[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2004331883A - 複合樹脂組成物中間体、複合樹脂組成物、複合樹脂組成物中間体の製造方法、及び複合樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

複合樹脂組成物中間体、複合樹脂組成物、複合樹脂組成物中間体の製造方法、及び複合樹脂組成物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004331883A
JP2004331883A JP2003131992A JP2003131992A JP2004331883A JP 2004331883 A JP2004331883 A JP 2004331883A JP 2003131992 A JP2003131992 A JP 2003131992A JP 2003131992 A JP2003131992 A JP 2003131992A JP 2004331883 A JP2004331883 A JP 2004331883A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
resin
inorganic oxide
composite resin
composition according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003131992A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Suzuki
克彦 鈴木
Yasuaki Kai
康朗 甲斐
Kenji Uesugi
憲治 上杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2003131992A priority Critical patent/JP2004331883A/ja
Publication of JP2004331883A publication Critical patent/JP2004331883A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)

Abstract

【課題】透過像の歪みが無く透明性に優れ、機械的強度に優れた樹脂組成物、並びにこのような樹脂組成物を得るための製造方法を提供する。
【解決手段】水分散型コロイド状ナノ無機酸化物を乾燥して粉末化する。次いで、 前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物及び前記樹脂モノマーを有機溶媒中に分散させて反応溶液を生成し、この反応溶液を所定の温度に保持した後、前記反応溶液中に前記無機酸化物表面処理剤を添加し、前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物及び前記樹脂モノマーを前記無機酸化物表面処理剤の存在下で反応させる。次いで、前記樹脂モノマーを重合させて樹脂重合体を得、前記ナノ無機酸化物と前記樹脂重合体を構成する前記樹脂モノマーとが前記表面処理剤を介して化学結合してなる複合樹脂組成物を得る。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、剛性・強度、耐衝撃性などの機械的物性に優れた樹脂組成物に関するものであり、自動車用の内外装部品や外板の用途として有用な樹脂組成物及びその中間体に関するものである。更に詳しくは、透明樹脂中にナノ無機充填材が含んでなることにより剛性、強度、耐衝撃性が向上し、かつ透明性を有するナノ複合熱可塑性樹脂組成物及びその中間体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
透明樹脂は無機ガラスと比べ、耐衝撃性、軽量性、成形性に優れているため、様々な工業用品、日用品に使用されており、例えばカメラレンズ、コンタクトレンズなどの光学的用途、透明性が必要とされる自動車用部品、電気機器部品等に使用されている。透明樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂を例示することができる。
【0003】
近年、自動車用部品において、上述した透明樹脂を用いた樹脂ガラスが、無機ガラスに比べ耐衝撃性、軽量性、成形性に優れる特徴を有しているため着目を浴び、用途及び使用量においても増加している。一方で、乗員保護、車両性能向上の観点から、車両用部品に求められる性能は益々高くなっている。
【0004】
これらの剛性・強度等の物性を改良するために、特開平11―343349号公報には、透明な非結晶の有機高分子に、剛性の向上等を目的として可視光線波長以下の径を有する微細なシリカを配合した透明樹脂組成物からなる樹脂製ウィンドウが開示されている。前記透明樹脂組成物は、透明な非結晶の有機高分子を生成する過程で、溶剤に分散させたシリカ微粒子を添加して反応系を作製し、次いで、得られた反応生成物を凝固剤溶剤で沈降させることに得るものである。前記有機高分子は、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合などの公知の重合反応によって得ることができ、前記有機高分子の原料となるモノマーとしては、メタクリル酸メチル等が開示されている。
【0005】
また、特開平6−316045号公報には、アクリル系樹脂シート、熱可塑性ポリウレタン系シート、ポリカーボネートシートとの3層からなる積層シートに、さらにアクリル系樹脂シートの両面にアクリル系樹脂フィルムとポリカーボネートフィルムとからなる積層フィルムを、いずれもアクリル系樹脂フィルムがアクリル系樹脂シート側になるように積層した合成樹脂製安全ガラスが開示されている。前記公報に記載の合成樹脂製安全ガラスは、合成樹脂シートと中間層との接着性、並びにホットプレス法の高温下におけるアクリル系樹脂シートの失透や透過像の歪み、及び前記安全ガラス中の、アクリル系樹脂部分の強い衝撃による飛散を防止することを目的としたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば自動車のウインドシールドに上述した透明樹脂組成物を適用する場合、要求される剛性を確保するためには、部品の厚さを増大させる必要が生じ、その結果、部品重量も増加してしまうという問題があった。かかる問題に対処すべく、透明樹脂組成物中にシリカ微粒子などの充填材を含有させ、その機械的強度を向上させることが試みられている。
【0007】
しかしながら、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂とシリカ粒子とは、互いの屈折率が比較的大きく異なるため、透過光が粒子−樹脂間で反射及び屈折してしまい、これらの樹脂と粒子とからなる樹脂組成物の透明性が低下したり、透過像がゆがんだりしてしまうという問題があった。また、メタクリル系樹脂を用いた場合も、含有させるシリカ微粒子が凝集したり、シリカ以外の微粒子を含有させたりした場合においては、前記微粒子の屈折率と、前記樹脂の屈折率とが大きく異なり、前記メタクリル系樹脂が有する高い透明性にも拘わらず、樹脂全体としての透明性が劣化し、透過像の歪みも大きくなるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、透過像の歪みが無く透明性に優れ、機械的強度に優れた樹脂組成物、並びにこのような樹脂組成物を得るための製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
さらに、本発明は、前記樹脂組成物を利用した種々の成形体及び部品、並びにこれら成形体及び部品の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は、
水分散型コロイド状ナノ無機酸化物と、樹脂モノマーと、無機酸化物表面処理剤とを含み、前記ナノ無機酸化物と前記樹脂モノマーとが前記表面処理剤を介して化学結合していることを特徴とする、複合樹脂組成物中間体に関する。
【0011】
また、本発明は、
水分散型コロイド状ナノ無機酸化物と、樹脂重合体と、無機酸化物表面処理剤と を含み、前記ナノ無機酸化物と前記樹脂重合体を構成する樹脂モノマーとが前記表面処理剤を介して化学結合していることを特徴とする、複合樹脂組成物に関する。
【0012】
さらに、本発明は、
水分散型コロイド状ナノ無機酸化物を乾燥して粉末化する工程と、
前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物と樹脂モノマーとを、無機酸化物表面処理剤の存在下で反応させる工程と、
を具えることを特徴とする、複合樹脂組成物中間体の製造方法に関する。
【0013】
また、本発明は、
水分散型コロイド状ナノ無機酸化物を乾燥して粉末化する工程と、
前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物と樹脂モノマーとを、無機酸化物表面処理剤の存在下で反応させる工程と、
前記樹脂モノマーを重合する工程と、
を具えることを特徴とする、複合樹脂組成物の製造方法に関する。
【0014】
本発明者らは、樹脂組成物中におけるシリカ微粒子などの充填材の分散性を向上させ、前記樹脂組成物と前記充填材との複合樹脂組成物の、本来的に有する機械的強度などの諸特性を引き出すべく長年研究を行っている。かかる研究の過程で、乾式で作製された無機酸化物の充填材などに比較して、湿式の水分散型コロイド状無機酸化物の充填材においては、可視光波長領域以下の微細な粒径のものを簡易に形成できることを見出した。したがって、このような無機酸化物を樹脂組成物中に分散させることにより、高い透明性と高い機械的強度とを有する複合樹脂組成物が得られることが容易に予想される。
【0015】
しかしながら、前記水分散型コロイド状無機酸化物は親水性であるために、単に樹脂組成物中に分散させたのみでは、前記無機酸化物が前記樹脂組成物中で凝集してしまい、目的とするような複合樹脂組成物を得ることができないでいた。
【0016】
そこで、本発明者らは、上記水分散型コロイド状無機酸化物の均一分散性を高めるべく鋭意検討を実施した。その結果、本発明に従って、水分散型コロイド状無機酸化物を乾燥して粉末化した後、この粉末状無機酸化物を所定の無機酸化物表面処理剤の存在下で所定の樹脂モノマーと反応させることにより、微細な無機酸化物が前記樹脂モノマーと前記表面処理剤を介して化学結合した、本発明の複合樹脂組成物中間体が得られることを見出した。したがって、前記中間体中の前記樹脂モノマーを所定の条件下で重合させることにより、前記微細な無機酸化物が前記表面処理剤による化学結合を介して均一に分散した、本発明の複合樹脂組成物が得られることを見出した。
【0017】
前記複合樹脂組成物は、前記樹脂モノマーからなる樹脂重合体中に微細な無機酸化物が均一に分散するようになるので、剛性、強度、耐衝撃性などの機械的強度が向上し、かつ優れた透明性を有するようになる。したがって、自動車用の内外装部品や外板の用途などとして好適に用いることができる。
【0018】
本発明の詳細及びその他の特徴、並びに樹脂塑性物の製造方法及び成形体、部品、さらにこれらの製造方法については以下の発明の実施の形態で説明する。
【0019】
【発明の実施の形態】
(水分散型コロイド状ナノ無機酸化物)
本発明において使用される水分散型コロイド状ナノ無機酸化物とは、水溶媒に分散しているシリカやチタニア等の金属酸化物である。更に詳しく例えば、用いられる金属には、アルミニウム、アンモチン、ヒ素、バリウム、ベリリウム、ビスマス、ホウ素、カドミウム、カルシウム、クロム、コバルト、銅、ガリウム、ゲルマニウム、シリコン、ハフニウム、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、パラジウム、白金、カリウム、ロジウム、ルテニウム、シリコン、銀、ナトリウム、タンタル、タリウム、スズ、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、亜鉛、ジルコニムなどが挙げられる。これらの金属は単独で用いることもできるし、2以上を組み合わせて用いることもできる。
【0020】
上述した例の内、特に前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物はコロイダルシリカであることが好ましい。これによって、微細なシリカが均一に分散してなる本発明の複合樹脂組成物中間体及び複合樹脂組成物を得ることができ、剛性、強度、耐衝撃性などの機械的強度に優れるとともに、透明性に優れた複合樹脂組成物を得ることができる。
【0021】
また、前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物の平均一次粒径は380nm以下であることが好ましく、さらには1nm〜200nm、特には5nm〜100nmの範囲であることが好ましい。これによって、前記無機酸化物の平均一次粒径を可視光領域以下にまで十分に低減することができ、最終的に得た複合樹脂組成物の透明性を十分に向上させることができる。
【0022】
(無機酸化物表面処理剤)
本発明で使用される無機酸化物表面処理剤としては、一般的に用いられるシランカップリング剤を使用することができる。例えば有機官能基がビニル基であるものとしては、ビニルトリメトキシシラン、及びビニルトリエトキシシランを例示することができ、有機官能基がアミノ基であるものとしては、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、及び3−アミノプロピルトリメトキシシランを例示することができる。
【0023】
また、有機官能基がエポキシ基であるものとしては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを例示することができ、有機官能基がクロル基であるものとしては、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、及び3−クロロプロピルトリメトキシシランを例示することができ、有機官能基がメタクリロキシ基であるものとしては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを例示することができ、有機官能基がメルカプト基であるものとしては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを例示することができる。
【0024】
上記シランカップリング剤の中でも、特に少なくとも1以上のアミノ基を有するものが好ましい。この場合、前記表面処理剤と化学結合すべき樹脂モノマーの酸素及び水酸基などの官能基と、前記表面処理剤との間に強固な化学結合を形成するため、得られた複合樹脂組成物中間体、さらには最終的な複合樹脂組成物の機械的強度を十分に高めることができるようになる。
【0025】
