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JP2004526742A - スピノシン類を製造するための中間体 - Google Patents

スピノシン類を製造するための中間体 Download PDF

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JP2004526742A
JP2004526742A JP2002577811A JP2002577811A JP2004526742A JP 2004526742 A JP2004526742 A JP 2004526742A JP 2002577811 A JP2002577811 A JP 2002577811A JP 2002577811 A JP2002577811 A JP 2002577811A JP 2004526742 A JP2004526742 A JP 2004526742A
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    • C12P17/00Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D313/00Heterocyclic compounds containing rings of more than six members having one oxygen atom as the only ring hetero atom

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Abstract

本発明は、スピノシンを製造するための中間体、該中間体を製造するための様々な方法、及び、スピノシンを製造するための該中間体の使用に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、スピノシン類を調製するための中間体、該中間体を調製するための様々な方法、及び、スピノシン誘導体を調製するための該中間体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
スピノシン類(spinosyns)は公知化合物である。スピノシン類は、放線菌類のサッカロポリスポラ・スピノザ(Saccharopolyspora spinosa)の培養による発酵産物である。天然のスピノシン類は、12員のマクロライド環及び5,6,5-シス-アンチ-トランス三環式環を有する四環式ポリケチド骨格(アグリコン)と、D-ホロサミン(D-forosamine)及び2,3,4-トリ-O-メチル-L-ラムノース糖部分とからなる(Kirstら, (1991), Tetrahedron Letters, 32:4839)。現在までに、A83543複合体として知られている20種類を越える異なった天然のスピノシン類が記述されている(cf. 国際公開第WO 97/00265号、国際公開第WO 94/20518号及び国際公開第WO 93/09126号)。これらの化合物は、三環式環骨格部分、ホロサミン糖部分又はトリメチルラムノース糖部分における1個以上のメチル基の置換の点で異なっている。ホロサミン糖部分を欠いている17-シュードアグリコンも、同様に、S.スピノザ(S. spinosa)の培養ブロスから単離されている。
【0003】
S.スピノザ(S. spinosa)によって形成されるA83543複合体の主要成分は、変異体スピノシンAとスピノシンDであり、これらは、製品スピノサド(spinosad)の本質的な成分を構成している(cf. Pesticide Manual, British Crop Protection Council, 11thEd., 1997, page 1272 及び Dow Elanco 業界誌 Down to Earth, Vol. 52, No.1, 1997 並びに、それらの中で引用されている文献)。
【0004】
上記化合物がアミノ糖を欠く場合、それらは、スピノシンA-17-シュードアグリコン及びスピノシンD-17-シュードアグリコンなどと呼ばれ、上記化合物が中性糖を欠く場合は、それらは、スピノシンA-9-シュードアグリコン及びスピノシンD-9-シュードアグリコンなどと呼ばれる。2つの糖残基を欠くスピノシン類は、スピノシンアグリコンと呼ばれる。
【0005】
スピノシン類は、クモ形類動物、線虫及び昆虫、特に、鱗翅類(Lepidoptera)及び双翅類(Diptera)を防除するのに適している。現在はスピノシンを用いて防除している植物の害虫がこれらの市販されている活性物質に対する抵抗性を生じる可能性があることは予想され得る。従って、現在害虫を防除するために使用されているスピノシンと置き換えることが可能な生物学的に活性な新規スピノシン誘導体を調製することは重要である。スピノシン誘導体の調製における合成的アプローチについては、Martynow, J. G.及び Kirst, H. A.によって、J. Org. Chem.(1994, 59, 1548)に記述された。この刊行物では、スピノシンアグリコンの9,17-ジケトン及びスピノシンアグリコンの17-ケト誘導体について言及されている。スピノシン-17-シュードアグリコンとスピノシン-9-シュードアグリコンは、国際公開第WO 97/00265号及び米国特許第US-A 6001981号に開示されている。これらの資料には、天然産物から出発する半合成的方法によって得ることができるさらなる誘導体の調製についても記述されている。化学的誘導体化によって生成されたC9位が酸化されているスピノシン-9-シュードアグリコンは殺虫活性化合物として知られている。先行技術に関して、9-ケト-スピノシンアグリコンは新規である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、スピノシン誘導体を調製するのに適する新規中間体得を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、式(I):
【0008】
【化1】
Figure 2004526742
[式中、
は、メチル又はエチルを表し、
A-Bは、基 -HC=CH-,-HC=C(CH)-,-HC-CH-,-HC-CH(CH)-
の1つを表す]
で表される化合物を提供することにより達成された。
【0009】
は好ましくはエチルを表す。
【0010】
A-Bは好ましくは基 -HC=CH- を表す。
【0011】
本発明による式(I)の化合物は、像と鏡像のように作用する(エナンチオマー)か、又は、像と鏡像のようには作用しない(ジアステレオマー)立体異性体の形態で存在することができる。本発明は、エナンチオマー又はジアステレオマーのいずれにも関し、また、それぞれの混合物にも関する。ジアステレオマーのようなラセミ形態は、公知方法により、立体異性的に均一な成分に分割することができる。適切である場合には、上記異性体は、自体公知の方法により、互いに変換することができる。
【0012】
本発明は、さらに、一般式(I)で表される上記化合物を調製するための、化学的及び生化学的/微生物学的方法にも関する。
【0013】
式(I)の化合物は、式(II):
【0014】
【化2】
Figure 2004526742
[式中、R及びA-Bは上記した意味を有する]
で表される化合物を、適切である場合には希釈剤の存在下で、酸化剤と反応させることによって得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の調製方法の出発化合物として用いることができるスピノシンアグリコンは、公知であり、また、国際公開第WO 01/16303号に記載されている方法で調製することができる。同様に、本発明の調製方法で使用することができる出発化合物は、対応する天然のスピノシンから出発して得ることができる。
【0016】
アルコール基を酸化するための多くの異なった酸化剤が知られている(cf. 例えば、以下の文献に記載されている酸化剤:Organic Synthesis by Oxidation with Metal Compounds; Mijs, de Jonge; Plenum: New York, 1986; Manganese Compounds as Oxidizing Agents in Organic Chemistry; Arndt, Open Court Publishing Company: La Salle, IL, 1981; The Oxidation of Organic Compounds by Permanganate Ion and Hexavalent Chromium; Lee, Open Court Publishing Company: La Salle, IL, 1980)。従って、酸化は、例えば、過マンガン酸カリウムなどの過マンガン酸塩、塩素又は臭素などのハロゲン、及び、二酸化マンガン又は四酸化ルテニウムなどの金属酸化物などの存在下で行うことができる。
【0017】
