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JP2004512564A - 自動立体ディスプレイ - Google Patents

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JP2004512564A
JP2004512564A JP2002538203A JP2002538203A JP2004512564A JP 2004512564 A JP2004512564 A JP 2004512564A JP 2002538203 A JP2002538203 A JP 2002538203A JP 2002538203 A JP2002538203 A JP 2002538203A JP 2004512564 A JP2004512564 A JP 2004512564A
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アイヘンラウブ、イエッシー
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ディメンション テクノロジーズ インコーポレイテッド
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Abstract

自動立体ディスプレイ装置が画像形成装置、および互違いのストリップを有する基板を含み、第1の光学的性質を有するストリップが異なる光学的性質を有するストリップによって分離されている。この基板は、透明な、非偏光ストリップによって分離された偏光フィルムの互違いのストリップから成ってもよい。その代りに、この基板は、直線偏光した光の成分を半波長だけ遅らせる第1の互違いのストリップから成り、それらが直線偏光した光の成分を1波長だけ遅らせる第2互違いのストリップによって分離されていてもよい。取外し可能な、別の偏光基板をこれらの互違いのストリップを含む基板の前に取外し可能に置いてもよい。この可動偏光基板をこれらのストリップの前にある方向に置くと、観察者には自動立体結像が見え、この偏光基板を除去すると、2D結像が見える。

Description

【0001】
この出願は、1998年10月14日に提出した先の仮出願第60/104,142号、および1999年8月26に提出した第60/150,789号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の背景)
米国特許第4,717,949号(アイヒェンラオブ)は、平らなスクリーンを使用しその上に複数の細い垂直発光ラインを表示する自動立体ディスプレイを開示する。このスクリーンの前に画素の行・列を含む、液晶ディスプレイのような、画像形成装置があって、その表面全域に配置された個々の画素の透過性を変えることによって画像を形成する。このスクリーンおよび光バルブは、観察者が左目で一組の画素を通してこれらの発光ラインを、および右目で別の組の画素を通して同じラインを見るように配置してある。
【0003】
(発明の概要)
この発明は、自動立体ディスプレイ装置を提供する。一般的に、この装置は、行・列に配置したディスプレイ画素を含む画像形成装置;交互するストリップを含む第1基板であって、これらの互違いのストリップが含む第1の光学的性質を有するストリップが異なる、第2の光学的性質を有するストリップによって分離されている基板;および偏光基板を含み、この第1基板および偏光基板の各々がこの画像形成装置の前または後に独立に光学的に配置してある。
【0004】
種々の好適実施例に従って、この装置は、この画像形成装置の前または後に光学的に配置してあり且つ透明な、非偏光ストリップによって分離された偏光フィルムの互違いのストリップを有する第1偏光基板、およびこの画像形成装置の前または後に光学的に配置してある第2偏光基板を含む。他の好適実施例に従って、この装置は、通過する直線偏光した光の成分を半波長だけ遅らせる第1交互ストリップを含む光遅延基板を含み、上記第1ストリップは、通過する直線偏光した光の成分を1波長だけ遅らせる第2交互ストリップによって分離されている。これらの実施例に対して、これらの交互するストリップは垂直に配置するのが好ましい。この画像形成装置は、透過性の、電子的にアドレス指定した液晶ディスプレイで、個々の画素のアレイにアドレス指定可能な液晶層を含むディスプレイでもよく、この装置が更にバックライト源を含む。その代りに、この画像形成装置は、行・列に配置したディスプレイ画素を備える、放出性の、アドレス指定可能なディスプレイでもよい。
【0005】
偏光フィルムの互違いのストリップを有する偏光基板を使用する実施例に対して、この装置は、画素構造のない、第2の、非画像形成LCDを含み、このLCパネルが、この第2LCDの液晶層への電圧の印加および除去によって、自動立体結像と2D観察の間で切換え可能であってもよい。
【0006】
種々の実施例に従って、可動の、第2偏光基板をこれらの互違いのストリップを含む基板の前に取外し可能に置いてもよい。この可動偏光基板をこれらのストリップの前にある方向に置くと、観察者には自動立体結像が見え、この偏光基板を除去すると、2D結像が見える。
【0007】
(好適実施例の詳細な説明)
図Iは、行・列に配置した個々の画素のアレイにアドレス指定可能な液晶層16と共に2枚のガラス17、18から成る電子的にアドレス指定した液晶ディスプレイ15の前側(観察者に近い側)にある第1偏光シート24から成る検光子;この偏光シート24の前の任意の弱いディフューザまたは拡散面;通過する光を偏光しない細いスリット33の形の透明領域を間に挟んだ偏光フィルムの垂直ストリップ32から成る(図2の正面図に示すように)第2偏光シート27;第3ガラスシート36;全面に亘って電圧を印加することにより分子配向を変えることができる、画素構造のない第2液晶層38;第4ガラスシート37;第3偏光子20;および通常白色の散乱光を出すバックライトIを有する自動立体ディスプレイ10を示す。説明のために、三つ全ての偏光シートの偏光方向は、図1の各シートの上および図2の偏光ストリップ内に矢印5によって示すように、同じであると仮定する。しかし、他の方向を使うことが出来、光を互いに違う方向に偏光するシートを使うことも可能である。例えば、大抵のLCDは、垂直および水平から45度の偏光方向を使用する。この例のために、オフ状態(電圧を印加しない)で、第2液晶層38(画素構造のないもの)は、それを通過する光の偏光方向を変えないとも仮定する。しかし、以下のこの装置の動作の説明から明らかなように、これも偏光子の偏光方向に依って違ってもよい。
【0008】
第2液晶層38に電圧を印加しないとき、光はそれをおよび第2偏光シート27の偏光ストリップ32を、並びに続けて第1液晶層16を単純に通過するのに対して、個々の画素に印加した電圧は、光の偏光を種々の程度に変えて異なる画素を通過する光が第1(前)偏光シート24を自由に通過するか、それによって或る程度消されるようにし;それによって、液晶ディスプレイの通常の場合のように、そのシート24の反対側に位置する観察者13が見える画像を形成する。
【0009】
第2液晶層38に電圧を印加すると、それを通過する光の偏光方向は、90度だけ変り、第2偏光層27の偏光ストリップ32によって阻止される。しかし、それは偏光ストリップ32の間の透明スリット33を自由に通過する。次に、ストリップ32を通過する光の偏光方向は、第1液晶層1.6内の画素によって種々の程度に変えられ、異なる画素を通過する光は、第1偏光シート24によって種々の程度に消され、それでそのシートの反対側から見える画像を形成する。
【0010】
第2偏光シート27の透明スリット33の間隔は、式 p=2/((I/w)−(1/e))に従って選択し、但しp はスリットのピッチ、w は第1LC層16の水平方向の画素ピッチ、およびe は観察者13の両目の平均離隔距離である。典型的には、e に63mmの値を使い、それを成人用にも使う。スリット33の幅は、典型的には偏光ストリップ32の幅の二分の一であろう。何故ならこれが最良の視覚的結果を与えるらしいからである。
【0011】
この“オン”状態の第2液晶層38を備えるディスプレイ10を見る観察者13は、透明スリット33を通り抜ける光が見え、偏光ストリップ32がこの第2層38にある場合それらの間の暗黒領域は広い。それで観察者は、第1LC層16の画素の後ろの光ラインによって照明された液晶ディスプレイが見える。上に示したスリットピッチの式が与えられたとすると、“観察区域”が出来、観察者はその中に、米国特許第4,717,949号で概説する原理に従って、第1液晶層16の偶数または奇数画素列の後ろに整列する光ラインが見え、その特許の全開示を参考までにここに援用する。もし、立体対の左目画像を画素の奇数列におよび右目画像を偶数列に、またはその逆に表示するならば、観察者は、自分の左目がこの左目画像を表示する画素列の後ろに光ラインの見える観察区域内にあり、且つ自分の右目がこの右目画像を表示する画素列の後ろに光ラインの見える観察区域内に同時に位置するときはいつでも、再び米国特許第4,717,949号で記載してある原理に従って、立体画像が見えるだろう。
【0012】