また、本発明で用いる表面処理剤は鎖式化合物であることが好ましい。この場合、隣接する表面処理剤同士の間隔が小さくなるため、前記無機酸化物の表面により多くの表面処理剤が化学結合して存在することになる。この結果、複合樹脂組成物中間体及び複合樹脂組成物の機械的強度をより向上させることができるようになる。
【0026】
さらに、前記表面処理剤の主鎖における炭素原子数が6以下であることが好ましい。この場合、嵩による立体障害を受けにくくなるため、前記無機酸化物の表面により多くの表面処理剤を化学結合させることができるようになる。したがって、複合樹脂組成物中間体及び複合樹脂組成物の機械的強度をより向上させることができるようになる。
【0027】
なお、本発明の複合樹脂組成物中間体及び複合樹脂組成物において、前記無機酸化物表面処理剤は、前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物の100重量部に対して0.5重量部以上含有させることが好ましい。前記表面処理剤の含有量が0.5重量部未満であると、前記無機酸化物と樹脂モノマーとの間に十分な化学結合を形成することができずに、複合樹脂組成物中間体及び複合樹脂組成物の機械的強度を十分に向上させることができない場合がある。
【0028】
(樹脂モノマー及び樹脂重合体)
本発明の複合樹脂組成物は、無機酸化物表面処理剤との化学結合を介して、上述したナノ無機酸化物を比較的多量に含んだ場合においても、十分な透明性を確保できるものであれば、如何なる樹脂重合体からも構成することができる。特に高い透明性と、剛性や耐衝撃性などの高い機械的強度を有するため、前記樹脂重合体としては、アクリル系樹脂及びポリカーボネート系樹脂の少なくとも一方を用いることが好ましい。
【0029】
なお、アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂は、単独の樹脂重合体から構成することもできるし、他の樹脂モノマーと共重合させた共重合体から構成することもできる。
【0030】
前記複合樹脂組成物をアクリル系樹脂から構成する場合には、アクリル系の樹脂モノマーを用いる。したがって、本発明の複合樹脂組成物中間体を製造する際には、アクリル系樹脂モノマーを使用することになる。
【0031】
アクリル系樹脂モノマーは、官能性モノマーと非官能性モノマーに大別され、前者の具体例としては、カルボキシル基を有するものとして、アクリル酸及びメタクリル酸を例示することができ、ヒドロキシル基を有するものとして、メタクリル酸ヒドロキシルエチル及びメタクリル酸ヒドロキシプロピルを例示することができ、アマイド基を有するものとして、アクリルアマイド及びメタアクリルアマイドを例示することができ、グリシジル基を有するものとして、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、及びメタクリル酸第三ブチルアミノエチルを例示することができる。
【0032】
一方、非官能性モノマーの具体例としては、硬質モノマーに分類されるメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸正ブチル及びメタクリル酸正イソブチルを例示することができ、軟モノマーに分類されるメタクリル酸正ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸正ブチル、アクリル酸イソブチル、及びアクリル酸−2−エチルヘキシルを例示することができる。
【0033】
これらのアクリル系モノマーは単独で用いることもできるし、2以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0034】
複合樹脂組成物をアクリル系樹脂から構成する場合、特にメタクリル酸メチルを基本骨格とする単独アクリル重合体又は共重合アクリル樹脂から構成することが好ましい。
【0035】
前記複合樹脂組成物をポリカーボネート系樹脂から構成する場合には、ポリカーボネート系の樹脂モノマーを用いる。したがって、本発明の複合樹脂組成物中間体を製造する際には、ポリカーボネート系樹脂モノマーを使用することになる。
【0036】
ポリカーボネート系樹脂としては、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応を経て合成されたものが一般的に用いられている。
【0037】
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4一ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシー3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフエニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシー3−メチルフェニル)フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α,−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−P−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、2,2,2’,2’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビス[1H−インデン]−6,6’−ジオール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフイド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルを例示することができる。
【0038】
これらのポリカーボネート系モノマーは、単独で用いることもできるし、2以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0039】
上述したポリカーボネート系モノマーの中でも、特に、ビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、及びα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールを用いて得られる単独重合体または共重合体が好ましく、特にビスフェノールAの単独重合体およびビスフェノールAを主とする共重合体が好ましく使用される。
【0040】
また、上述した炭酸ジエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール、及びアラルキル、炭素数1〜10のアルキル、炭素数3〜10のシクロアルキルなどのエステルが好ましく用いられる。
【0041】
具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ビフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートを例示することができる。これらの中でも、ジフェニルカーボネートが反応性、純度およびコストの点より好ましい。
【0042】
さらに、上述したエステル交換反応で用いるエステル交換触媒としては、前述の炭酸ジエステル及び芳香族ジヒドロキシ化合物を出発原料として、副反応を抑制するとともに着色等が少なく、品質良好なポリカーボネート系樹脂を生成できるようなものを用いることが好ましい。具体的には、例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素塩基性化合物、及び含リン塩基性化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する触媒が好ましく使用される。
【0043】
なお、上記エステル交換触媒に加えて他の触媒を併用することも有利な場合がある。
【0044】
前記エステル交換触媒として使用することのできるアルカリ金属化合物、及びアルカリ土類金属化合物としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の、水酸化物、炭化水素化合物、炭酸塩、カルボン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ジチオ硫酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、水素化棚素塩、燐酸水素化物、芳香族ヒドロキシ化合物塩等が挙げられる。
【0045】
アルカリ金属化合物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ルビジウム、ステアリン酸セシウム、安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸ルビジウム、安息香酸セシウム、硝酸セシウム、亜硝酸ルビジウム、亜硫酸カリウム、シアン酸リチウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸ルビジウム、シアン酸セシウム、チオシアン酸リチウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ルビジウム、チオシアン酸セシウム、水素化棚素リチウム、水素化棚素ナトリウム、水素化棚素カリウム、テトラフェニル化棚素カリウム、亜燐酸ジリチウム、次亜燐酸カリウム、リン酸水素ジリチウム、リン酸トリリチウム、ビスフェノールAのジリチウム塩又はモノリチウム塩、リチウムナトリウム塩、リチウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、ルビジウムフェノキシド、セシウムフェノキシド、リチウム2,6−ジーt−プチルー4−メチルフエノキシド、ナトリウム2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフエノキシド、ルビジウム2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド、セシウム2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシドなどが挙げられる。
【0046】
アルカリ土類金属化合物の具体例としては、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、酢酸バリウム、ミリスチン酸マグネシウム、安息香酸ストロンチウム、シアン酸カルシウム、シアン酸バリウム、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸バリウムを例示することができる。
【0047】
本願発明の目的をより一層好ましく達成するためには、エステル交換触媒成分であるアルカリ金属化合物として、リチウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムより選択される金属化合物を含有する触媒を使用するのが好ましい。
【0048】
(複合樹脂組成物中間体及び複合樹脂組成物の構造)
本発明の複合樹脂組成物中間体及び複合樹脂組成物は、上述したような水分散型コロイド状ナノ無機酸化物と上述したような樹脂モノマーとが、上述した無機酸化物表面処理剤を介して化学結合してなることが必要である。
【0049】
化学結合の態様としては、前記樹脂モノマーと前記ナノ無機化合物との結合が強固であれば特に限定されるものではないが、原子やイオンなどが電子の授受により結合している化学結合を持つことが必要である。化学結合には、原子同士の価電子の共有による共有結合と陰イオンと陽イオンが電気的に結合するイオン結合がある。イオン結合と比較し共有結合は、より強固な結合をつくるため、樹脂モノマーとナノ無機化合物の結合は共有結合より好ましい。
【0050】
また、前記樹脂モノマーと前記ナノ無機化合物とは、前記表面処理剤による架橋を介して結合していることが好ましい。このような架橋を介した化学結合は比較的強固であるとともに、上述したカップリング剤を用いるとともに、以下に示すような製造方法を経ることによって簡易に実現することができる。
【0051】
なお、上述したような化学結合は赤外分光光度計(Infrared Spectrometer;IR)と核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance;NMR)によりシリコン原子に結合している原子や分子を同定することにより確認することができる。
【0052】
(複合樹脂組成物中間体及び複合樹脂組成物の製造方法)
本発明の複合樹脂組成物中間体及び複合樹脂組成物の製造方法においては、最初に水分散型コロイド状ナノ無機酸化物を乾燥して粉末化する。前記乾燥は、例えば大気中、80℃〜140℃で1時間〜4時間熱処理することによって実施する。また、前記粉末化は、乾燥したナノ無機酸化物を粉砕機により微粉末化することにより得ることができる。または、噴霧乾燥機を用いても、微粉末化することができる。
【0053】
次いで、粉末化した前記ナノ無機酸化物と所定の樹脂モノマーとを有機溶媒中に分散して、反応溶液を作製する。次いで、前記反応溶液中に無機酸化物表面処理剤を添加し、前記ナノ無機酸化物と前記樹脂モノマーとを前記表面処理剤を介して化学結合させ、本発明の複合樹脂組成物中間体を得る。
【0054】
なお、本発明の複合樹脂組成物を得るには、上述した反応溶液を前記樹脂モノマーが重合するような温度に保持するとともに、必要に応じて反応開始剤を添加し、前記樹脂モノマーを重合させ、樹脂重合体を生成することによって得る。
【0055】
複合樹脂組成物を重合反応を通じて生成させる場合は、前記樹脂モノマーの重合反応中に前記表面処理剤を添加することが好ましい。これにより、前記ナノ無機酸化物及び前記樹脂モノマーの、前記反応溶液中での凝集することを抑制することができ、前記ナノ無機酸化物の分散性がより向上した複合樹脂組成物を得ることができる。
【0056】
なお、上記においては溶液法で複合樹脂組成物中間体及び複合樹脂組成物を製造する場合について述べたが、本発明の中間体及び組成物は上記以外の公知の重合法を利用して製造することができる。
【0057】
上述のようにして得た複合樹脂組成物には、必要に応じて様々な添加剤、例えば帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、エネルギー消剤、難燃剤、顔料、着色剤などを添加してもよい。
【0058】
(成形体及び部品)
本発明の複合樹脂組成物は、透明性や衝撃強度を犠牲にすることなく剛性の向上を実現し、また熱膨張率が低く、高温時にソリなどを抑制し得るという特性を兼ね備えているため、これらの機能が要求される部材に好適であり、例えば、内装材では計器盤の透明カバー並びに外装材では窓ガラス(ウィンドウ)やヘッドランプ、サンルーフ及びコンビネーションランプカバー類などの、自動車や家電そして住宅に用いられる透明部材・備品に適している。
【0059】
