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JP2004516453A - リニア・ラムダセンサの内部抵抗を測定するための装置 - Google Patents

リニア・ラムダセンサの内部抵抗を測定するための装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、内燃機関のリニア・ラムダセンサSの内部抵抗Risを測定するための装置に関する。前記装置には、内部抵抗(Ris)で降下する交流電圧VOSZを増幅するための電圧増幅器V6が設けられている。前記交流電圧VOSZは第1センサ端子Vs+に供給された交流電圧によって引き起こされる。前記装置はまた、前記電圧増幅器V6によって増幅された交流電圧VEINを整流しフィルタリングするための同期復調器V7を有しており、前記同期復調器V7の増幅係数は、交流電圧VOSZの周波数によって切り替えることができる。

Description

【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による、内燃機関のリニア・ラムダセンサの内部抵抗を測定するための装置に関する。
【0002】
内燃機関の排ガス系統には、内燃機関に供給された燃料空気混合気を検出するためにリニア・ラムダセンサが配置されており、このリニア・ラムダセンサの拡散バリアのダイナミックな抵抗は温度依存性を有している。このことは変換比の誤差、つまり測定結果の誤差の原因になる。このことは、センサ温度を測定し、ラムダセンサ内に取り付けられた加熱素子によってセンサ温度を一定の値に制御することによって対処されている。この場合、コスト上の理由から、温度測定のための別個の熱電素子は省略される。その代わり、ラムダセンサの、強い温度依存性を示す内部抵抗Risが測定される。
【0003】
内部抵抗Risを検出するための従来の測定方法は、センサに、矩形発振器によって得られた交流を印加する方法である。こうして、内部抵抗Risから交流電圧が取り出される。この交流電圧は増幅されて整流され、マイクロプロセッサへ温度制御のために供給することができる。
【0004】
このような測定方法では、矩形信号が屋根形に傾斜する際に(たとえば結合コンデンサが小さすぎるか、またはセンサ制御ループからのフィードバックが小さすぎるので)出力信号に誤差が生じ、EMC障害に対して感度が大きくなってしまう。このことは、整流器が素早く応答することに起因する。
【0005】
本発明の課題は、リニア・ラムダセンサの内部抵抗をより正確に測定することができる装置を提供し、この装置において、交流電圧信号を整流する際に生じる測定誤差と、電磁障害パルスに対する感度を低減することである。
【0006】
この課題は、本発明において請求項1の構成によって解決される。本発明による重要な構成は、センサ出力信号を整流するのに同期復調器を使用することである。
【0007】
以下に、本発明の実施例を概略的な図面に基づいて、より詳細に説明する。
【0008】
図面
図1 温度に対するセンサ内部抵抗Risの依存性についてのグラフである。
【0009】
図2 内部抵抗Risの等価回路図である。
【0010】
図3 ピーク値整流器の基本回路図を示している。
【0011】
図4 ピーク値整流器の入力信号および出力信号を示している。
【0012】
図5 センサ内部抵抗Risを検出するための、ピーク値整流器を備えた公知の回路の基本回路図である。
【0013】
図6 フィルタリング部が組み込まれた同期復調器の入力信号および出力信号を示している。
【0014】
図7 フィルタリング部が組み込まれた同期復調器の実施例を示している。
【0015】
図8a ラムダセンサの等価回路図である。
【0016】
図8b センサ内部抵抗Risを検出するための、同期復調器を備えた、本発明による回路の基本回路図である。
【0017】
図9 公知の回路の障害感度および本発明による回路の障害感度を比較した図である。
【0018】
ラムダセンサのセンサ内部抵抗Risの等価回路図は、第1のコンデンサCaに並列接続されている第1の抵抗Raと、第2のコンデンサCbに並列接続されている第2の抵抗Rbと、第3の抵抗Rcとの直列回路から成る複合リアクタンスとして示すことができる(図2を参照のこと)。このセンサ内部抵抗Risの温度依存性は図1に示されている。
【0019】
図2内の記号は次のようになっている。
【0020】
Ra/Ca:電極とセラミック材料との間の接触抵抗である(時定数τa=Ra*Caは、典型的には約10msである)。
【0021】