例えば、酸性二クロム酸塩を用いるなど、第二級アルコールを酸化するのに特異的な多くの異なった酸化剤も、文献に記載されている(cf. Chromium Oxidations in Organic Chemistry; Cainelli, Cardillo, Springer: New York, 1984; Reagents for Organic Synthesis; Fieser, Vol. 1, Wiley: New York, 1967, pp. 142-147, 1059-1064、及び、このシリーズのさらなる巻)。クロム酸と硫酸の水溶液は、ジョーンズ試薬(Jones's reagent)として知られている(Bowdenら, (1946), J. Chem. Soc.: 39; Bowersら, (1953), J. Chem. Soc.: 2548)。3種類の別のクロム(VI)試薬(Warrenerら, (1978), Aust. J. Chem., 31: 1113 における、ジョーンズ試薬(Jones's reagent)とコリンズ試薬(Collins's reagent)とコーリー試薬(Corey's reagent)の比較研究の論文を参照されたい)もまた使用されるが、そのようなものとしては、知られているように、例えば、ジピリジン/クロム(VI)オキシド(コリンズ試薬)(cf. 例えば、Collinsら, (1968), Tetrahedron Lett.: 3363)、クロロクロム酸ピリジニウム(コーリー試薬)(cf. Review: Luzzio 及び Guziec (1988), Org. Prep. Proced. Int., 20: 533-584) 及び 二クロム酸ピリジニウム(cf., Coates (1969), Corrigan Chem. Ind. (London): 1594; Corey, Schmidt (1979), Tetrahedron Lett.: 399)などがある。酸感受性サブストレートとして知られている別のものは、例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)中の酸化クロム(VI)(cf., Cardilloら, (1976), Synthesis: 394)、酸化クロム(VI)/ピリジン錯体(cf, Poosら, (1953), J. Am. Chem. Soc., 75: 422) 又は クロム酸トリメチルシリル(Moiseenkovら, (1987), J. Org. Chem. USSR, 23: 1646)などである。酢酸中の次亜塩素酸ナトリウムは、大量の第二級アルコールの酸化に関して挙げられている(cf. Stevensら, (1980), J. Org. Chem., 45: 2030; Schneiderら, (1982), J. Org. Chem., 47: 364)。しかしながら、前記酸化剤は、ポリマーに結合した形態であってもよい(cf., Review: McKillop, Young (1979), Synthesis: 401-422)。クロム酸と過マンガン酸塩は、いずれも、そのようにして酸化剤として使用された。過マンガン酸塩(cf. Review: Lee, in Trahanovsky, Ref. 2, pt. D, S. 147-206)、クロム酸(Hutchinsら, (1977), Tetrahedron Lett.: 4167; Landiniら, (1979), Synthesis: 134) 及び 四酸化ルテニウム(Morris, Kiely J. Org. Chem. (1987), 52: 1149)を用いる多くの相間移動反応も知られている。超音波誘発酸化反応が可能である場合でさえも、過マンガン酸カリウムの使用が述べられている(Yamawakiら, (1983), Chem. Lett.: 379)。
【0018】
さらに、第一級アルコールをアルデヒドに酸化することが可能な殆どの酸化剤は、第二級アルコールの対応する酸化にも適している。第一級アルコールを酸化するためのそのような酸化剤の例は、二クロム酸ピリジニウム、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(PrRuO )、硝酸セリウムアンモニウム(CAN)、セライト上の炭酸銀(Fetizonら, (1968), Acad. Sci., Ser. C, 267: 900)、水中のNaCr(Leeら, (1970), J. Org. Chem., 35: 3589)、四酢酸鉛/ピリジン、塩化オキサリル存在下における過酸化ベンゾイル/二臭化ニッケル又はジメチルスルホキシド(スウェルン酸化(Swern oxidation))、ピリジン中の硫酸銅(II)五水和物、70%酢酸中の酢酸銅(II)、水中の塩化鉄、氷酢酸中の酸化クロム(VI)、又は、ピリジン中の三酸化二クロムである。たとえ第一級ヒドロキシル基が存在していても、第二級ヒドロキシル基を特異的に酸化することができる試薬としては、例えば、過酸化水素/モリブデン酸アンモニウム(Trostら, (1984), Isr. J. Chem., 24: 134)、及び、ホウ酸ナトリウム(NaBrO)-CAN(Tomiokaら, Tetrahedron Lett. 23: 539)などを挙げることができる。酸化され得る別の基が存在していても、ヒドロキシル基を酸化するための酸化剤としてN-ハロスクシンイミド(ハロ = クロロ、ブロモ、ヨード)を用いることができる(Corey 及び Khim (1972), J. Am. Chem. Soc., 94:7586 の異本; Review: Filler (1963), Chem. Rev.,, 63: 21-43, p. 22-28)。例えば、N-ヨードスクシンイミドとヨウ化テトラブチルアンモニウムの組み合わせは、第二級アルコールを高い収率で酸化するのに適している(Hanessianら, (1981), Synthesis: 394)。
【0019】
さらに別の公知の酸化方法としては、例えば触媒(例えば、銀触媒又は銅触媒など)の存在下における、酸化的脱水素反応も挙げることができる(M. Muhler : Handbook of Heterogenous Catalysis, VCH, Weinheim, 1997)。例えば、炭水化物(M. Bessonら, (1995), J. Catal. 152: 116-122)又はステロイド(T. Akihisaら, (1986), Bull. Chem. Soc. Jpn. 59: 680-685)などの、感受性の物質でさえ酸化することができる、白金/炭素触媒又はパラジウム/炭素触媒を使用する別の穏やかな接触酸化方法(catalytic oxidative processes)が知られている。そのような酸化のための市販されている有効な触媒の例は、無機のTS-1触媒(チタンシリカライト酸化物(oxide titanium silicalite))であり、この触媒を用いると、水性過酸化水素(30%w/w)中で第一級アルコールと第二級アルコールを接触酸化することができる(R. Murugawelら, (1997), Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 36: 477-479)。
【0020】
好ましく使用される酸化剤は、ジメチルスルフィドの存在下におけるN-ハロスクシンイミド(特に、N-クロロスクシンイミド)(スウェルン酸化(Swern oxidation))又は二クロム酸ピリジニウムである。
【0021】
上記新規化合物を調製するための本発明の方法は、希釈剤を用いて実施するのが好ましい。希釈剤は、上記調製方法の全工程において当該反応混合物が容易に撹拌できるような状態に保たれるような量で使用するのが好ましい。
【0022】
上記した酸化剤に応じて、水又は水性過酸化水素以外の適切な希釈剤は、酸性希釈剤、例えば、濃酢酸又はある程度希釈されている酢酸など、及び、塩基性希釈剤、例えば、ピリジンなどである。
【0023】
さらに、実質的に、全ての不活性有機溶媒が適している。そのような不活性有機溶媒としては、特に、脂肪族、脂環式又は芳香族の、場合によりハロゲン化されていてもよい炭化水素、例えば、ベンジン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、 石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル若しくはエチレングリコールジエチルエーテル、ケトン類、例えば、アセトン若しくはブタノン、ニトリル類、例えば、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル、アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルホルムアニリド、N-メチルピロリドン若しくはヘキサメチルリン酸トリアミド、エステル類、例えば、酢酸エチル、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド、又は、スルホランなどを挙げることができる。
【0024】
当然のことながら、本発明の調製方法は、上記した溶媒の混合物中でも実施することができる。
【0025】
特に好ましくは、上記希釈剤としてジクロロメタンを用いる。
【0026】
さらに、本発明の調製方法による反応は、不活性ガス下で行うのが好ましい。
【0027】
本発明の調製方法を実施する場合、反応温度はかなりの範囲で変えることができる。一般に、当該調製方法は、−100℃〜+150℃の温度、好ましくは、−20℃〜+50℃の温度で行う。
【0028】
一般に、本発明の調製方法は、大気圧下で行う。しかしながら、当該調製方法は、高圧下又は減圧下で行うことも可能である。
【0029】
本発明の調製方法を実施するために、各ケースで必要とされる出発化合物は、一般に、ほぼ等モル量で使用する。しかしながら、上記酸化剤を化学量論的な量より少ない量で用いることも可能である。
【0030】
後処理は、慣習的な方法により行う。
【0031】
一般式(I)で表される新規化合物は、一般式(II)で表される化合物から出発して、生物変換反応によっても調製することができる。
【0032】
天然産物又は合成化合物のヒドロキシル基を、微生物又はそれらの酵素を用いる生物変換反応によって選択的に及び/又は立体特異的に酸化することは、文献に記述されている。特に、アクチノマイセテス(Actinomycetes)(ノカルジア(Nocardia)、ストレプトマイセス(Streptomyces))及び別のグラム陽性菌(バチルス(Bacillus)、クロストリジウム(Clostridium))又はグラム陰性菌の細胞及び/又は酵素が、化学的合成に関して限界があるステロイド化合物を特異的に酸化するのに用いられてきた。ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼやコレステロールオキシダーゼなどの、特に酵素に関する例を以下に列挙する。
【0033】
【表1】
Figure 2004526742
本発明に従い、式(II):
【0034】
【化3】
Figure 2004526742
[式中、R及びA-Bは上記した意味を有する]
の化合物を、有気性条件下、水性栄養培地中の微生物と接触させた後、式(I)の化合物を単離することができる。
【0035】
上記微生物の代わりに、当該微生物から出発する慣習的な方法によって得ることができる酵素抽出物及び精製酵素を使用することもできるが、その際、適切な場合には、前記酵素抽出物又は精製酵素は、必要な補因子を添加した後で使用するか又は必要な補因子を再生させた状態で使用する。
