JP2004338163A - Multilayered container improved in delamination - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は接着剤を介せずに樹脂層が積層された多層容器に関する。詳しくは酸素吸収性ポリアミド樹脂を中間層とした多層容器の輸送時、または落下時の衝撃を受けた際に起こる樹脂層間の剥離を防止した多層容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートを主体とするプラスチック容器(以下、PETボトルということがある)がお茶、果汁飲料、炭酸飲料等に広く使用されている。また、近年になって缶やガラス瓶が利用されていた分野においてもPETボトルへの代替が進み、それに伴って容量の小さい小型プラスチックボトルの占める割合が年々大きくなっている。しかしながら、PETボトルは缶やガラス瓶と異なりボトル外部の酸素がボトル内に侵入するため、内容物の賞味期限をより短くする傾向があるため、PETボトルにガスバリア性を付与する方法が検討されている。また最近になってPETボトルに収納される飲料も種々にわたるようになり、酸素や光の影響を受けやすいビールやお茶等の飲料を収納するPETボトルに対しては特にガスバリア性の更なる向上が要求されている。
【0003】
PETボトルにガスバリア性を付与する方法としてPETからなるボトルの中間層としてガスバリア性樹脂を積層した多層ボトル、PETにガスバリア性樹脂を混合して得られるブレンドボトル、PET単層ボトルの表面にカーボンコート、蒸着、バリア樹脂の塗布を施したバリアコーティングボトル等が開発されている。
【0004】
これらの中でも、製造装置のコストやガスバリア性の向上効果、リサイクル性の面から、ガスバリア性樹脂を中間層として積層した多層ボトル、PETとガスバリア性樹脂を混合して得られるブレンドボトルが広く利用されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。特にガスバリア性樹脂の使用量が少なくても優れたガスバリア性を発揮でき、かつボトルの透明性に優れた多層ボトルが好適な容器として利用されている。多層ボトルの一例としては、最内外層を形成するPET等のポリエステル樹脂とポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)等のガスバリア性樹脂とを射出して金型キャビティーを満たすことにより得られる3層または5層構造を有するパリソンを2軸延伸ブロー成形した多層ボトルが実用化されている。
【0005】
更に、ポリアミドMXD6に少量の遷移金属を添加、混合してポリアミドMXD6に酸素吸収機能を付与した酸素吸収性樹脂(例えば、特許文献6参照。)を多層ボトルのガスバリア層として使用することにより、容器外からの酸素を遮断すると共に容器内部に残存する酸素を吸収することにより、優れた酸素バリア性を有することから、酸素許容濃度の低い内容物、例えばビールやお茶等の容器に用いられている。
【0006】
しかしながら、上記多層ボトルは相溶性や接着性を持たないPET等のポリエステル樹脂とポリアミドMXD6を接着剤を介さずに積層した構造を有するため、ボトルに衝撃が加えられたり、ボトルを誤って落としてしまった時にポリエステル層とポリアミドMXD6層の間で層間剥離が起こることがある。さらに酸素吸収機能を付与したポリアミドMXD6をバリア層とした際は、酸素吸収が進むに従ってポリマー鎖の酸化分解が進むため、ガスバリア層の破壊が生じ、層間剥離しやすくなるという欠点がある。層間剥離が起こると外観上、層間剥離部分は白く変色してしまうため、商品価値を損ねてしまうおそれがあった。また、このような層間剥離はボトル表面に凹凸の多いデザインを有するものにおいて顕著に起こりやすい傾向があり、多層ボトルではその形状が限定されることがあった。
【0007】
このような問題点を改良する方法として、特許文献7に開示されているように、最内外層を構成する樹脂を最後に金型キャビティー内に射出する際に、ガスバリア層側に一定量逆流させることが可能な逆流調節装置を使用し層間に粗混合樹脂が入り込むことによって耐層間剥離性を改善することが開示記載されているが、特殊な装置を使用するという問題点がある。
【0008】
【特許文献1】
特開昭61−108542号公報
【特許文献2】
特開昭63−294341号公報
【特許文献3】
特開昭63−203540号公報
【特許文献4】
特開昭58−160344号公報
【特許文献5】
特開平1−154733号公報
【特許文献6】
特開2001−226585号公報
【特許文献7】
特開2000−254963号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記課題を解決し、層間に接着剤を介せずに異なる層を積層した多層容器において、落下や衝撃による剥離を起こしにくくするとともに、凹凸の少ない形状に限定されず、デザインの自由度が大きい多層容器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、多層容器の耐層間剥離性について鋭意研究を重ねた結果、最内外層を構成する樹脂と中間層を構成する樹脂の親和性を高めることで層間の密着性を改善し、落下時等の発生する多層容器の層間剥離を抑えることを見出し本発明に到った。
即ち、中間層を構成する樹脂の溶解度指数と最内外層を構成する樹脂の溶解度指数を近づけることにより、層間剥離を抑制できる多層容器が得られることを見いだし本発明に到った。
【0011】
即ち本発明は、3層以上からなる多層容器であって、最外層および最内層が、70モル%以上のテレフタル酸を含むジカルボン酸成分と70モル%以上のエチレングリコールを含むジオール成分を重合して得たポリエステル樹脂を主成分とする樹脂Aからなる層であり、かつ中間層の少なくとも1層が、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重合して得たポリアミド樹脂(樹脂B)、small法により計算した溶解度指数が式(1)を満たすポリアミド樹脂(樹脂C)および元素周期律表第VIII族の遷移金属、マンガン、銅及び亜鉛から選択された一種以上の金属原子(金属原子E)を含む化合物あるいは錯体を、重量比として樹脂B:樹脂C:金属原子E=20〜99:1〜80:0.01〜0.1(樹脂Bと樹脂Cの合計は100である)となるように混合してなる酸素吸収樹脂(樹脂F)からなる層であることを特徴とする多層容器に関する。
式(1) : Sa<Sc<Sb
Sa:樹脂Aの溶解度指数
Sb:樹脂Bの溶解度指数
Sc:樹脂Cの溶解度指数
【発明の実施の形態】
【0012】
本発明の多層容器は、最外層および最内層がポリエステル樹脂を主成分とする樹脂Aからなる層であり、中間層の少なくとも1層が、酸素吸収機能を有するポリアミド樹脂を主成分とする酸素吸収樹脂(樹脂F)からなる層である3層以上の多層容器である。ここで、樹脂Fからなる層は2層以上でもよい。また、樹脂Aからなる層を中間層として用いてもよい。層構成の一例としては、樹脂A/樹脂F/樹脂Aの3層構成や、樹脂A/樹脂F/樹脂A/樹脂F/樹脂Aの5層構成が挙げられるがこれらに限定されない。
【0013】
樹脂Aの主成分であるポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分および脂肪族ジオールを主成分とするジオール成分を重縮合して得られるものである。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸等およびこれらのエステル形成性誘導体が例示でき、これらの中でもテレフタル酸やイソフタル酸が好ましく用いられる。芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸を使用する場合、芳香族ジカルボン酸成分中に占めるテレフタル酸の割合は70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。又、芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸にイソフタル酸を併用する場合、その割合は芳香族ジカルボン酸成分の1〜10モル%、好ましくは1〜8モル%、更に好ましくは1〜6モル%である。イソフタル酸を芳香族ジカルボン酸として上記に示した量を添加して得た共重合樹脂は結晶化速度が遅くなり、成形性を向上させることが可能となる。更に他のジカルボン酸として、本発明の目的を損なわない範囲でアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、安息香酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸や、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸や、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等のカルボン酸無水物を用いることができる。
【0014】
ポリエステル樹脂の原料であるジオール成分としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール等およびこれらのエステル形成性誘導体が例示でき、これらの中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。ジオール成分中に占めるエチレングリコールの割合は70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。更に他のジオールとして、本発明の目的を損なわない範囲でブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等のモノアルコール類や、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、環状アセタール骨格を有するジオール等を用いることもできる。
【0015】
ポリエステル樹脂の製造は、公知の方法である直接エステル化法やエステル交換法を適用することができる。ポリエステル樹脂製造時の重縮合触媒としては、公知の三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物等が例示できるが、これらに限らない。
【0016】
本発明において好ましいポリエステル樹脂を例示すると、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、エチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン−テレフタレート共重合樹脂、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート−テレフタレート共重合樹脂、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート−イソフタレート共重合樹脂、エチレン−テレフタレート−4,4’−ビフェニルジカルボキシレート共重合樹脂が挙げられる。特に好ましいポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂である。
【0017】
本発明で用いるポリエステル樹脂の極限粘度(フェノール/1,1,2,2,−テトラクロロエタン=60/40質量比混合溶媒中、25℃で測定した値)には、特に制限はないが、通常0.5〜2.0dl/g、好ましくは0.6〜1.8dl/gであることが望ましい。極限粘度が0.5dl/g以上であるとポリエステル樹脂の分子量が充分に高いために、これを使用して得られる多層容器が構造物として必要な機械的性質を発現することができる。
【0018】
また、本発明の特徴を損なわない範囲でポリエステル樹脂には、他のポリエステル樹脂を配合して使用することができる。他のポリエステル樹脂としては、例えばポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等の耐熱性に優れたポリエステル樹脂等が挙げられるが、これに限定されることなく種々のポリエステル樹脂を配合できる。また容器の外観を整えるために顔料を添加しても良い。
【0019】
