【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加糖ホイップ済みクリームを練り込んだバタークリーム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
バタークリームは、マーガリン類やショートニングをクリーミングし、ここに、糖液や、卵類、乳などを配合して製造される油中水型あるいは油中水中油型の乳化形態を持つクリームの総称であり、水中油型の乳化形態の代表である生クリームに対し、日保ちが良好であるという優れた点をもつが、反面、油脂を連続相として持つ関係上、生クリームに比して一般に比重が大きく、また糖液などの比重の大きい原材料を多く配合するため、食感が重いものであった。
そこで、軽い食感のバタークリームを得るための検討が各種行われてきた。例えば、バタークリームに、卵白をホイップしたメレンゲやイタリアンメレンゲを混合する方法(例えば、非特許文献1参照)、マーガリンと生クリームを混合して密閉容器中で含気させる方法(例えば、特許文献1参照)などにより、軽い食感で、良好な保型性を有するバタークリームを製造する試みが行われてきた。
【0003】
しかし、バタークリームに卵白をホイップしたメレンゲを混合する方法は、簡単ではあるものの、卵白は水分が90%以上あり、ホイップしたその泡は脆弱であるため、さっくりすばやく混ぜるという技量が必要とされる。また、イタリアンメレンゲを利用する方法は、たしかに軽い食感と高温での保型性を兼ね備えたバタークリームを得ることができるものの、イタリアンメレンゲはホイップした卵白に100℃以上に熱したシロップを徐々に添加して卵白蛋白を変性固化させつつ比重を小さくするというさらに高度な技量が要求される。
マーガリンと生クリームを混合して密閉容器中で含気させる方法は、美味しさが向上することは知られているが、密閉式のミキサーで加圧しつつ含気させることが必要であり、開放式のミキサーなどで混合するなどの、簡単な操作で得ることは不可能であった。さらに、この方法で得られたバタークリームは、いわゆる「戻り現象」により、徐々に液状化する傾向があり、この現象の顕れたバタークリームは保型性に乏しい問題があった。
【0004】
また、さらに、バタークリームは、口溶けや高温での保型性が使用油脂によって大きく左右されるという欠点を有する。例えば、融点の高い油脂を使用すれば高温での保型性は良好となるが、口溶けは悪化し、融点の低い油脂を使用すると逆の結果となり、良好な口溶けと高温での良好な保型性を兼ね備えることができない。そのため、例えば、ペクチンなどの増粘剤を水相または油相に配合する方法(例えば、特許文献2および非特許文献1参照)や、乳化剤を添加する方法(例えば、特許文献3参照)によって、保型性を改良する方法が試みられているが、比重についての改良は行われていないため、軽い食感であるとは言いがたいものである。また、乳化剤や増粘剤を多く配合すると、口溶けの悪化につながりやすい問題もあった。
このように、軽くて口溶けが良くて高温での保型性のよいバタークリームを、簡単な操作で得ることは大変に困難であった。
【0005】
【特許文献1】
特公昭61−22931号公報
【特許文献2】
特開昭55−71446号公報
【特許文献3】
特公昭56−10014号公報
【非特許文献1】
「製菓理論 基本生地とその応用」松田兼一著 昭和62年11月1日刊 242頁〜245頁
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、比重が小さくて食感が軽く、且つ口溶けが良好で保型性に優れ、しかも簡単な操作により得られるバタークリーム組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、粒子径が1μm以上の脂肪球粒子が実質的に存在しない加糖ホイップ済みクリーム(以下、第1の加糖ホイップ済みクリームともいう)を20〜50重量%練り込んだバタークリーム組成物により、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、粒子径が0.1μm以下の脂肪球粒子が10個数%以上存在する加糖ホイップ済みクリーム(以下、第2の加糖ホイップ済みクリームともいう)を20〜50重量%練り込んだバタークリーム組成物により、上記目的を達成したものでもある。
また、本発明は、これらの本発明のバタークリーム組成物の好ましい製造方法として、3〜15℃に調温した加糖ホイップ済みクリーム20〜50重量部と、クリーミングしたマーガリン類および/またはクリーミングしたショートニング80〜50重量部とを混合することを特徴とするバタークリーム組成物の製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のバタークリーム組成物について詳細に説明する。
まず、本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリームについて説明する。
第1の加糖ホイップ済みクリームにおける「粒子径が1μm以上の脂肪球粒子が実質的に存在しない」とは、粒子径が1μm以上の脂肪球粒子の含有量が、1個数%以下、好ましくは0.5個数%以下、さらに好ましくは0.2個数%以下であることを意味する。ここでいう「%」とは、全脂肪球粒子の数に対する粒子径が1μm以上の脂肪球粒子の数の百分率である。
【0009】
本発明において、上記脂肪球粒子の粒子径と数の測定は、脂肪球粒子の粒子径と数を測定できる装置を用いて測定する。斯かる装置としては、例えば島津レーザー回析式粒度分布測定装置(SALD−2100、島津製作所社製)が挙げられる。
この島津レーザー回析式粒度分布測定装置(SALD−2100、島津製作所社製)を用いる場合は、例えば加糖ホイップ済みクリームをイオン交換水に分散したものを、上記測定装置に付属している超音波槽で超音波処理を60秒施した後、上記測定装置を使用し、屈折率1.60−0.20iの条件で測定を行うことにより、脂肪球粒子の粒子径と数を得ることができる。
【0010】
第2の加糖ホイップ済みクリームは、粒子径が0.1μm以下の脂肪球粒子が10個数%以上、好ましくは20個数%以上、さらに好ましくは30個数%以上存在するものである。ここでいう「%」とは、全脂肪球粒子の数に対する粒子径が0.1μm以下の脂肪球粒子の数の百分率であり、これらの脂肪球粒子の粒子径と数の測定は、上記第1の加糖ホイップ済みクリームにおける場合と同様にして行われる。
【0011】
本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリームは、粒子径が1μm以上の脂肪球粒子が実質的に存在せず且つ粒子径が0.1μm以下の脂肪球粒子が10個数%以上存在するものが好ましい。
また、本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリームは、粒子径が1μm以上の脂肪球粒子が気泡界面上に実質的に存在していないものが好ましい。「粒子径が1μm以上の脂肪球粒子が気泡界面上に実質的に存在しない」とは、電子顕微鏡でみた場合に、気泡界面上に1μm以上の脂肪球粒子が存在しないことを意味する。
【0012】