【0036】
本発明の調製方法では、好ましくは、バチルス(Bacillus)属の微生物、若しくは、アクチノマイセテス(Actinomycetes)群の微生物、特に、ストレプトマイセス(Streptomyces)属の微生物、又は、真菌類、特に、ジゴマイセテス(Zygomycetes)綱の真菌、好ましくは、ジゴリンクス(Zygorhynchus)属若しくはムコル(Mucor)属の真菌を用いるか、又は、前記微生物又は真菌類を出発材料として用いて産生された酵素抽出物若しくは精製酵素を用いる。
【0037】
本発明の調製方法においは、バチルス・シンプレックス(Bacillus simplex)種、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)種、ストレプトマイセス・アルギラセウス(Streptomyces argillaceus)種、ストレプトマイセス・スカビエス(Streptomyces scabies)種、ストレプトマイセス・ミラビリス(Streptomyces mirabilis)種、ストレプトマイセス・シュードベネクエラエ(Streptomyces pseudovenecuelae)種、ジゴリンクス・モエレリ(Zygorhynchus moelleri)種又はムコル・シルシネロイデス(Mucor circinelloides)種の株を用いるのが特に好ましい。
【0038】
本発明の調製方法では、以下に示す株の特徴的形質(characterizing traits)を有する株を用いるのが特に好ましい。
【0039】
【表2】
Figure 2004526742
【0040】
上記表に挙げた株は、ブダペスト条約の規定に従って、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH [German Collection of Microorganisms and Cell Cultures](DSMZ), Mascheroder Weg 1b, D-38124 Brunswick, Germany に寄託してある。
【0041】
前記株については、実施例9においてさらに詳細に記載してある。寄託してある株自体のみではなく、それらの突然変異株も、寄託してある株の特徴的形質を有している限り使用し得る。このことは、当該突然変異株が本発明による生物変換反応を実施する能力を維持していなければならないことを意味する。
【0042】
上記水性栄養培地は、同化可能な炭素源と同化可能な窒素源を含有しているのが好ましい。
【0043】
式(I)の化合物は、例えば、上記表に挙げた種の中の株を、式(II)の化合物の存在下、有気条件下で水性栄養培地中で発酵させると産生される。
【0044】
典型的には、上記微生物は、炭素源を含有し、適切な場合にはタンパク質材料も含有する栄養培地内で発酵させる。好ましい炭素源には、グルコース、赤砂糖、蔗糖、グリセロール、デンプン、コーンスターチ、ラクトース、デキストリン及び糖蜜などが包含される。好ましい窒素源には、綿実粕、酵母、自己消化酵母(autolyzed baker's yeast)、牛乳固形成分(solid milk constituents)、大豆粉、ひき割りトウモロコシ、カゼイン加水分解産物(膵臓又パパイン)、固形蒸留成分(solid distillation components)、動物ペプトンのブロス、肉片及び骨片などが包含される。これらの炭素源と窒素源の混合物を使用するのが好ましい。培地の成分として水道水と未精製成分を使用する限りにおいて、例えば、亜鉛、マグネシウム、マンガン、コバルト及び鉄などの微量元素は発酵培地に添加する必要はない。
【0045】
当該微生物が確実に十分に増殖できるどのような温度であっても、一般式(I)の化合物を産生させることができる。当該温度は、21℃〜32℃が好ましく、約28℃が特に好ましい。
【0046】
一般に、式(I)の化合物の最適の産生は、式(II)の化合物を培養物に添加してから1〜10日の範囲内、好ましくは、約2〜6日の範囲内で達成される。通常、発酵ブロスは、発酵中は弱塩基性(pH7.4〜pH8.0)のままである。最終的なpHは、場合によって用いる緩衝液にある程度依存し、また、培養培地の初期のpHにある程度依存する。発酵ブロスのpHは、滅菌する前に約6.5〜7.5にするのが好ましく、pH7.2にするのが特に好ましい。
【0047】
本発明の化合物の産生は、振とうフラスコ又は撹拌発酵槽内で行わせる。振とうフラスコ又は大型反応器及びタンク内で培養する場合は、上記代謝物の産生における明らかな遅滞期を避け、従って上記装置の非効率的な使用を避けるために、胞子形態ではなく栄養形態にある上記微生物を用いて接種するのが好ましい。従って、下面培養(bottom culture)又は斜面培養のアリコートを用いて水性栄養培地に接種することによって、当該培地中に栄養型接種材料を調製するのが有利である。
【0048】
この方法で活性な栄養型接種材料を新しく調製した後、それを別の振とうフラスコ又は上記微生物の発酵のための適切な別の装置に無菌的に移す。前記栄養型接種材料をその中で調製する培地は、当該微生物が確実に十分に増殖する限り、本発明の化合物の産生に用いる培地と同じであっても異なっていてもよい。
【0049】
一般に、本発明の化合物は、上記した微生物を用いて、有気性条件下、撹拌発酵槽中で産生させる。しかしながら、本発明化合物の産生は、用いた発酵槽とスターターカルチャーとは無関係である。本発明の化合物は振とう培養によっても得ることができる。好ましくは、栄養型接種材料を大規模発酵に用いる。栄養型接種材料は、少量の培養培地に当該微生物の胞子形態、菌糸体断片又は凍結乾燥ペレットを接種することにより調製する。次いで、得られた栄養型接種材料を発酵反応器に移し、そこで、一般式(II)の化合物の存在下で適切な時間インキュベーションした後に、最適の収量で本発明化合物を産生させる。好気的深部発酵法(aerobic submerged fermentation process)の場合は、通常、培養培地内に滅菌した空気を通気させる。上記微生物を効率的に増殖させるために用いる空気の容積は、1分当たり培養培地1容積当たり約0.25〜約0.5容積(vvm)である。10L容量の反応器における撹拌下の最適な割合は、約0.3vvmであり、これは、約200〜500rpm、好ましくは、300rpmで回転する慣習的なプロペラによって生じる空気の量である。泡立ちの問題がある場合は、少量(例えば、1mL/L)の、例えば、シリコーンなどの、消泡剤を発酵培地に添加する必要がある。
【0050】
好ましい発酵条件及び発酵培地は、本明細書の実施例に記載してある。
【0051】
一般に、式(II)の化合物の本発明化合物への生物変換は約48時間後に始まり、発酵期間中少なくとも6日間は生物変換が起こる。発酵期間の約5〜7日の間に本発明化合物の産生はピークに達するが、バチルス(Bacillus)の株を用いた場合は、3〜4日後と早い時期にピークに達する。
【0052】
生物変換産物の形態にある本発明の化合物は、通常の方法により発酵培地から単離することができる。
【0053】
本発明の化合物は、発酵を起こしている微生物のバイオマス中に主に存在しているが、発酵ブロスの培養濾液中にも少量存在していることもある。培養ブロスは、圧濾器を通して単に濾過することにより除去することができる。
【0054】
発酵ブロスからの本発明化合物の単離及びそれらの精製においては、例えば、クロマトグラフ吸着法(例えば、カラムクロマトグラフィー、液-液分配クロマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィーなど)とそれに続くで適切な溶媒による溶離、溶媒からの結晶化、及び、それらの組み合わせなどの、様々な方法を用いることができる。好ましい精製方法においては、本発明の化合物を、バイオマスから抽出するか、菌糸体から抽出するか、又は上澄みの抽出物から抽出する。これらは、例えば、XAD、BP20又はLewapolなどの吸着樹脂を用いて行うことができる。初期の精製には、カラムクロマトグラフ法、好ましくは、シリカゲル又は変性シリカゲル上でのカラムクロマトグラフ法を用いる。本発明化合物の最終的な精製は、好ましくは、分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって行う。
【0055】
本発明の化合物は、生物学的に活性な、特に、殺虫剤として活性なスピノシン誘導体を調製するのに用いることができる。
【0056】
例えば、本発明の式(Ia)の化合物をグリコシド化するのに、式(III)[式中、LGは、ブロモ又は2,2,2-トリクロロエタンイミデート(=トリクロロアセトイミデート)などの、公知の適切な脱離基(LG)を表し得る]で表されるアミノ糖として、活性化ホロサミン(D-ホロサミン: cf. 欧州特許出願公開第EP-A 0375316号)を使用する場合、国際公開第WO 97/00265号及び米国特許第US-A 6001981号により公知となっている式(IVa)で表される9-ケト-スピノシンA-9-シュードアグリコンが得られる(cf. 反応図式1)。
【0057】
【化4】
Figure 2004526742
Figure 2004526742
【0058】
式(III)のアミノ糖としての活性化ホロサミン、例えば、α-D-ホロサミニルブロミドヒドロブロミド(α-D-forosaminyl bromide hydrobromid)又はα-L-N-Fmoc-ホロサミニルブロミド(LG = ブロモ)などの合成と、そのグリコシド化反応は、国際公開第WO 97/00265号及び米国特許第US-A 6001981号又はD. A. Evansら, (1993), J. Am. Chem. Soc. 115: 4497-4513 によって公知となっている。さらに、式(III)の活性化アミノ糖、例えば、1-(2,2,2-トリクロロエタンイミデート)-4,6-ジデオキシ-4-(ジメチルアミノ)-5-C-メチル-β-D-リボ-ヘキソピラノース-2,3-ジアセテート(LG = 2,2,2-トリクロロエタンイミデート)などの合成と、その立体選択的グリコシド化反応も、公知である(cf. I. Satoら, (1999), Chem. Lett. 9: 867-868; cf. さらに、グルコスフィンゴ脂質の調製におけるトリクロロアセトイミデートの使用: G. R. Duffinら, (2000), J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1: 2237-2242)。