本発明の多層容器の中間層を構成する樹脂Fは酸素バリア層であり、金属原子Eと、後述の樹脂Bおよび樹脂Cとの混合物からなる。金属原子Eは、元素周期律表の第VIII族の遷移金属、マンガン、銅及び亜鉛から選択された一種以上の金属原子であり、樹脂Bの酸化反応を促進して酸素吸収機能を発現させる。
【0020】
本発明において金属原子Eを樹脂F中に添加、混合するには金属原子を含有する化合物あるいは錯体(以下、金属触媒化合物と総称する)を用いることが好ましい。金属触媒化合物は前記金属原子の低価数の無機酸塩、有機酸塩又は錯塩の形で使用される。無機酸塩としては、塩化物や臭化物等のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩等が挙げられる。一方、有機酸塩としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩等が挙げられる。また、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステル等との遷移金属錯体も利用することができる。特に本発明では酸素吸収機能が良好であることから、前記金属原子を含むカルボン酸塩、ハロゲン化物、アセチルアセトネート錯体を使用することが好ましく、さらに好ましくはステアリン酸塩、酢酸塩又はアセチルアセトネート錯体である。本発明において、ポリアミド樹脂には上記金属触媒化合物のうち一種以上を添加することができるが、コバルト金属原子を含むものが特に酸素吸収機能に優れており、好ましく用いられる。
【0021】
本発明で樹脂Fに添加できる前記金属原子Eの濃度は、樹脂Bと樹脂Cの合計量に対して0.01〜0.10重量%の範囲で添加することが好ましく、より好ましくは0.02〜0.08重量%である。金属原子Eの添加量が0.01重量%より少ない場合、酸素吸収機能が十分に発現せず、多層容器の酸素バリア性の向上効果も低いものとなる。また0.10重量%より多い場合、多層容器の酸素バリア性向上効果に変化はないため、不経済である。
【0022】
樹脂Fの構成成分である樹脂Bは、メタキシリレンジアミン(MXDA)を主成分とするジアミン成分と、アジピン酸を主成分とするジカルボン酸成分とを重合して得られるポリアミド樹脂であり、樹脂Bは、本発明の多層容器にガスバリア性を付与する機能を持つものである。
樹脂Bを構成するジアミン成分としては、メタキシリレンジアミンが70モル%以上含まれることが必要であり、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。ジアミン成分中のメタキシリレンジアミンが70モル%以上であると、それから得られるポリアミド樹脂は優れたガスバリア性を発現することができる。メタキシリレンジアミン以外に使用できるジアミンとしては、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
また樹脂Bを構成するジカルボン酸成分は、アジピン酸が70モル%以上含まれることが必要である。ジカルボン酸成分中のアジピン酸が70モル%以上あると、ガスバリア性の低下や結晶性の低下を防止することができる。アジピン酸以外に使用できるジカルボン酸成分として、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
また、本ポリアミドの重縮合時に分子量調節剤として少量のモノアミン、モノカルボン酸を加えても良い。
【0024】
樹脂Bは、溶融重縮合法により製造される。溶融重縮合法としては、例えばジアミン成分とジカルボン酸成分からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧下で昇温し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法がある。また、ジアミン成分を溶融状態のジカルボン酸成分に直接加えて、重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を均一な液状状態に保つために、ジアミン成分をジカルボン酸成分に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミドおよびポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。なお、樹脂Bについては必要に応じて溶融重縮合により得られたものをさらに固相重合することにより分子量を高めることもできる。
【0025】
本発明に用いる樹脂Bの相対粘度(ポリアミド樹脂1gを96%硫酸100mlに溶解し、25℃で測定した値)は1.5〜4.2、好ましくは1.7〜4.0、さらに好ましくは2.0〜3.8である。樹脂Bの相対粘度が1.5以下の場合には、多層容器を成形する際に、溶融したポリアミド樹脂の流動性の不安定さから生じる溶融むらが顕著となり容器の商品価値が低下する。また樹脂Bの相対粘度が4.2以上であると、ポリアミド樹脂の溶融粘度が高すぎて容器の成形が不安定になる。
【0026】
樹脂Bには、溶融成形時の加工安定性を高めるため、あるいは樹脂Bの着色を防止するためにリン化合物が含まれていても良い。リン化合物としてはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含むリン化合物が好適に使用され、例えば、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等のリン酸塩、次亜リン酸塩、亜リン酸塩が挙げられ、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の次亜リン酸塩を使用したものがポリアミドの着色防止効果に特に優れるため好ましく用いられる。また、本発明のポリアミド樹脂Bには上記のリン化合物の他に本発明の効果を損なわない範囲で滑剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤等の添加剤等を加えることもできるが、以上に示したものに限定されることなく、種々の材料を混合しても良い。
【0027】
本発明で樹脂Fを構成する樹脂Cとしては、式(1)を満たすポリアミド樹脂が好ましく、さらに好ましくは、溶解度指数が11〜13のポリアミド樹脂である。尚、溶解度指数はsmall法により計算できる(日本接着協会誌、Vol.22、No.10、p.51(1986)参照。)。
式(1) : Sa<Sc<Sb
Sa:樹脂Aの溶解度指数
Sb:樹脂Bの溶解度指数
Sc:樹脂Cの溶解度指数
【0028】
式(1)を満足しない条件においては、樹脂Aと樹脂F(樹脂Bと樹脂Cを含む)の親和性が低くなり、層間の密着性が低下し耐剥離性改善に好ましくない。樹脂Cとして使用できるポリアミド樹脂としては、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロン6IT、ナイロン6I6Tなどが例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
本発明における、樹脂Bと樹脂Cの混合比(B/C)は重量比で99/1〜20/80が良く、好ましくは98/2〜30/70、さらに好ましくは95/5〜60/40である。混合比が99/1より大きいと、顕著な耐剥離性改善効果が得られない。また、混合比が20/80より小さいと耐剥離性改善に効果は見られるが樹脂Bの良好な酸素バリア性が多層容器に寄与されず実用的ではない。
【0030】
本発明において、樹脂Fを得るには、混合方法あるいは混合順序に特に制限はなく、例えば、回転中空容器内に金属原子Eを含む金属触媒化合物、樹脂Bおよび樹脂Cを投入し、乾式で混合して射出成形機ホッパーに投入するドライブレンドと呼ばれる方法、もしくは上述の金属触媒化合物とポリアミド樹脂を一度溶融押出しし、再ペレット化して用いるメルトブレンドと呼ばれている方法のいずれによっても行なうことが可能である。なお、用途、使用条件、機械的性能等に応じて適切な配合処方が選択される。
【0031】
本発明で使用する樹脂Fは、主としてポリアミド樹脂からなるため、パリソンや容器の形状によっては低延伸倍率の部分が生じることがある。この容器に内容物を保存すると、中間層のポリアミド層が吸水によって結晶化して白化し、多層容器の外観を損なうことがある。このような現象を防ぐために、本発明では樹脂Fとして、白化防止剤として、特定の脂肪酸金属塩、ジアミド化合物あるいはジエステル化合物を添加したものを容器の中間層として使用することが好ましく行われる。このようにすることで内容物を充填した多層容器を長期間保存してもポリアミド樹脂の白化が防止される。
【0032】
本発明に用いる脂肪酸金属塩は、脂肪酸金属塩の炭素数18〜50、好ましくは、炭素数18〜34の脂肪酸金属塩である。炭素数が18以上であればポリアミド樹脂が吸水した際の白化が防止できる。また、炭素数が50以下で樹脂組成物中への均一分散が良好となる。脂肪酸は側鎖や二重結合があってもよいが、ステアリン酸(C18)、エイコ酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)などの直鎖飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸と塩を形成する金属に特に制限はないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、ストロンチウム、アルミニウム、亜鉛等が例示され、ナトリウム、カリウム、およびリチウム、カルシウム、アルミニウム、および亜鉛が特に好ましい。
【0033】
本発明に用いられる脂肪酸金属塩は、上記のうち1種類でもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明では、脂肪酸金属塩の形状に特に制限はないが、粒径が小さい方が樹脂組成物中に均一に分散させることが容易に行えるため、その粒径は0.2mm以下が好ましい。
【0034】
本発明において、脂肪酸金属塩の添加量は、ポリアミド樹脂(樹脂Bと樹脂Cの合計)に対して0.005〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%、特に好ましくは0.12〜0.5重量%である。脂肪酸金属塩の添加量が0.005重量%未満であると実用的な白化防止効果が得られない。また、1.0重量%より多いと脂肪酸金属塩の影響でポリアミド樹脂が白くにごるため好ましくない。
【0035】
本発明で用いられるジアミド化合物は、炭素数8〜30の脂肪酸と炭素数2〜10のジアミンから得られるジアミド化合物である。脂肪酸の炭素数が8以上、ジアミンの炭素数が2以上で白化防止効果が期待できる。また、脂肪酸の炭素数が30以下、ジアミンの炭素数が10以下で組成物中への均一分散が良好となる。
【0036】
ジアミド化合物に用いられる脂肪酸は、側鎖や二重結合があってもよいが、直鎖飽和脂肪酸が好ましい。例として、ステアリン酸(C18)、エイコ酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)が例示でき、中でもモンタン酸が好ましい。ジアミド化合物に用いられるジアミンとして、エチレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサンジアミン、キシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が例示でき、中でもエチレンジアミンが好ましい。これらを組み合わせて得られるジアミド化合物が本発明に用いられる。ジアミド化合物は1種類でも良いし、2種類以上を併用してもよい。
【0037】
本発明で用いられるジエステル化合物は、炭素数8〜30の脂肪酸と炭素数2〜10のジオールから得られるジエステル化合物である。脂肪酸の炭素数が8以上、ジオールの炭素数が2以上で白化防止効果が期待できる。また、脂肪酸の炭素数が30以下、ジオールの炭素数が10以下で組成物中への均一分散が良好となる。
【0038】
