JP2004324065A - 移設可能な養生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】寒冷地における雪への対応を図りながら原子力関連施設等の大型現場において冬期期間中も作業できる環境に改善することで屋外での継続的建設工事を可能にする移設可能な養生装置を提供する。
【解決手段】本発明による移設可能な養生装置1は、四方に配置された鋼柱4と鋼柱4を上端6で結合するトラス5とから構成される架台ユニット2と、トラスの上弦材9に対峙する重ね置き受け部材8を周辺に備えトラスの上弦材9に着脱自在に設置する屋根ユニット3とから構成し、屋根ユニット3を周辺の重ね置き受け部材8に軒樋ヒーター20を装備したり、揚重機21での吊り上げと移設とを可能にしている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明による移設可能な養生装置1は、四方に配置された鋼柱4と鋼柱4を上端6で結合するトラス5とから構成される架台ユニット2と、トラスの上弦材9に対峙する重ね置き受け部材8を周辺に備えトラスの上弦材9に着脱自在に設置する屋根ユニット3とから構成し、屋根ユニット3を周辺の重ね置き受け部材8に軒樋ヒーター20を装備したり、揚重機21での吊り上げと移設とを可能にしている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は移設可能な養生装置に関し、特に、寒冷地における原子力関連施設等の大型現場において、冬期期間中も屋外での建設工事を可能にするように作業環境を改善した移設可能な養生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
寒冷地における原子力関連施設等の大型現場では、冬期期間中も建設工事が行われるが、冬期の12月〜3月における降雪日は、20〜30日/月であってほぼ毎日雪が降っており、降雨量に換算した場合には、1mm以上の降雨日が20日以上にもなる。従って、寒冷地における屋外での作業環境は極端に厳しく劣悪になり、特に、強い風が吹き付けられると体感温度が急激に低下して、作業に支障をきたすことになる。
【0003】
さらに、降雪があると配筋の間に雪が積って氷状になることから、融解または除雪をしなければコンクリートの打設ができな<なるという困難な問題を提起していた。
従来から、建築構造物、土木構造物等の作業現場等では、雨天時にも工事が進行できるように作業現場の環境を保持して作業性を向上させるために、簡易な防風足場を構築したいという要求が非常に多く、各種の屋根構造が提案されている。
【0004】
例えば、構造物の上部に取り付けられる防風足場として、構造物の上部に水平に対向配置される一対の支持梁とこの支持梁間に設けられた架設屋根テントとを備えた複数のユニット屋根を備えて置き、構造物の上部にこれらのユニット屋根を互いに隣接するよう並べて配設して、配設された各ユニット屋根の空間にはこれを覆う補助テントを設けていると共に、一対の支持梁には、支持梁の長さ方向に配置された2本のガイドレールとこれに沿って走行する開閉用トロリーとを設けており、屋根テントを開閉用トロリー間に配して支持梁の間に開閉可能に設けて、雨天時には支持梁間に設けられた架設屋根テントを閉鎖することで工事が進行できるように作業現場の環境を保持して作業性を向上させている。(例えば、特許文献1を参照)
【0005】
【特許文献1】
特開平8−144535号公報、(段落符号「0003」〜「0005」末行、「0007」〜「0009」末行、図1、2)
【0006】
しかるに、上記例では、寒冷地の雪への対応と原子力関連施設等の大型現場において屋外での建設工事を継続的にして冬期期間中も作業できる環境に改善することは不可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の状況に鑑みて提案するものであり、寒冷地における雪への対応を図りながら原子力関連施設等の大型現場において冬期期間中も作業できる環境に改善することで屋外での継続的建設工事を可能にする移設可能な養生装置の提供を目的にしている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による移設可能な養生装置は、四方に配置された鋼柱と該鋼柱を上端で結合するトラスから構成される架台ユニットと、トラスの上弦材に対峙する重ね置き受け部材を周辺に備え上弦材に着脱自在に設置する屋根ユニットとから構成することを基本にし、屋根ユニットを周辺の重ね置き受け部材に軒樋ヒーターを装備したり、揚重機での吊り上げと移設とを可能に構成することを特徴としている。これによって、寒冷地における雪への対応を図ると同時に、原子力関連施設等の大型現場においても冬期期間中に作業できる環境に改善することで、屋外での継続的建設工事を可能にしている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明による移設可能な養生装置は、四方に配置された鋼柱と該鋼柱を上端で結合するトラスから構成される架台ユニットと、トラスの上弦材に対峙する重ね置き受け部材を周辺に備え上弦材に着脱自在に設置し、周辺の重ね置き受け部材に軒樋ヒーターを装備したり、揚重機での吊り上げと移設とを可能に構成する屋根ユニットとから構成している。