特に、本発明の複合樹脂組成物は、軽量化と成形の自由度が要求される無機ガラス代替用途としての樹脂製ウィンドウ(特に、熱線付き樹脂製ウィンドウ);車両用内外装部品成形体及び車両用外板;樹脂製ワイパーシステム;樹脂製ドアミラーステイ;樹脂製ピラー;樹脂成形体;樹脂製ミラー;樹脂製ランプリフレクター;樹脂製エンジンルーム内カバー及びケース;樹脂製冷却装置部品;大気と連通した中空構造及び/又は密閉された中空構造を有する樹脂一体成形体;一の部品に異なる2種以上の機能が付与される一体成形部品;可動部と非可動部を有する成形体;ならびに炭化水素系燃料を収納する部品あるいは容器などの用途において、その効果を有効に発揮できる。
以下、本発明の樹脂塑性物の用途について詳述する。
【0060】
<車両用内外装部品成形体及び車両用外板>
本発明に係る複合樹脂組成物用途の一つとしては、車両用内外装部品成形体及び車両用外板を挙げることができる。本発明の樹脂組成物は、透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、さらに高耐熱性であり、熱膨張率が低く、熱時/成形時の寸法安定性にも優れるため、車両用の内外装部品成形体や車両用外板の用途に好適である。
【0061】
図1及び図2(a)は、セダン系自動車のリアサイドからの外観斜視図であり、図2(b)は、前記セダン系自動車の平面図である。車両用の内外装部品成形体としては、図1に示すような、ドアモール1、ドアミラーのフレーム枠2、ホイールキャップ3、スポイラー4、バンパー5、ウインカーレンズ6、ピラーガーニッシュ7、リアフイニッシャー8、ヘッドランプカバー(図示せず)等を例示することができる。車両用外板としては、図2(a)や図2(b)で示すような、フロントフェンダー21、ドアパネル22、ルーフパネル23、フードパネル24、トランクリッド25、バックドアパネル(図示せず)等を例示することができる。
【0062】
<樹脂製ワイパーシステム、樹脂製ドアミラーステイ及び樹脂製ピラー>
本発明の複合樹脂組成物の用途の一つとして、樹脂製ワイパーシステム、樹脂製ドアミラーステイ及び樹脂製ピラーを挙げることができる。上述したように、本発明の樹脂組成物は、透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、さらに高耐熱性であり、熱膨張率が低く、熱時/成形時の寸法安定性にも優れるため、ワイパーシステム等のような視界の向上が要求される部品の用途に好適である。
【0063】
従来のワイパーシステムは、黒色塗装仕上げの鋼鉄と黒色のゴムで構成され、低速作動時に視界が妨げられるという課題があった。また、従来のドアミラーステイは、外板と同色もしくは黒色塗装仕上げの樹脂製であり、右左折時の視界が妨げられるという課題があった。また、従来のピラーは鋼鉄製であり、フロントピラー、センターピラーは通常走行時や右左折時、リアピラーは後方移動時や後方確認時に視界が妨げられるという課題があった。
【0064】
これらの部品に透明な樹脂材料を使用できれば視界は向上するが、高い剛性や耐熱性、熱時/成形時の寸法安定性も要求されることから、従来の透明樹脂材料では実現が難しかった。これに対して、透明性に優れ、高剛性、低熱膨張率、低熱収縮率を有する本発明の複合樹脂組成物を上記したような透明材として用いることで、これらの課題が解決可能となり、透明な上記部品が得られる。これらの部品の透明化は視界向上だけでなく、意匠性の向上にも寄与できると期待される。
【0065】
本発明のワイパーシステムの一実施態様を、図3に模式的に示す。図3に示されるように、ワイパーシステム30は、ワイパーアーム31とワイパーブレード32から構成され、ワイパーアーム固定用ナット穴33を中心として半弧を描くように作動する。ワイパーブレード32は、弾性を有する支持部品と軟らかいゴム部品とから構成されている。
【0066】
本発明のワイパーシステムにおいては、ワイパーアーム31とワイパーブレード32の支持部品の少なくとも一つに本発明の複合樹脂組成物を透明材として用いたものである。なお、本発明のワイパーシステムにおけるワイパーブレード32のゴム部品については、耐久性が高く比較的透明性の高いシリコンゴム等を用いるのが好ましい。また、ワイパーブレード32の支持部品は、本発明の複合樹脂組成物に適量のアクリルゴム成分を加えた樹脂−ゴム混合組成物を用いて調製してもよい。これによって、ワイパーブレードの支持部品に適度な弾性を与えることができるからである。
【0067】
このような樹脂−ゴム混合組成物としては、例えば、本発明の複合樹脂組成物100質量部に対して、アクリルゴム成分(アクリル酸エチル、アクリル酸プチルやその共重合体等で、例えば日本ゼオン株式会社製Nipol AR31がある)を1〜30質量部添加したものがある。
【0068】
ドアミラーステイ及びピラーに対しては、本発明の複合樹脂組成物のみを透明材として用いてもよいが、例えば、本発明の複合樹脂組成物を他の樹脂材料と積層した多層積層体で構成することも可能である。このような多層積層体は、少なくとも本発明の複合樹脂組成物から成る層を一層以上含んでいればよく、好ましくは積層体の最表面層と最下層、更に好ましくは中間層(1層以上)にも前記複合樹脂組成物から成る層を設けることができる。このように多層積層体とすることで、本発明の樹脂組成物のみでは発現できないような付加機能をも付与することが可能となる。
【0069】
多層積層体を用いる場合の各層の厚さは、最終的な成形品の厚さと積層数から最適な厚さを選択することができる。このような多層積層体とする場合の他の樹脂材料としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン/メチルメタアクリレート共重合体等がある。
【0070】
また、製造方法や構成は特に限定されず、それぞれ単独の部品としてもよいし、例えば、ドアミラーステイ及びフロントピラー、あるいは各ピラー及び樹脂ルーフパネルを、後述する一体成形体の製造方法等によって一体化してもよい。
【0071】
<樹脂成形体>
本発明に係る複合樹脂組成物の用途の一つとしては、透明部と不透明部を有する樹脂成形体であって、少なくとも透明部が本発明の複合樹脂組成物を含んで成ることを特徴とする。本発明の複合樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、熱時/成形時の寸法安定性、耐薬品性、透明性、耐衝撃性にも優れるため、透明部と不透明部を併せもつ部品の用途に好適である。透明部と不透明部を有する樹脂成形体であって、少なくとも透明部が本発明の複合樹脂組成物を含んで成る樹脂成形体を適用してなる例として、自動車部品を例に説明する。
【0072】
自動車には、例えば、各種ランプ類やカバー、ガラスのような透明な部品と、例えば、外板や各種内装部品のような不透明な部品が混在している。これらの部品にはそれぞれ透明性、剛性、耐熱性、低線膨張率、低成形収縮率、耐薬品性等、異なる様々な特性が要求されるため、従来、樹脂材料ではこれら透明な部品と不透明な部品の一体化は難しかった。
【0073】
これに対して、高剛性、高耐熱性、低線膨張率、低成形収縮率、高耐薬品性という特徴を有する本発明の複合樹脂組成物を少なくとも透明材として使用することで、これらの課題が解決可能になる。さらに、透明な部品と不透明な部品を一体成形することにより部品点数及び工程数の削減、部品重量の低下が可能になる。また、数種の部品を一体で形成できるため、従来分割されていた外形線が一つの連続するラインで形成できることから、部品外観の向上が図れる。
【0074】
例えば、透明性を必要とするヘッドランプは、その周囲に存在するバンパー、フロントグリル、フェンダ、フードといった別々の(透明又は不透明な)部品と接している。これら透明部・不透明部を一体成形することにより部品点数の削減が可能である。さらに、従来は個々の部品を一つずつ組みつけていたが、一体化された部品一つを組み付ければよいため、組み立て時の工程数も削減できる。
【0075】
また、本発明の複合樹脂組成物は、高い耐熱性を有するため、ランプの熱源が近くても樹脂が溶けてしまうなどの問題も発生しない。従来のヘッドランプは、ポリカーボネート樹脂製でできており、耐光性が低く、太陽光に暴露されると黄変するため、表層にコーティングしなければならなかったが、本発明の複合樹脂組成物を用いることにより、このような課題も解決される。
【0076】
また、例えば、透明性を必要とする自動車用ガラスには、ドアに付属するサイドガラスとバックドアガラス、リアフェンダーとルーフに接着してあるリアクウォーターガラスとリアガラス等がある。本発明の複合樹脂組成物を少なくとも透明部に用いることにより、これらとガラスとの一体成形部品を得ることができる。例えば、サイドガラスとバックドアガラスとは、ドアアウターとドアインナーとの間にガラスが配置されているが、本発明の複合樹脂組成物を用いて内部に中空部を形成することにより、ドアアウター・ドアインナー・ガラスを一体型でかつ同時に成形することができ、部品点数を削減することができる。
【0077】
さらには、予めドアアウターとドアインナーとを用いて内部に中空部を形成させ、前記中空部に本発明の複合樹脂組成物を流し込むことで、ドアアウター・ドアインナー・ガラスを一体的に成形することができる。なお、ドアロック、ワイパーモーター等は後工程で部品の中空部に設置する。同様にして、ピラーガーニッシュとリアクウォーターガラスとを一体化することもできる。
【0078】
また、例えば、本発明の複合樹脂組成物が持つ透明かつ高強度・高剛性の特徴を利用して、構造用部品の部分的な透明化にも適用できる。例えば、ルーフの一部に本発明の複合樹脂組成物を用いると前記部分を透明にすることができる。したがって、ガラス製サンルーフを設けなくとも透明なルーフを得ることができる。このように、本発明の複合樹脂組成物を使用することによって、樹脂成形体の一部が透明部であり他の部分が不透明部である、高強度・高剛性を保持した構造用部品を形成することもできる。なお、不透明部は着色していてもよい。
【0079】
図4は、ワゴン車のリアサイドからの外観斜視図である。図4に示すワゴン車は、透明部と不透明部とを有する樹脂成形体である、ランプフード・フェンダー一体樹脂成形体41、ピラーガーニッシュ・ガラス一体樹脂成形体42、ルーフフェンダ・ガラス一体樹脂成形体43、バックドア・ガラス一体樹脂成形体44及びドア・ガラス一体樹脂成形体45等を有している。本発明の複合樹脂組成物は、これらの樹脂成形体の透明部に適用することができる。例えば、ランプフード・フェンダー一体樹脂成形体41のランプフードなどに適用することができる。このように本発明の複合樹脂組成物を用いれば、部品点数を削減することができ、部品取り付けの工程数を削減することができる。
【0080】
図5は、透明樹脂部と不透明樹脂部とを一体で成形したインストルメントパネル及び計器類のカバーを示す模式図である。前記透明樹脂部に対して本発明の複合樹脂組成物を適用するようにすれば、前記透明樹脂部と前記不透明樹脂部とを一体的に成形できるため、予めインストルメントパネル51と計器類のカバー52とを同時に(一体的に)成形しておき、インストルメントパネル51に数種の部品を集約することで、部品点数を削減し、かつ軽量化を図ることができる。
【0081】
なお、透明部と不透明部とを有する樹脂成形体において、着色した不透明部の樹脂成形体を得るには、着色した原料樹脂を用いる方法、不透明部に塗装又は印刷して着色する方法、又は不透明樹脂として着色シートを使用する方法等がある。
【0082】
着色した原料樹脂の調製方法としては、原料樹脂に予め顔料を分散させておく方法の他、原料樹脂ペレットと顔料ベレットを同時に溶融・混練させ、射出成形機を用いて金型内に射出して着色樹脂を得る方法がある。前記着色樹脂を用いて前記樹脂成形体を製造するには、前記着色樹脂を含む前記金型を開き、又は溶融樹脂通過経路を新たに作製して、別のシリンダを用い、前記金型の空隙部に透明溶融樹脂を射出すればよい。これによって透明部と着色した不透明部とを有する樹脂成形体を製造することができる。なお、不透明樹脂を先に射出するか透明樹脂を先に射出するかはどちらでも良い。
【0083】
塗装又は印刷により着色した不透明部を形成するには、予め透明樹脂を溶融して目的の樹脂成形体を形成し、その後前記樹脂成形体の表面あるいは裏面から塗装あるいは印刷を施して、着色及び不透明性を確保する。溶融樹脂の賦形前に塗装又は印刷を施し、その後に賦形することもできる。
【0084】
不透明樹脂として着色シートを使用する場合には、予め着色された不透明シートを予備賦形し、次いで、金型内に配置する。次いで、溶融透明樹脂を前記金型内に注入し、冷却固化した後に前記金型より取り出せば、本発明の樹脂成形体を得ることができる。
【0085】
また、上記方法によれば、例えばルーフフェンダ・ガラス一体樹脂成形体として、ガラス部が透明部であり、ルーフとフェンダとが不透明である樹脂成形体に限られず、ガラスの上部とルーフの一部とが透明部であり、フェンダとガラス及びルーフの残部とが不透明の樹脂成形体とすることもできる。
【0086】
更に、本発明の透明部と不透明部とが一体成形された樹脂成形体は、本発明の複合樹脂組成物のみ(一部、顔料等により着色する場合を含む)によって構成できるが、例えば、本発明の複合樹脂組成物と他の樹脂とを積層した多層積層体で構成することも可能である。このような多層積層体は少なくとも本発明の複合樹脂組成物から成る層を一層以上含んでいればよく、好ましくは積層体の最表面層と最下層、更に好ましくは中間層にも前記樹脂組成物層を設けることができる。このように多層積層体とすることで本発明の複合樹脂組成物のみでは発現できないような付加機能をも付与することが可能となる。なお、多層を構成する他の樹脂の種類や各層の厚さは、樹脂成形体の用途に応じて適宜選択することができる。
【0087】
<樹脂ウィンドウ、樹脂製ミラー、樹脂製ランプリフレクター、樹脂製エンジンルーム内カバー及びケース、樹脂製冷却装置部品>
本発明に係る複合樹脂組成物の用途の一つとしては、前記樹脂組成物を含んで成ることを特徴とする樹脂製ウィンドウ、特に好ましくは熱線付き樹脂製ウィンドウ、樹脂製ミラー、樹脂製ランプリフレクター、樹脂製エンジンルーム内カバー及びケース、樹脂製冷却装置部品である。
【0088】
本発明の複合樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、熱時/成形時の寸法安定性、耐薬品性、透明性にも優れるため、例えば樹脂製ウィンドウや樹脂製ミラー、ランプリフレクター、エンジンルーム内カバー及びケース等の部品の用途に好適であり、部品点数、工程数、重量の低減が可能になる。更に本発明の複合樹脂組成物を透明材として用いることで、透明性が要求される部品の材料代替が可能になり、防曇性や視界の向上が図られる。
【0089】
図6は、本発明に係る樹脂製ミラー、樹脂製ウィンドウを示す説明図であって、これらの車両用部品の位置を解説したセダン系自動車の平面図である。例えば、図6に示すように、リアウィンドウ63、ドアウィンドウ(サイドウィンドウ)62、フロントウィンドウ61などの樹脂製ウィンドウは、防曇機能を付与するため、成形体の内部あるいは表面に加熱可能な熱線ヒータを設けることがある。このような場合では、ウィンドウは、風雨を防ぐための部品として、図6のように車両の前面と後面そして側面のドアに設置されるが、その使用面積は3〜4mと大きく、また、従来の無機ガラスの場合では、重量が30〜35kgと重いため、本発明の複合樹脂組成物を使用することにより、軽量化が期待できる。
