノアルキル、カルボアルコキシシアノアルキル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルフィニル、ハロアルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアルキル、アラルキルスルフィニル、アラルキルスルホニル、シクロアルキルスルフィニル、シクロアルキルスルホニル、シクロアルキルスルフィニルアルキル、シクロアルキルスルホニルアルキル、ヘテロアリールスルホニルアルキル、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールスルフィニルアルキル、アラルキルスルフィニルアルキル、アラルキルスルホニルアルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルボキサミドアルキル、カルボアラルコキシ、ジアルコキシホスホノ、ジアラルコキシホスホノ、ジアルコキシホスホノアルキル、ジアラルコキシホスホノアルキルからなるグループと、鎖の長さが3〜6原子で、結合点(RXIV-9またはRXIV-13)と結合して、連続した5〜8個の要素を有するシクロアルキル、または連続した5〜8個の要素を有するヘテロシクリルを形成する部分の中から選択したスペーサ、ならびに鎖の長さが2〜5原子で、結合点(RXIV-4またはRXIV-8)と結合して、連続した5〜8個の要素を有するヘテロシクリルを形成する部分の中から選択したスペーサの中からなされ、ただしYXIVが共有単結合である場合にはRXIV-14置換基はYXIVとは結合せず;
【0190】
RXIV-14とRXIV-14は、異なる原子と結合する場合には、合わさって、共有結合、アルキレン、ハロアルキレン、スペーサからなるグループの中から選択される基を形成し、ただしスペーサは、鎖の長さが2〜5原子であって、結合することにより、5〜8個の連続した要素を有する飽和したシクロアルキル、5〜8個の連続した要素を有するシクロアルケニル、5〜8個の連続した要素を有するヘテロシクリルからなるグループの中から選択される環を形成する部分から選択され;
【0191】
RXIV-14とRXIV-14は、同じ原子と結合する場合には、合わさって、オキソ、チオノ、アルキレン、ハロアルキレン、スペーサからなるグループの中から選択される基を形成し、ただしスペーサは、鎖の長さが3〜7原子であって、結合することにより、4〜8個の連続した要素を有するシクロアルキル、4〜8個の連続した要素を有するシクロアルケニル、4〜8個の連続した要素を有するヘテロシクリルからなるグループの中から選択される環を形成する部分から選択され;
【0192】
WXIVは、O、C(O)、C(S)、C(O)N(RXIV-14)、C(S)N(RXIV-14)、(RXIV-14)NC(O)、(RXIV-14)NC(S)、S、S(O)、S(O)2、S(O)2N(RXIV-14)、(RXIV-14)NS(O)2、N(RXIV-14) からなるグループの中から選択され、ただしRXIV-14は、ハロおよびシアノ以外から選択され;
ZXIVは、独立に、共有単結合、(C(RXIV-15)2)qXIV-2(ただしqXIV-2は、1または2である)、(CH(RXIV-15))jXIV-WXIV-(CH(RXIV-15))kXIV(ただしjXIVとkXIVは、独立に、0または1である)からなるグループの中から選択され、ただしZXIVが共有単結合である場合には、RXIV-15置換基はZXIVとは結合せず;
【0193】
RXIV-15の選択は、ZXIVが(C(RXIV-15)2)qXIV(ただしqXIVは、1または2である)のときには、独立に、ヒドリド、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、ヘテロアリールオキシアルキル、スルフヒドリル、アシルアミド、アルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、アルキルスルフィニルアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アラルキルチオアルキル、ヘテロアラルキルチオアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アルケニルオキシアルキル、アルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルケニル、ハロアルコキシ、ハロアルコキシアルキル、ハロアルケニルオキシアルキル、ハロシクロアルコキシ、ハロシクロアルコキシアルキル、ハロシクロアルケニルオキシアルキル、ペルハロアリール、ペルハロアラルキル、ペルハロアリールオキシアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、ヘテロアラルキルチオアルキル、モノカルボアルコキシアルキル、ジカルボアルコキシアルキル、モノシアノアルキル、ジシアノアルキル、カルボアルコキシシアノアルキル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルフィニル、ハロアルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアルキル、アラルキルスルフィニル、アラルキルスルホニル、シクロアルキルスルフィニル、シクロアルキルスルホニル、シクロアルキルスルフィニルアルキル、シクロアルキルスルホニルアルキル、ヘテロアリールスルホニルアルキル、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールスルフィニルアルキル、アラルキルスルフィニルアルキル、アラルキルスルホニルアルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルボキサミドアルキル、カルボアラルコキシ、ジアルコキシホスホノ、ジアラルコキシホスホノ、ジアルコキシホスホノアルキル、ジアラルコキシホスホノアルキルからなるグループと、鎖の長さが3〜6原子で、結合点(RXIV-4またはRXIV-8)と結合して、5〜8個の要素を有するシクロアルキル、または5〜8個の連続した要素を有するヘテロシクリルを形成する部分の中から選択したスペーサ、ならびに鎖の長さが2〜5原子で、結合点(RXIV-9またはRXIV-13)と結合して、5〜8個の連続した要素を有するヘテロシクリルを形成する部分の中から選択したスペーサの中からなされ;
【0194】
RXIV-15とRXIV-15は、異なる原子と結合する場合には、合わさって、共有結合、アルキレン、ハロアルキレン、スペーサからなるグループの中から選択される基を形成し、ただしスペーサは、鎖の長さが2〜5原子であって、結合することにより、5〜8個の連続した要素を有する飽和したシクロアルキル、5〜8個の連続した要素を有するシクロアルケニル、5〜8個の連続した要素を有するヘテロシクリルからなるグループの中から選択される環を形成する部分から選択され;
【0195】
RXIV-15とRXIV-15は、同じ原子と結合する場合には、合わさって、オキソ、チオノ、アルキレン、ハロアルキレン、スペーサからなるグループの中から選択される基を形成し、ただしスペーサは、鎖の長さが3〜7原子であって、結合することにより、4〜8個の連続した要素を有するシクロアルキル、4〜8個の連続した要素を有するシクロアルケニル、4〜8個の連続した要素を有するヘテロシクリルからなるグループの中から選択される環を形成する部分から選択され;
【0196】
RXIV-15の選択は、ZXIVが(CH(RXIV-15)jXIV-WXIV-(CH(RXIV-15)kXIV(ただしjXIVとkXIVは、独立に、0または1である)のときには、独立に、ヒドリド、ハロ、シアノ、アリールオキシ、カルボキシ、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アシルアミド、アルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヘテロアラルコキシアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルスルフィニルアルキル、アルケニルオキシアルキル、アルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルケニル、ハロアルコキシ、ハロアルコキシアルキル、ハロアルケニルオキシアルキル、ハロシクロアルコキシ、ハロシクロアルコキシアルキル、ハロシクロアルケニルオキシアルキル、ペルハロアリール、ペルハロアラルキル、ペルハロアリールオキシアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、ヘテロアラルキルチオアルキル、モノカルボアルコキシアルキル、ジカルボアルコキシアルキル、モノシアノアルキル、ジシアノアルキル、カルボアルコキシシアノアルキル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルフィニル、ハロアルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアルキル、アラルキルスルフィニル、アラルキルスルホニル、シクロアルキルスルフィニル、シクロアルキルスルホニル、シクロアルキルスルフィニルアルキル、シクロアルキルスルホニルアルキル、ヘテロアリールスルホニルアルキル、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールスルフィニルアルキル、アラルキルスルフィニルアルキル、アラルキルスルホニルアルキル、カルボキシアルキル、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルボキサミドアルキル、カルボアラルコキシ、ジアルコキシホスホノアルキル、ジアラルコキシホスホノアルキルからなるグループと、鎖の長さが3〜6原子で、結合点(RXIV-4またはRXIV-8)と結合して、5〜8個の要素を有するシクロアルケニル、または5〜8個の連続した要素を有するヘテロシクリルを形成する線形部分の中から選択したスペーサ、ならびに鎖の長さが2〜5原子で、結合点(RXIV-9またはRXIV-13)と結合して、5〜8個の連続した要素を有するヘテロシクリルを形成する線形部分の中から選択したスペーサの中からなされ;
【0197】
RXIV-4、RXIV-5、RXIV-6、RXIV-7、RXIV-8、RXIV-9、RXIV-10、RXIV-11、RXIV-12、RXIV-13の選択は、独立に、ペルハロアリールオキシ、アルカノイルアルキル、アルカノイルアルコキシ、アルカノイルオキシ、N-アリール-N-アルキルアミノ、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルチオ、ヒドロキシアルコキシ、カルボキサミドアルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルケニルオキシ、アラルカノイルアルコキシ、アラルケノイル、N-アルキルカルボキサミド、N-ハロアルキルカルボキサミド、N-シクロアルキルカルボキサミド、N-アリールカルボキサミドアルコキシ、シクロアルキルカルボニル、シアノアルコキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヒドリド、カルボキシ、ヘテロアラルキルチオ、ヘテロアラルコキシ、シクロアルキルアミノ、アシルアルキル、アシルアルコキシ、アロイルアルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、アラルキルアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロシクリル、ペルハロアラルキル、アラルキルスルホニル、アラルキルスルホニルアルキル、アラルキルスルフィニル、アラルキルスルフィニルアルキル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルケニル、シクロアルキルスルフィニル、シクロアルキルスルフィニルアルキル、シクロアルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニルアルキル、ヘテロアリールアミノ、N-ヘテロアリールアミノ-N-アルキルアミノ、ヘテロアリールアミノアルキル、ハロアルキルチオ、アルカノイルオキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、ヘテロアラルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキルアルコキシ、シクロアルケニルオキシアルキル、シクロアルキレンジオキシ、ハロシクロアルコキシ、ハロシクロアルコキシアルキル、ハロシクロアルケニルオキシ、ハロシクロアルケニルオキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、チオ、ニトロ、低級アルキルアミノ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アリールアミノ、アラルキルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、ヘテロアラルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、アルキルスルフィニルアルキル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニルアルキル、ヘテロアリールスルフィニルアルキル、ヘテロアリールスルホニルアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、ハロアルキルスルフィニルアルキル、ハロアルキルスルホニルアルキル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノスルホニル、アミドスルホニル、モノアルキルアミドスルホニル、ジアルキルアミドスルホニル、モノアリールアミドスルホニル、アリールスルホンアミド、ジアリールアミドスルホニル、モノアルキルモノアリールアミドスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、ヘテロシクリルチオ、アルカノイル、アルケノイル、アロイル、ヘテロアロイル、アラルカノイル、ヘテロアラルカノイル、ハロアルカノイル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルケニルオキシ、アルケニルオキシアルキル、アルキレンジオキシ、ハロアルキレンジオキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルカノイル、シクロアルケニル、低級シクロアルキルアルキル、低級シクロアルケニルアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルコキシ、ヒドロキシハロアルキル、ヒドロキシアラルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシヘテロアラルキル、ハロアルコキシアルキル、アリール、ヘテロアラルキニル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールオキシアルキル、飽和したヘテロシクリル、一部が飽和したヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールオキシアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、カルボキシアルキル、カルボアルコキシ、アルコキシカルボキサミド、アルキルアミドカルボニルアミド、アリールアミドカルボニルアミド、カルボアルコキシアルキル、カルボアルコキシアルケニル、カルボアラルコキシ、カルボキサミド、カルボキサミドアルキル、シアノ、カルボハロアルコキシ、ホスホノ、ホスホノアルキル、ジアラルコキシホスホノ、ジアラルコキシホスホノアルキルからなるグループの中からなされ、ただし、1〜5個の非ヒドリド環置換基RXIV-4、RXIV-5、RXIV-6、RXIV-7、RXIV-8が存在しており、1〜5個の非ヒドリド環置換基RXIV-9、RXIV-10、RXIV-11、RXIV-12、RXIV-13が存在しており、RXIV-4、RXIV-5、RXIV-6、RXIV-7、RXIV-8、RXIV-9、RXIV-10、RXIV-11、RXIV-12、RXIV-13は、炭素の四価性、窒素の三価性、イオウの二価性、酸素の二価性が維持されるようにそれぞれ独立に選択され;
【0198】
RXIV-4とRXIV-5、RXIV-5とRXIV-6、RXIV-6とRXIV-7、RXIV-7とRXIV-8、RXIV-8とRXIV-9、RXIV-9とRXIV-10、RXIV-10とRXIV-11、RXIV-11とRXIV-12、RXIV-12とRXIV-13は、独立に選択されてスペーサ対を形成し、1つのスペーサ対は、合わさって、このスペーサ対の構成要素の結合点と結合する連続した3〜6個の原子を有する線形部分を形成することにより環を形成し、この環は、連続した5〜8個の要素を有するシクロアルケニルと、連続した5〜8個の要素を有する一部が飽和したヘテロシクリルと、連続した5〜6個の要素を有するヘテロアリールと、アリールとからなるグループの中から選択され、ただしスペーサ対RXIV-4とRXIV-5、RXIV-5とRXIV-6、RXIV-6とRXIV-7、RXIV-7とRXIV-8からなるグループの中の2つ以上が同時に使用されることはなく、RXIV-9とRXIV-10、RXIV-10とRXIV-11、RXIV-11とRXIV-12、RXIV-12とRXIV-13からなるグループの中の2つ以上が同時に使用されることはなく;
【0199】
RXIV-4とRXIV-9、RXIV-4とRXIV-13、RXIV-8とRXIV-9、RXIV-8とRXIV-13は、独立に選択されてスペーサ対を形成し、このスペーサ対は、合わさって線形部分を形成することにより環を形成し、この環は、連続した5〜8個の要素を有する一部が飽和したヘテロシクリルと、連続した5〜6個の要素を有するヘテロアリールとからなるグループの中から選択され、ただしスペーサ対RXIV-4とRXIV-9、RXIV-4とRXIV-13、RXIV-8とRXIV-9、RXIV-8とRXIV-13からなるグループのうちの2つ以上が同時に使用されることはない。
【0200】
一般式(XIV)の化合物はWO 00/18721号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0201】
好ましい一実施態様では、CETP阻害剤は、一般式(XIV)で表わされる以下の化合物の中から選択する。
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-シクロプロピルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-(2-フリル)フェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0202】
3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-メチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2-フルオロ-5-ブロモフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェノキシ]フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-[3-(ペンタフルオロエチル)フェノキシ]フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3,5-ジメチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-エチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-t-ブチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-メチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフトキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(フェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-[3-(N,N-ジメチルアミノ)フェノキシ]フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0203】
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジメチルフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチルチオ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジフルオロフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-[シクロヘキシルメトキシ)フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2-ジフルオロメトキシ-4-ピリジルオキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2-トリフルオロメチル-4-ピリジルオキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-ジフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(3-トリフルオロメチルチオ)フェノキシ]フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0204】
3-[[3-(3-シクロプロピルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-(2-フリル)フェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-メチルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2-フルオロ-5-ブロモフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェノキシ]フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-[3-(ペンタフルオロエチル)フェノキシ]フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3,5-ジメチルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-エチルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-t-ブチルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0205】
3-[[3-(3-メチルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフトキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(フェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-[3-(N,N-ジメチルアミノ)フェノキシ]フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジメチルフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチルチオ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジフルオロフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル][3-[シクロヘキシルメトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2-ジフルオロメトキシ-4-ピリジルオキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2-ジフルオロメチル-4-ピリジルオキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-ジフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0206】
3-[[[3-(3-トリフルオロメチルチオ)フェノキシ]フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-シクロプロピルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-(2-フリル)フェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-メチルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2-フルオロ-5-ブロモフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェノキシ]フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-[3-(ペンタフルオロエチル)フェノキシ]フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0207】
3-[[3-(3,5-ジメチルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-エチルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-t-ブチルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-メチルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフトキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(フェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-[3-(N,N-ジメチルアミノ)フェノキシ]フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジメチルフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチルチオ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジフルオロフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0208】
3-[[[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル][3-[シクロヘキシルメトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2-ジフルオロメトキシ-4-ピリジルオキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2-トリフルオロメチル-4-ピリジルオキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-ジフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメチルチオ)フェノキシ]フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-シクロプロピルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-(2-フリル)フェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0209】
3-[[3-(4-メチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2-フルオロ-5-ブロモフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-[3-(ペンタフルオロエチル)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3,5-ジメチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-エチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-t-ブチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-メチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフトキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(フェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-[3-(N,N-ジメチルアミノ)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0210】
3-[[[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジメチルフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチルチオ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジフルオロフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[シクロヘキシルメトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2-ジフルオロメトキシ-4-ピリジルオキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2-トリフルオロメチル-4-ピリジルオキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-ジフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメチルチオ)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0211】
3-[[3-(3-シクロプロピルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-(2-フリル)フェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-メチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2-フルオロ-5-ブロモフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-[3-(ペンタフルオロエチル)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3,5-ジメチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-エチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-t-ブチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-メチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0212】
3-[[3-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフトキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(フェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-[3-(N,N-ジメチルアミノ)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジメチルフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチルチオ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジフルオロフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[シクロヘキシルメトキシ)フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2-ジフルオロメトキシ-4-ピリジルオキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2-トリフルオロメチル-4-ピリジルオキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-ジフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(3-トリフルオロメチルチオ)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール。
【0213】
本発明において有用な別のクラスのCETP阻害剤は、一般式(XV):
【化56】
Figure 2004534811