また、本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリームは、例えば加糖ホイップ済みクリームをイオン交換水に分散し、超音波処理を施したものについて、島津レーザー回析式粒度分布測定装置(SALD−1100、島津製作所社製)を用いて測定した場合、詳しくは加糖ホイップ済みクリームをイオン交換水に分散したものを、上記島津レーザー回析式粒度分布測定装置(SALD−1100、島津製作所社製)に付属している超音波槽(発信周波数47kHz、35W)にて60秒の超音波処理を施し、これを上記島津レーザー回析式粒度分布測定装置(SALD−1100、島津製作所社製)を用い、屈折率が1.60−0.20iの条件にて粒度の測定した場合、下記の▲1▼〜▲3▼の粒度分布を有するものが好ましい。
▲1▼粒子径が0.4μm以下の脂肪球粒子を、全脂肪球粒子中、20容量%以上、好ましくは25容量%以上、さらに好ましくは30容量%以上含有するもの。
▲2▼粒子径が0.3μm以下の脂肪球粒子を、全脂肪球粒子中、好ましくは10容量%以上、さらに好ましくは15容量%以上、一層好ましくは20容量%以上含有するもの。
▲3▼粒子径が0.2μm以下の脂肪球粒子を、全脂肪球粒子中、好ましくは5容量%以上、さらに好ましくは8容量%以上、一層好ましくは12容量%以上含有するもの。
【0013】
本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリームの油相部を構成する油脂としては、特に限定されないが、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油などの各種の植物油脂および動物油脂、並びにこれらを水素添加、分別およびエステル交換から選択される一または二以上の処理を施した加工油脂が挙げられ、これらの油脂の中でも、パーム核オレイン硬化油が好ましい。これらの油脂は、単独で用いることもでき、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記油脂の配合量は、本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリーム中、好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは20〜40重量%、一層好ましくは25〜35重量%である。
【0014】
また、本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリームに使用される糖類としては、特に限定されないが、例えばブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテームなどの糖類が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記糖類の配合量は、本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリーム中、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは25〜60重量%である。糖類が10重量%未満であると、加糖ホイップ済クリームの保存性が極端に悪化する恐れがあり、70重量%を超えると、加糖ホイップ済クリームの比重が重くなってしまい、結果として、バタークリーム組成物の比重も重くなり、また口溶けも悪化する恐れがある。
【0015】
また、本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリームの水相部は、蛋白質を含有することが好ましい。
上記蛋白質としては、特に限定されないが、例えばα−ラクトアルブミンやβ−ラクトグロブリン、血清アルブミンなどのホエイ蛋白質、カゼイン、その他の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイドなどの卵蛋白質、グリアジン、グルテニン、プロラミン、グルテリンなどの小麦蛋白質、その他動物性および植物性蛋白質などの蛋白質が挙げられる。これらの蛋白質は、目的に応じて一種ないし二種以上の蛋白質として、あるいは一種ないし二種以上の蛋白質を含有する食品素材の形で添加してもよい。
上記蛋白質の配合量は、本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリーム中、好ましくは0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜6重量%である。
【0016】
上記蛋白質または上記糖類として、牛乳や液糖などの水分含有物を用いた場合は、本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリームの水相部に水を配合する必要はない。
本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリームの水相部に水を配合する場合、水の配合量は、本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリーム中の水の量が、好ましくは0〜50重量%、さらに好ましくは5〜40重量%、一層好ましくは10〜40重量%となる量である。
【0017】
本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリームには、必要により乳化剤および安定剤を、油相部および/または水相部に配合することができる。
上記乳化剤としては、特に限定されないが、例えばレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリドなどが挙げられる。これらの乳化剤は、単独で用いることもでき、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記乳化剤の配合量は、本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリーム中、好ましくは0〜5重量%、さらに好ましくは0.15〜3重量%である。
【0018】
上記安定剤としては、リン酸塩(ヘキサメタリン酸、第2リン酸、第1リン酸)、クエン酸のアルカリ金属塩(カリウム、ナトリウム等)、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カードラン、澱粉、化工澱粉、結晶セルロース、ゼラチン、デキストリン、寒天、デキストランなどの安定剤が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いることもでき、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記安定剤の配合量は、本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリーム中、好ましくは0〜5重量%、さらに好ましくは0.01〜1重量%である。
【0019】
さらに、本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリームには、果汁、ジャム、乳製品、卵製品、カカオおよびカカオ製品、コーヒーおよびコーヒー製品などの呈味成分、調味料、着香料、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤などを配合することもできる。
【0020】
次に、本発明で用いられる加糖ホイップ済みクリームの好ましい製造方法について説明する。
まず、水およびその他の物質を含む水相部と、油脂およびその他の物質を含む油相部とをそれぞれ個別に調製し、該水相部と該油相部とを混合乳化し、水中油型乳化組成物を得る。