それで第2LC層38に電圧を印加しまたはそれを除去することによって、観察者は、両目に第1LC層16画素の一つおきの列が見える自動立体結像と、両目に第1LC層16の全ての画素が見える通常の2D観察との間を切換えることが出来る。
【0013】
3Dモードのときは、第1LC層16の動作を2Dモードのときから反転しなければならない。例えば、もし、2Dモードで画素に電圧を掛けないことがその画素を輝点として現すならば、最大電圧を印加するとそれを黒点として現し、何処か中間の電圧はそれを灰色点として現すだろう。3Dモードでは、電圧を掛けない状態がそれを黒点として現し、一方電圧印加状態はそれを輝点として現し、再び中間電圧がそれを灰色点として現す。この動作の逆転は、各モードで、ネガ像ではなく、正しい像を表示することを保証するために、第1LC層16の画素を制御するハードウエアかソフトウエアによって考慮に入れなければならない。
【0014】
第2液晶層38をそれ自体の画素の行および列を個々にアドレス指定したもので置換えることが可能である。各画素は、光をその偏光方向を変えずに通過させるか(電圧印加せず)、または偏光方向を90度だけ変える(電圧印加)だろう。第2液晶層38で画素の異なるグループに電圧を印加することによって、均一に照明した2D領域(光ラインなし)に囲まれた3D観察のための光ラインが見えるまたはその逆のウィンドウを創ることが出来る。
【0015】
この基本設計の変形および付加が可能である。例えば、偏光ストリップ32の間のギャップ33に中性、非偏光フィルタストリップを置き、単位面積当りのこれらのストリップおよびギャップを通過する光の量を均等化して2Dモードでの照明均一性を大きくすることが可能である。これらのフィルタは、ストリップ32に使う偏光材料に依って、それらを通過する光の約10%ないし20%しか阻止する必要がないだろう。これらのフィルタは、偏光ストリップ間のギャップ33内に位置するある中性灰色透明材料のストリップでもよく、または偏光ストリップを付けるガラス基板の表面に写真乳剤層の細いストリップを露出することによって作ってもよい。
【0016】
この透過率の減少を達成するために偏光ストリップ32の間のギャップ33を着色することも可能である。これは、偏光と非偏光の交互するストリップの間の透過率を整合するために透過率を効果的に減少することを実証して示した。
【0017】
もう一つの変形は、連続シート偏光子と組合わせて偏光解消ストリップを使ってもよい。偏光ストリップの間にギャップを使う代りに、さもなければスリットを置く位置に、偏光解消材料の細い平行ラインを備える連続偏光シートを使ってもよい。偏光解消材料のこれらのストリップは、第2液晶パネルの液晶層38に向く偏光子の側に置くべきであろう。
【0018】
非偏光スリット33と互違いの偏光ストリップ32を含む偏光シートを作る方法は多数ある。これらの方法は全てガラスのような基板上の偏光材料の連続シートから始り、スリット33の領域の偏光材料を除去するか、またはスリット33のこれらの領域でこの材料の偏光特性を除去する。実験的に実証したこれらの方法は、偏光ストリップ32の領域を作るためにエッチングマスクを使った、連続偏光シートの化学漂白、写真漂白および化学エッチングである。
【0019】
偏光シート20、24、27およびストリップ32は、従来の偏光子として機能してもよく、即ち、それらが望まない方向に振動している光波の成分を吸収しもよい。しかし、ある場合には望まない方向に振動している光の成分を反射する新型の偏光フィルムを使うことが好ましい。この反射した光は、バックライト11に再入し、そこで拡散し、あるものは正しい方向の偏光成分を持って再出現するだろう。それでこのディスプレイの全体的輝度が大きくなる。この種の反射偏光フィルムは、スリーエム社(米国ミネソタ州セントポール市)が製造し、二重輝度向上フィルムと呼ばれている。それは、上に説明したように望まない方向に偏光した光を“リサイクル”する目的で開発され、それで液晶ディスプレイの輝度を増大する。
【0020】
代替構成を図3に示す。この構成は、偏光ストリップ32をLC画素層16から更に遠く離して置かなければならないという欠点を有し、それで観察距離を画像形成LCDから更に遠くへ押し離す。これは、多くのLCDで実施することを非現実的にする。それにも拘らずこの配置は、2Dモードと3Dモードの間で画像を反転する必要がないという利点を有し、それがある状況ではそれを望ましくするかも知れない。
【0021】
図3は、典型的に既製品のLCDの配置のように、LCD15の前面にある偏光子24を示す。前のように、画像形成LCD15は、2枚のガラス17、18を含み、その間に液晶材料の層16を備える。第3のガラスシート36がこの画像形成LCD15の後偏光子22の後ろに置いてある。画素構造のない第2液晶層38がこのガラスシート36とその後ろに位置する第4ガラスシート36との間に置いてある。第4ガラスシート37の後ろに、通過する光を偏光しない透明領域33を間に挟んだ偏光フィルムの垂直ストリップ32が置いてある(図4の正面図に示すように)。通常白色の散乱光を出すバックライトがこれらの他の要素の後ろに位置する。説明のために、三つ全ての偏光シートの偏光方向は、図3の各シートの上および図4の偏光ストリップ32内に矢印5によって示すように、同じであると仮定する。しかし、他の方向を使うことが出来、光を互いに違う方向に偏光するシートを使うことも可能である。オフ状態(電圧を印加しない)で、第2液晶層38(画素構造のないもの)は、それを通過する光の偏光方向を変えないとも仮定する。
【0022】
第2液晶層38に電圧を印加しないとき、偏光ストリップ32およびそれらの間のギャップ33を通過する光は、それをおよび画像形成LCD15の背後の偏光シート22を、次に第1液晶層16を単純に通過するのに対して、個々の画素に印加した電圧は、その偏光方向を種々の程度に変えて異なる画素を通過する光が最前偏光シート24を自由に通過するか、この最前偏光シート24によって或る程度消されるようにし;それによって、液晶ディスプレイの通常の場合のように、そのシート24の反対側に位置する観察者13が見える画像を形成する。
【0023】
第2液晶層38に電圧を印加すると、それを通過する光の偏光方向は、90度だけ変る。それでストリップ32を通過した光は、画像形成LCD15の背後の偏光層22によって阻止される。しかし、偏光ストリップ32の間のギャップ33を通過した光は、画像形成LCD15の後偏光子22をやはり自由に通過する。次にギャップ33を通過する光の偏光方向が画像形成液晶層16内の画素によって種々の程度に変えられ、異なる画素を通過する光は、前偏光シート24によって種々の程度に消され、それでそのシートの反対側から見える画像を形成する。
【0024】
偏光材料の透明ストリップ32の間隔は、再び式 p=2/((I/w)−(1/e))に従って選択し、ここで、p は透明スリットのピッチ、w は第1LC層の水平方向の画素ピッチ、および、e は観察者13の両目の平均離隔距離である。典型的には、e に63mmの値を使う。
【0025】
この活性(“オン”)状態の第2液晶層38を備えるディスプレイを見る観察者は、透明スリット3を通り抜ける光が見えるが、偏光ストリップ32がある場合それらの間に暗黒ストリップがある。観察者は、第1LC層の画素の後ろの光ラインによって照明された液晶ディスプレイが見える。上に示したスリットピッチの式が与えられたとすると、“観察区域”が出来、観察者はその中に、米国特許第4,717,949号で概説する原理に従って、第1液晶層16の偶数または奇数画素列の後ろに整列する光ラインが見える。もし、立体対の左目画像を画素の奇数列におよび右目画像を偶数列に、またはその逆に表示するならば、観察者は、自分の左目がこの左目画像を表示する画素列の後ろに光ラインの見える観察区域内にあり、且つ自分の右目がこの右目画像を表示する画素列の後ろに光ラインの見える観察区域内に同時に位置するときはいつでも立体画像が見えるだろう。
【0026】
それで第2LC層38に電圧を印加しまたはそれを除去することによって、観察者は、両目に第1LC層16画素の一つおきの列が見える自動立体結像と、両目に第1LC層16の全ての画素が見える通常の2D観察との間を切換えることが出来る。
【0027】
上述のように、この実施例では2Dモードから3Dモードへ変えるとき、画像をポジとネガの間でひっくり返す必要がない。第2LC層38がどの状態にあるかに関係なく、白色画素は白く見え、黒色画素は黒く見える。
【0028】
第2液晶層38をそれ自体の画素の行および列を個々にアドレス指定したもので置換えることが可能である。各画素は、光をその偏光方向を変えずに通過させるか(電圧印加せず)、または偏光方向を90度だけ変える(電圧印加)だろう。強誘電体液晶材料が理想的にはこの目的に適している。第2液晶層38で画素の異なるグループに電圧を印加することによって、均一に照明した2D領域(光ラインなし)に囲まれた3D観察のための光ラインが見えるまたはその逆のウィンドウを創ることが出来る。
【0029】
この基本設計の変形および付加が可能である。例えば、偏光ストリップ32の間のギャップ33に中性、非偏光フィルタストリップを置き、単位面積当りのこれらのストリップおよびギャップを通過する光の量を均等化して2Dモードでの照明均一性を大きくすることが可能である。これらのフィルタは、ストリップ32に使う偏光材料に依って、それらを通過する光の約10%ないし20%しか阻止する必要がないだろう。再び、ギャップ33は着色してもよい。
