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JP2004503213A - 1本鎖クラスi主要組織適合性複合体、それをコードする構築物およびそれを生成する方法 - Google Patents

1本鎖クラスi主要組織適合性複合体、それをコードする構築物およびそれを生成する方法 Download PDF

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JP2004503213A JP2001571699A JP2001571699A JP2004503213A JP 2004503213 A JP2004503213 A JP 2004503213A JP 2001571699 A JP2001571699 A JP 2001571699A JP 2001571699 A JP2001571699 A JP 2001571699A JP 2004503213 A JP2004503213 A JP 2004503213A
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Abstract

原核生物発現系で機能的哺乳動物1本鎖MHCクラスI複合体および真核生物または原核生物発現系で機能的ヒト1本鎖MHCクラスI複合体を生成する方法が記載される。これらの複合体は特異的CTLクローンに限定された特異的抗原性ペプチドを提示することができる。

Description

【0001】
発明の技術分野および背景
本発明は原核生物発現系で機能的哺乳動物1本鎖MHCクラスI複合体および真核生物または原核生物発現系で機能的ヒト1本鎖MHCクラスI複合体を生成する方法に関する。これらの複合体はクラスIMHCに制限され、かつ特異的CTLクローンまたはCD+8T細胞により認識され得る特異的抗原性ペプチドを提示することが可能である。本発明はさらに真核生物、または好ましくは原核生物細胞系で機能的哺乳動物1本鎖MHCクラスI−ペプチド複合体を生成する方法、前記1本鎖MHCクラスI複合体をコードする核酸構築物および新規なヒト1本鎖MHCクラスIポリペプチドに関する。
【0002】
主要組織適合性複合体(MHC)は集合的にマウスのH−2およびヒトのHLAと呼ばれる1群の連結遺伝子座によってコードされる抗原の複合体である。MHC抗原の2つの基本的クラス、クラスIおよびクラスIIはそれぞれ、組織型および移植適合性を決定する役割を果たす1連の細胞表面糖タンパク質を包含する。移植反応では、細胞毒性T−細胞(CTL)は外来クラスI糖タンパク質に対して主に反応し、一方、ヘルパーT細胞は外来クラスII糖タンパク質に対して主に反応する。
【0003】
主要組織適合性複合体(MHC)クラスI分子はほとんど全ての細胞の表面上で発現される。これらの分子は、内因性合成タンパク質から主に誘導されるペプチドをαβT−細胞受容体との相互作用によってCD8+T細胞に提示する機能を有する[1−4]。クラスIMHC分子は12kDa軽鎖β−2ミクログロブリンに非共有結合されている46kDa重鎖から構成されるヘテロダイマーである。典型的には、8〜10アミノ酸長であるクラスIMHC−制限ペプチドはMHC分子中の対応する結合ポケットと相互作用する2つまたは3つのアンカー残基によって重鎖α1−α2溝に結合する。β−2ミクログロブリン鎖はMHCクラスI細胞内輸送、ペプチド結合および立体配置安定性において重要な役割を果たす[5]。ほとんどのクラスI分子では、MHCクラスI重鎖、ペプチド(自己または抗原性)およびβ−2ミクログロブリンからなるヘテロダイマーの形成は、生合成成熟および細胞表面発現において要求される[5]。
【0004】
クラスIMHC分子に結合するペプチドについて行われた研究は、潜在的に免疫原性であり、また細胞毒性Tリンパ球(CTL)からの特異的反応を誘発するウイルス性または腫瘍性抗原から誘導されたペプチドのディスプレーにおいて、機能的である特異的MHCモチーフを明らかにすることができる[6,7]。
【0005】
CTLがAIDSおよび癌などの慢性ウイルス性疾患を含む多くの疾患の制御に重要な役割を有するとの認識は、機能的および構造的研究における充分な量の安定なクラスIMHC複合体を生産する大きな必要性につながっている。
【0006】
種々のペプチドに結合された可溶性MHC分子は、疾患関連の免疫反応の研究において、MHC−T細胞受容体(TCR)相互作用の特性化において[6]、構造研究において[4]、およびより最近は抗原−特異的T細胞の直接可視化において[8]、価値ある手段である。これらの分子はまた、インビトロで特異的CTLを活性化し、ならびにその表現型特徴を研究するために使用され得る。
【0007】
近年、ウイルス性および腫瘍性抗原に対する細胞毒性T細胞の誘発におけるインビトロプロトコールを開発しようとする試みにおいて、種々のアプローチが使用されている[9−10]。T細胞を有効に活性化するには、抗原提示細胞の表面上に高密度のMHC−ペプチド複合体が使用されなければならない[7−10]。すなわち、インビトロのT細胞活性化における所望のアプローチは可溶性MHC−ペプチド複合体を使用することであろう。
【0008】
可溶性MHC分子へのTCRの低親和結合性を克服するために、および有効なT細胞活性化をもたらすように、MHC−ペプチド複合体の多量体化が行われなければならない。
【0009】
可溶性MHC多量体はそれらのMHC−ペプチドリガンドとTCRとのマルチポイント結合をもたらすから、これらはT細胞へのより高い結合力を有する。MHC−ペプチド複合体の多量体形(四量体)は、正常ならびに病原性状態でT細胞反応の直接的表現型特性において使用され、それゆえ、病態生理学および種々の疾患のメカニズムへの洞察をもたらすから、近年、多くの関心のまととなっている。
【0010】
しかしながら、このような研究は多量の可溶性および機能的多量体MHC−ペプチド複合体を生産する再生可能な方法を必要とする。すなわち、可溶性であり、かつ、多量に生産され得る組換えMHCクラスIおよびクラスII複合体[11−23]を生産する試みがなされていた。
【0011】
組換え技術を使用する初期の研究は、大腸菌でMHC複合体の重鎖およびβ−2ミクログロブリン成分を別個に発現し、続いて抗原性ペプチドの存在下にインビトロでこれらをリフォールドした[11]。
【0012】
さらに近年、組換えMHC複合体は真核生物発現系で発現され、そして目的のペプチドに続いて結合され得る、安定でかつ機能的なMHC複合体を形成するβ−2ミクログロブリン鎖に共有結合された重鎖を含む1つのポリペプチドの形でこれらから分泌された[12−15,19,21−23]。真核生物細胞中の機能的MHC複合体の発現は、いくつかの固有の制限を受ける。発現されたポリペプチドは機能的MHC複合体を形成するから、これらは発現のために使用される細胞から内因的に誘導されたペプチドに結合し、精製されたMHC複合体はペプチド交換工程、続いて精製に付されなければならない[13]。さらに、これらの1本鎖MHC−ペプチド複合体の生産収率は限定され、典型的には培養上清1リッター当たり、数百ミクログラム程度に達する。
【0013】
本発明は1本鎖MHCクラスIポリペプチドの高濃度細菌発現または1本鎖MHCクラスIポリペプチドとMHCクラスI制限抗原性ペプチドの共発現を使用し、続いてレドックス−シャフリングによるscMHCクラスI−ペプチド複合体のインビトロ再構成および抗原性ペプチドの存在下にリフォールドすることによる、先例のない多量の可溶性で安定かつ機能的なMHC−ペプチド複合体の生産に関する新規なアプローチを提供する。
【0014】
本発明は機能的であって、かつ、それゆえに種々の起源からのCTLクローンまたはCD8+T細胞へMHCクラスI制限抗原性ペプチドを提示する、単量体または好ましくは多量体形のいずれかで使用され得る新規なヒト1本鎖MHCクラスIポリペプチドをさらに提供する。
【0015】
発明の要約
本発明の1つの態様によれば、機能的ヒトMHCクラスI重鎖をコードする第2ポリヌクレオチドの上流に並進して融合されている、機能的ヒトβ−2クログロブリンをコードする第1ポリヌクレオチドを含む第1核酸配列を包含する核酸構築物が提供される。
【0016】
以下に記載される本発明の好ましい実施態様の別な態様によれば、核酸構築物は抗原性ペプチドをコードする第2核酸配列を包含し、抗原性ペプチドはヒトMHCクラスI複合体を結合することができる。
【0017】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、第2ポリヌクレオチドはヒトMHCクラスI重鎖のα1−3ドメインをコードする。
【0018】
本発明の他の態様によれば、(a)(i)機能的哺乳動物β−2ミクログロブリンをコードする第1ポリヌクレオチド;および(ii)機能的哺乳動物MHCクラスI重鎖をコードする第2ポリヌクレオチドを包含する第1核酸配列(ただし、第2ポリヌクレオチドは第1ポリヌクレオチドの下流に並進して融合される);および(b)細菌中で第1核酸配列の発現を指示することができるように選択されているシス作用制御配列を含む核酸構築物が提供される。
【0019】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、シス作用制御配列は細菌由来シス作用制御配列およびファージ由来シス作用制御配列からなる群から選択される。
【0020】
本発明のなお他の態様によれば、本明細書中に記載される核酸構築物のいかなるものも含む形質転換細胞が提供される。細胞はたとえば、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母細胞、および原生動物細胞などの真核生物細胞であるか、あるいは細胞は細菌細胞である。
【0021】
本発明のなおも他の態様によれば、(a)機能的MHCクラスI重鎖をコードする第2ポリヌクレオチドの上流に並進して融合されている、機能的哺乳動物β−2ミクログロブリンをコードする第1ポリヌクレオチドを含む第1発現構築物;および(b)抗原性ペプチドをコードする第3ポリヌクレオチドを含む第2発現構築物で共発現される宿主細胞が提供される。その際、第1、第2および第3ポリヌクレオチドが宿主細胞中で共発現されるとき、MHCクラスI−抗原性ペプチド複合体が形成される。
【0022】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、第1核酸配列は第1および第2ポリヌクレオチドの間に内挿されたリンカーペプチドをコードするインフレームリンカーポリヌクレオチドをさらに含む。
【0023】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、第1核酸配列は結合部分を含むように酵素的に変性され得るペプチドをコードするインフレームタグ配列をさらに含む。
