【001】
【産業上の利用分野】
本発明は、道路若しくはその類似物の表面近傍に発熱体を埋設し、当該発熱体による発熱を利用して道路等の表面の雪氷を融解し除去するためのロードヒーティングの制御装置に関するものである。
【従来の技術】
【002】
【特許文献1】特公 第2640303号
【特許文献2】特公平7‐111042号
【特許文献3】特公 第3044540号
融雪や凍結の防止を行うロードヒーティング制御装置は、消費エネルギーや管理人員の節約のために、降雪検知センサーと外気温度センサーと路面温度センサーと路面水分センサーにより、路面状況に応じた路面温度の自動制御を行っている。つまり、路面に雪氷がある場合には、路面温度を高くして雪氷の溶融を行う融雪運転を行い、路面が濡れている場合には、路面を氷結温度より高い温度に保持して水分の凍結を防止する凍結防止運転を行っている。
【003】
また、寒冷地で路面乾燥により運転を停止しておくと、外気温度と同程度に低下した路面温度を融雪が可能な温度にするのに、路面の熱容量による時間遅れのため数時間かかり、降雪による融雪制御に支障が発生する。このため、路面が過度の低温にならないように予熱運転を行っている。
例えば、従来の寒冷地におけるロードヒーティング制御装置は、路面温度が低いほど消費される発熱量も減少するため、路面に雪氷または水分が検出された場合、路面温度を+3℃から+0℃に保持して融雪運転,凍結防止運転を行ない、路面が乾燥している場合、路面温度を−2℃に保持して予熱運転を行っている。特許文献1は、降雪確率予報を利用して予熱運転の路面温度を低く設定することで消費エネルギーの低減を図る参考例である。
【004】上記のように濡れ・乾燥等の路面状況を検出する路面水分センサーは、ロードヒーティング制御装置の重要なセンサーと言える。路面水分センサーは、感知面を路面と水平になるように設置し、感知面の電極対間の水による抵抗値を測定する電極式路面水分センサーと、路表面に赤外線等を照射して反射光の特性から水分の有無を判別する非接触式路面水分センサーが知られている。
【発明が解決しようとする課題】
【006】前記電極式路面水分センサーは、特許文献2で示される検出子2のように、感知面に電極対を配置し、電極間を絶縁用の樹脂を充填して、電極間の抵抗をロードヒーティング制御装置にて測定する単純な構造のため、重車両の過重・振動に強く、一般的に使用されている。
しかしながら前記電極式路面水分センサーは、路面と水平になるように施工するのが難しく、検知面が路面より低く施工され検知面に融雪水が溜まる事例や、感知面の樹脂が経年劣化により濡れ状態と同じ抵抗値近くまで低下する事例が多く発生して、実際の路面が乾燥でも電極式路面水分センサーで濡れを検知する誤検知時間が多くなり、当初計画の省エネルギー効果を発揮できなくなっている。反対に電極式路面水分センサーは、検知面が路面より高く施工された場合や、感知面の凍結防止のためセンサー内にある感知面を暖める補助ヒーターの熱などにより、路面と比べ感知面が乾燥しやすくなる課題もある。また、路表面に感知面を露出している電極式路面水分センサーは、除雪車のドーザや重量車両のチエーン等で損傷を受ける事例が多く、前記事例も含め道路管理者にとって運用管理上問題となっている。
【007】また非接触路面水分センサーは、高価なため特別な場合を除き、ロードヒーティング用として、ほとんど使用されていない。
【008】特許文献3の熱流束の変化を計測するセンサーと温度センサー等からなる先行技術は、降雪時にセンサー検知面で急激な熱流束の変化が発生した場合の水分の検知が可能であるが、計測した熱流束の値が路面に水分がある場合の値なのか、路面乾燥の場合の値なのか判別する機能がないので、路面水分センサーとして使用できない。
【課題を解決するための手段】
【009】本発明は、上述の課題を解決するもので、道路若しくはその類似物の表面近傍に発熱線、温水パイプ等の発熱体を埋設したロードヒーティング設備において、発熱体から路表面へ熱伝導している熱流束を検出するセンサーにより求めた実熱流束と、外気温度センサーや降雪センサー等の気象センサーにより計測した気象条件と路面温度センサーより計測した路面温度とから、濡れ・乾燥等の路面状態で必要となる熱流束を演算器により求めた推定熱流束とを、比較して濡れ・乾燥等の路面状態の判別を行うロードヒーティング制御装置を、第1発明とする。
【010】
第1発明において、発熱体から路表面へ熱伝導している熱流束を検出するセンサーが、垂直方向に離して配置した2点の路面温度センサーにて測定した温度差と、前記2点の路面温度センサー間の熱伝導率と、前記2点の路面温度センサー間の距離とを入力した演算器で行う構成のロードヒーティング制御装置を、第2発明とする。
【011】
第1発明において、路面温度を一定の温度に保つ制御器を具備し、且つ発熱体から路表面へ熱伝導している熱流束を検出するセンサーが、発熱体への通電時間と、単位面積当りの発熱量等の発熱仕様とを入力した演算器で行う構成のロードヒーティング制御装置を、第3発明とする。
【012】