【0030】
もう一つの変形は、連続シート偏光子と組合わせて偏光解消ストリップを使ってもよい。偏光ストリップの間にギャップを使う代りに、画像形成LCD15および観察者13に向く側に、さもなければスリットを置く位置に、偏光解消材料の細い平行ラインを備える連続偏光シートを使ってもよい。偏光解消材料のこれらのストリップは、第2液晶パネルの液晶層に向く偏光子の側に置くべきであろう。
【0031】
もう一つの実施例によれば、スリットを備える偏光子27および第2偏光回転液晶層38を画像形成LCD15の前側(観察者13に向いた側)に、偏光ストリップ32を画像形成LCD15の前側に、観察者に向いた側にして置くことも可能である。後偏光子22が画像形成LCD15のガラスシート18の後ろに設けてある。そのような構成の一つを図5に示す。ここでは、画像形成LCD15の前偏光子24が除去してあり、且つ偏光子27の偏光ストリップによって置換えてある。第2LC層38が偏光ストリップ32の前に置いてあり、且つ連続偏光シート24が第2LCガラス36の前側(観察者に向いた側)に置いてある。この場合、偏光ストリップ32の間のスリット33の間隔の式は、P=2/(I/w+1/e)であり、ここで、P はスリットのピッチ、w は画素ピッチ、およびe は観察者の目の離隔距離で、それは成人用に平均約63mmである。これらの偏光ストリップの偏光方向は、画像形成LCD15の画素が白色(“オン”)状態にあるとき、画像形成LCD15から来る光がそれらを自由に通過するように選んである。前偏光子24の偏光方向は、第2LC層が活性でないとき、それがこれらの偏光ストリップから来る光も通し、且つこれらのスリットを通して見える白色(“オン”)画素から来る光も通すように選択してある。それで観察者の目に画像形成LCD15の全ての画素から来る光が見えると共に、偏光ストリップ32が殆ど目に見えない。
【0032】
第2LC層38が活性化したとき、それは光の偏光方向を観察者の側でその前の方向から90度の方向に変え、それで偏光ストリップ32を通り抜けた全ての光を阻止させるが、偏光ストリップ32の間のスリット33からの光はまだ通過させる。この状態の下で、ディスプレイを見る観察者は、透明スリット33を通して画像形成LCD15の画素が見えるが、偏光ストリップ32がある場合それらの間に暗黒ストリップがある。上に挙げたスリットピッチの式が与えられたとすると、“観察区域”が出来、観察者はその中に、この技術で周知であり、且つ立体コンピュータグラフィックスおよびその他の真の3D技術という本(デイビッド・マックアリスタ編集、プリンストン大学出版部、ISBN 0−691−08741−5)の第3章3.6節で概説する一般原理に従って、画像形成液晶層16の偶数または奇数画素列の後ろに整列するスリットが見える。関連する幾何学的構成は、LCDをその後ろに位置するスリットで照明する場合に類似する。もし、立体対の左目画像を画素の奇数列におよび右目画像を偶数列に、またはその逆に表示するならば、観察者は、自分の左目がこの左目画像を表示する画素列のスリットを通して見える観察区域内にあり、且つ自分の右目がこの右目画像を表示する画素列のスリットの後ろに見える観察区域内に同時に位置するときはいつでも、再び一般的に知られる原理に従って、立体画像が見えるだろう。
【0033】
この構成で、最前偏光子24、観察者13に最も近いものは、望ましくない方向に偏光した光がこのシステムから出るのを防ぐ検光子として作用し、それで画像が見えるようにする。
【0034】
それで第2LC層38に電圧を印加しまたはそれを除去することによって、観察者は、両目に第1LC層16画素の一つおきの列が見える自動立体結像と、両目に第1LC層16の全ての画素が見える通常の2D観察との間を切換えることが出来る。
【0035】
3Dモードのときは、第1LC層16の動作をそれが2Dモードのときから再び反転しなければならない。例えば、2Dモードで画素に電圧を掛けないことがその画素を輝点として現すならば、最大電圧を印加するとそれを黒点として現し、何処か中間の電圧はそれを灰色点として現すだろう。3Dモードでは、電圧を掛けない状態がそれをスリットを通して見たとき黒点として現し、一方電圧印加状態はそれを輝点として現し、再び中間電圧がそれを灰色点として現す。この動作の逆転は、各モードで、ネガ像ではなく、正しい像を表示することを保証するために、画像形成LCD15の画素を制御するハードウエアかソフトウエアによってもう一度考慮に入れなければならない。
【0036】
第2LC層38および画像形成LCD15の前のストリップ偏光子32を備えるもう一つの構成を図7に示す。ここでは、画像形成LCD15の連続前偏光子24を保持する。追加のガラスシート36、37および第2LC層38がこの偏光子の前に置いてあり、偏光ストリップ基板23が第2LCガラス36の前側(観察者13に最も近い側)に置いてある。この場合、スリットの間隔の式は、P=2/(1/w+1/e)であり、ここで、P はスリットのピッチ、w は画素ピッチ、およびe は観察者の目の離隔距離で、それは成人用に平均約63mmである。これらの偏光ストリップ32の偏光方向は、第2LC層38が活性でない(即ち、“オフ”である)とき、画像形成LCD15の前偏光子24から来る光がそれらを自由に通過するように選んである。それで、この状態で観察者は両目で全ての画素が見え、ストリップ32が殆ど見えないだろう。
【0037】
第2LC層38が活性化したとき、それは、それを通過する光の偏光方向をその前の方向から90度の方向に変える。それでこの光は偏光ストリップ32によって阻止され、観察者は、偏光ストリップ32の間のスリット33を通る画像形成LCD15からの光しか見えない。前のように、スリットの間隔のために、観察者の左目はスリットを通して奇数列の画素が見え、右目は偶数列の画素が見え、それで立体対の左目画面がこれらの奇数列におよび右目画面が偶数列に表示されるならば、3D画像が認識されるだろう。
【0038】
この構成のときは、2Dモードと3Dモードの間で画像形成LCDの画像を反転する必要がない。第2LC層の状態に関係なく、白色画素は白いままであり、黒色画素は黒いままである。
【0039】
図5ないし図8のこれらの“第2LC前”の構成のどれも図Iないし図4の“第2LC後”の構成で説明した設計の変形を採用することが出来る。例えば、第2LCD35が独立にアドレス指定可能な画素を行・列にまたは何か他の構成にさえしたモノクロLCDの形を採ることが出来る。ある領域の画素を活性化し、他の領域を活性化しないことによって、2D背景の3Dウィンドウまたはその逆を創ることができる。スリット33間のギャップ内に、非偏光中性フィルタ材料で作った、第2ストリップ列を置くことも可能である。これらのフィルタストリップは、偏光ストリップとスリットから出る単位面積当りの光の量をほぼ等しくすることが出来る。これらの偏光ストリップも、第2液晶パネル内のLC層に面する側に、スリットと同じ位置に置いた偏光を解消する材料のラインを備える連続偏光子によって置換えてもよい。
【0040】
画像形成LCD15の前に置いたスリットを有する図5ないし図8の構成は、LCD以外の他の種類の画像形成ディスプレイに使うことが出来る。言換えれば、この画像形成装置は、透過性である必要がなく、放出性でもよい。主な要件は、ディスプレイ画素が輪郭明確で直線行列に配置されていることである。これらの基準に合う放出性ディスプレイ40には、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセント(EI)ディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED)、およびある種の従来のCRTがある。そのような放出性ディスプレイ40と共に使ったとき、連続偏光子24は、LC層38およびガラス組立体の片側に、並びにストリップ偏光子32およびスリット33は他の側に置かねばならない。図10に示すように、連続偏光子24が前で、ストリップ偏光子32が後でも、図9に示すように、その逆でもよい。
【0041】
他の実施例によれば、この発明は、遅延フィルムストリップおよび取外し可能偏光子を備える自動立体ディスプレイを提供する。この構成の自動立体ディスプレイは、非常に軽量であり、断面が薄く、且つ比較的低コストの自動立体光学部品を含むので、特にラップトップ・コンピュータおよびその他の可搬式機器に適用可能である。
【0042】
図Iは、その画像源として、典型的な液晶ディスプレイ15を使い、この液晶ディスプレイが遠側(観察者13と反対でバックライト11に向いた側)の偏光シート20、および前側(即ち、観察者13に最も近い側)に検光子として作用するもう一つの偏光シート24を有する立体ディスプレイ10の断面図を示す。偏光シート20、24の他に、この液晶ディスプレイ15は、間に液晶層16をサンドイッチした2枚の、ガラスのような、透明基板17、18を含む。この液晶層16は、画像を作るために行・列に配置した個々の画素のアレイにアドレス指定可能である。ディフューザ42の形をした、任意の要素を前偏光シート24の前に含めてもよい。このディフューザ42は、立体3Dモードでのモアレ効果を避けるために、理想的にはこのLCDの画素を丁度それらの間の黒い境界線が見えなくなる点までぼかすだろう。