Rb/Cb:セラミック粒子の粒界間の接触抵抗である(時定数τb=Rb*Cbは、典型的には約100μsである)。
【0022】
Rc:焼結材料の固有抵抗である。
【0023】
抵抗Raは経年劣化に大きく依存する。つまり、抵抗Raを温度測定に使用することはできない。Rb/CbとRaとの直列回路は、測定周波数が3kHzの場合に約100Ωの抵抗値を有する。この値は、測定すべきセンサ内部抵抗Risである。
【0024】
すでに言及した、センサ内部抵抗Risを検出するための従来の測定方法では、センサにたとえば500μAss(ピーク・トゥ・ピーク)の交流電流が印加される。その際、内部抵抗Risには500μAss*100Ω=50mVssの交流電圧が生じる。この交流電圧は増幅されて整流され、マイクロプロセッサへ温度制御のために供給される。
【0025】
交流電流はたとえば、Vcc=5Vの電圧が供給される3kHz矩形発振器によって形成される。高インピーダンスの抵抗(10kΩ)およびデカップリングコンデンサを介して、この信号はセンサへ供給される。図5は、交流電流を形成しセンサに供給するための、公知であり典型的な回路構成を示している。これについては後で説明する。
【0026】
公知の回路ではピーク値整流器が、交流電圧信号を直流電圧に変換するのに使用される。この公知の回路の基本回路図は図3に示されている。
【0027】
たとえば入力端EINに直流電圧Vm=2.5Vが印加されると、比較器V1は電圧フォロワーとして作用するので、出力端AUSにおける電圧もまた2.5Vである。このことが可能であるのは、コンデンサC1が抵抗R1を介して緩慢に充電されるからである。出力端AUSにおける電圧が入力端EINにおける電圧よりも小さければ、比較器V1の出力トランジスタは非導通状態のままである。
【0028】
出力電圧が入力電圧を超えるとこのトランジスタはスイッチオンされ、抵抗R2を介してコンデンサC1を放電させ、出力電圧が再び入力電圧を下回る。すると、トランジスタは再び非導通状態になり、R1からの充電電流によってドライブされて出力電圧は再び緩慢に上昇する。
【0029】
この場合、VAUS=Vmを中心として発振が生じる。ここで重要なのは、コンデンサC1の充電のための時定数(τlade=R1*C1)および放電のための時定数(τentlade=R2*C1)が大きく異なるということである。実際の回路では、τlade/τentladeの比は約100/1に選択される。
【0030】
ここで図4を参照されたい。たとえば500mVssの矩形交流電圧VEINが直流電圧Vm=2.5Vに重畳されており、入力端EINに、温度依存性の内部抵抗Risに依存する矩形交流電圧VEINが印加される場合、出力信号VAUSは非常に迅速に入力信号VEINの下方のピーク値に追従し、徐々に再び上昇する。このように出力端AUSには、太線で示された(のこぎりの歯形の)直流電圧VAUSが生じ、入力電圧Vm+VEINの下方のピーク値に追従する。
【0031】
整流器は交流電圧信号VEIN=500mVss=±250mVを直流電圧信号、すなわちVAUS=−250mVに変換する。ゼロ位はVm=2.5Vである。従って出力信号は、平均であるVm−0.250V=2.250Vである。
【0032】
図5には、センサ内部抵抗をピーク値整流器によって検出するための、公知の典型的な回路構成が示されている。
【0033】
演算増幅器V2、V3およびV4は給電電圧Vcc=5Vから給電される。このことは図面には示されていない。演算増幅器V2は抵抗R10〜R14およびコンデンサC10とともに、約3kHzの出力周波数を有する矩形発振器を形成している。
【0034】
ラムダセンサS(この等価回路図は図8aに示されている)内には測定すべき内部抵抗Risが存在し、このラムダセンサSは破線のボックスとして図示されている。この内部抵抗Risは中間電圧Vm=2.5Vに接続されている。この中間電圧Vmは、センサの基準電位、および約10の増幅係数を有する後続の交流電圧反転増幅器の基準電位であり、この交流電圧反転増幅器は、演算増幅器V3、抵抗R16〜R18およびコンデンサC12から構成されている。
【0035】
演算増幅器V2の出力端で発生する発振器信号は約500μAssを有する交流電流であり、抵抗R15およびコンデンサC11を介してセンサ内に入力される。それに応じて内部抵抗Risから交流電圧が得られ、増幅器V3で増幅され、後続のピーク値整流器で整流される。図3、図4およびそれに所属する説明も参照のこと。
【0036】
この回路の欠点は、すでに冒頭で述べたように、矩形信号が屋根形に傾斜する際に出力値に誤差が生じ、EMC障害パルス(図9)に対して感度が大きいことである。このことは、整流器が敏速に応答することに起因する。