【0059】
ストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)(サシバエ)とフォルミア・レギナ(Phormia regina)(クロキンバエ)に対する式(IVa)の9-ケト-スピノシンA-9-シュードアグリコンの生物学的活性も、すでに、国際公開第WO 97/00265号と米国特許第US-A 6001981号に記述されている。
【0060】
さらに、国際公開第WO 97/00265号と米国特許第US-A 6001981号には、9位のカルボニル基の反応性を利用する、式(IVa)の9-ケト-スピノシンA-9-シュードアグリコンの2種類さらなる反応(ルートaとルートb)が開示されている(cf. 反応図式2)。
【0061】
例えば、式(IVa)の9-ケト-スピノシンA-9-シュードアグリコンをグリニャール試薬の塩化メチルマグネシウム(V)を用いて変換して、式(VIa)の(9S)-9-メチル-スピノシンA-9-シュードアグリコンと式(VIb)の(9R)-9-メチル-スピノシンA-9-シュードアグリコンの混合物を得ることができ、前記混合物は、クロマトグラフィーにより分割することができる(ルートa)。シアノホウ水素化ナトリウムの存在下に式(IVa)の9-ケト-スピノシンA-9-シュードアグリコンとモルホリン(VII)を反応させて式(VIII)の9-デオキシ-9-(N-モルホリニル)-スピノシンA-9-シュードアグリコンを形成させることが、さらなる公知の使用例において説明されている(cf. 反応図式2、ルートb)。
【0062】
【化5】
Figure 2004526742
【0063】
式(VIa)の(9S)-9-メチル-スピノシンA-9-シュードアグリコンと式(VIb)の(9R)-9-メチル-スピノシンA-9-シュードアグリコンのアフィス・ゴシピイ(Aphis gossipii)(ワタアブラムシ)、ヘリオチス・ビレセンス(Heliothis virescens)(タバコガ)及びストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)(サシバエ)に対する生物学的活性、特に、殺虫活性は、既に、国際公開第WO 97/00265号と米国特許第US-A 6001981号に記述されている。式(VIII)の9-デオキシ-9-(N-モルホリニル)-スピノシンA-9-シュードアグリコンについても、ストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)(サシバエ)に対する対応する生物学的活性、特に、殺虫活性は、既に、国際公開第WO 97/00265号と米国特許第US-A 6001981号に記述されている。
【実施例】
【0064】
実施例1
racer( 登録商標 ) からのスピノシンアグリコンの調製
式中のRがエチルを表し、A-Bが基 -HC=CH- を表す式(II)の化合物(以下、化合物(2)と称する)を、国際公開第WO 01/16303号に記載されているように調製した。
【0065】
実施例1 (a)
Tracer( 登録商標 ) からの5 , - ジヒドロスピノシン - アグリコンの調製
式中のRがエチルを表し、A-Bが基 -HC-CH- を表す式(II)の化合物(5,6-ジヒドロスピノシンアグリコン:以下、化合物(4)と称する)を、国際公開第WO 01/16303号に記載されている方法と同様にして5,6-ジヒドロスピノシンAから調製した。スピノシンAから5,6-ジヒドロスピノシンAを合成する方法は、国際公開第WO 97/00265号及び米国特許第US-A 6001981号に開示されている。また、スピノシンAは、国際公開第WO 01/16303号に記載されているようにTracer(登録商標)から調製した。
【0066】
実施例2
使用株
表:化合物(2)を対応する9-ケト誘導体(以下、化合物(1)と称する)に生物変換な株
【0067】
【表3】
Figure 2004526742
【0068】
実施例3
ストレプトマイセス・アルギラセウス (Streptomyces argillaceus) DSM14030、ストレプトマイセス・スカビエス (Streptomyces scabies) DSM14029、ストレプトマイセス spec.(Streptomyces spec.) DSM14077、ストレプトマイセス・ミラビリス (Streptomyces mirabilis) DSM14078、ストレプトマイセス・シュードベネクエラエ (Streptomyces pseudovenecuelae) DSM14079、ジゴリンクス・モエレリ (Zygorhynchus moelleri) DSM14198又はムコル・シルシネロイデス (Mucor circinelloide s) DSM14199を用いた生物変換
化合物(2)から化合物(1)を産生するための生物変換のプロトコルの例。
【0069】
実施例3 (a)
ストレプトマイセス・アルギラセウス (Streptomyces argillaceus) DSM14030、ストレプトマイセス・スカビエス (Streptomyces scabies) DSM14029、ストレプトマイセス spec.(Streptomyces spec.) DSM14077、ストレプトマイセス・ミラビリス (Streptomyces mirabilis) DSM14078、ストレプトマイセス・シュードベネクエラエ (Streptomyces pseudovenecuelae) DSM14079、ジゴリンクス・モエレリ (Zygorhynchus moelleri) DSM14198又はムコル・シルシネロイデス (Mucor circinelloides) DSM14199の予備培養の調製
予備培養(preculture)を調製するために、ストレプトマイセス・アルギラセウス(Streptomyces argillaceus)DSM14030株、ストレプトマイセス・スカビエス(Streptomyces scabies)DSM14029株、ストレプトマイセス spec.(Streptomyces spec.)DSM14077株、ストレプトマイセス・ミラビリス(Streptomyces mirabilis)DSM14078株、ストレプトマイセス・シュードベネクエラエ(Streptomyces pseudovenecuelae)DSM14079株、ジゴリンクス・モエレリ(Zygorhynchus moelleri)DSM14198株又はムコル・シルシネロイデス(Mucor circinelloides)DSM14199株を、以下に示す培地で増殖させた:培地(1):酵母麦芽培地(yeast malt medium):D-グルコース 0.4%、酵母抽出物 0.4%、麦芽抽出物 1.0%、1リットルまでの量の水道水(真菌の場合は、水性HClを用いてpHを6.5とし、細菌の場合は、水性NaOHを用いてpHを7.2とする);又は、TSB培地(培地(2)):トリプチカーゼ大豆ブロス(Difco)(30g/L)、1リットルまでの量の水道水。前記培地のpH値は、水性NaOHを用いて7.2とした。前記培地の全てを、大気圧を超える1.1バールの圧力下、121℃で20分間滅菌した。
【0070】
50%グリセロール中の菌糸体の懸濁液2mLを、1000mL容のエーレンマイヤーフラスコ内の2×150mLの培地(1)の接種材料として使用し、オービタルシェーカー上で1分当たり240回転(rpm)で72時間インキュベーションした。これらの培養物を用いて新しいグリセロールのプリザーブを調製し、−20℃で保存するか、又は、これらの培養物を産生培養用の接種材料として用いた(3(b)を参照されたい)。
【0071】
実施例3 (b)
ストレプトマイセス・アルギラセウス (Streptomyces argillaceus) DSM14030、ストレプトマイセス・スカビエス (Streptomyces scabies) DSM14029、ストレプトマイセス spec.(Streptomyces spec.) DSM14077、ストレプトマイセス・ミラビリス (Streptomyces mirabilis) DSM14078、ストレプトマイセス・シュードベネクエラエ (Streptomyces pseudovenecuelae) DSM14079、ジゴリンクス・モエレリ (Zygorhynchus moelleri) WP0796又はムコル・シルシネロイデス (Mucor circinelloides) DSM14199の産生培養の調製
産生培養を調製するために、3(a)で記載した予備培養の2mLを、100×150mLの培地GS(グルコース(20g/L)、大豆粉(20g/L)、デンプン(20g/L)、NaCl(2.5g/L)、CaCO(5g/L)、MgSO×6HO(0.5g/L)、KHPO(0.25g/L))のための接種材料として用いた。接種に先立って、KOHを用いてpH値を6.8とし、前記培地を、大気圧を超える1.1バールの圧力下、121℃で20分間滅菌した。発酵の最初又は160時間までの発酵期間の所望の時点でメタノール溶液(100mg/mLメタノール)の形態にある化合物(2)を培地1リットル当たり5〜500mgの最終濃度となるように加えた。240時間後に生物変換を停止させた。毎日無菌条件下に50mLのサンプルを取って分析用HPLCを用いて分析し、これを用いて生物変換のプロセスをモニターした。これらの条件下において、好ましくはS.アルギラセウス(S. argillaceus)DSM14030を用いて、化合物(2)から化合物(1)への100%まで変換率が達成された。
【0072】
実施例4
バチルス・シンプレックス (Bacillus simplex) DSM14028、バチルス・メガテリウム (Bacillus megaterium) DSM333及びバチルス・メガテリウム (Bacillus megaterium) DSM339を用いた生物変換
化合物(2)から化合物(1)を産生するための生物変換のプロトコルの例。
【0073】
実施例4 (a)
バチルス・シンプレックス (Bacillus simplex) DSM14028、バチルス・メガテリウム (Bacillus megaterium) DSM333及びバチルス・メガテリウム (Bacillus megaterium) DSM339の一次予備培養の調製