【0043】
遅延シートまたはフィルム50は、交互する垂直ストリップを含み、図12の正面図に示すように、1組のストリップ51は、直線偏光の1成分を半波だけ遅延し、第2の交互するストリップの組52は、直線偏光の1成分を1波だけ遅延する。従って、遅延シート50が光の偏光方向を回転する。この遅延シートまたはフィルムは、図11に示すように、前偏光子24および任意のディフューザ42の前に置いてある。
【0044】
好ましくは液晶ディスプレイ15とほぼ同じ大きさおよび形状である、第3の取外し可能偏光シート60を、観察者が他の要素の前に置き、または観察者がこのディスプレイから除去してもよい。以下の議論のために、2枚の偏光シート20、24の偏光方向は、図11の各シートの上に矢印5によって示すように、同じであり、取外し可能シート60をその長辺をこのディスプレイの長辺と平行にしてこのディスプレイの前に適正方向に置いたときのこの取外し可能シートに対しても同じであると仮定する。しかし、他の方向も使え、互いに異なる方向に偏光するシートを使うことも可能である。この議論のために、図12の遅延フィルム17の細いストリップ52は、それらを通過する光の偏光方向を360度だけ変え、それで光が入ったときに同じ方向に偏光する結果となる1波部分であり、太いストリップ51は、それらを通過する光の偏光方向を90度だけ変える半波部分であることも仮定する。この遅延フィルムの高速軸の方向は、これを起すために光が出る偏光シート24の偏光方向に45度の角度でなければならないことに言及する。
【0045】
遅延フィルムのストリップは、典型的には1波フィルムに始めて、図13の平面断面図に示すように、半波ストリップ51を創るために広い部分をエッチング除去して作るだろうから、この遅延フィルとほぼ同じ屈折率であるが遅延特性が何もないラミネートの形で追加の層55を加えてもよい。この層は、1波ストリップと半波ストリップの間の急斜面および comers からの回折および散乱を防ぐだろう。理想的には、このディスプレイからの周囲光源の反射を抑制するためにラミネート55の前側に反射防止コーティングも設けてある。
【0046】
取外し可能偏光シート60がないとき、光は、単純に遅延フィルム50を通過して観察者の目13に達する。この光の偏光方向は、目への視認性に影響せず、それで観察者は、通常の場合のように、それぞれの目で全ての画素が見える。しかし、取外し可能偏光シート60が然るべき場所にあるとき、それは、広いストリップから出る光の偏光方向が90度だけ回転しているので、それを阻止する。その結果、観察者13は、このLCDの前に置いたスリット障壁を通して見ているように見える。
【0047】
遅延フィルム上の1波ストリップ52の間隔は、好ましくは式 p=2/((I/w)−(I/e))に従って選択し、ここで、p はスリットのピッチ、w はこのLC層の水平方向の画素ピッチ、およびe は観察者の両目の平均離隔距離である。典型的には、e に63mmの値を使うが、もしこの装置を子供が見るために使うことになっているなら、小さい値を使うのが好ましい。半波ストリップ51の幅は、典型的には1波ストリップ52の幅の2倍だろう。何故ならこれが一般的に最良の視覚的結果をもたらすからである。
【0048】
然るべき場所に取外し可能偏光子60があるディスプレイを見る観察者は、1波スリット52を通り抜ける光が見え、半波ストリップ51がある場合それらの間に広い暗黒領域がある。それで観察者は、不透明ラインおよび細い透明スリットが交互する障壁を通して液晶ディスプレイが見える。上に挙げたスリットピッチの式に対して、“観察区域”が出来、観察者はその中に、この技術で周知であり、且つ−数ある中で、立体コンピュータグラフィックスおよびその他の真の3D技術という本(デイビッド・マックアリスタ編集、プリンストン大学出版部、ISBN 0−691−08741−5)の第3章3.6節で概説する一般原理に従って、第1液晶層16の偶数または奇数画素列の後ろに整列する光ラインが見える。もし、立体対の左目画像を画素の奇数列におよび右目画像を偶数列に、またはその逆に表示するならば、観察者は、自分の左目がこの左目画像を表示する画素列がスリットの後ろに見える観察区域内にあり、且つ自分の右目がこの右目画像を表示する画素列がスリットの後ろに見える観察区域内に同時に位置するときはいつでも、再び上で参照した本で説明した原理に従って、立体画像が見えるだろう。
【0049】
それで取外し可能偏光子60を適所に置きまたはそれを除去することによって、観察者は、両目にLC層16画素の一つおきの列が見える自動立体結像と、両目にLC層16の全ての画素が見える通常の2D観察との間を切換えることが出来る。
【0050】
代替実施例によれば、LCDの代りに放出性ディスプレイを使い、その場合偏光シートをその前に置き、次にディフューザ15および遅延フィルム17がこの偏光子の前に続く。
【0051】
どの場合も、取外し可能偏光子60用の便利な結合機構は、偏光子60を、例えば、ディスプレイ10の上部のヒンジ90で(図22に示すように)ディスプレイ10にヒンジ結合することであり、それによって観察者は、偏光子60をディスプレイ10の前の位置と偏光子60がディスプレイ10の前にない位置の間でめくることが出来る。この構成の利点は、偏光子が二つの位置の間を容易に動くが、ディスプレイ装置に永久的に取付けられたままであり、それでそれがなくなりまたは損傷することがないことである。代替案は、この取外し可能偏光シート60を非常に柔軟にし、それをローラ91に巻付け、それでそれをLCD15の前に巻降ろしおよび再び後退させる(図23に示すように)ことである。更にもう一つの代替案は、取外し可能偏光子を、このLCDを囲むプラスチックケース93に取外し可能にパチンと嵌るまたはクリップ留めする剛性フレーム92に取付け(図24に示すように)、使用しないときこのディスプレイまたはラップトップケースのポケットに格納する。
【0052】
ビデオまたはコンピュータ駆動LCDディスプレイに使う他に、このシステムは、あるハンドヘルド計算器、パームパイロットの商標で市販したもののような個人秘書、および事実上グラフィックスを提示するその他のディスプレイ装置にも効果的に使うことが出来る。
【0053】
自動立体ディスプレイの代替実施例を図14および図15に示す。この実施例で、細い部分57は、それらに遅延フィルムが全くなく、それで光がそれらを通過するとき偏光方向が全く変らない。先に説明した構成同様、光は、これらの細い部分を出るとき、それが入ったときと同様な偏光方向を有する。太いストリップ51は、それらを通過する光の偏光方向を90度だけ変える半波部分である。これらのストリップは、理想的にはガラスで作った、基板59に取付けてあって、この構造に剛性を与える。ある状況下では、このガラス基板が、例えば、任意のディフューザ42がないとき、LCDディスプレイ15の前ガラスでもよい。この構成は、基板の1面に半波遅延フィルムの連続層を接着し、次に細い部分をエッチング除去して基板を露出することによって作ってもよい。前と同様に、これらのストリップの側面および縁からの散乱および反射光を防ぐため、屈折率の整合したラミネートの層55をこの遅延ストリップの上に置いてそれらの間のギャップを埋めてもよい。もう一度、3Dモードに入るためには、ユーザが偏光シート60をこのディスプレイの前に、それが半波部分51を出る光は阻止するが、細い部分57を出る光は通過させる向きに置く。偏光シート60が然るべき位置になければ、観察者は、全ての部分から妨害されずに来る光が見えるだろう。
【0054】
図16は、遅延フィルムストリップを備える自動立体ディスプレイの更にもう一つの実施例を示す。この実施例は、2D/3D機能を達成するために電気光学的手段を使用する。図11ないし図14の実施例同様、遅延フィルムの広いストリップ51が細いストリップ61の間に挟んであり、且つ前偏光子の前に置いてある。これらの細い部分61は、遅延フィルムが全くないか、またはそれらを通過する光の方向を180度の何倍かだけ回転させるに十分な厚さを有する。それで光の偏光方向は、この細い部分の通過後全く変らない。太いストリップ51は、それらを通過する光の方向を90度だけ回転させるに十分な厚さを有し、但しNは奇数の整数である。これらのストリップは、理想的にはガラスで作った、基板63に取付けてあって、この構造に剛性を与える。この構成は、基板63の1面に遅延フィルムの連続層を接着し、次に細い部分61をエッチング除去することによって作ってもよい。先に説明した構成同様、これらのストリップの側面および縁からの散乱および反射光を防ぐため、屈折率の整合したラミネートの層55をこの遅延ストリップの上に置いてそれらの間のギャップを埋めてもよい。
【0055】
画像形成LCDは、通常前および後の偏光子が垂直に対して時計方向か反時計方向に45度偏光した光を通過させるように設計してある。それで、例えば、前偏光子24を出る光が法線に対して時計方向に45度の方向に偏光していれば、この光は、フィルムラミネート55の細い部分61を通過後法線に対して時計方向に45度に偏光されたままだろう。遅延フィルムの太い部分51を通過するとき、その偏光方向は、90度だけ回転され、それでそれは今度は反時計方向に垂直に対して45度だろう。
【0056】
