JP2004329265A - 血液透析装置及び液体漏洩物検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、血液透析装置内で液体の漏洩が発生した場合に、個々の漏洩の状態に応じて最適な対応を実行することによって、血液透析装置を使用する患者の安全性、及び利便性を向上させる血液透析装置を提供することである。
【解決手段】透析器に血液を輸送する血液輸送手段、前記透析器に透析液を輸送する透析液輸送手段、及び前記透析器を介して患者の血液から余分な水分や老廃物を前記透析液の側に輸送する除水手段とを内部に備え、且つ、前記内部で発生した液体漏洩物を一定量内部に貯留するよう構成された筐体部を有する血液透析装置において、
それぞれが前記筐体部の内部に貯留した液体漏洩物を検出する液体検出手段であって、
(a)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが第1の鉛直方向高さ以上である場合に前記検出を行う第1の液体検出手段、及び
(b)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが前記第1の鉛直方向高さよりも高い第2の鉛直方向高さ以上である場合に前記検出を行う第2の液体検出手段を備えた血液透析装置を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】透析器に血液を輸送する血液輸送手段、前記透析器に透析液を輸送する透析液輸送手段、及び前記透析器を介して患者の血液から余分な水分や老廃物を前記透析液の側に輸送する除水手段とを内部に備え、且つ、前記内部で発生した液体漏洩物を一定量内部に貯留するよう構成された筐体部を有する血液透析装置において、
それぞれが前記筐体部の内部に貯留した液体漏洩物を検出する液体検出手段であって、
(a)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが第1の鉛直方向高さ以上である場合に前記検出を行う第1の液体検出手段、及び
(b)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが前記第1の鉛直方向高さよりも高い第2の鉛直方向高さ以上である場合に前記検出を行う第2の液体検出手段を備えた血液透析装置を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透析液や透析液製造用清浄水などの液体が内部で漏洩した際に適切に対処できる手段を有する、在宅透析に適した血液透析装置及び液体漏洩物の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
腎機能不全患者の増加に伴い、人工透析(以下、血液透析ともいう)を受ける患者の数も増加傾向にある。かかる患者は、通常、病院や診療所など医療施設において数日に一回の割合で数時間、血液透析を受けることを余儀なくされ(この種の血液透析を、病院内で行う透析という意味で、以下「院内透析」ということがある。)、これを解消するためには、従来は腎臓移植を行うしかなかった。
【0003】
血液透析は、血液と透析液をセルロースやポリスルフォンなどの高分子膜を用いた中空糸型や積層型半透膜モジュールの透析器(以下、「ダイアライザー」、あるいは「人工腎臓ユニット」ということがある。)を介して循環し、血液中の老廃物や過剰の水を除去するものである。
【0004】
ところで、近年の在宅医療の進展の中で、上記した院内透析における通院の煩わしさ等を解消するために、患者が在宅で透析を行うための在宅血液透析装置が開発され、臨床応用の可能性が高まっている。
【0005】
血液透析を医療機関ではなく患者宅において実施することによって、上記した院内透析に伴う通院の煩わしさが解消されるばかりではなく、院内透析において一般的であった週3回透析を実施する隔日透析に代えて、例えば週6回、短時間の透析を実施する連日短時間透析が容易に実行できる環境が整い、この結果、血液透析の治療効果が向上する等のメリットがある。
【0006】
ところで、血液透析装置は透析液を用いて透析器を介して血液透析を行うために、透析液の循環回路、透析液の作成や保持のための手段を備えているので、これら各構成から何らかの理由で透析液や透析液製造用清浄水が漏れ出し、血液透析装置の筐体構造内部に溜まる、更にはこの血液透析装置の外部へと漏れ出すことも起こり得る。
【0007】
ところが、院内透析で使用する血液透析装置で液漏れを検知するために液体検知器を搭載したものは少ない。
【0008】
これは、院内透析においては血液透析装置を運転する際には、医療従事者が傍に在席しており、万一液漏れが起こった場合に、液体検知器がなくてもトラブルによる液漏れを発見した時点で医療従事者が直ちに適切な対処をすることで大きな問題が起きることはないためであると考えられる。また、施設の床は構造上多少濡れても問題がなく、拭き取りが容易なように配慮がなされているため、液漏れを発見した時点で医療従事者が直ちに適切な対処をすれば問題がないからだと考えられる。
【0009】
しかし、在宅透析の場合は院内透析とは状況が異なり、特別な対応が必要となる。
【0010】
すなわち、液漏れにより液体が床にこぼれた場合、畳やじゅうたんを損傷する恐れがある。更に医療従事者は常には血液透析装置の傍に在席していないので液漏れが発生してもすぐに適正な対処をすることが難しい。
【0011】
よって、在宅透析に用いる血液透析装置においては、液漏れが発生した場合に速やかに漏れた液体を検知して、液漏れが装置外に広がって被害が大きくならないように装置の運転を停止させることが必要となる。
【0012】
しかしながら、透析液流路などを構成する配管継ぎ手の微小な破損による微小な液漏れが発生した場合は、事後に保守(血液透析装置の修理)が必要となるものの、装置の運転上は特に問題はなく、液漏れによる使用者(患者)への被害はない。よって微小な液漏れの場合は、装置の運転を即座に停止させるも運転を継続した方が使用者にとって有益なこともある。
【0013】
血液透析装置の液漏れへの対応に関しては、例えば、在宅にある血液透析装置の保守の最適化と治療支援を行う在宅人工透析支援システムにおいて、透析中あるいは透析準備中における血液透析装置の機器情報を検出して中央情報収集センターへ送信する技術は開示されているが、血液透析装置内の個々の液漏れの状態に応じて最適な対応を行う点に関する開示は一切無い(例えば、特許文献1。)。
【0014】
更に、透析装置のモニタリングを想定して透析装置内の液体漏れ量の検出手段を校正することを意図した「流体が流れている系内の漏れの存在を検出する方法と装置」は開示されているが、血液透析装置内の個々の液漏れの状態に応じて最適な対応を行う点については一切触れられていない(例えば、特許文献2。)。
【0015】
このように血液透析装置において液漏れが発生した場合には、個々の液漏れの状態に応じて最適な対応をすべきであるものの、従来はそのような血液透析装置が提供されていなかった。
【0016】
【特許文献1】
特開2001−346870号公報
【0017】
【特許文献2】