【0024】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、リンカーペプチドは配列番号10に記載されるものである。
【0025】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、核酸構築物は第1核酸配列の発現を制御する第1シス作用制御配列をさらに含む。
【0026】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、核酸構築物は第2核酸配列の発現を制御する第2シス作用制御配列をさらに含む。
【0027】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、シス作用制御配列は細菌宿主内で機能的である。
【0028】
本発明のなお他の態様によれば、機能的ヒトMHCクラスI重鎖に直接または間接に共有結合された機能的ヒトβ−2ミクログロブリンを含むアミノ酸配列を包含する組換えポリペプチドが提供される。
【0029】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、組換えポリペプチドは機能的ヒトβ−2ミクロブロブリンと機能的ヒトMHCクラスI重鎖との間に内挿されているリンカーペプチドをさらに含む。好ましくは、組換えポリペプチドは配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む。
【0030】
本発明のなお他の態様によれば、機能的哺乳動物MHCクラスI重鎖に直接または間接に共有結合された機能的哺乳動物β−2ミクログロブリンを含むアミノ酸配列を含む30重量%以上の組換えポリペプチドを包含する細菌由来の封入体の調製法が提供される。
【0031】
本発明のさらなる態様によれば、(a)細菌内で機能的哺乳動物MHCクラスI重鎖アミノ酸配列に直接または間接に共有結合された機能的哺乳動物β−2ミクログロブリンアミノ酸配列を含む1本鎖MHCクラスIポリペプチドを発現し、そして(b)1本鎖MHCクラスIポリペプドを単離する工程を包含する機能的MHCクラスI分子を生産する方法が提供される。
【0032】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、この方法は(c)1本鎖MHCクラスIポリペプチドに結合することができる抗原性ペプチドの存在下に1本鎖MHCクラスIポリペプチドをリフォールドする工程をさらに含み、それによって、MHCクラスI−抗原性ペプチド複合体を生成する。
【0033】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、この方法は(d)サイズ排除クロマトグラフィーによりMHCクラスI−抗原性ペプチド複合体を単離する工程をさらに包含する。
【0034】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、抗原性ペプチドは細菌内で1本鎖MHCクラスIポリペプチドとともに共発現される。
【0035】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、工程(a)は1本鎖MHCクラスIポリペプチドが細菌内で封入体を形成するように行われる。
【0036】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、抗原性ペプチドおよび1本鎖MHCクラスIポリペプチドは細菌内で封入体を形成する。
【0037】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、ポリペプチドを単離する工程は、(i)封入体からタンパク質分子を放出するように封入体を変性し;そして(ii)タンパク質分子を再生する工程をさらに含む。
【0038】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、タンパク質分子を再生する工程は、1本鎖MHCクラスIポリペプチドを結合することができる抗原性ペプチドの存在下に行われる。
【0039】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、抗原性ペプチドは細菌内で1本鎖MHCクラスIポリペプチドとともに共発現される。
【0040】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、哺乳動物β−2ミクログロブリンアミノ酸配列はヒトβ−2ミクログロブリンアミノ酸配列であり、さらに哺乳動物MHCクラスI重鎖アミノ酸配列はヒトMHCクラスI重鎖アミノ酸配列である。
【0041】
本発明のなおも他の態様によれば、機能的ヒトMHCクラスI重鎖に直接または間接に共有結合された機能的ヒトβ−2ミクログロブリンをそれぞれ含む複数の組換えポリペプチド単量体を包含する多量体MHCクラスI複合体が提供される。
【0042】
記載される好ましい実施態様のなお別な態様によれば、複数の組換えポリペプチド単量体は共通基質に結合される。
【0043】
本発明は、CTLクローンへ抗原性ペプチドを提示する単量体または多量体形で使用され得る多量の純粋な1本鎖MHCクラスIポリペプチドを生成する方法を提供することによって、現在公知の構成の欠点を首尾よく解消する。本発明は、CTLクローンへ抗原性ペプチドを提示する単量体および多量体形の両方で機能的であるヒト1本鎖MHCクラスIポリペプチドを初めて提供することによって、現在公知の構成の欠点をさらに解消する。
【0044】
図面の簡単な説明
本発明は添付する図面を参照して実施例によって本明細書中に記載される。図面を特に詳細に参照して、詳細なことは実施例によって示され、かつ、本発明の好ましい実施態様の説明のみを目的とすることが強調される。そしてこれらは本発明の原理および概念的態様のもっと有用であり、かつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供する。この点では、本発明の基本的理解に必要であるよりも、より詳細に本発明の構造的詳細を示す試みはなされていないが、図面を参照した記載は、いかにして本発明のいくつかの形態が実際に具体化されるかを当業者にはっきりとさせる。
【0045】
図1は細菌発現ベクター中へクローン化された本発明の種々の発現カセットを示す。β2−M−ヒトβ−2ミクログロブリン、HLA−A2−ヒトMHCクラスI重鎖、BirA−ビオチンタンパク質リガーゼ−BirA酵素認識配列を含むペプチドをコードする配列。
【0046】
図2a〜bは、図1の種々の構築物の発現産物の分析を示すSDS−PAGEゲルである。β−2ミクログロブリン、HLA−A2およびscMHCポリペプチドは大腸菌BL21細胞中で発現され、ポリペプチドが不溶性封入体として蓄積した。封入体は精製され、10%ゲル上の還元型SDS−PAGE電気泳動で分析された。β−2−ヒトβ−2ミクログロブリン、HLA−A2−ヒトMHCクラスI重鎖、S.C.β2−A2−ヒトscMHCクラスIおよびS.C.β2−A2−BirAヒトscMHC−BirA。矢印は分子サイズマーカーを示す。全ての場合、発現された組換えポリペプチドは全封入体タンパク質の90%以上を含んでいた。
【0047】
図3a〜cは、リフォールドされた精製1本鎖MHC−ペプチド複合体の分析を示すSDS−PAGEゲルである。scMHC−ペプチド複合体は、実施例の章に記載されるように抗原性ぺプチドの存在下に精製され可溶化された封入体をリフォールドすることによって生成された。リフォールドされた複合体はサイズ排除クロマトグラフィーによってさらに精製され、そして画分は10%ゲル上の非還元型SDS−PAGEによって分析された。G9−209−2M(図3a)およびG9−280−9V(図3b)gp100由来ペプチドと複合されたscMHC、およびG9−280−9Vペプチド(図3c)と複合化されたscMHC−BirAの代表的画分が示される。
【0048】
図4は以下の実施例の章に記載されるように、収集および分析されたリフォールドされた1本鎖MHC−ペプチド複合体のCDスペクトル分析である。
【0049】
図5a〜bは1本鎖MHC−ペプチド複合体の抗体分析を示すグラフである。リフォールドされ、かつ精製されたscMHC−ペプチド複合体への立体配置特異的抗体の結合性は、実施例の章にさらに記載されるように捕捉二重サンドイッチELISA分析によって実施された。抗HLA−A2特異的mAb BB7.2抗体は可溶性scMHC−ペプチド複合体を捕捉するために使用され、完全に蓄積されたHLA−A2を含むペプチドに特異的なビオチン化mAb W6/32は検出のために使用された(図5a)。反応はストレプトアビジン−パーオキシダーゼ共役を使用して行われた。W6/32抗体による1本鎖MHC−BirAペプチド複合体の特異的認識はまた、ストレプトアビジン−被覆磁性ビーズへ固定化されたビオチン化または未ビオチン化複合体において測定された(図5b)。
【0050】
図6a〜cは1本鎖MHC−ペプチド複合体の質量分光分析を示す。scMHC209−複合体はC−8疎水性カラム上のHPLCによって解析され、TFA中のアセトニトリルの一次勾配で抽出された。試料はエレクトロスプレーイオントラップ(ESI)質量分光計(LCQ)中にHPLCカラムから直接にマイクロスプレーされ、ポジティブイオンモードで分析された。図6aは溶出されたペプチドの質量分光分析を示し、図6b〜cはタンパク質の質量推定を示す。
【0051】
図7a〜cは特異的CTLクローンからのIFNgの放出を測定して決定された1本鎖MHC−ペプチドの生物学的活性を示すグラフである。図7aはG9−209−2M特異的CTLクローンR6C12を活性化するマイクロタイタープレート上に被覆された種々のscMHC−ペプチド複合体の性能を示す。同時放出(Spont)は種々の複合体で被覆されなかったウェル中でCTLをインキュベーションして決定された。図7bはCTL活性化のペプチド特異性の役割を示す。G9−209−2Mペプチドと複合されたscMHC四量体は、実施例の章で説明されるようにして生成された。可溶性四量体は209−特異的CTLクローンR6C12またはMart−1−特異的クローンJB2F4とともにインキュベートされた。同時IFNg放出は、未ビオチン化scMHC−ペプチド複合体(四量体形成を支持しない)とともにCTLクローンをインキュベートして決定された。図7cは四量体形成におけるCTL活性化の依存性を示す。209−特異的CTLクローンR6C12は種々のビオチン化または未ビオチン化scMHC−BirA−ペプチド複合体およびストレプトアビジンとともにインキュベートされた。同時放出はBirAタグを含まないscMHC−209複合体とともにCTLをインキュベートして決定された。
【0052】