背面に偏光子のない液晶板15を遅延フィルムストリップ51、61およびもしあればそれらのラミネート55の前に置いてもよい。このLCDの前偏光子24は、その偏光方向を垂直方向か水平方向にして置いてあり、それでこのLCパネルがオフのとき、遅延フィルム51からの光の半分とそれらの間の細い部分61からの光の半分がこの偏光子24を通過する。この議論のために、この前偏光子24の偏光方向は垂直であると仮定する。それで、このLCパネルがオフのとき、両遅延フィルムストリップおよびそれらの間のギャップからの光は、LCパネル15の前の偏光子24を通過し、このLCDの全ての画素が両目にはっきりと且つ均等に見える。LCパネル15をオンにしたとき、それはそれを通過する光の偏光方向を反時計方向に45度だけ回転し、それで遅延フィルムから来る光が今度は垂直から90度に向いて、このLCパネルの偏光子24によって阻止される。細い領域からの光は、今度は垂直方向に、この前偏光子の偏光方向と平行に向いている。それでそれが自由に通過する。観察者は、それでこれらの細い部分だけを通してLCD15の画素が見え、左目画像および右目画像がこのLCD上に要素の互違いの列を使って表示してあれば、前に説明した理由で3D画像が見えるだろう。
【0057】
この構成では、2Dモードと3Dモードで切換えるとき、画像をこのLCDでネガに変える必要がない。
【0058】
再び、この遅延フィルムのストリップは、通常1波フィルムに始めて、図13の平面断面図に示す実施例に対して先に説明したように、半波ストリップを創るために広い部分をエッチング除去して作るだろうから、この遅延フィルとほぼ同じ屈折率であるが遅延特性がないラミネート55の形で追加の層を加えてもよい。この層は、1波ストリップと半波ストリップの間の急斜面および comers からの回折および散乱を防ぐだろう。理想的には、このディスプレイからの周囲光源の反射を抑制するためにこのラミネートの前側に反射防止コーティングも設けてある。
【0059】
この遅延フィルム上の1波ストリップの間隔は、式 p=2/((I/w)−(I−e))に従って選択し、ここで、p はスリットのピッチ、w はこのLC層の水平方向の画素ピッチ、およびe は観察者の両目の平均離隔距離である。典型的には、e に63mmの値を使うが、もしこの装置を子供が見るために使うことになっているなら、典型的には小さい値を使うだろう。この半波ストリップの幅は、典型的には1波ストリップの幅の2倍だろう。何故ならこれが一般的に最良の視覚的結果をもたらすからである。
【0060】
再び、偏光シートを放出性ディスプレイの前に置き、次にディフューザおよび遅延フィルムがこの偏光子の前に続くならば、LCDの代りに放出性ディスプレイを使うことが可能である。
【0061】
一般的に、遅延フィルムが関連する全ての場合、露出した面に内蔵拡散層があると、そのような拡散層が光を散乱してゴーストを生ずることがあるので、そのような拡散層のないLCDの上に前偏光子を置くのが好ましい。そのような拡散層がその前偏光子上にあるLCDを使うならば、この拡散層を不能にするために最初に滑らかなシート材料をこの全部に接着するのが好ましい。標準反射防止シート、例えばOCLIが製造し、容易に接着できるようにするために片側に接着剤層のあるものがこの目的にかなう。しかし、それらは複屈折特性を有して、それらがある方向に向いていなければ、この偏光子を通り抜ける光の偏光を解消することが出来てもよい。この方向は、通常LCDの辺に平行な、元の既製のシートの辺の一つと同じである。
【0062】
2D/3D自動立体ディスプレイのもう一つの実施例を図17および図18に示し、この実施例は、画像形成LCD15の前側(観察者に向いた側)にある偏光ストリップ71のシートを伴う。ここでは、画像形成LCDの前偏光子を除去してこの偏光ストリップ71で置換えてある。この場合、これらの偏光ストリップの間のスリット間隔の式は、P=2/(I/w+1/e)であり、ここで、P はスリットのピッチ、w は画素ピッチ、およびe は観察者の目の離隔距離で、それは成人用に平均約63mmである。これらの偏光ストリップ71の直線偏光方向は、典型的には、画像形成LCD15に出力を掛けないときこの画像形成LCDから conning する光がそれらを自由に通過するように選んである(これを自然ホワイト構成と呼び、今日製造するLCDに典型的である)。
【0063】
ストリップ71の偏光方向も理想的には矢印5’によって示すように45度の角度である。この方向は、非常に多くのLCDに典型的である。第2偏光シート18が観察者に用意してある。このシートは、このLCD組立体と別、または取外し可能であり、それで観察者がそれを適所に組入れ且つ必要に応じてそれを方向転換することが出来る。この別個のシート60を、その偏光方向がLCDのストリップ71の偏光方向と平行であるような向きにLCDの前に置くことによって、光がこれらのストリップおよび偏光子を自由に通過出来るようになる。それで観察者の目に画像形成LCD上の全ての画素から来る光が見えると共に、偏光ストリップが殆ど目に見えない。
【0064】
別個の偏光シート60を保持し、およびそれをその中心を通り且つ長辺に平行な水平線の周りにとんぼ返りにめくることによって、観察者は、それをその偏光方向が偏光ストリップの偏光方向と垂直になる方向に置くことができる。これを図19に示す。それで、別個の偏光子60が今度は偏光ストリップ71を通り抜ける全ての光を阻止し、この様にして観察者に偏光ストリップの間のギャップだけを通して画像形成LCD15の画素が見えるようにする。上に示したスリットピッチの式が与えられたとすると、“観察区域”が出来、観察者はその中に、この技術で知られる一般的原理に従って、画像形成液晶層の偶数または奇数画素列の前に整列するスリットが見える。もし、立体対の左目画像を画素の奇数列におよび右目画像を偶数列に、またはその逆に表示するならば、観察者は、自分の左目がこの左目画像を表示する画素列がこれらのスリットを通して見える観察区域内にあり、且つ自分の右目がこの右目画像を表示する画素列がこれらのスリットの後ろに見える観察区域内に同時に位置するときはいつでも、再びこの技術で知られる一般的原理に従って、立体画像が見えるだろう。
【0065】
この様に、別個の偏光子60をめくることによって、観察者は、両目に画像形成LCD15画素の一つおきの列が見える自動立体結像と、両目にこの画像形成LCDの全ての画素が見える通常の2D観察との間を切換えることが出来る。
【0066】
3Dモードのときは、画像形成LCDの動作をそれが2Dにあるときから再び反転しなければならない。例えば、2Dモードで画素に電圧を掛けないことがその画素を輝点として現すならば、最大電圧を印加するとそれを黒点として現し、何処か中間の電圧はそれを灰色点として現すだろう。3Dモードでは、電圧を掛けない状態がそれをスリットを通して見たとき黒点として現し、一方電圧印加状態はそれを輝点として現し、再び中間電圧がそれを灰色点として現す。この動作の逆転は、各モードで、ネガ像ではなく、正しい像を表示することを保証するために、画像形成LCDの画素を制御するハードウエアかソフトウエアによってもう一度考慮に入れなければならない。
【0067】
可能ではあるが、便利ではないもう一つの構成は、ストリップ偏光子と画像形成LCDの前部の間にギャップを許容することである。例えば、ストリップ偏光子をLCDの前ガラスから少量だけ(典型的には0.15mm以下)離間した剛性基板上に作ってもよい。これらの別個の偏光子が画像形成LCDと偏光ストリップを取付けた基板との間を滑り降りる。再び、それをその偏光方向を偏光ストリップのそれと平行にして一つの向きに置くことによって、最大限の解像度の2D画像を見ることが出来る。それをその偏光方向を偏光ストリップのそれと反対にして滑り込ませることによって、3D画像を見ることが出来る。
【0068】
もう一つに実施例は、取外し可能なとんぼ返り偏光子および画像形成LCDの後側(観察者から離れた側)の偏光ストリップを伴う。この構成を図20および図21に示す。この実施例では、画像形成LCDの後偏光子を除去して偏光ストリップ71のシート70で置換えてある。この場合、これらの偏光ストリップの間のスリット間隔の式は、P=2/(I/w−1/e)であり、ここで、P はスリットのピッチ、w は画素ピッチ、およびe は観察者の目の離隔距離で、それは成人用に平均約63mmである。これらの偏光ストリップ71の直線偏光方向は、典型的には、画像形成LCDに出力を掛けないとき偏光ストリップを出る光がこの画像形成LCDおよび前偏光子81を自由に通過するように選んである(これを自然ホワイト構成と呼び、今日製造するLCDに典型的である)。
【0069】
ストリップ71の偏光方向も理想的には矢印5’によって示すように45度の角度である。第2偏光シート60が観察者に用意してある。このシートは、このLCD組立体と別であり、それで観察者がそれを適所に組入れ且つ必要に応じてそれを方向転換することが出来る。このシートも側面に45度の方向に直線偏光を有するだろう。この別個のシート60をバックライト11とこのLCDの偏光ストリップ71の間に、その偏光方向がLCDのストリップの偏光方向と平行であるような向きにLCDの前に置くことによって、光がこれらのストリップおよび偏光子を自由に通過出来るようになる。それで観察者の目に画像形成LCD上の全ての画素から来る光が見えると共に、偏光ストリップが殆ど目に見えない。