特表2002−519630号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、血液透析装置内で液体の漏洩が発生した場合に、個々の漏洩の状態に応じて最適な対応を実行することによって、血液透析装置を使用する患者の安全性、及び利便性を向上させる血液透析装置及び液体漏洩物検出方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、透析器に血液を輸送する血液輸送手段、前記透析器に透析液を輸送する透析液輸送手段、及び前記透析器を介して患者の血液から余分な水分や老廃物を前記透析液の側に輸送する除水手段とを内部に備え、且つ、前記内部で発生した液体漏洩物を一定量内部に貯留するよう構成された筐体部を有する血液透析装置において、
それぞれが前記筐体部の内部に貯留した液体漏洩物を検出する液体検出手段であって、
(a)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが第1の鉛直方向高さ以上である場合に前記検出を行う第1の液体検出手段、及び
(b)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが前記第1の鉛直方向高さよりも高い第2の鉛直方向高さ以上である場合に前記検出を行う第2の液体検出手段を備えた血液透析装置を提供するものである。
【0020】
さらに本発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の血液透析装置において、下記ステップ(a)及び(b)からなる液体漏洩物検出方法を提供するものである。
(a)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが第1の鉛直方向高さ以上である場合に前記筐体部の内部に貯留した液体漏洩物を検出するステップ。
(b)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが前記第1の鉛直方向高さよりも高い第2の鉛直方向高さ以上である場合に前記筐体部の内部に貯留した液体漏洩物を検出するステップ。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図6に従い、本発明の実施形態に係る好ましい実施例として、血液透析装置の第1の実施例、及び第2の実施例の説明を行う。
【0022】
図1は本発明の実施形態に係る好ましい実施例である血液透析装置の第1の実施例において微小量の液漏れが発生した状態を示す要部拡大図、図2は図1の血液透析装置において多量の液漏れが発生した状態を示す要部拡大図、図3は図1の血液透析装置の構成と通信接続とを示す構成図、図4は本発明の実施形態に係る好ましい実施例である血液透析装置の第2の実施例の要部拡大図、図5は図4の血液透析装置が備えるフロート式の液体検知器の構成図、図6は図1の血液透析装置及び図4の血液透析装置がともに備える透析部の構成図である。
【0023】
尚、以下はあくまでも血液透析装置の一構成例を基礎として本発明の特徴的な構成を付加した場合の血液透析装置の構成に促した説明であって、基礎となる血液透析装置の構成は本例以外にも様々な態様が可能であり、その基礎となる各構成にあわせて本発明の血液透析装置はそれぞれ構成されるべきであり、従って本実施例の血液透析装置は発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0024】
〔各実施例の概要〕
以下に説明する各実施例は、次の各構成を含んでいる。
【0025】
先に説明した従来技術における課題である、「血液透析装置内で液体の漏洩が発生した場合に、個々の漏洩の状態に応じて最適な対応を実行することによって、血液透析装置を使用する患者の安全性、及び利便性を向上させる血液透析装置を提供する」という点を解決するために、以下に説明する各実施例では、まず、わずかな液漏れのみが発生した場合には保守(装置の修理、メンテナンス)の必要性を装置の使用者(患者等)やメンテナンスセンターへ知らしめるとともに血液透析装置の運転は継続し、一方、運転に障害を及ぼすか、あるいは安全な透析が行えないような状態の液漏れが発生した場合には血液透析装置の運転を停止させることで、安全にかつ利便性よく在宅透析を実施するよう構成されている。
【0026】
本発明において、使用者とは、透析患者のみならず、患者の介護者、介助者等も含む。
【0027】
尚、上記のメンテナンスセンターは病院、あるいは装置の販売元、あるいは装置のサービスセンター、装置の管理者などが挙げられる。
【0028】
また、このような液漏れに関する情報は血液透析装置の使用者が自ら連絡をせずとも血液透析装置が自動的に修理の必要性をメンテナンスセンターに送信するように構成したので、使用者の負担を軽減することが可能となっている。
【0029】
そこで、各実施例においては、血液透析装置の底部に漏洩した液が溜まる構造とし、液漏れが発生した場合に、その液を液体検知器で検出する手段を有している。
【0030】
そして、液体検知器を二個所に設置し、第1の液体検知器では例えば30±20ml以上という、わずかな液漏れを検知するようにし、第2の液体検知器は例えば350±150ml以上という多量の液漏れを検知するように構成している。
【0031】
上記の構成を有することにより、例えば透析液の流路などを構成する配管継ぎ手の微小な破損による微小液漏れが発生した場合は第1の液体検知器のみでこの液漏れが検出される。
【0032】
この液漏れはわずかであり、血液透析装置内の温湿度条件によっては暫時蒸発し、一定時間後に漏洩した液はなくなってしまうかもしれない。このような微小液漏れでは血液透析装置を停止させずに稼動させ続けて血液透析作業を継続し、同時に修理が必要であることを示す情報を血液透析装置内部に記録し、装置の使用者に示して修理を促すことが出来る。
【0033】
一方、液漏れが多量の場合は、血液透析装置底部に設けた液が溜まる構造部分から装置外部に液が漏れ出る前に第2の液体検知器がこれを検出し、装置の運転を停止させることで、患者の安全と液漏れ被害の拡大をくい止めることが可能である。また、この場合には使用者に緊急に修理が必要であることを通知する。
【0034】
このような液漏れが発生する場合には液漏れの量に関わらず、血液透析装置に何らかの問題が発生したことは確かである。
【0035】
そこで、このような血液透析装置に発生した問題を早期に解決する手段として、液漏れが発生したという情報を、装置からこの情報を電話回線などの通信手段を用いて点検、修理を管理するメンテナンスセンターなどに自動送信する手段を設けている。この際、液漏れが発生したという情報を装置に記憶させておくことも可能である。
【0036】
これによって血液透析装置の使用者が液漏れを知ったものの、メンテナンスセンターへの修理の依頼連絡がなされなかったり遅れたりすることを防ぎ、適切なタイミングで修理を実施することを可能にし、更に使用者は連絡不要であり手間が省けるという利点が得られる。
【0037】
上記の第1、第2の液体検知器としては、独立した液体検知器をそれぞれ設置することで、課題を解決することが可能である。
【0038】
あるいは、異なる二段の検知レベルを有する液体検知器を一個設置することでも課題の解決が可能である。具体的には、フロート式の液検知機構で、検知手段を鉛直方向上下に二段設置することで実現しうる。この方法によって液体検知器の部品点数を削減し、経済性を上げることが可能となる。
【0039】