【0090】
また、従来の透明樹脂材料を用いた場合には、熱線ヒータによる樹脂材料の耐熱性や熱膨張が課題となるが、本発明の複合樹脂組成物は加熱時/成形時の寸法安定性に優れるため、本発明の複合樹脂組成物を用いるとこれらの問題がない。さらに、本発明の複合樹脂組成物は高い剛性を有するので、図6におけるようなフロントウィンドウ61、ドアウィンドウ62、リアウィンドウ63等の大型部品に応用可能で軽量化することができる。
【0091】
なお、熱線ヒータの形成方法としては、特に制限されず、公知の方法が使用できる。例えば、フィルム化された熱線部をインサート成形する方法や、室内側表面に熱線部を蒸着・塗布・印刷法等により形成する方法等が挙げられる。また、本発明の複合樹脂組成物は高い剛性を有するので、フロントウィンドウ、ドアウィンドウ、リアウィンドウ等の大型部品にも適用可能で、軽量化が可能となる。
【0092】
また、本発明の透明な複合樹脂組成物を用いて樹脂製サイドミラー64(図6参照)を製造すると、従来のガラスや透明樹脂を用いた場合に比べ軽量化ができ、これに熱線ヒータを設ければ防曇機能を付与することも可能になる。図6に示したサイドミラー以外にも車室内のルームミラー等にも適用可能である。
【0093】
上記したように、本発明の複合樹脂組成物は、透明性や衝撃強度を犠牲にすることなく剛性の向上を実現し、また熱膨張率が低く、高温時にソリなどを抑制し得るという特性を兼ね備えているために、安全性と機能面で解決すべき課題があるためまだ本格的な採用までには至っていなかったウィンドウやミラーなどの様々な用途にも適用することができる。これにより、従来要望の高かった車両の軽量化及びデザインの自由度の拡大が達成できる。
【0094】
また、近年、ワンボックス型のRV車の普及が目覚しくウィンドウの占める割合が増大してきており、軽量化と乗員の視認性と快適性向上から、ウィンドウの樹脂化に対する要求は益々強くなってきている。本発明の複合樹脂組成物により成形される透明樹脂製ガラスは、これら自動車用ウィンドウに要求される機能を備えており、車両の軽量化と快適性向上に貢献できるものである。なお、上記記載の樹脂ウィンドウ以外でも美観、平滑性、透明感等の外観品質が要求され、かつ高剛性や表面の耐擦傷性を求められる用途、例えば、建造物の外装材、内装材、鉄道車両の内装材等にも使用できる。
【0095】
また、図7に自動車ランプの横断面図を示す。図7に示すように、車体側基体71に固定されたアウタ部材72の内部にリフレクター73が配置され、リフレクター73にはバルブ74と光軸調整器75が連結され、アウタ部材72は、さらにアウタレンズ76が嵌合されている。従来の樹脂材料を用いてリフレクター73を構成すると、耐熱性・線膨張率・線膨張異方性に劣る場合があったが、本発明の複合樹脂組成物を用いることで、これらの課題が解決できる。特に、本発明の複合樹脂組成物は高い剛性を有するため軽量で高耐熱性が確保でき、かつ寸法安定性と表面平滑性に優れるランプリフレクターとすることができ、ヘッドランプ、フオグランプ、リアコンビランプ等のリフレクター、又はヘッドランプのサブリフレクター等に好適に使用できる。
【0096】
なお、反射部の形成方法としては、例えば、前記部材を製造する際に反射膜をインサート成形する方法や、前記部材を射出成形・プレス成形により成形した後に、前記反射部に蒸着膜を形成させる方法等がある。
【0097】
また、本発明の複合樹脂組成物を使用して、エンジンルーム内カバー及びケースに応用することができる。エンジンルーム内を図8及び図9に示す。本発明の複合樹脂組成物は透明性、耐熱性、耐薬品性、剛性強度に優れるため、温度条件の厳しいエンジンルーム内において使用可能で、かつ軽量な部品とすることができる。このような部品としては、例えば、ラジエーター81、冷却液リザーブタンク82、ウォシャータンクインレット83、電気部品ハウジング84、ブレーキオイルタンク85、シリンダーヘッドカバー86、エンジンボディー91、タイミングチェーン92、ガスケット93、フロントチェーンケース94などがある。しかも、本発明の複合樹脂組成物は透明であるため、上記ウォッシャータンクインレツト、電気部品ハウジング、ブレーキオイルタンク、シリンダーヘッドカバー、タイミングベルトカバー等のタンクあるいはカバー内の視認性を向上させることができる。
【0098】
本発明の複合樹脂組成物は、耐熱性、耐薬品性、剛性強度に優れたより軽量な部品とすることができることから、自動車エンジンルーム内で冷却水との接触下で使用される部品用途に好適に使用される。このような樹脂製冷却装置部品を図10、11に示す。例えば、図10に示すウォータパイプ101、0−リング102、ウォータポンプハウジング103、ウォータポンプインペラ(羽車)104、ウォータポンプ105、ウォータポンププーリ106、図11に示すウォータパイプ111、サーモスタットハウジング112、サーモスタット113、ウォータインレット114等のラジェタータンクのトップ及びベースなどのラジェタータンク部品、冷却液リザーブタンク、バルブなどの部品が挙げられる。前記樹脂組成物を使用すると軽量化、耐薬品性向上、燃費向上が図られるため、その実用価値が高い。
【0099】
なお、本発明の上記各部品は、本発明の複合樹脂組成物のみでも構成できるが、例えば本発明の複合樹脂組成物を他の樹脂材料と積層した多層積層体で構成することも可能である。このような多層積層体は少なくとも本発明の複合樹脂組成物から成る層を一層以上含んでいればよく、好ましくは積層体の最表面層と最下層、更に好ましくは中間層にも前記樹脂組成物層を設けることができる。多層積層体とすることで本発明の複合樹脂組成物のみでは発現できないような付加機能をも付与することが可能となる。なお、各層を構成する他の樹脂の種類や各層の厚さなどは、使用目的に応じて適宜選択することができる。
【0100】
<中空構造及び/又は密閉された中空構造を有する樹脂一体成形体>
本発明に係る複合樹脂組成物の用途の一つとして、前記樹脂組成物を含んで成る、大気と連通した中空構造及び/又は密閉された中空構造を有する樹脂一体成形体を例示することができる。上記のように、本発明の複合樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、加熱時/成形時の寸法安定性にも優れるため、例えば、ドアやルーフ、フード等のような中空構造を有する部品の用途に好適である。本発明の樹脂一体成形体としては、自動車の外板及び内外装部品が好ましく挙げられる。
【0101】
この際、自動車の外板及び内外装部品は、鋼板と樹脂パネルより構成され、かつ部品内部に補機等を装着する中空構造を有している部品が多い。例えば、側面ドア及びバックドアは、外側及び内側を中空構造を有する銅板で構成し、塗装を経て組み立て工程で内側銅板に樹脂パネルを取り付け、中空構造内に各種補機等を取り付けている。また、ルーフ、フード、トランクリッド、バックドア等は、外板及び補強レインホース等を鋼板で構成し、塗装後に内側に樹脂部品を取り付けている。これらの中空構造を有する部品は大型であり、剛性や寸法安定性も要求されるため、従来の樹脂材料では一体成形が難しかった。しかしながら、高剛性、低熱膨張率、低熱収縮率を有する本発明の樹脂組成物を使用すると一体成形が可能となり、これらの部品の部品点数、工程数、重量の低減が可能になる。
【0102】
上述した樹脂一体成形体は、本発明の複合樹脂組成物のみでも構成できるが、例えば、本発明の複合樹脂組成物を他の樹脂材料と積層した多層積層体で構成することも可能である。このような多層積層体は少なくとも本発明の複合樹脂組成物から成る層を一層以上含んでいればよく、好ましくは積層体の最表面層と最下層、更に好ましくは中間層にも前記樹脂組成物層を設けることができる。多層積層体とすることで本発明の複合樹脂組成物のみでは発現できないような付加機能をも付与することが可能となる。多層積層体を構成する他の樹脂の種類や各層の厚さなどは、使用目的に応じて適宜選択することができる。
【0103】
前記樹脂一体成形体は、最表面層に表皮材、意匠印刷層等の加飾層を設けることで意匠性、触感、質感を高め商品性を向上することができるため、一体成形体の最表層が加飾材で構成されることが好ましい。例えば、起毛シート、エンボス紋様シート、レーザー紋様シート、木目調シート等の表皮材を最表面層に設けた成形体は、ルーフ室内側、ピラーガーニッシュ類、インストルメントパネル等に用いることができる。前述の多層積層体を用いた場合には、意匠印刷層はその中間層に設けてもよく、表層を透明材とすることで光沢感、深み感を高めることができる。
【0104】
本発明の中空構造を有する一体成形体において、中空構造は、気体、液体若しくは固体、又はこれらの2種以上からなる混合物が充填、封入されることが好ましい。これによって、前記一体成形品の断熱性能、遮音性能を向上させることができるからである。
【0105】
具体的な充填・封入材料としては、特に制限されず、公知の充填・封入材が使用できる。例えば、透明性が要求される場合には、窒素、アルゴン、二酸化炭素、空気等の気体が好ましく、透明性が要求されない場合には、前述の気体の他、封入時の加熱で液状を示しかつ封入後の常温では固体状になるパラフィン、ワックス等が好ましい。
【0106】
上記封入材により、夏期には車室内から冷熱の逃げ、外気の高熱の侵入を抑制することができ、冬期には温熱の逃げ、外気の冷熱の侵入を抑制して快適な車室内環境を維持できる。また二重壁で内に中空部を有する構造により、外部からの騒音エネルギーを緩和、あるいは吸収し静粛な車室内環境を達成できる。また、フードに本発明の樹脂一体成形体を適用することでエンジンルームからの放射音、放射熱を低減できる。
【0107】
本発明の中空構造を有する一体成形体の製造方法は、特に限定されず、公知の方法が適用できるが、例えば、一般的な真空圧空成形法、射出成形法、ブロー成形法、プレス成形法等を用いることができる、また、例えば、下記第一から第三の方法が好適に用いられる。
【0108】
第一の方法としては、加圧流体導入経路を備えたホルダーに、2枚の本発明の複合樹脂組成物よりなる樹脂シートを固定し、公知の方法でホルダーをシールして2枚のシート間に密閉空間を形成する。各シートを荷重たわみ温度以上に加熱し、開放状態の金型に挿入した後に、軟化したシートの外周部を金型で押圧して溶着する。この際、外周部を溶着する前あるいは溶着する間、又は溶着した後に、好ましくは溶着する前又は溶着した後に、2枚のシート間の密閉空間に加圧流体を注入し、シートを拡張しつつ/又は拡張後、金型を閉状態にして成形体が冷却するまで加圧流体圧を保持し、これにより中空構造を形成する。
【0109】
好ましくは、真空引き孔を設けた金型を用い、シート拡張時に真空吸引を併用して、金型面とシートとの密着性を高める。真空吸引を用いることによって、得られる一体成形体の転写性を向上できる。すなわち、前記樹脂一体成形体の代表的な1つの製造方法としては、本発明の複合樹脂組成物を含んでなる樹脂シート2枚を加熱し、これを開状態の金型に挿入し、シート外周部を押圧し、外周部を溶着する前あるいは溶着した後にシート間に加圧流体を注入し、シートを拡張しつつ/又は拡張した後に、金型を閉状態にし、加圧流体圧を保持し中空構造を形成する。
【0110】
第二の方法としては、閉状態の金型内に溶融した本発明の複合樹脂組成物を充填しつつあるいは充填した後、前記金型を後退して、キャビティ容積を拡大しつつ溶融樹脂内部に加圧流体を注入し中空構造を形成する方法である。すなわち、閉状態の金型内に溶融した本発明の複合樹脂組成物を充填しつつ/又は充填後、キャビティ容積を拡大しつつ加圧流体を溶融樹脂内に注入して、中空構造を形成するものである。
【0111】
第三の方法としては、金型片面のキャビティ面に本発明の複合樹脂組成物よりなる樹脂シートを1枚インサートし、背面に溶融樹脂を充填しつつ、あるいは充填後に金型を後退しキャビティ容積を拡大しつつ溶融樹脂内部に加圧流体を注入し中空構造を形成する方法、あるいは2枚の樹脂シートを用い金型両面のキャビティ面にシートをインサートし、シート間に溶融樹脂を充填しキャビティ容積を拡大し加圧流体を注入し中空構造を形成する方法である。すなわち、開状態の金型キャビティ面に本発明の複合樹脂組成物を含んでなる樹脂シートを1枚もしくは2枚インサートし、金型を閉状態で前記1枚のシートの背面あるいは前記2枚のシート間に溶融樹脂を充填しつつ又は充填した後、キャビティ容積を拡大しつつ加圧流体を溶融樹脂内に注入し中空構造を形成するものである。
【0112】
上記態様において、シート間あるいはシートの背面に充填される樹脂の種類は、本発明の複合樹脂組成物からなるシートと密着する樹脂であれば特に制限されないが、好ましくは、前記シートを構成する本発明の複合樹脂組成物と接する樹脂と同種の樹脂、又は本発明の複合樹脂組成物とSP値が近いものが使用される。このような充填樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ポリー4−メチルペンテンー1、熱可塑性ポリウレタン樹脂等が挙げられ、特にポリカーボネート樹脂を使用することが好ましい。
【0113】
前記ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAに代表される二価のフェノール系化合物から誘導される重合体で、ホスゲン法、エステル交換法、あるいは固相重合法のいずれにより製造されたものでもよい。更に、従来からあるポリカーボネート樹脂の他にエステル交換法で重合したポリカーボネート樹脂でもよい。
【0114】
また、上述した加圧流体の種類についても特に制限されず、樹脂シートの成分等を考慮して公知の加圧流体から選択することができる。例えば、空気、窒素ガス等の気体、水やシリコンオイル等の液体などが好ましく使用される。
【0115】
本発明の中空構造を有する樹脂一体成形体の適用部品としては、図12、13に示すように、例えば、フード121、ドア122、バックドア123、ルーフ124、フェンダー125、ウィンドウ126、トランクリッド127、センターコンソールボックス131、ピラーガーニッシュ132、インストルメントパネル133、ヘッドライニング(図示せず)等を挙げることができる。これらの部品はインナー/アウター及び付帯する部品やレインホース等を同時かつ一体的に成形することができ、部品数の低減及び工程数を短縮することができる。
【0116】
更に中空部に気体、液体、固体あるいはこれらの混合物を封入することで、断熱性能、遮音性能等の付加的な機能を付与することができる。例えば、フードではレインホースとの一体化や遮音・遮熱機能の付与が可能であり、ルーフではヘッドライニングとの一体化や断熱・遮音機能の付与が可能であり、ドアやフェンダーではインナー/アウターの一体化が可能である。
【0117】
<2種類以上の機能を有する一体成形部品>