ジエステル化合物に使用される脂肪酸として、ステアリン酸(C18)、エイコ酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等が例示でき、中でもモンタン酸が好ましい。ジエステル化合物に使用されるジオールとして、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、キシリレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が例示でき、中でもエチレングリコールあるいは1,3−ブタンジオールが好ましい。これらを組み合わせて得られるジエステル化合物が本発明に用いられる。ジエステル化合物は1種類でも良いし、2種以上を併用しても良い。
【0039】
本発明において用いられるジアミド化合物とジエステル化合物は単独で用いても良いし、併用して用いても良い。
本発明において、ジアミド化合物および/またはジエステル化合物の添加量は、ポリアミド樹脂(樹脂Bと樹脂Cの合計)に対して0.005〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%、特に好ましくは0.12〜0.5重量%である。ジアミド化合物および/またはジエステル化合物の添加量が0.005重量%未満であると実用的な白化防止効果が得られない。また、1.0重量%より多いとジアミド化合物および/またはジエステル化合物の影響でポリアミド樹脂が白くにごるため好ましくない。
【0040】
ポリアミド樹脂に上記白化防止剤を添加する方法は公知の混合法を適用できる。たとえば、回転中空容器内にポリアミド樹脂ペレットと白化防止剤を投入し混合して使用してもよい。また、高濃度の白化防止剤を含有する組成物を製造した後、白化防止剤を含有しないポリアミド樹脂ペレットで所定の濃度で希釈し、これらを溶融混練する方法、溶融混連後、引き続き、射出成形などにより成形体を得る方法などが採用される。
【0041】
さらに本発明では、樹脂Fとして、有機膨潤化剤で処理した層状珪酸塩を添加したものを用いて容器の中間層として積層することもできる。このようにすることで容器の酸素バリア性だけではなく、炭酸ガス等の他のガスに対するバリア性も向上させることができる。
【0042】
層状珪酸塩は、0.25〜0.6の電荷密度を有する2−八面体型や3−八面体型の層状珪酸塩であり、2−八面体型としては、モンモリロナイト、バイデライト等、3−八面体型としてはヘクトライト、サボナイト等が挙げられる。これらの中でも、モンモリロナイトが好ましい。
【0043】
層状珪酸塩は、高分子化合物や有機系化合物等の有機膨潤化剤を予め層状珪酸塩に接触させて、層状珪酸塩の層間を拡げたものとすることが好ましい。有機膨潤化剤としては、第4級アンモニウム塩が好ましく使用できるが、より好ましくは、炭素数12以上のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも一つ以上有する第4級アンモニウム塩が用いられる。
【0044】
有機膨潤化剤の具体例として、トリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、トリメチルエイコシルアンモニウム塩等のトリメチルアルキルアンモニウム塩;トリメチルオクタデセニルアンモニウム塩、トリメチルオクタデカジエニルアンモニウム塩等のトリメチルアルケニルアンモニウム塩;トリエチルドデシルアンモニウム塩、トリエチルテトラデシルアンモニウム塩、トリエチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリエチルオクタデシルアンモニウム塩等のトリエチルアルキルアンモニウム塩;トリブチルドデシルアンモニウム塩、トリブチルテトラデシルアンモニウム塩、トリブチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリブチルオクタデシルアンモニウム塩等のトリブチルアルキルアンモニウム塩;ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩等のジメチルジアルキルアンモニウム塩;ジメチルジオクタデセニルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデカジエニルアンモニウム塩等のジメチルジアルケニルアンモニウム塩;ジエチルジドデジルアンモニウム塩、ジエチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジエチルジオクタデシルアンモニウム塩等のジエチルジアルキルアンモニウム塩;ジブチルジドデシルアンモニウム塩、ジブチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジブチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジブチルジオクタデシルアンモニウム塩等のジブチルジアルキルアンモニウム塩;メチルベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のメチルベンジルジアルキルアンモニウム塩;ジベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のジベンジルジアルキルアンモニウム塩;トリドデシルメチルアンモニウム塩、トリテトラデシルメチルアンモニウム塩、トリオクタデシルメチルアンモニウム塩等のトリアルキルメチルアンモニウム塩;トリドデシルエチルアンモニウム塩等のトリアルキルエチルアンモニウム塩;トリドデシルブチルアンモニウム塩等のトリアルキルブチルアンモニウム塩;4−アミノ−n−酪酸、6−アミノ−n−カプロン酸、8−アミノカプリル酸、10−アミノデカン酸、12−アミノドデカン酸、14−アミノテトラデカン酸、16−アミノヘキサデカン酸、18−アミノオクタデカン酸等のω−アミノ酸などが挙げられる。また、水酸基及び/又はエーテル基含有のアンモニウム塩、中でも、メチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、エチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、ブチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、ジメチルビス(PAG)アンモニウム塩、ジエチルビス(PAG)アンモニウム塩、ジブチルビス(PAG)アンモニウム塩、メチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、エチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、ブチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、メチルトリ(PAG)アンモニウム塩、エチルトリ(PAG)アンモニウム塩、ブチルトリ(PAG)アンモニウム塩、テトラ(PAG)アンモニウム塩(ただし、アルキルはドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシルなどの炭素数12以上のアルキル基を表し、PAGはポリアルキレングリコール残基、好ましくは、炭素数20以下のポリエチレングリコール残基またはポリプロピレングリコール残基を表す)などの少なくとも一のアルキレングリコール残基を含有する4級アンモニウム塩も有機膨潤化剤として使用することができる。中でもトリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩が好ましい。なお、これらの有機膨潤化剤は、単独でも複数種類の混合物としても使用できる。
【0045】
本発明では、ポリアミド樹脂(樹脂Bと樹脂Cの合計)に対し、有機膨潤化剤で処理した層状珪酸塩を0.5〜8重量%添加したものが好ましく用いられ、より好ましくは1〜6重量%、さらに好ましくは2〜5重量%である。層状珪酸塩の添加量が0.5重量%より低いとガスバリア性の改善効果が小さいため好ましくない。また8重量%より多いと中間層が濁って容器の透明性が損なわれるため好ましくない。
【0046】
樹脂Fを構成するポリアミド樹脂において、層状珪酸塩は局所的に凝集することなく均一に分散していることが好ましい。ここでいう均一分散とは、ポリアミド樹脂中において層状珪酸塩が平板状に分離し、それらの50%以上が5nm以上の層間距離を有することをいう。ここで層間距離とは平板状物の重心間距離のことをいう。この距離が大きい程分散状態が良好となり、透明性等の外観が良好で、かつ酸素、炭酸ガス等のガスバリア性を向上させることができる。
【0047】
ポリアミド樹脂と層状珪酸塩を混合する方法としては、特に制限はないが、本発明では溶融混練法が好ましく用いられる。例えば、ポリアミド樹脂の重縮合中に層状珪酸塩を添加し攪拌する方法、単軸もしくは二軸押出機等の通常用いられる種々の押出機を用いて溶融混練する方法等の公知の方法を利用することができるが、これらのなかでも、二軸押出機を用いて溶融混練する方法が本発明において好ましい方法である。
【0048】
以上述べたように、本発明の多層容器における樹脂Fには白化防止剤や、ガスバリア性を高める効果を有する層状珪酸塩を添加することができるが、これらを組み合わせたものを容器の中間層として利用することもできる。
【0049】
本発明の多層容器の製造方法は特に制限はないが、例えば、2つの射出シリンダーを有する射出成形機を使用して、ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂Aと樹脂Fとをそれぞれの射出シリンダーから金型ホットランナーを通して、金型キャビティー内に射出して得られた多層パリソンを更に二軸延伸ブロー成形することにより得られる。
【0050】
例えば、容器の前駆体である多層パリソンを製造する際に、先ず、樹脂Aを射出し、次いで樹脂Fと樹脂Aと同時に射出し、次に樹脂Aを必要量射出して金型キャビティーを満たすことにより、樹脂A/樹脂F/樹脂Aの3層構造を有するパリソンが製造できる。
【0051】
同様に、先ず樹脂Aを射出し、次いで樹脂Fを単独で射出し、最後に樹脂Aを射出して金型キャビティーを満たすことにより、樹脂A/樹脂F/樹脂A/樹脂F/樹脂Aの5層構造を有するパリソンが製造できる。
なお、多層パリソンを製造する方法は、上記方法だけに限定されるものではない。
【0052】
多層パリソン、あるいは、多層パリソンを二軸延伸ブロー成形して得られる多層容器において、ガスバリア性能は中間層が少なくともボトル胴部に存在していれば発揮されるが、ガスバリア層がボトルの口栓部先端付近まで延びている方がガスバリア性能は更に良好になるため好ましい。
【0053】
本発明の多層容器において樹脂Fからなる層の重量は、多層容器全体に対して1〜20重量%とすることが好ましく、より好ましくは2〜15重量%である。樹脂Fからなる層の重量が1重量%より少ないと多層容器のガスバリア性が十分でなくなることがあるため好ましくない。また樹脂Fからなる層の重量が20重量%より多いと前駆体であるパリソンから多層容器を成形しにくくなることがあるため好ましくない。
【0054】
本発明の多層容器は、従来、落下や衝撃による剥離を起こしにくくするとともに、凹凸の少ない形状に限定されないデザインの自由度を大きくする事ができるものである。本発明の多層容器には、例えば、炭酸飲料、ジュース、水、牛乳、日本酒、ウイスキー、焼酎、コーヒー、茶、ゼリー飲料、健康飲料等の液体飲料、調味液、ソース、醤油、ドレッシング、液体だし等の調味料、液体スープ等の液体系食品、液状の医薬品、化粧水、化粧乳液、整髪料、染毛剤、シャンプー等、種々の物品を収納することができる。
【0055】
【実施例】
以下実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが本発明はこれら実施例に限定されるものではない。本実施例等で測定した主な特性の測定法を示す。
(1)ポリエチレンテレフタレートの固有粘度[η]: フェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)の混合溶媒を使用。測定温度30℃。
(2)ポリアミドMXD6の相対粘度[ηrel.]: 樹脂1g/96%硫酸水溶液100ml、測定温度25℃。
(3)溶解度指数の算出 : small法により計算(日本接着協会誌、Vol.22、No.10、p.51(1986)参照。)。
(4)多層容器の層間剥離性 : 容器の落下試験により確認。