で表わされる置換されたN-脂肪族-N-芳香族t-ヘテロアルキルアミンと、その薬理学的に許容可能な形態である。ただしこの一般式(XV)において、
nXVは、1または2であり;
AXVとQXVは、独立に、-CH2(CRXV-37RXV-38)vXV-(CRXV-33RXV-34)uXV-TXV-(CRXV-35R XV-36)wXV-Hと、
【化57】
Figure 2004534811
からなるグループの中から選択され、ただしAXVとQXVの一方はAQ-1になっていなくてはならず、もう一方は、AQ-2または-CH2(CRXV-37RXV-38)vXV-(CRXV-33RXV-34)uXV-TXV-(CRXV-35R XV-36)wXV-Hになっていなくてはならず;
TXVの選択は、共有単結合、O、S、S(O)、S(O)2、C(RXV-33)=C(RXV-35)、C≡Cからなるグループの中からなされ;
vXVは、0または1であり、ただしRXV-33、RXV-34、RXV-35、RXV-36のどれかがアリールまたはヘテロアリールである場合にはvXVは1であり;
uXVとwXVは、独立に、0〜6の中から選択された整数であり;
AXV-1は、C(RXV-30)であり;
DXV-1、DXV-2、JXV-1、JXV-2、KXV-1の選択は、独立に、C、N、O、Sと、共有結合とからなるグループの中からなされ、ただしDXV-1、DXV-2、JXV-1、JXV-2、KXV-1のうちの2つ以上が共有結合であることはなく、DXV-1、DXV-2、JXV-1、JXV-2、KXV-1のうちの2つ以上がOであることはなく、DXV-1、DXV-2、JXV-1、JXV-2、KXV-1のうちの2つ以上がSであることはなく、DXV-1、DXV-2、JXV-1、JXV-2、KXV-1のうちの2つがOとSになっているときにはDXV-1、DXV-2、JXV-1、JXV-2、KXV-1のうちの1つは共有結合でなくてはならず、DXV-1、DXV-2、JXV-1、JXV-2、KXV-1のうちのすべてがNであることはなく;
BXV-1、BXV-2、DXV-3、DXV-4、JXV-3、JXV-4、KXV-2の選択は、独立に、C、C(RXV-30)、N、O、Sと、共有結合とからなるグループの中からなされ、ただしBXV-1、BXV-2、DXV-3、DXV-4、JXV-3、JXV-4、KXV-2のうちの6つ以上が共有結合であることはなく、BXV-1、BXV-2、DXV-3、DXV-4、JXV-3、JXV-4、KXV-2のうちの3つ以上がOであることはなく、BXV-1、BXV-2、DXV-3、DXV-4、JXV-3、JXV-4、KXV-2のうちの3つ以上がSであることはなく、BXV-1、BXV-2、DXV-3、DXV-4、JXV-3、JXV-4、KXV-2のうちでOとSが同時に3つ以上存在していることはなく、BXV-1、BXV-2、DXV-3、DXV-4、JXV-3、JXV-4、KXV-2のうちの3つ以上がNであることはなく;
【0214】
BXV-1とDXV-3、DXV-3とJXV-3、JXV-3とKXV-2、KXV-2とJXV-4、JXV-4とDXV-4、DXV-4とBXV-2は、独立に選択されて環内スペーサ対を形成し、ただし、このスペーサ対は、C(RXV-33)=C(RXV-35)とN=Nからなるグループの中から選択され、ただしAQ-2は、少なくとも5つの連続した要素を有する環でなくてはならず、上記スペーサ対の3つ以上が同時にC(RXV-33)=C(RXV-35)になることはなく、上記スペーサ対の2つ以上がN=Nになれるのは、他のスペーサ対がC(RXV-33)=C(RXV-35)、O、N、Sではない場合であり;
RXV-1の選択は、ハロアルキルとハロアルコキシメチルからなるグループの中からなされ;
RXV-2の選択は、ヒドリド、アリール、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルコキシアルキル、ペルハロアリール、ペルハロアラルキル、ペルハロアリールオキシアルキル、ヘテロアリールからなるグループの中からなされ;
RXV-3の選択は、ヒドリド、アリール、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ハロアルコキシアルキルからなるグループの中からなされ;
【0215】
YXVの選択は、共有単結合、(CH2)q(ただしqは、1または2である)、(CH2)j-O-(CH2)k(ただしjとkは、独立に、0または1である)からなるグループの中からなされ;
ZXVの選択は、共有単結合、(CH2)q(ただしqは、1または2である)、(CH2)j-O-(CH2)k(ただしjとkは、独立に、0または1である)からなるグループの中からなされ;
RXV-4、RXV-8、RXV-9、RXV-13の選択は、独立に、ヒドリド、ハロ、ハロアルキル、アルキルからなるグループの中からなされ;
RXV-30の選択は、ヒドリド、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロ、ハロアルキル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アルキル、アルケニル、ハロアルコキシ、ハロアルコキシアルキルからなるグループの中からなされ、ただしRXV-30は、炭素の四価性、窒素の三価性、イオウの二価性、酸素の二価性が維持されるように選択され;
RXV-30は、AXV-1と結合する場合には、両者が合わさって、RXV-30の結合点において、AXV-1-炭素を、RXV-10、RXV-11、RXV-12、RXV-31、RXV-32からなるグループの中から選択した基の結合点と結合する環内線形スペーサを形成し、この環内線形スペーサは、共有単結合と、連続した1〜6個の原子を備えるスペーサ部分からなるグループの中から選択されて環を形成し、この環は、連続した3〜10個の要素を有するシクロアルキルと、連続した5〜10個の要素を有するシクロアルケニルと、連続した5〜10個の要素を有するヘテロシクリルとからなるグループの中から選択され;
RXV-30は、AXV-1と結合する場合には、両者が合わさって、RXV-30の結合点において、AXV-1-炭素を、置換基対RXV-10とRXV-11、RXV-10とRXV-31、RXV-10とRXV-32、RXV-10とRXV-12、RXV-11とRXV-31、RXV-11とRXV-32、RXV-11とRXV-12、RXV-31とRXV-32、RXV-31とRXV-12、RXV-32とRXV-12からなるグループの中から選択した任意の置換基対の各構成要素の結合点と結合する環内分枝スペーサを形成し、この環内分枝スペーサは、連続した3〜10個の要素を有するシクロアルキルと、連続した5〜10個の要素を有するシクロアルケニルと、連続した5〜10個の要素を有するヘテロシクリルとからなるグループの中から選択される2つの環を形成するように選択され;
【0216】
RXV-4、RXV-5、RXV-6、RXV-7、RXV-8、RXV-9、RXV-10、RXV-11、RXV-12、RXV-13、RXV-31、RXV-32、RXV-33、RXV-34、RXV-35、RXV-36の選択は、独立に、ヒドリド、カルボキシ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキルアミノ、アシルアルキル、アシルアルコキシ、アロイルアルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、アラルキルアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロシクリル、ペルハロアラルキル、アラルキルスルホニル、アラルキルスルホニルアルキル、アラルキルスルフィニル、アラルキルスルフィニルアルキル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルケニル、シクロアルキルスルフィニル、シクロアルキルスルフィニルアルキル、シクロアルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニルアルキル、ヘテロアリールアミノ、N-ヘテロアリールアミノ-N-アルキルアミノ、ヘテロアリールアミノアルキル、ハロアルキルチオ、アルカノイルオキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、ヘテロアラルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキルアルコキシ、シクロアルケニルオキシアルキル、シクロアルキレンジオキシ、ハロシクロアルコキシ、ハロシクロアルコキシアルキル、ハロシクロアルケニルオキシ、ハロシクロアルケニルオキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、チオ、ニトロ、低級アルキルアミノ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アリールアミノ、アラルキルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、ヘテロアラルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、アルキルスルフィニルアルキル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニルアルキル、ヘテロアリールスルフィニルアルキル、ヘテロアリールスルホニルアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、ハロアルキルスルフィニルアルキル、ハロアルキルスルホニルアルキル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノスルホニル、アミドスルホニル、モノアルキルアミドスルホニル、ジアルキルアミドスルホニル、モノアリールアミドスルホニル、アリールスルホンアミド、ジアリールアミドスルホニル、モノアルキルモノアリールアミドスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、ヘテロシクリルチオ、アルカノイル、アルケノイル、アロイル、ヘテロアロイル、アラルカノイル、ヘテロアラルカノイル、ハロアルカノイル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルケニルオキシ、アルケニルオキシアルキル、アルキレンジオキシ、ハロアルキレンジオキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルカノイル、シクロアルケニル、低級シクロアルキルアルキル、低級シクロアルケニルアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルコキシ、ヒドロキシハロアルキル、ヒドロキシアラルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシヘテロアラルキル、ハロアルコキシアルキル、アリール、ヘテロアラルキニル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールオキシアルキル、飽和したヘテロシクリル、一部が飽和したヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールオキシアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、カルボキシアルキル、カルボアルコキシ、アルコキシカルボキサミド、アルキルアミドカルボニルアミド、アリールアミドカルボニルアミド、カルボアルコキシアルキル、カルボアルコキシアルケニル、カルボアラルコキシ、カルボキサミド、カルボキサミドアルキル、シアノ、カルボハロアルコキシ、ホスホノ、ホスホノアルキル、ジアラルコキシホスホノ、ジアラルコキシホスホノアルキルからなるグループの中からなされ、ただしRXV-4、RXV-5、RXV-6、RXV-7、RXV-8、RXV-9、RXV-10、RXV-11、RXV-12、RXV-13、RXV-31、RXV-32、RXV-33、RXV-34、RXV-35、RXV-36は、それぞれ独立に、炭素の四価性、窒素の三価性、イオウの二価性、酸素の二価性が維持されるように選択され、置換基RXV-33とRXV-34の4つ以上がヒドリドとハロからなるグループ以外から同時に選択されることはなく、置換基RXV-35とRXV-36の4つ以上がヒドリドとハロからなるグループ以外から同時に選択されることはなく;
【0217】
BXV-1、BXV-2、DXV-3、DXV-4、JXV-3、JXV-4、KXV-2が、独立に、CとSからなるグループの中から選択され、RXV-9、RXV-10、RXV-11、RXV-12、RXV-13、RXV-31、RXV-32の3つ以上が同時にオキソになることはなく、RXV-9、RXV-10、RXV-11、RXV-12、RXV-13、RXV-31、RXV-32の選択が、それぞれ独立に、炭素の四価性、窒素の三価性、イオウの二価性、酸素の二価性が維持されるようになされる場合には、RXV-9、RXV-10、RXV-11、RXV-12、RXV-13、RXV-31、RXV-32として、独立に、オキソが選択され、;
RXV-4とRXV-5、RXV-5とRXV-6、RXV-6とRXV-7、RXV-7とRXV-8、RXV-9とRXV-10、RXV-10とRXV-11、RXV-11とRXV-31、RXV-31とRXV-32、RXV-32とRXV-12、RXV-12とRXV-13は、独立に選択されてスペーサ対を形成し、1つのスペーサ対は、このスペーサ対の構成要素の結合点と結合する連続した3〜6個の原子を有する線形部分を形成することにより環を形成し、この環は、連続した5〜8個の要素を有するシクロアルケニルと、連続した5〜8個の要素を有する一部が飽和したヘテロシクリルと、連続した5〜6個の要素を有するヘテロアリールと、アリールとからなるグループの中から選択され、ただしスペーサ対RXV-4とRXV-5、RXV-5とRXV-6、RXV-6とRXV-7、RXV-7とRXV-8からなるグループの中の2つ以上が同時に使用されることはなく、スペーサ対RXV-9とRXV-10、RXV-10とRXV-11、RXV-11とRXV-31、RXV-31とRXV-32、RXV-32とRXV-12、RXV-12とRXV-13からなるグループの中の2つ以上が同時に使用されることはなく;
【0218】
RXV-9とRXV-11、RXV-9とRXV-12、RXV-9とRXV-13、RXV-9とRXV-31、RXV-9とRXV-32、RXV-10とRXV-12、RXV-10とRXV-13、RXV-10とRXV-31、RXV-10とRXV-32、RXV-11とRXV-12、RXV-11とRXV-13、RXV-11とRXV-32、RXV-12とRXV-31、RXV-13とRXV-31、RXV-13とRXV-32は、独立に選択されてスペーサ対を形成し、このスペーサ対は、合わさって線形部分を形成し、この線形部分は、共有単結合であるか、あるいは1〜3個の連続した原子を備えていて環を形成する部分のどちらかであり、この環の選択は、3〜8個の連続した要素を有するシクロアルキル、5〜8個の連続した要素を有するシクロアルケニル、5〜8個の連続した要素を有する飽和したヘテロシクリル、5〜8個の連続した要素を有する一部が飽和したヘテロシクリルからなるグループの中からなされ、ただしスペーサ対の上記グループのうちの2つ以上が同時に使用されることはなく;
RXV-37、RXV-38の選択は、独立に、ヒドリド、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、チオ、ハロ、ハロアルキル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、シアノ、アルキル、アルケニル、ハロアルコキシ、ハロアルコキシアルキルからなるグループの中からなされる。
【0219】
一般式(XV)の化合物はWO 00/18723号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0220】
好ましい一実施態様では、CETP阻害剤は、一般式(XV)で表わされる以下の化合物の中から選択する。
3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル](シクロヘキシルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル](シクロペンチルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル](シクロプロピルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][(3-トリフルオロメチル)シクロヘキシル-メチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][(3-ペンタフルオロエチル)シクロヘキシル-メチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][(3-トリフルオロメトキシ)シクロヘキシル-メチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)シクロ-ヘキシルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0221】
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル](シクロヘキシルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル](シクロペンチルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル](シクロプロピルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][(3-トリフルオロエチル)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][(3-ペンタフルオロエチル)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][(3-トリフルオロメトキシ)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル](シクロヘキシルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル](シクロペンチルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル](シクロプロピルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル][(3-トリフルオロメチル)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル][(3-ペンタフルオロエチル)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル][(3-トリフルオロメトキシ)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0222】
3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル][3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル](シクロヘキシルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル](シクロペンチルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル](シクロプロピルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル][(3-トリフルオロメチル)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル][(3-ペンタフルオロエチル)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル][(3-トリフルオロメトキシ)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル][3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル](シクロヘキシルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル](シクロペンチルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル](シクロプロピルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル][(3-トリフルオロメチル)シクロヘキシル-メチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0223】
3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル][(3-ペンタフルオロエチル)シクロヘキシル-メチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル][(3-トリフルオロメトキシ)シクロヘキシル-メチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)シクロヘキシル-メチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシベンジルオキシ]フェニル](シクロヘキシルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシベンジルオキシ]フェニル](シクロペンチルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシベンジルオキシ]フェニル](シクロプロピルメチル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシベンジルオキシ]フェニル][(3-トリフルオロメチル)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシベンジルオキシ]フェニル][(3-ペンタフルオロエチル)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシベンジルオキシ]フェニル][(3-トリフルオロメトキシ)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメトキシベンジルオキシ]フェニル][3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)シクロヘキシルメチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメチルベンジルオキシ]フェニル](シクロヘキシルメチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメチルベンジルオキシ]フェニル](シクロペンチルメチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメチルベンジルオキシ]フェニル](シクロプロピルメチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0224】
3-[[3-(3-トリフルオロメチルベンジルオキシ]フェニル][(3-トリフルオロメチル)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメチルベンジルオキシ]フェニル][(3-ペンタフルオロエチル)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメチルベンジルオキシ]フェニル][(3-トリフルオロメトキシ)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[3-(3-トリフルオロメチルベンジルオキシ]フェニル][3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)シクロヘキシル-メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメチル)フェニル]メチル](シクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル](シクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル](シクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル](シクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメチル)フェニル]メチル](4-メチルシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル](4-メチルシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル](4-メチルシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル](4-メチルシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0225】
3-[[[(3-トリフルオロメチル)フェニル]メチル](3-トリフルオロメチルシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル](3-トリフルオロメチルシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル](3-トリフルオロメチルシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル](3-トリフルオロメチルシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)シクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル][3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)シクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル][3-(4-クロロ-3-メチルフェノキシ)シクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)シクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメチル)フェニル]メチル](3-フェノキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル](3-フェノキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル](3-フェノキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル](3-フェノキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメチル)フェニル]メチル](3-イソプロポキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0226】
3-[[[(3-ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル](3-イソプロポキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル](3-イソプロポキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル](3-イソプロポキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメチル)フェニル]メチル](3-シクロペンチルオキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル](3-シクロペンチルオキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル](3-シクロペンチルオキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル](3-シクロペンチルオキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(2-トリフルオロメチル)ピリド-6-イル]メチル](3-イソプロポキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(2-トリフルオロメチル)ピリド-6-イル]メチル](3-シクロペンチルオキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(2-トリフルオロメチル)ピリド-6-イル]メチル](3-フェノキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(2-トリフルオロメチル)ピリド-6-イル]メチル](3-トリフルオロメチルシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(2-トリフルオロメチル)ピリド-6-イル]メチル][3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)シクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0227】
3-[[[(2-トリフルオロメチル)ピリド-6-イル]メチル][3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)シクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(2-トリフルオロメチル)ピリド-6-イル]メチル](3-ペンタフルオロエチルシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(2-トリフルオロメチル)ピリド-6-イル]メチル](3-トリフルオロメトキシシクロヘキシル)アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)プロピル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-ペンタフルオロメチル)フェニル]メチル][3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)プロピル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル][3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)プロピル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)プロピル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)-2,2-ジフルオロプロピル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル][3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)-2,2-ジフルオロプロピル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル][3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)-2,2-ジフルオロプロピル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)-2,2-ジフルオロプロピル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-(イソプロポキシ)プロピル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル][3-(イソプロポキシ)プロピル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[(3-トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル][3-(イソプロポキシ)プロピル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-(イソプロポキシ)プロピル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-(フェノキシ)プロピル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール。
【0228】
本発明において有用な別のクラスのCETP阻害剤は、一般式(XVI):
【化58】
Figure 2004534811
で表わされる(R)-キラルハロゲン化1-置換されたアミノ-(n+1)-アルカノールと、その薬理学的に許容可能な形態である。ただしこの一般式(XVI)において、
nXVIは、1〜4の中から選択した整数であり;
XXVIはオキシであり;
RXVI-1の選択は、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルコキシメチル、ハロアルケニルオキシメチルからなるグループの中からなされ、ただしRXVI-1は、カーン-インゴルト-プレログ立体化学システムのランキングがRXVI-2と(CHRXVI-3)n-N(AXVI)QXVI(ただしAXVIは以下の一般式XVI-(II)、Qは以下の一般式XVI-(III)