本発明に係る複合樹脂組成物の用途の一つとしては、前記樹脂組成物を含んで成る、異なる機能を有する2種類以上の部品を統合することを可能にし、単一の部品に異なる2種類以上の機能が付与される一体成形部品である。ここに異なる機能とは、例えば、インストルメントパネルのような表示機能、エアコンダクトなどのような通風機能、ルーフレール等の固定機能などをいう。
【0118】
本発明の複合樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、加熱時/成形時の寸法安定性、耐薬品性等の多彩な機能を有するため、種々の機能の確保が期待される部材に応用することができ、これらを一体成形することで異なる機能を有する二種類以上の部品を統合し、単一の部品に2種類以上の機能が付与された一体成形部品とすることができる。これによって大型部品の一体化、いわゆるモジュール化やインテグレーション(統合化)に好適であり、高品質を維持しながら部品点数、工程数、重量の低減が可能になる。
【0119】
例えば、大型内装部品であるインストルメントパネルは、現在、パネル部とエアコンのエアダクトやケース、クロスカービーム(ステアリングクロスメンバー)などとを別々に作り、これらを車の製造ラインで組み立てている。従来の樹脂材料でパネル部とエアコンのエアダクトやケースとを一体成形しようとすると、得られる成形部品は大型化し、かつ複雑な形状を有するようになるため、成形収縮によるヒケや歪み、熱時の膨張などが課題となるが、本発明の複合樹脂組成物を用いることでこのような課題が解決可能となる。
【0120】
また、本発明の複合樹脂組成物は上記したように高耐熱性を有し、加熱時/成形時の寸法安定性に優れているので、本発明の樹脂組成物を含んで成る一体成形部品であるインストルメントパネルは、図14に示すように、パネル部141とエアコンのエアダクトやケース142を一体成形により部品全体を構造体とすることが可能で、従来スチールが使用されているクロスカービーム(ステアリングクロスメンバー)を廃することが可能である。
【0121】
さらに、本発明の複合樹脂組成物を用いることで、スチールでは後付けする必要があったブラケット等も一体成形可能となる。また、一体成形時に金型内に表皮材等の加飾材を投入しインサート成形することにより、加飾材との一体成形も可能になる。同様の効果は、例えば、ドアに適用した場合でも得られる。現在のドアインナーパネルはスチール製が主で、ここにサイドウィンドウ用のガイドレールやレギュレータ、ドアロック、スピーカ等の各種部品が製造ラインで組み付けられる。本発明の複合樹脂組成物を用いることでドアインナーパネル、ガイドレール、スピーカハウジング等を一体成形部品とすることができる。
【0122】
図15に本発明の一体成形部品の他の例を示す。図15に示すように、大型外装部品であるルーフレール151を例にすると、前述した本発明の樹脂組成物製のルーフパネル152との一体成形が可能となる。ルーフレールは重量がかかり、また温度的にも厳しい環境で使用されるため、従来の樹脂材料では特に剛性と耐熱性(耐寒性を含む)が課題となっていた。しかしながら、本発明の複合樹脂組成物を用いることで、このような課題が解決可能となる。同様の効果は、例えば、スボイラーに適用した場合でも得られ、前述した本発明の樹脂組成物製のトランクリッドとの一体成形が可能である。
【0123】
また、図16に示すように、大型車体部品であるラジエタコアを例にすると、現在フロントエンドモジュールとして樹脂製のラジエタコアが世に出つつあるが、本発明の複合樹脂組成物を用いることで更に耐熱性、耐薬品性、剛性強度に優れた、より軽量な部品とすることができ、又はンシュラウドやブラケット等も一体成形可能となる。また、本発明では、樹脂組成物を透明材として用いることも可能であり、このような場合には、例えば、ラジェタのリザーバタンク、ヘッドランプカバー等の透明部材を含めて一体成形することも可能である。さらに、従来は別体であったバンパー補強材をも含めて一体成形することも可能となる。
【0124】
また、エンジンルーム内部品であるエアクリーナーやスロットルチャンバー等を例にすると、耐熱性と耐薬品性に優れ、低熱線膨張の本発明の複合樹脂組成物を用いることで、これらの一体成形が可能となる。従来よりこのような一体化は試みられているが、エンジンルーム内は高温かつオイル等の薬品による厳しい環境であり、従来の樹脂材料ではこの対策が課題になるが、本発明の複合樹脂組成物を用いることでこのような課題が解決可能となる。同様の効果は、インテークマニホールドやシリンダヘッドカバーに適用した場合でも得られ、前述の部品とともに一体成形することも可能である。
【0125】
本発明の一体成形部品は、本発明の複合樹脂組成物のみでも構成できるが、本発明の樹脂組成物を他の樹脂材料と積層した多層積層体で構成することも可能である。このような多層積層体は少なくとも本発明の複合樹脂組成物から成る層を一層以上含んでいればよく、好ましくは積層体の最表面層と最下層、更に好ましくは中間層にも前記樹脂組成物層を設けることができる。多層積層体とすることで本発明の複合樹脂組成物のみでは発現できないような付加機能をも付与することが可能となる
【0126】
<可動部と非可動部とを有する成形体>
本発明の複合樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、加熱時/成形時の寸法安定性にも優れるため、例えば、スロットルチャンバーのような可動部と非可動部を有する部品の用途に好適である。したがって、本発明に係る樹脂組成物の用途の一つとして、本発明の複合樹脂組成物を含んで成る可動部と非可動部とを有する成形体を例示することができる。
【0127】
自動車の吸排気系部品やエアコンユニット内には、可動部と非可動部とを有する部品が多数用いられている。これらの部品は、主に空気などの気体の流れを制御するためのものであり、非可動部として気体の流路となる、即ち、流動気体を導入する筒状の部品(成形体)と、可動部としての、気体流動を制御する開閉可能な蓋から構成され、例えば、スロットルチャンバーやエアコンユニット内の各ドアが挙げられ、これらの部品では気密性が重要となる。
【0128】
従来の樹脂材料を用いてこれらの部品の筒状部分と蓋部分を成形しようとすると、成形収縮率や熱膨張率が大きいため、寸法精度が上げられず、開閉部分の気密性が課題であった。また、特にエンジンルーム内の部品に適用する場合、耐熱性も要求されるため、この点も課題となった。しかしながら、低熱膨張率、低熱収縮率、高耐熱性を有する本発明の複合樹脂組成物を用いることで、これらの課題が解決可能となり、気密性に優れた部品とすることができる。また、本発明の複合樹脂組成物は高剛性であるため、これらの複合樹脂組成物を用いることにより、部品の軽量化とそれによるレスボンスの向上が可能となる。
【0129】
本発明の可動部と非可動部を有する成形体の製造方法は、特に制限されず公知の方法が使用できる。本発明の可動部と非可動部を有する成形体は、例えば、射出成形法を用いて可動部と非可動部を別々に成形した後、これらを組み立てる方法を使用してもよいが、例えば、二色成形法等の方法で可動部と非可動部を一体成形することが好ましい。これによって、気密性がより向上し、また工程数や部品数の低減が可能になるためである。図17に示すスロットルチャンバーを例に取ると、例えば、下記方法で製造可能である。
【0130】
スロットルチャンバーは、非可動部である筒状のチャンバー部171と、可動部である開閉バルブ172及び開閉バルブシャフト173とを有する。まず、二色成形用金型内に、開閉バルブ用金属製シャフトをセットし、次いで、円筒状のチャンバーを射出成形し、次いで円盤状の開閉バルブを成形するためにスライドコアを後退させて円盤状の開閉バルブを射出成形する。このとき金属製シャフトと円盤状の開閉バルブとが一体化される。本発明によれば、可動部が気体流動を制御する開閉蓋であり非可動部が流動気体を導入する筒状成形品である場合にも、好ましく応用することができる。
【0131】
<炭化水素系燃料収納用の部品又は容器>
本発明の複合樹脂組成物は、炭化水素系燃料の遮断性、ガスバリア性、耐薬品性に優れるため、炭化水素系燃料を収納する部品又は容器、炭化水素系燃料を収納する部品又は容器、例えば、燃料タンク等の炭化水素系燃料を収納する車両用の一連の燃料系部品、灯油容器等の家庭用品の用途に好適である。したがって、本発明に係る複合樹脂組成物の用途の一つとして、本発明の複合樹脂組成物を含んで成る炭化水素系燃料を収納する部品あるいは容器を例示することができる。
【0132】
図18に、前述した炭化水素系燃料の収納容器の一例として、自動車等の車両における樹脂製燃料タンクを示す。フィラーチューブ181を介して炭化水素系燃料であるガソリンが燃料タンク182に注入・貯蔵され、次いで、前記ガソリンが燃料ポンプ183によりエンジン(図示せず;符号184としてのみ表示する)に圧送される形式の燃料系システムとなっている。
【0133】
図18に示す樹脂製燃料タンクにおいて、本発明の複合樹脂組成物が適用できる部品としては、燃料タンク本体182、フィラーキャップ185、ペントチューブ186、フユーエルホース187、フューエルカットオフバルブ(図示せず)、デリバリーパイプ(図示せず)、エバポチューブ(図示せず)、リターンチューブ(図示せず)、フューエルセンダーモデュール(図示せず)等が挙げられる。
【0134】
燃料タンク本体はこれら車両の燃料系システム部品の中で最大規模の部品である。近年においては、燃料タンク本体を樹脂化する試みがなされ、部品形状の自由度増の効果により、金属製の燃料タンク本体に比較して、貯蔵燃料量が約10リットルほど増大させることができ、重量を25%程度軽減することができた。このような利点から燃料タンクの樹脂化への期待が一層高まっている。
【0135】
ここで、燃料タンクの樹脂化の現状と課題について詳述する。従来から、母材樹脂としてオレフィン系のHDPE(高密度ポリエチレン)が使用され、その工法として吹き込み法で成形が行われてきた。これらの材料と工法には大きな変化はなかったが、タンクの層構造は大きく変化した。例えば、当初は単層型燃料タンクであったが、炭化水素の蒸散規制法の施行に伴い、炭化水素の透過低減のため燃料タンクの多層化が余儀なくされた。その結果、現在燃料タンクはHDPE/PA(ポリアミド)又はHDPE/EVOH(エチレン酢酸ビニル共重合体)の両端をHDPEで構成する3種5層からなる多層構造タンクが主流となっている。この場合の成形は、従来と同じ吹き込成形である。
【0136】
単層型燃料タンクにおいて、このタンクから多くの炭化水素系燃料が透過するのは両者の相溶性が良いのが原因である。相溶の尺度である溶解度パラメータ(以下SP値)はHDPEが7.9、炭化水素系燃料が6〜8であり、両者は同じ領域にある。一方、多層タンクに用いるPAのSP値は13.6で、炭化水素系燃料とのSP値の開きが大きい、換言すれば相溶性が悪い領域にある。これらより多層燃料タンクにおけるPA材は炭化水素系燃料のタンク外への透過を阻止するバリアー層として設置されたものである。
【0137】
前記多層燃料タンクの創出により炭化水素の蒸散規制法を満たす技法が確立されたものの成形工程が煩雑となって大幅な価格上昇を招いた。上記問題に加えて、複数の樹脂の積層構造としたため、リサイクルの円滑性が失われ、リサイクル社会という時代の要請に応えがたい新たな課題を残した。
【0138】
これに対して、本発明の複合樹脂組成物中の、例えばシリカ化合物などは、シラノール基を残しているためSP値は11を超え、前述のPAやEVOHに相当する炭化水素系燃料の透過阻止の機能がある。また、本発明の複合樹脂組成物の主たる成分は、アクリル等の極性基を有するSP値が11以上の樹脂が主体であり、炭化水素系燃料としてのガソリンとは馴染みにくい、換言すれば相溶性が悪い材料構成となっているため、燃料タンクとしてより望ましい材料である。
【0139】
従って、本発明の複合樹脂組成物を用いれば、単層型でも炭化水素の蒸散法規制を満たす車両用の燃料タンクを提供することができる。これにより課題である製造コストの低減が図れ、かつリサイクルの社会的要請に応えることできるようになる。この際、本発明の複合樹脂組成物は、単層型又は必要であれば多層型のいずれの場合であっても、従来と同様、吹き込成形によって車両用燃料タンクに成形することが使用できる。
【0140】
なお、車両用の燃料タンクに比べると効果はやや低いものの、本発明の複合樹脂組成物は、灯油容器等の家庭用品に用いることもできる。これにより灯油の大気への蒸散が軽減され、地球環境の保全に寄与することができる。
【0141】
上記したように本発明では、更に、顔料等の着色剤を樹脂組成物に混練したり、着色層を挿入して所望の色調を有する部品を得ることも可能である。このため、上記記載の自動車以外でも美観、平滑性、透明感等の外観品質が要求され、かつ高剛性や表面の耐擦傷性を求められる用途、例えば、建造物の外装材、内装材、鉄道車両の内装材等にも使用できる。
【0142】
このような車両用部品や建築用内装材などを含む各種部材の製造方法としては、上記で詳述したような、射出成形及び真空圧空成形等を部品や用途に合わせて適宜選択すればよい。一般的なガラス繊維強化樹脂は、せん断応力を繰り返し受けることによってガラス繊維が壊れるためにその物性が徐々に低下し、リサイクル性も低いが、本発明の複合樹脂組成物は、均一に分散した微細なナノ無機酸化物を含んでいるため、せん断応力を受けにくく、物性の低下を抑えることができる。
【0143】
【実施例】
次に、本発明に係る複合樹脂組成物及びその製造方法の実施例について詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(実施例1)
噴霧乾燥した水性型コロイダルシリカ10gをアクリル酸モノマー30g中に攪拌分散し、重合開始剤アゾピスイソプチロニトリル(AIBN)0.15モルを添加攪拌し、トルエン100gを添加して希釈し、80℃で重合を開始した。なお、アクリル酸ポリマーの重合率が5〜80%時に、無機酸化物表面処理剤として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)1gを滴下し、反応させた。さらに、重合反応を継続し、24時間経過後に加熱を停止して放冷し、凝固剤のヘキサンを加えて、目的とする複合樹脂組成物を沈殿させて得た。
【0144】
得られた複合樹脂組成物を粉砕、乾燥後、熱プレス成形でシート状の成形品を得て、評価試験を行った。
【0145】
(実施例2)
無機酸化物表面処理剤として、前記3−アミノプロピルトリエトキシシランに代えて3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いた以外は、実施例1と同様にして複合樹脂組成物を得た。得られた複合樹脂組成物は、粉砕、乾燥後、熱プレス成形でシート状の成形品とし、評価試験を行った。
【0146】
(実施例3)
無機酸化物表面処理剤として、前記3−アミノプロピルトリエトキシシランに代えてヘキサデシルトリメトキシシランを用いた以外は、実施例1と同様にして複合樹脂組成物を得た。得られた複合樹脂組成物は、粉砕、乾燥後、熱プレス成形でシート状の成形品とし、評価試験を行った。