一次予備培養(primary preculture)を調製するために、バチルス・シンプレックス(Bacillus simplex)DSM14028、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)DSM333及びバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)DSM339を、以下に示す培地で増殖させた:TSB培地(培地(2)):トリプチカーゼ大豆ブロス(Difco)(30g/L)、1リットルまでの量の水道水。前記培地を、大気圧を超える1.1バールの圧力下、121℃で20分間滅菌した。
【0074】
50%グリセロール中の細菌懸濁液2mLを、1000mL容のエーレンマイヤーフラスコ内の150mLの培地(2)の接種材料として使用し、オービタルシェーカー上で1分当たり240回転(rpm)で48時間インキュベーションした。これらの培養物を用いて新しいグリセロールのプリザーブを調製し、−20℃で保存するか、又は、これらの培養物を産生培養用の接種材料として用いた(4(b)を参照されたい)。
【0075】
実施例4 (b)
産生培養 ( 10リットル規模 )
産生培養を調製するために、4(a)で記載した予備培養の1×150mLを、10リットルの培地(3)(LBブロス培地, Sigma)のための接種材料として用いた。接種に先立ち、培地1リットル当たり1mLの消泡剤SAG 5693(Union Carbide, USA)を加え、培地を1.1バールで30分間蒸気滅菌した。この産生培養を、撹拌速度300rpm、通気速度0.3vvmで、10L容の Giovanola 撹拌発酵槽(ブレード撹拌機)中、28℃で90時間インキュベーションした。発酵の最初に、メタノール溶液(2.5gを60mLメタノールに溶解させたもの)の形態にある化合物(2)を培地1リットル当たり50〜250mgの最終濃度となるように加えた。毎日無菌条件下に50mLのサンプルを取って分析用HPLCを用いて分析し、これを用いて生物変換のプロセスをモニターした。これらの条件下において、好ましくはB.シンプレックス(B. simplex)DSM14028を用いて、化合物(2)から化合物(1)への60%までの変換率が達成された。
【0076】
実施例5
分析用HPLC
生物変換中の検出を目的として、紫外/可視分光法(HPLC-UV/Vis)及び質量分析検出を伴う分析用HPLC法を用いた。
【0077】
HPLC分析を行う前に、上記サンプルをメタノールに溶解させ、濾過滅菌した。
【0078】
HPLC-MSは、ESIモードのMicromass-LCT質量分析計(Micromass, Manchester, 英国)と連結したHP1100 HPLCシステムを用いて行った。質量スペクトルは、200〜1200の範囲で記録した。化合物(1)の保持時間は4.08分であった。用いたHP1100システムは、以下に示すパラメーターで作動した。固定相:Waters Symmetry C18、3.5μm 2.1×50mmカラム、移動相:勾配 水(A)、アセトニトリル(B)+0.1%ギ酸(0〜1分 100%A;1〜5分 10%A/90%Bへの直線勾配;5〜6分 10%A/90%B;6〜6.10分 90%B〜100%B)。化合物(1)は4.08分で溶離した。検出は、プロトン化分子イオン(M+H)に基づいて行った。
【0079】
HPLC-UV/Vis 分析は、G1312A複ポンプシステム、G1315Aダイオードアレイ検出器、G1316Aカラムサーモスタットシステム、G1322A脱気システム及びG1313AオートインジェクターからなるHewlett Packard Series 1100 分析用HPLCシステム(HP, Waldbronn, Germany)を用いて行った。使用した移動相は、1mL/分の流量での0.01%HPO:アセトニトリル(ACN)であり、Merck(Darmstadt, Germany)Lichrospher RP18カラム(125×4mm、粒径5μm)を固定相とした。サンプルは、連続直線勾配(10分間での0%ACNから100%ACN)で分離させた後、アイソクラチッック溶出(100%ACNで5分間)を行った。HPLC-UVクロマトグラムは、それぞれ、バンド幅80nmでの基準波長550nmで、210nm(汚染物質の検出)と254nm(UV最大におけるスピノシン誘導体の最適検出)で記録した。210〜600nmの範囲におけるダイオードアレイ検出により、HPLC/UV/Vis スペクトルを得た。データは、HP ChemStation Software を用いて保存した。化合物(2)の保持時間は7.85〜7.9分であり、化合物(1)は8.21〜8.27分の保持時間で溶出した。
【0080】
発酵サンプル内の化合物(2)と化合物(1)を分析的に検出するために、純粋な物質の内部標準と外部標準を用いた。検出は、個々のHPLC-UV/Vis とHPLC-MSなどの2つの異なった分析システムにおける一致した保持時間で行った。図1は、146時間発酵させた後のS.アルギラセウス(S. argillaceus)(GS培地)の発酵サンプルから得た粗抽出物の254nmでのHPLC-UVクロマトグラム、及び、化合物(2)と化合物(1)のHPLC-UVスペクトル(ダイオードアレイ;Rt = 保持時間)を示している。
【0081】
実施例6 (a)
振とう培養からの化合物 ( ) の抽出及び分取精製
50mg/Lの化合物(2)で処理しておいた、10個の1000mL容のエーレンマイヤーフラスコ内の株(S.アルギラセウス(S. argillaceus)DSM14030)の150mLの培養を240時間後に収集し、培養ブロスは一緒にして凍結乾燥させた。凍結乾燥後に得た残渣を、いずれの場合も超音波浴内で30分間、2回抽出した。上澄みを濾過し、一緒にしてロータリーエバポレーターで減圧下に蒸発乾固させた。残渣を100mLの水:酢酸エチル(EtOAc)(1:1)に再溶解させた。有機酢酸エチル相を分離し、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。水性相は、いずれの場合も50mLの酢酸エチルを用いて、2回以上処理し、得られた有機相を分離して最初の相と一緒にした。前記抽出物の合わせた有機相から約300mgの油性の粗生成物を得、これを、2mLのメタノールに溶解させ、Baker (Deventer, The Netherlands) Bond Elut C18 1mL固相抽出カートリッジで濾過した。得られた濾液を分取HPLCに直接使用した。
【0082】
分取HPLCは、22℃で行った。用いたシステムは、Gilson Abimed (Ratingen, Germany)製であり、Gilson Unipoint Software、306複ポンプシステム、205フラクションコレクター、119UV-Vis 検出器、806マノメーターモジュール及び811Cダイナミックミキサーから構成されていた。Merck (Darmstadt, Germany) LichroSorb RP18カラム(粒径 7μm;カラム寸法 250×25mm)を固定相として用いた。移動相としては、以下に示す溶出プロフィールにおける、連続流量10mL/分の0.1%水性トリフルオロ酢酸からアセトニトリル(ACN)への勾配を用いた。35分間での20%ACNから50%ACNへの直線勾配;その後、50%ACNで25分間アイソクラチック溶出した後、40分間での50%ACNから100%ACNへの直線勾配。10mLのアリコートを分取し、210nmにおけるUV吸収に基づいて合わせた。化合物(2)の保持時間(Rt)は77〜82分であり、化合物(1)の保持時間は91〜97分であった。
【0083】
実施例6 (b)
撹拌発酵培養 ( 10リットル規模 ) からの化合物 ( ) の抽出及び単離
遠心分離(1000×gで10分間)により、10リットル規模のB.シンプレックス(B. simplex)DSM14028株の発酵の菌糸体を上澄みから分離し、2×200mLのメタノールで直接抽出した。得られたメタノール性抽出物を蒸発乾固させて、油性の中間体を得た。この生成物を以下に示すようにシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより処理した。
【0084】
遠心分離後に得られた培養の上澄みを、6×18cmのLewapol (500mL) OC 1064 (Bayer AG, Leverkusen, Germany) 吸着樹脂カラムに適用した。このカラムを1Lの水で洗浄し、2Lの70%メタノールと1Lのアセトンで連続して溶出させた。有機溶離液をロータリーエバポレーターで濃縮して水性残渣とした。生成物のほとんどをアセトンフラクション中に回収し、次いで、以下に示すようにフラッシュクロマトグラフィーによって処理した。
【0085】
この目的のために、菌糸体と上澄みの抽出物の油性中間体をできるだけ少量のt-ブチルメチルエーテル(TMBE)に溶解させ、400mLのシリカゲル60T(0.040〜0.063mm、Merck Darmstadt, Germany)に結合させた。ロータリーエバポレーターでTMBEを注意深く蒸発させた。担体物質(100mLの乾燥シリカゲル)に結合させた上記中間体を、次いで、500mLのSIMモジュール(Biotage)に詰めた。2Lのシクロヘキサン(CH)を用いてアイソクラチック溶出を行った後、シクロヘキサンからTBMEへの1.6Lの直線勾配を用いて溶出させた。
【0086】
CH:TBMEで溶出したフラクションには、未反応のアグリコンと他の成分の残留物に加えて高濃度の生成物が含まれていた。これらのフラクションをロータリーエバポレーターで濃縮して、化合物(1)を単離するために分取HPLCにかけた。
【0087】
実施例6(a)で記載した分取HPLCシステムを使用し、固定相としてMZ Analysentechnik製のKromasil 100 C8 (7μm、250×40mm)カラムを用いて、移動相として、以下に示す勾配における連続流量10mL/分の0.1%トリフルオロ酢酸:アセトニトリル(ACN)を用いて、化合物(1)を単離した。30%ACNで20分間、次いで、直線勾配(60分間での30%ACNから50%ACN)、その後、再度、42分間での50%ACNから100%ACNへの直線勾配。