第1発明において、路面温度を一定の温度に保つ制御器を具備し、且つ発熱体から路表面へ熱伝導している熱流束を検出するセンサーが、発熱体の温水パイプの入口温度と、前記温水パイプの出口温度と、前記温水パイプの温水流量等と、単位面積当りの発熱量等の発熱仕様とを入力した演算器で行う構成のロードヒーティング制御装置を、第4発明とする。
【発明の実施の形態】
【013】以下本発明の実施の形態を実施例に基づいて詳細に説明する。なお、各図は発明を理解できる程度に各構成成分の形状、大きさおよび配置関係を概略的に示してあるに過ぎず、したがってこの発明を図示例に限定するものではない。
図1及び図2は第1発明のロードヒーティング制御装置の一実施例の概念図で、図1は路面の構造例、図2はロードヒーティング制御装置の説明図である。
【014】図1は、舗装材3、発熱体4、路盤5からなる道路のロードヒーティングの断面構造を示し、舗装材3内の熱流束を検知する熱流束センサー2と、路面温度を測定する路面温度センサー1が配置されている。熱流束センサー2は、発熱体4から道路表面6へ流れる熱流束を検知して、実熱流束を計測する。
【015】また、図2に示す演算器9は、降雪センサー7、外気温度センサー8等の気象センサーからの入力信号と、前記路面温度センサー1からの入力信号とから、路面の乾燥時、濡れ時の道路表面6で必要となる推定熱流束を演算する。
【016】以下に推定熱流束の演算例の一つとして風速を固定した事例を示す。
雪の顕熱をQs、融解熱をQn、自由面積比(融雪面積/加熱面積)Ar、融雪水の気化熱Qe、対流輻射熱Qi、外気温度Ta、単位面積降雪重量Mとすると、道路表面6で必要となる熱流束Q0は、
Q0=Qs+Qn+Ar×(Qe+Qi)
Qs=(0−Ta)×0.5×M 、 Qn=80×M
降雪により雪が路面を覆っている条件では、Ar×(Qe+Qi)=0として省略できるため、外気温度と降雪センサーで検知した降雪重量からQsとQnを求め、融雪時の道路表面6で必要となる推定熱流束Q0を演算できる。
また、Ar=1とした路面の乾燥時、濡れ時の場合の道路表面6で必要となる熱流束qは、
q=α(Qe+Qi)(Tm−Ta)
として示される。尚、αは固有定数、Tmは路面温度を示す。
従って、外気温度センサー、路面温度センサーで検知した信号と、予め定めたQe、Qiから、道路表面6で必要となる推定熱流束qが演算できる。
また、燥路面の場合Qe=0として演算する。
【017】図2に示す判別器10は、熱流束センサー2からの実熱流束と、演算器9からの推定熱流束とから、道路表面6の乾燥・濡れ等の路面状態を判別する。
【018】路面状態の判別の方法例を、説明しやすいように路面温度を+2℃、気象条件を外気温度に特定し、外気温度に対する熱流束を直線の特性ラインとして簡略表現した図3にて説明する。
例えば道路表面6が乾燥している場合、路面で必要となる推定熱流束は、乾燥特性ライン14の特性となる。また、道路表面6に融雪水等により水膜ができるほど濡れている場合、路面で必要となる推定熱流束は、路面乾燥時に比べて水の気化熱や、水表面の対流輻射熱等による放熱が加算されるため、濡れ特性ライン12のような特性となる。図3は、路面の半乾燥状態を考慮して、乾燥特性ライン14の近傍に判別ライン13を按分して設定している。
路面の濡れ乾燥の判別方法は、熱流束センサー2で求めた実熱流束が判別ライン13より上にくる(大きい)場合、路面濡れと判別し、反対に熱流束センサー2で求めた実熱流束が判別ライン13より下にくる(小さい)場合、路面乾燥と判別する方法例である。
また濡れ特性ライン12、乾燥特性ライン14及び判別ライン13は、倍率調整や、非直線調整等の調整が可能で、個々のロードヒーティング面の特性にチューニングできる。
【019】図2に示した気象センサー以外に、風力センサー、日射量センサー、放射量センサー等の気象センサーを演算器9に接続して、前記道路表面6で必要となる推定熱流束の補正情報として利用できる。
また、降雪センサーや外気温度センサー等の気象センサーにより検出した気象条件は、当該ロードヒーティング設備とは別の場所に設置された場所から、通信回線等を通して演算器9に接続し、推定熱流束を演算することもできる。
【020】路面温度制御器11は、路面温度センサー1、降雪センサー7、外気温度センサー8からの信号、及び判別器10からの路面状態の信号により融雪運転、凍結防止運転、予熱運転を判定し、最適な路面温度に保つ制御運転を行う。
【021】
次に、第2発明の実施例について説明する。図4は、路面の構造例、図5はロードヒーティング制御装置の説明図である。
図4は、舗装材3、発熱体4、路盤5からなる道路のロードヒーティングの断面構造を示し、舗装材3内の2点の路面温度を測定する温度センサー15と温度センサー16が垂直方向に配置されている。温度センサー15,温度センサー16には、測温抵抗体,サーミスター,熱電対等の温度センサーが使用可能で、また温度センサー15には、放射温度計も使用できる。
【022】寒冷地のロードヒーティング路面は、路面状態に応じて一定の路面温度になるように制御されているため、発熱体4から道路表面6へ向かって熱流が発生する。また、一般的に熱伝導特性が悪いアスファルト、コンクリート及びレンガ等が、舗装材として使用されているため、前記熱流により垂直方向に配置された温度センサー15,温度センサー16の2点間の温度差が容易に計測できる。
