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JP2004532652A - 多チャンネル冷却ダイ - Google Patents

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JP2004532652A JP2003510242A JP2003510242A JP2004532652A JP 2004532652 A JP2004532652 A JP 2004532652A JP 2003510242 A JP2003510242 A JP 2003510242A JP 2003510242 A JP2003510242 A JP 2003510242A JP 2004532652 A JP2004532652 A JP 2004532652A
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Abstract

食品押出し製造に用いられる冷却ダイであって、この冷却ダイは;冷却ダイの入口端と出口端との間の本体部分を形成し、かつ冷却ダイの軸線の周りに隣接関係をもって配置された複数のコア部材と;隣接するコア部材の間の空隙によって画成されて、冷却ダイの入口端から出口端まで貫通する複数の押出材料流通チャンネルと;コア部材のそれぞれの内部に形成された、冷媒が流れ得る少なくとも1本の抜き孔と;コア部材を、軸線に関して半径方向には動かないように固定するのに適した囲い構造体と;冷却ダイを、食品押出機、冷却流体源、および冷却流体レセプタクルに連結する手段と;入口端近傍に配置され、押出材料を食品押出機の出口から押出材料流通チャンネルのうちの選択されたチャンネルに導くのに適した押出材料流分配手段とを備えている。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、加工蛋白食品の製造において食品押出機とともに用いられる冷却ダイに関するものである。
【0002】
本発明は、特に押出機で加工処理される、魚肉、鶏肉、羊肉または牛肉を含む細紐状の肉片の外観を持つ食品の製造に用いるための冷却ダイに関するものである。この冷却ダイは、押出機の出口に取り付けられるものであり、上記押出機は、1個または複数個のスクリュウを内蔵して、110℃と180℃との間の温度に熱せられた押出材料を上記冷却ダイに供給する。
【背景技術】
【0003】
ソーセージ、蒲鉾、肉に類似した食品、および魚肉に類似した食品の製造を含む種々の加工食品の製造において、長い間、種々の蛋白質加工処理が行なわれてきた。細紐状の加工食品は、低水分材料(一般に10〜30重量%)の押出加工処理を含む種々の手段によって得られる。高水分材料(例えば一般に30〜80重量%の水分)の押出加工処理は比較的新しい技術であり、主として蛋白質食品加工の分野で使用されている。
【0004】
高水分材料の押出加工処理は、凝集力のある繊維または葉状組織を得るために、魚肉ミンチ、すり身、骨抜き肉、大豆粉末、豆滓、穀物粉末、乳生産物蛋白質等を含む種々の天然蛋白質源を再構築する手段として検討されてきた(非特許文献1参照)。
【0005】
低水分材料の押出加工処理と異なり、高水分材料の押出加工処理は、食品押出機からの押出材料を冷却し、ゲル化および/または凝固させるために、冷却ダイを用いる必要がある。冷却ダイは食品混合物内に蓄積された熱エネルギおよび機械的エネルギを放散させて、混合物の粘度を増大させ、上記押出材料の望ましくない膨化の原因となる押出機出口での押出材料内の水分の急激な蒸発を防止する。
【0006】
この技術/用途の分野で用いられる冷却ダイには、三つのタイプがあることが知られている。最も一般に知られているのは、ダイの長手方向に沿って延びる角柱形または円筒形のダクトを備えた細長い角柱形または円筒形冷却ダイである。ダクトの周囲は水で冷却され、これにより、通過する押し出された食品を冷却することができる。環状冷却ダイも知られており、この冷却ダイにおいては、内部コアと外筒とによって画成された、環状の断面形状を有する内部キャビティを備えている。内部コアおよび外筒は冷却され、これによって、キャビティを通過する食品を冷却することができる。
【0007】
多チャンネル(ダクト)冷却ダイも知られており、この冷却ダイでは、押出機内に存在する押出材料は「分岐」されて、ダイの長手方向軸線の周りに配置された多数の独立した冷却ダクト内に流入し、凝固した加工食品の多数の独立した紐状体が冷却ダイの出口に配送される。