【化59】
Figure 2004534811
で表わされる)の両方よりも高く;
RXVI-16の選択は、ヒドリド、アルキル、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、トリアルキルシリル、スペーサからなるグループの中からなされ、このスペーサは、共有単結合であるか、あるいは、連続した1〜4個の原子を備えていて、芳香族置換基の結合点(RXVI-4、RXVI-8、RXVI-9、RXVI-13からなるグループの中から選択される)と結合して連続した5〜10個の要素を有する複素環を形成する線形スペーサ部分のどちらかであり;
DXVI-1、DXVI-2、JXVI-1、JXVI-2、KXVI-1は、独立に、C、N、O、Sと、共有結合とからなるグループの中から選択され、ただしDXVI-1、DXVI-2、JXVI-1、JXVI-2、KXVI-1のうちの2つ以上が共有結合であることはなく、DXVI-1、DXVI-2、JXVI-1、JXVI-2、KXVI-1のうちの2つ以上がOであることはなく、DXVI-1、DXVI-2、JXVI-1、JXVI-2、KXVI-1のうちの2つ以上がSであることはなく、DXVI-1、DXVI-2、JXVI-1、JXVI-2、KXVI-1のうちの2つがOとSになっているときにはDXVI-1、DXVI-2、JXVI-1、JXVI-2、KXVI-1のうちの1つは共有結合でなくてはならず、DXVI-1、DXVI-2、JXVI-1、JXVI-2、KXVI-1のうちのすべてがNであることはなく;
【0229】
DXVI-3、DXVI-4、JXVI-3、JXVI-4、KXVI-2は、独立に、C、N、O、Sと、共有結合とからなるグループの中から選択され、ただしDXVI-3、DXVI-4、JXVI-3、JXVI-4、KXVI-2のうちの2つ以上が共有結合であることはなく、DXVI-3、DXVI-4、JXVI-3、JXVI-4、KXVI-2のうちの2つ以上がOであることはなく、DXVI-3、DXVI-4、JXVI-3、JXVI-4、KXVI-2のうちの2つ以上がSであることはなく、DXVI-3、DXVI-4、JXVI-3、JXVI-4、KXVI-2のうちの2つがOとSになっているときにはDXVI-3、DXVI-4、JXVI-3、JXVI-4、KXVI-2のうちの1つは共有結合でなくてはならず、DXVI-3、DXVI-4、JXVI-3、JXVI-4、KXVI-2のうちのすべてがNであることはなく;
【0230】
RXVI-2の選択は、ヒドリド、アリール、アラルキル、アルキル、アルケニル、アルケニルオキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロシクロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルコキシアルキル、ハロアルケニルオキシアルキル、ハロシクロアルコキシ、ハロシクロアルコキシアルキル、ペルハロアリール、ペルハロアラルキル、ペルハロアリールオキシアルキル、ヘテロアリール、ジシアノアルキル、カルボアルコキシシアノアルキルからなるグループの中からなされ、ただしRXVI-2は、カーン-インゴルト-プレログ・システムのランキングがRXVI-1と(CHRXVI-3)n-N(AXVI)QXVIの両方よりも低く;
RXVI-3の選択は、ヒドリド、ヒドロキシ、シアノ、アリール、アラルキル、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルコキシアルキル、ヘテロアリール、アルケニルオキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルコキシ、ハロアルコキシアルキル、ハロアルケニルオキシアルキル、モノシアノアルキル、ジシアノアルキル、カルボキサミド、カルボキサミドアルキルからなるグループの中からなされ、ただし(CHRXVI-3)n-N(AXVI)QXVIは、カーン-インゴルト-プレログ立体化学システムのランキングがRXVI-1よりも低く、RXVI-2よりも高く;
【0231】
YXVIの選択は、共有単結合と、(C(RXVI-14)2)q(ただしqは1または2である)と、(CH(RXVI-14))g-WXVI-(CH(RXVI-14))p(ただしgとpは、独立に、0または1である)とからなるグループの中からなされ;
RXVI-14の選択は、ヒドリド、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシアルキル、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルコキシ、ハロアルコキシアルキル、ハロアルケニルオキシアルキル、モノカルボアルコキシアルキル、モノシアノアルキル、ジシアノアルキル、カルボアルコキシシアノアルキル、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルボキサミドアルキルからなるグループの中からなされ;
【0232】
ZXVIの選択は、共有単結合と、(C(RXVI-15)2)q(ただしqは1または2である)と、(CH(RXVI-15))j-WXVI-(CH(RXVI-15))k(ただしjとkは、独立に、0または1である)とからなるグループの中からなされ;
WXVIの選択は、O、C(O)、C(S)、C(O)N(RXIV-14)、C(S)N(RXIV-14)、(RXIV-14)NC(O)、(RXIV-14)NC(S)、S、S(O)、S(O)2、S(O)2N(RXIV-14)、(RXIV-14)NS(O)2、N(RXIV-14)からなるグループの中からなされ、ただしRXVI-14はシアノではなく;
RXVI-15の選択は、ヒドリド、シアノ、ヒドロキシアルキル、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルコキシ、ハロアルコキシアルキル、ハロアルケニルオキシアルキル、モノカルボアルコキシアルキル、モノシアノアルキル、ジシアノアルキル、カルボアルコキシシアノアルキル、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルボキサミドアルキルからなるグループの中からなされ;
【0233】
RXVI-4、RXVI-5、RXVI-6、RXVI-7、RXVI-8、RXVI-9、RXVI-10、RXVI-11、RXVI-12、RXVI-13の選択は、独立に、ヒドリド、カルボキシ、ヘテロアラルキルチオ、ヘテロアラルコキシ、シクロアルキルアミノ、アシルアルキル、アシルアルコキシ、アロイルアルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、アラルキルアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロシクリル、ペルハロアラルキル、アラルキルスルホニル、アラルキルスルホニルアルキル、アラルキルスルフィニル、アラルキルスルフィニルアルキル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルケニル、シクロアルキルスルフィニル、シクロアルキルスルフィニルアルキル、シクロアルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニルアルキル、ヘテロアリールアミノ、N-ヘテロアリールアミノ-N-アルキルアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールアミノアルキル、ハロアルキルチオ、アルカノイルオキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、ヘテロアラルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキルアルコキシ、シクロアルケニルオキシアルキル、シクロアルキレンジオキシ、ハロシクロアルコキシ、ハロシクロアルコキシアルキル、ハロシクロアルケニルオキシ、ハロシクロアルケニルオキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、チオ、ニトロ、低級アルキルアミノ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アリールアミノ、アラルキルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、ヘテロアラルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、アルキルスルフィニルアルキル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニルアルキル、ヘテロアリールスルフィニルアルキル、ヘテロアリールスルホニルアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、ハロアルキルスルフィニルアルキル、ハロアルキルスルホニルアルキル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノスルホニル、アミドスルホニル、モノアルキルアミドスルホニル、ジアルキルアミドスルホニル、モノアリールアミドスルホニル、アリールスルホンアミド、ジアリールアミドスルホニル、モノアルキルモノアリールアミドスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、ヘテロシクリルチオ、アルカノイル、アルケノイル、アロイル、ヘテロアロイル、アラルカノイル、ヘテロアラルカノイル、ハロアルカノイル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルケニルオキシ、アルケニルオキシアルキル、アルキレンジオキシ、ハロアルキレンジオキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルカノイル、シクロアルケニル、低級シクロアルキルアルキル、低級シクロアルケニルアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルコキシ、ヒドロキシハロアルキル、ヒドロキシアラルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシヘテロアラルキル、ハロアルコキシアルキル、アリール、ヘテロアラルキニル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールオキシアルキル、飽和したヘテロシクリル、一部が飽和したヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールオキシアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、カルボキシアルキル、カルボアルコキシ、アルコキシカルボキサミド、アルキルアミドカルボニルアミド、アリールアミドカルボニルアミド、カルボアルコキシアルキル、カルボアルコキシアルケニル、カルボアラルコキシ、カルボキサミド、カルボキサミドアルキル、シアノ、カルボハロアルコキシ、ホスホノ、ホスホノアルキル、ジアラルコキシホスホノ、ジアラルコキシホスホノアルキルからなるグループの中からなされ、ただしRXVI-4、RXVI-5、RXVI-6、RXVI-7、RXVI-8、RXVI-9、RXVI-10、RXVI-11、RXVI-12、RXVI-13は、炭素の四価性、窒素の三価性、イオウの二価性、酸素の二価性が維持されるようにそれぞれ独立に選択され;
【0234】
RXVI-4とRXVI-5、RXVI-5とRXVI-6、RXVI-6とRXVI-7、RXVI-7とRXVI-8、RXVI-9とRXVI-10、RXVI-10とRXVI-11、RXVI-11とRXVI-12、RXVI-12とRXVI-13は、独立に選択されてスペーサ対を形成し、1つのスペーサ対は、合わさって、このスペーサ対の構成要素の結合点と結合する連続した3〜6個の原子を有する線形部分を形成することにより環を形成し、この環は、連続した5〜8個の要素を有するシクロアルケニルと、連続した5〜8個の要素を有する一部が飽和したヘテロシクリルと、連続した5〜6個の要素を有するヘテロアリールと、アリールとからなるグループの中から選択され、ただしスペーサ対RXVI-4とRXVI-5、RXVI-5とRXVI-6、RXVI-6とRXVI-7、RXVI-7とRXVI-8からなるグループの中の2つ以上が同時に使用されることはなく、スペーサ対RXVI-9とRXVI-10、RXVI-10とRXVI-11、RXVI-11とRXVI-12、RXVI-12とRXVI-13からなるグループの中の2つ以上が同時に使用されることはなく;
【0235】
RXVI-4とRXVI-9、RXVI-4とRXVI-13、RXVI-8とRXVI-9、RXVI-8とRXVI-13は、独立に選択されてスペーサ対を形成し、このスペーサ対は、合わさって線形部分を形成し、この線形部分は、連続した5〜8個の要素を有する一部が飽和したヘテロシクリルと、連続した5〜6個の要素を有するヘテロアリールとからなるグループの中から選択された環を形成し、ただしスペーサ対RXVI-4とRXVI-9、RXVI-4とRXVI-13、RXVI-8とRXVI-9、RXVI-8とRXVI-13からなるグループのうちの2つ以上が同時に使用されることはない。
【0236】
一般式(XVI)の化合物はWO 00/18724号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0237】
好ましい一実施態様では、CETP阻害剤は、一般式(XVI)で表わされる以下の化合物の中から選択する。
(2R)-3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-シクロプロピルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-(2-フリル)フェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0238】
(2R)-3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-メチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2-フルオロ-5-ブロモフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェノキシ]フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-[3-(ペンタフルオロエチル)フェノキシ]フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3,5-ジメチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-エチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-t-ブチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-メチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフトキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0239】
(2R)-3-[[3-(フェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-[3-(N,N-ジメチルアミノ)フェノキシ]フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジメチルフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチルチオ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジフルオロフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル][3-[シクロヘキシルメトキシ)フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2-ジフルオロメトキシ-4-ピリジルオキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2-トリフルオロメチル-4-ピリジルオキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-ジフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(3-トリフルオロメチルチオ)フェノキシ]フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0240】
(2R)-3-[[3-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-シクロプロピルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-(2-フリル)フェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-メチルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2-フルオロ-5-ブロモフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェノキシ]フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-[3-(ペンタフルオロエチル)フェノキシ]フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3,5-ジメチルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0241】
(2R)-3-[[3-(3-エチルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-t-ブチルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-メチルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフトキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(フェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-[3-(N,N-ジメチルアミノ)フェノキシ]フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジメチルフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチルチオ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジフルオロフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル][3-[シクロヘキシルメトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0242】
(2R)-3-[[3-(2-ジフルオロメトキシ-4-ピリジルオキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2-ジフルオロメチル-4-ピリジルオキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-ジフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(3-トリフルオロメチルチオ)フェノキシ]フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル][[3-(ペンタフルオロエチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-シクロプロピルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-(2-フリル)フェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-メチルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2-フルオロ-5-ブロモフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0243】
(2R)-3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェノキシ]フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-[3-(ペンタフルオロエチル)フェノキシ]フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3,5-ジメチルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-エチルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-t-ブチルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-メチルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフトキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(フェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-[3-(N,N-ジメチルアミノ)フェノキシ]フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0244】
(2R)-3-[[[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジメチルフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチルチオ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジフルオロフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル][3-[シクロヘキシルメトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2-ジフルオロメトキシ-4-ピリジルオキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2-トリフルオロメチル-4-ピリジルオキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-ジフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-トリフルオロメチルチオ)フェノキシ]フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル][[3-(ヘプタフルオロプロピル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-シクロプロピルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-(2-フリル)フェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0245】
(2R)-3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-メチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2-フルオロ-5-ブロモフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-[3-(ペンタフルオロエチル)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3,5-ジメチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-エチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-t-ブチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-メチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフトキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0246】
(2R)-3-[[3-(フェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-[3-(N,N-ジメチルアミノ)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジメチルフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチルチオ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジフルオロフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[シクロヘキシルメトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2-ジフルオロメトキシ-4-ピリジルオキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2-トリフルオロメチル-4-ピリジルオキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-ジフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0247】
(2R)-3-[[3-(3-トリフルオロメチルチオ)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-トリフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-イソプロピルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-シクロプロピルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-(2-フリル)フェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-メチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2-フルオロ-5-ブロモフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0248】
(2R)-3-[[3-[3-(ペンタフルオロエチル)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3,5-ジメチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-エチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-t-ブチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-メチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフトキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(フェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-[3-(N,N-ジメチルアミノ)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジメチルフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3-(トリフルオロメチルチオ)フェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
【0249】
(2R)-3-[[[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[[3,5-ジフルオロフェニル]メトキシ]フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル][3-[シクロヘキシルメトキシ)フェニル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2-ジフルオロメトキシ-4-ピリジルオキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(2-トリフルオロメチル-4-ピリジルオキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(3-ジフルオロメトキシフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[[3-(3-トリフルオロメチルチオ)フェノキシ]フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール;
(2R)-3-[[3-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル][[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール。
【0250】
本発明において有用な別のクラスのCETP阻害剤は、一般式(XVII):
【化60】
Figure 2004534811
で表わされるキノリンと、その薬理学的に許容可能な形態である。ただしこの一般式(XVII)において、
AXVIIは、6〜10個の炭素原子を含むアリールを表わし、このアリールは、場合によっては、5個までの同じ置換基または異なる置換基で置換されており、その置換基は、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシの形態、あるいは、直鎖状または分枝状で7個までの炭素原子を含むアルキル、アシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシの形態、あるいは、一般式-NRXVII-4RXVII-5で表わされる基の形態であり;
ただしR XVII-4とR XVII-5は、同じでも異なっていてもよく、水素、フェニル、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルのいずれかを表わし、
DXVIIは、6〜10個の炭素原子を含むアリールを表わし、このアリールは、場合によっては、フェニル、ニトロ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、一般式:
【化61】
Figure 2004534811
で表わされる基のいずれかで置換されており;ただし
【0251】
RXVII-6、RXVII-7、RXVII-10は、互いに独立に、3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキル、あるいは、6〜10個の炭素原子を含むアリール、あるいは、5〜7員で、S、N、Oの中から選択した4個までのヘテロ原子を含み、または飽和した、または不飽和の、場合によってはベンゾ縮合した単環式、二環式、三環式になった複素環を表わし、この環は、窒素を含む環である場合には、やはりN基を通じて、場合によっては5個までの同じまたは異なる置換基で置換されており、その置換基は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシル、トリフルオロメトキシの形態、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアシル、アルキル、アルキルチオ、アルキルアルコキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニルの形態、6〜10個の炭素原子を含むアリール、トリフルオロメチル置換されたアリールの形態、S、N、Oの中から選択した3個までのヘテロ原子を含み、場合によってはベンゾ縮合された5〜7員の芳香族複素環の形態、一般式-ORXVII-11、-SRXVII-12、-SO2RXVII-13、-NRXVII-14RXVII-15で表わされる基の形態のいずれかであり;ただし、
RXVII-11、RXVII-12、RXVII-13は、互いに独立に、6〜10個の炭素原子を含むアリールを表わし、このアリールは、2個までの同じまたは異なる置換基で置換されており、その置換基は、フェニル、ハロゲン、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルのいずれかの形態であり;
RXVII-14とRXVII-15は、同じでも異なっていてもよく、上記のRXVII-4およびRXVII-5と同じものであり;あるいは
RXVII-6および/またはRXVII-7は、以下の一般式:
【化62】
Figure 2004534811
で表わされる基を表わし;
【0252】
RXVII-8は、水素またはハロゲンを表わし;