図8a〜eは、ビオチン化され、そして四量体を形成するscMHC−BirA−209複合体、または四量体を形成することができず、かつ、コントロールの役目を果たすビオチン化されていないscMHC−BirA−209複合体とともにインキュベートされたG9−209−2M−特異的CTLクローンR6C12を含むマイクロタイタープレートウェルの顕微鏡画像である。細胞凝集はペプチド特異的であり、かつ、scMHC−BirA−209四量体の濃度に依存していた(図8b)。四量体の濃度が増加するにつれて、増加された細胞凝集(ロゼット形成)が観察された(図8c〜e)。未ビオチン化scMHC−BirA−209複合体とともにインキュベートされたCTLおよびストレプトアビジンは細胞凝集を示すいかなる形態学的外観も示さなかった(図8a)。
【0053】
図9a〜bは、scMHC−BirA/MART−1PE標識化四量体(図9a)またはscMHC−BirA/TAXPE−標識化四量体(図9b)のいずれかとともにインキュベートされ、そしてFITC−標識化抗CD8抗体で共染色されたMART−1ペプチド27−35に特異的なCTLクローンのFACS分析画像である。高結合力のCTLの特異的染色は、特異的および機能的MART−1ペプチド含有scMHC四量体を使用したときにのみ観察された。
【0054】
図10a〜bはTAXペプチドで免疫化されたHLA−A2トランスジェニックマウスから得られたT細胞の異質集団のFACS画像である。図10aはscMHC−BirA/TAX四量体で染色された非免疫化マウスから得られたT細胞のFACS画像であり、図10bは四量体で染色されたTAX−免疫化マウスから得られたT細胞のFACS画像である。両方の調製物はまた、抗CD8で二重染色された。
【0055】
好ましい実施態様の説明
本発明は原核生物発現系で機能的哺乳動物1本鎖MHCクラスI複合体および真核生物または原核生物発現系で機能的ヒト1本鎖MHCクラスI複合体を生成する方法に関し、これらの複合体は特異的CTLクローンに制限された特異的抗原性ペプチドを提示することが可能である。本発明はさらに、真核生物、または好ましくは原核生物発現系で機能的哺乳動物1本鎖MHCクラスI−ペプチド複合体を生成する方法に関する。本発明はまた前記1本鎖MHCクラスI複合体をコードする核酸構築物および新規なヒト1本鎖MHCクラスIポリペプチドに関する。
【0056】
本発明の原理と操作は添付する図面を参照してより良く理解される。
本発明の少なくとも1つの実施態様を詳細に説明する前に、本発明はその明細書中において以下の記述に示され、または実施例の章に記載された図面に示される、構築の詳細および成分の組み合わせに限定されないことを理解すべきである。本発明は他の実施態様も可能であり、または種々の方法で実行されるか、あるいは実施され得る。また、本明細書中に使用される表現および用語は記述のためであって、限定とみなされるべきでないことが理解される。
【0057】
可溶性クラスIMHC−ペプチド複合体はCTLに関与する免疫反応を特性化し、MHC−TCR相互作用の親和性を測定し、かつ抗原特異的T細胞を可視化するための非常に貴重な試薬である。
【0058】
組換えMHC−ペプチド複合体を生成し、かつ使用する限界の1つは比較的低い生産効率である。本研究のほとんどは、細胞培養培地へscMHCまたは複合化されたMHCのいずれかを発現し、そして分泌するMHC構築物を細胞に形質移入することに基づく生産方法を使用する[12−23]。これらの複合体は、複合体中でディスプレーされる所望ペプチドと続いて交換されなければならない内因的に発現されたタンパク質から得たペプチドを含む[13]。
【0059】
組換えMHC−ペプチド複合体を効率的に生産する別な方法は、大腸菌内で重鎖およびβ−2ミクログロブリンを別個に発現し、続いて抗原性ペプチドの存在下にインビトロでコリフォールドすることによる[8,11]。このような方法は上記された真核生物方法に比べていくつかの利点を示すけれども、それによって生産されたMHC複合体の量および純度は、種々の研究において必要である量及び純度以下になおも低下する。
【0060】
本発明を実施化する間に、大腸菌内で生産された組換え1本鎖(sc)MHC−ペプチド複合体が先例のない大量(例えば、グラム)の高度に精製され、かつ機能的であるMHC−ペプチド複合体、ならびにMHC−ペプチド四量体の生成のための効率的な新規な方法を構成することが明らかになった。
【0061】
大腸菌から生成されたヒトscMHC−ペプチド複合体に続いて、実施例の章にさらに記載されるように、抗原性ペプチドの存在下にインビトロでリフォールドすることによる封入体は高度に純粋で、かつ、機能的である。
【0062】
すなわち、本発明の1つの態様によれば、機能的ヒトMHCクラスI重鎖をコードする第2ポリヌクレオチドの上流に並進して融合された機能的ヒトβ−2ミクログロブリンをコードする第1ポリヌクレオチドを含む第1核酸配列を含む核酸構築物が提供される。
【0063】
本明細書中に使用されるように、1本鎖MHCクラスI複合体のβ−2ミクログロブリンおよび重鎖ポリペプチド領域に関して使用される場合、「機能的」との用語は機能的1本鎖MHCクラスI複合体の構築に寄与することができる(すなわち、複合体化されたとき、CTL特異的抗原性ペプチドへ結合および提示することができる)それぞれの部分を呼ぶ。
【0064】
好ましくは、第1ポリヌクレオチドはβ−2ミクログロブリンポリペプチド全てをコードし、一方、第2ポリヌクレオチドは重鎖のα1−3ドメインをコードする。
【0065】
本明細書中に交換可能に使用される「並進して融合された」および「インフレーム」との成句は、結合されたポリヌクレオチドのコード配列の長さをスパニングする1つの連続オープンリーディングフレームを形成するように共有結合されるポリヌクレオチドを呼ぶ。このようなポリヌクレオチドはスペーサーまたはリンカー領域により直接または好ましくは間接に共有結合され得る。
【0066】
すなわち、本発明の好ましい実施態様によれば、核酸配列はインフレームリンカーポリヌクレオチドをさらに含む。このリンカーポリヌクレオチドはリンカーペプチドをコードし、かつ、第1および第2ポリヌクレオチドの間に内挿される。
【0067】
リンカーペプチドは、第1および第2ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドがその発現後に独立して、かつ自然にフォールドし、したがって、機能的1本鎖(sc)ヒトMHCクラスI複合体の形成を容易にするような本質的に柔軟であるアミノ酸配列から選択される。
【0068】
本発明の他の好ましい実施態様によれば、リンカーペプチドは配列番号10に示される。
【0069】
すなわち、本発明のこの態様の第1核酸配列は、機能的ヒト1本鎖MHCクラスIポリペプチドをコードする。好ましくは、第1核酸配列は配列番号4に示される。
【0070】
本発明の他の好ましい態様によれば、第1核酸配列は結合部分を含むように酵素的に変性され得るペプチドをコードするインフレームタグ配列(配列番号20に記載されるものなど)をさらに含む。以下の実施例の章にさらに記載されるように、例えば、ビオチンである結合部分は、scMHCクラスIポリペプチドの共通付着部分として作用するアビジンまたはストレプトアビジンなどのリガンドを提供することによって、複数のscMHCクラスIポリペプチドを多量体中に構築するために本発明で使用され得る。MHCクラスI多量体は、以下の実施例の章にさらに記載されるペプチド仲介CTL活性化において特に有利である。
【0071】
本発明の他の好ましい実施態様によれば、核酸構築物は第1シス作用制御配列をさらに含む。シス作用制御配列は、宿主細胞中に導入されたとき、核酸配列の発現を容易にするためにその全てが作用するプロモーター配列およびさらなる転写または翻訳エンハンサー配列を含むことができる。プロモーターの特別な例は、以下の種々の真核生物および原核生物発現系の項およびそれに続く実施例の章に記載される。
【0072】
すなわち、本発明のこの態様の核酸構築物は、宿主細胞中で機能的ヒトβ−2ミクログロブリンおよび機能的ヒトMHCクラスI重鎖およびそれらの間に内挿されたリンカーペプチドを含む組換えヒト1本鎖MHCクラスIポリペプチドを発現することができる。好ましくは、発現可能な組換えポリペプチドは配列番号5に示される。
【0073】
本発明の他の好ましい実施態様によれば、核酸構築物はまた、抗原性ペプチドをコードする第2核酸配列を含む。抗原性ペプチドはヒトMHCクラスI複合体を結合できるように選択される。以下の実施例の章にさらに記載されるように、種々のCTL特異的抗原性ペプチドは、癌細胞由来抗原性ペプチド、ウイルス由来抗原性ペプチドなどを含む第2核酸配列によってコードされ得るが、これらに限定されない。
【0074】
本発明の他の好ましい実施態様によれば、核酸構築物は宿主細胞中に導入されたとき、第2核酸配列を発現することに作用する第2シス作用制御配列を含む。
【0075】
1本鎖シス作用制御配列は、第1および第2核酸配列を含む1つの転写物の転写を指示する核酸構築物によって使用され得ることが理解されるであろう。このような場合、内部リボソーム侵入部位(IRES)が内部に位置する核酸配列の翻訳を可能とするように利用され得る。
【0076】
1つの核酸構築物からscMHCクラスIポリペプチドおよび抗原性ペプチドを共発現することは、宿主細胞を形質転換するとき有利であるけれども、2つの核酸配列は1つの細胞を共形質転換するために使用され得る2つの別個の核酸構築物に二者択一的に含まれ得る。
【0077】
いずれの場合にも、核酸構築物はscMHCクラスI−ペプチド複合体の効率的な構築を可能とするように、scMHCクラスIポリペプチドおよびその結合ペプチドの両方の発現程度が化学量論的に正しい(scMHCクラスIポリペプチドに対するペプチド比1:1が好ましい)ように配置されなければならないことが理解されるであろう。
【0078】
好ましくは、本発明の核酸構築物によって使用されるプロモーターは、宿主細胞形質転換に続いて高濃度発現が第1および第2核酸配列において達成されるような強い構成的プロモーターである。
【0079】
高濃度発現もまた、コピー数の多い核酸構築物で宿主細胞を形質転換するか、または得られた転写物を安定化するシス作用配列を使用することによって行われ、そして、このような転写物の分解または「代謝回転(turn−over)」を減少することが理解されるであろう。
【0080】
本発明の他の態様によれば、上記された核酸構築物を含む形質転換宿主細胞が提供される。
【0081】
本明細書で使用されるように、「形質転換細胞」との成句は、外来性核酸配列が導入されて、それによって安定にまたは過渡的に宿主細胞を遺伝的に変性する細胞をいう。これは、そのいくつかが宿主細胞の特別な実施例の項に以下に詳細に記載される、当該技術分野で周知である種々の方法を使用して、天然または人工的条件下に生じる。
【0082】
