JP2004516112A - 薬剤カートリッジ保持機構を具備するペン型注入装置 - Google Patents

Abstract

ネック部を有する薬剤カートリッジ４０から薬剤を注入する注入装置が開示されている。
注入装置は、さらに、第一及び第二保持手段９２，９４により薬剤カートリッジ４０が着脱可能に保持されている本体ハウジング４から構成される。保持手段９２，９４は、本体ハウジング４内に薬剤カートリッジ４０を保持するためにネック部が係合している第一の位置と、本体ハウジング４から薬剤カートリッジ４０を取り外すことを可能とする第二の位置との間で可動できる。

Description

【０００１】
本発明は、注入装置の改良に関し、具体的には薬剤の量を制御して投与するための携帯用注入装置の改良に関する。
【０００２】
このような注入装置は、典型的には、糖尿病患者がインスリン又はインスリンタイプの薬剤の自分自身への投与量を管理するために使用される。このような注入装置が他の薬剤の注入にも好適であることは言うまでもない。
【０００３】
このような投与は、かつては使い捨て注射器を使って管理されていた。すなわち、まず、投与量が別のバイアル又は別の容器から注射器に充填され、それからその注射器を使って注射された。しかし、このような装置にはいくつかの難点があった。具体的には、病弱者にとってこのような装置は適さなかった。そうでない者にとっては、このような注射器は社会的に不評を買っているため、それを一般に使用することには問題があった。
【０００４】
こうした問題を克服するため、いくつかの、いわゆるペン型注入装置が開発されてきた。これらの装置は小型であるため、上着のポケットなどに入れて運ぶことができ、その上、注入装置に装着されたカートリッジ又はアンプルから投与を繰返し行うことができる。本発明は、特にこのようなペン型注入装置に適用されるものである。
【０００５】
このようなペン型注入装置は、使い捨て皮下用注射器に対してかなりの改善をもたらしているが、依然として残された問題がある。
【０００６】
本発明では、使い勝手が改善され、使用者にとって扱いやすくなっているペン型注入装置を提供するものである。
【０００７】
以下では、実施例のみに基づいて、添付図面を参照しながら本発明を説明する。
【０００８】
まず図１ないし図３において、本発明によるペン型注入装置２が示されている。注入装置２は、本体ハウジング４を備え、そのハウジングにはエンド・キャップすなわちカバー６が着脱可能なように装着されている。
【０００９】
本体ハウジング４の第一の端部には、コントロールパネル領域８が確保されている。この領域には、典型的にはＬＣＤパネルである表示パネル１０と、第一投与量制御ボタン１２及び第二投与量制御ボタン１４が配置され、第一及び第二投与量制御ボタンは、注入薬剤の投与量の増減を調節するための操作ボタンである。図示する実施例のコントロールパネル領域１０には、アームボタン１６も配置されている。
【００１０】
本体ハウジングの第一の端部には、投与（ｄｉｓｐｅｎｓｅ）ボタン１８も配置されている。この投与ボタン１８は、押されていない状態では本体ハウジング４と同一面にあることが好ましい。
【００１１】
注入装置２の縦軸に沿い、コントロールパネル領域１０の両側には、複数の溝又は窪み２０が設けられている。これらの溝又は窪みは、使用者が注入装置２を持ちやすいようにするために設けられるものである。
【００１２】
本体ハウジング４の第二の端部には、針ユニット２２が本体ハウジングに着脱可能なように装着されている。本体ハウジング４の第二の端部には、さらに、型形成部分２４が設けられている。
【００１３】
使用時には、薬剤のカートリッジ４０又はアンプルは、型形成部分２４の下の本体ハウジング４内に収納されている。この型形成部分は、カートリッジ４０が使用者に見えるように透明であることが好ましい。
【００１４】
開始ボタン２６も本体ハウジング４の第二の端部に配置される。エンド・キャップ６がハウジングの第二の端に装着されていれば、誤って開始ボタン２６を押し下げたり、針ユニット２２が刺さったりする恐れはないことが理解できるであろう。本体ハウジング４の第二の端部には、エンド・キャップすなわちカバー６が正しく装着されているか否かを検知するためのカバー検知スイッチ２８も配置されている。
【００１５】
図３には、それぞれのボタンに対応する開始接点３０、アーム接点３２、第一投与量制御接点３４及び第二投与量制御接点３６が示されている。投与ボタン１８に対応する投与接点１９も示されている。
【００１６】
図３においては、電源３８として、例えば一個以上の電池を収納するための場所が設けてあることが理解できるであろう。同じく、薬剤カートリッジ４０又はアンプルを装着すべき好適な領域も配置されている。この領域に本体ハウジング４の脱着可能な型形成部分２４からアクセスすることで、使用者は必要に応じてカートリッジ４０又はアンプルを交換することができる。カートリッジにアクセスする別の手段は、図４ないし図９に開示されている。
【００１７】
本体ハウジング４の第三の領域には駆動機構４２が配置されていて、電源３８からの電力によって駆動され、薬剤カートリッジ４０又はアンプルに対して作動する。
【００１８】
薬剤カートリッジ４０又はアンプルは、容器４４又はスリーブを備えており、その一方の端である頭部端はカバー４６によって閉鎖され、他方の端は、可動栓４８又はストッパによって密閉されている。所定の位置で針ユニット２２は、カバー４６を貫通し、栓４８がカバー４６の方向に運動すると、薬剤カートリッジ４０又はアンプル内に充填されている薬剤が押し出される。カートリッジは、ＩＳＯ／ＦＤＩＳ １１６０８ Ｐａｒｔ３による３ｍｌカートリッジでもよいし、注入装置に適合するものであればいかなるカートリッジであってもよい。
【００１９】