【023】従って第2発明の熱流束を検出するセンサーは、図5に示す温度センサー15,温度センサー16から入力された温度信号の温度差と、施工時の情報から温度センサー間の距離と舗装材の熱伝導特性データを基に、演算器17が発熱体4から道路表面6へ流れる実熱流束を演算して求める構成となる。
但し、舗装材の熱伝導特性がわからない場合、ロードヒーティング制御装置が融雪運転等の全発熱量で運転をした時に計測した温度差や、類似事例から熱伝導特性を求めて、この値を演算器17の補正情報として入力し、実熱流束の演算を行うことも可能である。
【024】また、図5に示す演算器9は、降雪センサー7、外気温度センサー8の気象センサーからの入力信号と、路面温度センサー1からの入力信号から路面の乾燥時、濡れ時の道路表面6で必要となる推定熱流束を演算する。
【025】図5に示す判別器10は、演算器17からの実熱流束と、演算器9からの推定熱流束とから、道路表面6の乾燥・濡れ等の路面状態を判別する。
【026】路面温度制御器11は、路面温度センサー1、降雪センサー7、外気温度センサー8からの信号、及び判別器10からの路面状態の信号により融雪運転、凍結防止運転、予熱運転を判定し、最適な路面温度に保つ制御運転を行う。尚、路面温度センサー1は、温度センサー15で路面温度センサー1の機能を代用することで、省略することも可能である。
【027】
次に、第3発明の実施例について説明する。
第3発明は、図6に示す実施例のように発熱体から表面へ熱伝導している熱流束を検出するセンサーを、発熱体の通電時間などの発熱量情報と、単位面積当りの発熱量等の発熱仕様18から演算器19にて実熱流束を演算して求める構成にしたものである。路面温度センサー1、降雪センサー7、外気温度センサー8、演算器9、判別器10、路面温度制御器11は、図5と同様の機能である。また、路面の断面構造は、図4から温度センサー15、温度センサー16を削除した構造となる。
【028】実施例の原理について説明する。
路面が一定の路面温度になるようにロードヒーティング制御装置にて制御されている時、図4の道路表面6から放熱される熱流束は、発熱体4の発熱量による発熱体4から道路表面6への熱流束と平衡状態となっている。すなわち、前記平衡状態より発熱体4の発熱量が道路表面6から放熱される熱流束より大きい場合は、路面温度が上昇し、反対に、発熱体4の発熱量が道路表面6から放熱される熱流束より小さい場合は、路面温度が低下する特性により、路面が一定の路面温度になるようにロードヒーティング制御装置にて制御されている時は、発熱体4の発熱量と発熱体4から道路表面6への熱流束の間に相関関係がある。
【029】またロードヒーティングでは、例えば外気温度−5℃で路面が濡れ状態の場合、路面凍結を防止するため路面温度を0℃になるように図4の発熱体4を加熱しているため、発熱体4から道路表面6への熱流と、発熱体4から路盤側への熱流が発生する。しかしながら、路盤5の深部温度が経験上0℃とみなすことができるため、発熱体4から路盤側への熱流は、路盤5の発熱体4近傍までの範囲に蓄積する熱量を考慮すればよい。従って、一定の路面温度に制御している場合、路盤5の発熱体4近傍までの範囲が蓄熱したあとの熱流は、ほとんど発熱体4から道路表面6への熱流となる。
【030】上記のように、ロードヒーティング制御装置が一定の路面温度になるように制御する場合、発熱体4の通電時間などの発熱量情報と、単位面積当りの発熱量等の発熱仕様から発熱体4の発熱量とを、演算器19に入力して、発熱体4から道路表面6へ流れる実熱流束を演算できる。
この演算器19で求めた実熱流束と、演算器9で求めた推定熱流束とから路面の乾燥・濡れ等の路面状態を判別器10で判別する。路面温度制御器11の機能は、第2発明と同様に発熱体4を制御する。
【031】
次に、第4発明を、図7の温水パイプ式のロードヒーティング制御装置による実施例で説明する。
熱流束を検出するセンサー部分は、温水パイプの流量センサー20、入口温度センサー21、出口温度センサー23と、単位面積当りの発熱量等の発熱仕様18と、演算器19から構成される。またヒーティング部は、温水を作るボイラー24、温水を循環するポンプ25、路面を加熱するための発熱部22からなり、融雪制御部は、路面温度センサー1、降雪センサー7、外気温度センサー8、演算器9、判別器10、路面温度制御器11から構成され、各機能は、図5と同様である。
【032】第3発明の原理と同様に、ロードヒーティング制御装置が一定の路面温度になるように制御する場合、路盤5の発熱体4近傍までの範囲が蓄熱したあとの発熱体4の熱流は、ほとんど発熱体4から道路表面6への熱流となる。従って、ロードヒーティング制御装置が一定の路面温度になるように制御する場合、入口温度センサー21と出口温度センサー23との温度差と、流量センサー20からの流量と、単位面積当りの発熱量等の発熱仕様18から発熱部22での発熱量とを、演算器19に入力して、発熱体4から道路表面6へ流れる実熱流束を演算できる。
この演算器19で求めた実熱流束と、演算器9で求めた推定熱流束とから路面の乾燥・濡れ等の路面状態を判別器10で判別する。路面温度制御器11の機能は、第2発明と同様に発熱体4を制御する。