【0008】
したがって、多チャンネル冷却ダイには、大きな断面積を有する単一ダクトを用いた場合のような、生産物に悪影響を与えたり、冷却に時間がかかったりするようなことなしに、生産量を増やすことができる可能性がある。
【0009】
より大きな断面積を有する単一ダクトを備えた冷却ダイをもって流速を速めることにより冷却ダイ容量を高める試みもなされた。この方法には、より長い冷却ダイが必要である。この方法は、多くの悪い結果をもたらす。例えば、より長い冷却ダイは食品内に不均質を生じさせる懼れがあり、冷却ダイ内で食品組織が詰まる懼れもある。また、このようなダイは明らかに、大きな製造プラント空間または床面積を占有し、コストを増大させる。
【0010】
特許文献1には、高い水分含有率を有する蛋白質原料から細い紐状の食品を押し出すのに用いられる多チャンネル冷却ダイが開示されている。この冷却ダイは、典型的なシェル・アンド・チューブ熱交換器であり、円筒状シェルの軸線方向両端部のシェルカバーは、目的に応じた端板と交換される。入口端板は、押出機のダイホルダに対するフランジであり、他方の端板は熱交換器のチューブ固定シートと同じ配置を有し、すなわち、内部の複数の細管の端部に嵌着されて支持される多孔板となっている。
【0011】
このタイプの冷却ダイに採用されている肉厚の薄い細管は、押出材料を高い処理速度において効率的に冷却することを保証する。すなわち、独立した細管は高い圧力に耐え、これによって、通常の単一キャビティ冷却ダイに比較して、より多量の原料を処理することができる。
【0012】
このタイプの冷却ダイの欠点の一つは、加工処理中に内部の個々の細管を流れる押出材料を清掃するための、長いロッドのような工具を用いる必要があることである。細管の平滑な内表面が清掃作業中に傷つく可能性があり(細管が長いため)、個々の細管において表面粗さ(および背圧)が増大する結果、個々の細管が押出機からまちまちの負荷を受ける可能性がある。また、1本の細管が、もはや熱せられた押出材料のための流路にはならない程傷ついた場合には、冷却ダイ全体または個々の細管の交換が必要になる。個々の細管は円筒状シェルの端板に気密状態で固定されているので、交換作業には時間と人手とを要する。したがって、1本の細管を交換するためには、全ての細管を取り外し、取り付け直さなければならない。
【0013】
エッフェム・フーズ社(Effem foods Pty Ltd)の特許文献2には、食品押出機とともに用いられる冷却ダイが開示されており、この冷却ダイは、シェル・アンド・チューブ形式の冷却ダイに存在すると認められる欠点の一部または全ての問題に取り組んだ多チャンネル冷却ダイを提供することによって、従来の単一キャビティ冷却ダイと比較した場合に、押出材料が流れるキャビティの断面積および長さを増大させることなく、生産量を増大させることができる。この冷却ダイの本体は、互いに締結された多数の積層板部材からなる。各板部材は、隣接する板部材の対応する貫通孔と位置合わせされた複数の貫通孔を備えており、これによって生産物が流れる多数のチャンネルと、冷媒が流れる多数のチャンネルとを画成している。しかしながら、この特殊な構成にも欠点があり、以下にその概要を説明する。
【0014】
a)冷媒の流れ
積層板冷却ダイ・アセンブリにおいて、冷媒は、所望数のダイ・コア部材が一括ボルト締めされた場合に形成される多数のダクトを流通する。これらチャンネルの直径は、ダイの長手方向軸線からのチャンネルの半径方向の位置に応じて変る。冷媒チャンネルと材料チャンネルとの間の間隔がダイの断面全体に亘って一定になるような構造が選択される。しかしながら、このことは、外側の冷媒チャンネルの冷媒の流速がより速いことを意味する。すべての冷媒チャンネルに冷媒を一定かつ同一速度で流すために、冷媒流制限部材を付加しない限り、このような構造は、生産物の品質と均質性に関して不利な結果を招き、冷却ダイの中心に近い位置にある生産物が、中心から離れた位置にある生産物よりも僅かに膨化(冷却不十分のため)するという状態で、冷却ダイ内に存在する生産物が不均質になりやすい。また、内方の材料チャンネルと外方の材料チャンネルとの速度勾配によって生産物が時折捩れることもある。これに加えて、不均一な熱伝導によって、一部の材料チャンネルが他のチャンネルよりも速度が遅くなるということにもなり得る。その結果、冷却ダイを通過する生産物の滞留時間がまちまちになる。したがって、或る生産物は膨化過剰になり、他の生産物は十分に膨化されないことになる。この現象によって惹起される運用上の故障の一例を挙げれば、或るチャンネル内の流れが完全に停止し、他のチャンネル内の流れは、適切に冷却されないために反対に速度が増大して、生産物の品質に悪影響を与える。