【0088】
10mLのアリコートを分取した後、210nmにおけるUV吸収に基づいて合わせた。化合物(2)の保持時間(Rt)は105〜111分であり、化合物(1)の保持時間は115〜119分であった。
【0089】
抽出容積、溶出容積及びカラム床容積を適切に増加させ(即ち、産生培養の容積に適合するように釣り合わせ)、上記方法と同様にして、適切な場合には、中間体を最終的なHPLC分離に付す前にアリコートに分割して、大規模での発酵からの単離と後処理を行った。
【0090】
実施例7
化合物 ( ) の構造解明
1D及び2D核共鳴分光法(NMR)と陽性エレクトロスプレー質量分析法(+ESI-MS)を用いて、化合物(1)の構造を明らかにした。NMRスペクトルは、DMSO中で、302Kで、Bruker DMX500分光計を用いて記録した。MSスペクトルは、Micromass製のLCT ESI-TOF装置を用いて記録した。
【0091】
(ES+I)-MSで測定した質量は400(C2432)(記録された分子質量の401(m/z+H)に対応する)であった。高分解能MS(ESI+)で測定した質量は401.2340(計算値:401.2328)であった。NMRデータは下記表にまとめてあり、プロトンスペクトルは図2に示してある。
【0092】
【表4】
Figure 2004526742
Figure 2004526742
【0093】
旋光は、Perkin-Elmer Polarimeter Model341を用いて、20℃、589nm(キュベットの長さ:10cm、溶媒:メタノール)で測定した。化合物(1)の比旋光度:メタノール中(NaD、589nm):は−272.2°であった。
【0094】
実施例9
用いた株のキャラクタリゼーション
) ストレプトマイセス・アルギラセウス (Streptomyces argillaceus) DSM14030
この株は、Pfizer Inc., New York, USA によって、ミトラマイシン産生株として及びストレプトマイセスの新規種S.アルギラセウス(S. argillaceus)の基準株として、American Type Culture Collection に、寄託番号ATCC12956で寄託された(S. argillaceus ATCC 12956)。この株についての記述は、米国特許第US-A 3646194号中に見いだすことができる。この培養は、さらに、ブダペスト条約の規定に従って、2001年2月8日に寄託番号DSM14030で、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH [German Collection of Microorganisms and Cell Cultures GmbH] (DSMZ), Mascheroder Weg lb, D-38124 Brunswick, Germany に寄託された。
【0095】
) ストレプトマイセス・スカビエス (Streptomyces scabies)( BS2134 )
BS2134株は、Rhineland-Palatinate(独国)で採取した土壌サンプルから単離された。前記株の培養は、同様に、ブダペスト条約の規定に従って、2001年2月8日に寄託番号DSM14029で、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH [German Collection of Microorganisms and Cell Cultures GmbH] (DSMZ), Mascheroder Weg lb, D-38124 Brunswick, Germany に寄託された。
【0096】
BS2134株は、ストレプトマイセス・スカビエス(Streptomyces scabies)として分類された。分類の結果は、ストレプトマイセスの種のキャラクタリゼーション及び同定のためのInternational Streptomyces Project (ISP)の方法(Kuster E. (1972), Int. J. Syst. Bacteriology, 22: 139)を用いたストレプトマイセス・スカビエス(Streptomyces scabies)DSM40478との比較に基づいており、また、16S rDNAの配列の解析(Maidakら, (1996), Nucleic Acids Res., 24: 82)を用いたストレプトマイセス・スカビエス(Streptomyces scabies)DSM40478との比較に基づいている。上記結果は、下記表にまとめてある。16S rDNAの配列の解析によると、前記株は、S.スカビエス(S. scabies)と同じ種のクラスターに指定されているS.アニュラツス(S. annulatus)と100%の類似性を示している。しかしながら、ISPの記述に従った形態学的性質と生理学的性質は、S.スカビエス(S. scabies)とよりよく適合するので、前記株は、S.スカビエス(S. scabies)として同定された。
【0097】
ISPの記述:担胞子体の形態:10個以下の胞子の直状柔軟性(rectiflexible)短鎖。気菌糸は「灰色」の部類に属し、基生菌糸は黄色から灰緑色である。メラニン色素は形成されない。蔗糖、イノシトール及びラフィノースは利用しない。
【0098】
c)ストレプトマイセス spec.(Streptomyces spec.)( BA312 )
BA312株は、Rhineland-Palatinate(独国)で採取した土壌サンプルから単離された。前記株の培養は、同様に、ブダペスト条約の規定に従って、2001年2月27日に寄託番号DSM14077で、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH [German Collection of Microorganisms and Cell Cultures GmbH] (DSMZ), Mascheroder Weg 1b, D-38124 Brunswick, Germany に寄託された。
【0099】
分子生物学及び化学分類学の点から、BA312株をストレプトマイセスの既知の種に割り当てることは不可能であった。生理学的試験の結果(糖の利用能, 下記表を参照されたい)は、S.オクラセイスクレロチクス(S. ochraceiscleroticus)との類似性を示しているが、形態学的性質(灰色の気菌糸、直状柔軟胞子鎖、基生菌糸の黄色色素沈着、メラニン非形成)と16S rDNAの解析はS.オクラセイスクレロチクス(S. ochraceiscleroticus)と適合せず、従って、前記株は、S. spec.として分類されるべきである(下記表参照)。
【0100】
) ストレプトマイセス・ミラビリス (Streptomyces mirabilis)( BA579 )
BA579株は、Rhineland-Palatinate(独国)で採取した土壌サンプルから単離された。前記株の培養は、同様に、ブダペスト条約の規定に従って、2001年2月27日に寄託番号DSM14078で、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH [German Collection of Microorganisms and Cell Cultures GmbH] (DSMZ), Mascheroder Weg 1b, D-38124 Brunswick, Germany に寄託された。
【0101】
16S rDNAの配列の類似性が高いことと形態学的性質に基づいて、前記株は、S.ミラビリス(S. mirabilis)として分類された。しかしながら、前記株は、ISPの糖利用能に関して、蔗糖とラフィノースで増殖する点で異なっており、また、メラニンを形成しない点でも異なっている(下記表参照)。
【0102】
ISPの記述:灰色の気菌糸、担胞子体の形態:一部螺旋状、弱い胞子形成能。基生菌糸は灰色がかった黄色であり、オリーブブラウンから褐色へと変化する。ペプトン-酵母-鉄-寒天でメラニン色素を形成する。蔗糖とラフィノースは利用しない。
【0103】
) ストレプトマイセス・シュードベネクエラエ (Streptomyces pseudovenecuelae)( WS2199 )
WS2199株は、水性サンプル(独国)から単離された。前記株の培養は、同様に、ブダペスト条約の規定に従って、2001年2月27日に寄託番号DSM14079で、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH [German Collection of Microorganisms and Cell Cultures GmbH] (DSMZ), Mascheroder Weg 1b, D-38124 Brunswick, Germany に寄託された。
【0104】
16S rDNAの配列の類似性が高いことと形態学的性質と生理学的試験の結果に基づいて、前記株は、S.シュードベネクエラエ(S. pseudovenecuelae)として分類された。例外は、赤みがかった灰色ではなく単純な灰色を呈している気菌糸の色である(下記表参照)。
【0105】
ISP記述:気菌糸の色:「赤」の部類であり、灰色のものも観察されている;担胞子体の形態:一部直状柔軟性(section Rectiflexibiles)。担胞子体は極めて長い(胞子50個以下)。メラニン形成あり。D-グルコース、L-アラビノース、蔗糖、D-キシロース、イノシトール、D-マンニトール、フルクトース、ラムノース及びラフィノースの全てを利用する。
【0106】
【表5】
Figure 2004526742
【0107】
) バチルス・シンプレックス (Bacillus simplex) DSM14028