前記流量センサー20は、ポンプの運転時間から温水の流量を計算することで、省略することもできる。
【033】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明請求項1によれば、感知面の経年劣化や、不適切な施工による感知面に融雪水がたまる事例や、センサー内にある感知面を暖める補助ヒーターによる実際の路面との乾燥上体の差異による誤検出等の弊害があった、路面の水分を直接検知する電極式路面水分センサーと異なり、前記補助ヒーターもなく、路面に埋設した熱流束を検出するセンサーにより測定した路面の実熱流束と、気象条件と路面温度とから計算した推定熱流束とから、間接的に濡れ・乾燥等の路面状態を判別するようにしたため、感知面の劣化もなく、重量車両による感知面への損傷事故も無くなり、及び不適切な施工による弊害等が除去される効果がある。
また本発明の請求項2によれば、高価な非接触式路面水分センサーを使用しなくても、安価な温度センサーで熱流速を検知するセンサーを構築できる。
【034】また、本発明の請求項3、4によれば、既設ロードヒーティング設備でも、使用中の道路の改善工事を行わないで、路面の濡れ・乾燥等の路面状態を判別できるロードヒーティング制御装置に交換可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】「第1発明の路面の構造例」
【図2】「第1発明のロードヒーティング制御装置の説明図」
【図3】「路面状態の判別の方法例」
【図4】「第2発明の路面の構造例」
【図5】「第2発明のロードヒーティング制御装置の説明図」
【図6】「第3発明のロードヒーティング制御装置の説明図」
【図7】「第4発明のロードヒーティング制御装置の説明図」
【符号の説明】
1:路面温度センサー
2:熱流束センサー
3:舗装材
4:発熱体
5:路盤
6:道路表面
7:降雪センサー
8:外気温度センサー
9:演算器
10:判別器
11:路面温度制御器
12:濡れ特性ライン
13:判別ライン
14:乾燥特性ライン
15:温度センサー
16:温度センサー
17:演算器
18:発熱仕様
19:演算器
20:流量センサー
21:入口温度センサー
22:発熱部
23:出口温度センサー
24:ボイラー
25:ポンプ[0101]
[Industrial applications]
The present invention relates to a road heating control device for burying a heating element near the surface of a road or the like and melting and removing snow and ice on the surface of a road or the like using heat generated by the heating element. is there.
[Prior art]
[0092]
[Patent Document 1] Japanese Patent Publication No. 2640303 [Patent Document 2] Japanese Patent Publication No. 7-111042 [Patent Document 3] Japanese Patent Publication No. 3044540 The road heating control device for preventing snow melting and freezing requires energy consumption and management personnel. In order to save energy, automatic control of road surface temperature according to road surface conditions is performed by a snowfall detection sensor, an outside air temperature sensor, a road surface temperature sensor, and a road surface moisture sensor. In other words, when there is snow and ice on the road surface, a snow melting operation is performed in which the road surface temperature is raised to melt the snow and ice, and when the road surface is wet, the road surface is maintained at a temperature higher than the freezing temperature to freeze moisture. Is performing anti-freezing operation.