【0015】
b)押出機からダイへの生産物の流れ
押出機からダイへの生産物の流れは、冷却ダイの安定性に重要な役割を演ずる。押出機の出口から冷却ダイの生産物受容口までの平均流路が、できるだけ小さい標準偏差を有することが重要である。あるいは、押出機の出口から冷却ダイのチャンネル入口までの最短路と最長路との間の差をできるだけ小さくしなければならない。大きな差が存在すると、押出機の出口と冷却ダイの入口との間の連結部材におけるデッドスペースが増大する。このことは、生産物の品質劣化または直接的なダイの孔の詰まりを招く焼け焦げ製品の発生を招来し得る。
【0016】
c)ダイの組立ておよび冷却
前述のように、特許文献2に開示された冷却ダイは、積層されて冷却ダイ本体を構成する多数の板体からなり、これら板体内に、複数の材料チャンネルと、これらに隣接する冷却チャンネルとが形成されている。通常20枚の板体が用いられる。この構造の欠点は、このダイの組立てに時間がかかり、かつ全ての板体を正確に位置合わせして、締結ボルトを締めつけるのに熟練した作業員の腕を必要とすることである。清掃のためにダイを分解する場合にも時間がかかり、特に、もし操業の終了時に生産物が冷却ダイ内に残っていると、それがチャンネル内で固化して、板体同士を接着してしまう。このような固化した生産物は、取り除くのが困難で時間を要する可能性がある。したがって、このタイプの冷却ダイの整備には約4時間もかかってしまうことがある。この整備時間を短縮することができれば、相当の利益を生むことになる。
【0017】
d)ランニングコスト
特許文献2に開示された冷却ダイの構造は、各チャンネルの接続部すなわち境界面にシール部材を付加しない限り、押出材料流通チャンネルと冷媒チャンネルとの間をシールするのに、隣接する板体同士の直接的接触に依存している。板体の表面が僅かに磨耗しても、押出材料が冷媒チャンネル内や外部に洩れたり、冷媒が押出材料流通チャンネル内や外部に洩れたりする可能性がある。ほんの僅かなレベルの漏洩であっても、品質上または安定性上の問題を惹起するから、傷ついた板体は定期的に交換される。
【特許文献1】
特開平6−62821号公報
【特許文献2】
国際特許出願第AU00/00011号明細書
【非特許文献1】
ジェー・シー・チェフテル外(J.C.Cheftel et al)著、”New Protein Texturisation Processes by Extrusion Cooking at High Moisture Levels”「高水分材料における押出し食品調理による新しい蛋白質加工処理法」、フード・レビュー・インターナショナル(Food Review International),8(2),p.235-275(1992),Marcel Dekker,Inc.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、食品押出しの目的で工夫された従来の多チャンネル冷却ダイの上述した欠点の一部、好ましくは全部を克服した新規な冷却ダイ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の態様によれば、食品押出し製造に用いられる冷却ダイが提供され、この冷却ダイは、
・該冷却ダイの入口端と出口端との間の本体部分を形成し、かつ該冷却ダイの軸線の周りに間隙を介して配置された複数のコア部材と、
・隣接する前記コア部材の間の空隙によって画成されて、前記冷却ダイの入口端から出口端まで貫通する複数の押出材料流通チャンネルと、
・前記コア部材のそれぞれの内部に形成された、冷媒が流れ得る少なくとも1本の抜き孔と、
・前記コア部材を、前記軸線に関して半径方向に動かないように固定するのに適した囲い構造体と、
・前記冷却ダイを、食品押出機、冷却流体源、および冷却流体レセプタクルに連結する手段と、
・前記入口端近傍に配置されて、押出材料を前記食品押出機の出口から前記押出材料流通チャンネルのうちの選択されたチャンネルに導くのに適した押出材料流分配手段と、