落下試験方法:500mlの水を入れキャップをして室温で24時間後(初期)、および40℃、相対湿度60%の雰囲気で4週間保存した多層容器について、多層容器を落下させ層間剥離の有無を目視で確認した。多層容器は底部が床に接触するように落下させた(垂直落下)。落下高さ50cm。50本落下させたときの層間剥離したボトルの本数(層間剥離発生率)で剥離性を評価した。
(5)多層容器の酸素透過率: 23℃、多層容器内部の相対湿度100%、外部の相対湿度50%の雰囲気下にてASTM D3985に準じて測定した。測定は、モダンコントロールズ社製、OX−TRAN 10/50Aを使用した。
【0056】
実施例および比較例に用いた多層容器は下記の如く成形を行った。
パリソン形状:全長95mm、外径22mmφ、肉厚4.2mm。なお、多層パリソンの製造には、名機製作所(株)製、射出成形機(型式:M200、4個取り)を使用した。3層パリソンの製造条件は下記の通りである。
3層パリソン成形条件
スキン側射出シリンダー温度:285℃
コア側射出シリンダー温度 :265℃
金型内樹脂流路温度 :285℃
金型冷却水温度 :10℃
パリソン中のコア樹脂の割合 :5重量%
多層容器形状:全長223mm、外形65mmφ、内容積500ml。底部形状はシャンパンタイプ。なお、二軸延伸ブロー成形はブロー成形機(クルップ コーポプラスト社(KRUPP CORPOPLAST社)製、型式:LB−01)を使用した。二軸延伸ブロー条件は下記の通りである。
二軸延伸ブロー成形条件
パリソン加熱温度 :100℃
ブロー圧力 :2.7MPa
【0057】
実施例1
下記の材料を使用し、3層構成の多層容器を成形した。
樹脂A:固有粘度が0.75のポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット製RT543C)。溶解度指数は11.1である。
樹脂B:相対粘度が2.70のポリアミドMXD6(三菱ガス化学製 MXナイロン S6007)を使用した。溶解度指数は13.0である
樹脂C:N−6(宇部興産製 1024B)を使用した。溶解度指数は12.6である。
金属原子E:コバルト(ステアリン酸Co)
最内外層を構成する樹脂を樹脂A、中間層を構成する樹脂Fとして樹脂B:樹脂C:金属原子E=70:30:0.05(樹脂Bと樹脂Cの合計は100である)となるようにドライブレンドしたものを使用して、樹脂A/樹脂F/樹脂Aの順に積層された3層パリソンおよび3層多層容器を作製した。上記方法で得られた3層多層容器の層間剥離性(初期)、及び酸素透過率を調査した。また、水を500ml充填した3層容器を40℃、60%RH下で4週間保存した後、層間剥離性(4週間後)を調査した。結果を表1に示す。
【0058】
実施例2
樹脂B/樹脂Cの混合比を30/70とした以外は実施例1と同様に3層構成の多層容器を成形した。得られた3層容器の層間剥離性、及び酸素透過率を調査した結果を表1に示す。
【0059】
実施例3
樹脂CとしてN−6IT(三井・デュポンポリケミカル(株)製 Selar PA 3426)を使用し、樹脂B/樹脂Cの混合比を90/10とした以外は実施例1と同様に3層構成の多層容器を成形した。樹脂Cの溶解度指数は12.6である。得られた3層容器の層間剥離性、及び酸素透過率を調査した結果を表1に示す。
【0060】
比較例1
樹脂Cを使用しない以外は実施例1と同様に3層構成の多層容器を成形した。得られた3層容器の層間剥離性、及び酸素透過率を調査した結果を表1に示す。
【0061】
比較例2
樹脂CとしてLLDPE(日本ポリケム(株)製 UF240)を使用し、樹脂B/樹脂Cの混合比を90/10とした以外は実施例1と同様に3層構成の多層容器を成形した。樹脂Cの溶解度指数は8.5である。得られた3層容器を前記と同様の落下試験により、層間剥離性を評価した。結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
以上の結果から、本発明の多層容器が耐層間剥離性に優れており、さらに高い酸素バリア性を有することを確認した。
また、従来例である比較例1では酸素吸収に伴い耐層間剥離性が悪化し、40℃、60%RH、4週間後では層間剥離発生率が100%なのに対し、樹脂Cの混合比を増すことにより、保存後においても層間剥離発生率を低減できることを確認した。
【0064】
実施例4
樹脂Fに層状珪酸塩(白石工業(株)製「オルベン」(有機膨潤化剤として、トリメチルオクタデシルアンモニウムを34重量%含有))を3重量%添加した以外は実施例1と同様に3層構成の多層容器を成形した。得られた3層容器の層間剥離性は5%、酸素透過率は0.001(ml/bottle・day・0.02MPa)であり、耐層間剥離性を損なうことなく酸素バリア性を高めることが出来ることを確認した。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた耐層間剥離性を有し、かつガスバリア性に優れた多層容器であり、飲料等の包装材料として非常に有用な物が得られ、その工業的価値は非常に大きい、[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a multilayer container in which resin layers are laminated without using an adhesive. More specifically, the present invention relates to a multilayer container which prevents separation between resin layers when transporting a multilayer container having an oxygen-absorbing polyamide resin as an intermediate layer or when receiving an impact at the time of falling.
[0002]
[Prior art]
BACKGROUND ART Plastic containers mainly composed of polyethylene terephthalate (hereinafter sometimes referred to as PET bottles) are widely used for tea, fruit juice drinks, carbonated drinks and the like. In recent years, PET bottles have been increasingly used in fields in which cans and glass bottles have been used, and the proportion of small plastic bottles having a small capacity has been increasing year by year. However, unlike a can or a glass bottle, a PET bottle has a tendency to shorten the expiration date of the contents because oxygen outside the bottle enters the bottle, and thus a method of imparting a gas barrier property to the PET bottle is being studied. . In recent years, the variety of beverages stored in PET bottles has also increased, and gas barrier properties have been further improved, especially for PET bottles that store beverages such as beer and tea that are easily affected by oxygen and light. Is required.
[0003]
As a method for imparting gas barrier properties to a PET bottle, a multi-layer bottle in which a gas barrier resin is laminated as an intermediate layer of a PET bottle, a blend bottle obtained by mixing a gas barrier resin with PET, and a carbon coating on the surface of a PET single-layer bottle , Vapor deposition, and barrier coating bottles coated with a barrier resin have been developed.
[0004]
Among these, multilayer bottles obtained by laminating a gas barrier resin as an intermediate layer and blend bottles obtained by mixing PET and a gas barrier resin are widely used in view of the cost of manufacturing equipment, the effect of improving gas barrier properties, and the recyclability. (For example, see Patent Documents 1 to 5). In particular, a multilayer bottle that can exhibit excellent gas barrier properties even with a small amount of the gas barrier resin and has excellent bottle transparency is used as a suitable container. An example of a multi-layer bottle is obtained by filling a mold cavity by injecting a polyester resin such as PET and a gas barrier resin such as polymetaxylylene adipamide (polyamide MXD6) which form the innermost and outermost layers. Multilayer bottles obtained by biaxially stretch-blowing a parison having a single-layer or five-layer structure have been put to practical use.
[0005]
Furthermore, a container is prepared by adding a small amount of a transition metal to polyamide MXD6 and mixing the resulting mixture to use an oxygen-absorbing resin (for example, see Patent Document 6) in which polyamide MXD6 is provided with an oxygen absorbing function as a gas barrier layer of a multilayer bottle. It has excellent oxygen barrier properties by blocking oxygen from the outside and absorbing oxygen remaining inside the container, so it is used for containers with low oxygen concentration, such as containers for beer and tea. .