【0037】
本発明では整流のために、フィルタリング部が組み込まれた同期復調器を使用することによって、この問題を満足いくように解決する。
【0038】
測定信号(発振器信号)の位相と周波数は既知であるので、整流を発振器信号によって制御して実行することができる。これはたとえば、増幅率を+1から−1の間で切り替えることができる増幅器によって行われる。この切り替えが発振器信号の正負の振幅の変化と同期に実行される場合、この切り替えの作用として(発振器と同期の)入力信号VEINの整流が、中間電圧Vmを基準にして実行される。この場合、発振器信号と入力信号との間の位相のずれは無視できる。続いて、さらにこの入力信号VEINがフィルタリングされると直流電圧が得られる。この直流電圧は、入力交流電圧の正の振幅の平均値に相応する。
【0039】
図7は、演算増幅器V5と、抵抗R30〜R33とコンデンサC30とから成る、それ自体に公知の同期復調器の実施例を示している。演算増幅器V5の非反転入力端と基準電位(0V)との間にはスイッチが配置されており、このスイッチは発振器信号VOSCによって操作される。スイッチS1が開放されている場合は、演算増幅器V5は増幅係数「+1」を有し、スイッチS1が閉成されている場合は増幅係数「−1」を有する。この回路の出力端AUSにおける出力信号VAUSは、抵抗R33およびコンデンサC30から構成されたフィルタのフィルタ時定数τ=R33*C30(たとえば30ms)を有する増幅器V5の出力信号に追従する。
【0040】
図8bは、フィルタリング部が組み込まれた同期復調器によってセンサ内部抵抗Risを検出するための、本発明による回路の基本回路図を示している。
【0041】
より理解しやすくするため、図8aにラムダセンサSの等価回路図が示されている。このラムダセンサSは、次のものから構成されている:
1)測定室と空気との間にある電極からなる、いわゆる基準室。これは図面には、この電極間で測定されるネルンスト電圧Vsと、電極間の拡散バリアの内部抵抗Risとによって示されている。
【0042】
2)測定室と排ガスとの間にある電極からなる、いわゆるポンプ室。これは、これらの電極間で降下するポンプ電圧Vpと、これらの電極間の(基準)抵抗Ripとによって図示されている。
【0043】
3)センサコネクタ内の較正抵抗Rc。
【0044】
ラムダセンサSからは、第1〜第4の端子Vs+、Vp−/Vs−、Vp+およびRcが引き出されている。
【0045】
図8bでは、演算増幅器V6およびV7は給電電圧Vcc=5Vから給電される。この様子は図示されていない。矩形発振器OSZはボックスとして示されており、これは、図5に示された、演算増幅器V2の周囲に構成された回路(出力周波数は約3kHz)と同様の原理で構成することができる。
【0046】
ラムダセンサS(図8a)内には、端子VsとVp−/Vs−(端子Vp−/Vs−には中間直流電圧Vm=+2.5Vが印加される)との間に、測定すべき内部抵抗Risが設けられている。このラムダセンサSは破線のボックスとして図示されている。
【0047】
矩形発振器OSZの出力端に形成される発振器信号は、抵抗R40およびコンデンサC40を介して、約500μAssの交流としてセンサ内へ供給され、同時にスイッチS1へ供給される。それに相応して、温度依存性の内部抵抗Risにおいて交流電圧が降下する。この交流電圧は、抵抗R41〜R43およびコンデンサC41に接続されている後続の交流電圧増幅器V6において、約10の増幅係数をもって増幅され(たとえば図4のように、VEIN=500mVss=±250mVとなる)、交流電圧増幅器V6に後続する同期復調器V7において整流される(中間電圧Vmを基準とする)。この同期復調器V7は、演算増幅器V7、抵抗R44〜R47およびコンデンサから成る(図7を参照のこと)。続いて、同期復調器において整流された交流電圧は、抵抗R47およびコンデンサC42から成るフィルタによってフィルタリングされる。
【0048】
図6は、同期復調器V5(図7)またはV7(図8b)の入力端EINに印加される温度依存性の矩形信号VEIN(たとえば500mVss=±250mV)を示している。この矩形信号は約10%の屋根形の傾斜を有しており、中間電圧Vmに重畳されている。同期復調器V5ないしはV7によって、この矩形信号は増幅の切り替えと同期して整流される。つまり、Vmを下回る信号成分がラインVmで反転、すなわち上方へ折り返される(破線で示された屋根形の傾斜)。続いて、演算増幅器V5ないしはV7の出力信号(連続した屋根形の傾斜)はフィルタリングされ、中間電圧Vmとの和で出力信号VAUSを形成する。この出力信号VAUSは入力電圧の上方のピーク値に追従しており、図6に太い実線で示されている。