[0093]
In addition, if the operation is stopped by drying the road surface in a cold region, it takes several hours due to the time delay due to the heat capacity of the road surface to bring the road surface temperature reduced to about the same as the outside air temperature to the temperature where snow melting is possible, and snowfall Troubles with snowmelt control. For this reason, the preheating operation is performed so that the road surface does not become excessively low.
For example, in a conventional road heating control device in a cold region, the lower the road surface temperature is, the smaller the amount of heat consumed is. Therefore, when snow and ice or moisture is detected on the road surface, the road surface temperature is maintained at + 3 ° C. to + 0 ° C. Then, a snow melting operation and an anti-freezing operation are performed, and when the road surface is dry, the preheating operation is performed while maintaining the road surface temperature at −2 ° C. Patent Literature 1 is a reference example in which energy consumption is reduced by setting a road surface temperature in a preheating operation to be low by using a snowfall probability forecast.
As described above, the road surface moisture sensor for detecting the road surface condition such as wetness and dryness can be said to be an important sensor of the road heating control device. The road surface moisture sensor is installed so that the sensing surface is horizontal to the road surface, and an electrode-type road surface moisture sensor that measures the resistance value due to water between the electrode pairs on the sensing surface, and reflected light by irradiating the road surface with infrared rays etc. There is known a non-contact road surface moisture sensor that determines the presence or absence of moisture based on the above characteristics.
[Problems to be solved by the invention]
In the electrode-type road surface moisture sensor, like a detector 2 disclosed in Patent Document 2, an electrode pair is arranged on a sensing surface, an insulating resin is filled between the electrodes, and a resistance between the electrodes is reduced. Since it has a simple structure that is measured by a road heating control device, it is generally resistant to heavy loads and vibrations of heavy vehicles and is generally used.
However, it is difficult to construct the electrode-type road surface moisture sensor so that it is horizontal with the road surface, the detection surface is constructed lower than the road surface, snowmelt water accumulates on the detection surface, and the resin on the detection surface becomes wet due to aging. In many cases, even if the actual road surface is dry, the false detection time for detecting wetness with the electrode-type road surface moisture sensor increases, and the energy saving effect originally planned cannot be exhibited. Conversely, the electrode-type road surface moisture sensor dries the sensing surface compared to the road surface when the sensing surface is installed higher than the road surface or due to the heat of the auxiliary heater that warms the sensing surface inside the sensor to prevent freezing of the sensing surface. There are also issues that make it easier to do. In addition, the electrode-type road surface moisture sensor that has a sensing surface exposed on the road surface is often damaged by a snowplow dozer, a heavy vehicle chain, or the like. Has become.
The non-contact road surface moisture sensor is expensive and is hardly used for road heating except in special cases.
The prior art including a sensor for measuring a change in heat flux, a temperature sensor, and the like disclosed in Patent Document 3 can detect moisture when a sudden change in heat flux occurs on a sensor detection surface during snowfall. Since there is no function to determine whether the value of the measured heat flux is a value when there is moisture on the road surface or a value when the road surface is dry, it cannot be used as a road surface moisture sensor.
[Means for Solving the Problems]
The present invention solves the above-mentioned problems. In a road heating facility in which a heating element such as a heating wire or a hot water pipe is buried near the surface of a road or the like, heat is transferred from the heating element to the road surface. The actual heat flux obtained by the sensor that detects the conducted heat flux and the weather conditions measured by weather sensors such as the outside air temperature sensor and the snowfall sensor and the road surface temperature measured by the road surface temperature sensor are used to determine A first aspect of the present invention is a road heating control device that compares a heat flux required in a road surface state with an estimated heat flux obtained by an arithmetic unit to determine a road surface state such as wetness or dryness.
[0102]
In the first invention, a sensor for detecting a heat flux that is thermally conducting from the heating element to the road surface comprises: a temperature difference measured by two road surface temperature sensors disposed vertically separated from each other; A second aspect of the present invention is a road heating control device configured to execute the heat conductivity between the temperature sensors and the distance between the two road surface temperature sensors by a computing unit.
[0111]
In the first invention, a controller for maintaining a road surface temperature at a constant temperature, and a sensor for detecting a heat flux which is thermally conducting from the heating element to the road surface, is provided with an energization time to the heating element and a unit area per unit area. A third embodiment of the present invention is directed to a load heating control device configured to execute the heat generation specification such as the heat generation amount by an arithmetic unit.