形質転換宿主細胞は例えば、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母細胞および原生動物細胞などの真核生物細胞であり、またはこの細胞は細菌細胞である。
【0083】
真核生物宿主細胞発現を使用する場合、本発明の核酸構築物は大腸菌内(構築物が適当な選択マーカーおよび複製オリジンを有する)で増殖でき、かつ、真核生物宿主細胞内の発現において適合性を有するシャトルベクターである。本発明の核酸構築物は例えばプラスミド、バクミド(bacmid)、ファージミド(phagemid)、コスミド、ファージ、ウイルスまたは人工染色体である。
【0084】
本発明の他の好ましい実施態様によれば、宿主細胞は例えば哺乳動物細胞培養物の哺乳動物細胞である。好適な哺乳動物発現系としては、Invitrogenから入手可能であるpcDNA3、pcDNA3.1(+/−)、pZeoSV2(+/−)、pSecTag2、pDisplay、pEF/myc/cyto、pCMV/myc/cyto、pCR3.1、Promegaから入手可能であるpCI、Stratageneから入手可能であるpBK−RSVおよびpBK−CMV、Clontechから入手可能であるpTRES、およびこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
昆虫細胞培養物もまた、本発明の核酸配列を発現するために使用され得る。好適な昆虫発現系としては、Invitrogen(maxBacTM)、Clontech(BacPakTM)、またはGibco(Bac−to−BacTM)などの数多くの供給者から市場で入手可能であるバキュロウイルス発現系およびその誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
本発明の核酸配列の発現はまた植物細胞中でも行われ得る。本明細書中で使用されるように、「植物細胞」との成句は、植物原形質体、植物組織培養物の細胞、植物由来組織の細胞、または全植物の細胞を呼ぶことができる。
【0087】
植物細胞中へ核酸構築物を導入する種々の方法が存在する。このような方法は植物細胞のゲノム中への核酸構築物またはその部分の安定な組み込み、またはこれらの配列が植物細胞のゲノム中に安定して組み込まれない場合の核酸構築物の過渡的発現のいずれかに依拠する。
【0088】
植物細胞ゲノム中へ本発明の核酸構築物内に含まれるものなど、外来性核酸配列の安定なゲノム組み込みを行う2つの基本的な方法が存在する。
【0089】
(i)アグロバクテリウム(Agrobacterium)仲介遺伝子伝達:
【外1】
Figure 2004503213
【0090】
(ii) 直接DNA取り込み:
【外2】
Figure 2004503213
Figure 2004503213
【0091】
アグロバクテリウム系は植物ゲノムDNA中に組み込む所定DNAセグメントを含むプラスミドベクターの使用を含む。植物組織の播種方法は、植物種およびアグロバクテリウム輸送系によって異なる。広く使用される方法はリーフディスク方法である。例えば、Horschら、「植物分子生物学マニュアルA5」、Kluwer Academic Publishers, Dordrecht(1988), 1−9頁参照。補充方法はアグロバクテリウム輸送系を真空浸潤と組み合わせて使用する。アグロバクテリウム系は安定に形質転換された双子葉植物の創生において実行可能である。
【0092】
植物細胞中への直接DNA移送には種々の方法が存在する。電気穿孔法では、原形質体が強い電場に短く暴露される。微量注入法では、DNAが非常に小さなマイクロピペットを使用して細胞中に直接、機械的に注入される。微粒子投射法では、DNAが硫酸マグネシウム結晶、タングステン粒子または金粒子などの微投射物上に吸収され、そして、この微投射物が物理的に細胞または植物組織中へ加速される。直接DNA移送はまた、過渡的に植物細胞を形質転換するために使用され得る。
【0093】
いかなる場合にも、第1および第2核酸配列の植物細胞発現において使用され得る好適な植物プロモーターとしては、CaMV35Sプロモーター、ユビキノンプロモーター、および構成的または組織特異的方法で核酸配列を発現できる他の強いプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
植物ウイルスもまた、形質転換ベクターとして使用され得る。植物細胞宿主の形質転換に有用であることが示されているウイルスとしては、CaV、TMVおよびBVが挙げられる。植物ウイルスを使用する植物の形質転換は、米国特許第4855237号(BGV)、EP−A67553(TMV)、特開昭63−14693号(TMV)、EPA194809(BV)、EPA278667(BV);およびGluzman,Yら、Communications in Molecular Biology: Viral Vectors, Cold Spring Harbor Laboratory, New York,172−189 頁(1988)に記載される。植物を含む多くの宿主で外来性DNAを発現するために使用する偽ウイルス粒子は、WO87/06261に記載される。
【0095】
非ウイルス性外因性核酸配列の植物への導入および発現のための植物RNAウイルスの構築は、上記参考文献ならびにDawson, W.O.ら、Virology(1989) 172:285−292; Takamatsuら、EMBO J. (1987) 6:307−311; Frenchら、Science (1986) 231:1294−1297;およびTakamatsuら、FEBS Letters(1990) 269:73−76に示されている。
【0096】
ウイルスがDNAウイルスである場合、構築はウイルス自体へ行われ得る。または、上記された核酸配列を使用して所望ウイルスベクターを容易に構築するには、ウイルスはまず、細菌プラスミド中へクローン化され得る。次いで、ウイルスはプラスミドから切除される。もしもウイルスがDNAウイルスであるなら、細菌の複製起点がウイルス性DNAに付着され、次いで、これが細菌によって複製される。このDNAの転写および翻訳はウイルス性DNAをキャプシド形成するコートタンパク質を生産するであろう。もしもウイルスがRNAウイルスであるなら、ウイルスはcDNAとして一般的にクローン化され、プラスミド中へ挿入される。次いで、プラスミドは構築の全てを行うために使用される。RNAウイルスは次いでプラスミドのウイルス性配列を転写し、そしてウイルスRNAをキャプシド形成するコートタンパク質を生産するウイルス遺伝子を翻訳することによって生産される。
【0097】
本発明の構築物に含まれるような非ウイルス性外因性核酸配列の植物中への導入および発現のための植物RNAウイルスの構築は、上記参考文献ならびに米国特許第5316931号に示されている。
【0098】
酵母細胞もまた本発明で宿主細胞として使用され得る。酵母中で本発明の核酸配列の発現に適した酵母発現ベクターの多くの例は当該技術分野で公知である。このようなベクターは通常、当該技術分野で周知である化学的または電気穿孔形質転換法によって酵母宿主細胞中に導入される。市場で入手可能な系としては、例えば、pYESTM(Invitrogen)またはYEXTM(Clontech)発現系が挙げられる。
【0099】
核酸構築物が上記されたような真核生物発現系で発現される場合、これは好ましくはシグナルペプチドコード配列を含み、そのため、第1および第2核酸配列から生産されたポリペプチドは付属されるシグナルぺプチドを経て分泌経路中に向けられることが理解されるであろう。例えば、哺乳動物、昆虫および酵母宿主細胞では、発現されたポリペプチドは成長培地へ分泌され、一方、植物発現系では、ポリペプチドがアポプラスト中に分泌されるか、または亜細胞オルガネラ中に向けられ得る。
【0100】
本発明の目下、好ましい実施態様によれば、宿主細胞は例えば大腸菌などの細菌細胞である。細菌宿主は、例えば化学的形質転換法(例えば、CaCl)または電気穿孔法を含む当該技術分野で周知である形質転換方法によって核酸配列で形質転換され得る。
【0101】
本発明の核酸配列を発現するために使用され得る細菌発現系の多くの例は当該技術分野で公知である。市場で入手可能な細菌発現系としては、pETTM発現系(Novagen)、pSETM発現系(Invitrogen)またはpGEXTM発現系(Amersham)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
以下の実施例の章でさらに記載されるように、細菌発現は発現されたポリペプチドが発現されたポリペプチドの回収および精製を容易に受け入れる(amenable)実質的に純粋な封入体を形成するから、特に有利である。
【0103】
すなわち、本発明のなお他の態様によれば、30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは75重量%以上、もっとも好ましくは90重量%以上の本発明の組換えヒトscMHCクラスIポリペプチドから構成される細菌由来封入体の調製法が提供される。このような封入体の単離およびこれから得たscMHCクラスIポリペプチドの精製は、以下の実施例の章に詳細に記載される。
【0104】
実施例の章に示されるように、scMHCクラスIポリペプチドの細菌発現は多量の純粋で、かつ機能的なscMHCクラスIポリペプチドをもたらすことができる。このように、本発明の方法はまた、真核生物発現系のみに限られた成功でもって今日までに発現されている哺乳動物scMHCクラスIポリペプチドを細菌内にて発現するために適用され得る。
【0105】
すなわち、本発明の他の態様によれば、機能的哺乳動物β−2ミクログロブリンをコードする第1ポリヌクレオチドを含む核酸配列を含む核酸構築物が提供される。核酸構築物は第1ポリヌクレオチドの下流に並進して融合される機能的哺乳動物MHCクラスI重鎖をコードする第2ポリヌクレオチドをさらに含む。本発明のこの態様による核酸構築物は、細菌内で核酸配列の発現を指示することができるシス作用制御配列をさらに含む。本発明のこの態様の核酸配列を発現するために使用され得る好適なプロモーターおよび細菌発現系は、上述される。
【0106】
本発明のこの態様による核酸配列は、マウス、ラット、ブタおよびウサギなどの哺乳動物のMHCクラスIコード配列から誘導されるか、または合成され得る。
【0107】
ヒトscMHCクラスI構築物について上文に記載された種々の実施態様、すなわち本発明のこの態様の哺乳動物scMHCクラスI核酸構築物の細菌発現に適用し、かつ有用である実施態様もまた、本明細書中に導入されることが理解されるであろう。
【0108】
すなわち、本発明は、真核生物または好ましくは細菌発現系でそのペプチドを好ましくは結合するとともに、scMHCクラスIポリヌクレオチドペプチドを発現するために使用され得る種々の発現構築物を提供する。