RXVII-9は、水素、ハロゲン、アジド、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、トリフルオロメトキシ、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルコキシまたはアルキル、一般式-NRXVII-16RXVII-17(ただしRXVII-16とRXVII-17は、同じでも異なっていてもよく、上記のRXVII-4およびRXVII-5と同じものである)で表わされる基のいずれかを表わし;あるいは
RXVII-8とRXVII-9は、合わさって、=Oまたは=NRXVII-18で表わされる基を形成し(ただしRXVII-18は、水素、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキル、アルコキシ、アシルのいずれかを表わす);
LXVIIは、直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキレン、アルケニレンであり、場合によっては、2個までのヒドロキシル基で置換されており、
TXVIIとXXVIIは、同じでも異なっていてもよく、直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキレンを表わし、あるいは
TXVIIとXXVIIは、結合を表わし;
VXVIIは、酸素、イオウ、-NRXVII-19(ただしRXVII-19は、水素、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキル、フェニルのいずれかを表わす)のいずれかを表わし;
【0253】
EXVIIは、3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキル、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキルを表わし、このアルキルは、場合によっては、3〜8個の炭素原子を含むシクロアルキル、ヒドロキシル、フェニルのいずれかで置換されており、このフェニルは、場合によっては、ハロゲンまたはトリフルオロメチルで置換されており;
RXVII-1とRXVII-2は、同じでも異なっていてもよく、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル、水素、ニトロ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、シアノ、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアシル、-NRXVII-20RXVII-21のいずれかを表わし;
RXVII-20とRXVII-21は、同じでも異なっていてもよく、水素、フェニル、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルのいずれかを表わし;あるいは、
RXVII-1および/またはRXVII-2は、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含み、場合によってはハロゲン、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシのいずれかで置換されたアルキル、あるいは直鎖状または分枝状で4個までの炭素原子を含むアルコキシ、あるいは6〜10個の炭素原子を含み、場合によってはハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロの中から選択した5個までの同じまたは異なる置換基で置換されたアリール、あるいは直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキル、アシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、あるいは-NRXVII-22RXVII-23であり;
【0254】
RXVII-22とRXVII-23は、同じでも異なっていてもよく、水素、フェニル、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルキルのいずれかを表わし;および/または
RXVII-1とRXVII-2は、合わさって、6個までの炭素原子を含み、場合によってはハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシのいずれかで置換されたアルキレンまたはアルカン、あるいは直鎖状または分枝状で5個までの炭素原子を含むアルコキシを形成し;
RXVII-3は、水素、あるいは直鎖状または分枝状で20個までの炭素原子を含むアシル、あるいはベンゾイル(このベンゾイルは、場合によっては、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、トリフルオロメトキシのいずれかで置換されている)、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子と7個までのフッ素原子を含むフルオロアシル、あるいは3〜7個の炭素原子を含むシクロアルキル、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキル(このアルキルは、場合によっては、ヒドロキシル、直鎖状または分枝状で6個までの炭素原子を含むアルコキシ(このアルコキシは、場合によってはフェニルで置換されており、このフェニルはさらに、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニルで置換されていてもよい)、テトラゾール置換されたフェニルのいずれかで置換されている)、あるいは、場合によっては一般式-ORXVII-24(ただしRXVII-24は、直鎖状または分枝状で4個までの炭素原子を含むアシルである)で表わされる基で置換されたアルキルを表わす。
【0255】
一般式(XVII)の化合物はWO 98/39299号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0256】
本発明において有用な別のクラスのCETP阻害剤は、一般式(XVIII):
【化63】
Figure 2004534811
で表わされる4-フェニルテトラヒドロキノリンと、そのN-酸化物、ならびに薬理学的に許容可能な形態である。ただしこの一般式(XVIII)において、
AXVIIIは、2個までの同じまたは異なる置換基で置換されたフェニルを表わし、その置換基は、ハロゲン、トリフルオロメチル、直鎖状または分枝状で3個までの炭素原子を含むアルキルまたはアルコキシのいずれかの形態であり;
DXVIIIは、一般式:
【化64】
Figure 2004534811
を表わし;
RXVIII-5とRXVIII-6は、合わさって、=Oを形成し;あるいは
RXVIII-5は水素を表わし、かつRXVIII-6はハロゲンまたは水素を表わし;あるいは
RXVIII-5とRXVIII-6は水素を表わし;
RXVIII-7とRXVIII-8は、同じでも異なっていてもよく、4個までの同じまたは異なる置換基で置換されたフェニル、ナフチル、ベンゾチアゾリル、キノリニル、ピリミジル、ピリジルのいずれかを表わし、その置換基は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、トリフルオロメトキシ、-SO2-CH3、-NRXVIII-9RXVIII-10のいずれかの形態であり;ただし
【0257】
RXVIII-9とRXVIII-10は、同じでも異なっていてもよく、水素、あるいは直鎖状または分枝状で3個までの炭素原子を含むアルキルを表わし;
EXVIIIは、3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキル、あるいは直鎖状または分枝状で8個までの炭素原子を含むアルキルを表わし;
RXVIII-1は、ヒドロキシを表わし;
RXVIII-2は、水素またはメチルを表わし;
RXVIII-3とRXVIII-4は、同じでも異なっていてもよく、直鎖状または分枝状で3個までの炭素原子を含むアルキルを表わし;あるいは
RXVIII-3とRXVIII-4は、合わさって、2〜4個の炭素原子からなるアルケニレンを形成する。
【0258】
一般式(XVIII)の化合物はWO 99/15504号に開示されており、その全体を本明細書に援用する。
【0259】
両親媒性ポリマー
本発明で使用するのに適した両親媒性ポリマーは、薬理学的許容可能なものでなくてはならず、生理学的に適切なpH(例えば1〜8)において水溶液への溶解度が少なくとも幾分かはないといけない。このポリマーは、中性(イオン化不能)またはイオン化可能であり、水に対する溶解度が、pH1〜8の少なくとも一部の範囲において、少なくとも0.1mg/mlでなくてはならない。本発明で使用するのに適した両親媒性ポリマーは、セルロースを含んでいてもいなくてもよい。このポリマーは、水溶液中で中性またはイオン化可能である。これらポリマーのうち、両親媒性の程度が最大のものが好ましい。両親媒性の程度が大きいポリマーの多くは、イオン化可能なセルロース含有ポリマーである。
【0260】
“両親媒性”とは、ポリマーが疎水性部分と親水性部分を有することを意味する。疎水性部分は、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を含むことができる。親水性部分は、水などの分子と、極性相互作用、または水素結合供与相互作用、または水素結合受容相互作用をすることが可能なイオン化可能な基またはイオン化不能な基を含むことができる。そのような基の具体例として、ヒドロキシル、カルボン酸、エステル、エーテル、アミン、アミドなどが挙げられる。
【0261】
両親媒性で、好ましくはイオン化可能なポリマーが好ましい。というのも、そのようなポリマーは、薬剤との相互作用が比較的強いと同時に、水溶液中の水との相互作用も比較的強い傾向があると考えられているからである。このような相互作用により、すでに説明したような水性使用環境においてさまざまなタイプのポリマー/薬剤集合体の形成を促進させることができる。さらに、このようなポリマーのイオン化した基の似た電荷同士の反発により、ポリマー/薬剤集合体のサイズがナノメートルまたはサブミクロンのスケールに制限される可能性がある。特定の理論に囚われるつもりはないが、例えばそのようなポリマー/薬剤集合体は、ポリマーによって囲まれた疎水性薬剤クラスターを含むことができる。そのときこのポリマーの疎水性領域は内側の薬剤の方向を向き、このポリマーの親水性領域は外側の水性環境の方向を向く。また、薬剤の化学的特性に応じ、ポリマーのイオン化する官能基は、例えばイオン対または水素結合を通じ、薬剤のイオン性の基または極性基と結合することができる。イオン化可能なポリマーの場合、このポリマーの親水性領域にイオン化する官能基が含まれることになる。溶液中のこのようなポリマー/薬剤集合体は、ポリマー含有ミセル様構造によく似ている。いずれにせよ、作用メカニズムがどのようなものであれ、本発明の発明者は、このような両親媒性ポリマー、中でもイオン化可能なセルロース含有ポリマーが水溶液中でポリマー/薬剤集合体を形成し、このようなポリマーを含まない対照組成物と比べて遊離した薬剤と溶けた全薬剤のレベルが高くなることを観察した。
【0262】
本発明で使用するのに適した両親媒性ポリマーの1つのクラスは、セルロースを含まない中性(イオン化不能な)ポリマーである。セルロースを含まない中性ポリマーの具体例としては、置換基としてヒドロキシル、アルキルアシルオキシ、環状アミドを有するビニルポリマーとコポリマー;繰り返し単位の少なくとも一部に加水分解されていない(酢酸ビニル)形態を含むポリビニルアルコール;ポリビニルアルコールポリ酢酸ビニル・コポリマー;ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール・コポリマー;ポリビニルピロリドン(ポビドンまたはPVPとしても知られる);ポリエチレンポリビニルアルコール・コポリマー;ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマーなどが挙げられる。
【0263】
1種類のビニル繰り返し単位のみを含むビニルホモポリマーは、幾分か親水性である可能性がある。例えばポリビニルピロリドンは、ぶら下がっている環状アミド基が比較的親水性であるという意味で、幾分か親水性であり、このポリマーの残部は、メチレン基からなる骨格そのものも含め、比較的疎水性である。
【0264】
一般に、比較的親水性のある繰り返し単位と比較的疎水性のある繰り返し単位を含むコポリマーは、たいていのホモポリマーよりも親水性になるであろう。親水性コポリマーの具体例は、ポリビニルアルコール/酢酸ポリビニル・コポリマーとポリエチレンポリビニルアルコール・コポリマーである。
【0265】
セルロース含有中性ポリマーの好ましいクラスは、少なくとも1つの親水性ヒドロキシルを含む繰り返し単位と、少なくとも1つの疎水性のアルキルまたはアリールを含む繰り返し単位とを備えたビニルコポリマーからなる。このような中性ビニルコポリマーは、“両親媒性ヒドロキシル機能性ビニルコポリマー”と呼ばれる。両親媒性ヒドロキシル機能性ビニルコポリマーは、大きな濃度増大性を有すると考えられている。というのも、このコポリマーは両親媒性であるため、低溶解度の疎水性薬剤と相互作用する十分な量の疎水基と、十分な水溶性を有する十分な量の親水基の両方を有するからである。両親媒性ヒドロキシル機能性ビニルコポリマーのコポリマー構造は、親水性と疎水性を調節できるようなものであるため、低溶解度である個々の薬剤の性能を最大化することもできる。
【0266】
好ましいコポリマーは、以下の一般構造:
【化65】
Figure 2004534811
を有する(ただし、AとBは、それぞれ、“ヒドロキシルを含む親水性”置換基、“疎水性”置換基を表わし、nとmは、それぞれ、ポリマー1分子当たりの親水性ビニル繰り返し単位の平均数と疎水性ビニル繰り返し単位の平均数を表わす)。コポリマーは、ブロック・コポリマーでもよいし、ランダム・コポリマーでもよいし、あるいはこれら両極端の間に位置する任意の構造になっていてもよい。nとmの和は一般に約50〜約20,000であるため、ポリマーの分子量は約2,500〜約1,000,000ダルトンになる。
【0267】
ヒドロキシルを含む親水性繰り返し単位“A”は、単純にヒドロキシル(-OH)であってもよいし、1個以上のヒドロキシルが結合した短鎖(炭素が1〜6個)のアルキルでもよい。ヒドロキシル置換されたアルキルは、炭素-炭素結合またはエーテル結合を通じてビニル骨格に結合させることができる。したがって“A”構造の具体例としては、ヒドロキシルそのものに加え、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシメトキシ、ヒドロキシエトキシ、ヒドロキシプロポキシなどが挙げられる。
【0268】
疎水性置換基“B”としては、単純に水素(-H)(この場合、疎水性繰り返し単位はエチレンである);炭素原子が12個まで炭素-炭素結合によって結合したアルキル置換基またはアリール置換基(例えばメチル、エチル、フェニル);炭素原子が12個までエーテル結合によって結合したアルキル置換基またはアリール置換基(例えばメトキシ、エトキシ、フェノキシ);炭素原子が12個までエステル結合によって結合したアルキル置換基またはアリール置換基(例えばアセテート、プロピオネート、ブチレート、ベンゾエート)などが可能である。本発明の両親媒性ヒドロキシル機能性ビニルコポリマーは、置換されたビニルコポリマーを調製するのに用いられる任意の従来法で合成することができる。置換されたビニルコポリマーのうちのいくつか、例えばポリビニルアルコール/ポリビニルアセテートは周知であり、市販されている。
【0269】
両親媒性ヒドロキシル機能性ビニルコポリマーの特に好ましいサブクラスは、疎水性置換基“B”が親水性置換基“A”を含んでいて、アルキレート基またはアリーレート基がエステル結合を通じてAの1つ以上のヒドロキシルと結合しているものである。このようなコポリマーを合成するには、まず最初に、置換基Bを有する疎水性ビニル繰り返し単位からなるホモポリマーを形成し、次いでエステル結合の一部を加水分解し、疎水性ビニル繰り返し単位の一部を、置換基Aを有する親水性ヒドロキシル含有繰り返し単位に変換するとよい。例えばホモポリマーであるポリビニルブチレートの一部を加水分解すると、Aがヒドロキシル(-OH)でBがブチレート(-OOC-CH2-CH2-CH3)であるビニルアルコール/ビニルブチレート・コポリマーが生成する。
【0270】
あらゆるタイプのコポリマーに関し、nの値がmの値と比べて十分に大きく、得られるコポリマーが少なくとも部分的に水に溶けるようになっていなければならない。比n/mの値はAとBが何であるかによって異なるが、一般に少なくとも約1、より一般には約2以上である。比n/mは、200まで大きくなることが可能である。疎水性ホモポリマーの加水分解によってコポリマーが形成されるとき、nとmの相対値は、一般に、“%加水分解”と呼ばれる。これは、コポリマーの繰り返し単位のうちで加水分解された形態またはヒドロキシルの形態になったものの合計数の割合(%で表示)である。%加水分解Hは、
【数1】
Figure 2004534811
で与えられる。例えば(ブチレート基の一部が加水分解されることによって形成される)ビニルブチレート/ビニルアルコール・コポリマーで加水分解の割合が75%であるものの比n/mは3である。
【0271】
両親媒性ヒドロキシル機能性ビニルコポリマーの1つのファミリーは、AがヒドロキシルでBがアセテートになっているものである。そのようなコポリマーは、酢酸ビニル/ビニルアルコール・コポリマーと呼ばれる。市販されているいくつかのグレードは、単にポリビニルアルコールとも呼ばれることがある。しかし真のホモポリマーであるポリビニルアルコールは両親媒性ではなく、水にはほとんど溶けない。好ましい酢酸ビニル/ビニルアルコール・コポリマーは、Hが約67%〜99.5%のもの、すなわちn/mの値が約2〜200のものである。好ましい平均分子量は、約2500〜1,000,000ダルトンである。より好ましい平均分子量は約3000〜約100,000ダルトンである。
【0272】
本発明で使用するのに適したポリマーの別のクラスとしては、セルロースを含まないイオン化可能なポリマーが挙げられる。ポリマーの具体例としては、カルボン酸機能性ビニルポリマー(例えばカルボン酸機能性ポリメタクリレートやカルボン酸機能性ポリアクリレートであり、具体的にはローム・テック社(モールデン、マサチューセッツ州)が製造しているオイドラギット(登録商標));アミン機能性ポリアクリレートとアミン機能性ポリメタクリレート;高分子量のタンパク質(例えばゼラチンやアルブミン);カルボン酸機能性デンプン(例えばグリコール酸デンプン)などが挙げられる。
【0273】
このようなポリマーは、特に親水性の程度が異なる2種類以上の繰り返し単位が存在しているとき、両親媒性になることができる。したがってセルロースを含まない両親媒性ポリマーの好ましい1つのクラスは、比較的親水性のモノマーと比較的疎水性のモノマーを含むコポリマーである。例えばメタクリル酸とメチルメタクリレートを含むコポリマーや、親水性繰り返し単位と疎水性繰り返し単位を含むコポリマーは、それぞれ両親媒性であり、本発明において有用である。両親媒性の程度は、例えば対応する親水性ホモポリマーであるポリアクリル酸、または対応する疎水性ホモポリマーであるポリ(メチルメタクリレート)よりもはるかに大きい。このようなコポリマーの具体例は、オイドラギットL100とオイドラギットS100である。イオン化可能な両親媒性ビニル・コポリマーの別の例は、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、2-ジメチル-アミノエチルメタクリレートを含む三成分コポリマーである。このクラスのポリマーの一例はオイドラギットE100である。2種類以上の繰り返し単位を含むコポリマーでは、親水性繰り返し単位と疎水性繰り返し単位の相対的な割合が、大きな水溶性ではなく幾分かの水溶性を有するように選択されることに注意されたい。一般に、pHが1〜8の範囲の少なくとも一部で水に対する溶解度が約0.1mg/ml〜約100mg/mlであるコポリマーを用いると、よい結果が得られる。最良の結果は、水に対する溶解度が0.5mg/ml〜40mg/mlの範囲にあるポリマーでしばしば得られる。このような親水性コポリマーのいくつかは、完全には溶けないが、濁った溶液を形成する傾向がある。このようなポリマー溶液は、“ヒドロコロイド”溶液と呼ばれることがある。
【0274】
好ましいクラスのポリマーとしては、エステル結合した置換基および/またはエーテル結合した置換基を少なくとも1つ有するセルロース含有ポリマーでイオン化可能なものと中性の(すなわちイオン化不能の)ものが挙げられる。これらのポリマーは、置換度が各置換基について少なくとも0.05である。この明細書におけるポリマーの命名法では、エーテル結合している置換基は、エーテル基と結合している部分として“セルロース”の前に置かれることに注意されたい。例えば“エチル安息香酸セルロース”は、エトキシ基を介してエーテル結合しているエトキシ安息香酸置換基を有する。同様に、エステル結合している置換基は、カルボキシレートなどのように“セルロース”の後ろに置かれる。例えば“セルロースフタレート”では、各フタレート部分の一方のカルボン酸はこのポリマーにエステル結合し、他方のカルボン酸は反応せずに残る。
【0275】
“セルロースアセテートフタレート”(CAP)といったポリマーの名称は、セルロース含有ポリマーのヒドロキシル基のかなりの割合にエステル結合を通じて結合したアセテート基とフタレート基を有するあらゆるセルロース含有ポリマーのファミリーを意味することにも注意されたい。一般に、各置換基の置換の程度は、ポリマーに関する他の基準が満たされている限り、0.05〜2.9の範囲になる。“置換の程度”とは、セルロース鎖上の糖繰り返し単位1つにつき3つあるヒドロキシルのうちで置換されているものの数の平均値を意味する。例えばセルロース鎖上のすべてのヒドロキシルがフタレート置換されている場合には、フタレート置換の程度は3である。ポリマーのファミリーの各タイプには、ポリマーの性能を実質的に変化させない比較的少量の追加置換基が付加されたセルロース含有ポリマーも含まれる。
【0276】
両親媒性セルロース含有ポリマーとしては、親セルロース・ポリマーが、それぞれの糖繰り返し単位上に存在する3つのヒドロキシル基のいずれかまたはすべてにおいて、少なくとも1つの比較的疎水性の置換基で置換されたポリマーが挙げられる。疎水性置換基としては、置換度が十分に大きなレベルまたは程度になったとき、セルロース含有ポリマーを水にほとんど溶けなくすることのできるほぼすべての置換基が可能である。疎水性置換基の具体例としては、エーテル結合するアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルなど);エステル結合するアルキル基(例えばアセテート、プロピオネート、ブチレートなど);エーテル結合および/またはエステル結合するアリール基(例えばフェニル、ベンゾエート、フェニレート)などが挙げられる。親水性置換基としては、エーテル結合するイオン化不能基またはエステル結合するイオン化不能基が挙げられる。具体的には、ヒドロキシアルキル基(例えばヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル)と、アルキルエーテル基(例えばエトキシエトキシ、メトキシエトキシ)である。別のクラスの親水性置換基は、セルロースにエーテル結合またはエステル結合し、置換後にイオン化可能な基(例えばカルボン酸、チオカルボン酸、置換されたフェノキシ基、アミン、ホスフェート、スルホネートなど)を有する置換基である。エステル結合するそのようなイオン化可能な親水性置換基としては、スクシネート、シトレート、フタレート、トリメリテート、グリコレートなどが挙げられる。エーテル結合するそのようなイオン化可能な親水性置換基としては、カルボキシメチル、カルボキシエチル、エトキシ安息香酸などが挙げられる。
【0277】
したがってセルロース含有ポリマーの場合には、“両親媒性ポリマー”(あるいは、特に“両親媒性セルロース含有ポリマー”)は、親水性置換基と疎水性置換基からなるグループの中から選択した1つ以上のエステル結合する置換基またはエーテル結合する置換基を有する任意のセルロース含有ポリマーである。両親媒性セルロース含有ポリマーの好ましいクラスは、少なくとも1つの親水性置換基と少なくとも1つの疎水性置換基を有するものである。
【0278】
親水性置換基は、5つのクラスに分類される。すなわち、
1.置換されていないヒドロキシル、
2.エーテル結合するイオン化不能な置換基、
3.エーテル結合するイオン化可能な置換基、
4.エステル結合するイオン化不能な置換基、
5.エステル結合するイオン化可能な置換基である。
【0279】
疎水性置換基は、2つのクラスに分類される。すなわち、
1.エーテル結合するイオン化不能な置換基、
2.エステル結合するイオン化不能な置換基である。
【0280】
場合によっては、置換基は、ある程度、親水性かつ疎水性であってもよい。例えばイオン化可能な置換基は一般に親水性であるとされているが、フタレートなどの置換基の場合には、置換基の芳香環部分が幾分か疎水性であることが知られている。
【0281】
エーテル結合するイオン化不能な親水性置換基の具体例としては、ヒドロキシアルキル置換基(例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルなど)と、アルキルエーテル基(例えばエトキシエトキシ、メトキシエトキシ)が挙げられる。
【0282】
エーテル結合したイオン化可能な親水性置換基としては、以下のものが挙げられる。すなわち、カルボン酸(例えば酢酸、プロピオン酸、安息香酸)、カルボキシメトキシ(一般にカルボキシメチルと呼ばれる)、カルボキシエトキシ(一般にカルボキシエチルと呼ばれる)、カルボキシプロポキシ(一般にカルボキシプロピルと呼ばれる)、カルボキシフェノキシ(一般にカルボキシフェニルと呼ばれる))、サリチル酸(フェノール性ヒドロキシルを介してセルロース含有ポリマーと結合)、アルコキシ安息香酸(例えばエトキシ安息香酸やプロポキシ安息香酸)、アルコキシフタル酸のさまざまな異性体(例えばエトキシフタル酸、エトキシイソフタル酸)、アルコキシニコチン酸のさまざまな異性体(例えばエトキシニコチン酸)、ピコリン酸のさまざまな異性体(例えばエトキシピコリン酸)など;チオカルボン酸(例えばチオ酢酸);置換されたフェノキシ基(例えばヒドロキシフェノキシなど);アミン(例えばアミノエトキシ、ジエチルアミノエトキシ、トリメチルアミノエトキシ);ホスフェート(例えばリン酸エトキシ);スルホネート(例えばスルホン酸エトキシ)である。
【0283】
エステル結合するイオン化不能な親水性置換基の具体例としては、ヒドロキシアセテート、ヒドロキシプロピオネート、ヒドロキシブチレートなどが挙げられる。
【0284】
エーテル結合するイオン化可能な親水性置換基としては、以下のものが挙げられる。すなわち、カルボン酸(例えばスクシネート、シトレート、フタレート、テレフタレート、イソフタレート、トリメリテート)、ピリジンカルボン酸のさまざまな異性体など;チオカルボン酸(例えばスクシネート);置換されたフェノキシ基(例えばアミノサリチル酸);アミン(例えば、アラニンやフェニルアラニンなどの天然または合成のアミノ酸);ホスフェート(例えばリン酸アセチル);スルホネート(例えばスルホン酸アセチル)である。芳香族置換されたポリマーが要求される水溶性も備えるためには、十分な数の親水基(例えばヒドロキシプロピル基またはカルボン酸官能基)がポリマーと結合し、少なくとも、イオン化可能な基であれば必ずイオン化するpH値においては、そのポリマーが水溶性になっていることも望ましい。場合によっては、芳香族基(例えばフタレート置換基またはトリメリテート置換基)それ自体がイオン化可能になっている。
【0285】
疎水性置換基の具体例としては、エーテル結合するイオン化不能な基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニルなど)またはエステル結合するイオン化不能な基(例えばアセテート、プロピオネート、ブチレート、ベンゾエート、フェニレート)が挙げられる。
【0286】
本発明の発明者は、本発明のポリマー/薬剤集合体を形成するにあたって両親媒性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートを用いるとうまくいくことを見いだした。Curatoloら(ヨーロッパ特許第0 901 786 A2号)が開示しているように、低溶解度の薬剤とHPMCASを含む分散体を使用環境に導入すると、得られた水溶液では低溶解度の薬剤の濃度が増大する。Curatoloらは特に記載していないが、この濃度増大効果は、この明細書に記載したように、ポリマー/薬剤集合体が存在していることと密接に関係していると考えられる。
【0287】
本発明の発明者は、濃度増大効果とポリマー/薬剤集合体を形成する性質を有するのがヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)に特有のことではなく、他の両親媒性セルロース含有ポリマーでも見られることを見いだした。実際、ヤノらは、Chem. Pharm. Bull.、第44巻(12)、2309−2313ページ、1996年において、溶解度の小さな薬剤YM022と、両親媒性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースと、ポリオキシエチレンで水素化したヒマシ油を含む分散体を水溶液に投与したとき、小さなコロイド粒子が形成されている可能性のあることを示すデータを提示している。その結果、このようなポリマーもポリマー/薬剤集合体を形成するのに有効である。
【0288】
一実施態様では、ポリマーとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートだけでなく、イオン化可能セルロース含有ポリマーも挙げられる。
【0289】
別の実施態様では、ポリマーとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースだけでなく、イオン化不能セルロース含有ポリマーも挙げられる。
【0290】
少なくとも1つの疎水性置換基と少なくとも1つの親水性置換基を有する適切な両親媒性セルロース含有ポリマーの具体例としては以下のものが挙げられる。すなわち、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルローススクシネート、ヒドロキシエチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシエチルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシエチルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシエチルセルロースアセテート、ヒドロキシエチルエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレート、メチルセルロースアセテートフタレート、エチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレートスクシネート、セルロースプロピオネートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースブチレートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、メチルセルロースアセテートトリメリテート、エチルセルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートトリメリテートスクシネート、セルロースプロピオネートトリメリテート、セルロースブチレートトリメリテート、セルロースアセテートテレフタレート、セルロースアセテートイソフタレート、セルロースアセテートピリジンジカルボキシレート、サリチル酸セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルサリチル酸セルロースアセテート、エチル安息香酸セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルエチル安息香酸セルロースアセテート、エチルフタル酸セルロースアセテート、エチルニコチン酸セルロースアセテート、エチルピコリン酸セルロースアセテートである。
【0291】
エステル結合する置換基またはエーテル結合する置換基として、親水性置換基と疎水性置換基からなるグループの中から選択した1つ以上の置換基を有する両親媒性セルロース含有ポリマーの具体例としては、上記のポリマーのほか、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースが挙げられる。
【0292】
上に列挙したような広範なポリマーを使用して本発明のポリマー/薬剤集合体を形成することができるが、本発明の発明者は、両親媒性が強いポリマーと、溶解性が幾分かあるが限られているという意味で比較的疎水性であるポリマーが、最高の性能を示すことを見いだした。そのことは、安定で小さなポリマー/薬剤集合体が形成され、したがって(1)溶けた全薬剤と;(2)遊離した薬剤の濃度と;(3)溶けた全薬剤に対する遊離した薬剤の割合が大きな値であることからわかる。中でも、イオン化していない状態では水に溶けず、イオン化した状態ではほんのわずかに水に溶けるセルロース含有ポリマーが、特に性能が優れている。上の説明と同様、イオン化可能なセルロース含有両親媒性ポリマーのうち、生理学的に適切なpHの範囲(1〜8)の少なくとも一部で溶解度が約0.1mg/ml〜約100mg/mlであるものが好ましい。より好ましいのは、溶解度が0.5mg/ml〜40mg/mlの範囲にあるイオン化可能なセルロース含有両親媒性ポリマーである。このようなポリマーは、ヒドロコロイドとなってほんのわずかにしか溶けない可能性があり、濁った溶液を形成する。
【0293】
イオン化可能なポリマーに関しては、ポリマーは、酸性塩、塩基性塩、中和された塩のいずれの形態でも存在できる。さらに、本発明のさまざまな実施態様で使用するのに特定のポリマーが適切であることを説明してきたが、そのようなポリマーの混合物も適切である。したがって“両親媒性ポリマー”という用語には、単一種のポリマーに加え、ポリマーの混合物も含まれる。