得られた水中油型乳化組成物は、必要により、バルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミルなどの均質化装置により圧力0〜1000kg/cm2 の範囲で均質化してもよい。また、必要によりインジェクション式、インフージョン式などの直接加熱方式あるいはプレート式、チューブラー式、掻き取り式などの間接加熱方式を用いたUHT・HTST・低温殺菌、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱などの加熱滅菌もしくは加熱殺菌処理を施してもよく、あるいは直火などの加熱調理により加熱してもよい。また、加熱後に必要に応じて再度均質化してもよい。また、必要により急速冷却、徐冷却などの冷却操作を施してもよい。
【0021】
次いで、上記水中油型乳化組成物を縦型ミキサーや連続ホイップマシーンにてホイップし、加糖ホイップ済みクリームを製造する。
得られた加糖ホイップ済みクリームのオーバーランは、好ましくは150以上、さらに好ましくは180〜350、一層好ましくは210〜300である。このオーバーランとは下記の式により得られた値である。
〔(A−B)/B〕×100
但し、上式中、Aはホイップ前のクリームの一定容積の重量であり、Bはホイップ後のクリームの一定容積の重量である。
【0022】
また、得られた加糖ホイップ済みクリームは、容器に充填し、冷蔵状態(0〜15℃)で保存してもよいし、冷凍状態(−18℃以下)で保存することも可能である。
【0023】
本発明のバタークリーム組成物は、このような加糖ホイップ済みクリームを、該加糖ホイップ済みクリームの含量が20〜50重量%、さらに好ましくは25〜45重量%、最も好ましくは30〜40重量%となるように、クリーミングしたマーガリン類および/またはクリーミングしたショートニングと混合することによって得ることができる。
すなわち、上記加糖ホイップ済みクリームを、バタークリーム組成物の水相として使用することにより、混合時に、気泡がつぶれることなく、比重が小さくて食感が軽く、口溶けが良好で保型性に優れたバタークリーム組成物が得られるのである。
練り込まれた上記加糖ホイップ済みクリームの量が、バタークリーム組成物中に20重量%未満であると、軽い食感と良好な口溶けのバタークリーム組成物とならず、また50重量%を超えると、バタークリーム組成物の保存性が悪化するおそれがある。
上記加糖ホイップ済みクリームは、クリーミングしたマーガリン類および/またはクリーミングしたショートニングと混合する前に、予め3〜15℃、好ましくは3〜10℃に調温しておく。
【0024】
なお、クリーミングとは、ショートニングまたはマーガリン類に含気させる工程を示し、クリーミング後のショートニングまたはマーガリン類の比重は、好ましくは0.3〜0.6、より好ましくは0.3〜0.5、最も好ましくは0.3〜0.4である。クリーミングしたものでないと混合後の比重が落ちてしまい、軽い食感と良好な口溶けのバタークリーム組成物が得られない。クリーミング後の比重が0.3以下であると、ボディー感が弱くなり、混合性が低下してしまうおそれがあり、比重が0.6以上であると、軽い食感と良好な口溶けのバタークリーム組成物を得難い。
【0025】
本発明で用いられるマーガリン類およびショートニングに使用される油脂は、特に限定されず、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油などの各種の植物油脂および動物油脂、並びにこれらを水素添加、分別およびエステル交換から選択される一または二以上の処理を施した加工油脂が挙げられ、これらの油脂は、単独で用いることもでき、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、本発明で用いられるマーガリン類は、糖や風味原料を添加した、ファットスプレッドや風味ファットスプレッドなどであってもよい。
【0026】
本発明のバタークリーム組成物は、比重が0.3〜0.6、特に0.3〜0.5であることが好ましい。比重が0.3未満であると、ボディー感がなく、保型性が乏しくなり、比重が0.6を超えると、軽い食感と良好な口溶けのバタークリーム組成物とならない。
【0027】
本発明によって得られたバタークリーム組成物は、良好な口溶けと軽い食感をもち、また保存性も良好であるため、フィリング用、サンド用、トッピング用、スプレッド用などに好適に使用することができ、食パン、菓子パン、デニッシュ、パイ、シュー、ドーナツ、ケーキ、クッキー、ハードビスケット、ワッフル、スコーンなどのベーカリー製品に用いることができるが、中でも製菓製パンフィリングクリームに好適に使用できる。また、本発明の油脂組成物の上記用途における使用量は、使用用途により異なるものであり、特に限定されるものではない。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0029】
〔加糖ホイップ済みクリームの調製〕
以下の実施例において用いる加糖ホイップ済みクリームを、以下のように調製した。
パーム核オレイン硬化油(融点35℃)28重量%、脂肪酸モノグリセライド0.5重量%、レシチン0.2重量%およびショ糖脂肪酸エステル0.5重量%からなる油相と、カゼインナトリウム2.5重量%、ソルビトール43重量%、水飴7.6重量%および水17.7重量%からなる水相をそれぞれ調製し、該水相と該油相を混合、乳化した。そして、ホモジナイザー(1000kg/cm2 )で均質処理を行い、掻き取り式熱交換機により殺菌した後、10℃まで冷却し、水中油型乳化液を得た。次いで、この水中油型乳化液を連続ホイッパー(2000rpm)によりホイップし、加糖ホイップ済み水中油型クリームを得た。
得られた加糖ホイップ済み水中油型クリームのオーバーランは250で、下記粒度分布測定法1で測定した場合の、粒子径が1μm以上の脂肪球粒子が存在せず(0個数%)、全脂肪球粒子の数に対する粒子径が0.1μm以下の脂肪球粒子の数は30個数%であった。また、電子顕微鏡観察による気泡界面上の1μm以上の脂肪球粒子はなかった。
また、得られた加糖ホイップ済み水中油型クリームを、下記粒度分布測定法2で測定した場合の全脂肪球粒子に対する0.2μm以下の脂肪球粒子は17容量%、0.3μm以下の脂肪球粒子は29容量%、0.4μm以下の脂肪球粒子は40容量%であった。
【0030】
(粒度分布測定法1)
加糖ホイップ済みクリームをイオン交換水に分散したものを、島津レーザー回析式粒度分布測定装置(SALD−2100、島津製作所社製)に付属している超音波槽で60秒の超音波処理を施した後、これを上記島津レーザー回析式粒度分布測定装置を用い、屈折率1.60−0.20iの条件で粒度の測定を行った。
【0031】
(粒度分布測定法2)
加糖ホイップ済みクリームをイオン交換水に分散したものを、島津レーザー回析式粒度分布測定装置(SALD−1100、島津製作所社製)に付属している超音波槽(発信周波数47kHz、35W)にて60秒の超音波処理を施し、これを上記島津レーザー回析式粒度分布測定装置(SALD−1100、島津製作所社製)を用い、屈折率が1.60−0.20iの条件にて粒度の測定を行った。
【0032】
(実施例1)
ナタネ硬化油(融点35℃、ヨウ素価48) 40.69重量%、パーム分別硬化油(融点30℃、ヨウ素価54) 9重量%、パーム分別油(融点25℃、ヨウ素価57)13重量%、パーム分別中部油(融点25℃、ヨウ素価43)27重量%、グリセリン脂肪酸エステル0.3重量%およびトコフェロール0.01重量%からなるショートニングを比重0.32までクリーミングし、そこに砂糖混合ブドウ糖果糖液糖(糖分75重量%、水分25重量%)を10重量%混合して、品温20℃のクリーミングしたバタークリームを得た。このクリーミングしたバタークリーム75重量部に、5℃に調温しておいた上記加糖ホイップ済みクリーム25重量部を混合して、加糖ホイップ済みクリームを25重量%含有する本発明のバタークリーム組成物を得た。