〔第1の実施例〕
次に、各図面に従い、本発明の第1の実施例を説明する。
【0040】
図3は本実施例の血液透析装置3bの構成の概要と、メンテナンスセンター3dとの通信接続の概要を説明するための構成図であって、図示するごとく血液透析装置3bは、透析液の作成と貯蔵、及び血液透析を実行する透析部3b−1、透析部3b−1を含めた血液透析装置3b全体の制御を行う制御部3b−2、血液透析装置3bの運転情報や異常時の警報などを伝送路3cを介してメンテナンスセンター3dに設置されたメンテナンスセンター端末3eへ送信し且つ所定の情報を受信する送受信部3b−3、及びこれらの構成を外囲する筐体3とを含んで構成されている。
【0041】
上記した透析部3b−1は、図6の構成図に示すごとく、大きなブロックとして、(1)血液透析を実行する血液体外循環部10aと、(2)透析液の調整と循環とを行う透析供給部10bと、(3)軟水化処理や活性炭ろ過を経た原水から膜透過により各種イオンやエンドトキシンなどのパイロジェンを除去して透析液を作成するためのRO水(逆浸透水あるいは清浄水)を作るRO水生成部10cと、を有している。血液体外循環部10aは患者の血液を透析器に輸送する血液循環ポンプ10−2を有する。透析供給部10bは透析液を透析器に供給するための透析液ポンプ10−4と透析器の膜を介して血液側から透析液側に液を輸送して血液中の水分を除去する除水ポンプ10−6を有する。なお、構成図に記載はしていないが透析装置において透析液あるいは清浄水などの液の流路を電気的あるいは機械的な流路切り替え弁を用いて切り替え、液の流れる流路を変更して所望の流路に液を輸送することは一般的に行われており、本実施例においても流路切り替え弁を使用している。
【0042】
先に説明したように在宅血液透析においては、連日短時間透析が実施できる。また患者宅にて行う在宅透析では装置の設置可能なスペースが限られているので、血液透析装置の他に、透析液を作成するためのRO水を作るRO水生成装置、あるいは透析液作成装置などを別個の装置として設置する余裕がなく、血液透析装置自身がこれらRO水生成機能、透析液作成機能を備える形態がありえる。この場合、RO水精製部10cには逆浸透膜(RO膜)に水を供給するROポンプ10−5を有する。
【0043】
このような理由から、本実施例の血液透析装置3bは、例えば、以下に示すような各ステップを含んだ一連のシークエンスを、連日透析実施日には毎日一回繰り返すよう構成されている。
(1)透析液作成ステップ:在宅血液透析装置に装着された透析液原液ボトルから排出された透析液原液を希釈して透析液を作成する。
(2)プライミング・ステップ:透析実行に先立って、ダイアライザー(血液ろ過モジュール)と血液回路の中を逆ろ過透析液で満たし適温まで温度を上げる。(3)血液透析ステップ:患者等の操作に応じて、血液透析を実行する。
(4)返血ステップ:血液透析の終了後、ダイアライザーおよび血液回路内に残った血液を患者の体内に戻す。
(5)洗浄・性能試験ステップ:血液の流路と、透析液の流路中に洗浄液、RO水を通して洗浄を行い、その後、各機能の試験を行う。
(6)熱水殺菌ステップ:血液の流路と、透析液の流路中に熱水を通して各流路内部の殺菌を行う。
(7)待機ステップ:次回の透析開始まで待機状態を続ける。
(8)洗浄ステップ:血液透析の開始に先立って、血液の流路及び透析液の流路内部に洗浄液、RO水を通して洗浄を行う。
【0044】
また、上記の血液体外循環部10aには、高分子膜を用いた中空糸型半透膜モジュールであるダイアライザー(人工腎臓ユニット)10−1、患者の動脈を発した血液をダイアライザー10−1まで導き、透析が済んでこのダイアライザー10−1を発した血液を患者の静脈へ導く複数の管部材よりなる血液回路、及び血液の循環を行う血液循環ポンプ10−2が含まれている。
【0045】
ここで、上記のダイアライザー10−1及び血液回路は、連日透析を実行するために定期的に、例えば週に一度交換がなされるべき定期的交換部品であって、患者宅まで搬送されたこれらの交換部品の交換作業は、使用者(患者等、在宅血液透析の実施者)が実行する。
【0046】
上記したように本実施例の血液透析装置3bは透析液や透析液作成用の清浄水を流動させるための配管構造、貯蔵のためのタンク構造を含み、また多くの構成部品は定期的に交換をすべく構成されているので、これら配管や部品の接続個所の緩みなどで液体が漏洩することがありえるものである。
【0047】
そこで本実施例の血液透析装置3bは、図1に示すごとく、筐体3に付帯させて第1の液体検知器1、第2の液体検知器2を有している。
【0048】
更に血液透析装置3bは筐体3下部が液漏れせず、液が溜まる構造を有している。溜まった液は排液用栓4を外すことで外部に排出可能である。
【0049】
第1の液体検知器1は第2の液体検知器2より鉛直方向で下側に位置し、液漏れ発生時には漏洩液の貯留液面が暫時上昇するのであるから、必ず第2の液体検知器2より先に液体を検知する。
【0050】
第1の液体検知1は例えば30±20ml以上の液が装置筐体下部に溜まった場合、液を検知するように設置する。第2の液体検知器2は第1の液体検知器1より鉛直方向で上側に位置する。例えば350±150ml以上の多量な液漏れが発生した場合、図2に示すように第1の液体検知器1に加え、第2の液体検知器2は液体を検知する。
【0051】
以下に、第1及び第2の液体検知器1,2の出力と液漏れの状況の関係を示す。
【0052】
【表1】
【0053】
安全監視の液漏れ監視ソフトウェアが組みつけられ、このソフトウェアに従って制御動作を行う制御部3b−2は、定期的に液体検知器1,2の出力を読み込み、液漏れの状態を監視する。液体検知器1,2の出力は透析装置3bの制御部3b−2に設けられた中央処理演算部(図示しない)で監視され、逐次、同じく制御部3b−2内に設けられた記憶部(図示しない)に記憶される。
【0054】
微小な液漏れが検出された場合は、液漏れ監視ソフトウェアに従って制御動作を行う制御部3b−2は、使用者に1日一回のメンテナンス情報表示で微小液漏れのあることを通知する。
【0055】
また、本実施例の血液透析装置3bは、必要に応じて微小液漏れがあったことを通信手段である送受信部3b−3及び伝送路3cを介して、点検を管理するメンテナンスセンター3dなどに配置されたメンテナンスセンター端末3eなどに送ることが選択可能であり、この場合は使用者の自発的に連絡なしに、血液透析装置3bの液漏れ状態をメンテナンスセンター3dなどで把握することができ、よりよい点検、修理の計画が可能になる。
【0056】
尚、上記の伝送路3cは有線伝送路、無線伝送路を問わず、また電話回線、インターネット通信網、LANなど様々な構成が可能である。
【0057】
液漏れ監視ソフトウェアに従って制御動作を行う制御部3b−2が多量な液漏れを検知した場合は、透析中であっても液漏れがあることを使用者に知らせ、自動的に血液透析装置3bの運転の一部を停止させる。すなわち透析液供給部10bの透析液ポンプ10−4、除水ポンプ10−6を停止し、RO水精製部10cのROポンプ10−5を停止し、液の流路切り替え弁を閉にすればよい。血液循環ポンプ10−2は停止させずに循環を継続し、患者に透析を中断し返血を実施することを装置が促すことが好ましい。これによって患者の安全を確保し、透析液が装置外の床などにあふれ出して家庭のフローリング、じゅうたん、畳などを浸水して損傷することを防止することが可能となる。