[0006]
However, since the multilayer bottle has a structure in which a polyester resin such as PET having no compatibility or adhesiveness and polyamide MXD6 are laminated without using an adhesive, an impact is applied to the bottle, or the bottle is accidentally dropped. When this occurs, delamination may occur between the polyester layer and the polyamide MXD6 layer. Further, when polyamide MXD6 provided with an oxygen absorbing function is used as a barrier layer, oxidative decomposition of a polymer chain proceeds as oxygen absorption proceeds, so that there is a disadvantage that a gas barrier layer is broken and delamination is easily caused. When delamination occurs, the delamination portion is discolored white in appearance, and thus the commercial value may be impaired. In addition, such delamination tends to occur remarkably in a bottle having a design with many irregularities on the bottle surface, and the shape of the multilayer bottle is sometimes limited.
[0007]
As a method for solving such a problem, as disclosed in Patent Document 7, when a resin constituting the innermost and outermost layers is finally injected into the mold cavity, a certain amount of backflow flows toward the gas barrier layer side. It is disclosed to improve the delamination resistance by introducing a coarse mixed resin between layers by using a backflow control device capable of causing the flow, but there is a problem that a special device is used.
[0008]
[Patent Document 1]
JP-A-61-108542 [Patent Document 2]
JP-A-63-294341 [Patent Document 3]
JP-A-63-203540 [Patent Document 4]
JP-A-58-160344 [Patent Document 5]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 1-154733 [Patent Document 6]
JP 2001-226585 A [Patent Document 7]
JP 2000-254963 A
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to solve the above problems, and in a multilayer container in which different layers are stacked without interposing an adhesive between the layers, while making it difficult for peeling due to drop or impact to occur, the present invention is not limited to a shape with little unevenness, An object of the present invention is to provide a multilayer container having a high degree of freedom in design.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies on the delamination resistance of the multilayer container, and as a result, improved the interlayer adhesion by increasing the affinity between the resin constituting the innermost and outermost layers and the resin constituting the intermediate layer. The present invention has been found to suppress delamination of the multilayer container which occurs when the container is dropped.
That is, the inventors have found that a multilayer container capable of suppressing delamination can be obtained by making the solubility index of the resin constituting the intermediate layer close to the solubility index of the resin constituting the innermost and outermost layers, and have reached the present invention.
[0011]
That is, the present invention is a multilayer container comprising three or more layers, wherein the outermost layer and the innermost layer polymerize a dicarboxylic acid component containing 70 mol% or more of terephthalic acid and a diol component containing 70 mol% or more of ethylene glycol. At least one of the intermediate layers is a diamine component containing 70% by mole or more of metaxylylenediamine and a dicarboxylic acid containing 70% by mole or more of adipic acid Polyamide resin (resin B) obtained by polymerizing the components, a polyamide resin (resin C) having a solubility index calculated by the small method that satisfies the formula (1), and a transition metal of Group VIII of the periodic table, manganese, and copper. And a compound or complex containing at least one metal atom (metal atom E) selected from zinc and zinc in a weight ratio of resin B: resin C: metal atom = 20 to 99: 1 to 80: 0.01 to 0.1 (the sum of the resin B and the resin C is 100) and a layer made of an oxygen-absorbing resin (resin F). The present invention relates to a multilayer container characterized by the following.
Formula (1): Sa <Sc <Sb
Sa: Solubility index of resin A Sb: Solubility index of resin B Sc: Solubility index of resin C
[0012]
In the multilayer container of the present invention, the outermost layer and the innermost layer are layers composed of a resin A containing a polyester resin as a main component, and at least one of the intermediate layers is made of an oxygen absorbent containing a polyamide resin having an oxygen absorption function as a main component. It is a multilayer container of three or more layers which is a layer made of resin (resin F). Here, the layer made of the resin F may be two or more layers. Further, a layer made of resin A may be used as the intermediate layer. Examples of the layer configuration include a three-layer configuration of resin A / resin F / resin A and a five-layer configuration of resin A / resin F / resin A / resin F / resin A, but are not limited thereto.
[0013]
The polyester resin, which is the main component of the resin A, is obtained by polycondensing a dicarboxylic acid component mainly containing an aromatic dicarboxylic acid and a diol component mainly containing an aliphatic diol. Examples of the aromatic dicarboxylic acid include terephthalic acid, isophthalic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, 1,5-naphthalenedicarboxylic acid, 2,7-naphthalenedicarboxylic acid, 4,4′-biphenyldicarboxylic acid, and 3,4 ′ -Biphenyldicarboxylic acid and the like and ester-forming derivatives thereof can be exemplified. Of these, terephthalic acid and isophthalic acid are preferably used. When terephthalic acid is used as the aromatic dicarboxylic acid, the proportion of terephthalic acid in the aromatic dicarboxylic acid component is at least 70 mol%, preferably at least 80 mol%, more preferably at least 90 mol%. When isophthalic acid is used in combination with terephthalic acid as the aromatic dicarboxylic acid, the ratio is 1 to 10 mol%, preferably 1 to 8 mol%, more preferably 1 to 6 mol% of the aromatic dicarboxylic acid component. . The copolymer resin obtained by adding isophthalic acid as an aromatic dicarboxylic acid in the amount shown above has a low crystallization rate and can improve moldability. Still other dicarboxylic acids, aliphatic dicarboxylic acids such as adipic acid, azelaic acid, sebacic acid, etc., as long as the object of the present invention is not impaired, benzoic acid, propionic acid, monocarboxylic acids such as butyric acid, trimellitic acid, Polycarboxylic acids such as pyromellitic acid and carboxylic anhydrides such as trimellitic anhydride and pyromellitic anhydride can be used.
[0014]
Examples of the diol component which is a raw material of the polyester resin include ethylene glycol, 1,3-propanediol, 1,4-butanediol, 1,4-cyclohexanedimethanol, 1,6-hexanediol and the like and ester-forming derivatives thereof. Among them, ethylene glycol is preferably used. The proportion of ethylene glycol in the diol component is at least 70 mol%, preferably at least 80 mol%, more preferably at least 90 mol%. Still other diols, such as butyl alcohol, hexyl alcohol, monoalcohols such as octyl alcohol, trimethylolpropane, glycerin, polyhydric alcohols such as pentaerythritol, and a cyclic acetal skeleton within a range not to impair the object of the present invention. A diol or the like can also be used.
[0015]
For the production of the polyester resin, a known method such as a direct esterification method or a transesterification method can be applied. Examples of the polycondensation catalyst for producing the polyester resin include, but are not limited to, known antimony compounds such as antimony trioxide and antimony pentoxide, and germanium compounds such as germanium oxide.
[0016]
Examples of preferred polyester resins in the present invention include polyethylene terephthalate resin, ethylene terephthalate-isophthalate copolymer resin, ethylene-1,4-cyclohexane dimethylene-terephthalate copolymer resin, and ethylene-2,6-naphthalenedicarboxylate-terephthalate. Copolymer resins, ethylene-2,6-naphthalenedicarboxylate-isophthalate copolymer resins, and ethylene-terephthalate-4,4'-biphenyldicarboxylate copolymer resins. Particularly preferred polyester resins are polyethylene terephthalate resin and ethylene terephthalate-isophthalate copolymer resin.
[0017]
The intrinsic viscosity of the polyester resin used in the present invention (a value measured at 25 ° C. in a phenol / 1,1,2,2,2-tetrachloroethane = 60/40 mass ratio mixed solvent) is not particularly limited. It is desirably 0.5 to 2.0 dl / g, preferably 0.6 to 1.8 dl / g. When the intrinsic viscosity is 0.5 dl / g or more, the molecular weight of the polyester resin is sufficiently high, so that the multilayer container obtained by using the polyester resin can exhibit the necessary mechanical properties as a structure.
[0018]
In addition, other polyester resins can be used in combination with the polyester resin as long as the characteristics of the present invention are not impaired. Examples of other polyester resins include polyester resins having excellent heat resistance such as polyethylene-2,6-naphthalenedicarboxylate, but various polyester resins can be blended without being limited to these. Further, a pigment may be added to adjust the appearance of the container.
[0019]
The resin F constituting the intermediate layer of the multilayer container of the present invention is an oxygen barrier layer, and is composed of a mixture of a metal atom E and a resin B and a resin C described below. The metal atom E is one or more metal atoms selected from transition metals of Group VIII of the periodic table, manganese, copper, and zinc, and promotes an oxidation reaction of the resin B to exhibit an oxygen absorbing function.
[0020]
In the present invention, in order to add and mix the metal atom E into the resin F, it is preferable to use a compound or a complex containing a metal atom (hereinafter collectively referred to as a metal catalyst compound). The metal catalyst compound is used in the form of a low-valent inorganic acid salt, organic acid salt or complex salt of the metal atom. Examples of the inorganic acid salts include halides such as chlorides and bromides, sulfates, nitrates, phosphates, silicates, and the like. On the other hand, examples of the organic acid salts include carboxylate, sulfonate, phosphonate and the like. Further, a transition metal complex with β-diketone or β-keto acid ester can also be used. In particular, in the present invention, it is preferable to use a carboxylate, a halide, or an acetylacetonate complex containing the metal atom because the oxygen absorption function is good, and more preferably a stearate, an acetate or an acetylacetonate. Complex. In the present invention, one or more of the above-mentioned metal catalyst compounds can be added to the polyamide resin, but those containing a cobalt metal atom are particularly excellent in oxygen absorption function and are preferably used.