【0033】
(実施例2)
ナタネ硬化油(融点35℃、ヨウ素価48) 45.69重量%、パーム分別硬化油(融点30℃、ヨウ素価54) 9重量%、パーム分別油(融点25℃、ヨウ素価57)15重量%、パーム分別中部油(融点25℃、ヨウ素価43)30重量%、グリセリン脂肪酸エステル0.3重量%およびトコフェロール0.01重量%からなるショートニングを比重0.32までクリーミングし、品温20℃のクリーミングしたショートニングを得た。このクリーミングしたショートニング60重量部に、5℃に調温しておいた上記加糖ホイップ済みクリーム40重量部を混合して、加糖ホイップ済みクリームを40重量%含有する本発明のバタークリーム組成物を得た。
【0034】
(比較例1)
実施例1で用いた加糖ホイップ済みクリームの代わりに、生クリーム80重量%にグラニュー糖20重量%を添加し、比重0.30までホイップした生クリーム組成物を用いた以外は、実施例1と同様の製法と配合にて、バタークリーム組成物を得た。
【0035】
上記の実施例1〜2と比較例1で得られたバタークリーム組成物について、下記の評価試験を行い、それぞれの結果を表1に示した。
(1)比重測定
評価◎ 比重0.30以上0.45未満
評価○ 比重0.45以上0.55未満
評価△ 比重0.55以上0.60未満
評価× 比重0.60以上
【0036】
(2)耐熱保型性試験
バタークリーム組成物を菊1号の口金でポリカップに3g絞り、20℃、25℃、30℃の各温度に設定した恒温恒湿器に静置し、24時間後のバタークリーム組成物の状態を目視により観察し、4段階評価を行なった。
評価◎ 水相分離も無く、絞ったままの形状を保っていた。
評価○ 若干の水相の分離が見られたが、絞ったままの形状を保っていた。
評価△ 水相の分離が多く、形状もややつぶれ気味であった。
評価× 水相の分離が激しく、絞ったバタークリーム組成物のエッジが分からないくらいつぶれていた。
【0037】
(3)官能試験
バタークリーム組成物を試食し、口溶けについて官能評価を行った。なお、評価基準は以下のとおりとした。
評価◎ 爽快な口溶けを有し、きわめて良好である。
評価○ 良好である。
評価△ やや不良である。
評価× 不良である。
【0038】
【表1】
【0039】
表1からわかるように、実施例1および実施例2で得られたバタークリーム組成物は、比重が軽く、口溶けも良好であり、25℃〜30℃においても一定の保型性を有していたのに対し、比較例1で得られたバタークリーム組成物は、生クリーム組成物の気泡が脆弱であったため、混合中に気泡がつぶれており、また比重が重く、口溶けも若干劣っており、25℃〜30℃においての保型性は明らかに悪いものであった。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の粒子径を有する加糖ホイップ済みクリームを使用することにより、添加混合時に気泡がつぶれることなく、比重が小さくて食感が軽く、且つ口溶けが良好で保型性に優れたバタークリーム組成物を簡単な操作により得ることができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a butter cream composition into which a sweetened whipped cream has been kneaded.
[0002]
[Prior art]
Butter cream is a general term for creams with a water-in-oil or oil-in-water-in-oil type emulsion that is prepared by blending sugar solutions, eggs, and milk with creaming margarines and shortenings. Yes, it has the excellent point of keeping the sun better than the fresh cream which is a representative of the oil-in-water type emulsified form, but on the other hand, because of having oil and fat as a continuous phase, the specific gravity is generally higher than the fresh cream Since a large amount of raw materials having a large specific gravity such as a sugar solution are blended, the texture is heavy.
Therefore, various studies have been conducted to obtain butter cream having a light texture. For example, a method of mixing whipped egg white with meringue or Italian meringue in butter cream (for example, see Non-Patent Document 1), a method of mixing margarine and fresh cream and aeration in a closed container (for example, Patent Document 1) See, for example), attempts have been made to produce butter cream having a light texture and good shape retention.
[0003]
However, it is easy to mix whipped egg white meringue with butter cream, but egg white has more than 90% moisture and the whipped foam is brittle, so the technique of mixing quickly and quickly is required. You. In addition, although it is possible to obtain a butter cream that has both a light texture and shape retention at high temperatures, it is possible to use Italian meringue with whipped egg white and gradually add syrup heated to 100 ° C or more. Higher skill is required to reduce the specific gravity while adding and denaturing and solidifying the egg white protein.