[0122]
In the first invention, a sensor that includes a controller that keeps the road surface temperature at a constant temperature, and that detects a heat flux that is conducting heat from the heating element to the road surface, includes an inlet temperature of a hot water pipe of the heating element; A fourth aspect of the present invention is a load heating control device configured to be operated by a computing unit that inputs the outlet temperature of the hot water pipe, the flow rate of the hot water in the hot water pipe, and the heat generation specifications such as the heat generation amount per unit area.
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to examples. The drawings merely schematically show the shapes, sizes, and arrangements of the components to the extent that the invention can be understood. Therefore, the present invention is not limited to the illustrated examples.
1 and 2 are conceptual diagrams of an embodiment of the road heating control device according to the first invention. FIG. 1 is a structural example of a road surface, and FIG. 2 is an explanatory diagram of the road heating control device.
FIG. 1 shows a cross-sectional structure of a road heating road comprising a pavement material 3, a heating element 4, and a roadbed 5, wherein a heat flux sensor 2 for detecting a heat flux in the pavement material 3 and a road surface temperature are measured. A road surface temperature sensor 1 is disposed. The heat flux sensor 2 detects the heat flux flowing from the heating element 4 to the road surface 6 and measures the actual heat flux.
The arithmetic unit 9 shown in FIG. 2 calculates the wetness when the road surface is dry, based on the input signals from the weather sensors such as the snowfall sensor 7 and the outside air temperature sensor 8 and the input signal from the road surface temperature sensor 1. The estimated heat flux required on the road surface 6 at the time is calculated.
An example in which the wind speed is fixed will be described below as one of the calculation examples of the estimated heat flux.
Assuming that the sensible heat of snow is Qs, the heat of fusion is Qn, the free area ratio (snowmelt area / heated area) Ar, the heat of vaporization of snowmelt Qe, the convective radiation heat Qi, the outside air temperature Ta, and the unit area snowfall weight M, the road surface 6 The required heat flux Q0 is
Q0 = Qs + Qn + Ar × (Qe + Qi)
Qs = (0−Ta) × 0.5 × M, Qn = 80 × M
Under the condition that snow covers the road surface due to snowfall, it can be omitted as Ar × (Qe + Qi) = 0. Therefore, Qs and Qn are obtained from the outside air temperature and the snowfall weight detected by the snowfall sensor, and are required on the road surface 6 during snowmelt. The estimated heat flux Q0 can be calculated.
The heat flux q required on the road surface 6 when the road surface is dry and wet with Ar = 1 is
q = α (Qe + Qi) (Tm−Ta)
As shown. Here, α indicates a natural constant, and Tm indicates a road surface temperature.
Therefore, the estimated heat flux q required on the road surface 6 can be calculated from the signals detected by the outside air temperature sensor and the road surface temperature sensor and the predetermined Qe and Qi.
In the case of a dry road surface, the calculation is performed with Qe = 0.
The discriminator 10 shown in FIG. 2 discriminates a road surface condition such as dryness or wetness of the road surface 6 from the actual heat flux from the heat flux sensor 2 and the estimated heat flux from the calculator 9.
An example of the method of determining the road surface condition is shown in FIG. 3 in which the road surface temperature is specified as + 2 ° C., the weather condition is specified as the outside air temperature, and the heat flux with respect to the outside air temperature is represented as a straight characteristic line. explain.
For example, when the road surface 6 is dry, the estimated heat flux required on the road surface is a characteristic of the drying characteristic line 14. In addition, when the road surface 6 is wet enough to form a water film with snowmelt water or the like, the estimated heat flux required on the road surface is less than the dry heat of the road surface due to the heat of vaporization of water and the heat radiation due to the convective radiation heat of the water surface. Since they are added, the characteristics are as shown in the wetting characteristic line 12. In FIG. 3, the discrimination line 13 is set proportionally near the drying characteristic line 14 in consideration of the semi-dry state of the road surface.
A method for determining whether the road surface is wet or dry is that when the actual heat flux obtained by the heat flux sensor 2 is higher (larger) than the determination line 13, the road surface is determined to be wet, and conversely, the actual heat flux obtained by the heat flux sensor 2 is determined. This is an example of a method of determining that the road surface is dry when the value is below (small) the determination line 13.
The wetting characteristic line 12, the drying characteristic line 14, and the discrimination line 13 can be adjusted such as a magnification adjustment and a non-linear adjustment, and can be tuned to the characteristics of each road heating surface.
In addition to the weather sensor shown in FIG. 2, weather sensors such as a wind sensor, an insolation sensor, and a radiation sensor are connected to the calculator 9 to correct the estimated heat flux required on the road surface 6. Available as
In addition, weather conditions detected by weather sensors such as a snowfall sensor and an outside air temperature sensor are connected to the arithmetic unit 9 through a communication line or the like from a location installed separately from the road heating equipment, and the estimated heat flux Can also be calculated.
