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JP2004331895A - シリコーン潤滑油組成物 - Google Patents

シリコーン潤滑油組成物 Download PDF

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JP2004331895A
JP2004331895A JP2003132460A JP2003132460A JP2004331895A JP 2004331895 A JP2004331895 A JP 2004331895A JP 2003132460 A JP2003132460 A JP 2003132460A JP 2003132460 A JP2003132460 A JP 2003132460A JP 2004331895 A JP2004331895 A JP 2004331895A
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JP
Japan
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oil
lubricating oil
oil composition
lubricating
composition
Prior art date
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JP2003132460A
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English (en)
Inventor
Yuji Shidara
裕治 設楽
Seijiro Yasutomi
清治郎 安冨
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Abstract

【課題】粘度指数が高く、しかも金属対金属における潤滑性に優れた潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】ポリオルガノシロキサン基油に下記一般式(1)
【化1】
Figure 2004331895

(上記式中、R、Rは炭素数2〜10のアルキル基で、ともに同じであっても異なってもよい)で示されるジアルキルジチオフォスフェートを組成物全量基準で0.01〜3質量%配合したことからなる潤滑油組成物及びこの潤滑油組成物を金属焼結含油軸受の含浸油として用いる金属焼結含油軸受用潤滑油組成物、さらにはオイルダンパー(液圧緩衝器)用作動流体として用いるオイルダンパー用潤滑油組成物。
【選択図】 な し