バチルス・シンプレックス(Bacillus simplex)DSM14028は、Collection of Nathan R. Smith, U.S. Department of Agriculture, Washington, D.C., USA の菌株コレクションにバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)NRS610として組み入れられ、Priestらによってバチルス・シンプレックス(Bacillus simplex)として新たに記述された。これは、Deutsche Sammlung fur Mikroorganismen のコレクションにDSM1318として組み入れられた(Priest, F. G., Goodfellow, M., Todd, C., A numerical classification of the genus Bacillus. J. Gen. Microbiol. 134: 1847-1882, 1988)。この株は、ブダペスト条約の規定に従って、2001年2月8日に寄託番号DSM14028で、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH [German Collection of Microorganisms and Cell Cultures GmbH] (DSMZ), Mascheroder Weg 1b, D-38124 Brunswick, Germany に再寄託された。
【0108】
) バチルス・メガテリウム (Bacillus megaterium) DSM333
バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)DSM333は、D. Claus によって、寄託番号DSM333で、Deutsche Sammlung fur Mikroorganismen [German Collection of Microorganisms] に寄託され、Hungerらによって記述された(Hunger, W., Claus, D.: Taxonomic studies on Bacillus megatenum and on agarolytic Bacillus strains, pp. 217-239, In Berkeley, R.C.W., Goodfellow, M (eds.) The aerobic endosporeforming bacteria: classification and identification. Academic Press, London 1981)。
【0109】
) バチルス・メガテリウム (Bacillus megaterium) DSM339
バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)DSM339は、ゲッチンゲン大学微生物学研究所によって、寄託番号DSM339で、Deutsche Sammlung fur Mikroorganismen に寄託された。前記株の分類は、Hungerらによって記述されている(Hunger, W., Claus, D.: Taxonomic studies on Bacillus megaterium and on agarolytic Bacillus strains, pp. 217-239, In Berkeley, R.C.W., Goodfellow, M (eds.). The aerobic endospore-forming bacteria: classification and identification. Academic Press, London 1981)。
【0110】
) ジゴリンクス・モエレリ (Zygorhynchus moelleri)Vuill.- WP0796株
この株は、独国に持ち込まれた土壌サンプルから、Dr. H.-G. Wetzstein (Bayer AG)によって1994年に単離され、その形態のキャラクタリゼーションは、Dr. P. Hofmann によってなされた(DSMZ)。この分類は、K.H. Domschら, (1980), Compendium of soil fungi Vol. 2. ICW Verlag (ここでは、それは、ジゴルリンクス・モエレリ(Zygorrhynchus moelleri)として登録されている)において達成されている専門的な同定を用いて、DSMZに寄託された培養の顕微鏡的な研究によって確認された。しかしながら、現在有効な属名は、Hawksworth, D.L.ら, (eds.): Ainsworth & Bisby's Dictionary of the Fungi, CAB International, London, 8thedition (1996) により、ジゴリンクス(Zygorhynchus)(ジゴルリンクス(Zygorrhynchus)ではない)として与えられている。前記株の培養は、同様に、ブダペスト条約の規定に従って、2001年3月21日に寄託番号DSM14198で、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH [German Collection of Microorganisms and Cell Cultures GmbH] (DSMZ), Mascheroder Weg 1b, D-38124 Brunswick, Germany に寄託された。
【0111】
) ムコル・シルシネロイデス (Mucor circinelloides)Van Tiegh −WP0799株
この株は、独国に持ち込まれた土壌サンプルから、Dr. H.-G. Wetzstein (Bayer AG)によって1994年に単離され、その形態のキャラクタリゼーションは、Dr. P. Hofmann によってなされた(DSMZ)。この分類は、K.H. Domschら, (1980), Compendium of soil fungi Vol. 2. ICW Verlag (ここでは、それは、ムコル・シルシレノイデス(Mucor circillenoides)として登録されている)において達成されている専門的な同定を用いて、DSMZに寄託された培養の顕微鏡的な研究によって確認された。前記株の培養は、同様に、ブダペスト条約の規定に従って、2001年3月21日に寄託番号DSM14199で、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH [German Collection of Microorganisms and Cell Cultures GmbH] (DSMZ), Mascheroder Weg 1b, D-38124 Brunswick, Germany に寄託された。
【0112】
実施例10
二クロム酸ピリジニウムでの酸化による化合物 ( ) の化学的合成
二クロム酸ピリジニウムでの酸化により、化合物(2)から化合物(1)を調製した。不活性ガス下において、46.55g(115.6mmol)の化合物(2)を1100mLの無水ジクロロメタンに溶解させ、43.51g(115.6mmol)の二クロム酸ピリジニウムで処理した。得られた混合物を25℃で4時間撹拌して900mLのジエチルエーテルを添加した後、沈澱したクロム塩を濾過して、濾液を減圧下に濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル 1:1、次いで、100%酢酸エチル)により、11.74gの化合物(2)を回収した他に、3.68gの9,17-ジケトスピノシンアグリコン、及び、化合物(2)と17-ケトスピノシンアグリコンの約9:1混合物23.40gを得た。前記混合物をシクロヘキサン/酢酸エチルから再結晶させて化合物(1)を98%を越える濃度まで濃縮した。これにより、20.78gの化合物(1)を無色結晶として得た。
化合物(1):
DC:R(SiO、酢酸エチル)=0.44
H NMR:CDCl,δ=特に,6.77(s,13-H);5.97(d,6-H);5.88(m,5-H);4.72(m,21-H);3.69(m,17-H)
LC/ESI-MS:m/z=401(25%)[M],289(100%)。
【0113】
この方法で調製した化合物(1)は、全ての分光データにおいて、生物変換で産生された化合物(1)と全く同一であった。
17-ケトスピノシンアグリコン:
DC:R(SiO、酢酸エチル)=0.40
H NMR:CDCl,δ=特に,6.97(s,13-H);5.90(d,6-H);5.79(m,5-H);4.85(m,21-H);4.45(m,9-H);4.25(q,16-H)
LC/ESI-MS:m/z=401(100%)[M+H],273(70%)。
9,17-ジケトスピノシンアグリコン:
DC:R(SiO、酢酸エチル)=0.64
H NMR:CDCl,δ=特に,6.92(s,13-H);5.97(d,6-H);5.87(m,5-H);4.85(m,21-H);4.25(q,16-H)
LC/ESI-MS:m/z=399(100%)[M+H]
【0114】
実施例10 ( )
スウェルン酸化による化合物 ( ) の化学的合成
代替的方法として、スウェルン酸化(Corey 及び Khim (1972), J. Am. Chem. Soc., 94: 7586 の異本)により化合物(2)から化合物(1)を調製した。不活性ガス下、133mg(1mmol)のN-クロロスクシンイミドを10mLの無水ジクロロメタンに懸濁させ、−70℃で、66mg(1.07mmol)のジメチルスルフィドで処理した。得られた混合物を30分間撹拌した後、2mLの無水ジクロロメタン中の402mg(1mmol)の化合物(1)の溶液をゆっくりと滴下した。反応混合物を−70℃で2時間撹拌した後、132μg(0.95mmol)のトリエチルアミンを滴下し、得られた混合物を16時間で室温まで温めた。100mLのジクロロメタンで希釈した後、得られた混合物を100mLの水と100mLの飽和塩化ナトリウム水溶液で連続して洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル 2:1)により、37mgの9,17-ジケトスピノシンアグリコンと120mg回収された化合物(2)に加えて、246mgの化合物(1)を得た。この方法で調製した化合物(1)は、全ての分光データにおいて、二クロム酸ピリジニウムでの酸化により調製された化合物(1)又は生物変換で産生された化合物(1)と全く同一であった。
【0115】
実施例10 ( )
, - ジヒドロ - - ケトスピノシンアグリコン ( 化合物 ( )) の化学的合成