【0058】
よって、血液透析装置3bの筐体下部の液が溜まる構造部は、例えば500ml以上の液体を保持できる構造が好ましい。
【0059】
なお、家庭のフローリング、じゅうたん、畳などを濡らして損傷することを防止し、患者の利便性を高める観点から、透析中だけではなく、透析液作成、あるいはプライミング、あるいは返血、あるいは洗浄・性能試験、あるいは熱水殺菌、あるいは待機、あるいは洗浄など、装置から液漏れが発生しうる全ての運転状態が本発明の液漏れ検知手段を利用する対象範囲である。
【0060】
RO水精製部を内部に有しない血液透析装置においては透析液ポンプと除水ポンプとの少なくとも一方の運転を停止し、装置外部からの給液を輸送する手段を有するのであれば当該手段は本発明の液漏れ検知手段によってその運転を停止する対象になりうる。
【0061】
また、液体中から気泡を除去するために液体に陰圧を加える手段としての脱気ポンプを有する血液透析装置においては、脱気ポンプも本発明の液漏れ検知手段によって運転を停止する対象となりうる。
【0062】
また、透析液を作成するために清浄水に透析液の原液を供給する手段をもつ血液透析装置においては、透析液の原液を供給する手段は本発明の液漏れ検知手段によって運転を停止する対象となりうる。
【0063】
これら、RO水精製部を内部に有しない構成、脱気ポンプを有する構成、または透析液原液供給手段を有する構成として血液透析装置を上記のごとく実現しても良いことは、下記する第2の実施例においても同様である。
【0064】
〔第2の実施例〕
次に各図面に従い、本発明の第2の実施例である血液透析装置の説明を行う。尚、以下の説明では、上記の第1の実施例との相違点に集中することとする。
【0065】
先に第1の実施例で説明した液漏れの検知機能は、図4に示すように、二段の検出部を持つ液体検知器7を一個設置することでも実現しうる。
【0066】
この液体検出器7は、図5に示すようなフロート式の液体検知器7を鉛直方向に二段階に液漏れ検知が可能なように構成にして実現可能である。
【0067】
液漏れが発生すると、通水部9を通して液体が検出器のフロート8が少なくとも鉛直方向に移動自在に配置されている部分に進入し、このフロート8は漏れて貯留する液体の貯留液面を浮遊するように構成されているので、水位(貯留液面)の上昇により、フロート8は上昇を始める。
【0068】
フロート8の上昇が進むと、まず第1の検知部11において、フロート8と一体に設けられた光遮蔽部17によって発光素子13から発せられる光が受光素子14に達することなく遮蔽される。
【0069】
次に、さらに液漏れが進み、フロート8の上昇が進むとやがて光遮蔽部17は第2の検知部12においても発光素子13から発せられる光が受光素子14に達することを遮蔽する。このように、フロート式の液体検知器7で検知部11,12を二段構成にし、その検知部11,12とフロート8の位置関係を装置底部の液体が溜まる部分の容積を考慮して所望の液漏れ量でそれぞれ第一の検出、第二の検出が可能なように設計すれば一個の液体検知器7で、先に説明した液漏れの状態に応じた最適な対応を実行する、という課題の解決が第1の実施例と同様に可能であるとともに、部品点数、組み付け工数の削減、及び血液透析装置の小型軽量化が可能となる。
【0070】
上記に説明を行った本発明の実施形態に係る第1の実施例、及び第2の実施例の血液透析装置によれば、血液透析装置に液体検知器を設置することにより、液漏れが発生した際に床に浸水する前に装置を停止させることで、在宅透析において床を汚すことが防止できる。
【0071】
しかし、微量な液漏れで血液透析装置を停止させていては患者の透析スケジュールを頻繁に阻害する恐れもあるため、液体検知器を二段化し、微量な液漏れは装置の運転を停止せずに継続運転することで使用者の便宜を図ることが可能となる。微量液漏れが存在することを使用者に伝える手段を有し、同時に通信手段を用いて装置が自動的に点検を管理する場所、すなわちメンテナンスセンターなどに情報を伝達できる機能を持たせることにより、点検を管理する側は確実に液漏れを知ることができ、点検の質を上げて、点検サービスを充実することができる。
【0072】
そして、多量の液漏れに対しては別の検出が可能で、その場合は装置の運転を停止して患者の健康を損なう、あるいは液漏れ被害を増大させることを防止できる。
【0073】
多量の液漏れの場合は血液透析装置はただちに使用者にその旨を知らせ、また同時に通信手段を用いて装置が自動的に点検を管理する場所、メンテナンスセンターなどに情報を伝達することが可能であり、点検を管理する側は多量の液漏れ対策を講じるため、緊急に出向くことが可能であり、サービスの質を向上させることができる。
【0074】
本発明は二個の液体検知器を使用すること、あるいは二段の検出部を有する一個の液体検知器を使用することで実現が可能である。後者においては、前者より経済性を高めることが可能である。
【0075】
【発明の効果】
上述した如く、本発明は、血液透析装置内で液体の漏洩が発生した場合に、個々の漏洩の状態に応じて最適な対応を実行することによって、血液透析装置を使用する患者の安全性、及び利便性を向上させる血液透析装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る好ましい実施例である血液透析装置の第1の実施例において微小量の液漏れが発生した状態を示す要部拡大図である。
【図2】図1の血液透析装置において多量の液漏れが発生した状態を示す要部拡大図である。
【図3】図1の血液透析装置の構成と通信接続とを示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る好ましい実施例である血液透析装置の第2の実施例の要部拡大図である。
【図5】図4の血液透析装置が備えるフロート式の液体検知器の構成図である。
【図6】図1の血液透析装置及び図4の血液透析装置がともに備える透析部の構成図である。
【符号の説明】
1 第1の液体検知器(第1の液体検出器)
2 第2の液体検知器(第2の液体検出器)
3 筐体(筐体部)
3b 血液透析装置
3b−1 透析部
3b−2 制御部
3b−3 送受信部(送信手段)
10−1 ダイアライザー(人工腎臓ユニット)
【発明の属する技術分野】
本発明は、透析液や透析液製造用清浄水などの液体が内部で漏洩した際に適切に対処できる手段を有する、在宅透析に適した血液透析装置及び液体漏洩物の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
腎機能不全患者の増加に伴い、人工透析(以下、血液透析ともいう)を受ける患者の数も増加傾向にある。かかる患者は、通常、病院や診療所など医療施設において数日に一回の割合で数時間、血液透析を受けることを余儀なくされ(この種の血液透析を、病院内で行う透析という意味で、以下「院内透析」ということがある。)、これを解消するためには、従来は腎臓移植を行うしかなかった。
【0003】
血液透析は、血液と透析液をセルロースやポリスルフォンなどの高分子膜を用いた中空糸型や積層型半透膜モジュールの透析器(以下、「ダイアライザー」、あるいは「人工腎臓ユニット」ということがある。)を介して循環し、血液中の老廃物や過剰の水を除去するものである。
【0004】