【0147】
(実施例4)
無機酸化物表面処理剤としての、前記3−アミノプロピルトリエトキシシランの添加量を1gから0.05gに代えた以外は、実施例1と同様にして複合樹脂組成物を得た。得られた複合樹脂組成物は、粉砕、乾燥後、熱プレス成形でシート状の成形品とし、評価試験を行った。
【0148】
(実施例5)
噴霧乾燥した水性型コロイダルシリカに代えて噴霧乾燥した水性型アルミナゾルを用いた以外は、実施例1と同様にして複合樹脂組成物を得た。得られた複合樹脂組成物は、粉砕、乾燥後、熱プレス成形でシート状の成形品とし、評価試験を行った。
【0149】
(実施例6)
噴霧乾燥した水性型コロイダルシリカ10gを、ビスフェノールA7g、ジフェニルカーボネート26g、及び重合触媒として0.01Nの水酸化カリウム0.007ml(ビスフェノールAの1モルに対して7×10モル)を含む溶液中に分散させ、220℃、40分かけてビスフェノールAなどの原料モノマーを溶融した後、前記溶液に対して無機酸化物表面処理剤として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)1gを滴下し、反応させた。
【0150】
次いで、温度220℃、圧力1.33×10Paの条件下で60分間反応させた後、温度240℃、圧力2.00×10Paの条件下で60分間反応させ、次いで、温度270℃、圧力66.7Paの条件下で60分間反応を行った。その後、P−キシレンスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩3.4×10−5gを添加して反応を停止し、目的とする複合樹脂組成物を得た。
【0151】
得られた複合樹脂組成物を粉砕、乾燥後、熱プレス成形でシート状の成形品を得て、評価試験を行った。
【0152】
(比較例1)
火炎加水分解法で製造したシリカ(アエロジル200:日本アエロジル(株)製)10gを、アクリル酸モノマー30gの中に添加した後攪拌分散し、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.15モルを添加して攪拌し、トルエン100gを添加して希釈し、80℃に加熱した後攪拌して重合を開始した。アクリル酸ポリマーの重合率が5〜80%の時に、AIBNを0.35モル添加したメチルメタアクリレートを70g滴下し、トルエン100gを添加希釈して共重合を実施した。24時間経過後に加熱停止して放冷し、凝固剤のヘキサンを加え、目的とする複合樹脂組成物の沈殿を得た。
【0153】
得られた複合樹脂組成物を粉砕、乾燥後、熱プレス成形でシート状の成形品を得て、評価試験を行った。
【0154】
(比較例2)
噴霧乾燥した水性型コロイダルシリカ10gを、アクリル酸モノマー30g中に攪拌分散し、重合開姑剤アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.15モルを添加して攪拌し、80℃に加熱した後、攪拌して重合を開始した。アクリル酸ポリマーの重合率が5〜80%の時に、AIBNを0.35モル添加したメチルメタアクリレートを70gを滴下し、トルエン100gを添加希釈して共重合を実施した。次いで、重合反応溶液の粘性が増加するのを確認してからトルエン150gを添加希釈して、さらに重合反応を続けた。24時間経過後に、加熱を停止して放冷し、凝固剤のヘキサンを加え、目的とする複合樹脂組成物の沈殿を得た。
【0155】
得られた複合樹脂組成物を粉砕、乾燥後、熱プレス成形でシート状の成形品を得て、評価試験を行った。
【0156】
(評価)
続いて、上記の各樹脂組成物を試験片に成形し、各試験片について以下の物性評価を行なった。評価結果を表1にまとめる。
・粒子分散性:樹脂組成物をスライスして試験片を作製し、透過型電子顕微鏡(日立製作所(株)製H−800)にて粒子の分散性を確認した。従来より分散性が向上し、粒子が均一に良く分散していた場合は○、従来と同じ程度の場合は△、粒子が凝集して観察された場合は×とした。
・透明性:全光線透過率は、ヘイズメータ(村上色彩研究所製HM−65)で計測した。従来の方法と比べ、試験片が透明でありヘイズ値が低い場合は○、同等の場合は△、ヘイズ値が高い場合は×とした。
曲げ弾性率:試験方法はASTM D790に準拠し、ナノ無機粒子未充填の樹脂に対して性能が著しく向上したものを◎、若干向上したものを○、ほとんど向上が認められないものを△、低下したものを×とした。
【0157】
【表1】
Figure 2004331883
【0158】
実施例1〜6で得た複合樹脂組成物は、シリカなどの無機酸化物が均一に分散するとともに、無機酸化物と樹脂モノマーとの結合が強固であるため、透明性も優れ、曲げ弾性率も高い値を示すことが分かる。特に、実施例1及び2で得た複合樹脂組成物は、透明性及び曲げ弾性率において極めて優れることが判明した。
【0159】
一方、比較例1及び2で得た複合樹脂組成物は、シリカが均一に分散しないこと、及びシリカと樹脂モノマーとの結合が強固でないために、透明性及び曲げ弾性率が劣化していることが分かる。
【0160】
以上、本発明を具体例を挙げながら発明の実施の形態に即して詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変更や変形が可能である。
【0161】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、水分散型コロイド状ナノ無機酸化物と、樹脂モノマーと、無機酸化物表面処理剤とを含み、前記ナノ無機酸化物と前記樹脂モノマーとが前記表面処理剤を介して化学結合した複合樹脂組成物中間体及び複合樹脂組成物を作製することで、剛性と耐衝撃性に優れた樹脂成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹脂組成物の車両用外装部品用途の一例として、ドアモール、ドアミラーのフレーム枠、ホイールキャップ、スボイラー、バンパー、ウインカーレンズ及びピラーガーニッシュを示す説明図であって、これらの車両用外装部品の位置を解説したセダン系自動車のリアサイドからの外観斜視図である。
【図2】本発明に係る樹脂組成物の車両用外板用途の一例として、フロントフェンダー、ドアパネル、ルーフパネル、フロントパネル及びリアパネルを示す説明図であって、図2(a)は、これらの車両用外板の位置を解説したセダン系自動車のリアサイドからの斜視図であり、図2(b)は、セダン系自動車の平面図である。
【図3】本発明に係る樹脂製ワイパーシステムの模式図である。
【図4】本発明に係る透明部と不透明部を有する樹脂成形体であって、少なくとも透明部が本発明の樹脂組成物を含んで成る樹脂成形体の車両用外装部品用途の一例として、ランプ・フード・フェンダーー体樹脂成形体、ピラーガーニッシュ・ガラスー体樹脂成形体、ルーフ・フェンダ・ガラスー体樹脂成形体、バックドア・ガラスー体樹脂成形体及びドア・ガラスー体樹脂成形体を示す説明図であって、これらの車両用外装部品の位置を解説したワゴン車のリアサイドからの外観斜視図である。
【図5】本発明に係る透明樹脂部と不透明樹脂部とを一体で成形したインストルメントパネル及び計器類のカバーを示す模式図である。
【図6】本発明に係る樹脂製ミラー、樹脂製ウィンドウを示す説明図であって、これらの車両用部品の位置を解説したセダン系自動車の平面図である。
【図7】本発明の樹脂製ランプリフレクターを示す横断面図である。
【図8】本発明に係る樹脂組成物を用いたエンジンルーム内部品の一例として、ラジエーター、冷却液リザーブタンク、ウォシャータンクインレット、電気部品ハウジング、ブレーキオイルタンク及びシリンダーヘッドカバーを示す説明図であって、自動車のフードパネルを取り外した状態でのエンジンルーム内の概略斜視図である。
【図9】本発明に係る樹脂組成物を用いたエンジンルーム内部品の一例として、エンジンボディー、タイミングチェーン、ガスケット及びフロントチェーンケースを示す説明図であって、これらの各部品構成がわかるようにした分解斜視図である。
【図10】本発明に係る樹脂組成物を用いてなる樹脂製冷却装置部品の一例として、ウォータパイプ、O−リング、ウォータポンプハウジング、ウォータポンプインペラ(羽車)、ウォータポンプ及びウォータポンププーリを示すセ説明図であって、これらの各部品構成がわかるようにした分解斜視図である。
【図11】本発明に係る樹脂組成物を用いてなる樹脂製冷却装置部品の他の一例として、ウォータパイプ、サーモスタットハウジング、サーモスタット、及びウォータインレットを示す図であって、これらの各部品構成がわかるようにした分解斜視図である。
【図12】本発明に係る樹脂組成物を用いた、中空構造を有する樹脂一体成形体の一例として、フード、ドア、バックドア、ルーフ、フェンダー、ウィンドウ及びトランクリッドを示す説明図であって、図12(a)は、これらの位置を示すためのセダン系自動車のドアを開いた状態でのリアサイドからの外観斜視図であり、図12(b)は、ワンボックスカーのリアサイドからの外観斜視図である。
【図13】本発明に係る樹脂組成物を用いた、中空構造を有する樹脂一体成形体の他の一例として、センターコンソールボックス、ピラーガーニッシュ及びインストルメントパネルを示す説明図であって、図13(a)は、センターコンソールボックス位置を示す自動車の車室内の前席の斜視図であり、図13(b)は、ピラーガーニッシュ及びインストルメントパネル位置を示す自動車の車室内斜視図である。
【図14】本発明に係る樹脂組成物を用いた、ひとつの部品に異なる2種類以上の機能が付与される一体成形部品の一例として、インストルメントパネル部とエアコンのエアダクトやケースとの一体成形部品を示す説明図である。
【図15】本発明に係る樹脂組成物を用いた一体成形部品の他の一例として、ルーフレールとルーフパネルとの一体成形部品を示す説明図であって、自動車のルーフ部分の外観斜視図である。
【図16】本発明に係る樹脂組成物を用いた、ひとつの部品に異なる2種類以上の機能が付与される一体成形部品の他の一例として、ラジエタコアの一体成形部品を示す説明図である。
【図17】本発明に係る樹脂組成物を用いた可動部と非可動部を有する成形体の一例として、チャンバーの可動部である開閉バルブと、非可動部である開閉バルブ及び開閉バルブシャフトを有する成形体を示す図であって、図17(a)は、これらチャンー部、開閉バルブ及び開閉バルブシャフトを有する成形体の横断面図であり、図17(b)は、図17(a)のA−A線に沿って切断し上部から見た前記チャンバー部の断面図である。
【図18】本発明に係る樹脂組成物の車両用外装部品用途の一例として、燃料タンク及びその周辺の燃料系部品を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ドアモール
2 ドアミラーのフレーム枠
3 ホイールキャップ
4 スポイラー
5 バンパー
6 ウィンカーレンズ
7 ピラーガーニッシュ
8 リアフイニッシャー
21 フロントフェンダー
22 ドアパネル
23 ルーフパネル
24 フードパネル
25 トランクリッド
30 ワイパーシステム
31 ワイパーアーム
32 ワイパープレード
33 ワイパーアーム固定用ナット穴
41 ランプフード・フェンダー一体樹脂成形体
42 ピラーガーニッシュ・ガラス一体樹脂成形体
43 ルーフフェンダ・ガラス一体樹脂成形体
44 バックドア・ガラス一体樹脂成形体
45 ドア・ガラス一体樹脂成形体
51 インストルメントパネル
52 計器類のカバー
61 フロントウィンドウ
63 リアウィンドウ
71 車体側基体
73 リフレクター
75 光軸調整器
81 ラジエーター
62 ドアウィンドウ
64 サイドミラー
72 アウタ部材
74 バルブ
75 アウタレンズ
82 冷却液リザーブタンク
83 ウォシャータンクインレット
84 電気部品ハウジング
86 シリンダーヘッドカバー
92 タイミングチェーン
94 フロントチェーンケース
85 ブレーキオイルタンク
91 エンジンボディー
93 ガスケット
101 ウォータパイプ
102 O−リング
103 ウォータポンプハウジング
104 ウォータポンプインペラ(羽車)
105 ウォータポンプ
106 ウォータポンププーリ
111 ウォータパイプ
112 サーモスタットハウジング
113 サーモスタット
114 ウォータインレット
121 フード
122 ドア
123 バックドア
124 ルーフ
125 フェンダー
126 ウィンドウ
127 トランクリッド
131 センターコンソールボックス
132 ピラーガーニッシュ
133 インストルメントパネル
141 パネル部
142 エアコンのエアダクトやケース
151 ルーフレール
152 ルーフパネル
171 チャンバー部
172 開閉バルブ
173 開閉バルブシャフト
181 フィラーチューブ
182 燃料タンク
183 燃料ポンプ
185 フィラーキャップ
186 ペントチューブ
187 フューエルホース
188 空気室

Claims (59)

  1. 水分散型コロイド状ナノ無機酸化物と、樹脂モノマーと、無機酸化物表面処理剤とを含み、前記ナノ無機酸化物と前記樹脂モノマーとが前記表面処理剤を介して化学結合していることを特徴とする、複合樹脂組成物中間体。
  2. 前記無機酸化物表面処理剤は、少なくとも1以上のアミノ基を有することを特徴とする、請求項1に記載の複合樹脂組成物中間体。
  3. 前記無機酸化物表面処理剤は、鎖式化合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の複合樹脂組成物中間体。
  4. 前記無機酸化物表面処理剤の主鎖における炭素原子数が、6以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の複合樹脂組成物中間体。
  5. 前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物及び前記樹脂モノマーは、前記無機酸化物表面処理剤を介して架橋し、前記無機酸化物表面処理剤は架橋剤として機能することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の複合樹脂組成物中間体。
  6. 前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物100重量部に対して、前記無機酸化物表面処理剤が0.5重量部以上含まれることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載の複合樹脂組成物中間体。
  7. 前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物の平均一次粒径が、380nm以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載の複合樹脂組成物中間体。