[0021]
In the present invention, the concentration of the metal atom E that can be added to the resin F is preferably in the range of 0.01 to 0.10% by weight, more preferably 0.1% by weight, based on the total amount of the resin B and the resin C. 02 to 0.08% by weight. When the addition amount of the metal atom E is less than 0.01% by weight, the oxygen absorbing function is not sufficiently exhibited, and the effect of improving the oxygen barrier property of the multilayer container is low. If the content is more than 0.10% by weight, the effect of improving the oxygen barrier property of the multilayer container is not changed, which is uneconomical.
[0022]
The resin B, which is a constituent component of the resin F, is a polyamide resin obtained by polymerizing a diamine component containing metaxylylenediamine (MXDA) as a main component and a dicarboxylic acid component containing adipic acid as a main component. B has a function of imparting gas barrier properties to the multilayer container of the present invention.
It is necessary that the diamine component constituting the resin B contains metaxylylenediamine in an amount of 70 mol% or more, more preferably 80 mol% or more, and further preferably 90 mol% or more. When the amount of meta-xylylenediamine in the diamine component is 70 mol% or more, the polyamide resin obtained therefrom can exhibit excellent gas barrier properties. Diamines other than meta-xylylenediamine include para-xylylenediamine, 1,3-bis (aminomethyl) cyclohexane, 1,4-bis (aminomethyl) cyclohexane, tetramethylenediamine, hexamethylenediamine, nonamethylenediamine , 2-methyl-1,5-pentanediamine and the like, but are not limited thereto.
[0023]
Further, the dicarboxylic acid component constituting the resin B needs to contain adipic acid in an amount of 70 mol% or more. When the adipic acid content in the dicarboxylic acid component is 70 mol% or more, a decrease in gas barrier properties and a decrease in crystallinity can be prevented. Examples of the dicarboxylic acid component that can be used other than adipic acid include suberic acid, azelaic acid, sebacic acid, 1,10-decanedicarboxylic acid, terephthalic acid, isophthalic acid, and 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, but are not limited thereto. It is not done.
Also, a small amount of a monoamine or a monocarboxylic acid may be added as a molecular weight regulator during the polycondensation of the polyamide.
[0024]
Resin B is produced by a melt polycondensation method. As a melt polycondensation method, for example, there is a method in which a nylon salt composed of a diamine component and a dicarboxylic acid component is heated in the presence of water under pressure to polymerize in a molten state while removing added water and condensed water. It is also produced by a method in which a diamine component is directly added to a dicarboxylic acid component in a molten state and polycondensed. In this case, in order to keep the reaction system in a uniform liquid state, the diamine component is continuously added to the dicarboxylic acid component, and during that time, the reaction system is heated so that the reaction temperature does not fall below the melting point of the generated oligoamide and polyamide. While the polycondensation proceeds. In addition, as for the resin B, the molecular weight can also be increased by further subjecting the resin B obtained by melt polycondensation to solid phase polymerization.
[0025]
The relative viscosity of resin B used in the present invention (a value obtained by dissolving 1 g of a polyamide resin in 100 ml of 96% sulfuric acid and measuring at 25 ° C) is 1.5 to 4.2, preferably 1.7 to 4.0, and more preferably. Is from 2.0 to 3.8. When the relative viscosity of the resin B is 1.5 or less, when molding a multilayer container, uneven melting caused by instability of the flowability of the molten polyamide resin becomes remarkable, and the commercial value of the container decreases. Further, when the relative viscosity of the resin B is 4.2 or more, the melt viscosity of the polyamide resin is too high and the molding of the container becomes unstable.
[0026]
The resin B may contain a phosphorus compound in order to increase the processing stability during melt molding or to prevent the resin B from being colored. As the phosphorus compound, a phosphorus compound containing an alkali metal or an alkaline earth metal is suitably used, and examples thereof include sodium, magnesium, and calcium phosphates, hypophosphites, and phosphites. Alternatively, those using a hypophosphite of an alkaline earth metal are particularly preferably used because the polyamide is particularly excellent in the effect of preventing discoloration. In addition, the polyamide resin B of the present invention, in addition to the phosphorus compound described above, a lubricant, a matting agent, a heat stabilizer, a weather stabilizer, an ultraviolet absorber, a nucleating agent, a plasticizer, as long as the effects of the present invention are not impaired. Additives such as a flame retardant, an antistatic agent, an anti-coloring agent, and an anti-gelling agent may be added. However, the present invention is not limited to the above-described ones, and various materials may be mixed.
[0027]
The resin C constituting the resin F in the present invention is preferably a polyamide resin satisfying the formula (1), and more preferably a polyamide resin having a solubility index of 11 to 13. The solubility index can be calculated by the small method (see Journal of the Adhesion Society of Japan, Vol. 22, No. 10, p. 51 (1986)).
Formula (1): Sa <Sc <Sb
Sa: solubility index of resin A Sb: solubility index of resin B Sc: solubility index of resin C
Under the condition not satisfying the formula (1), the affinity between the resin A and the resin F (including the resin B and the resin C) becomes low, and the adhesion between the layers decreases, which is not preferable for improving the peeling resistance. Examples of the polyamide resin that can be used as the resin C include, but are not limited to, nylon 6, nylon 66, nylon 610, nylon 612, nylon 6/66, nylon 6IT, nylon 6I6T, and the like.
[0029]
In the present invention, the mixing ratio (B / C) of the resin B and the resin C is preferably from 99/1 to 20/80 by weight, preferably from 98/2 to 30/70, more preferably from 95/5 to 60/80. 40. If the mixing ratio is greater than 99/1, a remarkable effect of improving peel resistance cannot be obtained. If the mixing ratio is less than 20/80, the effect of improving the peeling resistance can be seen, but the good oxygen barrier property of the resin B does not contribute to the multilayer container and is not practical.
[0030]
In the present invention, in order to obtain the resin F, there is no particular limitation on a mixing method or a mixing order. For example, a metal catalyst compound containing a metal atom E, a resin B and a resin C are charged into a rotary hollow container and mixed in a dry manner. It can be carried out by a method called dry blending, which is then put into a hopper of an injection molding machine, or a method called melt blending, in which the above-mentioned metal catalyst compound and polyamide resin are once melt-extruded and repelletized and used. It is possible. It should be noted that an appropriate compounding recipe is selected according to the application, use conditions, mechanical performance, and the like.
[0031]
Since the resin F used in the present invention is mainly composed of a polyamide resin, a portion having a low stretching ratio may occur depending on the shape of the parison or the container. If the contents are stored in this container, the polyamide layer of the intermediate layer is crystallized by water absorption and whitens, which may impair the appearance of the multilayer container. In order to prevent such a phenomenon, in the present invention, it is preferable to use a resin F to which a specific fatty acid metal salt, a diamide compound or a diester compound is added as a whitening inhibitor as an intermediate layer of a container. By doing so, even if the multilayer container filled with the contents is stored for a long period of time, whitening of the polyamide resin is prevented.
[0032]
The fatty acid metal salt used in the present invention is a fatty acid metal salt having 18 to 50 carbon atoms, preferably 18 to 34 carbon atoms. When the carbon number is 18 or more, whitening when the polyamide resin absorbs water can be prevented. Further, when the carbon number is 50 or less, the uniform dispersion in the resin composition becomes good. The fatty acid may have a side chain or a double bond, but may be a linear saturated fatty acid such as stearic acid (C18), eicoic acid (C20), behenic acid (C22), montanic acid (C28), and triacontanic acid (C30). Fatty acids are preferred. Although there is no particular limitation on the metal that forms a salt with the fatty acid, sodium, potassium, lithium, calcium, barium, magnesium, strontium, aluminum, zinc and the like are exemplified, and sodium, potassium, and lithium, calcium, aluminum, and zinc are exemplified. Particularly preferred.
[0033]
The fatty acid metal salt used in the present invention may be one of the above, or two or more thereof may be used in combination. In the present invention, the shape of the fatty acid metal salt is not particularly limited, but the smaller the particle size, the easier it is to disperse uniformly in the resin composition. Therefore, the particle size is preferably 0.2 mm or less.
[0034]
In the present invention, the amount of the fatty acid metal salt to be added is 0.005 to 1.0% by weight, preferably 0.05 to 0.5% by weight, particularly preferably, to the polyamide resin (total of resin B and resin C). Is 0.12 to 0.5% by weight. If the amount of the fatty acid metal salt is less than 0.005% by weight, a practical whitening prevention effect cannot be obtained. On the other hand, if it is more than 1.0% by weight, the polyamide resin becomes white due to the effect of the fatty acid metal salt, which is not preferable.
[0035]
The diamide compound used in the present invention is a diamide compound obtained from a fatty acid having 8 to 30 carbon atoms and a diamine having 2 to 10 carbon atoms. When the fatty acid has 8 or more carbon atoms and the diamine has 2 or more carbon atoms, an anti-whitening effect can be expected. When the fatty acid has 30 or less carbon atoms and the diamine has 10 or less carbon atoms, uniform dispersion in the composition is good.