以下に、本発明による移設可能な養生装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明による移設可能な養生装置の実施の形態を示す斜視図である。本実施の形態の移設可能な養生装置1は、架台ユニット2と架台ユニット2の上に着脱自在に設置されている屋根ユニット3とから一体に構成されており、架台ユニット2は、四方に配置されたH型鋼もしくは角形鋼管等から成る4本の鋼柱4をトラス5で上端部6を相互に結合している。そして、屋根ユニット3は、中央部に尖り状の屋根シート7が配置されており、屋根シート7は周辺に備えている重ね置き受け部材8に装着されているので、屋根ユニット3は、屋根シートと7重ね置き受け部材8とを一体にして移設させることができる。
【0011】
架台ユニット2と屋根ユニット3の詳細については、図1を(2)−(2)矢視した図2の断面図で説明する。
架台ユニット2を構成しているトラス5は、下弦材、ラチス材及びH形鋼から成る上弦材9から構成されており、上弦材9の上面フランジ10には、所定数の通孔11が形成されている。通孔11には、屋根ユニット3の取付けボルト12が配置されるものであり、架台ユニット2と屋根ユニット3とを取付けボルト12で一体に螺着している。
【0012】
屋根ユニット3の重ね置き受け部材8は、屋根シート7の下端部13を固定しており、架台ユニット2の上弦材9に対峙させた形態で屋根ユニット3と一体に配置されるH形鋼から構成されている。H形鋼のウエブ部分14には、支持パイプ15が配置されて屋根シート7の下端部13が固着されており、上下のフランジ16には、上弦材9の上面フランジ10に対応する所定数の通孔17が形成されている。
【0013】
通孔17は、架台ユニット2との取付けボルト12が配置されるが、取付けボルト12を開放させた場合には、架台ユニット2と屋根ユニット3とを分離させて屋根ユニット3を他の架台ユニット2に移設することを可能にしている。
【0014】
H形鋼のウエブ部分14の外側には、軒樋18が屋根シート7からの雨水を受けるように配置されており、水抜きパイプ19によって一旦内部側に導いた後、外部に排水できるように構成されている。
【0015】
又、軒樋18の内側には、軒樋ヒーター20を配置しておくことで屋根シート7からの雨水が氷状に固まるのを防止しており、屋根シート7の内側に配置した温風ヒーターからの送風で昇温させることによって融雪させながら形成される雨水を確実に導いている。
【0016】
図3、4は、本発明による移設可能な養生装置を大型現場において使用する状態を示しており、図3は平面図、図4は図3の平面図を(4)−(4)矢視した断面図である。
【0017】
原子力発電所・再処理施設等の大現場では、コンクリート打設量が非常に大きいために平面的にも打設区画を設定して高さ方向と共に段階的に建設が行われている。又、膨大な建設資材の搬入が必要であるためにタワークレーン等の揚重機21を有効に使えることが必要であり、図3の平面図が示すように建家コンクリート躯体22の全側面を建家外部足場23と先行立ち上げ防風シート24とから構成されている移動可能防風足場25で囲っている。
【0018】
又、建家コンクリート躯体22の上面には、コンクリート打設区画を考慮しながら揚重機21の設置区画26を除いて、電気温風ヒーターが付いた複数個の移設可能な養生装置1を設置している。揚重機21による荷取り時においては、1段下の荷取り作業区画27のように屋根ユニット3を架台ユニット2から分離させて、揚重機21によって吊り上げながら屋根ユニット3−1を他の移設可能な養生装置1の上に一時的に重ね置き3−2することによって整理するものであり、荷取り作業を効率的に行える体制を形成している。
【0019】
図4に示す断面図では、段差のある建家コンクリート躯体22の側面に配置されている移動可能防風足場25の形態と揚重機21及び移設可能な養生装置1の設置形態を明らかにしている。