を備えていることを特徴とするものである。
【0020】
個々のコア部材は、ダイのほぼ全長に亘って延びていることが好ましく、また、個々のコア部材は、センターコアの周りに放射状に配置されていることが好ましい。
【0021】
各隣接する二つのコア部材間に画成された押出材料流通チャンネルが一定の幅を維持できるように、センターコアの周りに放射状に配置されているコア部材の全てが、楔形または切頭扇形の断面形状を有するのがよい。放射状のコア部材の形状が、押出材料が流れる方向のダイの長手方向軸線に沿う延長方向に沿って「斜めに広がる(splay)」ように、すなわち、放射状のコア部材の半径方向寸法が、冷却ダイの入口端から出口端に向かって増大するようになっていると同様に効果がある。このような傾斜付けは、押出機と冷却ダイとの間の押出材料の通路長における較差を効果的に低減し、各冷却ダイチャンネルにおける均質な流れを助長する。
【0022】
各コア部材は、コア部材の長手方向に延びる、一定の断面を有する1本または複数本の冷媒チャンネルを備えていることが好ましい。各押出材料流通チャンネルは、この押出材料流通チャンネルの両側に冷媒チャンネルが1本ずつ配置されている態様で、2本の冷媒チャンネルをそれぞれ備えている。この構成の利点は、冷媒が各冷媒チャンネルに均等に分配されている限り、2本の冷媒チャンネル(各側に1本ずつ)のみで押出材料流通チャンネル全体を冷却し、押出材料から冷媒への熱伝導を半径方向に一定にすることである。各冷媒チャンネルへの冷媒の均等な分配は、全冷媒チャンネルの断面積に比較して大きい断面積を有する冷媒分配用冷媒充満空間を設けることによって達成される。
【0023】
コア部材の各側面に沿った冷媒チャンネルの流路は、各放射状コア部材の一方の長手方向端から他方の長手方向端へ進むにつれてコア部材の半径方向外側と半径方向内側との間で交番するジグザグ・パターンを形成していることが好ましい。冷媒は、冷媒分配用冷媒充満空間からこの冷媒チャンネルの一端に入り、冷媒チャンネルを切れ目なく通って冷媒送出用冷媒充満空間へ流れることが好ましい。
【0024】
本発明は、このダイの中心軸線に対して外方へ傾斜した押出材料流通チャンネルを提供する。これにより本発明は、生産物の流路の長さの較差を最小にすることによって、全チャンネルに亘って均等な押出材料流を提供して、従来技術の限界を打破するものである。本発明では、冷却ダイの入口における押出材料流通チャンネルのピッチ円直径(PCD)が、冷却ダイの出口におけるPCDよりも小さい。このPCDにおける差異は約30%が好ましい。この構成により、従来技術と比較した場合に、流路の平均距離および標準偏差が低減され、ダイ孔の詰まりによる操業停止時間を短縮することが可能になる。
【0025】
本発明は、前述した従来技術の「積層板」アセンブリよりも組立てが実質的に簡単な冷却ダイ・アセンブリを提供するものである。本発明による冷却ダイの冷却部門は、主ハウジング(その内部に、より小さい複数のコア部材がボルト締めされる)と、コーン型センターコアと、端板とによって特徴づけられる。本発明による冷却ダイの組立ては、先ずセンターコアを主ハウジング内に挿入し、次いで端板をボルトで止める。この段階は約10分間で実行できる。生産操業の終了時には、端板が、次いでセンターコアが取り外される。この作業をさらに簡単にするために、特別なセンターコア取外し装置を使用するのが好ましい。ダイに残存するいかなる押出材料も、高圧水を用いると容易に取り除くことができるが、もし、押出材料が水で除去するには固すぎる場合には、適当な道具を使用して固い押出材料を取り除けばよい。
【0026】
本発明においては、コーン型センターコアを取り出すと、押出材料流通チャンネルの一側が完全に取り払われるので、この清掃作業は簡単である。このことは、押出材料がダイ自体によって全周を束縛されていないから、清掃具を容易に挿入できることを意味する。
【0027】
本発明による冷却ダイは、押出材料流通チャンネルと冷媒流通チャンネルとの間の物理的絶縁性が従来技術の「積層板」構造よりも向上する。したがって、冷却ダイの種々の構成要素の物理的磨耗が押出材料と冷媒との間の例えば交雑汚染の程度が遥かに低くなると思われる。このことは、上記部品が、生産物の品質またはダイの完全性に悪影響を与えることなしに、遥かに大きな磨耗に耐えることを意味する。したがって、本発明による冷却ダイのランニングコストはずっと低くなると思われる。
【0028】