The method of mixing margarine and whipped cream and aerated in a closed container is known to improve the taste, but it is necessary to aerate while pressurizing with a closed mixer, and an open type It was impossible to obtain them by simple operations such as mixing with a mixer or the like. Furthermore, the butter cream obtained by this method tends to gradually become liquefied due to the so-called "return phenomenon", and the butter cream in which this phenomenon appears has a problem of poor shape retention.
[0004]
Further, butter cream has the disadvantage that melting in the mouth and shape retention at high temperatures are greatly affected by the fats and oils used. For example, if a high melting point oil is used, the shape retention at a high temperature becomes good, but the melting in the mouth deteriorates, and if a low melting point oil is used, the opposite result is obtained, and a good mouth melting and a good shape retention at a high temperature are obtained. It cannot have sex. Therefore, for example, a method of blending a thickener such as pectin into an aqueous phase or an oil phase (for example, see Patent Document 2 and Non-Patent Document 1), and a method of adding an emulsifier (for example, see Patent Document 3) Although a method of improving the shape retention has been attempted, the improvement in specific gravity has not been performed, so that it is hard to say that the texture is light. Further, when a large amount of an emulsifier or a thickener is blended, there is a problem that the melting in the mouth is likely to be deteriorated.
As described above, it is very difficult to obtain a light buttery butter cream having good shape retention at high temperatures by a simple operation.
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 61-22931 [Patent Document 2]
JP-A-55-71446 [Patent Document 3]
Japanese Patent Publication No. 56-10014 [Non-Patent Document 1]
"Basic dough theory and its applications," Kenichi Matsuda, Nov. 1, 1987, pp. 242 to 245 [0006]
[Problems to be solved by the invention]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a butter cream composition which has a low specific gravity, a light texture, a good dissolution in the mouth, excellent shape retention properties, and which can be obtained by a simple operation.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention provides a butter cream composition containing 20 to 50% by weight of a sweetened whipped cream (hereinafter, also referred to as a first sweetened whipped cream) in which fat globule particles having a particle size of 1 μm or more are substantially absent. The above object has been achieved.
In the present invention, 20 to 50% by weight of a sweetened whipped cream (hereinafter, also referred to as a second sweetened whipped cream) in which fat globule particles having a particle diameter of 0.1 μm or less are present in 10% by number or more is kneaded. The butter cream composition achieves the above object.
The present invention also provides, as a preferred method for producing these butter cream compositions of the present invention, 20 to 50 parts by weight of a sweetened whipped cream adjusted to 3 to 15 ° C, creamed margarines and / or creamed shortening. And a method for producing a butter cream composition, characterized by mixing with 80 to 50 parts by weight.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the butter cream composition of the present invention will be described in detail.
First, the sweetened whipped cream used in the present invention will be described.
In the first sweetened whipped cream, “substantially no fat globule particles having a particle size of 1 μm or more” means that the content of fat globule particles having a particle size of 1 μm or more is 1% by number or less, preferably 0% by number. It means that it is not more than 0.5% by number, more preferably not more than 0.2% by number. Here, “%” is a percentage of the number of fat globule particles having a particle diameter of 1 μm or more with respect to the number of total fat globule particles.
[0009]
In the present invention, the measurement of the particle diameter and the number of the fat globule particles is performed using an apparatus capable of measuring the particle diameter and the number of the fat globule particles. An example of such an apparatus is a Shimadzu laser diffraction particle size distribution analyzer (SALD-2100, manufactured by Shimadzu Corporation).
When this Shimadzu laser diffraction particle size distribution analyzer (SALD-2100, manufactured by Shimadzu Corporation) is used, for example, a cream in which a sweetened whipped cream is dispersed in ion-exchanged water is used as an ultrasonic wave attached to the above-mentioned analyzer. After performing the ultrasonic treatment in the tank for 60 seconds, the particle diameter and the number of the fat globule particles can be obtained by performing the measurement under the condition of the refractive index of 1.60-0.20i using the above measuring device. .
[0010]
The second sweetened whipped cream contains fat globule particles having a particle size of 0.1 μm or less in an amount of 10% by number or more, preferably 20% by number or more, more preferably 30% by number or more. Here, “%” is a percentage of the number of fat globule particles having a particle size of 0.1 μm or less with respect to the number of total fat globule particles. This is done in the same way as in the case of 1 sweetened whipped cream.
[0011]
The sweetened whipped cream used in the present invention preferably has substantially no fat globule particles having a particle size of 1 μm or more and 10 g% or more of fat globule particles having a particle size of 0.1 μm or less.
Further, the sweetened whipped cream used in the present invention is preferably one in which fat globule particles having a particle diameter of 1 μm or more are not substantially present on the bubble interface. The phrase "fat globule particles having a particle diameter of 1 µm or more are not substantially present on the bubble interface" means that fat globule particles of 1 µm or more are not present on the bubble interface when viewed with an electron microscope.
[0012]
The sweetened whipped cream used in the present invention is, for example, a dispersion obtained by dispersing the sweetened whipped cream in ion-exchanged water and performing an ultrasonic treatment, and then using a Shimadzu laser diffraction type particle size distribution analyzer (SALD-1100, Shimadzu). Specifically, when the measurement was performed using the above-mentioned method, a dispersion in which the sweetened whipped cream was dispersed in ion-exchanged water was attached to the above Shimadzu laser diffraction type particle size distribution analyzer (SALD-1100, manufactured by Shimadzu Corporation). Sonication in an ultrasonic bath (transmission frequency 47 kHz, 35 W) for 60 seconds, using the above-mentioned Shimadzu laser diffraction type particle size distribution analyzer (SALD-1100, manufactured by Shimadzu Corporation) to obtain a refractive index When the particle size is measured under the condition of 1.60-0.20i, those having the following particle size distributions (1) to (3) are preferable.