ところで、近年の在宅医療の進展の中で、上記した院内透析における通院の煩わしさ等を解消するために、患者が在宅で透析を行うための在宅血液透析装置が開発され、臨床応用の可能性が高まっている。
【0005】
血液透析を医療機関ではなく患者宅において実施することによって、上記した院内透析に伴う通院の煩わしさが解消されるばかりではなく、院内透析において一般的であった週3回透析を実施する隔日透析に代えて、例えば週6回、短時間の透析を実施する連日短時間透析が容易に実行できる環境が整い、この結果、血液透析の治療効果が向上する等のメリットがある。
【0006】
ところで、血液透析装置は透析液を用いて透析器を介して血液透析を行うために、透析液の循環回路、透析液の作成や保持のための手段を備えているので、これら各構成から何らかの理由で透析液や透析液製造用清浄水が漏れ出し、血液透析装置の筐体構造内部に溜まる、更にはこの血液透析装置の外部へと漏れ出すことも起こり得る。
【0007】
ところが、院内透析で使用する血液透析装置で液漏れを検知するために液体検知器を搭載したものは少ない。
【0008】
これは、院内透析においては血液透析装置を運転する際には、医療従事者が傍に在席しており、万一液漏れが起こった場合に、液体検知器がなくてもトラブルによる液漏れを発見した時点で医療従事者が直ちに適切な対処をすることで大きな問題が起きることはないためであると考えられる。また、施設の床は構造上多少濡れても問題がなく、拭き取りが容易なように配慮がなされているため、液漏れを発見した時点で医療従事者が直ちに適切な対処をすれば問題がないからだと考えられる。
【0009】
しかし、在宅透析の場合は院内透析とは状況が異なり、特別な対応が必要となる。
【0010】
すなわち、液漏れにより液体が床にこぼれた場合、畳やじゅうたんを損傷する恐れがある。更に医療従事者は常には血液透析装置の傍に在席していないので液漏れが発生してもすぐに適正な対処をすることが難しい。
【0011】
よって、在宅透析に用いる血液透析装置においては、液漏れが発生した場合に速やかに漏れた液体を検知して、液漏れが装置外に広がって被害が大きくならないように装置の運転を停止させることが必要となる。
【0012】
しかしながら、透析液流路などを構成する配管継ぎ手の微小な破損による微小な液漏れが発生した場合は、事後に保守(血液透析装置の修理)が必要となるものの、装置の運転上は特に問題はなく、液漏れによる使用者(患者)への被害はない。よって微小な液漏れの場合は、装置の運転を即座に停止させるも運転を継続した方が使用者にとって有益なこともある。
【0013】
血液透析装置の液漏れへの対応に関しては、例えば、在宅にある血液透析装置の保守の最適化と治療支援を行う在宅人工透析支援システムにおいて、透析中あるいは透析準備中における血液透析装置の機器情報を検出して中央情報収集センターへ送信する技術は開示されているが、血液透析装置内の個々の液漏れの状態に応じて最適な対応を行う点に関する開示は一切無い(例えば、特許文献1。)。
【0014】
更に、透析装置のモニタリングを想定して透析装置内の液体漏れ量の検出手段を校正することを意図した「流体が流れている系内の漏れの存在を検出する方法と装置」は開示されているが、血液透析装置内の個々の液漏れの状態に応じて最適な対応を行う点については一切触れられていない(例えば、特許文献2。)。
【0015】
このように血液透析装置において液漏れが発生した場合には、個々の液漏れの状態に応じて最適な対応をすべきであるものの、従来はそのような血液透析装置が提供されていなかった。
【0016】
【特許文献1】
特開2001−346870号公報
【0017】
【特許文献2】
特表2002−519630号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、血液透析装置内で液体の漏洩が発生した場合に、個々の漏洩の状態に応じて最適な対応を実行することによって、血液透析装置を使用する患者の安全性、及び利便性を向上させる血液透析装置及び液体漏洩物検出方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、透析器に血液を輸送する血液輸送手段、前記透析器に透析液を輸送する透析液輸送手段、及び前記透析器を介して患者の血液から余分な水分や老廃物を前記透析液の側に輸送する除水手段とを内部に備え、且つ、前記内部で発生した液体漏洩物を一定量内部に貯留するよう構成された筐体部を有する血液透析装置において、
それぞれが前記筐体部の内部に貯留した液体漏洩物を検出する液体検出手段であって、
(a)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが第1の鉛直方向高さ以上である場合に前記検出を行う第1の液体検出手段、及び
(b)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが前記第1の鉛直方向高さよりも高い第2の鉛直方向高さ以上である場合に前記検出を行う第2の液体検出手段を備えた血液透析装置を提供するものである。
【0020】
さらに本発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の血液透析装置において、下記ステップ(a)及び(b)からなる液体漏洩物検出方法を提供するものである。
(a)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが第1の鉛直方向高さ以上である場合に前記筐体部の内部に貯留した液体漏洩物を検出するステップ。
(b)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが前記第1の鉛直方向高さよりも高い第2の鉛直方向高さ以上である場合に前記筐体部の内部に貯留した液体漏洩物を検出するステップ。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図6に従い、本発明の実施形態に係る好ましい実施例として、血液透析装置の第1の実施例、及び第2の実施例の説明を行う。
【0022】
図1は本発明の実施形態に係る好ましい実施例である血液透析装置の第1の実施例において微小量の液漏れが発生した状態を示す要部拡大図、図2は図1の血液透析装置において多量の液漏れが発生した状態を示す要部拡大図、図3は図1の血液透析装置の構成と通信接続とを示す構成図、図4は本発明の実施形態に係る好ましい実施例である血液透析装置の第2の実施例の要部拡大図、図5は図4の血液透析装置が備えるフロート式の液体検知器の構成図、図6は図1の血液透析装置及び図4の血液透析装置がともに備える透析部の構成図である。
【0023】
尚、以下はあくまでも血液透析装置の一構成例を基礎として本発明の特徴的な構成を付加した場合の血液透析装置の構成に促した説明であって、基礎となる血液透析装置の構成は本例以外にも様々な態様が可能であり、その基礎となる各構成にあわせて本発明の血液透析装置はそれぞれ構成されるべきであり、従って本実施例の血液透析装置は発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0024】
〔各実施例の概要〕
以下に説明する各実施例は、次の各構成を含んでいる。
【0025】