【0109】
本発明のさらなる態様によれば、機能的MHCクラスI分子を生産する方法が提供される。本発明のこの態様による方法は、機能的哺乳動物MHCクラスI重鎖アミノ酸配列に直接または間接に共有結合された機能的哺乳動物β−2ミクログロブリンアミノ酸配列を含む1本鎖MHCクラスIポリペプチドを細菌内で発現するために記載された核酸構築物のいずれをも使用する。
【0110】
発現後、1本鎖MHCクラスIポリペプチドは単離され、かつ、以下に説明するように精製される。
以下の実施例の章にさらに記載されるように、発現されたポリペプチドは当該技術分野で周知である分画技術によって容易に単離され、かつ、例えば変性−再生工程により精製される純粋な封入体を実質的に形成する。
【0111】
好ましくは、1本鎖MHCクラスIポリペプチドは1本鎖MHCクラスIポリペプチドを結合することができる抗原性ペプチドの存在下に再生され、そしてリフォールドされる。実施例の章にさらに記載されるように、これはサイズ排除クロマトグラフィーによりさらに精製され得る実質的に純粋なMHCクラスI−抗原性ペプチド複合体を生成することができる。
【0112】
リフォールディングに使用される抗原性ペプチドは細菌内で1本鎖MHCクラスIポリペプチドとともに共発現され得ることが理解されるであろう。このような場合、発現されたポリペプチドおよびペプチドは、MHCクラスI−抗原性ペプチド複合体形成において単離され、そして使用され得る封入体を共形成する。
【0113】
本発明のさらなる目的、利点および新規な態様は、以下の実施例の試験時に当業者に明らかになるであろう。これらは限定されることを意図されていない。さらに、上記文に描写され、かつ請求項の章に記載される本発明の種々の実施態様および態様のそれぞれは、以下の実施例中に実験的支持を見出す。
【0114】
実施例
上記記載とともに非限定的方法にて本発明を説明する下記実施例が参照される。
【0115】
一般的には、本明細書中に使用される命名法および本発明に使用される実験手法は、分子的、生化学的、微生物学的および組換えDNA技術を含む。このような技術は文献に充分に説明されている。例えば、
【外3】
Figure 2004503213
これらの全ては、本明細書中に完全に示されるように参考として導入される。他の一般的な参考文献はこの資料中に提供される。その中の手順は、当技術分野で周知であると考えられ、読者の便宜のために提供される。その中に含まれる情報の全ては参考として本明細書中に導入される。
【0116】
実施例1
材料と方法
ペプチド:
メラノーマ抗原gp100[24−26]由来の癌細胞関連ペプチドG9−209−2M(IMDQVPFSV、配列番号1)およびG9−280−9V(YLEPGPVTV、配列番号2)の両方は、MHC結合のために使用された。これらのペプチドはMHCアンカー位2(G9−209−2M)および9(G9−280−9V)で変性されて、HLA−A2[26]の結合親和性を改良する。TAX11−19HTLV−1ペプチド(LLFGYPVYV、配列番号3)はコントロールとして使用された[53]。
【0117】
ペプチドは標準フルオレニルメトキシカルボニル化学によって合成され、逆相HPLCによって95%以上まで精製された。精製後、これらのペプチドは1本鎖MHC(scMHC)−ペプチド複合体のリフォールディングおよび以下にさらに記載されるscMHC−ペプチドの形成に使用された。
【0118】
プラスミド構築物:
HLA−A2の最初の3つの細胞外ドメイン(HLA−A0201、アミノ酸1〜275、配列番号6)を含む1本鎖(sc)MHCポリペプチド(配列番号5)およびヒトβ2−ミクログロブリンポリペプチド(配列番号7)をコードするcDNA構築物(配列番号4)が、ヒトT−B細胞ハイブリッドT2セルライン[27]から誘導されたα1−3およびβ−2ミクログロブリンcDNAから組み立てられた。ヒトβ−2ミクログロブリンはb2M−5、
【外4】
Figure 2004503213
(配列番号8)およびb2M−3、
【外5】
Figure 2004503213
(配列番号9)を使用してPCR増幅され、15残基フレキシブルリンカー(Gly−Ser4)(配列番号10)により、A2−5、
【外6】
Figure 2004503213
(配列番号11)およびA2−3、
【外7】
Figure 2004503213
(配列番号12)プライマーを使用して、PCR増幅されたHLA−A2重鎖のN−末端に連結された。両鎖のcDNAは、β−2ミクログロブリンの3’−末端がHLA−A2遺伝子の5’−末端に結合された2工程PCR重複伸長反応に使用された。
【0119】
2工程PCR重複伸長反応を実施するには、リンカー配列の3分の2がPCRプライマーb2M−L5、
【外8】
Figure 2004503213
(配列番号13)およびb2M−L3、
【外9】
Figure 2004503213
(配列番号14)を使用して、β−2ミクログロブリン配列中へ導入され、一方、PCRプライマーA2−L5、
【外10】
Figure 2004503213
(配列番号15)およびA2−L3、
【外11】
Figure 2004503213
(配列番号16)がHLA−A2のために使用された。
【0120】
増幅後、β−2ミクログロブリンおよびHLA−A2PCR産物が1:1の比にて結合され、反応はb2M−L5およびA2−L3プライマーを使用してPCR増幅された。PCR産物は精製され、pET系発現ベクター中へサブクローン化された。
【0121】
上記されたHLA−A2およびβ−2ミクログロブリンコード配列はまた、独立した発現として、pET21で別個にクローン化された。
scMHC−BirAコード配列は、短いリンカー(QSTRGGASGGG、配列番号18)によりHLA−A2のN−末端に連結された部位特異的ビオチン化のためのペプチド配列(LGGIFEAMMELRD、配列番号17、下線部はビオチン化されたリジン残基)を含んでいた。
【0122】
scMHC−BirAコード配列は、B2M−BirA−3、
【外12】
Figure 2004503213
(配列番号19)および上記されたb2M−L5プライマーを使用してPCR増幅された。BirA認識配列(配列番号20)を含む得られたPCR産物は図1に示されるように精製され、消化されそして細菌発現ベクター中にサブクローン化された。
【0123】
scMHC−ペプチド複合体の発現、リフォールディングおよび精製:
HLA−A2、β−2ミクログロブリン、およびpET21中にサブクローンされたscMHC構築物はIPTG誘発下に発現され、BL−21DE3細胞中に細胞内封入体を形成した。封入体は誘発されたBL21細胞から単離され、精製され、そして6MグアニジンHCl、pH7.4中に可溶化された。65mM DTEで還元された後、封入体はgp100または上記されたHTLV−1ウイルス性ペプチド[26,52]から誘導された5〜10モル過剰量の抗原性ペプチドの存在下に、レドックス−シャフリング緩衝液系(0.1Mトリス、0.5Mアルギニン、0.09mM酸化グルタチオン、pH8.0)中でリフォールドされた。リフォールディング後、タンパク質は10Kカットオフカセットを使用するミニセットシステム(Filtron, Northborough, MA)によって透析され、濃縮された。可溶性scMHC−ペプチド複合体は、溶出緩衝液としてPBSを使用して、TSK3000カラム(TOSOHAAS, Montgomeryville, PA)上でサイズ排除クロマトグラフィーにより精製された。
【0124】
組換えscMHC−ペプチド複合体および四量体scMHC−ペプチド複合体のビオチン化
上記されたようにして発現されたs.c−b2−A2−BirA(scMHC−BirA)構築物はペプチド209または280の存在下にリフォールドされ、そして、TSK3000カラム(溶出緩衝液、10mMトリス−HCl、pH8.0)上でサイズ排除クロマトグラフィーにて精製された。scMHC−ペプチド−BirA複合体はセントリコン30(Amicon)によって20〜30mM(1〜1.5mg/ml)まで濃縮され、次いで、ビオチンタンパク質リガーゼ−BirA酵素(AVIDITY)を使用して、25℃で16時間、酵素的ビオチン化に付された。緩衝液の交換およびビオチン化された複合体からの過剰ビオチンの除去は、セントリコン30限外濾過を使用して実施された。ビオチン化scMHC−ペプチド複合体の四量体アレーは、ストレプトアビジン(Sigma, St. Louis, MO)をscMHC−ペプチド複合体:ストレプトアビジンがそれぞれ、4:1のモル比にて、添加して形成された。
【0125】
ELISA分析:
マキシソーブ免疫プレート(Nalge Nunc, Naperville, IL)は、1mg/ml抗−HLAモノクローナル抗体BB7.2(ATCC HB82)でもって、4℃で一夜、被覆され、そして3%BSAを含むPBSを使用してブロックされた。ビオチン化抗−HLA W6/32モノクローナル抗体(ATCC HB95)は、ストレプトアビジン−パーオキシダーゼ共役によるHLA複合体の検出のために使用された。
【0126】
さらに、ビオチン化または未ビオチン化scMHC−BirA−ペプチド複合体は、洗浄されたMagnaBindTMストレプトアビジンビーズ(PIERCE)とともに室温で30分間、インキュベートされた。外部磁場を使用して、ビーズに結合されたビオチン化複合体を未結合物質から分離した。上清は結合された試料から別に分離され、ビーズは室温で30分間、2%MPBS(PBS+2%半脱脂乳粉末)でブロックされた。ビオチン化複合体は続いて、構造依存性抗体W6/32を使用して分析され、抗−マウスIgG−パーオキシダーゼを使用して検出された。
【0127】
円偏光二色性スペクトル:
scMHC−ペプチド複合体の円偏光二色性スペクトルは、感度0.5mdeg/cmおよびスキャン速度10mm/分に調整された分光偏光計(JASCO500)により室温で測定された。スキャンはタンパク質濃度0.27mg/mlで195〜275nmにて実施された。二次構造計算は、公表されたプログラム[29]を使用して測定された。
【0128】
scMHC−ペプチド複合体の質量スペクトル分析:
scMHC−ペプチド複合体は、2.1×30mmC−8カラム(AQUAPORE RP−300, Applied Biosystems)上でHPLCにより解像され、そして0.05TFA中の15〜65%アセトニトリル(ACN)の一次勾配を使用し、1.25%/分で、かつ、流速150ml/分で溶出された。試料はエレクトロスプレー(ESI)イオントラップ質量分析計(LCQ, Finnigan)中にHPLCカラムから直接にマイクロスプレーされ、陽イオンモードで分析された。タンパク質の質量推定は、質量対電荷比率に対する相対量であるESI質量スペクトルスポットを、質量に対する相対量のスポット中に移動する、逆重畳積分アルゴリズムを使用してなされた。1つの試料成分に対応する取得された質量スペクトルの多電荷イオンピークの各配列は、逆重畳積分されたスペクトルの分子質量Mに位置された1つのピーク中に変換される。