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は温度による粘度変化が小さい(高粘度指数)ポリオルガノシロキサンにカルボキシエチル基を有するジアルキルジチオフォスフェートを配合して潤滑性を向上させた潤滑油組成物、さらには、焼結金属軸受の含浸油やオイルダンパーとして用いる潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、航空機用潤滑油などの特殊用途に限らず、車両用エンジン油、自動変速機油、油圧作動油、工作機械油、コンプレッサー油、精密機械油などでも、低温運転での始動性、高温域での油膜形成能が高いことが望まれ、幅広い温度範囲で安定した潤滑性能、粘度特性を発揮しうる潤滑油が求められている。このような潤滑油は高い粘度指数を有する必要がある。
【0003】
従来、高い粘度指数を有する基材としてポリオルガノシロキサン(シリコーン油)、フッ素化エーテル油、ポリアルキレングリコール類などが知られている。しかし、フッ素化エーテル油は非常に高価で特殊用途に限られており、又ポリアルキレングリコールは吸湿性の問題がある。
【0004】
一方、ポリオルガノシロキサンは、高粘度指数、低流動点、化学的安定性、コスト面で非常にバランスがとれている合成油である。しかし、ポリオルガノシロキサンは潤滑性が低く、しかも添加剤が溶けにくいため摩耗防止剤などの配合による潤滑性の改良も難しく、特に鋼対鋼の潤滑摺動面への適用は困難であった。
【0005】
このポリオルガノシロキサンの潤滑性を改良する手段として、フロロクロロエチレンオリゴマー(特許文献1参照)やジチオりん酸エステル(特許文献2参照)を配合することが提案されている。
【0006】
しかしながら、前者の塩素系添加剤は近年、環境に与える影響が懸念されるため使用は好ましくなく、可能な限り非塩素系添加剤の使用が望まれている。一方、後者のジチオりん酸エステルは、潤滑性の向上が不十分であり、さらなる潤滑性の向上が望まれている。
【0007】
【特許文献1】
特許第3247507号公報
【特許文献2】
特開平8−183984号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を進めた結果、驚くべきことに、カルボキシエチル基を有するジチオフォスフェートを配合することにより、ポリオルガノシロキサンの基油としての優れた粘度特性を変えることなく、金属対金属における潤滑性を著しく向上できることを見いだした。
【0009】
本発明はかかる知見に基づきなされたもので、本発明の目的は粘度指数が高く、しかも金属対金属における潤滑性に優れた潤滑油組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリオルガノシロキサン基油に下記一般式(1)
【化2】
Figure 2004331895
(上記式中、R、Rは炭素数2〜10のアルキル基で、ともに同じであっても異なってもよい)で示されるジアルキルジチオフォスフェートを組成物全量基準で0.01〜3質量%配合したことからなる潤滑油組成物で、特にはこの潤滑油組成物を焼結金属含油軸受の含浸油やオイルダンパー用圧力媒体に用いる潤滑油組成物にかかるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のポリオルガノシロキサン基油は、下記の一般式(2)で表されるシロキサンの重合体である。
【化3】
Figure 2004331895
【0012】
ここで、R及びRは炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基又はフェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基で、互いに同じでも異なっていても良い。また隣り合うシロキサン単位ごとにRとRはそれぞれ異なっていても良い。nは重合度を表す整数であり、特に限定されないが、1〜2000の間にあることが望ましい。重合度が大きすぎると低温粘度が高くなりすぎるなど、目的の性能が得られない場合がある。
【0013】
また、このポリシロキサン分子の末端は、Si原子に最大3つの置換基が付くことになるが、これらの置換基も炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基又はアリール基のいずれでも良い。しかし、シロキサン分子の安定性の点で、メチル基が3個結合しているものが好適に使用できる。
【0014】
本発明においては、特にR、Rがそれぞれメチル基からなり、分子量が1000〜100000で、40℃での動粘度が5〜1000000mm/sのジメチルシリコーンと称されるポリジメチルシロキサンを基油として用いることが好ましい。これより分子量が小さく動粘度が低いポリジメチルシロキサンは引火点が低く、また耐蒸発性が低下するため、好ましくない。またこれより分子量が大きく動粘度が高いポリジメチルシロキサンは流動性が低いため、好ましくない。なお、上記範囲のポリジメチルシロキサンの粘度指数は400〜600を示し、かつ流動点も−50℃以下である。
【0015】
本発明は、上記ポリオルガノシロキサン基油に上記一般式(1)のジアルキルジチオフォスフェートを配合するもので、上記式中のR、Rは炭素数2〜10のアルキル基で、ともに同じであっても異なってもよいが、特にはR、Rがともにイソブチル基のものが好ましい。このジアルキルジチオフォスフェートは、ポリオルガノシロキサンに対して、組成物全量基準で0.01〜3質量%、好ましくは0.1〜2質量%の割合で配合する。この配合割合が少なすぎると、潤滑性を十分に向上させることができず、また多すぎると溶解が困難となり、未溶解物のため油が白濁するとともに、析出や閉塞の原因となるので好ましくない。
【0016】
本発明の潤滑油組成物には、必須成分である上記ジアルキルジチオフォスフェート以外に、一般的に使用されている潤滑油添加剤をポリジメチルシロキサンに溶解する範囲内で適宜配合することができる。具体的には酸化防止剤、摩耗防止剤、腐食防止剤、金属不活性化剤などの各種添加剤を配合することができる。
【0017】
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系(ジ−t−ブチルパラクレゾール、(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸エステル系、ビスフェノール系など)、アミン系(アルキル化ジフェニルアミン、フェニルαナフチルアミン、アルキル化フェニルαナフチルアミンなど)、リン系(亜リン酸エステルなど)などの添加剤を挙げることができる。