揚重機21は、屋根ユニット3を一時的に撤去している設置区画26に設置されており、揚重機21には屋根ユニットを取り除いている設置区画26に雪や雨をできるだけ降下させないように脚部スカート28を設けている。
【0020】
荷取り作業区画27から揚重機21によって吊り上げられた屋根ユニット3−1は、想像線で示すように上段に配置されている移設可能な養生装置1の上に一時的に重ね置き3−2するものであるが、その作業工程は、既に配置されている移設可能な養生装置1の屋根ユニット3を構成している重ね置き受け部材8の上に、吊り上げられて来る屋根ユニット3−1の重ね置き受け部材8を重ね置き3−2して、屋根ユニット3の上フランジ16に形成されている通孔17と屋根ユニット3−1の下フランジ16に形成されている通孔17とを一致させながら取付けボルト12によって一体に螺着するものである。
【0021】
本発明による移設可能な養生装置を適用している原子力発電所・再処理施設等の大現場では、建家コンクリート躯体の上面に移設可能な養生装置を全面に配置すると共に、揚重機の設置区画と荷取り作業区画においては、移設可能な養生装置の架台ユニットから屋根ユニットを分離させられて他の位置の移設可能な養生装置の上に一時的に重ね置きすることで、全体の作業工程を効率良く円滑にしている。
【0022】
尚、揚重機21と移動可能防風足場25とは、躯体工事の進捗状況に応じて別の区画に移設しながら施工できるものであり、揚重能力が可能な場合には揚重機21を移動可能防風足場25の外側に設置することも可能である。
【0023】
以上のように、本発明による移設可能な養生装置は、実施の形態で説明したように構成されているので、冬期に施工養生を行うことによって現場の作業環境を改善しており、極低温時、積雪、降雨時においても快適な現場作業を可能にすると共に、従来から問題になっていた床ハッチ用開口、施工用仮設床開口等からの雨漏れ、水漏れの防止も可能になることから、冬期時の雨天、積雪による現場作業が不可能であった期間も施工できるので工程の短縮が可能となり、建築作業以外にも配管・配線等の機電側作業の環境も改善され、工期短縮に寄与することができる。
【0024】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による移設可能な養生装置は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、出願時において既に公知のものを適用することによる種々の変更が可能であることは、当然のことである。
【0025】
【発明の効果】
本発明による移設可能な養生装置は、四方に配置された鋼柱と該鋼柱を上端で結合するトラスから構成される架台ユニットと、トラスの上弦材に対峙する重ね置き受け部材を周辺に備え上弦材に着脱自在に設置する屋根ユニットとから構成し、屋根ユニットを周辺の重ね置き受け部材に軒樋ヒーターを装備したり、揚重機での吊り上げと移設とを可能に構成することを特徴としているので、下記のような具体的な効果を奏しながら寒冷地における雪への対応を図ると同時に、大型現場においても冬期期間中に作業できる環境を改善して屋外での継続的建設工事を可能にする効果を発揮している。
【0026】
▲1▼ 冬期に施工養生を行って現場の作業環境を改善する。
▲2▼ 極低温時、積雪、降雨時においても快適な現場作業を可能にする。
▲3▼ 冬期時の雨天、積雪によって現場作業が不可能であった期間も施工できるので工程を短縮できる。
▲4▼ 床ハッチ用開口、施工用仮設床開口等からの雨漏れ、水漏れを防止する。
▲5▼ 配管・配線等の機電側作業の環境も改善して工期の短縮に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による移設可能な養生装置の実施形態を示す斜視図
【図2】図1を(2)−(2)矢視した移設可能な養生装置の部分断面図
【図3】本発明による移設可能な養生装置を使用する状態の平面図、
【図4】図3を(4)−(4)矢視した使用状態の断面図
【符号の説明】
1 移設可能な養生装置、 2 架台ユニット、
3、3−1 屋根ユニット、 3−2 重ね置き、 4 鋼柱、
5 トラス、 6 上端部、 7 屋根シート、 8 重ね置き受け部材、
9 上弦材、 10 上面フランジ、 11、17 通孔、
12 取付けボルト、 13 下端部、 14 ウエブ部分、
15 支持パイプ、 16 フランジ、 18 軒樋、
19 水抜きパイプ、 20 軒樋ヒーター、 21 揚重機、
22 建家コンクリート躯体、 23 建家外部足場、 24 防風シート、
25 移動可能防風足場、 26 揚重機の設置区画、
27 荷取り作業区画、 28 脚部スカート、