【0129】
CTLクローンおよびCTL刺激分析:
メラノーマペプチドに特異的なCTLクローンは、Dr.Steven RosenbergおよびDr.Mark Dudley(Surgery Branch, National Cancer Institute, NIH)から提供された。これらのCTLクローンは、ペプチド免疫化を受けた患者から取得されたPBMCの大量培養からクローン化して生成された[24]。CTLは、続いて50CU/mlのIL−2の存在下に、照射されたPBMCおよびOKT3抗体(30ng/ml)を使用して増大された。
【0130】
CTLクローン(1×10/ウェル)は、組織培養培地中で洗浄され、そして、組織培養培地中で、37℃で24時間、種々の濃度のscMHC−ペプチド四量体とともに、2倍または3倍にインキュベートされた。また、scMHC−ペプチド複合体は4℃で一夜、マキソーブ免疫プレート上に固定化され、培養培地中のCTLクローンは続いてウェルに添加され、37℃で24時間、インキュベートされた。インキュベーション後、上清は遠心分離によって収集され、そして培養上清中に存在するIL−2およびIFNgは、二重サンドイッチ抗体−捕捉酵素免疫分析(Flexia, BIOSOURCE, Camarillo, CA)を使用して分析された。培養上清中のIL−2およびINFγの濃度は、組換えヒトIL−2およびINFγの較正曲線をもとに測定された。
【0131】
実験結果
組換え1本鎖MHC−ペプチド複合体の発現、リフォールディングおよび精製:
可溶性1本鎖MHC−ペプチド複合体を生産するために、発現がファージT7プロモーターによって駆動されるpET系発現ベクター中に1本鎖MHCをコードする遺伝子をサブクローン化した。
【0132】
本研究に使用されたプラスミド構築物は、図1に説明される。大腸菌BL21細胞中でのscMHC遺伝子の発現は非常に効率的であり、組換えタンパク質は不溶性細胞内封入体として蓄積した。1本鎖MHCは可溶化された全細胞(図示されない)、ならびに単離され精製された封入体(図2a)のSDS−PAGE上で主要なバンドとして検出された。scMHCタンパク質の発現は別個の成分、すなわち膜貫通HLA−A2重鎖およびβ−2ミクログロブリンの発現と比較され得た(図2a)。scMHC−BirAタンパク質においても極めて効率的な発現が得られた(図2b)。精製された封入体は80〜90%の組換えscMHCを含んでいた。封入体は精製され、6MグアニジンHCl中で可溶化され、そして抗原性ペプチドの存在下にインビトロのレドックス−シャフリング緩衝液系によってリフォールドされた。3種の異なったペプチドがscMHC分子のリフォールディングのために使用された。2種のペプチド(G9−209−2MおよびG9−280−2V)はメラノーマ共通抗原gp100から誘導された腫瘍関連抗原であり[26]、1種はHTLV−1(TAX)から誘導されたウイルス性ペプチドである[53]。これらのペプチドは制限されたHLA−A2であると先に示されていた[26,53]。
【0133】
リフォールドされた複合体は透析され、そして濃縮された後、TSK3000カラム上でサイズ排除クロマトグラフィーを使用して精製された。リフォールドされた精製scMHC−ペプチド複合体の非還元条件下でのSDS−PAGE分析は、1セットの分子量マーカーに対する相対的遊走にしたがって計算して見かけ分子量45kDaであるscMHC分子に対応する均一な1つのバンドとして遊走した分子の同質単量体集団を明らかにした(図3a〜b)。図3a〜bに示されるように、精製された同質scMHC−ペプチド複合体は試験された3種のペプチド全てで得られた。scMHCはペプチドの不在下にリフォールドされた場合、高度に凝集されたタンパク質が観察された。これはサイズ排除クロマトグラフィーおよびSDS−PAGEにより分析されるように分子の異質集合体から構成されていた;これは不適切にフォールドされた分子の不安定な集団の存在を示す(データは示されない)。すなわち、単量体の均一な集団がペプチド誘発されたリフォールディング調製物中にのみ見い出され得た。リフォールドされたscMHC−ペプチド複合体は−70℃で貯蔵され、そして解凍時に再使用された。リフォールドされた精製1本鎖MHC複合体の収率は20〜25%であり、すなわち、20〜25mgの精製可溶性複合体が100mgのリフォールドされた封入体タンパク質から得られた。
【0134】
同様な結果は、scMHC−BirA−ペプチド複合体で得られた。これは部位特異的ビオチン化のためのHLA−A2のC−末端にタグ配列を含む(図3c)。見かけ分子量48kDaがこの分子について観察された。これはBirAペプチドタグとこれをHLA−A2に結合するリンカーを添加して予測されるscMHC分子の大きさにおける増加を反映する。
【0135】
従って、3つの結果は、scMHC−ペプチド複合体が抗原性ペプチドの存在下に大腸菌封入体のリフォールディングによってインビトロで生産され得ることを示す。リフォールディング方法は効率的であり、そして、複合体の同質集団が高収率および純度でもって得られうる。
【0136】
1本鎖MHC−ペプチド複合体の生化学的および生物物理的特性化:
図3a〜cに示されるように、scMHCペプチド複合体はSDS−PAGEから判断されるように純粋でかつ同質であった。TSK3000カラム上のサイズ排除クロマトグラフィーは、精製されたscMHC−ペプチド複合体が45kDaの分子質量を有する単量体として溶出された(示されていない)。精製された複合体が0.15mM(〜6mg/ml)まで限外濾過によって濃縮され、そしてPBS中でサイズ排除TSK3000カラム上のその分子形について分析されたとき、二量体化または凝集の徴候は観察されなかった。
【0137】
1本鎖MHC−ペプチド複合体二次構造を評価するために、サイズ排除クロマトグラフィーによって精製されたタンパク質は円偏光二色性(CD)分光法で試験された(図4)。複合体のスペクトルは大部分がβ−シート構造と一致して、218nmで最小特性値を示した。二次構造計算において分析されたとき、スペクトルは62%β−シート、5%β−ターン、8%α−ヘリックスおよび18%芳香族側鎖寄与を含む二次構造の特異的パターンを示していた。80℃で変性されたとき、スペクトルプロフィールは特徴的β−シート構造のほとんどが失われ、CDシグナルが増加されることを示し、ランダム螺旋が変性の結果として生成されたことを示した。溶融曲線はペプチドG9−209−2Mを含む複合体が約60℃の溶融温度で熱的に安定であることを示した(データは示されない)。これらの結果は、218nmのCDシグナルの変化によってモニターされたインフルエンザウイルスペプチドと複合体化されたHLA−A2における熱的変性曲線と類似している[31]。従って、これらの二次構造態様は正しくフォールドされたMHC−ペプチド複合体の特性であると結論される[31]。
【0138】
リフォールドされたscMHC−ペプチド複合体はまた、正しくフォールドされたとき、MHC−ペプチド複合体のみを認識する構造特異的抗体を使用して分析された。図5aに示されるように、抗−HLA−A2特異的mAb断片BB7.2および完全に組み立てられたペプチド含有HLA−A2に対して特異的なmAb断片W6/32は、可溶性scMHC−ペプチド複合体を検出した。W6/32抗体は、複合体が正しくフォールドされ、ペプチドを含み、かつ、構造的に機能的であることを示す2種のgp100由来ペプチドのいずれをも含む、リフォールドされ、かつ精製されたscMHC複合体を濃度依存的方法で特異的に認識した。
【0139】
W6/32抗体によるscMHC−BirA−ペプチド複合体の特異的認識は、ストレプトアビジンで被覆された磁性ビーズに固定化されたビオチン化複合体において試験されたときも行われた(図5b)。ビオチン化されたscMHC−BirA−ペプチド複合体で被覆されたビーズから得たELISAシグナルは、BirA酵素によるビオチン化に付されなかったscMHC−BirA−ペプチド複合体よりも5〜6倍高かった(図5b)。
【0140】
質量スペクトル分析はscMHC複合体が正しくフォールドされ、そしてペプチドを含むことを明白に示すために実施された。リフォールドされ、かつ精製された複合体は6mg/mlまで濃縮され、試料は電子スプレー質量分光測定法による分析に付された。複合体試料はまず、C−8カラム上でHPLCによって解像され、続いてカラムからペプチドとscMHCタンパク質の連続溶出を分離する、TFA中のアセトニトリルの一次勾配で溶出された。溶出された試料は、イオントラップ(ESI)質量分光計で電子スプレー中にHPLCカラムから直接にマイクロスプレーされ、陽イオンモードで分析された。図6aに示されるように、溶出されたペプチドはscMHC−ペプチド複合体をリフォールドするために使用されたG9−209−2Mペプチドの質量に対応する1035ダルトンの期待質量を有する。これはリフォールドされた複合体が1つの特異的ペプチドを含む分子の同質集合体であることを示す、検出された唯一のペプチドであった。1057ダルトンの質量を有する小さなピークも観察され、そのピークは複合体が精製され、そして分析に先立って濃縮されるPBS緩衝液からおそらく生じたナトリウムイオンを含むG9−209−2Mに対応する。
【0141】
scMHC複合体の質量推定は、質量対電荷比率に対する相対量であるESI質量スペクトルスポットを、質量に対する相対量のスポット中に移動する逆重畳積分アルゴリズムを使用して行われた(図6b〜c)。1つの試料成分に対応する取得された質量スぺクトルの多重に荷電されたイオンピークの各配列(図6b)は、逆重畳積分スペクトル中の分子質量(M)に位置する1つのピーク中に変換される(図6c)。図6cに示されるように、逆重畳積分スペクトルはscMHCタンパク質の期待される分子量に対応する44.6kDaの質量を有する1つのピークを明らかにした。このペプチドについて上記図に示されるように、これはタンパク質がフォールドされた複合体の極めて同質な集合体からなることを示す分析されたスペクトル中に唯一同定されたタンパク質ピークであった。質量分光分析データにより実施された溶出ペプチドの化学量論的推定は、リフォールドされ、そして精製されたscMHC分子全てがペプチドと複合体化されていることを明らかにした。
【0142】
1本鎖MHC−ペプチド複合体の生物学的活性
G9−209−2Mペプチドに特異的なクローン化されたCTLを使用するCTL刺激分析は、scMHC−ペプチド複合体の生物学的活性を試験するために使用された。
【0143】