先に説明した従来技術における課題である、「血液透析装置内で液体の漏洩が発生した場合に、個々の漏洩の状態に応じて最適な対応を実行することによって、血液透析装置を使用する患者の安全性、及び利便性を向上させる血液透析装置を提供する」という点を解決するために、以下に説明する各実施例では、まず、わずかな液漏れのみが発生した場合には保守(装置の修理、メンテナンス)の必要性を装置の使用者(患者等)やメンテナンスセンターへ知らしめるとともに血液透析装置の運転は継続し、一方、運転に障害を及ぼすか、あるいは安全な透析が行えないような状態の液漏れが発生した場合には血液透析装置の運転を停止させることで、安全にかつ利便性よく在宅透析を実施するよう構成されている。
【0026】
本発明において、使用者とは、透析患者のみならず、患者の介護者、介助者等も含む。
【0027】
尚、上記のメンテナンスセンターは病院、あるいは装置の販売元、あるいは装置のサービスセンター、装置の管理者などが挙げられる。
【0028】
また、このような液漏れに関する情報は血液透析装置の使用者が自ら連絡をせずとも血液透析装置が自動的に修理の必要性をメンテナンスセンターに送信するように構成したので、使用者の負担を軽減することが可能となっている。
【0029】
そこで、各実施例においては、血液透析装置の底部に漏洩した液が溜まる構造とし、液漏れが発生した場合に、その液を液体検知器で検出する手段を有している。
【0030】
そして、液体検知器を二個所に設置し、第1の液体検知器では例えば30±20ml以上という、わずかな液漏れを検知するようにし、第2の液体検知器は例えば350±150ml以上という多量の液漏れを検知するように構成している。
【0031】
上記の構成を有することにより、例えば透析液の流路などを構成する配管継ぎ手の微小な破損による微小液漏れが発生した場合は第1の液体検知器のみでこの液漏れが検出される。
【0032】
この液漏れはわずかであり、血液透析装置内の温湿度条件によっては暫時蒸発し、一定時間後に漏洩した液はなくなってしまうかもしれない。このような微小液漏れでは血液透析装置を停止させずに稼動させ続けて血液透析作業を継続し、同時に修理が必要であることを示す情報を血液透析装置内部に記録し、装置の使用者に示して修理を促すことが出来る。
【0033】
一方、液漏れが多量の場合は、血液透析装置底部に設けた液が溜まる構造部分から装置外部に液が漏れ出る前に第2の液体検知器がこれを検出し、装置の運転を停止させることで、患者の安全と液漏れ被害の拡大をくい止めることが可能である。また、この場合には使用者に緊急に修理が必要であることを通知する。
【0034】
このような液漏れが発生する場合には液漏れの量に関わらず、血液透析装置に何らかの問題が発生したことは確かである。
【0035】
そこで、このような血液透析装置に発生した問題を早期に解決する手段として、液漏れが発生したという情報を、装置からこの情報を電話回線などの通信手段を用いて点検、修理を管理するメンテナンスセンターなどに自動送信する手段を設けている。この際、液漏れが発生したという情報を装置に記憶させておくことも可能である。
【0036】
これによって血液透析装置の使用者が液漏れを知ったものの、メンテナンスセンターへの修理の依頼連絡がなされなかったり遅れたりすることを防ぎ、適切なタイミングで修理を実施することを可能にし、更に使用者は連絡不要であり手間が省けるという利点が得られる。
【0037】
上記の第1、第2の液体検知器としては、独立した液体検知器をそれぞれ設置することで、課題を解決することが可能である。
【0038】
あるいは、異なる二段の検知レベルを有する液体検知器を一個設置することでも課題の解決が可能である。具体的には、フロート式の液検知機構で、検知手段を鉛直方向上下に二段設置することで実現しうる。この方法によって液体検知器の部品点数を削減し、経済性を上げることが可能となる。
【0039】
〔第1の実施例〕
次に、各図面に従い、本発明の第1の実施例を説明する。
【0040】
図3は本実施例の血液透析装置3bの構成の概要と、メンテナンスセンター3dとの通信接続の概要を説明するための構成図であって、図示するごとく血液透析装置3bは、透析液の作成と貯蔵、及び血液透析を実行する透析部3b−1、透析部3b−1を含めた血液透析装置3b全体の制御を行う制御部3b−2、血液透析装置3bの運転情報や異常時の警報などを伝送路3cを介してメンテナンスセンター3dに設置されたメンテナンスセンター端末3eへ送信し且つ所定の情報を受信する送受信部3b−3、及びこれらの構成を外囲する筐体3とを含んで構成されている。
【0041】
上記した透析部3b−1は、図6の構成図に示すごとく、大きなブロックとして、(1)血液透析を実行する血液体外循環部10aと、(2)透析液の調整と循環とを行う透析供給部10bと、(3)軟水化処理や活性炭ろ過を経た原水から膜透過により各種イオンやエンドトキシンなどのパイロジェンを除去して透析液を作成するためのRO水(逆浸透水あるいは清浄水)を作るRO水生成部10cと、を有している。血液体外循環部10aは患者の血液を透析器に輸送する血液循環ポンプ10−2を有する。透析供給部10bは透析液を透析器に供給するための透析液ポンプ10−4と透析器の膜を介して血液側から透析液側に液を輸送して血液中の水分を除去する除水ポンプ10−6を有する。なお、構成図に記載はしていないが透析装置において透析液あるいは清浄水などの液の流路を電気的あるいは機械的な流路切り替え弁を用いて切り替え、液の流れる流路を変更して所望の流路に液を輸送することは一般的に行われており、本実施例においても流路切り替え弁を使用している。
【0042】
先に説明したように在宅血液透析においては、連日短時間透析が実施できる。また患者宅にて行う在宅透析では装置の設置可能なスペースが限られているので、血液透析装置の他に、透析液を作成するためのRO水を作るRO水生成装置、あるいは透析液作成装置などを別個の装置として設置する余裕がなく、血液透析装置自身がこれらRO水生成機能、透析液作成機能を備える形態がありえる。この場合、RO水精製部10cには逆浸透膜(RO膜)に水を供給するROポンプ10−5を有する。
【0043】
このような理由から、本実施例の血液透析装置3bは、例えば、以下に示すような各ステップを含んだ一連のシークエンスを、連日透析実施日には毎日一回繰り返すよう構成されている。
(1)透析液作成ステップ:在宅血液透析装置に装着された透析液原液ボトルから排出された透析液原液を希釈して透析液を作成する。
(2)プライミング・ステップ:透析実行に先立って、ダイアライザー(血液ろ過モジュール)と血液回路の中を逆ろ過透析液で満たし適温まで温度を上げる。(3)血液透析ステップ:患者等の操作に応じて、血液透析を実行する。
(4)返血ステップ:血液透析の終了後、ダイアライザーおよび血液回路内に残った血液を患者の体内に戻す。
(5)洗浄・性能試験ステップ:血液の流路と、透析液の流路中に洗浄液、RO水を通して洗浄を行い、その後、各機能の試験を行う。
(6)熱水殺菌ステップ:血液の流路と、透析液の流路中に熱水を通して各流路内部の殺菌を行う。
(7)待機ステップ:次回の透析開始まで待機状態を続ける。
(8)洗浄ステップ:血液透析の開始に先立って、血液の流路及び透析液の流路内部に洗浄液、RO水を通して洗浄を行う。
【0044】