[0036]
The fatty acid used for the diamide compound may have a side chain or a double bond, but is preferably a linear saturated fatty acid. Examples include stearic acid (C18), eicoic acid (C20), behenic acid (C22), montanic acid (C28), and triacontanic acid (C30), with montanic acid being preferred. Examples of the diamine used for the diamide compound include ethylenediamine, butylenediamine, hexanediamine, xylylenediamine, bis (aminomethyl) cyclohexane, and the like, with ethylenediamine being preferred. A diamide compound obtained by combining these is used in the present invention. One type of diamide compound may be used, or two or more types may be used in combination.
[0037]
The diester compound used in the present invention is a diester compound obtained from a fatty acid having 8 to 30 carbon atoms and a diol having 2 to 10 carbon atoms. When the fatty acid has 8 or more carbon atoms and the diol has 2 or more carbon atoms, a whitening preventing effect can be expected. When the carbon number of the fatty acid is 30 or less and the carbon number of the diol is 10 or less, uniform dispersion in the composition becomes good.
[0038]
Examples of the fatty acid used for the diester compound include stearic acid (C18), eicoic acid (C20), behenic acid (C22), montanic acid (C28), and tricontanic acid (C30), among which montanic acid is preferable. Examples of the diol used for the diester compound include ethylene glycol, propane diol, butane diol, hexane diol, xylylene glycol, cyclohexane dimethanol, and the like. Among them, ethylene glycol and 1,3-butane diol are preferable. A diester compound obtained by combining these is used in the present invention. One type of diester compound may be used, or two or more types may be used in combination.
[0039]
The diamide compound and the diester compound used in the present invention may be used alone or in combination.
In the present invention, the addition amount of the diamide compound and / or the diester compound is 0.005 to 1.0% by weight, preferably 0.05 to 0.5% by weight based on the polyamide resin (the total of the resin B and the resin C). %, Particularly preferably 0.12 to 0.5% by weight. If the amount of the diamide compound and / or diester compound is less than 0.005% by weight, a practical whitening prevention effect cannot be obtained. If the content is more than 1.0% by weight, the polyamide resin becomes white due to the influence of the diamide compound and / or the diester compound, which is not preferable.
[0040]
A known mixing method can be applied to the method of adding the whitening inhibitor to the polyamide resin. For example, a polyamide resin pellet and a whitening inhibitor may be charged into a rotary hollow container and mixed for use. Further, after producing a composition containing a high concentration of whitening inhibitor, diluted with polyamide resin pellets containing no whitening agent at a predetermined concentration, melt-kneading them, after melt mixing, then injection A method of obtaining a molded body by molding or the like is employed.
[0041]
Further, in the present invention, a resin F to which a layered silicate treated with an organic swelling agent is added may be used to laminate the intermediate layer of the container. By doing so, not only the oxygen barrier property of the container but also the barrier property against other gases such as carbon dioxide gas can be improved.
[0042]
The layered silicate is a 2-octahedral or 3-octahedral layered silicate having a charge density of 0.25 to 0.6. Examples of the 2-octahedral type include montmorillonite and beidellite. Hectorite, savonite, etc. are mentioned as an octahedron type. Among these, montmorillonite is preferred.
[0043]
The layered silicate is preferably one in which an organic swelling agent such as a polymer compound or an organic compound is brought into contact with the layered silicate in advance to expand the layers of the layered silicate. As the organic swelling agent, a quaternary ammonium salt can be preferably used, and more preferably, a quaternary ammonium salt having at least one alkyl group or alkenyl group having 12 or more carbon atoms is used.
[0044]
Specific examples of the organic swelling agent include trimethyl alkyl ammonium salts such as trimethyl dodecyl ammonium salt, trimethyl tetradecyl ammonium salt, trimethyl hexadecyl ammonium salt, trimethyl octadecyl ammonium salt and trimethyl eicosyl ammonium salt; trimethyl octadecenyl ammonium salt Triethylalkenyl ammonium salts such as trimethyl octadecadienylammonium salt; triethyl alkyl ammonium salts such as triethyl dodecyl ammonium salt, triethyl tetradecyl ammonium salt, triethyl hexadecyl ammonium salt, triethyl octadecyl ammonium salt; tributyl dodecyl ammonium salt, tributyl tetra Decyl ammonium salt, tributyl hexadecyl ammonium salt, Tributyl alkyl ammonium salts such as butyl octadecyl ammonium salt; dimethyl dialkyl ammonium salts such as dimethyl didodecyl ammonium salt, dimethyl ditetradecyl ammonium salt, dimethyl dihexadecyl ammonium salt, dimethyl dioctadecyl ammonium salt, dimethyl ditallow ammonium salt; dimethyl Dimethyldialkenyl ammonium salts such as dioctadecenyl ammonium salt and dimethyldioctadecadienylammonium salt; diethyldidodecylammonium salt, diethylditetradecylammonium salt, diethyldihexadecylammonium salt, diethyldioctadecylammonium salt and the like A diethyldialkylammonium salt; dibutyldidodecylammonium salt, dibutylditetradecylammonium salt, Dibutyl dialkyl ammonium salts such as butyl dihexadecyl ammonium salt and dibutyl dioctadecyl ammonium salt; methyl benzyl dialkyl ammonium salts such as methyl benzyl dihexadecyl ammonium salt; dibenzyl dialkyl ammonium salts such as dibenzyl dihexadecyl ammonium salt; Trialkylmethylammonium salts such as dodecylmethylammonium salt, tritetradecylmethylammonium salt and trioctadecylmethylammonium salt; trialkylethylammonium salts such as tridodecylethylammonium salt; trialkylbutylammonium salts such as tridodecylbutylammonium salt 4-amino-n-butyric acid, 6-amino-n-caproic acid, 8-aminocaprylic acid, 10-aminodecanoic acid, 12-amino Ω-amino acids such as dodecanoic acid, 14-aminotetradecanoic acid, 16-aminohexadecanoic acid and 18-aminooctadecanoic acid. In addition, ammonium salts containing a hydroxyl group and / or an ether group, among them, methyl dialkyl (PAG) ammonium salt, ethyl dialkyl (PAG) ammonium salt, butyl dialkyl (PAG) ammonium salt, dimethyl bis (PAG) ammonium salt, diethyl bis (PAG) ) Ammonium salt, dibutyl bis (PAG) ammonium salt, methyl alkyl bis (PAG) ammonium salt, ethyl alkyl bis (PAG) ammonium salt, butyl alkyl bis (PAG) ammonium salt, methyl tri (PAG) ammonium salt, ethyl tri (PAG) ammonium Salt, butyltri (PAG) ammonium salt, tetra (PAG) ammonium salt (where alkyl is carbon number of dodecyl, tetradecyl, hexadecyl, octadecyl, eicosyl, etc.) Represents two or more alkyl groups, and PAG represents a polyalkylene glycol residue, and preferably represents a quaternary alkylene glycol residue such as a polyethylene glycol residue or a polypropylene glycol residue having 20 or less carbon atoms. Ammonium salts can also be used as organic swelling agents. Among them, trimethyl dodecyl ammonium salt, trimethyl tetradecyl ammonium salt, trimethyl hexadecyl ammonium salt, trimethyl octadecyl ammonium salt, dimethyl didodecyl ammonium salt, dimethyl ditetradecyl ammonium salt, dimethyl dihexadecyl ammonium salt, dimethyl dioctadecyl ammonium salt, dimethyl dioctadecyl ammonium salt, dimethyl Ditallow ammonium salts are preferred. In addition, these organic swelling agents can be used alone or as a mixture of plural kinds.
[0045]
In the present invention, a polyamide resin (total of resin B and resin C) to which a layered silicate treated with an organic swelling agent is added in an amount of 0.5 to 8% by weight is preferably used, and more preferably 1 to 6%. %, More preferably 2 to 5% by weight. If the amount of the layered silicate is less than 0.5% by weight, the effect of improving the gas barrier property is small, which is not preferable. On the other hand, if it is more than 8% by weight, the intermediate layer becomes turbid and the transparency of the container is impaired, which is not preferred.
[0046]
In the polyamide resin constituting the resin F, it is preferable that the layered silicate is uniformly dispersed without local aggregation. The term “uniform dispersion” as used herein means that layered silicates are separated into a plate shape in a polyamide resin, and 50% or more of them have an interlayer distance of 5 nm or more. Here, the interlayer distance refers to the distance between the centers of gravity of the flat objects. The longer this distance is, the better the dispersion state is, the better the appearance such as transparency is, and the gas barrier property of oxygen, carbon dioxide gas and the like can be improved.
[0047]
The method of mixing the polyamide resin and the layered silicate is not particularly limited, but a melt kneading method is preferably used in the present invention. For example, a known method such as a method of adding and mixing a layered silicate during the polycondensation of a polyamide resin and a method of melt-kneading using various commonly used extruders such as a single-screw or twin-screw extruder are used. Among them, the method of melt-kneading using a twin-screw extruder is a preferable method in the present invention.
[0048]
As described above, a whitening inhibitor and a layered silicate having an effect of enhancing gas barrier properties can be added to the resin F in the multilayer container of the present invention, and a combination thereof is used as an intermediate layer of the container. Can also be used.
[0049]
Although the method for producing the multilayer container of the present invention is not particularly limited, for example, using an injection molding machine having two injection cylinders, a resin A and a resin F containing a polyester resin as a main component are separated from each injection cylinder. The multilayer parison obtained by injecting into a mold cavity through a mold hot runner is further obtained by biaxial stretch blow molding.