3種の異なったペプチド(G9−209−2M、G9−280−9V、およびTAX)を用いて生産された組換え精製scMHC複合体は、マイクロタイター上に固定され、そしてCTL活性化を誘発する能力について試験された。図7aに示されるように、G9−209−2Mペプチドに結合された1本鎖MHC分子は、インターフェロンg濃度によって測定されるように、G209−特異的CTLクローンR6C12の特異的活性化を誘発した。他方、G280およびTAXペプチドに結合された複合体は、特異的活性化を誘発しなかった。
【0144】
溶液中でT細胞活性化を誘発する可溶性scMHC−ペプチド複合体の能力は、部位特異的ビオチン化のタグ配列を含むscMHC−ペプチド分子から構成されるscMHC−ペプチド四量体を生成することによって全て試験された。scMHC−BirA複合体を含むリフォールドされそして精製されたペプチドは、BirA酵素を使用してビオチン化された。scMHC−BirA複合体の精製後、四量体はストレプトアビジンとのインキュベーションによって形成された。scMHC−BirA−ペプチド四量体の生物学的活性は対応するCTLクローンを活性化するその能力によって試験された。図7bに示されるように、G9−209−2Mペプチドを含む四量体は、209−特異的CTLクローンR6C12を活性化したが、Mart−1特異的CTLクローンJB2F4を活性化しなかった。これはリフォールドされたscMHC−ペプチド複合体が機能的であり、かつ、特異的であることを示す。図7cに示されるように、209−特異的CTLクローンを活性化する1本鎖MHC−BirA−ペプチド複合体の能力は、scMHCタンパク質をビオチン化するか、あるいはしないで、続いてストレプトアビジンとともにインキュベーションして試験された。この図から明らかなように、四量体複合体を形成することができるビオチン化されたMHC−BirA−ペプチドのみが、溶液中の209−特異的CTLクローンを活性化する。すなわち溶液中のT細胞活性化はMHC−TCR相互作用の結合力を増加する四量体の形態であるMHC複合体の多量体化を必要とする。
【0145】
特異的G9−209−2M CTLクローンの四量体により誘発された活性化は、四量体がng/ml濃度で、特異的CTL活性化をなおも誘発できるから、マイクロタイタープレートの高密度被覆によって誘発された活性化に比べてより効率的であった(図7aおよび7c)。
【0146】
209−含有MHC四量体とともにインキュベートされた活性化CTLクローンの顕微鏡観察は、細胞が凝集されたことを示した(図8b)。これはTCR−MHC結合力の有意な増加および高濃度のMHC四量体により引き起こされる多点結合および架橋結合によって行われた細胞間の増強された接触による。これらの形態学的効果はペプチド特異的であり、かつscMHC−BirA−ペプチド四量体の濃度に依存する(図8b)。四量体の濃度が増加するにつれて、増加された細胞凝集(ロゼット形成)が観察された(図8c〜e)。
【0147】
コントロールとして作用する未ビオチン化scMHC−BirA−209複合体およびストレプトアビジンとともにインキュベートされたCTLは、細胞凝集を示す形態学的外見を示さなかった(図8a)。
【0148】
さらに、Mart−1特異的CTLクローンが同じ濃度のG209−特異的scMHC四量体とともにインキュベートされた場合、凝集は観察されなかった(データは示されない)。
【0149】
scMHC四量体はまた、MART−1特異的ペプチド27−35を認識するCTLクローンを特異的に染色した。図9aに示されるように、scMHC/Mart四量体は、scMHC/TAX四量体により認識されなかった特異的CTLクローンを特異的に認識した(図9b)。
【0150】
scMHC四量体はまた、TAXペプチドとともに免疫化されたトランスジェニックマウスの脾臓(HLA−A2を発現する)からT細胞の異質集団を染色するために使用された。図10a〜bに示されるように、特異的高結合力CD8+T細胞の数は、非免疫化および免疫化されたマウスが比較された場合、2倍に増加した。従って、上記に明白に示されるように、本発明の教示によって生成されたscMHC四量体は、T細胞の抗原−特異性亜集団を検出し、そして単離するために使用され得る。
【0151】
本明細書中に示された結果は、本発明の教示により生成された組換えscMHC−ペプチド複合体が、単量体および複合化された四量体の両方の形態で機能的であることを示唆する。
【0152】
組換えMHC−ペプチド四量体は免疫反応の分子特性化のための非常に重要な手段である。
蛍光発生性四量体はCTL反応の特性化のために広く使用されていて、先行技術以上の多くの利点、特に、直接に数量化する能力および表現型Ag−特異的CTLをエキソビボで生じている[32−35, 38−53]。
【0153】
ペプチド−MHCの多量体化によって与えられた増大された結合力は、リガンドによって誘発される生理学的反応をこれまで生成するにはあまりに低い親和性でもって、TCRへの結合を可能とするであろうことも示唆されている。MHC−ペプチド四量体は、HIVおよびEBV感染の抗原特異的CD8+細胞の直接可視化のためのウイルス感染の場[33,40,41,45,52]、ウイルス感染の動物モデル[41−43]およびヒトT細胞リンパ指向性ウイルスに関連する脊髄症患者のウイルス特異的CD8+細胞の直接分析[53]に使用され得る。
【0154】
MHC−ペプチド四量体は低頻度の抗腫瘍CD8+免疫反応を確認するために使用され得るから、抗癌免疫および免疫治療の場に革命を起こすであろう。これは、ヒト腫瘍がCTLによる溶解を受けやすくさせる抗原をしばしば発現するという無視できない証拠が存在するメラノーマにおいて既に証明されている[32,36,37,48,50]。最近、メラノーマ特異的CTLをエキソビボで特性化するための四量体化可溶性クラスIMHC−ペプチド複合体の使用が報告されている[36]。免疫治療の場での重要な進歩は、養子免疫治療においてこの技術を使用する能力であろう。MHC−ペプチド四量体の使用は、四量体によって誘導される細胞ソーティングを使用して、混合されたCTL集団から1つのメラノーマエピトープに特異的なCTLの単離を可能とするであろう[36]。ポリクローナルCTLラインは、直接四量体誘導CTLクローニング法を使用して異なったメラノーマエピトープに対するモノクローナルCTLラインを生成して、自己由来腫瘍細胞を有効に溶解するために使用され得る[24,36]。
【0155】
1つの疾患(例えば、メラノーマ)に関する全ての組換えMHC−ペプチド複合体を、きわめて多種の抗原性ペプチドを使用して有効に生成する能力は、免疫治療の改良された機序を導く。従って、個々の患者によって発現された腫瘍関連ペプチドの特異的PCRタイピングを伴う、種々のペプチドに特異的な腫瘍−特異性CTLクローンをエキソビボで同時に単離およびクローニングすることが可能となるであろう。特異的クローンは次いで、患者の腫瘍関連抗原(ペプチド)発現プロフィールにより、養子免疫細胞移入のために拡大され得る。
【0156】
組換えMHC−ペプチド複合体の有効性は、MHC四量体の生成のみならず、高親和性MHC結合T細胞エピトープを確認する急速で、感受性があり、かつ、信頼性あるMHC−ペプチド結合分析のために関心がもたれている。これらの複合体はまた、種々のMHC結合体の中で、免疫原性であるこれらのペプチドを限定するインビトロでの一次CTL誘発研究にも使用され得る。
【0157】
これらはCTLインビトロ誘発、ならびにMHC−ペプチド四量体の生成および特異的免疫反応の分析または四量体によって誘導される細胞ソーティングおよび分析による異種リンパ球集団からのCTLの直接選択に使用される。
【0158】
組換えscMHC−ペプチド複合体はまた、ファージディスプレー技術によって特異的抗体を生成するために使用され得る[54]。TCR様特異性を有するこのような抗体は、腫瘍細胞による抗原提示を研究し、ならびに免疫治療における新規な標的薬剤を開発する価値ある手段である。
【0159】
現在まで、そのいくつかが上記されるMHC複合体を使用する研究は、必要量の可溶性で、かつ機能的な単量体または多量体のMHC−ペプチド複合体を生産できないMHC精製方法に限定されている。
【0160】
すなわち、本発明の発現方法は、先行技術の方法で使用されたペプチド交換などの骨の折れる、かつ時間のかかる精製工程を必要としない、多量の極めて純粋で、かつ機能的な単量体または多量体のscMHC−ペプチド複合体を生産する容易で、かつ迅速な方法を提供することによって、MHC複合体を使用する研究を前進させる計り知れない手段を提供する。さらに、本発明は単量体または多量体のいずれかとして使用されるとき、CTLクローンを活性化することにおいて機能的である新規なヒト1本鎖MHCクラスIポリペプチドを提供する。
【0161】
実施例2
scMHC複合体およびペプチドの共発現
上記された種々のscMHC構築物および哺乳動物scMHCクラスIポリペプチドはまた、大腸菌または他の原核生物または真核生物発現系で、そのそれぞれの結合ペプチドとともに共発現され、結合ペプチドを別個に提供する必要性を否定する。従って、本発明のこの方法によれば、1つの構築物がscMHCクラスIポリペプチドおよびそれぞれの結合ペプチドのコード配列の両方を、例えば2つの別個のプロモーターまたは内部リボソーム侵入部位を使用して、同じ細胞内で発現するように配置され得る。または、原核生物または真核生物発現系の細胞は、それぞれが1つのコード配列を発現し、かつ、それぞれが特異的選択マーカーを有する2つの発現構築物で共形質転換され得る。
【0162】
好適な真核生物発現系としては、哺乳動物または昆虫細胞培養物、植物プロトプラスト、植物細胞培養物、全植物、酵母細胞または原生動物細胞が挙げられるが、これらに限定されない。真核生物発現系で発現されたとき、生産されたscMHCクラスIポリペプチドは好ましくは遷移ペプチド(シグナルペプチド)を含み、そのため、発現されたポリペプチドが内因性ペプチドとの相互作用を避けるように細胞外へ(植物細胞培養物または全植物のアポプラスト中へ)分泌されることが理解されるであろう。
【0163】
構築物は、scMHCクラスIポリペプチドおよびその結合ペプチドの両方の発現濃度が化学量論的に正しいように配置されなければならないことが理解されるであろう。
【0164】
すなわち、両コード配列を発現する細胞は、当該技術分野で周知である好適な単離プロトコールにより精製され得る完全に機能的なscMHC−ペプチド複合体を生産することができる。この場合、細菌発現系は、それによって発現されたscMHC−ペプチド複合体が好適な発現条件が使用されるとき実質的に純粋な封入体を形成することができるから、特に有利であることが理解されるであろう。従って、たとえscMHC−ペプチド複合体が封入体を溶解するために使用される変性条件下に分解されても、好適な再生条件が機能的なscMHC−ペプチド複合体を再形成するように使用され得る。
【0165】