{Circle around (1)} A fat ball having a particle diameter of 0.4 μm or less in all fat globule particles is 20% by volume or more, preferably 25% by volume or more, more preferably 30% by volume or more.
(2) Those containing fat globule particles having a particle size of 0.3 μm or less, preferably 10% by volume or more, more preferably 15% by volume or more, and still more preferably 20% by volume or more in all fat globule particles.
(3) Those containing fat globule particles having a particle size of 0.2 μm or less, preferably 5% by volume or more, more preferably 8% by volume or more, and still more preferably 12% by volume or more, in all fat globule particles.
[0013]
The fats and oils constituting the oil phase portion of the sweetened whipped cream used in the present invention are not particularly limited, for example, palm oil, palm kernel oil, coconut oil, corn oil, cottonseed oil, soybean oil, rapeseed oil, rice oil, Various vegetable oils and animal oils such as sunflower oil, safflower oil, beef tallow, milk fat, lard, cocoa butter, fish oil, whale oil, and one or more treatments selected from hydrogenation, fractionation and transesterification And processed oils and fats. Among these oils and fats, hardened palm kernel olein oil is preferable. These fats and oils can be used alone or in combination of two or more.
The amount of the fat or oil is preferably 10 to 50% by weight, more preferably 20 to 40% by weight, and still more preferably 25 to 35% by weight in the sweetened whipped cream used in the present invention.
[0014]
The saccharide used in the sweetened whipped cream used in the present invention is not particularly limited, for example, glucose, fructose, sucrose, maltose, enzymatic saccharified syrup, lactose, reduced starch saccharified product, isomerized liquid sugar, Sucrose-bound starch syrup, oligosaccharides, reducing sugar polydextrose, sorbitol, reducing lactose, trehalose, xylose, xylitol, maltitol, erythritol, mannitol, fructooligosaccharides, soybean oligosaccharides, galactooligosaccharides, lactose oligosaccharides, raffinose, lactulose, Examples include saccharides such as palatinose oligosaccharide, stevia, and aspartame. These saccharides can be used alone or in combination of two or more.
The compounding amount of the above saccharide is preferably 10 to 70% by weight, more preferably 25 to 60% by weight in the sweetened whipped cream used in the present invention. If the saccharide content is less than 10% by weight, the preservability of the sweetened whipped cream may be extremely deteriorated. If it exceeds 70% by weight, the specific gravity of the sweetened whipped cream becomes heavy, and as a result, butter cream The specific gravity of the composition is also increased, and dissolution in the mouth may be deteriorated.
[0015]
The aqueous phase of the sweetened whipped cream used in the present invention preferably contains a protein.
The protein is not particularly limited, for example, α-lactalbumin and β-lactoglobulin, whey proteins such as serum albumin, casein, other milk proteins, low-density lipoprotein, high-density lipoprotein, phosvitin, ribotin, phosphorus Examples include glycoproteins, egg proteins such as ovalbumin, conalbumin and ovomucoid; wheat proteins such as gliadin, glutenin, prolamin and glutelin; and proteins such as animal and vegetable proteins. These proteins may be added as one or more proteins depending on the purpose, or in the form of a food material containing one or more proteins.
The amount of the protein is preferably 0.05 to 10% by weight, more preferably 0.1 to 6% by weight, in the sweetened whipped cream used in the present invention.
[0016]
When a water-containing substance such as milk or liquid sugar is used as the protein or the saccharide, it is not necessary to mix water in the aqueous phase of the sweetened whipped cream used in the present invention.
When water is added to the aqueous phase of the sweetened whipped cream used in the present invention, the amount of water is preferably the amount of water in the sweetened whipped cream used in the present invention is preferably 0 to 50% by weight, The amount is more preferably 5 to 40% by weight, and more preferably 10 to 40% by weight.
[0017]
The sweetened whipped cream used in the present invention may optionally contain an emulsifier and a stabilizer in the oil phase and / or the aqueous phase.
Examples of the emulsifier include, but are not particularly limited to, lecithin, glycerin fatty acid ester, glycerin acetate fatty acid ester, glycerin lactic acid fatty acid ester, glycerin succinic acid fatty acid ester, glycerin diacetyltartaric acid fatty acid ester, sorbitan fatty acid ester, sucrose fatty acid ester, and sucrose. Examples include acetic acid isobutyrate, polyglycerin fatty acid ester, polyglycerin condensed ricinoleate, propylene glycol fatty acid ester, calcium stearoyl lactate, sodium stearoyl lactate, polyoxyethylene sorbitan monostearate, polyoxyethylene sorbitan monoglyceride, and the like. These emulsifiers can be used alone or in combination of two or more.
The compounding amount of the emulsifier is preferably 0 to 5% by weight, more preferably 0.15 to 3% by weight in the sweetened whipped cream used in the present invention.
[0018]
Examples of the stabilizer include phosphates (hexametaphosphoric acid, secondary phosphoric acid, primary phosphoric acid), alkali metal salts of citric acid (such as potassium and sodium), guar gum, xanthan gum, tamarind gum, carrageenan, alginate, and fur Examples include stabilizers such as cellulan, locust bean gum, pectin, curdlan, starch, modified starch, crystalline cellulose, gelatin, dextrin, agar, and dextran. These stabilizers can be used alone or in combination of two or more.
The compounding amount of the above stabilizer is preferably 0 to 5% by weight, more preferably 0.01 to 1% by weight in the sweetened whipped cream used in the present invention.
[0019]
Furthermore, the sweetened whipped cream used in the present invention includes taste components such as fruit juice, jam, dairy products, egg products, cacao and cacao products, coffee and coffee products, seasonings, flavors, coloring agents, preservatives. , An antioxidant, a pH adjuster, and the like.
[0020]
Next, a preferred method for producing the sweetened whipped cream used in the present invention will be described.