【0294】
ポリマー/薬剤集合体を含む溶液の形成方法
本発明のポリマー/薬剤集合体は、さまざまな方法で形成することができる。(1)溶けた薬剤の全濃度が、最低エネルギーである結晶形態の薬剤またはアモルファスな薬剤のみによって実現する平衡濃度を少なくとも一時的に超えており、(2)両親媒性の水溶性ポリマーが十分な量あって溶けた薬剤の濃度が平衡濃度よりも大きな値に維持されている水溶液を提供するほぼ任意の方法により、ポリマー/薬剤集合体が形成される。かなり多くのポリマー/薬剤集合体を含む水溶液を形成する具体的な方法を以下に示す。
【0295】
薬剤は、水溶液に溶けた薬剤の全濃度が、その溶液におけるその薬剤の平衡濃度を少なくとも一時的に超えるような任意の方法で、あるいは投与形態で、あるいは医薬製剤として、水溶液に投与することができる。“薬剤の平衡濃度”とは、最低エネルギーである結晶形態の薬剤によって、あるいは結晶形態が知られていない場合にはアモルファスな形態の薬剤によって得られる濃度を意味する。溶液中の薬剤の溶解度に関して報告されている値または測定された値は、平衡濃度として採用することができる。溶けた薬剤の濃度が平衡濃度を少なくとも一時的に超える投与形態と医薬製剤の具体例としては、薬剤が両親媒性ポリマーの中に分散されたアモルファスな固体分散体;薬剤が両親媒性ポリマー以外のマトリックス材料の中に分散されたアモルファスな固体分散体;溶解度が向上した形態の薬剤;薬剤と錯化剤を含む可溶性複合体(例えば薬剤と配位結合を形成するシクロデキストリンなどの化合物)などが挙げられる。溶解度が向上した形態としては、非常に溶けやすい結晶化した塩の形態になった薬剤、エネルギーが大きな結晶の形態になった薬剤(例えば多形)、アモルファスな薬剤(薬剤は結晶形態で存在していてもよい)、薬剤と可溶化剤の混合物、溶液中にあらかじめ溶かした薬剤などが挙げられる。溶解度が向上したこのような形態の具体例に関しては、1999年12月23日に出願された仮特許出願シリアル番号第60/171,841号の優先権を主張して2000年12月20日に出願されて係属中の出願(譲受人に譲渡)である「薬剤の濃度が増大した医薬組成物」という名称のシリアル番号第09/742,785号と、「薬剤と濃度増大性ポリマーを含む医薬組成物」という名称の2001年6月22日に出願されたシリアル番号第60/300,314号により詳しく説明してある。なおこれら出願の内容は、参考としてこの明細書に組み込まれているものとする。
【0296】
得られる溶液では薬剤の濃度が十分に大きくなっている必要があるため、十分な量の薬剤を水溶液に投与せねばならない。一般に、水溶液中に存在する全薬剤により、溶けた薬剤の全濃度がアモルファスな形態の薬剤の溶解度の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍を超えるとき、好ましい結果が得られる。例えばアモルファスな形態での溶解度が10μg/mlの薬剤だと、薬剤を少なくとも15μg、より好ましくは少なくとも20μgを1mlの水溶液に添加すると、ポリマー/薬剤集合体が形成されるであろう。
【0297】
両親媒性ポリマーは、薬剤とともに、あるいは薬剤とは別に、溶液に添加することができる。したがってポリマーは、薬剤と混合してもよいし、薬剤を添加する前または後に水溶液に溶かしてもよいし、薬剤含有組成物とは別の組成物にしてもよい。ポリマーの量は、溶液中の薬剤の合計量と等しいことが好ましく、溶液に投与される薬剤の合計量の少なくとも2倍になっていることがより好ましい。したがって溶液に薬剤を10μg投与した場合には、溶液に対し、両親媒性ポリマーも少なくとも10μg、より好ましくは少なくとも20μg投与する。投与するポリマーの量をさらに多くして例えば薬剤の3倍〜10倍にすると、よい結果が得られる可能性がある。
【0298】
ここでポリマー/薬剤集合体を含む溶液を形成する個々の方法について説明する。1つの好ましい方法は、薬剤と両親媒性ポリマーを含むアモルファスな固体分散体を水溶液に投与するというものである。薬剤と両親媒性ポリマーを含むアモルファスな固体分散体からなる製剤は、任意の従来法を利用して形成することができる。純粋な状態の薬剤は結晶でもアモルファスでもよいが、分散体に含まれる薬剤の少なくとも主要部はアモルファスである。“アモルファス”とは、単純に、薬剤が非結晶状態であることを意味する。この明細書では、薬剤の“主要部”という用語は、分散体に含まれる薬剤の少なくとも60%が、結晶の形態ではなくアモルファスな形態になっていることを意味する。分散体の中に存在するアモルファスな薬剤の量が多いほど、使用環境における薬剤の水中濃度が改善される傾向のあることがわかっている。分散体に含まれる薬剤は、“実質的にアモルファス”であることが好ましい。この明細書では、“実質的にアモルファス”とは、アモルファスな形態の薬剤の量が少なくとも75%であることを意味する。分散体に含まれる薬剤は、“ほぼ完全にアモルファス”であることがより好ましい。これは、アモルファスな形態の薬剤の量が少なくとも90%であることを意味する。結晶状態の薬剤の量は、粉末X線回折、走査電子顕微鏡(SEM)解析、示差走査熱量測定(DSC)や、他の標準的な任意の定量測定法によって測定することができる。
【0299】
アモルファスな薬剤は、純粋相として、あるいは薬剤がポリマー全体に均一に分散された固溶体として、あるいはこれらの状態のあらゆる組み合わせとして、あるいは両者の中間状態として存在することができる。分散体による濃度増大を最大にするためには、分散体を実質的に均一にし、アモルファスな薬剤がポリマー全体にできるだけ均一に分散されるようにすることが好ましい。この明細書では、“実質的に均一”とは、固体分散体の内部に比較的純粋なアモルファス領域として存在する薬剤が比較的少なく、薬剤の合計量の20%未満、好ましくは10%未満になっていることを意味する。分散体には薬剤が豊富な領域がいくつか存在している可能性があるが、分散体そのものは単一のガラス転移温度(Tg)を有することが好ましい。それは、分散体が実質的に均一であることを示す。これは、純粋にアモルファスな薬剤粒子と純粋にアモルファスなポリマー粒子の単なる物理的混合物が一般に2つの異なるTg(一方は薬剤のTg、他方はポリマーのTg)を示すのとは対照的である。この明細書では、Tgは、徐々に加熱したときにガラス性材料がガラス状態からゴム状態へと比較的急速に(例えば10〜100秒で)物理的に変化するときの特徴的な温度を意味する。実質的に均一な本発明の分散体は、均一でない分散体と比較すると、一般に、物理的により安定で、濃度増大特性が改善されており、したがって生物学的利用能が改善されている。
【0300】
薬剤と中和された酸性ポリマーを含む分散体は、公知の任意の方法を利用して製造することができる。その結果、分散体に含まれる薬剤の少なくとも主要部がアモルファス状態になる。方法としては、物理的方法、熱的方法、溶媒法などが挙げられる。物理的方法の具体例としては、粉砕と押し出しがある。溶融法としては、高温融合法、溶媒調節融合法、溶融凝固法などがある。溶媒法としては、非溶媒沈殿法、スプレー・コーティング法、スプレー乾燥法などがある。例えば、押し出しプロセスによる分散体の形成が記載されているアメリカ合衆国特許第5,456,923号、アメリカ合衆国特許第5,939,099号、アメリカ合衆国特許第4,801,460号;粉砕プロセスによる分散体の形成が記載されているアメリカ合衆国特許第5,340,591号、アメリカ合衆国特許第4,673,564号;溶融/凝固プロセスプロセスによる分散体の形成が記載されているアメリカ合衆国特許第5,684,040号、アメリカ合衆国特許第4,894,235号、アメリカ合衆国特許第5,707,646号を参照のこと。なおこれら特許の開示内容を、本明細書に援用する。
【0301】
特に、中和された酸性ポリマーまたは薬剤の融点が比較的低い場合(一般には約200℃未満、好ましくは約160℃未満)、熱および/または物理的エネルギーを放出する押し出し法または溶融-凝固法が、ほぼ完全にアモルファスな分散体の形成に適していることがしばしばある。薬剤が分散体材料にかなりよく溶ける場合にも、こうした方法で実質的に均一な分散体を製造できることがしばしばある。例えば10重量%の薬剤と90重量%の適切なポリマーを乾燥状態で混合し(水を添加する場合と添加しない場合がある)、この混合物を二軸スクリュー押し出し装置に供給することができる。このプロセスを実行する温度は、薬剤とポリマーの融点に応じ、約50℃〜約200℃の範囲で変えることができる。この温度は、選択したポリマーのグレードと、水を添加した場合の水の量の関数である。一般に、薬剤とポリマーの融点が高くなるほど、このプロセスを実行する温度が高くなる。一般に、満足すべき(ほぼ完全にアモルファスで実質的に均一な)分散体が生成される最低の温度が選択される。
【0302】
分散体を形成するための別の方法は、“溶媒法”である。この方法は、薬剤と1つ以上の中和されたポリマーを共通の1つの溶媒に溶かすことからなる。“溶媒”という用語は、この明細書では広い意味で使用し、その中には溶媒の混合物が含まれる。“共通の”とは、この明細書では、溶媒(化合物の混合物でもよい)が薬剤とポリマーの両方を溶かすことを意味する。
【0303】
薬剤とポリマーの両方を溶かした後、蒸発により、あるいは非溶媒と混合することにより、溶媒を素早く除去する。具体的な方法としては、スプレー乾燥、スプレー・コーティング(パン・コーティング、流動床コーティングなど)、真空中での蒸発、ポリマーと薬剤をCO2、水、あるいは他の非溶媒と素早く混合することによる沈殿などがある。溶媒を除去した結果として、実質的に均一な固体分散体が得られることが好ましい。実質的に均一な分散体では、薬剤がポリマー全体を通じて可能な限り均一に分散されているため、薬剤は、ポリマー内に分散された固溶体と考えることができる。得られた分散体がポリマー内で薬剤の固溶体を構成している場合、この分散体は、熱力学的に安定である(これは、ポリマー中の薬剤の濃度が平衡値以下であることを意味する)か、あるいは過飽和固溶体(分散ポリマー中の薬剤の濃度が平衡値よりも大きい)と見なすことができる。
【0304】
溶媒は、スプレー乾燥の途中で除去することができる。スプレー乾燥という用語は、この明細書では従来と同じ広い意味で使用し、液体混合物を小さな液滴にし(噴霧化)、容器(スプレー乾燥装置)内の混合物から溶媒を素早く除去する操作を含む方法を指す。この容器内には、液滴から溶媒を蒸発させる強い駆動力が存在している。溶媒を蒸発させようとするこの強い駆動力は、一般に、スプレー乾燥装置内の溶媒の部分圧を、乾燥させる液滴の温度での溶媒の蒸気圧よりもはるかに小さな値に維持することによって与えられる。これは、(1)スプレー乾燥装置内の圧力を減圧した状態(例えば0.01〜0.50気圧)に維持すること;(2)液滴を暖かい乾燥用ガスと混合すること;(3)両方の操作を実行することのいずれかによって実現される。さらに、溶媒を蒸発させるのに必要な熱の少なくとも一部は、スプレー溶液を加熱することによって得られる。
【0305】
スプレー乾燥に適した溶媒は、薬剤とポリマーが互いに溶ける任意の有機化合物である。溶媒は、沸点が150℃以下の揮発性溶媒であることが好ましい。さらに、溶媒は、毒性が比較的少ないものでなければならない。また溶媒は、分散体から除去されて、残留量がハーモナイゼーションに関する国際委員会(ICH)のガイドラインで許容されるレベルになっている必要もある。溶媒をこのレベルまで除去するには、スプレー乾燥プロセスまたはスプレー・コーティング・プロセスの後にトレイ乾燥などの処理ステップが必要となる可能性がある。好ましい溶媒としては、アルコール(例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ブタノール);ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン);エステル(例えば酢酸エチル、酢酸プロピル);他のさまざまな溶媒(例えばアセトニトリル、塩化メチレン、トルエン、1,1,1-トリクロロエタン)などが挙げられる。揮発性がより小さな溶媒(例えばジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド)も使用できる。ポリマーと薬剤が十分に溶けてスプレー乾燥が実行可能である限り、水との混合物と同様、溶媒の混合物(例えばメタノール50%+アセトン50%)も使用できる。すでに説明したように、少なくとも数%の水を添加すると好ましいことがしばしばある。
【0306】
一般に、乾燥用ガスの温度と流速は、ポリマー/薬剤-溶液の液滴が装置の壁面に到達するまでに十分に乾燥してほぼ固体になるような値、またその液滴が細かい粉末を形成するために装置の壁面に付着しないような値を選択する。このレベルの乾燥度を実現するための実際の時間は、液滴のサイズに依存する。液滴のサイズは、一般に、直径が1μm〜500μmである。より一般的なサイズは、5〜100μmである。液滴は体積に対する表面積の比が大きく、溶媒を蒸発させようとする駆動力も大きいため、実際の乾燥時間は数秒以下、より一般には0.1秒未満になる。このように素早い乾燥は、粒子にとって、薬剤が豊富な相とポリマーが豊富な相に分離した分散体ではなく、一定で均一な分散体を維持する上で極めて重要であることがしばしばある。上記のように、濃度と生物学的利用能の大きな増大を得るためには、できるだけ均一な分散体を得る必要のあることがしばしばある。固化時間は、100秒未満でなくてはならない。この値は、数秒未満であることが好ましく、1秒未満であることがさらに好ましい。一般に、薬剤/ポリマー溶液をこのように急速に固化させるには、スプレー乾燥プロセスにおいて形成された液滴のサイズとして直径が約100μm未満であることが好ましい。このようにして得られた固体粒子は、一般に、直径が約100μm未満である。
【0307】
固化の後、固体粉末は一般にスプレー乾燥チェンバーの中に約5〜60秒間留まり、その間に固体粉末から溶媒をさらに蒸発させる。固体分散体が乾燥装置から出たときの最終的な溶媒含有量は少なくなっていなければならない。というのも、こうすることによって分散体内部における薬剤分子の移動性が低下し、その結果として分散体の安定性が向上するからである。一般に、分散体がスプレー乾燥チェンバーを出るときにこの分散体に含まれる溶媒の量は、10重量%未満、好ましくは2重量%未満になっていなくてはならない。場合によっては、分散体に悪い影響がない限り、溶媒またはポリマー溶液または他の賦形剤をスプレー乾燥チェンバーの中にスプレーして粒子を形成することが好ましい可能性がある。
【0308】
スプレー乾燥法とスプレー乾燥装置の概略については、『ペリーによる化学技術者のためのハンドブック』、第6版(R.H. Perry、D.W. Green、J.O. Maloney編)、マグローヒル出版社、1984年、20-54〜20-57ページに記載されている。スプレー乾燥法とスプレー乾燥装置に関する詳細は、Marshall、「噴霧化とスプレー乾燥」、50 Chem. Eng. Prog. Monogr.シリーズ2、1954年にまとめられている。
【0309】
本発明による分散体の中に存在する薬剤の量に対するポリマーの量は、薬剤とポリマーによって異なり、ポリマーに対する薬剤の重量比が0.01〜約4(例えば薬剤が1重量%〜80重量%)という広い範囲にわたる可能性がある。しかしたいていの場合には、ポリマーに対する薬剤の重量比は約0.05(薬剤が4.8重量%)よりも大きく、約2.5(薬剤が71重量%)よりも小さい。
【0310】
したがってポリマー/薬剤集合体を含む溶液は、薬剤と両親媒性ポリマーを含む上に説明したようなアモルファスな固体分散体を水溶液に投与することによって形成できる。
【0311】
ポリマー/薬剤集合体を形成する別の方法は、薬剤/マトリックスを含むアモルファスな固体分散体を両親媒性ポリマーと混合してから水溶液に投与するというものである。薬剤/マトリックス分散体は、アモルファスな固体分散体を形成するための上に説明した任意の方法を利用して形成することができる。ポリマー/薬剤集合体を含む溶液は、(1)薬剤/マトリックスを含む固体分散体を両親媒性ポリマーと混合した後、この混合物を水溶液に添加することによって、あるいは(2)薬剤/マトリックス分散体を、すでに両親媒性ポリマーが含まれている水溶液に投与することによって、あるいは(3)薬剤/マトリックス分散体を水溶液に添加した後、両親媒性ポリマーをこの水溶液に添加することによって、形成することができる。両親媒性ポリマーは、溶液中に存在していること、あるいは薬剤とともに溶液に投与すること、あるいは薬剤を溶液に投与した後しばらくしてからこの溶液に投与することが好ましい。薬剤/マトリックス分散体を利用して本発明の溶液を形成するにあたり、薬剤/マトリックス分散体が十分なエネルギーを有すること、また十分な量の薬剤/マトリックス分散体が添加されて、薬剤の濃度が少なくとも一時的に平衡濃度の少なくとも1.25倍になることが必要とされる。薬剤/マトリックス分散体と濃度増大性ポリマーを含む組成物は、「アモルファスな薬剤をポリマーと混合した分散体を含む医薬組成物」という名称の2001年6月22日に出願されて同時係属中の特許出願であるシリアル番号第60/300,261号により詳しく説明してある。なおこの出願の内容を、本明細書に援用する。
【0312】
マトリックスは、単一の成分だけを含んでいてもよいし、2つ以上の成分を含む混合物であってもよい。これら成分は、最初に混合して単一の相または分子分散体を形成すること、あるいは組成の違う2つ以上の異なる相として存在することが可能である。
【0313】
マトリックスの少なくとも一部は、生理学的に適切なpH(例えばpH1〜8)において、水溶液の中で膨潤したり、水溶液の中に分散されたり、水溶液に溶けたりする。マトリックス全体は室温において固体であり、約40℃まで、好ましくは約60℃まで、さらに好ましくは約70℃まで、実質的に固体に留まる必要がある。そのためには、融点が40℃を超える、好ましくは約60℃を超える、さらに好ましくは約70℃を超える少なくとも1つ以上の成分が、マトリックスに含まれている必要がある。マトリックスは、“不活性”になっている必要もある。不活性とは、望ましくない反応性または生物活性を持たず、生物学的に不活性または非毒性であって、動物(例えばヒト)に投与または注射することが許容できなければならないことを意味する。
【0314】
分散体の中に存在する薬剤の量に対するマトリックスの量は、薬剤とマトリックスが何であるかによって異なり、マトリックスに対する薬剤の重量比は0.01〜約4(例えば薬剤が1重量%〜80重量%)と幅広い。これは、薬剤の投与量によって異なるであろう。投与量が約50mg未満と少ないとき、マトリックスに対する薬剤の重量比は極めて小さく、0.01未満になることさえある。一般に、投与量が比較的多いとき、すなわち約50mgを超えるとき、マトリックスに対する薬剤の重量比を4と大きくすることができる。
【0315】
マトリックスに使用する成分は、ポリマーを含んでいてもいなくてもよく、いくつかの成分の混合物を含んでいてもよい。したがってマトリックスは、ポリマー含有成分の混合物、ポリマーを含まない成分の混合物、ポリマー含有成分とポリマーを含まない成分の混合物のいずれを含んでいてもよい。
【0316】
“ポリマー”という用語は通常の意味で使用し、モノマーが互いに結合して形成されたより大きな分子からなる化合物のことを意味する。ポリマー含有成分は、一般に、少なくとも20個のモノマーで構成されている。したがってポリマー含有成分の分子量は、一般に、約2000ダルトン以上になる。ポリマー含有マトリックス成分は、一般に、ポリマーを含まないマトリックス成分と比べて濃度増大効果が向上した分散体となる。マトリックスとして使用可能なポリマー含有成分の具体例としては、以下のものが挙げられる。すなわち、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリエチレン-プロピレングリコール・コポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリジノン(ポリビニルピロリドンまたはPVPとも呼ばれる)、ポリビニルアルコール、ポリエチレン-ビニルアルコール・コポリマー、ポリビニルアルコールポリ酢酸ビニル・コポリマー、キサンタン・ガム、カラギーナン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボン酸機能性ポリメタクリレート、アミン機能性ポリメタクリレート、キトサン、キチン、ポリデキストロース、デキストリン、デンプンである。この定義には、高分子量のタンパク質(例えばゼラチンやアルブミン)も含まれる。
【0317】
“ポリマーを含まない”とは、成分がポリマーを含まないことを意味する。マトリックスの成分として使用されるポリマー非含有材料の具体例としては、アルコール(例えばステアリルアルコール、セチルアルコール);有機酸(例えばステアリン酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、リンゴ酸);有機塩基(例えばグルコサミン、N-メチルグルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ドデシルアミン);塩(例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム);アミノ酸(例えばアラニン、グリシン);糖(例えばグルコース、スクロース、キシリトール、フルクトース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、マルチトール);脂肪酸エステル(例えばモノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリル、トリグリセリド、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸サッカロース、グリセリル(パルミチン酸ステアリン酸)エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル);ろう(例えば微結晶ろう、パラフィンろう、蜜ろう、合成ろう、ひましろう、カルナウバろう);硫酸アルキル(例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム);リン脂質(例えばレシチン)などが挙げられる。
【0318】
したがってポリマー/薬剤集合体を含む溶液は、薬剤/マトリックスを含むアモルファスな固体分散体を上に説明したような両親媒性ポリマーと混合してから水溶液に投与することによって形成できる。
【0319】
ポリマー/薬剤集合体を形成するさらに別の方法は、溶解度が向上した固体形態になった薬剤を両親媒性ポリマーとともに水溶液に投与するというものである。溶解度が向上した固体形態になった薬剤としては、非常に溶けやすい結晶化した塩の形態になった薬剤、エネルギーが大きな結晶の形態になった薬剤(例えば多形)、アモルファスな薬剤(薬剤は結晶形態で存在していてもよい)、薬剤と可溶化剤の混合物、溶液中にあらかじめ溶かした薬剤などが挙げられる。溶解度が向上したこのような形態を用いると、溶けた薬剤の濃度がその薬剤の平衡濃度を少なくとも一時的に超えるようにすることができる。ポリマー/薬剤集合体を含む水溶液は、溶解度が向上したこのような形態をもとにして、以下に示す方法のうちのいずれかを利用して形成することができる。溶解度が向上した形態になった薬剤とポリマーを別々に水溶液に添加することができる。薬剤は、ポリマーよりも前に、あるいはポリマーと同時に、あるいはポリマーよりも後に水溶液に添加することができる。別の方法として、まず最初に薬剤とポリマーをまとめた後(例えば混合することによって、あるいは単一の投与形態に成形することによってまとめる)、水溶液に添加することもできる。
【0320】
最後に、ポリマー/薬剤集合体は、薬剤を溶液にあらかじめ溶かした後、薬剤をあらかじめ溶かしたその溶液を両親媒性ポリマーとともに水溶液に添加することによって形成することができる。例えば薬剤を有機溶媒(水と混和する溶媒が好ましい)に溶かした後、得られた薬剤溶液を、ポリマーが溶けている水溶液と混合することができる。この水溶液は、さまざまな溶質、特に両親媒性ポリマーを溶かすことのできる溶質(例えば酸、塩基、バッファ)を含むことができる。両親媒性ポリマーは、水と混和する溶媒に溶かすこともできる。この溶媒に薬剤とポリマーが溶け、薬剤とポリマーを含む溶液が形成される。次のこの溶液を十分な量の水溶液と混合し、得られた水溶液の中で薬剤の濃度がその平衡濃度を超えるようにする。
【0321】
あらかじめ溶かすというこれらの方法をどのように実行するかにより、形成されるポリマー/薬剤集合体のタイプが大きく異なってくる。一般に、このような溶液に含まれる全薬剤のかなりの割合は、この溶液に投与された全薬剤が、1つにまとめた溶液中にポリマーが含まれていないときのこの薬剤の平衡溶解度を超える場合にのみ、小さなポリマー/薬剤集合体の形態になっている。溶液に薬剤を極めて高いレベルで投与したとき、薬剤はポリマーと相互作用し、サイズが約5μmを超える大きなポリマー/薬剤集合体を形成できることも一般に観察される。このように大きなポリマー/薬剤集合体は沈殿しやすい。場合によっては、薬剤のかなりの割合が沈殿物の形態になっている溶液でうまくいくこともあるが、一般には、上記の方法で溶液を1つにまとめ、薬剤のほとんどが沈殿物として存在することを回避することが好ましい。したがって、一般には、上記の方法で溶液を1つにまとめ、溶液中の薬剤の最終濃度が、最終的に得られた溶液におけるこの薬剤の平衡濃度の約2倍を超えるが約10mg/ml未満になるようにすることが好ましい。薬剤の溶解度が最終的に得られた溶液において約10μg/ml未満である場合には、薬剤の最終濃度が約2mg/ml未満であることが好ましいことがしばしばある。
【0322】
溶液を1つにまとめるとき、2つの溶液が接触すると急速に完全に混合した状態になるようにすることも一般に好ましい。したがって、溶液を1つにまとめるとき、またはまとめた直後に、撹拌または混合すると好ましいことがしばしばある。別の方法として、溶液をパイプ、チューブ、導管の中にまとめ、静的手段または動的手段でポンピングして(例えば直列型混合装置を通じてポンピングして)混合することもできる。さらに別の方法は、一方の溶液を他方の溶液にゆっくりと添加し、1つにまとめた溶液を撹拌または混合し続けるというものである。
【0323】
凝集したポリマー/薬剤固体集合体
本発明の別の特徴として、凝集した固体ポリマー/薬剤を含む組成物であって、水溶液に投与したときに薬剤の濃度を増大させるものが挙げられる。“凝集したポリマー/薬剤固体集合体”とは、ポリマー/薬剤集合体を含む溶液から分離した、薬剤とポリマーを含む固体組成物を意味する。凝集したこのようなポリマー/薬剤固体集合体は、水溶液中で溶けた薬剤の濃度を有意に増大させることができる。実際、このような固体ポリマー/薬剤集合体は、一般に、溶けた全薬剤の濃度を、同じ薬剤とポリマーを含むアモルファスな固体分散体よりもはるかに大きくすることができる。
【0324】
特に、濃度増大性ポリマーに薬剤を分散させたアモルファスな固体分散体を形成した後にこの分散体を水溶液に投与すると、溶けた薬剤の全濃度は、ポリマーを含まない結晶形態またはアモルファスな形態の薬剤を投与したときよりも大きくなる。溶液に投与する分散体の量を増やすと、溶ける薬剤の合計量は一般に多くなる。しかし投与した薬剤のうちで溶けた薬剤の割合は一般に低下する。例えばHPMCASに薬剤を分散させたアモルファスな固体分散体をPBS溶液に0.5mg/ml、1mg/ml、2mg/mlの割合で投与すると、溶けた薬剤の最大濃度は、それぞれ0.48、0.65、0.95mg/mlになる。したがって投与した薬剤のうちで溶けた薬剤の割合は、それぞれ96%、65%、48%である。例えば同じ分散体を溶かすことによって形成した水溶液からの上清を凍結乾燥させることによって凝集したポリマー/薬剤固体集合体を形成する場合、溶けた薬剤の合計量が多くなり、投与した薬剤の量に対する溶けた薬剤の割合も多くなる。例えば薬剤とHPMCASを含む凝集したポリマー/薬剤固体集合体を乾燥した粉末としてPBS溶液に2.0mg/mlの投与量で投与する場合、溶ける薬剤の最大濃度は0.95mg/mlを超え、したがって溶ける薬剤の割合は48%を超えることになろう。凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、使用環境において、溶けた全薬剤の最大濃度を、薬剤と両親媒性ポリマーを含むアモルファスな固体分散体前躯体による濃度の少なくとも1.1倍にする。一般に、分散体に関して溶けた全薬剤の割合が投与量のほんの60%以下である場合には、投与量が多いほどこのような増大の程度も大きくなる。このように性能が向上するということは、凝集したポリマー/薬剤固体集合体と、同じ薬剤と両親媒性ポリマーを含む対応するアモルファスな固体分散体とで、物理的状態が異なっていることを示している。
【0325】
ポリマー/薬剤集合体を含む水溶液から凝集したポリマー/薬剤固体集合体を形成するとき、得られる固体粒子は比較的小さいが、通常は、その固体粒子を形成する元になった溶液中に存在していたポリマー/薬剤集合体よりも大きい。この固体ポリマー/薬剤集合体は、ゆるく凝集して直径が5μmを超える粒子を形成することがしばしばある。しかしこの固体ポリマー/薬剤集合体を水溶液に投与すると、ポリマーと薬剤のかなりの割合、しばしばほとんどの部分が、サイズのより小さなポリマー/薬剤集合体に戻って溶液中に存在する。
【0326】
この違いに関して特定のメカニズムに囚われるつもりはないが、凝集したポリマー/薬剤固体集合体では、一般に以下の違いが観察された。これは、凝集したポリマー/薬剤固体集合体が、ポリマー/薬剤組成物に関して以前に知られていた形態と比べて独自の物理的形態になっていることを示している。凝集したポリマー/薬剤固体集合体では、同じ薬剤とポリマーを含む固体分散体と比べて、以下の違いのうちのいくつかまたはすべてが観察された。
1.投与した薬剤に対する溶けた全薬剤の割合の増加;
2.ガラス転移温度のシフトまたは消失;
3.DSC曲線における発熱のシフトまたは消失(これは、結晶化の抑制と物理的安定性の向上を意味する);
4.粉末X線回折パターンに現われた幅広いピーク(これは、薬剤の秩序が増大したことを示す)。
【0327】
物理的特性におけるこれらの違いは、同じ成分で構成されていても、凝集したポリマー/薬剤固体集合体が、他の知られた形態(アモルファスな固体分散体、アモルファスな薬剤とポリマーの物理的混合物、結晶形態の薬剤とポリマーの物理的混合物)よりも明確に好ましい物理的形態を有することを示している。
【0328】
凝集したポリマー/薬剤固体集合体の内部における薬剤の特別な状態は、“半秩序状態”と名づけることができる。“半秩序状態”とは、アモルファスな固体分散体とは異なり、薬剤が秩序化したことを示唆する1つ以上の性質を示すことを意味する。しかしこの半秩序状態は、組成物が溶融するときに実質的に発熱しなかったり、バルクの結晶状態になった薬剤と同じ粉末X線回折パターン特性を示さなかったりする点が、結晶状態とも異なる。凝集したポリマー/薬剤固体集合体に含まれる薬剤の“半秩序状態”を区別する特性である上に説明した溶けた全薬剤の増加に加え、他の3つの特性のそれぞれについて、以下に説明する。
【0329】
示差走査熱量測定は、材料の物理的状態を評価するための標準的な方法である。アモルファスな材料は、一般に、“ガラス状態”からゴム状態に変化する温度の近傍まで加熱したとき、熱容量に特徴的な変化が起こる。この変化が起こる温度は、“ガラス転移温度”すなわちTgとして知られている。この物理的特性とその測定法に関しては、例えばMoynihan他(Ann. N.Y. Acad. Sci.、第279巻、15−35ページ、1976年)を参照のこと。一般的な方法では、材料のサンプルに対して示差走査熱量測定分析を行なう。分散体の構成材料である薬剤とポリマーが均一に混合されているアモルファスな固体分散体は、一般に単一のTgを示し、その値はアモルファスな薬剤のTgとアモルファスなポリマーのTgの間に来る。他方、対応する凝集したポリマー/薬剤固体集合体では、一般に、分散体のTgとは大きく異なる弱いTgを示すか、あるいはTgがDSC熱流曲線から完全に消える。
【0330】
DSC分析で観察される別の物理的転移は、サンプル中に存在するアモルファスな薬剤の結晶化である。一般に、単独のアモルファスな薬剤、またはポリマーの中に分散されたアモルファスな薬剤が材料のTgよりも高い温度に加熱されるとき、薬剤の結晶化による発熱流が観察される。この転移は、通常はTgよりも10℃〜70℃高い温度で観察される。凝集したポリマー/薬剤固体集合体を、単独のアモルファスな薬剤、またはポリマーの中に薬剤が含まれたアモルファスな固体分散体と区別する一般的な特徴は、DSC分析を行なったときに、(1)発熱する結晶化転移が、単独のアモルファスな薬剤、またはポリマーの中に薬剤が含まれたアモルファスな固体分散体のいずれかで観察されるよりも高い温度で観察されること、あるいは(2)結晶化による発熱がDSC熱流曲線から完全に消えることである。結晶化による発熱におけるこうした変化は、凝集したポリマー/薬剤固体集合体の状態によって結晶化が抑制されることと、この状態が、単独のアモルファスな薬剤、またはアモルファスな固体分散体状態よりも物理的に安定なアモルファス状態であることを示している。
【0331】
最後に、凝集したポリマー/薬剤固体集合体に対して粉末X線回折分析を行なうと、一般に、薬剤に関して知られている以下の物理的状態のいずれとも異なった回折パターンが生じる。
1.結晶状態の薬剤(多数の鋭い回折線を示す);
2.アモルファスな薬剤のみ(極端に広い1本または2本の散乱バンドを示す);
3.アモルファスな固体分散体(一般にはやはり極端に広い1本または2本の散乱バンドを示す)。
【0332】
特に、凝集したポリマー/薬剤固体集合体では、結晶状態の薬剤よりもはるかに広い一方で、アモルファスな状態と比べると、数がより多く、より鋭くよりはっきりとしたいくつかの散乱線が見られる可能性がある。これは、凝集したポリマー/薬剤固体集合体に含まれる薬剤が、通常のアモルファスな状態の薬剤、またはアモルファスな固体分散体に含まれる薬剤よりも秩序化されているが、結晶状態の薬剤よりは秩序化されていないことを示している。
【0333】