【0049】
本発明による回路は、次のような大きな利点を有する。
【0050】
・標準の構成部材によって、簡単かつ低コストで構成できること。
【0051】
・入力信号の屋根形の傾斜に対して頑強であること。
【0052】
・格段に正確に変換できること。
【0053】
・EMC障害パルスに対して格段に改善された頑強性を有すること(図9を参照のこと)。
【0054】
・集積回路への集積化に適していること。
【0055】
本発明による、ラムダセンサの内部抵抗Risを測定するための装置の、EMC障害パルスに対する時間特性が、従来の装置と比較して図9に示されている。グラフには、横軸方向に時間t、縦軸方向に電圧Uがプロットされており、中間(直流)電圧Vm=+2.5Vが破線の直線として示されている。この中間電圧Vmには、温度依存性の入力電圧VEIN(たとえば、図4および6によれば、500mVss=±250V)が重畳される。この場合、約2msの時間にわたって中間電圧Vmを中心として約±2VのEMC障害電圧が生じるとした場合の、従来の装置および本発明による装置がこのEMC障害電圧に対して動作する様子が示されている。
【0056】
図3〜図5および所属の説明によれば、ピーク値整流器V1ないしはV4の出力端には(のこぎりの歯形の)直流電圧VAUSが形成される。この直流電圧は、入力電圧Vm+VEINの下方のピーク値に従う。この電圧VAUSの経過は図9には、太い実線の電圧VAUSa示されている。ピーク値整流器の充電時定数と放電時定数との比が100:1なので、この信号もまた、生じるEMC障害電圧の下方のピーク値に迅速に追従する。このことによって、突然の温度上昇が起こったように見え、この信号はEMC障害電圧が終わっても徐々にしか回復しない。そのことによって、比較的長時間にわたってエラー信号、すなわち誤ったセンサ温度が測定され、それに対してセンサ加熱器が誤って応答してしまう。
【0057】
本発明による装置の出力信号は、太い実線の電圧VAUSbとして図示されている。このグラフから、突然EMC障害電圧が生じても同期復調器は誤作動を起こすことなく、総じて、存在するセンサ温度をより良好に表す出力信号VAUSを形成することが理解できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
温度に対するセンサ内部抵抗Risの依存性についてのグラフである。
【図2】
内部抵抗Risの等価回路図である。
【図3】
ピーク値整流器の基本回路図を示している。
【図4】
ピーク値整流器の入力信号および出力信号を示している。
【図5】
センサ内部抵抗Risを検出するための、ピーク値整流器を備えた公知の回路の基本回路図である。
【図6】
フィルタリング部が組み込まれた同期復調器の入力信号および出力信号を示している。
【図7】
フィルタリング部が組み込まれた同期復調器の実施例を示している。
【図8】
aはラムダセンサの等価回路図であり、bは、センサ内部抵抗Risを検出するための、同期復調器を備えた、本発明による回路の基本回路図である。
【図9】
公知の回路の障害感度および本発明による回路の障害感度を比較した図である。

Claims (3)

  1. 内燃機関のリニア・ラムダセンサ(S)の内部抵抗(Ris)を測定するための装置であって、
    内部抵抗(Ris)で降下する交流電圧(VOSZ)を増幅するための電圧増幅器(V6)が設けられており、
    前記交流電圧(VOSZ)は第1のセンサ端子(Vs+)に給電された交流電流によって引き起こされ、
    前記電圧増幅器(V6)によって増幅された交流電圧(VEIN)を整流するための整流器が設けられている形式のものにおいて、
    前記整流器は同期復調器(V7)であり、
    前記同期復調器(V7)の電圧増幅は、内部抵抗(Ris)で降下する交流電圧(VOSZ)の周波数によって、2つの所定の値の間で切り替え可能であり、
    前記同期復調器(V7)の出力信号(VAUS)はフィルタ(R47、C42)によってフィルタリングされることを特徴とする装置。
  2. 前記同期復調器(V7)の非反転入力端と第2のセンサ端子(Vp−/Vs−)との間には、内部抵抗(Ris)で降下する交流電圧(VOSZ)の周波数によって切り替えられるスイッチ(S1)が配置されている、請求項1記載の装置。
  3. 前記同期復調器(V7)の電圧増幅の所定の値は、値「+1」および「−1」である、請求項1記載の装置。
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