First, an aqueous phase containing water and other substances, and an oil phase containing oils and other substances are separately prepared, and the aqueous phase and the oil phase are mixed and emulsified to form an oil-in-water type. An emulsion composition is obtained.
If necessary, the obtained oil-in-water emulsion composition may be homogenized with a homogenizer such as a valve homogenizer, a homomixer, or a colloid mill in a pressure range of 0 to 1000 kg / cm 2 . In addition, if necessary, UHT / HTST / pasteurization using a direct heating method such as an injection method or an infusion method or an indirect heating method such as a plate method, a tubular method, or a scraping method, batch method, retort, microwave heating, etc. May be subjected to heat sterilization or heat sterilization treatment, or may be heated by heating such as open flame. After the heating, if necessary, homogenization may be performed again. If necessary, a cooling operation such as rapid cooling or slow cooling may be performed.
[0021]
Next, the above oil-in-water emulsion composition is whipped with a vertical mixer or a continuous whip machine to produce a sweetened whipped cream.
The resulting sweetened whipped cream has an overrun of preferably 150 or more, more preferably 180-350, more preferably 210-300. This overrun is a value obtained by the following equation.
[(AB) / B] x 100
Here, in the above formula, A is the weight of the constant volume of the cream before whipping, and B is the weight of the constant volume of the cream after whipping.
[0022]
The obtained sweetened whipped cream may be filled in a container and stored in a refrigerated state (0 to 15 ° C) or may be stored in a frozen state (-18 ° C or lower).
[0023]
The butter cream composition of the present invention is characterized in that the sweetened whipped cream has a content of the sweetened whipped cream of 20 to 50% by weight, more preferably 25 to 45% by weight, most preferably 30 to 40% by weight. So that it can be obtained by mixing with creamed margarines and / or creamed shortenings.
That is, by using the sweetened whipped cream as an aqueous phase of a butter cream composition, during mixing, without bubbles, the specific gravity is small, the texture is light, the mouth melts well, and the shape retention is excellent. A butter cream composition is obtained.
When the amount of the kneaded sweetened whipped cream is less than 20% by weight in the butter cream composition, the butter cream composition does not have a light texture and good meltability in the mouth, and when it exceeds 50% by weight. However, the storage stability of the butter cream composition may be deteriorated.
Prior to mixing with the creamed margarines and / or creamed shortenings, the sweetened whipped cream is pre-conditioned to 3-15 ° C, preferably 3-10 ° C.
[0024]
In addition, creaming shows the process of making a shortening or margarine air-absorb, and the specific gravity of the shortening or margarine after creaming is preferably 0.3 to 0.6, more preferably 0.3 to 0.5, Most preferably, it is 0.3 to 0.4. If it is not creamed, the specific gravity after mixing drops, and a butter cream composition having a light texture and a good mouth-melting property cannot be obtained. If the specific gravity after creaming is 0.3 or less, the body feeling may be weakened and the mixing property may be reduced. If the specific gravity is 0.6 or more, a light texture and a good mouth-melting butter cream are used. It is difficult to obtain a composition.
[0025]
The margarines used in the present invention and the fats and oils used for shortening are not particularly limited. For example, palm oil, palm kernel oil, coconut oil, corn oil, cottonseed oil, soybean oil, rapeseed oil, rice oil, sunflower oil, saury oil Various vegetable oils and animal oils such as flower oil, beef tallow, milk fat, lard, cocoa butter, fish oil, whale oil and the like, and processing of these by one or more treatments selected from hydrogenation, fractionation and transesterification Fats and oils are listed, and these fats and oils can be used alone or in combination of two or more.
Further, the margarine used in the present invention may be a fat spread or a flavor fat spread to which sugar or a flavor raw material is added.
[0026]
The butter cream composition of the present invention preferably has a specific gravity of 0.3 to 0.6, particularly 0.3 to 0.5. When the specific gravity is less than 0.3, there is no body feeling and the shape retention is poor, and when the specific gravity exceeds 0.6, a butter cream composition having a light texture and a good mouth-melting property is not obtained.
[0027]
The butter cream composition obtained by the present invention has a good mouth-melting and light texture, and also has a good preservability, so that it can be suitably used for filling, sand, topping, spread and the like. It can be used for bakery products such as bread, confectionery bread, danish, pie, shoe, donut, cake, cookie, hard biscuit, waffle, scone, etc., but is particularly suitable for confectionery bread filling cream. In addition, the amount of the oil / fat composition of the present invention used in the above applications varies depending on the application, and is not particularly limited.
[0028]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail by way of examples, but the present invention is not limited to the following examples.
[0029]
(Preparation of sweetened whipped cream)
The sweetened whipped cream used in the following examples was prepared as follows.
Oil phase consisting of 28% by weight of palm kernel olein hardened oil (melting point 35 ° C.), 0.5% by weight of fatty acid monoglyceride, 0.2% by weight of lecithin and 0.5% by weight of sucrose fatty acid ester, and 2.5% by weight of sodium caseinate %, Sorbitol 43% by weight, syrup 7.6% by weight and water 17.7% by weight were prepared, and the aqueous phase and the oil phase were mixed and emulsified. Then, the mixture was homogenized with a homogenizer (1000 kg / cm 2 ), sterilized by a scraping heat exchanger, and cooled to 10 ° C. to obtain an oil-in-water emulsion. Next, the oil-in-water emulsion was whipped with a continuous whipper (2000 rpm) to obtain a sweetened whipped oil-in-water cream.
The resulting sweetened whipped oil-in-water cream had an overrun of 250. When measured by the following particle size distribution measurement method 1, no fat globule particles having a particle diameter of 1 μm or more were present (0% by number), The number of fat globule particles having a particle diameter of 0.1 μm or less relative to the number of globular particles was 30% by number. In addition, there were no fat globule particles of 1 μm or more on the bubble interface by electron microscope observation.