【0070】
偏光シート60を除去し、およびそれをその中心を通り且つ長辺に平行な水平線の周りにとんぼ返りにめくることによって、観察者は、それをバックライト11と偏光ストリップ71の間に、今回はその偏光方向が偏光ストリップの偏光方向と垂直になる方向に置くことができる。それで、偏光ストリップ71が今度は取外し可能な偏光子60を通り抜ける全ての光を阻止するが、このfight は、ストリップ間のギャップを自由に通過する。それで観察者は、この画像形成の一つおきの画素の後ろの光のラインが見える。上に示したスリットピッチの式が与えられたとすると、“観察区域”が出来、観察者はその中に、米国特許第4,717,949号で概説する原理に従って、画像形成液晶層の偶数または奇数画素列の後に整列するスリットが見え、その特許の開示を参考までにここに援用する。もし、立体対の左目画像を画素の奇数列におよび右目画像を偶数列に、またはその逆に表示するならば、観察者は、自分の左目がこの左目画像を表示する画素列がこれらのスリットの前に見える観察区域内にあり、且つ自分の右目がこの右目画像を表示する画素列がこれらのスリットの前に見える観察区域内に同時に位置するときはいつでも、再び米国特許第4,717,949号で記載してある原理に従って、立体画像が見えるだろう。
【0071】
3Dモードのときは、画像形成LCDの動作をそれが2Dにあるときから再び反転しなければならない。例えば、2Dモードで画素に電圧を掛けないことがその画素を輝点として現すならば、最大電圧を印加するとそれを黒点として現し、何処か中間の電圧はそれを灰色点として現すだろう。3Dモードでは、電圧を掛けない状態がそれをスリットを通して見たとき黒点として現し、一方電圧印加状態はそれを輝点として現し、再び中間電圧がそれを灰色点として現す。この動作の逆転は、各モードで、ネガ像ではなく、正しい像を表示することを保証するために、画像形成LCDの画素を制御するハードウエアかソフトウエアによってもう一度考慮に入れなければならない。
【0072】
可能ではあるが、便利ではないもう一つの構成は、ストリップ偏光子71と画像形成LCD15の後部の間にギャップを許容することである。例えば、ストリップ偏光子71をLCDの後ガラス18から少量だけ(典型的には0.15mm以下)離間した剛性基板上に作ってもよい。この別個の偏光子60が画像形成LCDと偏光ストリップ71を取付けた基板70との間を滑り降りる。再び、それをその偏光方向を偏光ストリップのそれと平行にして一つの向きに置くことによって、最大限の解像度の2D画像を見ることが出来る。それをその偏光方向を偏光ストリップのそれと反対にして滑り込ませることによって、3D画像を見ることが出来る。
【0073】
以下は、多くの従来の3Dディスプレイシステムで普通に直面するようにモアレ図形が見えるのを減少し、およびある場合には除去するのに適したホログラフィ・ディフューザ装置を説明する。これらの実施例は、ディメンション・テクノロジー社(DTI、米国ニューヨーク州ロチェスタ市)が提供するような既存の3Dディスプレイは勿論、上に説明したディスプレイの前または後に、遅延フィルムのストリップ、または偏光フィルムのストリップを伴う種々のシステムに適用可能である。一般的に、最初の、最も簡単な装置が、ディスプレイの前に偏光ストリップおよび透明スリットを使用する、上に説明したものの様な、システムで、またはディスプレイの前に遅延フィルムのストリップを伴う、上に説明したシステムで、またはLCDの前に不透明な視差障壁スリットマスクを伴うシステムで最も良く作用する。第2のものは、偏光ストリップ、遅延フィルムのストリップ、および不透明な視差障壁スリットマスクを含む多くの異なる手段のどれか一つによって作ったLCDの後に光のラインを使うシステムで使える変形である。
【0074】
ある場合には、特にディスプレイの前部に偏光ストリップを有する基板を使用する上に説明した実施例に対して、またはディスプレイの前部に光遅延基板を使用する実施例に対して、ディフューザを含むことが望ましいかも知れない。前ストリップ装置に使うように設計したディフューザは、その後ろに見える画素をそれらの間のギャップが消えるまでぼかすことによって機能する。理想的には、このディフューザは、ぼかした画素像内で光を出来るだけ均一に分散すべきであり、しかもこれらの画像を出来るだけはっきりとぼかすべきである。分散が完全に均等で画素間に暗黒ギャップのない完全に鮮明な画像がモアレ線を完全に除去する結果になるだろう。
【0075】
この理想的拡散パターンに最も近いアプローチを、光を水平方向にだけ拡散し、且つこの業界で普通“シルクハット分布パターンと呼ばれ、どの単一点から来る光も輪郭が鮮明な角度に亘って拡がり、且つこの光がその角度に亘って均一に拡がるディフューザによってもたらされる。そのようなディフューザは、ホログラフィまたは回折格子技術を使って容易に作ることができる。しかし、必要な拡散角が非常に小さく、典型的にはI度と2度の間であるという事実に関連する問題にぶつかる。これは、ホログラフィパターンまたは回折構造体がかなり大きい必要があり、実際結局画素ほどの大きさになることがあることを意味する。そのような構造体は、全体のパターンが均一でも、個々の画素からの光を均一にぼかすことは出来ない。これは、画像に“閃光”状効果および望ましくない散乱光を生ずる結果となり、それがゴーストを生ずる。
【0076】
1方向にだけ大きな角度(例えば、10ないし20度)で光を散乱する一方向ディフューザから始め、その方向を垂直に近いがこのディフューザと直角な軸の周りにわずかに傾斜した角度にして、散乱ベクトルの最大成分がこの垂直軸に沿って向くが、この散乱ベクトルの小さな成分はこの水平軸に沿って向くようにすることによって、この問題を避けることが出来る。約+/−20度に亘って光を単一方向に散乱するディフューザで行った実験で、垂直から10度の傾斜角がモアレ図形をほぼ除去するために十分であることが分った。この様に光を水平方向に適当な量だけ拡げる。この拡散角が大きいので、ディフューザ上の構造体は、小さく、更にほぼ水平方向に向くだろう。それで均一で精密に制御した散乱パターンを達成することができる。
【0077】
実用的装置では、これらの画素を垂直方向にわずかに重なるように拡散するが、この重なり量が目に見えないほど小さいので、これは問題を生じない。
【0078】
理想的にはこの種のディフューザをLCDとその前のスリット形成構造体との間に置くべきで、更にこのスリット構造体に出来るだけ近付けて置くべきである。
【0079】
光ラインが画像形成LCDの後ろに位置する場合には、米国特許出願第09/950,440号に記載するような、ストリップの形のディフューザが必要かも知れず、その出願の開示を参考までにここに援用する。この装置では、ディフューザが交互する透明領域のストリップと通過する光を拡散するストリップとを有する扁平基板の形を採らなければならない。この拡散ストリップ層をLCD画素の前に位置するある平面の近くに置かねばならず、更にこのLCDの光ラインおよび画素列と整列しなければならない。
【0080】
これらのスリットを製造するとき、小さい拡散角とその結果の構造体サイズに関して同じ問題にぶつかる。これらの回折構造体は、各々のストリップ内に少数しか嵌らないほど大きくなければならない。これは、各ストリップからの拡散パターンを正確に形成できず、且つまたある光を間違った観察区域に向け、従ってゴーストを生ずる望ましくない次数の回折を生ずる結果になることがあることを意味する。
【0081】
この問題の解決策は、再び光を大きい角度で1方向に拡散し、この方向が垂直から数度傾斜し、その正確な角度が画素境界の幅および拡散角に依る格子またはホログラフィパターンに始めることである。この格子またはホログラフィパターンは、理想的には、エッチング出来る、エポキシまたは薄いプラスチックのような、薄い層に作り、且つ剛性基板に接着する。次に薄い垂直ストリップをこの層に、正確に離間したストリップをエッチング除去し、拡散角が大きくて垂直からある角度傾斜していることを除いて米国特許出願第09/950,440号に示してあるような縞模様のディフューザのパターンを残すことによって作る。
【0082】
上記のどちらかの場合に(LCDの前に偏光若しくは遅延ストリップがあるか、後ろに光ラインがある)、非常に細かいレンズピッチの(画素当りのレンズが多い)レンチキュラ・レンズアレイをホログラフィまたは格子ディフューザの代りに使うことが出来る。そのようなレンズアレイは、普通投影スクリーンおよびその他の用途で光を正確に制御するための一方向ディフューザとして使用する。このレンチキュラ(円筒形)レンズは、縦を水平からわずかに傾けて向き、それが拡散方向を垂直からわずかに傾けるだろう。
【0083】
図25および図26は、この発明のもう一つの実施例を示す。この自動立体ディスプレイ10は、遠側(観察者13から離れてバックライト11の方へ向く側)に偏光シート20、および前側(観察者13に最も近い側)に偏光子として作用するもう一つの偏光シート24を有する画像形成LCD15を使用する。これらの偏光シートに加えて、この液晶ディスプレイは、画像を作るために、行・列に配置した個々の画素のアレイにアドレス指定可能な液晶層16を有する2枚のガラス17、18を含む。図示の実施例では、ディフューザ42が前偏光子24の前に置いてある。このディフューザ42は、自動立体3Dモードで屡々直面するモアレ効果を避けるために、理想的にはこのLCD15の画素を丁度それらの間の黒い境界線が観察者に見えなくなる点までぼかすだろう。このディフューザ42は、水平方向に小さく且つ正確に制御した量の拡散が起るように、垂直からわずかに(例えば、5ないし10度)傾斜した方向に比較的拡散角が大きい、単一ディフューザの形を有してもよい。