要するに、本発明による凝集したポリマー/薬剤固体集合体では、ポリマーと薬剤が新規で独特で好ましい状態になっており、水性使用環境における溶解度が増大し、物理的安定性が改善されているという利点を有する。
【0334】
凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、アモルファスな薬剤と両親媒性ポリマーで構成されている。このような凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、溶液中に存在するポリマー/薬剤集合体を形成するための上に説明した薬剤とポリマーのうちの任意のもので構成することができる。このようなポリマー/薬剤集合体の組成は、一般に、薬剤を約1.0重量%〜約98重量%の範囲で含むことができ、残りは、ポリマーのほか、すでに説明した添加剤のうちの任意のものである。一般に、集合体に含まれる薬剤の濃度は、約5重量%〜約90重量%になる。凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、水、溶媒、可塑剤、界面活性剤、バッファ、酸、塩基、ミセル形成材料など、再構成されたときにこの集合体の性能を向上させることのできる添加剤、またはこの集合体の安定性を向上させることのできる添加剤を約40重量%まで含むことができる。界面活性剤は、特に好ましい添加剤である。
【0335】
凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、さまざまな方法で形成することができる。1つの方法では、溶媒中にポリマー/薬剤集合体を含む溶液をまず最初に調製した後、ポリマー/薬剤集合体をこの溶液から分離する。ポリマー/薬剤集合体を含む溶液は、上に説明したの方法のうちの任意の方法で形成することができる。ポリマー/薬剤集合体は、次に、溶媒の除去を始めとするさまざまな方法で分離することができる。溶媒は、水性溶媒でも有機溶媒でもよく、溶媒の混合物を含んでいてもよい。しかし一般には、溶媒として水性溶媒が好ましい。水性溶媒とは、少なくとも水をいくらか含んでいることを意味する。さらに詳細には、溶媒は少なくとも20重量%の水を含んでいる必要がある。さらに好ましい水のレベルは約40重量%以上である。水性溶媒が好ましいと考えられているのは、水が親水性相互作用と疎水性相互作用を促進してポリマー/薬剤集合体を形成させるためである。ポリマー/薬剤集合体を形成しやくすくするため、溶媒は、他の溶質または添加剤をかなりの量含んでいてもよい。溶媒は、遠心分離した後、デカント、蒸発(例えば回転蒸発による)、スプレー乾燥、凍結乾燥のいずれかによって除去することができる。別の方法として、ポリマー/薬剤集合体は、濾過(例えば精密濾過、限外濾過)した後に乾燥させることによって、あるいは遠心分離後に上清から固体を分離し、次いでその固体を乾燥させることによって、水溶液から分離することもできる。かなりの量の有機溶媒または水が固体の中に残る可能性があるが、それでも性能は十分であろう。
【0336】
別の方法では、ポリマー/薬剤集合体を含む乾燥した組成物を形成した後、好ましいサイズのものを選択する。選択は、粒子を重量とサイズで分離する任意の従来法を利用して行なうことができる。例えば溶液を遠心分離した後に溶媒を除去することで、溶液からより大きなポリマー/薬剤集合体またはより密なポリマー/薬剤集合体を選択的に除去することができる。次に、より小さなポリマー/薬剤集合体または密度がより小さなポリマー/薬剤集合体が含まれる残留溶液から溶媒を除去する。特定のポリマー/薬剤集合体を選択するさらに別の方法は、得られた乾燥組成物をサイズでスクリーニングするというものである。好ましい1つのサイズは、直径が約1μm未満〜約10μm未満である。本発明の発明者は、これらの方法を利用すると、より小さなポリマー/薬剤集合体を選択できることと、溶液中に再構成したとき、投与した薬剤に対する溶けた薬剤の全濃度をより大きくできることを見いだした。
【0337】
凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、バッチ・プロセスまたは連続プロセスにおいて複数の溶液を工業スケールで1つにまとめることによって形成することもできる。バッチ・プロセスの一例は、まず最初に、温度制御された大きな撹拌容器(100L〜10,000L)の中で、水と混和する有機溶媒(例えばアセトン、プロパノール、N-メチルピロリドンなど)に薬剤を溶かして溶液を形成する操作を含んでいる。一般に、溶液中の薬剤の濃度は、溶媒中の溶解度の限界値よりも小さくなければならないが、水に対する溶解度の少なくとも10倍になっている必要がある。温度制御された大きな第2の撹拌容器の中で、集合体を形成することになる両親媒性ポリマーを水と混合することにより、第2の溶液を調製する。酸、塩基、バッファのいずれか、中でもバッファを溶液に添加し、この溶液のpHを中性に近い値(pHが4〜10、好ましくはpHが5〜9)にすることが望ましい場合がしばしばある。これは、ポリマーと薬剤のいずれかまたは両方がイオン化可能である場合に特に重要である。多くの場合、複数の溶液を1つにまとめるときに、薬剤とポリマーが、十二指腸または小腸のpHにおける通常の状態である実質的なイオン状態にあるようにすることが好ましい。一方または両方の溶液に界面活性剤を添加すると望ましい場合もしばしばある。一実施態様では、このようにして形成された薬剤の有機溶液を今度はポンピングし、ポリマー水溶液の入った容器に導入する。この容器の中では、この溶液が激しく撹拌されている。一般に、溶液は1〜1000分かけて添加する。しかし薬剤溶液は、一般に比較的ゆっくりと添加することが好ましい。典型的な時間は少なくとも10分である。2つの溶液を混合した後、この溶液を一般にさらに1〜100分間にわたって撹拌し、その結果として形成されたポリマー/薬剤集合体を溶媒から分離する。これは、さまざまなタイプの濾過によって実現することができる。その結果、濃縮された塊が得られるので、トレイ乾燥装置または流動床乾燥装置の中で乾燥したガスをその塊の上を通過させて処理することにより、その塊をさらに乾燥させるとよい。
【0338】
凝集したポリマー/薬剤固体集合体を溶媒混合物から分離する別の方法は、スプレー乾燥などの蒸発法である。例えば溶液混合物は、乾燥用ガス(窒素または空気)とともに、市販されているスプレー乾燥装置に供給することができる。この溶液混合物は“噴霧化されて”小さな液滴を形成し、その結果として溶媒(有機溶媒と水)が急速に蒸発して乾燥した粉末状の生成物が得られる。一般に、溶媒と水が乾燥した粉末状の生成物の中に残留するが、続く乾燥ステップにおいて、例えばトレイ乾燥装置、ドラム型乾燥装置、真空乾燥装置、流動床乾燥装置を用いて除去することができる。得られた乾燥粉末は、一般に、直径が約0.5〜約200μmの粒子で構成されている。このような粒子をさらに処理し、医薬業界で知られている任意の造粒法(乾式造粒法または湿式造粒法)によって粒状体を形成することができる。
【0339】
複数の溶液を1つにまとめることによって凝集したポリマー/薬剤固体集合体を形成する別の方法は、あらかじめ形成した溶液を“直列型混合装置”を通じてポンピングすることによって1つにまとめるというものである。(1)ポリマー水溶液(pHは約4〜約10であることが好ましい)と、(2)薬剤の有機溶液(上に説明したもの)を制御された速度で“直列型混合装置”にポンピングし、溶液が迅速かつ完全に混合されるようにする。混合によって形成されたポリマー/薬剤集合体を含むこの混合物は、さらに処理を行なう必要があるまで貯蔵タンクに保管しておくこと、あるいは混合溶媒からポリマー/薬剤集合体を分離するプロセスに直接供給することができる。濾過法や蒸発法(例えばスプレー乾燥)など、上に説明した任意の方法を利用することができる。
【0340】
凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、十分な量を投与すると、使用環境における薬剤の濃度を対照組成物よりも増大させる。凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、少なくとも、結晶状態の薬剤のみを含む対照組成物と比べて濃度増大効果を有する。したがって凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む組成物を使用環境に投与したとき、この組成物は、結晶状態の薬剤を同じ量含むがポリマーは含まない対照と比べ、薬剤の濃度を向上させる(このことについては後で詳しく説明する)。本発明の凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む組成物は、アモルファス状態の薬剤を同じ量含むがポリマーは含まない対照組成物と比べ、薬剤の濃度を向上させることが好ましい。さらに好ましいのは、凝集したポリマー/薬剤固体集合体が、同じポリマーと薬剤を含むアモルファスな固体分散体からなる対照組成物と比べ、溶けた薬剤の全濃度を向上させることである。さらに好ましいのは、凝集したポリマー/薬剤固体集合体を水溶液に投与したとき、投与した薬剤のうちで溶ける薬剤の割合の最大値が、同じポリマーと薬剤を含むアモルファスな固体分散体を、この分散体に関しては溶けた薬剤の全割合が溶液に投与した薬剤の60%以下になるようなレベルで投与したときに観察される値の少なくとも1.1倍になっていることである。
【0341】
本発明の凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む組成物により、使用環境において、対照組成物の少なくとも1.25倍になった最大薬剤濃度(MDC)が得られる。言い換えるならば、対照組成物によるMDCが100μg/mlであるとすれば、凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む本発明の組成物によるMDCは少なくとも125μg/mlになる。本発明の凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む組成物によって実現される薬剤のMDCは、少なくとも1つの対照組成物の場合の少なくとも2倍になることが好ましく、少なくとも3倍であることがさらに好ましい。
【0342】
また、本発明の凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む組成物により、水性使用環境では、使用環境に導入した時刻と使用環境への導入から270分後の間の任意の少なくとも90分間の期間に関する濃度-時間曲線の下側の面積(AUC)が、溶解対照組成物の対応する面積の少なくとも1.25倍になる。本発明の組成物によって実現されるAUCは、少なくとも1つの対照組成物のAUCの少なくとも2倍であることが好ましく、少なくとも3倍であることがさらに好ましい。
【0343】
また、凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む本発明の組成物は、ヒトまたはそれ以外の動物に経口投与した場合、血漿または血清中の薬剤濃度に関するAUCが、適切な対照組成物を投与した場合に観察されるAUCの少なくとも1.25倍になる。血漿中または血清中のAUCは、対照組成物のうちの1つを投与したときに観察されるAUCの少なくとも2倍であることが好ましく、少なくとも3倍であることがさらに好ましい。本発明の組成物は、例えばインビトロのテストまたはインビボのテストのいずれかにおいて、あるいはその両方において評価することができる。
【0344】
増大した薬剤濃度を評価するための代表的なテストでは、(1)十分な量のテスト組成物(例えば凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む組成物)をテスト媒体(PBS溶液またはMFD溶液)の中に投与して、薬剤がすべて溶けた場合に薬剤の理論的濃度がテスト媒体における薬剤の平衡濃度の少なくとも2倍を超えるようにし、(2)適切な量の対照組成物を、同じ量のテスト媒体に添加し、(3)テスト媒体中で測定されたテスト組成物のMDCおよび/またはAUCが、対照組成物のMDCおよび/またはAUCの少なくとも1.25倍になっているかどうかを確認する操作を実施することが可能である。このような溶解テストを行なうにあたり、使用するテスト組成物の量は、薬剤がすべて溶けた場合に薬剤濃度が薬剤の平衡濃度の少なくとも2倍〜100倍になるようにする。溶けた薬剤の濃度は、一般に、テスト媒体をサンプリングし、テスト媒体中の薬剤の濃度を時間に関してプロットすることにより時間の関数として測定する。その結果、MDCおよび/またはAUCを確認することができる。
【0345】
薬剤が粒子状になることで誤った判定になることを避けるため、テスト溶液を濾過または遠心分離する。“溶けた薬剤”とは、一般に、0.45μmのシリンジ・フィルタを通過する物質、あるいは遠心分離後に上清の中に残る物質のことを意味する。濾過は、サイエンティフィック・リソーシーズ社がTITAN(登録商標)という商品名で市販している長さが13mmある0.45μmポリ二フッ化ビニリデン・シリンジ・フィルタを用いて実施することができる。遠心分離は、一般に、ポリプロピレン製のマイクロフュージ管の中で、13,000gにて60秒間にわたって実施する。すでに述べたように、他の同様の濾過法または遠心分離法を利用しても有効な結果が得られる。
【0346】
また、本発明の組成物により、相対的生物学的利用能が改善される。本発明の組成物に含まれる薬剤の相対的生物学的利用能は、従来法を利用し、動物またはヒトにおいてインビボの状態で調べることができる。インビボのテスト(例えばクロスオーバー試験)を利用すると、組成物の相対的生物学的利用能が対照組成物と比べて増大しているかどうかを明らかにできる。インビボのクロスオーバー試験では、凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む“テスト組成物”をテスト対象群の半数に投与し、適切なウォッシュアウト期間(例えば一週間)の後、同じ対象に、“対照組成物”を投与する。“対照組成物”としては、すでに説明した対照組成物のうちの任意のものを用いることができる。テスト対象群の残りの半数には、まず最初に対照組成物を投与した後、テスト組成物を投与する。相対的生物学的利用能は、テスト群に対して測定した血液(血清または血漿)中の濃度-時間曲線の下側の面積(AUC)を、対照組成物による血液中のAUCで割った値として測定される。このテスト群/対照群の比を各対象について明らかにし、この試験におけるすべての対象について平均することが好ましい。インビボのテストにおけるAUCは、時間を横軸(x軸)にして薬剤の血清中または血漿中の濃度を縦軸(y軸)にプロットすることにより、明らかにすることができる。一般に、AUCの数値は、患者テスト・ポピュレーション中のすべての対象から採取した多数の数値をテスト・ポピュレーション全体について平均した数値表わしている。
【0347】
本発明の好ましい一実施態様は、すでに説明したように、テスト組成物の相対的生物学的利用能が、少なくとも1つの対照組成物の少なくとも1.25倍になっている態様である。(すなわちテスト組成物による血液中のAUCは、対照組成物によるAUCの少なくとも1.25倍になっている。)本発明のさらに好ましい一実施態様は、すでに説明したように、テスト組成物の相対的生物学的利用能が、少なくとも1つの対照組成物の少なくとも2.0倍になっている態様である。AUCの決定法は周知であり、例えばWelling、「薬物動態のプロセスと数学」、ACS Monograph、第185巻、1986年に記載されている。
【0348】
このようなテストは納得できるものであるとはいえ、すでに述べたように、好ましい凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、同じポリマーと薬剤を含むアモルファスな固体分散体と比べ、溶解特性が優れている。例えば凝集したポリマー/薬剤固体集合体と、同じポリマーと薬剤を含むアモルファスな固体分散体を含有する対照組成物を比較するには、上記の溶解テストまたは生物学的利用能テストのどれを利用してもよい。対照の性能が理論上の最大値よりも実質的に低くなるようにするため、凝集したポリマー/薬剤固体集合体と対照分散体の両方とも十分に高いレベルで投与する必要がある。本発明の好ましい組成物は、対照の少なくとも1.1倍の性能を示す組成物である。
【0349】
いくつかの実施態様では、凝集したポリマー/薬剤固体集合体に含まれる薬剤の物理的安定性が向上している。集合体に含まれる薬剤の物理的安定性を評価するには、薬剤の物理的状態が集合体の中で非結晶状態から結晶状態へと変化する速度を測定し、その速度を、分散されていないアモルファスな薬剤のみからなる対照組成物による対応する速度と比較するとよい。さらに好ましいのは、凝集したポリマー/薬剤固体集合体が、同じ量の両親媒性ポリマーと同じ量の薬剤を含むアモルファスな固体分散体からなる対照組成物と比べ、物理的安定性が向上していることである。変化速度は、集合体または対照に含まれる結晶状態の薬剤の割合の時間変化を測定することによって明らかにできる。これは、粉末X線回折、DSC分析、固体NMR、走査電子顕微鏡(SEM)解析などの標準的な任意の物理的測定法を利用して測定することができる。本発明による物理的に安定な組成物は、対照組成物よりもゆっくりと結晶化するであろう。集合体に含まれる薬剤の結晶化速度は、対照組成物の結晶化速度の90%未満であることが好ましく、80%未満であることがより好ましい。
【0350】
本発明による組成物の中に存在するカギとなる成分は、単純に、凝集したポリマー/薬剤固体集合体であるが、組成物の中に他の賦形剤を含めることも有効である。そのような賦形剤は、凝集したポリマー/薬剤固体集合体とともに使用されて、その混合物を、錠剤、カプセル、座薬、懸濁液、懸濁液のための粉末、クリーム、経皮パッチ、デポ製剤などの製剤にする。
【0351】
賦形剤の非常に有効な1つのクラスは、界面活性剤である。適切な界面活性剤としては、脂肪酸と硫酸アルキル;塩化ベンゾアルコニウム(ハイアミン(登録商標)1622(ロンザ社、フェアローン、ニュージャージー州から入手可能))などの市販されている界面活性剤;ドクセートナトリウム(マリンクロット・スペック・ケム社、セントルイス、ミズーリ州から入手可能);ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ICIアメリカズ社、ウィルミントン、デラウエア州から入手可能なトゥイーン(登録商標);リポケム社、パターソン、ニュージャージー州から入手可能なリポソルブ(登録商標)P20;キャップマル(登録商標)ポー-0(アビテック社、ジェーンズヴィル、ウィスコンシン州から入手可能);天然の界面活性剤(例えばタウロコール酸ナトリウム、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、レシチン、これら以外のリン脂質やモノグリセリド、ジグリセリド)が挙げられる。このような物質を使用すると、湿潤化が容易になって溶解速度が増大し、その結果として最大溶解濃度が大きくなるとともに、錯形成、包接複合体の形成、ミセルの形成、固体薬剤(結晶またはアモルファス)の表面への吸着などのメカニズムを通じて溶解した薬剤と相互作用することによる薬剤の結晶化や沈殿も抑制される。本発明の組成物は、上記の界面活性剤を5重量%まで含むことができる。
【0352】
pH調節剤(例えば酸、塩基、バッファ)の添加も、組成物の溶解を遅らせたり(例えばポリマーがアニオン性である場合のクエン酸やコハク酸)、組成物の溶解速度を増大させたりする(例えばポリマーがアニオン性である場合の酢酸ナトリウムやアミン)のに有効である可能性がある。
【0353】
従来から使用されている他の賦形剤を本発明の組成物で使用することができる。そうした賦形剤の中には、(例えば『レミントンの医薬科学』、第16版、1980年に記載されているような)従来技術で周知の賦形剤が含まれる。一般に、賦形剤(例えば充填剤、分解剤、顔料、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、香料など)を、顧客の目的に合わせ、組成物の特性に悪い影響が及ばないような典型的な量だけ使用することができる。賦形剤は、薬剤/ポリマーの組成物を形成した後に使用し、この組成物を、錠剤、カプセル、座薬、懸濁液、懸濁液のための粉末、クリーム、経皮パッチ、デポ製剤などにすることができる。
【0354】
他のマトリックス材料、充填剤、希釈剤の具体例としては、ラクトース、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、圧縮可能な糖、微結晶セルロース、粉末セルロース、デンプン、あらかじめゼラチン化したデンプン、デキストレート、デキストラン、デキストリン、デキストロース、マルトデキストリン、炭酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、三塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ポロキサマー(例えばポリエチレンオキシド)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。
【0355】
界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウムとポリソルベート80が挙げられる。
【0356】
薬剤の錯化剤または可溶剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、カフェイン、キサンテン、ゲンチシン酸、シクロデキストリンなどが挙げられる。
【0357】
分解剤の具体例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(ポリビニルポリピロリドン)、メチルセルロース、微結晶セルロース、粉末セルロース、デンプン、あらかじめゼラチン化したデンプン、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0358】
錠剤結合剤の具体例としては、アラビアゴム、アルギン酸、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアルゴム、水素添加植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、液体グルコース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ポビドン、あらかじめゼラチン化したデンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプン、スクロース、トラガカントゴム、ゼインなどが挙げられる。
【0359】
潤滑剤の具体例としては、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、水素添加植物油、軽鉱物油、ステアリン酸マグネシウム、鉱物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
【0360】
流動促進剤の具体例としては、二酸化ケイ素、タルク、コーンスターチなどが挙げられる。
【0361】
凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む本発明の組成物は、薬剤を投与するためのさまざまな製剤の形態で使用することもできる。具体的な製剤形態は、乾燥状態で口から摂取することのできる粉末または粒子、あるいは水を添加することによってペースト、スラリー、懸濁液、溶液の形態に再構成して口から摂取することのできる粉末または粒子;錠剤;カプセル;多重粒子;ピルである。さまざまな添加物を本発明の組成物と混合し、すりつぶし、造粒して、上記の製剤形態に適した材料を形成することができる。
【0362】
場合によっては、製剤の全体的形態、すなわち製剤を構成する粒子またはビーズは、その製剤が胃を出るまで溶解しないようにしたり溶解を遅らせたりするための腸溶性ポリマーでコーティングした場合に優れた性能を示す可能性がある。腸溶性コーティング材料としては、HPMCAS、HPMCP、CAP、CAT、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボン酸機能性ポリメタクリレート、カルボン酸機能性ポリアクリレートなどが挙げられる。
【0363】
本発明の組成物は、制御放出製剤として投与することができる。そのような製剤の一実施態様では、ポリマー/薬剤固体集合体を含む組成物が、侵食性制御放出マトリックス装置に組み込まれる。侵食性制御放出マトリックスとは、水によって侵食される、あるいは水によって膨潤する、あるいは水に溶けることを意味する。これは、純粋な水によって侵食される、または膨潤する、または溶解すること、あるいは十分に侵食または溶解させるために侵食性制御放出マトリックスをイオン化させるのに酸または塩基が存在している必要があることを意味する。侵食性制御放出マトリックスは、水性使用環境と接触したとき、水を吸収して膨潤ゲルを形成する。すなわち、凝集したポリマー/薬剤固体集合体を捕獲する“マトリックス”を形成する。水によって膨潤するこの制御放出マトリックスは、使用環境において侵食、膨潤、分解、溶解のいずれかが徐々に起こり、薬剤が、使用環境に制御された状態で放出される。
【0364】
別の方法として、本発明の組成物は、非侵食性のマトリックス装置によって投与すること、あるいは非侵食性の制御放出マトリックス装置に組み込むことができる。
【0365】
別の方法として、本発明の凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、コーティングした浸透圧制御放出製剤またはコーティングしたヒドロゲル制御放出製剤を利用して投与することができる。この製剤は、2つの成分を含んでいる。すなわち(a)浸透剤と、凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含むコアと、(b)このコアを取り囲むコーティングである。このコーティングは、水性使用環境からコアに流入する水を制御し、コアの一部または全体が使用環境に押し出されることによって薬剤が放出されるようにする。この装置のコアに含まれる浸透剤としては、水によって膨潤する親水性ポリマー、オスモゲン、オスマゲントが可能である。コーティングは、ポリマーを含んでいて透水性があり、少なくとも1つの供給ポートを備えていることが好ましい。
【0366】
本発明の凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、少なくとも3つの成分を含むコーティングされた浸透圧制御放出形態またはコーティングされたヒドロゲル制御放出形態で供給することもできる。3つの成分とは、(a)凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む薬剤含有組成物、(b)水によって膨潤する組成物(水によって膨潤するこの組成物は、薬剤含有組成物と水によって膨潤するこの組成物とによって形成されるコアの内部では分離された領域に存在している)、(c)コアを取り囲む、透水性があって貫通した少なくとも1つの供給ポートを備えるコーティングである。使用時には、コアがコーティングを通過した水を吸収し、水によって膨潤する組成物を膨潤させ、コア内の圧力を上昇させ、薬剤含有組成物を流動化させる。コーティングはそのまま残るため、薬剤含有組成物が供給ポートを通って押し出されて使用環境に入る。
【0367】
本発明の組成物を用いて適切な製剤を調製するためには、上記の添加物および賦形剤に加え、当業者に知られている任意の材料と方法を利用することも有効であろう。
【実施例】
【0368】
実施例1と2
低溶解度の薬剤である5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R, 4S)-ジヒドロキシピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキシプロピル]アミド(薬剤1)と、両親媒性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートとを含むアモルファスな固体分散体を調製した。結晶形態になった薬剤1は、溶解度が60〜80μg/mlである。溶媒の中で薬剤1を“ミディアム・ファイン”(AQUOT-MF)グレードのHPMCAS(信越化学が製造)と混合し、スプレー溶液を形成した。実施例1では、スプレー溶液は、1.25重量%の薬剤1と、3.75重量%のHPMCASと、95重量%のアセトンで構成した。実施例2では、スプレー溶液は、7.5重量%の薬剤1と、7.5重量%のHPMCASと、4.25重量%の水と、80.75重量%のアセトンで構成した。次に、2流体外部混合スプレー・ノズルを用い、噴霧化スプレーを200g/分の供給速度で2.7バール(実施例1)または3.0バール(実施例2)にてステンレス鋼製のチェンバーの中に向けることにより、これらの溶液をスプレー乾燥させた。そのとき乾燥用ガスとして窒素を使用し、温度を180℃(実施例1)または195℃(実施例2)、入口での流速を約1900g/分に維持した。この乾燥用ガスと蒸発した溶媒は、この乾燥装置から70℃で出ていった。
【0369】
得られたアモルファスな固体分散体をサイクロンを通じて回収した後、グルーエンベルク溶媒トレイ乾燥装置の中で、ポリエチレンでライニングしたトレイの表面にスプレー乾燥させた粒子を厚さが1cm以下になるように塗布することにより乾燥させ、次いでその粒子を40℃にて少なくとも8時間にわたって乾燥させた。乾燥後、実施例1の分散体は薬剤1を25重量%含んでおり、実施例2の分散体は薬剤1を50重量%含んでいた。
【0370】
対照C1は、製造者から受け取ったままのHPMCAS-MFポリマーだけで構成した。
【0371】
実施例3
実施例1と2の固体分散体と対照C1をそれぞれの水溶液に投与し、得られた水溶液を光散乱法で評価することにより、溶液中にポリマー/薬剤集合体が存在しているかどうかを明らかにした。動的光散乱(DLS)分析では、実施例1の固体分散体400mgまたは実施例2の固体分散体200mgを、PBSが50ml入ったそれぞれのチューブに添加し、37℃にて2時間にわたって平衡させた。両方の溶液において、PBS中の活性な薬剤1の合計量は、薬剤がすべて溶けたのであれば2000μg/mlになっていたはずである。2時間後、溶液2mlを取り出して13,000gで1分間にわたって遠心分離し、沈殿した材料を除去したところ、溶液中には、遊離した薬剤、遊離したポリマー、ポリマー/薬剤集合体が残った。PSS-NICOMP380サブミクロン粒子サイズ測定器を用い、遠心分離した各溶液の上清について(粒子の拡散に基づいた)動的光散乱を測定し、溶液中のあらゆる薬剤粒子とポリマー粒子のサイズを計算した。溶液中の粒子群に関する平均粒子サイズ(流体力学的半径)を表1に示してある。(報告されている値は、ガウス型サイズ分布を仮定した、体積の重み付き平均である。粒子の体積の約85%が、報告されているサイズを中心とした約30%の幅の中に入る。)
【0372】
静的光散乱(StLS)分析では、実施例1と2の固体分散体をそれぞれPBSに添加し、2時間にわたって37℃にて平衡させた。得られた両方の溶液において、PBS中の活性な薬剤1の合計量は、薬剤がすべて溶けたのであれば2000μg/mlになっていたはずである。固体分散体をPBS溶液に添加した2時間後、上清を13,000gで5分間にわたって遠心分離し、分析した。堀場製作所のLA-910を用いて光散乱を測定した。2つの独立した光源からの散乱光の角度依存性に基づき、StLSでの粒子サイズの分布(回転半径)を計算した。StLS測定は、少数の大粒子による光散乱に対してDLS測定よりも高感度であった。そのため粒子サイズの平均値ではなく、中間値を使用する。結果は、やはり表1に示してある。
【表1】
Figure 2004534811
*大きな粒子が存在していた。そのため光が歪んで散乱され、粒子サイズの計算値は直径が大きな側にずれる。これは、小さな粒子がより大きなグループへと凝集することを示唆している。
【0373】
薬剤が存在していないとき(対照1)、サイズが約10〜20nmの小粒子が存在していた。これは、ポリマー(HPMCAS-MF)自身がおそらく両親媒性のために凝集することが原因である。そのためポリマーはほんのわずかしか水に溶けない。薬剤1を含む溶液(実施例1と2)では、平均サイズが約80nmの粒子が存在していた。これは、溶液中にポリマー/薬剤集合体が形成されていることを示している。
【0374】
実施例4
溶液中に形成されたポリマー/薬剤集合体の濃度と性質を明らかにするため、実施例1と実施例2の固体分散体を用いて調製した水溶液を、HPLCとNMRを利用して分析した。固体分散体を37℃にてPBSに添加し、ボルテックス混合装置を用いて混合し、ポリマー/薬剤集合体を形成した。十分な量の分散体を添加した。その量は、薬剤1がすべて溶けたならばPBSに含まれる薬剤1の合計量が500μ/mlになるような量である。固体分散体を添加した90分後、サンプルを遠心分離した(13,000gで5分間)。上清に含まれる遊離した薬剤と遊離したポリマーの濃度をNMRで測定した。HPLCを利用し、遠心分離後の上清に溶けている薬剤の合計量を測定した。この合計量は、遊離した薬剤と、ポリマー/薬剤集合体に含まれる薬剤からなる。遠心分離による沈殿物を回収した後、DMSOに溶かし、NMRで分析したところ、沈殿物の中に薬剤とポリマーが含まれていることがわかった。結果を以下の表2に示してある。ポリマー/薬剤集合体に含まれる薬剤の量は、溶けた薬剤の合計量から上清に含まれる遊離した薬剤の濃度を差し引くことによって計算し、ポリマー/薬剤集合体に含まれるポリマーの量は、溶液に添加した(固体分散体に含まれる)ポリマーの合計量から遊離したポリマーと沈殿物中のポリマーを差し引くことによって計算した。
【表2】
Figure 2004534811
【0375】
これらの結果から、実施例1の固体分散体を投与することによって形成した溶液では、ほとんどすべての薬剤が、遊離した薬剤として、あるいはポリマー/薬剤集合体として溶液中に残っていることがわかる。実施例1の分散体(薬剤1が25重量%)は、PBSの中に薬剤1を17重量%含む溶液を形成した。実施例2の分散体(薬剤1が50重量%)は、PBSの中に薬剤1を46重量%含む溶液を形成した。
【0376】