【発明の属する技術分野】
本発明は移設可能な養生装置に関し、特に、寒冷地における原子力関連施設等の大型現場において、冬期期間中も屋外での建設工事を可能にするように作業環境を改善した移設可能な養生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
寒冷地における原子力関連施設等の大型現場では、冬期期間中も建設工事が行われるが、冬期の12月〜3月における降雪日は、20〜30日/月であってほぼ毎日雪が降っており、降雨量に換算した場合には、1mm以上の降雨日が20日以上にもなる。従って、寒冷地における屋外での作業環境は極端に厳しく劣悪になり、特に、強い風が吹き付けられると体感温度が急激に低下して、作業に支障をきたすことになる。
【0003】
さらに、降雪があると配筋の間に雪が積って氷状になることから、融解または除雪をしなければコンクリートの打設ができな<なるという困難な問題を提起していた。
従来から、建築構造物、土木構造物等の作業現場等では、雨天時にも工事が進行できるように作業現場の環境を保持して作業性を向上させるために、簡易な防風足場を構築したいという要求が非常に多く、各種の屋根構造が提案されている。
【0004】
例えば、構造物の上部に取り付けられる防風足場として、構造物の上部に水平に対向配置される一対の支持梁とこの支持梁間に設けられた架設屋根テントとを備えた複数のユニット屋根を備えて置き、構造物の上部にこれらのユニット屋根を互いに隣接するよう並べて配設して、配設された各ユニット屋根の空間にはこれを覆う補助テントを設けていると共に、一対の支持梁には、支持梁の長さ方向に配置された2本のガイドレールとこれに沿って走行する開閉用トロリーとを設けており、屋根テントを開閉用トロリー間に配して支持梁の間に開閉可能に設けて、雨天時には支持梁間に設けられた架設屋根テントを閉鎖することで工事が進行できるように作業現場の環境を保持して作業性を向上させている。(例えば、特許文献1を参照)
【0005】
【特許文献1】
特開平8−144535号公報、(段落符号「0003」〜「0005」末行、「0007」〜「0009」末行、図1、2)
【0006】
しかるに、上記例では、寒冷地の雪への対応と原子力関連施設等の大型現場において屋外での建設工事を継続的にして冬期期間中も作業できる環境に改善することは不可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の状況に鑑みて提案するものであり、寒冷地における雪への対応を図りながら原子力関連施設等の大型現場において冬期期間中も作業できる環境に改善することで屋外での継続的建設工事を可能にする移設可能な養生装置の提供を目的にしている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による移設可能な養生装置は、四方に配置された鋼柱と該鋼柱を上端で結合するトラスから構成される架台ユニットと、トラスの上弦材に対峙する重ね置き受け部材を周辺に備え上弦材に着脱自在に設置する屋根ユニットとから構成することを基本にし、屋根ユニットを周辺の重ね置き受け部材に軒樋ヒーターを装備したり、揚重機での吊り上げと移設とを可能に構成することを特徴としている。これによって、寒冷地における雪への対応を図ると同時に、原子力関連施設等の大型現場においても冬期期間中に作業できる環境に改善することで、屋外での継続的建設工事を可能にしている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明による移設可能な養生装置は、四方に配置された鋼柱と該鋼柱を上端で結合するトラスから構成される架台ユニットと、トラスの上弦材に対峙する重ね置き受け部材を周辺に備え上弦材に着脱自在に設置し、周辺の重ね置き受け部材に軒樋ヒーターを装備したり、揚重機での吊り上げと移設とを可能に構成する屋根ユニットとから構成している。
以下に、本発明による移設可能な養生装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明による移設可能な養生装置の実施の形態を示す斜視図である。本実施の形態の移設可能な養生装置1は、架台ユニット2と架台ユニット2の上に着脱自在に設置されている屋根ユニット3とから一体に構成されており、架台ユニット2は、四方に配置されたH型鋼もしくは角形鋼管等から成る4本の鋼柱4をトラス5で上端部6を相互に結合している。そして、屋根ユニット3は、中央部に尖り状の屋根シート7が配置されており、屋根シート7は周辺に備えている重ね置き受け部材8に装着されているので、屋根ユニット3は、屋根シートと7重ね置き受け部材8とを一体にして移設させることができる。