また、上記の血液体外循環部10aには、高分子膜を用いた中空糸型半透膜モジュールであるダイアライザー(人工腎臓ユニット)10−1、患者の動脈を発した血液をダイアライザー10−1まで導き、透析が済んでこのダイアライザー10−1を発した血液を患者の静脈へ導く複数の管部材よりなる血液回路、及び血液の循環を行う血液循環ポンプ10−2が含まれている。
【0045】
ここで、上記のダイアライザー10−1及び血液回路は、連日透析を実行するために定期的に、例えば週に一度交換がなされるべき定期的交換部品であって、患者宅まで搬送されたこれらの交換部品の交換作業は、使用者(患者等、在宅血液透析の実施者)が実行する。
【0046】
上記したように本実施例の血液透析装置3bは透析液や透析液作成用の清浄水を流動させるための配管構造、貯蔵のためのタンク構造を含み、また多くの構成部品は定期的に交換をすべく構成されているので、これら配管や部品の接続個所の緩みなどで液体が漏洩することがありえるものである。
【0047】
そこで本実施例の血液透析装置3bは、図1に示すごとく、筐体3に付帯させて第1の液体検知器1、第2の液体検知器2を有している。
【0048】
更に血液透析装置3bは筐体3下部が液漏れせず、液が溜まる構造を有している。溜まった液は排液用栓4を外すことで外部に排出可能である。
【0049】
第1の液体検知器1は第2の液体検知器2より鉛直方向で下側に位置し、液漏れ発生時には漏洩液の貯留液面が暫時上昇するのであるから、必ず第2の液体検知器2より先に液体を検知する。
【0050】
第1の液体検知1は例えば30±20ml以上の液が装置筐体下部に溜まった場合、液を検知するように設置する。第2の液体検知器2は第1の液体検知器1より鉛直方向で上側に位置する。例えば350±150ml以上の多量な液漏れが発生した場合、図2に示すように第1の液体検知器1に加え、第2の液体検知器2は液体を検知する。
【0051】
以下に、第1及び第2の液体検知器1,2の出力と液漏れの状況の関係を示す。
【0052】
【表1】
【0053】
安全監視の液漏れ監視ソフトウェアが組みつけられ、このソフトウェアに従って制御動作を行う制御部3b−2は、定期的に液体検知器1,2の出力を読み込み、液漏れの状態を監視する。液体検知器1,2の出力は透析装置3bの制御部3b−2に設けられた中央処理演算部(図示しない)で監視され、逐次、同じく制御部3b−2内に設けられた記憶部(図示しない)に記憶される。
【0054】
微小な液漏れが検出された場合は、液漏れ監視ソフトウェアに従って制御動作を行う制御部3b−2は、使用者に1日一回のメンテナンス情報表示で微小液漏れのあることを通知する。
【0055】
また、本実施例の血液透析装置3bは、必要に応じて微小液漏れがあったことを通信手段である送受信部3b−3及び伝送路3cを介して、点検を管理するメンテナンスセンター3dなどに配置されたメンテナンスセンター端末3eなどに送ることが選択可能であり、この場合は使用者の自発的に連絡なしに、血液透析装置3bの液漏れ状態をメンテナンスセンター3dなどで把握することができ、よりよい点検、修理の計画が可能になる。
【0056】
尚、上記の伝送路3cは有線伝送路、無線伝送路を問わず、また電話回線、インターネット通信網、LANなど様々な構成が可能である。
【0057】
液漏れ監視ソフトウェアに従って制御動作を行う制御部3b−2が多量な液漏れを検知した場合は、透析中であっても液漏れがあることを使用者に知らせ、自動的に血液透析装置3bの運転の一部を停止させる。すなわち透析液供給部10bの透析液ポンプ10−4、除水ポンプ10−6を停止し、RO水精製部10cのROポンプ10−5を停止し、液の流路切り替え弁を閉にすればよい。血液循環ポンプ10−2は停止させずに循環を継続し、患者に透析を中断し返血を実施することを装置が促すことが好ましい。これによって患者の安全を確保し、透析液が装置外の床などにあふれ出して家庭のフローリング、じゅうたん、畳などを浸水して損傷することを防止することが可能となる。
【0058】
よって、血液透析装置3bの筐体下部の液が溜まる構造部は、例えば500ml以上の液体を保持できる構造が好ましい。
【0059】
なお、家庭のフローリング、じゅうたん、畳などを濡らして損傷することを防止し、患者の利便性を高める観点から、透析中だけではなく、透析液作成、あるいはプライミング、あるいは返血、あるいは洗浄・性能試験、あるいは熱水殺菌、あるいは待機、あるいは洗浄など、装置から液漏れが発生しうる全ての運転状態が本発明の液漏れ検知手段を利用する対象範囲である。
【0060】
RO水精製部を内部に有しない血液透析装置においては透析液ポンプと除水ポンプとの少なくとも一方の運転を停止し、装置外部からの給液を輸送する手段を有するのであれば当該手段は本発明の液漏れ検知手段によってその運転を停止する対象になりうる。
【0061】
また、液体中から気泡を除去するために液体に陰圧を加える手段としての脱気ポンプを有する血液透析装置においては、脱気ポンプも本発明の液漏れ検知手段によって運転を停止する対象となりうる。
【0062】
また、透析液を作成するために清浄水に透析液の原液を供給する手段をもつ血液透析装置においては、透析液の原液を供給する手段は本発明の液漏れ検知手段によって運転を停止する対象となりうる。
【0063】
これら、RO水精製部を内部に有しない構成、脱気ポンプを有する構成、または透析液原液供給手段を有する構成として血液透析装置を上記のごとく実現しても良いことは、下記する第2の実施例においても同様である。
【0064】
〔第2の実施例〕
次に各図面に従い、本発明の第2の実施例である血液透析装置の説明を行う。尚、以下の説明では、上記の第1の実施例との相違点に集中することとする。
【0065】
先に第1の実施例で説明した液漏れの検知機能は、図4に示すように、二段の検出部を持つ液体検知器7を一個設置することでも実現しうる。
【0066】
この液体検出器7は、図5に示すようなフロート式の液体検知器7を鉛直方向に二段階に液漏れ検知が可能なように構成にして実現可能である。
【0067】
液漏れが発生すると、通水部9を通して液体が検出器のフロート8が少なくとも鉛直方向に移動自在に配置されている部分に進入し、このフロート8は漏れて貯留する液体の貯留液面を浮遊するように構成されているので、水位(貯留液面)の上昇により、フロート8は上昇を始める。
【0068】
フロート8の上昇が進むと、まず第1の検知部11において、フロート8と一体に設けられた光遮蔽部17によって発光素子13から発せられる光が受光素子14に達することなく遮蔽される。
【0069】
次に、さらに液漏れが進み、フロート8の上昇が進むとやがて光遮蔽部17は第2の検知部12においても発光素子13から発せられる光が受光素子14に達することを遮蔽する。このように、フロート式の液体検知器7で検知部11,12を二段構成にし、その検知部11,12とフロート8の位置関係を装置底部の液体が溜まる部分の容積を考慮して所望の液漏れ量でそれぞれ第一の検出、第二の検出が可能なように設計すれば一個の液体検知器7で、先に説明した液漏れの状態に応じた最適な対応を実行する、という課題の解決が第1の実施例と同様に可能であるとともに、部品点数、組み付け工数の削減、及び血液透析装置の小型軽量化が可能となる。
【0070】