1本の冷却水チャンネルが押出材料流通チャンネルの一側の長さ全体に亘って冷却することが好ましい。その結果、熱伝導の一様性が、したがって生産物の品質が著しく改善されることになる。
【0029】
本発明の第2の態様によれば、食品押出し製造に用いられる冷却ダイが提供され、この冷却ダイは、
・該冷却ダイの入口端と出口端との間の本体部分を形成し、かつ該冷却ダイの軸線の周りに配置された複数のコア部材と、
・該コア部材のそれぞれの内部に形成された、押出材料が流れ得る少なくとも一本の抜き孔と、
・前記コア部材のそれぞれの内部に形成された、冷媒が流れ得る少なくとも一本の抜き孔と、
・前記コア部材を、前記軸線に関して半径方向に動かないように固定するのに適した囲い構造体と、
・前記冷却ダイを、食品押出機、冷却流体源、および冷却流体レセプタクルに連結する手段と、
・前記入口端近傍に配置され、押出材料を前記食品押出機の出口から前記押出材料流通チャンネルのうちの選択されたチャンネルに導くのに適した押出材料流分配手段と、
を備えていることを特徴とするものである。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態が、添付図面を参照して、かつ一つの実施例として下記に記載されている。本発明のさらなる効果および好ましい特徴もそこに説明されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
細紐状の肉類似食品のような押出しによる食品を製造するためには、構成材料を破砕し圧縮して、この材料を冷却ダイに搬送する能力を備えた押出機が必要である。この押出機は、1個または複数個のスクリュウを備えている。これらスクリュウは良く知られており、ここには記載されていない。
【0032】
図1には、高水分蛋白質食品の押出機の出口で用いられる本発明による冷却ダイ・アセンブリが分解斜視図で示されている。この冷却ダイ・アセンブリは、コーン型センターコア2の周りに放射状に配列された複数の冷却用楔形体(コア部材)1からなるマルチピース・ダイである。この構造体は円筒状の鞘型ケース3内に収容されている。押出材料は、押出機から、分岐コーン4a、孔開きプレート4bおよびスロット付きプレート4cからなる分流装置4を経てダイの入口に導入される。分流装置4は、押出材料が流れる全てのチャンネル7内に押出材料が確実に等分に流入するように構成されている。端板5は、冷却ダイの出口に設けられたフランジ10上にボルト締めされて、内部構造体をそれらが押出材料の圧力によって鞘型ケース3から押し出されないように拘束している。上記端板5は、ダイ内に延びる多数の押出材料流通チャンネル7のそれぞれに対応する位置に、押出材料吐出オリフィス6を備え、これらオリフィス6は、生産物がダイを出るときの生産物の所望の断面形状に対応した輪郭を与えられている。鞘型ケース3は、この鞘型ケース3内部でそれぞれ環状のキャビティを形成する入口冷媒充満空間と出口冷媒充満空間とを備えるとともに、入口冷媒充満空間へ冷媒を導入するための入口点8と、出口冷媒充満空間から冷媒を導出するための出口点9とを備えている。各冷却用楔形体1と鞘型ケース3の内表面との間にはスペーサー・ストリップ11が設けられて、隣接する冷却用楔形体1が正しく位置決めされるのを保証している。センターコア2の外表面には、センターコア2の全長に亘って多数のスペーサー突条12が設けられて、これらスペーサー突条12も隣接する冷却用楔形体1が正しく位置決めされるのを保証している。
【0033】
24本の押出材料流通チャンネル7がダイの入口端と出口端との間に軸線方向に延びている。これらチャンネルは一般に矩形の断面形状を有する。図2の断面図は、押出材料流通チャンネル7の長い方の第1および第2辺が冷却用楔形体1の側壁によって画成され、短い方の第3辺がスペーサー・ストリップ11によって画成され、短い方の第4辺がスペーサー突条12によって画成されている状態を示している。
【0034】
個々の冷却用楔形体1内には冷媒チャンネル13の流通路が形成されている。これら流通路は、図3の詳細図および図4に破線で示されている。冷媒チャンネル13は、冷却用楔形体1の全長に亘ってジグザグ・パターンをもって延びているのを見ることができる。冷媒は、冷媒導入用オリフィス15を通って冷却用楔形体1内に入り、冷媒チャンネル13を流通し、冷媒導出用オリフィス16を経て冷却用楔形体1外へ出る。冷却用楔形体1の上面に沿って現れている円形の窪み17はオリフィスではない。これらは、冷却用楔形体1に冷媒流通路13を加工する製作工程で孔開けされた後に塞がれた孔に過ぎない。