栓４８又はストッパの運動は、駆動機構４２の一部を成すピストン又はプランジャ５０の運動によって行われる。ピストン又はプランジャ５０は、薬剤カートリッジ４０又はアンプルの交換が可能な第一の完全に後ろに引いた位置（図示せず）と、薬剤カートリッジ４０又はアンプルから薬剤が最大限に排出される第二の完全に繰り出された位置の間を運動することができる。ピストン５０が完全に後ろに引いた位置にあるときに、そのことを検知するエンド・ストップ・スイッチ５２を本体ハウジング４に配置することができる。エンド・ストップ・スイッチ５２が作動すると、止め金又はその他の止め装置が解除されて、本体ハウジング４に装着したカートリッジ４０を交換するためのアクセスが可能となる。
【００２０】
駆動機構４２は、電子制御ユニット（図示せず）で制御されるモータ５４によって駆動される。ピストン５０が第一の位置と第二の位置の間で運動できるためには、モータ５４は逆回転可能でなければならない。図３において、モータ５４が歯車列４２を通じてピストン５０を動かすことが理解でき、第三の回転子５８が回転すると、ピストン５０が第三の回転子５８に対して運動する。
【００２１】
使用者がモータ５４及びそれと連動する駆動機構４２の振動を感じ、又はそれらが作動中であることを音で聞けるようにすることが好ましい。このようにすれば、注入装置２が作動していることに対する使用者の信頼感は、さらに高まる。
【００２２】
制御ボタンはいくつかの機能を持つ。使用者は、投与量制御ボタン１２，１４によって望む投与量を選択することができる。使用者は投与アームボタン１６で、望む投与量の選択を承認することができる。第一投与量制御ボタンで投与レベルを上げ、第二投与量制御ボタンで投与レベルを下げることができる。投与量制御ボタン１２，１４を押し下げて（短い時間、１〜２秒間押し続ける）、投与値をゼロにリセットすることができる。それから入力ボタンで一目盛（半目盛）刻みずつ上げる（又は下げる）ことができる。
【００２３】
投与量制御ボタン１２，１４を一回押すと、選択した投与量が一目盛分（半目盛分）だけ変化するように設計されている。別の実施態様では、いずれかのボタンを押してその状態を保持すると、投与量の値が（増加する方向又は減少する方向に）スクロールされ、投与量の値を速く変えることができる。
【００２４】
使用者は、投与ボタン１８を押すことによって、選択した投与量の投与を開始することができる。開始ボタン２６を押すと、カートリッジ４０から投与単位が投与される。そこで、注入装置２に空気が混入した場合は、開始ボタン２６を押して空気を追い出すことができる。カートリッジ４０にアクセスするための、蓋を解除するための止め金が設けられている。
【００２５】
カートリッジ４０は標準サイズであるので、各カートリッジ４０は駆動機構により駆動されるプランジャの同一の移動量により空になる。プランジャ５０が全伸長位置になると、カートリッジ４０は空になることが分かっているので、使用者には空になった表示が示される。
【００２６】
空になったカートリッジ４０を取り外すために、蓋を解除するための止め金を操作すると、駆動機構４２が作動して送りネジ６０を逆転させて、送りネジ６０が既知の基準点に設けられているエンド・ストップ・スイッチ５２に当るまでプランジャ５０を引込む。
【００２７】
例えば、接点スイッチ（図示せず）によって、新規のカートリッジ４０が検出されて、蓋を解除するための止め金が閉じられると、電子制御ユニットは、プランジャ５０がカートリッジの栓４８に当るまで、送りネジ６０を前進させる。プランジャ５０の自由端にドーム接点スイッチなどのマイクロスイッチ５１を取付けると、検出には好都合である。
【００２８】
栓４８の正確な位置は、後端停止部５２を基準として計算できるので、カートリッジ４０内に充填される薬剤の単位量を計算することができる。すなわち、本発明に係る注入装置２では、カートリッジ４０の半分が空になっていたり、不正確に充填されていてもカートリッジを使用できる。カートリッジ内に充填される単位量を決定した電子制御ユニットが、投与量の入力値を上げても、残留量より多い投与量を行わせないことが好ましい。
【００２９】
図４ないし９の実施例には、タブ９０が図示されている。タブ９０のスライド移動は、本体ハウジング４の中又は面上に制限されている。図６に示されるように、タブ９０は、本体ハウジング４に設けられている溝９１に沿ってスライドするようになっている。タブ９０を引き下げると、スライダ機構（図５ないし図９）は第一及び第二顎部９２，９４を、カートリッジ４０のネック又はアダプタ４３から半径方向外向きに可動させ、カートリッジの４０の取り外しを可能とする。
【００３０】
スライダ機構については、図６及び図７に最も明確に図示されている。第一及び第二顎部９２、９４は、延長アーム９３，９５にそれぞれ配置されている。アームは、顎部９２，９４から離れた端に位置する支点９６で回動するようになっている。ばね手段９７がアーム９３，９５の間に設けられており、アーム同士を引き離すように付勢する。スライダ機構は、本体ハウジング４に形成された窪みに配置されている。アーム９３，９５の可動範囲を制限するために、好ましくは、窪みにエンド・ストップとして作用する壁９８を設ける。したがって、一度タブ９０が可動し始めると、アームが壁９８に接触するまで、ばね手段９７の動作で引き離されるアーム９３，９５によって、タブ９０の移動は促される。
【００３１】
逆に、タブ９０を本体側にスライドすることにより、ばね手段９８の動作に対向するようにアーム９３，９５を密着させ、必要に応じ、顎部９２，９４はカートリッジ４０又はアダプタ４３を固定するように作動する。ラッチ手段は、タブ９０を閉めた状態に保つために設けられている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるペン型注入装置の平面図である。
【図２】図１において注入装置のエンド・キャップを外した平面図である。
【図３】図１及び図２の注入装置の断面図である。
【図４】本発明によるさらなる注入装置の端面図であり、カートリッジが取り外し可能なようにカバーが開いた状態の図である。
【図５】図４においてカバーを閉めた端面図である。
【図６】図４及び図５のカバーが開いた状態の斜視図である。
【図７】図６のカバーの詳細を示す斜視図である。
【図８】図７に示す開口機構構造を、開いた状態で示す斜視図である。
【図９】図６においてカバーを閉めた斜視図である。