【0084】
偏光子が付いていない第2LCD35が画像形成LCD15の前に置いてある。このLCD15は、図26で最も良く分るように、電極101がそのLC層38に隣接して垂直ストリップパターンで置いてある。これらの電極101を作動すると、これらのLC分子が回転、または別様に方向転換若しくは影響され、それでこれらのストリップ101を通り抜ける光の偏光方向が、理想的には90度またはその何倍かだけ回転する。層38の液晶材料は、一般的には電圧を掛けたとき分子を回転させ、この電圧を切ったときでもこれらの分子がこの回転した方向にとどまる性質を有する、強誘電体材料またはその他のLC材料であるべきである。従って、第2LCD35は、組立中に電極ストリップ101の下のLC層38がその“活動”(偏光回転)状態にある場合にこの状態で置いて、出力を掛けずに永久的にこの状態で残してもよい。もし必要なら、このディスプレイを使用している間LC分子が正しい方向に留まっていることを保証するために、このディスプレイがオンになっているときはいつでも、および多分このディスプレイ10を使用している間中周期的に、電圧をこの第2LCD層38に再び短時間掛けることが出来る。
【0085】
これらの液晶ディスプレイとほぼ同じ大きさおよび形状の、第3の取外し可能偏光基板60を、観察者が他の要素の前に置き、または除去してもよい。この取外し可能偏光子60の偏光方向は、一般的にこの取外し可能偏光子60がディスプレイ10の前にその適正方向に置いてあるとき、画像形成LCD15の前の偏光子24の偏光方向と同じだろう。
【0086】
取外し可能偏光基板60がないとき、光は、単純に第2LCD35を通過して観察者の目13に達する。この光の偏光方向は、目への視認性に影響せず、それで観察者は、通常の場合のように、それぞれの目で画像形成LCD15の全ての画素が見える。しかし、取外し可能偏光基板60が然るべき場所にあるとき、それは、広い電極ストリップ101から出る光の偏光方向が90度だけ回転しているので、それを阻止するが、電極101の間の細いストリップ102を出る光は通過させる。その結果、観察者は、このLCDの前に置いたスリット障壁を通して見ているように見える。
【0087】
第2LCD35にある電極101間のストリップ102の間隔は、式 p=2/((I/w)−(I/e))に従って選択し、ここで、p はスリットのピッチ、w は電気的にアドレス指定した液晶ディスプレイ15にあるLC層の水平方向の画素ピッチ、およびe は観察者の両目の平均離隔距離である。先の実施例同様、e には成人の目の平均離隔距離の基づいて典型的な値63mmを使うが、もしこの装置を子供が見るために特に設計してあるなら、小さい値を使うべきだろう。電極101の幅は、典型的にはストリップ102の幅の2倍だろう。
【0088】
然るべき場所に取外し可能偏光子60があるディスプレイを見る観察者は、細いスリット102を通り抜ける光が見え、偏光方向が変った場合、それらの間に広い暗黒領域がある。それで観察者は、不透明ラインおよび細い透明スリットが交互する障壁を通して液晶ディスプレイが見える。上に挙げたスリットピッチの式が与えられたとすると、“観察区域”が出来、観察者はその中に、先に議論した一般原理に従って、第1液晶層16の偶数または奇数画素列の後ろに up の光ラインが見える。もし、立体対の左目画像を画素の奇数列におよび右目画像を偶数列に、またはその逆に表示するならば、観察者は、自分の左目がこの左目画像を表示する画素列の後ろに光ライン見える観察区域内にあり、且つ自分の右目がこの右目画像を表示する画素列の後ろに光ラインが見える観察区域内に同時に位置するときはいつでも、立体画像が見えるだろう。
【0089】
それで取外し可能偏光子60を適所に置きまたはそれを除去することによって、観察者は、両目に第1LC層16画素の一つおきの列が見える自動立体結像と、両目に第1LC層16の全ての画素が見える通常の2D観察との間を切換えることが出来る。この取外し可能偏光子60は、図22、図23または図24を参照して説明した形を有してもよい。
【0090】
偏光シートを前に置き、ディフューザおよび第2LCDおよび取外し可能偏光子をこの偏光シートの前に置くならば、透過性画像形成LCDの代りに放出性ディスプレイを使うことも可能である。
【0091】
偏光シート20、24、およびストリップ102は、従来の偏光子として機能してもよく、即ち、それらが望まない方向に振動している光波の成分を吸収してもよい。しかし、少なくとも最後尾の偏光子の場合には、望まない方向に振動している光の成分を反射する新型の偏光フィルムを使うことが好ましい。この反射した光は、バックライト11に再入し、そこで拡散し、あるものは正しい方向の偏光成分を持って再出現するだろう。それでこのディスプレイの全体的輝度が大きくなる。この種の反射偏光フィルムは、スリーエム社(米国ミネソタ州セントポール市)が製造し、二重輝度向上フィルムと呼ばれている。それは、上に説明したように望まない方向に偏光した光を“リサイクル”する目的で開発され、それで液晶ディスプレイの輝度を増大する。
【0092】
好適実施例を参照してこの発明を説明したが、当業者にはこの発明の範囲から逸脱することなく種々の変更を為すことができ且つその要素を均等物で置換えてもよいことが分るだろう。その上、材料の特定の状況をこの発明の教示に適合させるためにこの発明の範囲から逸脱することなく多くの修正を行ってもよい。従って、この発明は、この発明を実施するために意図した最善の態様として開示した特定の実施例には限定されず、前記請求項の範囲および精神に入る全ての実施例を含むことを意図する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
第1実施例による自動立体ディスプレイの平面図である。
【図2】
図1のディスプレイに使用したスリットによる偏光子の背面図である。
【図3】
第2実施例による自動立体ディスプレイの平面図である。
【図4】
図3のディスプレイに使用したスリットによる偏光子の背面図である。
【図5】
第3実施例による自動立体ディスプレイの平面図である。
【図6】
図5のディスプレイに使用したスリットによる偏光子の背面図である。
【図7】
第4実施例による自動立体ディスプレイの平面図を示す。
【図8】
図7のディスプレイに使用したスリットによる偏光子の背面図である。
【図9】
第5実施例による自動立体ディスプレイの平面図である。
【図10】
第6実施例による自動立体ディスプレイの平面図である。
【図11】
第7実施例による自動立体ディスプレイの平面図である。
【図12】
図11のディスプレイに使用した光遅延基板の正面図である。
【図13】
図12の光遅延基板の断面図である。
【図14】
この発明の別の実施例による光遅延基板の正面図である。
【図15】
図14の光遅延基板の断面図である。
【図16】
電気光学的装置を組込んだ光遅延基板の別の実施例の断面図である。
【図17】
別の実施例による自動立体ディスプレイの平面図である。
【図18】
図17のディスプレイに使用した偏光ストリップを備える基板の正面図である。
【図19】
図17のディスプレイの平面図で、取外し可能偏光子のめくりを示す。
【図20】
取外し可能偏光子を使用する別の実施例の平面図である。
【図21】
取外し可能偏光子を使用する更に別の実施例の平面図である。
【図22】
ヒンジ結合した取外し可能偏光子を備えるディスプレイの側面図である。
【図23】
ローラに設けた取外し可能偏光子を備えるディスプレイの側面図である。
【図24】
画像形成ディスプレイに取外し可能に取付けたケースに装着した偏光子を備えるディスプレイの側面図である。
【図25】
別の実施例による自動立体ディスプレイの平面図である。
【図26】
図25のディスプレイに使用した第2LCDの正面図である。

Claims (38)

  1. 自動立体ディスプレイ装置であって、
    行・列に配置したディスプレイ画素を含む画像形成装置、
    互違いのストリップを含む第1基板にして、前記互違いのストリップが含む第1の光学的性質を有するストリップを含み、該ストリップが異なった第2の光学的性質を有するストリップによって分離され、前記画像形成装置の前または後に光学的に配置してある第1基板、および
    前記画像形成装置の前または後に光学的に配置してある偏光基板を、含む装置。
  2. 請求項1に記載された装置であって:
    前記画像形成装置;
    該画像形成装置の前または後に光学的に配置してある第1偏光基板にして、透明な、非偏光ストリップによって分離された偏光フィルムの互違いのストリップを含む基板;
    前記画像形成装置の前または後に光学的に配置してある第2偏光基板、を含む装置。
  3. 請求項2に記載された装置に於いて、前記画像形成装置が透過性の、電子的にアドレス指定した液晶ディスプレイを含み、該液晶ディスプレイが個々の画素のアレイにアドレス指定可能な液晶層を含み、前記装置が更にバックライト源を含む装置。