The road surface temperature controller 11 determines a snow melting operation, an antifreezing operation, and a preheating operation based on signals from the road surface temperature sensor 1, the snowfall sensor 7, the outside air temperature sensor 8, and the road surface state signal from the discriminator 10. And control operation to maintain the optimum road surface temperature.
[0219]
Next, an embodiment of the second invention will be described. FIG. 4 is a diagram illustrating an example of a road surface structure, and FIG. 5 is a diagram illustrating a road heating control device.
FIG. 4 shows a cross-sectional structure of road heating of a road including a pavement material 3, a heating element 4, and a roadbed 5. A temperature sensor 15 and a temperature sensor 16 for measuring two road surface temperatures in the pavement material 3 are arranged in a vertical direction. Are located in A temperature sensor such as a resistance temperature detector, a thermistor, or a thermocouple can be used as the temperature sensor 15 or 16, and a radiation thermometer can be used as the temperature sensor 15.
Since the road heating road surface in a cold region is controlled to have a constant road surface temperature according to the road surface condition, a heat flow is generated from the heating element 4 toward the road surface 6. In addition, since asphalt, concrete, brick, and the like, which generally have poor heat conduction properties, are used as a pavement material, the temperature difference between two points of the temperature sensor 15 and the temperature sensor 16 arranged vertically by the heat flow. Can be easily measured.
Therefore, the sensor for detecting the heat flux according to the second aspect of the present invention is based on the temperature difference between the temperature signals input from the temperature sensors 15 and 16 shown in FIG. The arithmetic unit 17 calculates and obtains the actual heat flux flowing from the heating element 4 to the road surface 6 based on the heat conduction characteristic data of the material.
However, if the heat transfer characteristics of the paving material are not known, the heat transfer characteristics are calculated from the temperature difference measured when the road heating control device is operated at the total heat value such as snow melting operation, and similar cases, and this value is calculated. It is also possible to input the correction information of the heater 17 and calculate the actual heat flux.
The arithmetic unit 9 shown in FIG. 5 calculates the road surface when the road surface is dry or wet from the input signals from the weather sensor of the snowfall sensor 7 and the outside air temperature sensor 8 and the input signal from the road surface temperature sensor 1. In step 6, an estimated heat flux required is calculated.
The discriminator 10 shown in FIG. 5 discriminates the road surface condition such as the dryness and wetness of the road surface 6 from the actual heat flux from the calculator 17 and the estimated heat flux from the calculator 9.
The road surface temperature controller 11 determines a snow melting operation, an anti-freezing operation, and a preheating operation based on signals from the road surface temperature sensor 1, the snowfall sensor 7, the outside air temperature sensor 8, and the road surface state signal from the discriminator 10. And control operation to maintain the optimum road surface temperature. The road surface temperature sensor 1 can be omitted by substituting the function of the road surface temperature sensor 1 with the temperature sensor 15.
[0279]
Next, an embodiment of the third invention will be described.
According to a third aspect of the present invention, a sensor for detecting a heat flux conducted from the heating element to the surface as in the embodiment shown in FIG. In this configuration, the actual heat flux is calculated and calculated by the computing unit 19 from the heat generation specifications 18 such as. The road surface temperature sensor 1, snowfall sensor 7, outside air temperature sensor 8, arithmetic unit 9, discriminator 10, and road surface temperature controller 11 have the same functions as those in FIG. Further, the cross-sectional structure of the road surface is a structure in which the temperature sensor 15 and the temperature sensor 16 are deleted from FIG.
The principle of the embodiment will be described.
When the road surface is controlled by the road heating controller so that the road surface has a constant road surface temperature, the heat flux radiated from the road surface 6 in FIG. 6 is in equilibrium with the heat flux. That is, when the heat value of the heating element 4 is larger than the heat flux radiated from the road surface 6 from the equilibrium state, the road surface temperature rises, and conversely, the heat value of the heating element 4 is radiated from the road surface 6. When the heat flux is smaller than the heat flux, when the road surface is controlled by the load heating control device so that the road surface has a constant road surface temperature due to the characteristic that the road surface temperature decreases, the heat generation amount of the heating element 4 and the heat generation amount There is a correlation between the heat flux to the road surface 6.
In road heating, for example, when the road surface is wet at an outside air temperature of -5 ° C., the heating element 4 of FIG. 4 is heated so that the road surface temperature becomes 0 ° C. in order to prevent the road surface from freezing. The heat flow from the heating element 4 to the road surface 6 and the heat flow from the heating element 4 to the roadbed side are generated. However, since the deep part temperature of the roadbed 5 can be regarded as 0 ° C. based on experience, the heat flow from the heating element 4 to the roadbed side may be determined by considering the amount of heat accumulated in the range of the roadbed 5 to the vicinity of the heating element 4. Therefore, when the road surface temperature is controlled to be constant, the heat flow after the heat storage in the area of the roadbed 5 up to the vicinity of the heating element 4 becomes almost the heat flow from the heating element 4 to the road surface 6.