【0011】
架台ユニット2と屋根ユニット3の詳細については、図1を(2)−(2)矢視した図2の断面図で説明する。
架台ユニット2を構成しているトラス5は、下弦材、ラチス材及びH形鋼から成る上弦材9から構成されており、上弦材9の上面フランジ10には、所定数の通孔11が形成されている。通孔11には、屋根ユニット3の取付けボルト12が配置されるものであり、架台ユニット2と屋根ユニット3とを取付けボルト12で一体に螺着している。
【0012】
屋根ユニット3の重ね置き受け部材8は、屋根シート7の下端部13を固定しており、架台ユニット2の上弦材9に対峙させた形態で屋根ユニット3と一体に配置されるH形鋼から構成されている。H形鋼のウエブ部分14には、支持パイプ15が配置されて屋根シート7の下端部13が固着されており、上下のフランジ16には、上弦材9の上面フランジ10に対応する所定数の通孔17が形成されている。
【0013】
通孔17は、架台ユニット2との取付けボルト12が配置されるが、取付けボルト12を開放させた場合には、架台ユニット2と屋根ユニット3とを分離させて屋根ユニット3を他の架台ユニット2に移設することを可能にしている。
【0014】
H形鋼のウエブ部分14の外側には、軒樋18が屋根シート7からの雨水を受けるように配置されており、水抜きパイプ19によって一旦内部側に導いた後、外部に排水できるように構成されている。
【0015】
又、軒樋18の内側には、軒樋ヒーター20を配置しておくことで屋根シート7からの雨水が氷状に固まるのを防止しており、屋根シート7の内側に配置した温風ヒーターからの送風で昇温させることによって融雪させながら形成される雨水を確実に導いている。
【0016】
図3、4は、本発明による移設可能な養生装置を大型現場において使用する状態を示しており、図3は平面図、図4は図3の平面図を(4)−(4)矢視した断面図である。
【0017】
原子力発電所・再処理施設等の大現場では、コンクリート打設量が非常に大きいために平面的にも打設区画を設定して高さ方向と共に段階的に建設が行われている。又、膨大な建設資材の搬入が必要であるためにタワークレーン等の揚重機21を有効に使えることが必要であり、図3の平面図が示すように建家コンクリート躯体22の全側面を建家外部足場23と先行立ち上げ防風シート24とから構成されている移動可能防風足場25で囲っている。
【0018】
又、建家コンクリート躯体22の上面には、コンクリート打設区画を考慮しながら揚重機21の設置区画26を除いて、電気温風ヒーターが付いた複数個の移設可能な養生装置1を設置している。揚重機21による荷取り時においては、1段下の荷取り作業区画27のように屋根ユニット3を架台ユニット2から分離させて、揚重機21によって吊り上げながら屋根ユニット3−1を他の移設可能な養生装置1の上に一時的に重ね置き3−2することによって整理するものであり、荷取り作業を効率的に行える体制を形成している。
【0019】
図4に示す断面図では、段差のある建家コンクリート躯体22の側面に配置されている移動可能防風足場25の形態と揚重機21及び移設可能な養生装置1の設置形態を明らかにしている。
揚重機21は、屋根ユニット3を一時的に撤去している設置区画26に設置されており、揚重機21には屋根ユニットを取り除いている設置区画26に雪や雨をできるだけ降下させないように脚部スカート28を設けている。
【0020】
荷取り作業区画27から揚重機21によって吊り上げられた屋根ユニット3−1は、想像線で示すように上段に配置されている移設可能な養生装置1の上に一時的に重ね置き3−2するものであるが、その作業工程は、既に配置されている移設可能な養生装置1の屋根ユニット3を構成している重ね置き受け部材8の上に、吊り上げられて来る屋根ユニット3−1の重ね置き受け部材8を重ね置き3−2して、屋根ユニット3の上フランジ16に形成されている通孔17と屋根ユニット3−1の下フランジ16に形成されている通孔17とを一致させながら取付けボルト12によって一体に螺着するものである。
【0021】
本発明による移設可能な養生装置を適用している原子力発電所・再処理施設等の大現場では、建家コンクリート躯体の上面に移設可能な養生装置を全面に配置すると共に、揚重機の設置区画と荷取り作業区画においては、移設可能な養生装置の架台ユニットから屋根ユニットを分離させられて他の位置の移設可能な養生装置の上に一時的に重ね置きすることで、全体の作業工程を効率良く円滑にしている。
【0022】