[0050]
For example, when manufacturing a multilayer parison, which is a precursor of a container, first, resin A is injected, then resin F and resin A are simultaneously injected, and then a required amount of resin A is injected to form a mold cavity. By filling, a parison having a three-layer structure of resin A / resin F / resin A can be manufactured.
[0051]
Similarly, by injecting resin A first, then injecting resin F alone, and finally injecting resin A to fill the mold cavity, resin A / resin F / resin A / resin F / resin A Can be manufactured.
The method for producing the multilayer parison is not limited to the above method.
[0052]
In a multi-layer parison or a multi-layer container obtained by biaxially stretch-blow-molding a multi-layer parison, gas barrier performance is exhibited if the intermediate layer is present at least in the body of the bottle, but the gas barrier layer is formed by the plug portion of the bottle. Extending to the vicinity of the tip is preferable because the gas barrier performance is further improved.
[0053]
In the multilayer container of the present invention, the weight of the layer made of the resin F is preferably 1 to 20% by weight, more preferably 2 to 15% by weight, based on the entire multilayer container. If the weight of the layer made of the resin F is less than 1% by weight, the gas barrier properties of the multilayer container may be insufficient, which is not preferable. On the other hand, if the weight of the layer made of the resin F is more than 20% by weight, it may be difficult to form a multilayer container from the precursor parison, which is not preferable.
[0054]
The multilayer container of the present invention is conventionally capable of preventing peeling due to dropping or impact and increasing the degree of freedom of design which is not limited to a shape having little unevenness. The multilayer container of the present invention includes, for example, liquid beverages such as carbonated beverages, juices, water, milk, sake, whiskey, shochu, coffee, tea, jelly beverages, health beverages, seasonings, sauces, soy sauce, dressings, and liquid soups. Various kinds of articles such as seasonings, liquid foods such as liquid soup, liquid medicines, lotions, lotions, hair styling agents, hair dyes, and shampoos can be stored.
[0055]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited to these Examples. A method for measuring main characteristics measured in the present example and the like will be described.
(1) Intrinsic viscosity [η] of polyethylene terephthalate: A mixed solvent of phenol / tetrachloroethane = 6/4 (weight ratio) is used. Measurement temperature 30 ° C.
(2) Relative viscosity of polyamide MXD6 [ηrel. ]: 1 g of resin / 100 ml of 96% aqueous sulfuric acid solution, measurement temperature 25 ° C.
(3) Calculation of solubility index: Calculated by the small method (see Journal of the Adhesion Society of Japan, Vol. 22, No. 10, p. 51 (1986)).
(4) Delamination property of multilayer container: Confirmed by container drop test.
Drop test method: 500 ml of water, cap, 24 hours at room temperature (initial), and in a multilayer container stored for 4 weeks in an atmosphere of 40 ° C. and a relative humidity of 60%, the multilayer container is dropped and delaminated. Was visually checked. The multilayer container was dropped so that the bottom contacted the floor (vertical drop). Fall height 50cm. Peelability was evaluated by the number of delaminated bottles (incidence of delamination) when 50 bottles were dropped.
(5) Oxygen permeability of multilayer container: Measured according to ASTM D3985 in an atmosphere of 23 ° C, relative humidity of 100% inside the multilayer container, and 50% relative humidity outside. The measurement used OX-TRAN 10 / 50A made by Modern Controls.
[0056]
The multilayer containers used in the examples and comparative examples were molded as described below.
Parison shape: total length 95 mm, outer diameter 22 mmφ, wall thickness 4.2 mm. The multi-layer parison was manufactured using an injection molding machine (model: M200, 4 pieces) manufactured by Meiki Seisakusho Co., Ltd. The manufacturing conditions for the three-layer parison are as follows.
Three-layer parison molding conditions Skin-side injection cylinder temperature: 285 ° C
Core side injection cylinder temperature: 265 ° C
Resin channel temperature in mold: 285 ° C
Mold cooling water temperature: 10 ° C
Proportion of core resin in parison: 5% by weight
Multilayer container shape: total length 223mm, outer diameter 65mmφ, inner volume 500ml. The bottom is a champagne type. In the biaxial stretch blow molding, a blow molding machine (Model: LB-01, manufactured by Krupp Corpoplast) was used. The biaxial stretching blow conditions are as follows.
Biaxial stretch blow molding conditions Parison heating temperature: 100 ° C
Blow pressure: 2.7 MPa
[0057]
Example 1
The following materials were used to form a three-layered multilayer container.
Resin A: polyethylene terephthalate having an intrinsic viscosity of 0.75 (RT543C manufactured by Nippon Unipet). The solubility index is 11.1.
Resin B: Polyamide MXD6 (MX Nylon S6007 manufactured by Mitsubishi Gas Chemical) having a relative viscosity of 2.70 was used. Resin C: N-6 (1024B manufactured by Ube Industries) having a solubility index of 13.0 was used. The solubility index is 12.6.
Metal atom E: cobalt (Co stearate)
The resin constituting the innermost and outermost layers is resin A, and the resin F constituting the intermediate layer is resin B: resin C: metal atom E = 70: 30: 0.05 (the sum of resin B and resin C is 100). The three-layer parison and the three-layer multilayer container laminated in the order of resin A / resin F / resin A were prepared using the dry-blended material. The delamination property (initial) and the oxygen permeability of the three-layer multilayer container obtained by the above method were examined. After storing the three-layer container filled with 500 ml of water at 40 ° C. and 60% RH for 4 weeks, the delamination property (after 4 weeks) was examined. Table 1 shows the results.
[0058]
Example 2
A multilayer container having a three-layer structure was formed in the same manner as in Example 1 except that the mixing ratio of resin B / resin C was 30/70. Table 1 shows the results of examining the delamination property and oxygen permeability of the obtained three-layer container.
[0059]
Example 3
A resin having a three-layer structure was prepared in the same manner as in Example 1 except that N-6IT (Selar PA 3426 manufactured by DuPont-Mitsui Polychemicals Co., Ltd.) was used as the resin C, and the mixing ratio of resin B / resin C was 90/10. A multilayer container was formed. The solubility index of Resin C is 12.6. Table 1 shows the results of examining the delamination property and oxygen permeability of the obtained three-layer container.
[0060]
Comparative Example 1
A multilayer container having a three-layer structure was formed in the same manner as in Example 1 except that the resin C was not used. Table 1 shows the results of examining the delamination property and oxygen permeability of the obtained three-layer container.
[0061]
Comparative Example 2
A multilayer container having a three-layer structure was formed in the same manner as in Example 1 except that LLDPE (UF240, manufactured by Nippon Polychem Co., Ltd.) was used as the resin C, and the mixing ratio of resin B / resin C was 90/10. The solubility index of Resin C is 8.5. The delamination property of the obtained three-layer container was evaluated by the same drop test as described above. Table 1 shows the results.
[0062]
[Table 1]
[0063]
From the above results, it was confirmed that the multilayer container of the present invention was excellent in delamination resistance and further had high oxygen barrier properties.
In Comparative Example 1 which is a conventional example, delamination resistance deteriorates due to oxygen absorption, and the delamination occurrence rate is 100% after 4 weeks at 40 ° C. and 60% RH, but the mixing ratio of resin C is increased. This confirmed that the rate of occurrence of delamination can be reduced even after storage.
[0064]
Example 4
A three-layer structure was prepared in the same manner as in Example 1 except that 3% by weight of a layered silicate ("Orben" manufactured by Shiroishi Kogyo KK (containing 34% by weight of trimethyloctadecyl ammonium as an organic swelling agent)) was added to Resin F. Was molded. The obtained three-layer container has a delamination property of 5% and an oxygen permeability of 0.001 (ml / bottle · day · 0.02 MPa), and can enhance the oxygen barrier property without deteriorating the delamination resistance. I confirmed that I can do it.
[0065]
【The invention's effect】
According to the present invention, a multilayer container having excellent delamination resistance and excellent gas barrier properties, a very useful product as a packaging material for beverages and the like is obtained, and its industrial value is very large. ,
Claims (7)
式(1) : Sa<Sc<Sb
Sa:樹脂Aの溶解度指数
Sb:樹脂Bの溶解度指数
Sc:樹脂Cの溶解度指数A multilayer container comprising three or more layers, wherein an outermost layer and an innermost layer are obtained by polymerizing a dicarboxylic acid component containing 70 mol% or more of terephthalic acid and a diol component containing 70 mol% or more of ethylene glycol. At least one of the intermediate layers polymerizes a diamine component containing at least 70 mol% of metaxylylenediamine and a dicarboxylic acid component containing at least 70 mol% of adipic acid. Resin (resin B), a polyamide resin (resin C) having a solubility index calculated by the small method that satisfies the formula (1), and a transition metal of Group VIII of the periodic table, manganese, copper and zinc. A compound or complex containing one or more metal atoms (metal atom E) is expressed by weight ratio of resin B: resin C: metal atom E = 20-99. 1 to 80: a multilayer made of an oxygen absorbing resin (resin F) mixed so as to be 0.01 to 0.1 (total of resin B and resin C is 100). container.
Formula (1): Sa <Sc <Sb
Sa: Solubility index of resin A Sb: Solubility index of resin B Sc: Solubility index of resin C
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