【0018】
また、摩耗防止剤としては、ジアルキルジチオフォスフェートの潤滑性を低下させないものであり、溶解性の点から、例えば、ジベンジルサルファイド、チアジアゾール、硫化油脂などのイオウ系、リン酸エステル、チオリン酸エステル、リン酸エステルアミン塩などのリン系の添加剤を挙げることができる。
【0019】
上記本発明の潤滑油組成物は、粘度指数が400以上と極めて高く、しかも金属対金属における潤滑性に優れているため、幅広い温度範囲において安定な潤滑性能が求められる様々な用途への適用が期待される。特には、自動車、自動二輪車、建設機械、航空機、鉄道などの輸送車両、空調システム、冷蔵庫などの家庭電化製品、ビデオ、カメラ、プリンター、コンピュータなどの情報機器などに使用される焼結金属含油軸受用の含浸油として好適である。また自動車、自動二輪車、建設機械、航空機、鉄道などの輸送車両、工作機械、油圧機器などに使用される液圧緩衝器の作動流体としての適用も挙げられる。さらには、飲料物、タバコなどの自動販売機の取り出し口、自動車の計装品などに使用されているロータリーダンパー用の作動流体としても好適である。
【0020】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0021】
(実施例1〜3、比較例1〜7)
基油としては、次のポリオルガノシロキサンを用いた。また比較のため溶剤精製により得られたパラフィン系鉱物油を用いた。
A−l:ポリジメチルシロキサン
動粘度(40℃):98.18mm/s
動粘度(100℃):40.12mm/s
粘度指数:417
流動点:−50℃以下
A−2:ポリジメチルシロキサン
動粘度(40℃):379.5mm/s
動粘度(100℃):157.9mm/s
粘度指数:450
流動点:−50℃以下
A−3:ポリジメチルシロキサン
動粘度(40℃):754.6mm/s
動粘度(100℃):302.1mm/s
粘度指数:472
流動点:−50℃以下
A−4:パラフィン系鉱物油
動粘度(40℃):97.98mm/s
動粘度(100℃):10.97mm/s
粘度指数:97
流動点:−12.5℃
【0022】
添加剤として、一般式(1)で示したジアルキルジチオフォスフェート(B−1)、および比較として一般式(1)のカルボキシル基(−COOH)がエステル化(−COOR)されたジアルキルジチオりん酸エステル(B−2)、リン系摩耗防止剤(B−3、4)、硫黄系摩耗防止剤(B5)として次のものを用いた。
B−1:0,0−ジイソブチル−S−カルボキシエチルジチオフォスフェート
B−2:0,0−ジイソプロピル−S−エトキシカルボニルエチルジチオフォスフェート
B−3:トリクレジルフォスフェート
B−4:ハイドロジェンフォスファイト
B−5:チアジアゾール
【0023】
(試験方法)
上記の基油及び添加剤を、表1の上部に示す割合で配合し、60℃の加温条件下で十分に撹拌溶解し、実施例、比較例の潤滑油組成物を調製した。これら調製した潤滑油組成物について、粘度特性、外観、潤滑性について試験を行った。
【0024】
(粘度特性)
40℃および100℃の動粘度、粘度指数は、JIS K2283に従って測定、算出した。
【0025】
(外観)
各基油に所定の添加剤を調整した後、室温(25℃)にて1日静置し、目視観察した。
【0026】
(シェル4球耐摩耗性試験)
机上潤滑性試験として、シェル4球耐摩耗性試験(ASTM D4172)を行った。試験条件は、1200rpm、40kgf/cm、50℃、60minとし、試験終了後の摩耗痕径を測定した。
【0027】
(SRV摩擦試験)
ポリオルガノシロキサンは粘度指数400と高く、高温域での油膜形成能に優れると期待される。そこで、高温域での潤滑性をSRV試験により評価した。評価はVG100の実施例1[ポリジメチルシロキサン、粘度指数油417]、および比較として比較例7[パラフィン系鉱物油、粘度指数97]で行った。なお、添加剤組成は同じとした。
【0028】
評価は、以下の条件にてシリンダー/ディスク型SRV試験機を用いて摩擦特性(摩擦係数)を測定した。
荷重:100N
振動数:50Hz
振幅:1.5mm
温度:100℃
時間:15min
測定項目:15min経過時の摩擦係数
これらの結果を表1にまとめて示した。
【0029】
【表1】
Figure 2004331895
【0030】
この結果から明らかなように、本発明のカルボキシエチル基を有するジチオフォスフェートを適量配合したポリジメチルシロキサンは、添加しない場合に比べ格段に耐摩耗性が向上し、比較のため用いたジアルキルジチオりん酸エステル、トリクレジルフォスフェート、ハイドロジェンフォスファイト、チアジアゾールに比べても耐摩耗性への効果が極めて高いことがわかる。さらに、粘度指数が低いパラフィン系鉱物油に比べて、高粘度指数のポリジメチルシロキサンを基油に用いることによって、同じ添加剤組成であっても、高温域における摩擦係数が低い結果が得られた。これは高粘度指数基油の油膜形成能に起因するものである。
【0031】
このように高粘度指数油の特長を変えることなく、従来から課題であった耐摩耗性を向上させるため、本発明のカルボキシエチル基を有するジチオフォスフェートを適量配合した潤滑油組成物を得ることができた。この潤滑油組成物は、特には幅広い温度領域で安定した潤滑性が求められる用途、例えば金属焼結含油軸受用の含浸油、オイルダンパー(液圧緩衝器)の作動流体などに好適である。
【0032】
【発明の効果】
本発明の潤滑油組成物は、高い粘度指数を有し、潤滑性に優れ、特に金属焼結含油軸受にこれら潤滑油組成物を含浸させることにより、低温から高温まで広い温度範囲にわたって安定した摺動特性を得ることができる。またオイルダンパー、(液圧緩衝器)の作動流体としても幅広い温度領域にわたり安定した流体特性、潤滑性が得られる。

Claims (3)

  1. ポリオルガノシロキサン基油に下記一般式(1)で示されるジアルキルジチオフォスフェートを組成物全量基準で0.01〜3質量%配合したことを特徴とする潤滑油組成物。
    Figure 2004331895
    (上記式中、R、Rは炭素数2〜10のアルキル基で、ともに同じであっても異なってもよい)
  2. 請求項1に記載の潤滑油組成物を焼結金属含油軸受の含浸油として用いることを特徴とする焼結金属軸受用潤滑油組成物。
  3. 請求項1に記載の潤滑油組成物をオイルダンパー(液圧緩衝器)の潤滑油として用いることを特徴とするダンパー用潤滑油組成物。
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