尚、揚重機21と移動可能防風足場25とは、躯体工事の進捗状況に応じて別の区画に移設しながら施工できるものであり、揚重能力が可能な場合には揚重機21を移動可能防風足場25の外側に設置することも可能である。
【0023】
以上のように、本発明による移設可能な養生装置は、実施の形態で説明したように構成されているので、冬期に施工養生を行うことによって現場の作業環境を改善しており、極低温時、積雪、降雨時においても快適な現場作業を可能にすると共に、従来から問題になっていた床ハッチ用開口、施工用仮設床開口等からの雨漏れ、水漏れの防止も可能になることから、冬期時の雨天、積雪による現場作業が不可能であった期間も施工できるので工程の短縮が可能となり、建築作業以外にも配管・配線等の機電側作業の環境も改善され、工期短縮に寄与することができる。
【0024】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による移設可能な養生装置は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、出願時において既に公知のものを適用することによる種々の変更が可能であることは、当然のことである。
【0025】
【発明の効果】
本発明による移設可能な養生装置は、四方に配置された鋼柱と該鋼柱を上端で結合するトラスから構成される架台ユニットと、トラスの上弦材に対峙する重ね置き受け部材を周辺に備え上弦材に着脱自在に設置する屋根ユニットとから構成し、屋根ユニットを周辺の重ね置き受け部材に軒樋ヒーターを装備したり、揚重機での吊り上げと移設とを可能に構成することを特徴としているので、下記のような具体的な効果を奏しながら寒冷地における雪への対応を図ると同時に、大型現場においても冬期期間中に作業できる環境を改善して屋外での継続的建設工事を可能にする効果を発揮している。
【0026】
▲1▼ 冬期に施工養生を行って現場の作業環境を改善する。
▲2▼ 極低温時、積雪、降雨時においても快適な現場作業を可能にする。
▲3▼ 冬期時の雨天、積雪によって現場作業が不可能であった期間も施工できるので工程を短縮できる。
▲4▼ 床ハッチ用開口、施工用仮設床開口等からの雨漏れ、水漏れを防止する。
▲5▼ 配管・配線等の機電側作業の環境も改善して工期の短縮に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による移設可能な養生装置の実施形態を示す斜視図
【図2】図1を(2)−(2)矢視した移設可能な養生装置の部分断面図
【図3】本発明による移設可能な養生装置を使用する状態の平面図、
【図4】図3を(4)−(4)矢視した使用状態の断面図
【符号の説明】
1 移設可能な養生装置、 2 架台ユニット、
3、3−1 屋根ユニット、 3−2 重ね置き、 4 鋼柱、
5 トラス、 6 上端部、 7 屋根シート、 8 重ね置き受け部材、
9 上弦材、 10 上面フランジ、 11、17 通孔、
12 取付けボルト、 13 下端部、 14 ウエブ部分、
15 支持パイプ、 16 フランジ、 18 軒樋、
19 水抜きパイプ、 20 軒樋ヒーター、 21 揚重機、
22 建家コンクリート躯体、 23 建家外部足場、 24 防風シート、
25 移動可能防風足場、 26 揚重機の設置区画、
27 荷取り作業区画、 28 脚部スカート、
Claims (3)
- 四方に配置された鋼柱と該鋼柱を上端で結合するトラスから構成される架台ユニットと、該トラスの上弦材に対峙する重ね置き受け部材を周辺に備え該上弦材に着脱自在に設置される屋根ユニットとから構成される移設可能な養生装置。
- 屋根ユニットが、周辺の重ね置き受け部材に軒樋ヒーターを装備することを特徴とする請求項1に記載の移設可能な養生装置。
- 屋根ユニットが、揚重機での吊り上げと移設とを可能に構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の移設可能な養生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003116383A JP2004324065A (ja) | 2003-04-21 | 2003-04-21 | 移設可能な養生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003116383A JP2004324065A (ja) | 2003-04-21 | 2003-04-21 | 移設可能な養生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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