  4. 請求項3に記載された装置に於いて、前記互違いのストリップが垂直に配置してある装置。
  5. 請求項4に記載された装置に於いて、前記透明ストリップが式 p=2/((1/w)−(I/e))に従って離間され、ここで、p はスリットのピッチ、w は前記電子的にアドレス指定した液晶ディスプレイにあるLC層の水平方向の画素ピッチ、およびe は観察者の両目の平均離隔距離である装置。
  6. 請求項5に記載された装置に於いて、前記透明ストリップの幅が偏光フィルムのストリップの幅の約約半分である装置。
  7. 請求項4に記載された装置であって、更に、画素構造のない液晶層を含む第2液晶パネルを含み、該第2液晶パネルの全面に亘って電圧を印加することによって前記層の液晶の分子配向を変える装置。
  8. 請求項7に記載された装置であって、
    観察者に向けて配置した前記第2偏光基板、
    該第2偏光基板の後ろに配置した前記画像形成液晶ディスプレイ、
    該画像形成液晶ディスプレイの後ろに配置した前記第1偏光基板、
    該第1偏光基板の後ろに配置した前記第2液晶パネル、
    該第2液晶パネルの後ろに配置した後偏光子、および
    該後偏光子の後ろに配置した前記バックライト源、を含む装置。
  9. 請求項7に記載された装置であって、
    該装置の観察者に向けて配置した前記第2偏光基板、
    該第2偏光基板の後ろに配置した前記画像形成液晶ディスプレイ、
    該画像形成液晶ディスプレイの後ろに配置した後偏光子、
    該後偏光子の後ろに配置した前記第2液晶パネル、
    該第2液晶パネルの後ろに配置した前記第1偏光基板、および
    該第2偏光基板の後ろに配置した前記バックライト源、を含む装置。
  10. 請求項7に記載された装置であって、
    該装置の観察者に向けて配置した前偏光子、
    該前偏光子の後ろに配置した前記第2液晶パネル、
    該第2液晶パネルの後ろに配置した前記第1偏光基板、
    該第1偏光基板の後ろに配置した前記画像形成液晶ディスプレイ、
    該画像形成液晶ディスプレイの後ろに配置した前記第2偏光基板、および
    該第2偏光基板の後ろに配置した前記バックライト源、を含む装置。
  11. 請求項7に記載された装置であって、
    該装置の観察者に向けて配置した前記第1偏光基板、
    該第1偏光基板の後ろに配置した前記第2液晶パネル、
    該第2液晶パネルの後ろに配置した前偏光子、
    該前偏光子の後ろに配置した前記画像形成液晶ディスプレイ、
    該画像形成液晶ディスプレイの後ろに配置した前記第2偏光基板、および
    該第2偏光基板の後ろに配置した前記バックライト源、を含む装置。
  12. 請求項1に記載された装置に於いて、前記画像形成装置が放出性ディスプレイを含み、前記装置が更に、画素構造のない液晶層を含む液晶パネルであって、その全面に亘って電圧を印加することによって前記層の液晶の分子配向を変える液晶パネル、透明な、非偏光ストリップによって分離された偏光フィルムの互違いのストリップを含む第1偏光基板、および第2偏光基板、を含む装置。
  13. 請求項12に記載された装置であって、
    該装置の観察者に向けて配置した前記第1偏光基板、
    該第1偏光基板の後ろに配置した前記液晶パネル、
    該液晶パネルの後ろに配置した前記第2偏光基板、および
    該第2偏光基板の後ろに配置した前記放出性ディスプレイ、を含む装置。
  14. 請求項12に記載された装置であって、
    該装置の観察者に向けて配置した前記第2偏光基板、
    該第2偏光基板の後ろに配置した前記液晶パネル、
    該液晶パネルの後ろに配置した前記第1偏光基板、および
    該第1偏光基板の後ろに配置した前記放出性ディスプレイ、を含む装置。
  15. 請求項2に記載された装置であって、更に、画素構造のない液晶層を含む液晶パネルを含み、前記第2液晶パネルの全面に亘って電圧を印加することによって前記層の液晶の分子配向を変える装置。
  16. 請求項15に記載された装置に於いて、画素構造のない液晶ディスプレイへの電圧の印加および除去によって、自動立体結像と2D観察の間で切換え可能である装置。
  17. 請求項1に記載された装置に於いて、前記第1基板が通過する直線偏光した光の成分を半波長だけ遅らせる第1交互ストリップを含む光遅延基板を含み、前記第1ストリップは、通過する直線偏光した光の成分を1波長だけ遅らせる第2の互違いストリップによって分離されている装置。
  18. 請求項17に記載された装置に於いて、前記画像形成装置が透過性の、電子的にアドレス指定した液晶ディスプレイを含み、この液晶ディスプレイが個々の画素のアレイにアドレス指定可能な液晶層を含み、前記装置が更にバックライト源を含む装置。
  19. 請求項18に記載された装置に於いて、前記互違いのストリップが垂直に配置してある装置。
  20. 請求項の装置に於いて、前記1波長ストリップが式 p=2/((1/w)−(1/e))に従って離間し、これにおいて、p はスリットのピッチ、w は前記電子的にアドレス指定した液晶ディスプレイにあるLC層の水平方向の画素ピッチ、およびe は観察者の両目の平均離隔距離である装置。
  21. 請求項20に記載された装置に於いて、前記1波長ストリップの幅がこ半波長ストリップの幅の約半分である装置。
  22. 請求項17に記載された装置に於いて、前記半波長ストリップがこの基板からこれらの1波長ストリップの間でエッチングしてある装置。
  23. 請求項22に記載された装置に於いて、前記第1基板が更にこれらの半波長および1波長ストリップの上に非遅延ラミネートを含み、該ラミネートがこれらの半波長および1波長ストリップの接合点からの光の回折および散乱を減少する装置。
  24. 請求項17に記載された装置であって、更に可動偏光子を含み、該可動偏光子は、前記画像形成装置の間に光学的に配置される動作位置と、前記画像形成装置に関して光学的に配置されない動作不能位置との間を移動でき、前記可動偏光子がその動作位置にあるときは、観察者に自動立体結像が見え、前記可動偏光子がその動作不能位置にあるときは、観察者に2D結像が見える装置。
  25. 請求項2に記載された装置に於いて、前記第1偏光基板の非偏光ストリップが無色である装置。
  26. 請求項2に記載された装置に於いて、前記第1偏光基板の非偏光ストリップが通過する光を所望の程度に濾過するために着色してある装置。
  27. ディスプレイ装置であって、
    行・列に配置したディスプレイ画素を含む画像形成装置、
    前記画像形成装置の前または後に永久的に配置してある第1偏光基板、および
    前記画像形成装置の前または後に取外し可能に配置してある第2偏光基板、を含む装置。
  28. 請求項27に記載された装置に於いて、前記第2偏光基板が画像形成装置の前または後に光学的にに配置してあり、前記装置の観察者に自動立体結像が見える装置。
  29. 請求項28に記載された装置に於いて、前記第2偏光基板を前記画像形成装置の前または後から除去すると、前記装置の観察者に2D結像が見える装置。
  30. 請求項28に記載された装置に於いて、前記第2偏光基板を前記画像形成装置に関して第2の、逆位置に光学的に配置すると、この装置の観察者に2D結像が見える装置。
  31. 請求項27に記載された装置に於いて、前記第2偏光基板がこの画像形成装置にヒンジ結合してある装置。
  32. 請求項27に記載された装置に於いて、前記第2偏光基板が柔軟で、ローラに装着してある装置。
  33. 請求項27に記載された装置に於いて、前記第2偏光基板が画像形成装置に取外し可能に取付け可能であるよりフレームに装着してある装置。
  34. 請求項27に記載された装置に於いて、前記第1偏光基板が、交互する透明な、非偏光ストリップによって分離された偏光フィルムの交互するストリップを含む装置。
  35. 請求項35に記載された装置に於いて、前記第2偏光基板が前記画像形成装置に関して光学的に配置してあるとき、前記第1偏光基板および第2偏光基板がこの画像形成装置の同じ側に配置してある装置。
  36. 請求項35に記載された装置に於いて、前記画像形成装置が透過性の、電子的にアドレス指定した液晶ディスプレイを含み、該液晶ディスプレイが個々の画素のアレイにアドレス指定可能な液晶層を含み、および前記装置が更にバックライト源を含み、並びに前記装置が更に前記液晶ディスプレイの第1偏光基板と反対側に第3偏光基板を含む装置。
  37. 請求項27に記載された装置であって、前記画像形成装置の前または後に光学的にに配置し光遅延基板を含み、該光遅延基板が通過する直線偏光した光の成分を半波長だけ遅らせる第1互違いストリップを含み、前記第1ストリップは、通過する直線偏光した光の成分を1波長だけ遅らせる第2互違いストリップによって分離されている装置。
  38. 請求項37に記載された装置に於いて、前記第2偏光基板が前記画像形成装置に関して光学的に配置してあるとき、この光遅延基板および第2偏光基板がこの画像形成装置の同じ側に配置してある装置。
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