表2のデータからは、実施例1と2の両方について分散体を水溶液に投与した90分後に、遊離した薬剤の濃度が、結晶形態になった薬剤1の平衡溶解度(PBS中で約120μg/ml)の約3倍になり、アモルファスな薬剤1の平衡溶解度(PBS中で約190μg/ml)の約2倍になっていることもわかる。実施例1と2の両方における溶けた薬剤の全濃度は、薬剤結晶の溶解度のそれぞれ4.1倍と4.2倍であった。溶けた薬剤の合計量に対する遊離した薬剤の割合は、実施例1と2の分散体から形成された溶液について、それぞれ0.69と0.64であった。
【0377】
実施例5
この実施例は、ポリマー/薬剤集合体が、遊離した薬剤の濃度が低下したときにその濃度を再び回復させることのできる置換活性な薬剤リザーバであることを示す“置換活性”アッセイに関するものである。この実施例では、薬剤1をよく溶かすミセルを形成する濃縮された胆汁塩/リン脂質混合物を用い、遊離した薬剤を溶液から急速に吸収させた。実施例1と2の固体分散体を37℃にてPBSに添加し、90分間にわたって平衡させた。溶液中の活性な薬剤1の合計量は、薬剤がすべて溶けたのであれば2000μg/mlになっていたはずである。サンプルを13,000gで1分間にわたって遠心分離し、1mlを採取して撹拌しているUVキュベットに移した。オシロスコープに接続された検出器に対してヘリウム/ネオン・レーザーのビームを90°の角度で入射し、光散乱を測定した。オシロスコープは、コンピュータに接続した。光散乱信号が平衡に達した後、胆汁塩とリン脂質からなるミセル形成混合物と、タウロコール酸ナトリウムと1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(NaTC/POPC、重量比は4/1)を100mg/mlの割合で含む別の溶液1mlを、撹拌しているサンプルに添加した。薬剤がポリマー/薬剤集合体からミセルへと移動し、その結果としてポリマー/薬剤集合体の一部が崩壊し、したがって光散乱信号の減少につながるときの光散乱信号の減衰を測定した。減衰データをコンピュータで単一指数関数減衰モデルにフィッティングし、溶液中で薬剤がポリマー/薬剤集合体からミセルに移動するのに要する時間を計算した。実施例1と2の固体分散体を含む溶液中に形成されたポリマー/薬剤集合体を用いた置換活性の測定では、減衰が極めて速かった(ポリマー/薬剤集合体からの薬剤はミセルの中に素早く移動し、ポリマー/薬剤集合体が急速に崩壊する)。この現象が起こる時間は、t1/2すなわち半減期と呼ばれ、1秒未満である(1秒が実験の検出限界であった)。実施例1の崩壊データを図1に示してある。結果は、表3にまとめてある。
【表3】
Figure 2004534811
【0378】
この結果から、薬剤が(この場合にはミセルの中に)吸収されたとき、実施例1と2の固体分散体を用いて形成したポリマー/薬剤集合体が急速に解離して遊離した薬剤を放出できることがわかる。
【0379】
実施例6
この実施例は、凝集したポリマー/薬剤固体集合体の形成に関するものである。実施例1に記載したようにして(ノズルの圧力を2.9バールにした点だけが異なる)25重量%の薬剤1とHPMCASを含む固体分散体を形成し、バッファ水溶液を調製した。
【0380】
対照2。対照2(C2)は、元の25重量%の薬剤1/HPMCAS-MF分散体で構成した。
【0381】
実施例7
この実施例は、凝集したポリマー/薬剤固体集合体が濃度増大効果を有することを示している。実施例6の凝集したポリマー/薬剤固体集合体を15.9mg、またはC2を14.4mg、マイクロフュージ管に添加した。それぞれの材料を十分な量添加した。その量は、薬剤がすべて溶けたのであれば薬剤の濃度が2000μg/mlになるような量である。マイクロフュージ管を37℃に温度制御されたチェンバーに入れ、pHが6.5で290mOsm/kgのPBSを1.8ml、各マイクロフュージ管に添加した。ボルテックス混合装置を用いてサンプルを約60秒間にわたって素早く撹拌した。サンプルを37℃にて13,000gで1分間にわたって遠心分離した。次に、得られた上清溶液を採取し、メタノールで6倍(の体積)に希釈した後、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)で分析した。各マイクロフュージ管の内容物をボルテックス混合装置で混合し、次のサンプルを採取するまで37℃にて乱さないように放置した。サンプルは、4分、10分、20分、40分、90分、1200分の時点で回収した。結果を表4に示してある。
【表4】
Figure 2004534811
【0382】
これらサンプルで得られた薬剤の濃度を用い、最初の90分間に関する薬剤の最大濃度(Cmax90)と、濃度-時間曲線の下側の面積(“AUC90”)を明らかにした。
結果を表5に示してある。
【表5】
Figure 2004534811
【0383】
これらのデータからわかるように、実施例6の凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、元の分散体よりも濃度増大効果が大きかった。テスト組成物でのCmax90は、対照の2.3倍であり、AUC90は対照の2.5倍であった。本発明の組成物で比Cmax90/Cdoseがより大きくなったということは、溶けた形態の薬剤の割合がより大きかったことを示している。
【0384】
実施例8〜12
スプレー乾燥によって形成したアモルファスな薬剤粒子と、ポリマー粒子との混合物を水溶液に添加することにより、溶液中にポリマー/薬剤集合体を形成した。アモルファスな薬剤1と、ポリマーであるHPMCAS-MFを、量をいろいろと変えてPBSに添加した。アモルファスな薬剤1の粒子は、7重量%の薬剤1を溶媒(アセトン/水が95/5(v/v))に溶かした溶液をスプレー乾燥することによって形成した。実施例8〜12では、平均粒子サイズが4μmのHPMCAS-MF粒子200mgを入れた乳鉢に、アモルファスな薬剤1をそれぞれ0.2mg、2.0mg、20.0mg、50.0mg、100.0mg添加し、これら2種類の粒子をへらを用いて混合した。次に、薬剤粒子とポリマー粒子の混合物を100mlのPBSに添加した後、37℃にて2時間にわたって平衡させた。
【0385】
対照3(C3)は、溶液中のポリマーHPMCAS-MFのみで構成した(すなわち薬剤は添加せず)。
【0386】
実施例13
この実施例では、薬剤を溶液に添加するとき、薬剤の濃度がその薬剤の平衡溶解度を超えるのに十分な形態と量で添加される場合にのみ、ポリマー/薬剤集合体が形成されることを示す。実施例8〜12(および対照3)の薬剤とポリマーをPBSに添加した2時間後、それぞれの溶液30mlを採取し、13,000gで5分間にわたって遠心分離した。遠心分離した各溶液の上清に関する動的光散乱を、実施例3に記載したようにして測定し、溶液中のすべての薬剤粒子とポリマー粒子のサイズを計算した。溶液中の薬剤およびポリマーの濃度と、溶液中のバルク粒子の対応する平均粒子サイズを表6に示してある。
【表6】
Figure 2004534811
【0387】
薬剤が存在していないときには(対照3)、ポリマー(HPMCAS-MF)のみが凝集するためにサイズが小さな約10〜20nmの粒子が存在している。アモルファスな薬剤1の濃度が低いとき(0.002〜0.2mg/ml)、光散乱法によると、ポリマーのみが存在している場合と同様、溶液中には小さな粒子(サイズが約10〜20nm)しか検出されない。アモルファスな薬剤1の濃度が平衡溶解度(PBS中で190μg/ml)よりも大きくなったときには(≧0.5mg/ml)、平均サイズが約80〜85nmの粒子が存在していた。これは、溶液中にポリマー/薬剤集合体が形成されたことを示している。また、ポリマー/薬剤集合体を形成するのに必要な薬剤の量が、アモルファスな薬剤の溶解度とほぼ等しいかそれ以上であることも示している。
【0388】
実施例14
上記の実施例10、11、12(表6)の溶液におけるポリマー/薬剤集合体の組成を明らかにするため、実施例4に記載したように、HPLCとNMRを利用して溶液を分析した。その結果を以下の表7に示してある。
【表7】
Figure 2004534811
【0389】
この結果から、実施例11と12の溶液では十分な量の両親媒性ポリマーが存在しているため、溶けた全薬剤が、アモルファスな薬剤のみによる最大濃度(PBS中で190μg/ml)を超えていることがわかる。さらに、増大効果が長期にわたって維持されている。
【0390】
表7の結果から、薬剤1の溶解度の上限を超えた薬剤濃度では(実施例11と12)、溶けた全薬剤のうちのかなりの量がポリマー/薬剤集合体に含まれている(>40%)こともわかる。実施例11における遊離した薬剤の濃度は、結晶形態になった薬剤1の溶解度(PBS中で120μg/ml)の約2.25倍であり、アモルファスな薬剤1の溶解度(PBS中で190μg/ml)の約1.4倍である。さらに、実施例12における遊離した薬剤の濃度は、結晶形態になった薬剤1の溶解度の約2.5倍であり、アモルファスな薬剤1の溶解度の約1.6倍である。
【0391】
実施例15
この実施例は、溶液中にポリマー/薬剤集合体が形成されることによる濃度増大効果が長期にわたって維持されることを示している。溶解テストにおいて、アモルファスな薬剤1を37℃にてPBSに添加した。そのときHPMCAS-MFの濃度をさまざまな値にした。まず最初に、37℃で撹拌しているPBSにHPMCAS-MFを添加し、この溶液1.5mlをマイクロフュージ管に入れた。次に、実施例7に記載したようにしてアモルファスな薬剤1を15mgこの溶液に添加して混合し、遠心分離し、サンプリングした。対照は、PBSにアモルファスな薬剤1を溶かし、HPMCAS-MFは含まない溶液にした。それぞれの溶解テストで使用した薬剤1およびHPMCASの量と、1.5時間と20時間の時点で測定した薬剤の濃度を表8に示してある。
【表8】
Figure 2004534811
【0392】
これら実施例から、高濃度のアモルファスな薬剤を両親媒性ポリマーHPMCASの溶液に添加したときには、溶けた薬剤が高濃度になり、少なくとも1200分間はそれが維持されることがわかる。さらに、溶けた全薬剤は、ポリマーの濃度が大きくなるほど増加し、ポリマーの濃度が20mg/mlのときに7400μg/mlを超える値になる。この値は、ポリマーが存在していないときに1200分後に得られる値の37倍を超える。
【0393】
実施例16〜17
これらのサンプルは、異なるグレードのポリマーを使用した場合の結果を示している。以下の手続きに従い、HPMCAS-LFを用いて実施例16の固体分散体を製造し、HPMCAS-HFを用いて実施例17の固体分散体を作った。これらのグレードのポリマーはすべて信越化学が製造したものであり、表8Aに示したように置換のレベルが異なっている。この表には、(実施例1〜15で使用した)HPMCAS-MFグレードのポリマーも示してある。
【表9】
Figure 2004534811
【0394】
実施例16と17のサンプルは、まず最初に、2.5重量%の薬剤1と、2.5重量%のポリマーと、90重量%のアセトンと、5重量%の水を含む溶液を形成した後、この溶液をスプレー乾燥装置の中に1.3ml/分の速度でポンピングしてスプレー乾燥させることによって調製した。このスプレー溶液は、コール・パルマー74900シリーズ速度制御シリンジ・ポンプを用いて供給した。この溶液を、噴霧化用のガスである窒素とともに、スプレーイング・システムズ社の2流体ノズル(モデル第SU1A番)の中にポンピングした。窒素は、100℃に加熱し、流速を約1scfmにした。溶液は、直径が11cm、高さが46cmのステンレス鋼製の円筒形チェンバーの頂上からスプレーした。得られたアモルファスな固体分散体をホワットマン(登録商標)1濾紙の上に回収し、真空下で乾燥させ、デシケータの中に保管した。
【0395】
実施例18
実施例4に記載したのと同じ手続きに従って実施例16と17の固体分散体から水溶液を調製し、NMRを利用して分析した。十分な量の固体分散体を37℃にてPBSに添加した。その量は、薬剤がすべて溶けたのであれば薬剤の濃度が2000μg/mlになるような量である。得られた溶液の上清に含まれる遊離した薬剤の濃度をNMRによって測定した。その結果を表9に示してある。
【表10】
Figure 2004534811
【0396】
表9のデータから、ポリマー/薬剤集合体が存在することにより、遊離した薬剤1の濃度が増大していることがわかる。NMRによると、実施例16における遊離した薬剤の濃度は、結晶形態になった薬剤1の溶解度(120μg/ml)の3.8倍であり、実施例17における遊離した薬剤の濃度は、結晶形態になった薬剤1の溶解度の2.7倍である。
【0397】
実施例19
この実施例は、ポリマーの混合物から形成されたポリマー/薬剤集合体に関するものである。ポリマーHPMCAS-MFとHPMCの混合物を用い、25重量%の薬剤1を含む固体分散体を形成した。この分散体を水溶液に添加し、ポリマー/薬剤集合体を形成した。分散体を形成するため、1.2重量%の薬剤1と、2.4重量%のHPMC E3 Prem LVと、1.2重量%のHPMCAS-MFと、85.7重量%のメタノールと、9.5重量%の水を含むスプレー溶液を、ナイロ・スプレー乾燥装置を用いてスプレー乾燥させた。2流体外部混合スプレー・ノズルを用い、噴霧化スプレーを供給速度105g/分で2.7バールにてスプレー乾燥装置のステンレス鋼製チェンバーの中に向けることにより、溶液をスプレー乾燥させた。そのとき乾燥用の窒素ガスを123℃、約1900g/分にて乾燥装置の中に導入した。この乾燥用ガスと蒸発した溶媒は、この乾燥装置から47℃で出ていった。得られた固体分散体をサイクロンを通じて回収した後、グルーエンベルク溶媒トレイ乾燥装置の中で40℃にて少なくとも8時間にわたって乾燥させた。
【0398】
実施例20
実施例3と4に記載したようにしてDLSとNMRを利用し、実施例19の分散体から形成された溶液を分析した。実施例19の固体分散体をもとにしたサンプルをPBSに十分な量添加した。その量は、薬剤がすべて溶けたのであれば溶けた薬剤の合計量が2000μg/mlになるような量である。この溶液を37℃にて60分間にわたって平衡させた。60分後、サンプルを入れた管を13,000gで1分間にわたって遠心分離し、上清をメタノールで6倍に希釈した。次に、実施例4のようにして薬剤の濃度をNMRで分析した。その結果を表10に示してある。
【表11】
Figure 2004534811
【0399】
溶液は、サイズが約500nmのポリマー/薬剤集合体を含んでいた。さらに、このポリマー/薬剤集合体を用いると、実施例19の分散体から形成した溶液では、遊離した薬剤の濃度が結晶形態になった薬剤1の溶解度の2.9倍になった。
【0400】
実施例26〜28
これらの実施例は、薬剤がセルロース非含有ポリマーに分散されたアモルファスな固体分散体を水溶液に溶かすことによって形成したポリマー/薬剤集合体に関するものである。固体分散体は、薬剤1と、両親媒性ヒドロキシル機能性ビニルコポリマー、酢酸ビニル/ビニルアルコール・コポリマー(VAVAC)を用いて作った。3種類のグレードのVAVACを用いて分散体を形成した。すなわち(1)80%が加水分解されていて(ビニルアルコール繰り返し単位の20%がアセチル化されている)(“VAVAC-20%”)、平均分子量が9,000〜10,000ダルトンのもの(オールドリッチ・ケム社、#36,062-7)、(2)87〜89%が加水分解されていて(ビニルアルコール繰り返し単位の約12%がアセチル化されている)(“VAVAC-12%”)、平均分子量が13,000〜23,000ダルトンのもの(オールドリッチ・ケム社、#36,317-0)、(3)98%が加水分解されていて(ビニルアルコール繰り返し単位の2%がアセチル化されている)(“VAVAC-2%”)、平均分子量が13,000〜23,000ダルトンのもの(オールドリッチ・ケム社、#34,840-6)である。実施例26〜28の固体分散体を形成するため、薬剤1とポリマーを溶媒の中に含む溶液を、実施例16と17に記載した“ミニ”スプレー乾燥装置の中にポンピングすることにより、スプレー乾燥させた。表12に実施例26〜28の分散体に関する変数をまとめてある。
【表12】
Figure 2004534811
【0401】
実施例29
実施例26〜28の固体分散体および(VAVAC-20%のみで構成されている)対照5と(VAVAC-12%のみで構成されている)対照6をPBSに添加して37℃にて平衡させた後、動的光散乱(DLS)法によって分析した。実施例26〜28の分散体を十分な量添加した。その量は、薬剤1がすべて溶けたのであればPBS中の薬剤1の合計量が2000μg/mlになるような量である。2時間後、固体分散体と対照をPBSに添加し、その溶液から1mlを採取して13,000gで5分間にわたって遠心分離した。遠心分離した各溶液の上清について実施例3に記載したようにして動的光散乱を測定し、溶液中のあらゆる薬剤粒子とポリマー粒子のサイズを計算した。溶液中のバルク粒子に関する平均粒子サイズを表13に示してある。
【表13】
Figure 2004534811
【0402】
薬剤が存在していないとき(対照5と6)には、ポリマーが両親媒性を有する結果として凝集するため、サイズが約10nmの小さな粒子が存在している。(実施例26〜28の分散体から形成された)薬剤1を含む溶液では、より大きな粒子が存在している。これは、溶液中にポリマー/薬剤集合体が形成されたことを示している。
【0403】
実施例30と31
これら実施例は、第2の薬剤がポリマーに分散された分散体を溶かすことによって形成したポリマー/薬剤集合体に関するものである。まず最初に4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル(薬剤2)を溶媒の中でHPMCAS-MFと混合してスプレー溶液を形成することにより、薬剤2とHPMCAS-MFを含むアモルファスな固体分散体を作った。実施例30では、スプレー溶液は、1重量%の薬剤2と、9重量%のHPMCASと、90重量%のアセトンで構成した。実施例31では、スプレー溶液は、2.5重量%の薬剤2と、7.5重量%のHPMCASと、90重量%のアセトンで構成した。次に、2流体外部混合スプレー・ノズルを用い、噴霧化スプレーを供給速度150g/分で2.7バールにてナイロ・スプレー乾燥装置のステンレス鋼製チェンバーの中に向けることにより、これらのスプレー溶液をスプレー乾燥させた。温度が155℃の乾燥用窒素ガスを約1900g/分で乾燥装置に導入した。この乾燥用ガスと蒸発した溶媒は、この乾燥装置から70℃で出ていった。
【0404】
得られた固体分散体をサイクロンを通じて回収した後、グルーエンベルク溶媒トレイ乾燥装置の中で40℃にて少なくとも8時間にわたって乾燥させた。乾燥後、実施例30の分散体は、10重量%の薬剤2を含んでおり、実施例31の分散体は薬剤2を25重量%含んでいた。
【0405】
実施例32
実施例30と31の固体分散体から形成された溶液を光散乱法で評価したところ、溶液中にポリマー/薬剤集合体が形成されたことがわかった。DLS分析では、実施例30の分散体500mgまたは実施例31の分散体200mgをそれぞれ50mlのPBSに添加し、37℃にて2時間にわたって平衡させた。両方の実験において、PBS中の活性な薬剤2の合計量は、薬剤がすべて溶けたのであれば1000μg/mlになっていたはずである。実施例3に記載したようにPSS-NICOMP380サブミクロン粒子サイズ測定器を用いて光散乱を測定した。溶液中のバルク粒子に関する平均粒子サイズ(流体力学的半径)を表14に示してある。
【0406】
静的光散乱(StLS)分析では、実施例30と31の固体分散体をそれぞれPBSに添加し、37℃にて2時間にわたって平衡させた。13,000gで1分間にわたって遠心分離した後、実施例3に記載したように堀場製作所のLA-910を用いて光散乱を測定した。StLSによる粒子サイズの分布(回転半径)を計算し、その結果を以下の表14に示してある。
【表14】
Figure 2004534811
【0407】
表14のデータから、ポリマーのみの対照C1よりも平均サイズが大きな粒子が存在していたことがわかる。これは、溶液中にポリマー/薬剤集合体が存在していることを示している。
【0408】
実施例33
ポリマー/薬剤集合体の組成を明らかにするため、実施例30と31の分散体をPBSに添加することによって形成した溶液を、実施例4に記載したようにHPLCとNMRを用いて分析した。薬剤2は溶解度が小さいため(約0.010μg/ml)、NaTC/POPCが存在していない場合にはNMR測定でPBS中に遊離した薬剤を直接観測することはできなかった。NaTC/POPCはミセルを形成し、このミセルの中では薬剤2の溶解度が大きくなる。そこで遊離した薬剤の濃度をNMRによって測定するため、2重量%のNaTC/POPCを溶液に添加した。NaTC/POPCミセルの中に分散させた薬剤の量を測定することにより、PBS中の遊離した薬剤の濃度を以下の式を用いて計算した。
DM=Kp×Df×VM
ただしDMは、(NMRによって測定した)ミセル中の薬剤の濃度であり、Kpは薬剤を水とミセルの間で配分するための配分係数であり(30,000)、DfはPBS中の遊離した薬剤の濃度であり、VMはPBS溶液中でミセルが占める体積比(cm3ミセル/cm3溶液=0.021)である。薬剤2を含む実施例30と31の固体分散体を溶液に添加し、薬剤の合計濃度が(薬剤2がすべて溶けた場合には)1,000μg/mlになるようにした。結果を以下の表15に示してある。ポリマー/薬剤集合体に含まれるポリマーの量は、溶液に添加した(固体分散体に含まれる)ポリマーの合計量から遊離したポリマーと沈殿物中のポリマーを差し引くことによって計算した。実施例30の分散体(薬剤2が10重量%)から形成した溶液は、PBS中でポリマー/薬剤集合体を形成し、その中には薬剤2が81重量%含まれていた。実施例31の分散体(薬剤2が25重量%)から形成した溶液は、PBS中でポリマー/薬剤集合体を形成し、その中には薬剤2が55重量%含まれていた。
【表15】
Figure 2004534811
【0409】
表15のデータから、溶けた薬剤のほぼ全部がポリマー/薬剤集合体に含まれていることがわかる。さらに、PBS中の遊離した薬剤の濃度が、実施例30と31の両方において、結晶形態になった薬剤2の溶解度(0.010g/ml)の約8.5倍であることもわかる。
【0410】
実施例34
実施例30と31の分散体から形成された溶液を用いて“置換活性アッセイ”を実施したところ、実施例5に記載したのと同様、薬剤が胆汁塩/リン脂質ミセルに移動することによって不足したとき、ポリマー/薬剤集合体が急速に解離し、遊離した薬剤を放出することがわかった。実施例5に記載したように、薬剤2がよく溶けるミセル相を得るため、濃縮した胆汁塩/リン脂質混合物を選択した。実施例30と31の分散体を溶液に十分な量添加した。その量は、薬剤がすべて溶けたのであれば1000μg/mlになるような量である。光散乱の強度の時間変化を図2と図3に示してある。それぞれの実験について計算した置換活性t1/2を表16に示してある。置換活性t1/2は、光散乱が、胆汁塩/リン脂質溶液を添加した後の値(すなわち図2と図3に示したt0におけるI0)から平衡値へと向かって半分だけ低下するのに要する時間を測定することによって計算した。
【0411】
その結果から、ポリマー/薬剤集合体は非常に置換活性が大きく、薬剤の半分が解離するのに要する時間がほんの約60秒であることがわかる。
【表16】
Figure 2004534811
【0412】
実施例35
この実施例では、ミセルに移動した遊離した薬剤の量を測定することにより、ポリマー/薬剤集合体が、遊離した薬剤の濃度を増大させる効果を有することを示す。NaTC/POPCの量をさまざまに変えて実施例30と31の分散体をPBSに添加し、NaTC/POPCミセルに含まれる薬剤の濃度をNMRで測定した。これらの実験では、分散体を溶液に十分な量添加した。その量は、薬剤2がすべて溶けたのであれば2,000μg/mlになるような量である。比較のため、NaTC/POPCの量をさまざまに変えて結晶形態になった薬剤2(対照7、すなわちC7)もPBSに添加した。その結果を表17に示してある。
【表17】
Figure 2004534811
【0413】
ミセルが存在していない場合の遊離した薬剤の濃度を次にようにして計算した。実施例30と31の分散体から形成された溶液と、結晶形態になった薬剤2から形成された溶液の両方について、薬剤2の濃度とNaTC/POPCの濃度の関係を示す直線の傾きを求めた。これら傾きの比は8.5である。これは、ポリマー/薬剤集合体の形成による濃度増大効果があることを示している。ミセルなしの場合における水溶液中の薬剤2の溶解度は、別の実験において約0.010μg/mlであることがわかった。8.5という増大率を用い、ミセルなしの場合に実施例30と31の分散体から形成された水溶液中の遊離した薬剤の濃度を計算したところ、0.085μg/mlという値になった。
【0414】
実施例36
この実施例は、凝集したポリマー/薬剤固体集合体の形成に関するものである。まず最初に、実施例6に記載したようにして(実施例31と同様の)固体分散体をバッファ溶液に添加することにより、水溶液の中にポリマー/薬剤集合体を形成した。実施例31に記載したのと同様の方法で固体分散体を作った。異なっているのは、スプレーした溶液が、1.7重量%の薬剤2と、5.1重量%のHPMCAS-MFと、93.2重量%のアセトンを含んでいたこと;供給速度が190g/分であったこと、入口における乾燥用ガスの温度が135℃であったこと、乾燥用ガスと蒸発した溶媒が50℃で出ていったことである。乾燥後、固体分散体は薬剤2を25重量%含んでいた。バッファに固体分散体を添加した後、遠心分離した上清を液体窒素で凍結させ、次いで一晩にわたって凍結乾燥させることにより、凝集したポリマー/薬剤固体集合体を粉末の形態で分離した。この凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、薬剤2を17.8重量%含んでいた。
【0415】
対照C8は、元の25重量%の薬剤2/HPMCAS-MF分散体で構成した。
【0416】
実施例37
実施例36の凝集したポリマー/薬剤固体集合体による濃度増大効果を溶解テストにおいて明らかにした。このテストでは、実施例36の凝集したポリマー/薬剤固体集合体10.1mg、または7.2mgのC8をマイクロフュージ管に入れ、実施例7に記載したようにしてテストを行なった。それぞれの物質を十分な量添加した。その量は、薬剤がすべて溶けたのであれば濃度が1000μg/mlとなるような量である。テスト結果を表18に示してある。
【表18】
Figure 2004534811
【0417】
これらサンプルで得られた薬剤の濃度を用い、Cmax90の値と、比(Cmax90/Cdose)×100と、AUC90を求めた。その結果を表19にまとめてある。
【表19】
Figure 2004534811
このデータからわかるように、実施例36のポリマー/薬剤集合体は、元の分散体よりも濃度増大効果が大きかった。テスト組成物のCmax90は対照の1.2倍であり、AUC90は対照の1.4倍であった。本発明の組成物でのほうがCmax90/Cdoseに関して大きな値が得られたということは、溶解した形態の薬剤の割合がより大きいことを示している。
【0418】
実施例38
この実施例は、イオン化可能なセルロース含有ポリマーであるセルロースアセテートフタレート(CAP)から形成したポリマー/薬剤集合体に関するものである。固体分散体を形成するため、0.8重量%の薬剤2と、7.2重量%のCAPと、92重量%のアセトンを含むスプレー溶液を、ナイロ・スプレー乾燥装置を用いてスプレー乾燥させた。2流体外部混合スプレー・ノズルを用い、噴霧化スプレーを供給速度200g/分で2.8バールにてスプレー乾燥装置のステンレス鋼製チェンバーの中に向けることにより、溶液をスプレー乾燥させた。そのとき乾燥用の窒素ガスを、温度180℃、流速約1900g/分にて乾燥装置の中に導入した。この乾燥用ガスと蒸発した溶媒は、この乾燥装置から67℃で出ていった。得られた粒子をサイクロンを通じて回収した後、グルーエンベルク溶媒トレイ乾燥装置の中で40℃にて少なくとも8時間にわたって乾燥させた。
【0419】
対照C9は、溶液中のポリマーCAPのみで構成した。
【0420】
実施例39
実施例38(または対照C9)の固体分散体から形成した溶液を光散乱法を利用して分析し、溶液中にポリマー/薬剤集合体が形成されたことを確認した。DLS分析では、実施例38の分散体200mgを50mlのPBSに添加し、撹拌した後、37℃にて2時間にわたって平衡させた。十分な量の分散体を添加した。その量は、薬剤2がすべて溶けたのであれば400μg/mlになるような量である。実施例3に記載したように、PSS-NICOMP380サブミクロン粒子サイズ測定器を用いて光散乱を測定した。溶液中のバルク粒子に関する平均粒子サイズ(流体力学的半径)を表20に示してある。
【表20】
Figure 2004534811
【0421】
薬剤2を含む溶液では、ポリマーのみの対照C9よりも平均サイズの大きな粒子が存在していた。これは、溶液中にポリマー/薬剤集合体が形成されたことを示している。
【0422】
実施例40
この実施例は、ポリマーの混合物から形成したポリマー/薬剤集合体に関するものである。HPMCAS-MFとHPMCを混合したポリマーを用いて薬剤2を25重量%含む固体分散体を形成した後、水溶液に添加し、ポリマー/薬剤集合体を形成した。固定分散体を形成するため、0.6重量%の薬剤2と、1.2重量%のHPMC E3 Prem LVと、0.6重量%のHPMCAS-MFと、88.1重量%のメタノールと、9.5重量%の水を含むスプレー溶液を調製した。2流体外部混合スプレー・ノズルを用い、噴霧化スプレーを供給速度100g/分で2.7バールにてスプレー乾燥装置のステンレス鋼製チェンバーの中に向けることにより、溶液をスプレー乾燥させた。そのとき乾燥用の窒素ガスを、温度168℃、流速約1800g/分にて乾燥装置の中に導入した。この乾燥用ガスと蒸発した溶媒は、この乾燥装置から44℃で出ていった。得られた粒子をサイクロンを通じて回収した後、グルーエンベルク溶媒トレイ乾燥装置の中で40℃にて少なくとも8時間にわたって乾燥させた。
【0423】
実施例41
実施例40の固体分散体から形成された水溶液を、実施例3と4に記載したようにDLSとNMRを利用して分析した。ミセル中の薬剤2のNMR分析では、固体分散体(薬剤2の全濃度は、この薬剤がすべて溶けたならば1000μg/mlになる)を、37℃にて、2%のNaTC/POPCを含むPBSに添加した。遊離した薬剤の濃度を実施例33と同様にして分析した。その結果を表21に示してある。
【表21】
Figure 2004534811
【0424】
ポリマー/薬剤集合体では、遊離した薬剤の濃度は、2%のNaTC/POPCを含むPBSに対する結晶形態になった薬剤2の溶解度(6μg/ml)の12倍であった。
【0425】
実施例42
この実施例は、スプレー乾燥によって形成した、凝集したポリマー/薬剤固体集合体に関するものである。まず最初に、実施例30に記載したようにして形成した固体分散体をバッファに添加し、ポリマー/薬剤集合体を含む水溶液を形成した。バッファは、HPLCグレードの水に1重量%の炭酸アンモニウムが含まれたものであり、氷酢酸を用いてpHを6.5に調節してある。十分な量の固体分散体をこのバッファ溶液に添加し、分散体が1重量%含まれるようにした(すなわち99gのバッファ溶液に1gの分散体を添加した)。このバッファを撹拌した後、13,000gで1分間にわたって遠心分離した。上清をスプレー乾燥させ、凝集したポリマー/薬剤固体集合体を粉末の形態で分離した。バッファ溶液をスプレー乾燥させるため、2流体外部混合スプレー・ノズルを用い、噴霧化スプレーを供給速度76g/分でナイロ・スプレー乾燥装置のステンレス鋼製チェンバーの中に向けることにより、溶液を噴霧化した。そのとき乾燥用の窒素ガスを温度280℃、流速約1900g/分にて乾燥装置の中に導入した。このガスと蒸発した溶媒は、この乾燥装置から92℃で出ていった。凝集したポリマー/薬剤集合体は、薬剤2を8重量%含んでいた。
【0426】
実施例43
溶解テストにおいて、実施例42の凝集したポリマー/薬剤固体集合体による濃度増大効果を確認した。このテストでは、実施例42の固体ポリマー/薬剤集合体22.5mg(薬剤2を1.8mg含む)をマイクロフュージ管に入れ、実施例7に記載したようにしてテストを行なった。PBSを1.8ml添加し、薬剤2がすべて溶けたならば濃度が1000μg/mlになっているようにした。対照C10は、結晶形態の薬剤21.8mgで構成した。結果を表22に示してある。
【表22】
Figure 2004534811
*薬剤2は、PBSへの溶解度が0.01μg/ml未満であることが知られている。表に示した数字は、遠心分離後に上清を採取する際のエラーによって生じた。Cmax90に関する実際の値は、実験の検出限界である0.1μg未満である。
【0427】
これらサンプルで得られた薬剤の濃度を利用し、Cmax90とAUC90の値を求めた。その結果を表23に示してある。このデータからわかるように、実施例42の凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、薬剤の結晶のみの場合よりも濃度増大効果が大きかった。テスト組成物のCmax90は対照の9000倍を超え、AUC90は対照の76,000倍を超えていた。
【表23】
Figure 2004534811
【0428】
実施例45
示差走査熱量測定(DSC)法を利用し、実施例36の凝集したポリマー/薬剤固体集合体と、25%の薬剤2/HPMCAS-MF分散体と、HPMCAS-MFと薬剤2(アモルファスな薬剤と結晶形態の薬剤の両方を含む)の物理的混合物を調べた。サンプルを相対湿度0%で少なくとも18時間にわたって平衡させた。乾燥環境であるチェンバーの中でサンプル・パンの端を折り曲げてシールした後、ロボット・アームを用い、パーキン-エルマー社のPyris 1 DSCという炉に充填した。サンプルを10℃/分の速度で150℃まで加熱した。これら3つのサンプルに対してDSC走査を行なった結果を図4に示してある。
【0429】
図4に示したように、物理的混合物(上方の曲線)のDSC走査により、薬剤のガラス転移温度(Tg)が38℃であり、ポリマーのTgが122℃であり、結晶形態になった薬剤2の融点の鋭いピークが97℃であることがわかる。固体分散体(真中の曲線)は、Tgが96℃である。これは、薬剤のTgとポリマーのTgの間の値であり、薬剤とポリマーが均一に混合していることを示している。実施例36の凝集したポリマー/薬剤固体集合体に関するDSC走査では、Tgが観測されない。これは、凝集したポリマー/薬剤固体集合体の物理的状態が、結晶状態の薬剤、薬剤とポリマーの物理的混合物、均一な分散体のいずれの物理的状態とも異なっていることを示している。