【0035】
図1から、鞘型ケース3の直径、センターコア2の直径、および冷却用楔形体1の放射状の高さが、冷却ダイの入口端から出口端に向かって増大しているのが注目される。しかしながら、押出材料流通チャンネル7の幅は一定である。この構成により、押出材料からの熱伝導を最大にしながら、ダイの組立ておよび分解をより容易にすることができる。この押出材料流通路の「拡径」により、押出機と冷却ダイとの間の押出材料流通路の較差をも低減し、冷却ダイの各押出材料流通チャンネルを流通する押出材料の流れの較差をも低減することもできる。
【0036】
押出材料流通チャンネル7の主寸法すなわち幅は、冷却ダイの中心軸線から略放射状に延びている。24本の押出材料流通チャンネル7は互いに等間隔に設けられている。
【0037】
製造装置での使用時には、押出機からの溶融物(すなわち押出材料)は押出機の出口を通って取付けフランジ14内を流れ、冷却ダイの押出材料流通チャンネル7内に入るのに先立って押出材料分配装置4を通る。すべての押出材料流通路が同じ長さを有するので、押出材料の流れはすべての押出材料流通チャンネル7に等分に分配される。次いで押出材料は、隣接する個々の冷却用楔形体1によって形成された押出材料流通チャンネル7に沿って搬送されて、端板5を経て冷却ダイを出る。冷却用楔形体1の全数は、特定の押出材料が必要とする熱伝導面積によって変えてもよい。もし必要であれば、熱電対を冷却ダイの所定点に挿入して、工程を制御することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の好ましい実施の形態による冷却ダイにおけるハウジング構造の外側に配置された24個の冷却用楔形体のうちの1個のみを示す主構成部品の分解斜視図である。
【図2】完全に組み立てられた冷却ダイの断面図である。
【図3】図2の断面における1個の冷却用楔形体の、冷媒が流れるチャンネルの配置を示す詳細図である。
【図4】1個の冷却用楔形体における2本の冷媒チャンネルを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1 冷却用楔形体
2 センターコア
3 鞘型ケース
4 分流装置
5 端板
6 押出材料吐出オリフィス
7 押出材料流通チャンネル
10 フランジ
13 冷媒チャンネル

Claims (19)

  1. 食品押出し製造に用いられる冷却ダイであって、
    該冷却ダイの入口端と出口端との間の本体部分を形成し、かつ該冷却ダイの軸線の周りに隣接関係をもって配置された複数のコア部材と、
    隣接する前記コア部材の間の空隙によって画成されて、前記冷却ダイの入口端から出口端まで貫通する複数の押出材料流通チャンネルと、
    前記コア部材のそれぞれの内部に形成された、冷媒が流れ得る少なくとも1本の抜き孔と、
    前記コア部材を、前記軸線に関して半径方向に動かないように固定するのに適した囲い構造体と、
    前記冷却ダイを、食品押出機、冷却流体源、および冷却流体レセプタクルに連結する手段と、
    前記入口端近傍に配置されて、押出材料を前記食品押出機の出口から前記押出材料流通チャンネルのうちの選択されたチャンネルに導くのに適した押出材料流分配手段と、
    を備えていることを特徴とする冷却ダイ。
  2. 前記コア部材のそれぞれが、前記ダイのほぼ全長に亘って延びていることを特徴とする請求項1記載の冷却ダイ。
  3. 前記コア部材のそれぞれが、センターコアの周りに放射状に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の冷却ダイ。
  4. 前記センターコアの周りに放射状に配置されている前記コア部材の全てが、楔形または切頭扇形の断面形状を有し、かつ放射状に配置された前記コア部材の隣接する各二つの間に画成された前記押出材料流通チャンネルが、一定の半径方向の広がりと一定の周方向広がり幅とを有することを特徴とする請求項3記載の冷却ダイ。
  5. 前記放射状に配置されているコア部材が、押出材料が流れる方向の前記ダイの長手方向軸線に沿う延長方向に沿って傾斜するように、前記冷却ダイの入口端から出口端に向かって増大する半径方向寸法を有することを特徴とする請求項3または4記載の冷却ダイ。