  8. 前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物は、コロイダルシリカであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一に記載の複合樹脂組成物中間体。
  9. 前記樹脂モノマーは、アクリル樹脂モノマー及びポリカーボネート樹脂モノマーの少なくとも一方であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一に記載の複合樹脂組成物中間体。
  10. 水分散型コロイド状ナノ無機酸化物と、樹脂重合体と、無機酸化物表面処理剤とを含み、前記ナノ無機酸化物と前記樹脂重合体を構成する樹脂モノマーとが前記表面処理剤を介して化学結合していることを特徴とする、複合樹脂組成物。
  11. 前記無機酸化物表面処理剤は、少なくとも1以上のアミノ基を有することを特徴とする、請求項10に記載の複合樹脂組成物。
  12. 前記無機酸化物表面処理剤は、鎖式化合物であることを特徴とする、請求項10又は11に記載の複合樹脂組成物。
  13. 前記無機酸化物表面処理剤の主鎖における炭素原子数が、6以下であることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか一に記載の複合樹脂組成物。
  14. 前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物及び前記樹脂モノマーは、前記無機酸化物表面処理剤を介して架橋し、前記無機酸化物表面処理剤は架橋剤として機能することを特徴とする、請求項10〜13のいずれか一に記載の複合樹脂組成物。
  15. 前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物100重量部に対して、前記無機酸化物表面処理剤が0.5重量部以上含まれることを特徴とする、請求項10〜14のいずれか一に記載の複合樹脂組成物。
  16. 前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物の平均一次粒径が、380nm以下であることを特徴とする、請求項10〜15のいずれか一に記載の複合樹脂組成物。
  17. 前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物は、コロイダルシリカであることを特徴とする、請求項10〜16のいずれか一に記載の複合樹脂組成物。
  18. 前記樹脂重合体は、透明樹脂であることを特徴とする、請求項10〜17のいずれか一に記載の複合樹脂組成物。
  19. 前記樹脂重合体は、アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂の少なくとも一方であることを特徴とする、請求項18に記載の複合樹脂組成物。
  20. 水分散型コロイド状ナノ無機酸化物を乾燥して粉末化する工程と、
    前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物と樹脂モノマーとを、無機酸化物表面処理剤の存在下で反応させる工程と、
    を具えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一に記載の複合樹脂組成物中間体の製造方法。
  21. 前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物及び前記樹脂モノマーを有機溶媒中に分散させて反応溶液を生成し、この反応溶液を所定の温度に保持した後、前記反応溶液中に前記無機酸化物表面処理剤を添加し、前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物及び前記樹脂モノマーを前記無機酸化物表面処理剤の存在下で反応させることを特徴とする、請求項20に記載の複合樹脂組成物中間体の製造方法。
  22. 水分散型コロイド状ナノ無機酸化物を乾燥して粉末化する工程と、
    前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物と樹脂モノマーとを、無機酸化物表面処理剤の存在下で反応させる工程と、
    前記樹脂モノマーを重合する工程と、
    を具えることを特徴とする、請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物の製造方法。
  23. 前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物及び前記樹脂モノマーを有機溶媒中に分散させて反応溶液を生成し、この反応溶液を所定の温度に保持した後、前記反応溶液中に前記無機酸化物表面処理剤を添加し、前記水分散型コロイド状ナノ無機酸化物及び前記樹脂モノマーを前記無機酸化物表面処理剤の存在下で反応させることを特徴とする、請求項22に記載の複合樹脂組成物の製造方法。
  24. 前記反応溶液中で前記樹脂モノマーの重合を行うことを特徴とする、請求項23に記載の複合樹脂組成物の製造方法。
  25. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含むことを特徴とする、車両用内外装部品成形体。
  26. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含むことを特徴とする、車両用外板。
  27. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂製ワイパーシステム。
  28. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂製ドアミラーステイ。
  29. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂製ピラー。
  30. 透明部と不透明部を有する樹脂成形体において、少なくとも透明部が請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂成形体。
  31. 透明部と不透明部が一体成形されたことを特徴とする、請求項30に記載の樹脂成形体。
  32. 不透明部が樹脂中に分散した顔料により着色され形成されることを特徴とする、請求項30又は31に記載の樹脂成形体。
  33. 上記樹脂成形部品の不透明部が成形前又は成形後において、塗装又は印刷されて形成されることを特徴とする、請求項30又は31に記載の樹脂樹成体。
  34. 上記樹脂成形部品の不透明部が着色シートを用いて形成されることを特徴とする、請求項30又は31に記載の樹脂成形体。
  35. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含むことを特徴とする、熱線付き樹脂製ウィンドウ。
  36. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂製ミラー。
  37. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂製ランプリフレクター。
  38. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂製エンジンルーム内カバー。
  39. 前記複合樹脂組成物を含む部分が透明であることを特徴とする、請求項38に記載の樹脂性エンジンルーム内カバー。
  40. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂性エンジンルーム内ケース。
  41. 前記複合樹脂組成物からなる部分が透明であることを特徴とする、請求項40に記載の樹脂性エンジンルーム内ケース。
  42. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂製冷却装置部品。
  43. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含み、大気と連通した中空構造及び/又は密閉された中空構造を有することを特徴とする、樹脂一体成形体。
  44. 前記中空構造内には、気体、液体、固体又はこれら少なくとも2以上の混合物が充填され封入されていることを特徴とする、請求項43に記載の樹脂一体成形体。
  45. 最表層が、加飾材で構成されていることを特徴とする、請求項43又は44に記載の樹脂一体成形体。
  46. 請求項43〜45のいずれか一に記載の樹脂一体成形体からなることを特徴とする、自動車の外板。
  47. 請求項43〜45のいずれか一に記載の樹脂一体成形体からなることを特徴とする、内外装部品。
  48. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含む二枚の樹脂シートを加熱し、前記樹脂シートを開状態の金型に挿入し、シート外周部を押圧して外周部を溶着する前又は溶着した後に、前記シート間に加圧流体を注入し、前記シートを拡張する間又は拡張後において、前記金型を閉状態にし、前記加圧流体圧を保持して中空構造を形成することを特徴とする、請求項43〜45のいずれか一に記載の樹脂一体成形体の製造方法。
  49. 閉状態の金型内に請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を溶融させて充填する間又は充填した後に、前記金型のキャビティ容積を拡大しながら、加圧流体を溶融樹脂内に注入して中空構造を形成することを特徴とする、請求項43〜45のいずれか一に記載の樹脂一体成形体の製造方法。
  50. 開状態の金型キャビティ面に請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含む一枚又は二枚の樹脂シートを挿入し、前記金型を閉状態にして、前記樹脂シートの背面に溶融樹脂を充填する間又は充填した後に、前記金型のキャビティ容積を拡大しつつ加圧流体を溶融樹脂内に注入して中空構造を形成することを特徴とする、請求項43〜45のいずれか一に記載の樹脂一体成形体の製造方法。
  51. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含む、異なる機能を有する二種類以上の部品を統合し、単一の部品に少なくともこれら二種類以上の機能を付与したことを特徴とする、一体成形部品。
  52. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含み、可動部と非可動部とを有することを特徴とする、成形体。
  53. 前記可動部及び前記非可動部は、二色成形により一体的に形成することを特徴とする、請求項52に記載の成形体。
  54. 前記可動部は気体流動を制御する開閉蓋であり、前記非可動部は流動気体を導入する筒状成形品であることを特徴とする、請求項52又は53に記載の成形体。
  55. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含むことを特徴とする、炭化水素系燃料を収納する部品。
  56. 車両用の一連の燃料系部品を構成することを特徴とする、請求項55に記載の炭化水素系燃料収納部品。
  57. 請求項10〜19のいずれか一に記載の複合樹脂組成物を含むことを特徴とする、炭化水素系燃料を収納する容器。
  58. 車両用の燃料タンクを構成することを特徴とする、請求項57に記載の炭化水素系燃料収納部品。
  59. 前記車両用の燃料タンクは、吹き込み成形法で成形されたことを特徴とする、請求項58に記載の炭化水素系燃料収納部品。
JP2003131992A 2003-05-09 2003-05-09 複合樹脂組成物中間体、複合樹脂組成物、複合樹脂組成物中間体の製造方法、及び複合樹脂組成物の製造方法 Pending JP2004331883A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003131992A JP2004331883A (ja) 2003-05-09 2003-05-09 複合樹脂組成物中間体、複合樹脂組成物、複合樹脂組成物中間体の製造方法、及び複合樹脂組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003131992A JP2004331883A (ja) 2003-05-09 2003-05-09 複合樹脂組成物中間体、複合樹脂組成物、複合樹脂組成物中間体の製造方法、及び複合樹脂組成物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004331883A true JP2004331883A (ja) 2004-11-25

Family

ID=33507029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003131992A Pending JP2004331883A (ja) 2003-05-09 2003-05-09 複合樹脂組成物中間体、複合樹脂組成物、複合樹脂組成物中間体の製造方法、及び複合樹脂組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004331883A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007500209A (ja) * 2003-05-30 2007-01-11 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 表面改質された無機ナノ粒子を含む安定化された粒子分散液
JP2008527087A (ja) * 2004-12-30 2008-07-24 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 表面改質ナノ粒子を含むポリマーブレンドおよびその製造方法
WO2009017060A1 (ja) * 2007-07-27 2009-02-05 Menicon Co., Ltd. 光学性材料及びそれからなる眼用レンズ
JP2009084550A (ja) * 2007-09-10 2009-04-23 Idemitsu Kosan Co Ltd ポリカーボネート樹脂組成物及びその製造方法
WO2009120868A3 (en) * 2008-03-28 2009-12-17 3M Innovative Properties Company Filled resins and method for making filled resins
US8092884B2 (en) 2009-07-02 2012-01-10 Basf Se Single layer fuel tank
US8318120B2 (en) 2008-04-25 2012-11-27 3M Innovative Properties Company Process for the surface modification of particles