Claims (7)

1. ネック部を有する薬剤カートリッジ４０から薬剤を注入する注入装置であって、前記注入装置は、第一及び第二保持手段９２，９４により前記薬剤カートリッジ４０が着脱可能に保持されている本体ハウジング４から構成され、前記保持手段９２，９４は、前記薬剤カートリッジ４０を前記本体ハウジング４内に保持するために前記ネック部が係合されている第一の位置と、前記本体ハウジング４から前記薬剤カートリッジ４０を取り外すことを可能とする第二の位置の間で可動できることを特徴とする注入装置。
2. 前記注入装置は、さらに、前記第一及び第二保持手段９２，９４の間に配置され、前記第一及び第二保持手段９２，９４を前記第二の位置に付勢するばね手段９７と、前記第一及び第二保持手段９２，９４のそれぞれに対して作用し、前記第一及び第二保持手段９２，９４を前記第一の位置に付勢するスライド式タブ９０から構成されることを特徴とする請求項１に記載の注入装置。
3. 前記スライド式タブ９０は、前記第一及び第二保持手段の外部面に作用することを特徴とする請求項２に記載の注入装置。
4. 前記本体ハウジング４に形成された溝９１内に前記スライド式タブ９０がスライド可能に保持されていることを特徴とする請求項２又は３に記載の注入装置。
5. 前記スライド式タブ９０は、前記薬剤カートリッジ４０の前記ネック部を係合するようになっていることを特徴とする請求項２〜４の何れか１項に記載の注入装置。
6. 前記第一及び第二保持手段９２，９４が前記第二の位置を超えて可動するのを防ぐために、エンド・ストップ９８が前記本体ハウジング４に設けられていることを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載の注入装置。
7. 前記第一及び第二保持手段９２，９４は共通の回動支点に関して半径方向に可動することを特徴とする請求項１〜６の何れか１項に記載の注入装置。