  6. 前記コア部材のそれぞれが、該コア部材の長手方向に延びる一定の断面を有する1本または複数本の冷媒チャンネルを備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の冷却ダイ。
  7. 前記押出材料流通チャンネルのそれぞれが、少なくとも2本の冷媒チャンネルと組み合わせられており、該冷媒チャンネルが、各押出材料流通チャンネルの両側に位置するように配置されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項記載の冷却ダイ。
  8. 前記放射状コア部材のそれぞれに沿った冷媒チャンネルの流路は、各放射状コア部材の一方の長手方向端から他方の長手方向端へ進むにつれて該放射状コア部材の半径方向外側と半径方向内側との間で交番するジグザグ・パターンを形成していることを特徴とする請求項7記載の冷却ダイ。
  9. 冷媒分配用冷媒充満空間が前記冷却ダイの入口端に配置されて、そこから冷媒が個々の冷媒チャンネルの一端に入り、かつ個々の冷媒チャンネルからの冷媒を受け取るための冷媒送出用冷媒充満空間が前記冷却ダイの出口端に配置されていることを特徴とする請求項8記載の冷却ダイ。
  10. 食品押出し製造に用いられる冷却ダイであって、
    該冷却ダイの入口端と出口端との間の本体部分を形成し、かつ該冷却ダイの軸線の周りに配置された複数のコア部材と、
    該コア部材のそれぞれの内部に形成された、押出材料が流れ得る少なくとも一本の抜き孔と、
    前記コア部材のそれぞれの内部に形成された、冷媒が流れ得る少なくとも一本の抜き孔と、
    前記コア部材を、前記軸線に関して半径方向に動かないように固定するのに適した囲い構造体と、
    前記冷却ダイを、食品押出機、冷却流体源、および冷却流体レセプタクルに連結する手段と、
    前記入口端近傍に配置され、押出材料を前記食品押出機の出口から前記押出材料流通チャンネルのうちの選択されたチャンネルに導くのに適した押出材料流分配手段と、
    を備えていることを特徴とする冷却ダイ。
  11. 前記コア部材のそれぞれが、前記ダイのほぼ全長に亘って延びていることを特徴とする請求項10記載の冷却ダイ。
  12. 個々のコア部材が、センターコアの周りに放射状に配置されていることを特徴とする請求項10または11記載の冷却ダイ。
  13. 前記センターコアの周りに放射状に配置されている前記コア部材の全てが、楔形または切頭扇形の断面形状を有し、かつ放射状に配置されたコア部材の隣接する二つ間に画成された前記押出材料流通チャンネルが、一定の半径方向の広がりと一定の周方向広がり幅とを有することを特徴とする請求項12記載の冷却ダイ。
  14. 前記放射状に配置されているコア部材が、押出材料が流れる方向の前記ダイの長手方向軸線に沿う延長方向に沿って傾斜するように、前記冷却ダイの入口端から出口端に向かって増大する半径方向寸法を有することを特徴とする請求項12または13記載の冷却ダイ。
  15. 前記放射状に配置されているコア部材のそれぞれが、該コア部材の長手方向に延びる一定の断面を有する1本または複数本の冷媒チャンネルを備えていることを特徴とする請求項11から14のいずれか1項記載の冷却ダイ。
  16. 前記押出材料流通チャンネルのそれぞれが少なくとも2本の冷媒チャンネルと組み合わせられており、該冷媒チャンネルが、各押出材料流通チャンネルの両側に位置するように配置されていることを特徴とする請求項11から15のいずれか1項記載の冷却ダイ。
  17. 前記放射状コア部材のそれぞれに沿った冷媒チャンネルの流路は、各放射状コア部材の一方の長手方向端から他方の長手方向端へ進むにつれて該放射状コア部材の半径方向外側と半径方向内側との間で交番するジグザグ・パターンを形成していることを特徴とする請求項15または16記載の冷却ダイ。
  18. 冷媒分配用冷媒充満空間が前記冷却ダイの入口端に配置されて、そこから冷媒が個々の冷媒チャンネルの一端に入り、かつ個々の冷媒チャンネルからの冷媒を受け取るための冷媒送出用冷媒充満空間が前記冷却ダイの出口端に配置されていることを特徴とする請求項15または16または17記載の冷却ダイ。
  19. 添付図面を参照して説明されているような食品押出しラインの冷却ダイ。
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