JP2013001782A (ja) * 2011-06-15 2013-01-07 Canon Inc 熱可塑性複合材料、その製造方法および成形品
US8394977B2 (en) 2008-03-28 2013-03-12 3M Innovative Properties Company Process for the surface modification of particles
JP2014502229A (ja) * 2010-10-26 2014-01-30 バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング シームレステールゲート
US20150374610A1 (en) * 2013-02-21 2015-12-31 Centre National De La Recherche Scientifique Topical protective polymerized nanoparticles in an active or bioactive array, methods for preparing same and uses thereof
JP2016532678A (ja) * 2013-07-18 2016-10-20 ユニバーシテ ニース ソフィア アンティポリス 活性または生理活性ネットワークの重合化酸化セリウムナノ粒子、その保護局所処置、調製方法、およびそれらの用途
CN110871746A (zh) * 2018-09-03 2020-03-10 法国圣戈班玻璃公司 车辆的立柱的外饰件

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0476068A (ja) * 1990-07-17 1992-03-10 Toyo Ink Mfg Co Ltd 被覆用組成物
JPH05194683A (ja) * 1991-09-24 1993-08-03 Mitsubishi Rayon Co Ltd 透明性に優れた複合体組成物およびその製造方法
JPH05209027A (ja) * 1991-09-24 1993-08-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd 透明性に優れた複合体組成物およびその製法
JPH06316045A (ja) * 1993-05-07 1994-11-15 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 合成樹脂製安全ガラス及びその製造法
JPH11343349A (ja) * 1998-04-01 1999-12-14 Nissan Motor Co Ltd 樹脂製ウィンドウ及びその製法
JP2001089535A (ja) * 1999-09-24 2001-04-03 Jsr Corp 樹脂組成物及びその硬化物
JP2003201409A (ja) * 2001-10-31 2003-07-18 Univ Nihon 樹脂組成物およびそれを用いた熱可塑性樹脂積層体とそれらの製造方法
JP2003286306A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Tama Tlo Kk ナノ複合樹脂組成物の製造方法
JP2004002612A (ja) * 2002-03-29 2004-01-08 Nissan Motor Co Ltd 樹脂組成物およびこれを用いた成形体と部品
JP2004051681A (ja) * 2002-07-17 2004-02-19 Tama Tlo Kk ナノ複合透明樹脂組成物、それを用いた成形体、自動車用部品およびそれらの製造方法
JP2004099865A (ja) * 2002-03-29 2004-04-02 Tama Tlo Kk 樹脂組成物およびこれを用いた成形体と部品、それらの製造方法

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0476068A (ja) * 1990-07-17 1992-03-10 Toyo Ink Mfg Co Ltd 被覆用組成物
JPH05194683A (ja) * 1991-09-24 1993-08-03 Mitsubishi Rayon Co Ltd 透明性に優れた複合体組成物およびその製造方法
JPH05209027A (ja) * 1991-09-24 1993-08-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd 透明性に優れた複合体組成物およびその製法
JPH06316045A (ja) * 1993-05-07 1994-11-15 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 合成樹脂製安全ガラス及びその製造法
JPH11343349A (ja) * 1998-04-01 1999-12-14 Nissan Motor Co Ltd 樹脂製ウィンドウ及びその製法
JP2001089535A (ja) * 1999-09-24 2001-04-03 Jsr Corp 樹脂組成物及びその硬化物
JP2003201409A (ja) * 2001-10-31 2003-07-18 Univ Nihon 樹脂組成物およびそれを用いた熱可塑性樹脂積層体とそれらの製造方法
JP2003286306A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Tama Tlo Kk ナノ複合樹脂組成物の製造方法
JP2004002612A (ja) * 2002-03-29 2004-01-08 Nissan Motor Co Ltd 樹脂組成物およびこれを用いた成形体と部品
JP2004099865A (ja) * 2002-03-29 2004-04-02 Tama Tlo Kk 樹脂組成物およびこれを用いた成形体と部品、それらの製造方法
JP2004051681A (ja) * 2002-07-17 2004-02-19 Tama Tlo Kk ナノ複合透明樹脂組成物、それを用いた成形体、自動車用部品およびそれらの製造方法

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4662941B2 (ja) * 2003-05-30 2011-03-30 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 表面改質された無機ナノ粒子を含む安定化された粒子分散液
JP2007500209A (ja) * 2003-05-30 2007-01-11 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 表面改質された無機ナノ粒子を含む安定化された粒子分散液
US8618202B2 (en) 2004-12-30 2013-12-31 3M Innovative Properties Company Polymer blends including surface-modified nanoparticles and methods of making the same
JP2008527087A (ja) * 2004-12-30 2008-07-24 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 表面改質ナノ粒子を含むポリマーブレンドおよびその製造方法
WO2009017060A1 (ja) * 2007-07-27 2009-02-05 Menicon Co., Ltd. 光学性材料及びそれからなる眼用レンズ
JP2009084550A (ja) * 2007-09-10 2009-04-23 Idemitsu Kosan Co Ltd ポリカーボネート樹脂組成物及びその製造方法
WO2009120868A3 (en) * 2008-03-28 2009-12-17 3M Innovative Properties Company Filled resins and method for making filled resins
US8394977B2 (en) 2008-03-28 2013-03-12 3M Innovative Properties Company Process for the surface modification of particles
US8487019B2 (en) 2008-03-28 2013-07-16 3M Innovative Properties Company Filled resins and method for making filled resins
US8318120B2 (en) 2008-04-25 2012-11-27 3M Innovative Properties Company Process for the surface modification of particles
US8092884B2 (en) 2009-07-02 2012-01-10 Basf Se Single layer fuel tank
JP2014502229A (ja) * 2010-10-26 2014-01-30 バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング シームレステールゲート
US9630478B2 (en) 2010-10-26 2017-04-25 Covestro Deutschland Ag Seamless tailgate
JP2013001782A (ja) * 2011-06-15 2013-01-07 Canon Inc 熱可塑性複合材料、その製造方法および成形品
US20150374610A1 (en) * 2013-02-21 2015-12-31 Centre National De La Recherche Scientifique Topical protective polymerized nanoparticles in an active or bioactive array, methods for preparing same and uses thereof
JP2016517448A (ja) * 2013-02-21 2016-06-16 センター ナショナル デ ラ リシェルシェ サイエンティフィック 活性アレイまたは生物活性アレイにおける保護用重合ナノ粒子外用剤、ならびにその調製方法および用途
JP2016532678A (ja) * 2013-07-18 2016-10-20 ユニバーシテ ニース ソフィア アンティポリス 活性または生理活性ネットワークの重合化酸化セリウムナノ粒子、その保護局所処置、調製方法、およびそれらの用途
US10155869B2 (en) 2013-07-18 2018-12-18 Universite Nice Sophia Antipolis Polymerised cerium oxide nanoparticles in an active or bioactive network, protective topical treatments, methods for preparation thereof and uses thereof
CN110871746A (zh) * 2018-09-03 2020-03-10 法国圣戈班玻璃公司 车辆的立柱的外饰件

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3791502B2 (ja) 樹脂組成物、及び樹脂組成物の製造方法
JP4186002B2 (ja) 樹脂組成物およびそれを用いた熱可塑性樹脂積層体とそれらの製造方法
JP4135881B2 (ja) 樹脂組成物およびこれを用いた成形体と部品
JP2004331883A (ja) 複合樹脂組成物中間体、複合樹脂組成物、複合樹脂組成物中間体の製造方法、及び複合樹脂組成物の製造方法
JP2003201114A (ja) 改質シリカ組成物、透明樹脂組成物、およびこれらを用いた熱可塑性樹脂積層体、自動車用部品、それらの製造方法
JP6636232B2 (ja) シームレステールゲート
JP2008266434A (ja) 黒色のレーザー溶着用ポリアミド樹脂組成物およびこれを用いた成形品
JP2008156386A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物および得られるペレット、並びにポリカーボネート樹脂成形体
US11642873B2 (en) Interlayer film for laminated glass, laminated glass, and image display system
JP3862075B2 (ja) 樹脂組成物、それを用いた積層体、自動車用部品およびそれらの製造方法
JP2003268246A (ja) 樹脂組成物およびその製造方法
CN111867865A (zh) 车辆用后模块的制造方法、车辆用后背门、车辆用后模块及车辆用模块
US20220355580A1 (en) Intermediate film for laminated glass, laminated glass, and image display system
JP4456798B2 (ja) ナノ複合透明樹脂組成物、それを用いた成形体、自動車用部品およびそれらの製造方法
JP2004292698A (ja) 樹脂組成物、充填材及び樹脂組成物の製造方法
JP2004155942A (ja) 樹脂組成物およびその製造方法、ならびにそれを用いた成形体、自動車用部品
JP2004182826A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
KR102002209B1 (ko) 자동차용 인조가죽
JP2004002605A (ja) ナノ複合透明樹脂組成物およびその製造方法ならびにこれを用いた成形体および部品
CN113167864A (zh) 用于机动车的ir透明传感器和摄像头系统
JP4059117B2 (ja) 化合物、樹脂、化合物の製造方法、及び樹脂の製造方法、並びに成形体
JP2005015519A (ja) 樹脂組成物とその製造方法
JP2004099865A (ja) 樹脂組成物およびこれを用いた成形体と部品、それらの製造方法
JP2005023226A (ja) 樹脂組成物の製造方法、及び樹脂組成物
JP2006341628A (ja) 直射光による温度上昇が起こりにくい自動車(密閉室内)用内装品及びこれらを用いた自動車の室内温度上昇抑制方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050726

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070123

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070522