In addition, when the obtained sweetened whipped oil-in-water cream was measured by the following particle size distribution measurement method 2, the fat globule particles of 0.2 μm or less with respect to the total fat globule particles were 17% by volume, the fat globules of 0.3 μm or less. The particles were 29% by volume, and the fat globule particles of 0.4 μm or less were 40% by volume.
[0030]
(Particle size distribution measurement method 1)
Disperse the sweetened whipped cream in ion-exchanged water and subject it to ultrasonic treatment for 60 seconds in an ultrasonic tank attached to a Shimadzu laser diffraction particle size distribution analyzer (SALD-2100, manufactured by Shimadzu Corporation). After that, the particle size was measured using the above-mentioned Shimadzu laser diffraction type particle size distribution analyzer under the condition of a refractive index of 1.60-0.20i.
[0031]
(Particle size distribution measurement method 2)
A dispersion of the sweetened whipped cream in ion-exchanged water was placed in an ultrasonic bath (transmission frequency 47 kHz, 35 W) attached to a Shimadzu laser diffraction particle size distribution analyzer (SALD-1100, manufactured by Shimadzu Corporation). Ultrasonic treatment was performed for 60 seconds, and the particle size was measured using a Shimadzu laser diffraction type particle size distribution analyzer (SALD-1100, manufactured by Shimadzu Corporation) under the condition of a refractive index of 1.60-0.20i. A measurement was made.
[0032]
(Example 1)
40.69% by weight of rapeseed hydrogenated oil (melting point 35 ° C, iodine value 48), 9% by weight of palm fractionated hardened oil (melting point 30 ° C, iodine value 54), 13% by weight of palm fractionated oil (melting point 25 ° C, iodine value 57) , Palm fractionated middle oil (melting point 25 ° C, iodine value 43), shortening consisting of 27% by weight, glycerin fatty acid ester 0.3% by weight and tocopherol 0.01% by weight creamed to a specific gravity of 0.32, and sugar-mixed glucose was added thereto. 10% by weight of fructose liquid sugar (sugar content 75% by weight, water 25% by weight) was mixed to obtain creamed butter cream at a product temperature of 20 ° C. 75 parts by weight of the creamed butter cream is mixed with 25 parts by weight of the above-mentioned sweetened whipped cream adjusted to 5 ° C. to give a butter cream composition of the present invention containing 25% by weight of the sweetened whipped cream. Obtained.
[0033]
(Example 2)
Rapeseed hydrogenated oil (melting point 35 ° C, iodine value 48) 45.69% by weight, palm fractionated hardened oil (melting point 30 ° C, iodine value 54) 9% by weight, palm fractionated oil (melting point 25 ° C, iodine value 57) 15% by weight , Palm fractionated middle oil (melting point 25 ° C., iodine value 43), a shortening consisting of 30% by weight, glycerin fatty acid ester 0.3% by weight and tocopherol 0.01% by weight was creamed to a specific gravity of 0.32, and a product temperature of 20 ° C. A creamed shortening was obtained. 60 parts by weight of the creamed shortening is mixed with 40 parts by weight of the above-mentioned sweetened whipped cream which has been adjusted to 5 ° C. to obtain a butter cream composition of the present invention containing 40% by weight of the sweetened whipped cream. Was.
[0034]
(Comparative Example 1)
Example 1 was repeated except that the sweetened whipped cream used in Example 1 was replaced with a fresh cream composition obtained by adding 20% by weight of granulated sugar to 80% by weight of fresh cream and whipping to a specific gravity of 0.30. A butter cream composition was obtained by the same production method and formulation.
[0035]
The following evaluation tests were performed on the butter cream compositions obtained in Examples 1 and 2 and Comparative Example 1, and the results are shown in Table 1.
(1) Specific gravity measurement evaluation ◎ Specific gravity 0.30 or more and less than 0.45 evaluation ○ Specific gravity 0.45 or more and less than 0.55 evaluation △ Specific gravity 0.55 or more and less than 0.60 × specific gravity 0.60 or more
(2) Heat-resistant shape retention test 3 g of butter cream composition was squeezed into a polycup with a Kiku No. 1 mouthpiece, allowed to stand in a thermo-hygrostat set at 20 ° C., 25 ° C., and 30 ° C., and after 24 hours Of the butter cream composition was visually observed and evaluated on a 4-point scale.
Evaluation ◎ There was no aqueous phase separation, and the shape was kept as it was squeezed.
Evaluation ○ Although a slight separation of the aqueous phase was observed, the shape was kept as it was squeezed.
Evaluation 1 The aqueous phase was largely separated, and the shape was slightly broken.
Evaluation × The aqueous phase was severely separated, and the edges of the squeezed butter cream composition were crushed so that they could not be recognized.
[0037]
(3) Sensory test The butter cream composition was tasted, and sensory evaluation was performed for melting in the mouth. The evaluation criteria were as follows.
Evaluation ◎ It has a refreshing mouth melting and is very good.
Evaluation あ る Good.
Evaluation: Somewhat bad.
Evaluation × Bad.
[0038]
[Table 1]
[0039]
As can be seen from Table 1, the butter cream compositions obtained in Example 1 and Example 2 have a low specific gravity, good melting in the mouth, and have a certain shape retention even at 25 ° C to 30 ° C. On the other hand, in the butter cream composition obtained in Comparative Example 1, since the air bubbles of the fresh cream composition were fragile, the air bubbles were crushed during mixing, the specific gravity was heavy, and the melting in the mouth was slightly inferior. The shape retention at 25 ° C to 30 ° C was clearly poor.
[0040]
【The invention's effect】
According to the present invention, by using a sweetened whipped cream having a specific particle size, bubbles are not crushed at the time of addition and mixing, the specific gravity is small, the texture is light, and the mouth dissolves well and the shape retention is excellent. Butter cream composition can be obtained by a simple operation.