【0430】
実施例46と47
この実施例は、別の薬剤を含むポリマー/薬剤集合体に関するものである。2-フェナントレンカルボキサミド, 4b,5,6,7,8,8a,9,10-オクタヒドロ-7-ヒドロキシ-N-[(2-メチル-3-ピリジニル)メチル]-4b-(フェニルメチル)-7-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-,(4bS,7S, 8aR)(薬剤3)をHPMCAS-MFとともに溶媒の中で混合してスプレー溶液を形成することにより、薬剤3とHPMCAS-MFを含むアモルファスな固体分散体を作った。実施例46では、溶液は、0.042重量%の薬剤3と、0.373重量%のHPMCASと、99.585重量%の酢酸エチル/メタノール(1/1)を含んでいた。実施例47では、溶液は、0.2重量%の薬剤3と、0.6重量%のHPMCASと、99.2重量%のアセトンを含んでいた。実施例16と17に記載したように、溶液を“ミニ”スプレー乾燥装置の中にポンピングすることにより、これら分散体をスプレー乾燥させた。乾燥後、実施例46のSDDは、薬剤3を10重量%含んでおり、実施例47の分散体は、薬剤3を25重量%含んでいた。
【0431】
実施例48
実施例46と47の分散体を用いて形成した溶液を光散乱法で評価し、溶液中にポリマー/薬剤集合体が形成されていることを確認した。DLS分析では、実施例46の分散体100mgまたは実施例47の分散体40mgを、PBSを50ml入れたそれぞれの管に添加し、37℃にて2時間にわたって平衡させた。十分な量の分散体を添加した。その量は、薬剤3がすべて溶けたならばこれら溶液における薬剤3の全濃度が2mg/mlになるような量である。実施例3に記載したようにPSS-NICOMP380サブミクロン粒子サイズ測定器を用い、光散乱を測定した。溶液中のバルク粒子に関する平均粒子サイズ(流体力学的半径)を表24に示してある。
【表24】
Figure 2004534811
【0432】
薬剤3を含む溶液には、平均粒子サイズがポリマーのみの場合(対照C1、表1)よりも大きな粒子が存在している。これは、溶液中にポリマー/薬剤集合体が形成されたことを示している。
【0433】
実施例49
ポリマー/薬剤集合体の組成を明らかにするため、実施例46と47の分散体を用いてPBS中に形成した溶液を、実施例4に記載したようにしてHPLCとNMRを利用して分析した。薬剤3は低溶解度(0.004μg/ml)であるため、遊離した薬剤をNMRで直接観測することはできなかった。遊離した薬剤の濃度をNMRで測定するため、PBS溶液に2重量%のNaTC/POPCを添加し、NaTC/POPCなしの場合のPBS中の遊離した薬剤の濃度を実施例33に記載したようにして計算した。その結果を以下の表25に示してある。
【表25】
Figure 2004534811
【0434】
実施例46の分散体(薬剤3が10重量%)は、薬剤3を60重量%含むポリマー/薬剤集合体を形成した。
【0435】
表25のデータから、溶けた全薬剤のほぼ98重量%がポリマー/薬剤集合体に含まれていることがわかる。さらに、実施例46と47の両方における遊離した薬剤の濃度は、結晶形態になった薬剤3の溶解度の約500倍であったこともわかる。
【0436】
実施例50〜52
これらの実施例は、薬剤3とCAPを含むポリマー/薬剤集合体の形成に関するものである。CAPと、薬剤3がそれぞれ10重量%、25重量%、50重量%とが含まれる固体分散体を形成した後、これら分散体をバッファ水溶液に添加してポリマー/薬剤集合体を形成した。実施例50の固体分散体を形成するため、ナイロ・スプレー乾燥装置を用い、0.1重量%の薬剤3と、0.9重量%のCAPと、99重量%のアセトンを含む溶液をスプレー乾燥させた。この溶液の供給速度は100g/分であった。温度が50℃の乾燥用ガスを約1900g/分の流速でこの乾燥装置に導入した。乾燥用ガスと蒸発した溶媒は、50℃の温度で出ていった。実施例51の固体分散体を形成するため、ナイロ・スプレー乾燥装置を用い、0.1重量%の薬剤3と、0.3重量%のCAPと、99.6重量%のアセトンを含む溶液をスプレー乾燥させた。この溶液の供給速度は90g/分であった。温度が90℃の乾燥用ガスを約1900g/分の流速でこの乾燥装置に導入した。乾燥用ガスと蒸発した溶媒は、50℃の温度で出ていった。実施例52の固体分散体を形成するため、ナイロ・スプレー乾燥装置を用い、0.1重量%の薬剤3と、0.1重量%のCAPと、99.8重量%のアセトンを含む溶液をスプレー乾燥させた。この溶液の供給速度は1.3ml/分であり、乾燥用ガスの温度は100℃、流速は1.0SCFMであった。実施例50と51の固体分散体は、サイクロンを通じて回収した後、グルーエンベルク溶媒トレイ乾燥装置の中で乾燥させた。実施例52の固体分散体は、真空デシケータの中で乾燥させた。
【0437】
実施例53
ポリマー/薬剤集合体の組成を明らかにするため、実施例50、51、52の分散体を用いて溶液を形成し、NMRで分析した。2重量%のNaTC/POPCを含むPBSに固体分散体を添加した。薬剤3を含む十分な量の分散体を溶液に添加した。その量は、薬剤3がすべて溶けたならば薬剤3の全濃度が1600μg/mlになるような量である。ミセル中の薬剤の濃度をNMRで測定した。その結果以下の表26に示してある。
【表26】
Figure 2004534811
表26のデータから、実施例50、51、52における遊離した薬剤の濃度が、結晶形態になった薬剤3の溶解度(約0.004μg/ml)のそれぞれ約400倍、約500倍、約600倍になっていることがわかる。
【0438】
実施例54〜63
これらの実施例は、第4の薬剤から形成したポリマー/薬剤集合体に関するものである。低溶解度の薬剤である5-(2-(4-(3-ベンゾイソチアゾリル)-ピペラジニル)エチル-6-クロロオキシインドール)(ジプラシドン)(薬剤4)と、両親媒性ポリマーとを含む凝集したポリマー/薬剤固体集合体を調製した。ジプラシドン(メシラート塩)と“ハイ・グラニュラー”(AQUOT-HG)グレードのHPMCAS(信越化学が製造しているHPMCAS-HG)、または分子量が29,000ダルトンのPVP(オールドリッチ社)を温かい(50℃)有機溶媒に溶かし、透明な溶液を形成した。他の添加物がある場合には、最初の溶液を調製した後に添加した。実施例54〜63の溶液の組成を表27にリストにしてある。
【0439】
上記の有機溶液を、50mMの3-(4-モルホリニル)プロパンスルホン酸ナトリウムと150mMのNaClからなるpHが7.4の受容体水溶液(MOPSバッファ)と混合することにより、凝集したポリマー/薬剤固体集合体を調製した。10分後、この混合物を13,000gで1分間にわたって遠心分離し、沈殿したポリマー/薬剤集合体から水相をデカントした。
【表27】
Figure 2004534811
【0440】
実施例64〜67
NMPと水の温かい(45℃)混合物(体積比90:10)にジプラシドンの遊離塩基を溶かすことにより、ジプラシドンとポリマー(HPMCAS、PVP、ポリビニルアルコール(PVA)のいずれか)を含む固体ポリマー/薬剤集合体を調製した。実施例64と65では、HPMCAS-HGと中和に必要な量のKOH水溶液をジプラシドン溶液に溶かした。実施例66では、PVAをジプラシドン溶液に溶かした。実施例67では、PVPをジプラシドン溶液に溶かした。NMPと水からなる溶液(体積比20:80)をゆっくりと添加した後、水(実施例65〜67では界面活性剤を含む)を添加することにより、ポリマー/薬剤集合体を沈殿させた。遠心分離を21,000gで10分間にわたって行ない、上清を取り除き、空気を用いて固体生成物を乾燥させることにより、固体ポリマー/薬剤集合体を分離した。得られたポリマー/薬剤集合体は、ジプラシドンを80〜95重量%含んでいた。実施例64〜67の溶液の組成を表28にまとめてある。
【表28】
Figure 2004534811
【0441】
対照C11
対照C11は、ジプラシドンとHPMCASで構成した。ジプラシドンの遊離塩基を温かい(50℃)テトラヒドロフランに溶かした。この溶液を、HPMCAS-HGと中和に必要な量のNaOH水溶液をメタノールに溶かした溶液と混合した。1つにまとめた溶液は、0.65重量%のジプラシドンと、1.9重量%のHPMCAS(ナトリウム塩)と、39.0重量%のメタノールと、15.0重量%の水と、43.9重量%のテトラヒドロフランを含んでいた。次に、圧力ノズルを11.7バールで用いて噴霧化スプレーを吹きつけることにより、溶液をスプレー乾燥させた。ナイロ・スプレー乾燥装置のステンレス鋼製チェンバーに対する溶液の供給速度は140g/分であり、乾燥用ガスの温度は200℃、流速は約1900g/分であった。乾燥用ガスと蒸発した溶媒は、74℃の温度で出ていった。得られたアモルファスな分散体をサイクロンを通じて回収した後、真空デシケータの中で室温にて一晩にわたって乾燥させた。乾燥後、この固体分散体はジプラシドンを25重量%含んでいた。
【0442】
対照C12とC13
対照C12とC13は、ジプラシドンとHPMCASを含む固体分散体で構成した。この固体分散体は対照C11と同様にして調製したが、薬剤/ポリマーの比が異なっており、中和に必要な量のNaOH水溶液は添加しなかった。乾燥後、対照C12の固体分散体はジプラシドンを30重量%を含んでおり、対照C13の固体分散体はジプラシドンを10重量%含んでいた。
【0443】
実施例68
この実施例では、凝集したポリマー/薬剤固体集合体が濃度増大効果を有することを示す。実施例54の固体ポリマー/薬剤集合体を湿らせたサンプル約30mg、または56.08mgの対照C11を、マイクロフュージ管に入れた。これらのマイクロフュージ管を37℃に温度制御されたチェンバーに入れ、MOPSバッファ450μlを各マイクロフュージ管に添加した。ボルテックス混合装置を用いてサンプルを60秒間にわたって混合した。サンプルを13,000gで1分間にわたって遠心分離し、得られた上清液を10μl採取し、1.5mlのメタノールで希釈し、HPLCで分析した。各マイクロフュージ管の内容物をボルテックス混合装置を用いて再び混合し、次のサンプルを採取するまで乱さないようにして37℃にて放置した。サンプルは、10分、60分、1200分の時点で回収した。その結果を表29に示してある。
【表29】
Figure 2004534811
【0444】
このデータからわかるように、固体ポリマー/薬剤集合体は、固体分散体よりも濃度増大効果が大きかった。実施例54の固体ポリマー/薬剤集合体のCmax10は、対照C11の1.6倍であり、1200分の時点における濃度(C1200)は対照C11の7.54倍であった。
【0445】
実施例69
この実施例は、実施例55のポリマー/薬剤集合体と対照C12の固体薬剤分散体の間の熱的特性の違いに関するものである。実施例45のようにしてDSC走査を実施した。図5に示したように、それぞれの試料はTgが異なっており、ポリマー/薬剤集合体は、薬剤の結晶化に対応する発熱がない。これは、凝集したポリマー/薬剤固体集合体では、対応するポリマー/薬剤分散体と比較すると、薬剤の結晶化が抑制されていることを示す。したがって、凝集したポリマー/薬剤固体集合体における薬剤の結晶化速度は、対応する分散体における薬剤の結晶化速度よりも小さい。
【0446】
実施例70
この実施例では、凝集したポリマー/薬剤固体集合体を形成する前、ポリマーと薬剤を含む溶液にラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を添加すると、固体ポリマー/薬剤集合体が変化して濃度増大効果が大きくなることを示す。実施例61の固体ポリマー/薬剤集合体を湿らせたサンプル約30mgをマイクロフュージ管に入れた。対照14は、実施例61に記載したようにして調製したサンプルからSLSを除いたもので構成した。約25mgの対照C14もマイクロフュージ管に入れた。このマイクロフュージ管を37℃に温度制御されたチェンバーに入れ、MOPSバッファ250μlをこのマイクロフュージ管に添加した。ボルテックス混合装置を用いてサンプルを60秒間にわたって混合した。サンプルを13,000gで1分間にわたって遠心分離し、得られた上清液を10μl採取し、1.5mlのメタノールで希釈し、HPLCで分析した。マイクロフュージ管の内容物をボルテックス混合装置を用いて再び混合し、次のサンプルを採取するまで乱さないようにして37℃にて放置した。サンプルは、10分、60分、1200分の時点で回収した。次に、1200分のサンプルを0.65μmの遠心分離フィルタ管で濾過し、濾液を採取した。結果を表30に示してある。
【表30】
Figure 2004534811
【0447】
このデータからわかるように、SLSで変化させた固体ポリマー/薬剤集合体は、変化させていない集合体よりも濃度増大効果が大きかった。SLSで変化させた固体ポリマー/薬剤集合体のCmax60は、対照C14の1.9倍であり、C1200は対照C14の1.3倍であり、C1200 濾過は対照C14の1.7倍であった。
【0448】
実施例71
この実施例は、実施例56の処理済みの(粉砕された)凝集したポリマー/薬剤固体集合体と、対照C11の固体分散とで粒子サイズが異なることに関するものである。図6と図7に、実施例56と対照C11の走査電子顕微鏡写真(SEM)がそれぞれ示してある。これらのSEMからわかるように、凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、同様の分散体よりも平均粒子サイズがはるかに小さい。この凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、対応する分散体よりも水溶液の中により迅速に分散する。
【0449】
実施例72
この実施例では、低濃度沈殿法によって調製した凝集したポリマー/薬剤固体集合体が濃度増大効果を有することを示す。(3.4重量%の溶液から調製した)実施例64の凝集したポリマー/薬剤固体集合体のサンプル16.11mgをマイクロフュージ管に入れた。比較のため、(23.9重量%の溶液から調製した)実施例54の固体ポリマー/薬剤集合体をほぼ同じ量、別のマイクロフュージ管に入れた。これらマイクロフュージ管を37℃に温度制御されたチェンバーに入れ、MOPSバッファ250μlをこれらマイクロフュージ管に添加した。ボルテックス混合装置を用いてサンプルを60秒間にわたって混合した。サンプルを13,000gで1分間にわたって遠心分離し、得られた上清液を10μl採取し、1.5mlのメタノールで希釈し、HPLCで分析した。各マイクロフュージ管の内容物をボルテックス混合装置を用いて再び混合し、次のサンプルを採取するまで乱さないようにして37℃にて放置した。サンプルは、10分、60分、1200分の時点で回収した。その結果を表31に示してある。
【表31】
Figure 2004534811
【0450】
このデータからわかるように、低濃度沈殿法によって調製した凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、より大きな濃度の溶液から沈殿させた凝集したポリマー/薬剤固体集合体よりも濃度増大効果が大きかった。実施例64のCmax60は実施例54の9.1倍であり、C1200は実施例54の6.1倍であった。
【0451】
実施例73
この実施例では、低濃度沈殿法によって調製した凝集したポリマー/薬剤固体集合体を変化させることによって濃度が増大することを示す。(SLSを用いて調製した)実施例65の凝集したポリマー/薬剤固体集合体のサンプル16.9mgをマイクロフュージ管に入れた。比較のため、(SLSなしで調製した)実施例64の固体ポリマー/薬剤集合体をほぼ同じ量、別のマイクロフュージ管に入れた。これらマイクロフュージ管を37℃に温度制御されたチェンバーに入れ、MOPSバッファ250μlをこれらの管に添加した。ボルテックス混合装置を用いてサンプルを60秒間にわたって混合した。サンプルを13,000gで1分間にわたって遠心分離し、得られた上清液を10μl採取し、1.5mlのメタノールで希釈し、HPLCで分析した。上清を取り除き、新鮮な受容体をそれぞれの管に添加した。各マイクロフュージ管の内容物をボルテックス混合装置を用いて再び混合し、次のサンプルを採取するまで乱さないようにして37℃にて放置した。サンプルは、10分、再び溶かしてから10分後(20分)、60分、1200分の時点で回収した。その結果を表32に示してある。
【表32】
Figure 2004534811
【0452】
このデータからわかるように、SLSで変化させた固体ポリマー/薬剤集合体(実施例65)は、SLSなしの固体ポリマー/薬剤集合体よりも濃度増大効果が大きかった。実施例65のCmax60は実施例64の2.0倍であり、C1200は実施例64の3.8倍であった。
【0453】
実施例74
この実施例では、低濃度沈殿法によって調製した凝集したポリマー/薬剤固体集合体が、PBSの中で濃度増大効果を有することを示す。実施例65の凝集したポリマー/薬剤固体集合体のサンプル、または対照C13の固体分散体のサンプルをマイクロフュージ管に入れた。ジプラシドンがすべて完全に溶けたならば溶液の濃度は400μg/mlになっていたはずである。これらマイクロフュージ管を37℃に温度制御されたチェンバーに入れ、pHが6.5のリン酸緩衝溶液(PBS)1.25mlをこれらのマイクロフュージ管に添加した。ボルテックス混合装置を用いてサンプルを60秒間にわたって混合した。サンプルを13,000gで1分間にわたって遠心分離し、得られた上清液を50μl採取し、1.5mlのメタノールで希釈し、HPLCで分析した。各マイクロフュージ管の内容物をボルテックス混合装置を用いて再び混合し、次のサンプルを採取するまで乱さないようにして37℃にて放置した。サンプルは、4分、10分、30分、60分、90分、1200分の時点で回収した。その結果を表33に示してある。
【表33】
Figure 2004534811
【0454】
このデータからわかるように、凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、PBSに溶かすとき、固体分散体よりも濃度増大効果が大きかった。この固体ポリマー/薬剤集合体のCmax60は対照C13の2.1倍であり、C1200は対照C13の11倍であった。
【0455】
実施例75
この実施例では、ジプラシドンを含む固体ポリマー/薬剤集合体を形成するのにさまざまなポリマーを使用できることを示す。(PVAを用いて調製した)実施例66の凝集したポリマー/薬剤固体集合体のサンプル16.9mgを、または(PVPを用いて調製した)実施例67の凝集したポリマー/薬剤固体集合体のほぼ同じ量を、マイクロフュージ管に入れた。これらマイクロフュージ管を37℃に温度制御されたチェンバーに入れ、MOPSバッファ250μlをこれらのマイクロフュージ管に添加した。ボルテックス混合装置を用いてサンプルを60秒間にわたって混合した。サンプルを13,000gで1分間にわたって遠心分離し、得られた上清液を10μl採取し、1.5mlのメタノールで希釈し、HPLCで分析した。上清を取り除き、新鮮な受容体を各マイクロフュージ管に添加した。それぞれの管の内容物をボルテックス混合装置を用いて再び混合し、次のサンプルを採取するまで乱さないようにして37℃にて放置した。サンプルは、10分、20分、60分、1200分の時点で回収した。その結果を表34に示してある。
【表34】
Figure 2004534811
【0456】
このデータからわかるように、PVAまたはPVPを含む固体ポリマー/薬剤集合体は、ジプラシドンの濃度を増大させた。
【0457】
実施例76
この実施例では、低濃度沈殿法によって調製した凝集したポリマー/薬剤固体集合体の固体状態における形状を示す。図8は実施例65に示した集合体のSEMであり、固体粒子の粒子サイズ分布がかなり狭く、形がかなり揃っていることを示している。平均粒子サイズは約2〜3μmである。
【0458】
実施例77
この実施例では、低濃度沈殿法によって調製した凝集したポリマー/薬剤固体集合体(実施例64〜66)が半秩序状態になっていることを、粉末X線回折パターンによって示す。図9は、粉末X線回折パターンを、(1)結晶状態になったジプラシドンの遊離塩基、(2)実施例64のポリマー/薬剤集合体、(3)実施例65のポリマー/薬剤集合体、(4)実施例66のポリマー/薬剤集合体、(5)HPMCASに10重量%のジプラシドンが含まれたアモルファスな固体分散体について示した図である。これらのデータから、ポリマー/薬剤集合体が“半秩序状態”であることがわかる。すなわち、ポリマー/薬剤集合体は、HPMCASにジプラシドンが含まれたアモルファスな固体分散体よりも秩序があるが、結晶状態になったジプラシドンの遊離塩基よりは秩序が低い。これは、散乱線の幅が結晶状態の薬剤よりも広いがアモルファスな薬剤よりも狭いことから明らかである。
【0459】
実施例78
28.0mlのメタノールに282.5mgの薬剤2と1.1224gのHPMCAS-MFを溶かすことにより、薬剤2を含む凝集したポリマー/薬剤固体集合体を調製した。この溶液を37℃に加熱し、45分間にわたって撹拌することにより、薬剤とポリマーを溶かした。この溶液を22℃に冷却し、水11mlをゆっくりと添加した(溶液は透明なままであった)。このポリマー/薬剤溶液を、50mMの酢酸アンモニウム172mlに添加した。次に、この溶液を13,000gで3分間にわたって遠心分離した。上清を一晩にわたって凍結乾燥させることにより、凝集したポリマー/薬剤固体集合体を分離した。得られた凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、薬剤2を16.7重量%含んでいた。
【0460】
実施例79
溶解テストにおいて、実施例78の凝集したポリマー/薬剤固体集合体による濃度増大効果を確認した。このテストでは、実施例78の凝集したポリマー/薬剤固体集合体10.8mgをマイクロフュージ管に入れた。十分な量の試料を添加した。その量は、薬剤2がすべて溶けたならば薬剤2の濃度が1000μg/mlになるような量である。実施例7に記載したようにしてテストを実施した。その結果を表35に示してある。比較のため、対照8(25重量%の薬剤2/HPMCAS分散体)も表35に掲載してある。
【表35】
Figure 2004534811
【0461】
これらサンプルで得られた薬剤の濃度を用い、Cmax90の値とAUC90の値を求めた。その結果を表36にまとめてある。
【表36】
Figure 2004534811
このデータからわかるように、実施例78の凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、対照の分散体よりも濃度増大効果が大きかった。テスト組成物のAUC90は対照の1.26倍であった。
【0462】
この明細書で使用した用語および表現は、説明のために使用したのであり、範囲を制限するためではない。したがってそのような用語および表現を使用するにあたって、この明細書に示して説明した特徴の等価物やその特徴の一部を除外する意図はない。本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ決まることを認識されたい。
【図面の簡単な説明】
【0463】
【図1】実施例1のポリマー/薬剤集合体に関する置換活性アッセイの結果を示している。
【図2】実施例30のポリマー/薬剤集合体に関する置換活性アッセイの結果を示している。
【図3】実施例31のポリマー/薬剤集合体に関する置換活性アッセイの結果を示している。
【図4】実施例36の凝集したポリマー/薬剤固体集合体と、25%の薬剤2/HPMCAS-MFからなるアモルファスな固体分散体と、薬剤2とHPMCAS-MFの物理的混合物に関する示差走査熱量測定(DSC)での走査結果を示している。
【図5】実施例55の凝集したポリマー/薬剤固体集合体と、対照C11のアモルファスな固体分散体に関するDSCでの走査結果を示している。
【図6】実施例56の凝集したポリマー/薬剤固体集合体の走査電子顕微鏡写真である。
【図7】対照C11のアモルファスな固体分散体の走査電子顕微鏡写真である。
【図8】実施例65の固体凝集ポリマー/薬剤集合体の走査電子顕微鏡写真である。
【図9】粉末X線回折パターンを、(1)ジプラシドンの遊離塩基の結晶、(2)実施例64のポリマー/薬剤集合体、(3)実施例65のポリマー/薬剤集合体、(4)実施例66のポリマー/薬剤集合体、(5)対照C11のアモルファスな固体分散体について示した図である。

Claims (14)

  1. 水溶液であって、
    (a)低溶解度の薬剤と;
    (b)少なくとも一部がこの溶液に溶けている両親媒性ポリマーとを含み;
    (c)上記薬剤の一部と上記ポリマーの一部が、直径が20nm〜5000nmのアモルファスなポリマー/薬剤集合体としてこの溶液中に存在しており;
    (d)この溶液において、溶けた上記薬剤の全濃度が、結晶形態のみで構成された同じ量の薬剤からなる対照組成物による薬剤の平衡濃度の少なくとも2倍になっており;
    (e)この溶液において、遊離した塩基の濃度が、上記対照組成物による上記平衡濃度の少なくとも1.5倍になっており;
    (f)上記両親媒性ポリマーが、少なくとも、中和された酸性ポリマーであるか、あるいは、少なくとも1つの親水性ヒドロキシル含有繰り返し単位と、少なくとも1つの疎水性アルキル含有繰り返し単位またはアリール含有繰り返し単位とを含むビニルコポリマーである水溶液。
  2. ポリマー/薬剤集合体の形成方法であって、
    (a)低溶解度の薬剤とマトリックスを含むアモルファスな固体分散体を形成し;
    (b)この分散体を水溶液の中に十分な量投与して、溶けた薬剤の濃度が、結晶形態のみで構成された薬剤を投与することによって得られる溶液中の薬剤平衡濃度よりも少なくとも一時的に大きくなるようにし;
    (c)十分な量の両親媒性ポリマーをこの溶液の中に投与して、直径が20nm〜5000nmのポリマー/薬剤集合体を形成する操作を含む方法。
  3. 凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む医薬組成物であって、この凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、低溶解度の薬剤と両親媒性ポリマーとを含んでおり、水性使用環境に投与したとき、このポリマー/薬剤集合体を十分な量投与することにより、溶けた薬剤の全濃度の最大値が、同じ量の上記両親媒性ポリマーと同じ量の上記薬剤とを含むアモルファスな固体分散体からなる対照組成物による溶けた薬剤の合計量の最大値が投与した薬剤の合計量に対して約0.6未満になっている場合の濃度の少なくとも1.1倍になることを特徴とする医薬組成物。
  4. 凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む医薬組成物であって、この凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、低溶解度の薬剤と両親媒性ポリマーとを含んでおり、この薬剤は、この凝集したポリマー/薬剤固体集合体の中に、半秩序化した非結晶状態で存在していることを特徴とする医薬組成物。
  5. 凝集したポリマー/薬剤固体集合体を含む医薬組成物であって、この凝集したポリマー/薬剤固体集合体は、低溶解度の薬剤と両親媒性ポリマーとを含んでおり、この凝集したポリマー/薬剤固体集合体が、ポリマー/薬剤集合体を含む溶液を形成し、そのときにこのポリマー/薬剤集合体のかなりの部分の直径が20nm〜5000nmになるようにし、凝集したポリマー/薬剤固体集合体をこの溶液から分離する操作を含む方法によって形成されることを特徴とする医薬組成物。
  6. 上記両親媒性ポリマーの選択を、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルローススクシネート、ヒドロキシエチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシエチルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシエチルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシエチルセルロースアセテート、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレート、メチルセルロースアセテートフタレート、エチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレートスクシネート、セルロースプロピオネートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースブチレートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、メチルセルロースアセテートトリメリテート、エチルセルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートトリメリテートスクシネート、セルロースプロピオネートトリメリテート、セルロースブチレートトリメリテート、セルロースアセテートテレフタレート、セルロースアセテートイソフタレート、セルロースアセテートピリジンジカルボキシレート、サリチル酸セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルサリチル酸セルロースアセテート、エチル安息香酸セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルエチル安息香酸セルロースアセテート、エチルフタル酸セルロースアセテート、エチルニコチン酸セルロースアセテート、エチルピコリン酸セルロースアセテート、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースアセテート、ヒドロキシエチルエチルセルロース、カルボン酸機能性ポリメタクリレート、カルボン酸機能性ポリアクリレート、アミン機能性ポリアクリレート、アミン機能性ポリメタクリレート;ヒドロキシル、アルキルアシルオキシ、環式アミドからなるグループの中から選択した少なくとも1つの置換基を有するビニルポリマーとビニルコポリマー;少なくとも1つの親水性ヒドロキシル含有繰り返し単位と少なくとも1つの疎水性アルキル含有またはアリール含有繰り返し単位を含むビニルコポリマー;加水分解されていない形態の繰り返し単位を少なくとも一部に有するポリビニルアルコール;ポリビニルアルコールポリ酢酸ビニル・コポリマー、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール・コポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンポリビニルアルコール・コポリマーからなるグループの中から行なう、請求項3〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  7. 上記組成物が、使用環境に投与されたとき、
    (a)少なくとも90分間にわたり、濃度-時間曲線の下側の溶解面積が、分散されていないアモルファスな薬剤のみを同じ量含む対照組成物の対応する面積の少なくとも1.25倍になった状態;
    (b)使用環境における上記薬剤の最大濃度が、分散されていないアモルファスな薬剤のみを同じ量含む対照組成物による薬剤の最大濃度と比べて少なくとも1.25倍になった状態;
    (c)相対的生物学的利用能が、分散されていないアモルファスな薬剤のみを同じ量含む対照組成物の少なくとも1.25倍になった状態;
    のうちの少なくとも1つを実現する、請求項3〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  8. 医薬組成物の形成方法であって、
    (a)低溶解度の薬剤と、両親媒性ポリマーと、溶媒とを含む溶液を形成し、そのとき、この薬剤の一部とこのポリマーの一部が、直径が50nm〜2000nmのアモルファスなポリマー/薬剤集合体の形態でこの溶液中に存在しているようにし;
    (b)この溶液から、上記低溶解度の薬剤と上記両親媒性ポリマーとを含む凝集したポリマー/薬剤固体集合体を分離する操作を含む方法。
  9. 上記溶媒を上記溶液から除去し、凝集した上記ポリマー/薬剤固体集合体の第1の集合を分離する、請求項8に記載の方法。
  10. 上記溶媒をスプレー乾燥によって除去する、請求項9に記載の方法。
  11. 上記ポリマー/薬剤集合体を上記溶液から分離した後、乾燥させて上記凝集したポリマー/薬剤固体集合体を分離する操作をさらに含む、請求項8に記載の方法。
  12. 上記薬剤が、[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステルという化合物;または[2R, 4S] 4-[アセチル-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステルという化合物;または[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステルという化合物である、請求項1、及び3〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  13. 上記薬剤が、[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステルという化合物;または[2R, 4S] 4-[アセチル-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステルという化合物;または[2R, 4S] 4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステルという化合物である、請求項2、及び8〜11のいずれか1項に記載の方法。
  14. 請求項8〜11、及び13のいずれか1項に記載の方法によって形成される生成物。
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