本発明はその特定の実施態様とともに記載されるけれども、多くの代替、修正および変更が当業者には明らかであることは明白である。したがって、添付される請求項の広い範囲内に入るこのような代替、修正および変更の全てを包含することが意図される。本明細書中に引用された全ての文献は、その全体を参考として導入される。本明細書中のいかなる参考文献の引用または認識も、このような参考文献が本発明にとって先行技術として入手可能であるとの認容として解釈されるべきでない。
【参考文献】
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「配列表フリーテキスト」
配列番号1は合成ペプチドの配列である。
配列番号2は合成ペプチドの配列である。
配列番号3は合成ペプチドの配列である。
配列番号5はMHCクラスI重鎖に結合されたヒトβ−2ミクログロブリンの配列である。
配列番号8は合成オリゴヌクレオチドの配列である。
配列番号9は合成オリゴヌクレオチドの配列である。
配列番号10はリンカーペプチドの配列である。
配列番号11は合成オリゴヌクレオチドの配列である。
配列番号12は合成オリゴヌクレオチドの配列である。
配列番号13は合成オリゴヌクレオチドの配列である。
配列番号14は合成オリゴヌクレオチドの配列である。
配列番号15は合成オリゴヌクレオチドの配列である。
配列番号16は合成オリゴヌクレオチドの配列である。
配列番号17は特異的なビオチン化ペプチド配列である。
配列番号18はリンカー配列である。
配列番号19は合成オリゴヌクレオチドの配列である。
配列番号20はBirA認識タグ配列である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
細菌発現ベクター中へクローン化された本発明の種々の発現カセットを示す。
【図2】
図1の種々の構築物の発現産物の分析を示すSDS−PAGEゲルである。
【図3】
リフォールドされた精製1本鎖MHC−ペプチド複合体の分析を示すSDS−PAGEゲルである。
【図4】
収集および分析されたリフォールドされた1本鎖MHC−ペプチド複合体のCDスペクトル分析である。
【図5】
1本鎖MHC−ペプチド複合体の抗体分析を示すグラフである。
【図6】
1本鎖MHC−ペプチド複合体の質量分光分析を示す。
【図7】
特異的CTLクローンからのIFNgの放出を測定して決定された1本鎖MHC−ペプチドの生物学的活性を示すグラフである。
【図8】
G9−209−2M−特異的CTLクローンR6C12を含むマイクロタイタープレートウェルの顕微鏡画像である。
【図9】
MART−1ペプチド27〜35に特異的なCTLクローンのFACS分析画像である。
【図10】
TAXペプチドで免疫化されたHLA−A2トランスジェニックマウスから得られたT−細胞の異質集団のFACS画像である。

Claims (46)

  1. 機能的ヒトMHCクラスI重鎖をコードする第2ポリヌクレオチドの上流に並進して(translationally)融合されている、機能的ヒトβ−2ミクログロブリンをコードする第1ポリヌクレオチドを含む第1核酸配列を包含する核酸構築物。
  2. 前記第1核酸配列は前記第1および前記第2ポリヌクレオチドの間に内挿されたリンカーペプチドをコードするインフレームリンカーポリヌクレオチドをさらに含む、請求項1記載の核酸構築物。
  3. 前記リンカーペプチドは配列番号10に示される、請求項2記載の核酸構築物。
  4. 前記第1核酸配列は結合部分を含むように酵素的に変性されることが可能であるペプチドをコードするインフレームタグ配列をさらに含む、請求項1記載の核酸構築物。
  5. 抗原性ペプチドをコードする第2核酸配列をさらに包含し、前記抗原性ペプチドはヒトMHCクラスI複合体を結合することが可能である、請求項1記載の核酸構築物。
  6. 前記第2ポリヌクレオチドは前記ヒトMHCクラスI重鎖のα1−3ドメインをコードする、請求項1記載の核酸構築物。
  7. 前記第1核酸配列の発現を制御する第1シス作用制御配列をさらに包含する、請求項2記載の核酸構築物。
  8. 前記第2核酸配列の発現を制御する第2シス作用制御配列をさらに包含する、請求項5記載の核酸構築物。
  9. 前記シス作用制御配列は、細菌宿主において機能的である、請求項7記載の核酸構築物。
  10. 配列番号4に示される核酸配列を含む核酸構築物。
  11. 請求項1記載の核酸構築物を含む形質転換細胞。
  12. 細胞は哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母細胞および原生動物細胞からなる群から選択される真核生物細胞である、請求項11記載の形質転換細胞。
  13. 細胞は細菌細胞である、請求項11記載の形質転換細胞。
  14. 請求項5記載の核酸構築物を含む形質転換細胞。
  15. 細胞は哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母細胞および原生動物細胞からなる群から選択される真核生物細胞である、請求項14記載の形質転換細胞。
  16. 細胞は細菌細胞である、請求項14記載の形質転換細胞。
  17. 機能的ヒトMHCクラスI重鎖に直接または間接に共有結合された機能的ヒトβ−2ミクログロブリンを含むアミノ酸配列を包含する組換えポリペプチド。
  18. 前記機能的ヒトβ−2ミクログロブリンと前記機能的ヒトMHCクラスI重鎖との間に内挿されたリンカーペプチドをさらに包含する、請求項17記載の組換えポリペプチド。
  19. 配列番号5に示されるアミノ酸配列を包含する組換えポリペプチド。
  20. 機能的哺乳動物MHCクラスI重鎖に直接または間接に共有結された機能的哺乳動物β−2ミクログロブリンを含むアミノ酸配列を含む30重量%以上の組換えポリペプチドを包含する細菌由来の封入体の調製法。
  21. (a)機能的MHCクラスI重鎖をコードする第2ポリヌクレオチドの上流に並進して融合されている、機能的哺乳動物β−2ミクログロブリンをコードする第1ポリヌクレオチドを含む第1発現構築物;および(b)抗原性ペプチドをコードする第3ポリヌクレオチドを含む第2発現構築物で共形質転換された宿主細胞であって、前記第1、第2および第3ポリヌクレオチドが宿主細胞中で共発現されるとき、MHCクラスI−抗原性ペプチド複合体が形成される宿主細胞。
  22. 前記第1発現構築物は前記第1および前記第2ポリヌクレオチド間に内挿されたリンカーペプチドをコードするインフレームリンカーポリヌクレオチド配列をさらに含む、請求項21記載の宿主細胞。
  23. 前記細胞は真核生物細胞である、請求項21記載の宿主細胞。
  24. 前記細胞は細菌細胞である、請求項21記載の宿主細胞。
  25. (a)(i)機能的哺乳動物β−2ミクログロブリンをコードする第1ポリヌクレオチド;および(ii)機能的哺乳動物MHCクラスI重鎖をコードする第2ポリヌクレオチドを含む第1核酸配列(ただし、前記第2ポリヌクレオチドは前記第1ポリヌクレオチドの下流に並進して融合されている)、および(b)細菌中で前記第1核酸配列の発現を指示することができるように選択されているシス作用制御配列を含む核酸構築物。
  26. 前記シス作用制御配列は、細菌由来シス作用制御配列およびファージ由来シス作用制御配列からなる群から選択される、請求項25記載の核酸構築物。
  27. 前記第1核酸配列は前記第1および前記第2ポリヌクレオチド間に内挿されたリンカーペプチドをコードするインフレームリンカーポリヌクレオチドをさらに含む、請求項25記載の核酸構築物。
  28. 前記リンカーペプチドは配列番号10に示される、請求項26記載の核酸構築物。
  29. 抗原性ペプチドをコードする第2核酸配列をさらに包含し、前記抗原性ペプチドは哺乳動物MHCクラスI複合体を結合することが可能である、請求項25記載の核酸構築物。
  30. 前記第2ポリヌクレオチドは前記哺乳動物MHCクラスI重鎖のα1−3ドメインをコードする、請求項25記載の核酸構築物。
  31. 請求項25記載の核酸構築物を包含する形質転換細胞。
  32. 細胞は真核生物細胞である、請求項31記載の形質転換細胞。
  33. 細胞は細菌細胞である、請求項31記載の形質転換細胞。
  34. 請求項27記載の核酸構築物を包含する形質転換細胞。
  35. (a)細菌中で、機能的哺乳動物MHCクラスI重鎖アミノ酸配列に直接または間接に共有結合された機能的哺乳動物β−2ミクログロブリンアミノ酸配列を含む1本鎖MHCクラスIポリペプチドを発現し;そして(b)前記1本鎖MHCクラスIポリペプチドを単離する工程を包含する機能的MHCクラスI分子を生産する方法。
  36. (c)前記1本鎖MHCクラスIポリペプチドに結合することができる抗原性ペプチドの存在下に前記1本鎖MHCクラスIポリペプチドをリフォールドし、それによってMHCクラスI−抗原性ペプチド複合体を生成する工程をさらに包含する、請求項35記載の方法。
  37. (d)サイズ排除クロマトグラフィーにより前記MHCクラスI−抗原性ペプチド複合体を単離する工程をさらに包含する、請求項36記載の方法。
  38. 前記抗原性ペプチドは前記細菌中で前記1本鎖MHCクラスIポリペプチドとともに共発現される、請求項36記載の方法。
  39. 工程(a)は前記1本鎖MHCクラスIポリペプチドが前記細菌中で封入体を形成するように行われる、請求項35記載の方法。
  40. 前記抗原性ペプチドおよび前記1本鎖MHCクラスIポリペプチドは前記細菌中で封入体を形成する、請求項38記載の方法。
  41. 前記ポリペプチドを単離する前記工程は、(i)前記封入体からタンパク質分子を放出するように、前記封入体を変性し;そして(ii)前記タンパク質分子を再生する工程をさらに含む、請求項39記載の方法。
  42. 前記タンパク質分子を再生する前記工程は、前記1本鎖MHCクラスIポリペプチドを結合することができる抗原性ペプチドの存在下に行われる、請求項41記載の方法。
  43. 前記抗原性ペプチドは前記細菌中で前記1本鎖MHCクラスIポリペプチドとともに共発現される、請求項42記載の方法。
  44. 前記哺乳動物β−2ミクログロブリンアミノ酸配列はヒトβ−2ミクロブロブリンアミノ酸配列であり、さらに前記哺乳動物MHCクラスI重鎖アミノ酸配列はヒトMHCクラスI重鎖アミノ酸配列である、請求項35記載の方法。
  45. 機能的ヒトMHCクラスI重鎖に直接または間接に共有結合された機能的ヒトβ−2ミクログロブリンをそれぞれ含む複数の組換えポリペプチド単量体を包含する多量体MHCクラスI複合体。
  46. 前記複数の組換えポリペプチド単量体は共通基質に結合される、請求項45記載の多量体MHCクラスI複合体。
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