As described above, when the road heating control device controls the road surface temperature to be constant, the heat generation information such as the energization time of the heating element 4 and the heat generation specification such as the heat generation per unit area are used. The amount of heat generated by the heating element 4 is input to the calculator 19, and the actual heat flux flowing from the heating element 4 to the road surface 6 can be calculated.
From the actual heat flux obtained by the computing unit 19 and the estimated heat flux obtained by the computing unit 9, the discriminator 10 discriminates the road surface condition such as the dryness and wetness of the road surface. The function of the road surface temperature controller 11 controls the heating element 4 as in the second invention.
[031]
Next, the fourth invention will be described with an embodiment using a hot water pipe type road heating control device of FIG.
The sensor part for detecting the heat flux is composed of a flow sensor 20 for a hot water pipe, an inlet temperature sensor 21, an outlet temperature sensor 23, a heat generation specification 18 such as a heat generation amount per unit area, and an arithmetic unit 19. The heating unit includes a boiler 24 for producing hot water, a pump 25 for circulating hot water, and a heating unit 22 for heating the road surface. The snow melting control unit includes a road surface temperature sensor 1, a snowfall sensor 7, an outside air temperature sensor 8, It comprises a computing unit 9, a discriminator 10, and a road surface temperature controller 11, and each function is the same as that of FIG.
In the same manner as in the principle of the third invention, when the road heating control device controls the road surface temperature to be constant, the heat flow of the heating element 4 after the heat storage of the area up to the vicinity of the heating element 4 of the roadbed 5 is completed. Almost becomes a heat flow from the heating element 4 to the road surface 6. Therefore, when the road heating control device controls the road surface temperature to be constant, the temperature difference between the inlet temperature sensor 21 and the outlet temperature sensor 23, the flow rate from the flow rate sensor 20, the amount of heat generated per unit area, and the like. The actual heat flux flowing from the heating element 4 to the road surface 6 can be calculated by inputting the heat generation specification 18 and the amount of heat generated by the heat generating section 22 to the calculator 19.
From the actual heat flux obtained by the computing unit 19 and the estimated heat flux obtained by the computing unit 9, the discriminator 10 discriminates the road surface condition such as the dryness and wetness of the road surface. The function of the road surface temperature controller 11 controls the heating element 4 as in the second invention.
The flow sensor 20 may be omitted by calculating the flow rate of hot water from the operation time of the pump.
[0332]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the first aspect of the present invention, there is a case where the sensing surface is deteriorated over time or snowmelt water accumulates on the sensing surface due to improper construction, or an auxiliary heater that warms the sensing surface in the sensor. Unlike the electrode-type road surface moisture sensor that directly detects moisture on the road surface, which has the adverse effects such as erroneous detection due to the difference between the dry body and the actual road surface, there is no auxiliary heater, and the heat flux embedded in the road surface is detected. Since the actual heat flux of the road surface measured by the sensor and the estimated heat flux calculated from the weather conditions and the road surface temperature are used to indirectly determine the road surface condition such as wetness / dryness, there is no deterioration of the sensing surface, This has the effect of eliminating damage to the sensing surface due to heavy vehicles and eliminating the adverse effects of improper construction.
Further, according to the second aspect of the present invention, it is possible to construct a sensor that detects the heat flow rate with an inexpensive temperature sensor without using an expensive non-contact road surface moisture sensor.
Further, according to the third and fourth aspects of the present invention, even with the existing road heating equipment, the road surface condition such as wet / dry road surface can be determined without improving the road in use. It can be replaced with a lighting controller.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 “Example of road surface structure of the first invention”
FIG. 2 is an explanatory diagram of a road heating control device of the first invention.
FIG. 3 "Example of method for determining road surface condition"
FIG. 4 “Example of road surface structure of the second invention”
FIG. 5 is an explanatory diagram of a road heating control device according to a second invention.
FIG. 6 is an explanatory diagram of a road heating control device according to a third invention.
FIG. 7 is an explanatory diagram of a road heating control device according to a fourth invention.
[Explanation of symbols]
1: road surface temperature sensor 2: heat flux sensor 3: pavement material 4: heating element 5: roadbed 6: road surface 7: snowfall sensor 8: outside air temperature sensor 9: arithmetic unit 10: discriminator 11: road surface temperature controller 12: Wetting characteristic line 13: discrimination line 14: drying characteristic line 15: temperature sensor 16: temperature sensor 17: computing unit 18: heat generation specification 19: computing unit 20: flow sensor 21: inlet temperature sensor 22: heating unit 23: outlet temperature sensor 24: Boiler 25: Pump