上記に説明を行った本発明の実施形態に係る第1の実施例、及び第2の実施例の血液透析装置によれば、血液透析装置に液体検知器を設置することにより、液漏れが発生した際に床に浸水する前に装置を停止させることで、在宅透析において床を汚すことが防止できる。
【0071】
しかし、微量な液漏れで血液透析装置を停止させていては患者の透析スケジュールを頻繁に阻害する恐れもあるため、液体検知器を二段化し、微量な液漏れは装置の運転を停止せずに継続運転することで使用者の便宜を図ることが可能となる。微量液漏れが存在することを使用者に伝える手段を有し、同時に通信手段を用いて装置が自動的に点検を管理する場所、すなわちメンテナンスセンターなどに情報を伝達できる機能を持たせることにより、点検を管理する側は確実に液漏れを知ることができ、点検の質を上げて、点検サービスを充実することができる。
【0072】
そして、多量の液漏れに対しては別の検出が可能で、その場合は装置の運転を停止して患者の健康を損なう、あるいは液漏れ被害を増大させることを防止できる。
【0073】
多量の液漏れの場合は血液透析装置はただちに使用者にその旨を知らせ、また同時に通信手段を用いて装置が自動的に点検を管理する場所、メンテナンスセンターなどに情報を伝達することが可能であり、点検を管理する側は多量の液漏れ対策を講じるため、緊急に出向くことが可能であり、サービスの質を向上させることができる。
【0074】
本発明は二個の液体検知器を使用すること、あるいは二段の検出部を有する一個の液体検知器を使用することで実現が可能である。後者においては、前者より経済性を高めることが可能である。
【0075】
【発明の効果】
上述した如く、本発明は、血液透析装置内で液体の漏洩が発生した場合に、個々の漏洩の状態に応じて最適な対応を実行することによって、血液透析装置を使用する患者の安全性、及び利便性を向上させる血液透析装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る好ましい実施例である血液透析装置の第1の実施例において微小量の液漏れが発生した状態を示す要部拡大図である。
【図2】図1の血液透析装置において多量の液漏れが発生した状態を示す要部拡大図である。
【図3】図1の血液透析装置の構成と通信接続とを示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る好ましい実施例である血液透析装置の第2の実施例の要部拡大図である。
【図5】図4の血液透析装置が備えるフロート式の液体検知器の構成図である。
【図6】図1の血液透析装置及び図4の血液透析装置がともに備える透析部の構成図である。
【符号の説明】
1 第1の液体検知器(第1の液体検出器)
2 第2の液体検知器(第2の液体検出器)
3 筐体(筐体部)
3b 血液透析装置
3b−1 透析部
3b−2 制御部
3b−3 送受信部(送信手段)
10−1 ダイアライザー(人工腎臓ユニット)
Claims (7)
- 透析器に血液を輸送する血液輸送手段、前記透析器に透析液を輸送する透析液輸送手段、及び前記透析器を介して患者の血液から余分な水分や老廃物を前記透析液の側に輸送する除水手段とを内部に備え、且つ、前記内部で発生した液体漏洩物を一定量内部に貯留するよう構成された筐体部を有する血液透析装置において、
それぞれが前記筐体部の内部に貯留した液体漏洩物を検出する液体検出手段であって、
(a)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが第1の鉛直方向高さ以上である場合に前記検出を行う第1の液体検出手段、及び
(b)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが前記第1の鉛直方向高さよりも高い第2の鉛直方向高さ以上である場合に前記検出を行う第2の液体検出手段を備えた血液透析装置。 - (1)前記第1の液体検出手段が前記検出を行い、且つ、前記第2の液体検出手段が前記検出を行わない場合に、前記液体漏洩物の発生を知らせる警報を発するとともにこの血液透析装置の運転を続行し、且つ、(2)前記第1の液体検出手段及び前記第2の液体検出手段が前記検出を行った場合に、前記透析液輸送手段と前記除水手段との少なくとも一方の運転を停止させる制御を行う制御部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の血液透析装置。
- 前記筐体部は、透析液製造用清浄水をこの血液透析装置が有する透析液製造手段へ輸送する清浄水輸送手段をその内部に更に備え、且つ、
前記制御部は、
(1)前記第1の液体検出手段が前記検出を行い、且つ、前記第2の液体検出手段が前記検出を行わない場合に、前記液体漏洩物の発生を知らせる警報を発するとともにこの血液透析装置の運転を続行し、且つ、(2)前記第1の液体検出手段及び前記第2の液体検出手段が前記検出を行った場合に、前記透析液輸送手段、前記除水手段、及び前記清浄水輸送手段の内の少なくとも1つの運転を停止させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の血液透析装置。 - 前記第1の液体検出手段による前記検出の結果、及び/又は、前記第2の液体検出手段による前記検出の結果を、この血液透析装置と伝送路を介して接続する受信端末へ送信する送信手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の血液透析装置。
- 前記第1の液体検出手段は、
(a)前記筐体部の内部に貯留した液体漏洩物の貯留液面上を浮遊するフロート部、及び
(b)前記浮遊するフロート部の鉛直方向高さが第1の鉛直方向高さ以上である場合に前記第1の液体検出手段が行うべき検出を行う第1のフロート部検出手段を有し、
且つ、前記第2の液体検出手段は、
(a)前記筐体部の内部に貯留した液体漏洩物の貯留液面上を浮遊するフロート部、及び
(c)前記浮遊するフロート部の高さが前記第1の鉛直方向高さよりも高い第2の鉛直方向高さ以上である場合に前記第2の液体検出手段が行うべき検出を行う第2のフロート部検出手段、
を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の血液透析装置。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の血液透析装置において、下記ステップ(a)及び(b)からなる液体漏洩物検出方法。
(a)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが第1の鉛直方向高さ以上である場合に前記筐体部の内部に貯留した液体漏洩物を検出するステップ。
(b)前記内部に貯留した液体漏洩物の液面高さが前記第1の鉛直方向高さよりも高い第2の鉛直方向高さ以上である場合に前記筐体部の内部に貯留した液体漏洩物を検出するステップ。 - 前記ステップ(a)により前記液体漏洩物を検出し、且つ、前記(b)により前記液体漏洩物を検出しない場合に、前記液体漏洩物の発生を知らせる警報を発するとともにこの血液透析装置の運転を続行し、且つ、前記ステップ(a)及び前記ステップ(b)により前記液体漏洩物を検出した場合に、前記透析液輸送手段と前記除水手段との少なくとも一方の運転を停止するステップを有する請求項6に記載の液体漏洩物検出方法。
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