実施例10(a)と同様にして、二クロム酸ピリジニウムでの酸化により化合物(4)から化合物(3)を調製した。不活性ガス下、202mg(0.5mmol)の化合物(4)を5mLの無水ジクロロメタンに溶解させ、188mg(0.5mmol)の二クロム酸ピリジニウムで処理した。得られた混合物を25℃で4時間撹拌して5mLのジエチルエーテルを添加した後、沈澱したクロム塩を濾過して、濾液を減圧下に濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル 1:1、次いで、100%酢酸エチル)により、41mgの出発物質化合物(4)を回収した他に、24mgの5,6-ジヒドロ-9,17-ジケトスピノシンアグリコン、及び、103mgの化合物(3)を得た。
化合物(3):
DC:R(SiO,酢酸エチル)=0.44
H NMR:CDCl,δ=特に,6.83(s,13-H);4.68(m,21-H);3.69(m,17-H)
LC/ESI-MS:m/z=403(23%)[M+H],291(100%)。
5,6-ジヒドロ-9,17-ジケトスピノシンアグリコン:
DC:R(SiO,酢酸エチル)=0.64
H NMR:CDCl,δ=特に,6.99(s,13-H);4.82(m,21-H);4.23(q,16-H)
LC/ESI-MS:m/z=423(100%)[M+Na]
【0116】
実施例11
- ケトスピノシンA - - シュードアグリコンの合成
( ) トリクロロアセトイミデートの合成 (cf. さらに、 G. R. Duffin , (2000), J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1: 2237-2242 に記載されている方法 ):
200mg(1.256mmol)のα-D-ホロサミンを10mLの塩化メチレン中で撹拌し、419.0mg(2.902mmol)のトリクロロアセトニトリルと108.5mg(0.333mmol)の炭酸セシウムで処理した。得られた混合物を室温で約2時間撹拌した。次いで、反応混合物を塩化メチレンで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に除去した。これにより、303mg(79.5%)のトリクロロアセトイミデートを得た。得られたトリクロロアセトイミデートは、グリコシド化反応(b)に直接使用することができる。
1017Cl(303.6)
LC/MS:m/z=303(100%)[M]
【0117】
( ) トリクロロアセトイミデートによる化合物 ( ) のグリコシド化 (cf. さらに、 G. R. Duffin , (2000), J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1: 2237-2242 に記載されている方法 ):
100mg(0.250mmol)の化合物(1)を2mLの塩化メチレンと一緒に撹拌し、50mgのモレキュラーシーブ4Aと151mg(0.500mmol)の新たに調製したトリクロロアセトイミデート(a)で処理した。次いで、49.4mg(0.348mmol)の三フッ化ホウ素エーテラートを添加し、得られた反応混合物を室温で約18時間撹拌した。モレキュラーシーブ4Aを除去した後、残留物を少量の塩化メチレンで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に除去した。
3247NO(541.7)
LC/MS:m/z=542(100%)[M](cf. 国際公開第WO 97/00265号及び米国特許第US-A 6001981号)
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】146時間発酵させた後のS.アルギラセウス(S. argillaceus)(GS培地)の発酵サンプルから得た粗抽出物の254nmでのHPLC-UVクロマトグラム、及び、化合物(2)と化合物(1)のHPLC-UVスペクトル(ダイオードアレイ;Rt = 保持時間)を示す図である。
【図2】化合物(1)のプロトンスペクトルを示す図である。

Claims (19)

  1. 式(I):
    Figure 2004526742
    [式中、
    は、メチル又はエチルを表し、
    A-Bは、基 -HC=CH-,-HC=C(CH)-,-HC-CH-,-HC-CH(CH)-
    の1つを表す]
    で表される化合物。
  2. がエチルを表すことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  3. A-Bが、基 -HC=CH- を表すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物を調製する方法であって、
    一般式(II):
    Figure 2004526742
    [式中、R及びA-Bは、請求項1〜3のいずれか1項で与えられている意味を有する]
    で表される化合物を、適切な場合には希釈剤の存在下で、酸化剤と反応させることを特徴とする、前記方法。
  5. 用いる前記酸化剤が、ジメチルスルフィドの存在下におけるN-ハロスクシンイミド又は二クロム酸ピリジニウムであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 用いる前記希釈剤がジクロロメタンである、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物を産生する方法であって、
    一般式(II):
    Figure 2004526742
    [式中、R及びA-Bは、請求項1〜3のいずれか1項で与えられている意味を有する]
    で表される化合物を、有気性条件下、水性栄養培地中の微生物と接触させるか、又は、前記水性栄養培地中の微生物から得た酵素抽出物と接触させるか、又は、前記水性栄養培地中の微生物から単離した1種以上の酵素と接触させることを特徴とする、前記方法。
  8. 用いる前記微生物が、バチルス(Bacillus)属の微生物、又は、アクチノマイセテス(Actinomycetes)群の微生物、又は、ジゴマイセテス(Zygomycetes)綱の微生物であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)種の株、又は、バチルス・シンプレックス(Bacillus simplex)種の株を用いることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 前記株が、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)DSM339株、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)DSM333株、又は、バチルス・シンプレックス(Bacillus simplex)DSM14028株の特性を有することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. アクチノマイセテス(Actinomycetes)群の微生物として、ストレプトマイセス(Streptomyces)属の微生物を用いることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  12. ストレプトマイセス(Streptomyces)属の微生物として、ストレプトマイセス・アルギラセウス(Streptomyces argillaceus)種の株、ストレプトマイセス・スカビエス(Streptomyces scabies)種の株、ストレプトマイセス・ミラビリス(Streptomyces mirabilis)種の株、又は、ストレプトマイセス・シュードベネクエラエ(Streptomyces pseudovenecuelae)種の株を用いることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 前記株が、ストレプトマイセス・アルギラセウス(Streptomyces argillaceus)DSM14030株、ストレプトマイセス・スカビエス(Streptomyces scabies)DSM14029株、ストレプトマイセス・ミラビリス(Streptomyces mirabilis)DSM14078株、又は、ストレプトマイセス・シュードベネクエラエ(Streptomyces pseudovenecuelae)DSM14079株の特性を有することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. ジゴマイセテス(Zygomycetes)綱の微生物の微生物として、ジゴリンクス(Zygorhynchus)属の微生物、特に、ジゴリンクス・モエレリ(Zygorhynchus moelleri)種の株を用いることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  15. 前記株が、ジゴリンクス・モエレリ(Zygorhynchus moelleri)DSM14198株の特性を有することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. ジゴマイセテス(Zygomycetes)綱の微生物の微生物として、ムコル(Mucor)属の微生物、特に、ムコル・シルシネロイデス(Mucor circinelloides)種の株を用いることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  17. 前記株が、ムコル・シルシネロイデス(Mucor circinelloides)DSM14199株の特性を有することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  18. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物を単離することを特徴とすことを特徴とする、請求項4〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. スピノシン誘導体を調製するための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物の使用。
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